町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

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自然は子供を養う

《 キャンプに連れて行く親は、子供を伸ばす! 》

 扶桑社から 『キャンプに連れて行く親は、子供を伸ばす!』 (坂田和人・著) という本が出されている。
 テーマは、まさにタイトル通りなのだが、実は、このような本は、一見よくありそうで、案外少ない。

キャンプに連れて行く親は子供を伸ばす表紙

 キャンプやアウトドアをテーマにした本の大半は、そのノウハウやグッズ類を紹介するもので、それが 「なぜ子供に良いのか?」 という考察が語られることは今までほとんどなかった。
 これまでの本では、 「キャンプは子供を伸ばす」 ということは、すでに暗黙の “前提” となっており、 「なぜそうなの?」 などと十分に考察することもなく、いきなり 「テントの選び方」 「ペグの打ち方」 などに入っていた。

 しかし、 「なぜ、アウトドアが子供のためになるのか?」 という根本的な考察を押さえておかないと、子連れキャンプを実現しても、けっきょく親たちだけの自己満足で終わってしまう。同じ自然を見ても、子供の視線と親の視線では、まったく異なるものを見ていることもあるからだ。

 そこで、この本。

 ここには、
 「子供は、自然の中に何を見るのか?」
 「何を学ぶのか?」
 「何を面白がるのか?」
 ということが “子供目線” をしっかり交えて語られている。

 “子供目線” というのは、いわば 「人間の原点」 に立ち返ったときの視線のことをいう。
 本書は、その人間の原点に立ち返ったときの視点で、 “アウトドアと子育て” を、体験的に綴った初の書籍かもしれない。 

坂田和人氏
 ▲ 著者近影

 著者は、坂田和人氏 (1955年・東京生まれ) 。
 映像ジャーナリストである。
 商業写真も手掛ける一方、趣味と実益をかねて、登山、キャンプなどのアウトドア分野の撮影を得意とし、文化論的な視点を交えたアウトドア読み物も執筆する人だ。
 その視点は、一種 「文化人類学」 的なフィールドワークに貫かれ、それをもって、彼の仕事を 「文化人類 “写” 学」 という人もいる。

 そのアウトドア体験がハンパじゃない。
 修験道の行に励む修験者たちに混じって、行を積むことから始まり、北アメリカではナバホ居留区で、ネイティブアメリカンの人たちと交わり、生活をともにした。

 極めつけは、南米アマゾン川流域で、原住民マチゲンガ族の集落に入り、住民と一緒になって狩猟採集生活を体験したこと。
 アマゾン生活は3年弱の間に5~6回行われたが、最短2ヶ月、最長で半年ぐらいだったという。
 そのほかにも、ネパール、カムチャッカ、環太平洋諸島、アフリカなどを探索し、普通の日本人では得られないような自然の景観を堪能し、異文化交流を果たし、その成果を画像として残している。

《 子供には分かる 「地球の音」 》

 こういう人が書くアウトドア本だから、さぞや普通の人には実践不可能なことが書かれた “ハードなサバイバル本” と思われがちだが、さにあらず、主張はいたって平易だ。

 しかも、語り口が美しい。

 「 (フィールドに出たら) 立ち枯れの木によりかかる倒木、株に生えるキノコなど、自然の造形芸術を楽しもう。
 そして、落ち葉のきしむ音を聞きながら、歩こう。
 やがて、音の響きは森に吸収され、 “静寂” が訪れる。
 都会の無音は、耳に聞こえない電磁波や振動を身体に感じるが、森の中の無音の空間には “地球の音” が聞こえる」

 地球の音。
 それこそ、大人は聞く耳を失っても、子供には聞ける 「音」 だと、著者は伝えようとしているようだ。

テントキャンプ風景(塔の岩)

 実は、この著者にアポを取り、3日前、実際に会って話を聞く機会を得た。
 長く伸びた夕暮れの陽射しが射し込むカフェで、坂田和人さんは、初対面の私に対し、本に書き切れなかった話を交えながら、2時間にわたって、アウトドア文化についての面白いエピソードを語ってくれた。

 印象に残ったのは、焚き火の話。

 アウトドアを知らない都会の子供たちをキャンプに連れていったとき、彼らがもっとも好奇心を奪われるのは 「焚き火」 なのだという。
 キャンプは、参加者全員が役割分担をこなすことで成立する遊びだが、その役割分担のなかでも、子供たちに最も人気があるのが 「火の番人」 だとか。

焚き火イメージ

《 焚き火というセレモニー 》

 火といえば、自動点火のガスしか知らない現代っ子にとって、火熾しから始まる焚き火行事は、あたかも 「自然」 という冒険の世界に飛び込むセレモニーに見えるらしい。

 火というものを管理する術を覚えたとき、人間は、他の生物の脅威から逃れることできたという安堵感と高揚感をはじめて獲得した。
 それが人間のDNAとして、今も生きている。
 だから、火は、人間にとって最もプリミティブ (原始的) で、力強い、根元的な “文化” なのかもしれない。
 火を前にすれば、人間は、近代文明のややこしいルールをいっとき忘れ、火を最初に獲得したときに人類が味わった素直な喜びを取り戻すことができる。

 「だから、親子で焚き火を囲めば、必ず話が弾むんです。日頃は話せないようなことが話し合える。それが焚き火の効用です」
 と坂田さんは、おだやかな笑顔を浮かべながら、物静かに語る。

 「そこで子供は、火の温かさや、それが人間にもたらす安心感を、身体で理解するわけですね。
 それと同時に、その火というものは、常に人間が繊細な神経をつかって管理しなければ、あっけなく燃え尽きてしまうことも知る。それが、感性を磨くことにつながるんですね」

岩に登る子供たち

《 都会育ちの子供はマイナス思考 》

 そのようにして磨かれた感性を身につけた子供は、やがて、どのような人格を形成していくのだろう。
 自然体験をしている子供と、それを経験していない子供とでは、同じ山の景色、風の流れに接しても、それぞれ違ったものを受け取るという。

 坂田さんは、著書の中でこう語る。
 「都会の子供は、美しい雪山で冷たい風を体験すると、 『ああ寒いな』 というただのマイナス思考で終わってしまう。
 ところが、アウトドアの感性を磨いた子供は、冷たい風を感じたら、 『ああ冬が迫っているな』 とまず思う。
 そして 『寒くなる前にいろいろと冬支度をしなければ…』 とごく自然に考える。
 さらに、その冷たい風の向こうに広がる 『美しい雪山』 を感じることができる。
 それらは、みな自然に親しく接する感覚が身体に刷り込まれているからである。
 無心に咲く花の美しさ、新緑の息吹、冬の清々しさなどを身体で感じとれる感性があれば、芸術や文学への造詣も深まり、人生も豊かになる」

自然の中の雪景色

 それに対し、都会生活しか知らない子供は、感性どころか、フィジカルな能力も劣ってしまう。
 坂田さんが気にするのは、そのことだ。

 「最近の都会の若者を見ると、狭い路地などで機敏に身体をかわしていくこともできない人たちが増えているように感じます。
 たぶん、子供のころから自然の中で思いっきり身体を動かして遊んだ経験に乏しいからでしょう。
 “お金さえ出せば” 、あるいは、 “ボタンを押せば” 、身体を動かさなくても、何でも手に入るといった受動的な生活になじんでしまったことが大いに関係しているように思います」

 その部分を、坂田さんの著書から引用すると、次のようになる。

 「都会の道路はコンクリートやアスファルトで塗り固められ、平坦なところが多いが、キャンプ場や山、川、海といった自然のフィールドはそうではない。
 歩き方一つをとっても、デコボコの土の上の道と舗装された道では大きな変化が出てくる。
 そうした変化の感覚を “自分の身体に刷り込むこと” 、 “自然に対応できるようにすること” が大事。
 こういう経験は、遊園地やゲームセンターでは決してできない」

《 「頂きます」 という言葉の意味 》

 自然の中に入ったときは、食べ物も、できるだけ自然の恵みを採集することが子供の感性を養うことになる。

 次も、著作からの引用。

 「現代の子供たちは、普段、食べている肉や魚、野菜も、 “お金を出せば買える” と思っているから、それらのものが自然の中でどうやって生きているのか、本来どんな形をしているのか知らない。
 だから、食べられる野草を集め、自分で釣った魚を自分でさばいてみる。
 それは新鮮で興奮できるチャレンジであるだけでなく、その過程で、子供たちは食前の合い言葉である “頂きます” の意味、つまりほかの生命を頂いて自分が生きることの本当の意味が理解できるようになる。
 また食材を採集するという行為によって、野菜や肉の “旬” が分かるようになる」

《 親は静かに見守るだけでいい 》

 いちばん肝心なことは、 「自然の中に入ったら、むしろ親は口うるさく子供を指導しないこと」 だという。
 子供たちを自然のなかに放り込めば、放っておいても、子供たちは自然という “先生” から学び始める。

 ところが親は、おせっかいを焼きたがる。
 ケガはしないか?
 危なくないか?

 ほとんどの親は、子供を過剰に監視して、あれこれと禁止事項を設けて子供を縛り付ける。
 「それでは、都市生活をしているのと同じ。自然に連れ出した意味がない」
 と、坂田さんはいう。

 子供たちのストレスの増大、コミュニケーションスキルの劣化、感情表現の乏しさなどの原因の大半は、親の過干渉から来るもの。
 自分たちが安心できる 「子供像」 という “鋳型” に、親が、生きた子供を押し込んでしまうことが要因となっている。

緑の中を走る子供たち

 キャンプというのは、子供たちが本来の能力を試すことのできる絶好の場である。
 火を熾す。
 包丁を使って、食材を切る。
 日頃、家ではできないことを試す “生活の実験室” なのだ。

 ところが、…と坂田さんは書く。

 「家庭で包丁などを持った経験のない子供たちは、危なっかしい手つきでそれをやるので、母親が包丁を取り上げてしまう。
 しかし、人は “危険” を知っているからこそ “危険回避” ができる。
 そういった “経験値” が、子供の感性を豊かにし、危険回避を含めたスキルを向上させる。
 火傷 (やけど) 、切り傷、捻挫など不可抗力な事故で痛みを味わった子供は、むやみにほかの子供を石や鉄拳、ナイフなどで怪我させることを自然と避けるようになる。
 テレビゲームのバーチャルな格闘しか知らないと、現実の痛みを知ることはできない」 (著書より)

 「だから、親が子供に危険なことをやらせるとき、それが子供だけで回避できそうか、それとも親が助けを出す必要があるかを予測する能力が親には必要だ」
 と、坂田さんは説く。

 子供の問題は、まず親の問題なのだ。
 そして、それは今の社会環境の問題でもある。
 
 「親が、子供の本当の姿を見失ってしまったのは、少子化社会の進行で、兄弟の数が減ったことなどにより、個室を与えられる子供が増えたことも関係している。
 そういう状態では、子供の本当の姿が見えないから、親の “見守る能力” がどんどん落ちていく」 (著書より)

《 文明のスピードが人間のリズムを超えた 》

 親の見守る能力が欠如してしまったのは、さらに大きな視野からいえば、親自体が 「人間が生きる力として何が必要なのか?」 というテーマを見失ってしまったことの証左でもある。

 どうしてそのような事態が起こってしまったかということに対し、坂田さんは、文明のスピードが人間の自然なリズムを超えてしまったところに原因を求める。

 「現代社会の技術は日進月歩で、どんどん新しい商品が市場に登場しては消えていく。
 交通機関や通信機器の急速な発達で、世界は狭くなり、インターネットや携帯電話を持っていれば、24時間、どこにいてもリアルタイムの情報を得ることができる。
 そのスピードの速さは、人間が本来持っている “生理” のスピードを超えている」 (著書より)

 そのため、人間は 「生き延びる力として何が必要か」 という知恵を磨く時間を持てなくなってしまった、と坂田さんは語る。

 アウトドアの世界に飛び込むことは、その “人間の生理のリズム” を取り戻すことにほかならない。

 そのリズムとは何か?

 坂田さんは、それを 「地球の鼓動」 だという。
 そして、そこに流れる時間を 「地球時間」 だという。
 アウトドアの真髄は、 「地球時間」 を取り戻すこと。

 都会生活の中で、自分が何を忘れていたのかを考えさせてくれた著者との2時間であった。

jrvaキャンプラリーイメージ

音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 20:28 | コメント(4) | トラックバック(0)
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