2010年11月22日
消えた秋
今年は 「秋」 が来なかった。

12月が近づいてきた今、そんな風に思っている。
椎名誠さんがどこかで書いていたけれど、
「今年の天候は、後半 “手抜き” をした」
…というのは、当たっている。
夏から一気に冬だ。
なにしろ、この夏の暑さったら、なかった。
しかも、夏が9月いっぱいまで “残業” していた。
で、10月にはようやく暑さが収まったけれど、夏の猛暑に対応して改造された 「生理」 が、寒暖の温度差を的確に図るセンサー機能を鈍らせ、暑いんだか寒いんだか分からないような身体をつくりあげてしまった。
そのため、ウロコ雲とか紅葉など、秋の風物を眺めても、身体が 「秋」 を感じなかった。
で、ようやく身体感覚が気温とシンクロしたときは、もう冬が近づいていたわけ。

今年の冬は寒いらしい。
「暑い夏を迎えた年の冬は寒い」 というのは “定説” らしいのだが、地球が温暖化に向かっているというのに、なぜ 「寒い冬」 が来るのか、不思議だ。
この 「地球は温暖化に向かっている」 という説に、しっかりと反論する学者もいる。
地球は、これまでも、暖かくなったり寒くなったりすることを繰り返しており、人類の比較的新しい歴史をみても、 「10世紀半ばから300年ほどは温暖期で、13世紀末から19世紀半ばまでは寒冷期だった」 というのだ。
寒冷期といっても、 「氷河期と」 いうほど大げさなものではなく、強いていえば 「小氷河期」 。
しかし、その 「小氷河期」 が訪れた13世紀末になると、冷害による大飢饉や人口減が起こり、ペストの流行、戦争や暴動が頻発したという。
そういう世界では 「世も末」 という空気が蔓延し、人々は将来の不安と現在の閉塞感に打ちのめされたはずだ。
いま地球上を包んでいる空気も、その時代と同じような 「終末感」 に彩られているようにも思える。
『2012』 とか、 『ノウイング』 、 『ザ・ウォーカー』 みたいな人類滅亡映画がやたらつくられるのも、そんな空気を反映しているのかもしれない。
で、話しを戻すけど、
「地球は、温暖化と寒冷化を繰り返す」
と主張する学者によると、温暖化傾向が強まるか、寒冷化傾向が強まるかの分岐点になるのは、太陽活動だという。
太陽から黒点がほとんどなくなる時期は、太陽活動が衰退している時期と見てよいのだとか。
そうなると、地球の温度も低くなる。
その太陽の黒点が、現在は極端なほど少なくなっており、地球は再び 「小氷河期」 に突入すると予想されるらしい。
本当なのだろうか?
この夏の異様な暑さは、日本だけに限らず北半球全体を襲った。
しかし、南半球のペルーなどは、国家が非常事態宣言を行うほどの異常な寒さが襲っていたという。
いったい地球はどっちの方向に進むのか?
(いずれにしても、そこからビジネスチャンスをつかもうとする人々の必死な形相も浮かんでくるけど…)。
温暖化を唱える説も寒冷化を唱える説も、ともに仮説なのだから、本当のことは分からない。
ただ、近代社会が成立して、それまでとはまったく異質な産業構造ができあがってしまった今となっては、 「人間の文明」 が気候を変えたという事実は厳然としてあるように思う。
仮に、温暖化・寒冷化のサイクルが自然現象によるものだとしても、 「地球温暖化の要因を二酸化炭素の放出による温室効果」 に求める説の方が、少なくとも、現在の 「人間の文明」 を見直すきっかけにはなるはずだ。

12月が近づいてきた今、そんな風に思っている。
椎名誠さんがどこかで書いていたけれど、
「今年の天候は、後半 “手抜き” をした」
…というのは、当たっている。
夏から一気に冬だ。
なにしろ、この夏の暑さったら、なかった。
しかも、夏が9月いっぱいまで “残業” していた。
で、10月にはようやく暑さが収まったけれど、夏の猛暑に対応して改造された 「生理」 が、寒暖の温度差を的確に図るセンサー機能を鈍らせ、暑いんだか寒いんだか分からないような身体をつくりあげてしまった。
そのため、ウロコ雲とか紅葉など、秋の風物を眺めても、身体が 「秋」 を感じなかった。
で、ようやく身体感覚が気温とシンクロしたときは、もう冬が近づいていたわけ。
今年の冬は寒いらしい。
「暑い夏を迎えた年の冬は寒い」 というのは “定説” らしいのだが、地球が温暖化に向かっているというのに、なぜ 「寒い冬」 が来るのか、不思議だ。
この 「地球は温暖化に向かっている」 という説に、しっかりと反論する学者もいる。
地球は、これまでも、暖かくなったり寒くなったりすることを繰り返しており、人類の比較的新しい歴史をみても、 「10世紀半ばから300年ほどは温暖期で、13世紀末から19世紀半ばまでは寒冷期だった」 というのだ。
寒冷期といっても、 「氷河期と」 いうほど大げさなものではなく、強いていえば 「小氷河期」 。
しかし、その 「小氷河期」 が訪れた13世紀末になると、冷害による大飢饉や人口減が起こり、ペストの流行、戦争や暴動が頻発したという。
そういう世界では 「世も末」 という空気が蔓延し、人々は将来の不安と現在の閉塞感に打ちのめされたはずだ。
いま地球上を包んでいる空気も、その時代と同じような 「終末感」 に彩られているようにも思える。
『2012』 とか、 『ノウイング』 、 『ザ・ウォーカー』 みたいな人類滅亡映画がやたらつくられるのも、そんな空気を反映しているのかもしれない。
で、話しを戻すけど、
「地球は、温暖化と寒冷化を繰り返す」
と主張する学者によると、温暖化傾向が強まるか、寒冷化傾向が強まるかの分岐点になるのは、太陽活動だという。
太陽から黒点がほとんどなくなる時期は、太陽活動が衰退している時期と見てよいのだとか。
そうなると、地球の温度も低くなる。
その太陽の黒点が、現在は極端なほど少なくなっており、地球は再び 「小氷河期」 に突入すると予想されるらしい。
本当なのだろうか?
この夏の異様な暑さは、日本だけに限らず北半球全体を襲った。
しかし、南半球のペルーなどは、国家が非常事態宣言を行うほどの異常な寒さが襲っていたという。
いったい地球はどっちの方向に進むのか?
(いずれにしても、そこからビジネスチャンスをつかもうとする人々の必死な形相も浮かんでくるけど…)。
温暖化を唱える説も寒冷化を唱える説も、ともに仮説なのだから、本当のことは分からない。
ただ、近代社会が成立して、それまでとはまったく異質な産業構造ができあがってしまった今となっては、 「人間の文明」 が気候を変えたという事実は厳然としてあるように思う。
仮に、温暖化・寒冷化のサイクルが自然現象によるものだとしても、 「地球温暖化の要因を二酸化炭素の放出による温室効果」 に求める説の方が、少なくとも、現在の 「人間の文明」 を見直すきっかけにはなるはずだ。