2008年07月24日
LPGの救世主
キャンピングカーのLPガスの充填が、あちらこちらの充填所から拒否されているという話が出てきて久しい。
LPガスの質量販売 (ボンベ売り) が法律の正しい規定に基づいて行われているのかどうか、経済産業省が各都道府県を通じて、LPガス販売会社に報告を義務づけたことがきっかけとなり、LPガスを取り扱う各社が質量販売そのものを自粛しようという動きが出てきたからだ。
このような動きが出てきた背景には、ガス会社にとってユーザー管理のしにくい質量販売から、ユーザー管理のしやすい 「メーター売り」 に移行したいというガス会社さんの思惑も絡んでいるだろう。
そのため、利用者に容器ごと売るような質量販売は 「法令の定める管理上の問題が生じる」 という理由により、キャンピングカーユーザーのLPガスの充填を断わる充填所が出てきたわけである。
では、キャンピングカーがLPガスボンベを搭載するのは違法行為なのか。
国交省の定めるキャンピングカーの構造要件では、キャンピングカーの規定を満たす条件のなかに、「コンロ等を使用するものとしてのガス容器は車室内と隔壁で隔てられ、かつ車外と十分通気が確保されていること」 など、一連のLPGボンベの存在を前提とした記述がはっきりと明記されている。
つまり、キャンピングカーがLPガス機器を搭載することは国交省の管轄下においてはまったく問題がないのだ。
しかし、日本の役所行政は縦割り組織になっているため、国交省と経済産業省との間に行政上の不整合が生じても、お互いにそれを調整し合おうという機会と土壌がない。
キャンピングカーユーザーはそのとばっちりを食ってしまったという状況にある。
では、LPガスを熱源とするキャンピングカーを持っているユーザーは、このまま手をこまねいているしかないのか?
じゃーん!
朗報です。
実は、ある種の機器をLPガスボンベに取り付けるだけで、ユーザーが今までどおりに質量販売を受けられるだけでなく、さらに、そのボンベを専用のコンロなどに接続して、野外や家庭内で、自由に熱源として利用できるシステムが開発された。
といっても、すでに一部のユーザーには知られたことではあったが、自分はそのことをまったく知らなかったので、そのシステムを開発した業者さんを訪ねて、取材を試みた。
中国工業株式会社さん。
その中国工業さんが供給する 『GASワンタッチ』 と 「クイックカップリング式バルブ」 という機器が、今回のガス問題で悩めるユーザーたちを救ってくれる救世主だ。
これは、同社がヨーロッパの大手ガス供給機器メーカーと共同開発したもので、すでに1年ほど前から販売されていたという。
機構的にどういうものかというと、早い話、従来のボンベに付いていたコックを回す 「ねじ込み式」 のハンドルバルブの代わりに、ワンタッチで調整器と接続できるカップリング式のバルブを取り付けるというもの。

▲ GASワンタッチ
その調整器 (レギュレーター) には、同じく中国工業がヨーロッパメーカーとタイアップして開発した 『GASワンタッチ』 という調整器を使用する。
セット方法は簡単で、両手で調整器を持ち、ロックリングを引き上げ、調整器を容器バルブの位置に合わせてから、そのまま下に軽く下ろすだけ。
これだけで、LPガスの質量販売が堂々と認められるばかりでなく、従来はLPガス事業者でなければ行えなかった 「配管接続作業」 も、ガス取り扱いの資格を持たない素人にもできるようになったという。
キツネにつままれたような話だ。
なぜ、そのようなことが可能になったのか?
実は、平成17年にLPガスをめぐる取り扱いの規制緩和が行なわれ、液化石油ガス保安法が改正されたことによって、このようなクイックカップリングを装着した容器に限り、25リットル未満 (10kgボンベ)の 質量販売が正式に認められるようになったからだ。
実際に調べてみると、平成17年1月に公表 (4月に施行) された政令では、
「質量販売に係わる規則緩和要望にともない、現行規定に加え、カップリング付きの安全器具等を設置した場合には、25L以下の容器まで事業者が配管等に容器を接続する義務を免除し、質量販売範囲を拡大する」 ことが謳われている。
このような規制緩和は、LPガスの需要拡大と消費者にとっての利便性の拡大を狙ったのものだが、それに踏み切るには、消費者が容器を脱着するときのガス漏洩を未然に防ぐ対策が講じられねばならなかった。従来の 「ねじ込み式」 のバルブでは、これを完全に防ぎきれなかったのである。
しかし、今回開発された 「カップリング式」 バルブでは、ガス漏れ遮断機構や耐震遮断機能が設定されたことによって 「格段に安全性が高いものになった」 という。
ということで、行く手に何の不安もないような 「GASワンタッチ」 だが、実は、普及するにはまだ超えなければならないハードルがいくつか残っている。
その一つは、この製品に対応する充填所の方の整備が進んでいないというもの。
このカップリング式容器バルブにLPガスを充填するには、充填所の方でもそれに対応したアダプターが必要となる。
ところが、そういうアダプターを用意した充填所というのが、日本全国にまだ40ヵ所ほどしか整備されていない。
中国工業さんは、現在これを全国展開するために広報・宣伝努力を続けているところだが、どこのLPガス充填所でも対応できるようになるには、まだ少し時間がかかるという。
「ユーザーの要望が多くなってくれば、LPガス会社さんの方も対応の必要性を認識するでしょうけれど、現状では、商品そのものがまだお客様に浸透していない」
営業推進に携わるスタッフはそういう。
もうひとつの問題は、このカップリング式容器バルブを入手しても、ユーザーが勝手にボンベに装着できないということ。
機器自体はネットからも購入できるが、その取り付けはまた別。これだけは、さすがにガス取り扱い専門業者の仕事となる。
しかし、その場合、自社で売った容器とは違うものを持ち込まれた業者さんが取り付けに難渋を示すことも容易に想像できる。
キャンピングカーユーザーの場合は、購入時にボンベを取り付けてくれた販売店スタッフと相談するのも手かもしれない。
取材の途中、LPガスユーザーをさらに喜ばせるような話も出た。
それは、今のスチール製ボンベの3分の1程度の重量であるFRP製ボンベを製品化するというもの。
FRP製容器の場合、軽量化も大きなポイントだが、外側から液面を確認できるため、残量確認が容易になるというメリットが加わる。
日本ではまだ法制化されていないので、製品そのものが市場に出回るのは先の話となるが、海外では200万本出ているという実績もあり、安全面での問題はクリアされているらしい。
こちらの実用化も早く望まれる。
『GASワンタッチ』 などの商品情報を詳しく知りたい方は、下記までどうぞ。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/plus-s/type542.html
LPガスの質量販売 (ボンベ売り) が法律の正しい規定に基づいて行われているのかどうか、経済産業省が各都道府県を通じて、LPガス販売会社に報告を義務づけたことがきっかけとなり、LPガスを取り扱う各社が質量販売そのものを自粛しようという動きが出てきたからだ。
このような動きが出てきた背景には、ガス会社にとってユーザー管理のしにくい質量販売から、ユーザー管理のしやすい 「メーター売り」 に移行したいというガス会社さんの思惑も絡んでいるだろう。
そのため、利用者に容器ごと売るような質量販売は 「法令の定める管理上の問題が生じる」 という理由により、キャンピングカーユーザーのLPガスの充填を断わる充填所が出てきたわけである。
では、キャンピングカーがLPガスボンベを搭載するのは違法行為なのか。
国交省の定めるキャンピングカーの構造要件では、キャンピングカーの規定を満たす条件のなかに、「コンロ等を使用するものとしてのガス容器は車室内と隔壁で隔てられ、かつ車外と十分通気が確保されていること」 など、一連のLPGボンベの存在を前提とした記述がはっきりと明記されている。
つまり、キャンピングカーがLPガス機器を搭載することは国交省の管轄下においてはまったく問題がないのだ。
しかし、日本の役所行政は縦割り組織になっているため、国交省と経済産業省との間に行政上の不整合が生じても、お互いにそれを調整し合おうという機会と土壌がない。
キャンピングカーユーザーはそのとばっちりを食ってしまったという状況にある。
では、LPガスを熱源とするキャンピングカーを持っているユーザーは、このまま手をこまねいているしかないのか?
じゃーん!
朗報です。
実は、ある種の機器をLPガスボンベに取り付けるだけで、ユーザーが今までどおりに質量販売を受けられるだけでなく、さらに、そのボンベを専用のコンロなどに接続して、野外や家庭内で、自由に熱源として利用できるシステムが開発された。
といっても、すでに一部のユーザーには知られたことではあったが、自分はそのことをまったく知らなかったので、そのシステムを開発した業者さんを訪ねて、取材を試みた。
中国工業株式会社さん。
その中国工業さんが供給する 『GASワンタッチ』 と 「クイックカップリング式バルブ」 という機器が、今回のガス問題で悩めるユーザーたちを救ってくれる救世主だ。
これは、同社がヨーロッパの大手ガス供給機器メーカーと共同開発したもので、すでに1年ほど前から販売されていたという。
機構的にどういうものかというと、早い話、従来のボンベに付いていたコックを回す 「ねじ込み式」 のハンドルバルブの代わりに、ワンタッチで調整器と接続できるカップリング式のバルブを取り付けるというもの。
▲ GASワンタッチ
その調整器 (レギュレーター) には、同じく中国工業がヨーロッパメーカーとタイアップして開発した 『GASワンタッチ』 という調整器を使用する。
セット方法は簡単で、両手で調整器を持ち、ロックリングを引き上げ、調整器を容器バルブの位置に合わせてから、そのまま下に軽く下ろすだけ。
これだけで、LPガスの質量販売が堂々と認められるばかりでなく、従来はLPガス事業者でなければ行えなかった 「配管接続作業」 も、ガス取り扱いの資格を持たない素人にもできるようになったという。
キツネにつままれたような話だ。
なぜ、そのようなことが可能になったのか?
実は、平成17年にLPガスをめぐる取り扱いの規制緩和が行なわれ、液化石油ガス保安法が改正されたことによって、このようなクイックカップリングを装着した容器に限り、25リットル未満 (10kgボンベ)の 質量販売が正式に認められるようになったからだ。
実際に調べてみると、平成17年1月に公表 (4月に施行) された政令では、
「質量販売に係わる規則緩和要望にともない、現行規定に加え、カップリング付きの安全器具等を設置した場合には、25L以下の容器まで事業者が配管等に容器を接続する義務を免除し、質量販売範囲を拡大する」 ことが謳われている。
このような規制緩和は、LPガスの需要拡大と消費者にとっての利便性の拡大を狙ったのものだが、それに踏み切るには、消費者が容器を脱着するときのガス漏洩を未然に防ぐ対策が講じられねばならなかった。従来の 「ねじ込み式」 のバルブでは、これを完全に防ぎきれなかったのである。
しかし、今回開発された 「カップリング式」 バルブでは、ガス漏れ遮断機構や耐震遮断機能が設定されたことによって 「格段に安全性が高いものになった」 という。
ということで、行く手に何の不安もないような 「GASワンタッチ」 だが、実は、普及するにはまだ超えなければならないハードルがいくつか残っている。
その一つは、この製品に対応する充填所の方の整備が進んでいないというもの。
このカップリング式容器バルブにLPガスを充填するには、充填所の方でもそれに対応したアダプターが必要となる。
ところが、そういうアダプターを用意した充填所というのが、日本全国にまだ40ヵ所ほどしか整備されていない。
中国工業さんは、現在これを全国展開するために広報・宣伝努力を続けているところだが、どこのLPガス充填所でも対応できるようになるには、まだ少し時間がかかるという。
「ユーザーの要望が多くなってくれば、LPガス会社さんの方も対応の必要性を認識するでしょうけれど、現状では、商品そのものがまだお客様に浸透していない」
営業推進に携わるスタッフはそういう。
もうひとつの問題は、このカップリング式容器バルブを入手しても、ユーザーが勝手にボンベに装着できないということ。
機器自体はネットからも購入できるが、その取り付けはまた別。これだけは、さすがにガス取り扱い専門業者の仕事となる。
しかし、その場合、自社で売った容器とは違うものを持ち込まれた業者さんが取り付けに難渋を示すことも容易に想像できる。
キャンピングカーユーザーの場合は、購入時にボンベを取り付けてくれた販売店スタッフと相談するのも手かもしれない。
取材の途中、LPガスユーザーをさらに喜ばせるような話も出た。
それは、今のスチール製ボンベの3分の1程度の重量であるFRP製ボンベを製品化するというもの。
FRP製容器の場合、軽量化も大きなポイントだが、外側から液面を確認できるため、残量確認が容易になるというメリットが加わる。
日本ではまだ法制化されていないので、製品そのものが市場に出回るのは先の話となるが、海外では200万本出ているという実績もあり、安全面での問題はクリアされているらしい。
こちらの実用化も早く望まれる。
『GASワンタッチ』 などの商品情報を詳しく知りたい方は、下記までどうぞ。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/plus-s/type542.html
