町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

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軽キャンカー特集

 一昨日、営業と取材を兼ねてお邪魔したディーラーのオーナーさんが、「うちも軽自動車をキャンピングカーを展示場に置いてみるか」と、半分本気で話されていました。
 そのショップは、キャブコン、バンコン、バスコン、トレーラーをバランスよく揃えているお店なのですが、今まで軽キャンカーにはあまり関心を示さなかったところです。

 しかし、「軽のキャンピングカーはないのですか?」と尋ねる来場者が目立って多くなってきているとか。
 ひとつの広告塔として、軽を置いてみるのも集客効果を高める方法かもしれないと考えられたようです。

 実際、軽キャンカーは、登録台数からいえば、まだまだハイエースクラスのバンコンやカムロードベースのキャブコンにはとてもとても及びません。
 しかし、人々の関心はとても高いジャンルです。
 現に、このブログでも相変わらず「軽キャンカー」という検索ワードでお越しいただく方のアクセスが他の言葉を引き離して、ダントツです。

CC広島・ピクニック ラ・クーン

 そんなブームを反映して、『キャンピングカー superガイド2007』では、私なりの軽キャンカー論を書いてみました。

 「論」などというと大げさですが、軽キャンカーが脚光を浴びる時代背景とか消費社会の動向を簡単に分析してみたつもりです。

 軽キャンカーがブームが注目されるきっかけは、いくつかのテレビ局から集中的に紹介されたことが発端でした。
 それまで「価格が高い、車体が大きい」というイメージで見られがちなキャンピングカーが、それにより、一気に身近な存在としてクローズアップされたことが大きいと思います。
  
 しかし、その背景には、普通の乗用車の世界で、もう時代をリードするような新ジャンルというものが、ここ数年生まれていなかったということがあるかもしれません。
 SUVもミニバンも、もう過去のもの。
 当初気持ちをワクワクさせてくれたそれらのカテゴリーも、今や市場に浸透しきって、生活必需品のような存在になっています。

 それに比べると、軽キャンカーというのは、久しぶりに登場した「遊びグルマ」の国民的な新カテゴリーなんですね。

 なんといっても、「軽自動車」という言葉の響きに付きまとっていた“貧乏くささ”が、楽しい遊びのアイデアを満載した軽キャンカーの登場によって、一気に払拭されたことが大きいように思います。
 軽自動車というジャンルを、ファッショナブルな遊びのアイテムとして確立したのが、軽キャンカーだという気がしてなりません。

 一口に「軽キャンカー」といっても、実は非常に複雑な車種構成になっているのが、このカテゴリーの特徴です。
 大きく分けると、キャブコン型とバンコン型があり、そのなかでも、普通自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の5ナンバー登録になるもの、さらに4ナンバー登録になるものに分かれます。
 それによって、自動車税や重量税もみな変わってきます。

テント虫 トライキャンパー

 今回の『キャンピングカー superガイド』では、そのあたりも分かりやすいチャートとしてまとめてみました。
 興味をお持ちの方は、手にとってみてください。
campingcar | 投稿者 町田編集長 11:52 | コメント(2)| トラックバック(0)

CSガイド発売!

 28日土曜日、『キャンピングカー superガイド 2007』の発売です。

07ガイド表紙

 この本は書店でも発売されていますが、キャンピングカーを売るディーラーさんでも扱ってくれるショップがあります。

 今日は、そのディーラーさんの1軒に行って、お店に置いてもらえるよう交渉に行ってきました。
 10冊のお買い上げ成立。
 うれしいですね。

 会社に帰ると、留守中、すでに3軒のショップさん計40冊の買取の連絡が入ってきたとか。
 昨日宅急便で発送したばかりだというのに。
 滑り出しは上々のようです。

 最近は、キャンピングカー販売店のスタッフも、このブログを読んでくださる方が多くなってきて、本自体に親しみを持ってくださる人が増えました。
 なかには、メディア向けのプレスリリースに、自社製品の紹介として、このブログで書かれた記事をそのまま転載してくださったメーカーさんもありました。

 ブログやってて良かったと、つくづく思います。

 2007年版の内容の一部をホームページでも公開しました。
 興味をお持ちの方は、こちらにもアクセスしてみてください。
http://www.campingcar-guide.com/rvguide/2007/index.html
 
campingcar | 投稿者 町田編集長 23:18 | コメント(6)| トラックバック(0)

GWはキャンプ

 ゴールデンウィークの後半は、いよいよキャンプです。
 ようやくだぁ!
 岐阜県の塔の岩オートキャンプ場。
 毎年GWは、TAS(トレイル・アドベンチャー・スピリット)というクラブからのご招待を受け、会員でもないのに、いつもこのミーティングには顔を連ねています。

 で、このミーティングが、例年私のキャンプの初日にあたります。
 それまでは、キャンピングカーに乗る機会はあっても、キャンプをしたわけではありません。
 『キャンピングカー スーパーガイド』の編集時期に当たる冬から春というのは、自分のキャンピングカーは冬眠状態。
 ま、ようやく私のキャンピングカーも冬眠から覚めて、穴から這い出したクマのように、眠い目をこすっている雰囲気です。

 4月後半から11月後半までが、私のキャンピングカーの稼動期間というわけで、なんだかプロ野球のシーズンを思い出させてくれます。

campba

 でも、問題がまったくないわけでもないのです。
 介護の問題。
 定年を迎えた団塊の世代の夫婦二人旅が脚光を浴びていますが、この世代というのは、介護しなければならない親を抱えている場合も多いのです。

 わが家にも、車椅子生活を余儀なくされている義母がいるのですが、旅行中その介護をどうするか。
 今の時期、臨時で受け入れてくれる介護施設は満杯の場合も多く、かといって、ヘルパーさんをやとって家に置いて出かけてしまうのもしのびなく、どうしたらいいのか、いつも悩んでしまいます。

 車椅子を楽に搭載できるようなキャンピングカー。バリアフリーのキャンプ場。
 団塊世代の「くるま旅」が盛んになってくると、次にはそういう問題も真剣に考えていかざるを得ない時期も迫ってきているようです。

旅&キャンプ | 投稿者 町田編集長 23:43 | コメント(0)| トラックバック(0)

昨日の続き

《マイク真木さんの対談企画》

【A】 さて、揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出した町田編集長をまた呼び出して、昨日の続きをやりますが…
【町田】 何やるの?
【B】 『キャンピングsuperガイド2007』の内容紹介ですよ。
【町】 もうだいたい話したよ。
【C】 今回後半部分に、マイク真木さんと日本RV協会会長の対談が載ってますよね。これはRV協会の広報誌『くるま旅』3号と内容が重複してますが、この本にも載せちゃっていいんですか?
【町】 だって、あの対談まとめたのはボクだもの。

マイク真木氏

【A】 マイクさんって、どんな人なのか、そこを知りたい。
【町】 すっごくいい人! いいことしゃべるよ。
【B】 おいくつぐらいの人なんですか?
【町】 1944年生まれというから、もう63歳だよね。だけど、いまだにアウトドアの現役。キャンプもやればサーフィンも楽しむ。船にも乗っている。
 千葉の九十九里に家を持っていて、ゲストハウスなんか手作りで作ってしまうし、お米も作ったりしている。時間があれば絵なんかも描いているしね。
【C】 枯れてないんですね。
【町】 とんでもない! 60代になってもジーンズが似合う最初の世代だよね。

【A】 町田さんなんかは親しみを感じる世代なんでしょうけれど、若い人は、知らない人もいるんじゃないですか?
【B】 いや、10年くらい前かな、「ビーチボーイズ」って、テレビドラマで民宿を経営しているサーフィン好きのオヤジの役をやっていたじゃない。
【C】 反町隆史、竹之内豊、広末涼子なんかが出ていたやつね。
【B】 だから、けっこう知っている若い人も多いんじゃない?
【町】 ドラマまんまのような生活を楽しんでいる人だよね。まぁ、僕らの世代になると、「バラが咲いた」のヒット曲をとばした日本最初の国民的フォーク歌手として有名な人なんだけどさ。

【A】 キャンピングカーなんかもお好きな方ですよね。
【町】 そうそう。確か最初の奥さんとの新婚旅行はモーターホームを使って長期旅行を楽しんでいるよね。
【B】 RV協会の会長さんとの対談って、どんなふうに進行したんですか?
【町】 要は、これから定年退職を迎える団塊の世代へ向けたひとつのライフスタイルの提言なんだよね。
 「スローライフ」とか「ロハス」などという言葉が生まれる前から、マイクさんはそういうスタイルの生活を楽しんでいたわけじゃない。どうしたら、そういうライフスタイルを取り込むことができるか。言葉でいうと、簡単だけど、なかなかむずかしいのよ。

【B】 極意があるんですかね。
【町】 そこなんだよね。そもそも「極意」なんてしゃっちこばっていたら、スローライフなんていう概念の正反対の方向に向かってしまう。
 対談のなかで繰り返しマイクさんが言っていたのは「成り行きまかせの人生」という言葉なんだよね。
 そもそも「バラが咲いた」というヒット曲も、マイクさんが必死になって売り込んだ曲じゃないんだよね。
 彼は、たまたまある歌手の代役としてデモテープを作っただけだったんだって。
 そうしたら、プロデューサーの人が「こっちの歌の方がいいよ」ってんで、自分の知らないうちに歌手にされてしまったらしい。
 スキー場のバイトから帰ってきたときに、クルマの中でラジオを聞いたら、自分の歌が流れているのでビックリしたと話していたよ。

【A】 才能のある人はいいな。
【町】 でも、その才能に頓着せずに、淡々と生きてきたというのが、あの人の持ち味だよね。
 覚えているかな…、1970年代のテレビコマーシャルでさ、「気楽に行こうよ、俺たちは…」っていう歌があってさ。ガス欠したクルマを鈴木ヒロミツさんが押しながら、「のんびり行こうよ、俺たちは」って歌っているの。

【B】 「気楽にいこう」という曲ですね。
【町】 そう。あれもマイクさんの作った歌なんだけどさ。彼はその歌のとおりに生きてきたような人だよね。
【C】 だからこそ、このせちがらい世の中では輝いているんだ。
【町】 いいこというね。そう、ボクたちがスピードをあげて追い求めてきた文明の進歩が裏目に出そうな時代になってくると、「のんびり行こうよ」というメッセージは、案外鋭い切れ味を秘めてくるような気がするよね。
 対談で収録されていない話で、けっこう面白いものがあるんだけど、それを話すとなると、また長くなるから…

【A】 あ、また揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出す気ですね。
【町】 いや、ちょっとオシッコ。
【B】 また、逃げちゃった。
campingcar | 投稿者 町田編集長 20:52 | コメント(2)| トラックバック(0)

2007年版の紹介

《キャンピングカーsuperガイド2007年版》

07ガイド表紙

【A】 『キャンピングカーsuperガイド2007』が、今週の28日の土曜日に発売されることになりましたが、編集長の町田さんにご登場いただき、今回のガイドの特徴などを話してもらいたいと思います。
【町田】 あらたまってそう言われると、何をどう話せばよいのやら。
【B】 苦労話をひとつ。
【町】 揚げ煎餅を食いすぎて胃をやられた。
【C】 いや、そういうことじゃなくて、どういうクルマの取材が大変だったとか。
【町】 みんな大変よ。今年はバンコンが多かったから、個々のクルマの特徴などをどう表現するか。そこが苦労したところやね。
【A】 けっこうレイアウトなど、同じ感じのものが増えましたものね。

【町】 使いやすいレイアウトって、ある程度決まっちゃっているのね。後は微妙な造り込みのところ。それと装備類と価格のバランス。
【B】 各社とも技術力が向上してきているから、微妙な差異というものが分かりづらくなってきてますね。
【町】 いやぁ、それでもそれぞれ個性があるよ。どのメーカーも、こだわりの部分をしっかり主張するようになったしね。断熱に対する工夫とか、シートの抗菌処理とか、目に見えない部分でものすごく進化しているよね。記事にするとき、そこをどう描くか。

【C】 町田さんの記事って、基本的にどのクルマも一様に誉めてますよね。メーカーサイドは喜ぶけれど、購買者の立場に立っていないという批判もある。
【町】 痛いところを突くね。…だけど、今回180車に絞ったけれど、すべて厳選された車種構成になっていると思うよ。
 キャンピングカーの評価って、ホントにユーザーが何を求めるかによって違ってくる。
 自分の好みで言ってしまえば、「オレだったら、これは買わない」というクルマだってある。
 だけど、視点を変えれば、そういうクルマにも絶対的な存在意義ってのがあるわけ。
 自分と違う使い方を求めていたり、自分と違う価値観を持っている読者の気持ちにいかにシフトしていけるか。
 そこは想像力の勝負になってくる。

【A】 そういう好みを強く打ち出していく編集方針だってあるんじゃないですか?
【町】 でも、個々のクルマを見ていると、面白いんだよね。なぜ、そういうコンセプトが生まれてきたのか。一見トンチンカンに見えても、考えていくと腑に落ちることがある。
 なかには、開発者の思惑通りには売れないだろうな…というものがあるけれど、その可能性の部分に惚れ込むと、開発者になりかわってその部分を主張したくなってしまうのよ。
 そういうクルマって、100人のうちの80人は買わないかもしれないけれど、残った20人は絶対ハマるっていう魅力があるわけ。
 それはキャンピングカーならではの世界なんだよね。そういう世界を描くことが面白いと思っている。

【B】 けっこう趣味的に仕事をしていますね?
【町】 いえいえ、ちゃんとバイヤーズガイドになるように、客観的に書いてますよ。
【C】 昔、あるメーカーの社長さんが、「これ読み物として面白いよな」と感心していたとか。
【町】 そうそう。バイヤーズガイドではあっても、読み物として面白くないと駄目だと思っているところはある。
 キャンピングカーって、乗用車にない夢の部分をたくさん盛り込んだクルマじゃない? だからまず夢として、「このクルマを買ったら、どんな世界が広がるんだろう」って、読者がワクワクするような記事になっていないと駄目だと思うんだよね。
 だから1台書き終わると、頭を切り替えて、次のクルマの記事を書くときは、それを本当に買う気持ちになって内容を考えるもの。
 今の自分のキャンピングカーライフは、ペットとカミさんの“2人旅”なんだけど、もし自分が小さい子供のいるお父さんになったら、このクルマはどんなふうに見えるのかな? …なんてね。

【A】 今回、ホントに買いたいなと思ったクルマは何なんですか?
【町】 いいこと聞くねぇ。だけど公平さを欠くので、ここでは言えない。読んでくれた人には分かるかもしれない。
【B】 またはぐらかす!
【町】 ブログで書くよ。
【C】 これ、ブログですよ。

【A】 町田さんって、自分のクルマのことはホントに触れないですね。あまり気に入っていないんですか? 名前すら出したことないですよね。
【町】 いやぁ、好きなのよ、自分のクルマ。それはそのうち写真入で公開するよ。
【B】 一部では有名ですよ。ヘソ曲がりの好きなクルマだって。
【町】 却下! 今日のテーマからズレました。

【C】 あ、どこへ行くんですか?
【町】 揚げ煎餅を取りに…
【A】 すぐ逃げる。
【B】 では、続きは次回ということで。
campingcar | 投稿者 町田編集長 21:39 | コメント(0)| トラックバック(0)

優雅なる冷酷

 暇ができたので、若い頃に読んだ塩野七生さんの『チェーザレ・ボルジア 優雅なる冷酷』を読み返しているのだけれど、実に面白い!

 塩野さんの現在のお仕事の中心となっているのはローマ史だが、若い頃に書かれた、一連のルネッサンスものも、なかなか捨てがたい魅力を放っている。
 特に、1人の人物を取り上げた伝記となると、この 『優雅なる冷酷』 が白眉となるように思う。

優雅なる冷酷

 チェーザレ・ボルジアは、イタリア・ルネッサンス期を代表する武人・政治家だが、その名は狡猾な殺人者という「負」のイメージを背負わされて、人々の記憶に刻み込まれてきた。
 そして、今でもイタリア史を知る者にとっては、塩野さんの著作を読まない限り、冷酷非情な悪人であり続けているはずだ。

 しかし、塩野さんは、そのチェーザレの冷酷さに「優雅なる」という冠をかぶせた。そして、彼の持つ「悪」に、崇高さと美しさを与えた。

 20代に初めてこの本を読んだとき、体が戦慄するほどの感動を覚えた。
 しかし、30代に再読したとき、感動した自分が恥かしくなるほど興ざめして、途中で投げ出したこともあった。

 社会を観念的に捉えてしまう20代と比べ、職場に出て、現実社会との折り合いを学び始める30代は、頭の中がロマン脳からビジネス脳に変っている。
 ビジネス脳状態になってしまうと、あの塩野さんの華麗な文体は、「気取った絵空事」にしか見えなくなるときがある。

 しかし、いま50代になってもう一度読みかえしてみると、これはやっぱりすごい本だと分かってくる。
 さすがに「戦慄するほどの感動」とまではいかないが、血液中のアドレナリンが沸騰してくるのを覚える。
 「作者と主人公がデキている!」
 下世話な表現を使うと、そういう感じなのだ。
 
 つまり、塩野七生さんが、まだ若くてセクシーな身体をチェーザレに向かって投げ出し、そして、相手からもたっぷりと愛を授けられたと言いたくなるほどの“官能性”を、この物語は漂わせている。
 それほど、ここに登場するチェーザレ・ボルジアという青年は、惚れ惚れするくらい美しい。

 チェーザレ肖像

 読んでいて感じるのは、司馬遼太郎氏が『国盗り物語』や『新・太閤記』で描いた織田信長とチェーザレが、非常に似ていることだ。
 チェーザレと信長は、そのキャラクターや世界観・美意識などが、どちらが片方の生まれ変わりではないかと思えるほど、そっくりである。

 「執念深くて、冷酷」
 「誇り高くて、残忍」
 そういう負のオーラをたくさん放ちながら、
 「時代の先を見通す想像力」
 「無から有を生み出す構想力」
 「素早い決断力」
 など、英雄にとって不可欠とされる資質を、この2人は持ち合わせている。

信長肖像

 そういう人物を描くときの塩野さんと司馬さんの方法論も、まったく同じだ。
 チェーザレも信長も、ともに「寡黙で行動的」な男たちである。
 つまり、彼らの心の流れは、外からはつかめない。

 塩野さんと司馬さんは、ともに、主人公を描くとき、その行動だけをハードボイルドタッチで描き、心の動きは第三者に語らせるという手法を採った。
 例えば、司馬遼太郎は、秀吉や家康の口を借りて、
 「殿のことだ。きっと、お怒りになっているに違いない」
 「信長殿の性格からすれば、一刀両断のご成敗となろう」
 などと、第三者の観察から読者に「信長」の心の形を推測させる。

 塩野さんの場合は、ある章において、マキャベッリという政治理論の天才をチェーザレの観察者に配した。そして、マキャベッリとの関わりのなかで、チェーザレの戦略や思想を浮き上がらせていく。

マキャベリ

 『優雅なる冷酷』でもっとも盛り上るのは、第二部「剣」の終盤部分である。
 チェーザレが、自分に反乱を起こした傭兵隊長たちを見事な詐術にかけて殲滅させていくくだりだ。

 傭兵隊長たちと講和を図るように見せかけたチェーザレは、彼らを油断させて捕らえ、一気に処刑してしまう。
 後世の歴史家たちは、それを卑怯で冷酷なやり方だと批判した。
 しかし、塩野さんは、そこにこそ、マキャベッリをして、チェーザレを『君主論』のモデルにせざるを得ないような、チェーザレの凄みを見出す。

 反乱を鎮圧したチェーザレは、その歴史的な謀略の一部始終を見ていたマキャベッリに向かって、こういう。

 「これでイタリアの不和の源を滅ぼした」
 「イタリア?」
 思わず、マキャベッリが聞き返す。
 「そうだ。イタリアだ」

 その後を、塩野さんは次のように表現する。

 「イタリア。この言葉は、何世紀もの間、詩人の辞書以外には存在しなかった。
 マキャベッリの知り合ったどの人物も、その地位の上下を問わず、誰一人この言葉を口にした者はいなかった。
 当時のイタリアには、フィレンツェ人、ヴェネチア人、ミラノ人、ナポリ人はいても、イタリア人はいなかったのである」

 うまい文章だ。
 さらに、塩野さんは続ける。

 「イタリアの統一は、チェーザレにとっては使命感からくる悲願ではない。あくまでも彼にとっては野望である。
 チェーザレは、使命感などという弱者の武器、というよりも拠りどころを必要としない男であった。
 マキャベッリの理想は、チェーザレの野望と一致したのである。
 人々がやたらと口にする使命感を、人間の本性に向けられた鋭い現実的直視から信じなかったマキャベッリは、使命感よりいっそう信頼できるものとして、人間の野望を信じたのである」
 
 レトリックのお手本ともいえる名文!

 これは塩野さんの本を読んで初めて知ったことだが、あの「ダ・ヴィンチコード」で有名なレオナルド・ダ・ヴィンチは、一時チェーザレの軍事顧問として、チェーザレの要望に応じ、要塞や新しい武器の設計に携わっていたらしい。

レオナルド肖像

 平和を愛するはずの芸術家が、残忍な人殺しとして有名なチェーザレに手を貸していたことを認めたがらない日本人も多いと聞くが、塩野さんに言わせると、そういう人は「イタリア・ルネッサンスの何たるかを知らない」ということになる。

 塩野さんは、レオナルド・ダ・ヴィンチとチェーザレの共通点に関して、次のように語る。
 「二人とも、自己を絶対視する精神を持つことで、彼らは宗教からも倫理道徳からも、完全な自由を獲得していた。
 そういう精神の自由は、究極的にはニヒリズムに通ずるが、その精神を極限で維持し、それを積極的に生きていくためには、強烈な意志の力を持たねばならない。(ダ・ヴィンチとチェーザレの)二人にはそれがあった」

 野望、ニヒリズム。

 一般的にはネガティブな響きを持つ言葉を逆手にとって、むしろ積極的な意味を与えていこうとするところに、塩野さんのレトリックの核心がある。

 そして、塩野さんがチェーザレの「野望」と「ニヒリズム」に意味を与えたとき、イタリア史上もっとも冷酷非情な人間と嫌われた青年は、「世界の英雄」の座に向かって駆け上っていったのである。

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音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 00:26 | コメント(2)| トラックバック(0)

本屋を覗く

 皮肉なことに…というか、本を作る仕事しているというのに、その渦中にいると、本屋を覗く時間が取れない。一冊仕上げたことによって、ようやく本屋を覗く時間ができた。

 通勤客がどっと電車からはき出されてくる夕方のターミナル駅の構内の書店は、それ自体が満員電車のような賑わいを見せていた。
 雑誌コーナーなど、立ち読みの人が垣根を作っていて、近寄ることすらできない。
 活字離れが進行しているという報道を恒常的に聞く時代となったが、この書店の人だかりを見るかぎり、まだ本の時代が衰退している感じは受けない。

 それにしても、団塊の世代をターゲットにしたようなムック、雑誌類が増えた。
 当然気になるので、気づいたときは手にとってみる。
 しかし、なかなかお金を出して買いたいというものが見つからない。

 どれも、何かピントがずれている。

 若い編集者が、マーケット調査を手がかりに企画を練るせいだろうか。
 みな判で押したように同じ調子。

 団塊世代というと、みなビートルズと学生運動に熱中していたという図式はいい加減にやめてもらいたいと思う。
 
 そんななかで、たまたま手に取った1冊。
 「文芸春秋」の5月臨時増刊号。
 「黄金の10年へ」
 というサブタイトルが付けられていた。

文芸臨時

 黄金の10年というのは、リタイヤした団塊世代のこれからの10年を例えるときの常套句で、それ自体が陳腐このうえないのだが、こいつは買ってしまった。

 なんといっても、塩野七生のインタビューが載っている。
 ルート66を特集した音楽コーナーで執筆しているのは片岡義男。
 村松友視が対談で取り上げている人物が吉行淳之介。

 やっぱりこういう内容だとすんなり買ってしまう。

 帰りの電車の中で読み始めた。
 塩野七生さんが、全15巻におよぶ『ローマ人の物語』を書いた動機を話している。
 イタリアというと、歓楽の好きな“ちょいワルオヤジ”が跳梁跋扈する国と思われがちだが、塩野さんによると、
 「イタリア人は、二度にわたって世界に大きな影響を与えた世界でも類例のない民族」なんだそうだ。
 その二度とは「古代ローマ帝国とルネッサンスだ」とも。
 そして、
 「今の時代は、西欧の価値が機能しなくなったいう意味において、二度目のローマ帝国崩壊時ではないかと考えている」
 という。

 古代ローマ文化というのは、キリスト教的な価値観が西欧を埋め尽くす前の世界的な価値基準を示す文化だった。
 21世紀というのは、統一的な価値基準が、みるみる崩壊していく時代でもあり、確かにローマ帝国末期というたとえも有効であるように思う。

 そういう混乱の時代を嘆く声も多いが、混乱の時代だからこそドラマもいっぱい生まれる。

 塩野さんがかつて扱っていたルネッサンスというのも、ある意味で混乱の時代だった。
 ルネッサンスといえば「古典文化の復活」などと言われ、新たな秩序形成の時代のようの捉われがちだが、実はキリスト教文化の崩壊による混乱期の別名に他ならない。

 だからルネッサンスも面白い。
 今夜から久しぶりに昔読んだ塩野さんの本をひも解こうかと思う。
 
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 21:57 | コメント(2)| トラックバック(0)

セミナーに参加

 キャンピングカーの普及をテーマにしたセミナーに呼ばれ、パネラーの1人として、今年発行された「キャンピングカー白書」を分析するフリートークに参加することになりました。
 急なことだったので、頭の中は白紙状態。
 今、あわてて資料作りを終えたところです。

 日本RV協会さんが発行された「キャンピングカー白書」というのは、業界にとっても初の試みなわけですが、考えてみれば、これは画期的なことです。

 キャンプやアウトドアをテーマにした白書というのは、今まで日本オート・キャンプ協会さんが出されていた「オートキャンプ白書」が唯一のものでした。
 しかし、肝心なキャンピングカー事業者の調査が進んでいなかったため、国内でキャンピングカーが年間どのくらい生産されているのか、あるいは市場に出回っているキャンピングカーの累計が何台ぐらいなのか、その実態が明らかになることはありませんでした。

 キャンピングカーメーカーの集合体である日本RV協会さんでも正確な数が把握できていなかったわけですから、これは無理からぬことですね。

 その正確な数字をまとめたのが、この2月に出された「キャンピングカー白書」です。
 
 白書では、そのほかに現在のキャンピグカーユーザーの使用実態なども浮き彫りにしています。
 とても面白い内容です。

 セミナーが開かれるのは、明日の午前中。
 これから新幹線に乗って出発です。
 おっと、急がないと乗り遅れるぞ! 
 
campingcar | 投稿者 町田編集長 12:16 | コメント(0)| トラックバック(0)

4月28日発売!

 今日はこれから印刷所で、『キャンピングカーsuperガイド2007』の出張校正です。
 出張校正というのは、初稿に赤字を入れたものが正しく修正されているかどうか、それを印刷所に出向いて確認する作業のことですね。

 最後の踏ん張りどころです。
 この作業が終わると、いよいよ後は、本が刷り上ってくるのを待つだけ。

07ガイド表紙

 ところで、発売日が2日ほどズレてしまいました。
 当初予定していた4月26日というのは、各出版社さんからの新刊ラッシュで、取次店さんがパンク寸前なのだとか。
 
 配本が集中すると、なかには、書名も内容もチェックされることなく、箱ごと発売元に戻されてしまう本もあるそうです。
 「ジェット返品」
 という、この業界の専門用語がありますけれど、そのジェット返品にならないように、その日を避けた方がいいというアドバイスが、発売元のブッキングさんからありました。

 そのため『キャンピングカーsuperガイド』の発売は、4月28日となりました。
 もうゴールデンウィークに入った土曜日なんですが、首都圏の大型書店さんでは書棚に並び始めると思います。

 地方の中小の書店さんでは、ゴールデンウィークの中頃になるかもしれません。
 興味をお持ちの方は、本屋さんに出向いたついでに手にとってみてください。
 発売元はBOOKING(ブッキング)。定価は2,100円(税込み)です。

 ところで、この土日は完全休養日。
 久しぶりに、家に戻って自分のベッドで眠ることができました。
 なんだか起きるのが辛いですね。
 会社のフロアに段ボールを敷いて、寝袋にくるまって寝ている方がパッと起きられます。

 久しぶりに家で寝たら、目覚めると、虚脱状態。
 オフになったら部屋のCDや書籍の整理も、キャンピングカーの掃除も…などと計画していたのですが、ついつい体を動かすこともなく、漫然とテレビを見たり、放心状態で窓の外を眺めたりしているうちに終わってしまいました。
 
 パソコンのスイッチを入れることもなかったので、ブログも2日間お休み。
 
 しかし、今日からまた力(りき)を入れて、動かないと。
 それでは、出張校正に行ってきます!
ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 11:39 | コメント(4)| トラックバック(0)

新展示場 花盛り

 春たけなわ。
 キャンピングカー販売店も、新しいショールームや展示場がのきなみオープンしています。

 先月の31日には、ロータスRV販売さんの奈良営業所がオープンしました。三重営業所に続き、西日本に確実に営業展開を進めているロータスさん。軽キャンカーの品揃えもあっという間に増え、扱い車種も充実。2007年はロータスさんの年になりそうな勢いです。

ロータス奈良

 新しい展示場は、第2阪奈道(学園中町IC)より3km。西名阪(郡山IC)より25号で6km。アクセスは抜群です。
 400坪の敷地には同社の人気モデル、ニューモデルのほか、他社取り扱い車種や中古車も多数展示され、なかなかの充実ぶり。
 オープン日にはなかなかの賑わいを見せたようです。


 エアストリーム・ジャパンさんも新ショールームをオープンしました。
 埼玉県のJR新座駅前に今日オープンした「CKスクエア」。新ショールームはその1階。さらに8階には「エアストリームカフェ」もオープンとか。
 こちらは、私の家からも近いので、カメラを下げて見学に行こうかと思っています。
 とりあえず、送られてきたショールームの最新画像をご紹介。

エアスト1 エアスト2
campingcar | 投稿者 町田編集長 23:27 | コメント(0)| トラックバック(0)

ステージアップ

 北米モーターホームを中心に、幅広くキャンピグカーの修理を専門に行っている会社「ステージアップ」の札幌店がオープンするという案内が今日届きました。

 北国では、北米系モーターホームを手がける専門店が少ないだけに、これは貴重なメンテナンススポットになりそうです。

 この「ステージアップ」というショップは、軽自動車のワンボックスカーを利用した出張サービスを得意とする会社です。

ステージアップ修理車

 今までも、北は北海道から、南は中国・四国まで、モーターホームの緊急トラブルに現地まで出向いて修理を行っています。
 費用は、修理代+出張費+交通費だそうですが、ほとんどその場で直してしまうというのが売り。

 電話やメールのやりとりだけで、直ってしまう故障もありますから、緊急トラブルが発生した場合は、ここに連絡を取って、相談してみるのも手かもしれません。

 ステージアップの代表者は宮嶋正英氏。
 北海道の運営を行うのは、鳥山宙氏。

 2人とも、日本でも有数な北米系モーターホームのプロですね。
 なんたって、あの戸川氏が経営していたアイシィー・トレックスの創業期の頃からのメンバーなんですから。

 だから、宮嶋氏とは、もう私も10年以上のつきあいになります。

BCバーノン芝生 

 新しくオープンする札幌店は、モーターホームでの宿泊も可能だとか。
 本州から北海道へ旅行に出かけた人たちへの「メンテナンス・情報スポット」としても機能したいと張り切っているようです

 私も、北海道に旅するときは、顔を出してみようと思っています。
campingcar | 投稿者 町田編集長 23:13 | コメント(2)| トラックバック(0)

顔写真のご紹介

 『キャンピングカーsuperガイド2007』の校正がやっと一段落して、いま印刷所さんから派遣されて引き取りに来るバイク便を待っているところです。

 怖いんですよ。
 間違い箇所の見落としがないかどうか。
 いつもこの時期は、そういう不安が残ってしまいます。

 そこで、今回は印刷したときの状態が分かるように、出力された校正紙をPDFファイルに直して、各事業者さんにメールで送り、最終チェックをしてもらうことにしました。
 画像などが正しく入っているかどうか。内装写真の点数などが多いと、こちらでも見落としてしまうこともありますからね。

 すると、「写真を差し替えてくれ」という希望がけっこう入ってきたりします。
 こっちは、「間違った画像が入っていたのか?」とヒヤっとするのですが、
 「いま載っている、ボクの顔写真変えてくれる?」
 とかいう希望がけっこうあるんですね。
 
 この本は、クルマを開発したり、販売したりする担当者のコメントを顔写真入りで紹介しています。

 担当者のなかには、クルマの記事よりも、どんな自分の写真が紹介されるのか、そっちを気にされる方もいらっしゃるようで。

 「あの、○○ページと、○○ページの2ヶ所にボクの顔が出てくるんですけど、福山雅治に似ている方に統一してくれますか?」
 「……」
 どっちだよ?

 マジにそんなやりとりがあったりして。

 昔、この本で紹介したある女性の画像を気に入った読者がいて、ストーカーみたいに、求婚の電話ばかりかかってきた、…なんて話もありました。

 この本を片手に販売店を訪れた顧客が、担当者を前にして、
 「あ、同じ顔をしている!」
 と叫んだという話も。

 ま、担当者の顔写真を掲載することは、いろいろな話題づくりに貢献しているようです。
 今年は、どんなスタッフが顔を揃えるのか。
 皆さまもそれを楽しみにしてください。

 
ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 23:14 | コメント(2)| トラックバック(0)

午後の最後の芝生

 『キャンピングカーsuperガイド2007』の校正も、あと販売店紹介ページの部分がいくつか残されているというところまで漕ぎ着けたわけですが、予定より4日ぐらい遅れている計算。
 今年はかなり押したスケジュールだったので、印刷屋さんにも相当負担をかけたようです。

 「間に合うんだろうか?」

 今までは、自分の仕事の進み具合を心配してこぼしていたこのセリフが、今は印刷屋さんに向けてこぼれるようになりました。

 まだまだ、再校に向けて相当な仕事量が残っているのですが、頭のなかには次第に「オフ」のイメージが広がっています。

 こういうとき、漠然と脳裏に浮かんでくるイメージは「午後の最後の芝生」。

芝生1

 芝生のきれいなフリーサイトにキャンピングカーを止め、椅子を持ち出して、芝生の果てまで伸びていこうとする木の影を、じっと眺めているという情景が、いつもこの時期には頭に浮かんできます。

 人をキャンプに誘うときの言葉も、
 「芝生に落ちる木の影を眺めながら、まだ日のあるうちからビールなんてどう?」
 というセリフが、つい口をついて出てしまいます。

 なんでなんだろうな…と思うのですが、
 たぶん村上春樹の『午後の最後の芝生』という短編小説の影響なんだろうという気がしているのです。

 午後の最後の芝生

 なんて素敵な言葉だろう!
 って、思いませんか?

 午後から夕方にかけての微妙な時間の変化が、その一言で鮮やかに伝わってきます。
 夕陽を浴びて、キラキラと踊る尖った芝生の葉の輝き。
 その上に影を伸ばす、木の葉のざわめき。
 吹き渡る風。

 こんなタイトルを思いつくだけでも、村上春樹は天才的な詩人のように思えます。
 もちろん短編小説としての出来映えも秀逸。
 ずっと昔に読んだために、実はどんな話か細部まで覚えていないのですが、そこに描かれる芝生の鮮やかなイメージだけは、いつまで経っても消えない熱い火照りとなって、体が記憶しています。

 木の影が、芝生の上に長く伸びていくイメージが心に広がり始めると、ようやく、私の仕事も終わりが近づいてきたことになります。

ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 21:17 | コメント(6)| トラックバック(0)

レンタルも大人気

 東京の代々木公園で、日本オート・キャンプ協会さんが主催される「アウトドア2007」が開催されています。

 行ってきましたよ!
 『キャンピングカー superガイド2007』の校正を、途中でほったらかしにして。
 まだ、150ページ分の作業量が残っているというのに。

 ま、代々木公園というのは、電車に乗れば会社から30分圏内です。
 昼ご飯を食べに出たついでみたいなもの。
 ずっと泊まり込みが続いているので、気分転換です。

 いろいろなキャンプ用品店さんやキャンプ場さんの出展があって、けっこうにぎやかでした。

アウトドア2007全景


 桜の花も散り始め、いよいよ新緑の季節に向かってスタートという感じです。
 アウトドアシーズンの到来を感じさせる1日でした。

アウトドア2007桜

 キャンピングカーのレンタカー業務を運営している「アールフォー(R4)という会社が出展していたので、取材してみました。

R4ブース

 社長の酒井さんです。

R4酒井

 R4がキャンピングカーのレンタルを開始したのは一昨年。ところが、昨年の予約申し込みは、始めた時の6倍! 今年になってからは、その昨年の倍とか。
 
 「どういう客層なんですか?」
 と尋ねてみたところ、
 「以前からキャンピングカーに興味を持っていたけれど、なかなか乗る機会がなかった人たち」…だそうです。
 特に、ここのところ団塊の世代の人たちが目立って増えているとも。
 「最近、周りの人たちがみなキャンピングカーと言い始めているけれど、いったいどんなものなのか。乗って使ってみないと良さが分からない」
 そう思っている人たちの数はけっこう多いのだそうです。

 初心者ばかりとは限りません。
 「もう一つの傾向として、昔キャンピングカーを持っていたけれど、手放してしまった人たちもよく利用しています」とのこと。
 いろいろな事情で、キャンピングカーを売ってしまったけれど、やっぱりああいう旅は忘れられないねぇ…ということなんでしょうか。

 R4では、さまざまな顧客のニーズに応えるために、輸入車から国産キャブコン、バンコン、ピックアップキャビンまで取り揃えています。
 面白いのは、初心者はフル装備を好み、ベテランは意外とシンプルなバンコンを好むとか。
 ベテランは、必要な装備とあまり必要でない装備を自分なりに会得しているのでしょうね。

 同社では、初心者のために、ジェネ、エアコン、トイレの使い方などをまとめたマニュアルをクルマに添え、さらに貸し出し前に1時間ほどかけてレクチャーをするとか。
 キャンピングカーを知らない人にはとてもいい勉強になるかもしれません。

 料金は、フル装備のキャブコンクラスで、24時間32,000円。これはオンシーズン料金で、トップシーズンになるとプラス3,000円ほど。
 逆にオフシーズン料金は、オンシーズンよりさらに安くなるそうです。

 注目に値する傾向として、外国人観光客の利用が激増しているという話がありました。
 なんでも、ここ最近は、1週間で20件以上の外国からの問い合わせが入っているという話でした。
 そこで、同社も英語のナビゲーションと英語の地図を用意し、英語の堪能なスタッフを入れて、この5月から「外国人向けの受付窓口」を開設するそうです。
 欧米人は、合理的でリーズナブルな予算で旅行することに長けていますから、当然レンタルキャンピングカーにも目を付けるようになるのでしょうね。

 現在R4の代理店は12店舗。
 そのうち10店舗にキャンピングカーが行き渡っているようです。
 キャンピングカーを買う前に、それがどんなものか知りたい人には、とてもよいチャンスのように思えます。

 急いで会社に戻って、校正の続きです。
 会場の近くでは、大道芸人もパフォーマンスを繰り広げていましたが、残念、今日はゆっくりと見ている時間がとれませんでした。

芸人1
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 17:37 | コメント(6)| トラックバック(0)

新車レポート23

《タバート・オフロード》

 「スモールエッグ」の愛称で親しまれているタバートですが、このほど「オフロード」という仕様が登場しました。
 『キャンピングカー スーパーガイド 2007』の締め切り直前に入ってきた画像をお見せしましょう。

タバート・オフロード

 独特のエッグフォルムと同時に、オレンジ、イエロー、レモンなどといったキャンピングカーとしては珍しい配色で「可愛い!」という声を独り占めしてきたトレーラーですが、この「オフロード」という仕様は、ひと味違います。

 色はメタリカルな輝きを放つシルバー。
 パンチングメタル調のモダンデザインを身にまとい、足元には純正ヘビーデューティーアルミホイール。
 まさに、SF映画にでも出てきそうな、惑星探索車という感じです。

 正面から眺めると、ますますその思いを強くします。

タバート正面

 火星の荒れ地でも走っていると似合いそうです。

 もともと、このタバートというトレーラーは、近未来的な雰囲気もあり、かつレトロな味わいもあり…というユニークなデザインを特徴としているトレーラーです。
 全長4.7m。全幅1.98m。
 重量590kg。
 小型車のヘッドでも十分けん引可能で、それでいて、中は意外と広々。

タバート中

 コの字型のダイネットを囲んで、大人5人が顔を合わせて座ることができます。
 就寝定員は3名。

 しっかりしたステンレスシンクと2バーナーコンロが付き、40リットルの3ウェイ冷蔵庫に、FFヒーターが標準装備。
 コンパクトながら、キャンピングカーとしての骨格は十分。

 最近は、けん引免許を取得しても、豊かな居住性を持つ大型トレーラーを引きたいというユーザーが増えてきて、トレーラーの世界は重厚長大になりつつありますが、しかし前回紹介した「シャレー・アルペン」といい、この「タバート・オフロード」といい、コンパクトトレーラーもけっこう元気です。

 発売は、タバートジャパンから。
 お値段は、1,880,000円。
campingcar | 投稿者 町田編集長 02:12 | コメント(0)| トラックバック(0)

役者さんに取材

 『キャンピングカー superガイド 2007』を編集中、役者さんに取材をしました。
 といっても、最初はそんなつもりはなかったのですが、キャンピングカーの話を聞いているはずだったのに、いつの間にか、その人が「役者さん」になっちゃったのであります。
 
 ええい、ややこしい話は抜きにして、その俳優の名を明かそう!
 新城隼人(しんじょう・はやと)
 う~ん…
 70年代のアクションものドラマなどに出てきそうな、ジーパンを履いている刑事ってナ感じの名前です。
 
 しかし、ご本人の雰囲気はその名前とはチト違う。
 その名からすぐに想像できそうな、歌って踊って、跳び箱も飛べば、池にも落ちるという若いタレントのイメージとは遠い、グッと渋い中年男性。

 どちらかというと、磨きぬかれたBARカウンターの片隅なんかで、静かにロックグラスなど傾けていると似合いそうな人です。

 で、そこにヤクザに追われた若い女性が逃げ込んで来るとするじゃないですか。

 「お願い、助けてください。追われているんです」
 と、その娘が新城隼人さんの後ろに隠れて、身を守ろうとするじゃないですか。

 「おい、そこのオッサン、その娘をこっちに渡さないと、あんたも巻き添えをくうぜ」
 と、ヤクザが、新城隼人さんにカラむとするじゃないですか。

 そこで、新城さん。
 ヤクザたちの方を見向きもせずに、
 退屈そうに、タンブラーをなで回しながら、
 「あんた方、声をかけた相手が悪かったね」

 そこで、ヤクザたち。
 「なにぉ!? このオヤジも一緒に叩きのめしちまえ!」

 ね! この後の展開はおよそ想像がつきますよね。

 ① 娘は渡しますから許してください。俺は何も関係ねぇんだから。
 ② この「葵の印籠」が目に入らぬか
 ③ うるせぇ、痛い目に遭うのはお前たちの方だぜ!

 もちろん③番ですね!

 そんな優しさと、頼もしさと、怖さと、温かさをすべて持っている役者さんです。

 ま、実際に、この新城さんが出演した映画というのは、ヤクザに絡まれた女性を助ける正義の男ではなくて、逆に、世にも恐ろしい悪役。

 最後は、主人公の男性に、銃で額を撃ちぬかれ、あえなく絶命するヤクザの幹部役としての出演です。
 しかし、銃で撃たれてすっ飛ぶ捨て身の演技が好評で、早くも「伝説の名優」としてのかけ声も高いとか。

 では、ご本人を紹介いたしましょう。
 悪役なんかをやらせるにはもったいない、温かみのある良い男です。

栗林氏

 あれ? どこかで見たような…。
 そう、キャンピングカーに興味のある方なら、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
 
 神奈川県の新横浜駅近くで、キャンピングカーの展示場を営む「ドリームアイランド横浜」の栗林社長さんです。

 ドリームアイランド横浜といえば、ドリームアイランド・グループネットワークの中心的存在。
 厳選主義に貫かれた品揃えで定評のあるショップとして知られ、特にアメ車に強いお店としての評価を得ています。
 
 首都圏に近いこともあって、アメ車のなかでも、小型モーターホームの品揃えを心がけているとか。
 取材に行ったときも、往年の名車アストロ・タイガーなどがいっぱい並んでいました。

ドリ横 ドリ横2

 栗林社長は芸能界とのパイプも太く、その方面からの仕事もずいぶん多いようです。
 マライア・キャリーが来日したときも、その送迎に、同社のモーターホームが使われ、社長自身がマライアの乗るモーターホームのドライバーを務めています。

 しかし、ご本人が役者デビューしていたなんてことは、さすがに知りませんでした。

 で、あくまでもキャンピングカーの取材のつもりで、オフィスにお邪魔したわけですが、なんとオフィスの壁には、サングラスをした渋い中年男のスチール写真が。
 「新城隼人」
 サイン入りです。

 「社長、誰ですか? この人…」って話から始まって…
 かくかくしかじか。
 「ええ! 新城隼人って、栗林社長のことなんですか?」

 …と盛り上がったわけです。

 皆さまも応援してあげてください。
  
 どっちを?

 もちろん、ドリームアイランドの「栗林社長」の方ですよ。
 そっちが本職なんですから。
 
 ちなみに、栗林社長が出演された映画は、Vシネマの『強制奪還バックファイア』です。

コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 00:38 | コメント(0)| トラックバック(0)

新車レポート22

《シャレー・アルペン》 

『キャンピングカーsuperガイド 2007』に収録している車種は、とてもバラエティに富むものになりました。
 トレーラーだけでも、ずいぶん新しいタイプのものが登場しています。

 たとえば、リトルハウスさんがこのほど導入した「シャレー・アルペン」。
 三角屋根なんですね。
 可愛いでしょ?

シャレー外装

 だけど、これがなかなかの実力派です。
 室内を見ると、
 ほら。
 こんなに広々。

シャレー室内1

 最近、このようなタイプのトレーラーには、なかなかお目にかかれませんが、実は、昔導入されていたことがあったんですね。
 しかし、その会社が業務をやめてしまったため、とんとご無沙汰。
 ほぼ10年ぶりぐらいの復活です。

 このトレーラーの特徴は、けん引するときはたたんでしまえるところにあります。
 そうなんです。
 フォールディング・トレーラーなんですね。
 なのに、一般的なフォールディング・トレーラーとは違って、居住部分を立ち上げたとき、周囲がテント地ではなくて、ハードパネルタイプ。断熱性・防寒性に優れているところが特徴です。

シャレー室内

 で、この周囲のパネルをたたんでしまえば、ヘッドより低くなりますから、けん引時の後方視界が得られます。
 幅も2m以下なので、日本の道路事情にもぴったり。
 木立の生い茂った林道などにも、これなら分け入っていくことができますので、渓流釣りや登山のベース基地に使うにはもってこい。
 重さも590kgと、実にライトです。

 とても、可愛い外観なのに、いっちょう前にFFヒーター、大容量ボイラー、3ウェイ冷蔵庫などがしっかり付いています。

 兄弟分がいます。
 弟のLTW。
 4mにも満たないサイズ。それでも、兄貴に負けずにしっかり「トレーラー」をやってます。

シャレーLTW

 お値段は、兄貴のシャレー・アルペンが1,680,000円。
 弟のLTWは、1,380,000円。


campingcar | 投稿者 町田編集長 01:04 | コメント(5)| トラックバック(0)

ちょいと打ち上げ

 先ほど『キャンピングカーsuperガイド2007』の最後の原稿を書き終えたところです。
 うん、どうにか間に合ったかな。ふぅ…

 もう終電もないので、また会社に泊まり込みなんですが、夕飯も食っていないことだし…深夜のコンビニに出かけて、稲荷寿司と子持ちシシャモと「濃い茶」を買って、ささやかに独りだけの打ち上げです。

 でも、まだ終わったわけではないんですね。
 原稿書きの後は、校正が待っているわけで、実はこれからが大変。
 校正というのは、単純作業の割には集中力が必要で、気を抜くと間違っている箇所があっても、スゥーっと右から左へ抜けていくだけ。
 原稿を書くより、何倍か大変な仕事です。

 でも、まぁ、今の一時だけは、少しボンヤリしていましょう。
 マイケル・フランクスでも聞きながら。

 いつもこの時期思うんですが、アルプスを越えているときのハンニバルって、どんな気持ちだったのだろう…って。
 ハンニバルといっても、レクター博士の方じゃありません。紀元前にローマと戦ったカルタゴの将軍の方ね。
 
 宿敵ローマを倒すために、ハンニバルは北アフリカ人、スペイン人、ガリア人などの混成部隊と37頭のアフリカ象を連れて、なんとアルプスを越えて、イタリア半島に攻め込むわけですね。
 完璧な奇襲です。

 なんたって、登山の知識も技術も十分じゃない時代に、暖かい気候に慣れた兵士たちと象を連れて、雪山に挑むなんて。
 そんなことを発想すること自体が、もうハンパじゃないですよね。

 慣れない山道の行軍で、谷底に転落した兵士や象の数は数知れず。
 ハンニバルが、イタリアの平地に降り立ったときは、兵士の数も象の数も半分に減っていたそうです。

 ハンニバルは天才的な戦術家でしたから、そのあとは、もうローマに対して連戦連勝。
 数は少なくなってしまったけれど、象たちも重戦車のように大暴れ。

 彼は戦いになれば絶対に勝つという自信はあったでしょうけれど、むしろ懸念していたのは、アルプスを越えることができるかどうか。
 それが最大の課題だと感じていたように思います。

 だから、兵士の数が半分に減ったとはいえ、山の頂から、キラキラと朝日に輝くロンバルディア平原を見下ろしたとき、彼は「勝った!」と思ったことでしょう。

 会社に泊まりこんで、徹夜で原稿を書いているとき、いつも思うのは、彼のアルプス越えの話です。
 自分にとって、朝日に輝くロンバルディアの平原はいつ見えてくるのだろうかと。
 
 どうやら、生い茂る木々の隙間から、豊かに広がる平地が見えてきたようです。

ハンニバルアルプス越え

 面白い本です。

ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 03:19 | コメント(6)| トラックバック(0)

クラスB的生き方

 いやぁ、久しぶりに自分のキャンピングカーに乗りました。
 『キャンピングカーsuperガイド』の最後の取材で、ボナンザさんの展示場まで出かけてきました。

 2ヶ月ぶりぐらいの出動で、バッテリーがヘタっていないかと心配でしたが、ブルルンと調子よく一発で始動。
 
 やっぱクルマっていいですねぇ!
 この2ヶ月間、会社の椅子しか座ったことがなかった自分のお尻が、突然違うシートに座ったために、「なんだこれ?」とビックリしている感じです。
 タイヤが路面をグリップしている状況が、シートを通じて伝わってくるだけで、もう感激。
 
 スロットルペダルの踏力に応じて反応してくれるエンジン。
 ステアリングの切り角に応じて、様々な変化を見せて流れていく風景。
 久しぶりに会社を脱出して、クルマを運転してみたけれど、クルマって…いいなぁ!
 自分のキャンピングカーに惚れ直しました。その「自動車」の部分に。

 で、取材したクルマは、スープリーム2・クラシック。

スープリーム2台

 4キャプテンスタイルの、典型的なアメリカン・クラスBです。

スープリームダイネット

 粋ですねぇ。
 この感覚。
 ヨーロッパ車とはひと味違う、アメリカン・ゴージャスって感じ。

 このタイプからリヤエアコンが実現し、リヤルームにいるときの快適性も増しました。

リヤエアコン スープリームキッチン

 キッチンもなかなか合理的です。
 冷蔵庫は88リットルの3ウェイ方式。ツーバーナーコンロに深底シンク。

 
 こちらは、今ではアメリカでも1台だけとなったバンクベッドを持ったクラスBのスープリーム2です。

スープリーム2

 室内からバンクを見ると、こんな感じ。

スープリーム2バンク

 正直いって、さすがにクラスCのバンクほど広くありません。大人が上に昇って寝るのは、少しきついものがあります。
 しかし、荷物置き場として考えるならば、こんなに容量のある収納スペースを持ったクラスBはほかにないわけですから、やっぱり貴重な1台です。

 運転席です。

スープリーム運転席

 アメ車ですねぇ!
 
 アメリカでも、クラスBはかつてほど多くは走っていないと聞きます。
 やはりダッジラムの生産中止が響いているのかもしれません。ベース車として、なかなかリーズナブルな価格でビルダーにシャシー供給していたクルマでしたからね。

 フォードシャシーは堅牢ですけど、ダッジラムより多少高いのが玉にキズ。
 それなら「広さ」を取って、やはりクラスCの方が…と考える人々が最近はアメリカでも増えてきたのかもしれませんね。

 でも、クラスBには、クラスCにない「粋」ってものがあります。
 居住性を比べれば、そりゃ断然クラスCの方が上。
 キャンピングカーとしての使い勝手を求めるなら、みなクラスCの方に目が向くのが当たり前でしょう。
 しかし、クラスBには「遊び心」があるんですね。

 乗用車だって、居住性のいいクルマの方がいいに決まっているけれど、それでもフェラーリを買うお客さんは後を絶たないわけで、クラスBにも同じことがいえそうです。

 こういうクルマ、どんな人が乗っていたら似合うでしょうか?
 私なんかは、昔『マイアミ・バイス』に出ていたドン・ジョンソンを思い浮かべてしまいます。

ドン・ジョンソン1

 Tシャツの上に無造作に白いスーツを羽織り、足元は裸足でスニーカー。
 それで、こんなシートに座っていたら、サマになると思いません?

スープリーム運転席2

 真面目なお父さんは、クラスCで家族サービス。
 クラスBというのは、その枠からはみ出してしまうお父さんの乗り物のように思います。
 
 最近「アレキサンダー」を演じたコリン・ファレルで復活した『マイアミ・バイス』ですが、やっぱドン・ジョンソンでしょう!

 そんなことを感じながら、ボナンザさんの展示場を後にして会社へ。
 とにかく、『キャンピングカーsuperガイド2007』の編集は、このスープリーム2・クラシックが最後の取材となりました。

campingcar | 投稿者 町田編集長 02:55 | コメント(4)| トラックバック(0)
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