町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

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町田 03/14 00:28
町田さんご無事で何よ…
s-_-s 03/13 22:55
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町田 03/12 17:43
町田さん。ご無事でし…
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クラフト新展示場

 モーターホームのメンテナンス工場として知られる 「クラフト」 さんから、この6月2日に新展示場をオープンするという連絡をいただいたのは、5月の末。
 
 オープニングイベントを欠席して、礼を欠いてしまったが、ようやくご挨拶に上がることができた。

 第三京浜の港北IC(神奈川県)からそれほど遠くない場所なのだが、あわて者の私は、展示場ではなく、お邪魔したのは工場。
 社長の木村さんの奥様にクルマで誘導してもらい、そこから走って7分ほどの展示場に、やっとたどり着くことができた。

クラフト展示場外 クラフト店内様子

 出迎えてくださったのは、元アイシィー・トレックスを主宰されていた戸川聰さんと、クラフトの社長の木村さん。

戸川聰氏1 クラフト木村社長
▲戸川さん             ▲木村社長

 このクラフト展示場は、モーターホーム文化の育成を目標に、木村さんが、長年の盟友である戸川さんにその大役を任せた、いわばRV情報の発信基地。

 オフィス内には、最新液晶モニターが設置され、貴重な米国RVIAの活動を知らせるDVD、カナダーのビルダーの広報ビデオ、B.C.ヴァーノンを例に採ったモーターホームのプロモーションDVDなどが、常時映し出されている。
 
 さらに、カナダを代表するトリプルE社が製作した初期クラスAモデルの絵ハガキなど、日本のモーターホーム文化を根づかせた戸川さんならではの貴重なコレクションも展示されている。

 なんといっても、このショップの売りは、目利きの戸川さんによって選び抜かれた貴重なモーターホームパーツの数々。
 展示スペースは小さいながら、高品質のセワホース、オーニングを支えるためのタイダウンフックキット、特別に製造されたFRP用ポリッシュ (非売品) など、モーターホームライフを豊かにするための厳選された小道具が美しくディスプレイされている。

クラフトセワホース クラフト用品2 

 最新型のLEDマーカーランプ。お洒落な蛍光灯。美しい光沢を放つクローム製の混合栓。
 機能UPが図られると同時に、お洒落度もUPするという品路添えが、なんとも個性的だ。

クラフト用品2 クラフト用品4

 それほど広い敷地でもないのに、入口前には、大型モーターホームが楽に入れるようなスペースがしっかり確保されている。
 「お客様が、ダンプや給水を目的に立ち寄られても、いつでも停めていただけるように」 するための配慮だという。

 ダンプ用のホールが3箇所。給水用の水道が2箇所。
 こういう設定は、いかにも北米系モーターホームを長年手がけてきたショップらしい配慮だ。

 なにしろ、工場が近いので、メンテナンス作業も容易。
 不具合が出た車両を持ち込む場合は、まずこの展示場で相談をし、しかるのちに、工場で対応することになる。

 展示場と工場の距離は、普通に走って6~7分。
 アイシィー・トレックスの創業期から、そのメンテナンスを専門的に手掛けてきた 「クラフト」 だけに、モーターホームのことなら、まず任せておいて安心。

 アクセスとして近いのは、第三京浜の港北IC。
 そこから10分。
 東名自動車道の場合は、横浜・青葉IC。15分。
 定休日は金曜日。

 オフィスの裏には、閑雅な庭園風の空き地が広がり、目の覚める様な青をたたえた紫陽花が真っ盛りだった。

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campingcar | 投稿者 町田編集長 04:01 | コメント(4) | トラックバック(0)

トロイ

《 昔の映画の現代的鑑賞法 歴史編2 》
「トロイ」

 
 2004年に公開された 『トロイ』 は、CGによって一大スペクタクルシーンを実現するという、最近のハリウッド史劇の動向を反映する映画だ。
 興行的にも成功した 『グラディエイター』 の流れをくんだ作品といえよう。

トロイDVD 

 確かに、エーゲ海を東進するギリシャ船隊が、水平線まで埋め尽くしている映像は、さすがにCGでなければ描けない世界だと驚嘆する。

 しかし、今から50年ぐらい前につくられた 『トロイのヘレン』 という同テーマの映画と比べて進歩があったのか、というと微妙。

 むしろ 『トロイのヘレン』 の方が、映像的緊張感では勝っていたという気がする。
 軍隊が隊伍を整えて行進するシーン。
 攻城車がゆるゆると城壁に迫るシーン。
 巨大な木馬が、城内に迎え入れられるシーンなど、あきらかに 『トロイのヘレン』 の方が、スペクタクル映画のツボを押さえた映像になっていた。

トロイのヘレンDVD

 例えば 『トロイのヘレン』 では、木馬が城門に入ってくるときなどは、思いっきり仰角で捉える。
 それによって、木馬の巨大さを強調しようというカメラワークである。

 ギリシャ軍の行進を横から捉える映像でも、下からあおるカットを多用する。俯瞰で押さえれば、エキストラの数が乏しいときは、それがバレてしまう。
 しかし、仰角で写せば、それをカバーできる。
 CGに頼ることに慣れた現代の監督がおろそかにしがちな、小さなことの積み重ねによって迫力を演出するという、昔の映画の凄さをあらためて感じた。

《ブラピはアキレスになれなかった》

 今回の『トロイ』 においては、何よりも致命的なのはキャスティングだ。
 まず、アキレス役のブラッド・ピットが、アキレスになりきれていない。
 アキレスというキャラクターは、闘争本能とプライドだけで動いている戦闘マシーンのような存在で、いわば暴力の神。
 頭脳は単純なのだが、その無垢さが神の世界に通じるという、ちょっと現代人にはいないタイプの人間だ。

ブラピのアキレス

 ところが、身体的構造も精神構造も、現代人以外の何ものでもないブラッド・ピットが、このアキレスをやってしまったのが間違い。
 彼は、この映画のために筋トレに励んで5㎏体重を増やしたというが、甲冑を身につけようが、麻布を体に巻きつけようが、ぜんぜん古代人の匂いが漂ってこない。

 ロックスターになることを夢見つつ、いたずらに齢 (よわい) を重ねてしまったニューヨークの裏町に住むクリーニング屋の店員という印象なのだ。

 一方、トロイ側の雄であるヘクトル (エリック・バナ) も魅力に乏しい。
 まず眉がタレているのがいただけない。
 ヒゲの密度も薄いので、「ヒゲを蓄えている」 という容貌ではなく、「剃り忘れている」 という印象。

 これも古代の英雄像からはほど遠く、東欧あたりの地方都市で、細々とした生活を営む、独身の電気工事の主任という感じだ。

 この2人が、トロイの城壁を背にして決闘する場面は、全編のハイライトになるはずなのだが、クリーニング屋と電気工事の主任のケンカじゃなぁ…。

 私がこの2人のキャストを与えられた監督なら、彼らには現代人の衣装を着せ、ネバダ州あたりを古びたアメ車でさまよいながら、時に争い、時に友情で結ばれる、若者同士のロードムービーにシナリオを書き換えるだろう。

 で、トロイとギリシャを代表する両英雄が戦うとしたら、やっぱりここは、かつての 「ジョー・フレーザー VS マイク・タイソン」 的なマッチョ同士がにらみ合うシーンにならなければいけない。

《やっぱスタローンでしょう!》

 そういった意味で 『ロッキー1』 あたりを演じていた頃のシルベスター・スタローンと、『ターミネーター1』 あたりのシュワルツネッガーが対決していたら、見応えがあったと思う。

 実際、古代ギリシャの壷絵に描かれるアキレスは、スタローン的な風貌と肉体を持っている。
 脳細胞が足りない (バカだ!) けれど、闘争本能のおもむくままに、身体が機械的に動いてく (それゆえに神々しい!) という役柄では、スタローンの右に出る者はいない。

アキレス像

 なんとか及第点の演技をしていたのは、オーランド・ブルーム演じるパリスだが、黒髪は×。
 パリスが美しい金髪の若者であったことは、古典文学の常識である。

 良かったのは、トロイの老王プリアモスを演じたピーター・オトゥール。
 少々、歌舞伎風の様式美を感じさせる演技だったが、気品と風格があって、一番の出来だった。

 ではヘレンは?
 まず美女でない。
 王妃という役に必要な気品もない。妖艶さもない。

 こういう役は、かつてのシルビーノ・バンガーノ、あるいはフランソワ・アルヌールといったラテン系美女じゃないとこなせないのかもしれない。
 『トロイのヘレン』 でヘレンを演じていたのは、ロッサナ・ボデスタ。
 まぁ、ラテン美女の典型でした。(ドイツ系女優じゃ無理だろうな)。

《粗雑な脚本でも、面白い映画になった理由》

 ギリシャ連合軍の総大将アガメムノンと、その弟のメネラオスというギリシャ軍の首脳陣たちも魅力薄。
 権力と財宝と女にしか欲望を感じない、下世話な男たちというだけで、将としての高貴さが皆無。

 もっとも、これは脚本にも問題がある。
 だいたい 「全ギリシャを手に入れるのが、俺の夢だ!」
 なんて、粗雑なセリフを、アガメムノンに語らせる脚本なんてありか?
 
 逆にいうと、ひどい脚本にもかかわらず、話をドラマチックに盛り上げたのは、原作の凄さだという言い方もできる。

 アガメムノンがトロイ陥落と同時に殺されたり、アキレスの恋人がトロイの王女だったりと、かなり原作の改編が目立つ箇所もあったが、おおむねは、原作に忠実に描かれている。
 だから、話は無類に面白い。
 やっぱり、3000年以上も人類に読み継がれてきた古典の力は偉大だ。

 復讐に燃えるアキレス。
 家族愛を貫くヘクトル。
 権勢欲におぼれるアガメムノン。
 盲目の恋におちたパリス。
 罪の意識に怯えるヘレン。
 子を失う悲しみに耐えるプリアモス。
 そして、狡知によってサクセスを手に入れるオデッセウス。
 
 愛、不倫、戦い、復讐、死別、謀略。
 人類がドラマのテーマとして思いつきそうなものは、この 『イリアス』 1作の中に、すべて盛り込まれている。

《ギリシャ版 「平家物語」》

 栄養栄華を誇ったひとつの王族が滅びる様 (さま) を描いたという意味で、『イリアス』 は日本の 『平家物語』 にも似ている。

 貴族文化のきらびやかさを身につけ、肉親同士のこまやかな愛情で結ばれていた平家を滅ぼしたのは、粗暴なパワーと権勢欲を体の髄まで沁みこませた、野蛮な東国武者たちだった。

 美しい化粧を施した平家の公達 (きんだち) たちが、荒々しい源氏武者の手にかかって、次々と首を取られていく様子を眺めるのは、哀れを催す。
 だからこそ、ドラマとして盛り上る。

 『イリアス』 も、温かい家族愛で結ばれていたトロイ王族を、残忍なギリシャ人が攻め滅ぼすという平家物語スタイル。

 滅びゆくものへの挽歌というのは、洋の東西を問わず、感動ドラマを成功させるための必勝パターンなのかもしれない。

音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 03:11 | コメント(0) | トラックバック(0)
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