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匈奴の話 1

【司会】 『歴史講座』 の時間です。今回は “遊牧民の文化と歴史” というテーマで、下連雀大学の町田先生をお迎えしております。
 それでは先生お願いします。

【町田】 えー、皆さんこんにちは。
 今日はですね、東アジアの遊牧騎馬民族の歴史を解釈しながらですね、同時に遊牧というものが人類の文化に貢献した意義、あるいは現代文明のなかに今も残る遊牧文化の影響などといったものを考えていきたいと思います。

 …で、皆様は遊牧民の歴史というと、何を最初に思い浮かべるでしょうか。日本人には馴染み深いジンギスカンと蒙古の話でしょうかね。

映画「蒼き狼」1

 確かに、モンゴル人によるアジアからヨーロッパにまたがる大帝国の出現は、まさに世界史の中では画期的なことだったわけですね。
 東は朝鮮半島から西は今の東欧諸国まで。北半球のほぼ半分を多い尽くすほどの大領土を実現した国家はそれまで地球上にはなく、またその後も出現することがなかったわけですね。

 モンゴルによる世界帝国が実現したが故に、その領土内を安全に通行できるという保証が生まれ、マルコ・ポーロのような旅行家がイタリアから中国まで旅するようになったわけです。

 そのときに始めて本当の意味の 「西と東の情報交流」 が生まれたわけで…つまりですね、ジパングなる黄金の国がある…なんていうことが、ヨーロッパ人にも知られるようになったりしたという意味で…、モンゴルの世界帝国は人類の歴史の一大事件といえるかもしれません。ある歴史家などは  「世界史はモンゴルによって始めて誕生した」 などといっているくらいです。

映画「蒼き狼」2

 ま、それほど有名なジンギスカンと蒙古の話ではありますが、今回はその有名なお話はちょっと置いておいて、そのはるか昔、同じようにモンゴル高原に生まれ、広大なユーラシア平原をモンゴルと同じように縦横に駆け回り、当時の中国…漢の時代ですね…その漢に大いに恐れられたにもかかわらず、日本人はほとんど知られていない遊牧民族の話をいたしましょう。

 モンゴルの時代が12世紀…日本では鎌倉幕府ができる頃ですが…その12世紀から遡ることさらに1千年。つまり今から2千年以上も昔の話です。今のモンゴル高原に 「匈奴 (きょうど) 」 という1部族が遊牧をしながら生活をしておりました。

匈奴像1

 これが東アジアでは最初の本格的な遊牧騎馬帝国をつくった民族といわれるのですが、どうも日本人にはあまり知られていません。

 一つには、彼らが文字を残さなかった…つまり自分たちの生活を伝える言葉を何一つ後世に残さなかったということがあるでしょう。

 もう一つは、記録を残した中国人から 「文化の遅れた野蛮人、未開の蛮族」 として見られたことによってですね、正統的な中国史の筋道から外れた扱いをされていたということもあるでしょう。匈奴は中国史の中では常に悪役、仇役だったわけで、ほとんどいい扱いをうけておりません。

匈奴像17

 実際 「匈奴」 という字は凄い字を書くんですね。「凶悪」 とか 「凶暴」 、「凶器」 などというときの 「凶」 の字がありますね。おみくじの 「大凶」 とかいうときの 「凶」 ですね。

 その 「凶」 の字の上にツツミガマエ…漢字の 「包む」 という字がありますが、その上の部分を乗せたのが 「匈奴」 の 「匈 (きょう) 」 の字です。
 実際匈奴の人たちはフェルトの頭巾 (ずきん) をよく被っていましたから、まさに “頭巾姿の凶悪なヤツ” といったイメージでしょうかね。

 また、匈奴の 「奴(ど)」 は奴隷の 「奴」 と書きますから、これも当然いいイメージの字ではありません。ヤツとかヤッコとか言って、人をさげすむときに使う言葉ですね。

 もちろんこの 「匈奴」 という字は、彼らを悪役に仕立てた中国人が当てはめたもので、実際匈奴の人たちが自分たちを表現した言葉でありません。
 しかし、この漢字の当てはめからしても、いかに中国人が匈奴のことをバカにしながらも、恐れおののいていた…という感じが伝わってきませんか?

 では、実際匈奴の人たちが自分たちのことを何と呼んでいたのか? 
 実はこれがはっきり分かっておりません。
 多分、フンヌとかヒュンヌ…に近い発音をしていたのではないかといわれています。

 だから 「匈奴」 という文字も、古代の中国人はそれをフンヌとかヒュンヌ…に近い音 (オト) で読ませていたのかも知れません。

 とにかく匈奴に関しては謎だらけでして、彼らが人種的に何人なのか、それもよく分かっていません。
 多分、後の蒙古人と同じようなモンゴル系…我々の顔立ちに近いアジア人だったろうという説が有力なのですが、一部にはトルコ系だったという説もあります。

 また、昔、匈奴の王族の墓と思われる墓がロシア領内で発見されまして、その中に埋葬されていた人骨を調べてみると、アーリア人…白人ですね。それも北欧人のような体格をしていたというのです。
 
 そんなわけで、匈奴の指導層は白人だったという説もあります。トルコ系かモンゴル系か、それともアーリア系か。このへんもはっきりしないのが実状です。

匈奴像1

 そしてもっと謎なのは、一大遊牧帝国を作った彼らが、その後どうなったのか。
 もちろん長い漢との戦いのあと、匈奴は大分衰弱して仲間割れを起こし、その一部は漢に降伏して、中国内部で暮らすことになるのですが、仲間割れを起こしたもう一方のグループは、忽然と歴史の舞台から姿を消してしまうわけです。

 いったい匈奴の主力はどこに行ったのか?
 このあたりも歴史オタクたちの議論に登る大問題です。

 …で、匈奴の主力グループが中国史の舞台から姿を消す頃…つまり4世紀から5世紀の頃ですが…今度はヨーロッパ史の舞台にフン族という騎馬民族が登場します。それが、「ゲルマン民族の大移動」 ……世界史の勉強で習いませんでしたか?… 「ゲルマン民族の大移動」 。

 そのきっかけをつくったと言われる民族です。
 ゲルマン人たちが大挙してローマ帝国の内部に移動してきたのは、東からやって来たフン族という騎馬民族に追われて、その玉突き現象によるものだというわけですね。
 だから、ローマ帝国はこのフン族の侵略がきっかけで滅んだといってもいいかもしれません。

フン族の王アッティラ
 ▲ フン族の 「偉大なる王」 といわれたアッティラ

 で、このフン族こそ、実はアジアから姿を消した匈奴ではないかという説があるのです。
 獰猛で残忍、野蛮で好戦的。ヨーロッパ史に描かれるフン族の描写は、まさに中国人が描いた匈奴にそっくりなわけですね。

 しかも 「匈奴」 という文字は、古代にはフンヌとかヒュンヌとか読まれていたらしい。
 これなんかも、フン族の 「フン」 に近い響きがありますよね。

 さらに、匈奴が中国から姿を消した時期とフン族がヨーロッパに現れる時期が、計算的にもピッタリする…というわけで、「フン族=匈奴」 説を唱える学者もいるのですが、実はこれもはっきりしたことが分かりません。

 なにしろ匈奴もフン族も文字を持たない民族なので、記録というのが一切残っていないのです。

 もしフン族が匈奴ならば、彼らは、それこそ東アジアをスタートして西へ西へと進み、ついにはヨーロッパの中心地ローマの近くまで攻め登ったことになってですね、とてつもない広い地域を舞台に大暴れした民族ということになるのですが、それも現時点ではまったく証拠がないわけで、歴史上の謎になったままです。

匈奴像16

 ま、このようにですね、匈奴という民族を研究することは、様々な謎と向き合うことになるわけで、そこが 「匈奴ファン」 にとってはたまらない魅力になっているのでしょうね。

 今 “匈奴ファン” という言葉を使いましたが、確かに、匈奴という民族は、阪神タイガースと同じようにですね、なんか強いようで弱い、獰猛でありながらすぐ腰砕けになる…連勝を始めたかと思って応援に力を入れると連敗を続けるという感じで、とにかくファン層を形成するための基本条件を完璧に備えた民族ですね。

 人間は、あまりにも強くて完璧な民族や軍団にはファンになりませんね。ローマ軍ファンとかアメリカ人ファンとかいうのはあまり聞いたことがありません。
 しかし匈奴ファンというのは、確かにいますね。私がそうなわけですから。余談ですが…。

 では、匈奴はいったいなぜ中国の人々から恐れられたのか。
 それについてお話しましょう。

匈奴像8

 「天高く、馬肥える秋」 という言葉があります。
 日本では 「食欲の秋」 という言葉と同義語になっている言葉ですね。秋は食い物が旨いので、腹一杯食ってしまうので、つい太ってしまう…という意味合いで使われます。

 しかし実は、これは古代中国の農民たちの “嘆きに満ちたつぶやき” だったわけですね。
 馬肥える…つまり馬が逞 (たくま) しくなるという意味ですが、その馬は一体誰の馬か?
 
 もちろんこれは匈奴の馬なわけです。夏草を思いのままに食べた匈奴の馬が、その逞しくなった体に残忍な主人を乗せて、中国人を襲いに来るというわけです。

 つまり中国の農村では、秋の収穫時が近づいてくると、北の草原の彼方からやって来る匈奴に、農作物や家畜や人が奪われていたわけですね。
 このへんは黒沢明の 『七人の侍』 や、西部劇の 『荒野の七人』 に出てくる野武士とか山賊のイメージでしょうね。

 やっぱり匈奴は悪いんじゃん! ということになりますが、彼らは別に悪いことをしているという意識はなかったらしいんですね。

 他国の領土に侵略して、物を盗み、家畜や人をさらっていく。これは立派な犯罪行為でしょうし、侵略された方からすれば戦争を仕掛けられたようなものでしょう。

 しかし匈奴には戦争と狩猟の区別はそれほどなかったと言われています。

 つまり匈奴にしてみれば、それは森の中で鹿を狩ったり、ウサギを狩ったりする狩猟の延長だったわけですね。だから、適当にエモノを手に入れると、さっさと北の草原に帰っていきます。

匈奴12

 匈奴には、侵略した土地を占領するという考えは毛頭もありません。
 第一彼らには 「国境」 という概念がありません。

 遊牧というのは、馬や羊が食べる草を追って点々と移動して行くわけですから、彼らには町や村というものがありません。

 馬や羊が生きていける草原が続く限り、そこは自分たちの領土ですし、ウサギや鹿を狩猟する森林がある限り、その果てしなく続く森林全体が領土です。草原があるかぎり、そこに暮らすウサギや鹿や人や農作物はみな取ったものが勝ちなわけですね。

 随分自分勝手な考え方だと思うでしょうが、実際に匈奴にさらわれた中国の農民が悲惨だったかのかどうか。…そうとばかりはいえない面もあるようです。

 というのは、匈奴と中国…その時代の中国は漢の時代ですが、匈奴と漢が停戦協定を結んで平和にしていた時代もあります。

 その時、漢が匈奴に申し込んだことは、「匈奴に逃れようとした漢の農民を、匈奴は受け入れてはならない」 というのが条件だったというんですね。
 つまり漢の搾取の方が農民には辛く、匈奴の奴隷になった方が生活が楽だったという面もあるらしいのです。

 だから自分の田畑を捨てて、自ら奴隷になるために匈奴の土地に逃亡した農民たちも実に多かったといいます。
 働いても働いても搾取される中国にいるよりも、匈奴の土地で適当に毛皮など縫ったりしていた方が生活が楽…という考えもあったのでしょう。

 なにしろ中国人は一応文明人ですから、匈奴の世界ではとても重宝されます。
 文字が書けたり、数を数えるのが上手だったりすれば、匈奴の世界でどんどん出世します。

 そんなわけで、この時代は匈奴の宮廷の中に入って匈奴の王様に使えて活躍した中国人もいっぱいいたと言われています。

匈奴12

 それでは、次回は 「遊牧」 というライフスタイルがどんなものであるのか。また、それはどういう文化を形成したのか。そんなことをお話してみようと思います。
 
【司会】 お話は下連雀大学の町田先生でした。先生どうもありがとうございました。
【町田】 はい、ごきげんよう。




コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 02:03 | コメント(7) | トラックバック(0)
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