町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

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沖縄リゾートは夏

 この時期、沖縄にはまだ夏が残っているらしい。明日から12月だというのに、沖縄の気温は25度。地元の人は半袖・半ズボンだという。
 こんなうらやましい話を、今日来社されたバニアンリゾートの鈴木さんと福地さんが語ってくださった。

 バニアンリゾート
 アメリカで大人気の「フィフスホイールトレーラー」を宿泊施設として使った沖縄のリゾートキャンプ場である。
 私のメイン業務である『Campingcar Super Guide』2007年版の制作がもう始まっているのだが、その本の「キャンプ場コーナー」で紹介させていただく記事の打ち合わせで、このバニアンリゾートのお二方が来られたわけだ。

banian_zenkei banian_yuhi

 写真を見ていただきたい。
 30フィートを超える巨大なトレーラーハウスが居並ぶ姿は、まさにアメリカのキャンプ場。
 そのキャンプ場裏に広がる海の夕焼けは、ハワイのオアフ島ビーチの感じ。
 涼しげな水をたたえたプールサイドの情景は、まさに沖縄ならではの「ゆったり感」が漂っている。

banian_poor banian_trailer

 このキャンプ場が正式オープンしたのは今年の9月。すでに6月頃から試験的に営業したらしいが、充分な設備が整わない7月、8月の段階で、もう大反響を呼んだという。
 「おそらく来年の夏あたりは、春先から予約が埋まってしまうでしょう」
 と、鈴木支配人は語る。
 
 「しかし、本当にお客様に来ていただきたいのは、むしろ冬の季節なんです」
 とも。
 というのは、本土では冬でも、沖縄は「夏気分」。1年でいちばん過ごしやすい時期なのだそうだ。
 この季節なら暑くもなく、寒くもない。夏の観光シーズンのような渋滞もない。
 「そんなゆったりした季節にこそ、沖縄に来て、心行くまでリゾート気分を満喫してほしい」
 という。
 
 自慢のフィフスホイールトレーラーは、3箇所のスライドアウト部分を持つ超大型豪華モデルから、カップル向きのミドルサイズモデルまで5種類15棟。
 料金は、超豪華トレーラーで1泊43,000円(ハイシーズンピーク時)。リーズナブルクラスで1泊18,700円(オフシーズン)。
 どのトレーラーにもキッチン、冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、シャワー、トイレ、ベッドなどがフル装備なので、コンドミニアムやコテージのように使える。
banian_liv banian_bed

 食事は近くのスーパーで食材を調達するのも可。
 施設内で用意された食材を買うのも可。
 さらに、海に出て釣った魚を自分でさばくのも可。

 夕方は、プールサイドにバーもオープン。
 地元のオリオンビールを味わうのもよし。
 テキーラサンライズやダイキリで、マイアミ気分を味わうのもよし。
 見上げる空には、満点の星。
 日本でいちばん夜空が近い場所だ。

 営業を開始した直後は、
 「セレブな人たちに、高級リゾートを楽しんでもらうつもりでした」
 と、鈴木さん。
 「しかし、途中で気が変わりました」
 と、福地さん。
 「やっぱりここは、手つかずの沖縄の自然を味わってもらう場所だと気づいたんです」
 とご両人は口をそろえる。

 だから、気取ったご婦人から、
 「ブルーマウンテンの“おコーヒー”などいただけます?」
 などと聞かれるより、
 「父ちゃん、クワガタとりに行こうよ」
 と子供が目を輝かすようなキャンプ場にしたいという。

 この施設のある今帰仁村(なきじんそん)という村は、沖縄でもいちばん土地が肥沃な場所として知られる。
 「そこで沖縄野菜を中心に、種植え・収穫のできる体験農園を楽しんでもらいたい」
 と福地さんは語る。

 周囲には、風光明媚な豊かな自然が広がっている。
 レンタルトライク(3輪バギー)をここで借りて、のどかな風景を眺めながら、海岸道路をゆったり流すなんてのが、粋な過ごした方になりそうだ。
 
 PS てへへ…明日から、新しい犬を連れた初キャンプです。
 この時期、毎朝うなされて目が覚めるような忙しさなのですが、すべてほったらかして、逃避行です。
 行き先?
 まだこの段階で決めていません。
 当日の気分で、東にするか、西にするか…
 キャンピングカーの旅は気楽ですから。
旅&キャンプ | 投稿者 町田編集長 20:06 | コメント(4)| トラックバック(0)

ホッパーの夕暮れ

 秋が終わりです。これから冬至にいたるまで、日が暮れるのがどんどん早くなり、陽射しも地を這うように低くなって、地面に伸びる影が、細くどこまでも伸びていくようになります。

並木1

 見慣れた風景が、ふと見知らぬ外国の風景に感じられるような季節の到来です。
 太陽の低い位置から照射する光が、街のビルを真横から直撃したりすると、何の変哲もないコンクリートのビルが突然メタリカルな輝きを帯びたりして、びっくりさせられます。
 住み慣れた街の風景が、一瞬だけ異次元の光を浴びる光景って、なんだかとてもエキゾチックですね。
 
 晩秋の夕暮れの玄妙さを教えてくれたのは、エドワード・ホッパーという画家の絵でした。
 彼の画集をいくつか集め、それを何気なく開くような時間を持つようになって、ホッパーの絵を思い出すような景色に遭遇するのが楽しみになりました。
 
 彼の絵は、夕暮れの華やかさと同時に、寂しさを表現しているようなものが多く、見ていると、記憶の底に沈んだ懐かしいものを取り出してくれるような気持ちになります。
 しかし、その懐かしいものと一緒に、何か不気味なものも一緒に引き上げられてきそうな怖さもあります。
 そういう言い方が奇妙に聞こえるならば、
 「ノスタルジー(郷愁)とは、そもそも不気味なものだ」
 と、いえるのかもしれません。

 子供の頃に見ていた風景は、おそらく大人になって接する風景より、はるかに美しく、生々しく、鮮やかに見えていたことでしょう。
 感受性が大人より鋭敏だから。

 ノスタルジーというのは、その子供時代の感受性に戻って、過去を振り返ったときに生まれてくる「感情」のように思えます。
 昔の歌を聴いて、それが流行っていた時代の“匂い”に包まれるようなものですね。
 そのとき甘酸っぱい切なさがこみ上げてくるのは、その歌をみずみずしい気持ちで聴いていた頃の、自分の「豊かさ」を思い出すからなんでしょうね。
 
 しかし、子供時代の豊かな感受性を取り戻すということは、楽しいことばかりではありません。
 不安感や恐怖心が同時によみがえってくることもあります。
 買い物についていって、親からはぐれたときの心細さ。見知らぬ人たちの中に取り残されたときの不安感などもセットになって復活します。

 ホッパーの絵から漂ってくる怖さというのは、ちょうど迷子になった子供が感じる怖さに近いといえるでしょう。
 つまり、
 「自分は今どこにいるのだろう?」
 と問わざるを得ないような、世界で一人ぼっちになった不安感なんですね。

 彼の絵には、岬にぽつんと立っている灯台や、人気のない道路の脇にひっそりと建っている小さな家などがよく登場します。
 そこに描かれた風景は、とてつもない寂寥感に満たされているのですが、でも涙が出るほど、美しい。

 そう思うと、ホッパーの絵の怖さというのは、感受性の鈍った大人たちの心を開かせるための「刺激剤」なのかもしれません。
 鑑賞する人間は、その絵から受ける孤独感と引きかえに、子供時代に感じていた「世界」の生々しい感触を取り戻すわけですね。

 だから、幼少期に本当に寂しい思い出しか持っていない人は、彼の絵を見るべきではないのかもしれません。

 ホッパーの絵は、下記のアドレスで見ることができます。
 http://metalab.unc.edu/wm/paint/auth/hopper/
 「Interior Scenes」
 「Street Scenes」
 「Landscapes Scenes」
 の三つのバージョンがあります。その中の小さな絵をクリックすると大画面に変わります。
 
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 22:39 | コメント(0)| トラックバック(0)

文系ブログ進化論

 ブログをテーマにした最近の書物では、岡部敬史(おかべたかし)さんの書かれた『 ブログ進化論 』(講談社+α新書)がいちばん面白かった。
 というより、解かりやすかった。
 スタンスが徹底的に文系の視点で貫かれている。

ブログ進化論_表紙
 
 だから、たとえば、
 「ブログとは、今までプログラム言語を理解するような専門家が構築していたHPに代わり、最新のウェブ言語であるXHTMLやフィードといったXMLベースのオープンな規格を採用した、最新のウェブサイト構築ツールのことをいう」
 というような表現は、
 岡部さんの本では、こうなる。
 「ブログとは、いわばそれまでプロカメラマンが自分でピントや絞りを操作していたようなカメラを、素人でも写せるシャッターを押すだけの全自動カメラにしたようなものだ」

 この違いは、文系の人ならきっとお分かりになるだろう。
 逆に、ある程度ウェブの構造や知識を把握している人たちから見れば、突っ込みが足りないと映るかもしれない。

 しかし、この解かりやすさというのは、岡部さんの戦略的な立ち位置から来ている。
 すなわち、
 「ブログは女性や老人、子供など、今まで“技術的な弱者”といわれた人たちに理解されたからこそ、これほどまでに隆盛を極めたのであり、またそうであるからこそ、ブログは既存のメディアの質的な転換を図る可能性を秘めている」
 そういう戦略的な位置付けが岡部さんにはある。

 この本で、誰もがいちばん感動的だと思える個所は、「あとがき」に書かれた次のような記述ではなかろうか。
 「たとえば、今までの人生で、いちばんわくわくして読んだものは何か?
 というような質問をされたとき、何が頭に浮かぶだろう。
 それは自分の手紙に対する返事ではないだろうか。つまりラブレターもしくは友だちとの交換日記。
 自分が発信したメッセージに対する反応ほど、夢中で読めるものはない。それを恒常的に与えてくれるのがブログだ」

 彼は、「人間というものは発信せずにはいられない生き物だ」という。
 たとえば、「大好きだった恋人と別れたとき、誰もが友だちに話を聞いてもらって楽になったことがあるだろう。人は誰かに自分の感情や考え方を発信することを拠り所に生きていく」

 岡部さんは、いかにも文系ならではという文学的な視点で、ブログの本質を鮮やかに浮かび上がらせる。

 しかし、私がこの本で印象に残ったのは、次のような個所。

 「ブログの出現は街の文化を救うことになる。
 いま日本はどこに行っても、大企業が展開するファーストフード的なチェーン店化が進み、昔からある地元の小さな飲食店が廃業に追いやられている。
 しかし、その小さな店が、もし本当に伝統的な美味しい味を維持し続けており、しかもいまだに多くのファンに愛されているなら、ブログがそのような店を救う可能性は大きい。
 “この店は意外な穴場で、ここで作られたお団子は、あんこの味が上品で美味しく、いま私のちょっとしたマイブーム…”
 などと、利用者が自分のブログで紹介してあげれば、今までその店の正体が分からずに入りにくいと感じていた人たちも、安心して入って行けるのではなかろうか」

 彼は、「みんながブログでそのような情報を発信することで、街の文化が救われる。こういう草の根的なブログが、必ず日本の文化を救う」
 と、その記述の最後を結んでいる。
 
 私も、将来キャンピングカーによる日本一周を計画している人間のひとりだが、この本を読んで、新たなテーマがひとつできた。
 いつの日か、「町田のグルメ旅独り言」というブログを立ち上げてやろうと思っている。
 その前に、糖尿病を治さないといけないんですけどね。
 
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 20:33 | コメント(1)| トラックバック(0)

すごいぞジモン!

 関西テレビの録画撮りがありました。寺門ジモンさんと関ジャニチームが、ロケ地に持ち込まれた3台のキャンピングカーの外装・内装を点検し、
 「さて、このクルマのお値段はいくらでしょう?」
 と、その価格を当てるという趣向でした。
 私は、どちらが提示した価格が正しいのか、その正解を述べる役。
 
 とにかく、関ジャニチームの若いパワーと、ジモンさんのネイチャーパワーの間に挟まれ、終始オタオタしているうちに、いつの間にか録画撮りが終わっていました。

 3台のキャンピングカーを解説するときも、オーニングを出すためのクランク棒を何度も外してしまうし、車内に置かれたテーブルを展開するときも、はて…これはどこにセッティングするんだっけ? …と私の解説なんか本当にしどろもどろ。
 冷や汗の連続でした。
 局の方がうまく編集してくれることを願うばかりです。

 それにしても凄かった!
 ネイチャージモンさんのサバイバル哲学は本物ですね。

 録画の合間に、関ジャニチームと雑談しているときの話は抜群でした。
 ジモンさんは、いついかなる時も、心の中は戦闘態勢。
 たとえば、山奥でいきなりクマと遭遇したら?
 都会のビルで打ち合わせ中に、不意に地震があったら?
 電車に乗っているときに、いきなり爆破テロや細菌テロを受けたら?
 
 すでにいろいろなテレビのトークで披露したネタなのでしょうが、本人の口から聞くと、これがまたリアルな説得力を発揮します。

 ジモンさんは、常にバッグのヒモを短めに絞って、胸の前に掛けています。
 不意の銃撃を受けたときに心臓を守るためなんですね。

 そのバッグの中から取り出されたサバイバルグッズが傑作。
 まず、軍事用の懐中電灯。
 握りの部分に、手のひらが怪我するくらいのギザギザが付いています。
 しかし、泥の中に倒れて、もがいたとき、そのギザギザがあればこそ、手から離れないというわけなんですね。
 もちろん、夜の山奥で、不意に野生動物に襲われたときは、その光が動物に対する目くらましとして機能します。

 次に出てきたのは、放射能探知機。
 これも、山や海に廃棄されている産業廃棄物から、いつ放射能が漏れ出しているか分からない。それを探知するためのものとか。

 イスラエル製の防毒マスクというものもありました。日本では手に入らないそうです。

 あとは笛。地震で瓦礫の下敷きになったときに、助けを呼ぶためにきわめて有効なのだとか。
 その笛をヒョーと鳴らすと、これが実にのどかな響きで、一同大笑い。
 そういう笑いにかこつけて、しっかりと危機管理意識の必要性を訴えるところにジモンさんの真骨頂があります。

 そのようなサバイバルグッズを次々と披露するジモンさんの語り口には、お笑い芸人としての「芸」があり、私も大いに楽しませてもらいました。

 しかし、私たちがジモントークに笑っていられるのは、平和な日本にいらから。
 もし、これが自爆テロなどが相次ぐイラクやパレスチナだったら、ジモンさんが揃えているグッズ類は、誰もが身につけていなければならない生活必需品かもしれません。

 キャンピングカーに関しても、ジモンさんは自分のサバイバル体験から、そのクルマの本質を即座に見抜きます。
 にもかかわらず、私のつたない説明に大げさにうなづいてくれるなど、心の優しい方でした。
 
ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 22:56 | コメント(4)| トラックバック(0)

自意識過剰の時代

 キャンピングカーを選ぶとき、「人目につかないスタイル」というのを求める人がいる。そのクルマを見た人が、すぐに「キャンピングカー」だと気づかないような外観のものが欲しいというわけだ。
 おそらく、そういう人の心理としては、
 「キャンピングカー = お金持ち = 庶民の暮らしを理解できない」
 などと、他人から好き勝手に推測されたくないという感情が働くのだろう。
 
 そういう気持ちは分からないでもない。
 おそらくそういう人は、周囲に対して気配り上手で、礼節を重んじ、自分を誇るような態度を自らいさめるような人だろうと推測される。

 「その人のキャラクターを知りたければ、乗っているクルマを見ればいい」
 などとよく言われる。
 自動車専門誌の『NAVI』などでは、80年代の頃、徳大寺さんや舘内さんたちがNAVIトークの席上で、
 「マークⅡに代表されるようなハイソカーオーナーの自意識を分析すると…」
 などと、華やかな議論をよく展開していた。

 「目立たないキャンピングカー」を求める人たちの心理というのは、そのような議論とは無縁のところで、旅行のための純粋なツールとしてキャンピングカーを位置付けたいということだろうと思う。

 しかし、それもまた、ひとつの「自意識」かもしれない。
 そういう心理も含めて、今の時代は自意識というものが、昔と比べものにならないくらい大きなテーマになってきたんだなぁ…とつくづく思う。

 今の時代がどんな時代なのか、それを知るには、ぶらりと書店に入り、人の目につくような場所に置かれている本のタイトルを眺めればいい。

 『人は見た目が9割』
 『人は話し方で9割変わる』
 『上品な人、下品な人』
 『<感じ>のいい人、悪い人』
 『「感じのいい人」といわれる技術』
 『人に好かれる話し方』
 『ダメな自分が変わる本』
 『頭がいい人、悪い人の話し方』
 『頭がいい人、悪い人の<言い訳>』
 『頭がいい人、悪い人の<口ぐせ>』
 『女は男のどこを見ているか』
 『男が「魅力的だ」と思う女の47の共通点』

 ざっと見るだけで、これだけ「人にどう思われているか」を気にしたタイトルの本が書店に溢れている。

 私は、それらの本を手にとってつぶさに読んだわけではないが、タイトルだけ眺めても、いま誰もが、「他人から良く思われたい」と必死に望んでいるという状況がはっきりと伝わってくる。

 このような、いわば「自意識過剰」時代というのは、逆にいうと、過剰なくらい自意識を研ぎ澄ませなければ、他人の心が読めない時代が来たということなのかもしれない。

 昔に比べ、人と人とのコミュニケーションというのは、ものすごく洗練されてきたように思う。
 誰もが、接した人に不愉快な思いをさせないような気づかいを会得し、適度に相手を笑わせる話術を身につけ、表面的には円滑なコミュニケーションが交わせるようになってきた。

 しかし、逆に「人の本音」が見えない時代になった。
 本音は「空気として読む」しかなくなったのである。

 本音が隠されるような時代になったからこそ、「いじめ」も表面的には見えづらいようになり、一部の匿名の書き込みネットでは、あからさまな罵詈雑言が横行する風潮も生まれた。

 一見、優しそうに振る舞ってくれる目の前の人が、本当はどんな気持ちで自分のことを見ているのか?
 人々の心に、そういう疑心暗鬼が忍び寄ってくれば、誰もが少しでも「上品」になりたくなるだろうし、「感じよく」思われたくなるだろうし、「頭よく」思われたくなるだろう。

 自意識過剰の文化というのは、社会の不透明性を象徴した現象だが、それが少しでも、人々のマナーやモラルの向上に寄与するなら、いいことに違いない。
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 18:40 | コメント(10)| トラックバック(0)

背面エントランス

 キャブコンには、フロントエントランス・ドアのものと、リヤエントランス・ドアのものがある。
 入口が前側にあるか、後ろ側に寄っているかの違いなのだが、まれにピックアップキャビンのように、ボディの真後ろにドアが付いているものがある。

 一般的には、それも「リヤエントランス・ドア」などと呼ばれるが、厳密な意味でボディの横側に付けられたリヤエントランス・ドアと区別するためには、「背面エントランス」などという呼称を考えた方がいいのかもしれない。

 現在、このような背面エントランスのクルマは、輸入車では大森自動車が扱う米国製モーターホームのシヌーク(CHINOOK)と、国産車ではロッキーのコマンダー(COMMANDER)が挙げられる。

▼シヌーク
chinook_ chinook_rear 

 1990年代には、実はこのような背面エントランスの国産キャブコンというものが結構存在した。
 ケーアイエム(KIM)の扱ったアストロスター、カリフォルニアドリームのイーグル、マリナ’RVのバンビー。
 AtoZがデリカベースで造った時のアルファも、ボディ左側に設けられたドアとは別に背面エントランス・ドアを持っていた。
 
 現在、この背面ドアを採用したキャブコンが少ないのは、やはりオーニングの下に出入口がこないというのが最大の理由だろう。
 ボディ横に入口があれば、たとえフロントエントランスだろうが、リヤエントランスだろうが、入口をオーニング下に確保できる。
 雨の日は、そこで傘をたたんでから車内に入れるだろうし、オーニング下に椅子・テーブルをセッティングしたときには、車内と車外の一体感も強まる。

 背面エントランスのように、オーニングと出入口の位置が異なる場合は、大雨の日は、出入口から出てオーニングの下に駆け込むわずかな間でも、多少濡れることを覚悟しなければならない。
 また、このレイアウトの場合は、ファミリー向けキャブコンで人気の高いリヤ2段ベッドを採用することができない。

 そのような事情もあって、背面エントランスのクルマは少ないのだが、このレイアウトならではのメリットというものもある。

 それは効率よくスペースを稼げるという利点だ。
 ボディ横に出入口がないわけだから、何よりもリビング空間を広く取ることができる。
 同じリヤエントランススタイルでも、ボディ横にドアがあるクルマに比べ、背面エントランスの場合は、運転席から最後部まで通路を一直線に確保できるので、車内における人の動きがスムースになり、かつ視覚的な開放感を得られやすい。
 長尺物の荷物を車内に収納するときも、背面ドアからそのままストレートに入れられるので、すごく楽だ。
 車種によっては、運転中の後方視界を得ることも可能だ。

 このレイアウトを採ったクルマは、ダイネット脇に長いベンチシート(サイドソファ)を置くことが多い。
 これも室内の開放感を得るためにはきわめて有効な処方で、実際に使い勝手がよい。

▼シヌーク室内
chinook室内

 サイドソファがあれば、ゲストを招いたときにダイネットを囲める人数が増えるし、買い物から帰ってきたときなど、とりあえず買ったモノを冷蔵庫や収納庫に収めるまでの荷物スペースとして使うことができる。
 
 基本的には、背面エントランスのキャブコンというのは、夫婦2人で旅をするときの快適性を優先した車両という性格が強い。
 もちろんファミリーでも十分に使えるが、もし就寝定員を数多く確保したいということになれば、リヤ2段ベッドのクルマを選びたくなるのが人情だろう。
 しかし、夫婦の2人旅が多いということになれば、このレイアウトもなかなか魅力的であるように思う。
 
campingcar | 投稿者 町田編集長 22:10 | コメント(0)| トラックバック(0)

荒野の狼

 学生生活を送り始めた頃、その学園に、超ミニスカートが似合う先輩がいた。
 ハリウッド女優のような美しさと艶かしさを持った女性だった。
 「町田く~ん」などと、男を呼ぶときの「~」が鼻にかかった甘え声になる。
 男たちは、みなそれにやられた。

 キャンパスの芝生広場で、彼女から声をかけられた。
 「お芝居の券が2枚あるから、いかない?」
 
 彼女は、私の高校時代からの演劇部の先輩だったから、芝居の券を持っていても不自然ではない。
 それが2枚あるとは!
 私は有頂天になった。
 
 「行きます」
 と近づいていった私に、彼女は少しはにかんで、
 「でも、宝塚歌劇なの。興味ある?」
 と、聞き返した。
 宝塚だろうが何だろうが、それがデートであるならば、私はシベリアのツンドラ地帯でも付いて行っただろう。

 観劇が終わって、
 「どこかで食事でも…」
 と、言いかけた彼女の顔が凍りついた。
 背の高い若い男が、突っ立ったまま、道路の向こうから私たちを見つめていた。
 役者にでもなりそうな顔立ちの男だった。

 「友だちの弟ということにして」
 彼女は、そう私に耳打ちしたかと思うと、うって変わって笑顔に戻り、例の「〇〇く~ん」と鼻にかかった声を発しながら、小走りに男に向かって駆けていった。

 男が、女の肩越しに、チラッと私を見た。
 交差点の信号でも確認するような、何の感情もこもらない目つきだった。
 しかし、私は男の視線よりも、男が寄りかかっていたオレンジ色の自動車の方に気を奪われた。
 いすゞベレット1600GTR。今に思うと、小柄なクルマなのだが、有楽町の街角で見たベレGは、ローマの街角で眺めるアルファロメオのように燦然と妖しい輝きを放っていた。

いすゞベレット_

 2人が話している会話の内容は、私のところまでは聞こえてこなかった。
 しかし、男が何かを責め、女が謝っていることだけは明瞭に理解できた。

 ようやく話がまとまったらしく、彼女が私の方に戻ってきた。
 「彼が、あなたを途中まで送るって」
 男は、シートを倒して、ベレットのリヤ席に私が座る場所を確保してくれたが、顔は無表情のままだった。

 助手席に座った彼女は、宝塚歌劇を私と一緒に見ることになった経緯を、まだ男に説明していた。
 しかし、彼は聞く気もないらしい。
 クルマが発進すると、野太いエキゾーストノートの咆哮が、女の声を圧殺した。

 それと同時に、重低音のベースと歯切れよいギターリフが車内に鳴り響いた。
 当時まだカーステレオは8トラックの時代だったが、シャキシャキと刻まれる豪快なギターリフは、ベレGの疾走感と小気味いいほどのマッチングを見せた。
 ステッペンウルフの「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」だった。

 私は、ベレットのリヤ席に「荷物」のように置き去りにされたまま、屈辱感と奇妙な快感のせめぎ合いのなかで困惑していた。

 男から「物」を見るような目つきで扱われたこと。
 その男は、ベレGのような高級車を、いとも手なれた優雅な手つきで、無造作に扱っていたこと。
 ハリウッド女優のような女を、何のためらいもなくアゴで使っていたこと。
 そういう男の存在感が、クルマもなければ恋人もいない私に、耐えられないような屈辱感を押し付けてきた。

 にもかかわらず、ステッペンウルフを響かせながら、美女を隣りに乗せたまま銀座を疾走していくベレットは、このうえなく美しいもののように思えた。

ステッペンウルフ_

 私は、今でも、カラオケスナックなどで酒を飲んでいると、ときどき暴力的な衝動にかられ、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」を歌ってしまう。
 地元の名士などが、スナックの女性たちに囲まれてやにさがっているのを見ると、私は暗い隅の席から立ち上がり、この曲をリクエストして、大音量でがなりたてる。

 屈辱的な気分のまま味わった、不思議な快楽。
 ステッペンウルフ(荒野の狼)の咆哮は、いつまで経っても、心のなかで、甘く、切なく、暴力的に鳴り続けている。
 
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 20:46 | コメント(0)| トラックバック(0)

これぞトラキャン

 ピックアップキャビンの本来の名は「トラックキャンパー」という。
 日本では、現在キャブコンといわれる車種のことを、かつて習慣的にトラックキャンパーと呼んだため、その混同を避けるために、JRVA(日本RV協会)が1999年にキャンピングカーの呼称を整理し、その時に現在のピックアップキャビンという名称が定められた。

 しかし、今でも通は“トラキャン”と呼ぶ。
 実際、トラキャンという響きの方が、このRVの雰囲気をよく伝えている。
 トラックに載せるキャンパー。
 つまりピックアップキャビンは、まずそのベース車たるトラックありきなのだ。
 悪路走破性の高い4WDピックアップトラックに、軽量コンパクトなシェルを積み、過酷な大自然の奥深く分け入っていくというところに、このRVの真骨頂がある。

eagle_ex2 eagle_ex

 アメリカでは、ピックアップキャビンは、普通のモーターホームやトレーラーとは一線を画すキャンパーと見なされている。
 モーターホームやトレーラーは、基本的に整地された人工的キャンプ場で使うことを前提としている。それらのキャンプ場では、フルフックアップ設備が行き届いているため、モーターホームなどは、フックアップした状態ではじめて完璧な機能をまっとうするような構造になっている。アメリカン・トレーラーもしかりだ。

 しかし、ピックアップキャビンは、基本的にフックアップに頼らないスタイルで発展を遂げた。
 あくまでも脱着を前提に、水タンクやガス関係をシェル内に収め、シェル自体の容量もコンパクトに絞る。
 そのかわり軽量化を押し進め、機動性の良さを追及する。そうやってピックアップキャビンは、ひとつのスタイルを確立してきた。
 
 だから、アメリカではピックアップキャビンは、キャンピングカーというよりサバイバルツールと見なされる。
 自然の中が仕事場であるような狩猟家、森林保護官、釣り師、カメラマン、さらに鳥や虫の自然観測を行う研究家の乗り物なのである。
 ベース車がボンネットトラックであるというのも、そのメンテナンス性を考慮したうえでのことだ。

 近年アメリカでは、モーターホーム的に使えるように、装備類を増やした大型のものが普及している。最近は、スライドアウトモデルも相当出回るようになった。
 北米ではピックアップトラックの普及率が高いから、シェルだけ積載してモーターホーム気分を味わおうという人には、ちょうど都合のいいキャンピングカーということになる。

 しかし、本来は軽量、コンパクトで機動性に富むことが、ピックアップキャビンの持ち味だといっていい。

 MYSミスティックが扱っているイーグルは、まさにそのピックアップキャビンの精神を最も純化させたモデルである。
 ベース車として、どんなサイズのものもチョイスできるというのが、このイーグルの強みで、輸入車ならフルサイズのタンドラから、ミッドサイズのタコマ、フロンティアにまで積載可能だ。
 もちろん国産ミニピックアップのハイラックスなどもOK。
 特に、写真のタコマが、スタイル的にはばっちり決まっている。

 それらのベース車の走りを損なわないように、アルミを骨格に使用して設計されたシェル重量は、わずか300㎏。もちろんポップアップルーフによる低重心設計で走行安定性も確保。

 全長3100mm。全幅1760mm。ポップアップをたたんだ時の全高は、約1360mm。ベース車のサイズとほとんど変わらない。
 だから走っているときは、山奥に分け入っても、飛び出した岩や、木の枝をまったく気にすることがない。渓流釣りや野鳥観察にはもってこいのビークルである。

eagle_liv eagle室内 

 室内はあっけないほどシンプルだ。
 目立つ家具といえば、2バーナーコンロとステンレスシンク、ダイネットテーブルと冷蔵庫。あとはシート、バンクベッドがあるのみ。
 色目も、キッチン類の白の天板とブルーのシート、そして薄い茶系の家具の3色だけ。お茶漬けのようなあっさり感だ。
 そのかわり、ベッドは広い。
 バンクベッドは1950×1670mm。フロアベッドも1830×860mmを確保している。

 食べて、寝る。
 男の仕事場だ。
 ヘミングウェイが生きていたら、きっとこのイーグルのようなピックアップキャビンを好んだだろう。
 文明から遠く離れた環境にいるときに、はじめて自分のくつろぎを見出したあの男は、釣りや狩猟を楽しんだ午後は、ダイキリでも飲みながら、この簡素なテーブルに向かって執筆をしたかもしれない。

 ピックアップキャビンにはそういう知的な匂いがある。
 シンプルがゆえに、ユーザーがアウトドアを生き抜くためには、智恵をしぼって、さまざまな工夫を凝らさねばならない。
 ピックアップキャビンは、それをユーザーに求めている。
 人間の精神活動を活発にさせるという意味で、この手の乗り物は知的なのである。
campingcar | 投稿者 町田編集長 16:26 | コメント(2)| トラックバック(0)

お腹だけLサイズ

 またテレビの出演交渉が来た。関西テレビの番組で、「男の子のためのキャンピングカーガイド」というテーマで、車両解説をすることになった。
 相手役は寺門ジモンさんだという。

 天下のサバイバルの達人「ネイチャージモン」さんを相手に、私のようなインドア型キャンピングカーユーザーはどう話に絡めばいいのか、見当もつかない。
 ファックスで送られてきた簡単な台本を見ると、
 「関ジャニ」という人も出てくる。

 近所の飲み屋さんに寄ったとき、「関ジャニって、誰?」と聞いてみた。
 「町田さん、関ジャニ知らないの? KAT-TUNって知ってる? SMAPわかる?」
 と、さんざんからかわれてしまった。

 テレビ局から出演の依頼を受けるのは、本の宣伝にもなるので嬉しいのだけれど、このまま顔が少しずつ世間にさらされていくというのは、少し不安。

 テレビを見た人が、どこで私を観察しているか分からない。
 そうなると、
 たとえば本屋さんで、カミさんには見せられないような写真集をニタニタ立ち読みすることも、だんだん出来なくなるのだろうか。
 電車の吊り棚に置き去りにされたスポーツ新聞などに、こそっと手を伸ばしたりすることも出来なくなるなぁ…などと考えてしまう。

 この前BS朝日さんの番組に出ることになり、さすがにジャケットを新調することになった。
 私としては久々に2ケタの「万」が連なる買い物になった。(でも1が並んだ数字でしかなかったんですけど…)

 私の体形では、当然「Lサイズ」を選ぶことになるのだが、
 悲しいことに、お腹まわりは「L」なのだけれど、私の腕と足は「Sサイズ」なのだ。
 
 そうなると、どういうことになるか。
 小学生がお父さんの上着をいたずらで着たかのようなジャケット姿になるし、スラックスは、忠臣蔵の「殿中でござる!」風の裃(かみしも)スタイルになってしまう。

 だからセーター類はみな袖口を折って着ているし、スラックスは雨の日などは裾を折り返して歩いている。
 カッコ悪いことこのうえない。

 服を新調するときなど、必ずカミさんは、
 「体に衣服を合わせるのではなく、服に体を合わせるのよ」
 などと説教してくる。
 こっちは、「そういうなら、自分でまず実践しろ!」
 と言い返したくなる
 …けど、怖いから言えない。
ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 20:58 | コメント(10)| トラックバック(0)

エアストリーム話

 「キャンピングカーはスタイリングよりも機能が大事。格好にこだわるキャンピングカーは価値が低い」
 ユーザーのなかには、そのように信じている人がいる。
 しかし、スタイリングそのものが機能と一体となり、両者を切り離すことなどできないという幸せなキャンピングカーがある。
 エアストリームというトレーラーだ。

 ボディの素材にアルミを使って耐久性を高めながら、軽量化を実現し、ラウンドフォルムを採用して空力性能を向上させるなど、エアストリームのボディ設計は、キャンピングカーとしての機能を合理的に追及したことによって生まれた。
 しかし、そのために実現されたボディフォルムは、工業製品というよりはアートに近い造形美を持つことになった。

エアストリーム外形_

 エアストリームがハイウェイを疾走していくのを見ると、おそらく誰もがそのボディからオーラのようなものが発信されてくるのを感じるはずだ。
 エアストリームの故郷アメリカでも、このボディフォルムに特別な感情を抱く人は多い。
 ユニークなスタイルを持つキャンピングカーは他にもいろいろありながら、アメリカのメディアに採りあげられた頻度は、エアストリームがいちばん高いといわれている。

 エアストリームの銀色のラウンドフォルムはキャンピングカーでは珍しいものだが、それが何に由来するのか知らない人も多い。

 エアストリームデザインの原点は、大空を飛翔する航空機である。
 同車の創始者であるワーリー・バイアムが、1930年に広告業界から身を転じてトレーラーの製作を始めたとき、新しいトレーラーのスタイルを模索して、試行錯誤を繰り返すなかでひらめいたのが、アルミ素材を使った航空機だった。
 当時、風洞実験の結果もっとも空気抵抗が少ないといわれていたのが、航空機に代表される流線型スタイルだったのである。

 もちろんワーリー・バイアムが参考にした航空機は、1930年代のもので、現在の最先端旅客機などとはおよそ形態が異なる。
 しかし、リベット打ちされたアルミニュームで被われた同車のクラシカルなフォルムは、現代ではむしろ神々しくさえ映る。

 エアストリームはまず工法からして、他のトレーラーとは根本的に異なっている。
 一般的なトレーラーの工法では、まず床の上に家具を載せ、内装を仕上げてからパネルで周囲を囲み、天井にルーフを被せていく。
 製作する側からすれば、この方が作業が楽でコストも安い。

 しかし、その場合は、家具類の取り替えや大々的な補修が必要になったときに、その持ち出しができない。
 家具がボディを支える補強材として使われ、壁に貼り付けられているからだ。
 そのように造られているトレーラーは、家具の寿命が尽きたときにボディの寿命も尽きてしまうことになる。

 エアストリームでは、家具の取り外しが自由にできるように、調度品や電化製品は、すべてボディが完成してから組み込まれる。簡単にビス止めされているだけだから、補修や交換を行うときに車外に持ち出すのも楽だ。
 同車の場合は、ボディが堅牢なので、家具だけ新品のものに替えれば、さらに40年、50年と使い続けることができる。

エアストリーム内装_クラシック
 
 エアストリームのボディは、また内壁、外壁とも木材が使われていないので、結露や室内にこもった湿気による木の腐食からくる経年変化にも強い。
 同車にはエンジン付きのモーターホームもあるが、概してトレーラーの方に人気が傾くのは、やはり耐久性が異なるからである。
 エンジン付きのモーターホームは、ボディよりも先にエンジンが持たなくなってしまうからだ。
 普通の乗用車とは逆であるところが面白い。

 近未来的な流線型ボディに比べ、エアストリームのインテリアはずっと変わらないオーソドックスなアーリーアメリカンスタイルを取りつづけてきた。それがオーナーの大多数を形成する60代~70代の老夫婦に好まれていたからだ。
 彼らは、芝生に水を撒きながら、ホワイトペイントの柵越しに、隣りの夫婦とトウモロコシの収穫高を語り合い、夜は夫婦で野球を見ながら、イチローやマツイのことではなく、ジョー・ディマジオの思い出話を語る。
 そんなアメリカのシニア夫婦の生活感覚に合ったインテリアでよかった時代が長かった。

 しかし、2002年にインターナショナル(特にCCD)という新しい機種が登場してから、その内装はガラっと変わった。
 アルミで被われた外装と同じく、内装にもアルミパネルが使われ、コーナー部にアールを付けたラウンド家具が用いられるようになった。
 ナチュラルな温かみを持った大草原のコテージが、一気に宇宙ステーションに変わったようなものだ。
 でも、それも現代的で実にいい。

エアストリーム内装_CCD

 エアストリームがもっと増えれば、日本の風景も変わっていくだろう。
 せせこましい電信柱と混みあったビルに埋もれた日本の景色に、大陸的なおおらかさが付加されるような気がする。
 風景を変えるキャンピングカー。
 そういう力を持つクルマは、現在このエアストリームしかないようにも思う。
campingcar | 投稿者 町田編集長 20:34 | コメント(6)| トラックバック(1)

ランドナーを語る

《覆面 座談会 フレックス・ランドナーを語る》

【A】 ハイエース人気で、ハイエースを特集したムック本がみな売れているんだよね。キャンピングカー専門誌もハイエースを表紙に出すと評判がいいらしい。
 今日はそのなかで、アルフレックスの開発した「フレックス・ランドナー」というバンコンを取り上げてみようと思うんだけど。
【B】 う~ん…メジャーなクルマじゃないよね。バンコンのメインストリームから外れていると思うけどな。
【A】 だから面白い。このクルマを見ていると、ハイエースのマーケットというものがよく見えるような気がする。
【C】 どういうこと?

フレックスランドナー外形斜め フレックスランドナーインパネ

【A】 確かに、今ハイエースのバンコンは売れているけれど、それでも全車種を総合しても、憶測としては、いいとこ年間1,000台とか1,200台といったところじゃないのかな。
 しかし、ハイエース全体の販売数は年間6万台以上ある。しかも、その過半数はロングバンのナローが占め、さらにその大半がスーパーGLだ。
 このSGLを購入するユーザーの大半は、パーソナルユースだよ。
 何が言いたいかというと、ハイエースのキャンピングカーがいくらブームだからといって、スーパーGLを求める客層の10分の1ぐらいでしかないということ。
 フレックス・ランドナーというクルマは、キャンピングカーの壁を越えて、その10倍ともいえる外の世界を狙ったクルマなんだよね。
【C】 しかし、それならランドナーに限ったことじゃないんじゃないか? この200系ハイエースが出た頃から、これをトランポ的に扱う若いユーザーを見越して、各社はそれに応じたシンプルなモデルを最初から準備している。
 そういう取り組みなら、トップメーカーのリンエイが抜かりないし、トイファクトリーのトイズボックスなどもその腺狙いだ。

【A】 いや、トランポではないんだよ。若いユーザー向けのバンコンというと、みな「遊びのギアを積んで…」という発想が最初に浮かんでしまうから、すぐトランポに行ってしまうけれど、必ずしもそういう客層ばかりではない。
【B】 では、どういう層を狙っているというの?
【A】 ボディにエアロを巻いたり、ローダウンで車高を落としたりというカスタム系のクルマを好む人たちだね。
【B】 それならこれはむしろ大人し過ぎるよ。中途半端。
【A】 いや、そこがむしろこのクルマの狙いなのね。実際このクルマを買っている人たちの年齢層って、知ってる?
【C】 20代。

【A】 違うんだよ。30代後半から40代。家庭持ちの人がほどんど。逆に、20代はいないのね。
 つまりね、若い頃コテコテに改造したシャコタンなんかに乗っていたけれど、一応卒業して、結婚して。
 さすがにそういうクルマにはもう乗れない。
 だけど、「ただのバンに乗っているんじゃないんだよ」 「スーパーGLだよ」 「しかもアルミを履いているよ」 「フロントスポイラーも付いているよ」
 そこを主張したい人たちから絶大な支持を受けているのが、このクルマなのね。
【C】 「郷愁としてのカスタムカー」か。
【A】 そうなんだよ。若くはないが、絶対オヤジになりたくない。
 フレックス・ランドナーに乗る人はみなそういう気持ちなのさ。

フレックスランドナー真横 フレックスランドナー室内1

【B】 で、実際に売れているの?
【A】 キャンピングカーとしてのシェアはたいしたことないんじゃない? だけど逆に、オートサロンなんかのハイエースコーナーだとステータスになっていて、けっこう売れているらしい。
 「やっぱりキャンピングカー屋が手がけるカスタムカーは格調がある」という評価なのね。
 キンキラした内装で、ヒップホップがガンガンかかっているクルマとは一線を画しているからね。
 
【C】 確かに、一見「おとなしめ」だよね。ローダウンといっても2インチ落としているだけで、走行性能が損なわれるようなことはしていないし、扁平タイヤも扁平率は55止まり。
【A】 しかし、見る人が見れば個性がすぐ分かる。オプションでしっかりオリジナルのフロントスポイラーが用意されているし、ドアミラーは輸出用のものが採用されている。
 グリルもボディ同色にして、いちおう流行りの「ワル顔」を装っている。
【C】 他のハイエースキャンパーでは手が回らなかった部分をしっかり造り込んでいるというわけか。
【A】 …というか、外装に関しては、やんちゃっぽい演出をはっきり打ち出しているわけだね。

【B】 だけど、ハイエースのキャンピングカーを探しに来た人が、フロントスポイラーを見ても輸出用ミラーを見ても、特に感激しないと思うよ。
 正統的なキャンピングカーを求める人の視点はそこにはないから。
【A】 それはそれでいいんだけどね。ただ、キャンピングカーショーの会場に来ている人で、営業スタッフの説明を求めるわけでもなく、ただクルマの中を覗きこんで帰って行く人がいっぱいいるよね。
 そういう人の中には、カスタムのアイデアだけを求めて来場する人が結構いるんだよ。
 彼らはカスタム系のイベントに行ったときに、そっちに出展する業者さんたちに尋ねるわけ。
 「キャンピングカーショーでこういう改造例を見たんですけど、カスタムできますか?」って。

【B】 だけど、内装はすごくシンプルじゃない? あまりこだわっているクルマには見えないんだけど。
【A】 しかし、よく見ると違う。たとえばキャビネット。みな扉がついていないんだよ。
 普通のキャンピングカー屋さんの場合、とにかく扉がある方がステータスになると思うから、キャビネットはみな扉つきだよね。
 しかし、こういうクルマに乗る人は扉があると不便なんだよ。開けるときに、いちいちシートをずらさないとならないから。
 だから、このクルマの場合、キャビネットはみなポケット構造になっている。シートがどの位置にあっても、手を伸ばせばそのまま中の物が取り出せる。

フレックスランドナー室内2 フレックスランドナー室内3

【C】 なるほど。乗用車の感覚か。市販のワゴンはみなそうなっているからね。
【A】 そう。だから「土足厳禁」ではないんだよ。靴を履いたまま乗れるようになっている。
 そのため家具類の下にカーペットが巻いてある。つまり靴が当たっても、キャビネットが傷つかないようになっているわけだね。
 キャンピングカーというと、誰もがすぐにトイレとかギャレーという装備を思い浮かべるけれど、このシューズプロテクターのような装備は、逆に普通のキャンピングカーにはないわけ。
 それに3列目のシートにこだわっていないというのも特徴だしね。

【C】 そうか。一般的なキャンピングカーとは発想が違うというわけか。
【B】 ただ何度もいうけど、ビークルとかレクビィのような老舗のバンコンメーカーはやらない手法だよな。
 ニッチな部分を狙っているという面白さはあるけれど、キャンピングカーのメインストリームではない。
【A】 いや、何がメインで何がニッチかなんて、ユーザーにとってはあまり意味がないことだよ。
 それよりも、ハイエースの新しいカテゴリーだと思った方が楽しい。乗用車でもなければキャンピングカーでもない。
 寝るための設備を持ったワンボックスワゴン。
 そういうカテゴリーはみんなが狙っていたけれど、マーケットリサーチをしっかり行った分、このフレックス・ランドナーにアドバンテージがある。
 このクルマの開発者には、顧客の顔がしっかり見えていると思うよ。
campingcar | 投稿者 町田編集長 20:42 | コメント(0)| トラックバック(0)

ヒップポップ犬

 犬の性格って、一匹一匹こんなに違うものか。同じ犬種を続けて飼ってみて、つくづくそう思った。
 ミニチュアダックスのメスが2代続いたわけだが、前の犬が、部屋の中でショパンのポロネーズなどをピアノで弾いているような子だとすれば、今度の子は、ヒップホップのリズムに乗って、ラップを口ずさんでいる感じの子。
 飼い主にじゃれつくリズム感が違うのだ。

 前の子はワルツの3拍子。
 ポポポン、ポポポンとお上品。
 今度の子は16ビート。
 ッタッタッタッタッタッタッタ…
 と高速リズムで、せわしなくハネてくる。
 
 こういう現代っ子のリズム感は、我々せいぜいエイトビート世代の夫婦からみると、はっきり言って「ノイズ」でしかない。

犬1

 生命力が旺盛といえば、聞こえは良いが、
 やることなすこと、すべて猪突猛進。
 私が畳に寝そべっていたりすると、部屋の隅から、猛然と突進してくる。
 「まさか、顔面に突っ込んでこないよな」
 と思っていると、全速力のまま驀進し、私の鼻っ柱に頭突きをかます。
 
 「よける、速度を落とす、乗り越える」
 といった、犬としての基本的な知力を持ち合わせていないようだ。
 「痛てぇ!」…という感覚は犬にとっても同じだろうが、ヤツはその痛覚すら乏しいのかもしれない。
 案の定、私の鼻に跳ね返され、キャンと一鳴き、転げまわっている。
 これを繰り返されているうちに、私の鼻も2~3mm低くなってしまった。

 ラップ娘にリードをつけて、昨日、初散歩に行った。
 なんと、外を怖がって歩かない。
 交差点などに来ると、日ごろ覚えようともしない「お坐り」をしたまま、右向き、左向き、を繰り返しながら立ち往生。
 部屋の中では、鼻歌まじりでスキップを踏んでいる軽薄娘のどこに、そのような慎重さが潜んでいたのか。

 しかし、そこが可愛い。
 ついデレデレと抱っこしてしまう。

 月末にこいつを連れて、初キャンプに行くつもりだが、キャンピングカーの中でヒップホップを流したら、どんな反応を示すのだろう。
 走行中ずっとリズムに合わせ、ダイネット下あたりでブレークダンスでも踊っていそうな気がする。


ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 19:28 | コメント(2)| トラックバック(0)

モノリスの声

 3年ほど前、家でもキャンピングカーの中でも、元ちとせの『ノマド・ソウル』を集中的に聞き続けていたことがある。
 気になって仕方がなかったのだ。
 無国籍的な匂いを漂わせる不思議なメロディもさることながら、彼女が歌う曲の歌詞には、あまりにも多くの謎が散りばめられていたからだ。

 特に、ヒット曲ともなった『千の夜と千の昼』はどのような世界を歌っているのか、皆目見当がつかなかった。

ノマドソウル_ジャケ 

 「あなたに笑ってほしくて、ほら、いろんな物を用意したよ」
 と歌われる時の「あなた」とは誰なのか?
 用意した「いろんな物」とは何なのか?

 歌詞の中に、その答えは出てこない。

 そもそも歌の中で「あなた」と呼ばれる人間は、
 いま「言葉も、祈りも、風船も、花束も届かない」場所にいるという。
 そういう場所とは、どのようなところなのか。

 クルマの中でそれを考えながら、信号待ちをしていた時に、
 ふと空を見上げた。
 白昼の陽射しを浴びて、ガラス張りの高層ビルが、
 自ら発光体になったかのように、ギラギラと謎めいた光を放っていた。

高層ビル

 不思議なものだ。
 それを見た瞬間、『千の夜と千の昼』の謎が解けた。

 その時、元ちとせはこう歌っていたのである。
 「草木に埋もれて忘れ去られた、崩れた塔の上で、何を見てる?」
 塔である。

 間違いないと思った。
 ここで歌われる「あなた」とは死者である。
 「いろいろな物」というのは、死者に捧げる供物のことだ。
 「千の夜と千の昼」というシンボリックな時間が意味するものは、
 「あなた」が、この世の時間から解放され、象徴的な時間が流れるあの世に移ったことを指している。

 私は、発光体のように輝くビルの屋根の上に、遠くを見つめている死者の姿を見たような気になった。

 大都会に君臨する真四角なビルは、時に墓標のように見え、時に「この世」と「あの世」をつなぐコミュニケーションの交流機のように感じられる。
 そもそも墓標とは、そこを通じて異次元の世界とコンタクトを取る基地なのだ。

 スタンリー・キューブリックが描いた『2001年宇宙の旅』には、そのような存在としてモノリスという巨大な長方体が出てくる。
 モノリスが何であるか、監督はそれを説明しない。
 しかし、モノリスが画面に登場することによって、人類のひとつの文明が終わり、次の文明が訪れることを観客は理解する。

 死者の声というのは、宇宙の声でもある。
 元ちとせの声は、その宇宙のメッセージを伝える巫女の声となって、私が見上げたガラス張りの「モノリス」と共振したのだ。
 
 それにしても、豊かな奄美の自然環境に育った元ちとせの歌が、大都会の高層ビルと波長を合わせるとは!

 超自然と超文明は、限りなく「あの世」に近いという意味で、親密に結びつくものなのかもしれない。

新アルバム_ちとせ

 歌姫が復活して、アルバム3作目としてリリースされたのがこの『ハナダイロ』。
 元ちとせらしい世界は揺るぎないものの、さらに美しく爽やかな上質のPOPSに仕上がっている。
 ただ、『ノマド・ソウル』に漂っていたドロドロとした凄みはやや後退。
 上田現の存在感が薄いように感じられるのは気のせいか。

音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 22:37 | コメント(4)| トラックバック(1)

ニートの子と旅を

 あまり世間のニュースを取り上げたくないけれど、親が子供を平気で殺したり、子供が家に火をつけたり、親子関係がどうしようもなく崩壊していくような異様な社会が訪れつつあるように思う。
 
 このような混乱した親子関係は、社会そのものを反映しているという気がする。
 すなわち、儲けることが至上の目的となり、人を出し抜いても儲けた者勝ちという風潮がはびこる世の中になってきたからだ。
 そういう社会では、努力することの意義とか、助け合うことの大事さが無意味なものになっていく。

 今の子供たちは、そういう大人の社会に危機感を覚え、身を守るためには弱者をいじめてまでも自分の位置を保とうとし、それについていけない子は自閉してニートになっていく。
 特に、ニートの問題は、確実に団塊の世代を襲っている。

 日経産業消費研究所の調査によると、団塊世代の約60%の世帯には同居の子供がいて、このうち正社員になっている子供は6割弱。パート、アルバイト、契約・派遣社員など、正社員以外のフリーターは46%にも達するという。
 さらに、そのフリーターとして数えられる子供のなかには、まったく未就業のニートの子供が12%もいるそうだ。
 10人に1人以上の団塊世代が、ニートを抱えている。

 「ハッピーリタイヤメント」」という言葉があるが、子供がパラサイトしているかぎり、決してハッピーではない。
 しかし、そういうニートの子供に「就業しろ」とか、「社会人として自立しろ」などと説教しても、はたして、どれだけニートの子供がそれに耳を傾けるだろうか。

 多くの親が説教する内容は、自分が常識として信じてきた社会的な規範に依拠しているだけで、自分の心の奥に仕舞われたナマの言葉ではない。
 ナマの声が届かないから、子供は親の言うことを信じない。

 2007年以降、団塊の世代が定年退職を迎えるにあたって、夫婦でキャンピングカーによる日本一周を、という声が高まっている。
 それはとても魅力的な提案だけど、(そして昨日も自分でそう書いたけれど) もしかしたら、夫婦で旅行する前に、父親はまずニートの子供と一緒に旅行するべきかもしれない。
 
 定年退職とは、いってしまえば親もニートになることだ。
 そのとき、はじめてニートの目線になってモノを見る視点が獲得できる。
 人にメッセージを伝えるときの核となるものは、説教ではなく共感だ。
 共感はナマの言葉からしか生まれない。
 そのナマの言葉は、平気で自分の弱さをさらけ出せる強さからしか生まれない。

キャンピングカーの旅_

 ニートの子供と、ニートになった親が、キャンピングカーの旅を始めても、おそらく最初のうちは話す言葉も見つからず、気まずい沈黙が支配するだけかもしれない。
 でも、それでいいではないか。
 川原にキャンピングカーを止め、川面を跳ねる魚を見つめていればいいではないか。
 火をともしたランタンに集まる虫を眺めていればいいではないか。

 『バカの壁』でいちやく有名になった養老孟司氏は、ある雑誌のインタビューで次のように答えている。
 「人は月に行くロケットはつくれるけれど、大腸菌ひとつつくれない。
 いとも簡単にハエや蚊をつぶすけど、それをつくれるかといわれると、つくれない」

 生命を尊ぶ気持ちを養え、などとは言わない。
 生命の不思議さに気づくだけでいい。
 
 人間同士のコミュニケーションは、「共に生きている」ということの不思議さに気づくことから始まるように思う。
 キャンピングカーの旅が、それを可能にしてくれる。
 
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 22:11 | コメント(2)| トラックバック(0)

40%が「欲しい」

 BS朝日の「悠遊!オフタイム」に出演して、楽しい経験をしました。ミーハーなもので、小堺一機さんが前にいるというだけでドキドキでした。

 この番組は視聴者のアンケートや、書き込みコメントなどをベースに構成されるわけですが、今回の「キャンピングカー特集」では、50歳以上の視聴者に、
 「あなたはキャンピングカーを欲しいと思いますか?」という調査を事前に行っていました。
 さて、その結果は?

 番組をご覧になった方はお分かりでしょうが、その比率は、
 「キャンピングカーを欲しいと思う」    40%
 「キャンピングカーを欲しいと思わない」60%
 ということになりました。
 はて、欲しいと思う人は多いのか、少ないのか。
 
 キャスターの小堺さんは、この結果を見て、
 「あれ、意外と少ないな」という表情をされていました。
 皆さんはどう思われますか?

キャンピングカーと雲1

 私は、40%の人が欲しいと思うなんて、まぁ、すごいことだな! と感じたのです。
 キャンピングカー関係のイベントでは、この1年の間にシニア夫婦の二人連れがたいへん目立つようになりました。
 だから、欲しい人が40%しかいないというのは、確かに少ないような気もします。
 しかし、そこに訪れたご夫婦というのは、すでに「キャンピングカーを欲しい」と思われた人たち、いわばハードルを越えてきた方々です。

 一方、このアンケートに回答を寄せられた方々は、調査が行われる前には、キャンピングカーという存在そのものに日ごろ関心を示さなかった多くの人たちが含まれているはずです。
 それにもかかわらず、「キャンピングカーが欲しいか?」という質問に、40%の人が「YES!」と答えるなんて、これ、すごいことじゃありません?

 欧米では、夏のロングバケーションでは、1ヶ月ほどの長期休暇を取る習慣があります。
 その大半の人たちは、モーターホームやトレーラーを使って、キャンプ場や観光地で優雅な1ヶ月を過ごします。

 しかし、日本人の場合は、長期休暇といってもせいぜい1週間。
 05年度のレジャー白書によると、日本人の平均的な観光宿泊数は、わずか1.91泊です。
 それでは、「キャンピングカーによる長期休暇の過ごし方」なんて、まったくイメージできるわけがありません。

 団塊の世代が大量に定年退職を迎える2007年からは、いわば日本で初めて「長期休暇」を取れる人たちが生まれることになります。
 私は、2007年という年を境に、日本人のレジャーに対する意識がガラっと変わるように思います。
 もちろん、キャンピングカーに対する人々の関心度も劇的に変わるはずです。
 私の仕事も忙しくなりそうな予感がします。

 ところで、番組の最後に、「キャンピングカーとは?」という命題をいただいて、私はそれを「リセットスイッチ」だと答えました。
 結婚30年を迎え、多少くたびれてきた夫婦の間柄を、新婚当初のフレッシュな気分に巻き戻すためのリセットスイッチであり、
 惰性に押し流された日常生活をいったん断ち切り、新鮮な気分で旅を味わうためのリセットです。

 この標語を思いつく前に、たくさんの方々からヒントをいただきました。

 「人生のスパイス」        ブルーサンダーさん
 「暇つぶしのためのツール」  azwin8さん
 「全国見習いくるま旅」     旅人さん
 「家族の調味料」        ヨッシーパパさん
 「走るワンルームマンション」 小平の福ちゃん

 皆さまありがとうございました。
 これらの名句をいただいたことで、出演に臨む勇気を得ることができました。
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 21:27 | コメント(2)| トラックバック(0)

エアサスの現在

《覆面 座談会 エアサスの現在を語る》

【A】 キャンピングカーのエアサスが最近ずいぶん話題になってきたけど、エアサスの世界って、いま何が起こっているんだろう?
【B】 ここ最近だけど、ものすごく精度の高いエアサスが開発されてきて、それを使い出したユーザーたちがネットで情報交換を始めたわけ。
 もともと昔から興味を持っている人たちもいたから、そういう人たちも、そのネットにアクセスするようになって、「本当に性能がいいの?」というやり取りが始まった。
 その反響が出ているわけだね。
【C】 精度の高いエアサスって?
【B】 いろいろあるけれど、特にスマイルファクトリーという会社が開発した「キャンサス(キャンピングカーサスペンション)」が評判がいいみたいだ。
 これはモンローのマックスエア(MAX-AIR)をベースとしているんだけどね。

エアサスキット

【A】 初歩的な質問なんだけどさ、エアサスって空気だろ?
 金属ばねのスプリングなどとどう違うの?
【B】 一言でいうと、復元力として金属ばねの代わりに、空気の弾性を利用しているわけ。
 ボイルの法則ってのがあるんだけど、「一定温度下では、気体の圧力と体積は反比例の関係にある」というやつね。
 要するに、気体を2分の1の体積まで圧縮すると、圧力は2倍になる。つまり反発力も2倍になる。
 そういう空気の性質を利用したのがエアサスなんだよ。

【C】 どういう効果があるわけ?
【B】 まず乗り心地がしなやかになる。トラックなども乗用車なみの走行感覚になる。
 逆に、サスの設定を硬くすることによってロールを抑え、コーナリング性能を向上させることもできる。
 それが調整次第で自由自在になるわけ。
【A】 調整って?
【B】 一般的な金属ばねと違うところは、エアサスの場合、コントローラーを使ってエア圧を自在に調整できるわけよ。だから市街地では圧を下げて柔らかな乗り心地を実現し、高速道路では圧を高めて、びしっとタイトに走るとかね。

【C】 最近は、観光バスや高速バスでは当たり前にエアサスが使われているよね。
 大型トラックでも走行中の荷物の損傷を抑えられるので、エアサス装着がほとんどだね。
【B】 そうなんだ。だけど、キャンピングカーにはほとんど普及していなかったのね。
 一部の高級バスコンなんかは別だけど、一番必要なキャブコンには、まだ関心を持っているユーザーが少ないから、普及率は低いよね。

【A】 なぜだろうね。
【B】 普通のユーザーはキャブコンを買うだけで精一杯なんだよ。
 キャビン側に座った家族が、走行中に飛び跳ねようが、酔ってしまおうが、「キャンピングカーだからしょうがないよ」という意識の方が強い。
 エアサスを後付けして乗り心地を向上させようというほどの意識も資金的な余裕もない人が一般的じゃない?
【C】 しかし、乗用車に乗り慣れた人がキャブコンのキャビンに座ったら、けっこうシンドイと感じると思うんだけどね。
【A】 車種にもよるよ。それに人の感覚は千差万別。

【B】 でも、4輪とも「キャンサス」のマックスエアを装着したSRXに乗ったけれど、これは確実に良さが体感できた。
 エア圧を5ぐらいに落として走ると、もう乗用車底抜けのしなやかさだし、圧を7ぐらいまで高めると、スパルタンとは言わないまでも、どしっと4輪が踏ん張る感じが確実に伝わってくる。
 乗ると良さが分かる。
【A】 ほんと?
【B】 うん、ほんと。この「キャンサス」を開発したスマイルファクトリーは、ものすごい開発スピードで、相当レベルの高いものを実現してしまったわけ。
 そもそもこのサスは、アメリカのモンロー・マックスエアをベースにしたものなんだけど、モンロー製のものにはフロント用がないわけよ。
 もともとトレーラーヘッドの尻下がりを解消するために開発されたサスだから。
 スマイルファクトリーは、すでにカムロードとヒュンダイSRX向けの4輪エアサスを開発し終えているけど、両方ともフロントがダブルウィッシュボーンじゃない?
 モンローのオリジナルは、それに対応するようにはなっていなかったわけ。
 それを全部自社開発したところが、この製品の特徴だよね。

【C】 どういう構造になっているんだろう? 
【B】 まずエア容量を確保するためのエアタンク。それを送り込むコンプレッサー、エアが通っていく配管。エア圧を調整するためのコントローラー。そんなところかな。
 今まではコンプレッサー部分が室内にあったけれど、最新型ではそれを防水型にして外に移している。
 だからコンプレッサーの音が室内に入ってこなくなった。
 コントローラー、コンプレッサーともに信頼性の高い国産品に替えられたから初期型のものより精度は上がったね。
続きはこちら
campingcar | 投稿者 町田編集長 20:38 | コメント(2)| トラックバック(0)

夫婦も30年経つと

 それまで7割を占めていた「見合い結婚」が減少し、「恋愛結婚」と逆転したのは、1960年代の中頃だといいます。
 団塊の世代が適齢期を迎える70年代中頃になると、恋愛結婚は6割を占めるようになりました。

 この「見合い」と「恋愛」の比率が逆転したのは、ちょうどミニスカートが日本に上陸したときと一致します。
 ミニスカートという文化が日本に導入され、日本でもついに、女性のナマ足が太陽のもとで堂々と披露される時代を迎えたわけですね。
 それと恋愛結婚が増えたことと、何か因果関係があるのか、ないのか。専門家の分析を仰ぎたいところです。

 とにかく団塊の世代というのは、日本で初めてラブラブ カップルとして世の中から認められ、祝福された世代なんですね。
 「できちゃった婚」なんてのが始まるのも、彼らからです。

 しかし、結婚してから約30年。
 ラブラブ夫婦の関係は、その後どう変わったのでしょうか?
 
 衝撃のデータがあります。
 BS朝日が制作している「悠遊!オフタイム」で、団塊世代の夫婦同士がお互いをどう思っているかという意識調査をしたところ、
 奥様たちが寄せる旦那さん評には、とんでもないものが!

 「若い頃はよかったが、年とって××××になった」
 「平気で×××をするようになった」
 あぁあぁ…。

 一方、旦那さんが掲げる奥様の変化に対しては、
 「×××が×××になった」
 「××××をしなくなった」
 
 伏字だらけでゴメンナサイ。
 品格を大事にする当ブログにおいては、これ以上はとても…

 この「悠遊!オフタイム」という番組は、ミドル世代に娯楽情報を提供する番組なのですが、「視聴者と共につくりあげる」というスタイルを貫いているところに特徴があります。
 つまり、アンケート調査の回答や書き込みコメントなど、視聴者が寄せる様々な情報を元に構成されているんですね。

 11月15日放映分では、キャンピングカーに対するミドル世代の意識が取り上げられることになりました。
 「あなたはキャンピングカーを欲しいと思いますか?」

 はたして、「欲しい」と思っている人たちは 何%なのか?
 逆に、「欲しくない」と思っている人たちは 何%なのか?
 業界の人が知りたいデータの核心に迫ります。

小堺氏と高樹嬢

 これらの気になる調査報告を、小堺一機さんと高樹千佳子さんが絶妙のかけ合いでレポートします。
 アンケート調査の結果を元に、私もチラッと顔を出して、キャンピングカーについて語ります。
 放送時間は、22:00~22:30(11月15日水曜日)です。


コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 17:54 | コメント(4)| トラックバック(0)

RVショーの総括

《覆面 座談会 RVショーの総括》

【A=クマ】 今日は今年1年のキャンピングカーイベントを総括してみようと思うんだ。「お台場くるま旅パラダイス2006」も終わって国内の大きなキャンピングカーイベントは一段落したわけだけれど、この1年を振り返って、どう思う?
【B=サル】 その前にさぁ、俺たちまた変な紹介のされ方していない? サルとかクマとか。
【C=イノシシ】 いいじゃない。幼稚園のクラス名みたいで。ほのぼのとする。
【B】 しかし、サルとかイノシシって、最近みな人里に出てきて悪さする動物たちばかりだぜ。
【C】 そうか。このブログ制作者の悪意を感じるな。

nagoya

【A】 ところで今年のショーはどうだった?
 大阪、名古屋、東京で大きなイベントが開かれたけれど、どこも盛り上がっていたよね。明らかに大きなブームが来そうな感触がある。
【B】 ただ、全般的にいえることだけど、出展車両にバラエティが欠けてきた感じがする。
 ハイエースが5割を占め、あとはカムロードが3割、それ以外はトレーラーと軽キャンカーといった感じで、輸入車が少なくなってきたね。頑張っているのはボナンザとニートRV、東和モータースぐらいだ。4~5年ぐらい前とはそこが大きく変わってきたね。
【C】 お台場のショーはユーザーが愛車を持ち込んでキャンプを楽しめるわけだけど、そっちには大型輸入車もいっぱいあって、5年ぐらい前のショーが場外で再現されている。

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【A】 輸入車が少ないのは仕方がないよね。アメ車は大型化が進んできて、日本に導入できない車種ばかり増えているし、ヨーロッパ車はユーロが高すぎて、為替レートの問題で業者がみな悩んでいる。
【C】 もう一つは排ガス規制の問題が大きく立ちはだかってきそうだね。
 日本の排ガス規制が強化されて、今年の10月1日以降に製作される自動車に関しては、型式認証を受けていない重量車に対しても排ガス基準が適用されるようになった。
 キャンピングカーも来年の4月1日からこの基準が適用されるようになるため、型式認証を受けていない重量車はもろにこれに引っかかる。
 そうなると、1台ずつガス検を受けなければならず、場合によっては基準値をクリアできないものが出てくる可能性もないことはないだけに、それに二の足を踏んでいる業者さんもいる。
 輸入車にとっては逆風だね。
【B】 寂しいよね。キャンピングカーブームは盛り上がっているというのに、選べるベース車が国産のハイエースかカムロードだけでは…

【A】 しかし、逆に内装のつくりに関しては、国産車は恐ろしいほどの進化が見られた年だったと思うよ。
 新しいアイデアがどんどん出てきたし、家具などのクオリティ向上もめざましい。
 ようやく日本独自の「キャンピングカー文化」が生まれてきそうな気配はあるよね。
【B】 買い替えのユーザーが増えてきて、商品力を見抜く力を持ってきたからだよ。
 単に見栄えの良さに引っ張られるだけでなく、断熱性とか空調の配管類の取り回しとか、目に見えない部分に着目するユーザーが増えてきたのね。
【C】 ビルダーがうかうかしていられない時代が来たわけだね。

【A】 ただ、面白い現象も起こっている。
 普通キャンピングカー初心者というのは若い世代に限られるという印象があったけれど、それが変わりそうな気配がある。
 団塊の世代がこの世界に注目するようになって、逆に中高年の初心者が増えてきたというのが、大きな変化だね。
【B】 そうそう。テントキャンプを経験していないシニアユーザーが増えるというわけだよね。そうなるとどうなると思う?
【C】 キャンピングカーに対するイメージが変わるんじゃない?
 キャンプに使うクルマから、キャンプも含めて、広い意味での「旅行」に使うクルマになっていくと思う。
 JRVAさんの言っている「くるま旅」の時代がついにやってくるというわけだ。
【B】 ただ、そこで問題も出てくるよね。キャンプ場なら、場内で生活するときのルールというものがはっきりしているけれど、旅となるとルールの規定もあいまいになってしまう。
 だから、マナーの問題などもクローズアップされるようになったと思うんだ。
【A】 そうだよ。これからたくさんのキャンピングカーが日本全国を走り回るようになるわけだから、ビルダーさんたちも、単に良いクルマを仕上げるだけではなくて、マナーを守れるユーザーを育てることも大事な仕事になっていくんだろうな。

【B】 もうそろそろ終わりだってよ。
【C】 ええ? 話はこれからだというのに。
【A】 そろそり切り上げないと、今日のUPに間に合わないんだってよ。

【B】 ブログ制作者の都合で時間制限があるなんて、腑に落ちないよね。
【A】 いいじゃない。どうせ俺たちはクマ、サル、イノシシなんだから。
campingcar | 投稿者 町田編集長 23:02 | コメント(0)| トラックバック(0)

お台場ショー速報

 11日から12日にかけて、東京・お台場で「くるま旅パラダイス2006」が開かれました。
 今年の大型キャンピングカーショーの最後を飾るにふさわしい盛況ぶりでした。出展車両も過去最高。撮影したカットは450カットに及びました。
 その一部をご紹介。

会場風景1 会場風景2

▼このブログでも紹介した『くるま旅くらし心得帖』を書かれた山本馬骨さんもステージに登場して挨拶。キャンピングカーの達人ならではのアドバイスを聴衆に披露。      ▼左は奥様。素敵なカップルです。
山本馬骨氏2 山本馬骨氏

▼バンコントップビルダーのリンエイは、「フロンティア」をデビューさせました。「寝る」と「積む」を徹底させた鮮やかなコンセプトが光ります。
フロンティア_外形 フロンティア_室内

▼先日も紹介したMYSミスティックの「アドベンチャー」。久しぶりのハードシェル型ピックアップキャビンです。
アドベンチャー_外形 アドベンチャー室内

▼AtoZの「アクシス」。エントランスドアにバスの扉を採用するなど、新機構・新機軸を満載した新型キャブコンです。
アクシス_外形 アクシス_室内

▼OMCの「北斗」。ハイエースワゴンロングを使った新バンコン。全高2.1mで、気楽に立体駐車場に入れるのが魅力。
北斗_外形 北斗_室内

▼カトーモーターの「DD」もロングソファを採用したニューバージョンが追加されました。
DD_外形 DD_室内

 それにしても土曜日の夜は飲みました。
 明け方近い4:00まで。
 ○○ピー○○○○トの畑○さん、お疲れ様でした。
campingcar | 投稿者 町田編集長 23:17 | コメント(0)| トラックバック(0)

お台場RVショー

 いよいよ11日(土)から「東京お台場くるま旅パラダイス2006」が開かれます。
 今日は搬入日。
 昼から展示車両が続々と運び込まれてきました。
 片っ端からカメラに撮りました。
 このショーでデビューする魅力的な新型車も多数。
 その一部をご紹介。
 ▼MYSミスティックの新型ピックアップキャビン「アドベンチャー」
アドベンチャー

 ▼AtoZの新型キャブコン「アクシス」
アクシス

 ▼レクビィの新型バンコン「トートバック」
トートバック
 
 ▼マックレーの「デイブレイク・エリートSRXには、ついにスマイルファクトリーが開発したエアサス「MAX-AIR」の最終形が登場。会場内で組み込み作業が行われていました。
デイブレイク足

 1日中突っ立って撮影。昼飯抜き。ちょっと今日は疲れ気味です。

 なお、「くるま旅パラダイス」の詳細は次のとおり。
 場所:東京都江東区青海1丁目。青海Q区
 入場料:800円(中学生以下無料)
 アクセス:りんかい線「東京テレポート駅」より徒歩3分
      ゆりかもめ「台場駅」より徒歩3分
      自動車の場合は、首都高11号線「台場ランプ」より4分

 なお、コメントを頂いた方の一部のコメントがどういうわけか消えてしまいました。ブログ管理者に問い合わせていますが、返事がまだ届きません。
 ジャバママ様、ヨッシーパパ様、ごめんなさい。

campingcar | 投稿者 町田編集長 22:39 | コメント(5)| トラックバック(0)

録画撮りでした

 今日テレビの録画撮りがありました。「団塊の世代とキャンピングカー」をテーマにしたトーク番組で、その解説者としてチョコっと顔を出すというやつです。

 テレビ出演はこれで2度目です。
 でも相変わらず慣れませんねぇ、素人は。
 あがっちゃって…。

 以前、松任谷正隆さんがキャスターを務める番組に出たことがあるんですが、「落ちつけ落ちつけ」と自分に言い聞かせても、
 カメラが目の前に迫ってくると、ドキドキが止まりません。

 しゃべる番になっても、いざとなると言葉が浮かばない。
 記憶のファイルを次から次へと開けてみても、どこも真っ白け。
 「NGでいきますか?」
 とディレクターが助け舟を出してくれて、
 「すいません、もう一度…」
 と頭をぽりぽり。
 素人の悲しさです。

 今回の番組も、カメラを前にどれだけ平常心を保てるか。
 それが不安で不安で。

 しかし、今回は「テレビ慣れしていない人でも大丈夫」とのこと。
 カメラをまったく意識せず、キャスターと目を合わせたまま普通に話していればいいと言われました。
 ゲストの緊張をやわらげるために、スタジオも大げさなテレビ用のものではなく、こぢんまりとしたラジオ用ブース。

 事前にブース内を見せてもらいましたが、可愛い楕円テーブルがひとつあるだけの、なんだかキャンピングカーのリビングといった風情のスタジオです。
 これならリラックスできそうだ…と必死に自分に言い聞かせていましたが、やはり本番前になると、スタッフがピリピリしてくる空気が伝わってきて、こちらも手のひらに汗が…。

テレビスタジオ1 テレビスタジオ2

 自分の出番が回ってくるまで、私はミキシングルームで待機していたのですが、ガラス張りの向こうに、キャスターを務める小堺一機さんが登場すると、場の緊張感も最高潮に達します。

 明るくひょうきんな小堺さんが、あまり無駄口を叩かず、真剣な顔つき。
 それを見ているだけで、再びこちらの心臓も早鐘を打ち始めます。

 ところが、スポットがともり、カメラが回り始めると、
 小堺さんの表情が一変!
 あのいつもテレビで見る瓢々と明るい口調で、笑わせてくれるギャグを連発。
 台本もあるのですが、ほとんどアドリブなんですね。
 機転も利くし、間の取り方も絶妙。
 芸能人って、やっぱりすげぇ!
 舌を巻く思いでした。

 今回は、小堺さんとアシスタントの高樹千佳子さんの巧みな誘導で、なんとかNGを出さずに出番を務め終えました。
 しかし、視聴者の方々に満足していただける解説ができたかどうか。
 放映を見るまで不安です。

 ちなみに放送局はBS朝日。
 番組名は「悠遊!オフタイム
 放映日は11月15日(水曜日)の夜10:00~10:30です。

 私の解説などはまぁいいとして、小堺さんと高樹さんのトークは抱腹絶倒で見ごたえ充分。
 団塊世代の夫婦が、お互いに相手をどう評価しているかという意識調査の報告もあったりして、シニア世代は必見です。
ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 20:27 | コメント(0)| トラックバック(0)

トイレ使います?

 キャンピングカーにはトイレが付いているものと、付いていないものがあります。
 それは、トイレを望むユーザーと望まないユーザーにはっきり分かれるからなんですね。

 トイレを不要とするユーザーの弁は次のとおり。
 高速道路のSA・PA、道の駅などには必ずトイレがあるし、乗用車でドライブしているときも、特にトイレで困ったなどということはない。
 キャンピングカーの室内には限りがあるのだから、トイレ空間として残しておくよりも、そんなスペースがあれば収納庫として活用した方がいい。

 一方、トイレ派の主張はこうなります。
 長距離旅行をしていると、いつもトイレがある場所に泊まれるとは限らない。そうなると男性はいいとしても、女性の場合は困ることが多い。
 またトイレのあるキャンプ場などに泊まっていても、雨の降った夜など、遠い場所のトイレまで歩いていくのはシンドイものがある。
 小さな子供がいる場合もトイレがあれば安心。

カセットトイレ_蓋開き ポータブルトイレ_1
▲代表的なトイレです      ▲携帯用ポータブルトイレも便利です

 まぁ、両派ゆずらぬガチンコ議論が、この業界では延々と続けられているわけでありますが、ただし、トイレの便利さを強調する人たちも、その処理にはちょっと苦労しているようです。

 実は、私はトイレ派なんですが、キャンプから帰ってきて、荷物を下ろし終え、最後に「やれやれ…」と重い腰を上げるのが、やっぱりトイレ処理なんですね。

 幸い、私のクルマのトイレは、日本国内では比較的処理の楽なカセットトイレといわれるものなんですけれど、それにしても、
 タンクの中に…………というヤツが詰まっているわけで、そいつを処理する場所までどう持ち運ぶか。

 長距離旅行の場合は、トイレ処理をキャンプ場や道の駅のトイレを借りて行うことになりますが、
 ほら、なにせ…………の入ったタンクを手にぶらさげて行くわけで、やっぱり周囲の人に迷惑をかけないように気をつかいます。

 そんなわけで、基本的に2泊~3泊ぐらいの旅なら、私はそのまま家に持ち帰って、家のトイレに捨てるようにしています。

カセットトイレ_タンク 輸入車のトイレ
▲カセットトイレのタンク     ▲輸入車のトイレ室は立派ですね

 で、そのタンクをぶら下げて駐車場から家に運んでいるときに、どういうわけか、必ず近所の人と会うんですねぇ。

 「あら、キャンプからお帰り? どこに行かれたの?」
 近所の奥様がニコニコ。
 「ええ、ちょっと○○高原にキャンプに」
 もちろんキャンピングカーの構造なんか、その奥様は知りませんから、きっと私がぶら下げているタンクなど、水タンクかガソリン缶ぐらいにしか思わないのでしょう。
 「天気が良かったから楽しめたでしょう?」 
 無邪気にどんどん近づいてきます。

 消臭剤をブチ込んでいるので、別に周囲に臭いを放っているわけではないんですが、気のせいか、地面にタラっと一滴の水が…
 これは、水洗したときの清水が跳ねただけなのは分かっているのですが、その水に、なんか異臭がまざっているようで。
 気のせいなんですが。

 奥様は、さらに近づいてきて、
 「○○高原って、牧場がいっぱいあって、牛の臭いがすごいのよねぇ」
 「はぁ、そうですねぇ」
 「ウチの主人がさぁ、ここトイレの中にいるみたいだなんて言ったことがあるの」
 「……そうですかぁ」
 「牛のフンよりももっと臭いのはブタよね」

 (もうそれ以上いうな! イヤミか!)
 と思わないでもないんですが、
 そこは取りつくろって、
 「あ、このタンク、山の湧き水を入れたままなんで、すぐ冷蔵庫に入れないと」
 とかいって逃げ出すわけであります。
 
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 19:56 | コメント(3)| トラックバック(0)

ブログ考

 8月にこのブログを開始したときは、アクセスしてくださる人は本当に少なかった。
 しかし、9月にはその5倍になり、10月に入ると、始めた月の15倍となった。
 嬉しいと思う反面、少し怖いという気分もある。
 読んでくださった方が、本当に「面白かった」「役に立った」と思えるようなものを書き続けていけるかどうか、なかなか自信が持てないからだ。

 他の人の書いたブログを読ませてもらうと、本当にみなうまい。
 表現力が豊かで感心してしまう。
 ある時は絵文字を使い、時にはフォントの大きさを調整し、動画を挿入したり、イラストを中心に組み立てるなど、自分のメッセージを読み手に伝えるすべをみな確立している。

 自分などは10行も費やさなければ表現できないようなことを、2行ほどの文脈で的確に表現している人もいる。
 そういうものに接していると、ブログが新しい表現スタイルを生み出しつつあることがヒシヒシと伝わってくる。

 特に情報の速報性に関していえば、ペーパー媒体に比べ、ブログの優位性は疑うことができない。

 キャンピングカー関連の新情報で、特に装備類の機能に関してなど、最近はユーザーのHPやブログから得ることの方が多い。
 販売店のスタッフでも、常に新しい装備の機能までは丹念にチェックしているとは限らない。 
 私なども、今のクルマに付いている12V対応の電子レンジに関して、
 販売店のスタッフから、「使った感じはどんなものですか?」と尋ねられたことがあった。

 キャンピングカーに対する正確な情報を把握しているのは、今や販売店でもなく、メディアでもなく、使っているユーザーそのものであるように思う。

 とにかく、ブログが情報文化を変えつつあることは確かだ。
 最近の日本人は活字文化から遠ざかっているとよく言われるが、
 ブログの隆盛を見ているかぎり、そうは思えない。
 確かに「活字」というふうに限定してしまえば、それはペーパーに印刷されたインクの記号を指すことになるが、
 「文字」と言い換えれば、携帯メールを含め、これほど多くの日本人が文字を活用している時代というのは、歴史的に見ても初めてのことではなかろうか。

 だが、こういう風潮を懐疑的に思う人もいるようだ。
 「人が人を理解するのは、会って、直接話し合ってこそ可能となる。
 顔を見たこともなく、本名すら知らないブロガー同士がいくら文章や画像をやり取りしあっても、相手の人間性まで見抜くことはできない」
 そういう意見もある。

 しかし、むしろ「顔を見たこともなく、本名すら知らない同士」だからこそ、お互いを理解し合うための技術も磨かれるのではなかろうか。
 「文は人なり」という言葉があるが、その言葉は、「文を頼りに相手を理解する」という意味につながる。
 どんな短い文章だろうが、そのちょっとした息づかいに、その人の性格や好みがにじみ出る。
 ブログという文化が定着したことによって、私たちは相手の言葉を頼りに「人を知る」という新しい能力を獲得したように思う。

 ブログは閲覧する人間に活力を与える。
 他の人のブログを読むということは、その人が何を楽しみ、今日一日をどう過ごしたかを知ることだが、それが元気の源となる。
 「なんだ、俺とおんなじ生活をしている!」 
 「あ、俺とおんなじモノを集めている!」
 自分と似た意識を共有した人が、この日本のどこかで暮らしているかと思うと、どれだけ元気を授けられることか。

 だから共感してくれる人のコメントが寄せられれば、誰もがうれしい。
 人は、「頑張れ!」と励まされるよりも、共感してもらうときの方が元気が湧く。

 ブログを読む妙味は、その書き手に寄せられるコメントを読む妙味でもある。
 メイン記事は、自分の趣味を中心としたものであっても、コメント欄で、社会の不正を憤ったり、他者がこうむった悲劇に慰めの言葉を連ねていたりするのを見ると、それはまたそれで、素直に共感できる。
 ブログの隆盛は、きっといいものを生み出すに違いない。

秋の公園1 
▲秋の公園
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 20:43 | コメント(3)| トラックバック(0)

妻と夫の温度差

 経済誌などを眺めていると、相変わらず団塊世代のマーケットを分析する特集が目に付く。
 最近目を通したもののなかで、団塊夫婦の意識が微妙にズレていることを指摘する記事があった。

 それによると、団塊世代の男性に退職前の意識調査を行うと、「退職後にやりたいこと」のトップとして掲げられるのが「旅行」であり、一緒に行きたい相手として、ほとんどの男性が「妻」を挙げるのだという。

 しかし、妻の方は、すでに子育てから手が離れ、男性より10年ほど早く主婦業を引退している。
 それだけ、旅行やグルメ、ショッピングなどで、夫よりも早くセカンドライフを楽しむすべを身につけている。
 
 そのため、夫が妻を普通の旅行に誘っても、妻は同世代の友人たちと行く方が楽しいので、1~2回は夫とつき合っても、後は敬遠したがる傾向が強いのだとか。

 たとえば、旦那さんが、
 「少しゆっくり時間が取れるようになったので、××リゾートホテルに2泊の予約を入れたから、リッチな気分でフランス料理でも食べよう」
 と誘っても、
 「あら、私、そこならもう2度も行っているわ…」
 ということになるらしい。

 こうなると夫は悲しいものだ。(ウチもそうなりそうなんだけど…)
 
 ならば、夫はこう言うのはどうだろう?
 「××のホタルイカは、鮮度のいいものは地元の旅館でもなかなか食べられない。前日に漁港の近くに泊まり、朝市でそれを手に入れて、新鮮なうちに食べてみよう」
 
 あるいは、こんなのはどうかな?
 「雄大な北海道の原野を走り、温泉にゆったり浸かった後に、海辺に椅子とテーブルを並べ、星を見ながらビールを味わってみよう」

夏のコマンダー
 
 そうだよね、キャンピングカーの旅だよね。
 結局、旅に誘うときも、旦那さんとの間に温度差がある奥さんをその気にさせるには、奥さんが経験したことのない新しい旅のスタイルを提案するしかないのではなかろうか。

 キャンピングカーの旅は、旦那さんに物足りなさを感じ始めた奥さんの心にいったんリセットをかけ、新婚当時のフレッシュな気分を取り戻す作用があるように思える。
コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 22:54 | コメント(1)| トラックバック(0)

覆面 座談会5

《デイブレイク・エリートSRXを語る》

【A】 今日のテーマは、マックレーの 「デイブレイク・エリートシリーズ・デュエットタイプSRX」 です。
【B】 なんか長い名前だね。
【C】 「デイブレイク」というキャブコンも、ユーザーニーズの多様化に応じて色々なバリエーションを持つようになったからね。
【B】 一言でいうと、どういうキャラクターのクルマなんだろう?

【A】 マックレーのフラッグシップといっていい。のみならず、国産キャブコンの最高級ブランドともいえるかな。
 バンテックのベガとか、昔のグランドロイヤルに相当するクルマだね。
【B】 それにしては、名前を聞いただけでウワァっと盛り上がってくるものがないね。
 やっぱり正式名称が長すぎると思う。「デイブレイクSRX」だけでいいんじゃない?
【A】 いや、それではグレードや装備の違いが分からない。
 それに同じレイアウトでカムロードも選ぶことができるから、そう簡単に簡略化はできないよ。
デイブレイクSRX外形 デイブレイクSRX室内1

【C】 まず他車にはない特徴から入ると?
【A】 装備的にもデザイン的にも、いろいろな特徴を備えたクルマなんだけど、最大のものといえば、ヒュンダイSRXというベース車を採用したことだろうね。
 展示車としてはカムロードも使えるというのに、あえてマックレーはSRXにこだわった。
 そこに、同社がこのシャシーにかけた並々ならぬ思い入れが伝わってくる。
【B】 しかし、このシャシーが導入されてから5年近く経つけれど、思ったほどは普及しなかったじゃない?
 導入元のバンテックもアトムから外してしまったし、フィールドライフのフランクも今や展示車はカムロードがメイン。
 ロッキーのコマンダーはそこそこ健闘しているけれど、爆発的というほどではない。
 なのに、なぜマックレーはこのSRXにこだわるのだろう?

【A】 はっきりいうと、今まではこのシャシーの良さを広報する力が各ビルダーになかったということだよ。
 マックレーがこのベース車にこだわるのは実績があるからで、それは最初から「高級車」という位置付けで取り組んできたからなのね。
 なにしろSRXは、動力性能からいっても、走行安定性からいってもキャンピングカーベースとしては国産随一だよ。パワーとトルクではカムロードの上を行く。
 グランドハイエースなき後、これに勝るシャシーは今のところ見つからない。

デイブレイクSRX外形2 デイブレイクSRXバンク

【B】 でも人気が今ひとつのなのは、やっぱり理由があると思うんだ。
 まず左ハンドル。次にディーゼル。
 韓国製ということもメンテ面などで、日本人には不安材料のひとつになっていると思う。

【A】 メンテはほとんど問題ない。特に、輸入車の場合いちばん問題が起こりやすいミッションはアイシン精機製だ。町の修理工場で充分に対応できる。
 左ハンドルというのは、もう慣れの問題。
 乗用車と違って、このくらいの幅を持った自動車になると、右ハンドルより左の方が楽なんだよ。左いっぱいに寄せられるから。
 これは大きい。左側をすり抜けていくバイクや自転車もすぐチェックできる。
 狭い道で大型車とすれ違うときも、左にどれだけ寄せていいかがすぐ確認できるからとても楽。
 ところが、右ハンドルしか知らないドライバーはそこのところが理解できない。
続きはこちら
campingcar | 投稿者 町田編集長 19:00 | コメント(4)| トラックバック(0)

モナリザの謎

 『ダ・ヴィンチ・コード』のDVDを借りて見た。う~ん。
 キリストの子孫がこの世に存在するという話なんだけど、なんか設定に無理があるという感じで、今ひとつ謎解きに熱心についていくことができなかった。

 自分にとって、むしろ謎なのは、『ダ・ヴィンチ・コード』の映画よりも、ダ・ヴィンチの絵画そのものだ。
 有名な「モナリザ」だって、世界中の人が謎解きに参加しているけれど、いまだ確定的な結論というのが出ていない。

モナリザ

 モナリザのモデルは誰なのか、謎の微笑は何を意味しているのか、背景として描かれた景色はどこなのか。
 諸説ふんぷん。
 誰もがその正解を求めるのではなく、謎そのものを楽しんでいる感じ。
 ネッシーを探したり、雪男を追いかけているようで、とても楽しい。

 自分にとって興味あるのは、モナリザの背後に描かれた風景。
 この絵には、優しい微笑を漏らすモナリザの背後に、その微笑すらも凍らせる荒涼とした山脈が描かれている。
 モナリザの表情がどこか不気味に見えるのは、峻厳な山並みの恐ろしい印象からもたらされているという人もいる。

 柄谷行人は1,980年に出した『日本近代文学の起源』のなかで、
 ファン・デン・ベルクの著書を引用し、
 「西欧で最初に風景が風景として描かれたのはモナリザにおいてだった」と述べている。

 どういうことかというと、ダ・ヴィンチが登場する前の中世の絵画においては、風景というものは、神や人間を描くときの添え物に過ぎなかったというのである。
 中世の画家たちは、風景自体を描くという意識がなかった。
 ダ・ヴィンチは、「風景」というものを、それまでの絵画の主役であった神や聖霊や人間とは異なる独立した存在と見なした最初の画家だったというわけだ。

 ダ・ヴィンチという人は、よく知られているように、画家であると同時に科学者であった。
 彼は、地質学などもよく研究し、鉱山や鉱物の知識も豊富に持っていた。おそらく造山運動や噴火の原理などに関しても、
 近代の地質学者が省察するものと同じくらいの想像力を働かしていたのではなかろうか。

 そうだとすれば、モナリザの背後にそびえる山が不気味なのは、
 地底のマグマの噴出により爆発を繰り返し、人間を不安に陥れる大自然のドラマそのものを表現しているからだということになる。

 火山の噴火を「神の懲罰」として捉えていた中世人とダ・ヴィンチの違いは決定的である。

 そうだとすれば、モナリザ自身が浮かべている「謎の微笑み」の謎だって解明できる。

 ダ・ヴィンチは肖像画を描こうとしたわけではなかった。
 中世からルネッサンスの画家たちが描いた肖像画は、偉大な人間の「偉大さ」や美しい人間の「美しさ」をたたえて後世に残すことが目的だった。
 だから、描かれた人物が誰であるかがすぐ分からなければならなかった。

 モナリザのモデルが特定できないというのは、ダ・ヴィンチが肖像画を描こうとしたからではなく、「人間」を描こうとしたからである。

 科学として解明できる人間。
 人間が微笑するというのは、筋肉がどういう状態になったことをいうのか。
 30体の遺体を解剖して研究したダ・ヴィンチは、冷徹なる科学者の目で、モナリザの頬の筋肉の動きを追った。
 有名な話だが、この絵には輪郭線というものがない。
 彼は、空気の層が物の濃淡をつくり、輪郭線として見えるものは、
 実は空気の層を通して見える物の濃淡のグラデーションによってつくられていることを見抜いている。

 科学を通して見た「人間」だからこそ、モナリザは謎に満ちている。
 「偉い人」は偉い。
 「美しい人」は美しい、
 という中世的な先入観から解き放たれて、最初に「人間」というものの謎に直面した画家がダ・ヴィンチであったといえるかもしれない。

 
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 23:00 | コメント(3)| トラックバック(0)

禁断の風景

 キャンピングカーでいろいろな所に泊まっていると、ときどき、
 「あ、ここは人間が近づいてはならないところだ…」
 と思えるような場所にたどり着くことがある。

 最近はもっぱらキャンプ場か道の駅か、高速のSA,PAで泊まることが多いので、そういう場所に対する感受性が鈍磨しているが、
 昔、「キャンプ場ガイド」を編集していた頃は、よく山の中に泊まった。
 日暮れても目的地まで届かないときは、山奥の石切り場や川原で寝ることが多かった。

 14年~15年ぐらい前だったと思う。
 その晩のねぐらを探しながら、中国地方の山奥を走っていたときだ。
 ダム湖の看板が見えた。

 近づいていくと、湖を見おろせる絶好のスペースが見えてきた。
 クルマ1台分ぐらいの隙間しかないのだが、車外に椅子、テーブルを持ち出せば、湖を遠望しながら、快適なティータイムを楽しめそうに思えた。
 日が沈むまで外の景色を眺め、夜は車内で一人だけの酒宴。
 とっさに、その晩のスケジュールが決まった。

mizuumi

 湖が見おろせるその狭いスペースに、なんとかクルマを収め、
 椅子とテーブルを外に持ち出した。
 まだP泊のマナーなどが問題にならない時代の話だ。
 「Pキャン」という言葉が、やっと専門誌に登場したかしないかという頃である。
 
 さっそくコーヒーを入れて、カップになみなみと注ぎ、それを手にもって車外に出た。

 夕暮れが湖の上に迫っていた。
 美しい光景だったが、異様な光景でもあった。

 その頃、日本全国が歴史的な渇水状態にみまわれ、どこの地域でも深刻な水不足が問題になっていた。
 この湖も例外ではなく、水面が極端に低くなっている。
 樹木で覆われた層がある線でくっきりと断ち切られ、白く乾いた岩肌がざっくりとむき出されているのだ。
 今まで正体を現さなかった大地の素顔が、水が涸れて、その荒々しい相貌を白日のもとにさらしたという感じだった。

 私は、その生物の匂いをまったく欠いた岩盤を見つめながら、行ったことのないタッシリの砂漠とかカッパドキアの風景を想像した。
 旧約聖書などに出てくる、神が人間に謎めいた啓示を与える場所。
 なぜか、そんなふうに思えた。

 不意に寒気をおぼえた。
 夏が過ぎたとはいえ、まだ秋は深まっていない。
 寒気の正体が分からない。

 次に、音がまったく途絶えていることに気がついた。
 鳥の鳴く声も、風のそよぎも聴こえない。
 幹線道路が近くを通っているはずなのだが、クルマの走行音もここまでは届かない。
 沈黙の重みが、大地を覆っている。
 そう思うと、えもいわれぬ不安感が頭をもたげてくる。
 地球上からすべての音が消えてしまったことを、私一人が知らないまま、ここに座っているという気分だった。

 壮麗な夕焼けが空を覆いはじめた。
 それが丸裸にされた岩肌を、血の色に染めていく。
 あまりもの美しさに鳥肌がたった。
 湖面から無数の粒子がキラキラと立ち昇り、残照に包まれながら輪舞を踊り始めている様子が目に見えてくるような気がした。

 「ここにいては何か良くないことが起こる!」
 直感的にそう感じた。
 人間が見ることを許されない光景を覗き見している。
 そんな感じがしたのである。

 私は急いで、椅子とテーブルを車内に収め、
 そこから立ち去る準備を始めた。

 夜が来て、すべてが闇に包まれれば、
 おそらく、少々心細い気分になりながらも、結局なにも起こらないまま朝を迎えることは理性で理解できた。
 しかし「何かが起こる」という予感は、きっと朝がくるまで解消されないように思えた。

 その晩どこで泊まったかはもう記憶から遠ざかっているのだが、
 夕焼けに染められた湖の景色は、今も鮮明に覚えている。

 「何かが起こりそうな場所」を旅の記憶として持っているということは、幸せなことかもしれない。
 
旅&キャンプ | 投稿者 町田編集長 21:11 | コメント(0)| トラックバック(0)

張り出し箱ブーム

 200系ハイエースになって、今ひそやかなブームになっているのが「張り出し箱」です。
 なんだそりゃ?
 そう聞き返されても、正式な名前が決まっていないようなので、なんと答えたらいいのか分からないのですが、
 とりあえず、下の写真では、ボディ右側後方に付けられた出っ張り。

コンパス外装_1

 これはアム・クラフトさんのコンパスDOLQですが、
 右後方リヤウィンドウをつぶし、FRP製ボックスを付けて、
 外側に張り出させているのが見えると思います。

 何のために、このようなスタイルが生まれてきたかというと、
 横方向に寝られるベッドを確保するためなんですね。
 200系ハイエースになって、ワゴンロングとスーパーロングは1880mmという横幅を確保しました。室内幅にすると1730mm。
 しかし、その幅ぎりぎりで横方向に寝られるベッドを作ったとしても、
 車検上で就寝定員とみなされる1800mmという数値を満たすことができません。
 仮に横寝ベッドを作ったとしても、せいぜい1700mmぐらいしか取れませんから、女性か、まぁ子供用。

 これを解決するのが「張り出し箱」なんですね。
 これを付けたハイエースが、いま静かなブームを呼んでいます。

 こうして横寝2段ベッドを実現することによって、ダイネットスペースが広く取れるようになり、
 下段ベッドのマットを抜けば、そこに広いラゲージスペースを確保できるクルマも出てくるようになりました。

 この「張り出し箱」の元祖は、やはりアム・クラフトさんのコンパスだといえるでしょう。
 さすがに、元祖だけあって、このメーカーはこの「張り出し箱」に、しっかりと名称を付けています。
 「エクステンションBOX」です。
 しかし、この名称に落ち着くまでに、
 「RFP拡張BOX」
 「ウィンドウ拡張ボックス」
 など、さまざまな呼び方にトライしたようです。
 (▼コンパス)
 コンパス外装_2 コンパス内装_1

 トイファクトリーさんも、GTでこの「張り出し箱」を試みました。
 こちらも、しっかりした名前を付けました。
 「エアロウィンドウ」
 名前だけ聞くと、イメージがうまく湧きませんが、現物と照らし合わせると、説得力のある名称だと分かります。
 (▼GT)
GT外装_1 GT内装_1
 
 オートショップアズマさんも、カーメルⅢでこれを試みました。
 丸窓などを付けて、デザインはなかなかお洒落です。
 でも、これを何と呼ぶのか?
 「さぁ、造ったばかりのクルマなので、まだそこまで考えていなかったです」
 という答えでした。
 (▼カーメルⅢ)
カーメルⅢ外装_1 カーメルⅢ内装_1

 AtoZさんも、アメリアⅡで「張り出し箱」を採用しています。
 やはり名称を尋ねてみたのですが、
 「3日前にできたばかりのクルマなので、まだ名前まで考える余裕がなかった」
 という返事。
 (▼アメリアⅡ)
アメリアⅡ_外装1 アメリアⅡ_内装1

 何かいい一般名詞はないものですかね。
 今後200系ハイエースのバンコンでは、このような試みが増えていくと思うのですが、「張り出し箱」じゃ情けないですしね。

 ちなみに、『オートキャンパー』さんも、今のところは、
 「FRP成形にて張り出させ…」という表現でとどまっているようです。
campingcar | 投稿者 町田編集長 20:51 | コメント(0)| トラックバック(0)

さすらいの大工

 名古屋RVショーを取材するときに、いつも寝場所として使っているドライブイン 「長島温泉」 で、泉谷しげるさんにそっくりの男に怒られた。

 「俺のクルマぎりぎりに寄せやがって、これじゃドアから出られねぇじゃないか!」

 男はそう怒鳴っているらしいのだ。

 運転席の窓を開けてあやまると、
 その男、
 「いいよ、そのままでも大丈夫だ。
  こりゃキャンピングカーだな? 高いんだろう?」

 私の乗っているキャンピングカーに興味津々という感じである。

 ドアを開けて、男と向かい合った。
 ドライブインのネオンに照らし出され、男の頬が赤く染まっている。
 年のころは50歳から60歳くらい。
 すでに酒を飲んでいるのか、息が酒くさい。

長島温泉

 彼のクルマを覗き込んで、驚いた。
 ハイエースバンの室内には、巧妙に鉄パイプが張り巡らされ、その上にタタミが乗っかっている。
 さらにリヤスペースに作られた棚には、炊飯器、フライパン、カートリッジガスコンロなどがぎっしり。

 「お、すごい仕様ですね!」
 と、私がそれに気づいたことが、彼の気分を良くしたようだった。

 「そりゃそうよ。全部手づくりよ」

 聞くと、建築現場を渡り歩く 「さすらいの大工」 さんらしい。

 自作のタタミ仕様車で、現場から現場へと旅を続け、ドライブインや道の駅で泊まっているのだそうだ。
 仕事が途切れたときには、温泉めぐりを楽しんでいるという。

 「あんた飲むか?」
 「飲みましょう!」

 彼の切り出したタイミングは絶妙だった。
 …こいつからは、なんか面白い話が聞けそうだ。
 そんな好奇心をあらわにした目が、人なつっこく笑っている。

 私は、冷蔵庫の中から冷やしていた焼酎のジンロを取り出し、
 彼はコンビにでシューマイ、チャーシューを買い込み、
 ハイエースのタタミの上で、酒盛りが始まった。

 「キャンピングカーなんかなくたって、クルマの旅はできるんだぞ」
 彼はそう言う。

 「できあいのキャンピングカーなど使っていると、その仕様に自分を合わせなければならない。俺は、それがくだらんと思うんだ」

 そんな話が出たかと思うと、

 「旅の楽しさは、結局人との出会いだ。出会いがあるから、生きていく元気もわいてくるというものだ」

 彼はとうとうと持論をしゃべり、私は聞き役。

 「だけど、やっぱりキャンピングカーが欲しいなぁ…」

 ひとつの話題が終わるごとに、彼はそうつぶやく。

 雪をかき分けながら、納豆売りをした少年時代の話。
 おふくろを虐める父親にケンカを売った青年時代の話。
 「結婚してやってもいいよ」 と言いながら、いつまでも待たせつづける女の話。
 彼の話は尽きない。

 こっちは聞いているだけで面白い。
 もともと取材屋だ。
 相手の心中に秘められた 「本当にしゃべりたいこと」 を探り当てるのが仕事でもあり、趣味でもある。
 ズバリ当たると、相手もうれしいし、こちらも楽しい。

 「今度はあんたの話を聞く番だ」
 と彼が言いかけたとき、時計はすでに0時を回っていた。

 「今度会うことがあったら、そのときは、私の話を聞いてください」

 そういうと、男はまた怒りだした。

 「バカいうんじゃねぇ! “また会う” なんて言ったヤツにかぎって、二度と会ったためしがねぇ。
 そんなことは、あんただって解かるだろうに。
 一期一会 (いちごいちえ) という言葉があるじゃねぇか。
 きっとあんたと会うことは、もうないと思うよ。
 …だけど、思い出は残るもんだ。
 今日のことは忘れないよ。楽しかった」

 私たちはお互いに 「お休み」 と言い合って、それぞれのクルマのドアを閉めた。

 朝の7時にめざめたとき、男のクルマはすでになかった。
 
 今晩は、どこの駐車場を “宿” とするつもりなのだろうか。
 「一期一会」 という言葉の意味を、よく知っている男だと思った。


ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 21:27 | コメント(2)| トラックバック(0)
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