2011年04月27日
久々の更新です
昨晩、 『キャンピングカー スーパーガイド 2011』 の最後のデータを印刷所に収めた。
長らくブログの更新を怠っていたのも、入稿のことで頭がいっぱいになり、 「とてもブログどころではない……」 という気持ちが強かったからだ。
毎度のことだけど、この時期は、てんやわんや。
先に出した校正刷りはどんどん上がってくる。
それを横目でにらみながら、一方では、入稿前の新規原稿も書く。
集めた画像ファイルの中から写真を選ぶ。
ないものは取り寄せる。
家には帰らない。
風呂には入らない。
夜中の3時か4時には、会社の床にマットを敷き、下着を着替えることもなく、寝袋に潜り込む。
温かい季節になると、冬の間は影を潜めていたムシも床を這いずり回るようになる。
こちらがじっとしていると、彼らが頭の周りをかすめるように通り過ぎていく姿が想像できるのだが、でも気にならない。
こちらも汚れ具合では、ムシと大同小異であるからだ。
ブログの最後の更新日が4月の12日。
「ちょいとサボる」 ……ぐらいの気持ちだったのに、いつの間にやら2週間経ってしまった。
最後のブログタイトルが、 「3・11以降」 。
思えば、3・11というのは、ちょうど 『キャンピングカー スーパーガイド2011』 の原稿を書き始めたぐらいのタイミングに当たる。
やはり、原稿を書くときの気分が、例年とは大きく違った。
自分の感情のおもむくままに書き散らすブログの原稿と、キャンピングカーの使い勝手や構造に触れる仕事の原稿とでは、扱う世界が大きく異なる。
キャンピングカーのレイアウトや装備類の解説を書く作業は、被災地の深刻な報道の流れとは切り離して進めることもできる。
それでも、気分のどこかで、その両者を大きく切り離すことができなかった。
特に、書きながら自分で引っかかったのは 「快適」 という言葉だった。
キャンピングカーは、利用者のあらゆる 「快適さ」 を追求する形でここまで成熟してきた。
「快適な寝心地を約束するフルフラットベッド」
「快適な温度を保つFFヒーター」
「快適な冷気をもたらしてくれるルーフエアコン」
「快適な人の動線を確保するレイアウト」
キャンピングカーの特性を表現するときのキータームとして、 「快適」 という言葉は外すことができない。
しかし今回ほど、その言葉が “しっくり” しなかったことはなかった。
「この車に約束された快適な空調は……」 などと書きながら、一方では、被災地の避難所で、寒さに震えながら耐えている人たちの映像が記憶から離れなかった。
そして、一方では、原発事故で大きく浮上してきた 「人類に残されたエネルギー資源」 という問題が頭にこびり付いてしまい、キーボードを打つ手が止まった。
「われわれが今の世の中で “快適さ” を求めるということは、未来の他者から “快適さ” を奪うことではないのか?」
そんな意識も浮かんだりして、迷いながらの原稿書きだった。
しかし、途中からハタと気がついた。
キャンピングカーで実現される 「快適」 さというのは、すべてビルダーや利用者たちによって、その車の中だけで個別に作り上げられる創造的な 「快適」 なのだ。
決して、東電の原発からおこぼれを預かって、垂れ流しているという自覚もなく消費される 「快適」 さとは違うのだ。
あるクルマでは、ルーフをソーラーパネルで埋めて、そこから備蓄される自然エネルギーで冷蔵庫やIH調理器を回そうという試みを震災以前から導入し、キャンピングカーの新しい流れを作ろうとしていた。

また別のクルマでは、高性能バッテリーを2個用意して、電気回路を2系統に分け、一方では照明や水ポンプ、ベンチレーターを作動させることに回し、もう一つは1.5kWのインバーターを介して、セパレートエアコンや電子レンジを駆動させるという試みを実現していた。
それらは、もちろん創造者たちの知恵を絞った工夫と、度重なる実験によって実用化に至ったものばかりである。
つまり、 「快適さ」 を手に入れるためには、いかに智恵をふり絞り、工夫を凝らさなければならないのかという意識の上に成り立った “快適” なのだ。
ただ、その快適さは、はかない。
でも、それがいい。
高機能サブバッテリーと高性能インバーターを組み合わせて使えるエアコンの駆動時間は、走行充電しないかぎりは5時間程度に過ぎない。
だから、その5時間が 「貴重な5時間」 となる。
今まで、電源を差し込むだけで無尽蔵に電気が供給されると思い込んでいたわれわれの怠惰な脳を刺激してくれる5時間となるのだ。
キャンピングカーは、われわれに 「未来を考えさせてくれるクルマ」 となる。
原稿を書いているうちに、それは確信となった。
昔から、様々なキャンピングカーで進められてきた断熱対策も、これからは違った文脈で捉えられるようになるだろう。
断熱を徹底化させることでエアコンやヒーターの効きも大きく変わる。
それが、有限の資源を少しでも未来の人類に残すことに貢献するようになるかもしれない。
そんなことをあれこれ考えながら制作した 『キャンピングカー スーパーガイド2011』 。
配本日は5月20日の予定。
地方の書店に出回るのは、遅くとも5月24日~25日ぐらいになると思う。
発売が、自分でも楽しみなのだ。
PS
ところで、このブログもホビダスさんの新ブログに移行します。
新しいアドレスは、
http://campingcar.shumilog.com/
今後ともよろしく。
長らくブログの更新を怠っていたのも、入稿のことで頭がいっぱいになり、 「とてもブログどころではない……」 という気持ちが強かったからだ。
毎度のことだけど、この時期は、てんやわんや。
先に出した校正刷りはどんどん上がってくる。
それを横目でにらみながら、一方では、入稿前の新規原稿も書く。
集めた画像ファイルの中から写真を選ぶ。
ないものは取り寄せる。
家には帰らない。
風呂には入らない。
夜中の3時か4時には、会社の床にマットを敷き、下着を着替えることもなく、寝袋に潜り込む。
温かい季節になると、冬の間は影を潜めていたムシも床を這いずり回るようになる。
こちらがじっとしていると、彼らが頭の周りをかすめるように通り過ぎていく姿が想像できるのだが、でも気にならない。
こちらも汚れ具合では、ムシと大同小異であるからだ。
ブログの最後の更新日が4月の12日。
「ちょいとサボる」 ……ぐらいの気持ちだったのに、いつの間にやら2週間経ってしまった。
最後のブログタイトルが、 「3・11以降」 。
思えば、3・11というのは、ちょうど 『キャンピングカー スーパーガイド2011』 の原稿を書き始めたぐらいのタイミングに当たる。
やはり、原稿を書くときの気分が、例年とは大きく違った。
自分の感情のおもむくままに書き散らすブログの原稿と、キャンピングカーの使い勝手や構造に触れる仕事の原稿とでは、扱う世界が大きく異なる。
キャンピングカーのレイアウトや装備類の解説を書く作業は、被災地の深刻な報道の流れとは切り離して進めることもできる。
それでも、気分のどこかで、その両者を大きく切り離すことができなかった。
特に、書きながら自分で引っかかったのは 「快適」 という言葉だった。
キャンピングカーは、利用者のあらゆる 「快適さ」 を追求する形でここまで成熟してきた。
「快適な寝心地を約束するフルフラットベッド」
「快適な温度を保つFFヒーター」
「快適な冷気をもたらしてくれるルーフエアコン」
「快適な人の動線を確保するレイアウト」
キャンピングカーの特性を表現するときのキータームとして、 「快適」 という言葉は外すことができない。
しかし今回ほど、その言葉が “しっくり” しなかったことはなかった。
「この車に約束された快適な空調は……」 などと書きながら、一方では、被災地の避難所で、寒さに震えながら耐えている人たちの映像が記憶から離れなかった。
そして、一方では、原発事故で大きく浮上してきた 「人類に残されたエネルギー資源」 という問題が頭にこびり付いてしまい、キーボードを打つ手が止まった。
「われわれが今の世の中で “快適さ” を求めるということは、未来の他者から “快適さ” を奪うことではないのか?」
そんな意識も浮かんだりして、迷いながらの原稿書きだった。
しかし、途中からハタと気がついた。
キャンピングカーで実現される 「快適」 さというのは、すべてビルダーや利用者たちによって、その車の中だけで個別に作り上げられる創造的な 「快適」 なのだ。
決して、東電の原発からおこぼれを預かって、垂れ流しているという自覚もなく消費される 「快適」 さとは違うのだ。
あるクルマでは、ルーフをソーラーパネルで埋めて、そこから備蓄される自然エネルギーで冷蔵庫やIH調理器を回そうという試みを震災以前から導入し、キャンピングカーの新しい流れを作ろうとしていた。

また別のクルマでは、高性能バッテリーを2個用意して、電気回路を2系統に分け、一方では照明や水ポンプ、ベンチレーターを作動させることに回し、もう一つは1.5kWのインバーターを介して、セパレートエアコンや電子レンジを駆動させるという試みを実現していた。
それらは、もちろん創造者たちの知恵を絞った工夫と、度重なる実験によって実用化に至ったものばかりである。
つまり、 「快適さ」 を手に入れるためには、いかに智恵をふり絞り、工夫を凝らさなければならないのかという意識の上に成り立った “快適” なのだ。
ただ、その快適さは、はかない。
でも、それがいい。
高機能サブバッテリーと高性能インバーターを組み合わせて使えるエアコンの駆動時間は、走行充電しないかぎりは5時間程度に過ぎない。
だから、その5時間が 「貴重な5時間」 となる。
今まで、電源を差し込むだけで無尽蔵に電気が供給されると思い込んでいたわれわれの怠惰な脳を刺激してくれる5時間となるのだ。
キャンピングカーは、われわれに 「未来を考えさせてくれるクルマ」 となる。
原稿を書いているうちに、それは確信となった。
昔から、様々なキャンピングカーで進められてきた断熱対策も、これからは違った文脈で捉えられるようになるだろう。
断熱を徹底化させることでエアコンやヒーターの効きも大きく変わる。
それが、有限の資源を少しでも未来の人類に残すことに貢献するようになるかもしれない。
そんなことをあれこれ考えながら制作した 『キャンピングカー スーパーガイド2011』 。
配本日は5月20日の予定。
地方の書店に出回るのは、遅くとも5月24日~25日ぐらいになると思う。
発売が、自分でも楽しみなのだ。
PS
ところで、このブログもホビダスさんの新ブログに移行します。
新しいアドレスは、
http://campingcar.shumilog.com/
今後ともよろしく。
2011年03月13日
災害時のキャンカー
各メディアは、その大半がいまだ大地震報道で占められている。
被災地の生活基盤が完全に復旧するようになるには、そうとう長い期間を必要とするだろう。
もし、ライフラインがすべて止まったら、わが家はどうするか。
カミさんと話してみた。

とりあえず、うちの場合は駐車場に止めたキャンピングカーの中に避難するだろう、ということになった。
小さなキャンピングカーなので、中に立てこもっても、せいぜい4~5日で “落城”の運命かもしれない。
でも、4~5日ぐらいなら、なんとか “籠城” できそうだ。
生活用水は、満タン約100リッターぐらいは積める。
普段は、満タンまで積むことはないが、約100リッターを確保していれば、飲み水は別として、いろいろな用途に使える。
タンクを清浄していないので、さすがに飲料に使うには不安がある。
それだって、いざとなったら、それを飲むしかないかもしれないが、できれば避けたい。
ガスは、LPGボンベがあるので、お湯を沸かしたりするぐらいなら、満タンになっていれば、かなり持つ。
カセットコンロも積んでいるし、カートリッジの予備も何本か備蓄しているので、カップ麺などで食いつなぐことはできる。
少しでも温かい食事が作れれば、それを近所の人たちに配ってあげることもできる。

冷蔵庫は、昔ながらの3ウェイ方式。LPガス、DV12V、AC100Vの三つが使えるというもの。
AC電源の供給が途絶えても、LPガスを使って作動させることができる。
電子レンジもあるので、冷凍品を温めるぐらいなら、それを活用すれば大丈夫。
ただ、キャンピングカーに一般的に搭載される電子レンジはAC電源に頼るものが多いから、ACの供給が途絶えたときは、サブバッテリーとインバーターに頼ることになるが、やはり長時間の使用には耐えられない。発電機を持っていれば別だが、たいていの場合、まず電気の供給がネックになりそうだ。

幸いなことに、うちのキャンピングカーは、電子レンジに関しては12V対応なので、AC電源を引く必要がない。
作動させるときにエンジンを回しておけば、まず心配ない。
冷凍品を保管していた人々がそれを持ち寄って来れば、温めてあげることぐらいなら、いくらでも対応できる。
大事なのはトイレだ。
大都市のトイレは、ほとんど水洗トイレになっているので日頃の衛生は保たれるかもしれないが、水道が止まったときは、それが逆作用をもたらす。
汚物が溜まっても、流せない。
そうなると、田舎のボットントイレの方が、まだ融通がきく。
わが家のキャンピングカーはトイレ付き。
しかも、トイレ室は個室になっているので、女性も安心して使える。
だから、近所の人で、トイレ処理に困っている人がいれば、(数日ぐらいなら) それも使ってもらうことができる。
トイレは、 「カセット式」 と呼ばれるもので、便器下のタンクに汚物を溜める構造になったもの。
しかも水洗。
小さなタンクに洗浄用の水を溜めるだけなので、無尽蔵に使えるわけではないが、いちおう使用後に便器を洗い流せるので、衛生的には安心だ。
また、便器とタンクの間にはフタが付いているので、タンクの臭気が上に登ってくることもない。
汚物を溜め込み過ぎると、夏場などには臭気が漏れることがあるが、そういうときのためにキャンピングカー専用消臭剤も売られている。
最近は、箱型のキャンピングカー (キャブコン) でもトイレ機能をオプション設定にしているクルマが増えた。
確かに、道の駅や高速のSA・PAにはトイレが完備しているし、キャンプ場に泊まれば、まずトイレの心配はない。
そのため、キャンピングカーのトイレ機能は昔ほど重要視されなくなったが、自然災害などによって、都市の水道機能がマヒしたときなどは、キャンピングカーのトイレが大いに役に立つだろう。
ただタンク容量には限度がある。大型のカセット式のもので5~6日は持ったことがあったが、基本的には廃棄する場所があってのトイレであり、それを越すと衛生上の問題も心配。
それでも、あるとないでは大違い。
地震が発生した金曜日には、渋滞の中を11時間かけて家に戻ったが、途中尿意を催したとき、ちょっと路肩に止めて車内のトイレを使った。
ありがたいものだと思った。
もっとも、普段は、カミさんと一緒に旅行するときの私の “喫煙スペース” になっているだけだけど。
暖房は、FFヒーターでまかなえる。
これは自動車燃料がそのまま使える暖房形式なので、燃料 (軽油) を満タンにしておけば、かなり持つ。
もっとも、FRPボディの壁材の中に断熱素材が封入されているので、車内の温度そのものがそれほど外気温の影響を受けない。
家にいるよりも、暖房の熱源は省略できるかもしれない。
近所の小さな子どもやご老人が暖を取りたいというときなど、どんどん集まってくれればいい。

寝る場所にも困らない。
バンクベッドとフロアベッドをフルに活用すれば、大人3~4人までならゆったりと寝られる。
シュラフは積みっぱなし。
後は、家から毛布だの布団を運び込めば、寝るときの心配はない。
このように、フル装備に近いキャンピングカーが1台あるだけで、蓄えさえあれば、数日の籠城は可能だ。
しかし、それでも、すべてのエネルギー源が切れれば、ただの “箱” 。
やはり、最後は、助け合う人同士の連帯が大事。
今回の地震報道を見ていると、人と人のつながり以上に、災害を乗り切る力はないということを痛感する。
被災地の生活基盤が完全に復旧するようになるには、そうとう長い期間を必要とするだろう。
もし、ライフラインがすべて止まったら、わが家はどうするか。
カミさんと話してみた。
とりあえず、うちの場合は駐車場に止めたキャンピングカーの中に避難するだろう、ということになった。
小さなキャンピングカーなので、中に立てこもっても、せいぜい4~5日で “落城”の運命かもしれない。
でも、4~5日ぐらいなら、なんとか “籠城” できそうだ。
生活用水は、満タン約100リッターぐらいは積める。
普段は、満タンまで積むことはないが、約100リッターを確保していれば、飲み水は別として、いろいろな用途に使える。
タンクを清浄していないので、さすがに飲料に使うには不安がある。
それだって、いざとなったら、それを飲むしかないかもしれないが、できれば避けたい。
ガスは、LPGボンベがあるので、お湯を沸かしたりするぐらいなら、満タンになっていれば、かなり持つ。
カセットコンロも積んでいるし、カートリッジの予備も何本か備蓄しているので、カップ麺などで食いつなぐことはできる。
少しでも温かい食事が作れれば、それを近所の人たちに配ってあげることもできる。
冷蔵庫は、昔ながらの3ウェイ方式。LPガス、DV12V、AC100Vの三つが使えるというもの。
AC電源の供給が途絶えても、LPガスを使って作動させることができる。
電子レンジもあるので、冷凍品を温めるぐらいなら、それを活用すれば大丈夫。
ただ、キャンピングカーに一般的に搭載される電子レンジはAC電源に頼るものが多いから、ACの供給が途絶えたときは、サブバッテリーとインバーターに頼ることになるが、やはり長時間の使用には耐えられない。発電機を持っていれば別だが、たいていの場合、まず電気の供給がネックになりそうだ。
幸いなことに、うちのキャンピングカーは、電子レンジに関しては12V対応なので、AC電源を引く必要がない。
作動させるときにエンジンを回しておけば、まず心配ない。
冷凍品を保管していた人々がそれを持ち寄って来れば、温めてあげることぐらいなら、いくらでも対応できる。
大事なのはトイレだ。
大都市のトイレは、ほとんど水洗トイレになっているので日頃の衛生は保たれるかもしれないが、水道が止まったときは、それが逆作用をもたらす。
汚物が溜まっても、流せない。
そうなると、田舎のボットントイレの方が、まだ融通がきく。
わが家のキャンピングカーはトイレ付き。
しかも、トイレ室は個室になっているので、女性も安心して使える。
だから、近所の人で、トイレ処理に困っている人がいれば、(数日ぐらいなら) それも使ってもらうことができる。
トイレは、 「カセット式」 と呼ばれるもので、便器下のタンクに汚物を溜める構造になったもの。
しかも水洗。
小さなタンクに洗浄用の水を溜めるだけなので、無尽蔵に使えるわけではないが、いちおう使用後に便器を洗い流せるので、衛生的には安心だ。
また、便器とタンクの間にはフタが付いているので、タンクの臭気が上に登ってくることもない。
汚物を溜め込み過ぎると、夏場などには臭気が漏れることがあるが、そういうときのためにキャンピングカー専用消臭剤も売られている。
最近は、箱型のキャンピングカー (キャブコン) でもトイレ機能をオプション設定にしているクルマが増えた。
確かに、道の駅や高速のSA・PAにはトイレが完備しているし、キャンプ場に泊まれば、まずトイレの心配はない。
そのため、キャンピングカーのトイレ機能は昔ほど重要視されなくなったが、自然災害などによって、都市の水道機能がマヒしたときなどは、キャンピングカーのトイレが大いに役に立つだろう。
ただタンク容量には限度がある。大型のカセット式のもので5~6日は持ったことがあったが、基本的には廃棄する場所があってのトイレであり、それを越すと衛生上の問題も心配。
それでも、あるとないでは大違い。
地震が発生した金曜日には、渋滞の中を11時間かけて家に戻ったが、途中尿意を催したとき、ちょっと路肩に止めて車内のトイレを使った。
ありがたいものだと思った。
もっとも、普段は、カミさんと一緒に旅行するときの私の “喫煙スペース” になっているだけだけど。
暖房は、FFヒーターでまかなえる。
これは自動車燃料がそのまま使える暖房形式なので、燃料 (軽油) を満タンにしておけば、かなり持つ。
もっとも、FRPボディの壁材の中に断熱素材が封入されているので、車内の温度そのものがそれほど外気温の影響を受けない。
家にいるよりも、暖房の熱源は省略できるかもしれない。
近所の小さな子どもやご老人が暖を取りたいというときなど、どんどん集まってくれればいい。
寝る場所にも困らない。
バンクベッドとフロアベッドをフルに活用すれば、大人3~4人までならゆったりと寝られる。
シュラフは積みっぱなし。
後は、家から毛布だの布団を運び込めば、寝るときの心配はない。
このように、フル装備に近いキャンピングカーが1台あるだけで、蓄えさえあれば、数日の籠城は可能だ。
しかし、それでも、すべてのエネルギー源が切れれば、ただの “箱” 。
やはり、最後は、助け合う人同士の連帯が大事。
今回の地震報道を見ていると、人と人のつながり以上に、災害を乗り切る力はないということを痛感する。
2011年03月07日
OMCの北斗
その昔、テレビCMで脚光を浴びた、
「亭主元気で留守がいい」
というキャッチコピーは、いまだ健在のようだ。
たまの休日の土日、家でカミさんと一緒の過ごす時間が長引くと、ふとため息のように、カミさんの口からついて出る言葉が、
「亭主元気で留守がいい」。
▼ 「タンスにゴン、亭主元気で留守がいい」 という防虫剤のCM(1986年)

カミさんは言う。
「1日顔を合わせただけで、こんなに鬱陶しいのに、あなたが定年退職を迎えて、毎日顔を合わせるとなると、この先どうなってしまうのかしら」
私のように、奴隷のようにかいがいしく尽くす旦那を持ったうちのカミさんですら、こうなのだ。
「熟年離婚」 という言葉が盛んにマスコミで取り上げられるようになったのは、今から5~6年ぐらい前だったか。
離婚訴訟の主たる原因は、それまで 「夫の浮気」 などという生臭い原因が多かったが、熟年離婚は、ちょいと違う。
それまで、朝早くから会社に出かけて、帰りは遅かった夫が、定年退職を機会に、朝から晩まで家にはりついて動かない。
起きてくればリビングのテレビは独占し、見るのはスポーツ中継かニュースだけ。
そして、どうでもいい事件に、やたら腹を立てる。
くわえて、朝、昼、晩 「めし」 といって、口を空けて待っているだけ。
まず、この生活リズムの激変に、たいていの奥さんは耐え切れない。
旦那さんからすれば、とても離婚の原因にならないような、そんなことが、奥さんにとっては、立派な離婚の動機になったりすることがある。
つまり、奥さんから見れば、会社でどのような業績を残した夫であろうとも、家の中に入れば、 “ただの人” 。
そういう夫が、社会から切り離されて家に居座り、しかも女房に無理解で、男としての魅力も失ってしまえば、赤ん坊よりも始末が悪い。
一方、奥さんの方はどうかというと、旦那さんたちが外に出ている間に、近所の主婦たちとコミュニティのようなものを結成して、豊かな社会関係を構築している。
女性同士で、お茶したり、食事したり、時には一緒に旅行に行くなど、ガールズトークを楽しんでいる。
そういう奥さんに対して、
「おい、お前、そんなにお洒落してどこに行くんだ?」
と、口うるさく質問を浴びせる旦那さんは、うんざりする存在なのだ。
せめて、何かの趣味をつくって、自分一人でも旅行に出かけたりする時間を持ってほしい。
旦那さんに対して、そう期待する奥さんは多いようだ。
実は、最近 「男の一人旅」 を開発テーマに掲げたキャンピングカーが密かに注目されているのも、そんな背景が絡んでいるのかもしれない。
現在、 「キャンピングカーによる夫婦の二人旅」 はますます盛んになっているが、それと並行して、一方では、 「最近旅に誘っても、カミさんがついて来なくなってねぇ」 という旦那のつぶやきもチラホラ聞こえるようになった。
あと、何年後になるのか。
日本では、「一人でも充実した時間をつくれる文化」 というものが急速に求められる時代が来るような気がする。
それは、朝日新聞が取り上げた 「孤族」 というような、寂しい一人生活ではなく、むしろ一人の時間をどうマネージメントするかということを学び、そこから再び他者とつながる回路を模索するような、プラス志向の動きになると思う。
20年後の2030年には、50~60代の男性の4人に1人が一人暮らしになり、50歳男性のうち、3人に1人は未婚のまま終わるという推論も立てられているそうだ。
マスコミは、こういう傾向を “孤独な社会の到来” という論調で染め上げるのが好きだが、孤独に対する耐性を身につけるということは、他者とのつながりを再構築するためのヒントになるはずだ。
孤独なシニアは、もっともっとその孤独を突き詰めたらいい。
そうすれば、人と人がつながるときに大切なものというのも分かってくるのではないか。
妻からうとんじられる旦那さんというのは、まだ本当に 「孤独」 というものと直面していないのだ。
だから、キャンピングカーによる旦那さんの 「一人旅」 には大いに賛成だ。
車内のダイネットに一人で座り、外の景色など見ながら、冷蔵庫から取り出したビールを一杯あおる。
目の前にいるはずの奥さんが、今日はいない。
……寂しい。
でも、それは自由な時間を享受することにもなるはずだ。
車内のテレビで漫然とニュースを見るよりも、そんなときはテレビのスイッチを消して、目の前にいない奥さんに対し、 “心の対話” を試みたらどうか。
意外と、若い頃に感じて、その後忘れていた奥さんの魅力を再発見するかもしれない。
それが、キャンピングカーによる 「二人旅」 の再出発になるはずだ。
そんなことを見越して開発されたのではないかと思われるキャンピングカーが、オーエムシー (OMC) のニュー 「北斗」 である。

全長4.84mのハイエースのワゴンロングをベースとしたバンコンで、その取り回しの良さから、もともと、釣り、写真、天体観測などのベース基地として使う男性の一人旅用キャンピングカーとして人気のあったクルマだ。
もちろん、もとは夫婦の 「二人旅」 車両として開発されたクルマだから、初期のモデルは、ベッド展開のできるロングソファーの上に、さらに上段ベッドを設定できるようになっていた。
しかし、このクルマに関しては、意外とシングルで使っているケースが多いことに、開発陣は気づいた。
確かに、 「二人用」 のクルマではあるが、レイアウトや家具の質感などに、どことなく “男の隠れ家” 的な風情がある。
そのため、この車両に関しては、けっこう自由きままな一人旅を満喫する男性たちが多かったのだ。

今年開発されたニュー 「北斗」 (↑) は、一人旅の満足感をよりストレートに追求したものになっている。
そのため、2段ベッドの採用も控え、家具色もダークなものにして、男好みのテイストを意識したコーディネートがなされた。
ソファーもステッチ縫いや飾り縫いを施した質感の高いもの。さらに、本革シート(op.) も用意されるなど、充実した “男の個室” を満喫できる仕様が実現されている。


キャッチは、ずばり 「シングルユース」 。
「シングルオンリー」 と謳っていないところがミソ。
一人で使ったときの充実感を大切にしながら、二人旅のキャパシティも完璧に満たした車両であるとのこと。
もちろん、ソファーをベッドメイクしたときのサイズは1,900×1,250㎜だから、実質的には二人分の就寝スペースが確保されている。

オーエムシーの大間社長は、
「ホテルに例えれば、ダブルベッドやツインベッドの部屋を、一人で贅沢に使うとことを想定してもらえればいい」
と語る。

「シングルユース」 を広告展開にも堂々と謳ったキャンピングカーは、この北斗がはじめてだが、実際には、キャンピングカーを一人で使いたいというニーズはそうとう前から高まっており、キャンピングカー販売店のスタッフたちも、最近はそのような事例を目にする機会が増えたとよく口にする。
さらに、そのような一人旅ユーザーが、道の駅やキャンプ場などで、同じような旅を楽しむユーザーと出会い、そこで一杯酌み交わしながらキャンピングカー談義にふけるなどという話も耳にするようになった。
見ず知らずの男同士でも、キャンピングカー仲間なら会話も弾む。
そのような気のおけない会話の中で、自分たちの人生を振り返ったり、お互いの趣味を確認し合ったりする人たちが最近は多いらしい。
男たちは、キャンピングカーを通じて、ようやく仕事を離れた場所での社会性を身につけるようになってきたのだ。
定年退職後の旦那さんと奥さんの気持ちのスレ違いは、この 「仕事を離れた場所」 での “社会性” のあるなしから生じることが多い。
あと数年もしたら、シングル族たちの、このようなキャンピングカーを媒介にした新しいコミュニケーション空間のことがきっと話題になってくるだろう。
そのようにして、職場とは異なる人間関係の結び方を学んだ男たちが家に戻ってきたとき、キャンピングカーによる 「夫婦二人のくるま旅」 は、また新しい局面を迎えると思う。
「亭主元気で留守がいい」
というキャッチコピーは、いまだ健在のようだ。
たまの休日の土日、家でカミさんと一緒の過ごす時間が長引くと、ふとため息のように、カミさんの口からついて出る言葉が、
「亭主元気で留守がいい」。
▼ 「タンスにゴン、亭主元気で留守がいい」 という防虫剤のCM(1986年)

カミさんは言う。
「1日顔を合わせただけで、こんなに鬱陶しいのに、あなたが定年退職を迎えて、毎日顔を合わせるとなると、この先どうなってしまうのかしら」
私のように、奴隷のようにかいがいしく尽くす旦那を持ったうちのカミさんですら、こうなのだ。
「熟年離婚」 という言葉が盛んにマスコミで取り上げられるようになったのは、今から5~6年ぐらい前だったか。
離婚訴訟の主たる原因は、それまで 「夫の浮気」 などという生臭い原因が多かったが、熟年離婚は、ちょいと違う。
それまで、朝早くから会社に出かけて、帰りは遅かった夫が、定年退職を機会に、朝から晩まで家にはりついて動かない。
起きてくればリビングのテレビは独占し、見るのはスポーツ中継かニュースだけ。
そして、どうでもいい事件に、やたら腹を立てる。
くわえて、朝、昼、晩 「めし」 といって、口を空けて待っているだけ。
まず、この生活リズムの激変に、たいていの奥さんは耐え切れない。
旦那さんからすれば、とても離婚の原因にならないような、そんなことが、奥さんにとっては、立派な離婚の動機になったりすることがある。
つまり、奥さんから見れば、会社でどのような業績を残した夫であろうとも、家の中に入れば、 “ただの人” 。
そういう夫が、社会から切り離されて家に居座り、しかも女房に無理解で、男としての魅力も失ってしまえば、赤ん坊よりも始末が悪い。
一方、奥さんの方はどうかというと、旦那さんたちが外に出ている間に、近所の主婦たちとコミュニティのようなものを結成して、豊かな社会関係を構築している。
女性同士で、お茶したり、食事したり、時には一緒に旅行に行くなど、ガールズトークを楽しんでいる。
そういう奥さんに対して、
「おい、お前、そんなにお洒落してどこに行くんだ?」
と、口うるさく質問を浴びせる旦那さんは、うんざりする存在なのだ。
せめて、何かの趣味をつくって、自分一人でも旅行に出かけたりする時間を持ってほしい。
旦那さんに対して、そう期待する奥さんは多いようだ。
実は、最近 「男の一人旅」 を開発テーマに掲げたキャンピングカーが密かに注目されているのも、そんな背景が絡んでいるのかもしれない。
現在、 「キャンピングカーによる夫婦の二人旅」 はますます盛んになっているが、それと並行して、一方では、 「最近旅に誘っても、カミさんがついて来なくなってねぇ」 という旦那のつぶやきもチラホラ聞こえるようになった。
あと、何年後になるのか。
日本では、「一人でも充実した時間をつくれる文化」 というものが急速に求められる時代が来るような気がする。
それは、朝日新聞が取り上げた 「孤族」 というような、寂しい一人生活ではなく、むしろ一人の時間をどうマネージメントするかということを学び、そこから再び他者とつながる回路を模索するような、プラス志向の動きになると思う。
20年後の2030年には、50~60代の男性の4人に1人が一人暮らしになり、50歳男性のうち、3人に1人は未婚のまま終わるという推論も立てられているそうだ。
マスコミは、こういう傾向を “孤独な社会の到来” という論調で染め上げるのが好きだが、孤独に対する耐性を身につけるということは、他者とのつながりを再構築するためのヒントになるはずだ。
孤独なシニアは、もっともっとその孤独を突き詰めたらいい。
そうすれば、人と人がつながるときに大切なものというのも分かってくるのではないか。
妻からうとんじられる旦那さんというのは、まだ本当に 「孤独」 というものと直面していないのだ。
だから、キャンピングカーによる旦那さんの 「一人旅」 には大いに賛成だ。
車内のダイネットに一人で座り、外の景色など見ながら、冷蔵庫から取り出したビールを一杯あおる。
目の前にいるはずの奥さんが、今日はいない。
……寂しい。
でも、それは自由な時間を享受することにもなるはずだ。
車内のテレビで漫然とニュースを見るよりも、そんなときはテレビのスイッチを消して、目の前にいない奥さんに対し、 “心の対話” を試みたらどうか。
意外と、若い頃に感じて、その後忘れていた奥さんの魅力を再発見するかもしれない。
それが、キャンピングカーによる 「二人旅」 の再出発になるはずだ。
そんなことを見越して開発されたのではないかと思われるキャンピングカーが、オーエムシー (OMC) のニュー 「北斗」 である。
全長4.84mのハイエースのワゴンロングをベースとしたバンコンで、その取り回しの良さから、もともと、釣り、写真、天体観測などのベース基地として使う男性の一人旅用キャンピングカーとして人気のあったクルマだ。
もちろん、もとは夫婦の 「二人旅」 車両として開発されたクルマだから、初期のモデルは、ベッド展開のできるロングソファーの上に、さらに上段ベッドを設定できるようになっていた。
しかし、このクルマに関しては、意外とシングルで使っているケースが多いことに、開発陣は気づいた。
確かに、 「二人用」 のクルマではあるが、レイアウトや家具の質感などに、どことなく “男の隠れ家” 的な風情がある。
そのため、この車両に関しては、けっこう自由きままな一人旅を満喫する男性たちが多かったのだ。
今年開発されたニュー 「北斗」 (↑) は、一人旅の満足感をよりストレートに追求したものになっている。
そのため、2段ベッドの採用も控え、家具色もダークなものにして、男好みのテイストを意識したコーディネートがなされた。
ソファーもステッチ縫いや飾り縫いを施した質感の高いもの。さらに、本革シート(op.) も用意されるなど、充実した “男の個室” を満喫できる仕様が実現されている。
キャッチは、ずばり 「シングルユース」 。
「シングルオンリー」 と謳っていないところがミソ。
一人で使ったときの充実感を大切にしながら、二人旅のキャパシティも完璧に満たした車両であるとのこと。
もちろん、ソファーをベッドメイクしたときのサイズは1,900×1,250㎜だから、実質的には二人分の就寝スペースが確保されている。
オーエムシーの大間社長は、
「ホテルに例えれば、ダブルベッドやツインベッドの部屋を、一人で贅沢に使うとことを想定してもらえればいい」
と語る。
「シングルユース」 を広告展開にも堂々と謳ったキャンピングカーは、この北斗がはじめてだが、実際には、キャンピングカーを一人で使いたいというニーズはそうとう前から高まっており、キャンピングカー販売店のスタッフたちも、最近はそのような事例を目にする機会が増えたとよく口にする。
さらに、そのような一人旅ユーザーが、道の駅やキャンプ場などで、同じような旅を楽しむユーザーと出会い、そこで一杯酌み交わしながらキャンピングカー談義にふけるなどという話も耳にするようになった。
見ず知らずの男同士でも、キャンピングカー仲間なら会話も弾む。
そのような気のおけない会話の中で、自分たちの人生を振り返ったり、お互いの趣味を確認し合ったりする人たちが最近は多いらしい。
男たちは、キャンピングカーを通じて、ようやく仕事を離れた場所での社会性を身につけるようになってきたのだ。
定年退職後の旦那さんと奥さんの気持ちのスレ違いは、この 「仕事を離れた場所」 での “社会性” のあるなしから生じることが多い。
あと数年もしたら、シングル族たちの、このようなキャンピングカーを媒介にした新しいコミュニケーション空間のことがきっと話題になってくるだろう。
そのようにして、職場とは異なる人間関係の結び方を学んだ男たちが家に戻ってきたとき、キャンピングカーによる 「夫婦二人のくるま旅」 は、また新しい局面を迎えると思う。
2011年03月03日
AtoZのバンビ
真後ろにエントランスドアを持ってきたキャブコンは、意外と少ない。
トラックキャンパー (ピックアップキャビン) は例外なくこのスタイルだが、それはトラックの荷台にキャビンを積載するという性格上、必然的にその形を取らざるを得ないわけで、これは分かる。
しかし、キャブコンになると、ほとんど見かけない。
なんでだろう?
…と思う。
自分の乗っているキャンピングカーが、まさにこのバックエントランスモデル。
それだけに、その使い勝手の良さは“折り紙付き”だと思うのだけれど、ごく少数のキャブコンを除くと、あまり “同士” がいない。
だから、同じバックエントランスの仲間を見ると、それだけで、抱擁を交わして頬ずりしたくなる。
このバックエントランスの利点は、レイアウトの自由度を生かしたスペース効率の良さにある。
なにしろ、フロント側にせよ、リヤ側にせよ、サイドパネルにドアをつけると、ステップの面積も含め、それだけでデッドスペースが生まれる。
それを解消するのがバックエントランス・スタイル。
ドアをダイネットから遠ざけることによって、リビングに広がりを持たせることができるし、かなり長めのサイドソファーを置くことも可能だ。
ボディ長のあるクルマなら、扉をどこに設けようが、室内のゆとりは確保できるだろうけれど、5m程度のキャブコンの場合、バックエントランスを実現することによって得られるダイネットの解放感は筆舌に尽くしがたい。
もちろん、リヤ2段ベッドなどは組めないので、夫婦・親子がダイネットを崩さずに就寝するなどという芸当はできない。
また、入口がオーニングの下に来ない…とか、リヤにサイクルキャリアが積めない…などというデメリットも生まれる。
しかし、使っている自分から見ると、たいした問題じゃない。
そのようなことよりも、ボディが小さくても広々したリビングが取れるということのメリットの方がよほど大きい。
また、横側の扉がすべて開かないような狭い駐車スペースに押し込んだ時に、真後ろから出入りできるというのは、意外と便利なのだ。
そんなわけで、バックエントランスの自分のクルマに無類の愛着を感じている私は、同じような設計思想のクルマに出会うと、やっぱりうれしい。
「身内」 、ないしは 「仲間」 という意識が生まれる。
その仲間の一人が、AtoZ (エートゥゼット) さんのバンビ。

同社は、すでにアミティRRで、このバックエントランスモデルを成功させている。
ただ、さすがにボンゴのボディ長では、前向きシートを入れることはかなわず、サイドパネルを背にテーブルを挟むという変形ダイネットの形に収めた。
もちろん、これはヨーロッパ高級車にもあるスタイルだから、広さは取れるし、ゆったり感も生まれる。
しかし、基本的には横座りシートなので、 「夫婦2人用」 。家族が数人いた場合は、走行中には横座りで移動しなければならない人が出てくる。
そこで、ボディ長にゆとりのある日産アトラスを使い、走行中は前向きになるセカンドシートを確保したのが、このアトラスベースのバンビなのだ。

よくできたクルマである。
ダイネット周りの解放感を実現するために、縦方向に伸びる家具類を全部リヤ側の通路に振り分けて集中させた。

バックエントランスから入ると、右がカセットトイレの装着も可能なマルチルーム。
左はクローゼット。
クローゼットの隣には、引き出しに小分けされた室内収納が並ぶ。
収納の上は、40リットル冷蔵庫。
その上が電子レンジ。
生活機能を全部リヤ側に回したので、ダイネットには、応接間的な 「ゆとり」 と 「贅沢さ」 が加わった。そのため 「リビング」 、あるいは 「サロン」 という言葉がふさわしい雰囲気が生まれている。

実は、このクルマには新しい試みがある。
キッチン手前まで土足で上がっていけるように、床にFRP製のトレーが敷かれているのだ。
これは、どうしても入口周りに広いステップと下駄箱を確保しづらいバックエントランスの弱点を補うもの。
このFRP製トレーが、ちょうど家屋の“玄関”の役目を果たしており、そこが靴置き場となる。
実は、私の場合はもっと徹底しており、通路は全部マットで埋めて、 「オール土足OK」 にした。自動車用ゴム製フロアマットを通路幅に合わせて切り、それをつなげたのだ。
だから、バックドアから土足で入り、そのまま運転席に座って走り出すことができる。
汚れたら洗えるので、少々泥のついた靴で上がっても犬がオシッコを漏らしても大丈夫。おかけで、マット下のカーペットは新品同様である。
バンビの場合は、FRPトレーが冷蔵庫の先で途切れるが、野外から冷たい飲み物などを冷蔵庫に取りに入ったときなど、そこまでは土足で上がれる。
同社はアミティRRにも、同様のトレーを開発したという。
バンテックのコルド・ランディというキャブコンも、開発スタッフが “土間” と名づけるくらいの広々としたFRP製トレーをドア内側に設けている。
このような 「土足OKスペース」 は、こらからじわじわっと日本のキャブコンにも広がっていくかもしれない。
子供と犬がいれば、そういうスペースの 「ありがたみ」 も分かってくるからね。
トラックキャンパー (ピックアップキャビン) は例外なくこのスタイルだが、それはトラックの荷台にキャビンを積載するという性格上、必然的にその形を取らざるを得ないわけで、これは分かる。
しかし、キャブコンになると、ほとんど見かけない。
なんでだろう?
…と思う。
自分の乗っているキャンピングカーが、まさにこのバックエントランスモデル。
それだけに、その使い勝手の良さは“折り紙付き”だと思うのだけれど、ごく少数のキャブコンを除くと、あまり “同士” がいない。
だから、同じバックエントランスの仲間を見ると、それだけで、抱擁を交わして頬ずりしたくなる。
このバックエントランスの利点は、レイアウトの自由度を生かしたスペース効率の良さにある。
なにしろ、フロント側にせよ、リヤ側にせよ、サイドパネルにドアをつけると、ステップの面積も含め、それだけでデッドスペースが生まれる。
それを解消するのがバックエントランス・スタイル。
ドアをダイネットから遠ざけることによって、リビングに広がりを持たせることができるし、かなり長めのサイドソファーを置くことも可能だ。
ボディ長のあるクルマなら、扉をどこに設けようが、室内のゆとりは確保できるだろうけれど、5m程度のキャブコンの場合、バックエントランスを実現することによって得られるダイネットの解放感は筆舌に尽くしがたい。
もちろん、リヤ2段ベッドなどは組めないので、夫婦・親子がダイネットを崩さずに就寝するなどという芸当はできない。
また、入口がオーニングの下に来ない…とか、リヤにサイクルキャリアが積めない…などというデメリットも生まれる。
しかし、使っている自分から見ると、たいした問題じゃない。
そのようなことよりも、ボディが小さくても広々したリビングが取れるということのメリットの方がよほど大きい。
また、横側の扉がすべて開かないような狭い駐車スペースに押し込んだ時に、真後ろから出入りできるというのは、意外と便利なのだ。
そんなわけで、バックエントランスの自分のクルマに無類の愛着を感じている私は、同じような設計思想のクルマに出会うと、やっぱりうれしい。
「身内」 、ないしは 「仲間」 という意識が生まれる。
その仲間の一人が、AtoZ (エートゥゼット) さんのバンビ。
同社は、すでにアミティRRで、このバックエントランスモデルを成功させている。
ただ、さすがにボンゴのボディ長では、前向きシートを入れることはかなわず、サイドパネルを背にテーブルを挟むという変形ダイネットの形に収めた。
もちろん、これはヨーロッパ高級車にもあるスタイルだから、広さは取れるし、ゆったり感も生まれる。
しかし、基本的には横座りシートなので、 「夫婦2人用」 。家族が数人いた場合は、走行中には横座りで移動しなければならない人が出てくる。
そこで、ボディ長にゆとりのある日産アトラスを使い、走行中は前向きになるセカンドシートを確保したのが、このアトラスベースのバンビなのだ。
よくできたクルマである。
ダイネット周りの解放感を実現するために、縦方向に伸びる家具類を全部リヤ側の通路に振り分けて集中させた。
バックエントランスから入ると、右がカセットトイレの装着も可能なマルチルーム。
左はクローゼット。
クローゼットの隣には、引き出しに小分けされた室内収納が並ぶ。
収納の上は、40リットル冷蔵庫。
その上が電子レンジ。
生活機能を全部リヤ側に回したので、ダイネットには、応接間的な 「ゆとり」 と 「贅沢さ」 が加わった。そのため 「リビング」 、あるいは 「サロン」 という言葉がふさわしい雰囲気が生まれている。
実は、このクルマには新しい試みがある。
キッチン手前まで土足で上がっていけるように、床にFRP製のトレーが敷かれているのだ。
これは、どうしても入口周りに広いステップと下駄箱を確保しづらいバックエントランスの弱点を補うもの。
このFRP製トレーが、ちょうど家屋の“玄関”の役目を果たしており、そこが靴置き場となる。
実は、私の場合はもっと徹底しており、通路は全部マットで埋めて、 「オール土足OK」 にした。自動車用ゴム製フロアマットを通路幅に合わせて切り、それをつなげたのだ。
だから、バックドアから土足で入り、そのまま運転席に座って走り出すことができる。
汚れたら洗えるので、少々泥のついた靴で上がっても犬がオシッコを漏らしても大丈夫。おかけで、マット下のカーペットは新品同様である。
バンビの場合は、FRPトレーが冷蔵庫の先で途切れるが、野外から冷たい飲み物などを冷蔵庫に取りに入ったときなど、そこまでは土足で上がれる。
同社はアミティRRにも、同様のトレーを開発したという。
バンテックのコルド・ランディというキャブコンも、開発スタッフが “土間” と名づけるくらいの広々としたFRP製トレーをドア内側に設けている。
このような 「土足OKスペース」 は、こらからじわじわっと日本のキャブコンにも広がっていくかもしれない。
子供と犬がいれば、そういうスペースの 「ありがたみ」 も分かってくるからね。
2011年03月02日
かるキャン
軽自動車をベースにした 「軽キャンピングカー」 というのは、まさに日本独自の文化である。
これこそ 「茶室」 や 「盆栽」 といったような、 “広大な宇宙を極小の世界に封じ込める” という日本的な精神風土を抜きにしては考えられない世界かもしれない。
特に、最近の軽キャンピングカーの内装を見ると、日本人のひらめきとワザを注入し、それこそ 「巧緻を極める」 という言葉がピッタリの作り込みを行っているものが多い。
搭載家具や装備品に凝る、という意味ではなく、使い勝手を追求するためのアイデアの生かし方が、巧緻を極めているのだ。
そのような例の筆頭が、コイズミの 「かるキャン」 である。

デビューは2009年春の 「大阪アウトドアフェスティバル」 。
一般の来場者が会場に入る前から、すでに出展業者たちの間では、この 「かるキャン」 の話題で持ちきりだった。

「軽自動車ベースでありながら、室内が横方向に広がるスライドアウト機構を持っている」
「のみならず天井が持ち上がり、軽自動車の荷室に、あたかも “三角屋根のバンガロー” のような建物が出現する」
「へぇー! じゃ俺も見に行こうか」
会場の出展業者さんたちのほとんどは、接客の合間をぬって 「かるキャン」 のブースに足を運んだはずである。
なにしろ、走行中の状態は、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,930mm。
軽自動車の規格を完璧に満たしている。
なのに、シェル部分を手巻き式のルーフアップウィンチを使って拡張すると、全長こそ変わらないものの、全幅は2,090mm、全高は2,860mmまで拡張される。室内幅でいえば、695mmの延長となり、室内高は870mmアップされることになる。

軽規格を満たしながら、なんと広々とした空間が実現されたことか。
夫婦2人の用のクルマながら、軽キャンピングカーにおいては最も贅沢な室内空間を持つ “2人旅” のクルマが誕生したことになる。

あれから3年。
当初は、ディテールの仕上げよりもアイデアのユニークさが先行したクルマだったが、その後、時を重ねるたびに細かいところのリファインが徹底され、現在はきわめて実用性・信頼性の高い仕上がりを示すようになった。
このクルマの開発を手がけた株式会社コイズミの宮田芳孝部長は語る。

「開発時にいちばん悩んでいたのは、実は、室内を拡張したときの “隙間” だったんです。合わせ目から忍びこんでくる空気をどうしようもできなかったんですね。
しかし、その後ブラシを付けてみたり、内側からカバーを張ってボタンで止めるような改良を施してみたりと快適性の追求に励みました。今はさらに効果的な方法を思いついています」
このような “隙間対策” をはじめ、金属部分がむき出しになっていたスライドレールなどにも植毛塗装を施すなど、 「かるキャン」 のクオリティ感・グレード感は日増しに上がった。
その努力が評価され、2010年には日本産業デザイン振興会が審査する 「グッドデザイン賞」 を受賞している。

▲ かるキャンルーミー
2011年の幕張ショーから新バージョンの 「ルーミー」 が加わった。
これは、スタンダードタイプにあったキッチンカウンターをレスし、その分、フロアベッドの広さを追求したもの。夫婦2人なら、ごろごろと寝返りを打って寝られるという広いベッドが売りだ。
キッチンカウンターのほか、上段ベッドもレスされているので、価格的にも買いやすくなっている。
ちなみに、スタンダード仕様の 「かるキャン」 は、税込み259.6万円。
今、宮田部長が力を入れているのは、このクルマをさらに面白く使いこなすためのソフトづくりだ。
彼は、
「購入することが、必ずしもベストだとは思っていない」
という。
「それよりも、まず最初はレンタカーとして使ってみては?」
というのだ。
現に、コイズミでは、岡山と香川に8店舗の営業所を構える 「平成レンタカー」 という会社と提携を結び、そこにレンタカーとしての 「かるキャン」 を提供している。
1日単位の基本料金は、平日8,000円、金・土・日・祝日は9,000円 (いずれも税込み) 。
宮田さんはそのレンタカーを、岡山から遠く離れた、東京や神奈川の旅行者にも使ってもらいたいと思っている。
「軽キャンピングカーの良さは、なんといっても小回りの良さと駐車場を選ばないことですから、古い温泉街や観光地を回るにはピッタリなんです。
その代わり、高速道路を延々と走るような長距離走行には、あまり向かない。
だから、岡山や香川までは列車やバスを使い、現地で軽キャンピングカーのレンタカーを借りるというのが、一番合理的なんです」
と宮田氏はいう。
四国といえば、ここのところ 「八十八ヵ所の霊場めぐり」 が人気を呼び、徒歩で訪れる人のみならず、団体バス、自転車、オートバイで回る人も増えている。
自動車でチャレンジする人も多く、自動車ルートをたどるときの専門書まであるくらいだ。
ところが、本来は徒歩で巡礼する場所であるから、おしなべて道は狭い。
5×2mまでのキャブコンならば行けないこともないが、そうとう冷や汗をかく場所も出てくる。
しかし、走行時は普通の乗用車よりも小さい 「かるキャン」 なら、まったく問題がない。
かつ、霊場付近の駐車場で車中泊を行う場合は、キャブコンのリビングほどのゆったりした居住スペースを享受できる。

「そのような旅が面白いと思った方に、このかるキャンを買っていただきたい。
とにかく、まず使ったことのない方に、 “かるキャン旅行” を経験してもらうのが一番だと思っています」
それには、 「最初はレンタカーから…」 というのが、宮田さんのスタンスなのだ。
だから逆に、西日本から東日本に遊びに来た人たちのために、コイズミ本社 (東京・板橋区) では、 「わ」 ナンバーの 「かるキャン」 を2台用意している。料金は、 「平成レンタカー」 と同じだそうだ。
キャンピングカー人口のすそ野を広げるという意味で、このようなレンタルキャンピングカーシステムというのは、なかなかいいかもしれない。
実際、乗用車の経験しか持っていない人がキャンピングカーの使い勝手を想像するのは難しい。
レンタルキャンピングカーは、そういう人たちに試乗のチャンスを与え、結果的にファンを増やしていくことになるかもしれない。
これこそ 「茶室」 や 「盆栽」 といったような、 “広大な宇宙を極小の世界に封じ込める” という日本的な精神風土を抜きにしては考えられない世界かもしれない。
特に、最近の軽キャンピングカーの内装を見ると、日本人のひらめきとワザを注入し、それこそ 「巧緻を極める」 という言葉がピッタリの作り込みを行っているものが多い。
搭載家具や装備品に凝る、という意味ではなく、使い勝手を追求するためのアイデアの生かし方が、巧緻を極めているのだ。
そのような例の筆頭が、コイズミの 「かるキャン」 である。
デビューは2009年春の 「大阪アウトドアフェスティバル」 。
一般の来場者が会場に入る前から、すでに出展業者たちの間では、この 「かるキャン」 の話題で持ちきりだった。
「軽自動車ベースでありながら、室内が横方向に広がるスライドアウト機構を持っている」
「のみならず天井が持ち上がり、軽自動車の荷室に、あたかも “三角屋根のバンガロー” のような建物が出現する」
「へぇー! じゃ俺も見に行こうか」
会場の出展業者さんたちのほとんどは、接客の合間をぬって 「かるキャン」 のブースに足を運んだはずである。
なにしろ、走行中の状態は、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,930mm。
軽自動車の規格を完璧に満たしている。
なのに、シェル部分を手巻き式のルーフアップウィンチを使って拡張すると、全長こそ変わらないものの、全幅は2,090mm、全高は2,860mmまで拡張される。室内幅でいえば、695mmの延長となり、室内高は870mmアップされることになる。
軽規格を満たしながら、なんと広々とした空間が実現されたことか。
夫婦2人の用のクルマながら、軽キャンピングカーにおいては最も贅沢な室内空間を持つ “2人旅” のクルマが誕生したことになる。
あれから3年。
当初は、ディテールの仕上げよりもアイデアのユニークさが先行したクルマだったが、その後、時を重ねるたびに細かいところのリファインが徹底され、現在はきわめて実用性・信頼性の高い仕上がりを示すようになった。
このクルマの開発を手がけた株式会社コイズミの宮田芳孝部長は語る。
「開発時にいちばん悩んでいたのは、実は、室内を拡張したときの “隙間” だったんです。合わせ目から忍びこんでくる空気をどうしようもできなかったんですね。
しかし、その後ブラシを付けてみたり、内側からカバーを張ってボタンで止めるような改良を施してみたりと快適性の追求に励みました。今はさらに効果的な方法を思いついています」
このような “隙間対策” をはじめ、金属部分がむき出しになっていたスライドレールなどにも植毛塗装を施すなど、 「かるキャン」 のクオリティ感・グレード感は日増しに上がった。
その努力が評価され、2010年には日本産業デザイン振興会が審査する 「グッドデザイン賞」 を受賞している。
▲ かるキャンルーミー
2011年の幕張ショーから新バージョンの 「ルーミー」 が加わった。
これは、スタンダードタイプにあったキッチンカウンターをレスし、その分、フロアベッドの広さを追求したもの。夫婦2人なら、ごろごろと寝返りを打って寝られるという広いベッドが売りだ。
キッチンカウンターのほか、上段ベッドもレスされているので、価格的にも買いやすくなっている。
ちなみに、スタンダード仕様の 「かるキャン」 は、税込み259.6万円。
今、宮田部長が力を入れているのは、このクルマをさらに面白く使いこなすためのソフトづくりだ。
彼は、
「購入することが、必ずしもベストだとは思っていない」
という。
「それよりも、まず最初はレンタカーとして使ってみては?」
というのだ。
現に、コイズミでは、岡山と香川に8店舗の営業所を構える 「平成レンタカー」 という会社と提携を結び、そこにレンタカーとしての 「かるキャン」 を提供している。
1日単位の基本料金は、平日8,000円、金・土・日・祝日は9,000円 (いずれも税込み) 。
宮田さんはそのレンタカーを、岡山から遠く離れた、東京や神奈川の旅行者にも使ってもらいたいと思っている。
「軽キャンピングカーの良さは、なんといっても小回りの良さと駐車場を選ばないことですから、古い温泉街や観光地を回るにはピッタリなんです。
その代わり、高速道路を延々と走るような長距離走行には、あまり向かない。
だから、岡山や香川までは列車やバスを使い、現地で軽キャンピングカーのレンタカーを借りるというのが、一番合理的なんです」
と宮田氏はいう。
四国といえば、ここのところ 「八十八ヵ所の霊場めぐり」 が人気を呼び、徒歩で訪れる人のみならず、団体バス、自転車、オートバイで回る人も増えている。
自動車でチャレンジする人も多く、自動車ルートをたどるときの専門書まであるくらいだ。
ところが、本来は徒歩で巡礼する場所であるから、おしなべて道は狭い。
5×2mまでのキャブコンならば行けないこともないが、そうとう冷や汗をかく場所も出てくる。
しかし、走行時は普通の乗用車よりも小さい 「かるキャン」 なら、まったく問題がない。
かつ、霊場付近の駐車場で車中泊を行う場合は、キャブコンのリビングほどのゆったりした居住スペースを享受できる。
「そのような旅が面白いと思った方に、このかるキャンを買っていただきたい。
とにかく、まず使ったことのない方に、 “かるキャン旅行” を経験してもらうのが一番だと思っています」
それには、 「最初はレンタカーから…」 というのが、宮田さんのスタンスなのだ。
だから逆に、西日本から東日本に遊びに来た人たちのために、コイズミ本社 (東京・板橋区) では、 「わ」 ナンバーの 「かるキャン」 を2台用意している。料金は、 「平成レンタカー」 と同じだそうだ。
キャンピングカー人口のすそ野を広げるという意味で、このようなレンタルキャンピングカーシステムというのは、なかなかいいかもしれない。
実際、乗用車の経験しか持っていない人がキャンピングカーの使い勝手を想像するのは難しい。
レンタルキャンピングカーは、そういう人たちに試乗のチャンスを与え、結果的にファンを増やしていくことになるかもしれない。
2011年02月23日
パークウェイ
キャンピングカー購買層が世代変わりして、日常使いもキャンピングも同じウエイトでこなす “全方位型” のキャンパーが主流になりつつある。
もちろん主役はバンコンだ。
とはいっても、現在このバンコンの世界は、地球上の生命が爆発的にふくれあがったカンブリア紀の海底さながらに、豊穣な生命力を帯びた “新種” たちの激しい競争の場と化している。
おそらくバンコンは、いま日本のキャンピングカー史が始まって以来のメガコンペティションの時代を迎えているのではないか。

カンブリア紀の海では、最終的に食物連鎖の頂点に立ったのは、アノマロカリスという強力な捕食肢を持つ巨大生物だったが、バンコンの世界では、まだそのような頂点に君臨する車種は登場していない。
それだけに、どのようなスタイルが次の時代に生き残るかを賭けて、それぞれのバンコンが、秘術を尽くしながら独自の 「進化の系」 をたどろうとしているように思える。
たぶん生き残りを決めるのは、案外オーソドックなスタイルのものではないか。
そんな気がする。
というのは、生物の世界では、あまりにも特殊な能力を極めたものが生き残れた試しがないからだ。
飛び抜けた能力を身につけて、ある時代に頂点に登り詰めた “絶対的君主” は、その特殊な能力が、逆にアダとなり、最後は、何でもそこそこにこなすオールラウンドプレイヤーたちの後塵を拝することになる。
たぶん、バンコンの世界でも同じようなことが起こる。
ワゴン機能をしっかりと保持し、寝るときのベッド機能も完璧に備え、そしてそこそこの荷室スペースを確保したクルマ。
さらにストレスのない走りと、快適な乗り心地。
もちろん、居住性と取り回しのバランスも大事。
そのようにして、できるかぎり “死角” をつぶしていったクルマ。
それが、バンコン界の 「ほ乳類」 となる。
地球上に生まれたあらゆる生物の中で、最後にほ乳類が天下を取れたのは、傑出した武器こそ持たなかったが、それをトータルバランスでしのぐ総合力を持っていたからだ。
意味のない前振りがあまりにも長かったけれど、レクビィが昨年の秋にリリースしたパークウェイ (Parkway) というバンコンが、そのひとつの例になるということを書きたかった。

パークウェイは、それを開発した同社の増田浩一社長によると、 「パッと見の訴求力に乏しいクルマ」 だという。
確かに、見たとおりの第一印象は、やたら大きなセカンドシートが目立つだけの 「ワゴンライクに使えるバンコンバージョン」 。

しかし、このシートがただものではない。
座りごこち、耐久性、操作性の良さなどが高度にバランスされたワークボックスのREVO (レボ) シートに、レクビィ独自のアイデアが練り込まれた特製シートが採用されているのだ。
だから、高さも、成型方法も、ハイバックの構造もメーカーメイドのキャンピングカーであるかのように、ピタリと決まる。
パークウェイのベース車は、ハイエースのミドルルーフのロングワゴン。
だから、乗用車からそのまま乗り継いだユーザーにとっても、走りの違和感がない。
ワゴンベースとなれば、シートの構造基準がものすごくシビアになる。
ところがこのシートは、技術基準適合試験実施済みの信頼性に富んだもの。
そこのところが、ただの 「ワゴンライクなキャンパー」 にとどまらない、工業製品としての安心感をこのクルマに与えている。

全長4,840mm、全幅1,880mm、全高2,100mm。
都会を走り抜けるには、まったくストレスのないサイズなので、奥さまの買い物の足として十分に使える。
高さ制限のある駐車場も、ほとんどクリアできるので、日常使いにはまったく支障がない。
リヤ側に設置されたキッチンの前は、床下収納になっており、そこで1600mmの天井高が取れているから、もちろん8ナンバー登録の純然たるキャンピングカー。
昔のように税金面、保健面でのメリットは少なくなったが、やはりリセールバリューは大きい。

乗車定員は8名、就寝定員は大人3名。
セカンドシートは140mm幅のゆったりした3人掛け。両側には3点式シートベルトが標準装備される。
サードシートは、セカンドシートよりも狭いが、120mm幅なので3人乗車も可能。
リヤ側のキッチンカウンターと冷蔵庫カウンターの間にベッドボードを渡せば、子供用のエキストラベッド(op.)が生まれる。
サードシートを前側にスライドさせると、リヤには広々としたカーゴスペース。
まさに、 「乗って、寝て、積んで」 の総合バランスに長けた実用的バンコンの優等生だ。
こういうバンコンは、いったいどのようなユーザー層を意識しているのだろうか。
増田浩一社長がいうには、ずばり 「40歳代の子育てファミリー」 。
車両価格の436万8千円 (税込み) という価格も、資力の多くを子育てに費やさなければならない人たちの負担にならないように、ぎりぎりに抑えているとか。

ただ、そういう世代には “追い風” があるように思う。
それは、彼らには、まだ比較的裕福な親世代が、しかも健康に暮らしているケースが多いからだ。
だから、 「親孝行」 をテーマに掲げていけば、親との共同購入という手がないわけではない。
そこで生きてくるのが、ワゴンとしての快適な前向き乗車を可能にする8人の乗車定員。
祖父、祖母、息子、嫁に、孫が4人までOK。
休日に、3世代で行楽に出かけるにはまたとない設定なのだ。
折しも、高齢な親を持つ世代が増加するなか、親孝行をテーマにした書籍やドラマがブームを起こしている。
親孝行実行委員会がつくった 『親がしぬまでにしたい55のこと』 は、10万部を超えるベストセラーになった。
みうらじゅん氏の書いた 『親孝行プレイ』 もドラマ化されて話題を呼んだ。
核家族化が蔓延し、家族の孤立化が進んだ高度成長期からバブルの時代を経て、いま 「親孝行」 は、再び人間の生き方に希望を与える新しい指標となっている。
だからこそ、
「3世代が仲良く使えるバンコン」
はキャンピングカーの “ほ乳類” として生き延びることになる。
そしてそれが、熾烈なメガコンペティションを生き抜くバンコンのなかで、ひときわ強いメッセージ性を放つように思う。
もちろん主役はバンコンだ。
とはいっても、現在このバンコンの世界は、地球上の生命が爆発的にふくれあがったカンブリア紀の海底さながらに、豊穣な生命力を帯びた “新種” たちの激しい競争の場と化している。
おそらくバンコンは、いま日本のキャンピングカー史が始まって以来のメガコンペティションの時代を迎えているのではないか。
カンブリア紀の海では、最終的に食物連鎖の頂点に立ったのは、アノマロカリスという強力な捕食肢を持つ巨大生物だったが、バンコンの世界では、まだそのような頂点に君臨する車種は登場していない。
それだけに、どのようなスタイルが次の時代に生き残るかを賭けて、それぞれのバンコンが、秘術を尽くしながら独自の 「進化の系」 をたどろうとしているように思える。
たぶん生き残りを決めるのは、案外オーソドックなスタイルのものではないか。
そんな気がする。
というのは、生物の世界では、あまりにも特殊な能力を極めたものが生き残れた試しがないからだ。
飛び抜けた能力を身につけて、ある時代に頂点に登り詰めた “絶対的君主” は、その特殊な能力が、逆にアダとなり、最後は、何でもそこそこにこなすオールラウンドプレイヤーたちの後塵を拝することになる。
たぶん、バンコンの世界でも同じようなことが起こる。
ワゴン機能をしっかりと保持し、寝るときのベッド機能も完璧に備え、そしてそこそこの荷室スペースを確保したクルマ。
さらにストレスのない走りと、快適な乗り心地。
もちろん、居住性と取り回しのバランスも大事。
そのようにして、できるかぎり “死角” をつぶしていったクルマ。
それが、バンコン界の 「ほ乳類」 となる。
地球上に生まれたあらゆる生物の中で、最後にほ乳類が天下を取れたのは、傑出した武器こそ持たなかったが、それをトータルバランスでしのぐ総合力を持っていたからだ。
意味のない前振りがあまりにも長かったけれど、レクビィが昨年の秋にリリースしたパークウェイ (Parkway) というバンコンが、そのひとつの例になるということを書きたかった。

パークウェイは、それを開発した同社の増田浩一社長によると、 「パッと見の訴求力に乏しいクルマ」 だという。
確かに、見たとおりの第一印象は、やたら大きなセカンドシートが目立つだけの 「ワゴンライクに使えるバンコンバージョン」 。
しかし、このシートがただものではない。
座りごこち、耐久性、操作性の良さなどが高度にバランスされたワークボックスのREVO (レボ) シートに、レクビィ独自のアイデアが練り込まれた特製シートが採用されているのだ。
だから、高さも、成型方法も、ハイバックの構造もメーカーメイドのキャンピングカーであるかのように、ピタリと決まる。
パークウェイのベース車は、ハイエースのミドルルーフのロングワゴン。
だから、乗用車からそのまま乗り継いだユーザーにとっても、走りの違和感がない。
ワゴンベースとなれば、シートの構造基準がものすごくシビアになる。
ところがこのシートは、技術基準適合試験実施済みの信頼性に富んだもの。
そこのところが、ただの 「ワゴンライクなキャンパー」 にとどまらない、工業製品としての安心感をこのクルマに与えている。
全長4,840mm、全幅1,880mm、全高2,100mm。
都会を走り抜けるには、まったくストレスのないサイズなので、奥さまの買い物の足として十分に使える。
高さ制限のある駐車場も、ほとんどクリアできるので、日常使いにはまったく支障がない。
リヤ側に設置されたキッチンの前は、床下収納になっており、そこで1600mmの天井高が取れているから、もちろん8ナンバー登録の純然たるキャンピングカー。
昔のように税金面、保健面でのメリットは少なくなったが、やはりリセールバリューは大きい。

乗車定員は8名、就寝定員は大人3名。
セカンドシートは140mm幅のゆったりした3人掛け。両側には3点式シートベルトが標準装備される。
サードシートは、セカンドシートよりも狭いが、120mm幅なので3人乗車も可能。
リヤ側のキッチンカウンターと冷蔵庫カウンターの間にベッドボードを渡せば、子供用のエキストラベッド(op.)が生まれる。
サードシートを前側にスライドさせると、リヤには広々としたカーゴスペース。
まさに、 「乗って、寝て、積んで」 の総合バランスに長けた実用的バンコンの優等生だ。
こういうバンコンは、いったいどのようなユーザー層を意識しているのだろうか。
増田浩一社長がいうには、ずばり 「40歳代の子育てファミリー」 。
車両価格の436万8千円 (税込み) という価格も、資力の多くを子育てに費やさなければならない人たちの負担にならないように、ぎりぎりに抑えているとか。
ただ、そういう世代には “追い風” があるように思う。
それは、彼らには、まだ比較的裕福な親世代が、しかも健康に暮らしているケースが多いからだ。
だから、 「親孝行」 をテーマに掲げていけば、親との共同購入という手がないわけではない。
そこで生きてくるのが、ワゴンとしての快適な前向き乗車を可能にする8人の乗車定員。
祖父、祖母、息子、嫁に、孫が4人までOK。
休日に、3世代で行楽に出かけるにはまたとない設定なのだ。
折しも、高齢な親を持つ世代が増加するなか、親孝行をテーマにした書籍やドラマがブームを起こしている。
親孝行実行委員会がつくった 『親がしぬまでにしたい55のこと』 は、10万部を超えるベストセラーになった。
みうらじゅん氏の書いた 『親孝行プレイ』 もドラマ化されて話題を呼んだ。
核家族化が蔓延し、家族の孤立化が進んだ高度成長期からバブルの時代を経て、いま 「親孝行」 は、再び人間の生き方に希望を与える新しい指標となっている。
だからこそ、
「3世代が仲良く使えるバンコン」
はキャンピングカーの “ほ乳類” として生き延びることになる。
そしてそれが、熾烈なメガコンペティションを生き抜くバンコンのなかで、ひときわ強いメッセージ性を放つように思う。
2011年02月20日
CG880
この2月11日から千葉県の幕張メッセで開かれた 「ジャパン・キャンピングカーショー」 で、来場者の注目を一身に集めたひとつのクルマがあった。
秋田県のビルダーであるファーストカスタムが製作した 「CG880.Value Ground Runner (バリューグランナー) 」 というキャブコンだ。

ベース車は、日野レンジャー4tキャブオーバー。
排気量は6,400cc、最高出力210ps。
全長8,845mm、全幅2,430mm、全高3,065mm。
体躯だけみると、堂々たる欧米モーターホーム並みのボディが実現されている。
価格は、2,800万円。
同ショーで展示されたマックレーの 「ファビュラス」 と、ほぼ金額的にも設計構想の雄大さにおいても並ぶ “日本車離れ” したキャンピングカーであった。
ショーの搬入日、雪の積もった秋田工場を出て、吹雪の高速道路をひたすら走り、夕暮れ時にようやく会場に到着したCG880の雄姿を、私は忘れることができない。
それはまるで、突然地球にその姿を現したUFOの “来迎” であった。

うれしいことに、運転していた佐藤社長は、私の姿を認め、真っ先にその室内に招き入れてくれた。
スライドアウト機構を採用した同車は、そのリビングの広さだけでも度肝を抜いた。
スライド幅は500mmだというから、それほど大げさな室内拡張ではない。
しかし、横幅をめいっぱい広げると、室内幅は2.5mほどになる。
それだけで、 「部屋」 なのだ。
「ダイネット」 ではなく、 「リビング」 なのである。

しかも、その家具の風合い、搭載装備のデザイン含め、そこに 「日本のキャンピングカー」 があった。
アメ車のテイストでもなく、ヨーロッパデザインの踏襲でもなく、日本人の創った日本のモダンデザインが貫かれていた。

しかし、ひとつひとつの装備には、現在世界で最も信頼のおける機構が採用されているという。
目玉となるスライドアウト機構も、それを生産しているアメリカのメーカーと直にコンタクトを取り、サイズに合わせて特注している。
揺れ止めの油圧電動式のレベリングジャッキもアメリカ製。
主要な部品の多くは、欧米のトップクラスの物によって占められているが、それもダイレクトに仕入れるルートを開拓しているため、コストそのものは圧縮されている。
逆にいえば、圧縮したコストにより、より高品質・高機能なパーツが採用されているという言い方もできる。

リヤのパーマネントベッド (↑) は、世界最大級を誇るヨーロッパのベッドメーカーシモンズ製。
オーニングは、クロスターの電動オーニングで、サンシェードが内蔵されている高機能タイプ。
空調システムも巧緻を極める。
フローリングの下は一般住宅にも使われる高機能床暖房。さらに、燃焼式FFヒーターも装備。
それに加え、ビルトインタイプの車両用ルームエアコン。もちろん走行中のクーラー&ヒーターも標準装備されている。

いちばんの自慢は、クルマの置かれている状況が一目でチェックできる液晶タッチ式スイッチパネル (↑) 。
FFヒーターのサーモコントロールもタイマーコントロールも、エントランスドアの上側にセッティングされた集中パネルですべて一括制御できる。
これが、すべてビジュアル表示で、しかも日本語対応。
高級輸入車などにはその汎用品が使われているが、これはそれをベースに、ファーストカスタムが独自にプログラムを組んだオリジナル。機構そのものを一から組み上げていけば40~50万はかかるだろうというものだ。
リビングにも、ベッドルームにも、ブルーレイ対応のテレビモニターが付く。
最新装備と、 「和」 のテイストをも意識したモダンインテリア。
日本のキャンピングカーもここまで来たか…という感慨が浮かぶ。

「市場を意識したものではなく、あくまでも自分の趣味を極めたものを造ってみたかった」
と、佐藤社長はいう。
「自分にはコスト意識よりも、表現衝動のようなものが勝っているようだ」
と、アーチストのような告白をする佐藤氏の表情には、ひとつの達成感のようなものが漂っていた。

「装備ひとつを選ぶ場合も、プライオリティを考えると、普通の経営者ならまず “コスト” を最初に意識するかもしれません。
しかし、自分の場合はまず、機能、そして質感。使われる方の満足度。そんなものが頭に浮かぶんです。
だから、採用を決めた部品の値段をみて、“えっ、これ普通のものの5倍もするの?” などと驚くことがある」
と、佐藤氏は笑う。
そうじゃないと、こういうクルマは誕生しないかもしれない。
このクルマが、日本のキャンピングカーづくりにどのような影響を与えるのか、今はまだ分からない。
しかし、確実にいえることは、これが日本のキャンピングカー産業のすそ野を広げることは間違いないということだ。
「すそ野を広げる」 ということは、誰にも買いやすい価格帯のキャンピングカーを量産するだけでは実現しない。
富士山の姿を見れば分かるように、広大なすそ野は、頂点が高くつり上がっていくことによって達成される。

佐藤社長が招き入れてくれたCG880の室内で、私は 「こびない精神」 という言葉を頭の中で浮かべていた。
いろいろな高機能・最新装備を説明してくれる佐藤氏。
しかし、その説明には、 「これだけいろいろな装備が付いていて、お買い得ですよ~」 というようなコビは、ひとつもない。
自分の理想を追求することに熱心な、ある意味、少年のような無邪気さがあった。
フィールドライフの福島社長も言っていた 「誠の職人は、真っ直ぐに夢を追い続けるだけで満足」 という言葉が浮かんだ。
「職人の矜持 (きょうじ) 」 といってもいいのだろう。
売るためにこびない。
しかし、その 「こびない精神」 が、これからの日本のキャンピングカー産業の根幹を支える。

▲ CG880の前には連日室内を見学しようという人たちの行列ができた
秋田県のビルダーであるファーストカスタムが製作した 「CG880.Value Ground Runner (バリューグランナー) 」 というキャブコンだ。
ベース車は、日野レンジャー4tキャブオーバー。
排気量は6,400cc、最高出力210ps。
全長8,845mm、全幅2,430mm、全高3,065mm。
体躯だけみると、堂々たる欧米モーターホーム並みのボディが実現されている。
価格は、2,800万円。
同ショーで展示されたマックレーの 「ファビュラス」 と、ほぼ金額的にも設計構想の雄大さにおいても並ぶ “日本車離れ” したキャンピングカーであった。
ショーの搬入日、雪の積もった秋田工場を出て、吹雪の高速道路をひたすら走り、夕暮れ時にようやく会場に到着したCG880の雄姿を、私は忘れることができない。
それはまるで、突然地球にその姿を現したUFOの “来迎” であった。
うれしいことに、運転していた佐藤社長は、私の姿を認め、真っ先にその室内に招き入れてくれた。
スライドアウト機構を採用した同車は、そのリビングの広さだけでも度肝を抜いた。
スライド幅は500mmだというから、それほど大げさな室内拡張ではない。
しかし、横幅をめいっぱい広げると、室内幅は2.5mほどになる。
それだけで、 「部屋」 なのだ。
「ダイネット」 ではなく、 「リビング」 なのである。
しかも、その家具の風合い、搭載装備のデザイン含め、そこに 「日本のキャンピングカー」 があった。
アメ車のテイストでもなく、ヨーロッパデザインの踏襲でもなく、日本人の創った日本のモダンデザインが貫かれていた。
しかし、ひとつひとつの装備には、現在世界で最も信頼のおける機構が採用されているという。
目玉となるスライドアウト機構も、それを生産しているアメリカのメーカーと直にコンタクトを取り、サイズに合わせて特注している。
揺れ止めの油圧電動式のレベリングジャッキもアメリカ製。
主要な部品の多くは、欧米のトップクラスの物によって占められているが、それもダイレクトに仕入れるルートを開拓しているため、コストそのものは圧縮されている。
逆にいえば、圧縮したコストにより、より高品質・高機能なパーツが採用されているという言い方もできる。
リヤのパーマネントベッド (↑) は、世界最大級を誇るヨーロッパのベッドメーカーシモンズ製。
オーニングは、クロスターの電動オーニングで、サンシェードが内蔵されている高機能タイプ。
空調システムも巧緻を極める。
フローリングの下は一般住宅にも使われる高機能床暖房。さらに、燃焼式FFヒーターも装備。
それに加え、ビルトインタイプの車両用ルームエアコン。もちろん走行中のクーラー&ヒーターも標準装備されている。
いちばんの自慢は、クルマの置かれている状況が一目でチェックできる液晶タッチ式スイッチパネル (↑) 。
FFヒーターのサーモコントロールもタイマーコントロールも、エントランスドアの上側にセッティングされた集中パネルですべて一括制御できる。
これが、すべてビジュアル表示で、しかも日本語対応。
高級輸入車などにはその汎用品が使われているが、これはそれをベースに、ファーストカスタムが独自にプログラムを組んだオリジナル。機構そのものを一から組み上げていけば40~50万はかかるだろうというものだ。
リビングにも、ベッドルームにも、ブルーレイ対応のテレビモニターが付く。
最新装備と、 「和」 のテイストをも意識したモダンインテリア。
日本のキャンピングカーもここまで来たか…という感慨が浮かぶ。
「市場を意識したものではなく、あくまでも自分の趣味を極めたものを造ってみたかった」
と、佐藤社長はいう。
「自分にはコスト意識よりも、表現衝動のようなものが勝っているようだ」
と、アーチストのような告白をする佐藤氏の表情には、ひとつの達成感のようなものが漂っていた。
「装備ひとつを選ぶ場合も、プライオリティを考えると、普通の経営者ならまず “コスト” を最初に意識するかもしれません。
しかし、自分の場合はまず、機能、そして質感。使われる方の満足度。そんなものが頭に浮かぶんです。
だから、採用を決めた部品の値段をみて、“えっ、これ普通のものの5倍もするの?” などと驚くことがある」
と、佐藤氏は笑う。
そうじゃないと、こういうクルマは誕生しないかもしれない。
このクルマが、日本のキャンピングカーづくりにどのような影響を与えるのか、今はまだ分からない。
しかし、確実にいえることは、これが日本のキャンピングカー産業のすそ野を広げることは間違いないということだ。
「すそ野を広げる」 ということは、誰にも買いやすい価格帯のキャンピングカーを量産するだけでは実現しない。
富士山の姿を見れば分かるように、広大なすそ野は、頂点が高くつり上がっていくことによって達成される。
佐藤社長が招き入れてくれたCG880の室内で、私は 「こびない精神」 という言葉を頭の中で浮かべていた。
いろいろな高機能・最新装備を説明してくれる佐藤氏。
しかし、その説明には、 「これだけいろいろな装備が付いていて、お買い得ですよ~」 というようなコビは、ひとつもない。
自分の理想を追求することに熱心な、ある意味、少年のような無邪気さがあった。
フィールドライフの福島社長も言っていた 「誠の職人は、真っ直ぐに夢を追い続けるだけで満足」 という言葉が浮かんだ。
「職人の矜持 (きょうじ) 」 といってもいいのだろう。
売るためにこびない。
しかし、その 「こびない精神」 が、これからの日本のキャンピングカー産業の根幹を支える。

▲ CG880の前には連日室内を見学しようという人たちの行列ができた
2011年02月07日
ファビュラス日本
いよいよこの週末の金曜日 (11日・建国記念日) から、日曜日 (13日) までの3日間、日本最大級のキャンピングカーショーである 『ジャパン・キャンピングカーショー (Japan Camping Car Show 2011) 』 が幕張メッセで開催される。
現在、その資料や画像などがどんどん手元に集まってきているが、マックレーさんから 『ファビュラス』 の最新カタログのテキストと内装画像が送られてきたので、さっそく紹介したい。

ファビュラスは前年の幕張ショーにおいて、そのエクステリアだけが展示され、内装は未完成だった。
なにしろ、 「国産キャンピングカーの最高峰を目指す」 という意気込みで造られたクルマだけに、内装の完成度を高めるための時間もじっくりとかけたいというマックレーさんの意向があったのだろう。

送られてきたカタログのテキスト (2稿目だそうである) を読んで、マックレー渡辺社長の並々ならぬ情熱のほとぼしりに打たれた。
内装の詰めに1年を費やしたというのも、それだけこのクルマが壮大なプロジェクトであったということを意味している。
なにしろ、テーマは 「日本」 なのだ!

以下、 『ファビュラス』 のカタログをそのまま引用する。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日本人が設計して、技術の粋を結集した 「FABULOUS」
ファビュラスで実現できた新しいキャンピングカー技術は世界的レベルに挑戦できるものです
JAPAN STYLE FABULOUS JAPAN
「日本型フルコン」
現在、フルコンバージョンというジャンルは、名前だけ定義されていますが、日本のキャンピングカーにはありません。
フルコンの定義からして、ベアシャシーの上に、フロントマスクからすべてビルダーが架装するという意味では、現在 車両メーカーからベアシャシーの供給が途絶えているわけですから、実質的には造れない状態です。
従って、現在 「フルコン」 を名乗れる資格を持つ車両は製作されておりません。
もちろん、ファビュラスの場合も、工法として正確に位置づけるならば、キャブコンの亜種という扱いになるかもしれません。
「日本RV協会の定義」 からは外れるかもしれませんが、マックレーの “主張” としては、 「 “日本型フルコン” と名づけたい」 という意気込みでこのファビュラスを製作いたしました。

独自の進化を遂げて 「ガラパゴス化」 していると言われている技術立国 「日本」 ではありますが、 だからこそ日本のビルダーが世界に対して発信する 「日本型のフルコン!」 という主張に命をかけました。
アメリカのクラスAや、ヨーロッパのインテグレートモデルとは違う、日本のオリジナル工法におけるフルコン。厳密にクラスAの工法を踏襲していなくても、 「日本はこれでいいんだ!」 と思います。

ファビュラスの、ルーフエアコンが2台駆動できるというキャパシティも、温暖化で “亜熱帯” に移行しつつある日本だからこそ、非常に大きな意味を持つのです。
ヨーロッパのキャンピングカーは、伝統的に 「脱ジェネレーター、脱エアコン」 を志向しています。それは、比較的夏も涼しいヨーロッパ大陸を前提としているからで、日本は夏になれば地域的にはもう “亜熱帯” の国です。
そういう日本の気候的特殊性に対応するキャンピングカーという意味でも、 「ジャパン・スタイル」 と呼べるのではないでしょうか。

現在、その資料や画像などがどんどん手元に集まってきているが、マックレーさんから 『ファビュラス』 の最新カタログのテキストと内装画像が送られてきたので、さっそく紹介したい。

ファビュラスは前年の幕張ショーにおいて、そのエクステリアだけが展示され、内装は未完成だった。
なにしろ、 「国産キャンピングカーの最高峰を目指す」 という意気込みで造られたクルマだけに、内装の完成度を高めるための時間もじっくりとかけたいというマックレーさんの意向があったのだろう。
送られてきたカタログのテキスト (2稿目だそうである) を読んで、マックレー渡辺社長の並々ならぬ情熱のほとぼしりに打たれた。
内装の詰めに1年を費やしたというのも、それだけこのクルマが壮大なプロジェクトであったということを意味している。
なにしろ、テーマは 「日本」 なのだ!
以下、 『ファビュラス』 のカタログをそのまま引用する。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日本人が設計して、技術の粋を結集した 「FABULOUS」
ファビュラスで実現できた新しいキャンピングカー技術は世界的レベルに挑戦できるものです
JAPAN STYLE FABULOUS JAPAN
「日本型フルコン」
現在、フルコンバージョンというジャンルは、名前だけ定義されていますが、日本のキャンピングカーにはありません。
フルコンの定義からして、ベアシャシーの上に、フロントマスクからすべてビルダーが架装するという意味では、現在 車両メーカーからベアシャシーの供給が途絶えているわけですから、実質的には造れない状態です。
従って、現在 「フルコン」 を名乗れる資格を持つ車両は製作されておりません。
もちろん、ファビュラスの場合も、工法として正確に位置づけるならば、キャブコンの亜種という扱いになるかもしれません。
「日本RV協会の定義」 からは外れるかもしれませんが、マックレーの “主張” としては、 「 “日本型フルコン” と名づけたい」 という意気込みでこのファビュラスを製作いたしました。
独自の進化を遂げて 「ガラパゴス化」 していると言われている技術立国 「日本」 ではありますが、 だからこそ日本のビルダーが世界に対して発信する 「日本型のフルコン!」 という主張に命をかけました。
アメリカのクラスAや、ヨーロッパのインテグレートモデルとは違う、日本のオリジナル工法におけるフルコン。厳密にクラスAの工法を踏襲していなくても、 「日本はこれでいいんだ!」 と思います。
ファビュラスの、ルーフエアコンが2台駆動できるというキャパシティも、温暖化で “亜熱帯” に移行しつつある日本だからこそ、非常に大きな意味を持つのです。
ヨーロッパのキャンピングカーは、伝統的に 「脱ジェネレーター、脱エアコン」 を志向しています。それは、比較的夏も涼しいヨーロッパ大陸を前提としているからで、日本は夏になれば地域的にはもう “亜熱帯” の国です。
そういう日本の気候的特殊性に対応するキャンピングカーという意味でも、 「ジャパン・スタイル」 と呼べるのではないでしょうか。
2011年01月20日
焚き火で育つ感性
一般社団法人 「日本RV協会」 (JRVA) のHPに掲載されているプレスリリースを読むと、
「親子でキャンピングカー旅行することで、子供の情操を高めたり、しつけを学ばせることができる」
と思う親たちが増えているという。
これは、同協会が運営しているHPを閲覧するキャンピングカーユーザーを対象に行ったアンケート調査から判明したもの。
それによると、全体の75.3%の人が、 「キャンピングカーは子供の情操教育やしつけに有益」 と考えている様子が浮かび上がってきたと伝えている。
その理由としては、
「1台のクルマの中で話す機会が作れたので、家族の団らんが得られたから」 。
あるいは、
「旅先で自然に接し、自然に対する理解が深まったから」 という回答が寄せられている。

キャンピングカーは、必ずしも自然を求める旅ばかりを得意とするわけではないが、それでも、普通の乗用車旅行に比べると、自然とのマッチングはいい。
実際に、子供を自然の中で遊ばせるためにキャンプ場を利用しているファミリーは多い。
そういう親たちに話を聞いてみると、たいてい 「自然と接することの楽しさ、面白さを学ばせたい」 という答が返ってくる。
その理由というのが、まさにRV協会の調査で分かったととおり、
「子供の情操が高まるから」
というものだった。
こういう話を聞くたびに、私はある映像ジャーナリストの人が話してくれた 「焚き火の話」 を思い出す。
まさに、キャンプを楽しむ親子でなければ得られないような体験だと思うからだ。
話してくれたのは、坂田和人さん。
以前、このブログでも紹介した 『キャンプに連れていく親は、子供を伸ばす!』 という本を書かれた方である。

▲ 坂田さん近影
坂田さんは、キャンプライフを繰り返すたびに、焚き火というものの “不思議な力” にますます心を奪われてきたという。
焚き火には、人間の心を開かせる力がある。
家族同士でも。
友達同士でも。
あるいは、見知らぬ人同士でも。
炎を見つめる瞳を通じて、心と心が共振していく。

実際に、直火を禁止するキャンプ場でも、 「焚き火台」 を使う焚き火はたいてい許可されており、近年のキャンプ場では、その焚き火が静かなブームとなっている。
焚き火のいったい何が、人の心を捉えるのか。
坂田さんは、大勢の子供たちを連れてキャンプを楽しんでいたとき、焚き火の中を双眼鏡で覗き込んでいた子供が、 「あっ!」 と叫んだときの声を聞き逃さなかった
「私、火の中に入っちゃったぁ!」
と、その子はいった。
それをきっかけに、子供たちが割れ先にと、次々と双眼鏡を回して、焚き火の中を覗き込んだ。
「すっげぇ、火の国の探検だぁ!」
どの子も、感嘆の声をあげた。

その光景に接した坂田さんは、それを思い出しながら語る。
「焚き火の中で発見した世界は、きっとテレビゲームのバーチャル世界をも凌駕する光景だったんでしょうね。
僕も覗いてみて、テレビを見るより面白かったですから。
つまり、自然の中には、どんな映像文明よりも人間を感動させるヴィジュアルが潜んでいるはずなんですが、われわれがそれを見つめる目を曇らせているだけなのかもしれません」
そう語った後で、坂田さんは、
「キャンプをすると親子の対話が生まれるということは、焚き火をするとよく分かるんです」
とも。

実際に、キャンプ場で焚き火を囲んでいるうちに、いつのまにか、家庭で話さないような会話を交わしていた、と述懐するファミリーは多い。
子供は、焚き火を囲むことによって、親に対するわだかまりが消えていくことを感じ、親は親で、子供を支配して説得しようという気持ちを忘れる。
「やっぱり、焚き火は人類が最初に手に入れた “文明” なんでしょうね」
と坂田さんはいう。
「人類は、火を確保し、それをコントロールすることによって、はじめて野生動物の恐怖などから逃れることができたわけですね。
そのとき人間は “温かさ” や “明るさ” と同時に、はじめて “安全” 、 “安心” などという概念を手に入れたのかもしれません。
だから、焚き火には、人間同士の緊張を解いて、お互いにホッとさせる力があるんです」
だから、
「話さなくてもいい」
という。
つまり、焚き火をしていると、普段は 「気まずいもの」 でしかない沈黙が、黙っていることの心地よさも教えてくれる 「豊かな沈黙」 に変わっていく。
「炎を見つめながら、同じ空間を共有しているだけで、言葉では表現できない気持ちを伝え合っていけるのが、焚き火なんです。
そういうことは、むしろ大人よりも、子供の方が敏感に感じるでしょうね」
坂田さんは自信を持って、こう言い切る。
RV協会のアンケート調査の結果も、このようなことを反映しているのかもしれない。
関連記事 「自然は子供を養う」 (坂田氏インタビュー)
関連記事 「子供の自然体験」
「親子でキャンピングカー旅行することで、子供の情操を高めたり、しつけを学ばせることができる」
と思う親たちが増えているという。
これは、同協会が運営しているHPを閲覧するキャンピングカーユーザーを対象に行ったアンケート調査から判明したもの。
それによると、全体の75.3%の人が、 「キャンピングカーは子供の情操教育やしつけに有益」 と考えている様子が浮かび上がってきたと伝えている。
その理由としては、
「1台のクルマの中で話す機会が作れたので、家族の団らんが得られたから」 。
あるいは、
「旅先で自然に接し、自然に対する理解が深まったから」 という回答が寄せられている。
キャンピングカーは、必ずしも自然を求める旅ばかりを得意とするわけではないが、それでも、普通の乗用車旅行に比べると、自然とのマッチングはいい。
実際に、子供を自然の中で遊ばせるためにキャンプ場を利用しているファミリーは多い。
そういう親たちに話を聞いてみると、たいてい 「自然と接することの楽しさ、面白さを学ばせたい」 という答が返ってくる。
その理由というのが、まさにRV協会の調査で分かったととおり、
「子供の情操が高まるから」
というものだった。
こういう話を聞くたびに、私はある映像ジャーナリストの人が話してくれた 「焚き火の話」 を思い出す。
まさに、キャンプを楽しむ親子でなければ得られないような体験だと思うからだ。
話してくれたのは、坂田和人さん。
以前、このブログでも紹介した 『キャンプに連れていく親は、子供を伸ばす!』 という本を書かれた方である。

▲ 坂田さん近影
坂田さんは、キャンプライフを繰り返すたびに、焚き火というものの “不思議な力” にますます心を奪われてきたという。
焚き火には、人間の心を開かせる力がある。
家族同士でも。
友達同士でも。
あるいは、見知らぬ人同士でも。
炎を見つめる瞳を通じて、心と心が共振していく。

実際に、直火を禁止するキャンプ場でも、 「焚き火台」 を使う焚き火はたいてい許可されており、近年のキャンプ場では、その焚き火が静かなブームとなっている。
焚き火のいったい何が、人の心を捉えるのか。
坂田さんは、大勢の子供たちを連れてキャンプを楽しんでいたとき、焚き火の中を双眼鏡で覗き込んでいた子供が、 「あっ!」 と叫んだときの声を聞き逃さなかった
「私、火の中に入っちゃったぁ!」
と、その子はいった。
それをきっかけに、子供たちが割れ先にと、次々と双眼鏡を回して、焚き火の中を覗き込んだ。
「すっげぇ、火の国の探検だぁ!」
どの子も、感嘆の声をあげた。

その光景に接した坂田さんは、それを思い出しながら語る。
「焚き火の中で発見した世界は、きっとテレビゲームのバーチャル世界をも凌駕する光景だったんでしょうね。
僕も覗いてみて、テレビを見るより面白かったですから。
つまり、自然の中には、どんな映像文明よりも人間を感動させるヴィジュアルが潜んでいるはずなんですが、われわれがそれを見つめる目を曇らせているだけなのかもしれません」
そう語った後で、坂田さんは、
「キャンプをすると親子の対話が生まれるということは、焚き火をするとよく分かるんです」
とも。

実際に、キャンプ場で焚き火を囲んでいるうちに、いつのまにか、家庭で話さないような会話を交わしていた、と述懐するファミリーは多い。
子供は、焚き火を囲むことによって、親に対するわだかまりが消えていくことを感じ、親は親で、子供を支配して説得しようという気持ちを忘れる。
「やっぱり、焚き火は人類が最初に手に入れた “文明” なんでしょうね」
と坂田さんはいう。
「人類は、火を確保し、それをコントロールすることによって、はじめて野生動物の恐怖などから逃れることができたわけですね。
そのとき人間は “温かさ” や “明るさ” と同時に、はじめて “安全” 、 “安心” などという概念を手に入れたのかもしれません。
だから、焚き火には、人間同士の緊張を解いて、お互いにホッとさせる力があるんです」
だから、
「話さなくてもいい」
という。
つまり、焚き火をしていると、普段は 「気まずいもの」 でしかない沈黙が、黙っていることの心地よさも教えてくれる 「豊かな沈黙」 に変わっていく。
「炎を見つめながら、同じ空間を共有しているだけで、言葉では表現できない気持ちを伝え合っていけるのが、焚き火なんです。
そういうことは、むしろ大人よりも、子供の方が敏感に感じるでしょうね」
坂田さんは自信を持って、こう言い切る。
RV協会のアンケート調査の結果も、このようなことを反映しているのかもしれない。
関連記事 「自然は子供を養う」 (坂田氏インタビュー)
関連記事 「子供の自然体験」
2011年01月19日
キャンカー1人旅
「まもなく定年を迎える夫が、 『長いこと苦労をかけたから定年後はキャンピングカーで全国を回ろう。楽しい旅行をしような』 と言うんです。どうやって断ったらいいんでしょう?」
いきなりそんな主婦の会話から始まる記事があったので、ギョッとした。
『週刊朝日』 の1月28日号に掲載されたもので、シニアルネサンス財団事務局長の河合和さんという方に取材した記者が、それをまとめたものだった。
河合さんは、定年後のライフスタイルをコンサルティングする仕事に携わる方で、各地でいろいろな講演する機会があるらしい。
ある講演が終わった後、一人の主婦が河合さんに質問した内容が、上記のものであったという。
先を少し読んでみると、どうやらその主婦の方は、 「キャンピングカー旅行」 そのものを拒否しているのではないらしい。
旅行に付随する料理や洗濯。
そのような家事を、旅行先でも自分が負担しなければならないことを危惧しての発言だったようである。
だから、それに対する河合さんの反応も、
「家庭において、一切の家事を妻に任せていた夫の方に問題がある」
という常識的なコメントで結論をまとめていた。
しかし、家族に協力しながらキャンピングカー旅行を楽しんできた夫族においても、 “妻の離反” は進んでいるようだ。
それが、昨日のカッチさんのコメント。
家族が次第にキャンピングカー旅行に付いてこなくなり、一人旅をしては、夜は独りで酒を飲むことが多くなっているという。
「さびしい~」 といいながら、でも、カッチさんの文面からは、それはそれで味わいがある…というニュアンスが伝わってきた。
たぶん、そういうことはこれからは増えていくだろう。
家族単位で旅を楽しむことが理想であるかもしれないが、家族の構成員にもそれぞれの考え方があり、それぞれの価値観があり、それぞれの生活がある。
さらに、ある程度の年齢になると、伴侶の死別や離婚という問題を抱えることもあろう。
だから、 「おひとりさまライフ」 は、今後キャンピングカー乗りの間でも大きなテーマになりそうな気がする。
大事なことは、 「それでもキャンピングカーに乗り続ける」 ということなのだ。
一人旅がさびしいというのであれば、そのさびしさの中にも新しい楽しみを見つけてくれるのがキャンピングカー旅行だと思うし、また、同じ境遇にいるキャンピングカー乗り同士がどこかで出会い、他者と交わることから新しいライフスタイルを見つけ出すこともあるだろう。
むしろ、 「一人でいることにも耐えられる文化」 をキャンピングカーがつくり出していくという、そのポテンシャリティに注目すべきだと思う。
そして、そういう 「一人」 同士が集まって、今までとはまったく異なるコミュニティを形成する可能性だってある。

キャンピングカーの家族旅行というと、いつもハイマージャパンの安達二葉子社長が話していたことを思い出す。
安達さんは、家族というものが必ずしも 「妻と夫と子供二人」 という標準世帯の形態をとる必要がないことを、ヨーロッパ旅行の体験から悟ったという。

ドイツのハイマー社のキャンピングカーを25年間輸入してきた安達さんは、若い頃、今は亡くなられたご主人と一緒に、ハイマー社のモーターホームを使ってヨーロッパのキャンプ場を回った。
そのとき驚いたのは、屈託のない表情で、子供たちをキャンプ場に連れてきて楽しませているシングルマザーたちの多さだった。
「向こうでは、親がシングルでも “家族は家族” なんです。
親が一人欠けていても、キャンプ旅行そのものが楽しければ、子供は幸せなんです。
そのことをヨーロッパの人たちはよく理解しているから、そういう家族に対しても、周りの人の目が温かいんです」
安達さんは、そういう。
たった一人でキャンピングカー旅行をしている男の人たちは、さらに多いという。
「日本では、一人でキャンピングカー旅行をしている男の人に対して、 “奥様にフラれたのかな?” 、 “ずっと淋しい独身生活をしているのかな?” などと要らぬ目で見る人たちが多いのですが、ヨーロッパ人はそうは考えない。
向こうでキャンピングカー旅行を楽しむ人たちは主にシニア層ですが、そうなると奥様に先立たれる旦那さんも増えてくる。
そういう人たちが、一人になってもキャンピングカーを捨てなくてすむ風土が形成されているということは、私は素晴らしいことだと思う」
そう語る安達さんの心には、すでにご主人を亡くされたという切ない気持ちが去来しているのかもしれない。

もちろん安達さんも、キャンピングカーが家族同士で楽しめる格好のアイテムであり、それによって家族間の絆が深まることを前提として話している。
しかし、家族の形態は、ずっと不変であるとは限らない。
父親と母親が二人ともしっかりそろい、そこに子供たちが配されるという 「標準世帯」 の構造が絶対的に正しいものであるのかどうか。
それが 「家族」 のスタンダードだとしたら、たとえば両親のどちらかを亡くしたり、あるいはやむを得ない事情によって離婚してしまった家庭は 「家族」 ではないのか?
どうやら、ヨーロッパ人たちは、昔からそのような固定的な家族観から脱出していたようなのだ。
安達さんはいう。
「日本には “片親” などという差別的な言葉が残っており、夫婦のどちらかが亡くなったり、離婚したりした親は、まるで自分が “家族の幸せ” から取り残されてしまったような思いを抱く人たちがけっこういると思います。でもヨーロッパのキャンプ場では、シングルたちへの眼差しがとても温かい」
もし、シングルマザーが、自分の子供たちを連れて楽しくキャンピングカー旅行ができるような世の中が来れば、 「日本も確実に変わる」 と彼女はいう。
これから高齢化社会を迎える日本において、シングルのキャンピングカー旅行を快適にするための精神風土をつくっていくことは、避けて通れない課題であるとも。
一人で旅行していても、その思い出の中に 「家族」 が生きていれば、それは立派なファミリー旅行である。
誰もがそう思えるキャンピングカー文化が形成されたとき、はじめて 「成熟」 という言葉が使えるのかもしれない。
関連記事「ひとりのくるま旅」/a>
いきなりそんな主婦の会話から始まる記事があったので、ギョッとした。
『週刊朝日』 の1月28日号に掲載されたもので、シニアルネサンス財団事務局長の河合和さんという方に取材した記者が、それをまとめたものだった。
河合さんは、定年後のライフスタイルをコンサルティングする仕事に携わる方で、各地でいろいろな講演する機会があるらしい。
ある講演が終わった後、一人の主婦が河合さんに質問した内容が、上記のものであったという。
先を少し読んでみると、どうやらその主婦の方は、 「キャンピングカー旅行」 そのものを拒否しているのではないらしい。
旅行に付随する料理や洗濯。
そのような家事を、旅行先でも自分が負担しなければならないことを危惧しての発言だったようである。
だから、それに対する河合さんの反応も、
「家庭において、一切の家事を妻に任せていた夫の方に問題がある」
という常識的なコメントで結論をまとめていた。
しかし、家族に協力しながらキャンピングカー旅行を楽しんできた夫族においても、 “妻の離反” は進んでいるようだ。
それが、昨日のカッチさんのコメント。
家族が次第にキャンピングカー旅行に付いてこなくなり、一人旅をしては、夜は独りで酒を飲むことが多くなっているという。
「さびしい~」 といいながら、でも、カッチさんの文面からは、それはそれで味わいがある…というニュアンスが伝わってきた。
たぶん、そういうことはこれからは増えていくだろう。
家族単位で旅を楽しむことが理想であるかもしれないが、家族の構成員にもそれぞれの考え方があり、それぞれの価値観があり、それぞれの生活がある。
さらに、ある程度の年齢になると、伴侶の死別や離婚という問題を抱えることもあろう。
だから、 「おひとりさまライフ」 は、今後キャンピングカー乗りの間でも大きなテーマになりそうな気がする。
大事なことは、 「それでもキャンピングカーに乗り続ける」 ということなのだ。
一人旅がさびしいというのであれば、そのさびしさの中にも新しい楽しみを見つけてくれるのがキャンピングカー旅行だと思うし、また、同じ境遇にいるキャンピングカー乗り同士がどこかで出会い、他者と交わることから新しいライフスタイルを見つけ出すこともあるだろう。
むしろ、 「一人でいることにも耐えられる文化」 をキャンピングカーがつくり出していくという、そのポテンシャリティに注目すべきだと思う。
そして、そういう 「一人」 同士が集まって、今までとはまったく異なるコミュニティを形成する可能性だってある。

キャンピングカーの家族旅行というと、いつもハイマージャパンの安達二葉子社長が話していたことを思い出す。
安達さんは、家族というものが必ずしも 「妻と夫と子供二人」 という標準世帯の形態をとる必要がないことを、ヨーロッパ旅行の体験から悟ったという。
ドイツのハイマー社のキャンピングカーを25年間輸入してきた安達さんは、若い頃、今は亡くなられたご主人と一緒に、ハイマー社のモーターホームを使ってヨーロッパのキャンプ場を回った。
そのとき驚いたのは、屈託のない表情で、子供たちをキャンプ場に連れてきて楽しませているシングルマザーたちの多さだった。
「向こうでは、親がシングルでも “家族は家族” なんです。
親が一人欠けていても、キャンプ旅行そのものが楽しければ、子供は幸せなんです。
そのことをヨーロッパの人たちはよく理解しているから、そういう家族に対しても、周りの人の目が温かいんです」
安達さんは、そういう。
たった一人でキャンピングカー旅行をしている男の人たちは、さらに多いという。
「日本では、一人でキャンピングカー旅行をしている男の人に対して、 “奥様にフラれたのかな?” 、 “ずっと淋しい独身生活をしているのかな?” などと要らぬ目で見る人たちが多いのですが、ヨーロッパ人はそうは考えない。
向こうでキャンピングカー旅行を楽しむ人たちは主にシニア層ですが、そうなると奥様に先立たれる旦那さんも増えてくる。
そういう人たちが、一人になってもキャンピングカーを捨てなくてすむ風土が形成されているということは、私は素晴らしいことだと思う」
そう語る安達さんの心には、すでにご主人を亡くされたという切ない気持ちが去来しているのかもしれない。

もちろん安達さんも、キャンピングカーが家族同士で楽しめる格好のアイテムであり、それによって家族間の絆が深まることを前提として話している。
しかし、家族の形態は、ずっと不変であるとは限らない。
父親と母親が二人ともしっかりそろい、そこに子供たちが配されるという 「標準世帯」 の構造が絶対的に正しいものであるのかどうか。
それが 「家族」 のスタンダードだとしたら、たとえば両親のどちらかを亡くしたり、あるいはやむを得ない事情によって離婚してしまった家庭は 「家族」 ではないのか?
どうやら、ヨーロッパ人たちは、昔からそのような固定的な家族観から脱出していたようなのだ。
安達さんはいう。
「日本には “片親” などという差別的な言葉が残っており、夫婦のどちらかが亡くなったり、離婚したりした親は、まるで自分が “家族の幸せ” から取り残されてしまったような思いを抱く人たちがけっこういると思います。でもヨーロッパのキャンプ場では、シングルたちへの眼差しがとても温かい」
もし、シングルマザーが、自分の子供たちを連れて楽しくキャンピングカー旅行ができるような世の中が来れば、 「日本も確実に変わる」 と彼女はいう。
これから高齢化社会を迎える日本において、シングルのキャンピングカー旅行を快適にするための精神風土をつくっていくことは、避けて通れない課題であるとも。
一人で旅行していても、その思い出の中に 「家族」 が生きていれば、それは立派なファミリー旅行である。
誰もがそう思えるキャンピングカー文化が形成されたとき、はじめて 「成熟」 という言葉が使えるのかもしれない。
関連記事「ひとりのくるま旅」/a>
2010年11月08日
お台場パラダイス
この土日は、東京お台場で開かれたキャンピングカーショー 「お台場くるま旅パラダイス」 をずっと見て回った。

2日とも好天に恵まれ、屋外イベントとしては素晴らしいショーになった。
風もなく、穏やかな天候だったせいか、お客さんもどことなくピクニック気分。
ペットを連れて、散策気分で場内を歩くご夫婦。
デート感覚で、手をつないでクルマを見て回る若いカップル。
そして、遊具コーナーで遊園地気分ではしゃぐ子供たち。
かつてのショーは “クルマの即売会” という雰囲気が濃厚だったが、最近のショーは、どのかなアミューズメント施設のような空気が漂ってきているように思う。
そのような時代の流れを汲むように、出展業者さんの方も、ショーそのものを楽しむという傾向が出てきたように思う。
▼ エアストリームジャパンのブースでは、田中社長 (右) がサイドメンのサポートを受けながら、ジャズギターを披露

▼ トランキルグローブのブースでは、松原社長を中心に、ユーザーたちがゆったりとテーブルに座ってコーヒーブレイク

▼ ワンちゃんもリラックス

▼ キャンピングカーセミナーで 「初心者のためのクルマ選び」 を語る評論家の渡部竜生氏

▼ キャンプコーナーでは、土曜から泊まりでショーを楽しむ人たちがつめかけ、個々のサイトでパーティ

▼ ちょっと記念撮影を

今回のショー会場では、日頃会えなかった友人・知人と会う機会に恵まれた。
また、新しい業務を始めようとしている人々に出会えたり、いろいろなキャンピングカーライフを体験しているユーザーさんたちを紹介されたり、さらに、マスコミの取材に立ち会ったりと、刺激の多い時間を過ごすことができた。
いろいろ貴重な情報やら新しい考え方などに触れることが多く、収穫の多いショーだった。

2日とも好天に恵まれ、屋外イベントとしては素晴らしいショーになった。
風もなく、穏やかな天候だったせいか、お客さんもどことなくピクニック気分。
ペットを連れて、散策気分で場内を歩くご夫婦。
デート感覚で、手をつないでクルマを見て回る若いカップル。
そして、遊具コーナーで遊園地気分ではしゃぐ子供たち。
かつてのショーは “クルマの即売会” という雰囲気が濃厚だったが、最近のショーは、どのかなアミューズメント施設のような空気が漂ってきているように思う。
そのような時代の流れを汲むように、出展業者さんの方も、ショーそのものを楽しむという傾向が出てきたように思う。
▼ エアストリームジャパンのブースでは、田中社長 (右) がサイドメンのサポートを受けながら、ジャズギターを披露

▼ トランキルグローブのブースでは、松原社長を中心に、ユーザーたちがゆったりとテーブルに座ってコーヒーブレイク

▼ ワンちゃんもリラックス

▼ キャンピングカーセミナーで 「初心者のためのクルマ選び」 を語る評論家の渡部竜生氏

▼ キャンプコーナーでは、土曜から泊まりでショーを楽しむ人たちがつめかけ、個々のサイトでパーティ

▼ ちょっと記念撮影を

今回のショー会場では、日頃会えなかった友人・知人と会う機会に恵まれた。
また、新しい業務を始めようとしている人々に出会えたり、いろいろなキャンピングカーライフを体験しているユーザーさんたちを紹介されたり、さらに、マスコミの取材に立ち会ったりと、刺激の多い時間を過ごすことができた。
いろいろ貴重な情報やら新しい考え方などに触れることが多く、収穫の多いショーだった。
2010年10月21日
ハイマーカー322
時代の流れに呼応するように、いまヨーロッパではキャンピングカーとユーザーの二極化が進行しているという。
ハイソサエティを対象とした高級車は、車両サイズ、装備ともに高級化に拍車をかけるとともに、先端的な技術力による 「省エネ」 「排ガス浄化」 を目指し、マスマーケットを狙うキャンピングカーは、車両サイズの小型化、装備の合理化を追求することによって、実質的・効率的な 「省エネ」 「排ガス浄化」 を狙うようになった。
いずれのメーカーも、高級車をますます洗練させていきながらも、その数を絞り、軸足は、買いやすい価格帯の小型車に移し始めているようだ。
ヨーロッパではトップブランドとして君臨するハイマーにおいても、今年から来年にかけての主力車種として力を入れているのは小型車である。
▼ ハイマーカー322外装

その中軸となっているのが、装いを新たにした 「ハイマーカー」 だ。
種類は2タイプ。
全長5990mmの 「322」 と、全長4990mmの 「302」 である。 (全幅はともに2080mm) 。
シャシーはフィアット・デュカドで、ミッションは6速AT。排気量2984ccのコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン (157馬力) を搭載する。
ハイマー社といえば、インティグレードかアルコーブンといった “モーターホーム” ビルダーのイメージが強いが、この2車はバンコンバージョン。取り回しの良さと経済性を主眼においた設定だ。
特に、ここで紹介する 「322」 は、バンコンでありながら、 (日本の) キャブコン並みの機能を備えているところに特徴がある。
充実したシャワー・トイレ機能を持ち (写真▼) 、大人3名+子供1名のベッドスペースを備え、97㍑の冷蔵庫を標準装備。給・排水ともに100㍑の水タンクが完備している。

写真でご覧のように、フォルムは全体的にスクエアで、四隅が効率的に使えるためスペース効率がいい。リヤベッド上に設定されているオーバーヘッドコンソールも、その恩恵に浴し、奥行き・容量ともたっぷり確保されている (写真▼) 。

リヤベッドは195mm×150mmで、2人就寝が可能 (写真▼) 。

しかもウッドスプリングが採用されているために (写真▼) 、通風性が確保され、寝心地も良い。

ベッドマットを収納すると、ボディ中央には長尺物も収容できるラゲージスペースが生まれる (写真▼) 。ベッドマット下には、プロパン、電装、清水タンクなどが収納される。

ボディの右サイドは大型収納 (写真▼) 。

荷物が転がらないように、ダイネット部とリヤスペースの間にカーゴネットを張ることもできる (写真▼) 。

冷蔵庫の上はクローゼットも完備している (写真▼) 。

ダイネットは助手席と運転席を回転させ、セカンドシートと向かい合わせて構成するスタイル (写真▼) 。典型的なヨーロッパ型キャンパーのレイアウトだ。

このダイネットはベッドメイクすると、165mm×89mmのチャイルドベッドにも早変わりする (写真▼) 。
キッチンは2口コンロと深型シンクのコンビネーションタイプ (写真▼) 。

引き出し式の延長テーブルも設定できるので、調理スペースはモーターホーム並みに広い (写真▼) 。

ハイマー社のマスマーケット路線を代表する車種だけに、細かい部分の作り込みも入念を極める。ある意味で、日本車的なきめ細かさを発揮している部分もある。
その一つが、セカンドシート前に設定されている “床下収納” (写真▼) 。下駄箱としても使える。

リヤベッドに上がるときに便利なボックス型昇降ステップも用意されるようになった (写真▼) 。ベッド下にはそのステップを格納できるスペースも作られており、移動中も邪魔にならない。

本国ではオプション扱いの電動ステップも日本仕様では標準装備 (写真▼) 。

走りはどうか。
すでに数々のイベント会場まで走らせている鈴木利弥部長に言わせると、
「バンクがないため、空力特性がものすごく良い。ホイールベースも4mあるため、直進安定性も抜群」 とか。
「走りは、確実に他のキャンピングカーを凌駕するので、気づかないうちに速度オーバーになってしまうことが多い。そこが唯一の注意点。
常に後方確認しておかないとまずいクルマです。パトカーにはしっかりにらまれそうですから (笑) 」
とのこと。
オプション類も豊富で、ポップアップルーフのほか、リヤラダー、自転車キャリア、ルーフエアコンなども用意されている。
《寸評》
バンコンといえども、さすがはハイマー。装備類の機能とインテリア造形には、上級車種のテイストがたっぷり。デザイン的な完成度においては、やはり一目置かざるを得ない。
国産高級キャブコン勢にとってもあなどれない存在だろうし、本国では、ウエストファリアなども脅威を感じているに違いない。
車両のお値段は、税込み943万円。
ハイソサエティを対象とした高級車は、車両サイズ、装備ともに高級化に拍車をかけるとともに、先端的な技術力による 「省エネ」 「排ガス浄化」 を目指し、マスマーケットを狙うキャンピングカーは、車両サイズの小型化、装備の合理化を追求することによって、実質的・効率的な 「省エネ」 「排ガス浄化」 を狙うようになった。
いずれのメーカーも、高級車をますます洗練させていきながらも、その数を絞り、軸足は、買いやすい価格帯の小型車に移し始めているようだ。
ヨーロッパではトップブランドとして君臨するハイマーにおいても、今年から来年にかけての主力車種として力を入れているのは小型車である。
▼ ハイマーカー322外装

その中軸となっているのが、装いを新たにした 「ハイマーカー」 だ。
種類は2タイプ。
全長5990mmの 「322」 と、全長4990mmの 「302」 である。 (全幅はともに2080mm) 。
シャシーはフィアット・デュカドで、ミッションは6速AT。排気量2984ccのコモンレール式直噴ディーゼルターボエンジン (157馬力) を搭載する。
ハイマー社といえば、インティグレードかアルコーブンといった “モーターホーム” ビルダーのイメージが強いが、この2車はバンコンバージョン。取り回しの良さと経済性を主眼においた設定だ。
特に、ここで紹介する 「322」 は、バンコンでありながら、 (日本の) キャブコン並みの機能を備えているところに特徴がある。
充実したシャワー・トイレ機能を持ち (写真▼) 、大人3名+子供1名のベッドスペースを備え、97㍑の冷蔵庫を標準装備。給・排水ともに100㍑の水タンクが完備している。

写真でご覧のように、フォルムは全体的にスクエアで、四隅が効率的に使えるためスペース効率がいい。リヤベッド上に設定されているオーバーヘッドコンソールも、その恩恵に浴し、奥行き・容量ともたっぷり確保されている (写真▼) 。

リヤベッドは195mm×150mmで、2人就寝が可能 (写真▼) 。

しかもウッドスプリングが採用されているために (写真▼) 、通風性が確保され、寝心地も良い。

ベッドマットを収納すると、ボディ中央には長尺物も収容できるラゲージスペースが生まれる (写真▼) 。ベッドマット下には、プロパン、電装、清水タンクなどが収納される。

ボディの右サイドは大型収納 (写真▼) 。

荷物が転がらないように、ダイネット部とリヤスペースの間にカーゴネットを張ることもできる (写真▼) 。

冷蔵庫の上はクローゼットも完備している (写真▼) 。

ダイネットは助手席と運転席を回転させ、セカンドシートと向かい合わせて構成するスタイル (写真▼) 。典型的なヨーロッパ型キャンパーのレイアウトだ。

このダイネットはベッドメイクすると、165mm×89mmのチャイルドベッドにも早変わりする (写真▼) 。
キッチンは2口コンロと深型シンクのコンビネーションタイプ (写真▼) 。

引き出し式の延長テーブルも設定できるので、調理スペースはモーターホーム並みに広い (写真▼) 。

ハイマー社のマスマーケット路線を代表する車種だけに、細かい部分の作り込みも入念を極める。ある意味で、日本車的なきめ細かさを発揮している部分もある。
その一つが、セカンドシート前に設定されている “床下収納” (写真▼) 。下駄箱としても使える。

リヤベッドに上がるときに便利なボックス型昇降ステップも用意されるようになった (写真▼) 。ベッド下にはそのステップを格納できるスペースも作られており、移動中も邪魔にならない。

本国ではオプション扱いの電動ステップも日本仕様では標準装備 (写真▼) 。

走りはどうか。
すでに数々のイベント会場まで走らせている鈴木利弥部長に言わせると、
「バンクがないため、空力特性がものすごく良い。ホイールベースも4mあるため、直進安定性も抜群」 とか。
「走りは、確実に他のキャンピングカーを凌駕するので、気づかないうちに速度オーバーになってしまうことが多い。そこが唯一の注意点。
常に後方確認しておかないとまずいクルマです。パトカーにはしっかりにらまれそうですから (笑) 」
とのこと。
オプション類も豊富で、ポップアップルーフのほか、リヤラダー、自転車キャリア、ルーフエアコンなども用意されている。
《寸評》
バンコンといえども、さすがはハイマー。装備類の機能とインテリア造形には、上級車種のテイストがたっぷり。デザイン的な完成度においては、やはり一目置かざるを得ない。
国産高級キャブコン勢にとってもあなどれない存在だろうし、本国では、ウエストファリアなども脅威を感じているに違いない。
車両のお値段は、税込み943万円。
2010年10月04日
DJ二郎さんの話
エアストリームのクラスBモーターホームを愛し、日々の仕事からプライベート旅行に至るまで、まるで “サンダル” のように日常使いしているタレントさんがいる。
高杉 ‘Jay’ 二郎さん。
レギュラー番組を受け持つテレビやナレーションでは、この 「高杉 ‘Jay’ 二郎」 という名で。ラジオでは 「DJ JIRO」 として親しまれている人だ。
記録的な猛暑が続いたこの夏の終わりに、ひょんなことで、二郎さんと知り合うことになった。

ラジオ、TV、スポーツ放送の実況現場など、仕事場がめまぐるしく変わっていくのがDJ稼業。
二郎さんのメインのお仕事はこのDJなのだが、現在その “仕事場” ともいえるエアストリーム170にたどりつくまでには、はたしてどんなドラマがあったのだろうか。
以下は、その高杉 ‘Jay’ 二郎さんが語ってくれた 「芸能的キャンピングカー人生秘話」 だ。
■ はじめて見たキャンピングカー
現在は、FMラジオ局で2本のレギュラー番組を抱え、TVではスポーツ番組の実況やスポーツDJとして活躍する二郎さん。
実は、上方落語の重鎮、桂三枝さんの弟子でもある。
高座に登る落語家というよりも、役者として三枝師匠の元に入門したというのが、二郎さんのその後の方向性を決めることとなった。テレビのレギュラー番組や、映画で主役を務めるような仕事が舞い込んでくるようになったからだ。
やがて、本格的に映画を勉強したいという夢が膨らみ始め、ハリウッドのあるロサンゼルスに単身渡る決意をする。
20代半ばの頃だったという。
しかし、LAに着いても、現地にツテもない日本の一青年にとっては、勉強を支えるための生活を維持することが難しく、最初は日本料理店でアルバイトをこなすことになった。
二郎さんの働きっぷりを見て気に入った日本人のシェフが、ある日、遊びに来いよと自宅に誘った。
何も考えずに行って、驚いた。
「自宅」 というのは、モーターホームだったのだ。
「あのときの驚きは忘れませんね。クルマそのものが家になっているという乗り物は、その日まで見たことがありませんでしたから」
と、二郎さん。
そのシェフに聞くと、
「俺たちは、いつ店との契約が切れるか分からない。だから家など持てないんだよ。そういうときに、こういうクルマが1台あると、とても便利なんだ」
という。
家を持たずにクルマで暮らすという発想も、生まれて初めて耳にする話だった。
二郎さんのキャンピングカーとの出合いは、カルチャーショックの中で始まった。

■ きっかけはハリソン・フォード
キャンピングカーに対する興味が不動のものとなったのは、ハリウッドスターとして有名なハリソン・フォードのトレーラーハウスを見てからだ。
といっても、ハリソン・フォードが所有する車両というわけではない。
ハリウッド映画の撮影現場では、主役級のスターを招いたときは、必ずエージェントがトレーラーハウスやモーターホームを用意し、そこをスターたちの更衣室や仮眠する休憩室に当てる。
そのハリソン・フォードが休憩しているトレーラーハウスに 二郎さんはおもむくことになった。
日本語を教えるティーチャーとして。
s
▲ 『ブレードランナー』 に出演していた頃のハリソン・フォード
当時、二郎さんは、幼い頃から格闘技をやっていた経験を生かし、殺陣師としてアクションの振り付け指導をしたり、自らも出演するなど、映画の裏方として活動していた。
ちなみに、日系のFM局で、ラジオのDJとして認められるようになったのもこの頃。
そのように、何でもこなす日本人スタッフとしてハリウッド映画の周辺で活躍していた二郎さん。その多才ぶりが評価され、ハリソン・フォードの日本語教師を務めることにつながったのだが、その 「教室」 となった豪壮なトレーラーハウスには、二郎さんも 「度肝を抜かれた」 という。
「奥はプライベートゾーンなので見せてもらえなかったんですが、チラっと見ると、特大級のクィーンサイズのベッドがあり、10人前ぐらいの食材を10日間も蓄えられそうな巨大な冷蔵庫があり……。家具や調度も高級ホテルみたいでした。
まさに、ハリウッドの大スターに相応しい “夢の御殿” という印象でしたね」
■ “仕事” がキャンピングカーを求めるようになった
この 「驚き」 に満ちたキャンピングカー体験が、その後の二郎さんの人生の方向を決める。
「で、日本に帰ってから、さっそく自分に合いそうなキャンピングカーを探し始めたのです」
日本における二郎さんの仕事は、テレビ、ラジオなどのスポーツ実況の中継やアスリートたちを盛り上げるためのDJを中心に、多彩な広がりを見せていた。スノーボードやモーグル競技では、日本を代表する選手たちも認めるくらいの人気DJとして知られるようになった。
仕事が広がったのはいいが、地方への出張も増えた。
「東京で、スタジオの仕事を金曜の夜に終え、そのまま土曜日の朝から始まるスポーツの実況のために地方に向かう…なんていうことがしょっちゅう起こるようになったんです。
そうなると、もうホテルのチェックインなど意味がないですね。夜中の3時や4時に現地のホテルに入っても寝る時間すらない。
では、競技に参加する人たちはどうしているか? …というと、みんなゲレンデ横の駐車場で、 “車中泊” なんですね」
そのとき、二郎さんは、今まで以上に強烈にキャンピングカーを欲しいと思った。もちろん “旅行の道具” としても憧れていたが、それ以上に、生活拠点として必要に迫られることになった。
買う前にはいろいろなキャンピングカーショーを見学し、ディーラーにも顔をのぞかせた。
しかし、どうも “自分に合った1台” がなかなか見つからない。
そんなとき、現在のエアストリーム170にひょっこり出合った。

「エアストリームは、アメリカにいたときから憧れていましたからね。
しかしさすがに、日本ではあの大きなトレーラーを引くまでの勇気はなかったんです。
しかし、この自走式に出合って、もう見た瞬間に 『これだ!』 と思いましたね」
■ 持っているクルマはこれ1台だけ
手に入れたのは、2004年。
それを機に、それまで使っていたボルボのステーションワゴンを手放した。
だから、二郎さんには現在セカンドカーがない。
つまり、このエアスト170がファーストカーであり、同時にセカンドカーなのだ。
「とにかく、自分専用のクルマとして持っているのはこの1台だけ。これを手に入れたときに住んでいた町は、東京の世田谷だったんですよ。
道が狭い街でね。
最初の頃はあちこちにボディを擦りましたけれど、そのうち車両感覚が身について、どこに行くのも平気になりました。
もしかしたら、僕は、東京都内をいちばんキャンピングカーで動いている人間ではないかしら。
都内の山手線内で、あのクルマが止まれる高さと幅をクリアしている駐車場の情報に関しては、けっこう詳しいですよ。
だから、そういうパーキングがない場所で待ち合わせする場合は、隣の駅に止めて、そこから一駅だけ電車に乗るとかね」
愛車のサイズは、幅2.3m。長さ5.2m。
「普通の駐車スペースだとやはりちょっと前ツラが出るんですが、なんとか収まることが多いんです」
■ 奥さんも絶句したデカさ
最初はみな笑った、という。
「そんな馬鹿デカいクルマに乗ってきて、都会じゃ不便でしょ?」
奥さんとなった女性と、最初にデートしたときも、
「なに !? このクルマ…」
と一歩引いて絶句したとか。
確かに、都心の狭い駐車場に入れるときは苦労することもある。
しかし、仕事が終わると、そのまま遊びに行けるというのも、こういうクルマならではのメリットだ。
「僕の場合、遊びと仕事の境目がないんです。いま山梨県に住んでいるんですが、たとえば、北関東で仕事をしていて、その翌々日には東京の仕事が入っているとしますね。
その間に “空白の1日” ができてしまいます。
もうそんなときは、1日の大半を費やして山梨に帰るよりも日光などに見物に行っちゃうんです」

そうやってクルマの中で寝泊まりするのは、年間50泊以上。
時には、仕事で一緒になったスタッフやゲストと一緒に泊まることもある。
「DJという仕事柄、ミュージシャンの友達が多いんですよ。彼らのような音楽系アーチストは、けっこうレコーディングなどで行き詰まったりしてストレスを抱えていることが多いんです。
そうすると、たいていこのクルマに目を付けて、 『ジローさん、これでどこか行こうよ』 と声かけてくるんです」
■ ストレス解消にはもってこい
クルマの中にはキッチンがある。
凝った料理を作るわけではないが、海岸に面した駐車場などにクルマを止め、アーチスト仲間といっしょに食事を採り、ソファでくつろぐ。
「すると、みんな “こういう生活っていいなぁ!” というんですよ。ストレスが解消されて頭の中がクリエイティブになるんでしょうね。
“ちょっといいフレーズを思いついたからギターを弾くよ”
そんな感じで、車内がとつぜんスタジオになったりね (笑) 」
気密性の高いボディだから、外に音が漏れることもあまりない。
思いっきり “演奏できる場” になるそうだ。
だからミュージシャンの中には、二郎さんの車内で曲を作った人たちもいるという。
■ 常に同行する “仲間”
二郎さんには、奥さんが同行しない時でも、必ず連れ添う “仲間” がいる。
4歳の 「オーサ」 ちゃん。イタリアングレーハンドの女の子だ。

キャンピングカーは断熱加工されているので、室内温度の適正化が図りやすい。
今年の夏のような猛暑が続いた日でも、犬を車内に残して買い物やお風呂に行くのも安心だ。
「犬連れでキャンピングカー旅行すると、いろいろなつながりができるんですよ。サービスエリアなどで休んでいても、犬連れのユーザー同士は話がしやすいんです。
犬がきっかけとなって、おつき合いが始まった人たちもたくさんいます。友達の輪を広げるのなら、 “犬 + キャンピングカー” が一番です」
■ 2台目を買うとしてもキャンピングカー
「もうこのクルマを手放す気はないですね。だって生活の一部だから」
という二郎さん。
電源があるので、パソコンが使えるということも大きなメリットだという。
「僕は番組用の原稿も書くんですが、旅行しながらその原稿をどこにでも送れるというのもありがたいですね。
今までなら、自宅にいないときはネットカフェに行かなければなりませんでしたが、もうその必要がなくなりました」
二郎さんの “ひらめき” が、そのままクルマを通して、オフィスにまで直結する。
もしかしたら、二郎さんにとって、このキャンピングカーは 「生活の一部」 を通り越して、 「身体の一部」 なのではないだろうか。

「ほかのクルマが欲しくなったとしても、多分これは残したまま、もう一台キャンピングカーを買うでしょうね」
これほどキャンピングカーを愛している人がいるだろうか。
キャンピングカーファンには、なんともまぶしく見えるタレントさんである。
高杉 ‘Jay’ 二郎 (DJ JIRO) 氏プロフィール
168㎝/62kg
特技 = 格闘技全般、調理師免許、英会話、ダイビング、スキーボード、焚き火、温泉ソムリエ、やまなし大使
趣味 = サバイバル旅行、海外放浪、温泉めぐり
上方落語の桂三枝に入門。テレビのレギュラー、映画の主演などを務める。
3年に渡る渡米生活中は、LAにてハリウッド映画の出演。アクションコーディネーターとしても活躍。日系FM局でDJなどを務める。
現在は、日本で唯一のアメリカ仕込みのX系スポーツDJを中心に、FMラジオDJとして活躍。ナレーター、俳優、声優もこなす。
伊丹市映画祭5周年記念映画 『下駄とジャズ』 主演 (平成3年) 。
NHKの土曜ドラマ 『米田家の行方』 主演 (平成6年) 。日本放送愛好者協会賞受賞。
テレビ東京のアニメ 「遊戯王デュエルモンスターズ」 のペガサス・J・クロフォードの声優。
テレビでは、J・sportsで、ボクシング中継、ドラッグレース、女子プロレスなどの実況。
ラジオでは、FM FUJI 「PUMU UP RADIO」 で毎週木曜日の夕方4時から8時までのDJ。
FM PORT 「げんこつRADIO SHOW」 で毎週土曜日 昼1時から5時半までDJ。
二郎さんのブログはこちらで → http://jay.laff.jp
高杉 ‘Jay’ 二郎さん。
レギュラー番組を受け持つテレビやナレーションでは、この 「高杉 ‘Jay’ 二郎」 という名で。ラジオでは 「DJ JIRO」 として親しまれている人だ。
記録的な猛暑が続いたこの夏の終わりに、ひょんなことで、二郎さんと知り合うことになった。

ラジオ、TV、スポーツ放送の実況現場など、仕事場がめまぐるしく変わっていくのがDJ稼業。
二郎さんのメインのお仕事はこのDJなのだが、現在その “仕事場” ともいえるエアストリーム170にたどりつくまでには、はたしてどんなドラマがあったのだろうか。
以下は、その高杉 ‘Jay’ 二郎さんが語ってくれた 「芸能的キャンピングカー人生秘話」 だ。
■ はじめて見たキャンピングカー
現在は、FMラジオ局で2本のレギュラー番組を抱え、TVではスポーツ番組の実況やスポーツDJとして活躍する二郎さん。
実は、上方落語の重鎮、桂三枝さんの弟子でもある。
高座に登る落語家というよりも、役者として三枝師匠の元に入門したというのが、二郎さんのその後の方向性を決めることとなった。テレビのレギュラー番組や、映画で主役を務めるような仕事が舞い込んでくるようになったからだ。
やがて、本格的に映画を勉強したいという夢が膨らみ始め、ハリウッドのあるロサンゼルスに単身渡る決意をする。
20代半ばの頃だったという。
しかし、LAに着いても、現地にツテもない日本の一青年にとっては、勉強を支えるための生活を維持することが難しく、最初は日本料理店でアルバイトをこなすことになった。
二郎さんの働きっぷりを見て気に入った日本人のシェフが、ある日、遊びに来いよと自宅に誘った。
何も考えずに行って、驚いた。
「自宅」 というのは、モーターホームだったのだ。
「あのときの驚きは忘れませんね。クルマそのものが家になっているという乗り物は、その日まで見たことがありませんでしたから」
と、二郎さん。
そのシェフに聞くと、
「俺たちは、いつ店との契約が切れるか分からない。だから家など持てないんだよ。そういうときに、こういうクルマが1台あると、とても便利なんだ」
という。
家を持たずにクルマで暮らすという発想も、生まれて初めて耳にする話だった。
二郎さんのキャンピングカーとの出合いは、カルチャーショックの中で始まった。

■ きっかけはハリソン・フォード
キャンピングカーに対する興味が不動のものとなったのは、ハリウッドスターとして有名なハリソン・フォードのトレーラーハウスを見てからだ。
といっても、ハリソン・フォードが所有する車両というわけではない。
ハリウッド映画の撮影現場では、主役級のスターを招いたときは、必ずエージェントがトレーラーハウスやモーターホームを用意し、そこをスターたちの更衣室や仮眠する休憩室に当てる。
そのハリソン・フォードが休憩しているトレーラーハウスに 二郎さんはおもむくことになった。
日本語を教えるティーチャーとして。
s▲ 『ブレードランナー』 に出演していた頃のハリソン・フォード
当時、二郎さんは、幼い頃から格闘技をやっていた経験を生かし、殺陣師としてアクションの振り付け指導をしたり、自らも出演するなど、映画の裏方として活動していた。
ちなみに、日系のFM局で、ラジオのDJとして認められるようになったのもこの頃。
そのように、何でもこなす日本人スタッフとしてハリウッド映画の周辺で活躍していた二郎さん。その多才ぶりが評価され、ハリソン・フォードの日本語教師を務めることにつながったのだが、その 「教室」 となった豪壮なトレーラーハウスには、二郎さんも 「度肝を抜かれた」 という。
「奥はプライベートゾーンなので見せてもらえなかったんですが、チラっと見ると、特大級のクィーンサイズのベッドがあり、10人前ぐらいの食材を10日間も蓄えられそうな巨大な冷蔵庫があり……。家具や調度も高級ホテルみたいでした。
まさに、ハリウッドの大スターに相応しい “夢の御殿” という印象でしたね」
■ “仕事” がキャンピングカーを求めるようになった
この 「驚き」 に満ちたキャンピングカー体験が、その後の二郎さんの人生の方向を決める。
「で、日本に帰ってから、さっそく自分に合いそうなキャンピングカーを探し始めたのです」
日本における二郎さんの仕事は、テレビ、ラジオなどのスポーツ実況の中継やアスリートたちを盛り上げるためのDJを中心に、多彩な広がりを見せていた。スノーボードやモーグル競技では、日本を代表する選手たちも認めるくらいの人気DJとして知られるようになった。
仕事が広がったのはいいが、地方への出張も増えた。
「東京で、スタジオの仕事を金曜の夜に終え、そのまま土曜日の朝から始まるスポーツの実況のために地方に向かう…なんていうことがしょっちゅう起こるようになったんです。
そうなると、もうホテルのチェックインなど意味がないですね。夜中の3時や4時に現地のホテルに入っても寝る時間すらない。
では、競技に参加する人たちはどうしているか? …というと、みんなゲレンデ横の駐車場で、 “車中泊” なんですね」
そのとき、二郎さんは、今まで以上に強烈にキャンピングカーを欲しいと思った。もちろん “旅行の道具” としても憧れていたが、それ以上に、生活拠点として必要に迫られることになった。
買う前にはいろいろなキャンピングカーショーを見学し、ディーラーにも顔をのぞかせた。
しかし、どうも “自分に合った1台” がなかなか見つからない。
そんなとき、現在のエアストリーム170にひょっこり出合った。

「エアストリームは、アメリカにいたときから憧れていましたからね。
しかしさすがに、日本ではあの大きなトレーラーを引くまでの勇気はなかったんです。
しかし、この自走式に出合って、もう見た瞬間に 『これだ!』 と思いましたね」
■ 持っているクルマはこれ1台だけ
手に入れたのは、2004年。
それを機に、それまで使っていたボルボのステーションワゴンを手放した。
だから、二郎さんには現在セカンドカーがない。
つまり、このエアスト170がファーストカーであり、同時にセカンドカーなのだ。
「とにかく、自分専用のクルマとして持っているのはこの1台だけ。これを手に入れたときに住んでいた町は、東京の世田谷だったんですよ。
道が狭い街でね。
最初の頃はあちこちにボディを擦りましたけれど、そのうち車両感覚が身について、どこに行くのも平気になりました。
もしかしたら、僕は、東京都内をいちばんキャンピングカーで動いている人間ではないかしら。
都内の山手線内で、あのクルマが止まれる高さと幅をクリアしている駐車場の情報に関しては、けっこう詳しいですよ。
だから、そういうパーキングがない場所で待ち合わせする場合は、隣の駅に止めて、そこから一駅だけ電車に乗るとかね」
愛車のサイズは、幅2.3m。長さ5.2m。
「普通の駐車スペースだとやはりちょっと前ツラが出るんですが、なんとか収まることが多いんです」
■ 奥さんも絶句したデカさ
最初はみな笑った、という。
「そんな馬鹿デカいクルマに乗ってきて、都会じゃ不便でしょ?」
奥さんとなった女性と、最初にデートしたときも、
「なに !? このクルマ…」
と一歩引いて絶句したとか。
確かに、都心の狭い駐車場に入れるときは苦労することもある。
しかし、仕事が終わると、そのまま遊びに行けるというのも、こういうクルマならではのメリットだ。
「僕の場合、遊びと仕事の境目がないんです。いま山梨県に住んでいるんですが、たとえば、北関東で仕事をしていて、その翌々日には東京の仕事が入っているとしますね。
その間に “空白の1日” ができてしまいます。
もうそんなときは、1日の大半を費やして山梨に帰るよりも日光などに見物に行っちゃうんです」

そうやってクルマの中で寝泊まりするのは、年間50泊以上。
時には、仕事で一緒になったスタッフやゲストと一緒に泊まることもある。
「DJという仕事柄、ミュージシャンの友達が多いんですよ。彼らのような音楽系アーチストは、けっこうレコーディングなどで行き詰まったりしてストレスを抱えていることが多いんです。
そうすると、たいていこのクルマに目を付けて、 『ジローさん、これでどこか行こうよ』 と声かけてくるんです」
■ ストレス解消にはもってこい
クルマの中にはキッチンがある。
凝った料理を作るわけではないが、海岸に面した駐車場などにクルマを止め、アーチスト仲間といっしょに食事を採り、ソファでくつろぐ。
「すると、みんな “こういう生活っていいなぁ!” というんですよ。ストレスが解消されて頭の中がクリエイティブになるんでしょうね。
“ちょっといいフレーズを思いついたからギターを弾くよ”
そんな感じで、車内がとつぜんスタジオになったりね (笑) 」
気密性の高いボディだから、外に音が漏れることもあまりない。
思いっきり “演奏できる場” になるそうだ。
だからミュージシャンの中には、二郎さんの車内で曲を作った人たちもいるという。
■ 常に同行する “仲間”
二郎さんには、奥さんが同行しない時でも、必ず連れ添う “仲間” がいる。
4歳の 「オーサ」 ちゃん。イタリアングレーハンドの女の子だ。

キャンピングカーは断熱加工されているので、室内温度の適正化が図りやすい。
今年の夏のような猛暑が続いた日でも、犬を車内に残して買い物やお風呂に行くのも安心だ。
「犬連れでキャンピングカー旅行すると、いろいろなつながりができるんですよ。サービスエリアなどで休んでいても、犬連れのユーザー同士は話がしやすいんです。
犬がきっかけとなって、おつき合いが始まった人たちもたくさんいます。友達の輪を広げるのなら、 “犬 + キャンピングカー” が一番です」
■ 2台目を買うとしてもキャンピングカー
「もうこのクルマを手放す気はないですね。だって生活の一部だから」
という二郎さん。
電源があるので、パソコンが使えるということも大きなメリットだという。
「僕は番組用の原稿も書くんですが、旅行しながらその原稿をどこにでも送れるというのもありがたいですね。
今までなら、自宅にいないときはネットカフェに行かなければなりませんでしたが、もうその必要がなくなりました」
二郎さんの “ひらめき” が、そのままクルマを通して、オフィスにまで直結する。
もしかしたら、二郎さんにとって、このキャンピングカーは 「生活の一部」 を通り越して、 「身体の一部」 なのではないだろうか。

「ほかのクルマが欲しくなったとしても、多分これは残したまま、もう一台キャンピングカーを買うでしょうね」
これほどキャンピングカーを愛している人がいるだろうか。
キャンピングカーファンには、なんともまぶしく見えるタレントさんである。
高杉 ‘Jay’ 二郎 (DJ JIRO) 氏プロフィール
168㎝/62kg
特技 = 格闘技全般、調理師免許、英会話、ダイビング、スキーボード、焚き火、温泉ソムリエ、やまなし大使
趣味 = サバイバル旅行、海外放浪、温泉めぐり
上方落語の桂三枝に入門。テレビのレギュラー、映画の主演などを務める。
3年に渡る渡米生活中は、LAにてハリウッド映画の出演。アクションコーディネーターとしても活躍。日系FM局でDJなどを務める。
現在は、日本で唯一のアメリカ仕込みのX系スポーツDJを中心に、FMラジオDJとして活躍。ナレーター、俳優、声優もこなす。
伊丹市映画祭5周年記念映画 『下駄とジャズ』 主演 (平成3年) 。
NHKの土曜ドラマ 『米田家の行方』 主演 (平成6年) 。日本放送愛好者協会賞受賞。
テレビ東京のアニメ 「遊戯王デュエルモンスターズ」 のペガサス・J・クロフォードの声優。
テレビでは、J・sportsで、ボクシング中継、ドラッグレース、女子プロレスなどの実況。
ラジオでは、FM FUJI 「PUMU UP RADIO」 で毎週木曜日の夕方4時から8時までのDJ。
FM PORT 「げんこつRADIO SHOW」 で毎週土曜日 昼1時から5時半までDJ。
二郎さんのブログはこちらで → http://jay.laff.jp
2010年07月15日
コルド・ランディ
キャンピングカービルダーの最大手であるバンテックから、今までのキャブコンの概念をちょっと変えるような斬新な提案を秘めた新型車がリリースされた。
それが 「コルド・ランディ」 。

とにかく画期的なクルマだ。
まず、このエントランスステップから上がったフロア (↓) を見ていただきたい。

FRP製のトレイがめいっぱい広がっていて、土足で上がっても、簡単に泥を拭いたり、洗い流したりできるようになっている。
バンテックのスタッフは、これを “土間” と呼ぶ。
確かに、土間ならば 「土足OK」 だ。靴を履いたまま車内の真ん中までドカドカ上がれるキャンピングカーというのは、画期的だ。
この “土間” は、その奥のトイレ&シャワー室と、親子ドアで仕切られながらもフロアは直結しており、フロアに溜まった水は、周りに掘られた溝を伝わってシャワー室のドレンから排水されるようになっている。
シャワー室と土間を合わせたトレイの広さは1875mm×1010mm。室内にこれだけ広い “水を流せる” スペースを確保したクルマというのは、まずない。
▼ シャワー室にはボディ右サイドへのアクセスドアもつく。

この “土間” の狙いは何なのか?
もちろん、広い意味でのアウトドアユースに適していることはすぐ理解できるだろう。
たとえば、海水浴キャンプなどのとき、塩水を浴びたまま戻ってきた子供にシャワーを使わせて着替えさせることもできるし、雪のついたスキーウェアのままとりあえず車内に入り、ここでスキーブーツやウエアを脱ぐことも可能。
もちろん豪雨のときも、外からそのまま車内に飛び込んで、この“土間”で、雨の滴る傘をたたむ…などということもできる。
だが、最大の狙いは 「大型犬との快適な旅行を楽しめるための工夫」 であるといえば、犬を飼っている人にはすぐに理解できるかもしれない。
散歩から帰ってきた犬の足やお腹をここで洗い、さっぱりさせた状態で車内に入れてあげる。
コルド・ランディは、大型犬との旅を意識したキャブコンでもあるのだ。
生活用水タンクの容量は73リットル (排水69リットル) 。
犬の身体を洗うには十分の容量が確保されるようになっている。
▼ キャンピングカーショー会場でもペット連れ見学者は増える一方

さて、コルド・ランディでは、 “土間” 以外のどんなところに、ペット同伴旅行を意識した工夫が凝らされているのか。
まだまだ、たくさんある。
たとえば、FFヒーターの吸気口 (↓) 。

犬の毛を吸い込んでも除去できるように、フィルターが取り付けられている。
家庭用のセパレート型ルームエアコンも標準装備。
トリプルサブバッテリー&1500wのインバーターという強力な電装システムが完備しているため、ちょっとの間ならエンジンを切った状態でもエアコンが支障なく使える。これなら、炎天下にペットを車内に残したまま買い物などに行くことも可能だ。

サブバッテリーやインバーターという電装システムが、すべて運転席・助手席の後ろに設定されているボックス内にきれいに整頓されているのも特徴のひとつ。
重量物をできるだけ前側に集中させ、前軸と後軸にかかる重量バランスを適正に保つだけでなく、3個のバッテリーを中央寄りに配置して、左右のバランスも適正化が図られている (↓) 。

電装ボックスの隣は、クローゼット (↓) 。
掃除機がしっかり入るスペースが採られているのも、このクローゼットの特徴だ。
電装ボックスが設けられたボディ左側の窓位置に注目 (↓) 。
窓の位置がけっこう低めだ。
これは、運転席からの左側後方視界の確保を狙ったもの。
斜め横に乗用車などがぴったり張り付いてしまった場合、キャブコンには一瞬の死角が生じることがある。この窓は左サイドに生じやすい死角を除去するのに効果的だ。

ペットの居場所もしっかり用意されている。
フロントセンターシートをたたんだところ (センターコンソール) がペットの指定席として用意され、そこには、やや固めのビニールレザー製ペット専用マット (オプション) が敷けるようになっている。
バンクベッド (↓) もユニークだ。
幅もあり、天井高も確保されているので、3名ぐらいの就寝スペースは楽に採れるだろうに、バンクベッドの就寝は2人だけ。基本的に 「夫婦2人&愛犬1~3頭」 というのが、このクルマのコンセプトだからだ。
そのため、バンクベッドもベッドスペースを左右に振り分けて 「2人就寝」 にとどめ、代わりに、中央部に隙間を作ることで、ウォークスルーが楽になることを狙っている。

ベッドとベッドの隙間を広く取ったのは、ウォークスルーの確保と同時に、バンクの奥に詰め込んだ寝具の取り扱いを楽にするという狙いがある。立ったままバンクの奥まで踏み込めるので、バンクの先端にしまったシュラフ、枕、毛布などを取り寄せるのも楽だ。
ちなみに、バンクベッドのサイズは、右側2050mm×760mm。左側は2020mm×640mm。どちらのベッドも就寝スペースとしての容量はたっぷりあるが、強いていえば、サイズ的に右側が男性用、左側が女性用ということになろうか。
サロン (↓) もいい雰囲気でまとまった。
新型コルド・バンクス以来、バンテックの内装カラーも新境地を見せるようになった。
クラシカルなヨーロッパ型木工家具のテイストは残しつつ、シート表皮やそのカラーリングには、モダンデザインのエッセンスを採り入れるようになった。
このランディも同社デザインの新しい流れを汲む1台。白いシート地と黒のシートマットのコントラストが鮮やか。

レイアウトとしては、L型シートを配し、テーブルを挟んで、キッチンユニットと向かい合うというスタイルだが、一本足テーブルの天板を回転させることによって、テーブルの奥に座った人の移動を自由にしている。
このL型シートをベッドメイクすると、長さ1860mm×幅1400mmのフロアベッド (左) ができあがる。
背もたれのひとつを使って、コの字ラウンジ (右) も。

リヤサロンの床は、ペットの爪痕などで傷がつかないように重歩行用のリノリューム仕上げ。
床下にはベバストヒーターのダクトが通っているのだが、そのダクトには穴が開けられており、床暖房効果も得られるように工夫されているという。床に腹をつけて休息するペットたちには、なんともありがたいシステムだ。
冷蔵庫と電子レンジはオプションとなるが、冷蔵庫を設定するスペースの下には、しっかりしたフタ付き電子レンジスペースも設けられている (↓) 。

外部収納 (↓) もなかなかの容量を誇る。
フロア下に回されたダクト類の配管などは、いっさい収納庫スペースと隔絶されているので、搭載した荷物が熱の影響を受けるということもない。

そのほかの外部収納として、ペットの排泄物や生ゴミなどを入れる専用の「外部ゴミ収納庫」も装備されている。
これまで発表されてきた 「キャンピングカー白書」 によれば、キャンピングカーユーザーのペット飼育率はいつも4割を超え、5割近い数値を示している。これは日本の一般的な世帯のペット飼育率の2倍に近い状況だ。
また、キャンピングカーの購入動機に 「ペットと一緒に旅行するため」 と答える人たちの率もかなり高い。
コルド・ランディは、そのようなユーザー志向にしっかり対応した初の本格的なペット仕様車ともいえるだろう。
このクルマを開発したバンテックは、キャブコンのラインナップ数では国産ビルダーの頂点に立ち、固定ファンに支えられた人気定番モデルも数多く擁している会社。コルド・ランディはそのような安定した同社の品揃えがあったればこそ生まれた提案型モデルともいえるが、案外、今後は同社のキャブコンラインナップの中軸を担う車種のひとつになっていくかもしれない。
なぜなら、市場はそのように動いているからだ。
【コルド・ランディ主要諸元】
ベース車 : トヨタ・カムロード
全長 : 4995mm
全幅 : 1980mm
全高 : 2960mm
乗車 : 6名
就寝 : 大人4名
【標準装備】
セパレート型ルームエアコン/トリプルバッテリー (91.6Ah×3) /強化走行充電システム/サイン波インバーター1500w/サブバッテリーモニター/AC充電器 (12V25Ah) /バッテリープロテクター/埋め込みDCコンセント/ACコンセント×3/LPG警報機/ステンレス製2口ガスコンロ/ステンレス製シンク/シャワー設備/FRP製大型シャワーパン (土間仕様) /生活用水タンク (73リットル) /清水タンク (19リットル) /FFヒーター (ベバスト) /大型クローゼット/カセットガス供給機/床材:リノリューム/シート生地:ビニールレザー/アクリル2重窓 (コンビロール内蔵) /大型ファン付きルーフベンチレーター/大型エントランスドア
【オプション】
サロンカーテン/カセットトイレ/オーニング/ACボイラー/DC冷蔵庫(60リットル)/電子レンジ/集中ドアロック/犬用シートマット (センターコンソール上)
お問い合わせは下記に
株式会社バンテック
電話 048-479-6236
HP http://www.vantech.jp/
それが 「コルド・ランディ」 。

とにかく画期的なクルマだ。
まず、このエントランスステップから上がったフロア (↓) を見ていただきたい。

FRP製のトレイがめいっぱい広がっていて、土足で上がっても、簡単に泥を拭いたり、洗い流したりできるようになっている。
バンテックのスタッフは、これを “土間” と呼ぶ。
確かに、土間ならば 「土足OK」 だ。靴を履いたまま車内の真ん中までドカドカ上がれるキャンピングカーというのは、画期的だ。
この “土間” は、その奥のトイレ&シャワー室と、親子ドアで仕切られながらもフロアは直結しており、フロアに溜まった水は、周りに掘られた溝を伝わってシャワー室のドレンから排水されるようになっている。
シャワー室と土間を合わせたトレイの広さは1875mm×1010mm。室内にこれだけ広い “水を流せる” スペースを確保したクルマというのは、まずない。
▼ シャワー室にはボディ右サイドへのアクセスドアもつく。

この “土間” の狙いは何なのか?
もちろん、広い意味でのアウトドアユースに適していることはすぐ理解できるだろう。
たとえば、海水浴キャンプなどのとき、塩水を浴びたまま戻ってきた子供にシャワーを使わせて着替えさせることもできるし、雪のついたスキーウェアのままとりあえず車内に入り、ここでスキーブーツやウエアを脱ぐことも可能。
もちろん豪雨のときも、外からそのまま車内に飛び込んで、この“土間”で、雨の滴る傘をたたむ…などということもできる。
だが、最大の狙いは 「大型犬との快適な旅行を楽しめるための工夫」 であるといえば、犬を飼っている人にはすぐに理解できるかもしれない。
散歩から帰ってきた犬の足やお腹をここで洗い、さっぱりさせた状態で車内に入れてあげる。
コルド・ランディは、大型犬との旅を意識したキャブコンでもあるのだ。
生活用水タンクの容量は73リットル (排水69リットル) 。
犬の身体を洗うには十分の容量が確保されるようになっている。
▼ キャンピングカーショー会場でもペット連れ見学者は増える一方

さて、コルド・ランディでは、 “土間” 以外のどんなところに、ペット同伴旅行を意識した工夫が凝らされているのか。
まだまだ、たくさんある。
たとえば、FFヒーターの吸気口 (↓) 。

犬の毛を吸い込んでも除去できるように、フィルターが取り付けられている。
家庭用のセパレート型ルームエアコンも標準装備。
トリプルサブバッテリー&1500wのインバーターという強力な電装システムが完備しているため、ちょっとの間ならエンジンを切った状態でもエアコンが支障なく使える。これなら、炎天下にペットを車内に残したまま買い物などに行くことも可能だ。
サブバッテリーやインバーターという電装システムが、すべて運転席・助手席の後ろに設定されているボックス内にきれいに整頓されているのも特徴のひとつ。
重量物をできるだけ前側に集中させ、前軸と後軸にかかる重量バランスを適正に保つだけでなく、3個のバッテリーを中央寄りに配置して、左右のバランスも適正化が図られている (↓) 。

電装ボックスの隣は、クローゼット (↓) 。
掃除機がしっかり入るスペースが採られているのも、このクローゼットの特徴だ。
電装ボックスが設けられたボディ左側の窓位置に注目 (↓) 。
窓の位置がけっこう低めだ。
これは、運転席からの左側後方視界の確保を狙ったもの。
斜め横に乗用車などがぴったり張り付いてしまった場合、キャブコンには一瞬の死角が生じることがある。この窓は左サイドに生じやすい死角を除去するのに効果的だ。

ペットの居場所もしっかり用意されている。
フロントセンターシートをたたんだところ (センターコンソール) がペットの指定席として用意され、そこには、やや固めのビニールレザー製ペット専用マット (オプション) が敷けるようになっている。
バンクベッド (↓) もユニークだ。
幅もあり、天井高も確保されているので、3名ぐらいの就寝スペースは楽に採れるだろうに、バンクベッドの就寝は2人だけ。基本的に 「夫婦2人&愛犬1~3頭」 というのが、このクルマのコンセプトだからだ。
そのため、バンクベッドもベッドスペースを左右に振り分けて 「2人就寝」 にとどめ、代わりに、中央部に隙間を作ることで、ウォークスルーが楽になることを狙っている。

ベッドとベッドの隙間を広く取ったのは、ウォークスルーの確保と同時に、バンクの奥に詰め込んだ寝具の取り扱いを楽にするという狙いがある。立ったままバンクの奥まで踏み込めるので、バンクの先端にしまったシュラフ、枕、毛布などを取り寄せるのも楽だ。
ちなみに、バンクベッドのサイズは、右側2050mm×760mm。左側は2020mm×640mm。どちらのベッドも就寝スペースとしての容量はたっぷりあるが、強いていえば、サイズ的に右側が男性用、左側が女性用ということになろうか。
サロン (↓) もいい雰囲気でまとまった。
新型コルド・バンクス以来、バンテックの内装カラーも新境地を見せるようになった。
クラシカルなヨーロッパ型木工家具のテイストは残しつつ、シート表皮やそのカラーリングには、モダンデザインのエッセンスを採り入れるようになった。
このランディも同社デザインの新しい流れを汲む1台。白いシート地と黒のシートマットのコントラストが鮮やか。

レイアウトとしては、L型シートを配し、テーブルを挟んで、キッチンユニットと向かい合うというスタイルだが、一本足テーブルの天板を回転させることによって、テーブルの奥に座った人の移動を自由にしている。
このL型シートをベッドメイクすると、長さ1860mm×幅1400mmのフロアベッド (左) ができあがる。
背もたれのひとつを使って、コの字ラウンジ (右) も。
リヤサロンの床は、ペットの爪痕などで傷がつかないように重歩行用のリノリューム仕上げ。
床下にはベバストヒーターのダクトが通っているのだが、そのダクトには穴が開けられており、床暖房効果も得られるように工夫されているという。床に腹をつけて休息するペットたちには、なんともありがたいシステムだ。
冷蔵庫と電子レンジはオプションとなるが、冷蔵庫を設定するスペースの下には、しっかりしたフタ付き電子レンジスペースも設けられている (↓) 。

外部収納 (↓) もなかなかの容量を誇る。
フロア下に回されたダクト類の配管などは、いっさい収納庫スペースと隔絶されているので、搭載した荷物が熱の影響を受けるということもない。

そのほかの外部収納として、ペットの排泄物や生ゴミなどを入れる専用の「外部ゴミ収納庫」も装備されている。
これまで発表されてきた 「キャンピングカー白書」 によれば、キャンピングカーユーザーのペット飼育率はいつも4割を超え、5割近い数値を示している。これは日本の一般的な世帯のペット飼育率の2倍に近い状況だ。
また、キャンピングカーの購入動機に 「ペットと一緒に旅行するため」 と答える人たちの率もかなり高い。
コルド・ランディは、そのようなユーザー志向にしっかり対応した初の本格的なペット仕様車ともいえるだろう。
このクルマを開発したバンテックは、キャブコンのラインナップ数では国産ビルダーの頂点に立ち、固定ファンに支えられた人気定番モデルも数多く擁している会社。コルド・ランディはそのような安定した同社の品揃えがあったればこそ生まれた提案型モデルともいえるが、案外、今後は同社のキャブコンラインナップの中軸を担う車種のひとつになっていくかもしれない。
なぜなら、市場はそのように動いているからだ。
【コルド・ランディ主要諸元】
ベース車 : トヨタ・カムロード
全長 : 4995mm
全幅 : 1980mm
全高 : 2960mm
乗車 : 6名
就寝 : 大人4名
【標準装備】
セパレート型ルームエアコン/トリプルバッテリー (91.6Ah×3) /強化走行充電システム/サイン波インバーター1500w/サブバッテリーモニター/AC充電器 (12V25Ah) /バッテリープロテクター/埋め込みDCコンセント/ACコンセント×3/LPG警報機/ステンレス製2口ガスコンロ/ステンレス製シンク/シャワー設備/FRP製大型シャワーパン (土間仕様) /生活用水タンク (73リットル) /清水タンク (19リットル) /FFヒーター (ベバスト) /大型クローゼット/カセットガス供給機/床材:リノリューム/シート生地:ビニールレザー/アクリル2重窓 (コンビロール内蔵) /大型ファン付きルーフベンチレーター/大型エントランスドア
【オプション】
サロンカーテン/カセットトイレ/オーニング/ACボイラー/DC冷蔵庫(60リットル)/電子レンジ/集中ドアロック/犬用シートマット (センターコンソール上)
お問い合わせは下記に
株式会社バンテック
電話 048-479-6236
HP http://www.vantech.jp/
2010年03月23日
RV購入日記 04
(前回 からの続き)
○月○日
ギャラクシーの納車が7月の19日に決まった。
自動車保険の契約を結ぶために、日頃つき合いのある保険会社の担当者と連絡を取る。
納車当日に、すぐに運転したいんだけど…と話すと、
「それでは、私がショップに同行して、その場で登録が終わったばかりの車検証を見ながら保険契約をしましょう」
ということになった。
○月○日
いよいよギャラクシー納車の日。
10時に保険会社の人が自宅に来訪。
納車日にさっそくギャラクシーを撮影するため、撮影用の椅子テーブル、パラソル、ツーバーナー、ランタン、外部電源のための延長コードなどを彼の乗用車に積んで、国立グローバルに向かう。
納車したてのギャラクシーをさっそく田代氏の知っている秋川の川原に持ち込んで、説明を受けながら撮影しようというわけだ。
約束の11時にグローバル国立営業所に着くと、田代さんはちょうど立川の陸事に登録に行っていて、留守だった。

▲ 旧国立営業所
田代氏を待ちながら、保険会社の人と雑談していると、やがて、ドロドロドロというディーゼルエンジンの音を立てながら、田代氏の運転するまっ白のギャラクシーⅢが登場。
ご対面である。
ナンバーが付いた私のギャラクシー。
ナンバーがいい。
多摩88の177。
ラッキーセブンが二つ。
「いいナンバーでしょ」
登録を終えてきた田代さんもホッとした表情。
4とか9が続く縁起の悪いナンバーで、お客さんが機嫌を損ねたりすることも多いのかもしれない。
保険会社の担当者も興味をもって近づいてきて、二人で来たばかりのギャラクシーをじっくり眺める。
キャンパーの中では抜群にフィニッシュがきれいだと思った車種だったが、なんとなくドアや窓の立て付けが荒く、フィニッシュが雑な印象を受ける。
やはり乗用車とは違った乗り物だということが分かる。
トレーラーハウスの中で、しばらく3人で歓談する。今日は私の納車だけだが、明日は三つも集中しているという。
明日は大安なのだそうだ。
「縁起を担ぐ人はけっこういるんですか?」 と聞くと、
「かなり多いですよ」 という話。
日を選ぶだけでなく、時間や方位まで指定してくる客もいるとか。
「午前中に納車しろと言われて、あせって12時10分前に大汗で飛び込んだこともありました」 という。
けっこう苦労しているみたいだ。私などは楽な客だっただろう。
ちなみに 「今日は何の日ですか?」 と聞くと、
「今日はいい日です。あまり気にしない方がいいです」
と、田代さんがいう。
縁起の悪い日ですと言っているようなものだ。
後で調べると仏滅だった。
どうりで田代氏が、 「今日は忙しくないので、ゆっくり撮影につき合えますよ」 と言ったわけだ。
保険の担当者が帰って、ギャラクシーの使い方の説明を田代氏から受ける。
鍵だけでスペアと合わせると19個!
常時使うキーだけでも七つだ。
イグニッションキー、エントランスドアのキー、LPボンベの蓋のキー、カセットトイレの取り出し口のキー、外部シャワーキー、ジェネレーターのキー、ルーフボックスのキー、シティウォーター、ボイラー……
わぁ、もう気が狂いそうだ。
「後は川原に行って、使い方を説明しましょう」 ということになり、ギャラクシーに乗り込む。
メリメリメリというディーゼルのエンジン音より、心臓の鼓動の方が激しくなる。
なんでも初体験というのは緊張するものだが、近年これほど緊張した一瞬もなかった。
ボディはデカい。
後ろは見えない。
横は張り出している。
屋根は高い。
今まで乗ったことのない乗り物である。
スペースシャトルを操縦しろと言われた方がまだましだった。 「冗談だろ」 の一言ですむからだ。
とにかく自分のクルマを持ってうれしいという実感よりも、怖いという実感の方が強く、早くも逃げ出したかった。
「その緊張感が新鮮でいいんですよ」
隣で田代氏がニヤニヤ。
えいままよ! …で、甲州街道に乗り出す。
グラっとカーブを曲がり、ユラユラっと走り出す感じ。
シューンと走り出す乗用車と違って、自分の操作で動いているという実感がない。
が、不思議なものだ。
100mぐらい走っただけで慣れてしまった。
意外だったのは、最大の懸念だった横幅の恐怖。
これが乗用車に乗っているときより希薄なことであった。
ベース車のハイラックスのボンネットが、意外にも狭いということもあるかもしれない。
あるいは、車高が高いので視界がいいということもあるのかも。
前に進む分には、2m10という横幅がほとんどプレッシャーにならない。
結局、道を狭く感じるかどうかというのは、クルマの横幅の問題ではなく、前方視界の問題なのだ。
前に伸びるボンネットがはっきり視野に収まっている限り、左右の見極めは楽なのである。
「サイドミラーがぶつからないかぎり、ボディがぶつかることはありません。サイドミラーを猫のヒゲと思ってください」
と、田代さん。
大型トラックのように前後二段に別れた大型サイドミラーが実に頼もしい。(今はこんなミラーないけどね)

このサイドミラーは、上が凸面鏡で、下が平面鏡になっている。
慣れないとどう使っていいか分からないが、後方から来るクルマの確認は上のミラー。下のミラーは幅寄せのときに使う…と割り切れば、実に便利だ。
「やはり、重いとか走らないとかいう実感はあります?」
田代さんが尋ねる。
「いえ、よく走りますよ」
本当である。
乾燥重量2700キログラム。ジェネレーターを積んで水タンクなどを満タンにすれば3トンになるという代物だ。
それを引っ張るエンジンはわずか、91馬力。
にもかかわらず、乗用車と同じ速度で甲州街道を走っていく乗り物を 「遅い」 というわけにはいかない。
トラックのギヤ比なので、とにかくロー、セカンドのトルクが太い。一速で引っ張っても、メリメリメリと気持ち良く伸びていく。
問題の後方視界。
やっぱりバックアイモニターというのは大したものだ。
本来はリバースに入れると作動する性質のものらしいが、切り換えスイッチで 「手動」 を選んでおけば常時後方が見える。ルームミラーの代用になる。
正確な距離感はつかめないが、とにかく、後ろにクルマがいるかいないかが見えることで安心感が違う。
総じて、予想していたほどには運転が難しいということはなかった。
ただ、最後までどう処理していいのか分からなかったのが、リヤのオーバーハングの扱い。
田代氏によると、左にぎりぎりに寄せた状態から急にハンドルを右に切って発進すると、必ず左のリヤを擦るという。
「僕なんか、自転車を10台ぐらいバラバラとなぎ倒したことがありましたよ」
田代氏が “自慢話” のように語る。
人間を10人なぎ倒したらどうする気だろう。
…とか話しているうちに秋川の川原についた。
メインストリートからチョコっと脇に入っただけなのに、不思議、渓谷のムードがある。なかなか雰囲気がいい。
ウィークデイだというのに、テントを張ったりしているグループもいる。
二筋の川がある。
「手前の川を渡って、その先の中州にいきましょう」
と、田代氏。
ギャラクシーの4駆の醍醐味を味わってください…という趣向らしい。

車外にいったん降り、前輪のフリーホイールハブをロックにして、再び運転席に乗り込んで4駆にシフトする。
ドドドドドっと川渡り。
「この川は浅いことが分かっているから大丈夫ですが、川を渡る場合は一応事前に深さを確かめてください」
と、田代氏がアドバイスをくれる。
中州に行き着くと、さすがに普通の乗用車はいない。止まっているのはみな4駆。
この時代、世間では大4WDブームだったのだ。
そういうクルマが、都心を少し離れた川原などにたくさん集まっていた。
いま思うと、そんな時代があったのか…とすら思う。
このようなクルマが入れる川原というものが、現在の東京郊外にはもうない。
この川原も、私がギャラクシーを手に入れて2年か3年後には立ち入り禁止となる。
しかし、このときは、川原に乗り入れた4WD車を堂々と撮影することができたのだ。
撮影の背景を考えながら、ギャラクシーをセットする。
まず全景。
次に真横、真後ろと角度を変えて、外装写真をおさえる。
これがちゃっかり、当時出していた 『RVニュース』 の記事になるわけだ。
それからオーニングを出して、テーブル、ランタンなどをセットしてイメージフォトも撮る。
そして、いよいよ田代さんの説明を聞きながら、各機能の具体的な扱い方の撮影に入る。
この日の田代氏は、黒のTシャツに白いパンツ。洒落たキャップ。モデルを意識したスタイルだ。

▲ 当時の田代氏
LPガスタンクの脱着と使い方。
ボイラーの点火方法。
ガスコンロの着火法。
3ウェイ冷蔵庫の扱い方。
ヒーターの使い方。
トイレの処理方法。
ジェネレーター…エアコン…排水…オーニングの収納…
やれやれ。とてもじゃないが覚えきれない。
駄目だ…と、ため息をつきたくなったときに、私の会社から応援部隊 (野次馬) が到着した。
当時 『キャンパーニュース』 の編集部に在籍していた堺君だった。今日が納車と聞いて、見物かたがた撮影の手伝いに来てくれたわけだ。
中央高速を飛ばして遠路はるばる東京を横断してきたというのだから、よっぽど会社を脱出したかったのかもしれない。

▲ 田代氏 (左) と堺氏 (右)
堺氏が来たときにちょうど雨。
降り止むまで、給油ついでにお茶を飲みに出る。
ファミレス 「スカイラーク」 の駐車場になんとかクルマを収めて、3人でお茶を飲みながら雑談。
窓の向こうに城のようなギャラクシーがそそり立っている。
自分ながら、よく駐車場に入れたと思う。
「ギャラクシーにオプション設定されているエアバックってのは、どんな機能なんですかね」
「バンコンとコーチビルド (キャブコン) は、どちらが人気なんでしょう?」
「これぐらいのクルマをポンとキャッシュで買っちゃうお客さんもいるんですかね」
そんなことを、堺君と2人して田代さんに尋ねていると、いつまでたっても自分のクルマという実感がわかない。
グローバルのデモカーを取材で試乗しているという気分だ。
雨が止んだので、川原に戻って撮影の続きをする。
撮影が一段落したとき、淡い夕陽が顔を出して川原の向こうに沈もうとしているのが見えた。
周囲がかすかにガスって、ギャラクシーを柔らかな光に包む。
ようやく、自分のクルマを眺めている気分に浸る。

撮影を終え、会社の上司に電話を入れると、
「おーい、会社まで乗ってこんか? みんなが見たいと待っとるぞ」 という。
電話なのだから 「おーい」 などと呼ばなくても十分聞こえるのだが、上司にとっては立川・国立はとんでもない僻地なのか、おーいと声かけたくなるような気分だったのかもしれない。
「分かりました。会社まで戻ります」
そのまま家に帰ろうと思ったが、結局家を通りこして、わざわざ会社まで行くことになってしまった。
国立インターから首都高に乗る。
もちろん初めての高速道路だ。路面は雨。
夜になってバックアイも効かない。
80kmになると、もう怖い。
しかも、ワダチが深くエグられているような所に乗ると、ハンドルがフラフラと左右に取られる。
「わぁ、キャンピングカーって怖いもんだ!」
と実感する。
田代さんが 「前後のタイヤでトレッドが違うので、ワダチにハマると左右に振られます」 と言っていたのを思い出す。
首都高の “新宿タイトコーナー” が迫る。
ワワワ…怖い!
思わずコーナーの真ん中でブレーキを踏む。
20年前、免許取ったばかりのとき、やはりこのコーナーで青ざめたことを思い出す。
制限速度が60km。そこを40㎞ぐらいでやっとこさクリア。
このクルマに比べると、いま乗っているキャンピングカーは別の乗物のように楽。
まあ、 “慣れ” というものも大きいだろうと思う。
なにしろ、この時は、生まれてはじめてのキャンピングカー。
横幅2mを超える乗物で、あの狭い首都高を走ったのもはじめて。
あお息吐息で会社までたどり着く。
雨も止んで、社長をはじめ、キャンパーニュースの編集部の面々がぞろぞろ見物に出てくる。
「すごいなぁ」
「でっかいなぁ」
口々に言うことは同じ。
しばらくして、トヨタ自動車のPR誌を編集しているグループまで降りてきて見物。
「すごいなぁ」
「でっかいなぁ」
もともと “モノ” を自慢するという性格ではないので、あまり 「すごいなぁ」 を連発されると、かえって気が引けてしまう。
お披露目を終えて、帰途につく。
帰りは、環六から20号、井の頭通りというコース。
少しずつ運転の恐怖感は衰え、なんとか車体の大きさにも慣れてくる。
が、家が近づくにつれ、突然言いようのない恐怖感がつきあげてきた。
あの狭い “大黒寿司クランク” を曲がれるだろうか?
駐車場の角に禍々しく張り出しているブロック塀に当てることなく、バックでスロープを登りきれるだろうか?
そう思うと、本当に、脂汗が額からにじみ出してきた。
速度を落として、まず慎重に大黒寿司クランクを曲がる。
オタオタしているところを、あまり近所の人に見られたくないという心理があるから、よけい気ばかり焦るのだが、そういうときに限って、ディーゼルエンジンはメリメリと元気よく吼えまくる。
大黒クランクは曲がった。
駐車場はすぐそこだ。
静かに静かに…。自分にそう言い聞かす。
メリメリメリ。
しかし、エンジンの唸りが実際の10倍ぐらいに感じられる。
さぁ、ここで止まって、ギヤをリバースに入れ、いよいよバックで急坂を登らなければならない…。
メリメリメリ。
あぁ、やっぱり後ろがまったく見えない。
降りる。
後ろを自分の目で確かめる。
クルマがとんでもない角度になっている。運転席に戻って修正する。
メリメリメリ。
ぎゃ! まったく違う方向に尻が向いてしまった。
また降りる。
どういう角度がいいのか分からない。
メリメリメリ。
これじゃ駄目だ。また修正…。
いや、今度はノーズが桜井さんの家の壁に当たる。どうしよう…。額には文字どおりの冷や汗。
メリメリメリ。
泣きたくなってしまう。
「町田さん、ダメダメダメ。もっと左の壁に寄せて!」
突然、聞き慣れたダミ声。
見ると、隣りに住んでいる森田の旦那さんがタンクトップ…じゃなくランニングという表現が適切なシャツ一枚に、ステテコ姿で家から飛び出して来た。
「もっと思い切って左に寄せて、そこで切る。
はいオーライ。
おっと右のフロントが危ないぞ。ハンドル小さく。ほらそこだ。
おっとこっちだ、ほら向こう…」
お祭のようなにぎやかさだ。
森田さんの誘導で、やっと事なきを得る。
「ありがとうございます」
冷や汗をぬぐう。
本当にこの誘導がなければ、あと1~2時間は 「メリメリメリ…」 が近所に轟いていただろう。
「いやぁ、ついに来ましたな」
森田さんの目が輝いている。
その隣には、いつの間にか森田さんの奥さん。
奥さんが言う。
「うちの主人ったら、まだキャンピングカーは来ないのか? まだキャンピングカーは来ないのか?…と毎晩そればっかり言っているのよ。自分のクルマでもないくせして」
「ちょっと中を見せてください」
さっそく旦那がリヤドアから上がり込んでくる。
「おぉ、これはすごい!」
森田旦那の目がぐるぐると車内のあちこちを飛び回る。
その間に、森田さんの奥さんがウチのカミさんを呼びにいって、さっそく2家族合同の試乗会となった。
といっても、近所をグルっと回っただけ。
「キッチン、冷蔵庫、トイレ、シャワー、それにベッドもついて500万円ですか? こりゃ安いわ」
と、商売に明るい森田夫妻はすばやく計算する。
「よし、これで今度いっしょにキャンプに行きましょう」
と、お互いに誘い合って、その夜は解散。
その後、嫌がるカミさんを無理やり近所の寿司屋まで誘い出し、3時まで飲む。
酒でも飲まなければ寝られないくらい、運転に疲れた夜だった。
(続く)
(第一回)
○月○日
ギャラクシーの納車が7月の19日に決まった。
自動車保険の契約を結ぶために、日頃つき合いのある保険会社の担当者と連絡を取る。
納車当日に、すぐに運転したいんだけど…と話すと、
「それでは、私がショップに同行して、その場で登録が終わったばかりの車検証を見ながら保険契約をしましょう」
ということになった。
○月○日
いよいよギャラクシー納車の日。
10時に保険会社の人が自宅に来訪。
納車日にさっそくギャラクシーを撮影するため、撮影用の椅子テーブル、パラソル、ツーバーナー、ランタン、外部電源のための延長コードなどを彼の乗用車に積んで、国立グローバルに向かう。
納車したてのギャラクシーをさっそく田代氏の知っている秋川の川原に持ち込んで、説明を受けながら撮影しようというわけだ。
約束の11時にグローバル国立営業所に着くと、田代さんはちょうど立川の陸事に登録に行っていて、留守だった。

▲ 旧国立営業所
田代氏を待ちながら、保険会社の人と雑談していると、やがて、ドロドロドロというディーゼルエンジンの音を立てながら、田代氏の運転するまっ白のギャラクシーⅢが登場。
ご対面である。
ナンバーが付いた私のギャラクシー。
ナンバーがいい。
多摩88の177。
ラッキーセブンが二つ。
「いいナンバーでしょ」
登録を終えてきた田代さんもホッとした表情。
4とか9が続く縁起の悪いナンバーで、お客さんが機嫌を損ねたりすることも多いのかもしれない。
保険会社の担当者も興味をもって近づいてきて、二人で来たばかりのギャラクシーをじっくり眺める。
キャンパーの中では抜群にフィニッシュがきれいだと思った車種だったが、なんとなくドアや窓の立て付けが荒く、フィニッシュが雑な印象を受ける。
やはり乗用車とは違った乗り物だということが分かる。
トレーラーハウスの中で、しばらく3人で歓談する。今日は私の納車だけだが、明日は三つも集中しているという。
明日は大安なのだそうだ。
「縁起を担ぐ人はけっこういるんですか?」 と聞くと、
「かなり多いですよ」 という話。
日を選ぶだけでなく、時間や方位まで指定してくる客もいるとか。
「午前中に納車しろと言われて、あせって12時10分前に大汗で飛び込んだこともありました」 という。
けっこう苦労しているみたいだ。私などは楽な客だっただろう。
ちなみに 「今日は何の日ですか?」 と聞くと、
「今日はいい日です。あまり気にしない方がいいです」
と、田代さんがいう。
縁起の悪い日ですと言っているようなものだ。
後で調べると仏滅だった。
どうりで田代氏が、 「今日は忙しくないので、ゆっくり撮影につき合えますよ」 と言ったわけだ。
保険の担当者が帰って、ギャラクシーの使い方の説明を田代氏から受ける。
鍵だけでスペアと合わせると19個!
常時使うキーだけでも七つだ。
イグニッションキー、エントランスドアのキー、LPボンベの蓋のキー、カセットトイレの取り出し口のキー、外部シャワーキー、ジェネレーターのキー、ルーフボックスのキー、シティウォーター、ボイラー……
わぁ、もう気が狂いそうだ。
「後は川原に行って、使い方を説明しましょう」 ということになり、ギャラクシーに乗り込む。
メリメリメリというディーゼルのエンジン音より、心臓の鼓動の方が激しくなる。
なんでも初体験というのは緊張するものだが、近年これほど緊張した一瞬もなかった。
ボディはデカい。
後ろは見えない。
横は張り出している。
屋根は高い。
今まで乗ったことのない乗り物である。
スペースシャトルを操縦しろと言われた方がまだましだった。 「冗談だろ」 の一言ですむからだ。
とにかく自分のクルマを持ってうれしいという実感よりも、怖いという実感の方が強く、早くも逃げ出したかった。
「その緊張感が新鮮でいいんですよ」
隣で田代氏がニヤニヤ。
えいままよ! …で、甲州街道に乗り出す。
グラっとカーブを曲がり、ユラユラっと走り出す感じ。
シューンと走り出す乗用車と違って、自分の操作で動いているという実感がない。
が、不思議なものだ。
100mぐらい走っただけで慣れてしまった。
意外だったのは、最大の懸念だった横幅の恐怖。
これが乗用車に乗っているときより希薄なことであった。
ベース車のハイラックスのボンネットが、意外にも狭いということもあるかもしれない。
あるいは、車高が高いので視界がいいということもあるのかも。
前に進む分には、2m10という横幅がほとんどプレッシャーにならない。
結局、道を狭く感じるかどうかというのは、クルマの横幅の問題ではなく、前方視界の問題なのだ。
前に伸びるボンネットがはっきり視野に収まっている限り、左右の見極めは楽なのである。
「サイドミラーがぶつからないかぎり、ボディがぶつかることはありません。サイドミラーを猫のヒゲと思ってください」
と、田代さん。
大型トラックのように前後二段に別れた大型サイドミラーが実に頼もしい。(今はこんなミラーないけどね)
このサイドミラーは、上が凸面鏡で、下が平面鏡になっている。
慣れないとどう使っていいか分からないが、後方から来るクルマの確認は上のミラー。下のミラーは幅寄せのときに使う…と割り切れば、実に便利だ。
「やはり、重いとか走らないとかいう実感はあります?」
田代さんが尋ねる。
「いえ、よく走りますよ」
本当である。
乾燥重量2700キログラム。ジェネレーターを積んで水タンクなどを満タンにすれば3トンになるという代物だ。
それを引っ張るエンジンはわずか、91馬力。
にもかかわらず、乗用車と同じ速度で甲州街道を走っていく乗り物を 「遅い」 というわけにはいかない。
トラックのギヤ比なので、とにかくロー、セカンドのトルクが太い。一速で引っ張っても、メリメリメリと気持ち良く伸びていく。
問題の後方視界。
やっぱりバックアイモニターというのは大したものだ。
本来はリバースに入れると作動する性質のものらしいが、切り換えスイッチで 「手動」 を選んでおけば常時後方が見える。ルームミラーの代用になる。
正確な距離感はつかめないが、とにかく、後ろにクルマがいるかいないかが見えることで安心感が違う。
総じて、予想していたほどには運転が難しいということはなかった。
ただ、最後までどう処理していいのか分からなかったのが、リヤのオーバーハングの扱い。
田代氏によると、左にぎりぎりに寄せた状態から急にハンドルを右に切って発進すると、必ず左のリヤを擦るという。
「僕なんか、自転車を10台ぐらいバラバラとなぎ倒したことがありましたよ」
田代氏が “自慢話” のように語る。
人間を10人なぎ倒したらどうする気だろう。
…とか話しているうちに秋川の川原についた。
メインストリートからチョコっと脇に入っただけなのに、不思議、渓谷のムードがある。なかなか雰囲気がいい。
ウィークデイだというのに、テントを張ったりしているグループもいる。
二筋の川がある。
「手前の川を渡って、その先の中州にいきましょう」
と、田代氏。
ギャラクシーの4駆の醍醐味を味わってください…という趣向らしい。
車外にいったん降り、前輪のフリーホイールハブをロックにして、再び運転席に乗り込んで4駆にシフトする。
ドドドドドっと川渡り。
「この川は浅いことが分かっているから大丈夫ですが、川を渡る場合は一応事前に深さを確かめてください」
と、田代氏がアドバイスをくれる。
中州に行き着くと、さすがに普通の乗用車はいない。止まっているのはみな4駆。
この時代、世間では大4WDブームだったのだ。
そういうクルマが、都心を少し離れた川原などにたくさん集まっていた。
いま思うと、そんな時代があったのか…とすら思う。
このようなクルマが入れる川原というものが、現在の東京郊外にはもうない。
この川原も、私がギャラクシーを手に入れて2年か3年後には立ち入り禁止となる。
しかし、このときは、川原に乗り入れた4WD車を堂々と撮影することができたのだ。
撮影の背景を考えながら、ギャラクシーをセットする。
まず全景。
次に真横、真後ろと角度を変えて、外装写真をおさえる。
これがちゃっかり、当時出していた 『RVニュース』 の記事になるわけだ。
それからオーニングを出して、テーブル、ランタンなどをセットしてイメージフォトも撮る。
そして、いよいよ田代さんの説明を聞きながら、各機能の具体的な扱い方の撮影に入る。
この日の田代氏は、黒のTシャツに白いパンツ。洒落たキャップ。モデルを意識したスタイルだ。
▲ 当時の田代氏
LPガスタンクの脱着と使い方。
ボイラーの点火方法。
ガスコンロの着火法。
3ウェイ冷蔵庫の扱い方。
ヒーターの使い方。
トイレの処理方法。
ジェネレーター…エアコン…排水…オーニングの収納…
やれやれ。とてもじゃないが覚えきれない。
駄目だ…と、ため息をつきたくなったときに、私の会社から応援部隊 (野次馬) が到着した。
当時 『キャンパーニュース』 の編集部に在籍していた堺君だった。今日が納車と聞いて、見物かたがた撮影の手伝いに来てくれたわけだ。
中央高速を飛ばして遠路はるばる東京を横断してきたというのだから、よっぽど会社を脱出したかったのかもしれない。
▲ 田代氏 (左) と堺氏 (右)
堺氏が来たときにちょうど雨。
降り止むまで、給油ついでにお茶を飲みに出る。
ファミレス 「スカイラーク」 の駐車場になんとかクルマを収めて、3人でお茶を飲みながら雑談。
窓の向こうに城のようなギャラクシーがそそり立っている。
自分ながら、よく駐車場に入れたと思う。
「ギャラクシーにオプション設定されているエアバックってのは、どんな機能なんですかね」
「バンコンとコーチビルド (キャブコン) は、どちらが人気なんでしょう?」
「これぐらいのクルマをポンとキャッシュで買っちゃうお客さんもいるんですかね」
そんなことを、堺君と2人して田代さんに尋ねていると、いつまでたっても自分のクルマという実感がわかない。
グローバルのデモカーを取材で試乗しているという気分だ。
雨が止んだので、川原に戻って撮影の続きをする。
撮影が一段落したとき、淡い夕陽が顔を出して川原の向こうに沈もうとしているのが見えた。
周囲がかすかにガスって、ギャラクシーを柔らかな光に包む。
ようやく、自分のクルマを眺めている気分に浸る。
撮影を終え、会社の上司に電話を入れると、
「おーい、会社まで乗ってこんか? みんなが見たいと待っとるぞ」 という。
電話なのだから 「おーい」 などと呼ばなくても十分聞こえるのだが、上司にとっては立川・国立はとんでもない僻地なのか、おーいと声かけたくなるような気分だったのかもしれない。
「分かりました。会社まで戻ります」
そのまま家に帰ろうと思ったが、結局家を通りこして、わざわざ会社まで行くことになってしまった。
国立インターから首都高に乗る。
もちろん初めての高速道路だ。路面は雨。
夜になってバックアイも効かない。
80kmになると、もう怖い。
しかも、ワダチが深くエグられているような所に乗ると、ハンドルがフラフラと左右に取られる。
「わぁ、キャンピングカーって怖いもんだ!」
と実感する。
田代さんが 「前後のタイヤでトレッドが違うので、ワダチにハマると左右に振られます」 と言っていたのを思い出す。
首都高の “新宿タイトコーナー” が迫る。
ワワワ…怖い!
思わずコーナーの真ん中でブレーキを踏む。
20年前、免許取ったばかりのとき、やはりこのコーナーで青ざめたことを思い出す。
制限速度が60km。そこを40㎞ぐらいでやっとこさクリア。
このクルマに比べると、いま乗っているキャンピングカーは別の乗物のように楽。
まあ、 “慣れ” というものも大きいだろうと思う。
なにしろ、この時は、生まれてはじめてのキャンピングカー。
横幅2mを超える乗物で、あの狭い首都高を走ったのもはじめて。
あお息吐息で会社までたどり着く。
雨も止んで、社長をはじめ、キャンパーニュースの編集部の面々がぞろぞろ見物に出てくる。
「すごいなぁ」
「でっかいなぁ」
口々に言うことは同じ。
しばらくして、トヨタ自動車のPR誌を編集しているグループまで降りてきて見物。
「すごいなぁ」
「でっかいなぁ」
もともと “モノ” を自慢するという性格ではないので、あまり 「すごいなぁ」 を連発されると、かえって気が引けてしまう。
お披露目を終えて、帰途につく。
帰りは、環六から20号、井の頭通りというコース。
少しずつ運転の恐怖感は衰え、なんとか車体の大きさにも慣れてくる。
が、家が近づくにつれ、突然言いようのない恐怖感がつきあげてきた。
あの狭い “大黒寿司クランク” を曲がれるだろうか?
駐車場の角に禍々しく張り出しているブロック塀に当てることなく、バックでスロープを登りきれるだろうか?
そう思うと、本当に、脂汗が額からにじみ出してきた。
速度を落として、まず慎重に大黒寿司クランクを曲がる。
オタオタしているところを、あまり近所の人に見られたくないという心理があるから、よけい気ばかり焦るのだが、そういうときに限って、ディーゼルエンジンはメリメリと元気よく吼えまくる。
大黒クランクは曲がった。
駐車場はすぐそこだ。
静かに静かに…。自分にそう言い聞かす。
メリメリメリ。
しかし、エンジンの唸りが実際の10倍ぐらいに感じられる。
さぁ、ここで止まって、ギヤをリバースに入れ、いよいよバックで急坂を登らなければならない…。
メリメリメリ。
あぁ、やっぱり後ろがまったく見えない。
降りる。
後ろを自分の目で確かめる。
クルマがとんでもない角度になっている。運転席に戻って修正する。
メリメリメリ。
ぎゃ! まったく違う方向に尻が向いてしまった。
また降りる。
どういう角度がいいのか分からない。
メリメリメリ。
これじゃ駄目だ。また修正…。
いや、今度はノーズが桜井さんの家の壁に当たる。どうしよう…。額には文字どおりの冷や汗。
メリメリメリ。
泣きたくなってしまう。
「町田さん、ダメダメダメ。もっと左の壁に寄せて!」
突然、聞き慣れたダミ声。
見ると、隣りに住んでいる森田の旦那さんがタンクトップ…じゃなくランニングという表現が適切なシャツ一枚に、ステテコ姿で家から飛び出して来た。
「もっと思い切って左に寄せて、そこで切る。
はいオーライ。
おっと右のフロントが危ないぞ。ハンドル小さく。ほらそこだ。
おっとこっちだ、ほら向こう…」
お祭のようなにぎやかさだ。
森田さんの誘導で、やっと事なきを得る。
「ありがとうございます」
冷や汗をぬぐう。
本当にこの誘導がなければ、あと1~2時間は 「メリメリメリ…」 が近所に轟いていただろう。
「いやぁ、ついに来ましたな」
森田さんの目が輝いている。
その隣には、いつの間にか森田さんの奥さん。
奥さんが言う。
「うちの主人ったら、まだキャンピングカーは来ないのか? まだキャンピングカーは来ないのか?…と毎晩そればっかり言っているのよ。自分のクルマでもないくせして」
「ちょっと中を見せてください」
さっそく旦那がリヤドアから上がり込んでくる。
「おぉ、これはすごい!」
森田旦那の目がぐるぐると車内のあちこちを飛び回る。
その間に、森田さんの奥さんがウチのカミさんを呼びにいって、さっそく2家族合同の試乗会となった。
といっても、近所をグルっと回っただけ。
「キッチン、冷蔵庫、トイレ、シャワー、それにベッドもついて500万円ですか? こりゃ安いわ」
と、商売に明るい森田夫妻はすばやく計算する。
「よし、これで今度いっしょにキャンプに行きましょう」
と、お互いに誘い合って、その夜は解散。
その後、嫌がるカミさんを無理やり近所の寿司屋まで誘い出し、3時まで飲む。
酒でも飲まなければ寝られないくらい、運転に疲れた夜だった。
(続く)
(第一回)
2010年03月16日
RV購入日記 03
(前回からの続き)
○月○日
自分にとっては初めてのキャンピングカー 「ギャラクシー」 を購入するための情報を集めつつ、まず駐車場選びから始めた。

やっぱり家から少しで近いところに借りたい。
家から100mのところに、わりと大きな駐車場があったのを思い出した。
その駐車場を管理している精肉店に行って、 「駐車場は空いていませんか?」 と尋ねた。
「ありますよ。いま空いてます」
と気楽な返事が返ってきた。
「……ただし、トラックみたいなクルマなんですけど…」
「え? トラック」
精肉店のご主人の顔が曇る。
「幅が2m10、長さが5m60…」
「ちょっと無理だねぇ。何のトラックなの?」
「あの…キャンピングカーなんです」
「ああ、ダッジとか何とかいう…。あれは無理だなぁ」
「2台分借りても無理でしょうか?」
「2台といっても、隣合ったところが空かないからな。悪いねぇ…」
その後、自分の乗用車を停めている月極駐車場の管理者とも相談したけど、同じような返事だった。
これは相当遠くの駐車場になるな…と覚悟した。
が、 “燈台もと暗し” とはこのことだ。
実は、家からわずか50mのところに駐車場があることはあるのだ。
ところが、そこは、クルマを入れるのが実に難しそうな場所なのだ。
なにしろアプローチが狭い上に、登り口が急激な斜面になっている。
しかも、その前が一方通行の道なので、バックで入れておかないと、出るときに出られない。
一度乗用車を入れてみようと思い、バックで乗り上げたところ、クルマが斜めに傾いて、まるで倒れそうな感じだったので、途中で諦めたことがあった。
それに、スロープを上がるときに、タイヤが空転して斜面を登りきらない。キャンピングカーじゃなおさら無理だと思った。
が、そんな所だから、借り手がなく、逆にいつまでたっても空いている。
案外狙い目かもしれない。
さっそく、当時ギャラクシーを販売していたグローバル国立展示場の田代さん (現TACOS社長) に連絡して、
「一度、そのクルマを持ってきて、家の前の道路を曲がれるか、駐車場の斜面をよじ登れるか、試して頂くわけにはいきませんか」
とお願いした。

▲ 出会った頃の田代氏
「ああ、いいですよ」
田代さんの運転するギャラクシーが来ることになった。
○月○日
「今、家の近くまで来たんだけれど…」
田代さんから、携帯電話で連絡が入る。
さっそく歩いて迎えに行く。
田代さんは、家から200mぐらい離れた酒屋の前にクルマを止めて、私が駐車場に案内するのを待っていた。
その隣に、かのギャラクシー。
デッケェ!
展示会の会場で見るのと違い、近所の狭い道で見るギャラクシーは海水浴場に紛れ込んできたクジラのように大きかった。
これじゃ “大黒寿司クランク” を曲がれない!
ところが田代さんが運転するギャラクシーは一回の切り返しで、私には至難のワザに思えた大黒寿司クランクをクリアしてしまった。
次に、第2の難所の駐車場のスロープ。
これも前から一回、バックから一回。
扱い慣れた田代さんはスルスルと出し入れする。
「そんなにきつい駐車場でもないですよ。普通のキャンパーじゃ腹をこすってしまうかもしれませんが、ギャラクシーは車高が高いから問題ないです。それに滑ったら4駆にすれば大丈夫です」 とのこと。
田代さんはもっと難しい駐車場のオーナーのところにたくさん納車しているという。
なるほど。
それじゃ……ということで、田代さんが帰った後、さっそく駐車場の管理人のところに電話した。
空いているという。
しかも、当分借り手は現れないでしょうという話。
そりゃそうだろう…、あんな普通のクルマが苦労する駐車場…とは思いつつ、納車がいつか確かめて、あらためて契約しますということで電話を切った。
さて、納車はいつか。
田代さんに連絡すると 「今の契約 (5月頃) だと、納車は9月になるだろう」 とのこと。
しかし 「町田さんのはもう枠を取ってあります。6月の終わりぐらいなら大丈夫」 とのこと。
「じゃ一台買いましょう」と、話がまとまった。
○月○日
7月にはクルマが来る。駐車場問題にケリをつけなければいけない。
会社の休みの日、駐車場を管理している不動産屋までクルマを走らせた。
幅の規定が1台分を超えてしまうので、どうしても2台分のスペースを借りる必要がある。
不動産屋の説明によると、確かに5台止められるスペースのうち、2台分が空いているという。
ただし、その2台分が隣り合っていない。
真ん中に1台よけいな (失礼!) なクルマがある。
「なんとかならないですかねぇ」 と不動産屋さんにお願いすると、
その社長さんが、駐車場の借り手と電話で交渉してくれることになった。
「1台分だけ、北側に寄ってくれませんかね?」
と、電話で借主に尋ねている。
「いいよ」 …という返事らしい。
「2台分が空きましたよ」 と社長さんもニッコリ。
料金は、1台分1万7,000円。
「でも、2台分で2万円ということにしておきましょう」
不動産屋の社長は、そういってくれた。
「結構です。では借りることにいたします」
すぐサイン。
2台分借りても、乗用車を止めている駐車場の1台分より、さらに1万円も安かった。
駐車場が決まったので、グローバル国立営業所に行って、見積りを立ててもらうことにした。
業界の記者なので、“良い記事を書いてくれることを期待して (?) ” …オーニングとラダーなどの装備品額に相当する約30万円をサービスするという。
オプションの検討に入った。
バックアイモニター。……これは絶対いるだろう。
オーニング…いる。
ルーフボックスがあると便利だという話もきいた。汚れた椅子・テーブルなどをそのまま放り込めるから撤収が楽だという。
じゃ付けたよう…。そうなるとラダーもいる。
オーディオは絶対いる。
さて、ルーフエアコン、電子レンジ、テレビ&ビデオなどという贅沢装備はどうする?
ルーフエアコン、電子レンジなどが入ってくると、当然電力確保の意味からジェネレーターも必要となってくる。
そのときまでに挙げた装備類を、一度まとめてもらった。
フロントエアコン 17万1,000円
リヤモニターカメラ 13万5,000円
電子レンジ 2万5,000円
ジェネレーター 42万0,000円
ルーフエアコン 10万8,000円
サイドオーニング 14万8,000円
リヤラダー 3万0,000円
オーディオ 8万2,000円
ルーフボックス 9万8,000円
これを全部足すと…121万7,400円という値段になった。
ええい、いけ!
……で、付けることにした。
あくまでも勉強のためのクルマなのである。
これらの装備がどれだけ必要なのか、あるいは不必要なのか。
使ってみなければ分からない…というので、思い切ってフル装備にした。
結論をいうと、このときの経験は、2台目のキャンピングカーを買うときに、大いに参考になった。
ルーフエアコンとジェネレーターというのは、ベースシャシーの対荷重との相談になると思うようになった。
この二つは価格も張るが、重量も伴う。
それなりに対荷重の高いシャシーが約束されていなければ、クルマそのものの運動性能を損ねるし、タイヤや車軸に対する負担も増大する。
今から思うと、オーナン2.8 kWを床下に積み、ルーフにはコールマンのエアコンを載せ、キャンプ道具から何から一切ぶち込んだルーフボックスをその横に並べ、 (時には100㎏の水タンクを満タンにし) さらに5㎏のLPボンベ一本と、そのリザーブタンクも用意して乗せていたのだから、相当な重量を負わされたクルマになってしまった。
言ってしまえば、200馬力以上あるアメ車並みの装備を、わずか91馬力のシャシーが担うことになった。
可哀想なギャラクシーである。
走らないわけだ。

だから、2台目のキャンピングカーでは、エアコンもジェネレーターも注文しなかった。
途中から、 「夏の暑さ」 を我慢できないカミさんのため、キャンプ場のAC電源でも回るような小型・軽量のエアコンを後付けしたが、結果的に、あまり使っていない。
夏の旅行は、なるたけ涼しいキャンプ場を選び、窓を全開して風を入れるようにしている。
それでも暑いときは、ルーフベントを回して屋根から風を入れるか、小さな扇風機を回す。
それだけで、なんとかなるものだ。
また、ルーフの上にトップボックスを載せるのもやめた。
ギャラクシーのときは、椅子・テーブルから始まって、一切合切のキャンプ道具を屋根に載せていたが、当然、重心高が高くなり、安定性にも支障が出てしまう。
だから、荷物をたくさん持っていく旅行を見直して、ボディ脇の収納庫に入るだけの荷物に絞ることにした。
これは、子供がキャンプ旅行を卒業して、夫婦2人かもしくは単独旅行の機会が増えたから可能になったことでもあるが、 「荷物の少ない旅行」 を心がけるようになって、クルマの運動性能も向上し、かつ心も軽くなったように思う。
しかし、まだ1台目のキャンピングカーを買うときには、そんなことまで分からない。
そのため、フル装備になって、価格も一気にアップした。
車両本体価格は478万円だったが、プラスのオプション類が121万円。
その中から特別値引き…つまり代理店へのバックマージンを引いた額 (28万円) がサービスとなり、私の場合は570万円ぐらいとなった。
それに税金、登録諸経費など加えると、乗り出しで620万円になってしまった。
「ちょっとオプションが増えすぎて、高くなっちゃいましたねぇ」
と、田代さんの方が多少困惑気味。
決まり悪そうな顔である。
申し訳ない…という気分と、 “そんなに付けても使うことないだろうに…” という哀れみの気分が混じったような表情だ。
まぁ、いいわい。
とにかくローンを組んじまえということで、支払いの方法を田代さんと相談した。
頭金370万9,142円。
後は、月々8万9,900円の20回均等払い。 (初回だけ9万0,100円)
話はどんどん進行して、登録の話までいった。
登録するために車庫証明を取ってくれという。
今まで乗用車を4台乗り継いできたが、そんなことはしたことがない。
……なるほどキャンピングカーというのは乗用車と違うもんだと思った。
ドゥイットユアセルフ。
車庫証明の取得が、Do It Your Self かどうか分からないけれど、痒いところに手が届くように何でもしてくれる乗用車ディーラーとは、やはり違うみたいである。
「車庫証明に必要な書類」 というインフォメーションがグローバル本社から送られてきた。
① 自動車保管場所証明書
② 自動車保管場所使用承諾証明書
③ 自動車保管場所の見取り図並びに配置図
④ 土地 (駐車場) の評価証明書
…がいるという。
何のことかさっぱり分からない。
④ の土地の評価証明書というのは市役所で発行してくれるというので、とにかく市役所に行ってみた。
受け付けで聞くと固定資産税の係りのところにいけばいいという。
そこで駐車場の地番 (これが住所の何丁目何番地と違う) を聞いて書類に書き込み、とにかく発行してもらった。
それを持って警察署に行った。
警察署には 「車庫証明発行受け付け」 みたいなコーナーがあって、そこに行って 「自動車保管場所証明申請書」 なる用紙をもらった。
「車名」 「型式」 「車体番号」 「自動車の大きさ」 を書き込むようになっている。
郵送されたインフォメーションによると、
「車名=トヨタ」
「型式=S-LN106改」
「車体番号=LN106-0100669」
「自動車の大きさ = 長さ565センチメートル/幅211センチメートル/高さ315センチメートル」
…ということだったので、それを書き込んで渡した。
これで ① の 「自動車保管場所証明書」 はクリアした。
② の自動車保管場所使用承諾証明書というのは、土地の評価証明書でいいみたいだった。
③ の自動車保管場所見取り図並びに配置図というのは、地図を画く用紙に駐車場の位置と自宅の位置をかき込めばよかった。
配置図は、駐車場の契約書にクルマを収める位置が図表化されていたので、それのコピーを渡してことなきを得た。
手数料として2,000円払えば、1週間後に車庫証明が交付されるとのことだった。
1週間経って 「自動車保管場所証明書」 なるものが発行された。
「94※※※※※30」 という番号だった。
なんのことか分からないが、それが 「保管場所標章」 とのことだった。
イヒヒ…である。
オーナーになる日が近づいてきたのだ。
(続く)
(第一回)
○月○日
自分にとっては初めてのキャンピングカー 「ギャラクシー」 を購入するための情報を集めつつ、まず駐車場選びから始めた。
やっぱり家から少しで近いところに借りたい。
家から100mのところに、わりと大きな駐車場があったのを思い出した。
その駐車場を管理している精肉店に行って、 「駐車場は空いていませんか?」 と尋ねた。
「ありますよ。いま空いてます」
と気楽な返事が返ってきた。
「……ただし、トラックみたいなクルマなんですけど…」
「え? トラック」
精肉店のご主人の顔が曇る。
「幅が2m10、長さが5m60…」
「ちょっと無理だねぇ。何のトラックなの?」
「あの…キャンピングカーなんです」
「ああ、ダッジとか何とかいう…。あれは無理だなぁ」
「2台分借りても無理でしょうか?」
「2台といっても、隣合ったところが空かないからな。悪いねぇ…」
その後、自分の乗用車を停めている月極駐車場の管理者とも相談したけど、同じような返事だった。
これは相当遠くの駐車場になるな…と覚悟した。
が、 “燈台もと暗し” とはこのことだ。
実は、家からわずか50mのところに駐車場があることはあるのだ。
ところが、そこは、クルマを入れるのが実に難しそうな場所なのだ。
なにしろアプローチが狭い上に、登り口が急激な斜面になっている。
しかも、その前が一方通行の道なので、バックで入れておかないと、出るときに出られない。
一度乗用車を入れてみようと思い、バックで乗り上げたところ、クルマが斜めに傾いて、まるで倒れそうな感じだったので、途中で諦めたことがあった。
それに、スロープを上がるときに、タイヤが空転して斜面を登りきらない。キャンピングカーじゃなおさら無理だと思った。
が、そんな所だから、借り手がなく、逆にいつまでたっても空いている。
案外狙い目かもしれない。
さっそく、当時ギャラクシーを販売していたグローバル国立展示場の田代さん (現TACOS社長) に連絡して、
「一度、そのクルマを持ってきて、家の前の道路を曲がれるか、駐車場の斜面をよじ登れるか、試して頂くわけにはいきませんか」
とお願いした。
▲ 出会った頃の田代氏
「ああ、いいですよ」
田代さんの運転するギャラクシーが来ることになった。
○月○日
「今、家の近くまで来たんだけれど…」
田代さんから、携帯電話で連絡が入る。
さっそく歩いて迎えに行く。
田代さんは、家から200mぐらい離れた酒屋の前にクルマを止めて、私が駐車場に案内するのを待っていた。
その隣に、かのギャラクシー。
デッケェ!
展示会の会場で見るのと違い、近所の狭い道で見るギャラクシーは海水浴場に紛れ込んできたクジラのように大きかった。
これじゃ “大黒寿司クランク” を曲がれない!
ところが田代さんが運転するギャラクシーは一回の切り返しで、私には至難のワザに思えた大黒寿司クランクをクリアしてしまった。
次に、第2の難所の駐車場のスロープ。
これも前から一回、バックから一回。
扱い慣れた田代さんはスルスルと出し入れする。
「そんなにきつい駐車場でもないですよ。普通のキャンパーじゃ腹をこすってしまうかもしれませんが、ギャラクシーは車高が高いから問題ないです。それに滑ったら4駆にすれば大丈夫です」 とのこと。
田代さんはもっと難しい駐車場のオーナーのところにたくさん納車しているという。
なるほど。
それじゃ……ということで、田代さんが帰った後、さっそく駐車場の管理人のところに電話した。
空いているという。
しかも、当分借り手は現れないでしょうという話。
そりゃそうだろう…、あんな普通のクルマが苦労する駐車場…とは思いつつ、納車がいつか確かめて、あらためて契約しますということで電話を切った。
さて、納車はいつか。
田代さんに連絡すると 「今の契約 (5月頃) だと、納車は9月になるだろう」 とのこと。
しかし 「町田さんのはもう枠を取ってあります。6月の終わりぐらいなら大丈夫」 とのこと。
「じゃ一台買いましょう」と、話がまとまった。
○月○日
7月にはクルマが来る。駐車場問題にケリをつけなければいけない。
会社の休みの日、駐車場を管理している不動産屋までクルマを走らせた。
幅の規定が1台分を超えてしまうので、どうしても2台分のスペースを借りる必要がある。
不動産屋の説明によると、確かに5台止められるスペースのうち、2台分が空いているという。
ただし、その2台分が隣り合っていない。
真ん中に1台よけいな (失礼!) なクルマがある。
「なんとかならないですかねぇ」 と不動産屋さんにお願いすると、
その社長さんが、駐車場の借り手と電話で交渉してくれることになった。
「1台分だけ、北側に寄ってくれませんかね?」
と、電話で借主に尋ねている。
「いいよ」 …という返事らしい。
「2台分が空きましたよ」 と社長さんもニッコリ。
料金は、1台分1万7,000円。
「でも、2台分で2万円ということにしておきましょう」
不動産屋の社長は、そういってくれた。
「結構です。では借りることにいたします」
すぐサイン。
2台分借りても、乗用車を止めている駐車場の1台分より、さらに1万円も安かった。
駐車場が決まったので、グローバル国立営業所に行って、見積りを立ててもらうことにした。
業界の記者なので、“良い記事を書いてくれることを期待して (?) ” …オーニングとラダーなどの装備品額に相当する約30万円をサービスするという。
オプションの検討に入った。
バックアイモニター。……これは絶対いるだろう。
オーニング…いる。
ルーフボックスがあると便利だという話もきいた。汚れた椅子・テーブルなどをそのまま放り込めるから撤収が楽だという。
じゃ付けたよう…。そうなるとラダーもいる。
オーディオは絶対いる。
さて、ルーフエアコン、電子レンジ、テレビ&ビデオなどという贅沢装備はどうする?
ルーフエアコン、電子レンジなどが入ってくると、当然電力確保の意味からジェネレーターも必要となってくる。
そのときまでに挙げた装備類を、一度まとめてもらった。
フロントエアコン 17万1,000円
リヤモニターカメラ 13万5,000円
電子レンジ 2万5,000円
ジェネレーター 42万0,000円
ルーフエアコン 10万8,000円
サイドオーニング 14万8,000円
リヤラダー 3万0,000円
オーディオ 8万2,000円
ルーフボックス 9万8,000円
これを全部足すと…121万7,400円という値段になった。
ええい、いけ!
……で、付けることにした。
あくまでも勉強のためのクルマなのである。
これらの装備がどれだけ必要なのか、あるいは不必要なのか。
使ってみなければ分からない…というので、思い切ってフル装備にした。
結論をいうと、このときの経験は、2台目のキャンピングカーを買うときに、大いに参考になった。
ルーフエアコンとジェネレーターというのは、ベースシャシーの対荷重との相談になると思うようになった。
この二つは価格も張るが、重量も伴う。
それなりに対荷重の高いシャシーが約束されていなければ、クルマそのものの運動性能を損ねるし、タイヤや車軸に対する負担も増大する。
今から思うと、オーナン2.8 kWを床下に積み、ルーフにはコールマンのエアコンを載せ、キャンプ道具から何から一切ぶち込んだルーフボックスをその横に並べ、 (時には100㎏の水タンクを満タンにし) さらに5㎏のLPボンベ一本と、そのリザーブタンクも用意して乗せていたのだから、相当な重量を負わされたクルマになってしまった。
言ってしまえば、200馬力以上あるアメ車並みの装備を、わずか91馬力のシャシーが担うことになった。
可哀想なギャラクシーである。
走らないわけだ。
だから、2台目のキャンピングカーでは、エアコンもジェネレーターも注文しなかった。
途中から、 「夏の暑さ」 を我慢できないカミさんのため、キャンプ場のAC電源でも回るような小型・軽量のエアコンを後付けしたが、結果的に、あまり使っていない。
夏の旅行は、なるたけ涼しいキャンプ場を選び、窓を全開して風を入れるようにしている。
それでも暑いときは、ルーフベントを回して屋根から風を入れるか、小さな扇風機を回す。
それだけで、なんとかなるものだ。
また、ルーフの上にトップボックスを載せるのもやめた。
ギャラクシーのときは、椅子・テーブルから始まって、一切合切のキャンプ道具を屋根に載せていたが、当然、重心高が高くなり、安定性にも支障が出てしまう。
だから、荷物をたくさん持っていく旅行を見直して、ボディ脇の収納庫に入るだけの荷物に絞ることにした。
これは、子供がキャンプ旅行を卒業して、夫婦2人かもしくは単独旅行の機会が増えたから可能になったことでもあるが、 「荷物の少ない旅行」 を心がけるようになって、クルマの運動性能も向上し、かつ心も軽くなったように思う。
しかし、まだ1台目のキャンピングカーを買うときには、そんなことまで分からない。
そのため、フル装備になって、価格も一気にアップした。
車両本体価格は478万円だったが、プラスのオプション類が121万円。
その中から特別値引き…つまり代理店へのバックマージンを引いた額 (28万円) がサービスとなり、私の場合は570万円ぐらいとなった。
それに税金、登録諸経費など加えると、乗り出しで620万円になってしまった。
「ちょっとオプションが増えすぎて、高くなっちゃいましたねぇ」
と、田代さんの方が多少困惑気味。
決まり悪そうな顔である。
申し訳ない…という気分と、 “そんなに付けても使うことないだろうに…” という哀れみの気分が混じったような表情だ。
まぁ、いいわい。
とにかくローンを組んじまえということで、支払いの方法を田代さんと相談した。
頭金370万9,142円。
後は、月々8万9,900円の20回均等払い。 (初回だけ9万0,100円)
話はどんどん進行して、登録の話までいった。
登録するために車庫証明を取ってくれという。
今まで乗用車を4台乗り継いできたが、そんなことはしたことがない。
……なるほどキャンピングカーというのは乗用車と違うもんだと思った。
ドゥイットユアセルフ。
車庫証明の取得が、Do It Your Self かどうか分からないけれど、痒いところに手が届くように何でもしてくれる乗用車ディーラーとは、やはり違うみたいである。
「車庫証明に必要な書類」 というインフォメーションがグローバル本社から送られてきた。
① 自動車保管場所証明書
② 自動車保管場所使用承諾証明書
③ 自動車保管場所の見取り図並びに配置図
④ 土地 (駐車場) の評価証明書
…がいるという。
何のことかさっぱり分からない。
④ の土地の評価証明書というのは市役所で発行してくれるというので、とにかく市役所に行ってみた。
受け付けで聞くと固定資産税の係りのところにいけばいいという。
そこで駐車場の地番 (これが住所の何丁目何番地と違う) を聞いて書類に書き込み、とにかく発行してもらった。
それを持って警察署に行った。
警察署には 「車庫証明発行受け付け」 みたいなコーナーがあって、そこに行って 「自動車保管場所証明申請書」 なる用紙をもらった。
「車名」 「型式」 「車体番号」 「自動車の大きさ」 を書き込むようになっている。
郵送されたインフォメーションによると、
「車名=トヨタ」
「型式=S-LN106改」
「車体番号=LN106-0100669」
「自動車の大きさ = 長さ565センチメートル/幅211センチメートル/高さ315センチメートル」
…ということだったので、それを書き込んで渡した。
これで ① の 「自動車保管場所証明書」 はクリアした。
② の自動車保管場所使用承諾証明書というのは、土地の評価証明書でいいみたいだった。
③ の自動車保管場所見取り図並びに配置図というのは、地図を画く用紙に駐車場の位置と自宅の位置をかき込めばよかった。
配置図は、駐車場の契約書にクルマを収める位置が図表化されていたので、それのコピーを渡してことなきを得た。
手数料として2,000円払えば、1週間後に車庫証明が交付されるとのことだった。
1週間経って 「自動車保管場所証明書」 なるものが発行された。
「94※※※※※30」 という番号だった。
なんのことか分からないが、それが 「保管場所標章」 とのことだった。
イヒヒ…である。
オーナーになる日が近づいてきたのだ。
(続く)
(第一回)
2010年03月14日
RV購入日記 02
(前回からの続き)
○月○日
欲しいキャンピングカーとして、とりあえずギャラクシーに狙いを定め、販売しているグローバルまでクルマを見に行くことにした。
グローバル本社は、当時愛知県の豊橋にあったが、幸いなことに、東京の国立に東京ショールームがあった。
クルマに乗っても30分ぐらいの場所だったので、ある日曜日、カミさんと子供を連れてドライブがてらに訪れることにした。

▲ 昔東京・国立にあった 「グローバル東京展示場」
出たばかりのコンポⅡとギャラクシーの間に、グローバル国立展示場の田代さん (現・タコス社長) が立っていた。

▲ 現 「TACOS」 社長の田代さん
(若い頃)
私は “ただのお客” …それもちょっとだけ知っている客を装って、田代さんの前で、
「なるほど、これが新しいコンポⅡね。
あ、窓が小さくなったんだ。
バンク部は今度はベッドになったのか…」
…なんて、 (実は記事を書いているからよく知っているのに) “素人の客” をよそおって楽しんでいた。
そうしたら、田代さんに、
「ひょっとしたら、 『キャンパーニュース』 の町田さん?」
と見破られてしまった。
あっけなく “素人の客遊び” は終わった。
「実はギャラクシーが欲しいと思って見にきたんです」
田代さんにそう言うと、 「あ、ぜひ!」 と、田代さんの顔が輝いた。
「値段についてはいろいろ考えさせてもらいます。だからぜひ! できれば試乗記なんか 『キャンパーニュース』 に連載してもらえれば…」
田代さんがそう言う。
試乗記なんか書くのはやぶさかではない。
こっちだって書きたい。
だけど、まだ自分のキャンピングカーに乗ったこともなければ、使ったこともない。
何をどう書けばいいの? …と、こちらが聞きたくなってしまうのをグッとこらえて、 「ええ、まぁ…」 と口を濁す。
「ギャラクシーを買いたい気持ちはもちろんあるのですが、いろいろ解決しなければならない問題があって、もう少し時間をください」
とりあえず、その日そういって立ち去った。
資金の問題、駐車場の問題。
いざとなると、やはりハードルは高い。
ま、金はなんとかなる。
それまでアパート暮らしを続けていたが、その頃からアパートを引き払い、実家に潜り込んで、使い手のいなかった2階を改造して暮らすようになっていたから、アパートの家賃が浮くようになったのだ。
それまでは、月10万の家賃を右から左へと払っていたわけだから、それを思えば、月々10万までのローンなら支払う自信はある。
問題は駐車場だった。
これがない。
5m×2mの枠を超える駐車場が近くにない。
やっぱり無理かな…。
そのときは、それほど熱心に駐車場を探す気にはならなかった。
車両価格470万なり…という買い物は、やはり、いざとなるとけっこう冒険だ。
1日にうちに、 「買おう!」 という気持ちの高揚と、 「無理だよ」 という諦めの境地が交互に訪れる。
諦めの境地になりかけたとき、 「駐車場がない」 ということが “冒険” を避ける口実になりそうで、秘かにホッとしたりもした。
つまり、 「仕事として必要だ!」 と、大見得を切ってみたものの、ある程度まとまった金が出ていくということは、やはり人を不安に気持ちに落とし込むものだ。
しばらく様子見……。
別に自分がオーナーにならなくたって、キャンピングカーの記事は書ける。
そういう気分になることもあったし、事実その通りだった。
○月○日
それからしばらく経った。
2月の晴海のキャンピングカーショーで、また田代さんに会った。
(当時ビックサイトでも幕張でもキャンピングカーショーはなかった)
展示してあるギャラクシーの中で、田代さんと雑談した。
「買う気になりました?」
…なんていう話は全然出ない。
売る気があんのかなぁ…とこっちが心配になってしまう。
雑談が終わって、田代さんと別れ、遠くからギャラクシーを振り返った。
そのとき、ふと、 「あ、キャンピングカーって美しい乗り物だな」 とはじめて思った。
それまでは、どうしても生活の匂いを引きずる所帯じみたクルマという印象を吹っ切れなかった。
外形デザインも、この時代は 「機能優先」 が露骨に伝わる無骨なものが多く、シルエットそのものをうっとり眺めるようなものは、まだ誕生していなかった。
しかし、その日はキャンピングカーが違って感じられた。
特に、初春の夕暮れの光を浴びてたたずんでいたギャラクシーはとてもカッコよく見えた。
壁面の圧倒的ボリュームが、なんだかやたら新鮮に見えるのだ。
乗用車とも違い、ただのオフローダーとも違う不思議な造形美がそこに生まれているように感じた。
すべて格好から入る私には、もうそれだけで十分だった。

やっぱりギャラクシーを買うベェ!
その日から、秘かに本腰を入れて購入を検討し始めた。
まず、サイズの調査。
全幅が2mを超えると (ギャラクシーは2m10だ) 、これは一般道を運転したときどんな感じなのか。
全長が5mを超えると (ギャラクシーは5m60だ) 、右左折のときに、どれだけリヤのオーバーハングが問題になるのか。
そういうチェックポイントを、紙に書き出してみた。
内装においても、しかり。
ギャラクシーにはトイレ・シャワーが付いているが、それがどれだけ便利なものか (あるいはどれだけ不用のものか) 、使うときはどんなふうに使うのか、その研究も必須項目。
バックアイモニターだって、昼、夜間、それも照明の多いところ、少ないところで、見え方が違ってくる。
明かりがまったく見えない田舎の山道でのバックは、はたしてどうなんだ?
そんなことに思いめぐらしてみると、チェック項目は、どんどん増えていく。
○月○日
3月。ギャラクシーの情報をもっと集めたくて国立のグローバルに遊びに行った。
偶然ギャラクシーの1号車のオーナーという人が来ていた。
車検に出していたギャラクシーを引き取りに来たのだという。
田代さんの説明によると、その人は、レコードジャケットの写真を専門に撮るカメラマンだという。
年齢不詳。
家族構成不詳。
長髪のストレートヘアに、アゴヒゲ・クチヒゲ。
どこか新興宗教の教祖っぽい雰囲気を漂わせた人だと思いながら、その人の話を聞いた。
ギャラクシーの扱いでは、どこを気をつければいいか。
彼曰く。
やはり、リヤのオーバーハングが “災いの元” になるという。
なにしろハンドルを切っていくと、はじめは車輪どおりにリヤも動いていくのだが、途中から突然キュっとケツを振るらしい。
そのため、右左折のとき、隣の車線から飛び出そうとするクルマにケツを当ててしまうというのである。
やっぱりこれだけの車体になると、そうとう気合いを入れて挑まないと移動はシンドイとか。
またバックのときは、いちいち降りて後方を確認しなければならないという。
バックアイモニターの話も出たが、その人は付けない方がいいという主義。
なぜなら、付けると、いちいち降りて後方確認をするなどという作業が面倒くさくなり、かえって事故のもとになるという。
たいへんなのは洗車とワックスがけ。
やはり一日仕事になるそうだ。
ワックスなど一回で一缶なくなる。洗車は風呂掃除用のモップを使うとか。
悩みのタネはやはり駐車場問題で、あれだけの大きさを置かせてもらえる駐車場はなかなかないという。
幸い、その人の場合は、100台置ける広大な駐車場を持つおおらかな地主の駐車場が探せたとか。
料金は月4万円。
それでも、そこを探すまで、いろいろな駐車場を転々とした。
なにしろ現物を見ると、たいていの管理人は、 「これは駄目だ!」 と嫌な顔をする。
そこでクルマを見せる前に 「ハイラックスです」 と嘘をついて借りてしまい、管理人が見て、眉をしかめたら、
「ちょっと改造しちゃったから、少し後ろが変な形で…」
などといって、ボリボリ頭を掻きながらニコニコする作戦で通してきたという。
ギャラクシーの利点はやっぱり4駆だという。
多少のぬかるみでもスタックしてしまうキャンピングカーが多い中で、4WDのギャラクシーはまず安心。
乗用車が上がれないようなぬかるんだ坂でも、このクルマはじわじわと登り詰めてしまうらしい。
もうひとつのメリットは、後輪のダブルタイヤ。
後輪四つのうち1本がパンクしても、とりあえずタイヤショップまでは、だましだまし走っていける、とカメラマン氏はいう。
また、架装物や積載物の荷重を分散することになるので、タイヤ1本にかかる負担が少ない。
このときは、無邪気に 「ああ…なるほど」 と思って聞いた。
前回の記事でも書いたが、実はこのクルマの場合、そのダブルタイヤが問題だったのだ。
架装重量の増大分を受けるために、グローバル独自で組んだダブルタイヤだったが、その改造のために、逆にアクスルシャフトに過度な負荷がかかり、シャフトが折れるという危険性を内包したクルマだったのだ。
それによる事故もやがて起こるようになるのだが、このとき、まだわれわれはそのことを知らない。
基本的には、ベースシャシーの対荷重を無視して重量物をたくさん積載するような架装の問題に帰結するのだが、当時、まだそれによる事故も起こっておらず、国産ビルダーの 「重量」 に関する意識も低かった。
だから、このときは、足回りを “増しリーフ” や強化ショックで補強するというような話題になって、そっちの方で盛り上がった。
いま思うと、まだまだキャンピングカーの普及率も低かったのだ。
ギャラクシーというクルマも、まだそれほど多く造られていなかった。
当時は、展示車さえ十分に整えることができず、グローバルが東京で展示会を開くときは、かならずそのカメラマン氏の車両が展示会に借りだされたという。
当日、その後の話はキャンピングカーにテレビをつけるかつけないかという議論になった。
「テレビは邪道かもしれないですけど、子供のいる家庭ではテレビは必需品。子供たちに好きな番組を見させておけば、その時間帯だけでも親がのんびりできますし…」
という田代さんに対し、カメラマン氏は反論。
「それは、親父のプロデュース能力がないということを告白しちゃったようなもの。
だって、せっかく旅行して知らない景色を楽しめるのに、なぜテレビなんですか?
俺なんかカメラが仕事でも、プライベートな旅行にカメラなんて持っていったことがないですよ」
という。
なるほど…と思えるような話が続いた。
目当てのキャンピングカーを詳しく知るには、 「ショップに何度も顔を出して、そのクルマのオーナーから使い勝手を聞いてみろ」 というアドバイスがよくなされるが、確かに、ショップに入り浸っているお客さんの話を聞くことは、買いたいクルマのチェックポイントを見極める意味でも大事なことかもしれない、と思った。
(続く)
○月○日
欲しいキャンピングカーとして、とりあえずギャラクシーに狙いを定め、販売しているグローバルまでクルマを見に行くことにした。
グローバル本社は、当時愛知県の豊橋にあったが、幸いなことに、東京の国立に東京ショールームがあった。
クルマに乗っても30分ぐらいの場所だったので、ある日曜日、カミさんと子供を連れてドライブがてらに訪れることにした。

▲ 昔東京・国立にあった 「グローバル東京展示場」
出たばかりのコンポⅡとギャラクシーの間に、グローバル国立展示場の田代さん (現・タコス社長) が立っていた。
▲ 現 「TACOS」 社長の田代さん
(若い頃)
私は “ただのお客” …それもちょっとだけ知っている客を装って、田代さんの前で、
「なるほど、これが新しいコンポⅡね。
あ、窓が小さくなったんだ。
バンク部は今度はベッドになったのか…」
…なんて、 (実は記事を書いているからよく知っているのに) “素人の客” をよそおって楽しんでいた。
そうしたら、田代さんに、
「ひょっとしたら、 『キャンパーニュース』 の町田さん?」
と見破られてしまった。
あっけなく “素人の客遊び” は終わった。
「実はギャラクシーが欲しいと思って見にきたんです」
田代さんにそう言うと、 「あ、ぜひ!」 と、田代さんの顔が輝いた。
「値段についてはいろいろ考えさせてもらいます。だからぜひ! できれば試乗記なんか 『キャンパーニュース』 に連載してもらえれば…」
田代さんがそう言う。
試乗記なんか書くのはやぶさかではない。
こっちだって書きたい。
だけど、まだ自分のキャンピングカーに乗ったこともなければ、使ったこともない。
何をどう書けばいいの? …と、こちらが聞きたくなってしまうのをグッとこらえて、 「ええ、まぁ…」 と口を濁す。
「ギャラクシーを買いたい気持ちはもちろんあるのですが、いろいろ解決しなければならない問題があって、もう少し時間をください」
とりあえず、その日そういって立ち去った。
資金の問題、駐車場の問題。
いざとなると、やはりハードルは高い。
ま、金はなんとかなる。
それまでアパート暮らしを続けていたが、その頃からアパートを引き払い、実家に潜り込んで、使い手のいなかった2階を改造して暮らすようになっていたから、アパートの家賃が浮くようになったのだ。
それまでは、月10万の家賃を右から左へと払っていたわけだから、それを思えば、月々10万までのローンなら支払う自信はある。
問題は駐車場だった。
これがない。
5m×2mの枠を超える駐車場が近くにない。
やっぱり無理かな…。
そのときは、それほど熱心に駐車場を探す気にはならなかった。
車両価格470万なり…という買い物は、やはり、いざとなるとけっこう冒険だ。
1日にうちに、 「買おう!」 という気持ちの高揚と、 「無理だよ」 という諦めの境地が交互に訪れる。
諦めの境地になりかけたとき、 「駐車場がない」 ということが “冒険” を避ける口実になりそうで、秘かにホッとしたりもした。
つまり、 「仕事として必要だ!」 と、大見得を切ってみたものの、ある程度まとまった金が出ていくということは、やはり人を不安に気持ちに落とし込むものだ。
しばらく様子見……。
別に自分がオーナーにならなくたって、キャンピングカーの記事は書ける。
そういう気分になることもあったし、事実その通りだった。
○月○日
それからしばらく経った。
2月の晴海のキャンピングカーショーで、また田代さんに会った。
(当時ビックサイトでも幕張でもキャンピングカーショーはなかった)
展示してあるギャラクシーの中で、田代さんと雑談した。
「買う気になりました?」
…なんていう話は全然出ない。
売る気があんのかなぁ…とこっちが心配になってしまう。
雑談が終わって、田代さんと別れ、遠くからギャラクシーを振り返った。
そのとき、ふと、 「あ、キャンピングカーって美しい乗り物だな」 とはじめて思った。
それまでは、どうしても生活の匂いを引きずる所帯じみたクルマという印象を吹っ切れなかった。
外形デザインも、この時代は 「機能優先」 が露骨に伝わる無骨なものが多く、シルエットそのものをうっとり眺めるようなものは、まだ誕生していなかった。
しかし、その日はキャンピングカーが違って感じられた。
特に、初春の夕暮れの光を浴びてたたずんでいたギャラクシーはとてもカッコよく見えた。
壁面の圧倒的ボリュームが、なんだかやたら新鮮に見えるのだ。
乗用車とも違い、ただのオフローダーとも違う不思議な造形美がそこに生まれているように感じた。
すべて格好から入る私には、もうそれだけで十分だった。
やっぱりギャラクシーを買うベェ!
その日から、秘かに本腰を入れて購入を検討し始めた。
まず、サイズの調査。
全幅が2mを超えると (ギャラクシーは2m10だ) 、これは一般道を運転したときどんな感じなのか。
全長が5mを超えると (ギャラクシーは5m60だ) 、右左折のときに、どれだけリヤのオーバーハングが問題になるのか。
そういうチェックポイントを、紙に書き出してみた。
内装においても、しかり。
ギャラクシーにはトイレ・シャワーが付いているが、それがどれだけ便利なものか (あるいはどれだけ不用のものか) 、使うときはどんなふうに使うのか、その研究も必須項目。
バックアイモニターだって、昼、夜間、それも照明の多いところ、少ないところで、見え方が違ってくる。
明かりがまったく見えない田舎の山道でのバックは、はたしてどうなんだ?
そんなことに思いめぐらしてみると、チェック項目は、どんどん増えていく。
○月○日
3月。ギャラクシーの情報をもっと集めたくて国立のグローバルに遊びに行った。
偶然ギャラクシーの1号車のオーナーという人が来ていた。
車検に出していたギャラクシーを引き取りに来たのだという。
田代さんの説明によると、その人は、レコードジャケットの写真を専門に撮るカメラマンだという。
年齢不詳。
家族構成不詳。
長髪のストレートヘアに、アゴヒゲ・クチヒゲ。
どこか新興宗教の教祖っぽい雰囲気を漂わせた人だと思いながら、その人の話を聞いた。
ギャラクシーの扱いでは、どこを気をつければいいか。
彼曰く。
やはり、リヤのオーバーハングが “災いの元” になるという。
なにしろハンドルを切っていくと、はじめは車輪どおりにリヤも動いていくのだが、途中から突然キュっとケツを振るらしい。
そのため、右左折のとき、隣の車線から飛び出そうとするクルマにケツを当ててしまうというのである。
やっぱりこれだけの車体になると、そうとう気合いを入れて挑まないと移動はシンドイとか。
またバックのときは、いちいち降りて後方を確認しなければならないという。
バックアイモニターの話も出たが、その人は付けない方がいいという主義。
なぜなら、付けると、いちいち降りて後方確認をするなどという作業が面倒くさくなり、かえって事故のもとになるという。
たいへんなのは洗車とワックスがけ。
やはり一日仕事になるそうだ。
ワックスなど一回で一缶なくなる。洗車は風呂掃除用のモップを使うとか。
悩みのタネはやはり駐車場問題で、あれだけの大きさを置かせてもらえる駐車場はなかなかないという。
幸い、その人の場合は、100台置ける広大な駐車場を持つおおらかな地主の駐車場が探せたとか。
料金は月4万円。
それでも、そこを探すまで、いろいろな駐車場を転々とした。
なにしろ現物を見ると、たいていの管理人は、 「これは駄目だ!」 と嫌な顔をする。
そこでクルマを見せる前に 「ハイラックスです」 と嘘をついて借りてしまい、管理人が見て、眉をしかめたら、
「ちょっと改造しちゃったから、少し後ろが変な形で…」
などといって、ボリボリ頭を掻きながらニコニコする作戦で通してきたという。
ギャラクシーの利点はやっぱり4駆だという。
多少のぬかるみでもスタックしてしまうキャンピングカーが多い中で、4WDのギャラクシーはまず安心。
乗用車が上がれないようなぬかるんだ坂でも、このクルマはじわじわと登り詰めてしまうらしい。
もうひとつのメリットは、後輪のダブルタイヤ。
後輪四つのうち1本がパンクしても、とりあえずタイヤショップまでは、だましだまし走っていける、とカメラマン氏はいう。
また、架装物や積載物の荷重を分散することになるので、タイヤ1本にかかる負担が少ない。
このときは、無邪気に 「ああ…なるほど」 と思って聞いた。
前回の記事でも書いたが、実はこのクルマの場合、そのダブルタイヤが問題だったのだ。
架装重量の増大分を受けるために、グローバル独自で組んだダブルタイヤだったが、その改造のために、逆にアクスルシャフトに過度な負荷がかかり、シャフトが折れるという危険性を内包したクルマだったのだ。
それによる事故もやがて起こるようになるのだが、このとき、まだわれわれはそのことを知らない。
基本的には、ベースシャシーの対荷重を無視して重量物をたくさん積載するような架装の問題に帰結するのだが、当時、まだそれによる事故も起こっておらず、国産ビルダーの 「重量」 に関する意識も低かった。
だから、このときは、足回りを “増しリーフ” や強化ショックで補強するというような話題になって、そっちの方で盛り上がった。
いま思うと、まだまだキャンピングカーの普及率も低かったのだ。
ギャラクシーというクルマも、まだそれほど多く造られていなかった。
当時は、展示車さえ十分に整えることができず、グローバルが東京で展示会を開くときは、かならずそのカメラマン氏の車両が展示会に借りだされたという。
当日、その後の話はキャンピングカーにテレビをつけるかつけないかという議論になった。
「テレビは邪道かもしれないですけど、子供のいる家庭ではテレビは必需品。子供たちに好きな番組を見させておけば、その時間帯だけでも親がのんびりできますし…」
という田代さんに対し、カメラマン氏は反論。
「それは、親父のプロデュース能力がないということを告白しちゃったようなもの。
だって、せっかく旅行して知らない景色を楽しめるのに、なぜテレビなんですか?
俺なんかカメラが仕事でも、プライベートな旅行にカメラなんて持っていったことがないですよ」
という。
なるほど…と思えるような話が続いた。
目当てのキャンピングカーを詳しく知るには、 「ショップに何度も顔を出して、そのクルマのオーナーから使い勝手を聞いてみろ」 というアドバイスがよくなされるが、確かに、ショップに入り浸っているお客さんの話を聞くことは、買いたいクルマのチェックポイントを見極める意味でも大事なことかもしれない、と思った。
(続く)
2010年03月13日
RV購入日記 01
はじめてのキャンピングカーを買ったのは、自動車の運転免許を取って20年目のことだった。
1990年代の中頃のことである。
「ギャラクシーⅢ」 というハイラックスベースのキャブコンを購入した。

(実はこのクルマ。かなりいわくつきのクルマで、キャンピングカーに詳しい人ならすぐピンッ! と反応するところだろうけれど、その件に関しては、後で述べる)
キャンピングカーを買うきっかけとなったのは、仕事でキャンピングカーのガイドブックをつくったからだ。
『キャンピングカー&RVガイド』 という本である。

当時、私は、会社の仕事として単発の単行本の企画を進めると同時に、 『キャンパーニュース』 という日本オート・キャンプ協会さんが発行するキャンプ専門紙の編集に関わっていた。
それは、主にテントキャンプのユーザーを対象とした新聞だったが、キャンピングカーのネタも徐々に増える傾向にあった。
90年代に入ってから爆発的なオートキャンプブームが押し寄せ、それと比例する形で、キャンピングカーの需要も右肩上がりで急増していたのである。
キャンピングカーのガイドブックを作るには好機といえた。
そこで、自動車メーカーのPR誌を編集していた私に、その仕事が回ってきた。
日本に流通しているキャンピングカーを1台1台採り上げ、その特徴や価格、フロアプラン、装備類などを1ページごとにまとめるという本だった。
1993年の暮れにつくり、94年の春に発行した。
書店売りはせずに、キャンピングカーショー会場にブースを設けて売った。
東京と名古屋のショーにブースを出しただけで、3,000冊つくった本が、2,200冊売れた。
実売率73.3パーセント。
濃い読者層に恵まれた場所で売ったとはいえ、予想外の売れ行きだった。
うちの会社は、この売れ行きを見て 「市場がある」 と認識し、さっそく翌年から部数も増やし、書店コードを取って定期刊行物にすることにした。
こうして私はキャンピングカー媒体の 「編集者」 から 「編集長」 になったのだけれど、定期刊行物として継続するとなると、それまでキャンピングカーに縁のない生活を送ってきたため、正直、かなり戸惑った。
しかし、仕事を始めるとけっこう面白かった。
ビルダーに取材に行って、開発者たちからいろいろキャンピングカーの話を聞くうちに、この世界がいかに特殊なマーケットであるかということが分かるようになった。
「特殊」 というのは、マニアックな “タコツボ世界” という意味ではない。
多くの人が興味を持つ楽しいアイテムなのに、そのことを外の世界に訴えようという意識がほとんどない世界だという気がしたのだ。
まず、キャンピングカーの広告というものが、日常生活の中のどこを見回してもない。
テレビで報道されることもなく、新聞にも出てこない。
後で分かったことだが、この時代、まだキャンピングカーを造る業者さんたちには、大々的に広告を打てるような資金力がなかったのだ。
広告展開は、すべてキャンピングカー専門誌だけで行なわれていた。
しかし、そのような雑誌は、なんらかの形で 「キャンピングカーの存在」 を知った人々を対象にした雑誌で、使われている用語からして、はじめて読んだ読者には意味不明の専門語が並んでいるだけのように思えた。
しかし、この世界を 「キャンピングカーを知らない人々に発信できる」 仕掛けを考案したら、爆発的にマーケットが広がりそうだ…という感触は、取材を続けているうちにつかめてきた。
それには、まずキャンピングカーを広報するメディアが 「はじめての人が読んでも分かる」 言葉を使うこと。
そして、そういう言葉を使って、 「はじめての人が読んでも理解できる」 記事を書くことが必要に思えた。
幸い、自分が担当した 『キャンピングカー&RVガイド』 の記事は、各ビルダーからは好評だった。
「文章が分かりやすい」 と言ってくれた人が多かった。
その言葉が、自分の自信を支える力となった。
「分かりやすい文章」 を書くためには、まず書く対象が、自分の頭の中で整理されていなければならない。
特に、工学的な記述の場合は、書くもののメカニズムや構造や作動原理が分かっていないと書けない。
ところが皮肉なことに、…どのジャンルにおいてもそうだが、専門知識を豊富に持っている専門家たちは、今度は、門外漢の人に分かってもらえるような文章が書けない。
いちばん良いのは、もともと “分かりやすい文章” を書けるライターが、書く対象をしっかり勉強をして書くこと。
それなら、なんとかできそうな気がした。
そういう勉強を、いちばん効率よく進めるにはどうしたらいいか?
「自分でキャンピングカーを買うしかない」 と思った。
もちろん各ビルダーを回って取材しているうちに、いろいろ教えもらうことはできるだろう。そのうち、およその基礎知識が身につくだろうから、そつないレポートをまとめるのにも、そんなに時間はかからないだろう。
しかし、「使う側」 からキャンピングカーを眺めたときの “眼差し” のようなものは、自分で乗って、走ってみて、装備品を使ってみないと分からない。
自分で銭を払う。
これが、けっこう大事なことのように思えた。
今まで他人ごとのように、 「トップグレードは450万円で…」 などと無造作に書いていた価格表示も、自分で買うという現実感が強まったときに、今とは違った反応が生まれてくるかもしれない。
そして、各装備類の機能や使い勝手も、自分で使ってみて、はじめて良し悪しの基準が生まれるかもしれない。
で、キャンピングカーを1台買うことにした。
それまでの多少の蓄えと、子供が産まれるまでカミさんが勤めていた勤務先から支給された給料のわずかな備蓄が頭金になりそうだった。
まず、カミさんの説得からすべてが始まるわけだが、自分にとっては、これが最初の難関だった。
でも、切り出す言葉は用意していた。
「これは自分にとって必要なモノなんだ。今後の自分の仕事を確立するために不可欠なものなんだ」
と、正攻法でカミさんに挑む覚悟を固めていたが、
意外にも、
「私や子供もキャンプに連れていってくれるんでしょ?」
との一言で、案外あっさり事が運んだ。
では、どんなクルマを買うか。
まず “苦労する” クルマを買おうと思った。
普通のワゴンと変わらないようなバンコンでは、金銭的にも、取り回しの面でも、駐車場探しでも、そんなに苦労が要らないように思えた。
それに比べ、トラックシャシーを使ったキャブコン (当時そういう言葉はまだなかった) は苦労しそうだった。
その手の車種は、基本的にサイズも大きく、装備類も多く、使いこなすまでには時間がかかりそうだった。
つまり、覚えてしまえば快適だが、覚えるまでは、 “苦労する” クルマに思えた。
しかし、その “苦労” が、私にとっては “勉強” なのである。
いっぱい苦労しなければならない。
ただ、アメリカンモーターホームは苦労が多すぎる気がした。
ボディが6mを超えてしまうと、苦労どころか、家までたどり着けないように思えたのだ。
わが家のある狭い一方通行の道に入って来るには、 「大黒寿司」 という看板を掲げた寿司屋のある小さな十字路を曲がって来なければならない。
6m超えのボディだと、この “大黒寿司クランク” を曲がれないことだけは、容易に想像がついた。
それでいて、運転席の前に (余分な) ボンネットを突き出したクルマを欲しいと思ったのだから、まぁ、矛盾しているといえばいえるのだが…。
ボンネットの理由?
カッコだけ。
エンジンが外にあることで、前突のときに安全性が確保されるとか、運転席周りが乗用車ライクだとか、お尻が熱くないとか、いろんな理由が挙げられるけれど、最大の理由は 「カッコいい」 という、ただそれだけの理由にすぎなかった。
欲しかったのは、ヨコハマモーターセールスが造っていた 「ロデオRV」 だった。
なにしろ、『キャンパーニュース』 というキャンプ関連の取材を始めるようになって、いちばん最初にユーザー訪問をしたのは、このクルマだったのである。

ピックアップトラックの荷台が “部屋” になっているという驚き。
アーリーアメリカンスタイルの木目家具に彩られた、けっこう洒落たインテリア。
「シャワー室があり、トイレまである!」
キャンピングカーショーにはじめて訪れた人のように、そんな単純なことに素直に感心してしまったのである。
その時から、キャンピングカーとは 「ボンネットトラックに架装を施すものだ」 という強烈な印象が心に刷り込まれることになった。
が、このとき、ロデオはすでに買えないクルマになっていた。
ベース車のエンジンが当時の排ガス対策をクリアできず、首都圏では登録できなくなっていたのだ。
また、その問題がクリアされたとしても、ボディ長が6mを超えるため、うちの前にたどり着く前の最初の難所 “大黒寿司クランク” を曲がりきれないことも分かった。
そこでロデオは、泣く泣く選択肢から外した。
そうなると、ボンネット型キャンピングカーとして、他に何があるか。
太陽自動車のアビ、ボディショップアジロのワンタイR-5、グローバルのギャラクシーなどというクルマが選択肢の中に浮かんできた。
選択は消去法で行なわれた。
太陽自動車の 「アビ」 は、運転席がダブルキャブというところに特色があった。しかも4WDのAT。
それがなかなか魅力だった。

しかし、ダブルキャブを使ったことによって、リビング部が狭く感じられたし、内装のフィニッシュにまだ熟成度が足りないと思えた。
ハイラックスベースでは、アジロさんのワンタイR-5もあった。
これもいいな…と思った。
トイレ・シャワー室を省いて、その分ベッドスペースを取り、居住空間のゆとりを実現した “通” のクルマだ。

全幅が1800。長さが5mちょうど。取り回しにはまったく問題がなく、 “大黒寿司クランク” も難なくクリアしそうに思えた。
しかし、基本的にトイレスペースがないということが、カミさんにとっては致命的であった。
こうして消去法で、ギャラクシーが残った。
結果的に、このギャラクシーを買うことになるのだが、冒頭でちょこっと示唆したとおり、このクルマは足回りに構造的な欠陥を抱え込んでおり、トラブルを続発させたことでむしろ名が知られるクルマになった。
どういうことか。
かいつまんで説明すると、同車の後車軸が堅牢性を欠いているため、架装重量に耐えきれず、車軸が折れて、タイヤが脱落するという危険性を抱えたクルマだったのだ。
ギャラクシーは、トヨタのハイラックスをベースにしたキャンピングカーだが、架装メーカーであるグローバルの改造によって、後輪をダブルタイヤに変更されていた。
この “ダブルタイヤ” が問題だった。
自動車メーカーが強度計算をして出荷したダブルタイヤならまったく問題ないのだが、グローバルは、ハイラックスのオリジナルの後輪にスペーサーをかませて、その外側に同径のタイヤを後付けしただけのものだったのである。
結果的に、これが 「トレッドが長くなった」 ことと同じことになり、車軸にかかる負担が増大し、車軸内のアクスルシャフト (ドライブシャフトを包んで保護するもの) が折れる危険性をはらんだことになる。
リヤのシングルタイヤにかかる架装重量の負担を、ダブルにして分散させるという方法そのものは正しいとはいえ、車軸にかかる強度不足を計算に入れなかったため、それが逆効果を招いたといえなくもない。
事実、シャフトが折れて車輪が脱落する事故が3件起こり、国交省は1999年と2007年に、グローバル社にリコール勧告を出している。
その後、同社がこのリコールに従わず、経営状態の悪化を理由に廃業してしまったため、後味の悪い結果を残した。キャンピングカー業界のイメージを損ねた事件でもあった。
しかし、その当時、私はそんなことをまったく予想もしなかった。
キャンピングカーの世界に首を突っ込んだばかりのことで、ベース車の許容荷重と架装重量のバランスの関係などは、 「言葉だけの問題」 で、実感として意識できなかったと告白せざるを得ない。
私の場合は、相当な重量の装備類を積んだまま10年間、7~8万km乗り続けたが、幸いなことにノントラブルのまま乗り終えることができた。
ただ、後付けダブルタイヤによって、前輪と後輪のトレッドが異なってしまっため、道のワダチを拾うと車体が不安定に揺れた。
でも、 「キャンピングカーってそんなもんだろう」 と割りきっていたので、そのことがそれほど苦痛でもなく、けっこう満足していた。

走行安全性に対する懸念材料を抱えたクルマだったが、それ以外の機能はよく追求されており、私にとっては数々の楽しい思い出を残してくれた印象的なクルマである。
(続く)
1990年代の中頃のことである。
「ギャラクシーⅢ」 というハイラックスベースのキャブコンを購入した。
(実はこのクルマ。かなりいわくつきのクルマで、キャンピングカーに詳しい人ならすぐピンッ! と反応するところだろうけれど、その件に関しては、後で述べる)
キャンピングカーを買うきっかけとなったのは、仕事でキャンピングカーのガイドブックをつくったからだ。
『キャンピングカー&RVガイド』 という本である。
当時、私は、会社の仕事として単発の単行本の企画を進めると同時に、 『キャンパーニュース』 という日本オート・キャンプ協会さんが発行するキャンプ専門紙の編集に関わっていた。
それは、主にテントキャンプのユーザーを対象とした新聞だったが、キャンピングカーのネタも徐々に増える傾向にあった。
90年代に入ってから爆発的なオートキャンプブームが押し寄せ、それと比例する形で、キャンピングカーの需要も右肩上がりで急増していたのである。
キャンピングカーのガイドブックを作るには好機といえた。
そこで、自動車メーカーのPR誌を編集していた私に、その仕事が回ってきた。
日本に流通しているキャンピングカーを1台1台採り上げ、その特徴や価格、フロアプラン、装備類などを1ページごとにまとめるという本だった。
1993年の暮れにつくり、94年の春に発行した。
書店売りはせずに、キャンピングカーショー会場にブースを設けて売った。
東京と名古屋のショーにブースを出しただけで、3,000冊つくった本が、2,200冊売れた。
実売率73.3パーセント。
濃い読者層に恵まれた場所で売ったとはいえ、予想外の売れ行きだった。
うちの会社は、この売れ行きを見て 「市場がある」 と認識し、さっそく翌年から部数も増やし、書店コードを取って定期刊行物にすることにした。
こうして私はキャンピングカー媒体の 「編集者」 から 「編集長」 になったのだけれど、定期刊行物として継続するとなると、それまでキャンピングカーに縁のない生活を送ってきたため、正直、かなり戸惑った。
しかし、仕事を始めるとけっこう面白かった。
ビルダーに取材に行って、開発者たちからいろいろキャンピングカーの話を聞くうちに、この世界がいかに特殊なマーケットであるかということが分かるようになった。
「特殊」 というのは、マニアックな “タコツボ世界” という意味ではない。
多くの人が興味を持つ楽しいアイテムなのに、そのことを外の世界に訴えようという意識がほとんどない世界だという気がしたのだ。
まず、キャンピングカーの広告というものが、日常生活の中のどこを見回してもない。
テレビで報道されることもなく、新聞にも出てこない。
後で分かったことだが、この時代、まだキャンピングカーを造る業者さんたちには、大々的に広告を打てるような資金力がなかったのだ。
広告展開は、すべてキャンピングカー専門誌だけで行なわれていた。
しかし、そのような雑誌は、なんらかの形で 「キャンピングカーの存在」 を知った人々を対象にした雑誌で、使われている用語からして、はじめて読んだ読者には意味不明の専門語が並んでいるだけのように思えた。
しかし、この世界を 「キャンピングカーを知らない人々に発信できる」 仕掛けを考案したら、爆発的にマーケットが広がりそうだ…という感触は、取材を続けているうちにつかめてきた。
それには、まずキャンピングカーを広報するメディアが 「はじめての人が読んでも分かる」 言葉を使うこと。
そして、そういう言葉を使って、 「はじめての人が読んでも理解できる」 記事を書くことが必要に思えた。
幸い、自分が担当した 『キャンピングカー&RVガイド』 の記事は、各ビルダーからは好評だった。
「文章が分かりやすい」 と言ってくれた人が多かった。
その言葉が、自分の自信を支える力となった。
「分かりやすい文章」 を書くためには、まず書く対象が、自分の頭の中で整理されていなければならない。
特に、工学的な記述の場合は、書くもののメカニズムや構造や作動原理が分かっていないと書けない。
ところが皮肉なことに、…どのジャンルにおいてもそうだが、専門知識を豊富に持っている専門家たちは、今度は、門外漢の人に分かってもらえるような文章が書けない。
いちばん良いのは、もともと “分かりやすい文章” を書けるライターが、書く対象をしっかり勉強をして書くこと。
それなら、なんとかできそうな気がした。
そういう勉強を、いちばん効率よく進めるにはどうしたらいいか?
「自分でキャンピングカーを買うしかない」 と思った。
もちろん各ビルダーを回って取材しているうちに、いろいろ教えもらうことはできるだろう。そのうち、およその基礎知識が身につくだろうから、そつないレポートをまとめるのにも、そんなに時間はかからないだろう。
しかし、「使う側」 からキャンピングカーを眺めたときの “眼差し” のようなものは、自分で乗って、走ってみて、装備品を使ってみないと分からない。
自分で銭を払う。
これが、けっこう大事なことのように思えた。
今まで他人ごとのように、 「トップグレードは450万円で…」 などと無造作に書いていた価格表示も、自分で買うという現実感が強まったときに、今とは違った反応が生まれてくるかもしれない。
そして、各装備類の機能や使い勝手も、自分で使ってみて、はじめて良し悪しの基準が生まれるかもしれない。
で、キャンピングカーを1台買うことにした。
それまでの多少の蓄えと、子供が産まれるまでカミさんが勤めていた勤務先から支給された給料のわずかな備蓄が頭金になりそうだった。
まず、カミさんの説得からすべてが始まるわけだが、自分にとっては、これが最初の難関だった。
でも、切り出す言葉は用意していた。
「これは自分にとって必要なモノなんだ。今後の自分の仕事を確立するために不可欠なものなんだ」
と、正攻法でカミさんに挑む覚悟を固めていたが、
意外にも、
「私や子供もキャンプに連れていってくれるんでしょ?」
との一言で、案外あっさり事が運んだ。
では、どんなクルマを買うか。
まず “苦労する” クルマを買おうと思った。
普通のワゴンと変わらないようなバンコンでは、金銭的にも、取り回しの面でも、駐車場探しでも、そんなに苦労が要らないように思えた。
それに比べ、トラックシャシーを使ったキャブコン (当時そういう言葉はまだなかった) は苦労しそうだった。
その手の車種は、基本的にサイズも大きく、装備類も多く、使いこなすまでには時間がかかりそうだった。
つまり、覚えてしまえば快適だが、覚えるまでは、 “苦労する” クルマに思えた。
しかし、その “苦労” が、私にとっては “勉強” なのである。
いっぱい苦労しなければならない。
ただ、アメリカンモーターホームは苦労が多すぎる気がした。
ボディが6mを超えてしまうと、苦労どころか、家までたどり着けないように思えたのだ。
わが家のある狭い一方通行の道に入って来るには、 「大黒寿司」 という看板を掲げた寿司屋のある小さな十字路を曲がって来なければならない。
6m超えのボディだと、この “大黒寿司クランク” を曲がれないことだけは、容易に想像がついた。
それでいて、運転席の前に (余分な) ボンネットを突き出したクルマを欲しいと思ったのだから、まぁ、矛盾しているといえばいえるのだが…。
ボンネットの理由?
カッコだけ。
エンジンが外にあることで、前突のときに安全性が確保されるとか、運転席周りが乗用車ライクだとか、お尻が熱くないとか、いろんな理由が挙げられるけれど、最大の理由は 「カッコいい」 という、ただそれだけの理由にすぎなかった。
欲しかったのは、ヨコハマモーターセールスが造っていた 「ロデオRV」 だった。
なにしろ、『キャンパーニュース』 というキャンプ関連の取材を始めるようになって、いちばん最初にユーザー訪問をしたのは、このクルマだったのである。
ピックアップトラックの荷台が “部屋” になっているという驚き。
アーリーアメリカンスタイルの木目家具に彩られた、けっこう洒落たインテリア。
「シャワー室があり、トイレまである!」
キャンピングカーショーにはじめて訪れた人のように、そんな単純なことに素直に感心してしまったのである。
その時から、キャンピングカーとは 「ボンネットトラックに架装を施すものだ」 という強烈な印象が心に刷り込まれることになった。
が、このとき、ロデオはすでに買えないクルマになっていた。
ベース車のエンジンが当時の排ガス対策をクリアできず、首都圏では登録できなくなっていたのだ。
また、その問題がクリアされたとしても、ボディ長が6mを超えるため、うちの前にたどり着く前の最初の難所 “大黒寿司クランク” を曲がりきれないことも分かった。
そこでロデオは、泣く泣く選択肢から外した。
そうなると、ボンネット型キャンピングカーとして、他に何があるか。
太陽自動車のアビ、ボディショップアジロのワンタイR-5、グローバルのギャラクシーなどというクルマが選択肢の中に浮かんできた。
選択は消去法で行なわれた。
太陽自動車の 「アビ」 は、運転席がダブルキャブというところに特色があった。しかも4WDのAT。
それがなかなか魅力だった。
しかし、ダブルキャブを使ったことによって、リビング部が狭く感じられたし、内装のフィニッシュにまだ熟成度が足りないと思えた。
ハイラックスベースでは、アジロさんのワンタイR-5もあった。
これもいいな…と思った。
トイレ・シャワー室を省いて、その分ベッドスペースを取り、居住空間のゆとりを実現した “通” のクルマだ。
全幅が1800。長さが5mちょうど。取り回しにはまったく問題がなく、 “大黒寿司クランク” も難なくクリアしそうに思えた。
しかし、基本的にトイレスペースがないということが、カミさんにとっては致命的であった。
こうして消去法で、ギャラクシーが残った。
結果的に、このギャラクシーを買うことになるのだが、冒頭でちょこっと示唆したとおり、このクルマは足回りに構造的な欠陥を抱え込んでおり、トラブルを続発させたことでむしろ名が知られるクルマになった。
どういうことか。
かいつまんで説明すると、同車の後車軸が堅牢性を欠いているため、架装重量に耐えきれず、車軸が折れて、タイヤが脱落するという危険性を抱えたクルマだったのだ。
ギャラクシーは、トヨタのハイラックスをベースにしたキャンピングカーだが、架装メーカーであるグローバルの改造によって、後輪をダブルタイヤに変更されていた。
この “ダブルタイヤ” が問題だった。
自動車メーカーが強度計算をして出荷したダブルタイヤならまったく問題ないのだが、グローバルは、ハイラックスのオリジナルの後輪にスペーサーをかませて、その外側に同径のタイヤを後付けしただけのものだったのである。
結果的に、これが 「トレッドが長くなった」 ことと同じことになり、車軸にかかる負担が増大し、車軸内のアクスルシャフト (ドライブシャフトを包んで保護するもの) が折れる危険性をはらんだことになる。
リヤのシングルタイヤにかかる架装重量の負担を、ダブルにして分散させるという方法そのものは正しいとはいえ、車軸にかかる強度不足を計算に入れなかったため、それが逆効果を招いたといえなくもない。
事実、シャフトが折れて車輪が脱落する事故が3件起こり、国交省は1999年と2007年に、グローバル社にリコール勧告を出している。
その後、同社がこのリコールに従わず、経営状態の悪化を理由に廃業してしまったため、後味の悪い結果を残した。キャンピングカー業界のイメージを損ねた事件でもあった。
しかし、その当時、私はそんなことをまったく予想もしなかった。
キャンピングカーの世界に首を突っ込んだばかりのことで、ベース車の許容荷重と架装重量のバランスの関係などは、 「言葉だけの問題」 で、実感として意識できなかったと告白せざるを得ない。
私の場合は、相当な重量の装備類を積んだまま10年間、7~8万km乗り続けたが、幸いなことにノントラブルのまま乗り終えることができた。
ただ、後付けダブルタイヤによって、前輪と後輪のトレッドが異なってしまっため、道のワダチを拾うと車体が不安定に揺れた。
でも、 「キャンピングカーってそんなもんだろう」 と割りきっていたので、そのことがそれほど苦痛でもなく、けっこう満足していた。
走行安全性に対する懸念材料を抱えたクルマだったが、それ以外の機能はよく追求されており、私にとっては数々の楽しい思い出を残してくれた印象的なクルマである。
(続く)
2010年03月04日
定年後の人生
日本オート・キャンプ協会 (JAC) が発行している広報紙 『オートキャンプ』 には、毎回RVランドの阿部和麿さんが執筆される連載エッセイ 「キャンピングカー・クリティーク」 が掲載されている。

今月のテーマもかなり面白いものだったので、JACさんの許可をいただき、このブログでも、その一部を紹介してみたい。
定年後の自由時間は現役生活より長い
今回のエッセイは、 「日本人の平均寿命は、男性で79・29歳。女性で86・05歳」 というレポートから始まる。
ついでにいうと、女性の86歳というのは世界1位。男性の79歳は世界4位…なんだそうだ。
さらに、65歳まで無事に生きた人の場合は、その余命が平均寿命よりもさらに長くなり、男性84歳、女性89歳までは軽く生きられるという。
これがどれほど長い時間になるのか?
阿部さんは、そのエッセイの中で、経済評論家の大前研一さんの説を披露する。
「大前さんが試算したところによると、定年退職後に与えられる自由時間は8万7,600時間だという。
もちろん睡眠時間や食事時間などは、この自由時間には入らない。個人が純粋に好きに使える時間だけを取り出したものだ。
実はこの8万時間。普通のサラリーマンの場合は、現役時代の会社で働いた時間より長いのだ」
つまり、会社で1日8時間労働したとして、その労働総時間数は、8時間×250日×38年間 = 7万6,000時間。
定年後の8万7,600時間というのは、それよりも、約1万時間も長いという計算になる。
この膨大な時間を、意義のあるものとして迎えるには、 「趣味を20個ほど持たなければならない」 と大前さんは主張しているらしいのだ。
いったい、どんな趣味を持てばいいのか?
多くの人が挙げる趣味には、 「ゴルフ」 「釣り」 「山登り」 「四国八十八箇所めぐりのお遍路」 「そば打ち」 などがある。
しかし、それだけでは、とても8万時間を消化しきれないと、大前さんは踏んでいるらしい。
だから彼自身は、 「クラリネット演奏」 「船遊びや釣り」 「スキューバダイビング」 「オフロードバイク」 「水上バイク」 「スキー」 「スノーモービル」 など、老後に備えて、少し若い世代の遊ぶ趣味も取り込んでいるのだそうだ。
大前氏は、趣味を持つときの配分として、次のような提案をしたという。
・ 趣味のうち3分の1は、一人でも室内でできること。
・ 次の3分の1は、一人でも屋外でできること。
・ 残りの3分の1は、夫婦 (仲間) とできること。
そのところを読んで、阿部さんは、 「これはまさにキャンピングカーライフだ!」 とひらめいたという。
阿部さんは書く。
「キャンピングカーは、旅行やキャンプのツールとして屋外で使うものだが、同時に 『室内』 を背負っている。
しかも、そのパートナーとして、奥さんまたは仲間を受け入れるキャパシティを持っている。
まさに、大前さんのいう 『室内、屋外、パートナー』 というファクターをすべて1台の中に盛り込んだクルマが、キャンピングカーだ」
つまりキャンピングカーは、大前さんのいう、
① 3分の1は屋外
② 3分の1は室内
③ 3分の1は奥様や仲間と一緒
…という “趣味の3配分” を取りこぼしなく押さえた理想のツールであったのだ。
阿部さんのエッセイの結びの言葉は、次のようなものだった。
「キャンピングカーは、あらゆる趣味へと通路を開く 『魔法の扉』 だ。
『釣り』 『山登り』 『スキー』 などの前線基地となり、同時に 『温泉めぐり』 『地方のグルメ堪能』 という楽しみを簡単に実現させる。
もちろん、キャンピングカーという存在そのものを趣味にして、その改造やメンテを楽しむ人たちも後を絶たない。
キャンピングカーが1台あれば、定年後の8万時間を虚しく費やしてしまうということはまずあり得ない」

さすが、ユーザーと接してきた経験も豊富で、業界を長く見てきた阿部和麿さん。
キャンピングカーの秘める可能性を、初心者にも分かりやすく解説していると思った。
今月のテーマもかなり面白いものだったので、JACさんの許可をいただき、このブログでも、その一部を紹介してみたい。
定年後の自由時間は現役生活より長い
今回のエッセイは、 「日本人の平均寿命は、男性で79・29歳。女性で86・05歳」 というレポートから始まる。
ついでにいうと、女性の86歳というのは世界1位。男性の79歳は世界4位…なんだそうだ。
さらに、65歳まで無事に生きた人の場合は、その余命が平均寿命よりもさらに長くなり、男性84歳、女性89歳までは軽く生きられるという。
これがどれほど長い時間になるのか?
阿部さんは、そのエッセイの中で、経済評論家の大前研一さんの説を披露する。
「大前さんが試算したところによると、定年退職後に与えられる自由時間は8万7,600時間だという。
もちろん睡眠時間や食事時間などは、この自由時間には入らない。個人が純粋に好きに使える時間だけを取り出したものだ。
実はこの8万時間。普通のサラリーマンの場合は、現役時代の会社で働いた時間より長いのだ」
つまり、会社で1日8時間労働したとして、その労働総時間数は、8時間×250日×38年間 = 7万6,000時間。
定年後の8万7,600時間というのは、それよりも、約1万時間も長いという計算になる。
この膨大な時間を、意義のあるものとして迎えるには、 「趣味を20個ほど持たなければならない」 と大前さんは主張しているらしいのだ。
いったい、どんな趣味を持てばいいのか?
多くの人が挙げる趣味には、 「ゴルフ」 「釣り」 「山登り」 「四国八十八箇所めぐりのお遍路」 「そば打ち」 などがある。
しかし、それだけでは、とても8万時間を消化しきれないと、大前さんは踏んでいるらしい。
だから彼自身は、 「クラリネット演奏」 「船遊びや釣り」 「スキューバダイビング」 「オフロードバイク」 「水上バイク」 「スキー」 「スノーモービル」 など、老後に備えて、少し若い世代の遊ぶ趣味も取り込んでいるのだそうだ。
大前氏は、趣味を持つときの配分として、次のような提案をしたという。
・ 趣味のうち3分の1は、一人でも室内でできること。
・ 次の3分の1は、一人でも屋外でできること。
・ 残りの3分の1は、夫婦 (仲間) とできること。
そのところを読んで、阿部さんは、 「これはまさにキャンピングカーライフだ!」 とひらめいたという。
阿部さんは書く。
「キャンピングカーは、旅行やキャンプのツールとして屋外で使うものだが、同時に 『室内』 を背負っている。
しかも、そのパートナーとして、奥さんまたは仲間を受け入れるキャパシティを持っている。
まさに、大前さんのいう 『室内、屋外、パートナー』 というファクターをすべて1台の中に盛り込んだクルマが、キャンピングカーだ」
つまりキャンピングカーは、大前さんのいう、
① 3分の1は屋外
② 3分の1は室内
③ 3分の1は奥様や仲間と一緒
…という “趣味の3配分” を取りこぼしなく押さえた理想のツールであったのだ。
阿部さんのエッセイの結びの言葉は、次のようなものだった。
「キャンピングカーは、あらゆる趣味へと通路を開く 『魔法の扉』 だ。
『釣り』 『山登り』 『スキー』 などの前線基地となり、同時に 『温泉めぐり』 『地方のグルメ堪能』 という楽しみを簡単に実現させる。
もちろん、キャンピングカーという存在そのものを趣味にして、その改造やメンテを楽しむ人たちも後を絶たない。
キャンピングカーが1台あれば、定年後の8万時間を虚しく費やしてしまうということはまずあり得ない」
さすが、ユーザーと接してきた経験も豊富で、業界を長く見てきた阿部和麿さん。
キャンピングカーの秘める可能性を、初心者にも分かりやすく解説していると思った。
2010年03月03日
日刊自でも紹介
2月の幕張キャンピング&RVショーで “デビュー” を果たした 『日本のキャンピングカーの歴史』 が、幸いなことに、あちらこちらの媒体から紹介されるようになった。
“世界最大級” を謳う自動車専門の日刊紙である 『日刊自動車新聞』 の 2月27日 (土) 号では、7面の中段に 「新刊紹介」 という形で、3段抜きの書評が掲載された。

記事では、まず 「RV」 という言葉の意味に触れ、欧米においては広い意味でキャンピングカーを意味する 「RV」 という言葉が、日本ではミニバン、ステーションワゴン、SUVなどを指す言葉になったことを指摘。
そして、その商業的なRVブームと連動しながらも、それとは違う路線で、自然や家族との関わりを深めるキャンピングカーが、日本独自の市場形成をなしとげたことに記者は注目する。
このあたりの分析は、 RVブームを構造的に解明することのできる自動車専門紙としての力量が感じられて、感心せざるを得ない。
紹介記事では、本書のことを次のように位置づけている。
「日本のキャンピングカーの黎明期から成長期にかけてオートキャンプやキャンピングカービジネスに情熱を持って取り組んだ人たちへの取材も含めて、『日本のキャンピングカーの歴史』を読み物風にまとめたもので興味深い。
日本のモータリゼーションとクルマ社会の歴史と連動した貴重な資料でもある」
書店売りもされない小冊子にもかかわらず、わざわざ採り上げて、このような評言をいただけたことは、著者としては望外の喜びであった。
記者の方には、この場を借りてお礼を言いたい。
また、社団法人日本オート・キャンプ協会 (JAC) が発行する月刊紙 『オートキャンプ』 においても、その8面の 「新製品ナビ」 というコーナーで採り上げられた。

ここでは、 「歴史を作った人と車」 というタイトルに続き、 「日本のキャンピングカーの歴史をまとめたこれまでになかった1冊」 という評言で、本書のポイントが指摘されている。
読者プレゼントもあるので、興味をもたれた方はJACさんに問い合わせを。
書店で売られることのないこのような地味な本が、有力媒体の書評欄で採り上げられるなど夢にも思わなかった。
うれしい限りである。
なお、本書は日本RV協会 (JRVA) が主催するキャンピングカーショーの会場で売られている。
今週末は、インテックス大阪で行なわれる 「キャンピングカーショー大阪」 (3月6日~7日) の協会ブースで発売されるので、本書に関心を持たれた関西地区にお住まいの方は、ぜひ足を運んでいただきたい。
関連記事 「キャンカーの歴史」
“世界最大級” を謳う自動車専門の日刊紙である 『日刊自動車新聞』 の 2月27日 (土) 号では、7面の中段に 「新刊紹介」 という形で、3段抜きの書評が掲載された。

記事では、まず 「RV」 という言葉の意味に触れ、欧米においては広い意味でキャンピングカーを意味する 「RV」 という言葉が、日本ではミニバン、ステーションワゴン、SUVなどを指す言葉になったことを指摘。
そして、その商業的なRVブームと連動しながらも、それとは違う路線で、自然や家族との関わりを深めるキャンピングカーが、日本独自の市場形成をなしとげたことに記者は注目する。
このあたりの分析は、 RVブームを構造的に解明することのできる自動車専門紙としての力量が感じられて、感心せざるを得ない。
紹介記事では、本書のことを次のように位置づけている。
「日本のキャンピングカーの黎明期から成長期にかけてオートキャンプやキャンピングカービジネスに情熱を持って取り組んだ人たちへの取材も含めて、『日本のキャンピングカーの歴史』を読み物風にまとめたもので興味深い。
日本のモータリゼーションとクルマ社会の歴史と連動した貴重な資料でもある」
書店売りもされない小冊子にもかかわらず、わざわざ採り上げて、このような評言をいただけたことは、著者としては望外の喜びであった。
記者の方には、この場を借りてお礼を言いたい。
また、社団法人日本オート・キャンプ協会 (JAC) が発行する月刊紙 『オートキャンプ』 においても、その8面の 「新製品ナビ」 というコーナーで採り上げられた。
ここでは、 「歴史を作った人と車」 というタイトルに続き、 「日本のキャンピングカーの歴史をまとめたこれまでになかった1冊」 という評言で、本書のポイントが指摘されている。
読者プレゼントもあるので、興味をもたれた方はJACさんに問い合わせを。
書店で売られることのないこのような地味な本が、有力媒体の書評欄で採り上げられるなど夢にも思わなかった。
うれしい限りである。
なお、本書は日本RV協会 (JRVA) が主催するキャンピングカーショーの会場で売られている。
今週末は、インテックス大阪で行なわれる 「キャンピングカーショー大阪」 (3月6日~7日) の協会ブースで発売されるので、本書に関心を持たれた関西地区にお住まいの方は、ぜひ足を運んでいただきたい。
関連記事 「キャンカーの歴史」
2010年03月02日
ソーラーフィルム
キャンピングカーのソーラーパネルの装着率が年々上がっている。
日本RV協会が発行している 『キャンピングカー白書』 のデータを追ってみると、微増ではあるが、年を追うごとにソーラーパネルの装着度が上がっているのが分かる。
ちなみに、下記は、この10年間におけるバンテック社の新車納車時のソーラー装着率だが、これを見ても (年による変動はあるものの) 、トータル的に装着率が高まっていることが見てとれる。
1999年 0 %
2000年 0 %
2001年 3.3 %
2002年 4.3 %
2003年 6.3 %
2004年 12.8 %
2005年 8.5 %
2006年 20.0 %
2007年 15.3 %
2008年 15.4 %
2009年 35.4 %
もちろん、ソーラーシステムは、どのキャンピングカーにおいてもオプション設定になっているものがほとんど。
その装着率が高まっているということは、それだけユーザーの関心度が高まっていることを意味している。
理論的には、太陽が出ている限り、無尽蔵にそのエネルギーを取り込むことできるソーラーシステムは、環境への配慮が社会的要請になってきた時代のエコロジカルな電力供給システムとして、いまきわめて象徴的な役割を負っているといえよう。
ただ、ソーラーの発電能力は決して高くない。キャンピングカーのルーフに設置されることの多い定格出力70Wクラス (1200×500mm) の小型パネルの場合は、1日あたりの発電量が晴天の日でもせいぜい15~20AH (アンペアアワー) ほどだから、小型照明器だと10時間程度。テレビだと5時間程度の電気量でしかない。
したがって、ソーラー単体の力で、キャンピングカーが搭載している電装製品をすべて駆動することなどできないし、バッテリーが弱ったときの緊急充電を行うこともできない。
それでも、サブバッテリーの電力消費を補うには十分に有効であるし、キャンピングカーを長い間乗らずに放置するような場合、その間のバッテリーチャージシステムと考えれば、これは実に便利な装置だ。
週末か連休のときだけしか稼動させないキャンピングカーでも、その間の充電をソーラーに任せておけば、出発するときにはほぼ満充電の状態でスタートすることができる。
そのようなユーザー意識の高まりを反映して、いまキャンピングカーのソーラーシステムはどんどん進化している。
ビルダー側から続々と新しい提案がなされているといっていい。
そのひとつが、バンテックが実用化を進めている 「ソーラーフィルム」 である。
2月中旬に開かれた幕張キャンピング&RVショーの会場で、バンテックはきわめて、ユニークなルーフを持ったジル520を出展した。

バンク部からルーフ中央にかけて、屋根の半面を覆う薄い銀色の幕。
これが、実はバンテックが試みた新しいソーラーフィルムなのだ。
これは、 「富士電機システムズ」 という会社が開発したもので、それをキャンピングカーに採用したのはバンテックがはじめて。
フィルムの厚さは1~2mm以内。
このフィルムが、今までの四角い箱形のソーラーパネルに代わって、太陽光をエネルギー源として電気を蓄電するというわけだ。
この手の湾曲するソーラーシートを、過去バンテックで発売した時期があった。
それは、ヨット用のものをキャンピングカーに流用しようとしたものだったが、出力も20Wぐらいまでのものしかなく、製品的な安定性にも欠けていた。
ところが、今回のものはルーフに貼った現行の状態で180W。
出力としては申し分ない。

このソーラーフィルムのメリットは、それを貼る個体の形状に合わせて、ある程度自由な形を取れるところにある。
複雑な曲面が連なる2次曲面でも、その形に這わせてスマートな装着が可能となるわけだ。
さすがに、複雑な3次曲面に対応させることは難しい場合もあるが、ジルのバンク部のラインぐらいなら、十分に対応できるという。
従来のパネル型のものに比べると、重量が軽いし、風の抵抗も受けない。
「キャンピングカーのルーフは、陽が当たっても、今まではそれが単に熱に変わるだけでした。
しかし、そのルーフ部にこのフィルムを貼れば、熱に変わってしまうエネルギーを電気に変えることができるわけですから、それ自体がエコの精神につながるし、実用面においても、ルーフの断熱効果が高まるはず」
…と、バンテックのスタッフは語る。

さらに、このようなソーラー技術が進んでいけば、ボディ全体をソーラーフィルム化したキャンピングカーを開発することも、理論的には難しいことでもないという。
「ただ…」 と、同スタッフがいうには、
「一般の四角いパネルと比べると、面積効率では劣る」
という。
同じ量の発電をするのに、だいたい2倍の面積が必要になってくるというのだ。
また価格も、現在の試算ではちょっと高めに設定せざるを得ないとか。
逆に、面積効率は落ちる代わりに、夏場の熱ダレが少ないとも。
だから夏場の炎天下に限っていえば、同じ発電量のパネルであれば、10パーセントぐらいはフィルムの方の発電効率が高くなるという。
市販化されるまでには、まだ少し時間がかかるようだが、専用のコントローラーを開発して、夏場までには正式にリリースしたいという意向のようだ。
このソーラーフィルムと同時にバンテックがショー会場で展示していたのが、消音型の発電機収納ボックス。
名前は 「9アイボックス (9i box) 」 。

同社はすでに、カムロードに対応したホンダのEU16 i 専用収納ボックスを開発して、市販しているが、これはその消音化をさらに徹底させたもの。
同社のスタッフが語るところによると、
「ベバストのFFヒーター並みのレベルにまでは落とせた」
という。
発電機は、確かにエネルギー源としては効率のいい機器であることは誰もが認めるところだが、問題はその 「音」 。
基本的にエンジンを回して電気を発生させる装置なので、どんなに静粛性の高い容器の中に収めようとも、作動音をゼロにすることはできない。
しかし、この 「9アイボックス」 では、様々な防音材、吸音材、防振材などを組み合わせて、可能な限り作動音ゼロに近づく努力を行ったという。
ただ、このボックスに収まるのが、名前から分かるとおり、ホンダのEU9 i まで。
16 i には対応していない。
だから、従来型のルーフエアコンを回すことは無理。
しかし、小振りな電子レンジ (温め能力450W程度までのもの) 、炊飯器、湯沸かしポットには十分に対応する。
キャンピングカーは、いま新しいエネルギー供給システムの実感場のような感じになっている。
「家」 と 「クルマ」 という、人間の生活に密着した要素が二つも重なっているキャンピングカー。
それだけに、エネルギーシステムの効率化にチャレンジできるフィールドが広い。
だから刺激的な提案が続々と生まれてきている。
バンテックは、そんな前衛的な精神に満ちあふれたビルダーのひとつだ。
2010年03月01日
名古屋RVショー

名古屋は活気があるなぁ!
ポートメッセ名古屋で開かれた 「名古屋キャンピングカーフェア2010」 を取材していて、最初に感じたのは、まずそのこと。
会場のゲートが開かれた瞬間、まるで水門の栓を開けて水流がほとばしるように、 “人の波” が押し寄せてくる。
…そんな感じ。
「日本全体が不景気といわれつつも、その中でいちばん最初に立ち直っていくのは、名古屋ではないか?」
入口近くでキャンプ場のパンフレットを配っていたあるキャンプ場オーナーは、そうつぶいた。
パンフレットをもらう人の、 “手の引き” が強いのだそうだ。
▼ 入口にずらりと並んだキャンプ場コーナー
人の表情が明るい。

出展者の中には、思い切ったブースづくりで、来場者をびっくりさせたメーカーもあった。
今までは、展示車の “即売会” という印象も強かったキャンピングカーショーだが、幕張ショーあたりからは、 “華のある” ブースづくりで、 「来場者に楽しんでもらおう」 という企画を組むショップが増えた。
幕張では、ファーストカスタムがその先陣を切ったが、この名古屋ショーではトイファクトリーがそれを受け継いだ。
▼ トイファクトリーのブースでは、地場の木材を組んで、手の込んだブースづくりが行なわれた。

▼ フローリングを組んで、気持ちの良い商談コーナーも設けられている。

▼ 階段を組み込んだ足場も作られ、そこに上がると、トイファクトリーがグッドデザイン賞を獲得したソーラーシステムを上から見下ろすこともできる。
▼ 同社が満を持して発表した画期的な新型バスコン 「セブンシーズ」 。

▼ ヨーロッパデザインの香りを湛えたセブンシーズのメインサロン。

▼ 子ども向けのイベントも盛りだくさん。クラフトコーナーを主催するのはアウトドアの達人 “クマヒゲ” 尾藤さん。

▼ それにしてもペット連れが多いイベントだった。

▼ RVビックフットブースでは、牧瀬社長がペットオーナーとRV談義。

▼ 商談スペースを広くとったナッツRVのブースは、いつ行っても来場者でにぎわっていた。
アルミパネルを積極的に投入した同社のキャブコン開発の思想が多くの人に支持されているようだ。

▼ 親しみやすさと分かりやすさを打ち出したレクビィブース。
バンコンに絶対的な自信を持つメーカーだけに、どのバンコンも、一目見ただけで使い勝手がすんなりと頭に入ってくるコンセプトのものをずらりと揃えた。

▼ こちらはキャブコンメーカーの老舗としての知名度を誇るエートゥゼット (AtoZ) ブース。
小型キャブコンではトップを走るメーカーらしく、幕張ショーあたりから、ディスプレイにもお洒落なセンスに彩られた華やかさを打ち出すようになった。

▼ トランキルグローブでは、相変わらず松原社長が “パーティ会場” を思わせるブース展開で、コアなファンにサービス。

▼ 広報誌 『くるま旅』 やマナーリーフレットを配布するJRVAブース。
ここでは小冊子 『日本のキャンピングカーの歴史』 も販売。

搬入日から数えて3日間ショーを回ってみたけれど、どのブースも、自分たちの商品のキャラクターに合わせ、オリジナリティを打ち出す方向が見えてきたように思う。
今後RVショーは、新しい展開を見せていくのかもしれない。
2010年02月24日
家族を育てるRV
キャンピングカーライフ
は女性が創る時代 vol.2 (前回の続き)

【 対談 ・ 家族を育てるRV 】
国産キャンピングカービルダー・社長 山口寿子さん
輸入キャンピングカー販売店・社長 安達二葉子さん
《 女は常に家族の “調和” を大事にする 》
【山口】 旦那さんと奥さんで、キャンピングカーの判断基準が異なるのは、どうも、男性と女性の “文化” の違いが反映しているように思えるのです。
やはり、小さい頃から 「機械」 に興味を感じる男の子と、 「おままごと」 を楽しめる女の子のそれぞれの “文化” がそのまま継続されているように感じます。
そのため、男性の場合は圧倒的に機能的なものに関する関心が高く、 「サブバッテリーの増設は必要か」 とか、 「インバーターでどのくらい持つか」 とか、「ソーラーを付けたらどうなる?」 といった方向に話題が集中するんです。
だけど、女性は、そういうことは分からない部分なんです (笑) 。
女性は、それよりも、そういう 「電気」 が確保されたときに、部屋の中にどういう照明が実現されるのか? そのことにより、家族と過ごすダイネットがどういう雰囲気になるのか? そちらの方が大切なテーマなんですね。
【司会】 そのような違いは、どうして生じるんでしょうね?
【山口】 やっぱり、男性は昔から狩猟して、外でエモノをとってきて、妻子を養うという生活が “文化のDNA” みたいな形で残っているんじゃないでしょうか。
だから、エモノをしとめる武器の構造とか、狩を効率よく行うシステムなどに関心が向く。
それに対して、女性は、男がとってきたエモノをどう家族に分配するか。どう調理して、みんなでおいしく食べるか。男の労働をどうねぎらってやるか…というような、常に 「家族全体」 のことを考えながら生きてきたと思うんです。
だから、女にとっては、 「家族の関係」 こそが大事なんですね。
キャンピングカーも同じであって、そういう男性と女性の組み合わせのバランスがうまく取れたときに、 「よし買おう」 という家族の決断が生まれると思います。
【安達】 ヨーロッパの場合は、なおのことキャンピングカーを使う男女の分業体制がしっかり確立されています。
クルマを安全に運転するのは男の役目。

▲ 安達二葉子さん
それを補佐して、男が眠くなったり、疲れたりしないように、話題にも気を配り、地図をチェックするなどしてケアするのは奥様の役目。
だから、ヨーロッパのキャンピングカーの場合は、助手席を 「マダムシート」 などといったりすることもあります。
【山口】 また、ファミリーのある家族には、 「キャンピングカーがあれば子供の心が豊かになる」 ということをぜひ理解してもらいたいと思うんです。
たとえば、食事を介して、子供たちに健康な食生活を伝えることを 「食育」 などといったりすることがあるでしょ。

▲ 山口寿子さん
また、住宅などにおいても、住み方を工夫することで、子供に暮らし方を学ばせることを 「住育」 などともいいますよね。
それと同じように、 「車育」 という概念があってもいいように思うんです。
つまり、家族のコミュニケーションが密に取れるようなクルマがあれば、子供たちだって豊かな家族関係を学んでいけるようになると思うんです。

《 これからは 「車育」 の時代 》
【安達】 「車育」 というのは、本当にいい言葉ですね。確かに、キャンピングカーには、子供たちとコミュニケーションをとる材料がたくさん揃っていますね。
【山口】 今の子供たちを見ていると、学校から帰ってきたらすぐ塾へ行って、10時頃家に戻ってきて、チラッとゲームして…。
それでは、いつ家族と向かい合って、いつ団らんするの? と心配になってきます。
昔の家では、4畳半と6畳ぐらいの間取りに、親子5人くらいで生活したりしてきたわけですから、否が応でも家族同士で話し合う時間と空間を共有できたわけですね。
だけど、今の子供たちは贅沢に個室を持っていて、それぞれ自分のテレビを持っていて、しかも家族が一緒に食事をとることもない。
それでは、親は子供が何を考えているのか知る機会もなくなるし、子供も、親が何を考えているか分からない。

【司会】 それを 「キャンピングカー旅行」 で解消しようと…?
【山口】 そうです。ファミリーでキャンピングカー旅行をすれば、どうしても狭いダイネットを中心に、家族がみんな集うしかないわけですから、自然に会話も復活すると思うのね。
そのときに、ようやく子供は、自分の学校の交友関係の楽しさや悩みを話題にするかもしれない。
親も、キャンピングカー旅行を通じて、 「ゴミを捨てる場所はどこか」 とか、 「公共駐車場で休むときのマナーはどうだ」 とかいうことを、実践を通じて子供に伝えることができるわけですね。それが 「車育」 だと思うんです。

【安達】 キャンピングカー自体が、 「旅」 そのものも豊かにするということも子供たちに伝えたいですね。
塩野七生さんのエッセイに書かれていたことなんですけれど、 「海外旅行に行くと、日本人は景色を見る前に写真を撮る」 って。
で、景色は見ないで、日本に帰ってきてから写真を焼き増ししたときに景色を確認すると… (笑) 。
しかし、そういう旅は豊かさにつながらないように思うんです。
日本人は、よく 「写真に残す」 とか、 「お土産を買う」 というように 「形に残るもの」 に気をつかいがちですけど、時には 「形に残さない」 旅も必要なのではないでしょうか。
記録に残すよりも、 「今ここで味わっておかないと二度と見られない景色だ」 と思いながら風景を楽しんだ方が、後になって思い出すときに鮮明な記憶として残っていることが多いんです。
結局、どんなに宝石とかお金を手に入れても、死ぬ間際にはすべて手放さなければならない。そこには 「思い出」 しか持っていけないわけでしょ。
そういうことが理解できれば、キャンピングカーの中で家族と一緒に過ごす時間がどれほど貴重かということを、みんなで共有できると思うんです。
車内で家族と楽しい交流ができれば、過ぎていく時間がダイヤモンドの輝き以上のものになりますよ。

【山口】 そういう意味で、キャンピングカーというのは、日頃それぞれ別の生活圏で暮らす家族が、お正月などに集まって家族の絆を確かめあう 「ふるさと」 ですね。
そういう場があってこそ、親子が共通した 「趣味」 を持てるようになると思うんです。
「趣味」 というものは、親が本当に楽しんでいないと、子供に伝わらないんです。
たとえば、お父さんもお母さんも音楽にあまり興味がないのにもかかわらず、子供を 「ピアノ教室」 に通わせたって、子供だって面白いはずがないんです。
親が本当に 「楽しい」 と思わないと、子供は何も学ばない。
絵画教室だって、親がスケッチひとつ楽しむこともしないで、子供だけ通わせたって、子供は何のためにそんなことをやるのか分からない。
だけど、キャンピングカー旅行って、両親のどちらかが、あるいはその両方が、 「本当に楽しい!」 と思って始めたわけでしょ。これは絶対子供の心を動かしますよ。
【安達】 それが 「車育」 ですね。私は 「車育」 の中には、 「食育」 も 「住育」 もすべて含まれるように思うんです。
だって、旅行に行けば、その産地の美味しいものをダイレクトに食べる機会が増えるわけですよね。
いま食べているものの産地を知り、素材を知る。それがキャンピングカーの中ですべてできるんです。そして、ものを食べるときのありがたさとか、食べるマナーなどを学ぶわけですよね。

また、キャンピングカーは動く 「住宅」 ですから、その中には 「住育」 も含まれます。
そういうものが、子供たちの脳の中に蓄積していけば、キャンピングカーで育った子は、ものすごく豊かな感性を持つ人間に成長する可能性があるわけですよね。
【山口】 そうそう。だから、子供が思春期のむずかしい年頃になっても、キャンピングカーを通じて親子のコミュニケーションをとっている人々は、気持ちが通じ合うんですよ。

反抗期になって、子供が急に口を利かなくなると、たいていの親はあわてて、 「どうした? 何を考えているんだ? 話せ!」 ときつく迫るけれど、子供の気持ちを分かっている親は、無理にそんなことをしないんです。
ただ、ギュッと抱きしめるような気持ちで、 「いいのよ、しゃべらなくても。私はあなたを信じているから」 というメッセージを、言葉にしなくても伝えることができると思うんです。
それができるかどうかは、子供の小さい頃から親が一緒になって、キャンピングカー旅行を楽しんだかどうかという、その一点にかかっているんではないでしょうか。
《 親がキャンピングカーを好きなら子も習う 》
【安達】 日本ではすぐ 「中学生ぐらいになると子供が付いてこなくなる」 と言いますけれど、ヨーロッパでも、子供はある程度の年になると、付いてこなくなるんですね。
ただ、向こうでは、中学生や高校生ぐらいになると、自分たちでキャンプを始めるんです。
もちろん、若いからお金もないのでテントキャンプが多いんですけれど、大学生ぐらいになると、もうお爺さんが使っていた古いトレーラーなどを引いて、自分でキャンピングカー旅行を始めるんです。
【山口】 最近日本のキャンプ場でも、大学生ぐらい子供たちがコテージやバンガローなどを利用して泊まっているのを見るようになりましたね。まだキャンプ道具を揃えられないからそうしているのでしょうけれど、たぶん、その子たちは親がキャンプに連れていっていたのではないかしら?

【安達】 日本でも、ようやくそういう流れが生まれてきたのでしょうね。
だから 「キャンピングカーの旅に子供が付いてこなくなった」 といってがっかりするのは早いんです。
そのお父さんとお母さんは、もうすごい役割を果たしているんですよ。すぐに芽が出なくても、種まきをしたわけですから。
キャンピングカーの旅を楽しいと思った子供たちは、絶対に自分たちでも始めるようになると思います。
【司会】 キャンピングカーの可能性が大きく広がるような結論が出ましたね。ありがとうございました。
(終わり)
※ 前回 「奥様から見たRV」
※ 『くるま旅』 は、日本RV協会主催のキャンピングカーショー会場で無料で配布されています。
関連記事 「女性ユーザーの声」
関連記事 「奥様はまず反対」
関連記事 「ふたり旅の極意」
関連記事 「夫婦の微妙な関係」
関連記事 「関係女と所有男」
は女性が創る時代 vol.2 (前回の続き)
【 対談 ・ 家族を育てるRV 】
国産キャンピングカービルダー・社長 山口寿子さん
輸入キャンピングカー販売店・社長 安達二葉子さん
《 女は常に家族の “調和” を大事にする 》
【山口】 旦那さんと奥さんで、キャンピングカーの判断基準が異なるのは、どうも、男性と女性の “文化” の違いが反映しているように思えるのです。
やはり、小さい頃から 「機械」 に興味を感じる男の子と、 「おままごと」 を楽しめる女の子のそれぞれの “文化” がそのまま継続されているように感じます。
そのため、男性の場合は圧倒的に機能的なものに関する関心が高く、 「サブバッテリーの増設は必要か」 とか、 「インバーターでどのくらい持つか」 とか、「ソーラーを付けたらどうなる?」 といった方向に話題が集中するんです。
だけど、女性は、そういうことは分からない部分なんです (笑) 。
女性は、それよりも、そういう 「電気」 が確保されたときに、部屋の中にどういう照明が実現されるのか? そのことにより、家族と過ごすダイネットがどういう雰囲気になるのか? そちらの方が大切なテーマなんですね。
【司会】 そのような違いは、どうして生じるんでしょうね?
【山口】 やっぱり、男性は昔から狩猟して、外でエモノをとってきて、妻子を養うという生活が “文化のDNA” みたいな形で残っているんじゃないでしょうか。
だから、エモノをしとめる武器の構造とか、狩を効率よく行うシステムなどに関心が向く。
それに対して、女性は、男がとってきたエモノをどう家族に分配するか。どう調理して、みんなでおいしく食べるか。男の労働をどうねぎらってやるか…というような、常に 「家族全体」 のことを考えながら生きてきたと思うんです。
だから、女にとっては、 「家族の関係」 こそが大事なんですね。
キャンピングカーも同じであって、そういう男性と女性の組み合わせのバランスがうまく取れたときに、 「よし買おう」 という家族の決断が生まれると思います。
【安達】 ヨーロッパの場合は、なおのことキャンピングカーを使う男女の分業体制がしっかり確立されています。
クルマを安全に運転するのは男の役目。
▲ 安達二葉子さん
それを補佐して、男が眠くなったり、疲れたりしないように、話題にも気を配り、地図をチェックするなどしてケアするのは奥様の役目。
だから、ヨーロッパのキャンピングカーの場合は、助手席を 「マダムシート」 などといったりすることもあります。
【山口】 また、ファミリーのある家族には、 「キャンピングカーがあれば子供の心が豊かになる」 ということをぜひ理解してもらいたいと思うんです。
たとえば、食事を介して、子供たちに健康な食生活を伝えることを 「食育」 などといったりすることがあるでしょ。
▲ 山口寿子さん
また、住宅などにおいても、住み方を工夫することで、子供に暮らし方を学ばせることを 「住育」 などともいいますよね。
それと同じように、 「車育」 という概念があってもいいように思うんです。
つまり、家族のコミュニケーションが密に取れるようなクルマがあれば、子供たちだって豊かな家族関係を学んでいけるようになると思うんです。
《 これからは 「車育」 の時代 》
【安達】 「車育」 というのは、本当にいい言葉ですね。確かに、キャンピングカーには、子供たちとコミュニケーションをとる材料がたくさん揃っていますね。
【山口】 今の子供たちを見ていると、学校から帰ってきたらすぐ塾へ行って、10時頃家に戻ってきて、チラッとゲームして…。
それでは、いつ家族と向かい合って、いつ団らんするの? と心配になってきます。
昔の家では、4畳半と6畳ぐらいの間取りに、親子5人くらいで生活したりしてきたわけですから、否が応でも家族同士で話し合う時間と空間を共有できたわけですね。
だけど、今の子供たちは贅沢に個室を持っていて、それぞれ自分のテレビを持っていて、しかも家族が一緒に食事をとることもない。
それでは、親は子供が何を考えているのか知る機会もなくなるし、子供も、親が何を考えているか分からない。
【司会】 それを 「キャンピングカー旅行」 で解消しようと…?
【山口】 そうです。ファミリーでキャンピングカー旅行をすれば、どうしても狭いダイネットを中心に、家族がみんな集うしかないわけですから、自然に会話も復活すると思うのね。
そのときに、ようやく子供は、自分の学校の交友関係の楽しさや悩みを話題にするかもしれない。
親も、キャンピングカー旅行を通じて、 「ゴミを捨てる場所はどこか」 とか、 「公共駐車場で休むときのマナーはどうだ」 とかいうことを、実践を通じて子供に伝えることができるわけですね。それが 「車育」 だと思うんです。
【安達】 キャンピングカー自体が、 「旅」 そのものも豊かにするということも子供たちに伝えたいですね。
塩野七生さんのエッセイに書かれていたことなんですけれど、 「海外旅行に行くと、日本人は景色を見る前に写真を撮る」 って。
で、景色は見ないで、日本に帰ってきてから写真を焼き増ししたときに景色を確認すると… (笑) 。
しかし、そういう旅は豊かさにつながらないように思うんです。
日本人は、よく 「写真に残す」 とか、 「お土産を買う」 というように 「形に残るもの」 に気をつかいがちですけど、時には 「形に残さない」 旅も必要なのではないでしょうか。
記録に残すよりも、 「今ここで味わっておかないと二度と見られない景色だ」 と思いながら風景を楽しんだ方が、後になって思い出すときに鮮明な記憶として残っていることが多いんです。
結局、どんなに宝石とかお金を手に入れても、死ぬ間際にはすべて手放さなければならない。そこには 「思い出」 しか持っていけないわけでしょ。
そういうことが理解できれば、キャンピングカーの中で家族と一緒に過ごす時間がどれほど貴重かということを、みんなで共有できると思うんです。
車内で家族と楽しい交流ができれば、過ぎていく時間がダイヤモンドの輝き以上のものになりますよ。

【山口】 そういう意味で、キャンピングカーというのは、日頃それぞれ別の生活圏で暮らす家族が、お正月などに集まって家族の絆を確かめあう 「ふるさと」 ですね。
そういう場があってこそ、親子が共通した 「趣味」 を持てるようになると思うんです。
「趣味」 というものは、親が本当に楽しんでいないと、子供に伝わらないんです。
たとえば、お父さんもお母さんも音楽にあまり興味がないのにもかかわらず、子供を 「ピアノ教室」 に通わせたって、子供だって面白いはずがないんです。
親が本当に 「楽しい」 と思わないと、子供は何も学ばない。
絵画教室だって、親がスケッチひとつ楽しむこともしないで、子供だけ通わせたって、子供は何のためにそんなことをやるのか分からない。
だけど、キャンピングカー旅行って、両親のどちらかが、あるいはその両方が、 「本当に楽しい!」 と思って始めたわけでしょ。これは絶対子供の心を動かしますよ。
【安達】 それが 「車育」 ですね。私は 「車育」 の中には、 「食育」 も 「住育」 もすべて含まれるように思うんです。
だって、旅行に行けば、その産地の美味しいものをダイレクトに食べる機会が増えるわけですよね。
いま食べているものの産地を知り、素材を知る。それがキャンピングカーの中ですべてできるんです。そして、ものを食べるときのありがたさとか、食べるマナーなどを学ぶわけですよね。
また、キャンピングカーは動く 「住宅」 ですから、その中には 「住育」 も含まれます。
そういうものが、子供たちの脳の中に蓄積していけば、キャンピングカーで育った子は、ものすごく豊かな感性を持つ人間に成長する可能性があるわけですよね。
【山口】 そうそう。だから、子供が思春期のむずかしい年頃になっても、キャンピングカーを通じて親子のコミュニケーションをとっている人々は、気持ちが通じ合うんですよ。
反抗期になって、子供が急に口を利かなくなると、たいていの親はあわてて、 「どうした? 何を考えているんだ? 話せ!」 ときつく迫るけれど、子供の気持ちを分かっている親は、無理にそんなことをしないんです。
ただ、ギュッと抱きしめるような気持ちで、 「いいのよ、しゃべらなくても。私はあなたを信じているから」 というメッセージを、言葉にしなくても伝えることができると思うんです。
それができるかどうかは、子供の小さい頃から親が一緒になって、キャンピングカー旅行を楽しんだかどうかという、その一点にかかっているんではないでしょうか。
《 親がキャンピングカーを好きなら子も習う 》
【安達】 日本ではすぐ 「中学生ぐらいになると子供が付いてこなくなる」 と言いますけれど、ヨーロッパでも、子供はある程度の年になると、付いてこなくなるんですね。
ただ、向こうでは、中学生や高校生ぐらいになると、自分たちでキャンプを始めるんです。
もちろん、若いからお金もないのでテントキャンプが多いんですけれど、大学生ぐらいになると、もうお爺さんが使っていた古いトレーラーなどを引いて、自分でキャンピングカー旅行を始めるんです。
【山口】 最近日本のキャンプ場でも、大学生ぐらい子供たちがコテージやバンガローなどを利用して泊まっているのを見るようになりましたね。まだキャンプ道具を揃えられないからそうしているのでしょうけれど、たぶん、その子たちは親がキャンプに連れていっていたのではないかしら?
【安達】 日本でも、ようやくそういう流れが生まれてきたのでしょうね。
だから 「キャンピングカーの旅に子供が付いてこなくなった」 といってがっかりするのは早いんです。
そのお父さんとお母さんは、もうすごい役割を果たしているんですよ。すぐに芽が出なくても、種まきをしたわけですから。
キャンピングカーの旅を楽しいと思った子供たちは、絶対に自分たちでも始めるようになると思います。
【司会】 キャンピングカーの可能性が大きく広がるような結論が出ましたね。ありがとうございました。
(終わり)
※ 前回 「奥様から見たRV」
※ 『くるま旅』 は、日本RV協会主催のキャンピングカーショー会場で無料で配布されています。
関連記事 「女性ユーザーの声」
関連記事 「奥様はまず反対」
関連記事 「ふたり旅の極意」
関連記事 「夫婦の微妙な関係」
関連記事 「関係女と所有男」
2010年02月23日
奥様から見たRV
日本RV協会 (JRVA) が発行する広報誌 『くるま旅』 6号の特集テーマは、 「女性が求めるキャンピングカーライフ」 。

雑誌では、キャンピングカーを持つ家庭の奥様方や女性ユーザーからのアンケート調査が公表されていたり、ユーザーのナマの声を収録したインタビュー記事が掲載されるなど、内容は盛りだくさん。
なかでも、読みごたえがあるのは、キャンピングカー販売を行っている女性経営者のお二方による対談ページ。
女性経営者だからこそ分かる女性の心の “奥の奥” 。
キャンピングカーに対する女性の “本音と希望” が縦横に語り尽くされていて興味深い。
今回のブログでは、RV協会さんの許可をいただいて、その対談ページを紹介してみたい。
(※ 対談は、いちおう私が構成したものなので…)
キャンピングカーライフは
女性が創る時代 vol.1
【 対談 ・ 奥様から見たRV 】
国産キャンピングカービルダー・社長 山口寿子さん
輸入キャンピングカー販売店・社長 安達二葉子さん
【司会 (町田) 】 キャンピングカーを購入するとき、奥様方に購入決定権があるという話をよく聞きます。
つまり、旦那さんが選んだキャンピングカーでも、奥様が 「NO」 といえば、そのクルマは購入対象から外れてしまうといわれています。
一方、奥様が気に入られたクルマは、購入される率が高まるそうです。
そこで、旦那さんのキャンピングカー選びと、奥様のキャンピングカー選びはどこが違うのか?
それにまつわる微妙な話を、 「女性の願い」 や 「女性のホンネ」 を交えながら、キャンピングカー販売に関わる女性経営者のお二方に語っていただきたいと思います。
《 キャンピングカーは男のロマンか? 》
【司会】 まず、キャンピングカーに関心を持つのは、男が先か、女が先か、これに関してはどうですか?

▲ 山口寿子さん
【山口】 キャンピングカーというのは、昔から 「男のロマン」 だったと思うんです。展示会やお店の方に来られる方々を見ても、まず旦那さんが興味を持っていろいろと知識を身につけてから、奥さんを同伴して来られるというケースが多いんですね。
ただ、いつも感じるのは、やはりお二人の間に微妙なズレがあることなんです。奥様は、旦那様が気に入ったクルマに対して、必ずしも満足していない。あるいはその逆もあります。
ひとつ言えることは、多くの奥様方から見て、 「今のキャンピングカーは女性から見ると、まだ完璧なものになっていない」 ということなんですね。
そこで、うちでは女性の意見をなるべく採り上げた商品開発をしたいと思い、女性の方々からアンケート調査や聞き込み調査を行ったりもしています。

▲ 安達二葉子さん
【安達】 日本人の場合、確かに旦那様の 「男のロマン」 から始まりますよね。
私の場合は、主人と一緒にヨーロッパを旅しているとき、主人が突然 「キャンピングカーを買おう」 と言い出したのがキャンピングカーライフの始まりでした。
当時は、 「旅」 といえばホテルを泊まり歩くものだとばかり思っていましたから、 「キャンピングカーの旅」 といわれても、それが快適なのかどうか、そんなことすらイメージに浮かびませんでした。
でも、実際にキャンピングカーの旅を始めると、 「自由」 と 「快適性」 と 「気楽さ」 がすべて簡単に手に入ってしまい、世界観が変わりました。そういった意味で、主人の 「ロマン」 に感謝です。

《 奥様を “女王” にするのが秘訣 》
【司会】 奥様たちが、旦那さんの選んだキャンピングカーに、満足するか、しないかという “分かれ目” には何があるんでしょう?
【山口】 奥さんが元々キャンプが好きだったり、アウトドアに馴染みがあるようなカップルの場合は、好みが分かれることはほとんどないんです。
特にそういう夫婦に子供がいれば、親たちはキャンプを通じて、子供に 「自然を学ばせたい」 という意識を持つようになるでしょうから、キャンプ道具もしっかり積めるような、アウトドア志向の強いキャンピングカーを求められるケースが多いようです。
しかし、キャンプの経験のないような奥様の場合は、キャンプとかアウトドアというのは、ものすごく面倒くさく感じられるものなんですよ。
キャンプ場などで、火を熾して、ご飯を作って…というキャンプは、家の中の家事よりも負担感が強くなるんですね。
そうなると、キャンピングカーを買うよりも、やはりホテルに泊まる方が楽に思えるのでしょうね。
【司会】 では、奥様方にキャンピングカーの旅に関心を持ってもらうには、どうしたらいいのでしょう?
【山口】 ひとつは、まず旦那さんが、奥様にはぜったい負担をかけさせないような 「旅のビジョン」 を明確に打ち出すことでしょうね。
奥様方というのは、家庭にいるときは、さんざん家事に手こずらされているわけですから、旅行に来てまで家事をしたくない…というのがホンネでしょう。
だから、キャンプ場でバーナーを出して、お米を研いで、皿を洗って…というようなことまで奥様にやらせるようだと、キャンプの嫌いな奥様はまず乗ってこないでしょう。

【安達】 ヨーロッパでキャンプ場に泊まっている人たちの間では、調理や洗い物は、みな旦那さんの役目なんです。
向こうのキャンプ場で、私が洗い場で皿を洗っていたときのことなんですが、周りの旦那さんたちが私の主人に対して怒るんですよ。
「君は、お手伝いさんを雇っているつもりなのか?」 って… (笑) 。
でも、彼らだって、料理や片づけを率先して行うのは、別に奥さんの尻に敷かれているからではないんです。キャンプに来たときの 「レジャーのひとつ」 なんですって。普段やれないことを楽しんでいるんですね。

《 旦那さんが先行する日本。夫婦が肩を並べるヨーロッパ 》
【安達】 日本では、男性が先にキャンピングカーに興味を示し、奥様がそれに追従するという手順を踏みますけれど、ヨーロッパでは、夫婦が同時に興味を持つんですね。
それは、結婚生活というものの中に、最初から 「何年ぐらい先にはキャンピングカーの購入を検討しよう」 などというプログラムが組み込まれているからなんです。
だからキャンピングカー販売店に最初に訪れるときから、ヨーロッパでは夫婦同伴です。そして、2人でほぼ同時に決めてしまう。
「家に帰ってから女房と相談してみる」 とか、 「話したら奥様が許してくれなかった」 などと旦那さんが語るケースは、向こうにはありません。
【司会】 奥様方は、キャンピングカーのどんな “ところ” に注目するのでしょうか?
【安達】 私は自分が買うときに、最初に注目したのはクルマの外形的なスタイルでした。
最初はキャンピングカーのことを何も知りませんでしたから、まず形の美しいものを写真の中から選び、その後でそのクルマがわれわれ夫婦にとって妥当なものかどうか、主人に判断を委ねました。
【山口】 やっぱり女性はどうしても視覚的なものから入っていきますよね。それも、まず自分の好みに合うかどうかを一瞬のうちに決めてしまいます。外装のグラフィックから家具の質感や色合いまで、ほとんど直感的に判断します。
ただ、女性というのは、そういう雰囲気で判断するだけでなく、 「このクルマを買っても、元が取れるだろうか? 使いこなせるだろうか?」 という現実的な視線でもクルマを見ているものなんですね。

特に、いろいろな事情でセカンドカーを持てないような場合は、その1台で買い物や送迎もこなさなければなりませんから、たいていの女性はサイズに敏感になります。 「私でも運転できるかしら?」 というようなことは絶対見逃しませんね。
仮に、奥様が運転免許を持っていなくても、家の前の道路の幅とか、車庫との関係とか、そういうことを直感的に思い浮かべ、稼働率がどのくらいになるかなどを結構シビアに計算したりしています。
【安達】 私のところが扱うようなキャンピングカーは、サイズも多少大きい輸入車が主流ですから、稼働率は高くないでしょう。
代わりにお客様がチェックされているのは 「耐久性」 ですね。
「長く満足して使えるかどうか」
それに関して、おもに男性はベース車の機構やメンテナンス体制に関心を持ち、女性は家具や装備類の造り込みに興味を示すというように、それぞれの見方でチェックされています。
《 男性は機能を求め、女性は調和を生きる 》
【司会】 家具や装備類の使い勝手などに関して、女性は何を基準にして自分の見方を定めているのでしょうか?
【安達】 私は、その女性が育ってきた家庭環境とか、現在住んでいる住宅の環境などが意外と反映されているように思うんです。
だからシックなインテリアの中で育ってきた人は、クルマにもそれなりのテイストを求めるし、華やかな色柄のインテリアになじんできた人は、同じ傾向のクルマを好みます。
若いカップルなどの場合は、現在住んでいるマンションや住宅の流行りのインテリアが、そのままクルマの内装を選ぶときにも反映しているように思います。
( 「家族を育てるRV」 に続く)
※ 『くるま旅』 は、日本RV協会主催のキャンピングカーショー会場で無料で配布されています。
関連記事 「女性ユーザーの声」
関連記事 「奥様はまず反対」
関連記事 「ふたり旅の極意」
関連記事 「夫婦の微妙な関係」
関連記事 「関係女と所有男」
雑誌では、キャンピングカーを持つ家庭の奥様方や女性ユーザーからのアンケート調査が公表されていたり、ユーザーのナマの声を収録したインタビュー記事が掲載されるなど、内容は盛りだくさん。
なかでも、読みごたえがあるのは、キャンピングカー販売を行っている女性経営者のお二方による対談ページ。
女性経営者だからこそ分かる女性の心の “奥の奥” 。
キャンピングカーに対する女性の “本音と希望” が縦横に語り尽くされていて興味深い。
今回のブログでは、RV協会さんの許可をいただいて、その対談ページを紹介してみたい。
(※ 対談は、いちおう私が構成したものなので…)
キャンピングカーライフは
女性が創る時代 vol.1
【 対談 ・ 奥様から見たRV 】
国産キャンピングカービルダー・社長 山口寿子さん
輸入キャンピングカー販売店・社長 安達二葉子さん
【司会 (町田) 】 キャンピングカーを購入するとき、奥様方に購入決定権があるという話をよく聞きます。
つまり、旦那さんが選んだキャンピングカーでも、奥様が 「NO」 といえば、そのクルマは購入対象から外れてしまうといわれています。
一方、奥様が気に入られたクルマは、購入される率が高まるそうです。
そこで、旦那さんのキャンピングカー選びと、奥様のキャンピングカー選びはどこが違うのか?
それにまつわる微妙な話を、 「女性の願い」 や 「女性のホンネ」 を交えながら、キャンピングカー販売に関わる女性経営者のお二方に語っていただきたいと思います。
《 キャンピングカーは男のロマンか? 》
【司会】 まず、キャンピングカーに関心を持つのは、男が先か、女が先か、これに関してはどうですか?
▲ 山口寿子さん
【山口】 キャンピングカーというのは、昔から 「男のロマン」 だったと思うんです。展示会やお店の方に来られる方々を見ても、まず旦那さんが興味を持っていろいろと知識を身につけてから、奥さんを同伴して来られるというケースが多いんですね。
ただ、いつも感じるのは、やはりお二人の間に微妙なズレがあることなんです。奥様は、旦那様が気に入ったクルマに対して、必ずしも満足していない。あるいはその逆もあります。
ひとつ言えることは、多くの奥様方から見て、 「今のキャンピングカーは女性から見ると、まだ完璧なものになっていない」 ということなんですね。
そこで、うちでは女性の意見をなるべく採り上げた商品開発をしたいと思い、女性の方々からアンケート調査や聞き込み調査を行ったりもしています。
▲ 安達二葉子さん
【安達】 日本人の場合、確かに旦那様の 「男のロマン」 から始まりますよね。
私の場合は、主人と一緒にヨーロッパを旅しているとき、主人が突然 「キャンピングカーを買おう」 と言い出したのがキャンピングカーライフの始まりでした。
当時は、 「旅」 といえばホテルを泊まり歩くものだとばかり思っていましたから、 「キャンピングカーの旅」 といわれても、それが快適なのかどうか、そんなことすらイメージに浮かびませんでした。
でも、実際にキャンピングカーの旅を始めると、 「自由」 と 「快適性」 と 「気楽さ」 がすべて簡単に手に入ってしまい、世界観が変わりました。そういった意味で、主人の 「ロマン」 に感謝です。

《 奥様を “女王” にするのが秘訣 》
【司会】 奥様たちが、旦那さんの選んだキャンピングカーに、満足するか、しないかという “分かれ目” には何があるんでしょう?
【山口】 奥さんが元々キャンプが好きだったり、アウトドアに馴染みがあるようなカップルの場合は、好みが分かれることはほとんどないんです。
特にそういう夫婦に子供がいれば、親たちはキャンプを通じて、子供に 「自然を学ばせたい」 という意識を持つようになるでしょうから、キャンプ道具もしっかり積めるような、アウトドア志向の強いキャンピングカーを求められるケースが多いようです。
しかし、キャンプの経験のないような奥様の場合は、キャンプとかアウトドアというのは、ものすごく面倒くさく感じられるものなんですよ。
キャンプ場などで、火を熾して、ご飯を作って…というキャンプは、家の中の家事よりも負担感が強くなるんですね。
そうなると、キャンピングカーを買うよりも、やはりホテルに泊まる方が楽に思えるのでしょうね。
【司会】 では、奥様方にキャンピングカーの旅に関心を持ってもらうには、どうしたらいいのでしょう?
【山口】 ひとつは、まず旦那さんが、奥様にはぜったい負担をかけさせないような 「旅のビジョン」 を明確に打ち出すことでしょうね。
奥様方というのは、家庭にいるときは、さんざん家事に手こずらされているわけですから、旅行に来てまで家事をしたくない…というのがホンネでしょう。
だから、キャンプ場でバーナーを出して、お米を研いで、皿を洗って…というようなことまで奥様にやらせるようだと、キャンプの嫌いな奥様はまず乗ってこないでしょう。

【安達】 ヨーロッパでキャンプ場に泊まっている人たちの間では、調理や洗い物は、みな旦那さんの役目なんです。
向こうのキャンプ場で、私が洗い場で皿を洗っていたときのことなんですが、周りの旦那さんたちが私の主人に対して怒るんですよ。
「君は、お手伝いさんを雇っているつもりなのか?」 って… (笑) 。
でも、彼らだって、料理や片づけを率先して行うのは、別に奥さんの尻に敷かれているからではないんです。キャンプに来たときの 「レジャーのひとつ」 なんですって。普段やれないことを楽しんでいるんですね。
《 旦那さんが先行する日本。夫婦が肩を並べるヨーロッパ 》
【安達】 日本では、男性が先にキャンピングカーに興味を示し、奥様がそれに追従するという手順を踏みますけれど、ヨーロッパでは、夫婦が同時に興味を持つんですね。
それは、結婚生活というものの中に、最初から 「何年ぐらい先にはキャンピングカーの購入を検討しよう」 などというプログラムが組み込まれているからなんです。
だからキャンピングカー販売店に最初に訪れるときから、ヨーロッパでは夫婦同伴です。そして、2人でほぼ同時に決めてしまう。
「家に帰ってから女房と相談してみる」 とか、 「話したら奥様が許してくれなかった」 などと旦那さんが語るケースは、向こうにはありません。
【司会】 奥様方は、キャンピングカーのどんな “ところ” に注目するのでしょうか?
【安達】 私は自分が買うときに、最初に注目したのはクルマの外形的なスタイルでした。
最初はキャンピングカーのことを何も知りませんでしたから、まず形の美しいものを写真の中から選び、その後でそのクルマがわれわれ夫婦にとって妥当なものかどうか、主人に判断を委ねました。
【山口】 やっぱり女性はどうしても視覚的なものから入っていきますよね。それも、まず自分の好みに合うかどうかを一瞬のうちに決めてしまいます。外装のグラフィックから家具の質感や色合いまで、ほとんど直感的に判断します。
ただ、女性というのは、そういう雰囲気で判断するだけでなく、 「このクルマを買っても、元が取れるだろうか? 使いこなせるだろうか?」 という現実的な視線でもクルマを見ているものなんですね。
特に、いろいろな事情でセカンドカーを持てないような場合は、その1台で買い物や送迎もこなさなければなりませんから、たいていの女性はサイズに敏感になります。 「私でも運転できるかしら?」 というようなことは絶対見逃しませんね。
仮に、奥様が運転免許を持っていなくても、家の前の道路の幅とか、車庫との関係とか、そういうことを直感的に思い浮かべ、稼働率がどのくらいになるかなどを結構シビアに計算したりしています。
【安達】 私のところが扱うようなキャンピングカーは、サイズも多少大きい輸入車が主流ですから、稼働率は高くないでしょう。
代わりにお客様がチェックされているのは 「耐久性」 ですね。
「長く満足して使えるかどうか」
それに関して、おもに男性はベース車の機構やメンテナンス体制に関心を持ち、女性は家具や装備類の造り込みに興味を示すというように、それぞれの見方でチェックされています。
《 男性は機能を求め、女性は調和を生きる 》
【司会】 家具や装備類の使い勝手などに関して、女性は何を基準にして自分の見方を定めているのでしょうか?
【安達】 私は、その女性が育ってきた家庭環境とか、現在住んでいる住宅の環境などが意外と反映されているように思うんです。
だからシックなインテリアの中で育ってきた人は、クルマにもそれなりのテイストを求めるし、華やかな色柄のインテリアになじんできた人は、同じ傾向のクルマを好みます。
若いカップルなどの場合は、現在住んでいるマンションや住宅の流行りのインテリアが、そのままクルマの内装を選ぶときにも反映しているように思います。
( 「家族を育てるRV」 に続く)
※ 『くるま旅』 は、日本RV協会主催のキャンピングカーショー会場で無料で配布されています。
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2010年02月22日
芸能人のRV
キャンピングカーに乗っている芸能人、スポーツ選手というのは、実はけっこう多い。
先だって亡くなられた藤田まことさんは、体調を崩されていた頃、 「必殺仕事人」 を収録した京都撮影所の現場にキャンピングカーを用意し、出番が終わると、その中に入って休んでいたらしい。
キャンピングカーの中には酸素吸入器が積んであり、車内で休憩するときは、それを使って体力の回復を待っていたという。 (週刊朝日 3月5日号) 。

実際に、芸能人やスポーツ選手のなかにはキャンピングカーユーザーがけっこういるはずなのだが、なぜかあまり話題としては出てこない。
それを売ったお店の人も、あまり大っぴらには語りたがらない。
人々に顔の知られている芸能人たちにとって、キャンピングカーというのは、世間の目から隠れて、自分の家族だけで、くつろぎながら旅を楽しめる貴重な 「プライベート空間」 。
それだけに、彼らも 「キャンピングカーに乗っている」 ということを、メディアには語りたがらない。
売った方のお店も、そういう彼らの気持ちを尊重して、あまり公表しない。
私なんかは、 「スターの愛車」 としてどんどん宣伝すれば、キャンピングカーに対する世間の注目度ももっと上がるだろうに…などと単純に考えてしまう方だが、事務所を通じて高額なギャランティを払ったとしても、芸能人たちは、大切なプライベート空間であるキャンピングカーを、あまりメディアにはさらしたくないようだ。
だから、どの芸能人がどんなキャンピングカーに乗っているかは、 “事件” があったとき、はじめてマスコミの取材を通じて伝わることがある。
昔、芸能人同士の夫婦が、離婚する前に別居生活に入ったことがあったが、旦那さんの 「住まい」 というのが、庭先に止めたキャンピングカーであったことが、離婚騒動のときにニュースネタとして、テレビで公開されたことがあった。
キャンピングカーの名前は語られなかったが、その映像をテレビで見たとき、
「あのクルマなら家にいるより快適かもしれない…」
と思ったりもした。
もっともタレントさんの中には、清水国明氏のように、キャンピングカーを持っていることを堂々と公表する人もいる。
しかし、そういう人は、 「アウトドア」 を志向する自分のライフスタイルを仕事に結びつけている人たちで、いわばキャンピングカーにこだわるのが仕事の一環。
その場合は、キャンピングカーライフを語ることが広報活動でもあるのだ。
ミュージシャンのタケカワユキヒデ氏も、アウトドアライフへの傾斜を強めるようになってから、家族でキャンピングカーで使って楽しんでいることを公開するようになった。
エコライフを提案しているシンガー・ソングライターの白井貴子さんも、仕事やプライベートの移動でキャンピングカーを積極的に活用していることをよく語っている。
こういう有名人の “カミングアウト” がもっと出てくるようになると、マスコミにおけるキャンピングカーの話題も華やかになるのになぁ…などと単純に考えてしまう私だが、芸能人にキャンピングカーを売ったことのある販売店経営者は語る。
「有名人に買っていただくのは、自分のクルマが認められたことになるから、そりゃうれしいですけれど、やはりちょっと…いろいろ意味で気をつかいますよ」
「気をつかう」 ことの内容までは詳しく聞かなかったが、なんとなく、その言わんとしていることは推測がついた。
たとえば、万が一その芸能人が、キャンピングカーで事故など起こした場合、どこの会社の造った何というクルマか? ということは、キャンピングカーユーザーや業者間ではけっこう大きなニュースになる。
その話題の採り上げられ方によっては、そのメーカーなり、販社は致命的なダメージを受けるかもしれない。
また、有名な芸能人がスキャンダラスな話題に巻き込まれてしまったときは、どうでもいいようなネタさえ、歪められて誇張されて、喧伝される。
そこにキャンピングカーの話題が絡まないという保証はない。
「気をつかう」 …という意味が、なんとなくしのばれる。
しかし、今後、芸能人・スポーツ選手に限らず、有名人のキャンピングカーオーナーはどんどん増えていくだろう。
売っている方も、事故とかスキャンダラスなどをいちいち心配していては、身が持たないようになる。
また、 「安全の提供」 や 「事故の防止」 といった重要な課題を追求するときは、芸能人も、一般ユーザーもない。
それらを、分けて考えることはできない。
誰が乗っても安心できるキャンピングカーというのが、当たり前なのだから。
キャンピングカーを楽しんでいる芸能人やタレントさんが、気楽に自分のキャンピングカーライフを語れる日がもっと早く来るといいのになぁ…と思っている。 単純な、個人的好奇心からも、そういうのを取材してみたい。
先だって亡くなられた藤田まことさんは、体調を崩されていた頃、 「必殺仕事人」 を収録した京都撮影所の現場にキャンピングカーを用意し、出番が終わると、その中に入って休んでいたらしい。
キャンピングカーの中には酸素吸入器が積んであり、車内で休憩するときは、それを使って体力の回復を待っていたという。 (週刊朝日 3月5日号) 。
実際に、芸能人やスポーツ選手のなかにはキャンピングカーユーザーがけっこういるはずなのだが、なぜかあまり話題としては出てこない。
それを売ったお店の人も、あまり大っぴらには語りたがらない。
人々に顔の知られている芸能人たちにとって、キャンピングカーというのは、世間の目から隠れて、自分の家族だけで、くつろぎながら旅を楽しめる貴重な 「プライベート空間」 。
それだけに、彼らも 「キャンピングカーに乗っている」 ということを、メディアには語りたがらない。
売った方のお店も、そういう彼らの気持ちを尊重して、あまり公表しない。
私なんかは、 「スターの愛車」 としてどんどん宣伝すれば、キャンピングカーに対する世間の注目度ももっと上がるだろうに…などと単純に考えてしまう方だが、事務所を通じて高額なギャランティを払ったとしても、芸能人たちは、大切なプライベート空間であるキャンピングカーを、あまりメディアにはさらしたくないようだ。
だから、どの芸能人がどんなキャンピングカーに乗っているかは、 “事件” があったとき、はじめてマスコミの取材を通じて伝わることがある。
昔、芸能人同士の夫婦が、離婚する前に別居生活に入ったことがあったが、旦那さんの 「住まい」 というのが、庭先に止めたキャンピングカーであったことが、離婚騒動のときにニュースネタとして、テレビで公開されたことがあった。
キャンピングカーの名前は語られなかったが、その映像をテレビで見たとき、
「あのクルマなら家にいるより快適かもしれない…」
と思ったりもした。
もっともタレントさんの中には、清水国明氏のように、キャンピングカーを持っていることを堂々と公表する人もいる。
しかし、そういう人は、 「アウトドア」 を志向する自分のライフスタイルを仕事に結びつけている人たちで、いわばキャンピングカーにこだわるのが仕事の一環。
その場合は、キャンピングカーライフを語ることが広報活動でもあるのだ。
ミュージシャンのタケカワユキヒデ氏も、アウトドアライフへの傾斜を強めるようになってから、家族でキャンピングカーで使って楽しんでいることを公開するようになった。
エコライフを提案しているシンガー・ソングライターの白井貴子さんも、仕事やプライベートの移動でキャンピングカーを積極的に活用していることをよく語っている。
こういう有名人の “カミングアウト” がもっと出てくるようになると、マスコミにおけるキャンピングカーの話題も華やかになるのになぁ…などと単純に考えてしまう私だが、芸能人にキャンピングカーを売ったことのある販売店経営者は語る。
「有名人に買っていただくのは、自分のクルマが認められたことになるから、そりゃうれしいですけれど、やはりちょっと…いろいろ意味で気をつかいますよ」
「気をつかう」 ことの内容までは詳しく聞かなかったが、なんとなく、その言わんとしていることは推測がついた。
たとえば、万が一その芸能人が、キャンピングカーで事故など起こした場合、どこの会社の造った何というクルマか? ということは、キャンピングカーユーザーや業者間ではけっこう大きなニュースになる。
その話題の採り上げられ方によっては、そのメーカーなり、販社は致命的なダメージを受けるかもしれない。
また、有名な芸能人がスキャンダラスな話題に巻き込まれてしまったときは、どうでもいいようなネタさえ、歪められて誇張されて、喧伝される。
そこにキャンピングカーの話題が絡まないという保証はない。
「気をつかう」 …という意味が、なんとなくしのばれる。
しかし、今後、芸能人・スポーツ選手に限らず、有名人のキャンピングカーオーナーはどんどん増えていくだろう。
売っている方も、事故とかスキャンダラスなどをいちいち心配していては、身が持たないようになる。
また、 「安全の提供」 や 「事故の防止」 といった重要な課題を追求するときは、芸能人も、一般ユーザーもない。
それらを、分けて考えることはできない。
誰が乗っても安心できるキャンピングカーというのが、当たり前なのだから。
キャンピングカーを楽しんでいる芸能人やタレントさんが、気楽に自分のキャンピングカーライフを語れる日がもっと早く来るといいのになぁ…と思っている。 単純な、個人的好奇心からも、そういうのを取材してみたい。
2010年02月18日
若者の旅行離れ
「キャンピング&RVショー2010」 の会場で行なわれたフォーラムにおいて、かなり興味を感じた話題があったので、それを少しフォローしてみたい。

それは、 「若者の旅行離れ」 についての考察である。
近年、若者が旅に対する興味を失っているという話はよく聞く。
旅行に出るよりは、家でテレビを見たり、パソコンで遊ぶ若者が増え、旅行業者の悩みのタネになっているとか。
この問題は、同時に 「若者のクルマ離れ」 、 「アウトドア離れ」 、 「スポーツ離れ」 という現象とも深く関わりあっている。
フォーラムにおいても、当然そのことがテーマになった。
「旅」 と 「クルマ」 が合体したようなキャンピングカーの世界は、その両方から離れようとしている若者からすれば、最も縁遠い世界であるかもしれないからだ。
しかし、そのような 「若者の ○○○ 離れ」 を、一概に 「若者たちの生活欲の減退」 や 「積極性の喪失」 などという視点で語ってしまうのは間違いだ、と松本大学の佐藤博康教授などは語る。
佐藤教授が指導している学生たちを見ると、彼らが従来型の観光旅行に興味を失っていることは確からしい。
つまり、彼らは観光地として “完成された” 景色を眺め、その近辺で、 「地元の名物料理」 と言われながらも、実はどこにでもあふれている食事をとることなどには、もう飽き飽きとしている。
そういうものは、すべて 「情報」 に過ぎず、それならば、テレビやネットでざんざん流されている。
しかし、 「旅行先で友だちをつくろう」 などという企画になると、今の若者は積極的には乗ってくるというのだ。
教授は、 「どうやら今の若者は、デジタル社会に対するアンチメッセージを求めているのではないか?」 と推察する。
旅先で、何に出会うか分からないというワクワク感。
人と人が、リアルに接することで生まれるしっかりした絆への期待。
若者がそういうものを求めていることを見逃すと、さまざまなマーケットが縮小していくことを 「若者のせいだ」 と結論づける暴論に走ってしまう。
テレビ、ネットなどでは体験できないリアルな感触に対する若者の “飢え” が、逆に、本当の意味でのリアルさを失った “リアル世界” に対する拒否反応として出ているのではないか。
そのような説を、佐藤教授はフォーラムの基調講演で展開していたと思う。
今の若者たちは、この20年ほど全世界を席巻した 「グローバリゼーション」 という名の画一化された文化の中で生まれ、育った。
だから、彼らは逆に、 「ローカリゼーション」 の中に、リアルさを感じ始めている。
フォーラムでは、そのような説も披露された。
ローカリゼーションとは、日本の場合、各地域に残る和風テイストの伝統文化のことをいう。
山岡拓氏は 『欲しがらない若者たち』 (日経プレミアシリーズ) という本の中で、今の20代くらいの若者たちが 「次世代に残したいもの」 として、 「日本の伝統文化や季節感」 をトップに挙げていることを指摘している。
これは、2008年に行われた 「若者意識調査」 のデータを引用したもので、それによると、今の若者たちは、和風デザインの調度に関心を示すだけでなく、寺社仏閣に興味を抱いたり、京風の雅 (みやび) の精神に共感を感じたりする傾向を強めているというのだ。
そして、彼らにとって、それは 「日本文化」 への “回帰” ではなく、 “発見” であるのだとか。
つまり、西欧風モダニズムの洗礼を受けて発展してきた戦後文化が、ブルドーザーで押し出すように排斥してきた日本の伝統文化が、彼らにとっては、今すごく新鮮に映っているというのである。
「和の文化」 というのは、基本的に 「自然との調和」 に美の規範を求める文化である。
天然素材を活かした畳や障子という調度。
屋外との一体感を演出する、縁側や、渡り廊下という家屋構造。
さらに、季節感や自然感を尊重する、俳句や和歌という文学。
日本の文化は、常に自然と寄り添うかたちで、その独特の風情や美意識を醸成してきた。
そこには、ガラスと鉄で造られた近代の都市社会が見過ごしてきた、風の香り、土の匂い、森の息吹を尊重する文化がある。
若者は、 「アウトドア」 に興味がないように見えて、実は、モダニズムの装いで満たされた商業的なアウトドア文化に対して興味を失っているだけであって、彼らの心は、むしろ昔の日本人が持っていた日本的自然観への親和性を高めているようにも思える。
そのようなことを考えると、若者が興味を抱くキャンピングカー旅行というもののイメージも見えてくる。
「買って、食べて、飲んで」 という即物的な観光から、日本の自然や森の文化に深く接する旅行、さらに伝統芸能や伝統文化と触れ合える旅行。
そのようなキャンピングカー旅行をコーディネートすることも、「旅行離れ」 「クルマ離れ」 を進めている若者たちの心を取り戻すためには有効なのではないか。
温泉とグルメと道の駅だけでキャンピングカー旅行を特徴づけようとする発想は、熟年層とファミリー層には通用しても、若者には通用しない。
それ以外のキャンピングカー旅行のスタイルをどう創造していくのか。
業界の力と同時に、キャンピングカーメディアの力も試されている。

それは、 「若者の旅行離れ」 についての考察である。
近年、若者が旅に対する興味を失っているという話はよく聞く。
旅行に出るよりは、家でテレビを見たり、パソコンで遊ぶ若者が増え、旅行業者の悩みのタネになっているとか。
この問題は、同時に 「若者のクルマ離れ」 、 「アウトドア離れ」 、 「スポーツ離れ」 という現象とも深く関わりあっている。
フォーラムにおいても、当然そのことがテーマになった。
「旅」 と 「クルマ」 が合体したようなキャンピングカーの世界は、その両方から離れようとしている若者からすれば、最も縁遠い世界であるかもしれないからだ。
しかし、そのような 「若者の ○○○ 離れ」 を、一概に 「若者たちの生活欲の減退」 や 「積極性の喪失」 などという視点で語ってしまうのは間違いだ、と松本大学の佐藤博康教授などは語る。
佐藤教授が指導している学生たちを見ると、彼らが従来型の観光旅行に興味を失っていることは確からしい。
つまり、彼らは観光地として “完成された” 景色を眺め、その近辺で、 「地元の名物料理」 と言われながらも、実はどこにでもあふれている食事をとることなどには、もう飽き飽きとしている。
そういうものは、すべて 「情報」 に過ぎず、それならば、テレビやネットでざんざん流されている。
しかし、 「旅行先で友だちをつくろう」 などという企画になると、今の若者は積極的には乗ってくるというのだ。
教授は、 「どうやら今の若者は、デジタル社会に対するアンチメッセージを求めているのではないか?」 と推察する。
旅先で、何に出会うか分からないというワクワク感。
人と人が、リアルに接することで生まれるしっかりした絆への期待。
若者がそういうものを求めていることを見逃すと、さまざまなマーケットが縮小していくことを 「若者のせいだ」 と結論づける暴論に走ってしまう。
テレビ、ネットなどでは体験できないリアルな感触に対する若者の “飢え” が、逆に、本当の意味でのリアルさを失った “リアル世界” に対する拒否反応として出ているのではないか。
そのような説を、佐藤教授はフォーラムの基調講演で展開していたと思う。
今の若者たちは、この20年ほど全世界を席巻した 「グローバリゼーション」 という名の画一化された文化の中で生まれ、育った。
だから、彼らは逆に、 「ローカリゼーション」 の中に、リアルさを感じ始めている。
フォーラムでは、そのような説も披露された。
ローカリゼーションとは、日本の場合、各地域に残る和風テイストの伝統文化のことをいう。
山岡拓氏は 『欲しがらない若者たち』 (日経プレミアシリーズ) という本の中で、今の20代くらいの若者たちが 「次世代に残したいもの」 として、 「日本の伝統文化や季節感」 をトップに挙げていることを指摘している。
これは、2008年に行われた 「若者意識調査」 のデータを引用したもので、それによると、今の若者たちは、和風デザインの調度に関心を示すだけでなく、寺社仏閣に興味を抱いたり、京風の雅 (みやび) の精神に共感を感じたりする傾向を強めているというのだ。
そして、彼らにとって、それは 「日本文化」 への “回帰” ではなく、 “発見” であるのだとか。
つまり、西欧風モダニズムの洗礼を受けて発展してきた戦後文化が、ブルドーザーで押し出すように排斥してきた日本の伝統文化が、彼らにとっては、今すごく新鮮に映っているというのである。
「和の文化」 というのは、基本的に 「自然との調和」 に美の規範を求める文化である。
天然素材を活かした畳や障子という調度。
屋外との一体感を演出する、縁側や、渡り廊下という家屋構造。
さらに、季節感や自然感を尊重する、俳句や和歌という文学。
日本の文化は、常に自然と寄り添うかたちで、その独特の風情や美意識を醸成してきた。
そこには、ガラスと鉄で造られた近代の都市社会が見過ごしてきた、風の香り、土の匂い、森の息吹を尊重する文化がある。
若者は、 「アウトドア」 に興味がないように見えて、実は、モダニズムの装いで満たされた商業的なアウトドア文化に対して興味を失っているだけであって、彼らの心は、むしろ昔の日本人が持っていた日本的自然観への親和性を高めているようにも思える。
そのようなことを考えると、若者が興味を抱くキャンピングカー旅行というもののイメージも見えてくる。
「買って、食べて、飲んで」 という即物的な観光から、日本の自然や森の文化に深く接する旅行、さらに伝統芸能や伝統文化と触れ合える旅行。
そのようなキャンピングカー旅行をコーディネートすることも、「旅行離れ」 「クルマ離れ」 を進めている若者たちの心を取り戻すためには有効なのではないか。
温泉とグルメと道の駅だけでキャンピングカー旅行を特徴づけようとする発想は、熟年層とファミリー層には通用しても、若者には通用しない。
それ以外のキャンピングカー旅行のスタイルをどう創造していくのか。
業界の力と同時に、キャンピングカーメディアの力も試されている。
2010年02月17日
幕張のフォーラム
キャンピングカーシーンが、未来に向かって力強い前進を開始している。
そんな感触を得ることができた今回の 「幕張キャンピング&RVショー」 。

それは展示された新車群からも感じられたのだが、それ以上に、“場の空気” として、日本にもしっかりとした “キャンピングカー文化” のようなものが根づきそうだという予感が、このショーには漂っていた。
どういうことかというと、ようやくこの国で、アカデミズム、行政、ジャーナリズムが一体となって、 「キャンピングカーを日本を支える産業として育成しようではないか」 という動きが始まったように思えたからだ。
その具体例が、初日に開かれた 「開催記念フォーラム」 である。
討議内容は、 「観光立国の実現にキャンピングカーは貢献できるか」 。

遠大なテーマである。
過去、このようなテーマを追求するフォーラムが、キャンピングカーショーの会場で行われたことはなかった。
それが、今、なぜキャンピングカーショーの会場で開かれるようになったのか。
そこには、国交省・観光庁の目指す 「観光立国」 というプロジェクトの推進に、キャンピングカーの果たす役割というものが、少しずつ認知されてきたという背景がある。
少子高齢化に伴う人口減少は、日本の地域経済に深刻なダメージを与え始め、人口の集中している大都市圏と各地方の 「地域格差」 がはっきりと際立つような時代がすぐそこまで迫ってきた。
それを解消するため、政府は、平成19年1月に 「観光立国推進基本法」 を施行することに踏み切り、日本を 「観光立国」 として立て直す方向に大きく舵を切った。
つまり、各地方の 「定住人口」 の減少を、観光による 「交流人口」 の増加でおぎない、観光客の誘致とその長期滞在を促進することによって、地域経済の活性化をうながそうという方針が確立されたわけである。
そのためには、 「日帰り中心」 の観光客を、いかに 「1泊」 させるか。
「1泊」 の観光客を、いかに 「連泊」 させるか。
そのような、観光客の長期滞在化が観光産業の育成を図るカギとなってくる。

そこで、行政やジャーナリズムが注目し始めたのが、キャンピングカーユーザーの旅行形態だった。
2008年度の調査に基づく 『キャンピングカー白書』 によると、 「ユーザーが将来してみたいこと」 の筆頭に、 「日本全国をゆっくり一周したい」 (80.7%) という声が掲げられ、2番目は 「気に入った場所を見つけて2~3週間滞在したい」 (55.4% ※いずれも複数回答) という回答が寄せられている。
また、つい最近、日本RV協会が行なった 「北海道旅行に対するアンケート調査」 においても、年々観光客の旅行日程が短縮化されるなかで、キャンピングカー旅行客だけは長期滞在の傾向を示し、62.2%のユーザーが、北海道では 「1週間以上」 の長期旅行を楽しんでいるという。
このような長期旅行が成立する背景には、日本RV協会などが繰り広げてきた 「団塊世代マーケット」 の掘り起こしによる、リタイヤ層の拡大が原動力となっているが、もともとキャンピングカーユーザーは、ファミリーユースにおいても長期旅行を楽しむ傾向が強いという特徴がある。
それは、旅館やホテルなどの予約を取らなくても旅行できるという気楽さと、宿泊費・滞在費を圧縮できるという、キャンピングカー旅行ならではのメリットが作用しているからだ。

今回、幕張のキャンピング&RVショーで行なわれたフォーラムは、そのようなキャンピングカー旅行の特徴をいかに地域の観光産業の活性化と結びつけるかという、行政、アカデミズム、ジャーナリズムの知者たちの問題意識から生まれたものだといえよう。
参加した講演者・パネリストたちの顔ぶれは、下記の通り。
● 国土交通省観光庁・国際交流推進課の河田敦哉課長補佐。
● 松本大学・観光ホスピタリティ学科の佐藤博康教授。
● フリーランスライターのシェルパ斉藤氏。
● 財団法人ボーイスカウト連盟事務局の小林孝之助事務局次長。
● 日刊自動車新聞社・取締役主幹の佃義夫氏。
● 日本RV協会の福島雅邦会長。
● 日本アウトドアジャーナリスト協会代表の中村達氏。
いわば、行政の代表、アカデミズムの代表、アウトドアや自動車を専門に語るジャーナリストの代表、RV業界の代表といったそれぞれのスペシャリストたちが、キャンピングカーと観光産業を語るために集まったといえよう。

討議されたテーマは多岐にわたった。
議論は、日本人観光客を増やすだけでなく、外国人観光客を誘致するためのレンタルキャンピングカーの整備という課題にまで及んだ。
観光庁がめざす 「観光立国」 という理念には、日本人観光客を日本全体に循環させようという意図もあるが、もうひとつ、外国人観光客をもっと日本に誘致させようという狙いも含まれている。
政府が外国人観光客の誘致に自信を持っている理由は、
「日本の観光資源は、世界でもトップレベルの豊かさに恵まれている」
ということにある。
日本には四季があり、南北に長い。
同じく国の中で、スキーもできれば、スクーバ・ダイビング、史跡めぐりなど何でも楽しめる。かつ、どこの土地もみな風光明媚だ。
街に出れば、アニメや日本食など、外国人が求める文化やサービスが簡単に手に入る。
そのためのインフラを整備するとき、高コストのハコモノを次々と開発するよりも、低コストで、しかも環境負荷の少ない都市型キャンプ場などを設けていった方が、よほど環境保全にも貢献するし、時代の求めるスロートラベルの趣旨にもかなう。
なぜなら、そのような場所にキャンピングカーを止めておけば、そこから先はウォーキングなり、自転車などによる移動手段と有機的に連携できるからだ。
議論は、そのような展開を見せながら、少しずつ観光とキャンピングカーの将来的展望を築き上げるのに成功した。

このような外国人観光客の旅のツールとしてキャンピングカーを選択肢に入れるという企画には、実は、もうひとつのもくろみが潜んでいる。
そこには、キャンピングカーマーケットの中国大陸への拡大というモチーフが隠されているのだ。
年々増加の傾向を見せる中国人観光客に、キャンピングカーによる日本観光をプレゼンしてみせることによって、キャンピングカーの快適さと利便性を感じとった中国人による大陸マーケットが生まれるとしたら、いったいこの業界は、どれほどの産業規模に広がるか。
もちろん、今はまだ遠い夢だ。
それを実現するための現実的課題は山積している。
しかし、そのような巨視的な展望がないかぎり、マーケットの成長どころか、車両開発の進歩も停まってしまう。

もちろん、簡単に結論が出る問題ではない。
討議したところで、すぐにユーザーの利便性を図るインフラ整備が実現するわけでもなく、即効的にマーケットが広がるようなものでもない。
現に、テーマが膨大に広がりすぎて、2時間という枠内では消化しきれない課題が数多く残ってしまった。
また、聴講者との質疑応答の時間を採る余裕もなかった。
しかし、キャンピングカーが、 「行政」 や 「社会」 に認知される産業に成長するためには、避けては通れない道程であったように思う。
少なくとも、キャンピングカーを造る人たち、使う人たちが、 「自分たちはどこに向かえばいいのか」 という指針は示されたように感じる。
このフォーラムが実現されたおかげで、今回の幕張ショーは、この業界にとっては記念すべき年になったような気がする。
※ 「若者の旅行離れ」 に続く
なお、今回フォーラムに参加された方々のプロフィールは下記のとおり。
佐藤博康 (さとう・ひろやす) 氏
1949年生まれ。松本大学・観光ホスピタリティ学科教授。
専門は国際観光、エコツーリズムなど。NHK 「Cool Japan」 に出演中。
著書に 『インバウンド観光の現状と課題』 、 『外国からのお客様をお迎えするために』
シェルパ斉藤 (しぇるぱ・さいとう) 氏。
1961年生まれ。フリーランスライター。 『BE-PAL』 、 『東京生活』 などの雑誌に連載中。
著書に 『シェルパ斉藤の東海自然歩道全踏破』 、 『犬連れバックパッカー』 、 『スローな旅で行こう』 など多数。
小林孝之助 (こばやし・こうのすけ) 氏。
財団法人ボーイスカウト連盟事務局次長。平成23年8月に、静岡県富士宮市で約2万人を集める日本大会開催を予定。
佃義夫 (つくだ・よしお) 氏。
1970年、日刊自動車新聞社に入社。86年より編集局部長を歴任。2002年に取締役に就任。
著書に 『トヨタの野望、日産の決断』 、 『この激動下、トヨタだけがなぜ大増益なのか』 など。
福島雅邦 (ふくしま・まさくに) 氏。
1991年に株式会社フィールドライフを設立。世界初の量産型軽自動車キャンピングカーを開発・販売。
2000年に国産初のフルコンバージョン (クラスАタイプキャンピングカー) の発売を開始する。
2009年より日本RV協会会長を務める。
中村達 (なかむら・とおる) 氏
1949年、京都生まれ。日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事。NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構副代表理事。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど、アウトドア事業に深く関わる要職を務める。
著書に 『アウトドアマーケティングの歩き方』 、 『アウトドアビジネスへの提言』 、 『アウトドアズがライフスタイルになる日』 など。
関連記事 「日本のアウトドアの考察 1」
〃 「日本のアウトドアの考察 2」
そんな感触を得ることができた今回の 「幕張キャンピング&RVショー」 。
それは展示された新車群からも感じられたのだが、それ以上に、“場の空気” として、日本にもしっかりとした “キャンピングカー文化” のようなものが根づきそうだという予感が、このショーには漂っていた。
どういうことかというと、ようやくこの国で、アカデミズム、行政、ジャーナリズムが一体となって、 「キャンピングカーを日本を支える産業として育成しようではないか」 という動きが始まったように思えたからだ。
その具体例が、初日に開かれた 「開催記念フォーラム」 である。
討議内容は、 「観光立国の実現にキャンピングカーは貢献できるか」 。

遠大なテーマである。
過去、このようなテーマを追求するフォーラムが、キャンピングカーショーの会場で行われたことはなかった。
それが、今、なぜキャンピングカーショーの会場で開かれるようになったのか。
そこには、国交省・観光庁の目指す 「観光立国」 というプロジェクトの推進に、キャンピングカーの果たす役割というものが、少しずつ認知されてきたという背景がある。
少子高齢化に伴う人口減少は、日本の地域経済に深刻なダメージを与え始め、人口の集中している大都市圏と各地方の 「地域格差」 がはっきりと際立つような時代がすぐそこまで迫ってきた。
それを解消するため、政府は、平成19年1月に 「観光立国推進基本法」 を施行することに踏み切り、日本を 「観光立国」 として立て直す方向に大きく舵を切った。
つまり、各地方の 「定住人口」 の減少を、観光による 「交流人口」 の増加でおぎない、観光客の誘致とその長期滞在を促進することによって、地域経済の活性化をうながそうという方針が確立されたわけである。
そのためには、 「日帰り中心」 の観光客を、いかに 「1泊」 させるか。
「1泊」 の観光客を、いかに 「連泊」 させるか。
そのような、観光客の長期滞在化が観光産業の育成を図るカギとなってくる。
そこで、行政やジャーナリズムが注目し始めたのが、キャンピングカーユーザーの旅行形態だった。
2008年度の調査に基づく 『キャンピングカー白書』 によると、 「ユーザーが将来してみたいこと」 の筆頭に、 「日本全国をゆっくり一周したい」 (80.7%) という声が掲げられ、2番目は 「気に入った場所を見つけて2~3週間滞在したい」 (55.4% ※いずれも複数回答) という回答が寄せられている。
また、つい最近、日本RV協会が行なった 「北海道旅行に対するアンケート調査」 においても、年々観光客の旅行日程が短縮化されるなかで、キャンピングカー旅行客だけは長期滞在の傾向を示し、62.2%のユーザーが、北海道では 「1週間以上」 の長期旅行を楽しんでいるという。
このような長期旅行が成立する背景には、日本RV協会などが繰り広げてきた 「団塊世代マーケット」 の掘り起こしによる、リタイヤ層の拡大が原動力となっているが、もともとキャンピングカーユーザーは、ファミリーユースにおいても長期旅行を楽しむ傾向が強いという特徴がある。
それは、旅館やホテルなどの予約を取らなくても旅行できるという気楽さと、宿泊費・滞在費を圧縮できるという、キャンピングカー旅行ならではのメリットが作用しているからだ。

今回、幕張のキャンピング&RVショーで行なわれたフォーラムは、そのようなキャンピングカー旅行の特徴をいかに地域の観光産業の活性化と結びつけるかという、行政、アカデミズム、ジャーナリズムの知者たちの問題意識から生まれたものだといえよう。
参加した講演者・パネリストたちの顔ぶれは、下記の通り。
● 国土交通省観光庁・国際交流推進課の河田敦哉課長補佐。
● 松本大学・観光ホスピタリティ学科の佐藤博康教授。
● フリーランスライターのシェルパ斉藤氏。
● 財団法人ボーイスカウト連盟事務局の小林孝之助事務局次長。
● 日刊自動車新聞社・取締役主幹の佃義夫氏。
● 日本RV協会の福島雅邦会長。
● 日本アウトドアジャーナリスト協会代表の中村達氏。
いわば、行政の代表、アカデミズムの代表、アウトドアや自動車を専門に語るジャーナリストの代表、RV業界の代表といったそれぞれのスペシャリストたちが、キャンピングカーと観光産業を語るために集まったといえよう。

討議されたテーマは多岐にわたった。
議論は、日本人観光客を増やすだけでなく、外国人観光客を誘致するためのレンタルキャンピングカーの整備という課題にまで及んだ。
観光庁がめざす 「観光立国」 という理念には、日本人観光客を日本全体に循環させようという意図もあるが、もうひとつ、外国人観光客をもっと日本に誘致させようという狙いも含まれている。
政府が外国人観光客の誘致に自信を持っている理由は、
「日本の観光資源は、世界でもトップレベルの豊かさに恵まれている」
ということにある。
日本には四季があり、南北に長い。
同じく国の中で、スキーもできれば、スクーバ・ダイビング、史跡めぐりなど何でも楽しめる。かつ、どこの土地もみな風光明媚だ。
街に出れば、アニメや日本食など、外国人が求める文化やサービスが簡単に手に入る。
そのためのインフラを整備するとき、高コストのハコモノを次々と開発するよりも、低コストで、しかも環境負荷の少ない都市型キャンプ場などを設けていった方が、よほど環境保全にも貢献するし、時代の求めるスロートラベルの趣旨にもかなう。
なぜなら、そのような場所にキャンピングカーを止めておけば、そこから先はウォーキングなり、自転車などによる移動手段と有機的に連携できるからだ。
議論は、そのような展開を見せながら、少しずつ観光とキャンピングカーの将来的展望を築き上げるのに成功した。
このような外国人観光客の旅のツールとしてキャンピングカーを選択肢に入れるという企画には、実は、もうひとつのもくろみが潜んでいる。
そこには、キャンピングカーマーケットの中国大陸への拡大というモチーフが隠されているのだ。
年々増加の傾向を見せる中国人観光客に、キャンピングカーによる日本観光をプレゼンしてみせることによって、キャンピングカーの快適さと利便性を感じとった中国人による大陸マーケットが生まれるとしたら、いったいこの業界は、どれほどの産業規模に広がるか。
もちろん、今はまだ遠い夢だ。
それを実現するための現実的課題は山積している。
しかし、そのような巨視的な展望がないかぎり、マーケットの成長どころか、車両開発の進歩も停まってしまう。

もちろん、簡単に結論が出る問題ではない。
討議したところで、すぐにユーザーの利便性を図るインフラ整備が実現するわけでもなく、即効的にマーケットが広がるようなものでもない。
現に、テーマが膨大に広がりすぎて、2時間という枠内では消化しきれない課題が数多く残ってしまった。
また、聴講者との質疑応答の時間を採る余裕もなかった。
しかし、キャンピングカーが、 「行政」 や 「社会」 に認知される産業に成長するためには、避けては通れない道程であったように思う。
少なくとも、キャンピングカーを造る人たち、使う人たちが、 「自分たちはどこに向かえばいいのか」 という指針は示されたように感じる。
このフォーラムが実現されたおかげで、今回の幕張ショーは、この業界にとっては記念すべき年になったような気がする。
※ 「若者の旅行離れ」 に続く
なお、今回フォーラムに参加された方々のプロフィールは下記のとおり。
佐藤博康 (さとう・ひろやす) 氏
1949年生まれ。松本大学・観光ホスピタリティ学科教授。
専門は国際観光、エコツーリズムなど。NHK 「Cool Japan」 に出演中。
著書に 『インバウンド観光の現状と課題』 、 『外国からのお客様をお迎えするために』
シェルパ斉藤 (しぇるぱ・さいとう) 氏。
1961年生まれ。フリーランスライター。 『BE-PAL』 、 『東京生活』 などの雑誌に連載中。
著書に 『シェルパ斉藤の東海自然歩道全踏破』 、 『犬連れバックパッカー』 、 『スローな旅で行こう』 など多数。
小林孝之助 (こばやし・こうのすけ) 氏。
財団法人ボーイスカウト連盟事務局次長。平成23年8月に、静岡県富士宮市で約2万人を集める日本大会開催を予定。
佃義夫 (つくだ・よしお) 氏。
1970年、日刊自動車新聞社に入社。86年より編集局部長を歴任。2002年に取締役に就任。
著書に 『トヨタの野望、日産の決断』 、 『この激動下、トヨタだけがなぜ大増益なのか』 など。
福島雅邦 (ふくしま・まさくに) 氏。
1991年に株式会社フィールドライフを設立。世界初の量産型軽自動車キャンピングカーを開発・販売。
2000年に国産初のフルコンバージョン (クラスАタイプキャンピングカー) の発売を開始する。
2009年より日本RV協会会長を務める。
中村達 (なかむら・とおる) 氏
1949年、京都生まれ。日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事。NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構副代表理事。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど、アウトドア事業に深く関わる要職を務める。
著書に 『アウトドアマーケティングの歩き方』 、 『アウトドアビジネスへの提言』 、 『アウトドアズがライフスタイルになる日』 など。
関連記事 「日本のアウトドアの考察 1」
〃 「日本のアウトドアの考察 2」
2010年02月16日
スロープ ボブ

先週幕張で開かれた 「キャンピング&RVショー」 は、わが国では最大級のキャンピングカーショーという位置づけになる。
それだけに、各ビルダーが自分たちが自慢の “一押し” の新車を投入してくる未来志向の強いショーになる傾向がある。
いってしまえば 「モーターショー」 におけるコンセプトカーに近い提案型の車両が披露されるわけだ。
ただモーターショーとは違って、イベント会場がそのままキャンピングカーの “即売会” という性格を持っているため、展示車両に 「価格表示」 や装備品の 「性能説明」 を表す貼り紙などがたくさん貼られる傾向も強く、来場者に車両説明を行うスタッフたちも購買意欲をそそるようなトークになりがち。
そこにちょっと各社の “商売っけ” が漂ってしまう。
やむを得ないことだろうけれど、ショーとしての楽しさや華やかさがちょっと削がれるのも事実だ。
その傾向に対し、 「今回は “売らない” ショーに徹しようと思った」 と、きっぱり言ってのけたのがファーストカスタムの佐藤和秋社長だった。
では、ファーストカスタムのブースではどんな世界が生まれたのか。
いやぁ、もうびっくりでしたね!
「東京モーターショー」 レベルの観客を楽しませる華やかなイベント会場が誕生していた。

ずらりと並んだコンパニオンたちが、車両概要を説明するだけでなく、アウトドアのスターである田中ケンさん (快適生活研究家) をゲストに招き、トークショーを展開。

ケンさんはケンさんで、映像を流しながら、自分が得意とするアウトドアスポーツの極意を語り、自慢の野外料理を語り、フィールドを楽しむ人間の視点から、キャンピングカーを語る。
だから、ケンさんのアウトドア人生をかいま見ようと、自然に人が集まる。
そのおかげで、ファーストカスタムのブースは、いつも見学者があふれていたように思う。

提案型という意味では、画期的な新車も紹介された。
同社の誇るCGシリーズに、 「スロープボブ」 という車椅子対応のユニバーサルデザインの車両を登場させたのだ。

この車両では、スロープと連携したエントランスドアに、新開発されたスライドドアが採用されていことも印象的だった。
これならば、開口部が広い上に、ドアを開いた状態で風に煽られることもない。
一見、ハイエースの純正スライドドアを流用したように見えるが、新規に起こしたオリジナルだという。
スロープも市販品を流用したように見えるが、これも同社のオリジナル。
2段目までは床下に収納できるので、スペース効率もいい。

中に入ると、フロアが広くとられていて、ちょっとガランとした印象に見える。
しかし、私なんかには、その意図がすぐに分かった。
車椅子の回転スペースを考えて設計されているのだ。
自分にも、車椅子生活を余儀なくされている義母がいるので、車椅子を回転することのできないスペースの不便さはよく知っている。
トイレ周りには手すりもあって、これなら重度の身障者でなければ、健常者の介護を必要とせずに、自分でトイレを使用できるだろう。
そのへんもよく考えられていると感じた。

このような社会的な提案を盛り込んだ車両を展示しながら、あくまでも “モーターショー” 的な 「ショーとしての楽しさ」 を貫いたファーストカスタムブース。
幕張ショーのようなビッグイベントにふさわしい試みだったと思う。

田中ケンさんとのトークには、途中からファースト代表の佐藤和秋氏も登場。
現在、ケンさんとのコラボによる新車の企画が進行中だと語った。
“フィールドの達人” というケンさんの視点を導入したアウトドア精神をたっぷり盛り込んだクルマを目指すのだとか。
きっと面白いキャンピングカーが誕生すると思う。
2010年02月10日
RVフォーラム
今年 (2010年) の2月12日 (金) ~14日 (日) の3日間、千葉県の幕張メッセで 「キャンピング&RVショー2010」 が開催される。

▲ 2009年幕張ショー会場風景
このショーは、日本最大級のキャンピングカーイベントであり、各ビルダーがこのショーに合わせて開発した新型車が集中するショーとしても知られている。
今回のイベントに参加する企業・団体の出展社数は、2009年の90を上回る100ともいわれ、展示されるキャンピングカーだけでも約150台が見込まれている。
そういった意味で、各メディアの関心が集まりそうなイベントであるが、私が注目しているのは、初日の12日 (金) に開かれる 「キャンピング&RVショー2010開催記念フォーラム」 。
ここでは、キャンピングカーの現在の市場規模が公開され、それを参照しながらキャンピングカーの普及を図るための課題が検証され、討議されるという。
どちらかというと、一般ユーザー向けというより、業者や専門家を対象としたフォーラムのように思えるが、パネリストたちの顔ぶれが画期的だ。
観光ホスピタリティを専門に研究を進める大学教授、国交省観光庁に務める担当官、バックパッカーライター、自動車専門紙の編集記者たちが、 「これからの観光とキャンピングカーレジャーの可能性を考える」 ための討議を行うという。
このようなアカデミズム、行政、旅行ジャーナリズム、自動車専門紙などを代表する 「知性」 がキャンピングカーを論じるために集まるのははじめてのことであり、日本のRV業界が、社会的責務を熟慮する一大産業として成長してきた様子がしのばれる。
プログラムは二部に分かれ、第一部は、松本大学の総合経営学部・観光ホスピタリティ学科学科長である佐藤博康教授の 『RV&キャンピングカーと観光の可能性』 と題する基調講演が行なわれ、続いて、国土交通省観光庁・国際交流推進課の河田敦哉課長補佐による 『観光立国の実現に向けたインバウンドの振興について』 というレポートが発表される。
第二部は、パネルディスカッションとなり、
・ 日刊自動車新聞社 専務取締役 主幹の佃義夫氏。
・ 松本大学教授の佐藤博康氏。
・ 日本ボーイスカウト連盟 教育部門長の小林孝之助氏。
・ バックパッカーライターのシェルパ斉藤氏。
・ 日本RV協会会長の福島雅邦氏らが参加して、観光振興という観点から捉えたキャンピングカーの可能性を討議する。
これらの議事進行を務めるのは、アウトドアジャーナリスト・プロデューサーの中村達氏。

▲ 中村 達氏
乗用車の販売不振、スポーツ人口の減少などというマイナス要因が目立つ日本の現状をどう捉えるか。
また、そこからどのような蘇生の道が開かれるのか。
それらをテーマに、 「観光」 と 「キャンピングカー」 を軸とした熱い議論が繰り広げられそうな気がする。
期日 :2月12日 (金曜日)
会場 :幕張メッセ特別会議室。
時間 :15時00分~17時00分。
参加費:無料
定員 :50名
参加者はジャーナリストや業界関係者が中心となるものと思われるが、一般の見学者も歓迎とのこと。
なお、各講師のプロフィールは次のとおり。
佐藤博康 (さとう・ひろやす) 氏
1949年生まれ。松本大学・観光ホスピタリティ学科教授。
専門は国際観光、エコツーリズムなど。NHK 「Cool Japan」 に出演中。
著書に 『インバウンド観光の現状と課題』 、 『外国からのお客様をお迎えするために』
シェルパ斉藤 (しぇるぱ・さいとう) 氏。
1961年生まれ。フリーランスライター。 『BE-PAL』 、 『東京生活』 などの雑誌に連載中。
著書に 『シェルパ斉藤の東海自然歩道全踏破』 、 『犬連れバックパッカー』 、 『スローな旅で行こう』 など多数。
小林孝之助 (こばやし・こうのすけ) 氏。
財団法人ボーイスカウト連盟事務局次長。平成23年8月に、静岡県富士宮市で約2万人を集める日本大会開催を予定。
佃義夫 (つくだ・よしお) 氏。
1970年、日刊自動車新聞社に入社。86年より編集局部長を歴任。2002年に取締役に就任。
著書に 『トヨタの野望、日産の決断』 、 『この激動下、トヨタだけがなぜ大増益なのか』 など。
福島雅邦 (ふくしま・まさくに) 氏。
1991年に株式会社フィールドライフを設立。世界初の量産型軽自動車キャンピングカーを開発・販売。
2000年に国産初のフルコンバージョン (クラスАタイプキャンピングカー) の発売を開始する。
2009年より日本RV協会会長を務める。
中村達 (なかむら・とおる) 氏
1949年、京都生まれ。日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事。NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構副代表理事。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど、アウトドア事業に深く関わる要職を務める。
著書に 『アウトドアマーケティングの歩き方』 、 『アウトドアビジネスへの提言』 、 『アウトドアズがライフスタイルになる日』 など。
▲ 2009年幕張ショー会場風景
このショーは、日本最大級のキャンピングカーイベントであり、各ビルダーがこのショーに合わせて開発した新型車が集中するショーとしても知られている。
今回のイベントに参加する企業・団体の出展社数は、2009年の90を上回る100ともいわれ、展示されるキャンピングカーだけでも約150台が見込まれている。
そういった意味で、各メディアの関心が集まりそうなイベントであるが、私が注目しているのは、初日の12日 (金) に開かれる 「キャンピング&RVショー2010開催記念フォーラム」 。
ここでは、キャンピングカーの現在の市場規模が公開され、それを参照しながらキャンピングカーの普及を図るための課題が検証され、討議されるという。
どちらかというと、一般ユーザー向けというより、業者や専門家を対象としたフォーラムのように思えるが、パネリストたちの顔ぶれが画期的だ。
観光ホスピタリティを専門に研究を進める大学教授、国交省観光庁に務める担当官、バックパッカーライター、自動車専門紙の編集記者たちが、 「これからの観光とキャンピングカーレジャーの可能性を考える」 ための討議を行うという。
このようなアカデミズム、行政、旅行ジャーナリズム、自動車専門紙などを代表する 「知性」 がキャンピングカーを論じるために集まるのははじめてのことであり、日本のRV業界が、社会的責務を熟慮する一大産業として成長してきた様子がしのばれる。
プログラムは二部に分かれ、第一部は、松本大学の総合経営学部・観光ホスピタリティ学科学科長である佐藤博康教授の 『RV&キャンピングカーと観光の可能性』 と題する基調講演が行なわれ、続いて、国土交通省観光庁・国際交流推進課の河田敦哉課長補佐による 『観光立国の実現に向けたインバウンドの振興について』 というレポートが発表される。
第二部は、パネルディスカッションとなり、
・ 日刊自動車新聞社 専務取締役 主幹の佃義夫氏。
・ 松本大学教授の佐藤博康氏。
・ 日本ボーイスカウト連盟 教育部門長の小林孝之助氏。
・ バックパッカーライターのシェルパ斉藤氏。
・ 日本RV協会会長の福島雅邦氏らが参加して、観光振興という観点から捉えたキャンピングカーの可能性を討議する。
これらの議事進行を務めるのは、アウトドアジャーナリスト・プロデューサーの中村達氏。
▲ 中村 達氏
乗用車の販売不振、スポーツ人口の減少などというマイナス要因が目立つ日本の現状をどう捉えるか。
また、そこからどのような蘇生の道が開かれるのか。
それらをテーマに、 「観光」 と 「キャンピングカー」 を軸とした熱い議論が繰り広げられそうな気がする。
期日 :2月12日 (金曜日)
会場 :幕張メッセ特別会議室。
時間 :15時00分~17時00分。
参加費:無料
定員 :50名
参加者はジャーナリストや業界関係者が中心となるものと思われるが、一般の見学者も歓迎とのこと。
なお、各講師のプロフィールは次のとおり。
佐藤博康 (さとう・ひろやす) 氏
1949年生まれ。松本大学・観光ホスピタリティ学科教授。
専門は国際観光、エコツーリズムなど。NHK 「Cool Japan」 に出演中。
著書に 『インバウンド観光の現状と課題』 、 『外国からのお客様をお迎えするために』
シェルパ斉藤 (しぇるぱ・さいとう) 氏。
1961年生まれ。フリーランスライター。 『BE-PAL』 、 『東京生活』 などの雑誌に連載中。
著書に 『シェルパ斉藤の東海自然歩道全踏破』 、 『犬連れバックパッカー』 、 『スローな旅で行こう』 など多数。
小林孝之助 (こばやし・こうのすけ) 氏。
財団法人ボーイスカウト連盟事務局次長。平成23年8月に、静岡県富士宮市で約2万人を集める日本大会開催を予定。
佃義夫 (つくだ・よしお) 氏。
1970年、日刊自動車新聞社に入社。86年より編集局部長を歴任。2002年に取締役に就任。
著書に 『トヨタの野望、日産の決断』 、 『この激動下、トヨタだけがなぜ大増益なのか』 など。
福島雅邦 (ふくしま・まさくに) 氏。
1991年に株式会社フィールドライフを設立。世界初の量産型軽自動車キャンピングカーを開発・販売。
2000年に国産初のフルコンバージョン (クラスАタイプキャンピングカー) の発売を開始する。
2009年より日本RV協会会長を務める。
中村達 (なかむら・とおる) 氏
1949年、京都生まれ。日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事。NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構副代表理事。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど、アウトドア事業に深く関わる要職を務める。
著書に 『アウトドアマーケティングの歩き方』 、 『アウトドアビジネスへの提言』 、 『アウトドアズがライフスタイルになる日』 など。
2010年02月05日
JキャビンFC
軽トラックにキャンパーシェルを載せるという、MYSミスティックの 「Jキャビンミニ」 が登場したとき、多くの人は、デフレ時代の低価格路線を狙った商品設定だと思ったかもしれない。

▲ JキャビンミニFC
地方の軽トラ普及率は高い。
その軽トラをベース車として、遊びに行くときだけキャビンを積載しようというニーズは確かにあるだろう。
そうすれば、キャンピングカーとして架装されたクルマを新たに購入する必要がない。
買うのはキャンパーシェルの部分だけ。
コストパフォーマンスは無類によい。
…ならば、ひとつ買ってみようか。
Jキャビンミニとは、そう計算した人々を狙った商品なのだろう…と分析した人は、
「いい狙いどころだな」
と感心したかもしれない。

しかし、Jキャビンミニを構想したMYSの佐藤正社長の思惑は、もう少し別のところにあった。

彼は、まず最近の軽トラックの上級グレードの驚くほどの走行性能の改善に注目した。
「食わず嫌いでした。乗ってみてはじめて分かった。
こんなに走りに余裕があり、かつ刺激的な走行フィールを持った乗り物だとは思わなかったんです。
軽トラというのは、もしかしたら、今までの自動車のカテゴリーを大きく揺るがすものなのかもしれない」
佐藤さんは、そう感じたという。

低コストで乗れる。
小回りが利く。
駐車スペースを取らない。
そのようなエコロジカルな特性には収まりきらない、とてつもない魅力が軽トラにはある…と、佐藤さんは読んだのだ。
その魅力を一言でいうと、 「走りのビート感」 。
「たとえばスバルなんかの軽トラに、このJキャビンミニを積載しますよね。
すると、カツン、カツン、カツンと乾いたビートを刻んで、感性を刺激する走りが生まれるんですよ。まさにフォービートかエイトビートという感じ…」
それは、ハーレーの、タンタンタンという3拍子のリズムにも拮抗するような、胸を騒がす 「生命の鼓動」 なのだとか。
だから、この軽トラをベースにしたJキャビンミニシリーズは、走る楽しみにおいても、従来のキャンピングカーとは一線を画する 「次世代RV」 なのだと佐藤さんは位置づける。
ならば、その肝心のシェルの部分にも、 「次世代RV」 を語るにふさわしい “意匠” を考案しなければならない。
単なる 「コストパフォーマンスに優れたキャンピングカー」 と見なされるのではなく、持つこと自体を誇れるような、究極のデザインを試みなければならない。
そういう思いが 「形」 となって結実したのが、この 「JキャビンミニFC」 である。

「FC」 とは、ファクトリーカスタムのこと。
佐藤さんの念頭にあったのは、ハーレーのカスタムだった。
ノーマルでさえ強烈な存在感を持つハーレーが、一つひとつクロームメッキパーツを身に付けて輝いていくときに生まれる “際だつ個性” 。
その燦然と輝く 「個性」 を、ファクトリーとして鍛え上げられた自分たちの職人芸で、最高の仕上がりにまで持っていく。
それが 「JキャビンミニFC」 の思想である。
このシェルの扉を開け、中に入っただけで、その 「思想」 に感染しない人はいないはずだ。
ここまで手の込んだ作りを誇るピックアップキャビンというものは、かつて存在したことがなかったのではないか。

まず、丹念に仕上げられた木工家具のグレード感に、人はびっくりするはず。
深い渋みを湛えた美しい塗装。
それが室内に差し込む光の角度によって、微妙な陰影を室内に投げかける。

それとバランスを取るように、対照的な明るさを際だたせるシートの柔和感。
「書斎」 の重厚感と、 「リビング」 の軽快感の絶妙なマッチングが、ここでは試みられている。
ちなみに、シートは、中にチップを入れた3層構造。
座り心地も万全ならば、ベッドメイクしたときの感触も秀逸だ。
壁紙にも、繊細なデザインセンスが発揮されている。
竹を組んだように見えるアジアンテイスト・デザイン。
ヨーロッパのリゾートとはひと味違う、アジア風高級リゾートの涼しげな感触が、この壁紙素材から伝わってくる。

インバーターで回すエアコン (オプション) には、省電力タイプのものが採用されているので、少ない電力でも相当な涼風が約束されるという。
そこから流れ出る風が、アジアデザインの壁紙をかすめるとき、中でくつろぐ人は、窓の外に、ヤシの木陰の向こうに広がるインド洋か東シナ海を夢想するかもしれない。
照明は、あえて流行のLEDを使わず、蛍光灯も避けて、昔ながらの電球を使った。
そこにも “こだわり” があり、ランプのような光がもたらす自然な温かみを狙ったのだという。

小物入れも豊富。
趣味にこだわる人は、自分にとって大切な “秘密のアイテム” をそっと貯め込んでおきたくなるもの。
大人の風格を備えながらも、男が 「少年に還る」 ときの楽しさを、このクルマは失っていない。

「コストを度外視しても、凝りに凝ったものをつくってみたかった」 という佐藤さん。
そこに実現されたものは何だったのだろう。
私は、 「男が自分の “精神” に出会う場」 だと思った。
自分がどこから来たのか
自分はどこへ行こうとしているのか
自分とは何か
忙しい日常生活の中で、忘れてしまった 「自分を問う心」 。
そのような 「問い」 は、日常性を超える異次元空間でなければ生まれない。
自分が、キャンピングカーの中にいることすら忘れるような、至上の愉楽を約束する空間があってこそ、生まれる 「問い」 なのだ。

もちろん、そのような 「問い」 に、本当の答などない。
それでも、答を求めながら、この贅沢な空間で、ゆっくり自分の好きな酒を飲み、好きな音楽を聞く。
(佐藤さんなら、そこでフジコ・ヘミングのピアノ曲を聞くことだろう)
そして、答を求め続け、けっきょく分からないままに、快適なベッドの上に、酔った身体を横たえる。
ほのかなランプの光が、火照った頬を優しく撫でていくのを感じながら、いつしか眠りの底に落ちていく。
「幸せ」 ってのは、そういうものだ。
JキャビンミニFCは、その 「幸せ」 を約束してくれるクルマだ。

▲ JキャビンミニFC
地方の軽トラ普及率は高い。
その軽トラをベース車として、遊びに行くときだけキャビンを積載しようというニーズは確かにあるだろう。
そうすれば、キャンピングカーとして架装されたクルマを新たに購入する必要がない。
買うのはキャンパーシェルの部分だけ。
コストパフォーマンスは無類によい。
…ならば、ひとつ買ってみようか。
Jキャビンミニとは、そう計算した人々を狙った商品なのだろう…と分析した人は、
「いい狙いどころだな」
と感心したかもしれない。
しかし、Jキャビンミニを構想したMYSの佐藤正社長の思惑は、もう少し別のところにあった。
彼は、まず最近の軽トラックの上級グレードの驚くほどの走行性能の改善に注目した。
「食わず嫌いでした。乗ってみてはじめて分かった。
こんなに走りに余裕があり、かつ刺激的な走行フィールを持った乗り物だとは思わなかったんです。
軽トラというのは、もしかしたら、今までの自動車のカテゴリーを大きく揺るがすものなのかもしれない」
佐藤さんは、そう感じたという。

低コストで乗れる。
小回りが利く。
駐車スペースを取らない。
そのようなエコロジカルな特性には収まりきらない、とてつもない魅力が軽トラにはある…と、佐藤さんは読んだのだ。
その魅力を一言でいうと、 「走りのビート感」 。
「たとえばスバルなんかの軽トラに、このJキャビンミニを積載しますよね。
すると、カツン、カツン、カツンと乾いたビートを刻んで、感性を刺激する走りが生まれるんですよ。まさにフォービートかエイトビートという感じ…」
それは、ハーレーの、タンタンタンという3拍子のリズムにも拮抗するような、胸を騒がす 「生命の鼓動」 なのだとか。
だから、この軽トラをベースにしたJキャビンミニシリーズは、走る楽しみにおいても、従来のキャンピングカーとは一線を画する 「次世代RV」 なのだと佐藤さんは位置づける。
ならば、その肝心のシェルの部分にも、 「次世代RV」 を語るにふさわしい “意匠” を考案しなければならない。
単なる 「コストパフォーマンスに優れたキャンピングカー」 と見なされるのではなく、持つこと自体を誇れるような、究極のデザインを試みなければならない。
そういう思いが 「形」 となって結実したのが、この 「JキャビンミニFC」 である。
「FC」 とは、ファクトリーカスタムのこと。
佐藤さんの念頭にあったのは、ハーレーのカスタムだった。
ノーマルでさえ強烈な存在感を持つハーレーが、一つひとつクロームメッキパーツを身に付けて輝いていくときに生まれる “際だつ個性” 。
その燦然と輝く 「個性」 を、ファクトリーとして鍛え上げられた自分たちの職人芸で、最高の仕上がりにまで持っていく。
それが 「JキャビンミニFC」 の思想である。
このシェルの扉を開け、中に入っただけで、その 「思想」 に感染しない人はいないはずだ。
ここまで手の込んだ作りを誇るピックアップキャビンというものは、かつて存在したことがなかったのではないか。

まず、丹念に仕上げられた木工家具のグレード感に、人はびっくりするはず。
深い渋みを湛えた美しい塗装。
それが室内に差し込む光の角度によって、微妙な陰影を室内に投げかける。

それとバランスを取るように、対照的な明るさを際だたせるシートの柔和感。
「書斎」 の重厚感と、 「リビング」 の軽快感の絶妙なマッチングが、ここでは試みられている。
ちなみに、シートは、中にチップを入れた3層構造。
座り心地も万全ならば、ベッドメイクしたときの感触も秀逸だ。
壁紙にも、繊細なデザインセンスが発揮されている。
竹を組んだように見えるアジアンテイスト・デザイン。
ヨーロッパのリゾートとはひと味違う、アジア風高級リゾートの涼しげな感触が、この壁紙素材から伝わってくる。

インバーターで回すエアコン (オプション) には、省電力タイプのものが採用されているので、少ない電力でも相当な涼風が約束されるという。
そこから流れ出る風が、アジアデザインの壁紙をかすめるとき、中でくつろぐ人は、窓の外に、ヤシの木陰の向こうに広がるインド洋か東シナ海を夢想するかもしれない。
照明は、あえて流行のLEDを使わず、蛍光灯も避けて、昔ながらの電球を使った。
そこにも “こだわり” があり、ランプのような光がもたらす自然な温かみを狙ったのだという。

小物入れも豊富。
趣味にこだわる人は、自分にとって大切な “秘密のアイテム” をそっと貯め込んでおきたくなるもの。
大人の風格を備えながらも、男が 「少年に還る」 ときの楽しさを、このクルマは失っていない。
「コストを度外視しても、凝りに凝ったものをつくってみたかった」 という佐藤さん。
そこに実現されたものは何だったのだろう。
私は、 「男が自分の “精神” に出会う場」 だと思った。
自分がどこから来たのか
自分はどこへ行こうとしているのか
自分とは何か
忙しい日常生活の中で、忘れてしまった 「自分を問う心」 。
そのような 「問い」 は、日常性を超える異次元空間でなければ生まれない。
自分が、キャンピングカーの中にいることすら忘れるような、至上の愉楽を約束する空間があってこそ、生まれる 「問い」 なのだ。

もちろん、そのような 「問い」 に、本当の答などない。
それでも、答を求めながら、この贅沢な空間で、ゆっくり自分の好きな酒を飲み、好きな音楽を聞く。
(佐藤さんなら、そこでフジコ・ヘミングのピアノ曲を聞くことだろう)
そして、答を求め続け、けっきょく分からないままに、快適なベッドの上に、酔った身体を横たえる。
ほのかなランプの光が、火照った頬を優しく撫でていくのを感じながら、いつしか眠りの底に落ちていく。
「幸せ」 ってのは、そういうものだ。
JキャビンミニFCは、その 「幸せ」 を約束してくれるクルマだ。
2010年02月01日
ホワイトカントリ-
『答は風の中』 というWEBエッセイを連載されている九州の 「カスタムプロホワイト」 の池田さんから、最新キャンピングカー情報が送られてきた。
長年、ハイエースやキャラバンをベースに 「フィールドキング」 シリーズを作成してきた池田さん。
今回は思い切って、軽キャンピングカーに挑戦したという。
その名は 「ホワイトカントリー」 。
30年ほど前、はじめてキャンピングカーを造り始めた頃に考えていた名前なのだそうだ。

ベース車両はホンダ・アクティ。
鮮やかにペイントされたツートンのボディが、なんとも可愛く、なんとも斬新。
リヤパネルが、ボディ同色のプラスチックパネルで窓埋めされており、なかなか凝った仕上がりぶりだ。

エクステリアにも力が入っているが、内装を見ると、さらにびっくり。
ハイセンスに仕上げられた木工家具が架装され、4ナンバー登録の軽キャンパーとは思えない充実ぶりだ。

リヤゲートを開けると、右側には、フィールドキングゆずりのムク材を使ったミニキッチン。軽には少し贅沢と思える中型のホーローシンクに、本格的なフォーセット。
シンク下には、13リットルの給水タンクが標準装備。
シンクの左側には、小型のカセットコンロがこぢんまりと収まっている。
排水タンクの設置も可。

ボディ左側は、収納棚とフライングテーブル。
(本棚には、しっかりと 『キャンピングカースーパーガイド』 を収めてくれてますねぇ。ありがとうございます!)

ルーフ内側にはキルト素材のフルトリム (厚さ10mm) が施され、断熱・防寒対策と、美観の演出を引き受けている。
よく見ると、リヤ扉の内側にも、しっかりウッドが張られている。
こりゃもう 「部屋」 ですな。

運転席の頭上には、たっぷりとした容量が確保されているルーフ収納が設定されている。
その容量、約180リットル。
これは、フロント部の傾斜が比較的ゆるく、かつルーフ高がたっぷり取られたホンダ・アクティの特徴を生かしたところから生まれた。
ここには、コンロ、寝袋 (2~3人分) 、やかん、フライパン、ナベなどがすんなりと収納できるという。

ベッドマットはなし。
じゃ、どこで寝るの? …となるのだが、代わりにモンベルの登山用エアマット (1800×500mm) が二つ用意されている。
寝るときに膨らませることになるが、たたんでしまえば、1人分が牛乳瓶くらいなので、無類に空間効率が高まる。
ベッドマットがないため、このクルマがトランスポーターとしての役目を負わされるときは、荷物の積み込みも楽になり、かつ積載容量も確保される。
ちなみに、室内高は最大1200mm。くつろぐには何の不満もないゆったりスペースが実現されている。
オシャレなのは、車両ドアパネルの加工。
トリム生地と同系統の色調に仕上げられ、ちょっと 「軽」 とは思えない質感が生まれている。
インパネもすごい!
ここもドアパネルと同色に塗装され、室内のカラーコーディネイトは万全だ。

気になるお値段は、なんと80万円 !?
ただし、これは架装費だけの価格。
ベース車両は別で、持ち込み架装も可。
でも、リアルウッドの手の込んだ家具を多用したハイグレードな室内架装が80万円というのは、なんともリーズナブルな設定ではなかろうか。
4ナンバーの 「アクティ」 と、5ナンバーの 「バモス」 の価格差が約70万円ほどであることを考えると、その価格差を架装費で吸収しようという 「ホワイトカントリー」 の戦略は、うまいところを突いているようにも思う。
この80万円の架装費に、シートカバー、ツートン塗装、プラスチックパネル、4スピーカー、カーテンなどをプラスして、だいたい115万円程度だとか。
この写真を送ってくださった池田さんに電話取材を試みた。

池田さんは、お客様に選んでもらうときに、 「軽しか買えない」 という選択ではなく、 「この軽が欲しい!」 というものを目指したのだという。
また、 「大きなクルマに乗って見栄を張ることに少し飽きて、軽自動車の利便性と、軽自動車の経済性を合理的に判断できるクレバーな人たちに見てもらいたい」 とも。
年間5~6台しか生産しない同社の営業方針は、大量生産・大量販売の正反対をゆくものだ。
だからこそ、少量生産の意味をしっかり訴えていきたいという。
それは、内装クロス張りから木工家具製作、さらにボディ改造から塗装まで、1人でコツコツ仕上げるところから生まれる 「職人の味」 を “売る” こと。
「たぶん、全国のビルダーの中で、現場に関わる時間でいえば、私は一、二を争う働き者だと思いますよ」
と池田さん。
毎日8時間。
それを1年300日、休むことなく自分の手を使い、働き続けた。
その歴史が30年あるということは、これまでの累積労働時間数が7万2,000時間。
「それだけの経験を積めば、職人としての腕を売り物にしたって、少しは許されるでしょう」
と池田さんは笑う。
彼はその “職人の腕” に、さらにカヌー、ダイビング、キャンプ、焚き火 (?) などのアウトドア体験をプラスして、自分のクルマを練り上げてきた。
もともと、バックパックに荷物を詰め込んで、山登りやヒッチハイクの旅を楽しんできた人である。
今回の 「ホワイトカントリー」 も、そんな自分の生き方の原点に戻った “作品” なのだそうだ。
モンベルのエアマットを使うというのも、荷物をコンパクトにたたんで収納するバックパッカーの習慣をそのまま反映したもの…だとか。
今度の 「ホワイトカントリー」 は、そのようなライフスタイルを貫いてきた池田さんの原点でもあり、同時にその集大成だという。
「サイズ」 は軽でも、 「志」 は巨大モーターホーム。
そんなクルマだと言いたげに、電話の向こうの声が、明るく笑った。
長年、ハイエースやキャラバンをベースに 「フィールドキング」 シリーズを作成してきた池田さん。
今回は思い切って、軽キャンピングカーに挑戦したという。
その名は 「ホワイトカントリー」 。
30年ほど前、はじめてキャンピングカーを造り始めた頃に考えていた名前なのだそうだ。
ベース車両はホンダ・アクティ。
鮮やかにペイントされたツートンのボディが、なんとも可愛く、なんとも斬新。
リヤパネルが、ボディ同色のプラスチックパネルで窓埋めされており、なかなか凝った仕上がりぶりだ。
エクステリアにも力が入っているが、内装を見ると、さらにびっくり。
ハイセンスに仕上げられた木工家具が架装され、4ナンバー登録の軽キャンパーとは思えない充実ぶりだ。
リヤゲートを開けると、右側には、フィールドキングゆずりのムク材を使ったミニキッチン。軽には少し贅沢と思える中型のホーローシンクに、本格的なフォーセット。
シンク下には、13リットルの給水タンクが標準装備。
シンクの左側には、小型のカセットコンロがこぢんまりと収まっている。
排水タンクの設置も可。
ボディ左側は、収納棚とフライングテーブル。
(本棚には、しっかりと 『キャンピングカースーパーガイド』 を収めてくれてますねぇ。ありがとうございます!)
ルーフ内側にはキルト素材のフルトリム (厚さ10mm) が施され、断熱・防寒対策と、美観の演出を引き受けている。
よく見ると、リヤ扉の内側にも、しっかりウッドが張られている。
こりゃもう 「部屋」 ですな。
運転席の頭上には、たっぷりとした容量が確保されているルーフ収納が設定されている。
その容量、約180リットル。
これは、フロント部の傾斜が比較的ゆるく、かつルーフ高がたっぷり取られたホンダ・アクティの特徴を生かしたところから生まれた。
ここには、コンロ、寝袋 (2~3人分) 、やかん、フライパン、ナベなどがすんなりと収納できるという。
ベッドマットはなし。
じゃ、どこで寝るの? …となるのだが、代わりにモンベルの登山用エアマット (1800×500mm) が二つ用意されている。
寝るときに膨らませることになるが、たたんでしまえば、1人分が牛乳瓶くらいなので、無類に空間効率が高まる。
ベッドマットがないため、このクルマがトランスポーターとしての役目を負わされるときは、荷物の積み込みも楽になり、かつ積載容量も確保される。
ちなみに、室内高は最大1200mm。くつろぐには何の不満もないゆったりスペースが実現されている。
オシャレなのは、車両ドアパネルの加工。
トリム生地と同系統の色調に仕上げられ、ちょっと 「軽」 とは思えない質感が生まれている。
インパネもすごい!
ここもドアパネルと同色に塗装され、室内のカラーコーディネイトは万全だ。
気になるお値段は、なんと80万円 !?
ただし、これは架装費だけの価格。
ベース車両は別で、持ち込み架装も可。
でも、リアルウッドの手の込んだ家具を多用したハイグレードな室内架装が80万円というのは、なんともリーズナブルな設定ではなかろうか。
4ナンバーの 「アクティ」 と、5ナンバーの 「バモス」 の価格差が約70万円ほどであることを考えると、その価格差を架装費で吸収しようという 「ホワイトカントリー」 の戦略は、うまいところを突いているようにも思う。
この80万円の架装費に、シートカバー、ツートン塗装、プラスチックパネル、4スピーカー、カーテンなどをプラスして、だいたい115万円程度だとか。
この写真を送ってくださった池田さんに電話取材を試みた。
池田さんは、お客様に選んでもらうときに、 「軽しか買えない」 という選択ではなく、 「この軽が欲しい!」 というものを目指したのだという。
また、 「大きなクルマに乗って見栄を張ることに少し飽きて、軽自動車の利便性と、軽自動車の経済性を合理的に判断できるクレバーな人たちに見てもらいたい」 とも。
年間5~6台しか生産しない同社の営業方針は、大量生産・大量販売の正反対をゆくものだ。
だからこそ、少量生産の意味をしっかり訴えていきたいという。
それは、内装クロス張りから木工家具製作、さらにボディ改造から塗装まで、1人でコツコツ仕上げるところから生まれる 「職人の味」 を “売る” こと。
「たぶん、全国のビルダーの中で、現場に関わる時間でいえば、私は一、二を争う働き者だと思いますよ」
と池田さん。
毎日8時間。
それを1年300日、休むことなく自分の手を使い、働き続けた。
その歴史が30年あるということは、これまでの累積労働時間数が7万2,000時間。
「それだけの経験を積めば、職人としての腕を売り物にしたって、少しは許されるでしょう」
と池田さんは笑う。
彼はその “職人の腕” に、さらにカヌー、ダイビング、キャンプ、焚き火 (?) などのアウトドア体験をプラスして、自分のクルマを練り上げてきた。
もともと、バックパックに荷物を詰め込んで、山登りやヒッチハイクの旅を楽しんできた人である。
今回の 「ホワイトカントリー」 も、そんな自分の生き方の原点に戻った “作品” なのだそうだ。
モンベルのエアマットを使うというのも、荷物をコンパクトにたたんで収納するバックパッカーの習慣をそのまま反映したもの…だとか。
今度の 「ホワイトカントリー」 は、そのようなライフスタイルを貫いてきた池田さんの原点でもあり、同時にその集大成だという。
「サイズ」 は軽でも、 「志」 は巨大モーターホーム。
そんなクルマだと言いたげに、電話の向こうの声が、明るく笑った。
2010年01月30日
日本のRVの歴史
ようやくである。
『日本のキャンピングカーの歴史』 という書籍の発行に漕ぎつけた。
昨日、その表紙の校正が上がった。

見本が上がるのが、2月5日。
約90ページの書籍になった。
もちろん、これが日本のキャンピングカーの歴史を完璧に網羅したものだと言い張るつもりはない。
むしろ、取材しきれなかった部分の方が多い。
しかし、人から人へ、つてをたどって、古い時代のキャンピングカーをご存知の方々には、かなりお会いできたように思う。
かなり高齢な方もいらっしゃったが、お元気なうちに取材できたのはうれしいことだった。
日本のキャンピングカー1号車は、今のところ、画家の桐野江節雄さんが東京マツダに造らせたオート3輪の 「エスカルゴ号」 ということになっている。
しかし、本資料を作成しているうちに、どうやら演歌歌手の田端義夫さんがいすゞ自動車に造らせたバスを改良したキャンピングカーの方が年代的に古いということが分かった。
田端さんの “バスコン” は、昭和30年 (1955年) に造られたということになっている。
今回、その確証を得るために、当時いすゞ自動車にいらっしゃった方にお会いすることができたが、漠然と昭和30年代の初期…というところまでしか分からなかった。
その方が、当時のいすゞのバスを担当されていたスタッフと連絡を取ろうと努力を重ねてくださったが、すでに連絡が取れない人が多かったという。
エスカルゴ号の方は、昭和33年 (1958年) に製作されたことがはっきりしている。
それを確実に裏付ける資料もあるし、その製作に立ち会った人からも話を聞いている。
したがって本書では、暫定的に、このエスカルゴ号をもって 「日本のキャンピングカーの草分け的存在」 という位置づけにした。
その後、現在のようなキャンピングカーのスタイルが生まれるまでには、10年ほど変化の乏しい歳月が流れる。
しかし、その間、ワーゲンベースの輸入キャンパーなども導入されるようになり、それを参考にして、徐々に今のスタイルの車両が姿を見せるようになる。
その大半は、ユーザーが自作したハンドメイドキャンピングカーだった。
70年代に入ると、国産キャンピングカーは、ハンドメイドキャンピングカーの百花繚乱期を迎える。
ワンボックスカーの室内を架装したものから始まり、今のピックアップキャビンの原型ともいえるトラックの荷台にシェルを積載したものまで、様々なスタイルが追及されていった。
それと並行して、アメリカのバニングに影響を受けたカスタムカーのブームがスタートする。
日本のキャンピングカーは、このハンドメイドとバニングの二つの流れにけん引される形で、次第に現在のスタイルを生み出すようになっていく。
そこには、いろいろな人々のドラマがあった。
本書は、 「キャンピングカーの歴史」 と称しながら、人物列伝のおもむきを呈しているようにも思える。
すでに現役を引退された方々から取材するときは、古い写真や資料を見ていただきながら、時間をかけて、少しずつ思い出してもらうような形を取ることも多かった。
しかし、その方の記憶がゆっくりと形を整え、ご本人も忘れていたような過去が蘇えってきたとき、そこには思いがけない感動的な青春ドラマが再現され、しばしば陶然と聞きほれたことも一度や二度ではなかった。
惜しむらくは、この資料を制作中に、 「日本のオートキャンプの父」 ともいわれる日本オート・キャンプ協会の岡本昌光初代専務理事が亡くなられたことだ。
岡本氏は、日本にキャンプ文化を根づかせた最大の功労者だが、また数々のイベントを通じて日本にキャンピングカーを紹介した功績においても、並ぶ者のいない偉業を成し遂げた人である。
岡本氏は、この小冊子の完成を待たずにして亡くなられたが、原稿チェックの段階ではさんざん目を通してもらい、電話を通じて、ほぼ毎日こと細かなアドバイスをいただいた。
氏は、本当にこの資料ができあがるのを楽しみにされていた。
旧友と連絡をとるときも、ことあるごとに、この小冊子が現在制作進行中であることを話題にし、その感想を述べ、できばえを誉めたたえてくれたというから、完成本を直にお渡しできなかったことが本当に残念でならない。
逝去されたのは、昨年の10月11日。享年78歳であった。
また、現在キャンピングカービルダーとして名声を誇る会社の創業者たちの中においても、アム・クラフトの水鳥元社長、セキソーボディの中山元社長らのように、若くして永眠された方々がいる。
本資料は、その方々にも見ていただきたかった本である。
ともあれ、不完全な形かもしれないが、日本のキャンピングカーの流れをたどる原資料のようなものはできあがった。
今後は、取材に漏れた方々の証言もさらに取り入れ、また、これを読まれた未知の読者からの正確な情報もつけ加え、より精度の高い資料集として再構築していくことも念頭に置いている。
関連記事 「キャンカーの歴史」
関連記事 「日刊自でも紹介」
関連記事 「エスカルゴ号の話」
関連記事 「エスカルゴ号2」
関連記事 「日本のRVの歴史」
関連記事 「バニングとは何か」
『日本のキャンピングカーの歴史』 という書籍の発行に漕ぎつけた。
昨日、その表紙の校正が上がった。
見本が上がるのが、2月5日。
約90ページの書籍になった。
もちろん、これが日本のキャンピングカーの歴史を完璧に網羅したものだと言い張るつもりはない。
むしろ、取材しきれなかった部分の方が多い。
しかし、人から人へ、つてをたどって、古い時代のキャンピングカーをご存知の方々には、かなりお会いできたように思う。
かなり高齢な方もいらっしゃったが、お元気なうちに取材できたのはうれしいことだった。
日本のキャンピングカー1号車は、今のところ、画家の桐野江節雄さんが東京マツダに造らせたオート3輪の 「エスカルゴ号」 ということになっている。
しかし、本資料を作成しているうちに、どうやら演歌歌手の田端義夫さんがいすゞ自動車に造らせたバスを改良したキャンピングカーの方が年代的に古いということが分かった。
田端さんの “バスコン” は、昭和30年 (1955年) に造られたということになっている。
今回、その確証を得るために、当時いすゞ自動車にいらっしゃった方にお会いすることができたが、漠然と昭和30年代の初期…というところまでしか分からなかった。
その方が、当時のいすゞのバスを担当されていたスタッフと連絡を取ろうと努力を重ねてくださったが、すでに連絡が取れない人が多かったという。
エスカルゴ号の方は、昭和33年 (1958年) に製作されたことがはっきりしている。
それを確実に裏付ける資料もあるし、その製作に立ち会った人からも話を聞いている。
したがって本書では、暫定的に、このエスカルゴ号をもって 「日本のキャンピングカーの草分け的存在」 という位置づけにした。
その後、現在のようなキャンピングカーのスタイルが生まれるまでには、10年ほど変化の乏しい歳月が流れる。
しかし、その間、ワーゲンベースの輸入キャンパーなども導入されるようになり、それを参考にして、徐々に今のスタイルの車両が姿を見せるようになる。
その大半は、ユーザーが自作したハンドメイドキャンピングカーだった。
70年代に入ると、国産キャンピングカーは、ハンドメイドキャンピングカーの百花繚乱期を迎える。
ワンボックスカーの室内を架装したものから始まり、今のピックアップキャビンの原型ともいえるトラックの荷台にシェルを積載したものまで、様々なスタイルが追及されていった。
それと並行して、アメリカのバニングに影響を受けたカスタムカーのブームがスタートする。
日本のキャンピングカーは、このハンドメイドとバニングの二つの流れにけん引される形で、次第に現在のスタイルを生み出すようになっていく。
そこには、いろいろな人々のドラマがあった。
本書は、 「キャンピングカーの歴史」 と称しながら、人物列伝のおもむきを呈しているようにも思える。
すでに現役を引退された方々から取材するときは、古い写真や資料を見ていただきながら、時間をかけて、少しずつ思い出してもらうような形を取ることも多かった。
しかし、その方の記憶がゆっくりと形を整え、ご本人も忘れていたような過去が蘇えってきたとき、そこには思いがけない感動的な青春ドラマが再現され、しばしば陶然と聞きほれたことも一度や二度ではなかった。
惜しむらくは、この資料を制作中に、 「日本のオートキャンプの父」 ともいわれる日本オート・キャンプ協会の岡本昌光初代専務理事が亡くなられたことだ。
岡本氏は、日本にキャンプ文化を根づかせた最大の功労者だが、また数々のイベントを通じて日本にキャンピングカーを紹介した功績においても、並ぶ者のいない偉業を成し遂げた人である。
岡本氏は、この小冊子の完成を待たずにして亡くなられたが、原稿チェックの段階ではさんざん目を通してもらい、電話を通じて、ほぼ毎日こと細かなアドバイスをいただいた。
氏は、本当にこの資料ができあがるのを楽しみにされていた。
旧友と連絡をとるときも、ことあるごとに、この小冊子が現在制作進行中であることを話題にし、その感想を述べ、できばえを誉めたたえてくれたというから、完成本を直にお渡しできなかったことが本当に残念でならない。
逝去されたのは、昨年の10月11日。享年78歳であった。
また、現在キャンピングカービルダーとして名声を誇る会社の創業者たちの中においても、アム・クラフトの水鳥元社長、セキソーボディの中山元社長らのように、若くして永眠された方々がいる。
本資料は、その方々にも見ていただきたかった本である。
ともあれ、不完全な形かもしれないが、日本のキャンピングカーの流れをたどる原資料のようなものはできあがった。
今後は、取材に漏れた方々の証言もさらに取り入れ、また、これを読まれた未知の読者からの正確な情報もつけ加え、より精度の高い資料集として再構築していくことも念頭に置いている。
関連記事 「キャンカーの歴史」
関連記事 「日刊自でも紹介」
関連記事 「エスカルゴ号の話」
関連記事 「エスカルゴ号2」
関連記事 「日本のRVの歴史」
関連記事 「バニングとは何か」
2010年01月27日
リコルソSS
2月の幕張ショーに出展予定の新車、アネックスさんの 「リコルソSS」 をご紹介。

「リコルソSS」 は、今注目の日産NV200をベースにしたライトキャンパー。
本格的なキャンピング装備を組み込んだものというよりも、日帰りドライブだけでも十分に楽しめる “手軽な旅行車” という位置づけの車両である。
だから、 「キャンピングカー」 という仰々しい呼び方をせずに、アネックスでは 「ミニマムRV」 と呼ぶ。
今回、送っていただいた資料は、なんと社内で討議された 「コンセプトメイク」 のメモ。
本来なら、それを翻訳する形でこちらが記事化するのだけれど、今回は、ビルダー内部でどのように新車開発の議論が進められるのか、その様子が伝わってくるものなので、原案に近い状態のものを掲載させてもらうことにした。

《 トレンド分析 》
【現状】
・ 大型車から小型車への流れが世界的に見られる。
・ ハイブリット車の販売が好調。
・ PLAZA 大阪において、小型車の引き合いが多くなっている。
・ 二酸化炭素削減のニュースが頻繁に流れる。
【今後の読み】
小型のキャンピングカー。しかも低燃費。
《 キーワード設定 》
【スマート】
大きなエンジン、大きな車体、いかにも燃費の悪そうな車は賢い選択といえないのではないかと疑問を感じ、低燃費車がこれからのスマートな車だとお考えの方にアピール。
【スモール】
バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい。
【ちゃんと】
チープな作りは好まない。
センス良く、しっかりした品質のもの。

【エコ】
地球に対してローインパクトな車。
《 コンセプトのABC 》
【A、顧客】
・ 50代以上のご夫婦。
・ 旅行は好きだけれど、キャンピングカーを買うほど入れ込んではいない。
・ 自宅の駐車スペースはごく普通の乗用車でちょうどの大きさ。
・ ミニバンと同程度の予算。
・ 軽四では満足しきれない。
【B、提供する便益】
お二人で使うにはちょうど良い大きさ。普段の足にも十分抵抗感なく使える。
【C、確たる理由】
・ 全長4400mm×全高1800mm程度。
・ 車両本体価格 270万円未満 (税込み)
・ エンジンは1600cc、コンパクトカーと同じレベル。
・ 乗車姿勢も自然。 (ハイエースは座席位置が高すぎる)

《 ストーリー 》
【起】 異常気象などが頻発し、二酸化炭素による地球温暖化の影響が心配されています。
【承】 そして、二酸化炭素の排出量の中でも大きな比率を占めるのが自動車です。
【転】 私たちキャンピングカーに関わるものとして、何かできることはあるのでしょうか?
【結】 ANNEXが、21世紀の地球を考えて提案するミニマムRV……RICORSO-SS。

……なるほど。スタッフ会議などでは、新車のイメージをこういうふうに練り上げていくのだな…と分かる。
基本的には、雑誌などを制作する編集会議と変わらない。
まず、時代の流れを分析。
次に近未来社会 (のマーケット) を予想。
そして、キーワードを固め、ターゲットユーザー (雑誌なら読者層) を定める。
商品開発というのは、みなそのように進んでいくのだけど、この 「リコルソSS」 の場合は、比較的、開発陣の “思想的練り上げ” の部分に比重がかけられていると感じた。
つまり、商品にまつわる “物語” をつくろうとしていることが伝わってくる。
それが、たとえば、 「キーワード設定」 に表れた次のようなフレーズ。
「バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい」
ここで行われようとしているのは、ハイグレードなライフスタイルを盲目的に極めようとする上昇志向からの 《決別》 である。
高度成長からバブルの時代にかけて、 「豊かな生活」 とは、常に 「まだ実現されていないもの」 だった。
だからこそ、それが人々の勤労意欲をドライブするエネルギーとなり、日本の経済発展の駆動力となった。
しかし、 「今はそのような時代なのか?」 という問いかけが、この 「キーワード設定」 には含まれている。
すでに、先進国では、モノがあり余っていたのではないか?
にもかかわらず、先進国の大企業は、消費者に一種の “精神的飢餓” のようなものを与え、 「足りていても満たされない」 という擬似的な欲望のループに消費者をハマらせていたのではないか?
そして、そのような近代社会の資本主義的な前進運動が、逆に人と自然を疲弊させ、「本当の豊かさ」 を見失わせていたのではないか?
そういう眼差しが、このアネックスさんの新車開発メモからは感じられる。

「身の丈にあった暮らしを楽しみたい」 というこのキャンピングカーの思想は、ことなかれ主義とか、縮み志向などといった発想とはまったく無縁である。
逆に、 「今の生活の中から、新しい豊かさを探そうよ」 という、発想の転換を示唆するインパクトが秘められている。
キャンピングカーが新しいライフスタイルを創るという信念がなければ、こういう発想は生まれない。
幕張ショーでは、まずアネックスさんに座布団一枚!

「リコルソSS」 は、今注目の日産NV200をベースにしたライトキャンパー。
本格的なキャンピング装備を組み込んだものというよりも、日帰りドライブだけでも十分に楽しめる “手軽な旅行車” という位置づけの車両である。
だから、 「キャンピングカー」 という仰々しい呼び方をせずに、アネックスでは 「ミニマムRV」 と呼ぶ。
今回、送っていただいた資料は、なんと社内で討議された 「コンセプトメイク」 のメモ。
本来なら、それを翻訳する形でこちらが記事化するのだけれど、今回は、ビルダー内部でどのように新車開発の議論が進められるのか、その様子が伝わってくるものなので、原案に近い状態のものを掲載させてもらうことにした。

《 トレンド分析 》
【現状】
・ 大型車から小型車への流れが世界的に見られる。
・ ハイブリット車の販売が好調。
・ PLAZA 大阪において、小型車の引き合いが多くなっている。
・ 二酸化炭素削減のニュースが頻繁に流れる。
【今後の読み】
小型のキャンピングカー。しかも低燃費。
《 キーワード設定 》
【スマート】
大きなエンジン、大きな車体、いかにも燃費の悪そうな車は賢い選択といえないのではないかと疑問を感じ、低燃費車がこれからのスマートな車だとお考えの方にアピール。
【スモール】
バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい。
【ちゃんと】
チープな作りは好まない。
センス良く、しっかりした品質のもの。
【エコ】
地球に対してローインパクトな車。
《 コンセプトのABC 》
【A、顧客】
・ 50代以上のご夫婦。
・ 旅行は好きだけれど、キャンピングカーを買うほど入れ込んではいない。
・ 自宅の駐車スペースはごく普通の乗用車でちょうどの大きさ。
・ ミニバンと同程度の予算。
・ 軽四では満足しきれない。
【B、提供する便益】
お二人で使うにはちょうど良い大きさ。普段の足にも十分抵抗感なく使える。
【C、確たる理由】
・ 全長4400mm×全高1800mm程度。
・ 車両本体価格 270万円未満 (税込み)
・ エンジンは1600cc、コンパクトカーと同じレベル。
・ 乗車姿勢も自然。 (ハイエースは座席位置が高すぎる)
《 ストーリー 》
【起】 異常気象などが頻発し、二酸化炭素による地球温暖化の影響が心配されています。
【承】 そして、二酸化炭素の排出量の中でも大きな比率を占めるのが自動車です。
【転】 私たちキャンピングカーに関わるものとして、何かできることはあるのでしょうか?
【結】 ANNEXが、21世紀の地球を考えて提案するミニマムRV……RICORSO-SS。
……なるほど。スタッフ会議などでは、新車のイメージをこういうふうに練り上げていくのだな…と分かる。
基本的には、雑誌などを制作する編集会議と変わらない。
まず、時代の流れを分析。
次に近未来社会 (のマーケット) を予想。
そして、キーワードを固め、ターゲットユーザー (雑誌なら読者層) を定める。
商品開発というのは、みなそのように進んでいくのだけど、この 「リコルソSS」 の場合は、比較的、開発陣の “思想的練り上げ” の部分に比重がかけられていると感じた。
つまり、商品にまつわる “物語” をつくろうとしていることが伝わってくる。
それが、たとえば、 「キーワード設定」 に表れた次のようなフレーズ。
「バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい」
ここで行われようとしているのは、ハイグレードなライフスタイルを盲目的に極めようとする上昇志向からの 《決別》 である。
高度成長からバブルの時代にかけて、 「豊かな生活」 とは、常に 「まだ実現されていないもの」 だった。
だからこそ、それが人々の勤労意欲をドライブするエネルギーとなり、日本の経済発展の駆動力となった。
しかし、 「今はそのような時代なのか?」 という問いかけが、この 「キーワード設定」 には含まれている。
すでに、先進国では、モノがあり余っていたのではないか?
にもかかわらず、先進国の大企業は、消費者に一種の “精神的飢餓” のようなものを与え、 「足りていても満たされない」 という擬似的な欲望のループに消費者をハマらせていたのではないか?
そして、そのような近代社会の資本主義的な前進運動が、逆に人と自然を疲弊させ、「本当の豊かさ」 を見失わせていたのではないか?
そういう眼差しが、このアネックスさんの新車開発メモからは感じられる。
「身の丈にあった暮らしを楽しみたい」 というこのキャンピングカーの思想は、ことなかれ主義とか、縮み志向などといった発想とはまったく無縁である。
逆に、 「今の生活の中から、新しい豊かさを探そうよ」 という、発想の転換を示唆するインパクトが秘められている。
キャンピングカーが新しいライフスタイルを創るという信念がなければ、こういう発想は生まれない。
幕張ショーでは、まずアネックスさんに座布団一枚!
2010年01月26日
不況に強いRV
(社) 日本オート・キャンプ協会さんが発行される月刊紙 『オートキャンプ』 には、RVランドの阿部和麿さんが執筆される 「Campingcar Critique」 という連載エッセイが掲載されている。

今日それが送られてきたので読んでみたら、なかなか面白いことが書かれていた。
その一部を要約してちょっとご紹介してみたい。
『キャンピングカー・クリティーク第38回』
「キャンピングカーは不況に強いか?」 by 阿部和麿

「100年に1度」 といわれるほどの構造的不況が続く中、米国ビックスリーが凋落したり、トヨタ自動車が赤字経営を計上するなど、キャンピングカーと関連が深い自動車産業が、みな荒波にもまれたごとく苦しい航海を続けている様子が伝わってきた。
「自動車が売れない」 という嘆きを耳にしない日がないほど乗用車の営業不振の続く時代に、キャンピングカーとて例外ではないと思われる方は多いはずだ。
もちろんこの業界も苦しいことには変わりない。
ただあくまでも “感触” に過ぎないのだが、どうも乗用車を求めるお客様と、キャンピングカーを求めるお客様では 「客層」 が違うのではないかと思うときがある。
ご来店いただくお客様からは、不思議なことに、 「不況」 や 「デフレ」 に絡むような会話というのがほとんど出ない。
それよりも、 「この閉塞的で、うるおいのない時代に、せめてキャンピングカーで元気を取り戻そう」 という期待のようなものを、お客様のお話から感じることが多い。
考えてみれば、バブルが崩壊してすでに20年。
この間、いっとき景気が回復したように見えた時期もあったが、総じて、もう高度成長時代のような右肩上がりの上昇カーブを描いて経済が繁栄することのない時代を日本人はずっと生きてきた。
きっと、この間に人々の考え方が変わったのだ。
長引く不況を立て直そうと、政治面や経済面での試行錯誤がドタバタと繰り返されているうちに、誰もが気づいたのだ。
「立て直す前の暮らし方というのが、ひょっとしたら無理な暮らし方だったのではないか?」 と。
バブルの時代には、本来、商品の品質を表現するはずだった 「ブランド」 が、いつの間にか、所有者の見栄や虚栄を満足させるための 「記号」 として機能し、持っている人が、持っていない人に見せびらかすだけで、 「金持ち」 と 「ビンボー人」 の差がつくような風潮が生まれた。
そして、その風潮は不況の時代に入ってからも 「勝ち組」 「負け組」 と形を変えて、ますます猖獗を極めた。
そのことに、誰もが嫌気を感じてきたのがいまの時代なのだ。
いま人々が求めている生活は、人に見せびらかすために背伸びする生活ではなく、自分や自分の家族の満足が得られる生活である。
不況の20年を経験して、人々は、ようやく背伸びをしないことの心地よさに気づいたのだ。
そのことは、近年 「売れなくなったモノ」 を見てみれば分かりやすい。
たとえば、乗用車でいえば、かつては若者の憧れのマトであったスポーツカーのようなクルマに人気が集まらないという。
それは、そのクルマのスポーツカーの部分の人気が衰えたからではない。 「カッコいいだろ!」 と所有者に背伸びさせた部分の人気が落ちているのである。
キャンピングカーは、 「贅沢なお金持ちのクルマ」 のように思われることが多いが、実際に購入される方々で、そんな意識を持っている人たちはほとんどいない。
むしろ安い経費で、家族と満足を共有できる道具。人に見せびらかすクルマの対極の位置にあるものという認識を持っている。
だから、ステータスとして成功してきたような乗用車がそっぽを向かれるような時代になっても、ステータスで勝負してきたわけではないキャンピングカーは、比較的、人々の目線に 「好意の情」 がこもるように見えるときがある。
JAC(日本オート・キャンプ協会)発行 『Auto Camp』 第167号より
「キャンピングカー・クリティーク 第38回」
今日それが送られてきたので読んでみたら、なかなか面白いことが書かれていた。
その一部を要約してちょっとご紹介してみたい。
『キャンピングカー・クリティーク第38回』
「キャンピングカーは不況に強いか?」 by 阿部和麿
「100年に1度」 といわれるほどの構造的不況が続く中、米国ビックスリーが凋落したり、トヨタ自動車が赤字経営を計上するなど、キャンピングカーと関連が深い自動車産業が、みな荒波にもまれたごとく苦しい航海を続けている様子が伝わってきた。
「自動車が売れない」 という嘆きを耳にしない日がないほど乗用車の営業不振の続く時代に、キャンピングカーとて例外ではないと思われる方は多いはずだ。
もちろんこの業界も苦しいことには変わりない。
ただあくまでも “感触” に過ぎないのだが、どうも乗用車を求めるお客様と、キャンピングカーを求めるお客様では 「客層」 が違うのではないかと思うときがある。
ご来店いただくお客様からは、不思議なことに、 「不況」 や 「デフレ」 に絡むような会話というのがほとんど出ない。
それよりも、 「この閉塞的で、うるおいのない時代に、せめてキャンピングカーで元気を取り戻そう」 という期待のようなものを、お客様のお話から感じることが多い。
考えてみれば、バブルが崩壊してすでに20年。
この間、いっとき景気が回復したように見えた時期もあったが、総じて、もう高度成長時代のような右肩上がりの上昇カーブを描いて経済が繁栄することのない時代を日本人はずっと生きてきた。
きっと、この間に人々の考え方が変わったのだ。
長引く不況を立て直そうと、政治面や経済面での試行錯誤がドタバタと繰り返されているうちに、誰もが気づいたのだ。
「立て直す前の暮らし方というのが、ひょっとしたら無理な暮らし方だったのではないか?」 と。
バブルの時代には、本来、商品の品質を表現するはずだった 「ブランド」 が、いつの間にか、所有者の見栄や虚栄を満足させるための 「記号」 として機能し、持っている人が、持っていない人に見せびらかすだけで、 「金持ち」 と 「ビンボー人」 の差がつくような風潮が生まれた。
そして、その風潮は不況の時代に入ってからも 「勝ち組」 「負け組」 と形を変えて、ますます猖獗を極めた。
そのことに、誰もが嫌気を感じてきたのがいまの時代なのだ。
いま人々が求めている生活は、人に見せびらかすために背伸びする生活ではなく、自分や自分の家族の満足が得られる生活である。
不況の20年を経験して、人々は、ようやく背伸びをしないことの心地よさに気づいたのだ。
そのことは、近年 「売れなくなったモノ」 を見てみれば分かりやすい。
たとえば、乗用車でいえば、かつては若者の憧れのマトであったスポーツカーのようなクルマに人気が集まらないという。
それは、そのクルマのスポーツカーの部分の人気が衰えたからではない。 「カッコいいだろ!」 と所有者に背伸びさせた部分の人気が落ちているのである。
キャンピングカーは、 「贅沢なお金持ちのクルマ」 のように思われることが多いが、実際に購入される方々で、そんな意識を持っている人たちはほとんどいない。
むしろ安い経費で、家族と満足を共有できる道具。人に見せびらかすクルマの対極の位置にあるものという認識を持っている。
だから、ステータスとして成功してきたような乗用車がそっぽを向かれるような時代になっても、ステータスで勝負してきたわけではないキャンピングカーは、比較的、人々の目線に 「好意の情」 がこもるように見えるときがある。
JAC(日本オート・キャンプ協会)発行 『Auto Camp』 第167号より
「キャンピングカー・クリティーク 第38回」
2010年01月24日
マックレー新型車
東京の幕張で開かれる 「キャンピング&RVショー」 が近づくにつれ、キャンピングカーメーカーの新車情報がいろいろともたらされてきた。
すでに、いくつかの最新情報を入手しているので、逐次公開していきたい。
今回は、マックレーさんが展示する新型フルコン (クラスА) のイラストをご紹介。
Wow カッコいい!
全長は約7m。
ベース車は公表されていないが、エンジン出力、走行安定性、架装性のどれをとっても、間違いなく一級品とのこと。
漏れ聞くところによると、エンジンは3リッター、150馬力のディーゼルターボとの情報も。
ただ、幕張ショーに間に合うのは、外形のみなのだそうだ。
もちろん塗装、カラーリングは完了する予定なので、 「国産最強フルコン」 といわれるこの新型車の偉容をたっぷり眺めることはできる。

まずサイドビュー。
風の流れを考えたルーフ曲面のラインが素晴らしい。
図にはデュアルルーフエアコンが設定されているが、実際に要望があれば、デュアルエアコンの装着も可能らしい。
これは、室内が相当広くなるので、夏場は、エアコン1台では冷房効果が十分には得られないだろうという判断から来るものだろう。
ちなみに、このデュアルエアコン駆動を想定したサイン波5.5kWの専用発電機も開発中だという。
バンクの張り出しを持たないクラスАとはいえ、運転席の頭上にはたっぷりと容積が取られているのが特徴。
当初はプルダウンベッドの設定が考えられていたらしいが、運転席上にある程度のヘッドクリアランスが取れているため、バンクベッドの設定も考慮されているという。

「クラスАは顔が命!」
フロント部分も大迫力。
いかにも、クラスАらしい風格がにじみ出ている。
この図から、ベース車を推測できた人はいるかな?
リヤ部。
テールランプ回りの意匠が斬新。
リヤパネルの処理がどんな形になっていくのか楽しみだ。

室内がどのようなレイアウトになるのか分からないのだが、開発者に教えていただいたのは、
「軽くて重厚な雰囲気が醸し出せる、付板仕様の最上級家具を使用する」
というところまで。
どうやら、サンプルとしてのレイアウトは組むけれど、基本的にはレイアウトフリーという形で、顧客の希望を取り入れたスタイルを実現していく意向のようだ。
特筆すべきことは、4輪ともスマイルファクトリーがこのクルマ専用に開発したハイスペックバージョンの 「キャンサス」 を装着するというもの。
4輪独立制御となり、減衰力は8段階調整。ストローク調整も可能というマニアックなものだという。
とっても期待できる1台。
もう少し詳しい情報が入り次第、逐一ご紹介します。
すでに、いくつかの最新情報を入手しているので、逐次公開していきたい。
今回は、マックレーさんが展示する新型フルコン (クラスА) のイラストをご紹介。
Wow カッコいい!
全長は約7m。
ベース車は公表されていないが、エンジン出力、走行安定性、架装性のどれをとっても、間違いなく一級品とのこと。
漏れ聞くところによると、エンジンは3リッター、150馬力のディーゼルターボとの情報も。
ただ、幕張ショーに間に合うのは、外形のみなのだそうだ。
もちろん塗装、カラーリングは完了する予定なので、 「国産最強フルコン」 といわれるこの新型車の偉容をたっぷり眺めることはできる。

まずサイドビュー。
風の流れを考えたルーフ曲面のラインが素晴らしい。
図にはデュアルルーフエアコンが設定されているが、実際に要望があれば、デュアルエアコンの装着も可能らしい。
これは、室内が相当広くなるので、夏場は、エアコン1台では冷房効果が十分には得られないだろうという判断から来るものだろう。
ちなみに、このデュアルエアコン駆動を想定したサイン波5.5kWの専用発電機も開発中だという。
バンクの張り出しを持たないクラスАとはいえ、運転席の頭上にはたっぷりと容積が取られているのが特徴。
当初はプルダウンベッドの設定が考えられていたらしいが、運転席上にある程度のヘッドクリアランスが取れているため、バンクベッドの設定も考慮されているという。

「クラスАは顔が命!」
フロント部分も大迫力。
いかにも、クラスАらしい風格がにじみ出ている。
この図から、ベース車を推測できた人はいるかな?
リヤ部。
テールランプ回りの意匠が斬新。
リヤパネルの処理がどんな形になっていくのか楽しみだ。

室内がどのようなレイアウトになるのか分からないのだが、開発者に教えていただいたのは、
「軽くて重厚な雰囲気が醸し出せる、付板仕様の最上級家具を使用する」
というところまで。
どうやら、サンプルとしてのレイアウトは組むけれど、基本的にはレイアウトフリーという形で、顧客の希望を取り入れたスタイルを実現していく意向のようだ。
特筆すべきことは、4輪ともスマイルファクトリーがこのクルマ専用に開発したハイスペックバージョンの 「キャンサス」 を装着するというもの。
4輪独立制御となり、減衰力は8段階調整。ストローク調整も可能というマニアックなものだという。
とっても期待できる1台。
もう少し詳しい情報が入り次第、逐一ご紹介します。
2010年01月21日
RVの広報とは
昨日、あるキャンピングカーメーカーの広告デザインと広報を担当をされている方と、昼食をともにする機会があった。
話題が、キャンピングカー業界の広報のあり方というテーマになった。
仕事でヨーロッパを訪れる機会の多い方なので、向こうでは、キャンピングカーがいかに人々の生活と密着しているかという話を教えていただくことができた。
休暇制度の問題、都市開発の問題、教育の問題。
切り口は多様な方向に広がったが、話の中で見えてきたのは、日本にはまだキャンピングカーを 「文化」 として捉える視点が確立されていないということだった。
キャンピングカーが 「文化」 として根づくということは、キャンピングカーが人間の暮らし方に与える影響とか、社会の中で果たす役割などといったものが、ことさら宣伝したり、啓蒙したりしなくても、自然に浸透している状態を指す。
つまり、メーカーやメディアが、 「キャンピングカーっていいよぉ!」 と強調しなくても、 「そんなこと分かってらぁ」 と、みんなが思っている社会が自然にできあがっていることを意味する。
歴史の違い、といってしまえば、それまでかもしれない。
欧米では、キャンピングカーの歴史が乗用車の歴史とほぼ同時にスタートしたのに比べ、日本のキャンピングカーの歴史は、その半分程度でしかない。
人々の生活を潤す道具というのは、時間が経過すればするほど社会の中にも浸透し、その意義やら効能が、 「文化」 として人々の暮らしの中に定着する。
そういう社会では、ことさら “キャンピングカーの意義” などを強調しなくても、各部品の機能部分の優劣だけを論じるようなクールなジャーナリズムが成立する余地がある。
しかし、日本のキャンピングカーは、まだ 「文化」 として成熟していないから、今は 「みんなみんな! こっち見てぇ!」 というホットな 「広報」 が必要なんだ…という方向に話が進んだ。
ただ、キャンピングカー業界やメディアが、キャンピングカーの意義や効能を宣伝していれば、それだけで普及していくのか? というと、それだけでは足りない…というふうに、話の方向が新しい角度に向けて舵を切った。
やはり、それはインフラ整備や都市計画などとも無関係ではない。
キャンピングカーに乗っている人たちが、 「これはいい道具だよ」 と納得しても、その “いい道具” を活用し切れるほど、今の日本のインフラ整備が進んでいるかというと、とてもじゃないが、満足できるレベルに達していない。
「ヨーロッパはそこが違う」 と、その人は言う。
ひとつは、都市型キャンプ場の整備という発想が日本にはない。
パリ郊外には、地方からキャンピングカーでロングバケーションを楽しむために集まってくるキャンプ場などがしっかり整備されていて、キャンプ場の前にある駅から地下鉄に乗れば、2駅か3駅ほどでオペラ座に着く。
ドイツなどでは、古城めぐりを楽しむ地方からのキャンピングカーユーザーを想定して、無料で、長時間クルマを止めておける広い駐車場が確保されている。
もちろん、キャンピングカーユーザーの便宜を図るインフラが整備されるかどうかは、キャンピングカーの普及度がモノをいう。絶対数が少なければ、一部の利用者がどのように声を張り上げても、それは 「ニーズ」 として認められない。
しかし、欧米では、行政が率先してキャンピングカーユーザーの便宜を先取りするような形で、インフラ整備を進めてきたことも事実なのだ。
それは、 「観光産業の育成」 という、しっかりした国家的目標が確立されていたからだ。
だから、日本のキャンピングカー業界の広報のあり方として、これからは、ユーザー層にターゲットを当てるだけではなく、行政にも認めてもらえるような、一段進化したものでなければならない、という話になった。
つまり、今後は、新しい都市開発の基本計画に、キャンピングカーユーザーのニーズを取り込んでもらえるような資料やらデータを揃えて、行政にしっかり提出できるかどうか。
そして、そのようなインフラを実現することが、地域の観光産業や地場産業を活性化させることにつながることを、どう実証できるか。
そのようなことを行政に理解してもらえるだけの実態調査と理論構築が必要。
キャンピングカー業界も、そろそろそういう研究やデータ取りを始めなければならない時期に差し掛かっている。
昼食の後のコーヒータイムでは、そんな話になった。
雑談になったとき、ヨーロッパの町造りの話になり、やはり、ここでも塩野七生さんの著書に話が飛んだ。
ちょっと驚いた。
実は、昨年の暮れ、やはりあるキャンピングカー販売店の社長さんと話していて、塩野七生さんの話になったことがあったからだ。
つまり、ヨーロッパの都市開発や交通社会のモデルプランというのは、 「古代ローマからの贈り物」 だと年末にお会いした社長さんは語られたのである。

もちろん、それは塩野七生さんの 『ローマ人の物語』 (全15冊) を読まれた感想からきたものであった。
古代ローマが、地中海をぐるりと囲む大帝国を建設したときに、まず一番最初に手をつけたのはインフラ整備だった。
それが道路であり、公共の建築物だった。
彼らが征服地の異民族に教えたものは、 「都市計画」 だったのだ。
古代ローマ帝国が各民族に伝えた理念は、宗教でもなく、政治哲学でもなく、町と道路の造り方であったということは、要するに、彼らの統合理念には、物質的な裏付けがあったということである。
ヨーロッパ人たちが、自分たちの文化に自信を持っているのは、キリスト教の絶対性とか、近代合理主義の普遍性に対する信仰があるからだけではない。
「自分たちの暮らし方こそ、万人の幸せにつながる」
という現実的な手応えを、都市計画の成功から信じられたからである。
それこそ、ローマ帝国の遺産である。
……というような話を、昨年の暮れ、あるキャンピングカー販売店の社長さんと交わしたことがあった。
昨日、昼食をともにした方も、似たような視点で、ヨーロッパの都市計画と交通事情を語られた。
聞くと、その方も塩野七生の大ファンであると言う。
キャンピングカー業界で 「塩野七生を好きだ」 という方に、この短い期間の中で、2人もお会いしたことになる。
話題が、キャンピングカー業界の広報のあり方というテーマになった。
仕事でヨーロッパを訪れる機会の多い方なので、向こうでは、キャンピングカーがいかに人々の生活と密着しているかという話を教えていただくことができた。
休暇制度の問題、都市開発の問題、教育の問題。
切り口は多様な方向に広がったが、話の中で見えてきたのは、日本にはまだキャンピングカーを 「文化」 として捉える視点が確立されていないということだった。
キャンピングカーが 「文化」 として根づくということは、キャンピングカーが人間の暮らし方に与える影響とか、社会の中で果たす役割などといったものが、ことさら宣伝したり、啓蒙したりしなくても、自然に浸透している状態を指す。
つまり、メーカーやメディアが、 「キャンピングカーっていいよぉ!」 と強調しなくても、 「そんなこと分かってらぁ」 と、みんなが思っている社会が自然にできあがっていることを意味する。
歴史の違い、といってしまえば、それまでかもしれない。
欧米では、キャンピングカーの歴史が乗用車の歴史とほぼ同時にスタートしたのに比べ、日本のキャンピングカーの歴史は、その半分程度でしかない。
人々の生活を潤す道具というのは、時間が経過すればするほど社会の中にも浸透し、その意義やら効能が、 「文化」 として人々の暮らしの中に定着する。
そういう社会では、ことさら “キャンピングカーの意義” などを強調しなくても、各部品の機能部分の優劣だけを論じるようなクールなジャーナリズムが成立する余地がある。
しかし、日本のキャンピングカーは、まだ 「文化」 として成熟していないから、今は 「みんなみんな! こっち見てぇ!」 というホットな 「広報」 が必要なんだ…という方向に話が進んだ。
ただ、キャンピングカー業界やメディアが、キャンピングカーの意義や効能を宣伝していれば、それだけで普及していくのか? というと、それだけでは足りない…というふうに、話の方向が新しい角度に向けて舵を切った。
やはり、それはインフラ整備や都市計画などとも無関係ではない。
キャンピングカーに乗っている人たちが、 「これはいい道具だよ」 と納得しても、その “いい道具” を活用し切れるほど、今の日本のインフラ整備が進んでいるかというと、とてもじゃないが、満足できるレベルに達していない。
「ヨーロッパはそこが違う」 と、その人は言う。
ひとつは、都市型キャンプ場の整備という発想が日本にはない。
パリ郊外には、地方からキャンピングカーでロングバケーションを楽しむために集まってくるキャンプ場などがしっかり整備されていて、キャンプ場の前にある駅から地下鉄に乗れば、2駅か3駅ほどでオペラ座に着く。
ドイツなどでは、古城めぐりを楽しむ地方からのキャンピングカーユーザーを想定して、無料で、長時間クルマを止めておける広い駐車場が確保されている。
もちろん、キャンピングカーユーザーの便宜を図るインフラが整備されるかどうかは、キャンピングカーの普及度がモノをいう。絶対数が少なければ、一部の利用者がどのように声を張り上げても、それは 「ニーズ」 として認められない。
しかし、欧米では、行政が率先してキャンピングカーユーザーの便宜を先取りするような形で、インフラ整備を進めてきたことも事実なのだ。
それは、 「観光産業の育成」 という、しっかりした国家的目標が確立されていたからだ。
だから、日本のキャンピングカー業界の広報のあり方として、これからは、ユーザー層にターゲットを当てるだけではなく、行政にも認めてもらえるような、一段進化したものでなければならない、という話になった。
つまり、今後は、新しい都市開発の基本計画に、キャンピングカーユーザーのニーズを取り込んでもらえるような資料やらデータを揃えて、行政にしっかり提出できるかどうか。
そして、そのようなインフラを実現することが、地域の観光産業や地場産業を活性化させることにつながることを、どう実証できるか。
そのようなことを行政に理解してもらえるだけの実態調査と理論構築が必要。
キャンピングカー業界も、そろそろそういう研究やデータ取りを始めなければならない時期に差し掛かっている。
昼食の後のコーヒータイムでは、そんな話になった。
雑談になったとき、ヨーロッパの町造りの話になり、やはり、ここでも塩野七生さんの著書に話が飛んだ。
ちょっと驚いた。
実は、昨年の暮れ、やはりあるキャンピングカー販売店の社長さんと話していて、塩野七生さんの話になったことがあったからだ。
つまり、ヨーロッパの都市開発や交通社会のモデルプランというのは、 「古代ローマからの贈り物」 だと年末にお会いした社長さんは語られたのである。
もちろん、それは塩野七生さんの 『ローマ人の物語』 (全15冊) を読まれた感想からきたものであった。
古代ローマが、地中海をぐるりと囲む大帝国を建設したときに、まず一番最初に手をつけたのはインフラ整備だった。
それが道路であり、公共の建築物だった。
彼らが征服地の異民族に教えたものは、 「都市計画」 だったのだ。
古代ローマ帝国が各民族に伝えた理念は、宗教でもなく、政治哲学でもなく、町と道路の造り方であったということは、要するに、彼らの統合理念には、物質的な裏付けがあったということである。
ヨーロッパ人たちが、自分たちの文化に自信を持っているのは、キリスト教の絶対性とか、近代合理主義の普遍性に対する信仰があるからだけではない。
「自分たちの暮らし方こそ、万人の幸せにつながる」
という現実的な手応えを、都市計画の成功から信じられたからである。
それこそ、ローマ帝国の遺産である。
……というような話を、昨年の暮れ、あるキャンピングカー販売店の社長さんと交わしたことがあった。
昨日、昼食をともにした方も、似たような視点で、ヨーロッパの都市計画と交通事情を語られた。
聞くと、その方も塩野七生の大ファンであると言う。
キャンピングカー業界で 「塩野七生を好きだ」 という方に、この短い期間の中で、2人もお会いしたことになる。
2009年12月28日
バニングとは何か
「キャンピングカーの歴史」 を詳しく述べる資料というものがわが国には少ないのだが、もっと少ないのは 「バニングの歴史」 を語る資料だ。
キャンピングカーは、今や日本でも一大産業として成長を遂げつつあるが、バニングの方は専門業者の数も少なくなり、どちらかというと、 “過去の遺物” のように見られがちである。
しかし、日本のキャンピングカーがここまで成長してこれたのは、バニングのおかげといえなくもないのだ。
なぜなら、国産キャンピングカーは、途中までバニングと同じ進化の系をたどってきたのであり、現在の国産ビルダーの中には、バニングメーカーとしてスタートを切った業者も少なくない。
初期のバニングを愛した人たちとは、いったいどのような人たちだったのか。
また、キャンピングカーに比べ、バニングはなぜ途中で成長を止めてしまったのか。
そのようなバニングの生きた歴史を語れる貴重な人間の一人に、井上章英 (いのうえ・あきひで) さんがいる。

▲ 井上章英さん
知る人ぞ知る 『キャンプカーマガジン』 の編集長さんである。

▲ 「キャンプカーマガジン」 最新号
井上さんは、実は現在のお仕事に就かれる前に、あの有名なバニング雑誌である 『カスタムCAR』 の編集長を勤めていた時期がある。
この夏のことであったが、バニングに関して、井上さんから当時の貴重な思い出話を聞く機会があった。
ここで、その一部をご紹介する。
《 「カスタムCAR」 の創刊と発展 》
【町田】 井上さんが 『カスタムCAR』 を手掛けられていた時期は、いつ頃だったのですか?
【井上】 『カスタムCAR』 の編集部に入ったのは1988年でしたね。36歳でした。それから2000年の3月まで。12年間その仕事を続けました。
雑誌自体は、1978年 (昭和53) に創刊されていました。最初は 『ピットイン』 の増刊という形で出したのですが、けっこう評判がよくて、すぐに定期刊行になりましたね。

▲ 「カスタムカー」 最新号
【町田】 カスタムカーの編集部に入られたときは、どんなお気持ちだったのですか?
【井上】 当時僕は、 『ピットイン』 のような普通の乗用車雑誌の編集を担当していたんですよ。
だから、 『カスタムCAR』 に入ったときは、ちょっとカルチャーショックでしたね。
【町田】 どういう意味で?
【井上】 普通の自動車雑誌というのは、自動車メーカーなどが発信する情報を、僕らがまとめて、それを読者に提供するわけですから、編集部と読者との距離が離れているわけです。極端な話、情報はこちらからの一方通行で、読者の顔が見えにくい状況なんですね。
ところが、 『カスタムCAR』 という雑誌が伝える情報は、ある意味、読者が発信する情報なんです。
ということは読者 = 取材対象者ということで、編集部と読者の間には双方向の情報の流れが出来ていたんですね。
つまり、バニングは原則的にワンオフ製作ですから、 “造り手 (メーカー) ” は “お客さん” そのものであり、同時にそれが雑誌の読者でもあるわけです。
【町田】 となると、誌面構成にも読者の意向がかなり反映されてくるわけですね?
【井上】 そうです。 『カスタムCAR』 というのは、いわゆる 「読者が作る雑誌」 の典型だったんですよね。読者と編集部の連絡がものすごく密な雑誌だったんですよ。
「あの企画が面白かった」 、 「次はこれを取り上げたら?」 というような読者からの感想やら提案がダイレクトに編集部に伝えられてくるんですね。
土日になると、必ずどこかでバニングクラブのイベントやツーリングがありましたから、その取材のために、前日から会場に入り、酒など飲みながら交流を持つわけです。
そこで次の号の企画が決まるとかね。
そんなふうにユーザーが熱心に支持してくれたおかげで、編集部とユーザーのつながりの強い雑誌に成長していったわけです。
その代わり、編集にタッチした12年間は、ほとんど休みがなしでしたけどね。
【町田】 でも、そういう体験は貴重ですね。読者の注目度の高い雑誌をつくれるなんて幸せですね。
【井上】 ええ。みんな雑誌の隅から隅まで、しっかり目を通してくれるわけですよ。
たとえば、イベントなどの記事で、写真で紹介しているクルマとはまったく関係ない、その背景に小さく写った別のクルマのアルミホイールのメーカーがどこなのか? そんな問い合わせまでよくもらいました。

《 バニングユーザーの実像 》
【町田】 バニングに情熱を傾けていた人たちというのは、どういう人たちだったんですか?
【井上】 基本的には求人雑誌の 『ガテン』 で求人しているような職業の人たちがメインでしたね。よく “ガテン系” なんていっていましたけれど、バブルの建設ラッシュで、金回りのよくなった若い職人さんが多かったですね。年齢的には20代の前半ぐらいでしょうか。
【町田】 ベース車でいうと、どういう車種に乗っている人が多かったんですか?
【井上】 僕がやっていた頃は、6割方ぐらいがハイエース、キャラバンといったワンボックスカーでした。
【町田】 ベース車は、持ち込み架装だったんですか?
【井上】 持ち込み架装もあったけれど、基本は中古車のバンがベース。
80年代の後半まではハイエース・スーパーロングの72系か、60系のロング。キャラバンのE23、E24もけっこう流行っていました。
しかし、その後100系のハイエースが出て、流れがガラッと100系ハイエース中心になりましたね。
僕が辞めてからは、そういうワンボックス系のバニングが4割ぐらいに減って、アメリカのトラッキンやホットロッド、ローライダーのような車種を掲載する比率が増えたように思います。
面白いもんでね、同じ 『カスタムCAR』 の読者といっても、バニングに乗っている読者はアメリカン・カスタムとかホットロッド、トラッキンなどの記事を読むけれど、アメリカン・カスタムやホットロッドに興味のある人たちは、バニングの記事をあまり読まないんですね。
アメリカン・カスタムが好きな人たちは、バニングが持つ独特な、日本的なテイストが嫌いだったんでしょうね。逆に言いえば、バニングのユーザーたちは、クルマをカスタムするということに、とても貪欲だったのではないでしょうか。

《 バニングカーの特徴 》
【町田】 国産ワンボックス系のバニングの場合、どういう架装例が多かったんですか?
【井上】 まず最初は、基本的なエアロパーツを組み込んで、ホイールを替え、車高を下げる。
次に、座席を取り外して、シャギー絨毯やチンチラの壁紙で内部を貼りめぐらし、シャンデリアとかソファベッドを組み込むわけですね。
外装では、車体にエアブラシ・ペイントを施すのが流行りました。
ペイントのテーマは、ディズニーやドラゴンボールなどのアニメ・キャラか、あとはラッセンの描くイルカが飛び跳ねているようなイラストですね。
人物だと矢沢永吉、工藤静香、中森明菜……。
【町田】 どのようなビルダーのクルマに人気がありましたか?
【井上】 関西では、やっぱり 「オートボディショップたなか」 さん。…今のアネックスさんですね。
田中さんのところは、エアブラシも含めていろいろなアイデアが豊富だったんです。FRP製のハート型の窓をリヤゲートのところに付けたりね。
【町田】 エアブラシの絵は、それぞれの架装メーカーさんが描くわけでしょ? それだけ業界には絵心のある人が多かったわけですか?
【井上】 まぁ、絵心のある人を集めたのでしょうけれど、でもやっぱりその中でもうまい人は限られてくるわけで、田中さんのところは上手でしたね。
ラッセンの、夜の海にイルカが飛び跳ねているような絵柄がアメリカで流行っていた時期に、それを一番最初に日本に持ってきたのは 「ブルーオート」 の青木さんですね。
「ビークル」 さんとか 「АtoZ」 さんなども、今ではキャンピングカーの大御所ですけれど、昔はきれいなバニングをいっぱい造っていましたね。
そのほか、秋田の 「ファーストカスタム」 さんとか、川崎の 「荒木自動車」 さん、埼玉の 「プロット」 さんも有名でした。
後半になってからは、 「ナッツ」 さんのバニングも人気を集めていましたね。
【町田】 井上さんが12年間バニングを見てこられて、最初の方と後半とでは、内装の変化があったのですか?
【井上】 内装素材でいえば、モケットは一貫して人気がありましたけれど、80年代の後半になると、チンチラとか金華山は影を潜めて、代わりに平織りのような、今のキャンピングカーでも使われている素材が出てくるようになりました。
チンチラとか金華山はデコトラの方にいったようです。
レイアウトでいうと、ニの字とかコの字ソファが圧倒的に多かったのですが、後半になると、キャンピングカーのような対面対座も出てくるようになりましたね。
床もシャギージュウタンではなくて、市松模様のクッションフロアとか…。今のキャンピングカーと変わらないようなデザインのものも見るようになりました。
《 その後のバニング 》
【町田】 バニングがいちばん盛んだったのは、いつ頃なんですか?
【井上】 1990年代初めから急激に伸び出して、93、94年ごろがピークかな。90年代終盤からだんだん下火になっていったわけです。
【町田】 下火になった理由は何ですか?
【井上】 いくつかあるんでしょうけれど、架装に高額なお金をかける人たちが出てくるようになったんですね。
最後の方になると、架装費だけで1千万とか1千5百万円などというクルマも出てくるようになったんです。
そうなると、それについてこれなくなった若者が、次第に距離を置くようになったんです。
それと、ほんの一部ですけど、暴走族系の連中がときどき幅を利かせるようになったんですね。
数からいえばほんの一握りなんですけど、やはりそういう連中は目立つわけですよ。
そのために、ただクルマが好きで、仲間とキャンプしたり、海に行くことだけを楽しんでいた若者たちが引いちゃったんですね。
だから可哀想でしたよ。
取材しているとよく分かるんですが、本来のバニング愛好者って、一見やんちゃ風に見えるけれど、みんな良い人間なんですよ。礼儀正しいし、話すと面白い。
だから、世間の一部で誤解されてしまうことは残念でしたね。
【町田】 バニングユーザー同士のクラブキャンプというのは、どういうものだったんですか?
【井上】 基本的には、みんなで集まって、 「お前のいいね」 「俺のはこういうんだよ」 というようなミニ品評会とか情報交換の場でした。
仲のよいメンバーが集まると、みんなで和気あいあいと海に行ったり、キャンプをしたりね。
そのうち結婚して、子供ができたりすると、今のキャンピングカーユーザーの例会と変わらないミーティングになったんじゃないかな。
ただ、室内で調理をするというようなことはなかったですね。それにトイレを付けているクルマも少なかったと思います。
【町田】 それにしても、バニングの初期の頃からその最盛期まで、その流れをメディアの目を通して眺めて来られた証言は貴重なものだと思います。
そういうお仕事、楽しかったでしょ?
【井上】 もちろん。編集者としても、自分でいちばん脂が乗っていた時期でしたから、 『カスタムCAR』 という雑誌は、想い出もやりがいも一番あったし、取材などで深くかかわったバニングという世界には思い入れが強いですね。
関連記事 「バニングの歴史」
キャンピングカーは、今や日本でも一大産業として成長を遂げつつあるが、バニングの方は専門業者の数も少なくなり、どちらかというと、 “過去の遺物” のように見られがちである。
しかし、日本のキャンピングカーがここまで成長してこれたのは、バニングのおかげといえなくもないのだ。
なぜなら、国産キャンピングカーは、途中までバニングと同じ進化の系をたどってきたのであり、現在の国産ビルダーの中には、バニングメーカーとしてスタートを切った業者も少なくない。
初期のバニングを愛した人たちとは、いったいどのような人たちだったのか。
また、キャンピングカーに比べ、バニングはなぜ途中で成長を止めてしまったのか。
そのようなバニングの生きた歴史を語れる貴重な人間の一人に、井上章英 (いのうえ・あきひで) さんがいる。
▲ 井上章英さん
知る人ぞ知る 『キャンプカーマガジン』 の編集長さんである。
▲ 「キャンプカーマガジン」 最新号
井上さんは、実は現在のお仕事に就かれる前に、あの有名なバニング雑誌である 『カスタムCAR』 の編集長を勤めていた時期がある。
この夏のことであったが、バニングに関して、井上さんから当時の貴重な思い出話を聞く機会があった。
ここで、その一部をご紹介する。
《 「カスタムCAR」 の創刊と発展 》
【町田】 井上さんが 『カスタムCAR』 を手掛けられていた時期は、いつ頃だったのですか?
【井上】 『カスタムCAR』 の編集部に入ったのは1988年でしたね。36歳でした。それから2000年の3月まで。12年間その仕事を続けました。
雑誌自体は、1978年 (昭和53) に創刊されていました。最初は 『ピットイン』 の増刊という形で出したのですが、けっこう評判がよくて、すぐに定期刊行になりましたね。
▲ 「カスタムカー」 最新号
【町田】 カスタムカーの編集部に入られたときは、どんなお気持ちだったのですか?
【井上】 当時僕は、 『ピットイン』 のような普通の乗用車雑誌の編集を担当していたんですよ。
だから、 『カスタムCAR』 に入ったときは、ちょっとカルチャーショックでしたね。
【町田】 どういう意味で?
【井上】 普通の自動車雑誌というのは、自動車メーカーなどが発信する情報を、僕らがまとめて、それを読者に提供するわけですから、編集部と読者との距離が離れているわけです。極端な話、情報はこちらからの一方通行で、読者の顔が見えにくい状況なんですね。
ところが、 『カスタムCAR』 という雑誌が伝える情報は、ある意味、読者が発信する情報なんです。
ということは読者 = 取材対象者ということで、編集部と読者の間には双方向の情報の流れが出来ていたんですね。
つまり、バニングは原則的にワンオフ製作ですから、 “造り手 (メーカー) ” は “お客さん” そのものであり、同時にそれが雑誌の読者でもあるわけです。
【町田】 となると、誌面構成にも読者の意向がかなり反映されてくるわけですね?
【井上】 そうです。 『カスタムCAR』 というのは、いわゆる 「読者が作る雑誌」 の典型だったんですよね。読者と編集部の連絡がものすごく密な雑誌だったんですよ。
「あの企画が面白かった」 、 「次はこれを取り上げたら?」 というような読者からの感想やら提案がダイレクトに編集部に伝えられてくるんですね。
土日になると、必ずどこかでバニングクラブのイベントやツーリングがありましたから、その取材のために、前日から会場に入り、酒など飲みながら交流を持つわけです。
そこで次の号の企画が決まるとかね。
そんなふうにユーザーが熱心に支持してくれたおかげで、編集部とユーザーのつながりの強い雑誌に成長していったわけです。
その代わり、編集にタッチした12年間は、ほとんど休みがなしでしたけどね。
【町田】 でも、そういう体験は貴重ですね。読者の注目度の高い雑誌をつくれるなんて幸せですね。
【井上】 ええ。みんな雑誌の隅から隅まで、しっかり目を通してくれるわけですよ。
たとえば、イベントなどの記事で、写真で紹介しているクルマとはまったく関係ない、その背景に小さく写った別のクルマのアルミホイールのメーカーがどこなのか? そんな問い合わせまでよくもらいました。
《 バニングユーザーの実像 》
【町田】 バニングに情熱を傾けていた人たちというのは、どういう人たちだったんですか?
【井上】 基本的には求人雑誌の 『ガテン』 で求人しているような職業の人たちがメインでしたね。よく “ガテン系” なんていっていましたけれど、バブルの建設ラッシュで、金回りのよくなった若い職人さんが多かったですね。年齢的には20代の前半ぐらいでしょうか。
【町田】 ベース車でいうと、どういう車種に乗っている人が多かったんですか?
【井上】 僕がやっていた頃は、6割方ぐらいがハイエース、キャラバンといったワンボックスカーでした。
【町田】 ベース車は、持ち込み架装だったんですか?
【井上】 持ち込み架装もあったけれど、基本は中古車のバンがベース。
80年代の後半まではハイエース・スーパーロングの72系か、60系のロング。キャラバンのE23、E24もけっこう流行っていました。
しかし、その後100系のハイエースが出て、流れがガラッと100系ハイエース中心になりましたね。
僕が辞めてからは、そういうワンボックス系のバニングが4割ぐらいに減って、アメリカのトラッキンやホットロッド、ローライダーのような車種を掲載する比率が増えたように思います。
面白いもんでね、同じ 『カスタムCAR』 の読者といっても、バニングに乗っている読者はアメリカン・カスタムとかホットロッド、トラッキンなどの記事を読むけれど、アメリカン・カスタムやホットロッドに興味のある人たちは、バニングの記事をあまり読まないんですね。
アメリカン・カスタムが好きな人たちは、バニングが持つ独特な、日本的なテイストが嫌いだったんでしょうね。逆に言いえば、バニングのユーザーたちは、クルマをカスタムするということに、とても貪欲だったのではないでしょうか。
《 バニングカーの特徴 》
【町田】 国産ワンボックス系のバニングの場合、どういう架装例が多かったんですか?
【井上】 まず最初は、基本的なエアロパーツを組み込んで、ホイールを替え、車高を下げる。
次に、座席を取り外して、シャギー絨毯やチンチラの壁紙で内部を貼りめぐらし、シャンデリアとかソファベッドを組み込むわけですね。
外装では、車体にエアブラシ・ペイントを施すのが流行りました。
ペイントのテーマは、ディズニーやドラゴンボールなどのアニメ・キャラか、あとはラッセンの描くイルカが飛び跳ねているようなイラストですね。
人物だと矢沢永吉、工藤静香、中森明菜……。
【町田】 どのようなビルダーのクルマに人気がありましたか?
【井上】 関西では、やっぱり 「オートボディショップたなか」 さん。…今のアネックスさんですね。
田中さんのところは、エアブラシも含めていろいろなアイデアが豊富だったんです。FRP製のハート型の窓をリヤゲートのところに付けたりね。
【町田】 エアブラシの絵は、それぞれの架装メーカーさんが描くわけでしょ? それだけ業界には絵心のある人が多かったわけですか?
【井上】 まぁ、絵心のある人を集めたのでしょうけれど、でもやっぱりその中でもうまい人は限られてくるわけで、田中さんのところは上手でしたね。
ラッセンの、夜の海にイルカが飛び跳ねているような絵柄がアメリカで流行っていた時期に、それを一番最初に日本に持ってきたのは 「ブルーオート」 の青木さんですね。
「ビークル」 さんとか 「АtoZ」 さんなども、今ではキャンピングカーの大御所ですけれど、昔はきれいなバニングをいっぱい造っていましたね。
そのほか、秋田の 「ファーストカスタム」 さんとか、川崎の 「荒木自動車」 さん、埼玉の 「プロット」 さんも有名でした。
後半になってからは、 「ナッツ」 さんのバニングも人気を集めていましたね。
【町田】 井上さんが12年間バニングを見てこられて、最初の方と後半とでは、内装の変化があったのですか?
【井上】 内装素材でいえば、モケットは一貫して人気がありましたけれど、80年代の後半になると、チンチラとか金華山は影を潜めて、代わりに平織りのような、今のキャンピングカーでも使われている素材が出てくるようになりました。
チンチラとか金華山はデコトラの方にいったようです。
レイアウトでいうと、ニの字とかコの字ソファが圧倒的に多かったのですが、後半になると、キャンピングカーのような対面対座も出てくるようになりましたね。
床もシャギージュウタンではなくて、市松模様のクッションフロアとか…。今のキャンピングカーと変わらないようなデザインのものも見るようになりました。
《 その後のバニング 》
【町田】 バニングがいちばん盛んだったのは、いつ頃なんですか?
【井上】 1990年代初めから急激に伸び出して、93、94年ごろがピークかな。90年代終盤からだんだん下火になっていったわけです。
【町田】 下火になった理由は何ですか?
【井上】 いくつかあるんでしょうけれど、架装に高額なお金をかける人たちが出てくるようになったんですね。
最後の方になると、架装費だけで1千万とか1千5百万円などというクルマも出てくるようになったんです。
そうなると、それについてこれなくなった若者が、次第に距離を置くようになったんです。
それと、ほんの一部ですけど、暴走族系の連中がときどき幅を利かせるようになったんですね。
数からいえばほんの一握りなんですけど、やはりそういう連中は目立つわけですよ。
そのために、ただクルマが好きで、仲間とキャンプしたり、海に行くことだけを楽しんでいた若者たちが引いちゃったんですね。
だから可哀想でしたよ。
取材しているとよく分かるんですが、本来のバニング愛好者って、一見やんちゃ風に見えるけれど、みんな良い人間なんですよ。礼儀正しいし、話すと面白い。
だから、世間の一部で誤解されてしまうことは残念でしたね。
【町田】 バニングユーザー同士のクラブキャンプというのは、どういうものだったんですか?
【井上】 基本的には、みんなで集まって、 「お前のいいね」 「俺のはこういうんだよ」 というようなミニ品評会とか情報交換の場でした。
仲のよいメンバーが集まると、みんなで和気あいあいと海に行ったり、キャンプをしたりね。
そのうち結婚して、子供ができたりすると、今のキャンピングカーユーザーの例会と変わらないミーティングになったんじゃないかな。
ただ、室内で調理をするというようなことはなかったですね。それにトイレを付けているクルマも少なかったと思います。
【町田】 それにしても、バニングの初期の頃からその最盛期まで、その流れをメディアの目を通して眺めて来られた証言は貴重なものだと思います。
そういうお仕事、楽しかったでしょ?
【井上】 もちろん。編集者としても、自分でいちばん脂が乗っていた時期でしたから、 『カスタムCAR』 という雑誌は、想い出もやりがいも一番あったし、取材などで深くかかわったバニングという世界には思い入れが強いですね。
関連記事 「バニングの歴史」
2009年12月23日
奥様はまず反対
ときどき顔を出している地元の飲み屋さんの忘年会があった。
常連客とその家族も交えたような、気さくで、気楽な会だった。
奥座敷には、1歳ぐらいの赤ちゃんを伴った若夫婦がいた。
常連客である私と同じ年の男性の “娘夫婦” だという。
「こちらね、キャンピングカーの本つくっている人なの」
…と、その彼が、私のことを娘夫婦に紹介した。
「え? キャンピングカー!」
赤ちゃんを抱いていた婿さんの顔が輝いた。
「僕、すごく興味あるんです。欲しいんですよ」
と、婿さんはいう。
「だめだめ、そんな高いもの。それに、私が運転できなくなっちゃう」
と、すかさず奥さんが反対する。
奥さんの口元にはにこやかな笑みが漂っていたが、目には “断固許さない” という気迫がみなぎっている。
きっと、婿さんとの間には、何度も議論があったのだろう。
「いや、高くないって。ハイエースぐらいなら、安いキャンピングカーがナンボだってあるって」
と、婿さんは説得するのだけれど、その 「ハイエース」 という言葉自体が、どうも奥さんにはピンと来ないらしく、
「…んな無理やわ」
と、主張を変えない。
「キャンピングカーが高いって、いくらぐらいだと思っていらっしゃいます?」
と、私はその奥さんに尋ねてみた。
「1,000万円以上でしょ? うちには無理やわ。それに、そんな大きなクルマが入る車庫なんてないし…」
う~む。……なるほど。
この奥さんの反応は、一般的なファミリーが、キャンピングカーというものを考えるときのひとつの典型的なパターンであるかのように思えた。
キャンピングカーにさほど関心を持たない人たちの、 「キャンピングカー」 という言葉から連想されるものは、 「1,000万円を超えたバカでかいクルマ」 というイメージなのである。
だから、 「普通の小型ワンボックスカーのようなキャンピングカーもあるし、軽自動車のものもあるし、200万円代から買えるものだってあります」
とか説明すると、たいていの人は、 「えっ?」 っと不思議そうな顔をする。
どうやら、巷で普及している 「キャンピングカー」 という言葉と、業界の人たちが使う 「キャンピングカー」 という言葉の間には、けっこうな開きがあるようだ。
私はキャンピングカーに乗っているユーザーさんたちにも、よく取材をする。
彼らは、キャンピングカー販売店の人たち以上に商品知識を持っていたりして、話を聞いていると、私などもたじたじとなってしまうことがあるのだけれど、そういうユーザーさんたちとばかりと話をしていると、一般の人々にも相当キャンピングカーというものは認知されているのだろう…と、ついつい錯覚してしまう。
しかし、実際には、 「キャンピングカーにはどんな種類のものがあるのか」 、それすらも知らない人たちの方が圧倒的に多い。
この夏、キャンピングカーショーの会場で、キャンピングカーをまだ購入していない人たちを対象に、何を目的にそのショーに来たのかを調査をしたことがある。
あるファミリーの奥さんはこういう。
「今日はキャンピングカーを見に来たんじゃないんですよ。ハイエースを見に来たの」
ハイエース……?
彼女が指差す “ハイエース” を見てみると、それはハイエースをベースに架装されたバンコンのことだった。
もちろん、それは立派な 「キャンピングカー」 なのだが、彼女の意識では、それは 「キャンピングカー」 ではなく、 「ハイエース」 なのだ。
▲ ハイエースベースのバンコン
で、彼女が 「キャンピングカー」 というものに対して、どういうイメージを抱いているかというと、
「ほら、ああいうの…」
彼女の指差す方向を見てみると、そこにはバンクを張り出したキャブコンがあった。

▲ キャブコン
バンコンとかキャブコンなどという、われわれが、ごく日常的に使っているジャンル分けの 「言葉」 自体が、キャンピングカーショーにはじめて来たような人には十分に浸透していないことを痛切に感じた。
われわれの仕事は、すでに、キャンピングカーに関心を持って、多少なりとも研究している人たちを相手にして、機構解説やら、装備の使い方などを論じているに過ぎない。
そこに至るまでの人々に対しては、少しも親切な解説をしてこなかったのかもしれない。
キャンピングカージャーナリズムは、まだまだやるべきことがいっぱい残っているんだなぁ…と改めて思った。
で、飲み屋の忘年会。
私のキャンピングカーの話を聞いているうちに、奥さんの目が輝きだした。
「……ああ、そういうことだったら、1台あってもいいのかもしれない」
と、奥さんの気持ちがかなり軟化してきた。
喜んだのは、婿さん。
「今度、どんなキャンピングカーがお薦めなのか、ぜひ教えてください」
婿さんとは、そういう会話をして、別れた。
常連客とその家族も交えたような、気さくで、気楽な会だった。
奥座敷には、1歳ぐらいの赤ちゃんを伴った若夫婦がいた。
常連客である私と同じ年の男性の “娘夫婦” だという。
「こちらね、キャンピングカーの本つくっている人なの」
…と、その彼が、私のことを娘夫婦に紹介した。
「え? キャンピングカー!」
赤ちゃんを抱いていた婿さんの顔が輝いた。
「僕、すごく興味あるんです。欲しいんですよ」
と、婿さんはいう。
「だめだめ、そんな高いもの。それに、私が運転できなくなっちゃう」
と、すかさず奥さんが反対する。
奥さんの口元にはにこやかな笑みが漂っていたが、目には “断固許さない” という気迫がみなぎっている。
きっと、婿さんとの間には、何度も議論があったのだろう。
「いや、高くないって。ハイエースぐらいなら、安いキャンピングカーがナンボだってあるって」
と、婿さんは説得するのだけれど、その 「ハイエース」 という言葉自体が、どうも奥さんにはピンと来ないらしく、
「…んな無理やわ」
と、主張を変えない。
「キャンピングカーが高いって、いくらぐらいだと思っていらっしゃいます?」
と、私はその奥さんに尋ねてみた。
「1,000万円以上でしょ? うちには無理やわ。それに、そんな大きなクルマが入る車庫なんてないし…」
う~む。……なるほど。
この奥さんの反応は、一般的なファミリーが、キャンピングカーというものを考えるときのひとつの典型的なパターンであるかのように思えた。
キャンピングカーにさほど関心を持たない人たちの、 「キャンピングカー」 という言葉から連想されるものは、 「1,000万円を超えたバカでかいクルマ」 というイメージなのである。
だから、 「普通の小型ワンボックスカーのようなキャンピングカーもあるし、軽自動車のものもあるし、200万円代から買えるものだってあります」
とか説明すると、たいていの人は、 「えっ?」 っと不思議そうな顔をする。
どうやら、巷で普及している 「キャンピングカー」 という言葉と、業界の人たちが使う 「キャンピングカー」 という言葉の間には、けっこうな開きがあるようだ。
私はキャンピングカーに乗っているユーザーさんたちにも、よく取材をする。
彼らは、キャンピングカー販売店の人たち以上に商品知識を持っていたりして、話を聞いていると、私などもたじたじとなってしまうことがあるのだけれど、そういうユーザーさんたちとばかりと話をしていると、一般の人々にも相当キャンピングカーというものは認知されているのだろう…と、ついつい錯覚してしまう。
しかし、実際には、 「キャンピングカーにはどんな種類のものがあるのか」 、それすらも知らない人たちの方が圧倒的に多い。
この夏、キャンピングカーショーの会場で、キャンピングカーをまだ購入していない人たちを対象に、何を目的にそのショーに来たのかを調査をしたことがある。
あるファミリーの奥さんはこういう。
「今日はキャンピングカーを見に来たんじゃないんですよ。ハイエースを見に来たの」
ハイエース……?
彼女が指差す “ハイエース” を見てみると、それはハイエースをベースに架装されたバンコンのことだった。
もちろん、それは立派な 「キャンピングカー」 なのだが、彼女の意識では、それは 「キャンピングカー」 ではなく、 「ハイエース」 なのだ。
▲ ハイエースベースのバンコン
で、彼女が 「キャンピングカー」 というものに対して、どういうイメージを抱いているかというと、
「ほら、ああいうの…」
彼女の指差す方向を見てみると、そこにはバンクを張り出したキャブコンがあった。
▲ キャブコン
バンコンとかキャブコンなどという、われわれが、ごく日常的に使っているジャンル分けの 「言葉」 自体が、キャンピングカーショーにはじめて来たような人には十分に浸透していないことを痛切に感じた。
われわれの仕事は、すでに、キャンピングカーに関心を持って、多少なりとも研究している人たちを相手にして、機構解説やら、装備の使い方などを論じているに過ぎない。
そこに至るまでの人々に対しては、少しも親切な解説をしてこなかったのかもしれない。
キャンピングカージャーナリズムは、まだまだやるべきことがいっぱい残っているんだなぁ…と改めて思った。
で、飲み屋の忘年会。
私のキャンピングカーの話を聞いているうちに、奥さんの目が輝きだした。
「……ああ、そういうことだったら、1台あってもいいのかもしれない」
と、奥さんの気持ちがかなり軟化してきた。
喜んだのは、婿さん。
「今度、どんなキャンピングカーがお薦めなのか、ぜひ教えてください」
婿さんとは、そういう会話をして、別れた。
2009年12月17日
RVは生き残る
先週のことだ。
あるキャンピングカー販売店の社長さんに取材して、一通りの話が終わってから、雑談になった。
この雑談がとても面白かったので、その中で社長さんがおっしゃったことを、ランダムに記す。
まず、この世界的な景気後退をどう見るか、という話。
「モノが売れない」 時代が長く続き、マスコミは既にデフレに突入していることを宣言しているが、そういう時代では、やはりキャンピングカーの販売も難しい状態に陥っている。
ところが、 「そういう時代だからこそ、キャンピングカーは生き残る」 と、その社長さんは力強く宣言する。
バブルの頃は、確かにキャンピングカーも売れた。
しかし、キャンピングカーに限らず、何でも売れた。
何でも売れる時代というのは、逆にいえば、品物の価値は問われない時代だということでもある。
モノが売れない時代になれば、消費者は買うべきものと、買うべきでないものをシビアにより分けるようになる。
そして、その商品が、自分のライフスタイルに合うほどの価値を持っているかどうかを、誰もが厳しい視線で見定めるようになる…というわけだ。
「キャンピングカーは、比較的その価値をアピールしやすい商品だ」
というのが、その社長さんの意見なのだ。

サブプライムローンの破綻、リーマンショック、ドバイバブルの崩壊など、ここのところ立て続けに起こった金融危機によって、人類はようやく、金銭的な豊かさが必ずしも人間の幸せを実現できるものではないということに気づき始めた。
そして、 「幸せとは何だろう」 という問いかけを内面的に掘り下げる習慣が見についてきた。
…と、社長さんはいう。
そのとき、キャンピングカーが内在的に持っている 「家族の交流」、 「夫婦の絆の確認」 、 「自然との調和」 などという文化的メンタリティーが、じわじわと多くの人の意識を捉えていくだろう…と、その人は見る。
もちろん、ただ漫然とそれを待っているだけでは、物事は進展しない。
キャンピングカーには、そのような 「価値」 があるということを、地道に広報活動していく結果において、それが達成されるだろうという。
そのとおりだと思った。
キャンピングカー旅行というのは、あまたあるレジャーの中でも珍しいくらい同乗者同士が濃密な関係を結び合うレジャーといえる。
なにしろ、一種の個室状態の “生活空間” が、住人を乗せたまま移動していくわけだから、否が応でも、 “住人同士” の会話を生み、団らんを育み、他者への気づかいを促進する。
もし、それが固定された家ならば、やがては 「息がつまる」 という事態を招きかねない。
しかし、旅先で接する新しい景色、食生活の変化、観光による刺激が、常に家族間に新鮮な空気をもたらすため、濃密な家族関係が生まれても、それが煮つまらない。
その 「集中と発散」 のダイナミズムは、他の旅行形態にないものだ。
そして、 「それが新しい家族関係の構築につながる」 と、そのキャンピングカー販売店の社長さんは語る。
人間は 「ときめき」 がないと、相手に心を開かない。
たとえ家族であろうと、いや家族であるがゆえに、 「ときめき」 を失ってしまえば、他人以上に冷淡な関係に陥ってしまうことがある。
「キャンピングカー旅行は、その “ときめき” を家族にもたらす旅行形態である」
…というのが、私とその社長さんの結論となった。
その人は、また 「旅行の豊かさ」 についても、独自の見解を披露した。
「日本人は旅行に行くと、まず写真を撮る。そして景色を見ない。
では景色はいつ見るのかというと、旅先から帰ってきて、写真を焼き増ししたときか、もしくはパソコンに画像を取り込んだときに、はじめて確認する」
それでは本当の旅の豊かさは手に入らないだろうと、その人はいう。
むしろ、カメラを取り出す前に、 「もしかしたら、二度とこの景色を見るチャンスはないかもしれない」 と念じ、心行くまでその景色を “記憶の印画紙” に焼き付けることが大事。
結果的に、その方が風景を鮮明に思い出すものだ、という。
そのようなことが、塩野七生氏のエッセイに書かれていたらしい。
これも、その通りだと思った。

われわれは、旅に出ると、すぐに写真に撮ったり、土産物を買い込んだりする。
そのような 「物として残す習慣」 が、もしかしたら、旅の記憶をかえって不鮮明なものにしているのかもしれない。
旅のだいご味は、もしかしたら 「一回性」 にあるのではなかろうか。
二度とこの地を訪れることがないかもしれない…という “切ない” 感慨が、その旅をかけがえのないものにするようにも思う。
その社長さんは、また、キャンピングカーを使ったヨーロッパ旅行も経験している。
そのとき感じたのは、ヨーロッパの都市と道路の見事な整備状況。
標識が瞬時に読めない日本人でも、定められた規則どおりに走っていけば、まず迷うことはないし、町に入れば、見事に多種間交通の住み分けがきちんとなされていて、安全性が脅かされることがない。
それを 「交通社会」 という言葉で表現するなら、 「日本には交通社会がない」 と感じたという。
そこに、社長さんは、古代ローマ帝国の遺産を見るという。

古代ローマは、地中海をぐるりと囲む大帝国を建設したときに、まず一番最初にインフラ整備に手をつけた。
それが道路であり、公共の建築物だった。
彼らが征服地の異民族に教えたものは、 「都市計画」 だったのだ。
古代ローマ帝国が各民族に伝えた理念は、宗教でもなく、政治哲学でもなく、町と道路の造り方であったということは、要するに、彼らの統治理念には、物質的な裏づけがあったということなのだ。
ヨーロッパ人たちが、自分たちの文化に自信を持っているのは、キリスト教の絶対性とか、近代合理主義の普遍性に対する信仰があるからだけではない。
「自分たちの暮し方こそ、万人の幸せにつながる」
という現実的な手応えを、都市計画の成功から信じられたからである。
それこそ、ローマ帝国の遺産である。
…とかいう話に興じて、その日は、ついつい取材時間を大幅にオーバーしてしまった。
キャンピングカーを販売している人々も、さまざまな視点からキャンピングカーを論じるようになったものだ。
そういう手応えをしっかり胸に秘めて、その会社を後にした。
あるキャンピングカー販売店の社長さんに取材して、一通りの話が終わってから、雑談になった。
この雑談がとても面白かったので、その中で社長さんがおっしゃったことを、ランダムに記す。
まず、この世界的な景気後退をどう見るか、という話。
「モノが売れない」 時代が長く続き、マスコミは既にデフレに突入していることを宣言しているが、そういう時代では、やはりキャンピングカーの販売も難しい状態に陥っている。
ところが、 「そういう時代だからこそ、キャンピングカーは生き残る」 と、その社長さんは力強く宣言する。
バブルの頃は、確かにキャンピングカーも売れた。
しかし、キャンピングカーに限らず、何でも売れた。
何でも売れる時代というのは、逆にいえば、品物の価値は問われない時代だということでもある。
モノが売れない時代になれば、消費者は買うべきものと、買うべきでないものをシビアにより分けるようになる。
そして、その商品が、自分のライフスタイルに合うほどの価値を持っているかどうかを、誰もが厳しい視線で見定めるようになる…というわけだ。
「キャンピングカーは、比較的その価値をアピールしやすい商品だ」
というのが、その社長さんの意見なのだ。

サブプライムローンの破綻、リーマンショック、ドバイバブルの崩壊など、ここのところ立て続けに起こった金融危機によって、人類はようやく、金銭的な豊かさが必ずしも人間の幸せを実現できるものではないということに気づき始めた。
そして、 「幸せとは何だろう」 という問いかけを内面的に掘り下げる習慣が見についてきた。
…と、社長さんはいう。
そのとき、キャンピングカーが内在的に持っている 「家族の交流」、 「夫婦の絆の確認」 、 「自然との調和」 などという文化的メンタリティーが、じわじわと多くの人の意識を捉えていくだろう…と、その人は見る。
もちろん、ただ漫然とそれを待っているだけでは、物事は進展しない。
キャンピングカーには、そのような 「価値」 があるということを、地道に広報活動していく結果において、それが達成されるだろうという。
そのとおりだと思った。
キャンピングカー旅行というのは、あまたあるレジャーの中でも珍しいくらい同乗者同士が濃密な関係を結び合うレジャーといえる。
なにしろ、一種の個室状態の “生活空間” が、住人を乗せたまま移動していくわけだから、否が応でも、 “住人同士” の会話を生み、団らんを育み、他者への気づかいを促進する。
もし、それが固定された家ならば、やがては 「息がつまる」 という事態を招きかねない。
しかし、旅先で接する新しい景色、食生活の変化、観光による刺激が、常に家族間に新鮮な空気をもたらすため、濃密な家族関係が生まれても、それが煮つまらない。
その 「集中と発散」 のダイナミズムは、他の旅行形態にないものだ。
そして、 「それが新しい家族関係の構築につながる」 と、そのキャンピングカー販売店の社長さんは語る。
人間は 「ときめき」 がないと、相手に心を開かない。
たとえ家族であろうと、いや家族であるがゆえに、 「ときめき」 を失ってしまえば、他人以上に冷淡な関係に陥ってしまうことがある。
「キャンピングカー旅行は、その “ときめき” を家族にもたらす旅行形態である」
…というのが、私とその社長さんの結論となった。
その人は、また 「旅行の豊かさ」 についても、独自の見解を披露した。
「日本人は旅行に行くと、まず写真を撮る。そして景色を見ない。
では景色はいつ見るのかというと、旅先から帰ってきて、写真を焼き増ししたときか、もしくはパソコンに画像を取り込んだときに、はじめて確認する」
それでは本当の旅の豊かさは手に入らないだろうと、その人はいう。
むしろ、カメラを取り出す前に、 「もしかしたら、二度とこの景色を見るチャンスはないかもしれない」 と念じ、心行くまでその景色を “記憶の印画紙” に焼き付けることが大事。
結果的に、その方が風景を鮮明に思い出すものだ、という。
そのようなことが、塩野七生氏のエッセイに書かれていたらしい。
これも、その通りだと思った。
われわれは、旅に出ると、すぐに写真に撮ったり、土産物を買い込んだりする。
そのような 「物として残す習慣」 が、もしかしたら、旅の記憶をかえって不鮮明なものにしているのかもしれない。
旅のだいご味は、もしかしたら 「一回性」 にあるのではなかろうか。
二度とこの地を訪れることがないかもしれない…という “切ない” 感慨が、その旅をかけがえのないものにするようにも思う。
その社長さんは、また、キャンピングカーを使ったヨーロッパ旅行も経験している。
そのとき感じたのは、ヨーロッパの都市と道路の見事な整備状況。
標識が瞬時に読めない日本人でも、定められた規則どおりに走っていけば、まず迷うことはないし、町に入れば、見事に多種間交通の住み分けがきちんとなされていて、安全性が脅かされることがない。
それを 「交通社会」 という言葉で表現するなら、 「日本には交通社会がない」 と感じたという。
そこに、社長さんは、古代ローマ帝国の遺産を見るという。
古代ローマは、地中海をぐるりと囲む大帝国を建設したときに、まず一番最初にインフラ整備に手をつけた。
それが道路であり、公共の建築物だった。
彼らが征服地の異民族に教えたものは、 「都市計画」 だったのだ。
古代ローマ帝国が各民族に伝えた理念は、宗教でもなく、政治哲学でもなく、町と道路の造り方であったということは、要するに、彼らの統治理念には、物質的な裏づけがあったということなのだ。
ヨーロッパ人たちが、自分たちの文化に自信を持っているのは、キリスト教の絶対性とか、近代合理主義の普遍性に対する信仰があるからだけではない。
「自分たちの暮し方こそ、万人の幸せにつながる」
という現実的な手応えを、都市計画の成功から信じられたからである。
それこそ、ローマ帝国の遺産である。
…とかいう話に興じて、その日は、ついつい取材時間を大幅にオーバーしてしまった。
キャンピングカーを販売している人々も、さまざまな視点からキャンピングカーを論じるようになったものだ。
そういう手応えをしっかり胸に秘めて、その会社を後にした。
2009年12月15日
女性ユーザーの声
日本RV協会 (JRVA) から、ちょっと面白いデータが公表された。
「女性から見たキャンピングカー」 というもの。
このアンケート調査は、 「くるま旅クラブ」 に所属するキャンピングカーユーザーのうちから主婦層および女性オーナーを対象として実施されたもので、女性とキャンピングカーのつながりを調べるための24項目が設定され、1,388件の回答が寄せられたという。
このようなキャンピングカーをテーマにした本格的な女性アンケートは初めての試みであり、業界にとっても貴重なデータだと紹介されている。
それによると、キャンピングカーに興味を持ったきっかけは、 「ご主人が話題にするようになったから」 という回答が圧倒的に多く、全体の58.4パーセントを占めたのだそうだ。
昨今、キャンピングカーの購入には奥様の意見がけっこう反映されるらしく、旦那さんが興味を持ったキャンピングカーに対しても、奥さんが 「NO」 というと契約が成立しないという話をよく聞くのだが、奥様の意向が強まったように見えても、購入のきっかけとなる材料は、旦那さんが提供しているという図は変わらないようだ。

面白かったのは、自由回答の中で、
「私が知らない間に、主人が勝手に購入していた」
「主人がこっそり準備し、いつの間にか (旅に) 連れ出された」
という “巻き込まれ型” の購入であったことを告白した女性がいたらしいこと。
たいていの旦那さん方が、奥さんの承諾を得るために四苦八苦しているらしい昨今、うらやましい殿方たちもいたもんだと思う。
キャンピングカーを持ってから家族 (夫婦) の話題に変化が生じるようになったか? ということを尋ねたところ、
「ご主人や家族との間に 『旅』 や 『趣味』 の話題が増えた」
と答えた女性は57.9パーセントに達し、続いて、
「キャンプや旅行で知り合った人々との交流が話題になった」
と答えた人が、21.3パーセントもいたという。
買ってしまうと、今度は女性の方が楽しくなってしまうという話はよく聞く。
また、夫婦の間の話題が広がるようになったということは、 『キャンピングカー白書』 のデータをも裏づける形となった。
この調査では、
「キャンピングカー旅行中に、自分たち夫婦は相性が悪いと思ったことがあるか?」
などという質問もなされている。
それに対する答は、
「まったくない」 という回答が55.3パーセント。
「ときどきある」 という回答が39.5パーセント。
「よくある」 という回答が4.1パーセントだったそうだ。
どのような場合に、夫婦の相性が悪いと感じたかを尋ねると、
「旅行中に、見物したり買い物したりする興味の対象が合わない」 (40.0パーセント) 、
「時間のテンポが合わず、立ち寄り湯の待ち時間などをめぐってイライラする」 (24.3パーセント)
…だとか。
夫婦といえども、そこは生きた人間同士。 「男女間のデリケートな課題も内包していることに気付かされる」 と、調査をまとめた感想もコメントされている。
ほかにも、女性がキャンピングカーを選ぶ基準や、キャンピングカーに欲しい機能や設備などが浮き彫りになったという。
さらに女性のひとり旅や、女性同士のキャンピングカー旅行に憧れている潜在ユーザーの存在も明らかになったそうだ。
この調査結果の報告は、次のリリースでも続きが紹介されるようだ。
どんなデータが出てくるのか楽しみ。
詳しくは、JRVAのホームページ (↓) を。
http://www.jrva.com/jrvanews/release/20091214.html
「女性から見たキャンピングカー」 というもの。
このアンケート調査は、 「くるま旅クラブ」 に所属するキャンピングカーユーザーのうちから主婦層および女性オーナーを対象として実施されたもので、女性とキャンピングカーのつながりを調べるための24項目が設定され、1,388件の回答が寄せられたという。
このようなキャンピングカーをテーマにした本格的な女性アンケートは初めての試みであり、業界にとっても貴重なデータだと紹介されている。
それによると、キャンピングカーに興味を持ったきっかけは、 「ご主人が話題にするようになったから」 という回答が圧倒的に多く、全体の58.4パーセントを占めたのだそうだ。
昨今、キャンピングカーの購入には奥様の意見がけっこう反映されるらしく、旦那さんが興味を持ったキャンピングカーに対しても、奥さんが 「NO」 というと契約が成立しないという話をよく聞くのだが、奥様の意向が強まったように見えても、購入のきっかけとなる材料は、旦那さんが提供しているという図は変わらないようだ。

面白かったのは、自由回答の中で、
「私が知らない間に、主人が勝手に購入していた」
「主人がこっそり準備し、いつの間にか (旅に) 連れ出された」
という “巻き込まれ型” の購入であったことを告白した女性がいたらしいこと。
たいていの旦那さん方が、奥さんの承諾を得るために四苦八苦しているらしい昨今、うらやましい殿方たちもいたもんだと思う。
キャンピングカーを持ってから家族 (夫婦) の話題に変化が生じるようになったか? ということを尋ねたところ、
「ご主人や家族との間に 『旅』 や 『趣味』 の話題が増えた」
と答えた女性は57.9パーセントに達し、続いて、
「キャンプや旅行で知り合った人々との交流が話題になった」
と答えた人が、21.3パーセントもいたという。
買ってしまうと、今度は女性の方が楽しくなってしまうという話はよく聞く。
また、夫婦の間の話題が広がるようになったということは、 『キャンピングカー白書』 のデータをも裏づける形となった。
この調査では、
「キャンピングカー旅行中に、自分たち夫婦は相性が悪いと思ったことがあるか?」
などという質問もなされている。
それに対する答は、
「まったくない」 という回答が55.3パーセント。
「ときどきある」 という回答が39.5パーセント。
「よくある」 という回答が4.1パーセントだったそうだ。
どのような場合に、夫婦の相性が悪いと感じたかを尋ねると、
「旅行中に、見物したり買い物したりする興味の対象が合わない」 (40.0パーセント) 、
「時間のテンポが合わず、立ち寄り湯の待ち時間などをめぐってイライラする」 (24.3パーセント)
…だとか。
夫婦といえども、そこは生きた人間同士。 「男女間のデリケートな課題も内包していることに気付かされる」 と、調査をまとめた感想もコメントされている。
ほかにも、女性がキャンピングカーを選ぶ基準や、キャンピングカーに欲しい機能や設備などが浮き彫りになったという。
さらに女性のひとり旅や、女性同士のキャンピングカー旅行に憧れている潜在ユーザーの存在も明らかになったそうだ。
この調査結果の報告は、次のリリースでも続きが紹介されるようだ。
どんなデータが出てくるのか楽しみ。
詳しくは、JRVAのホームページ (↓) を。
http://www.jrva.com/jrvanews/release/20091214.html
2009年10月29日
車中泊の魅力とは
最近なにかとよく話題になる 「車中泊」 。
ヤフーでこの言葉を検索すると、331万件。
グーグルだと53万9千件。
しかも、 「車中泊」 と3文字入力するだけで、
「車中泊 グッズ」
「車中泊 改造」
「車中泊 ポイント」
「車中泊 ガイド」
…などという関連用語がズラリと表示される。
「車中泊」 に付随する言葉がこれだけ細分化されているということからも、それが、ひとつのライフスタイルとして深く浸透している様子が伝わってくる。
実際、東京モーターショー取材の帰り、東京駅の八重洲ブックセンターに行って驚いた。
アウトドア関連書籍のコーナーに行くと、キャンプやウォーキング関連の書籍の中に 「車中泊」 と銘打った書籍・ムック類がところ狭しと並べられているではないか!
本来は 「旅」 か 「自動車」 関連の棚に置かれてしかるべき 「車中泊本」 が、いつの間に堂々と “アウトドア・レジャー” になっていたとは…。
要するに、 “緊急時の仮眠” とかいう認識を離れて、 《車内で寝ること》 自体が、ひとつのレジャーになったんだな…と、遅まきながら理解した。
この手の書籍は、知人に借りて読んだり、書店でパラパラと立ち読みしたことはあったが、詳細まで検討したことはなかった。
1冊取り上げて、拾い読みしてみたら、なかなか面白い。
ノウハウ本の場合でも、やはりライターのセンスがものをいう。
たまたま取り上げた本は、その著者ならではの 「車中泊哲学」 のようなものがあって、そこに惹かれて、つい1冊買ってしまった。
その本の著者は、車中泊旅行を基本的に 「放浪の旅」 と位置づける。
つまり、予定を決めず、目的も決めず、心の中をかすめていく 「風の言葉」 だけを頼りに、とりあえずエンジンキーを捻る。
当然、無計画な旅につきもののハプニングが生じる。
それが 「名物の海鮮どんぶりの売り切れ」 であったり、 「祭りで道路の通行止め」 であったり、 「予約が必要だった渡し船」 であったりするのだが、そのときの 「ヤラレた!」 感こそが、旅のだいご味であり、平板な旅程にピリっとしたスパイスをきかせてくれる…というのだ。
私なんかが書くと、 「日常から非日常へ」 などという味気ない抽象語を使ってしまうところを、著者は 「海鮮どんぶりの売り切れ」 という具体例で語りかける。
たぶん著者の頭の中にひらめいた架空例だと思うけれど、イメージが鮮明で分かりやすい。
ローカル線のわびしい風景写真に添えられたそんなキャプションには、次のような一文が添えられていた。
「ひなびた風景を気の済むまで眺め続ける。これは最高のぜいたく」
何気ない一言だけど、都市の景観に慣れてしまった旅人の気持ちを巧みに表現していると思う。
「 “何もしない旅” がテーマとして成立するのが車中泊」
…というようなレトリックも、一連の文の流れの中で拾ってみると、説得力がある。
著者はさらに、こう語りかける。
「ローカルフードがブームだが、ガイドブックに載っているような店に行っても、観光客が多くて、味も量も都会向けになっている。
その土地のホンモノの味は、地元の人しか行けないような場所にある」
そんな場所を探す旅も、いざとなったら車中泊できるマイカーでいけば安心…というわけだ。
…だけど、読んでいてハッと思った。
なんのことはない。
このような旅の楽しみ方は、昔からキャンピングカー販売店やメディアがいい続けてきた 「キャンピングカーの旅」 そのものではないか。
ところが、私がその本を買ったアウトドアコーナーには、車中泊本は10冊以上あったというのに、キャンピングカーの旅を紹介するノウハウ本というのは、ひとつもなかったのだ。
これでは、 「キャンピングカーの旅」 と 「車中泊しながらの乗用車の旅」 というものの連続性・共通性を意識しない読者がどんどん増えていくのかな…という気もした。
もちろん、両者はまったく同じようには語れない。
キャンピングカーショップの中には、マナーやモラルの観点から、 「道の駅」 や 「サービスエリア」 のような公共の駐車スペースを宿泊場所として使うことを全面的に推奨していない店もある。
というよりも、キャンピングカーというのは、 「道の駅」 や 「サービスエリア」 だけで使うのはもったいないクルマなのだ。
キャンピングカーは、もちろんミニバンやセダンとは比べモノにならないくらい、しっかりと寝られる本格的ベッドを完備したクルマだが、 “寝るため” だけに造られたクルマではない。
緑に恵まれたキャンプ場などで、野外に椅子やテーブルを引っぱり出し、大自然の息吹をしっかり呼吸できるようにも造られている。
さらに、車内で調理もできる車種もあるし、個室トイレを備えた車種もある。
中には温水シャワー機能を備えたものもある。
旅先で豪雨の中に閉じこめられても、1日中、車外に出ることなく楽しめるクルマがキャンピングカーだ。
そういう部分があるために、われわれキャンピングカーの周辺で生きている人間は、ついつい 「車中泊族」 を、 「キャンピングカー予備軍」 のように考えてしまうクセが抜けないのだが、今回 「車中泊本」 を読んでいて、ちょっと考えを改めた。
「これはこれで、新しい楽しみ方なんだな…」 と思ったのだ。
…というのは、車中泊ではことごとくスキルアップを要求されるということに気がついたからだ。
たとえば、 「クルマの中で寝ることを甘く考えてはいけない」 と書かれている。
乗用車のシートは、凹凸があるために、リクライニングさせてもフルフラットにはならない。
そのため、その凹凸部分に余分な衣類やクッションを詰め込んで水平出しをしなければならないが、さらにフルフラットなベッドを作りたかったらホームセンターで売っているエアベッドを買って…うんぬん…と書いてある。
「ああ、コツとワザがいる世界なんだ」 と改めて思った。
趣味の世界というのは、コツとワザ…つまりスキルが要求されて、それがアップしていくときの達成感があってこそ成り立つ世界である。
乗用車による 「車中泊」 では、ベッドメイクひとつがもう趣味の領域に入り込んでいるとも考えられる。
これはこれで、凄いことなんではなかろうか。
ふと、そう思った。
キャンピングカーは、ベッド展開をすればたいていフルフラットベッドになるので、 “シートの凹凸に衣類を詰め込む” という発想を必要としない。
つまり、そういう部分の 「スキルアップ」 は要求されない。
だから、完璧なベッドを最初から持つキャンピングカーは、 「ベッドができあがった!」 という喜びとは無縁の乗り物であったかもしれないのだ。
さらに 「車中泊本」 には、 「荷物の積み込みにもテクニックが要る」 と書かれている。
どのような荷物を、どういう順番でパッキングするか。
その手順をしっかり把握しておかないと、狭くて暗い車内で、いざ寝ようと思ったときにとっちらかる。
だから、智恵と工夫を凝らし、事前にしっかりとイメージトレーニングしろという。
逆にいうと、そこには、上手なパッキングのワザを会得するときの喜びというものがある。
小型のバンコンや軽ベースのキャンピングカーなら荷物の収納に小ワザを要求されることもあるが、居住性が豊かなキャンピングカーの場合は収納スペースがあらかじめ豊富に用意されているので、荷物の積み込みにさほど神経を使う必要がない。
その分、荷物をうまく積めたときの達成感というのは、車中泊の人たちよりも薄いかもしれない。
乗用車の中で寝る場合、当然、夏の暑さや冬の寒さも問題となる。
ボディに断熱材が入り、ある程度、暑さや寒さをやわらげることのできるキャンピングカーボディに比べ、普通のミニバンやセダンは、車内と車外を仕切るのは、熱伝導率の高い鉄板とガラスだけ。
その中で寝るというのは、キャンピングカーの快適さを知っている人たちからすれば、 「ご苦労様…」 と、つい一言出てしまうぐらい大変に思えるのだが、 「車中泊本」 には、しっかりと暑さ・寒さ対策も書かれている。
それは、たかだか暑さしのぎの 「熱冷ましシート」 だったり、寒さしのぎの 「保温マット」 や 「シュラフ」 であったりするのだが、状況において使い分けるコツなどもしっかり指導されているので、組み合わせを試しながら、少しずつ自分なりのノウハウを身に付けられるようになっている。
この点も、特に、断熱効果の高いキャブコンなどのユーザーにとっては、あまり縁のない世界だ。
ましてやFFヒーターなどを付けた車種ならば、一般的なキャンプ場で冬季キャンプをしていても、まず寒くて寝られないような夜を知らないだろう。
私はもうキャンピングカーの快適さに身体も心も慣らされてしまったので、真夏や真冬に、乗用車の中で寝ようとは思わない。
しかし、乗用車で 「車中泊」 する人たちにとっては、ホームセンターやカーショップで売っている身近なグッズを組み合わせて暑さ・寒さをこらえるノウハウを身につけることも、ひとつの喜びになるのかもしれない。
同時にそれは、モノを選んで買うという楽しみにもつながる。
それも、ホームセンターや100円ショップで間に合うものが大半を占める。
キャンピングカーに付加するオプションパーツは、高機能だが高価なものが多い。旅の途中にホームセンターに寄って、簡単に買えるようなものでもない。
ところが、乗用車の 「車中泊」 の場合は、さまざまな “便利グッズ” を素人の目で選んで、手軽に買えて、失敗しても買い直せるという気楽さがある。
そう考えると、それはそれで完結した “遊び” なのだ。
キャンピングカー業者の人たちは、ともすれば、車中泊派がキャンピングカーへ移行していくときの “ハードル” のひとつとして、車両本体の価格差を挙げる。
もちろん、その部分はそうとう大きいだろう。
しかし、それだけではなく、一見 “不便な” な乗用車を使い、工夫を凝らして寝る場所を作るということ自体が、もう立派な 「遊び」 になっているとしたら、キャンピングカーの 「快適さ」 ばかり強調しても、それを魅力的に思ってもらえるかどうか…。
だとしたら、 「車中泊」 の安価で手軽な 「遊び」 に対し、キャンピングカー業者さんたちが、どれだけキャンピングカーならではの 「遊び方」 をプレゼンできるかどうかが、販売を伸ばすカギになるだろう。
こいつは、ひょっとして大変な仕事かもしれない。
しかし、それはきっと、やりがいのある仕事に違いない。
2009年10月25日
RVの将来的展望
秋の 「名古屋キャンピングカーフェア」 を取材してきた。
この時期のショーというのは、来年2月の幕張ショーの前哨戦という感じだ。
目を見張るような新機軸を打ち出した 「新車」 というものはない代わりに、次の時代のマーケットをリサーチする意味を込めた “前衛” 的な役割を持ったクルマが多い。
構想はまだ開発陣の頭の中にとどめているものの、その “匂い” のようなものを漂わせて、来場者の反応を確認する。
そこから良い感触が得られれば、構想段階にある新車開発にも励みがつく。
逆に、反応が鈍ければ、そこから練り直しの機会を得る。
そういう実験的な提案を潜ませているような車両開発の段階なので、メディア受けするネタとしてはインパクトに欠けるかも知れないけれど、ある意味、そこからは、そのビルダーの思想の原型のようなものを感じ取ることができる。
そのうちのいくつかは、このブログで紹介していきたいと思うのだけれど、「まだオフレコで…」 と念を押されたものもかなりある。
ネタはいっぱい仕入れたけれど、そのうちの核心に部分は、もう少し時間をズラして公開してみたい。
で、今日はまだ名古屋ショーの画像を整理していないので、キャンピングカーの実車の話とは関係ない話ね。
ゴメンネ。
しかし、キャンピングカーの未来像というものに関して、実はしっかりした手応えを感じたことは事実だ。
今、自動車産業全体が大きな構造的転換を遂げようとしていることは、さまざまな情報源からひしひしと伝わってくるが、キャンピングカービルダーたちの中にも、そのような流れを敏感に感じてアクションを起こしている人たちもいる。
「まだ構想段階なので…」
ということなので、具体的なことは書けないが、あるビルダーの開発者は、ガソリンエンジン車からEV (電気自動車) などに転換を遂げようとしている自動車産業の将来を見据え、すでにパワーユニットが転換した後のキャンピングカー構想に着手しているということを語った。

折りしも、今日のNHKスペシャルを観ていたら、 『自動車革命』 というタイトルで、 「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦たち」 というシリーズの2回目を放映していた。
それによると、今アメリカや中国、インドなどで電気自動車を開発・生産している小メーカー (スモール・ハンドレッド) がものすごい勢いで伸びているという。
中国進出を狙っている日産自動車の幹部が、そのような中国の町工場で造られた電気自動車に試乗してみたところ、 「自動車としての完成度はけっして高いものではないが、EVならではのトルクとか加速感においては目を見張るものがあり、あなどれない存在だ」 と驚いたとか。
何よりも、航続距離が300㎞という数値がすごいという。
もちろんそのためには大量のバッテリーを搭載することが前提となり、そうなれば車重は2トンを超える。
そのようなEVが、そのまま実用化される見通しが立つのかどうか分からないが、なにしろ中国はEV開発には欠かせないリチウム電池の元になるリチウムの資源が豊富。
資源大国という地理的条件を背景に、中国のEVが世界マーケットに進出してくる可能性はきわめて高い。
このようなEVは、パーツ点数もガソリンエンジン車の10分の1ですむから、今までの車両開発のノウハウをさほど必要としない。
番組では、それを 「既存の大手メーカーが自動車開発に携わる時代の終焉」 と捉えていた。
内燃機関からバッテリーへという自動車のパワーユニットの転換は、私たちが考えている以上に、ひょっとして早いのかもしれない。
なぜなら、アメリカの投資家筋が、すでにそこに新たなビジネスチャンスを見出して、早くもEV開発に関わる利権の網の目を張り巡らせようとしているようなのだ。
問題は、自動車のパワーユニットが転換するというだけにすまないことだ。
グーグルでは、電気自動車が各家庭の動力源となる時代を見据えているという。
これは 「スマートグリッド (賢い電力網) 」 という考え方で、たとえば太陽光発電などでつくられた電力が余ったときはEVにため込み、逆に電力が必要なときはEVから住宅に送り込むというもの。
EVが住宅の蓄電池となって、電力の自給自足に大きな役割を果たすというものらしい。
要するに、自動車が単なる移動手段以上の役割を負わされる時代が構想されているのだ。
NHKスペシャルのナレーションは、それを 「産業革命以上の人類史における大革命」 と表現する。
そのような時代に、キャンピングカー業界も、否が応でも巻き込まれる時代が来ているのかもしれない。
あるビルダーの開発者の一人は、 「EVならば、何もメーカーの供給するベース車に頼ることなく、自分たちでも造れないことはない」 と言い切った。
中国で、わずか創業6年の歴史しかない町工場の電気自動車が、日産自動車の開発する電気自動車と張り合う時代だ。
けっして無謀な構想ではないのかもしれない。
実際に、EVが収益の柱に育つのは2020年頃だといわれている。
あと10年はかかりそうだが、自動車ジャーナリストの多くは、この流れは確定的だといっている。
自動車が大きく変ろうとしている時代。
その動きに、キャンピングカー業界もけっして遅れをとっていない。
関連記事 「EVの現在と未来」
この時期のショーというのは、来年2月の幕張ショーの前哨戦という感じだ。
目を見張るような新機軸を打ち出した 「新車」 というものはない代わりに、次の時代のマーケットをリサーチする意味を込めた “前衛” 的な役割を持ったクルマが多い。
構想はまだ開発陣の頭の中にとどめているものの、その “匂い” のようなものを漂わせて、来場者の反応を確認する。
そこから良い感触が得られれば、構想段階にある新車開発にも励みがつく。
逆に、反応が鈍ければ、そこから練り直しの機会を得る。
そういう実験的な提案を潜ませているような車両開発の段階なので、メディア受けするネタとしてはインパクトに欠けるかも知れないけれど、ある意味、そこからは、そのビルダーの思想の原型のようなものを感じ取ることができる。
そのうちのいくつかは、このブログで紹介していきたいと思うのだけれど、「まだオフレコで…」 と念を押されたものもかなりある。
ネタはいっぱい仕入れたけれど、そのうちの核心に部分は、もう少し時間をズラして公開してみたい。
で、今日はまだ名古屋ショーの画像を整理していないので、キャンピングカーの実車の話とは関係ない話ね。
ゴメンネ。
しかし、キャンピングカーの未来像というものに関して、実はしっかりした手応えを感じたことは事実だ。
今、自動車産業全体が大きな構造的転換を遂げようとしていることは、さまざまな情報源からひしひしと伝わってくるが、キャンピングカービルダーたちの中にも、そのような流れを敏感に感じてアクションを起こしている人たちもいる。
「まだ構想段階なので…」
ということなので、具体的なことは書けないが、あるビルダーの開発者は、ガソリンエンジン車からEV (電気自動車) などに転換を遂げようとしている自動車産業の将来を見据え、すでにパワーユニットが転換した後のキャンピングカー構想に着手しているということを語った。
折りしも、今日のNHKスペシャルを観ていたら、 『自動車革命』 というタイトルで、 「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦たち」 というシリーズの2回目を放映していた。
それによると、今アメリカや中国、インドなどで電気自動車を開発・生産している小メーカー (スモール・ハンドレッド) がものすごい勢いで伸びているという。
中国進出を狙っている日産自動車の幹部が、そのような中国の町工場で造られた電気自動車に試乗してみたところ、 「自動車としての完成度はけっして高いものではないが、EVならではのトルクとか加速感においては目を見張るものがあり、あなどれない存在だ」 と驚いたとか。
何よりも、航続距離が300㎞という数値がすごいという。
もちろんそのためには大量のバッテリーを搭載することが前提となり、そうなれば車重は2トンを超える。
そのようなEVが、そのまま実用化される見通しが立つのかどうか分からないが、なにしろ中国はEV開発には欠かせないリチウム電池の元になるリチウムの資源が豊富。
資源大国という地理的条件を背景に、中国のEVが世界マーケットに進出してくる可能性はきわめて高い。
このようなEVは、パーツ点数もガソリンエンジン車の10分の1ですむから、今までの車両開発のノウハウをさほど必要としない。
番組では、それを 「既存の大手メーカーが自動車開発に携わる時代の終焉」 と捉えていた。
内燃機関からバッテリーへという自動車のパワーユニットの転換は、私たちが考えている以上に、ひょっとして早いのかもしれない。
なぜなら、アメリカの投資家筋が、すでにそこに新たなビジネスチャンスを見出して、早くもEV開発に関わる利権の網の目を張り巡らせようとしているようなのだ。
問題は、自動車のパワーユニットが転換するというだけにすまないことだ。
グーグルでは、電気自動車が各家庭の動力源となる時代を見据えているという。
これは 「スマートグリッド (賢い電力網) 」 という考え方で、たとえば太陽光発電などでつくられた電力が余ったときはEVにため込み、逆に電力が必要なときはEVから住宅に送り込むというもの。
EVが住宅の蓄電池となって、電力の自給自足に大きな役割を果たすというものらしい。
要するに、自動車が単なる移動手段以上の役割を負わされる時代が構想されているのだ。
NHKスペシャルのナレーションは、それを 「産業革命以上の人類史における大革命」 と表現する。
そのような時代に、キャンピングカー業界も、否が応でも巻き込まれる時代が来ているのかもしれない。
あるビルダーの開発者の一人は、 「EVならば、何もメーカーの供給するベース車に頼ることなく、自分たちでも造れないことはない」 と言い切った。
中国で、わずか創業6年の歴史しかない町工場の電気自動車が、日産自動車の開発する電気自動車と張り合う時代だ。
けっして無謀な構想ではないのかもしれない。
実際に、EVが収益の柱に育つのは2020年頃だといわれている。
あと10年はかかりそうだが、自動車ジャーナリストの多くは、この流れは確定的だといっている。
自動車が大きく変ろうとしている時代。
その動きに、キャンピングカー業界もけっして遅れをとっていない。
関連記事 「EVの現在と未来」
2009年10月01日
トイファクトリーがグッドデザイン賞を獲得
《 同社のソーラーシステムに社会が注目 》
民主党政権が誕生してから鳩山首相が唱えた 「温室効果ガス排出量の25%削減」 が話題を呼んでいる。
今のところ、産業界からの反発も一部あるようだが、海外の政治指導者やメディアはこれを高く評価しているようだ。
いよいよ世界的な規模で、地球の温暖化を防止する声が高まる時代が来たといえよう。
すでに乗用車メーカーは、ハイブリッドカーや電気自動車などの量産化を進めており、大きなストライプで環境保全へのステップを踏み出している。
キャンピングカー業界でもその方向性をいち早く先取りし、開発車両に二酸化炭素 (CO2) の排出量低減を目指したエコシステムを積極的に採り入れてきたメーカーがある。
日本のトイファクトリーは、世界的な規模でみても、その問題に最も真摯に取り組んできたメーカーの一つに違いない。
同社は、これまでも自動車のエンジンから排出されるCO2の低減を意図して、ヒーター/エアコンの使用を抑えるための 「断熱対策」 を心がけてきたが、今年になってからは、独自のソーラーシステムを開発することで、クリーンエネルギーの確保を追求してきた。
それにより、アイドリングストップ、燃費向上、CO2の排出量低減が実現され、同社のキャンピングカーは、業界でもひときわ先進的な試みが追求されたクルマであるという認知を受けてきた。

その同社が開発したソーラーシステムが、このたび財団法人日本産業デザイン振興会による 「グッドデザイン賞」 を獲得。同社が進めてきた環境対策技術に、より一層社会的な注目が集まることになった。

《 フォルムと一体となった新デザイン 》

キャンピングカーには電気が不可欠だ。
各種照明、電子レンジ、テレビ、冷蔵庫、冷暖房などの恩恵に授かりたいときは、いずれも電気の力を借りることになる。
ところが、その電気は、バッテリーに蓄電されたものしか使用できない。
再度蓄電して使用するとなると、エンジンを作動させてベース車のオルタネーターから発せられた電力をサブバッテリーに蓄電するか、もしくは発電機などに頼るという方法しかなかった。
ところが、それらは、基本的には車両のアイドリングに頼るか、発電機のエンジンを駆動することによって電力を得る方法なので、騒音と環境汚染がつきまとってしまう。
キャンプ場でAC電源を引くといっても、それも基本的には重油を焚いて得られる電力なので、大きな目でみれば、化石燃料を燃やすことによって得られる電気であることには変わりがない。
トイファクトリーが開発した 「ハイエース用ソーラーパネルアタッチメント&システム」 というのは、太陽エネルギーを採り入れることによって、化石燃料を燃やすことなく、クリーンでかつ継続的な燃料供給を実現した発電システムのことをいう。

キャンピングカーにソーラーパネルを取り付ける発電システムは、これまでも採用例があるが、従来のものは四角いソーラーパネルをそのままルーフに載せただけのもので、空力特性も悪く、無骨感の漂うものでしかなかった。

▲ トイファクトリーのデザイナーたち
同社のソーラーシステムは、このソーラーパネルの搭載を前提としたエアロフォルムを企画段階からデザインしたところが違っている。
これにより、ソーラーパネルを積んでいるのかいないのか分からないほど自然なフォルムが実現されたばかりでなく、キャンピング車としての構造要件や機能を効率よく満たすためのトータルデザインが完成している。同社のハイエースが 「グッドデザイン賞」 の対象となったのも、そこのところが評価されたからにほかならない。

このソーラーシステムは、ベース車両のオルタネーターとソーラーパネルの両方から充電ができる 「ハイブリット充電システム」 になっているところに特徴があり、エンジン停止中も、ソーラー発電によってキャンプ装備用のサブバッテリーと、車両のメインバッテリーの両方に充電できるようになっている。
日中太陽が出ていればどこでも発電し、絶えずバッテリーに充電しているので、夜間に電気を使用しても、それが枯渇する不安から解放される。

トイファクトリーでは、このソーラー発電システム一式を自社で活用するにとどまらず、他社のキャンピングカーにも標準装備できるようにして、キャンピングカー全体の 「無公害電力供給」 を目指している。
《 キャンピングカーも地球との調和が必要 》
同社の藤井昭文社長は、こう述べる。
「地球温暖化による異常気象が頻発する中で、社会は今、豊かさを保ちながら地球と調和する新しいライフスタイルを考える時期に来ています。
キャンピングカー製作も例外ではありません。
地球環境保全のために行動が求められる今、トイファクトリーは、暮らしの豊かさを満たしながら自然環境にも配慮することをテーマとしてソーラーシステムを開発してきました。
そして、開発のスタート時点から私たちスタッフにあったのは、製品に結実させたデザイン性と機能性を、業界の枠を超えたステージで発表し、アピールしてみたいという思いでした。
その絶好の機会として選択したのが今回のグッドデザイン賞へのチャレンジです。
幸いにも、われわれのルーフソーラーシステムは1次審査、最終審査をクリアし、グッドデザインエキスポでの一般公開を経て、グッドデザイン賞授賞の栄誉をつかむことができました。
ここに至るまでに、私たちは、明日の開発につながる多くのことを学ぶことができました。
チャレンジすることで、スタッフの士気も大いに上がりました。
そしてそれこそが、今回のグッドデザインチャレンジで得た最高の成果だったと考えています」
このエコシステムの開発により、車両のアイドリングストップやCO2の排出量低減が実現されたばかりでなく、ユーザーにとっては燃費向上、消費電力の節約など、数々の経済効果を得ることになる。
京都議定書に掲げられた目標年の2012年に向けて、全ての企業に温室効果ガス削減努力が求められる時代になった。
キャンピングカー業界でも、それに向けた車両が開発され、さらに、それがグッドデザイン賞を獲得した意義はきわめて大きい。
民主党政権が誕生してから鳩山首相が唱えた 「温室効果ガス排出量の25%削減」 が話題を呼んでいる。
今のところ、産業界からの反発も一部あるようだが、海外の政治指導者やメディアはこれを高く評価しているようだ。
いよいよ世界的な規模で、地球の温暖化を防止する声が高まる時代が来たといえよう。
すでに乗用車メーカーは、ハイブリッドカーや電気自動車などの量産化を進めており、大きなストライプで環境保全へのステップを踏み出している。
キャンピングカー業界でもその方向性をいち早く先取りし、開発車両に二酸化炭素 (CO2) の排出量低減を目指したエコシステムを積極的に採り入れてきたメーカーがある。
日本のトイファクトリーは、世界的な規模でみても、その問題に最も真摯に取り組んできたメーカーの一つに違いない。
同社は、これまでも自動車のエンジンから排出されるCO2の低減を意図して、ヒーター/エアコンの使用を抑えるための 「断熱対策」 を心がけてきたが、今年になってからは、独自のソーラーシステムを開発することで、クリーンエネルギーの確保を追求してきた。
それにより、アイドリングストップ、燃費向上、CO2の排出量低減が実現され、同社のキャンピングカーは、業界でもひときわ先進的な試みが追求されたクルマであるという認知を受けてきた。

その同社が開発したソーラーシステムが、このたび財団法人日本産業デザイン振興会による 「グッドデザイン賞」 を獲得。同社が進めてきた環境対策技術に、より一層社会的な注目が集まることになった。
《 フォルムと一体となった新デザイン 》
キャンピングカーには電気が不可欠だ。
各種照明、電子レンジ、テレビ、冷蔵庫、冷暖房などの恩恵に授かりたいときは、いずれも電気の力を借りることになる。
ところが、その電気は、バッテリーに蓄電されたものしか使用できない。
再度蓄電して使用するとなると、エンジンを作動させてベース車のオルタネーターから発せられた電力をサブバッテリーに蓄電するか、もしくは発電機などに頼るという方法しかなかった。
ところが、それらは、基本的には車両のアイドリングに頼るか、発電機のエンジンを駆動することによって電力を得る方法なので、騒音と環境汚染がつきまとってしまう。
キャンプ場でAC電源を引くといっても、それも基本的には重油を焚いて得られる電力なので、大きな目でみれば、化石燃料を燃やすことによって得られる電気であることには変わりがない。
トイファクトリーが開発した 「ハイエース用ソーラーパネルアタッチメント&システム」 というのは、太陽エネルギーを採り入れることによって、化石燃料を燃やすことなく、クリーンでかつ継続的な燃料供給を実現した発電システムのことをいう。
キャンピングカーにソーラーパネルを取り付ける発電システムは、これまでも採用例があるが、従来のものは四角いソーラーパネルをそのままルーフに載せただけのもので、空力特性も悪く、無骨感の漂うものでしかなかった。
▲ トイファクトリーのデザイナーたち
同社のソーラーシステムは、このソーラーパネルの搭載を前提としたエアロフォルムを企画段階からデザインしたところが違っている。
これにより、ソーラーパネルを積んでいるのかいないのか分からないほど自然なフォルムが実現されたばかりでなく、キャンピング車としての構造要件や機能を効率よく満たすためのトータルデザインが完成している。同社のハイエースが 「グッドデザイン賞」 の対象となったのも、そこのところが評価されたからにほかならない。
このソーラーシステムは、ベース車両のオルタネーターとソーラーパネルの両方から充電ができる 「ハイブリット充電システム」 になっているところに特徴があり、エンジン停止中も、ソーラー発電によってキャンプ装備用のサブバッテリーと、車両のメインバッテリーの両方に充電できるようになっている。
日中太陽が出ていればどこでも発電し、絶えずバッテリーに充電しているので、夜間に電気を使用しても、それが枯渇する不安から解放される。
トイファクトリーでは、このソーラー発電システム一式を自社で活用するにとどまらず、他社のキャンピングカーにも標準装備できるようにして、キャンピングカー全体の 「無公害電力供給」 を目指している。
《 キャンピングカーも地球との調和が必要 》
同社の藤井昭文社長は、こう述べる。
「地球温暖化による異常気象が頻発する中で、社会は今、豊かさを保ちながら地球と調和する新しいライフスタイルを考える時期に来ています。
キャンピングカー製作も例外ではありません。
地球環境保全のために行動が求められる今、トイファクトリーは、暮らしの豊かさを満たしながら自然環境にも配慮することをテーマとしてソーラーシステムを開発してきました。
そして、開発のスタート時点から私たちスタッフにあったのは、製品に結実させたデザイン性と機能性を、業界の枠を超えたステージで発表し、アピールしてみたいという思いでした。
その絶好の機会として選択したのが今回のグッドデザイン賞へのチャレンジです。
幸いにも、われわれのルーフソーラーシステムは1次審査、最終審査をクリアし、グッドデザインエキスポでの一般公開を経て、グッドデザイン賞授賞の栄誉をつかむことができました。
ここに至るまでに、私たちは、明日の開発につながる多くのことを学ぶことができました。
チャレンジすることで、スタッフの士気も大いに上がりました。
そしてそれこそが、今回のグッドデザインチャレンジで得た最高の成果だったと考えています」
このエコシステムの開発により、車両のアイドリングストップやCO2の排出量低減が実現されたばかりでなく、ユーザーにとっては燃費向上、消費電力の節約など、数々の経済効果を得ることになる。
京都議定書に掲げられた目標年の2012年に向けて、全ての企業に温室効果ガス削減努力が求められる時代になった。
キャンピングカー業界でも、それに向けた車両が開発され、さらに、それがグッドデザイン賞を獲得した意義はきわめて大きい。
2009年09月20日
転換期に立つRV
「関西キャンピングカーショー2009」 に行ってきました。
そこで気づいたことは、ミニチュアダックスフンドの多いこと。
隣りの館でペットショーが開催されていため、そちらから流れてきたお客さんも多いせいか、会場には犬連れ来場者の姿がいっぱい。
よく見ると、犬種としてダックスフンドが多いのです。
「大阪はダックスの町だな」
…と、妙に感心してしまったのです。
帰って来て、カミさんにそう言ったら、
「あなた、去年も同じことを言っていたわよ」
と指摘されちゃいました。
ま、うちで飼っている犬がミニダックスなので、ついつい同じ犬種に目がいってしまうのでしょうね。
同じ犬種でも、犬はよく見るとみな違った風貌をしています。
それぞれの飼い主にはみな見分けがつくのですが、あれだけ同じ種類がいっぱいいると、中には似た顔同士のワンコも出てくるんですね。
そんなとき、飼い主たちが、リードをベンチの脚かなんかにつないで買い物したりしたときに、ふと、隣りの犬を間違って連れて行ったりしないかしら。
会場にあれだけ人間が多いと、犬だって、飼い主の顔とか匂いをはっきり区別するとは限りません。
犬は犬で、 「あれ、うちのご主人…こんな顔だったっけ? こんな匂いだっけ?」
と、半信半疑に別の飼い主の家まで帰り、
「なんか家の様子が違うな…。引越しでもしたのかな…」
などと思いながら、まぁ、それでもお互いに平和に、つつがなく新しい生活を始める……。
そんなことって、あり得ないでしょうかね。
……さて、少し文体を変えて、ちょっとショー会場で感じたことをレポート。
《 大転換期を迎えたRV業界 》
キャンピングカー (RV) 業界は、今、奇妙な戸惑いの中にいる。
とてつもない 「鉱脈」 にぶち当たったのに、それを、どう掘り進めればいいのか。
その手前で、焦燥とも、興奮ともつかぬ胸騒ぎの中で、途方に暮れているような気がする。
今回のキャンピングカーショーで、いろいろなビルダー・販社の方々と話しているうちに、そう思った。
日本RV協会 (JRVA) が発表した08年度の販売状況を見ると、あの原油価格の高騰、世界的金融危機という逆風の中で、国産キャンピングカーに限っていえば、昨年度の販売台数は、その前年よりも上回ったのだ。
乗用車販売が4年連続の前年比割れを起こしていたことを考えると、これは驚異であるかもしれない。
しかし、その内実を見ると、不思議な現象が起きている。
「8ナンバー以外のクルマが売れている」
つまり、法的に 「キャンピングカー」 として登録しなくてもよいクルマが、昨年は飛躍的な台数を伸ばし、それがキャンピングカー登録のできる従来の “8ナンバー車” の販売的な落ち込みをカバーしたのだ。
具体的にいうと、シンク (流し) の存在やベッド寸法などの規定において、キャンピングカーの “定義 = 構造用件” にとらわれないクルマが、昨年から今年にかけて、大きな売れ筋として浮上してきたのである。
それも、その主力は小型車。
これは、4ナンバー登録の軽自動車キャンパーが増えたことで顕著になった傾向でもあるが、それ以外のベース車でも、ダウンサイジング傾向は見られる。
ハイエースでいえばスーパーロングではなく、ロングワイドやナローボディのクルマだ。
今、比較的コンスタントに売れているこれらのクルマは、ワゴンライクなシートレイアウトを持ち、簡単な操作で荷室スペースも広くなり、トイレ、冷蔵庫、流し、コンロなどにこだわらない小型のキャンピングカーなのである。
▲ 乗用車ベース (バン) の簡易キャンパーの室内
この “説明” は、ある意味で、簡単である。
つまり、通勤、買い物、ドライブ、キャンプなどマルチにこなすファースカー・コンセプトのクルマが求められる時代になった…というもの。
裏を返せば、キャンプ専用のキャンピングカーと、日常的に使う乗用車という 「2台保有」 を前提としていた所有形態が、この経済不安が長く続く時代において難しくなってきたということを意味する。
さらに、もうひとつ考えられることは、ここに来て、裾野が一気に拡大したことだ。
従来ならば、 “高額商品” というイメージが先行していたために、その購入をハナから考えてもいなかった人々が、軽自動車キャンピングカーや低価格キャンピングカーの存在に気づき、にわかに興味を持ち始めたという事情もある。
▲ 軽自動車キャンピングカー
その底辺の広がりが、売価の高い高規格キャンピングカーを求めない人たちの層も厚くした。
多くの人々の分析は、そこに集約される。
しかし、そのような説明ではすべてを解明できない、何か新しい変化が起きているように思えるのだ。
まさに地殻変動のような大きなうねりが起こり始めているのかもしれない。
そうも思うのだ。
あるビルダーの社長は、こう言った。
「今年のゴールデンウィークにテレビを見ていたら、レポーターが高速道路のサービスエリアで、行楽のために車内で寝泊りしていた人々を取材していた。
そのとき驚いたのは、レポーターが 『車中泊』 という言葉を、何のためらいもなく使っていたことだ。
『車中泊』 という言葉は、日常用語の中に浸透してきたとはいえ、まだまだそれを “趣味” としていた人々の間に定着した言葉だと思っていた。
しかし、すでにマスコミは、 『車中泊』 という “ライフスタイル” が存在することに気づいたのだ」
この社長の驚きはよく理解できた。
確かに、ワンボックスワゴン、ミニバン、ステーションワゴンあるいは普通のセダンを利用して、高速道路のSAや 「道の駅」 で寝泊りする人たちが激増していることは、相当前からキャンピングカー業界では話題になっていた。
事実、書店に行くと、 「車中泊」 のノウハウを解説した雑誌、ムック、単行本はすでに新しいコーナーを形成しているし、ネットで 「車中泊」 関連のワードを検索すると、ヤフーで約300万件。
すでに、 「クルマの中で寝泊りしながら旅をする」 という旅行スタイルが、日本ではしっかり定着してきたことが分かる。
彼らは “キャンピングカー予備軍” なのか。
それとも、キャンピングカーユーザーとは永遠に交わらない人々なのか。
ビルダーの首脳陣が集まる会議などでは、そんな議論もなされてきた。
たいていの場合、キャンピングカーを購入できるお金が貯まれば、その人たちはキャンピングカーのマーケットに参入してくるという意見が大半を占めるのだが、一方では、 「いや、あれはキャンピングカー的な使い方とはまったく別のライフスタイルを目指す人々だ」 と語る業者さんもいる。
今のところ、キャンピングカーの構造用件を満たす必要のない小型バンコンの出足が目立つところを見ると、前者の意見の方がマトを射ているように思える。
一概にはいえないが、それらのクルマは装備品目もレイアウトもシンプルで、その分コストを下げて、売価を抑えている。
つまりは、現在 「車中泊」 を楽しんでいる人たちのニーズにかなった仕様が実現されたもので、キャブコン、バンコンともに、そういう車種をリリースするビルダーが増えている。
▲ キャブコン
▲ バンコン
しかし、あるビルダーの開発者はいう。
「それで本当にいいのだろうか…。市場が求めるものを造っていくのはビルダーの責務で、そうしなければ食べていけないのも事実だが、これまで積み上げてきたキャンピングカービルダーとしてのスキル、技術的成果といったものが、ほとんど試されない時代になってしまったようにも思う」
日本のキャンピングカー業界は、ここ10年ぐらいのうちに、欧米先進国とは違ったスタイルの高度な 「RV文化」 を創造してきた。
そこで造られてきたクルマは、みないかにも日本的な細かい配慮に裏打ちされた、洗練された 「日本様式」 のようなものを確立しつつある。
だから、ビルダーたちの本音は、 「車内で寝るため」 に特化した “骨組みだけ” のクルマではなく、自分たちの秘術を十分に発揮した “肉付けのある” クルマを正当に評価してほしい、というところにある。
▲ 高規格型バンコン
ところが、 「車中泊」 というライフスタイルが大きくせり出してきたことによって、従来のキャンピングカー・コンセプトも、大きな修正を迫られそうな空気も生まれた。
その傾向が、今後のトレンドとしてそのまま定着していくのか。
それとも、さらに、そこからもっと進化したキャンピングカースタイルというものが発展していくのか。
多くのビルダーは、確実に売れていく簡易キャンピングカーと、自分たちの技術成果をはっきり謳える高規格キャンピングカーとの狭間 (はざま) に立って、奇妙な戸惑いを感じている。
私は、こう思う。
どちらも、アリなのだ。
戸惑っているのは、実は、ビルダーだけでなく、一般乗用車で 「車中泊」 を楽しんでいる人たちも、また同様に戸惑っているのだ。
つまり、業界もまたユーザーも、新しく生まれてきた 「車中泊」 という旅行スタイルをどう確立していくのかということに対し、その明確な答を持っていないことにはおいては変りがない。
そのようなライフスタイルが、この先どういう 「旅行像」 を形成するのか。
それによって、日本のレジャー産業がどう変るのか。
また、公共の駐車スペースを利用した場合のマナーとかゴミ問題はどう処理されるのか。
すべては未知数である。
だから、このまま手をこまねいていれば、それは既成の観光産業を破壊することにもなりかねないし、旅行のモラルやマナーを低下させることも起こりうる。
しかし、逆にいえば、新しい観光産業の育成に多大な貢献を果たし、新しい旅行ルールを確立することにもつながる。
そのような大きなテーマが、やがてマスコミでも採りあげられる時代が来るだろうが、そこでキャンピングカー業界が果たす役割は大きい。
つまり、 「車中泊」 を “文化” として高めることができるかどうかは、キャンピングカー業界が、今後どのようなクルマを造っていくかにかかっている。
確実にいえることは、 「旅とは何だ?」 というテーマにしっかり答を出したキャンピングカーだけが生き残る。
構造用件を満たしていない簡易キャンパーだろうが、高い技術水準に満たされた高規格キャンピングカーだろうが、 「旅とは何だ?」 、 「旅することによって何が実現できるのだ?」 という問をいったん深く沈ませ、そこから力強く浮上する哲学を持ったクルマだけが生き残る。
「何か新しい変化が起きている」
といった意味は、そのような哲学が必要となる時代が訪れたという意味だ。
では、その 「哲学」 とは何か。
ある簡易キャンパーを開発したスタッフは、こう言った。
「このクルマは、2人しか寝られない。 “2名就寝” といえば、今までは夫婦という単位で考えられることが圧倒的に多かった。
しかし、このクルマは、男親と息子で乗ってほしい。
男親が、息子に何かを伝えるという精神風土が日本から消えている。
古い道徳律を持ち出してベタな説教をしても、もう子供たちはそれを聞く耳を持たない。
だから、父親が無言で運転してもいい。
そして、たとえば、釣りのポイント近くで車中泊をして、朝には、黙って息子にも釣竿を渡し、自分が釣り糸を垂れる姿を見せるだけでいい。
その無言のやりとりこそが、実はしっかりした 『会話』 であることを伝えるのが、このクルマだ。
だから、ある意味で、お母さんも入れた三角形構造の “家族” を拒否するクルマでもあるのだ」
挑発的で、大胆な発想である。
しかし、これもまた、ひとつの 「旅の哲学」 に違いない。
そして、そのような説明を聞けば、確かに目指すべきコンセプトがそのクルマからにじみ出ていることが分かる。
また、別のビルダーの開発者は、こう言った。
こちらは、かなり造り込んだクルマである。
「運転席とリビングは、ウォークスルーできないように仕切ってある。
リヤゲートを開けても、そこから車内には簡単に入れないように、わざと後ろ側にも壁を作っている。
つまり、 “便利さ” を追求することとはまったく逆行したクルマである。
これが常識に反していることは、自分でも自覚している。
しかし、そのことによって、自動車の “匂い” から完全に解放された一種の 『リゾート空間』 が生まれた。
旅が日常性からの解放であるならば、キャンピングカーもまた、自動車から解放されなければならない」
これも 「哲学」 である。
このビルダーは、そのようなコンセプトが常識とかけ離れていることも自覚して、前後の壁を取り払った普通のレイアウトもレスオプションで用意した。
しかし、それは杞憂(きゆう) に終わった。
購入したほとんどのユーザーは、ビルダーの 「哲学」 を支持したのである。
「車中泊派」 が、キャンピングカーユーザーの予備軍になるのか、ならないのか。
そんなことを審議していても何も始まらない。
「このクルマに乗ったら、何が実現できるのか」
それを明確にコンセプトメイクできたクルマが、結果的に、 「車中泊」 という新しい旅行スタイルを求める人たちの大鉱脈を掘り始めることができる。
2009年07月31日
日本のRVの歴史
日本に、いつ 「キャンピングカー (RV) 」 なる乗り物が登場し、それがどのように発展していったか。
それをまとめる仕事を始めて、2年が経過してしまった。
決してのんびり構えていたわけではないのだが、いろいろな人に取材をして、それを原稿にまとめ、その内容が正しいかどうか再度チェックしてもらうという手順を踏まえていると、ついつい時間がかかってしまう。
この間、取材させていただいた人々は20人以上に及ぶ。
今も現役のビルダーの社長さんとして活躍されている人もいれば、すでにリタイヤされて、のんびりと余生を楽しんでおられる方もいる。
ハンドメイドのキャンピングカーを造り続け、業界とは関係ないところでキャンピングカーの発展に寄与された方もいる。
「当時のことはおぼろげながら覚えているものの、詳しいことは忘れてしまった」
という人も多い。
そういう場合は、年表や資料にも目を通してもらい、じっくりと時間をかけて思い出してもらう。
なにしろ、国産初のキャンピングカーというものが生まれたのは、1950年代 (昭和30年代) のことだから、今から60年も前のことになる。
その国産初のキャンピングカーに乗られた方は、すでに亡くなられており、その周辺で活躍され、そのデータを保存されている方々ももう60代~70代という歳になる。

▲ 国産初のキャンピングカーといわれる 「エスカルゴ号」
「町田さんがこの資料をまとめておかなければ、貴重な証言が保存されないまま終わるところでしたね」
取材させていただいた人の中には、そう励ましてくれる人もいた。
乗用車の歴史をまとめるなら、各メーカーに資料が残っており、データを保存する公的機関もある。
しかし、個人が手作りでキャンピングカーを造ってきた歴史の長い日本では、それを統括してまとめようとした機関もなく、当然、資料も少ない。
実作に携わった人たちの証言だけが、唯一の貴重なデータとなる。
最初は雲をつかむような状態だった。
それでも、いろいろな証言が蓄積して、縦糸に横糸が絡まるように、徐々に立体化されてくると、おぼろげながらも 「日本のキャンピングカー史」 が浮かび上がるようになった。
面白い発見がいくつもあった。
日本のキャンピングカーは、60年代の後半から70年代のはじめに、ひとつの大きな盛り上がりを見せたにもかかわらず、石油ショックのせいで一気にしぼんでしまい、再び興隆するには10年のラグがあったことも分かった。
その “空白の10年” を支えたものは、ひとつは、個人が自分の乗りたいものを好きなように造ったハンドメイドキャンピングカー。
そしてもうひとつは、内装・外装をにぎやかにドレスアップしたバニングだった。
日本のキャンピングカーは、この両者が絡み合い、刺激しあいながら発展してきたのである。
そして、それらのクルマに、ひとつの理想像を与え、完成度を高めさせたのが輸入キャンピングカーだった。
本書では、それらに携わるヒーローたちが登場する。
たぶんその人たちが、日本のキャンピングカーを発展させた伝説の人物として記録されることになるのだろうし、そうあってほしいと思いつつ原稿を進めた。
だから、堅苦しい表現はできるだけ避けて、そういう人たちの熱い思いがそのまま伝わるように、会話形式を重視した。
「あれは、はっきりとは思い出せないんだけど、たぶん…」
というような話し方になったときは、その言葉をそのまま使って臨場感を出すように工夫した。
スタジオ録音ではなく、ライブの感覚。
そのナマっぽい空気を読みとって、
「面白かったから一気に読んでしまった」 と言ってくれた人もいた。
すでに9割方のテキストを書き終え、今はその手直しと写真や資料の整理に取りかかったところだ。
これが発表されるのは秋になると思うが、いまだに上手いタイトルが浮かばない。
読んでくださった方の中には、 「物語」 という言葉を入れた方がいいという人もいれば、 「キャンピングカーというより、広い意味でのRVの歴史」 と謳った方がいいという人もいる。
誰もが、 「自分の歩いてきた道のりが、ひとつの資料として後世に残ることを楽しみにしている」 という気持ちを抱いていることだけは伝わってきた。
しかし、自分はこれを “プロトタイプ” だと思っている。
この資料が刊行されることによって、ここに登場しない方々からも、さらなる証言や新事実が寄せられることになるだろう。
そのような声をもう一度収録し、より完成度の高い資料としてまとめあげたときに、ようやく、どこに出しても恥ずかしくない “量産型” の資料が生まれるように思う。
資料が完成して公開されたあとは、このブログにおいても、少しずつ連載するような形を取りたい。
それをまとめる仕事を始めて、2年が経過してしまった。
決してのんびり構えていたわけではないのだが、いろいろな人に取材をして、それを原稿にまとめ、その内容が正しいかどうか再度チェックしてもらうという手順を踏まえていると、ついつい時間がかかってしまう。
この間、取材させていただいた人々は20人以上に及ぶ。
今も現役のビルダーの社長さんとして活躍されている人もいれば、すでにリタイヤされて、のんびりと余生を楽しんでおられる方もいる。
ハンドメイドのキャンピングカーを造り続け、業界とは関係ないところでキャンピングカーの発展に寄与された方もいる。
「当時のことはおぼろげながら覚えているものの、詳しいことは忘れてしまった」
という人も多い。
そういう場合は、年表や資料にも目を通してもらい、じっくりと時間をかけて思い出してもらう。
なにしろ、国産初のキャンピングカーというものが生まれたのは、1950年代 (昭和30年代) のことだから、今から60年も前のことになる。
その国産初のキャンピングカーに乗られた方は、すでに亡くなられており、その周辺で活躍され、そのデータを保存されている方々ももう60代~70代という歳になる。
▲ 国産初のキャンピングカーといわれる 「エスカルゴ号」
「町田さんがこの資料をまとめておかなければ、貴重な証言が保存されないまま終わるところでしたね」
取材させていただいた人の中には、そう励ましてくれる人もいた。
乗用車の歴史をまとめるなら、各メーカーに資料が残っており、データを保存する公的機関もある。
しかし、個人が手作りでキャンピングカーを造ってきた歴史の長い日本では、それを統括してまとめようとした機関もなく、当然、資料も少ない。
実作に携わった人たちの証言だけが、唯一の貴重なデータとなる。
最初は雲をつかむような状態だった。
それでも、いろいろな証言が蓄積して、縦糸に横糸が絡まるように、徐々に立体化されてくると、おぼろげながらも 「日本のキャンピングカー史」 が浮かび上がるようになった。
面白い発見がいくつもあった。
日本のキャンピングカーは、60年代の後半から70年代のはじめに、ひとつの大きな盛り上がりを見せたにもかかわらず、石油ショックのせいで一気にしぼんでしまい、再び興隆するには10年のラグがあったことも分かった。
その “空白の10年” を支えたものは、ひとつは、個人が自分の乗りたいものを好きなように造ったハンドメイドキャンピングカー。
そしてもうひとつは、内装・外装をにぎやかにドレスアップしたバニングだった。
日本のキャンピングカーは、この両者が絡み合い、刺激しあいながら発展してきたのである。
そして、それらのクルマに、ひとつの理想像を与え、完成度を高めさせたのが輸入キャンピングカーだった。
本書では、それらに携わるヒーローたちが登場する。
たぶんその人たちが、日本のキャンピングカーを発展させた伝説の人物として記録されることになるのだろうし、そうあってほしいと思いつつ原稿を進めた。
だから、堅苦しい表現はできるだけ避けて、そういう人たちの熱い思いがそのまま伝わるように、会話形式を重視した。
「あれは、はっきりとは思い出せないんだけど、たぶん…」
というような話し方になったときは、その言葉をそのまま使って臨場感を出すように工夫した。
スタジオ録音ではなく、ライブの感覚。
そのナマっぽい空気を読みとって、
「面白かったから一気に読んでしまった」 と言ってくれた人もいた。
すでに9割方のテキストを書き終え、今はその手直しと写真や資料の整理に取りかかったところだ。
これが発表されるのは秋になると思うが、いまだに上手いタイトルが浮かばない。
読んでくださった方の中には、 「物語」 という言葉を入れた方がいいという人もいれば、 「キャンピングカーというより、広い意味でのRVの歴史」 と謳った方がいいという人もいる。
誰もが、 「自分の歩いてきた道のりが、ひとつの資料として後世に残ることを楽しみにしている」 という気持ちを抱いていることだけは伝わってきた。
しかし、自分はこれを “プロトタイプ” だと思っている。
この資料が刊行されることによって、ここに登場しない方々からも、さらなる証言や新事実が寄せられることになるだろう。
そのような声をもう一度収録し、より完成度の高い資料としてまとめあげたときに、ようやく、どこに出しても恥ずかしくない “量産型” の資料が生まれるように思う。
資料が完成して公開されたあとは、このブログにおいても、少しずつ連載するような形を取りたい。
2009年07月30日
金持ちの贅沢品?
前回のブログで、 「キャンピングカー」 という言葉に代わる言葉として、 「RV」 というのはどうよ?
…という話を書いた。
それについて、これまたキャンピングカー業者さんの話なんだけど、 「賛成!」 という人に会った。
この業者さんは、 「女性の感性に訴えるキャンピングカー」 という路線を戦略的に追求されている業者さんだったが、やはり 「キャンピングカー」 という言葉を使うと、 「誤解される場合が多い」 というのだ。
どういう誤解かというと、 「キャンピングカー」 という言葉自体に 「高額商品」 というイメージがつきまとってしまい、なかなかその先入観が払拭されないという。
だから、たとえば主婦たちの集まりで、ある奥さんが 「うちはキャンピングカーを買ったの」 などといえば、
「ええ!? リッチねぇ」
「贅沢ねぇ!」
…という、賛辞とも嫉妬とも取れる過剰な反応を呼び起こし、そのあと、影でこそこそっと 「あそこのうちは、お金持ちよねぇ」 とか言われてしまうことが目に見えているので、うっかり 「キャンピングカー」 という言葉は使えない…という主婦がけっこういるんだそうだ。
まぁ、人気のプリウスが190万円、200万円などと話題になっている昨今、キャンピングカーはその2倍ぐらいの価格帯のところに集中しているクルマが多いので、確かに “高額” という印象を伴うのは事実。
しかし、車種によっては200万円台、300万円台のものもあるし、就寝機能、荷物の収納機能、炊事機能、断熱性など、トータルに 「快適な旅」 を実現するためのクルマとみれば、決してベラボーに高額なクルマではないのだ。
ところが、一般的に 「キャンピングカー」 というと、それだけで1千万円越えの高級車として受け取られることが多く、平均的な価格帯はそれよりはるかに安いのに、なかなかその事実が浸透しない。
この不況下においては、 「贅沢者はねたまれる」 という風潮が横行しているため、誰もが 「お金持ちである」 という誤解を受けたくないという心理を募らせている。
たとえお金を持っていても、 「人に見られる生活レベルはひたすら質素に」 というのが今の庶民感覚だと、その人は語る。
つまりは、主婦たちの集まりで、うかつに 「キャンピングカー」 という言葉を出せないところに、今のキャンピングカーが口コミとして広がっていかない理由のひとつがある、という話になった。
「キャンピングカー」 という言葉自体が 「お金持ちの贅沢品」 と取られるのは、キャンピングカーの利便性やそれによって得られるライフスタイルの変化を考えると、はっきり言って誤解である。
その誤解を解くためには、いろいろなキャンペーンを展開して、キャンピングカーの金額というのは本当はリーズナブルなものであると広報していくやり方もひとつあるだろう。
しかし、 「キャンピングカー」 というイメージが、一般的に 「お金持ちの贅沢品」 と思われる風潮が根強いならば、言葉そのものを見直す必要も出てくるかもしれない。
「RV」 と言い換えることは、個人的には無難かな…と思っているけれど、皆さんはどうですか?
2009年07月29日
RVってどうよ?
最近、キャンピングカーを販売している業者さんたちと話すときに、ときどき出てくるテーマのひとつに、
「キャンピングカーって言葉に代わるものはないか?」
というのがある。
つまり 「キャンピングカー」 というと、 「ああ、キャンプするためのクルマね」 と短絡的に受け取られてしまい、キャンプそのものに興味のない人にそっぽを向かれるというのだ。
ある販売店の人が、キャンピングカーとは関係ないイベント会場で、無差別に 「キャンピングカーに興味ありますか?」 と来場者に尋ねたところ、5人に2人が、 「俺、キャンプファイアーやバーベキューなんかしないもん」 と答えたという。
要するに、 「キャンピングカー」 という響きから、キャンプファイアーやバーベキューしか連想しない人はいまだに多く、そういう人に限って、 「キャンプ」 というと、山に入ってタキギを集めたり、テントの周りに穴を掘るものだと思い込んでいるという。
確かに、キャンピングカーには、キャンプをするために適した装備を持つものが多い。
しかし、今キャンピングカー業者さんたちが扱っているキャンピングカーというのは、キャンプだけでなく、普通のドライブも十分こなせるし、広い意味で 「旅をするクルマ」 になっている。
そこのところをキャンプに関心のないお客さんにどう理解してもらえるか。
それが、一部の業者さんたちの悩みのタネになっているらしい。
彼らの話を聞いていると、 「キャンピングカー」 という言葉に、自分たちの扱うクルマのカテゴリーを十分に表現していないという “もどかしさ” を感じているという思いが伝わってくる。
考えてみると、 「キャンピングカー」 という言葉を使うのは、世界の中でも日本だけである。英語文化圏でも 「キャンピングカー」 という言葉が通じるという人もいるが、用語としては、普及も定着もしていない。
北米文化圏で、日本のキャンピングカーに相当するものを表現するときは 「レクリエーショナル・ビークル (RV) 」 を使うし、ヨーロッパではトレーラーを 「キャラバン」 、自走式を 「モーターキャラバン」 と呼び、いずれも 「キャンプ」 という概念に縛られてはいない。
クルマに生活設備を積んで、野山で遊ぶことを先に覚えた欧米人に比べ、日本ではオートキャンプ場が整備されてからキャンピングカーが市販されるようになった。
日本のキャンプ文化の礎が築かれようとしていた時代は、オートキャンプの発展に貢献した人たちと、キャンピングカーに関心を持つ人たちが重なっていたので、キャンプをより便利に楽しく経験するためのツールとして、キャンピングカーという存在はごく自然に認知されていった。
しかし、欧米においては、キャンピングカーは必ずしも 「キャンプ」 だけを目的としたクルマではない。それは広い意味で、 「旅行のためのクルマ」 である。
彼らも旅の宿泊場所としてはキャンプ場を使うのだが、キャンプ場そのものが、日本のキャンプ場とはひと味違っていて、キャンプそのものを目的とした場所というよりも、 「自動車旅行のための宿泊施設のひとつ」 という位置づけがなされており、建設される場所も、場内整備も、自動車旅行を前提とした造りになっている。
私は、最近の日本のキャンプ場というのは、欧米並みの 「宿泊施設」 という条件を立派に満たすものが増えてきたと感じる。場内にお風呂や食堂を備えたところも多くなり、ひと昔前のキャンプ場が持っていた 「汗くさい」 「泥だらけになる」 というイメージとはかけ離れたスマートなキャンプ場が増えたと思う。
しかし、ある人に言わせると、
「それは町田さんがキャンプ場を知っているからですよ」
ということになる。
「キャンプ場を知らない人からすると、キャンプというのは虫やヘビが寄ってきても気にしない、タフな精神を持つ野人趣味の遊びに過ぎず、難行苦行をいとわない人たちのレジャーと思われてしまうんですよ」
と、その人は語った。
そして、結論として 「キャンピングカーという言葉は、野人趣味を持つタフな人たちの “暑苦しいクルマ” と思われがちだ」 という話になった。
だからといって、キャンピングカーを別の言葉に置き換えようとしたとき、果たして何がいちばん適切なのか。
その有効な答はない。
「レジャーカー」
「ピクニックカー」
「プレジャーカー」
などという言葉を唱える人もいるが、これほどまでに定着した 「キャンピングカー」 という言葉に、今すぐ取って代わるようにも思えない。
そのことに気が付いた日本RV協会さんは、もう10年くらい前から 「旅ぐるま」 という言葉を考案して、それを普及させようとした。
しかし、10年経った今も、キャンピングカーを 「旅ぐるま」 と言い換えている人は少ない。
だったら、いっそのこと、北米風に 「RV」 といってしまうのはどうか。
「RV」 という言葉は、レクリエーショナル・ビークル (recretional vehicle) の略で、 「休暇・楽しみのための自動車」 という意味を含み、バンコン、キャブコン、トレーラー、モーターホームすべてを包含する。
まさにキャンピングカー業者さんの求める概念にぴたりとハマり、この言葉なら、欧米のみならず、世界に通用する。
実は、キャンピングカーを欧米流に 「RV」 という言葉で表現しようという考え方は前からあった。
しかし、それが定着しなかったのは、日本では、 「RV」 という言葉がランクル、パジェロなどのSUVやステーションワゴン、ミニバンを表現する言葉として定着し、本来の 「RV」 という概念からズレてしまっていたからだ。
しかし、1990年代に流行ったような “RVブーム” も一段落し、 「RV」 という言葉から、クロカンタイプのSUVを連想する人たちも、だいぶ高齢化した。今やファミリーレジャーに使う乗用車としては、 「ミニバン」 という言葉の方が主流になり、今ちょうど 「RV」 という言葉が宙に浮き始めている。
「RV」 という言葉の本来の意味を取り戻すのは、今がチャンスのような気がする。
そう思いませんか?
日本 “RV” 協会さん。
関連記事 「RVって何のこと?」
2009年07月25日
RV千差万別時代
東京・江東区のビッグサイトで開かれている 「東京キャンピングカーショー」 を取材してきた。
といっても、今回は、あまりクルマを取材していない。
1日中ぐるぐると会場を回ったが、ほとんど来場者にインタビューしただけだった。
「何を目的にこのショー来たのか?」
「キャンピングカーを買うなら、何を優先順位のトップに掲げるか?」
「今乗っているキャンピングカーを選んだ理由は何か?」
……等々、来場者が “キャンピングカー” というものに何を求め、何を期待して、何を実現できたのか。それを尋ねて回った。
実に面白かった。
いやいや、答は千差万別。
それぞれ、微妙に 「キャンピングカーに求めるもの」 が違う。
これでは、キャンピングカーのトレンド調査というものが、うまく成り立たないわけである。
キャンピングカーでいちばん大事な要素として、ある人は 「サイズ」 だという。車庫事情や取り回しを考えると、コンパクトで小回りの利くクルマでないと、購買の対象にならないという。
別の人がいうのは、 「車内の居住性」 。
いかに広く、いかに快適に過ごせるか。それが大事。
旦那さんが、 (カムロード系の) トラックベースの四角い感じがカッコいいといえば、隣りにいた奥さんは 「トラック顔はいや」 という。
キャンピングカーを買ってから、キャンプ場に行かなくなったという人もいあれば、逆にキャンピングカーを買ってキャンプに興味を持ち、少しずつキャンプ用品を買い揃えるようになった、という人も。
トレーラーに乗っている人は、 「トレーラーが最高!」 というし、バンコンユーザーは、それを選んだメリットを得々と話す。
しかし、輸入モーターホームを買っている人は、それでなければ楽しめない遊び方をいろいろと話してくれる。
話を聞いていると、それぞれみな理屈がしっかり通っており、どんな意見もいちいちうなずける。
なのに、統計的な答を出そうとすると、ばーんらばら。
これはどう考えればいいのか?
キャンピングカー文化が熟成期に入ったのだな…と思う。
「こういうクルマを買ったら、こう遊べ」 という押しつけが、もう通用しない時代が始まっているのだ。
キャンピングカーを持っている人もまだ持っていない人も、それぞれ自分なりの 「使い方のイメージ」 というものをしっかり確保していると感じた。
ある意味で、今までのトレンド分析などが意味をなさない、新しい文化が生まれてきているように思う。
2009年07月22日
キューブ2発表会
先だって、このブログでも紹介した 「キューブ2ルーム」 。
その記者発表会が日産プリンス東京販売 (東京都・品川区) で開かれたので、行ってきた。
キャンピングカー専門誌の記者たちも含め、一般誌の報道陣もつめかけた充実した発表会だった。
このクルマのコンセプトはこのブログでも紹介したし、日産プリンス東京販売のHPにも掲載されているので、ここでは省くけれど、招待されたメディアの反応は上々。
「ひょっとしたらボンゴフレンディのオートフリートップが出たときのような反響を呼ぶのではないか」 と予測する人もいた。
今の時代、コテコテのキャンピングカーとはまた違った、このようなライト感覚の “寝られるクルマ” を求める層がすごく増えている。
その層が、どれだけこの 「キューブ2ルーム」 に反応するのか。
また、日産プリンス販売とピーズフィールドクラフトが、そういう層にどのような広報活動を行っていくのか。
非常に興味のあるところである。
訴求力の高い商品というのは、やはり開発・設計に携わったスタッフの熱い思いがどれだけ投入されるかにかかっている。
言葉でいうと当たり前のように聞こえるけれど、少し突っ込んでいうと、開発者が、
「このクルマを造ることによって、どういう世界が生まれるのか」
というイマジネーションの広がりをどれだけ持てたかどうかで、その商品の “夢” の部分が決定される。
キューブ2ルームのポップアップ部を製作している 「キャンカーサービス」 の星野社長に、話を聞くことができた。
星野さんは、日産ピーズフィールドクラフトからの依頼を受けて、ルーフやテント部を実作しているときに、
「これに乗ったとき、携帯電話の電波の届かないところに行く気になるかどうかがカギだと感じた」
という。
面白いことをいう人だと思った。
現在のわれわれの日常生活では、携帯電話という文明の利器が欠かせない存在になっている。
それが手元にないと、不安に駆られる人の方が多いだろう。
しかし、それは逆にいうと、携帯電話が、現代人の生活のリズムをがちがちに縛ってしまったということを意味している。
しかし、人間には、仕事や規則的な日常生活からちょっとだけ離れ、流れる雲や波のうねりを、ただひたすら虚心に見つめていたいと思うことがある。
「そういうときに、このクルマで出かけ、ポップアップしたルーフ部に上がって自由な時間を満喫してもらえれば、造った方もうれしい」
と、星野さんはいう。
携帯電話から離れたいときは、電源をオフにすればいいのだけの話だけど、それでも電波が届く範囲にいれば、やはり落ち着かない。
やはり、すべての事柄から完全に 「魂」 をオフさせるには、電波の届かない場所を探すということ自体に意味があるのだとか。
「このポップアップが開いた空間というのは、本来 (のオリジナルキューブに) はなかった空間なんですね。
しかし、今度そこにまったく新しい空間が生まれたわけです。
そこを、どう活用するか。
たぶん、うまく活用できた人がいれば、そこに新しい自分が生まれていることも実感できるのでは…」
と星野さんはいう。
確かに、ポップアップしたルーフに登れば、目線が変わる。
目線が変わるということは、意識も変わるということだ。
文筆家の堺屋太一さんは、かつてモンゴル高原を旅したとき、馬に乗って大平原を移動した。
そして、徒歩や自動車で移動するときの低い目線から離れ、乗馬という高い目線を獲得することで、世界が驚くほど変わって見えることを実感する。
そのとき、モンゴル人が 「世界征服」 をイメージできた秘密もまた理解できたとか。
星野さんが、 「新しい世界が生まれる」 と語った意味は、たぶんそれに近いことなのだろう。
キューブ2ルームのテントは3方向に広い開口部を持っている。
そこから見た海や山の景色は、きっと体験した人に新しいイマジネーションを与えてくれることだろう。
2009年07月21日
タコスの4B登場
2009年度も、いつのまにか後半戦。
夏のキャンピングカーを使った行楽シーズンを控え、各社の新車開発も活発になってきた。
7月中旬に開かれた 『アウトドアフェスティバル in 信州』 では、タコスさんのブースから初のオリジナルバンコン 「4B」 がデビューした。

キャッチは 「ウッディ&ブラック」 。
落ち着いた茶系の木工家具と、一部に本革を用いたブラックシートが、このクルマのインテリアを彩るメインコンセプトだ。

開発者の田代社長によると、追求したかったイメージは、
「太くて、黒くて、柔らかい」 。
まさに鉛筆の4Bのイメージ。それがそのまま 「4B」 という車名になっている。
さらに、「B」 という名称には、ボーイズ、ブラック、ビューティフル、ビーチなど、日に焼けた男の子が元気にアウトドアを楽しむ情景が重ねられている。

そのコンセプトを見事に裏付けるように、リヤゲートを開けると、自転車、小型バイクなどを積めるラゲージスペースが登場。
遊びのギアを搭載した状態でも寝られるように、2段ベッドもしっかり装備されている。

室内は簡単な操作でコの字ラウンジを組むこともできるので、大人数でテーブルを囲んだパーティも可能。ベッド展開すると、長さ3450mm、幅1750mmのフルフラットベッドが誕生する。
ターゲットユーザーは、ずばり熟年になってもハーレー・ダビッドソンを愛するような 「フォーエーバーヤング」 な人々。
遊びのギアを積んで、アウトドアを楽しむのもよし。
小粋に街乗りに使ってもよし。
気の合う仲間とパーティを開くのもよし。
マルチに使える万能キャンパー。
大人になった今も、BOY'Sだった頃の夢を持ち続ける人たちへのメッセージが込められたクルマだ。

ベース車はハイエース・スーパーロング。
お値段は、ガソリン特装車 (2WD・4АT) で、3,937,500円 (税込み) から。
夏のキャンピングカーを使った行楽シーズンを控え、各社の新車開発も活発になってきた。
7月中旬に開かれた 『アウトドアフェスティバル in 信州』 では、タコスさんのブースから初のオリジナルバンコン 「4B」 がデビューした。
キャッチは 「ウッディ&ブラック」 。
落ち着いた茶系の木工家具と、一部に本革を用いたブラックシートが、このクルマのインテリアを彩るメインコンセプトだ。
開発者の田代社長によると、追求したかったイメージは、
「太くて、黒くて、柔らかい」 。
まさに鉛筆の4Bのイメージ。それがそのまま 「4B」 という車名になっている。
さらに、「B」 という名称には、ボーイズ、ブラック、ビューティフル、ビーチなど、日に焼けた男の子が元気にアウトドアを楽しむ情景が重ねられている。
そのコンセプトを見事に裏付けるように、リヤゲートを開けると、自転車、小型バイクなどを積めるラゲージスペースが登場。
遊びのギアを搭載した状態でも寝られるように、2段ベッドもしっかり装備されている。
室内は簡単な操作でコの字ラウンジを組むこともできるので、大人数でテーブルを囲んだパーティも可能。ベッド展開すると、長さ3450mm、幅1750mmのフルフラットベッドが誕生する。
ターゲットユーザーは、ずばり熟年になってもハーレー・ダビッドソンを愛するような 「フォーエーバーヤング」 な人々。
遊びのギアを積んで、アウトドアを楽しむのもよし。
小粋に街乗りに使ってもよし。
気の合う仲間とパーティを開くのもよし。
マルチに使える万能キャンパー。
大人になった今も、BOY'Sだった頃の夢を持ち続ける人たちへのメッセージが込められたクルマだ。
ベース車はハイエース・スーパーロング。
お値段は、ガソリン特装車 (2WD・4АT) で、3,937,500円 (税込み) から。
2009年07月15日
キューブ2ルーム
日産キューブって、面白いクルマである。
カタログでは 「やんちゃで、愛らしい」 と謳っているけれど、トヨタbBのような “悪にいちゃん” の感じはしないし、若者志向のデザインを強調するわりには、不思議とレトロな味があって、近未来っぽい造形とクラシカルなテイストが同居している。
そんな複雑系デザインのキューブの味わいをさらに先鋭化させた新型バージョンが追加された。
オリジナルキューブにポップアップルーフを設けた 「キューブ2ルーム」 である。
…といっても、これをリリースしたのは 「日産ピーズフィールドクラフト」 。
日産車をベースに数々のキャンピングカーを開発してきた架装メーカーだが、今回の 「キューブ2ルーム」 のコンセプトメイクの徹底ぶりと仕上げの緻密さをみると、日産自動車のラインから流れてきたメーカーメイドの追加バージョンといってもおかしくはない。
なんといっても、こだわりが凄いのだ。
オリジナルキューブには、「自然のなかで憩う」 というイメージを追求するために、室内の天井トリムに波紋状の模様が採り入れられている。
このキューブのアイデンティティともいうべき “波紋デザイン” が、なんと架装したポップアップルーフの天井にも再現されているのだ。

「何もそこまで…」 と思ってしまうのだが、「キューブ2ルーム」 の開発スタッフに言わせると、
「とにかくノーマルキューブのコンセプトをまったく損なうことなく、その機能部分を高めるというのが、このクルマのテーマ。キューブを気に入っているお客さんが、ちょっとでも違和感を感じたら、もう失敗だと思っていた」
…という。
そのために、ルーフ高もオリジナルより8㎝だけ高いサイズ内に収め、ルーフ形状においても、ノーマルキューブのルーフをそのままダウンサイジングしたような自然な感じを大切にしたという。

このポップアップルーフを持ったキューブの狙いは何なのか?
開発を担当した日産ピーズフィールドクラフトの畑中一夫常務に聞いてみた。

「これは、日本で初の “寝られるコンパクトカー” なんです」
と畑中さんは言う。
「ポップアップルーフを持つ軽自動車ベースのキャンピングカーは、確かに、しっかり市民権を得て活躍しています。
しかし、軽自動車より少し大きなものとなると、とたんにワンボックスカーになってしまうんですね。今までは、その中間を埋めるものがなかったんです。
しかし、このキューブ2ルームは、ワンボックスカーよりは取り回しの良いコンパクトカーのジャンルに収まり、かつ軽自動車よりは1ランク上の走行性能を発揮する “寝られるクルマ” なんです」
エンジンは、直列4気筒DOHC1,498cc。
最高出力80kW (109ps) /6000rpm。
最大トルク148N・m (15.1kg-m) /4400rpm。
軽自動車に比べると、その動力性能の差は歴然とする。
「だから、乗っていてストレスがない。足回りも、前のキューブに比べるとより熟成してきて、路面の食いつき感が増した。
走っていて楽しいというのが、このクルマの大きな特徴のひとつですね」
と、畑中さんはいう。
肝心のポップアップルーフの構造はどうなっているのか。
「開き方は、前ヒンジの後ろ開き。ベッドスペースは縦2m。横1m15㎝。大人2人が余裕で寝られる寸法です。
テント素材はネオプレイン。この素材だと加工が難しいのですが、3方に大きな開口部を設け、風通しの良さと視界の確保に全力を注ぎました」

テント柄は水色基調の迷彩デザイン。
この柄も、今までのポップアップルーフでは見なかったもの。キューブの斬新なフォルムに合った柄を選んでいるうちに浮かんできたデザインだという。
どういう人たちが、この 「キューブ2ルーム」 を必要とするのだろうか。
それについて、畑中さんはこういう。
「寝られるのはあくまでも2人。だから、カップルを対象としたクルマなのですが、普通のキャンピングカーのように、必ずしも“夫婦ふたり”を意識したものではないんです。
僕のイメージとしては、親父と息子なんてのもアリですね。
親父が、小学生くらいの子供を連れて、趣味の釣りを教えるクルマとかね。
最小回転半径は4.6mで、無類に取り回しがいい。
だから、どんな狭い道も苦にしない。
リヤにアイスボックスや釣り道具なんか積んで、前の晩から仮眠し、早朝から親父と息子で釣りを楽しむなんて最高じゃないですか。
もちろん、シニア夫婦の2人旅というコンセプトは十分満たしているし、逆に若い恋人同士でもいい。
要は、キャンピングカーは大きすぎて、取り回しに負担を感じる。
…かといって、軽自動車ではエンジン性能にちょっと不満がある。
そう思っている人たちにはピッタリのクルマではないかと…」

基本設定は、あくまでも “ノーマルキューブ + ポップアップルーフ” だが、オプションとして、サブバッテリー、FFヒーターなども用意されている。
セカンドシートを倒せば、かなり広いラゲッジスペースが生まれるので、遊びのための荷物を車内にしっかり収納したまま (上で) 寝られるというのが、このクルマの最大の魅力となっている。

お値段は、ベースグレードの15Sで、198万円 (税別) 。
ゆったりくつろげるイメージを追求して、そのデザインコンセプトを 「ジャグジー」 に求めたというノーマルキューブ。
それのポップアップ版は、ジャグジーの上に 「展望デッキとベッドスペース」 を追加したという感じか。
関連記事 「キューブ2発表会」
カタログでは 「やんちゃで、愛らしい」 と謳っているけれど、トヨタbBのような “悪にいちゃん” の感じはしないし、若者志向のデザインを強調するわりには、不思議とレトロな味があって、近未来っぽい造形とクラシカルなテイストが同居している。
そんな複雑系デザインのキューブの味わいをさらに先鋭化させた新型バージョンが追加された。
オリジナルキューブにポップアップルーフを設けた 「キューブ2ルーム」 である。
…といっても、これをリリースしたのは 「日産ピーズフィールドクラフト」 。
日産車をベースに数々のキャンピングカーを開発してきた架装メーカーだが、今回の 「キューブ2ルーム」 のコンセプトメイクの徹底ぶりと仕上げの緻密さをみると、日産自動車のラインから流れてきたメーカーメイドの追加バージョンといってもおかしくはない。
なんといっても、こだわりが凄いのだ。
オリジナルキューブには、「自然のなかで憩う」 というイメージを追求するために、室内の天井トリムに波紋状の模様が採り入れられている。
このキューブのアイデンティティともいうべき “波紋デザイン” が、なんと架装したポップアップルーフの天井にも再現されているのだ。
「何もそこまで…」 と思ってしまうのだが、「キューブ2ルーム」 の開発スタッフに言わせると、
「とにかくノーマルキューブのコンセプトをまったく損なうことなく、その機能部分を高めるというのが、このクルマのテーマ。キューブを気に入っているお客さんが、ちょっとでも違和感を感じたら、もう失敗だと思っていた」
…という。
そのために、ルーフ高もオリジナルより8㎝だけ高いサイズ内に収め、ルーフ形状においても、ノーマルキューブのルーフをそのままダウンサイジングしたような自然な感じを大切にしたという。
このポップアップルーフを持ったキューブの狙いは何なのか?
開発を担当した日産ピーズフィールドクラフトの畑中一夫常務に聞いてみた。
「これは、日本で初の “寝られるコンパクトカー” なんです」
と畑中さんは言う。
「ポップアップルーフを持つ軽自動車ベースのキャンピングカーは、確かに、しっかり市民権を得て活躍しています。
しかし、軽自動車より少し大きなものとなると、とたんにワンボックスカーになってしまうんですね。今までは、その中間を埋めるものがなかったんです。
しかし、このキューブ2ルームは、ワンボックスカーよりは取り回しの良いコンパクトカーのジャンルに収まり、かつ軽自動車よりは1ランク上の走行性能を発揮する “寝られるクルマ” なんです」
エンジンは、直列4気筒DOHC1,498cc。
最高出力80kW (109ps) /6000rpm。
最大トルク148N・m (15.1kg-m) /4400rpm。
軽自動車に比べると、その動力性能の差は歴然とする。
「だから、乗っていてストレスがない。足回りも、前のキューブに比べるとより熟成してきて、路面の食いつき感が増した。
走っていて楽しいというのが、このクルマの大きな特徴のひとつですね」
と、畑中さんはいう。
肝心のポップアップルーフの構造はどうなっているのか。
「開き方は、前ヒンジの後ろ開き。ベッドスペースは縦2m。横1m15㎝。大人2人が余裕で寝られる寸法です。
テント素材はネオプレイン。この素材だと加工が難しいのですが、3方に大きな開口部を設け、風通しの良さと視界の確保に全力を注ぎました」
テント柄は水色基調の迷彩デザイン。
この柄も、今までのポップアップルーフでは見なかったもの。キューブの斬新なフォルムに合った柄を選んでいるうちに浮かんできたデザインだという。
どういう人たちが、この 「キューブ2ルーム」 を必要とするのだろうか。
それについて、畑中さんはこういう。
「寝られるのはあくまでも2人。だから、カップルを対象としたクルマなのですが、普通のキャンピングカーのように、必ずしも“夫婦ふたり”を意識したものではないんです。
僕のイメージとしては、親父と息子なんてのもアリですね。
親父が、小学生くらいの子供を連れて、趣味の釣りを教えるクルマとかね。
最小回転半径は4.6mで、無類に取り回しがいい。
だから、どんな狭い道も苦にしない。
リヤにアイスボックスや釣り道具なんか積んで、前の晩から仮眠し、早朝から親父と息子で釣りを楽しむなんて最高じゃないですか。
もちろん、シニア夫婦の2人旅というコンセプトは十分満たしているし、逆に若い恋人同士でもいい。
要は、キャンピングカーは大きすぎて、取り回しに負担を感じる。
…かといって、軽自動車ではエンジン性能にちょっと不満がある。
そう思っている人たちにはピッタリのクルマではないかと…」
基本設定は、あくまでも “ノーマルキューブ + ポップアップルーフ” だが、オプションとして、サブバッテリー、FFヒーターなども用意されている。
セカンドシートを倒せば、かなり広いラゲッジスペースが生まれるので、遊びのための荷物を車内にしっかり収納したまま (上で) 寝られるというのが、このクルマの最大の魅力となっている。
お値段は、ベースグレードの15Sで、198万円 (税別) 。
ゆったりくつろげるイメージを追求して、そのデザインコンセプトを 「ジャグジー」 に求めたというノーマルキューブ。
それのポップアップ版は、ジャグジーの上に 「展望デッキとベッドスペース」 を追加したという感じか。
関連記事 「キューブ2発表会」
2009年05月21日
09ガイドの評判
新しく出た 『キャンピングカースーパーガイド2009 』 。
なかなか評判がいいようだ。

…といっても、「贈呈」 という形で送った関係者からの感想なので、悪く言うはずはないのだが、その人たちから送られたメール、電話、ファックスなどでは、
「いい本になったね」
と、すべての方から一応の評価をいただいた。
お世辞だな…と分かっていても、やっぱりうれしい。

なお、全国の書店で、10冊規模で置いて下さる書店さんは、下記の通りです。
もちろん、これ以外の書店さんでも、1冊から3~4冊という規模で扱ってくれています。
【東京】
中央区/八重洲ブックセンター
千代田区/有隣堂秋葉原
千代田区/三省堂有楽町店
お茶の水/丸善お茶の水
豊島区/リブロ池仕入
渋谷区/紀伊國屋南店
渋谷区/紀伊國屋渋谷店
渋谷区/有隣堂恵比寿
玉川/紀伊國屋玉川店
新宿区/紀伊國屋本店
江東区/紀伊國屋豊洲店
品川区/未来屋品川店
品川区/有隣堂目黒店
町田市/有隣堂町田
立川市/オリオンルミネ
立川市/オリオンノルテ
【北海道】
札幌市/CF美しが丘店
札幌市/CFミュンヘン
札幌市/CF新川通り店
札幌市/Rなにわ
【東北】
仙台市青葉区/丸善アエル店
【関東】
千葉市/三省堂SOGO
千葉市/未来屋マリンピ
高崎市/未来屋高崎店
前橋市/紀伊國屋前橋店
越谷市/未来屋レイク店
流山市/紀伊國屋流山店
越谷市/未来屋レイク店
さいたま市/紀伊國屋埼玉店
横浜市/有隣戸塚モデ
横浜市/東口有隣堂
横浜市/有隣堂本店
横浜市上大岡/八重洲ブックセンター京急
横浜市/西口有隣堂
藤沢市/藤沢有隣堂
【中部】
浜松市/未来イオン市野
名古屋市西区/フタバTワンダ
西春日井郡/紀伊名古空港店
岡崎市/未来イオン岡崎
【関西】
木津川市/未来屋高の原
摂津市/西日本DC
大阪市/旭屋なんばCI
都島区/紀伊國屋京橋店
北区/旭屋本店ビル
【中国・四国】
福山市/啓文社PP店
【九州】
福岡市/紀ゆめ博多店
福山市/フタバA福山本
佐賀市/紀伊國屋佐賀店
熊本市/蔦屋書店三年坂
鹿児島市/ミスミオプシア
那覇市/宮脇沖縄本店
アマゾンでも紹介されています(↓)。
下記をどうぞ。
『 キャンピングカースーパーガイド2009 』
足を運んだ書店さんで見つからなかった場合は、アマゾンからもご購入になれます。
よろしくお願い申しあげます。
なかなか評判がいいようだ。
…といっても、「贈呈」 という形で送った関係者からの感想なので、悪く言うはずはないのだが、その人たちから送られたメール、電話、ファックスなどでは、
「いい本になったね」
と、すべての方から一応の評価をいただいた。
お世辞だな…と分かっていても、やっぱりうれしい。
なお、全国の書店で、10冊規模で置いて下さる書店さんは、下記の通りです。
もちろん、これ以外の書店さんでも、1冊から3~4冊という規模で扱ってくれています。
【東京】
中央区/八重洲ブックセンター
千代田区/有隣堂秋葉原
千代田区/三省堂有楽町店
お茶の水/丸善お茶の水
豊島区/リブロ池仕入
渋谷区/紀伊國屋南店
渋谷区/紀伊國屋渋谷店
渋谷区/有隣堂恵比寿
玉川/紀伊國屋玉川店
新宿区/紀伊國屋本店
江東区/紀伊國屋豊洲店
品川区/未来屋品川店
品川区/有隣堂目黒店
町田市/有隣堂町田
立川市/オリオンルミネ
立川市/オリオンノルテ
【北海道】
札幌市/CF美しが丘店
札幌市/CFミュンヘン
札幌市/CF新川通り店
札幌市/Rなにわ
【東北】
仙台市青葉区/丸善アエル店
【関東】
千葉市/三省堂SOGO
千葉市/未来屋マリンピ
高崎市/未来屋高崎店
前橋市/紀伊國屋前橋店
越谷市/未来屋レイク店
流山市/紀伊國屋流山店
越谷市/未来屋レイク店
さいたま市/紀伊國屋埼玉店
横浜市/有隣戸塚モデ
横浜市/東口有隣堂
横浜市/有隣堂本店
横浜市上大岡/八重洲ブックセンター京急
横浜市/西口有隣堂
藤沢市/藤沢有隣堂
【中部】
浜松市/未来イオン市野
名古屋市西区/フタバTワンダ
西春日井郡/紀伊名古空港店
岡崎市/未来イオン岡崎
【関西】
木津川市/未来屋高の原
摂津市/西日本DC
大阪市/旭屋なんばCI
都島区/紀伊國屋京橋店
北区/旭屋本店ビル
【中国・四国】
福山市/啓文社PP店
【九州】
福岡市/紀ゆめ博多店
福山市/フタバA福山本
佐賀市/紀伊國屋佐賀店
熊本市/蔦屋書店三年坂
鹿児島市/ミスミオプシア
那覇市/宮脇沖縄本店
アマゾンでも紹介されています(↓)。
下記をどうぞ。
『 キャンピングカースーパーガイド2009 』
足を運んだ書店さんで見つからなかった場合は、アマゾンからもご購入になれます。
よろしくお願い申しあげます。
2009年05月15日
09ガイドの発送
朝、会社に 「キャンピングカー スーパーガイド2009」 の発送用分がトラックで納品されました。
広告を出稿いただいたり、原稿の校正もお手伝いしていただいたりと、いろいろお世話になったキャンピングカー業者さんに、掲載見本として発送する分です。
約140冊。
昼過ぎから、それを封筒に詰め、宅配便のシールを貼って、梱包作業にとりかかり、今ようやく宅配便業者さんに引き取ってもらったところ。
インスタントコーヒーのカップを下げて、デスクに戻り、
「ふぅ…」
と一息入れて、ようやくブログを開いています。
毎年、この作業が終わると、
「ようやく手を離れた…」
という心境になります。
それにしても、最後の校正を終えて、印刷・製本にかかる日数が3週間。
今年はゴールデンウィークが中に入ったとはいえ、だいぶ時間がかかってしまいました。
でも、電話やメールで、
「新しいガイドが発売されるのはいつですか?」
と、読者の方々から聞かれるたびに、
「ああ、待って下さる方がいらっしゃるのだな」
と、うれしくなります。
重い本の束をあちこち運びながらの作業で、腰に疲労が溜まってしまい、今はちょっと虚脱状態なんですが、明日から、また新しいスタートです。
2009年04月07日
欧州車の深い快楽
キャンピングカーの世界では、国産ビルダーの間で、日本市場を意識した日本的なデザインを追求しようという傾向が強くなってきた。
ようやく、日本においても、欧米的なキャンピングカー文化とは異なる日本独自のキャンピングカー文化というものが育ちつつある…という感慨を持つ。
しかし、その一方で、輸入車の 「ディープな快楽」 というものを理解する日本人が少しずつ減っていくような寂しさも感じる。
乗用車もそうだが、キャンピングカーも、それを造った民族の美意識、哲学、価値観などが反映されている。
それは、ボディや家具を構成する素材や形状を分析しただけでは、見えてこないものだ。
特にヨーロッパ車のように、長い歴史を通じて形成されてきたものは、文字どおり 「歴史」 を知らないと、本当のことが見えない。
たとえば、本場ヨーロッパの高級キャンピングカーが持つ、あの恐ろしいような 「快楽」 というものを、まだ日本人は知らない。
…というか、目の前に提示されても、それを理解することができない。
私たちのような、キャンピングカージャーナリズムで生きている人間も、ヨーロッパの高級車を見ると、いとも簡単に 「豪華」 とか 「優美」 とか 「贅沢」 などと形容してしまうが、ふと 「本当の豪華ってものを分かってんの?」 と、自分自身で問うことがある。

たぶん、自分も十分に理解していないかもしれないが、ヨーロッパ車のゴージャス感というものは、商人資本主義以来の500年の蓄積によってもたらされたものだということぐらいは分かる。
その場合の 「資本主義」 とは、アフリカの希望峰を超えて東洋の富をあさりに行ったり、大西洋を超えて新大陸から金銀を持ち出すという、ヨーロッパ人たちの 「略奪」 を合法化した重商主義経済のことをいう。
ヨーロッパ先進国というのは、そのような植民地支配を通して、世界の富を強奪するようにかき集め、それによって壮麗な文化を切り開いた。
それは、けっして誉められたものではないだろう。
むしろ、被征服者たちの犠牲の上に花開いた “悪の文化” ともいえる。
しかし、そのような文化には、 「血を吸った文化」 の猛々しさと眩さ (まばゆさ) があり、触れた者をトロリと誘惑する、熟れた果実のような芳香がある。
そして、自分を大人と思える……すなわち 「偽善者」 であることを自覚した人間だけが味わえる、背徳的な悦びが隠されている。

このような華麗な資本主義文化を成立させる原動力となったものは、いったい何だったのだろう。
マックス・ウェーバーの主張した、プロテスタント的な倫理が資本主義の精神を形成したという洞察に異を唱えた学者として、ヴェルナー・ゾンバルトがいるが、彼は、資本主義を発展させた推進力は、 「恋愛」 だと唱えた。
つまり、18世紀になって花開いたフランス宮廷文化における華麗な 「恋愛ごっこ」 が、資本主義の勃興をうながしたというのである。
この時代、パリのヴェルサイユ宮殿を中心に繰り広げられた貴族たちの宴では、貴婦人たちや女官たちの歓心を買うために、男たちはあらんかぎりの豪華な文物を手に入れて、女たちにプレゼントした。
プレンゼントの品々には、全欧州の金銀細工や宝石のたぐいは言うに及ばず、東洋や新大陸の珍奇で貴重な工芸品など、ありとあらゆる世界の富がかき集められた。
それらの金銀細工や宝石を加工する産業が各地に勃興し、ヨーロッパの製造業は著しく成長した。
中国や日本の陶器が上流階級の家庭でコレクションされるようになると、それをヒントに、マイセンをはじめ、ヨーロッパ中に磁器工場がつくられるようになった。

また、貴族のファッションを構成する素材として、レース製品が欠かせないものとなり、フランドル地方のレース編みは、その緻密さと美しさを評価されて、上流階級の間で飛ぶように売れた。
そのような文物が溢れかえった時代の 「恋愛」 とは、どんなものであったか。
ヴェルサイユ宮殿で、歴代の王族や貴族の “恋人” として名を馳せた貴婦人たちの呼称を見れば、彼らの恋愛模様というものがよく見えてくる。
「シャトルー公爵夫人」
「ポンパドゥール侯爵夫人」
「デュバリー伯爵夫人」
みな、それぞれ夫を持つ立派な主婦たちである。

▲ ポンパドゥール夫人 肖像
彼女たちは、夫を持つ身でありながら、時の権力者たちに取り入るための魅力を存分に発揮して愛人に収まり、夜毎のパーティやサロンを切り盛りして、華麗なる宮廷文化の華を咲かせた。
貴族たちが群集うの宮廷では、 「結婚」 というものは何も意味しなかった。
夫人たちは、それぞれ夫とは別の王侯貴族の愛人となることを当たり前のように求め、男たちは、妻とは別の貴婦人たちを当たり前のように恋人とした。
「不倫」 という言葉すら、何の意味も持たなかった。
人々が求めたのは、一瞬のきらめきに、すべてを託す忘我の快楽。
あでやかな官能。
ゲームとしての恋。

平民の娘でも、美貌と才覚に恵まれれば、時の最高権力者の愛妾にもなれる。
そういう筋道を、ポンパドゥール夫人がつけてからは、男女の関係は一気にアナーキーになった。
性愛、富、権力。
人間が快楽と感じるもののすべてが、この時代に合体した。
フランスを中心とするヨーロッパの恋愛文化には、基本的にこのような精神が息づいている。
かつて作家の五木寛之は、ヨーロッパ社会の中で 「F1」 というスポーツがどのようなものであるかを、こう書いた。
「F1は、お子様連れで家族ぐるみで楽しみにゆく場ではない。あのエンジン音は、柔らかい幼児の鼓膜には良い影響を与えないはずだ。
そこは、不倫だの、危険な情事だのと世間から雑音が入ることをものともしない人々が、愛人を連れてゆくような場所なのである」
アンモラルな表現だが、まちがいなく五木寛之は、ヨーロッパ社会の伝統的な恋愛文化を念頭において、これを書いている。
ヨーロッパのキャンピングカーというのも、こうした流れの中で造り上げられたものだという。
元日本オート・キャンプ協会の専務理事を務められた岡本昌光氏は、著書 『キャンプ夜話』 の中で、イギリス国立自動車博物館に保管されているキャンピングトレーラーの第1号といわれる車両を目にして、こう語る。
「その最古のトレーラーの室内には、貴族の応接間のような格調高い家具が置かれ、窓飾りや、カーテン、壁紙、ジュータンまでもが 『オリエント急行』 のレストランのような豪華な雰囲気を漂わせていた。
貴族たちは、動く別荘としてキャンピングカーを使い、自分の領地の景色の良い所に置いた。
彼らはたくさんの召使いや、給仕、料理人を使い、大テーブルには山海の珍味を並べ、美女たちを招待し、最高の酒を味わった」
この記述を読むと、最古のトレーラーといわれるものが、フランスで華開いたロココの精神の延長線上にあることは明らかだ。
その流れは今も続く。
たとえば、ホビーのエクセルシオールの天井カーブを見ていると、まるでヴェルサイユ宮殿の天井をそのまま縮小したのではないかとすら思えてくる。

▲ ヴェルサイユ宮殿 /ホビー・エクセルシオール
欧州車デザインのキータームは、 「エレガンス」 である。
これも、貴族文化の流れをくむ言葉だ。
「優美」 「気品」 「優雅」 …などと訳されるけれど、本来は差別意識の強い言葉だ。
恋をゲームのように遊んだロココの貴族たちは、何よりも野暮ったさを嫌った。
「まじめな恋や、一途 (いちず) な恋というのは野暮ったい」
だから、“まじめにならない浮気” こそがエレガントなゲームとなる。
彼らが使う 「エレガンス」 という言葉には、そういう響きがある。
そのような恋を楽しむ場所として、彼らは、自分たちの暮らすスペースを精いっぱいエレガントな意匠で飾った。
その 「快楽空間」 というものが、どのようなものであったか。
映画を例に取れば、ルキノ・ヴィスコンティの描く数々の映画に登場する人物像、その背景となる舞台、扱われる文物などに余すところなく描かれている。
『イノセント』 や 『ルードヴィヒ』 、『山猫』 などという映画には、ヨーロッパ貴族たちが呼吸していた濃密な生活空間の空気が、見事に映像化されている。

▲ ヴィスコンティの 『イノセント』

▲ ヴィスコンティの 『ルードヴィヒ』
現在のヨーロッパ高級キャンピングカーを見ると、さすがにヴィスコンティの映画に出てきそうなバロック、ロココ的なケバケバしさというものは影を潜めている。

内装デザインはモダンになり、中にはSF映画の舞台ともなりそうな未来志向の室内空間を形成しているものもある。
そして、時代のテーマを忠実に反映したエコロジーコンシャスの装備類や素材などをふんだんに投入し、爽やかで健康に満ちあふれたクルマ造りを志向しているように見える。

想定されるユーザー層は、あくまでも健全な家族であり、幸せな老夫婦。
そこには、遊戯的な愛を交わし合ったロココの愛人たちの姿は見えない。

しかしドッコイである。
彼らは、そう簡単に 「恋愛空間」 としてのキャンピングカーを手放してはいない。
ときめき。
誘惑の蜜の味。
吐息の熱さ。
そいつを、目立たないように、こっそりと、しかし確実に、キャンピングカーに忍び込ませている。

それは、時には、女体のくびれを連想させるコンソールボックスのアールかもしれないし、セクシーなデザインを与えられたハイネックのフォーセットかもしれない。

それらの形が、見た者をムズムズ…とさせるのは、それを考えたデザイナーにも、営業マンにも、使うユーザーにも、恋愛文化の伝統がもたらす “ムズムズ感” が分かっているからである。
欧州高級車の 「色気」 というものは、すべてそこから放たれてくるものといえる。
ようやく、日本においても、欧米的なキャンピングカー文化とは異なる日本独自のキャンピングカー文化というものが育ちつつある…という感慨を持つ。
しかし、その一方で、輸入車の 「ディープな快楽」 というものを理解する日本人が少しずつ減っていくような寂しさも感じる。
乗用車もそうだが、キャンピングカーも、それを造った民族の美意識、哲学、価値観などが反映されている。
それは、ボディや家具を構成する素材や形状を分析しただけでは、見えてこないものだ。
特にヨーロッパ車のように、長い歴史を通じて形成されてきたものは、文字どおり 「歴史」 を知らないと、本当のことが見えない。
たとえば、本場ヨーロッパの高級キャンピングカーが持つ、あの恐ろしいような 「快楽」 というものを、まだ日本人は知らない。
…というか、目の前に提示されても、それを理解することができない。
私たちのような、キャンピングカージャーナリズムで生きている人間も、ヨーロッパの高級車を見ると、いとも簡単に 「豪華」 とか 「優美」 とか 「贅沢」 などと形容してしまうが、ふと 「本当の豪華ってものを分かってんの?」 と、自分自身で問うことがある。

たぶん、自分も十分に理解していないかもしれないが、ヨーロッパ車のゴージャス感というものは、商人資本主義以来の500年の蓄積によってもたらされたものだということぐらいは分かる。
その場合の 「資本主義」 とは、アフリカの希望峰を超えて東洋の富をあさりに行ったり、大西洋を超えて新大陸から金銀を持ち出すという、ヨーロッパ人たちの 「略奪」 を合法化した重商主義経済のことをいう。
ヨーロッパ先進国というのは、そのような植民地支配を通して、世界の富を強奪するようにかき集め、それによって壮麗な文化を切り開いた。
それは、けっして誉められたものではないだろう。
むしろ、被征服者たちの犠牲の上に花開いた “悪の文化” ともいえる。
しかし、そのような文化には、 「血を吸った文化」 の猛々しさと眩さ (まばゆさ) があり、触れた者をトロリと誘惑する、熟れた果実のような芳香がある。
そして、自分を大人と思える……すなわち 「偽善者」 であることを自覚した人間だけが味わえる、背徳的な悦びが隠されている。

このような華麗な資本主義文化を成立させる原動力となったものは、いったい何だったのだろう。
マックス・ウェーバーの主張した、プロテスタント的な倫理が資本主義の精神を形成したという洞察に異を唱えた学者として、ヴェルナー・ゾンバルトがいるが、彼は、資本主義を発展させた推進力は、 「恋愛」 だと唱えた。
つまり、18世紀になって花開いたフランス宮廷文化における華麗な 「恋愛ごっこ」 が、資本主義の勃興をうながしたというのである。
この時代、パリのヴェルサイユ宮殿を中心に繰り広げられた貴族たちの宴では、貴婦人たちや女官たちの歓心を買うために、男たちはあらんかぎりの豪華な文物を手に入れて、女たちにプレゼントした。
プレンゼントの品々には、全欧州の金銀細工や宝石のたぐいは言うに及ばず、東洋や新大陸の珍奇で貴重な工芸品など、ありとあらゆる世界の富がかき集められた。
それらの金銀細工や宝石を加工する産業が各地に勃興し、ヨーロッパの製造業は著しく成長した。
中国や日本の陶器が上流階級の家庭でコレクションされるようになると、それをヒントに、マイセンをはじめ、ヨーロッパ中に磁器工場がつくられるようになった。
また、貴族のファッションを構成する素材として、レース製品が欠かせないものとなり、フランドル地方のレース編みは、その緻密さと美しさを評価されて、上流階級の間で飛ぶように売れた。
そのような文物が溢れかえった時代の 「恋愛」 とは、どんなものであったか。
ヴェルサイユ宮殿で、歴代の王族や貴族の “恋人” として名を馳せた貴婦人たちの呼称を見れば、彼らの恋愛模様というものがよく見えてくる。
「シャトルー公爵夫人」
「ポンパドゥール侯爵夫人」
「デュバリー伯爵夫人」
みな、それぞれ夫を持つ立派な主婦たちである。
▲ ポンパドゥール夫人 肖像
彼女たちは、夫を持つ身でありながら、時の権力者たちに取り入るための魅力を存分に発揮して愛人に収まり、夜毎のパーティやサロンを切り盛りして、華麗なる宮廷文化の華を咲かせた。
貴族たちが群集うの宮廷では、 「結婚」 というものは何も意味しなかった。
夫人たちは、それぞれ夫とは別の王侯貴族の愛人となることを当たり前のように求め、男たちは、妻とは別の貴婦人たちを当たり前のように恋人とした。
「不倫」 という言葉すら、何の意味も持たなかった。
人々が求めたのは、一瞬のきらめきに、すべてを託す忘我の快楽。
あでやかな官能。
ゲームとしての恋。

平民の娘でも、美貌と才覚に恵まれれば、時の最高権力者の愛妾にもなれる。
そういう筋道を、ポンパドゥール夫人がつけてからは、男女の関係は一気にアナーキーになった。
性愛、富、権力。
人間が快楽と感じるもののすべてが、この時代に合体した。
フランスを中心とするヨーロッパの恋愛文化には、基本的にこのような精神が息づいている。
かつて作家の五木寛之は、ヨーロッパ社会の中で 「F1」 というスポーツがどのようなものであるかを、こう書いた。
「F1は、お子様連れで家族ぐるみで楽しみにゆく場ではない。あのエンジン音は、柔らかい幼児の鼓膜には良い影響を与えないはずだ。
そこは、不倫だの、危険な情事だのと世間から雑音が入ることをものともしない人々が、愛人を連れてゆくような場所なのである」
アンモラルな表現だが、まちがいなく五木寛之は、ヨーロッパ社会の伝統的な恋愛文化を念頭において、これを書いている。
ヨーロッパのキャンピングカーというのも、こうした流れの中で造り上げられたものだという。
元日本オート・キャンプ協会の専務理事を務められた岡本昌光氏は、著書 『キャンプ夜話』 の中で、イギリス国立自動車博物館に保管されているキャンピングトレーラーの第1号といわれる車両を目にして、こう語る。
「その最古のトレーラーの室内には、貴族の応接間のような格調高い家具が置かれ、窓飾りや、カーテン、壁紙、ジュータンまでもが 『オリエント急行』 のレストランのような豪華な雰囲気を漂わせていた。
貴族たちは、動く別荘としてキャンピングカーを使い、自分の領地の景色の良い所に置いた。
彼らはたくさんの召使いや、給仕、料理人を使い、大テーブルには山海の珍味を並べ、美女たちを招待し、最高の酒を味わった」
この記述を読むと、最古のトレーラーといわれるものが、フランスで華開いたロココの精神の延長線上にあることは明らかだ。
その流れは今も続く。
たとえば、ホビーのエクセルシオールの天井カーブを見ていると、まるでヴェルサイユ宮殿の天井をそのまま縮小したのではないかとすら思えてくる。
▲ ヴェルサイユ宮殿 /ホビー・エクセルシオール
欧州車デザインのキータームは、 「エレガンス」 である。
これも、貴族文化の流れをくむ言葉だ。
「優美」 「気品」 「優雅」 …などと訳されるけれど、本来は差別意識の強い言葉だ。
恋をゲームのように遊んだロココの貴族たちは、何よりも野暮ったさを嫌った。
「まじめな恋や、一途 (いちず) な恋というのは野暮ったい」
だから、“まじめにならない浮気” こそがエレガントなゲームとなる。
彼らが使う 「エレガンス」 という言葉には、そういう響きがある。
そのような恋を楽しむ場所として、彼らは、自分たちの暮らすスペースを精いっぱいエレガントな意匠で飾った。
その 「快楽空間」 というものが、どのようなものであったか。
映画を例に取れば、ルキノ・ヴィスコンティの描く数々の映画に登場する人物像、その背景となる舞台、扱われる文物などに余すところなく描かれている。
『イノセント』 や 『ルードヴィヒ』 、『山猫』 などという映画には、ヨーロッパ貴族たちが呼吸していた濃密な生活空間の空気が、見事に映像化されている。
▲ ヴィスコンティの 『イノセント』
▲ ヴィスコンティの 『ルードヴィヒ』
現在のヨーロッパ高級キャンピングカーを見ると、さすがにヴィスコンティの映画に出てきそうなバロック、ロココ的なケバケバしさというものは影を潜めている。
内装デザインはモダンになり、中にはSF映画の舞台ともなりそうな未来志向の室内空間を形成しているものもある。
そして、時代のテーマを忠実に反映したエコロジーコンシャスの装備類や素材などをふんだんに投入し、爽やかで健康に満ちあふれたクルマ造りを志向しているように見える。
想定されるユーザー層は、あくまでも健全な家族であり、幸せな老夫婦。
そこには、遊戯的な愛を交わし合ったロココの愛人たちの姿は見えない。
しかしドッコイである。
彼らは、そう簡単に 「恋愛空間」 としてのキャンピングカーを手放してはいない。
ときめき。
誘惑の蜜の味。
吐息の熱さ。
そいつを、目立たないように、こっそりと、しかし確実に、キャンピングカーに忍び込ませている。
それは、時には、女体のくびれを連想させるコンソールボックスのアールかもしれないし、セクシーなデザインを与えられたハイネックのフォーセットかもしれない。
それらの形が、見た者をムズムズ…とさせるのは、それを考えたデザイナーにも、営業マンにも、使うユーザーにも、恋愛文化の伝統がもたらす “ムズムズ感” が分かっているからである。
欧州高級車の 「色気」 というものは、すべてそこから放たれてくるものといえる。
2009年03月25日
クエスト雅
昨年開かれた 「RV世界会議」 で、日本を代表するバンコンとして写真で紹介され、世界のRV関係者の注目を集めたクエスト。
障子と畳という伝統的な日本文化のエッセンスを採り入れた室内造形に、欧米風のRVがスタンダードだと信じていた人たちは大いに好奇心を刺激されたという。
そのクエストのベース車をスーパーロングからコンパクトな標準ボディに替えたのが、この 「クエスト雅 (みやび) 」 (バンテック新潟) 。

全長・全幅が短くなった分、狭い市街地や温泉街を走り抜けるときもストレスが溜まらなくなった。
にもかかわらず、和室空間の雰囲気はスーパーロングモデルとまったく変わらず。優雅な温泉旅館に泊まってのんびりする時の、あの落ち着き感が踏襲されている。

そのような、日本旅館でくつろぐ時の快適性を実現するために、FFヒーターから電子レンジ、インバーター、クローゼット、大型換気扇、傘立てに至るまで、すべてが標準装備されている。装備面でも手抜かりのないクルマだ。

スーパーロングモデルと違うところは、セカンドシートが廃されて、代わりに機能的なキッチンスペースが設けられたこと。それによって、和室との一体感も強まり、コンセプトもより明瞭になった。
和室部分からもアクセスできるミラー付きクローゼットがあるため、室内で着替えることも可能。掘りごたつが使える床下収納空間も広々している。

畳と障子で構成される和室風キャンピングカーというのは、過去にも何度か試されたことがあったが、そのほとんどは実験の域を出なかった。
しかしクエストシリーズは、まれにみる完成度を高め、見事に商品としての自立性を発揮している。
その理由は、緻密な縦横比の計算に基づいたバランス感覚の良さと、作り込みの緻密さがものをいっているからだ。
世界に誇れる日本のキャンピングカーが誕生したと思う。

お値段は。4,935,000円から
※ 『 キャンピングカー スーパーガイド 2009 』 より一部を抜粋。
障子と畳という伝統的な日本文化のエッセンスを採り入れた室内造形に、欧米風のRVがスタンダードだと信じていた人たちは大いに好奇心を刺激されたという。
そのクエストのベース車をスーパーロングからコンパクトな標準ボディに替えたのが、この 「クエスト雅 (みやび) 」 (バンテック新潟) 。
全長・全幅が短くなった分、狭い市街地や温泉街を走り抜けるときもストレスが溜まらなくなった。
にもかかわらず、和室空間の雰囲気はスーパーロングモデルとまったく変わらず。優雅な温泉旅館に泊まってのんびりする時の、あの落ち着き感が踏襲されている。
そのような、日本旅館でくつろぐ時の快適性を実現するために、FFヒーターから電子レンジ、インバーター、クローゼット、大型換気扇、傘立てに至るまで、すべてが標準装備されている。装備面でも手抜かりのないクルマだ。
スーパーロングモデルと違うところは、セカンドシートが廃されて、代わりに機能的なキッチンスペースが設けられたこと。それによって、和室との一体感も強まり、コンセプトもより明瞭になった。
和室部分からもアクセスできるミラー付きクローゼットがあるため、室内で着替えることも可能。掘りごたつが使える床下収納空間も広々している。
畳と障子で構成される和室風キャンピングカーというのは、過去にも何度か試されたことがあったが、そのほとんどは実験の域を出なかった。
しかしクエストシリーズは、まれにみる完成度を高め、見事に商品としての自立性を発揮している。
その理由は、緻密な縦横比の計算に基づいたバランス感覚の良さと、作り込みの緻密さがものをいっているからだ。
世界に誇れる日本のキャンピングカーが誕生したと思う。
お値段は。4,935,000円から
※ 『 キャンピングカー スーパーガイド 2009 』 より一部を抜粋。
2009年03月24日
手作り用キット
ハンドメイドキャンピングカーに取り組む人が、また増えているという。
今のように、キャンピングカービルダーがこれほど多くなかった時代。すなわち1970年代頃は、日本のキャンピングカーは、ほとんどが手作りキャンピングカーだった。
その後、80年代から90年代にかけて、日本のビルダー数が増えていくに従って、質の高い量産キャンピングカーが安く出回るようになり、ハンドメイドキャンピングカーは一時の勢いを失っていく。
しかし、ここのところ長引く不況の影響を受けてか、キャンピングカーを安く手に入れるために、再び自分でキャンピングカーを作ろうという人が増える傾向にあるのだそうだ。
そんなタイミングを見計らってか、大手キャンピングカービルダーのバンテックから、200系ハイエース・スーパーロング用の手作りキャンピングカーキット 「D-BOX」 が発売された。

なにしろ、国産ビルダーとしては、生産規模においても商品クオリティにおいても日本でトップと謳われるバンテック。
そこが開発したキットには、どういう特徴があるのだろう。
また、その狙いは何なのか?
バンテックの開発部に所属する中島宇一郎さんに、話を聞いてみた。

▲ 中島宇一郎さん
【町田】 キットを手掛けるようになったのは、どういう理由からですか?
【中島】 ひとつには、キャンピングカーの普及を目指して…ということが大きいですね。
いろいろなお客様の話を聞いていると、
「キャンピングカーが欲しいけれど、まだお金の余裕がないから買えない」
とか、
「もう少しお金が貯まってから…」
と話される方が実に多いんですね。
そういう方々の要望に応えて、少しでも買いやすい価格帯のクルマを提供したいという気持ちは当然あるのですが、価格を抑えるにも限度があるんですね。
特に、工賃の部分はこれが目一杯。
…だったら、お客様に工賃をご負担いただいて、こちらは材料だけを提供するような形をとれば、お安く提供できるのかなと…」

【町田】 バンテックさんは、こういうキットの販売は初めて?
【中島】 いえいえ、日本にキャンピングカーが普及し始めた頃、うちでは2000キット以上のキットを販売しているんですよ。
今回も、そのときの経験を生かして商品開発していますね。
【町田】 実際に、完成車を買うのと、このキットを買って自分で組み立てるのでは、どのくらいの差が出るのですか?
【中島】 たとえば、最近私たちが出した新車で 「フレア」 というバンコンがありますが、その車両本体価格が378万円。
それを実際に取得するとなると、登録費が別にかかるので、約400万円ぐらいになります。
ところが、このキットを買っていただいて、ご自分でキャンピングカーを組み立てられる場合は、ざっというと、80万円くらい安く仕上げることができます。
内訳で言いますと、まずベース車 (ハイエースバン) の料金が値引きを入れて、だいたい200~210万円。
そして、キットの料金が59万8,000円。
それに梱包料、送料が多少それに加わります。
それでも、完成車に比べて、大雑把に80万円程度の差はつきますね。
少し贅沢したいということで、バッテリー、ヒーターといった充実装備を加味していっても、お客様が負担する額は300万円ぐらい…といったところでしょうか。
もしベース車を新車で買った場合は、それに取得税や重量税がかかりますから、登録費用が20万円ぐらい加算されますけれど、それでもおよそ320万円。
登録費用も入れて目一杯高くなった状態でも、300万円台の前半で堂々たるキャンピングカーを所有できます。

【町田】 しかし、価格が安いのはいいけれど、作るのが面倒くさいというお客さんもいるでしょうね。
【中島】 そういう方には、弊社で組み立て済みの完成車を販売することもできます。
しかし、補償に関しては、あくまでもキットとしての補償しかできませんけれど…。
でも、せっかくですから、“作る喜び” というのも味わってみることをお勧めします。
というのは、このキットはもうプラモデルの感覚で組み立てられるんですよ。
工具も、基本的にはマイナスのドライバーが一本あれば十分。
家具がすべて 「組み立て済み」 になっているんですね。
天井の吊り棚から、ベッド兼用のシート、テーブル、サイドカウンター、ベッド用マットなど、すべて完成されたユニットになっているんです。

【町田】 吊り棚なんかは、どうやって付けるのですか?
【中島】 吊り棚などにもブラケットが付いているので、窓枠のところとルーフのフランジのところに引っかけるだけなんです。
だから、ハンドメイドとはいいつつも、お客様はただ 「設置するだけ」 でいいんですね。
しかも、全工程が写真付きの組み立て説明書によって、つぶさに分かるようになっていますし、8ナンバー登録するための改造申請書も付いています。
【町田】 至れり尽くせりですね。
【中島】 床には、すべて家具を固定するためのマーキングがなされていて、それに応じて穴も空いていますから、家具位置を決めるも簡単です。
その穴に専用のナットを埋めてもらって、それに対して家具側のピンを差し込む。
そして、家具を固定してピンを差し込んだら、マイナスドライバーでキュッと締めてあげれば、めでたく完了。
それだけで、すべての家具がしっかり固定ができるようになっています。

【町田】 実に簡単ですね。
【中島】 ええ。ただシートベルトの取り付けだけは、やはり保安基準と安全上の問題から床に止めるというわけにはいかないものですから、ボディを貫通する穴を空けていただく必要がありますね。
その作業だけには、電動ドリルが必要となりますが、それ以外はマイナスドライバーが一本あれば問題ありません。
【町田】 そんなに簡単に組み立てられるのに、家具にはバンテックさん自慢の家具がそっくり使えるというのが魅力ですね。
【中島】 ええ。組み立てるのはお客様であっても、できあがったクルマのクオリティはバンテックの工場から出てくる完成品と変わらないということを訴えていきたいですね。

【町田】 バンテックさんには充実した品数を誇るパーツセンターさんもあるわけですから、ユーザーは手作りを楽しみながら、自分のクルマに合ったパーツ探しも楽しめるということになりますね。
団塊の世代には手先の器用な人が多いから、彼らがリタイヤした後の趣味として、「キャンピングカー作り」 っていうのが流行るかもしれないですね。
【中島】 そうですね。自分好みのクルマに仕上げていくというのは、ハンドメイドでしか味わえませんものね。
今のように、キャンピングカービルダーがこれほど多くなかった時代。すなわち1970年代頃は、日本のキャンピングカーは、ほとんどが手作りキャンピングカーだった。
その後、80年代から90年代にかけて、日本のビルダー数が増えていくに従って、質の高い量産キャンピングカーが安く出回るようになり、ハンドメイドキャンピングカーは一時の勢いを失っていく。
しかし、ここのところ長引く不況の影響を受けてか、キャンピングカーを安く手に入れるために、再び自分でキャンピングカーを作ろうという人が増える傾向にあるのだそうだ。
そんなタイミングを見計らってか、大手キャンピングカービルダーのバンテックから、200系ハイエース・スーパーロング用の手作りキャンピングカーキット 「D-BOX」 が発売された。
なにしろ、国産ビルダーとしては、生産規模においても商品クオリティにおいても日本でトップと謳われるバンテック。
そこが開発したキットには、どういう特徴があるのだろう。
また、その狙いは何なのか?
バンテックの開発部に所属する中島宇一郎さんに、話を聞いてみた。
▲ 中島宇一郎さん
【町田】 キットを手掛けるようになったのは、どういう理由からですか?
【中島】 ひとつには、キャンピングカーの普及を目指して…ということが大きいですね。
いろいろなお客様の話を聞いていると、
「キャンピングカーが欲しいけれど、まだお金の余裕がないから買えない」
とか、
「もう少しお金が貯まってから…」
と話される方が実に多いんですね。
そういう方々の要望に応えて、少しでも買いやすい価格帯のクルマを提供したいという気持ちは当然あるのですが、価格を抑えるにも限度があるんですね。
特に、工賃の部分はこれが目一杯。
…だったら、お客様に工賃をご負担いただいて、こちらは材料だけを提供するような形をとれば、お安く提供できるのかなと…」
【町田】 バンテックさんは、こういうキットの販売は初めて?
【中島】 いえいえ、日本にキャンピングカーが普及し始めた頃、うちでは2000キット以上のキットを販売しているんですよ。
今回も、そのときの経験を生かして商品開発していますね。
【町田】 実際に、完成車を買うのと、このキットを買って自分で組み立てるのでは、どのくらいの差が出るのですか?
【中島】 たとえば、最近私たちが出した新車で 「フレア」 というバンコンがありますが、その車両本体価格が378万円。
それを実際に取得するとなると、登録費が別にかかるので、約400万円ぐらいになります。
ところが、このキットを買っていただいて、ご自分でキャンピングカーを組み立てられる場合は、ざっというと、80万円くらい安く仕上げることができます。
内訳で言いますと、まずベース車 (ハイエースバン) の料金が値引きを入れて、だいたい200~210万円。
そして、キットの料金が59万8,000円。
それに梱包料、送料が多少それに加わります。
それでも、完成車に比べて、大雑把に80万円程度の差はつきますね。
少し贅沢したいということで、バッテリー、ヒーターといった充実装備を加味していっても、お客様が負担する額は300万円ぐらい…といったところでしょうか。
もしベース車を新車で買った場合は、それに取得税や重量税がかかりますから、登録費用が20万円ぐらい加算されますけれど、それでもおよそ320万円。
登録費用も入れて目一杯高くなった状態でも、300万円台の前半で堂々たるキャンピングカーを所有できます。
【町田】 しかし、価格が安いのはいいけれど、作るのが面倒くさいというお客さんもいるでしょうね。
【中島】 そういう方には、弊社で組み立て済みの完成車を販売することもできます。
しかし、補償に関しては、あくまでもキットとしての補償しかできませんけれど…。
でも、せっかくですから、“作る喜び” というのも味わってみることをお勧めします。
というのは、このキットはもうプラモデルの感覚で組み立てられるんですよ。
工具も、基本的にはマイナスのドライバーが一本あれば十分。
家具がすべて 「組み立て済み」 になっているんですね。
天井の吊り棚から、ベッド兼用のシート、テーブル、サイドカウンター、ベッド用マットなど、すべて完成されたユニットになっているんです。
【町田】 吊り棚なんかは、どうやって付けるのですか?
【中島】 吊り棚などにもブラケットが付いているので、窓枠のところとルーフのフランジのところに引っかけるだけなんです。
だから、ハンドメイドとはいいつつも、お客様はただ 「設置するだけ」 でいいんですね。
しかも、全工程が写真付きの組み立て説明書によって、つぶさに分かるようになっていますし、8ナンバー登録するための改造申請書も付いています。
【町田】 至れり尽くせりですね。
【中島】 床には、すべて家具を固定するためのマーキングがなされていて、それに応じて穴も空いていますから、家具位置を決めるも簡単です。
その穴に専用のナットを埋めてもらって、それに対して家具側のピンを差し込む。
そして、家具を固定してピンを差し込んだら、マイナスドライバーでキュッと締めてあげれば、めでたく完了。
それだけで、すべての家具がしっかり固定ができるようになっています。
【町田】 実に簡単ですね。
【中島】 ええ。ただシートベルトの取り付けだけは、やはり保安基準と安全上の問題から床に止めるというわけにはいかないものですから、ボディを貫通する穴を空けていただく必要がありますね。
その作業だけには、電動ドリルが必要となりますが、それ以外はマイナスドライバーが一本あれば問題ありません。
【町田】 そんなに簡単に組み立てられるのに、家具にはバンテックさん自慢の家具がそっくり使えるというのが魅力ですね。
【中島】 ええ。組み立てるのはお客様であっても、できあがったクルマのクオリティはバンテックの工場から出てくる完成品と変わらないということを訴えていきたいですね。
【町田】 バンテックさんには充実した品数を誇るパーツセンターさんもあるわけですから、ユーザーは手作りを楽しみながら、自分のクルマに合ったパーツ探しも楽しめるということになりますね。
団塊の世代には手先の器用な人が多いから、彼らがリタイヤした後の趣味として、「キャンピングカー作り」 っていうのが流行るかもしれないですね。
【中島】 そうですね。自分好みのクルマに仕上げていくというのは、ハンドメイドでしか味わえませんものね。
2009年03月22日
バルミィ
大森自動車のバルミィというバンコンは、日本のバンコンデザインのひとつの到達点を示すようなクルマだと思う。

そのインテリア造形は、一見キャンピングカーには見えない。
どこかクルーザーか、高級ホテルの室内のような雰囲気が漂っている。

特に、09年の春に発表された新型モデルは、基本レイアウトは前モデルのものをほぼ踏襲していたが、シート素材にざっくりした感触を生かした平織りを採用し、未来的なデザインの室内に、少しレトロな味わいを導入していた。
それがちょうど、このモデルから投入されたLED照明の間接照明的な光の中で、50年代から60年代頃に作られた映画に出てくる“超モダン住宅”のインテリアのように見えた。

その時代の人々が考えていた近未来というのは、今の人々が心の中に描くような終末論的な彩りに染められた未来像とは異なり、明るく希望に満ちたものだった。
当時の人々が、思い描いていた奇抜でカッコいい 「未来」 。
それが、時間の波のくぐり抜けて、眼前に現れているのを見ると、私などの世代は若い頃に見た光景を思い出し、鼻孔いっぱいに甘酸っぱい香りが広がっていくのを感じる。
この 「レトロ感覚」 と 「未来感覚」 が不思議に融合した不思議な味わい。
そこに、このバルミィの独自性があると思う。

▲ 大森自動車 大森太朗さん
設計・開発を担当した宮永さんは、特にそういうことを意識したわけではないと語っていたが、 「他のバンコンにはない意匠を創案して、ブランド化を図りたい」 という思いはあったという。
その意図はうまく実現され、バルミィというクルマをひときわ個性的な輝きで彩ることになった。

▲ 大森自動車 宮永京介さん
デザインの遊びが先行したバンコンのような書き方になったが、実は、かなり使い勝手を考慮した、実用性の高いクルマであることにも触れなければならない。
このクルマの特長は、リヤシートの展開が自在なこと。
通常は横向き3人掛けシートになっているが、上下2段の大型ベッドにもなり、すべて跳ね上げると、キッチンスペースや荷室が広がるという妙味を見せる。

マルチルームの扉などにも二つ折り扉が採用されており、開閉する時も場所を取らない。
また、扉を二つ折りの状態で使うと、 「リビング部」 と 「寝室&キッチン」 を分ける間仕切りとしても機能するために、プライバシーの部分をさらすことなく、ゲストをリビングに招き入れることができる。

もうひとつのポイントは、運転席・助手席のシートバックを利用したリクライニングソファ。
そのままの状態でも対面ダイネットを構成するが、マットを埋め込むだけで変形コの字ラウンジにもなり、フロアベッドにもなるという自在な組合せが可能で、リビングスペースの使い勝手を無類に向上させている。

キッチンも楕円型シンクを組み込んだ素敵なデザインでまとめられ、蓋をするとカウンターとして使える。
このクルマにおいては、デザインの斬新さは、すべて使い勝手の合理性を追求した結果から生まれている。
そういうバンコンが出てきたことを思うと、日本のキャンピングカーもようやく成熟期に入ってきたのかもしれないという気がする。

お値段は4,442,000円から。
そのインテリア造形は、一見キャンピングカーには見えない。
どこかクルーザーか、高級ホテルの室内のような雰囲気が漂っている。

特に、09年の春に発表された新型モデルは、基本レイアウトは前モデルのものをほぼ踏襲していたが、シート素材にざっくりした感触を生かした平織りを採用し、未来的なデザインの室内に、少しレトロな味わいを導入していた。
それがちょうど、このモデルから投入されたLED照明の間接照明的な光の中で、50年代から60年代頃に作られた映画に出てくる“超モダン住宅”のインテリアのように見えた。
その時代の人々が考えていた近未来というのは、今の人々が心の中に描くような終末論的な彩りに染められた未来像とは異なり、明るく希望に満ちたものだった。
当時の人々が、思い描いていた奇抜でカッコいい 「未来」 。
それが、時間の波のくぐり抜けて、眼前に現れているのを見ると、私などの世代は若い頃に見た光景を思い出し、鼻孔いっぱいに甘酸っぱい香りが広がっていくのを感じる。
この 「レトロ感覚」 と 「未来感覚」 が不思議に融合した不思議な味わい。
そこに、このバルミィの独自性があると思う。
▲ 大森自動車 大森太朗さん
設計・開発を担当した宮永さんは、特にそういうことを意識したわけではないと語っていたが、 「他のバンコンにはない意匠を創案して、ブランド化を図りたい」 という思いはあったという。
その意図はうまく実現され、バルミィというクルマをひときわ個性的な輝きで彩ることになった。
▲ 大森自動車 宮永京介さん
デザインの遊びが先行したバンコンのような書き方になったが、実は、かなり使い勝手を考慮した、実用性の高いクルマであることにも触れなければならない。
このクルマの特長は、リヤシートの展開が自在なこと。
通常は横向き3人掛けシートになっているが、上下2段の大型ベッドにもなり、すべて跳ね上げると、キッチンスペースや荷室が広がるという妙味を見せる。
マルチルームの扉などにも二つ折り扉が採用されており、開閉する時も場所を取らない。
また、扉を二つ折りの状態で使うと、 「リビング部」 と 「寝室&キッチン」 を分ける間仕切りとしても機能するために、プライバシーの部分をさらすことなく、ゲストをリビングに招き入れることができる。
もうひとつのポイントは、運転席・助手席のシートバックを利用したリクライニングソファ。
そのままの状態でも対面ダイネットを構成するが、マットを埋め込むだけで変形コの字ラウンジにもなり、フロアベッドにもなるという自在な組合せが可能で、リビングスペースの使い勝手を無類に向上させている。
キッチンも楕円型シンクを組み込んだ素敵なデザインでまとめられ、蓋をするとカウンターとして使える。
このクルマにおいては、デザインの斬新さは、すべて使い勝手の合理性を追求した結果から生まれている。
そういうバンコンが出てきたことを思うと、日本のキャンピングカーもようやく成熟期に入ってきたのかもしれないという気がする。
お値段は4,442,000円から。
2009年03月17日
ダブスターの物語
キャンピングカーの商品開発や広告展開の 「ブランド化」 、つまり 「物語性」 の付与が始まっていると前回書いたが、そのひとつの例として、デルタリンクさんの手掛けた 「ダブスター」 というキャンピングカーがある。

ハイエースのロングバン・ワイドボディを使い、お洒落なシートやアーバンデザインの家具を投入した “遊び心” に満ちたバンコンである。
ちょっと車高を落としたローダウン仕様。
デイトナのアルミホイール。
その風情には、どこかストリート系のファッションにも通じるカスタムカーのテイストがにじみ出る。

運転席周りにも、凝ったデザインが施されている。
シートは、スポーティな印象をかもし出すレザーとパンチングレザーを組み合わせたダブルステッチ&ハードシングルステッチ仕上げ。

さらには、 「DVDヘッド」 という見た目のデザイン性と実用性を追求したオリジナルヘッドレストが装着され、ノーマル車との違いを歴然と主張する。
DVDとは、 「DELTA VAN DESIGN = デルタバンデザイン」 の意味。
デルタリンクのオリジナル性を主張する新しい 「バンデザイン」 を謳ったものだ。

このバンコンが、なぜ 「物語性」 を秘めた 「ブランド」 として機能するのか。
そこには、このクルマの企画を練った山田秀明社長の、ブランド構築に対する並々ならぬ決意と情熱が注ぎ込まれているからだ。

山田さんは、商品がブランドとして立ち上がるためには、もちろんイメージ戦略が重要であることもしっかり認識している。
しかし、それだけでなく、ブランドとして機能するためには、商品そのものがしっかりした目的を持ち、その目的に応じた実用性、堅牢性、信頼性を確保することが先決であることも知っている。
ダブスターが秘めた実用性、堅牢性、信頼性とは何なのか。

一見、このクルマはカスタムの流れを汲んだ、ストリートユースを目的としたシティカーのように見える。
そういうクルマが、今の若者の嗜好を満たし、キャンピングカーとは違った分野で支持を集めているということも、山田さんはマーケティング調査によって把握している。
しかし、キャンピングカービルダー&ディーラーとして、商品開発に取り組んできた山田さんにとって、外せないものがあった。
それは、 「遊ぶ」 「泊まる」 「積む」 というキャンピングカーとしての基本的な機能。
それがなければ、どんなに若者が憧れるカッコいいバンをリリースしても、自分にとっては意味がないという決意がある。
つまり、ダブスターというクルマは、山田社長自身がそのクルマを使うことで獲得される、大きな 「夢」 を盛り込んだバンコンなのだ。

夢とは何か。
「僕が学生時代からヨットが好きで、それが縁となってこのキャンピングカーの世界に入ってことは、知っている人も多いかもしれません。
でもね、本当にやりたかったのはサーフィンなの。
若い頃、湘南の海に通って、ずっと波乗りをやっていたんですよ。
しかし、当時はサーフィンブームで人口も多かったし、良い波が来たら、パドルのうまい人がみな先に行って、その波を取ってしまう。
僕のような駆け出しの若者は、なかなか波が取れないわけ。
そんな悔しい思いが、ヨットの方に向かわせたけれど、今でもやりたいのはサーフィン」
と語る山田さん。

ずばり、ダブスターというクルマは、彼がやりたかったサーフィンを実現するときのイメージをベースに造られたバンコンなのだ。
「このクルマができる前には、それをサーフィンの基地とするために、新しいサーフボードも作っていたんですよ。
千葉に新しいデルタとしての拠点を作ったのも、あそこならサーフィンのメッカである九十九里に近いという計算もあった」
山田さんの趣味は、サーフィンだけとは限らない。
スノーボード。
そして、バイク。
そういう遊びのギアを搭載して、 「アウトドアライフを自由に楽しむ」 というイメージが、開発の最初の段階から存在した。
だから、一見シティ派風に見えるダブスターのインテリアには、実はハードな使用に耐えられるさまざまな工夫が凝らされている。
フロアには、サーフボード、ジェットスキー、バイクなどを搭載することを前提に、耐候性・耐磨耗性を備えた重歩行用のクッションフロアが使用され、カーペットには、防水効果が高く保温性、断熱性にも優れたアルセポリを裏地に使ったものが採用されている。

家具は、傷に強いメラミンを全面的に採用し、モールは、衝撃に強いエボキシ樹脂の削り出し。
しかし、その出来映えは、新たに塗装したかように自然な仕上がりを見せて、得もいわれぬ高級感を漂わせている。
目に見えないところに、そっと隠された実用性と堅牢性。
この都会派的な装いに満ちたお洒落なバンは、ハードなアウトドアユースに耐えられる実力を内側に秘めているのである。

「スポーツギアを搭載することを前提としたトランポは、みな機能をむき出しにした “素朴さ” を売りにしているようなところがありますよね。
でも、僕はそれがいやだったんですよ。
街を走るときは、やはりそれなりにソフィストケイトされた華やかさを発揮したいし、彼女とデートするときの “恋愛空間” としての夢は維持しておきたい」
そういうデザインコンセプトを持ったバンコンが、すなわち 「デルタバンデザイン」 。

40歳代の後半を迎えようとしている山田さん。
しかし、若者たちに混じってサーフィンやスノボーを楽しむことに、彼はまったくためらいを持たない。
そのためにキャンピングカーの世界に接しているという自負もある。
開発者の夢を存分に託された商品というのは、放っておいても艶 (つや) がこぼれ出る。
そこにオーラが生まれ、見る人や使う人に感動を与えることも、山田さんは見抜いている。
そして、それが、ブランド化には不可欠の 「物語」 によって生まれることを、誰よりも、山田さん自身がよく知っている。
「ダブスター」 とは、華やかな街の夜景を堪能し、そして海や山のナチュラルな素顔にも接したいという、山田秀明さんの欲張った “生きざま” を投影したひとつの 「物語」 なのだ。

ハイエースのロングバン・ワイドボディを使い、お洒落なシートやアーバンデザインの家具を投入した “遊び心” に満ちたバンコンである。
ちょっと車高を落としたローダウン仕様。
デイトナのアルミホイール。
その風情には、どこかストリート系のファッションにも通じるカスタムカーのテイストがにじみ出る。
運転席周りにも、凝ったデザインが施されている。
シートは、スポーティな印象をかもし出すレザーとパンチングレザーを組み合わせたダブルステッチ&ハードシングルステッチ仕上げ。
さらには、 「DVDヘッド」 という見た目のデザイン性と実用性を追求したオリジナルヘッドレストが装着され、ノーマル車との違いを歴然と主張する。
DVDとは、 「DELTA VAN DESIGN = デルタバンデザイン」 の意味。
デルタリンクのオリジナル性を主張する新しい 「バンデザイン」 を謳ったものだ。
このバンコンが、なぜ 「物語性」 を秘めた 「ブランド」 として機能するのか。
そこには、このクルマの企画を練った山田秀明社長の、ブランド構築に対する並々ならぬ決意と情熱が注ぎ込まれているからだ。
山田さんは、商品がブランドとして立ち上がるためには、もちろんイメージ戦略が重要であることもしっかり認識している。
しかし、それだけでなく、ブランドとして機能するためには、商品そのものがしっかりした目的を持ち、その目的に応じた実用性、堅牢性、信頼性を確保することが先決であることも知っている。
ダブスターが秘めた実用性、堅牢性、信頼性とは何なのか。
一見、このクルマはカスタムの流れを汲んだ、ストリートユースを目的としたシティカーのように見える。
そういうクルマが、今の若者の嗜好を満たし、キャンピングカーとは違った分野で支持を集めているということも、山田さんはマーケティング調査によって把握している。
しかし、キャンピングカービルダー&ディーラーとして、商品開発に取り組んできた山田さんにとって、外せないものがあった。
それは、 「遊ぶ」 「泊まる」 「積む」 というキャンピングカーとしての基本的な機能。
それがなければ、どんなに若者が憧れるカッコいいバンをリリースしても、自分にとっては意味がないという決意がある。
つまり、ダブスターというクルマは、山田社長自身がそのクルマを使うことで獲得される、大きな 「夢」 を盛り込んだバンコンなのだ。
夢とは何か。
「僕が学生時代からヨットが好きで、それが縁となってこのキャンピングカーの世界に入ってことは、知っている人も多いかもしれません。
でもね、本当にやりたかったのはサーフィンなの。
若い頃、湘南の海に通って、ずっと波乗りをやっていたんですよ。
しかし、当時はサーフィンブームで人口も多かったし、良い波が来たら、パドルのうまい人がみな先に行って、その波を取ってしまう。
僕のような駆け出しの若者は、なかなか波が取れないわけ。
そんな悔しい思いが、ヨットの方に向かわせたけれど、今でもやりたいのはサーフィン」
と語る山田さん。
ずばり、ダブスターというクルマは、彼がやりたかったサーフィンを実現するときのイメージをベースに造られたバンコンなのだ。
「このクルマができる前には、それをサーフィンの基地とするために、新しいサーフボードも作っていたんですよ。
千葉に新しいデルタとしての拠点を作ったのも、あそこならサーフィンのメッカである九十九里に近いという計算もあった」
山田さんの趣味は、サーフィンだけとは限らない。
スノーボード。
そして、バイク。
そういう遊びのギアを搭載して、 「アウトドアライフを自由に楽しむ」 というイメージが、開発の最初の段階から存在した。
だから、一見シティ派風に見えるダブスターのインテリアには、実はハードな使用に耐えられるさまざまな工夫が凝らされている。
フロアには、サーフボード、ジェットスキー、バイクなどを搭載することを前提に、耐候性・耐磨耗性を備えた重歩行用のクッションフロアが使用され、カーペットには、防水効果が高く保温性、断熱性にも優れたアルセポリを裏地に使ったものが採用されている。
家具は、傷に強いメラミンを全面的に採用し、モールは、衝撃に強いエボキシ樹脂の削り出し。
しかし、その出来映えは、新たに塗装したかように自然な仕上がりを見せて、得もいわれぬ高級感を漂わせている。
目に見えないところに、そっと隠された実用性と堅牢性。
この都会派的な装いに満ちたお洒落なバンは、ハードなアウトドアユースに耐えられる実力を内側に秘めているのである。
「スポーツギアを搭載することを前提としたトランポは、みな機能をむき出しにした “素朴さ” を売りにしているようなところがありますよね。
でも、僕はそれがいやだったんですよ。
街を走るときは、やはりそれなりにソフィストケイトされた華やかさを発揮したいし、彼女とデートするときの “恋愛空間” としての夢は維持しておきたい」
そういうデザインコンセプトを持ったバンコンが、すなわち 「デルタバンデザイン」 。
40歳代の後半を迎えようとしている山田さん。
しかし、若者たちに混じってサーフィンやスノボーを楽しむことに、彼はまったくためらいを持たない。
そのためにキャンピングカーの世界に接しているという自負もある。
開発者の夢を存分に託された商品というのは、放っておいても艶 (つや) がこぼれ出る。
そこにオーラが生まれ、見る人や使う人に感動を与えることも、山田さんは見抜いている。
そして、それが、ブランド化には不可欠の 「物語」 によって生まれることを、誰よりも、山田さん自身がよく知っている。
「ダブスター」 とは、華やかな街の夜景を堪能し、そして海や山のナチュラルな素顔にも接したいという、山田秀明さんの欲張った “生きざま” を投影したひとつの 「物語」 なのだ。
2009年03月12日
レガード伝説
もしかしたら、ロデオ以来の “伝説の名車” になるのではないか。
そんな予感さえ抱かせるすごいクルマの登場である。
カムロードをベースにしたキャブコンは、レイアウトも装備内容もあらかたのアイデアが出尽くした感があったが、ヨコハマモーターセールスの開発したレガードを見ると、工夫によっては、このシャシーにもまだ豊かな可能性が残されていたのだな…という気がする。

▲ レガード
レガードは、居住空間の充実、収納能力の向上、走行安定性の確保などという、それぞれ対処方法の異なる課題を、すべて根底から解決してしまうという途方もないもくろみを持ったキャブコンである。
まず、そういう発想を持つということ自体が並みのビルダーにはできない。
ロデオなどの開発で国産キャンピングカー製作の先陣を切り、さらに官公庁や各種企業からさまざまな特装車を受注してきたヨコハマモーターセールスだからこそ、その領域に敢然と足を踏み込んでいくことができたのかもしれない。
経験は力なり。
老舗の底力というものを、そこから感じることができる。
▲ レガードのリビング

▲ プルダウンベッド

▲ リヤ2段ベッド
では、居住空間の充実と、荷物などの収納容積の拡大といった相反するベクトルを、このレガードではどう調和させようとしたのか。
室内面積を単純に追求するだけだったら、リヤオーバーハングを伸ばせばいいということになる。
しかし、それでは後軸に荷重が集中し過ぎて、走行安定性の確保もままならず、安全性も保てない。
そこで、ヨコハマモーターセールスの開発陣が考えたのは、ホイールベースそのもののストレッチ (延長) だった。
そうすれば、後軸に集中する荷重を前軸に分散させることが可能となり、理想に近い重量配分が実現する。もちろん、直進安定性も格段に向上していく。

▲ 治具を用いたホイールベースの延長
ところが、問題も出てくる。
当然、フレームやドライブシャフトなども延長されることになるので、重量増という問題を抱えることになる。

そこで、彼らは次の手を考えた。
もともと、ヨコハマモーターセールスには、地面から上がってくる湿気や水はねを遮断するために、木製床面をFRP製フロアユニットでサンドイッチするという技術がある。
このフロアユニット機構をさらに緻密化させ、あらかじめ床下収納、タイヤハウス、ステップ、シャワーパン、シートの台座まで一体成形で型取ってしまえば、起伏が多くなった分…つまりリブ構造を採った分、フロア剛性も上がり、サブフレームのコンパクト化が図れるのではないか。
つまりは、その分、軽量化を詰めていくことが可能となるはずだ。
…ということで、レガードでは、このフロアユニットを有効活用することによって、スチールフレームなどを削減し、軽量化を押し進めるという手法が採られることになった。
▲ FRP製フロアユニット
しかし、レガードの凄みが光るのは、ここから先だ。
それが、低重心設計。
キャブコンの走行性を不安定にさせる要因のひとつに、重心高が上がりすぎるというのがある。
居住空間を水平方向に広げるには、どうしても限度があるために、キャブコンの場合は、バンクベッド、縦長収納庫、さらにはルーフにトランクを積むなど、装備や荷物が垂直方向に積み重なっていく傾向がある。
当然、重心高が高くなり過ぎた場合は安定性を欠き、走行中のふらつきやコーナリング時の横転なども考えられるようになる。
ここで、PRP製フロアユニットがレガードに投入されたもうひとつの意味が浮かび上がる。
このユニットは、低重心設計を追求するためのものでもあったのだ。
なにしろ、これを設定することによって、室内の一般床面が、フレームの上面から63mmも低位置に設計されたというから、そのもくろみの徹底性をうかがい知ることができる。

▲ 低重心設計された各収納庫
特に収納庫は、のきなみ低重心設計の “洗礼” を受けた。
2重底となったリヤ大型収納庫の底面などは、ダウンフレーム化することによって一般床面よりも400mm下げられ、リヤ側荷室部分の床面は250mm。ボディ左右の外部収納庫は、一般床面から375mm下げられたという。
これらの収納スペースの低重心化は、同時に荷物の収納容積の拡大を果たすことになった。
低重心対策は、それだけではない。
燃料タンクやスペアタイヤの位置も下方に移設された。
燃料タンクは標準の高さから50mm。
スペアタイヤの搭載位置は60mm下げられたというから、ベース車そのものの改良もハンパじゃない。
バンクを削ぎ落としたのも、軽量化と低重心化を考慮したものであるが、それ以上に、これには風の抵抗をやわらげるという狙いがある。
ルーフの各コーナーには、R100以上の形状を持たせて、空力特性の向上を図ったというから、何から何まで徹底している。

▲ 空力特性を追求したエアロフォルム
このような画期的な試みが、何のために行われたのか。
ヨコハマモーターセールス営業部の平野一幸さんは、それについて、こう語ってくれた。

▲ 平野一幸さん
「レガードは、人間が快適に旅をするには何が必要かという原点に立ち返って開発したクルマなんです。
たぶん、このクルマが誕生したことによって、キャンピングカーの快適さと安全に対する基準が変わると信じています。
大きなことをいうと、これから先の社会は、 “モノ” から “ココロ” の時代へと移っていくでしょう。
そうなると、旅というものが、今以上に人間の心を解放し、人間に豊かな人生を約束するものだという認識が高まっていくでしょう。
その旅を、いかに快適に、安全に楽しむか。
レガードはそれへの提言なのです」

観光庁も 「ニューツーリズム」 という、地域資源を活用して観光産業を活性化させようという新しい旅のスタイルを国民に呼びかける時代になった。
レガードというクルマは、そういう社会が実り多きものになることを願った、ヨコハマモーターセールスとしての提案なのだという。
平野さんは、続けて言う。
「20世紀までは、道具を進化させれば、人間の幸せも着いてくると信じられた時代でした。
つまり、道具そのものを複雑にして、その数を増やしていけば、それで人間も安心していられたんですね。
しかし、その結果、人間は環境に負荷をかけ、有限な資源を無駄に使うことも覚えてしまった。
もう、そういうプラスにプラスを重ねる思考方法そのものの限界も見えてきたように思うんですよ。
これからの社会に大切なのは、 “引き算” の思想。
このレガードは、ベース車のキャパシティを理解した上で、本当に大切な要素を抽出するためには“何を取り除くのか”ということを、引き算で組み立てたクルマなんです。
…こういう装備を増やせば、さらに便利になるだろうという発想を捨てたんです。
レガードに投入された技術は、すべてが、大切な要素を抽出するための引き算から導き出された技術です。
重量を減らす。
風の抵抗を減らす。
消費エネルギーを減らす。
不安定材料を減らす。
事故を減らす。
引き算によって、逆に得られる幸せというものがあるはずです。
それを形に現したものが、このレガードです」
キャンピングカーは人間の幸せにどう関わっていくのか。
そういうことについての哲学を持とうとするビルダーが、少しずつだが現れてきたように思う。
そんな予感さえ抱かせるすごいクルマの登場である。
カムロードをベースにしたキャブコンは、レイアウトも装備内容もあらかたのアイデアが出尽くした感があったが、ヨコハマモーターセールスの開発したレガードを見ると、工夫によっては、このシャシーにもまだ豊かな可能性が残されていたのだな…という気がする。
▲ レガード
レガードは、居住空間の充実、収納能力の向上、走行安定性の確保などという、それぞれ対処方法の異なる課題を、すべて根底から解決してしまうという途方もないもくろみを持ったキャブコンである。
まず、そういう発想を持つということ自体が並みのビルダーにはできない。
ロデオなどの開発で国産キャンピングカー製作の先陣を切り、さらに官公庁や各種企業からさまざまな特装車を受注してきたヨコハマモーターセールスだからこそ、その領域に敢然と足を踏み込んでいくことができたのかもしれない。
経験は力なり。
老舗の底力というものを、そこから感じることができる。
▲ レガードのリビング
▲ プルダウンベッド
▲ リヤ2段ベッド
では、居住空間の充実と、荷物などの収納容積の拡大といった相反するベクトルを、このレガードではどう調和させようとしたのか。
室内面積を単純に追求するだけだったら、リヤオーバーハングを伸ばせばいいということになる。
しかし、それでは後軸に荷重が集中し過ぎて、走行安定性の確保もままならず、安全性も保てない。
そこで、ヨコハマモーターセールスの開発陣が考えたのは、ホイールベースそのもののストレッチ (延長) だった。
そうすれば、後軸に集中する荷重を前軸に分散させることが可能となり、理想に近い重量配分が実現する。もちろん、直進安定性も格段に向上していく。
▲ 治具を用いたホイールベースの延長
ところが、問題も出てくる。
当然、フレームやドライブシャフトなども延長されることになるので、重量増という問題を抱えることになる。
そこで、彼らは次の手を考えた。
もともと、ヨコハマモーターセールスには、地面から上がってくる湿気や水はねを遮断するために、木製床面をFRP製フロアユニットでサンドイッチするという技術がある。
このフロアユニット機構をさらに緻密化させ、あらかじめ床下収納、タイヤハウス、ステップ、シャワーパン、シートの台座まで一体成形で型取ってしまえば、起伏が多くなった分…つまりリブ構造を採った分、フロア剛性も上がり、サブフレームのコンパクト化が図れるのではないか。
つまりは、その分、軽量化を詰めていくことが可能となるはずだ。
…ということで、レガードでは、このフロアユニットを有効活用することによって、スチールフレームなどを削減し、軽量化を押し進めるという手法が採られることになった。
▲ FRP製フロアユニット
しかし、レガードの凄みが光るのは、ここから先だ。
それが、低重心設計。
キャブコンの走行性を不安定にさせる要因のひとつに、重心高が上がりすぎるというのがある。
居住空間を水平方向に広げるには、どうしても限度があるために、キャブコンの場合は、バンクベッド、縦長収納庫、さらにはルーフにトランクを積むなど、装備や荷物が垂直方向に積み重なっていく傾向がある。
当然、重心高が高くなり過ぎた場合は安定性を欠き、走行中のふらつきやコーナリング時の横転なども考えられるようになる。
ここで、PRP製フロアユニットがレガードに投入されたもうひとつの意味が浮かび上がる。
このユニットは、低重心設計を追求するためのものでもあったのだ。
なにしろ、これを設定することによって、室内の一般床面が、フレームの上面から63mmも低位置に設計されたというから、そのもくろみの徹底性をうかがい知ることができる。
▲ 低重心設計された各収納庫
特に収納庫は、のきなみ低重心設計の “洗礼” を受けた。
2重底となったリヤ大型収納庫の底面などは、ダウンフレーム化することによって一般床面よりも400mm下げられ、リヤ側荷室部分の床面は250mm。ボディ左右の外部収納庫は、一般床面から375mm下げられたという。
これらの収納スペースの低重心化は、同時に荷物の収納容積の拡大を果たすことになった。
低重心対策は、それだけではない。
燃料タンクやスペアタイヤの位置も下方に移設された。
燃料タンクは標準の高さから50mm。
スペアタイヤの搭載位置は60mm下げられたというから、ベース車そのものの改良もハンパじゃない。
バンクを削ぎ落としたのも、軽量化と低重心化を考慮したものであるが、それ以上に、これには風の抵抗をやわらげるという狙いがある。
ルーフの各コーナーには、R100以上の形状を持たせて、空力特性の向上を図ったというから、何から何まで徹底している。
▲ 空力特性を追求したエアロフォルム
このような画期的な試みが、何のために行われたのか。
ヨコハマモーターセールス営業部の平野一幸さんは、それについて、こう語ってくれた。
▲ 平野一幸さん
「レガードは、人間が快適に旅をするには何が必要かという原点に立ち返って開発したクルマなんです。
たぶん、このクルマが誕生したことによって、キャンピングカーの快適さと安全に対する基準が変わると信じています。
大きなことをいうと、これから先の社会は、 “モノ” から “ココロ” の時代へと移っていくでしょう。
そうなると、旅というものが、今以上に人間の心を解放し、人間に豊かな人生を約束するものだという認識が高まっていくでしょう。
その旅を、いかに快適に、安全に楽しむか。
レガードはそれへの提言なのです」
観光庁も 「ニューツーリズム」 という、地域資源を活用して観光産業を活性化させようという新しい旅のスタイルを国民に呼びかける時代になった。
レガードというクルマは、そういう社会が実り多きものになることを願った、ヨコハマモーターセールスとしての提案なのだという。
平野さんは、続けて言う。
「20世紀までは、道具を進化させれば、人間の幸せも着いてくると信じられた時代でした。
つまり、道具そのものを複雑にして、その数を増やしていけば、それで人間も安心していられたんですね。
しかし、その結果、人間は環境に負荷をかけ、有限な資源を無駄に使うことも覚えてしまった。
もう、そういうプラスにプラスを重ねる思考方法そのものの限界も見えてきたように思うんですよ。
これからの社会に大切なのは、 “引き算” の思想。
このレガードは、ベース車のキャパシティを理解した上で、本当に大切な要素を抽出するためには“何を取り除くのか”ということを、引き算で組み立てたクルマなんです。
…こういう装備を増やせば、さらに便利になるだろうという発想を捨てたんです。
レガードに投入された技術は、すべてが、大切な要素を抽出するための引き算から導き出された技術です。
重量を減らす。
風の抵抗を減らす。
消費エネルギーを減らす。
不安定材料を減らす。
事故を減らす。
引き算によって、逆に得られる幸せというものがあるはずです。
それを形に現したものが、このレガードです」
キャンピングカーは人間の幸せにどう関わっていくのか。
そういうことについての哲学を持とうとするビルダーが、少しずつだが現れてきたように思う。
2009年03月11日
タコスのWith
キャンピングカー業界で、女性の店長がいる店となると、まずは増 (ます) ひろ子さんがいる 「TACOS (タコス) 」 が有名。

▲ タコス展示場
昨年、新しい展示場を東京・武蔵村山市に構え、社長の田代民雄さんが近くの工場で車両のメンテナンスなどにいそしんでいる間、接客やマスコミへの応対、経理事務などに励んでいる。
実は、この私もまたタコスクラブのメンバーである関係上、彼女とのつき合いは長い。
しかし、店長となってからの取材ははじめて。
同社の新しいオリジナル車 「With (ウィズ) 」 の取材も兼ねて、武蔵村山の展示場を訪ねてみた。

▲ 増ひろ子さん
【町田】 「店長&営業部長」 という重責ですね。大変でしょうけれど、まずはおめでとうございます。
【 増 】 重責だなんて… (笑) 。やっている仕事は昔から同じですよ。
でも、もう12年もこの仕事を続けているので、キャンピングカーの面白さ、素晴らしさをお客様に伝えること力はつきましたね。
【町田】 ご自分でキャンピングカーを使って旅に行かれることは?
【 増 】 今は残念ながら、本格的なキャンピングカーというものを持っていないんです。
ステップワゴンに、オーニングとテーブルを取り付けて、旦那さんと一緒にクラブキャンプに行くぐらいで。
でも、昔は 「チャンプ」 に乗っていましたから、キャンピングカーの旅の面白さというのはよく分かっているんです。
その頃は、ゴールデンウィークを利用して、10日ほど岐阜、富山、兵庫、広島、小倉あたりまで旅して…。
本当に楽しかったんですよ。
【町田】 そのクルマをどうして手放しちゃったんですか。
【 増 】 ほら、排ガス規制に引っかかって。
【町田】 それは残念。
【 増 】 だから、下取りのクルマが入ってくると、いつも自分が買う視線で眺めてしまうんですね。
「あ、このクルマ、絶対自分が乗る!」 …とか (笑) 。
でも、お客様が欲しがると、やっぱり商品ですから、潔く売らざるを得ない。
いつもそのジレンマですね。
【町田】 どんなキャンピングカーが好みですか?
【 増 】 私、特にうるさい注文ってないんです。基本的に5mサイズのキャブコンで、個室のトイレがあればいい…という感じなんです。
そのほかのことは、レイアウトの方に自分の身体を合わせてしまうようなところがあります。
それよりも、クルマを気に入るということが大事で、気に入ったクルマならば、そんなに使いづらいレイアウトでない限り、私なんかは楽しく使ってしまいますね。

▲ With (ウィズ)
【町田】 ところで、 「With (ウィズ) 」 という久々のオリジナル車が誕生しましたね。リヤに大きな開口部を持つ大型トランク付き。
昔から有名だった 「タコス仕様」 の復活ですね。

【 増 】 これはお薦めです! このサイズのキャブコンで、これだけ使い勝手のいい “マルチスペース” を持ったクルマは、そうないと思うんですよね。
なにしろ、奥行きが1900mm、幅1100mm、高さが1900mm。
125ccクラスのバイクなら問題なく入りますし、自転車も大丈夫。
キャンプ道具だって、これぐらいの容量があれば、まず積めないものはない!
【町田】 だいぶトークがお上手になりましたね。
【 増 】 いえいえ… (笑) 。ただ、自分でも欲しいと思うクルマなんですよ。
自分は個室トイレが欲しい人間なんですけど、これ、リヤのカーゴスペースが引き戸で閉まるので、ポータブルなど置けば、立派なトイレルームになるんですね。
もちろんベッドにすれば、幅1100mm、長さ1900mmの2段ベッド。
大柄な私でも、ゆったりと寝られますし、遊びのギアを搭載しなければ、リヤ2段ベッドのクルマともなり、トイレルーム仕様のクルマにもなる…という、まぁ、魔法のクルマ (笑) 。

【町田】 「マルチに使える」 というところが、昔から評判だった 「タコス仕様」 の特徴ですものね。
【 増 】 やっぱり社長の田代の発想がすごいんですよ。特に重量物を載せるときのことを考えて、ウィンチを付けるという発想。
そのへんは、やっぱり私などには考えつかないことですね。
【町田】 ウィンチはいくらで付くんですか?
【 増 】 オプションで、4万5,000円くらいですね。
でも、これがあると、いろいろなスポーツギヤを載せたい人とか、ちょっと体力に自信がない女性などは、本当に助かるのではないかしら。

【町田】 価格的にも魅力的なプライスですよね。
【 増 】 やはり、500万円の前半でナンバーが付いてしまうというのは、お客様にはお買い得感があるのではないかと思うんです。
いっぱい売れるといいな (笑) 。

▲ ウィズ ダイネット
【町田】 ところで、従業員から見た田代社長って、どうですか?
いつも夜になると飲んだくれている…という印象があるんだけど。

▲ タコス 田代民雄 社長
【 増 】 すごいタフな人ですね。実は、私もよく一緒に飲みにいくんですよ。時には旦那も交えて3人で。
田代社長は、やっぱり若い頃からバイクやアウトドアでさんざん鍛えてきた人ですから、クルマ造りなども、いつもそれが原点になっているんですね。
遊んできた人間は、こういうクルマの開発には強みを発揮するということが、そばで見ているとよく分かるんですよ。
【町田】 ああ…。また一緒にキャンプに行きたくなったな。
【 増 】 ええ、ぜひ!

▲ タコス展示場
昨年、新しい展示場を東京・武蔵村山市に構え、社長の田代民雄さんが近くの工場で車両のメンテナンスなどにいそしんでいる間、接客やマスコミへの応対、経理事務などに励んでいる。
実は、この私もまたタコスクラブのメンバーである関係上、彼女とのつき合いは長い。
しかし、店長となってからの取材ははじめて。
同社の新しいオリジナル車 「With (ウィズ) 」 の取材も兼ねて、武蔵村山の展示場を訪ねてみた。
▲ 増ひろ子さん
【町田】 「店長&営業部長」 という重責ですね。大変でしょうけれど、まずはおめでとうございます。
【 増 】 重責だなんて… (笑) 。やっている仕事は昔から同じですよ。
でも、もう12年もこの仕事を続けているので、キャンピングカーの面白さ、素晴らしさをお客様に伝えること力はつきましたね。
【町田】 ご自分でキャンピングカーを使って旅に行かれることは?
【 増 】 今は残念ながら、本格的なキャンピングカーというものを持っていないんです。
ステップワゴンに、オーニングとテーブルを取り付けて、旦那さんと一緒にクラブキャンプに行くぐらいで。
でも、昔は 「チャンプ」 に乗っていましたから、キャンピングカーの旅の面白さというのはよく分かっているんです。
その頃は、ゴールデンウィークを利用して、10日ほど岐阜、富山、兵庫、広島、小倉あたりまで旅して…。
本当に楽しかったんですよ。
【町田】 そのクルマをどうして手放しちゃったんですか。
【 増 】 ほら、排ガス規制に引っかかって。
【町田】 それは残念。
【 増 】 だから、下取りのクルマが入ってくると、いつも自分が買う視線で眺めてしまうんですね。
「あ、このクルマ、絶対自分が乗る!」 …とか (笑) 。
でも、お客様が欲しがると、やっぱり商品ですから、潔く売らざるを得ない。
いつもそのジレンマですね。
【町田】 どんなキャンピングカーが好みですか?
【 増 】 私、特にうるさい注文ってないんです。基本的に5mサイズのキャブコンで、個室のトイレがあればいい…という感じなんです。
そのほかのことは、レイアウトの方に自分の身体を合わせてしまうようなところがあります。
それよりも、クルマを気に入るということが大事で、気に入ったクルマならば、そんなに使いづらいレイアウトでない限り、私なんかは楽しく使ってしまいますね。
▲ With (ウィズ)
【町田】 ところで、 「With (ウィズ) 」 という久々のオリジナル車が誕生しましたね。リヤに大きな開口部を持つ大型トランク付き。
昔から有名だった 「タコス仕様」 の復活ですね。
【 増 】 これはお薦めです! このサイズのキャブコンで、これだけ使い勝手のいい “マルチスペース” を持ったクルマは、そうないと思うんですよね。
なにしろ、奥行きが1900mm、幅1100mm、高さが1900mm。
125ccクラスのバイクなら問題なく入りますし、自転車も大丈夫。
キャンプ道具だって、これぐらいの容量があれば、まず積めないものはない!
【町田】 だいぶトークがお上手になりましたね。
【 増 】 いえいえ… (笑) 。ただ、自分でも欲しいと思うクルマなんですよ。
自分は個室トイレが欲しい人間なんですけど、これ、リヤのカーゴスペースが引き戸で閉まるので、ポータブルなど置けば、立派なトイレルームになるんですね。
もちろんベッドにすれば、幅1100mm、長さ1900mmの2段ベッド。
大柄な私でも、ゆったりと寝られますし、遊びのギアを搭載しなければ、リヤ2段ベッドのクルマともなり、トイレルーム仕様のクルマにもなる…という、まぁ、魔法のクルマ (笑) 。
【町田】 「マルチに使える」 というところが、昔から評判だった 「タコス仕様」 の特徴ですものね。
【 増 】 やっぱり社長の田代の発想がすごいんですよ。特に重量物を載せるときのことを考えて、ウィンチを付けるという発想。
そのへんは、やっぱり私などには考えつかないことですね。
【町田】 ウィンチはいくらで付くんですか?
【 増 】 オプションで、4万5,000円くらいですね。
でも、これがあると、いろいろなスポーツギヤを載せたい人とか、ちょっと体力に自信がない女性などは、本当に助かるのではないかしら。
【町田】 価格的にも魅力的なプライスですよね。
【 増 】 やはり、500万円の前半でナンバーが付いてしまうというのは、お客様にはお買い得感があるのではないかと思うんです。
いっぱい売れるといいな (笑) 。
▲ ウィズ ダイネット
【町田】 ところで、従業員から見た田代社長って、どうですか?
いつも夜になると飲んだくれている…という印象があるんだけど。
▲ タコス 田代民雄 社長
【 増 】 すごいタフな人ですね。実は、私もよく一緒に飲みにいくんですよ。時には旦那も交えて3人で。
田代社長は、やっぱり若い頃からバイクやアウトドアでさんざん鍛えてきた人ですから、クルマ造りなども、いつもそれが原点になっているんですね。
遊んできた人間は、こういうクルマの開発には強みを発揮するということが、そばで見ているとよく分かるんですよ。
【町田】 ああ…。また一緒にキャンプに行きたくなったな。
【 増 】 ええ、ぜひ!
2009年03月10日
フィールドライフ
群馬県を拠点とするキャンピングカービルダーの 「フィールドライフ」 さんが、昨年の暮れに新しい工場を設立し、展示場をリニューアルした。
同社の福島雅邦社長に、その新工場と、装いを新たにした展示場を案内してもらうことができた。
どの企業も、生産調整を行い、設備投資も控えようとするご時世。
フィールドライフさんの事業展開は、大胆すぎると思われるところもなきにしもあらず。
しかし、福島社長は、 「うちが発展することを狙うというよりも、お客様に信頼できる商品とサービスを提供するための当たり前の責務」 と、こともなげに言う。
そこに、この不況の時代ともいわれる今の情勢下で、それを乗り切ろうとする日本のキャンピングカー業界の力強くも確実な足取りを見ることができた。
新しい事業展開に着手した福島社長に、その狙いどころと、決意のほどをうかがってみた。

▲ 福島雅邦社長

▲ フィールドライフの看板車種ルーツ・トリップ (室内)
《 充実した工場機能 》
【町田】 新しく工場を建てられた意図はどういうところにあったのでしょう。
【福島】 ひとつは、工場ともなると、やはりFRPなどを削ったりするときの粉塵をお客様に吸わせてしまったりするということも出てくるわけですね。
社員は、集塵機の前でマスクをするなど防備をするわけですけれど、お客さんはそうでもない。
だから、あくまでもお客様に迷惑をかけたくなかったということが一つ。
それと、社内的にいえば、計画生産をする意味においては、工場と展示場を別にすると、工場と販売との収支をしっかり比べたりできるようになるので、目標設定などをやりやすくなるというメリットが生まれますね。

【町田】 これだけの規模の工場ともなると、日本でも有数なものになると思うのですが、その機能と特徴などを、ちょっとご説明いただけますか?
【福島】 敷地は600坪ぐらいですが、木工家具づくりのブースから、パネルをつくるブース、さらに塗装ブース、組み立てブースなど、基本的にキャンピングカー造りの全行程をまかなえるようになっています。

▲ 組み立てブース。軽キャンパー用で3台収納可能

▲ 木工ブース。コンピューターでデータ入力して、部材を切り取るNC旋盤が活躍
【町田】 ここで車両のメンテナンスなどもやるのですか?
【福島】 軽整備は展示場の方で行いますが、重整備の場合はこちらに持ち込むことが多いですね。
【町田】 フィールドさんの場合は、単に内装のリフォームや搭載機器のメンテだけでなく、エンジンの積み下ろしまで含む駆動部分の整備もなさいますよね。
自社工場内でそれだけの整備を行えるキャンピングカーファクトリーというのは、まだ少ないだけに、ユーザーにとっては頼もしいショップだと思えるのですが。
【福島】 レッカー車もあるので、旅の途中に故障してしまった車両に対しても、引き取って面倒を見ることができます。
さらに、パーツの取り付け、車検、リフォーム…。
展示場のメンテスペースと、工場の整備機能をフル稼動させれば、まぁ、キャンピングカーに関わるお客様のご要望には、すべて対応できるはずです。
【町田】 工場の新設と同時に、展示場の方もリニューアルされましたね。
【福島】 ええ。これを機に、会社を二つに分けました。
工場の方は、 「フィールドライフ本社工場」 。展示場は 「キャンピングカーパーク」 という名前で、会社名を 「フィールドライフ販売」 にしました。

《 ユーザーが楽しめる展示場 》
【町田】 展示規模も素晴らしいものですね。ヨーロッパとアメリカの代表的なメーカーのものを揃え、さらに各ビルダーさんの国産車の品揃えも豊富。それにオリジナルが加わって、鉄壁の布陣ですね。

【福島】 お客様のご要望も多様化していますからね。ヨーロッパ車としては最高峰のハイマー。アメリカ車では、ニートRVさんが扱うウィネべーゴ。
世界の一級品を揃えたつもりなんですよ。
これは、 「常に最高級のモーターホームに触れて刺激を受けてほしい」 という、社員の勉強も兼ねての展示という意味もあります。
それに、国産車としては、アム・クラフト、インディアナRV、キャンピングカー広島、キャンピングワークス、セキソーボディ、バンテック、ファーストカスタム、レクビィ、ロータスRV販売…。そして当社のオリジナル。
まぁ、日本でも人気のあるメーカーさんのものは、ほぼ揃えていると思いますね。

【町田】 これだけバラエティに富んだ車種を用意した展示場というのは、最近ではちょっと珍しいくらいですね。
また、キャンピングカーだけでなく、移動販売車の展示がこれほど多い店というのも、他にはありません。
それにパーツやアクセサリー関係も充実していますね。
このような、「キャンピングカーのデパート」 みたいなショップを目指された理由はどんなところにあるのですか?

【福島】 クルマの修理やパーツの取り付けに寄られる方に、とにかく安心したいただきたいということが一つ。
もう一つは、ここを 「くつろぎの空間」 として楽しんでいただきたいといのがあるんですよ。
旅の途中にダンプや給水に寄ってもらう。つまり 「旅の中継ステーション」 ですね。
それだけでなく、ここでキャンプもしてもらう。
歩いて10分のところに温泉もありますし、食堂やコインランドリーもすぐ近くにあります。
こういう宿泊システムというものをお客様に提供していくことも、これからはディーラーの責務になっていくのではないかと思っています。
《 団塊世代の参入はこれから 》
【町田】 来店を想定されている 「お客様像」 とはどんなものでしょう。
【福島】 やっぱり目立って増えているのは、団塊の世代あたりに位置する熟年層ですね。
ただ、彼らが本格的にこの世界に参入してくるのは、もう少し後になるだろうと読んでいるんです。
というのは、一昨年ぐらいに 「2007年問題」 などといわれて、団塊世代を中心としたマーケットが急激に広がるだろうという観測があったのですが、実際は、それほど力強い動きにはならなかったんですね。
それには理由があるんです。
彼らの定年が延長されたり、年金を支給される年齢が65歳なったりして、まだまだ 「現役」 にとどまらざるを得なくなってしまったんですね。
彼らがこのマーケットに関わるようになるのは、来年、再来年くらいからだろうと思っています。
【町田】 最近のショーでは、新規のファミリー層などの来場も目立ってきていますし、それに団塊世代が加わるようになれば、業界としての展望も開けてきそうですね。
【福島】 逆にいうと、われわれの正念場でしょうね。
確かに、パイは広がっているように感じますが、今度は、車両を提供しているわれわれの方が、それに合った車両開発をしてきたのか…というと、まだまだ業界としての課題はたくさん残っているように感じます。
《 重量表示はメーカーとしての責務 》
【町田】 どういうことでしょう?
【福島】 ひとつは、 「安全なクルマの提供」 ですね。
国産車においては、今や各ビルダーさんの安全意識がものすごく高揚してきて、安心して提供できる車両が増えているのですが、まだまだ完全なものとはいえない。
というのは、 「便利な装備」 「豊かな居住性」 を志向するばっかりに、許容荷重を見たときには、安心できないような車両もぽちぽち散見される傾向もあるからです。
そういう車両に、もしお客様が許容荷重を超えるような装備をたくさん求められたり、また重量のかさばる荷物をたくさん収納されたりしたら、どうなるか。
まず、タイヤに負担がかかるでしょうから、バーストなどの問題が出てくる。
さらに、安定性が損なわれて、転倒などの危険も生じるかもしれない。
【町田】 それは、ビルダーさん方の大きな課題になりますね。
【福島】 ええ。だからうちで開発したクルマには、昨年から 「重量表示」 を明記することにしました。
「現在このクルマの車両重量はいくらで、あとどのくらいの重量的な余裕があるか」
そういうことを一目で分かるような表示を心がけました。
お客様が追加装備を求められたり、たくさんの荷物を収納しようと思った場合、それがあると、自分のクルマの “限界” というものが見えてくるわけですね。
ビルダーとしては、そういう配慮を示すことがぜひとも必要で、それが事故をなくして、安全なドライブを約束することにつながると思うのです。
【町田】 現状では、まだそれが徹底されていないと?
【福島】 それが業界としての今後の課題ですね。…本来ならば、キャンピングカーのベース車にはそれぞれ許容荷重というものが定められているわけですから、その範囲で架装していれば、足の強化なども特別に必要ないんですね。
ところが、軸重オーバーを補正するために、強化サスを入れたりしてカバーしようとするところもあります。
考え方はそれぞれでしょうけれど、走行安定性を増すための強化はいいとして、軸重オーバーを是正するための足回りの補強は、どこか本末転倒ではないか…と、私などは思ってしまうんですけどね。
《 ルーツに見る軽量化の技術 》
【町田】 やはり 「軽量化」 というのは、キャンピングカー開発の大きなテーマですね。フィールドさんのオリジナル車では、どのような対応をなされているんですか?
▲ ルーツ外装
【福島】 ルーツなどの場合は、…あれはマイクロバスのボディをカットして、一応 「セミ・フルコンバージョン」 ともいえる独自のスタイルを追求したクルマですが、バスボディの鉄板を切って、代わりにハイドロバックパネルに架装しただけで、相当の軽量化を達成しているんですね。
バスとしての総重量は6トンぐらいで、軸の許容は6トンと800kgぐらいあるんですが、ルーツの場合はハイドロバックのおかげで、フル装備で燃料を満タンにしても、4トンぐらいにしかならないんです。
つまり、約3トンの余裕がある。
だから目一杯に装備を施しても、走りも快適だし、安定性も高い。

【町田】 そのほかの軽量化には、どのような技術を投入されていますか?
【福島】 あとは…当然のことですが、家具なども、中をハニカム構造にして重量を減らしています。
芯材も、今はアルミに替えて松材を使うようにしました。これも軽量化を狙ってのことですが、もうひとつは水に強いんですよ。
アルミも確かに軽量化には貢献するのですが、熱伝導率も高いので、芯材として使っていると、グラスファイバーに接しているアルミ部分に結露が生じることがあるんですね。
そういうことを解消するために、松材を使うようにしたのですが、これは本当に水に強い。
当社では、もう3ヶ月ぐらい、松材を水に浸けて変化の様子を観察しているのですが、ほとんど水を吸っていないんです。
そういうように、軽量化と同時に耐久性を維持するための研究も当社は重ねています。
まぁ、ルーツの軽量化に関しては、すでにハイドロバックパネルを使用することで、相当な軽量化を達成しているわけですから、家具にはそれほど神経質にならなくてもすんでいます。

▲ ルーツ内装
【町田】 なるほど。軽量化に関して、フィールドさんが相当の神経を払っていることはよく分かりました。
タイヤの空気圧チェックなどは、ユーザーの管理する範囲でしょうけれど、許容荷重の問題は、やはりビルダーさんが取り組むべき領域でしょうから、業界としても、より安全なクルマとしての完成度を高める道を歩んでほしいですね。
【福島】 ええ。この度 「日本RV協会」 の会長にも選ばれたことだし、そのへんの課題に対しても、鋭意取り組んでいきたいと思っています。
同社の福島雅邦社長に、その新工場と、装いを新たにした展示場を案内してもらうことができた。
どの企業も、生産調整を行い、設備投資も控えようとするご時世。
フィールドライフさんの事業展開は、大胆すぎると思われるところもなきにしもあらず。
しかし、福島社長は、 「うちが発展することを狙うというよりも、お客様に信頼できる商品とサービスを提供するための当たり前の責務」 と、こともなげに言う。
そこに、この不況の時代ともいわれる今の情勢下で、それを乗り切ろうとする日本のキャンピングカー業界の力強くも確実な足取りを見ることができた。
新しい事業展開に着手した福島社長に、その狙いどころと、決意のほどをうかがってみた。
▲ 福島雅邦社長
▲ フィールドライフの看板車種ルーツ・トリップ (室内)
《 充実した工場機能 》
【町田】 新しく工場を建てられた意図はどういうところにあったのでしょう。
【福島】 ひとつは、工場ともなると、やはりFRPなどを削ったりするときの粉塵をお客様に吸わせてしまったりするということも出てくるわけですね。
社員は、集塵機の前でマスクをするなど防備をするわけですけれど、お客さんはそうでもない。
だから、あくまでもお客様に迷惑をかけたくなかったということが一つ。
それと、社内的にいえば、計画生産をする意味においては、工場と展示場を別にすると、工場と販売との収支をしっかり比べたりできるようになるので、目標設定などをやりやすくなるというメリットが生まれますね。
【町田】 これだけの規模の工場ともなると、日本でも有数なものになると思うのですが、その機能と特徴などを、ちょっとご説明いただけますか?
【福島】 敷地は600坪ぐらいですが、木工家具づくりのブースから、パネルをつくるブース、さらに塗装ブース、組み立てブースなど、基本的にキャンピングカー造りの全行程をまかなえるようになっています。
▲ 組み立てブース。軽キャンパー用で3台収納可能
▲ 木工ブース。コンピューターでデータ入力して、部材を切り取るNC旋盤が活躍
【町田】 ここで車両のメンテナンスなどもやるのですか?
【福島】 軽整備は展示場の方で行いますが、重整備の場合はこちらに持ち込むことが多いですね。
【町田】 フィールドさんの場合は、単に内装のリフォームや搭載機器のメンテだけでなく、エンジンの積み下ろしまで含む駆動部分の整備もなさいますよね。
自社工場内でそれだけの整備を行えるキャンピングカーファクトリーというのは、まだ少ないだけに、ユーザーにとっては頼もしいショップだと思えるのですが。
【福島】 レッカー車もあるので、旅の途中に故障してしまった車両に対しても、引き取って面倒を見ることができます。
さらに、パーツの取り付け、車検、リフォーム…。
展示場のメンテスペースと、工場の整備機能をフル稼動させれば、まぁ、キャンピングカーに関わるお客様のご要望には、すべて対応できるはずです。
【町田】 工場の新設と同時に、展示場の方もリニューアルされましたね。
【福島】 ええ。これを機に、会社を二つに分けました。
工場の方は、 「フィールドライフ本社工場」 。展示場は 「キャンピングカーパーク」 という名前で、会社名を 「フィールドライフ販売」 にしました。
《 ユーザーが楽しめる展示場 》
【町田】 展示規模も素晴らしいものですね。ヨーロッパとアメリカの代表的なメーカーのものを揃え、さらに各ビルダーさんの国産車の品揃えも豊富。それにオリジナルが加わって、鉄壁の布陣ですね。
【福島】 お客様のご要望も多様化していますからね。ヨーロッパ車としては最高峰のハイマー。アメリカ車では、ニートRVさんが扱うウィネべーゴ。
世界の一級品を揃えたつもりなんですよ。
これは、 「常に最高級のモーターホームに触れて刺激を受けてほしい」 という、社員の勉強も兼ねての展示という意味もあります。
それに、国産車としては、アム・クラフト、インディアナRV、キャンピングカー広島、キャンピングワークス、セキソーボディ、バンテック、ファーストカスタム、レクビィ、ロータスRV販売…。そして当社のオリジナル。
まぁ、日本でも人気のあるメーカーさんのものは、ほぼ揃えていると思いますね。
【町田】 これだけバラエティに富んだ車種を用意した展示場というのは、最近ではちょっと珍しいくらいですね。
また、キャンピングカーだけでなく、移動販売車の展示がこれほど多い店というのも、他にはありません。
それにパーツやアクセサリー関係も充実していますね。
このような、「キャンピングカーのデパート」 みたいなショップを目指された理由はどんなところにあるのですか?
【福島】 クルマの修理やパーツの取り付けに寄られる方に、とにかく安心したいただきたいということが一つ。
もう一つは、ここを 「くつろぎの空間」 として楽しんでいただきたいといのがあるんですよ。
旅の途中にダンプや給水に寄ってもらう。つまり 「旅の中継ステーション」 ですね。
それだけでなく、ここでキャンプもしてもらう。
歩いて10分のところに温泉もありますし、食堂やコインランドリーもすぐ近くにあります。
こういう宿泊システムというものをお客様に提供していくことも、これからはディーラーの責務になっていくのではないかと思っています。
《 団塊世代の参入はこれから 》
【町田】 来店を想定されている 「お客様像」 とはどんなものでしょう。
【福島】 やっぱり目立って増えているのは、団塊の世代あたりに位置する熟年層ですね。
ただ、彼らが本格的にこの世界に参入してくるのは、もう少し後になるだろうと読んでいるんです。
というのは、一昨年ぐらいに 「2007年問題」 などといわれて、団塊世代を中心としたマーケットが急激に広がるだろうという観測があったのですが、実際は、それほど力強い動きにはならなかったんですね。
それには理由があるんです。
彼らの定年が延長されたり、年金を支給される年齢が65歳なったりして、まだまだ 「現役」 にとどまらざるを得なくなってしまったんですね。
彼らがこのマーケットに関わるようになるのは、来年、再来年くらいからだろうと思っています。
【町田】 最近のショーでは、新規のファミリー層などの来場も目立ってきていますし、それに団塊世代が加わるようになれば、業界としての展望も開けてきそうですね。
【福島】 逆にいうと、われわれの正念場でしょうね。
確かに、パイは広がっているように感じますが、今度は、車両を提供しているわれわれの方が、それに合った車両開発をしてきたのか…というと、まだまだ業界としての課題はたくさん残っているように感じます。
《 重量表示はメーカーとしての責務 》
【町田】 どういうことでしょう?
【福島】 ひとつは、 「安全なクルマの提供」 ですね。
国産車においては、今や各ビルダーさんの安全意識がものすごく高揚してきて、安心して提供できる車両が増えているのですが、まだまだ完全なものとはいえない。
というのは、 「便利な装備」 「豊かな居住性」 を志向するばっかりに、許容荷重を見たときには、安心できないような車両もぽちぽち散見される傾向もあるからです。
そういう車両に、もしお客様が許容荷重を超えるような装備をたくさん求められたり、また重量のかさばる荷物をたくさん収納されたりしたら、どうなるか。
まず、タイヤに負担がかかるでしょうから、バーストなどの問題が出てくる。
さらに、安定性が損なわれて、転倒などの危険も生じるかもしれない。
【町田】 それは、ビルダーさん方の大きな課題になりますね。
【福島】 ええ。だからうちで開発したクルマには、昨年から 「重量表示」 を明記することにしました。
「現在このクルマの車両重量はいくらで、あとどのくらいの重量的な余裕があるか」
そういうことを一目で分かるような表示を心がけました。
お客様が追加装備を求められたり、たくさんの荷物を収納しようと思った場合、それがあると、自分のクルマの “限界” というものが見えてくるわけですね。
ビルダーとしては、そういう配慮を示すことがぜひとも必要で、それが事故をなくして、安全なドライブを約束することにつながると思うのです。
【町田】 現状では、まだそれが徹底されていないと?
【福島】 それが業界としての今後の課題ですね。…本来ならば、キャンピングカーのベース車にはそれぞれ許容荷重というものが定められているわけですから、その範囲で架装していれば、足の強化なども特別に必要ないんですね。
ところが、軸重オーバーを補正するために、強化サスを入れたりしてカバーしようとするところもあります。
考え方はそれぞれでしょうけれど、走行安定性を増すための強化はいいとして、軸重オーバーを是正するための足回りの補強は、どこか本末転倒ではないか…と、私などは思ってしまうんですけどね。
《 ルーツに見る軽量化の技術 》
【町田】 やはり 「軽量化」 というのは、キャンピングカー開発の大きなテーマですね。フィールドさんのオリジナル車では、どのような対応をなされているんですか?
▲ ルーツ外装
【福島】 ルーツなどの場合は、…あれはマイクロバスのボディをカットして、一応 「セミ・フルコンバージョン」 ともいえる独自のスタイルを追求したクルマですが、バスボディの鉄板を切って、代わりにハイドロバックパネルに架装しただけで、相当の軽量化を達成しているんですね。
バスとしての総重量は6トンぐらいで、軸の許容は6トンと800kgぐらいあるんですが、ルーツの場合はハイドロバックのおかげで、フル装備で燃料を満タンにしても、4トンぐらいにしかならないんです。
つまり、約3トンの余裕がある。
だから目一杯に装備を施しても、走りも快適だし、安定性も高い。
【町田】 そのほかの軽量化には、どのような技術を投入されていますか?
【福島】 あとは…当然のことですが、家具なども、中をハニカム構造にして重量を減らしています。
芯材も、今はアルミに替えて松材を使うようにしました。これも軽量化を狙ってのことですが、もうひとつは水に強いんですよ。
アルミも確かに軽量化には貢献するのですが、熱伝導率も高いので、芯材として使っていると、グラスファイバーに接しているアルミ部分に結露が生じることがあるんですね。
そういうことを解消するために、松材を使うようにしたのですが、これは本当に水に強い。
当社では、もう3ヶ月ぐらい、松材を水に浸けて変化の様子を観察しているのですが、ほとんど水を吸っていないんです。
そういうように、軽量化と同時に耐久性を維持するための研究も当社は重ねています。
まぁ、ルーツの軽量化に関しては、すでにハイドロバックパネルを使用することで、相当な軽量化を達成しているわけですから、家具にはそれほど神経質にならなくてもすんでいます。
▲ ルーツ内装
【町田】 なるほど。軽量化に関して、フィールドさんが相当の神経を払っていることはよく分かりました。
タイヤの空気圧チェックなどは、ユーザーの管理する範囲でしょうけれど、許容荷重の問題は、やはりビルダーさんが取り組むべき領域でしょうから、業界としても、より安全なクルマとしての完成度を高める道を歩んでほしいですね。
【福島】 ええ。この度 「日本RV協会」 の会長にも選ばれたことだし、そのへんの課題に対しても、鋭意取り組んでいきたいと思っています。
2009年03月08日
大阪ショー速報
インテックス大阪で開かれた 「大阪アウトドアフェスティバル2009」 に行ってきました。
キャンピングカーショーとしては、幕張、名古屋と続く大都市圏の3番目のビッグイベントになったわけですが、ここでも驚いたのは入場者の多さ。
業者さんたちは、 「こりゃ本当にキャンピングカーブームが到来したのか?」 と驚いているようです。
しかし、 「見に来られたお客さんは多くても、買いに来られたわけではない」 と、慎重に構える業者さんもいて、思ったほど商談が進んでいるわけでもないことから、やはり長引く不況を深刻に受けとめている方もいらっしゃいました。
それでも、会場のにぎわいに応えるように、このショーでも見学者の注目を集めるような新型車が多数デビューしました。
《 スナフキンGJ 》

まずは、デルタリンクさんオリジナル車 「スナフキンGJ」 。
GJは 「グレートジャーニー」 の略。
基本レイアウトは、スナフキンシリーズのSWをベースとしているのですが、ボディ右側に大きく張り出した “出窓” が特徴となっています。

この出窓のおかげで、1m88㎝×1m20㎝の横方向のベッドを確保することができたので、大人用の就寝スペースが増えています。
しかも、窓側にはしっかりしたアクリル窓が装備され、断熱、結露防止が図られています。
発売記念セールということで、FFヒーター、インバーター、バックアイカメラ、ナビゲーションが標準で、498万円というプライスが掲げられていました。

《 チッタ 》
ロータスRVさんは、新型バンコン 「チッタ」 の投入です。
こちらも出窓付き。
ロータスさんは、この出窓に 「ウィンドボックス」 という名称を与えています。

基本コンセプトは、 「街乗り気楽にワゴンキャンパー」 …というわけで、8人が前向きに座れるワゴン感覚を重視したレイアウトになっています。
もちろん、対面対座にすれば、足元の広々感も十分なゆったりしたリビングが生まれます。

フロアにはスライドレールが付いていて、セカンド&サードシートを前側に寄せて畳んでしまえば、リヤには広大なラゲージスペースが誕生。
もちろん、付属のベッドマットを使えば、リヤ部分がハイマウントベッドに早変わり。
ウィンドボックスのおかげで、リヤサイドにも大人が横に寝られるスペースが確保されています。
大きな特徴としては、リヤ部の床下を加工して作られたグラスファイバー製の床下収納。スペアタイヤをその中に入れることができますが、タイヤの上にボードを被せても、まだ収納スペースが残ります。

《 プレシャスβ 》
キャンピングカー広島さんのブースからは、ポップアップルーフを持ったバンコン 「プレシャス」 のニューモデルが登場しました。
車名は 「プレシャスβ(ベータ) 」 。

前モデルに対してレイアウトが大幅に変更され、リヤにはゆったりしたコの字ラウンジが設けられました。
ここで夫婦2人がのんびりとくつろぐのもよし。
大勢でワイワイやるのもよし。
ベッドにすれば、1m85㎝×1m70㎝の広々ベッドが展開します。
特徴的なのは、室内照明にはすべてLEDが採用されたこと。
電子レンジとインバーター (1500W) が標準装備されたため、消費電力を抑えようとする意味があるのですが、間接照明としても、このLEDがいい雰囲気をかもし出しています。

《 アスカ 》
キャンピングカーフジワラさんからは、新型ライトエースをベースにしたオリジナルキャブコンの 「アスカ」 がリリースされました。

バンクを小さく絞ったすらりとしたスタイルが優美です。
キャブコンでありながら、ファーストカーとしても使えるというのが、このライトエースをベースとしたキャブコンの特徴で、軽自動車キャンピングカーにはない居住性を確保しながら、ボンゴクラスのキャブコンよりも、さらに取り回しが良いという絶妙のポジショニングを獲得しています。

《 バルミィ 》
地元の 「キャンピングカーフィールドオオモリ (大森自動車) 」 さんが発表したのは、同社の人気バンコン 「バルミィ」 の最新モデル。
大胆なほどに美しいレイアウトは、もうおなじみのものですが、LED照明などを多用して、電気消費量の削減を図るとともに、照明効果の豊かさを同時に追求しています。

このモデルでは、ざっくりした天然素材の味を持つシートと木目調家具を採用して、今までの近未来的なインテリアに 「レトロ」 の味を加味しています。
インテリアのテイストは、60年代頃の映画に出てくる “超モダン建築” 。懐かしさを伴う未来感覚が横溢していて、なかなか味があります。
そういうところが、逆に、若い人たちから見ると、ものすごく新鮮な内装に見えるのではないでしょうか。

《 かるキャン 》
参考出品として登場したのが、コイズミさんの 「かるキャン」 という軽自動車キャンパー。

軽トラックの上に、FRP製のユニットを取り付けたものですが、ボディ右サイドにスライドアウト機構を持ち、しかもルーフをはね上げると、三角屋屋根を持ったバンガロー風の居住空間が生まれるという面白い試みです。
窓などは、まだ付いていませんでしたが、今後はよりキャンピングカーらしく仕上げていくとか。
今後の熟成が楽しみです。

キャンピングカーショーとしては、幕張、名古屋と続く大都市圏の3番目のビッグイベントになったわけですが、ここでも驚いたのは入場者の多さ。
業者さんたちは、 「こりゃ本当にキャンピングカーブームが到来したのか?」 と驚いているようです。
しかし、 「見に来られたお客さんは多くても、買いに来られたわけではない」 と、慎重に構える業者さんもいて、思ったほど商談が進んでいるわけでもないことから、やはり長引く不況を深刻に受けとめている方もいらっしゃいました。
それでも、会場のにぎわいに応えるように、このショーでも見学者の注目を集めるような新型車が多数デビューしました。
《 スナフキンGJ 》
まずは、デルタリンクさんオリジナル車 「スナフキンGJ」 。
GJは 「グレートジャーニー」 の略。
基本レイアウトは、スナフキンシリーズのSWをベースとしているのですが、ボディ右側に大きく張り出した “出窓” が特徴となっています。
この出窓のおかげで、1m88㎝×1m20㎝の横方向のベッドを確保することができたので、大人用の就寝スペースが増えています。
しかも、窓側にはしっかりしたアクリル窓が装備され、断熱、結露防止が図られています。
発売記念セールということで、FFヒーター、インバーター、バックアイカメラ、ナビゲーションが標準で、498万円というプライスが掲げられていました。
《 チッタ 》
ロータスRVさんは、新型バンコン 「チッタ」 の投入です。
こちらも出窓付き。
ロータスさんは、この出窓に 「ウィンドボックス」 という名称を与えています。
基本コンセプトは、 「街乗り気楽にワゴンキャンパー」 …というわけで、8人が前向きに座れるワゴン感覚を重視したレイアウトになっています。
もちろん、対面対座にすれば、足元の広々感も十分なゆったりしたリビングが生まれます。
フロアにはスライドレールが付いていて、セカンド&サードシートを前側に寄せて畳んでしまえば、リヤには広大なラゲージスペースが誕生。
もちろん、付属のベッドマットを使えば、リヤ部分がハイマウントベッドに早変わり。
ウィンドボックスのおかげで、リヤサイドにも大人が横に寝られるスペースが確保されています。
大きな特徴としては、リヤ部の床下を加工して作られたグラスファイバー製の床下収納。スペアタイヤをその中に入れることができますが、タイヤの上にボードを被せても、まだ収納スペースが残ります。
《 プレシャスβ 》
キャンピングカー広島さんのブースからは、ポップアップルーフを持ったバンコン 「プレシャス」 のニューモデルが登場しました。
車名は 「プレシャスβ(ベータ) 」 。
前モデルに対してレイアウトが大幅に変更され、リヤにはゆったりしたコの字ラウンジが設けられました。
ここで夫婦2人がのんびりとくつろぐのもよし。
大勢でワイワイやるのもよし。
ベッドにすれば、1m85㎝×1m70㎝の広々ベッドが展開します。
特徴的なのは、室内照明にはすべてLEDが採用されたこと。
電子レンジとインバーター (1500W) が標準装備されたため、消費電力を抑えようとする意味があるのですが、間接照明としても、このLEDがいい雰囲気をかもし出しています。
《 アスカ 》
キャンピングカーフジワラさんからは、新型ライトエースをベースにしたオリジナルキャブコンの 「アスカ」 がリリースされました。
バンクを小さく絞ったすらりとしたスタイルが優美です。
キャブコンでありながら、ファーストカーとしても使えるというのが、このライトエースをベースとしたキャブコンの特徴で、軽自動車キャンピングカーにはない居住性を確保しながら、ボンゴクラスのキャブコンよりも、さらに取り回しが良いという絶妙のポジショニングを獲得しています。
《 バルミィ 》
地元の 「キャンピングカーフィールドオオモリ (大森自動車) 」 さんが発表したのは、同社の人気バンコン 「バルミィ」 の最新モデル。
大胆なほどに美しいレイアウトは、もうおなじみのものですが、LED照明などを多用して、電気消費量の削減を図るとともに、照明効果の豊かさを同時に追求しています。
このモデルでは、ざっくりした天然素材の味を持つシートと木目調家具を採用して、今までの近未来的なインテリアに 「レトロ」 の味を加味しています。
インテリアのテイストは、60年代頃の映画に出てくる “超モダン建築” 。懐かしさを伴う未来感覚が横溢していて、なかなか味があります。
そういうところが、逆に、若い人たちから見ると、ものすごく新鮮な内装に見えるのではないでしょうか。
《 かるキャン 》
参考出品として登場したのが、コイズミさんの 「かるキャン」 という軽自動車キャンパー。
軽トラックの上に、FRP製のユニットを取り付けたものですが、ボディ右サイドにスライドアウト機構を持ち、しかもルーフをはね上げると、三角屋屋根を持ったバンガロー風の居住空間が生まれるという面白い試みです。
窓などは、まだ付いていませんでしたが、今後はよりキャンピングカーらしく仕上げていくとか。
今後の熟成が楽しみです。
2009年03月05日
アムクラフト新車
今ちょうど 『キャンピングカーsuperガイド2009』 の原稿を書いている最中なので思うのだけれど、一連の作業を通じて感じるのは、日本のバンコンビルダーが新車開発に対して並々ならぬ戦略を立てているということ。
マーケティングの手法も緻密ならば、ブランド力の高め方も計算しつくしている。
今、固定客をしっかりつかんで確実にシェアを広げているビルダーというのは、みな市場分析、企画力、デザイン力で、数年前とは比べものにならないくらい緻密な作業を進めている。
そんなビルダーのひとつに、アム・クラフトさんがいる。

▲ アム・クラフト 山口寿子 社長
同社は、幕張、名古屋と続く春のショーで、 「アウラ」 、 「オーロラ」 という新型車を立て続けにリリースした。
アウラは、レジアスエースのロングバン・標準ボディのハイルーフ。
オーロラは、ハイエーススーパーGLワイドボディをポップアップルーフ化 (op.) しているが、どちらもボディサイズとしては、全長5m未満のコンパクトボディを使っている。
ともに、コンセプトは 「街乗りプラス α」 。
キャンプにも使えるが、通勤、買い物、子供の送迎、ドライブ、ピクニックという日常の足を意識したものだ。
そうなると、ベース車はスーパーロングであるよりも、それより短いショートボディである方が説得力を増す。
狙いは、 「ミニバンイーター」 。
価格、サイズもできるだけ乗用車メーカーの造るミニバンに近づくような設定にして、ミニバンからの買い替えを狙う。
もちろん、そういうクルマは、昔からバンコンには多かった。
ただ、その手のクルマは、価格を下げることと、 「何にでも使える」 という便宜性を優先させようとしたばっかりに、華がなかった。
では、 「華」 とは何か?
というと、これは 「機能」 に還元できない領域なので、一言では説明がつかない。
しかし、アム・クラフトさんの新型車は、その 「華」 の領域に踏み込んで、それを理論化し、計量的に分析し、的確にプレゼンしている。
プロのワザを感じるのだ。

▲ アウラ
アウラというクルマは、ずばり 「女性のハート」 を狙ったものだ。
同社はこのクルマを開発するにあたり、ユーザーや社員の家族関係から約200人の女性の声を拾い集めたという。
すごいのは、そこで上がってきた声をストレートに車両開発に採り入れるのではなく、デザイナーを中心に企画会議で討議し、その声を、見栄えのある形に 「翻訳」 したことだ。
つまり、ユーザーから上がってきた声を 「華」 に置き換えるために、デザインの濾過を試みているのだ。

このクルマで “見所” となるところは、リヤゲートを上げたときに、冷蔵庫を格納したキッチンユニットの後ろ側に張り付けられたショッピングカート。

つまり、行楽の帰りにスーパーなどに寄ったとき、このカートを引っぱり出して、翌日に使う食材などを買い込めるようにしている。
これぞ 「女性の視点」!
なのに、このカートのデザインが実にヨーロッパ風で、車両のデザインセンスと絶妙にマッチングしている。
市販のものから探してきたというが、こういうものを選び抜くセンスがすでに他社より一歩先んじている。

▲ オーロラ
「オーロラ」 というクルマも、綿密な市場調査から生まれてきていることが分かる。
これは、ある意味で 「トランポ」 だ。
ただし、もちろんただのトランポを狙っているわけではない。
トランポというと、一般的にはバイクやジェットスキーを載せるというスポーツギアのイメージが強い。
造る方も使う方も、その固定観念からなかなか抜けられない。
しかし、オーロラはそのようなトランポの発想から飛び出したクルマである。
むしろ、トランポとして使えるほどの空間を、 「癒し」 「やすらぎ」 「広々感」 に翻訳しようとしたクルマなのだ。

家具なども、少し濃いめの家具を使い、今までのファンシーでフェミニンなアム・クラフト路線とは一線を画したモダンテイストを貫いている。
この狙いはどこにあったのか?
ポップアップルーフを開口すると、それがよく分かる。
ルーフの内側に埋め込まれたLED照明が、微妙に色を変えて、ルーフの内側をまさに 「オーロラ」 の輝きに変える。
同社はこれを 「オーロラシステム」 (op.) と呼ぶ。
もちろん、これは単なる遊び。
しかし、この天井に広がる “大宇宙のパノラマ” を堪能しようしたとき、濃いめにしつらえたモダン調家具類が、夜空を支える地球の大地として浮かび上がるのだ。
よく計算していると思う。

こういう仕掛けを 「ギミック」 というのは簡単だ。
だけど、私などは、ルーフ内の色が変わっていく瞬間を写真で捉えながら、小さなプラネタリュームの中にいるような気分になった。
このような遊びは、ガチガチなアウトドア派からは、キャンピングカーの機能とは関係ないと嫌われるかもしれない。
しかし、こういう部分に 「華」 を感じ、キャンピングカーの面白さを感じる新しい顧客層は確実に育っている。
アム・クラフトというビルダーは、すでにその新しい顧客層のひしめく大海に、堂々と漕ぎ出していこうとしている。
マーケティングの手法も緻密ならば、ブランド力の高め方も計算しつくしている。
今、固定客をしっかりつかんで確実にシェアを広げているビルダーというのは、みな市場分析、企画力、デザイン力で、数年前とは比べものにならないくらい緻密な作業を進めている。
そんなビルダーのひとつに、アム・クラフトさんがいる。
▲ アム・クラフト 山口寿子 社長
同社は、幕張、名古屋と続く春のショーで、 「アウラ」 、 「オーロラ」 という新型車を立て続けにリリースした。
アウラは、レジアスエースのロングバン・標準ボディのハイルーフ。
オーロラは、ハイエーススーパーGLワイドボディをポップアップルーフ化 (op.) しているが、どちらもボディサイズとしては、全長5m未満のコンパクトボディを使っている。
ともに、コンセプトは 「街乗りプラス α」 。
キャンプにも使えるが、通勤、買い物、子供の送迎、ドライブ、ピクニックという日常の足を意識したものだ。
そうなると、ベース車はスーパーロングであるよりも、それより短いショートボディである方が説得力を増す。
狙いは、 「ミニバンイーター」 。
価格、サイズもできるだけ乗用車メーカーの造るミニバンに近づくような設定にして、ミニバンからの買い替えを狙う。
もちろん、そういうクルマは、昔からバンコンには多かった。
ただ、その手のクルマは、価格を下げることと、 「何にでも使える」 という便宜性を優先させようとしたばっかりに、華がなかった。
では、 「華」 とは何か?
というと、これは 「機能」 に還元できない領域なので、一言では説明がつかない。
しかし、アム・クラフトさんの新型車は、その 「華」 の領域に踏み込んで、それを理論化し、計量的に分析し、的確にプレゼンしている。
プロのワザを感じるのだ。
▲ アウラ
アウラというクルマは、ずばり 「女性のハート」 を狙ったものだ。
同社はこのクルマを開発するにあたり、ユーザーや社員の家族関係から約200人の女性の声を拾い集めたという。
すごいのは、そこで上がってきた声をストレートに車両開発に採り入れるのではなく、デザイナーを中心に企画会議で討議し、その声を、見栄えのある形に 「翻訳」 したことだ。
つまり、ユーザーから上がってきた声を 「華」 に置き換えるために、デザインの濾過を試みているのだ。
このクルマで “見所” となるところは、リヤゲートを上げたときに、冷蔵庫を格納したキッチンユニットの後ろ側に張り付けられたショッピングカート。
つまり、行楽の帰りにスーパーなどに寄ったとき、このカートを引っぱり出して、翌日に使う食材などを買い込めるようにしている。
これぞ 「女性の視点」!
なのに、このカートのデザインが実にヨーロッパ風で、車両のデザインセンスと絶妙にマッチングしている。
市販のものから探してきたというが、こういうものを選び抜くセンスがすでに他社より一歩先んじている。
▲ オーロラ
「オーロラ」 というクルマも、綿密な市場調査から生まれてきていることが分かる。
これは、ある意味で 「トランポ」 だ。
ただし、もちろんただのトランポを狙っているわけではない。
トランポというと、一般的にはバイクやジェットスキーを載せるというスポーツギアのイメージが強い。
造る方も使う方も、その固定観念からなかなか抜けられない。
しかし、オーロラはそのようなトランポの発想から飛び出したクルマである。
むしろ、トランポとして使えるほどの空間を、 「癒し」 「やすらぎ」 「広々感」 に翻訳しようとしたクルマなのだ。
家具なども、少し濃いめの家具を使い、今までのファンシーでフェミニンなアム・クラフト路線とは一線を画したモダンテイストを貫いている。
この狙いはどこにあったのか?
ポップアップルーフを開口すると、それがよく分かる。
ルーフの内側に埋め込まれたLED照明が、微妙に色を変えて、ルーフの内側をまさに 「オーロラ」 の輝きに変える。
同社はこれを 「オーロラシステム」 (op.) と呼ぶ。
もちろん、これは単なる遊び。
しかし、この天井に広がる “大宇宙のパノラマ” を堪能しようしたとき、濃いめにしつらえたモダン調家具類が、夜空を支える地球の大地として浮かび上がるのだ。
よく計算していると思う。
こういう仕掛けを 「ギミック」 というのは簡単だ。
だけど、私などは、ルーフ内の色が変わっていく瞬間を写真で捉えながら、小さなプラネタリュームの中にいるような気分になった。
このような遊びは、ガチガチなアウトドア派からは、キャンピングカーの機能とは関係ないと嫌われるかもしれない。
しかし、こういう部分に 「華」 を感じ、キャンピングカーの面白さを感じる新しい顧客層は確実に育っている。
アム・クラフトというビルダーは、すでにその新しい顧客層のひしめく大海に、堂々と漕ぎ出していこうとしている。
2009年03月04日
コンクエスト23
09年に入って、キャンピングカー業界では国産車の勢いが目立つようになってきたが、輸入車の方にもユニークなクルマが登場してきている。
たとえばボナンザさんが、この春に導入したコンクエスト23。

これ、アメ車かな?
ヨーロッパ車かな?
ベースシャシーはフィアット。
シェルの形状は、まさに典型的なヨーロッパ車風アルコーブン。
だけど、デカールのデザインなどはアメ車っぽいし、それによく見ると、バンク部とボディ側面にアメリカのモーターホームメーカー 「Jayco」 社のマーク。

ついに、ジェイコ社がフィアットを導入?
仕入れが高いだろうに……。
だけど、不思議。
左エントランスに右ハンドル。
なんだ? これは…。
と、いろいろ考えてしまったのだが、ボナンザの比留間社長にうかがうと疑問は氷解。
このモーターホームは、オーストラリア製なのだ。

オーストラリアが、近年にわかにRV大国になっているということは、 「RV世界会議」 のレポートなどからも分かっていたが、このような堂々たるモーターホームが造られるようになっていたとは、ちょっと知らなかった。
その中でも、このコンクエストを造った 「オーストラリア・ジェイコ社」 というのは、全オーストラリアのRV車両の中でも48パーセントのシェアを持つ大メーカーなのだとか。
アメリカのジェイコ社とは交流はあるものの、独立した資本によって運営されている地元のビッグメーカーであるという。

このコンクエストを導入するために、オーストラリアで同車を試乗していた比留間社長は、現地のモーターホームの普及ぶりに目を見張ると同時に、そのベース車にフィアットが浸透していることにも驚いたという。
で、このコンクエスト23。
われわれ日本人にとってうれしいのは、まずオーストラリアがイギリス連邦の一国であるために、右ハンドルであるということ。
しかもオートマ。
右ハンドルでATというのは、実に商品価値が高い。

シャシーとして使われているフィアットは、リヤワイドトレッドを持つスペシャルバージョン。
スタンダードのトレッドが1790mmであるのに比べ、このワイドトレッド仕様は1980mm。
リヤタイヤがボディ枠いっぱいにまで広がっているので、 「踏ん張り」 の良さが、見ただけでも伝わってくる。

内装はちょっと不思議なムード。
レイアウトや家具の作り方は、もろヨーロッパ車なのだが、どことなく微妙にアメリカンな匂いが漂ってくる。
アメリカのジェイコ社との交流もあるから、アメリカンモーターホームの情報も頻繁に流れてくるからだという。

家具色や内装色はアメ車っぽいし、コンロの辺りの形状もアメリカンだ。
コンロは4口。
そのうちの三つはLPGを熱源に使うガスコンロだが、一つだけがIHクッカーになっている。
時代の波を感じる。

ベッドは、ヨーロッパ車風のリヤハイマウントベッド。
もちろん、その下は大型外部収納。
ベッドはウッドスプリングが入っているので、通気性もよく、寝心地も十分。

もちろん、オーストラリアだけの創意工夫もある。
たとえば、エントランスドア。
表扉の裏側に、格子上の補強が入った網戸が設けられ、さらに、子供が触って開いたりしないように、チャイルドロック機構が備わっている。

パーツもほとんど自国内で生産されるようになったらしいから、オーストラリア独自のアイデアを盛り込んだパーツもどんどん開発されているらしい。
オーストラリアといえば、おなじみのカンガルーバー。
だけど、野性のカンガルーが飛び込んで来る心配のない日本で使う限り、現地の大げさなカンガルーバーは必要ないという判断で、小型のものが付けられている。

ボナンザさんでは、これをちょっと可愛く 「コアラバー」 と呼ぶそうだ。
フロントバンパーの役目をするので、付いていると便利だ。
オーストラリアのキャンピングカーが正規に日本に導入されたのは、これがはじめて。
日本のキャンピングカーシーンは、輸入車の方でもバラエティに富んだ品揃えが目立ってきた。
お値段は、車両本体価格8,980,000円 (税込み9,429,000円) 。
たとえばボナンザさんが、この春に導入したコンクエスト23。
これ、アメ車かな?
ヨーロッパ車かな?
ベースシャシーはフィアット。
シェルの形状は、まさに典型的なヨーロッパ車風アルコーブン。
だけど、デカールのデザインなどはアメ車っぽいし、それによく見ると、バンク部とボディ側面にアメリカのモーターホームメーカー 「Jayco」 社のマーク。
ついに、ジェイコ社がフィアットを導入?
仕入れが高いだろうに……。
だけど、不思議。
左エントランスに右ハンドル。
なんだ? これは…。
と、いろいろ考えてしまったのだが、ボナンザの比留間社長にうかがうと疑問は氷解。
このモーターホームは、オーストラリア製なのだ。
オーストラリアが、近年にわかにRV大国になっているということは、 「RV世界会議」 のレポートなどからも分かっていたが、このような堂々たるモーターホームが造られるようになっていたとは、ちょっと知らなかった。
その中でも、このコンクエストを造った 「オーストラリア・ジェイコ社」 というのは、全オーストラリアのRV車両の中でも48パーセントのシェアを持つ大メーカーなのだとか。
アメリカのジェイコ社とは交流はあるものの、独立した資本によって運営されている地元のビッグメーカーであるという。
このコンクエストを導入するために、オーストラリアで同車を試乗していた比留間社長は、現地のモーターホームの普及ぶりに目を見張ると同時に、そのベース車にフィアットが浸透していることにも驚いたという。
で、このコンクエスト23。
われわれ日本人にとってうれしいのは、まずオーストラリアがイギリス連邦の一国であるために、右ハンドルであるということ。
しかもオートマ。
右ハンドルでATというのは、実に商品価値が高い。
シャシーとして使われているフィアットは、リヤワイドトレッドを持つスペシャルバージョン。
スタンダードのトレッドが1790mmであるのに比べ、このワイドトレッド仕様は1980mm。
リヤタイヤがボディ枠いっぱいにまで広がっているので、 「踏ん張り」 の良さが、見ただけでも伝わってくる。
内装はちょっと不思議なムード。
レイアウトや家具の作り方は、もろヨーロッパ車なのだが、どことなく微妙にアメリカンな匂いが漂ってくる。
アメリカのジェイコ社との交流もあるから、アメリカンモーターホームの情報も頻繁に流れてくるからだという。
家具色や内装色はアメ車っぽいし、コンロの辺りの形状もアメリカンだ。
コンロは4口。
そのうちの三つはLPGを熱源に使うガスコンロだが、一つだけがIHクッカーになっている。
時代の波を感じる。
ベッドは、ヨーロッパ車風のリヤハイマウントベッド。
もちろん、その下は大型外部収納。
ベッドはウッドスプリングが入っているので、通気性もよく、寝心地も十分。
もちろん、オーストラリアだけの創意工夫もある。
たとえば、エントランスドア。
表扉の裏側に、格子上の補強が入った網戸が設けられ、さらに、子供が触って開いたりしないように、チャイルドロック機構が備わっている。
パーツもほとんど自国内で生産されるようになったらしいから、オーストラリア独自のアイデアを盛り込んだパーツもどんどん開発されているらしい。
オーストラリアといえば、おなじみのカンガルーバー。
だけど、野性のカンガルーが飛び込んで来る心配のない日本で使う限り、現地の大げさなカンガルーバーは必要ないという判断で、小型のものが付けられている。
ボナンザさんでは、これをちょっと可愛く 「コアラバー」 と呼ぶそうだ。
フロントバンパーの役目をするので、付いていると便利だ。
オーストラリアのキャンピングカーが正規に日本に導入されたのは、これがはじめて。
日本のキャンピングカーシーンは、輸入車の方でもバラエティに富んだ品揃えが目立ってきた。
お値段は、車両本体価格8,980,000円 (税込み9,429,000円) 。
2009年03月02日
断熱と遮熱
キャンピングカーの冷暖房を考えるとき、ボディを断熱加工することの重要性が、最近とみに認知されるようになってきたが、それと同時に、「遮熱」 という考え方も進めていかなければならない、というビルダーの社長さんがいる。
RVランドの阿部和麿氏である。
阿部さんがいうには、人間が体感する 「暑さ、寒さ」 の感覚は、 「遮熱」 によって左右されることが多いのだそうだ。
「遮熱」 とは、文字通り 「熱を遮る」 ことをいい、正確には 「熱をはね返す」 ことを意味する。
「断熱」 と違うのは、 「断熱」 が熱を受け止めて、その熱の伝導を遅らせるということを意味するならば、 「遮熱」 は、熱そのものをはね返してしまうことをいう。
その 「遮熱」 が、なぜキャンピングカーの 「断熱」 と同時に重要になるかというと、それが、熱の移動量の一番多い 「輻射 (ふくしゃ) 」 を遮ることになるからだそうだ。
理科に強い人ならば、この 「輻射」 という言葉で、すでにピンと来るかもしれない。
理系の勉強をサボってきた私には、以下の阿部社長の講義は、はじめて聞くものばかりだった。
▲ 阿部和麿氏
【阿部】 人間が 「暑い」 「寒い」 「冷たい」 と感じる温度や熱の伝わり方には、3種類あるんですね。
その一つは、 「伝導」 です。
氷などに触れると冷たく感じるのは、氷の温度が指先に伝導されるからです。火にかけたヤカンが熱くなるのも、伝導ですね。
二つ目は 「対流」 です。
部屋の中の温まった空気は比重が軽くなって上昇し、冷たい空気は下に回って、部屋全体がかき回されながら温かくなるというのは、この対流の効果が現れるからなんです。
そして三つ目が、 「輻射」 です。
これは赤外線などに代表される電磁波による熱のことで、太陽の熱の伝わり方を思い浮かべてもらえれば分りやすいと思うのですが、例えば、天気の良い冬の日など、太陽に当たった身体がポカポカと温かくなりますよね。
それって、不思議だと思いませんか?
なぜなら、別に空気そのものが熱くなっているわけではないからです。
では、なぜ、外気温が人間の体温より低い冬の日でも、人間は太陽に当たると温かく感じるのか。
それは、太陽の赤外線が、物体と衝突するときに熱を発生するという性質を持っているからなんですね。
このような熱の伝わり方を 「輻射」 といいます。
で、この 「伝導」 、 「対流」 、 「輻射」 という熱の伝わり方の中で、私たちが熱量の多寡を一番強く感じるのが、実は最後の 「輻射」 なんですね。
人間の生活空間の中で、熱の移動量全体を100とすると、 「輻射」 がそのうちの75を占め、 「対流」 が20、 「伝導」 はわずか5だと言われています。
キャンピングカーの冷暖房を考えるとき、 「遮熱」 という考え方が大事だと言ったのは、 「遮熱」 による対策が、熱の移動量の一番多い 「輻射」 を遮ることになるからです。
では、具体的に、この 「遮熱」 という考え方は、キャンピングカーにどのように取り入れられているのかというと、……残念ながら、この世界ではまだ大きな成果としては実っていないんですね。
というのは、この業界では 「遮熱」 に効果のある素材を導入するための研究もまだ途上であるし、またそのような素材があったとしても、コスト高が予想されるからなんです。
では、その素材とは何か。
研究によると、 「輻射」 による熱反射率の最も高いものは金属の銀 (シルバー) だといいます。
その反射率を数値で表すと、99パーセントに及びます。
2番目は金 (ゴールド) で、その熱反射率は98パーセントになります。
ですから、金銀で外皮を構成したキャンピングカーがあったなら、さぞや夏は涼しく、冬は暖かいキャンピングカーになることでしょう。
しかし、これは現実的ではありませんね。
そのようなキャンピングカーは、一部の大金持ちでも敬遠してしまうでしょう。
なぜなら、そのような 「走る宝石」 で旅行していれば、盗難や強奪の恐怖にいつも怯えていなければならなくなるからですね。
幸いなことに、それほど高価でない素材として、私たちは 「アルミ」 という素材を持っています。
アルミの熱反射率は91パーセントだと言われますから、金銀に及ばないまでも、現実性はぐっと近づいてきます。
では、キャンピングカーの外装をアルミで被えばいいかというと、そう簡単ではないんですね。
まず、そのようなボディ技術があまり普及していないため、耐久性への配慮を含めてデータが不足していて、素材そのものも、現状ではコスト高になってしまいます。
しかし、建築の世界において、遮熱材としてアルミ素材を上手に使う工法が普及しているといいますから、そのように住宅への浸透が進んだ段階で、キャンピングカーに適した使い方の研究も進んでくるでしょう。
すでに、キャンピングカー以外の自動車においては、観光バスやトラックの一部で、屋根にアルミ的な効果をもたらす銀色の蒸着フィルムを貼ったり、銀色の塗装を施す試みも行われるようになってきました。
また食品関係においても、このアルミ素材の遮熱性を利用した包装システムが普及してきました。
コンビニなどで売られているスナック菓子の袋などを見ますと、その大半が、内側にアルミ箔を蒸着した素材を使用して、赤外線などをカットし、品物の劣化を防ぐようになっています。
このような応用技術がキャンピングカーに採り入れられるようになるには、まだもう少し時間がかかるでしょうけれど、実は、すでにユーザーさんたちは実行しているんですね。
たとえば、キャンピングカーでは、室内を外気温の変化や結露から守るために、フロントガラスや側面の窓ガラスを “銀マット” などで覆うマルチシェードのようなものが開発されていますが、これを使う方々がどんどん増えています。
これなど、断熱と遮熱を効果的に行なったものといえるでしょう。
今後は、各ビルダーさんが 「断熱」 と同時に、 「遮熱」 技術を研究・開拓することになっていくでしょう。
そうなれば、エアコンやヒーターなどを無制限に使用することを避けることも可能となり、エネルギー資源の確保や、温室効果ガスの削減に寄与するようになるでしょう。
……以上、阿部社長の講義、終わり!
勉強になりました。
RVランドの阿部和麿氏である。
阿部さんがいうには、人間が体感する 「暑さ、寒さ」 の感覚は、 「遮熱」 によって左右されることが多いのだそうだ。
「遮熱」 とは、文字通り 「熱を遮る」 ことをいい、正確には 「熱をはね返す」 ことを意味する。
「断熱」 と違うのは、 「断熱」 が熱を受け止めて、その熱の伝導を遅らせるということを意味するならば、 「遮熱」 は、熱そのものをはね返してしまうことをいう。
その 「遮熱」 が、なぜキャンピングカーの 「断熱」 と同時に重要になるかというと、それが、熱の移動量の一番多い 「輻射 (ふくしゃ) 」 を遮ることになるからだそうだ。
理科に強い人ならば、この 「輻射」 という言葉で、すでにピンと来るかもしれない。
理系の勉強をサボってきた私には、以下の阿部社長の講義は、はじめて聞くものばかりだった。
▲ 阿部和麿氏
【阿部】 人間が 「暑い」 「寒い」 「冷たい」 と感じる温度や熱の伝わり方には、3種類あるんですね。
その一つは、 「伝導」 です。
氷などに触れると冷たく感じるのは、氷の温度が指先に伝導されるからです。火にかけたヤカンが熱くなるのも、伝導ですね。
二つ目は 「対流」 です。
部屋の中の温まった空気は比重が軽くなって上昇し、冷たい空気は下に回って、部屋全体がかき回されながら温かくなるというのは、この対流の効果が現れるからなんです。
そして三つ目が、 「輻射」 です。
これは赤外線などに代表される電磁波による熱のことで、太陽の熱の伝わり方を思い浮かべてもらえれば分りやすいと思うのですが、例えば、天気の良い冬の日など、太陽に当たった身体がポカポカと温かくなりますよね。
それって、不思議だと思いませんか?
なぜなら、別に空気そのものが熱くなっているわけではないからです。
では、なぜ、外気温が人間の体温より低い冬の日でも、人間は太陽に当たると温かく感じるのか。
それは、太陽の赤外線が、物体と衝突するときに熱を発生するという性質を持っているからなんですね。
このような熱の伝わり方を 「輻射」 といいます。
で、この 「伝導」 、 「対流」 、 「輻射」 という熱の伝わり方の中で、私たちが熱量の多寡を一番強く感じるのが、実は最後の 「輻射」 なんですね。
人間の生活空間の中で、熱の移動量全体を100とすると、 「輻射」 がそのうちの75を占め、 「対流」 が20、 「伝導」 はわずか5だと言われています。
キャンピングカーの冷暖房を考えるとき、 「遮熱」 という考え方が大事だと言ったのは、 「遮熱」 による対策が、熱の移動量の一番多い 「輻射」 を遮ることになるからです。
では、具体的に、この 「遮熱」 という考え方は、キャンピングカーにどのように取り入れられているのかというと、……残念ながら、この世界ではまだ大きな成果としては実っていないんですね。
というのは、この業界では 「遮熱」 に効果のある素材を導入するための研究もまだ途上であるし、またそのような素材があったとしても、コスト高が予想されるからなんです。
では、その素材とは何か。
研究によると、 「輻射」 による熱反射率の最も高いものは金属の銀 (シルバー) だといいます。
その反射率を数値で表すと、99パーセントに及びます。
2番目は金 (ゴールド) で、その熱反射率は98パーセントになります。
ですから、金銀で外皮を構成したキャンピングカーがあったなら、さぞや夏は涼しく、冬は暖かいキャンピングカーになることでしょう。
しかし、これは現実的ではありませんね。
そのようなキャンピングカーは、一部の大金持ちでも敬遠してしまうでしょう。
なぜなら、そのような 「走る宝石」 で旅行していれば、盗難や強奪の恐怖にいつも怯えていなければならなくなるからですね。
幸いなことに、それほど高価でない素材として、私たちは 「アルミ」 という素材を持っています。
アルミの熱反射率は91パーセントだと言われますから、金銀に及ばないまでも、現実性はぐっと近づいてきます。
では、キャンピングカーの外装をアルミで被えばいいかというと、そう簡単ではないんですね。
まず、そのようなボディ技術があまり普及していないため、耐久性への配慮を含めてデータが不足していて、素材そのものも、現状ではコスト高になってしまいます。
しかし、建築の世界において、遮熱材としてアルミ素材を上手に使う工法が普及しているといいますから、そのように住宅への浸透が進んだ段階で、キャンピングカーに適した使い方の研究も進んでくるでしょう。
すでに、キャンピングカー以外の自動車においては、観光バスやトラックの一部で、屋根にアルミ的な効果をもたらす銀色の蒸着フィルムを貼ったり、銀色の塗装を施す試みも行われるようになってきました。
また食品関係においても、このアルミ素材の遮熱性を利用した包装システムが普及してきました。
コンビニなどで売られているスナック菓子の袋などを見ますと、その大半が、内側にアルミ箔を蒸着した素材を使用して、赤外線などをカットし、品物の劣化を防ぐようになっています。
このような応用技術がキャンピングカーに採り入れられるようになるには、まだもう少し時間がかかるでしょうけれど、実は、すでにユーザーさんたちは実行しているんですね。
たとえば、キャンピングカーでは、室内を外気温の変化や結露から守るために、フロントガラスや側面の窓ガラスを “銀マット” などで覆うマルチシェードのようなものが開発されていますが、これを使う方々がどんどん増えています。
これなど、断熱と遮熱を効果的に行なったものといえるでしょう。
今後は、各ビルダーさんが 「断熱」 と同時に、 「遮熱」 技術を研究・開拓することになっていくでしょう。
そうなれば、エアコンやヒーターなどを無制限に使用することを避けることも可能となり、エネルギー資源の確保や、温室効果ガスの削減に寄与するようになるでしょう。
……以上、阿部社長の講義、終わり!
勉強になりました。
2009年02月27日
ヴォーノ
日本の風土、日本の使用環境に適したキャンピングカーというものを、かなり意識的にデザインしようという流れが、今年ほど顕著に現れてきた年はないように思う。
そして、そういう新しい流れに乗ったキャンピングカーを見ていると、そこには各ビルダーの、何か吹っ切れたような 「明るさ」 、自信からくる 「華やかさ」 のようなものが、とても強く匂ってくるように思えるのだ。
この春に開かれた幕張と名古屋のキャンピングカーショーを見ていても、国産メーカーがリリースしてきた新車には、どれもみな 「テーマ」 がはっきりと見えた。
もちろん、それ以前だって、新車開発というものはテーマをしっかり据えてから進められてきたわけだが、ただ、昔は 「定年退職をするシニア夫婦が増えるから、2人仕様のレイアウトを考えよう」 とか、 「スポーツギアを積む若者が増えてきたからトランポを1台持とう」 といったマーケット動向をにらんだテーマ設定が主流だった。
しかし、現在リリースされている新車を見ると、単純にマーケットの流れを追っただけの、今までの新車開発とはひと味違う “新味” がどのクルマにも溢れている。
おそらく、各ビルダーの開発陣の頭の中に、 「キャンピングカー市場の急速な広がり」 というものがイメージされてきたのだと思う。
だから、そういうクルマには、キャンピングカーを知らない人たちに対しても、 「夢、希望、期待感」 を抱かせるような発想が渦巻いている。
おそらく、開発者たちが、キャンピングカー製作のプロであるという自意識をいったん捨てて、 「自分がキャンピングカーを知らない人間だとしたら、キャンピングカーに何を期待するのか」 …そういう原点に立ち返って車両開発に臨んだからだと思う。
その例のひとつを見てみよう。
ここに、レクビィさんがこの春投入した 「ヴォーノ」 という新車がある。
まず、下の写真を見ていただきたい。

ちょっとした大型バスコンか、輸入車でしか見られないような、優雅でのびのびとしたL字ソファのラウンジが広がっている。
景色の良い場所にクルマを止め、このラウンジにゆったりと腰掛けて、煎れ立てのコーヒーなど飲んだりしたら、さぞやリッチな時間を楽しむことができるだろう。
きっと、誰もがそう思うだろう。
だけど、こういうリビングを実現しているキャンピングカーというのは、さぞや高価で、車体もどっしりした大きさを誇るようなクルマなんだろうな…。
次に訪れるのは、そういう感慨かもしれない。
で、下の写真を見ていただきたい。

ハイエースでも一番小さくて取り回しのいい、ナローボディの標準ルーフなのだ。
このインパクトはすごい。
狭い住宅街をスルスルと通り抜けることを得意とするようなコンパクトボディの中に、大型輸入車でしか実現できないような、 「ゆとり」 「贅沢感」 「くつろぎ感」 を盛り込んでしまったのだ。
こういう発想はどこから生まれてきたのか。
このバンコンを開発したレクビィの増田浩一社長に、その狙ったところを尋ねてみた。
《 キャンピングカーのジャパン・クール 》
【町田】 ハイエースのロングバン・ロールーフを使って、このような “ゆったりラウンジ” を実現しようと思ったヒントは、どんなところから得たのですか?

▲ レクビィ 増田浩一社長
【増田】 これは、僕たちの考えた 「ジャパン・クール」 なんですわ。
もちろん本当の意味でのジャパン・クールというのは、マンガやアニメ、ゲームの世界における “日本ブーム” を意味しているのでしょうけれど、ああいう映像文化の中で、日本が発信してきたものが世界に受け入れられたというのは、あれって、あの制作者たちが、別に海外マーケットを意識してそういうものを創りあげたのではなくてね、あくまでも等身大の自分たちのライフスタイルを無邪気に表現したものだったと思うんですよ。
【町田】 確かに、世界のマーケットに媚びた結果ではないですよね。
【増田】 そうでしょ? …そうなるとね、キャンピングカーの開発においても、もっと自分たちのライフスタイルを素直に見つめた上での楽しみ方、遊び方を追求してもいいのかな…と思ったんですね。
じゃぁ、日本人の日本的なライフスタイルって何? …といったら、それは、小さな空間であったとしても、その空間を限りなく、豊かに、リッチに使いきろうという、様々な工夫によって生まれてきたものだという気がするんですね。
【町田】 国土が狭いわりには人口密度が高い国ですからね。
【増田】 そうそう。…ただ、それだけじゃなくてね、日本人って、むしろそういう限られた空間を好むような形で、美意識を育てたり、文化をはぐくんできたような民族じゃないですか。
例えば、茶室。
JRVAの広報誌にも書かれていたけれど、ああいう 「スモールスペースの中に、宇宙の広大さを封じ込める建物」 ってのは、日本人独特の感性から生まれてきたものらしいんですね。
で、これ、大きさ的にいえば、茶室ぐらいのスペースなんですわ。
【町田】 なるほど。テイストは洋風だけど、精神は 「和の文化」 の茶室であると…。
【増田】 ま、大げさにいうとね (笑) 。で、茶室のような空間が、なんで 「くつろぎ」 とか 「ゆとり」 を感じさせるのかというと、あれねぇ、自然と一体となっているんですね。
窓を開けると、すぐ日本庭園が見えたり、障子で仕切っても、そこに木の影が揺れて映ったり…。
で、このクルマでも、エントランスのスライドドアを開けて、外の空気を直に味わえるような場所に、でーんとこのラウンジがあると。
【町田】 まさに、極小の室内空間が、そのまま広大な “宇宙” に直結しているというわけですね。
【増田】 そう “うまい言葉” を思い浮かべながら造ったわけではないんですけれど、まぁ、そういうことなんですわ (笑) 。

《 スモールボディのメリット 》
【町田】 実用面においても、取り回しの良いサイズに収めたということは使い勝手の向上につながりますね。
【増田】 ええ。旅を続けていれば、時には、市内の地下駐車場に入ることもあるだろうし、古い温泉街などに入っていけば、狭い道も多い。
そういうときに、運転手がストレスを感じない車両サイズを維持しておくというのは、日本型の “旅ぐるま” を開発するときには欠かせない配慮だと思うんですね。
【町田】 こういう感じの旅ぐるまが受け入れられるというマーケット的な読みはあったのですか?
【増田】 はい。やっぱりね、お客さんの志向が10年前くらいとは明らかに違ってきているんですね。
昔はね、キャンピングカーといえば、 「キャンプ」 そして 「アウトドア」 。
僕らがマスコミの取材を受けたときも、写真を撮る段になると、カメラマンから出るリクエストは、必ず 「外にテーブルを出して、バーベキューでもやっている演出をしてもらえませんか」 というものばかりだったんですわ。
ところが、今は違うんですよ。
「桜前線を追いかけて、日本一周を楽しんでいるようなユーザーさんを紹介してくれませんか?」
…というように、明らかに 「旅のツール」 という意識で捉えられるようになってきたんですね。
【町田】 キャンピングカーの使い方に広がりが出てきたわけですね。
【増田】 ええ。そうなると、キャンプ道具をいっぱい搭載することができて、何もないところで快適に過ごせるような装備を満載するというクルマだけではなく、旅先でくつろぐことに主眼を置いたレイアウトだって必要になるだろうと判断したんですね。
【町田】 そういうときに、このゆったりしたL型ラウンジは、旅の疲れをいやしてくれる極上の空間を約束してくれますね。

【増田】 もちろん、ご夫婦2人で使われる場合は、このラウンジをベッドにしたままの状態で、気楽な旅を楽しんでもいいわけです。
横座りシートの座面を前にスライドさせて、シートの背もたれを載せるだけで、簡単にベッドが作れますから。
《 造っている人間も楽しめるクルマ 》
【町田】 価格的にも、買いやすい価格帯に収まっていますね。消費税込みで、370万…。
【増田】 でも、けっこう手の込んだクルマなんですよ。普通の作り方をしていると、ちょっとこの価格では厳しいんですね。
しかし、手を抜いてはいない。
僕は、このクルマを現場で造っているスタッフには、 「手を抜くのではなく、造り方に慣れることによって生産性を上げろ」 と言っているんです。

【町田】 慣れる…?
【増田】 つまりね、こういうクルマというのは、造っている人間たちも楽しいんでしょうね。
黙って見ているとね、どんどん凝ったことをやり始めるんですよ。
昔の僕だったら、
「そんな凝ったことをやって、コストを上げてはいかん」
と叱っていたのでしょうけれど、今はね、職人たちが楽しんで造っている方が良いクルマになると思っているんです。
だから、
「凝ってもいいから、早くその造り方に慣れろ!」
…ってハッパをかけているんですけどね (笑) 。
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そして、そういう新しい流れに乗ったキャンピングカーを見ていると、そこには各ビルダーの、何か吹っ切れたような 「明るさ」 、自信からくる 「華やかさ」 のようなものが、とても強く匂ってくるように思えるのだ。
この春に開かれた幕張と名古屋のキャンピングカーショーを見ていても、国産メーカーがリリースしてきた新車には、どれもみな 「テーマ」 がはっきりと見えた。
もちろん、それ以前だって、新車開発というものはテーマをしっかり据えてから進められてきたわけだが、ただ、昔は 「定年退職をするシニア夫婦が増えるから、2人仕様のレイアウトを考えよう」 とか、 「スポーツギアを積む若者が増えてきたからトランポを1台持とう」 といったマーケット動向をにらんだテーマ設定が主流だった。
しかし、現在リリースされている新車を見ると、単純にマーケットの流れを追っただけの、今までの新車開発とはひと味違う “新味” がどのクルマにも溢れている。
おそらく、各ビルダーの開発陣の頭の中に、 「キャンピングカー市場の急速な広がり」 というものがイメージされてきたのだと思う。
だから、そういうクルマには、キャンピングカーを知らない人たちに対しても、 「夢、希望、期待感」 を抱かせるような発想が渦巻いている。
おそらく、開発者たちが、キャンピングカー製作のプロであるという自意識をいったん捨てて、 「自分がキャンピングカーを知らない人間だとしたら、キャンピングカーに何を期待するのか」 …そういう原点に立ち返って車両開発に臨んだからだと思う。
その例のひとつを見てみよう。
ここに、レクビィさんがこの春投入した 「ヴォーノ」 という新車がある。
まず、下の写真を見ていただきたい。
ちょっとした大型バスコンか、輸入車でしか見られないような、優雅でのびのびとしたL字ソファのラウンジが広がっている。
景色の良い場所にクルマを止め、このラウンジにゆったりと腰掛けて、煎れ立てのコーヒーなど飲んだりしたら、さぞやリッチな時間を楽しむことができるだろう。
きっと、誰もがそう思うだろう。
だけど、こういうリビングを実現しているキャンピングカーというのは、さぞや高価で、車体もどっしりした大きさを誇るようなクルマなんだろうな…。
次に訪れるのは、そういう感慨かもしれない。
で、下の写真を見ていただきたい。
ハイエースでも一番小さくて取り回しのいい、ナローボディの標準ルーフなのだ。
このインパクトはすごい。
狭い住宅街をスルスルと通り抜けることを得意とするようなコンパクトボディの中に、大型輸入車でしか実現できないような、 「ゆとり」 「贅沢感」 「くつろぎ感」 を盛り込んでしまったのだ。
こういう発想はどこから生まれてきたのか。
このバンコンを開発したレクビィの増田浩一社長に、その狙ったところを尋ねてみた。
《 キャンピングカーのジャパン・クール 》
【町田】 ハイエースのロングバン・ロールーフを使って、このような “ゆったりラウンジ” を実現しようと思ったヒントは、どんなところから得たのですか?
▲ レクビィ 増田浩一社長
【増田】 これは、僕たちの考えた 「ジャパン・クール」 なんですわ。
もちろん本当の意味でのジャパン・クールというのは、マンガやアニメ、ゲームの世界における “日本ブーム” を意味しているのでしょうけれど、ああいう映像文化の中で、日本が発信してきたものが世界に受け入れられたというのは、あれって、あの制作者たちが、別に海外マーケットを意識してそういうものを創りあげたのではなくてね、あくまでも等身大の自分たちのライフスタイルを無邪気に表現したものだったと思うんですよ。
【町田】 確かに、世界のマーケットに媚びた結果ではないですよね。
【増田】 そうでしょ? …そうなるとね、キャンピングカーの開発においても、もっと自分たちのライフスタイルを素直に見つめた上での楽しみ方、遊び方を追求してもいいのかな…と思ったんですね。
じゃぁ、日本人の日本的なライフスタイルって何? …といったら、それは、小さな空間であったとしても、その空間を限りなく、豊かに、リッチに使いきろうという、様々な工夫によって生まれてきたものだという気がするんですね。
【町田】 国土が狭いわりには人口密度が高い国ですからね。
【増田】 そうそう。…ただ、それだけじゃなくてね、日本人って、むしろそういう限られた空間を好むような形で、美意識を育てたり、文化をはぐくんできたような民族じゃないですか。
例えば、茶室。
JRVAの広報誌にも書かれていたけれど、ああいう 「スモールスペースの中に、宇宙の広大さを封じ込める建物」 ってのは、日本人独特の感性から生まれてきたものらしいんですね。
で、これ、大きさ的にいえば、茶室ぐらいのスペースなんですわ。
【町田】 なるほど。テイストは洋風だけど、精神は 「和の文化」 の茶室であると…。
【増田】 ま、大げさにいうとね (笑) 。で、茶室のような空間が、なんで 「くつろぎ」 とか 「ゆとり」 を感じさせるのかというと、あれねぇ、自然と一体となっているんですね。
窓を開けると、すぐ日本庭園が見えたり、障子で仕切っても、そこに木の影が揺れて映ったり…。
で、このクルマでも、エントランスのスライドドアを開けて、外の空気を直に味わえるような場所に、でーんとこのラウンジがあると。
【町田】 まさに、極小の室内空間が、そのまま広大な “宇宙” に直結しているというわけですね。
【増田】 そう “うまい言葉” を思い浮かべながら造ったわけではないんですけれど、まぁ、そういうことなんですわ (笑) 。
《 スモールボディのメリット 》
【町田】 実用面においても、取り回しの良いサイズに収めたということは使い勝手の向上につながりますね。
【増田】 ええ。旅を続けていれば、時には、市内の地下駐車場に入ることもあるだろうし、古い温泉街などに入っていけば、狭い道も多い。
そういうときに、運転手がストレスを感じない車両サイズを維持しておくというのは、日本型の “旅ぐるま” を開発するときには欠かせない配慮だと思うんですね。
【町田】 こういう感じの旅ぐるまが受け入れられるというマーケット的な読みはあったのですか?
【増田】 はい。やっぱりね、お客さんの志向が10年前くらいとは明らかに違ってきているんですね。
昔はね、キャンピングカーといえば、 「キャンプ」 そして 「アウトドア」 。
僕らがマスコミの取材を受けたときも、写真を撮る段になると、カメラマンから出るリクエストは、必ず 「外にテーブルを出して、バーベキューでもやっている演出をしてもらえませんか」 というものばかりだったんですわ。
ところが、今は違うんですよ。
「桜前線を追いかけて、日本一周を楽しんでいるようなユーザーさんを紹介してくれませんか?」
…というように、明らかに 「旅のツール」 という意識で捉えられるようになってきたんですね。
【町田】 キャンピングカーの使い方に広がりが出てきたわけですね。
【増田】 ええ。そうなると、キャンプ道具をいっぱい搭載することができて、何もないところで快適に過ごせるような装備を満載するというクルマだけではなく、旅先でくつろぐことに主眼を置いたレイアウトだって必要になるだろうと判断したんですね。
【町田】 そういうときに、このゆったりしたL型ラウンジは、旅の疲れをいやしてくれる極上の空間を約束してくれますね。
【増田】 もちろん、ご夫婦2人で使われる場合は、このラウンジをベッドにしたままの状態で、気楽な旅を楽しんでもいいわけです。
横座りシートの座面を前にスライドさせて、シートの背もたれを載せるだけで、簡単にベッドが作れますから。
《 造っている人間も楽しめるクルマ 》
【町田】 価格的にも、買いやすい価格帯に収まっていますね。消費税込みで、370万…。
【増田】 でも、けっこう手の込んだクルマなんですよ。普通の作り方をしていると、ちょっとこの価格では厳しいんですね。
しかし、手を抜いてはいない。
僕は、このクルマを現場で造っているスタッフには、 「手を抜くのではなく、造り方に慣れることによって生産性を上げろ」 と言っているんです。
【町田】 慣れる…?
【増田】 つまりね、こういうクルマというのは、造っている人間たちも楽しいんでしょうね。
黙って見ているとね、どんどん凝ったことをやり始めるんですよ。
昔の僕だったら、
「そんな凝ったことをやって、コストを上げてはいかん」
と叱っていたのでしょうけれど、今はね、職人たちが楽しんで造っている方が良いクルマになると思っているんです。
だから、
「凝ってもいいから、早くその造り方に慣れろ!」
…ってハッパをかけているんですけどね (笑) 。
関連記事 「ポシェット」
関連記事 「CC」
関連記事 「パタゴニア」
関連記事 「覆面座談会 カントリークラブ」
関連記事 「不況時代のRV」
2009年02月26日
ANNEXスタイル
「日本の文化を反映したキャンピングカー」 。
言葉でそういうのは簡単だが、では、それはどんなキャンピングカーなのか。
改めてそう問い直してみると、RV業界の人にも、ユーザーにも、キャンピングカーメディアに携わる人たちにも、にわかに答え切ることができない。
しかし、それを目指して、着々と 「形」 として造り上げていくキャンピングカーメーカーの社長さんがいる。
アネックスの田中昭市さんだ。

▲ アネックス 田中社長
カムロードベースのキャブコン 「ネビュラ」 を発表して以来、アネックスのキャンピングカーはひとつの方向性を確立してきた。
それは、欧米先進国にもない、日本独自のオリジナリティを備えたデザインを追求したものだった。
それを、言葉で示すと 「アネックススタイル」 。
同社は、幕張や名古屋のキャンピングカーショーでも、その展示ブースの中央に、その言葉をくっきりと掲げたディスプレイを展示した。
ショーの会期中の忙しいさなか、田中昭市社長に 「アネックススタイルに表現されるキャンピングカーとはどんなものか」 を尋ねたみた。

《 アネックススタイル 》
【町田】 ずばり 「アネックススタイル」 って何のことですか?
【田中】 「うちのオリジナル」 という意味なんです。まぁ、デザイン的なオリジナル性ということですね。
そういうオリジナリティを備えたキャンピングカーを製作して、ひとつのライフスタイルを提案してみたい…と思って考えたキャッチなんですけどね。
【町田】 それは、どういうオリジナリティということなんでしょう?
【田中】 つい4~5年くらい前までは、日本のキャンピングカーは、ヨーロッパデザインを目指すか、アメリカンなデザインを目指すか、…そんなことを何の疑問もなく繰り返していたんですよ。
うちも 「エディ」 というクルマを造っていたときがあるんですけど、その内装テイストはアメリカンだったんですね。
すると、販売店の方から、
「最近はヨーロッパ調がブームだから、エディもヨーロッパ調の内装に変えた方がいいよ」
などと、よく言われたんですよ。
こちらも、 「そういうもんか…」 って、何の疑問もなく、その提案に耳を傾けていたりね (笑) 。
《 本当の 「和」 の文化って何か? 》
【町田】 確かに、少し前はそういう時代でしたね。V社はライモ家具のヨーロッパ調、Y社の内装はアーリーアメリカン調とか、僕らも何の疑問もなく、そういう言葉を使って紹介記事を書いていましたものね。
【田中】 でも、それってよく考えてみると、何か変でしょ? 建築の世界とかアートの世界って、別に 「アメリカ調」 とか 「ヨーロッパ調」 などという表現を使わなくても、一流の日本人デザイナーやアーチストたちが、世界に通用するオリジナルデザインを創り出しているじゃないですか。
なんでキャンピングカーはそうならへんのやろ…と思ってね。
【町田】 で、いろいろチャレンジされたわけですね?
【田中】 ええ。日本人なんだから 「和」 の様式を採り入れたキャンピングカーを造ってみようと考えたこともありました。
それで、畳仕様のキャブコンを製作してみたことがあるんですよ。
で、仕上げてみると、やっぱり自分でも、ちょっとしっくり来なかったんですね。
今から思うと、畳とか障子を使う世界というのは、部屋全体の縦横比とか、目線の位置とか、しっかり計算された空間造形を貫かないと、サマにならないんです。
それを、欧米家具を使うことでまとまっていたキャンピングカーの空間にそのまま投入しても、整合感が出ないのは当たり前なんですね。
【町田】 でも、そういうチャレンジも大切だったわけでしょ?
【田中】 はい。チャレンジしてみてから、そういうことに気づくわけですからね。
それで、一からやり直そうと思いましてね。 「ネビュラ」 を設計するときには、思い切って、デザインの専門家に相談してみたんですよ。
「アート&クラフト」 社というところの中谷さんという方ですけれど、その方から教えてもらったものは大きかったですね。
《 都会の夜景も楽しめるRV 》
【町田】 どういうことでしょう?
【田中】 結局ねぇ、その方とコンセプトメイクしていると、もう今までとは違ったアプローチが次々と出てくるので、目からウロコが落ちたというような気分になったのですよ。
まず、キャンピングカーの内装色をどう決めるかなどという前に、どういうシチュエーションで使うと、そのクルマが輝いて見えるのか…とか、そのクルマを使っていると、周りの風景がどう違って見えてくるか…とか、もうライフスタイルから入っていくんですね。
【町田】 まず人間の生活があって、その次にキャンピングカーがあると…。
【田中】 そういうことなんですけど、ほら、キャンピングカーってどうしてもアウトドアだとか、自然の中で…というイメージがあるじゃないですか。
しかし、自然の中で使うにせよ日本だったら、そういう場所に至るまでは都会の中を通ることもあるだろうし、場合によっては、都会の夜景を見ながら、ちょっとキャンピングカーの中でくつろぐ…というシチュエーションだって考えられるわけですよね。
そう考えるとね、 「日本的なるもの」 っていうのは、山から1時間も走ってくれば都会に戻ってしまうという、そういう日本の生活空間を正直に見つめ直すところから生まれてくるのではないだろうか…と考えることができたんですよ。
【町田】 イメージの中の 「日本」 とか、理念の中の 「日本」 ではなくて、現代社会で生きている日本人が、自分の足で歩いて感じる 「日本」 という意味ですね。
【田中】 そう。そういうライブ感覚を持った日本文化というものを考えないと、なんか新しい提案にはならないだろうと思ったんですよ。
【町田】 ネビュラのコンセプトは 「走るモダンリビング」 でしたものね。
【田中】 ええ。今の日本人の住宅構造を見ても、必ずしも畳みと障子を使わなくても、欧米とも違う日本独自の住宅様式というのが生まれているわけじゃないですか。
その感覚を大事にした方が、本当の意味での 「日本的なるもの」 に近づくとちゃうんかな? …って思ったわけですね。
《 リコルソに秘めた想い 》
【町田】 そのような 「生きている日本文化」 というものを、実際の車両開発では、どのように実現されたのでしょうか。
【田中】 たとえば、私たちの開発した新しいキャンピングカーで、 「リコルソ」 というバンコンがあるのですけれど、これ、見ていただくとお分かりになると思いますが、運転席とリビングを 「家具」 で仕切ってしまっているし、リヤドアを開けても、そこに壁が立ちふさがっている。
普通に考えたら、めちゃくちゃに使い勝手の悪いバンコンなんですわ。
でも、室内に入ってみると、もう無類に心地よいし、落ち着くんですよ。
つまり、運転席のような “自動車的な機能” を視線から隠すことによって、クルマであることを忘れてしまうように造ったつもりなんですね。

【田中】 で、そのことによってですね、たとえば都会の中でもちょっと景色のよいところに止めて、室内から外を眺めれば、もうそれだけで 「リゾート施設から眺めた景色」 に変わる。
つまりね、日本という国は、欧米のように圧倒的にワイルドな自然というものが少ない。
その代わり、ちょっと人工の手が入った 「リゾート的な景観」 なら、ものすごく豊富にある。
そういう日本の特殊事情を楽しめるキャンピングカー空間というものを造形することが、すなわち 「日本的なるもの」 の追求なのかな? …と思うんですよ。

【町田】 でも、それって、ユーザーの想像力が試されるようなところがありますよね。
たとえば、ちょっとヤシの木が植わったような海岸の駐車場に止めて、 「ここは素晴らしいリゾートだ!」 と思い込むためには、それなりの研ぎ澄まされた感性が要求されるわけでしょ?
ある意味で、バーチャルな仮想空間で遊ぶことにも似ているわけですから。
【田中】 ええ。だからクルマの方も、そういうユーザーさんのイマジネーションが活発に働くようなデザインというものが要求されるわけですね。
そこで、例えばリコルソでは、リゾート施設の一室から外を眺めているような 「部屋」 の感覚というものを大事にしましたし、リゾート感を出すために、家具の色合いとかソファーの材質感なども吟味しているわけです。
《 日常が旅になる 》
【町田】 確かに、日本中どこにでも 「ちょっと良い景色」 という場所はあるわけで、それが全部 「自分だけのリゾート」 になるとしたら、それはリッチな体験を得ることになりますね。
僕はよく、こう考えるですけれど、日本という国は、どこに行ってもコンビニはあるし、立ち寄り温泉を探すのも簡単だし、それだけどんどん便利な国になってきたわけですけれど、その反面、日本中どこへ行っても、同じ景色が展開されるようになってしまった。
そういう退屈感から逃れるためには、個性のあるキャンピングカーって必要だな…って。
キャンピングカーという “魔法の空間” が、人間の想像力を刺激することによって、周りの風景も違ったように見えてくるな…って。

▲ リバティLE
【田中】 そうなんです。もうひとつキャブコンで 「リバティLE」 というのがあるんですけれど、これは、その “リゾート地めぐり” を、さらに1ヶ月ぐらいの長期にわたって楽しめるように開発したクルマなんですが、やっぱり 「魔法の空間」 という狙いは大事であって、そのための意匠にもこだわりを持っているわけですね。
たとえば、このエントランスステップのクロームメッキの取っ手。
これなんか、けっこうコストが高くつくので、普通だったら絶対に使わないような部品なんですけれど、付けてみたら意外とぴったり合ってしまった。

▲ リバティのエントランスドア脇の取っ手
【町田】 もう外せないと (笑) 。
【田中】 ええ。やっぱりこの取っ手を握って中に入るときに、この銀色の輝きが、 「さぁ、これから夢空間に突入するぞ!」 というような興奮を呼び起こすような気がして… (笑) 。

▲ リバティLE室内
【町田】 人のイマジネーションを膨らませる力というのは、そういう細部のこだわりをいかに多く集積させたか…ということから生まれますものね。
旅というのは、人を非日常へ誘導させることから始まるけれど、その非日常というのは、日常的な 「物」 が、普段とは違った形で現れるときに感じられるといいます。
だから、本来ならステップの乗り降りを助けるためだけのアシストグリップが、クロームメッキの輝きを放つというだけで、それは、アシストグリップであっても、もうすでに普通のアシストグリップではない。
そこから先は、非日常の夢空間が広がるというわけですね。
【田中】 ある大手自動車メーカーさんのCMに出てきた言葉で 「いいなぁ」 と思ったキャッチのひとつに、 「日常が旅になる」 というものがあったんですよ。
例えば、通勤の途中で見ているような見慣れた風景も、ある日、ある陽射しの中で見ると、 「あ、こんなにきれいな場所だったんだ!」 とびっくりするようなことってあるじゃないですか。
「日常が旅になる」 というのは、そういうことを意味していると思うんですよ。
キャンピングカーというのは、そういう瞬間にバクっと食らい付いて、それを魅力的な 「旅」 にしてしまう力があると思うんですね。
【町田】 そういう楽しみ方を味わえるように、人間を育ててくれるクルマ…
【田中】 そのクルマがもたらすライフスタイルを、 「アネックススタイル」 。
…まぁ、そんな気持ちを込めて、むりやりひねり出したキャッチなんですけどね (笑) 。
関連記事 「ネビュラ」
関連記事 「リコルソ」
言葉でそういうのは簡単だが、では、それはどんなキャンピングカーなのか。
改めてそう問い直してみると、RV業界の人にも、ユーザーにも、キャンピングカーメディアに携わる人たちにも、にわかに答え切ることができない。
しかし、それを目指して、着々と 「形」 として造り上げていくキャンピングカーメーカーの社長さんがいる。
アネックスの田中昭市さんだ。
▲ アネックス 田中社長
カムロードベースのキャブコン 「ネビュラ」 を発表して以来、アネックスのキャンピングカーはひとつの方向性を確立してきた。
それは、欧米先進国にもない、日本独自のオリジナリティを備えたデザインを追求したものだった。
それを、言葉で示すと 「アネックススタイル」 。
同社は、幕張や名古屋のキャンピングカーショーでも、その展示ブースの中央に、その言葉をくっきりと掲げたディスプレイを展示した。
ショーの会期中の忙しいさなか、田中昭市社長に 「アネックススタイルに表現されるキャンピングカーとはどんなものか」 を尋ねたみた。
《 アネックススタイル 》
【町田】 ずばり 「アネックススタイル」 って何のことですか?
【田中】 「うちのオリジナル」 という意味なんです。まぁ、デザイン的なオリジナル性ということですね。
そういうオリジナリティを備えたキャンピングカーを製作して、ひとつのライフスタイルを提案してみたい…と思って考えたキャッチなんですけどね。
【町田】 それは、どういうオリジナリティということなんでしょう?
【田中】 つい4~5年くらい前までは、日本のキャンピングカーは、ヨーロッパデザインを目指すか、アメリカンなデザインを目指すか、…そんなことを何の疑問もなく繰り返していたんですよ。
うちも 「エディ」 というクルマを造っていたときがあるんですけど、その内装テイストはアメリカンだったんですね。
すると、販売店の方から、
「最近はヨーロッパ調がブームだから、エディもヨーロッパ調の内装に変えた方がいいよ」
などと、よく言われたんですよ。
こちらも、 「そういうもんか…」 って、何の疑問もなく、その提案に耳を傾けていたりね (笑) 。
《 本当の 「和」 の文化って何か? 》
【町田】 確かに、少し前はそういう時代でしたね。V社はライモ家具のヨーロッパ調、Y社の内装はアーリーアメリカン調とか、僕らも何の疑問もなく、そういう言葉を使って紹介記事を書いていましたものね。
【田中】 でも、それってよく考えてみると、何か変でしょ? 建築の世界とかアートの世界って、別に 「アメリカ調」 とか 「ヨーロッパ調」 などという表現を使わなくても、一流の日本人デザイナーやアーチストたちが、世界に通用するオリジナルデザインを創り出しているじゃないですか。
なんでキャンピングカーはそうならへんのやろ…と思ってね。
【町田】 で、いろいろチャレンジされたわけですね?
【田中】 ええ。日本人なんだから 「和」 の様式を採り入れたキャンピングカーを造ってみようと考えたこともありました。
それで、畳仕様のキャブコンを製作してみたことがあるんですよ。
で、仕上げてみると、やっぱり自分でも、ちょっとしっくり来なかったんですね。
今から思うと、畳とか障子を使う世界というのは、部屋全体の縦横比とか、目線の位置とか、しっかり計算された空間造形を貫かないと、サマにならないんです。
それを、欧米家具を使うことでまとまっていたキャンピングカーの空間にそのまま投入しても、整合感が出ないのは当たり前なんですね。
【町田】 でも、そういうチャレンジも大切だったわけでしょ?
【田中】 はい。チャレンジしてみてから、そういうことに気づくわけですからね。
それで、一からやり直そうと思いましてね。 「ネビュラ」 を設計するときには、思い切って、デザインの専門家に相談してみたんですよ。
「アート&クラフト」 社というところの中谷さんという方ですけれど、その方から教えてもらったものは大きかったですね。
《 都会の夜景も楽しめるRV 》
【町田】 どういうことでしょう?
【田中】 結局ねぇ、その方とコンセプトメイクしていると、もう今までとは違ったアプローチが次々と出てくるので、目からウロコが落ちたというような気分になったのですよ。
まず、キャンピングカーの内装色をどう決めるかなどという前に、どういうシチュエーションで使うと、そのクルマが輝いて見えるのか…とか、そのクルマを使っていると、周りの風景がどう違って見えてくるか…とか、もうライフスタイルから入っていくんですね。
【町田】 まず人間の生活があって、その次にキャンピングカーがあると…。
【田中】 そういうことなんですけど、ほら、キャンピングカーってどうしてもアウトドアだとか、自然の中で…というイメージがあるじゃないですか。
しかし、自然の中で使うにせよ日本だったら、そういう場所に至るまでは都会の中を通ることもあるだろうし、場合によっては、都会の夜景を見ながら、ちょっとキャンピングカーの中でくつろぐ…というシチュエーションだって考えられるわけですよね。
そう考えるとね、 「日本的なるもの」 っていうのは、山から1時間も走ってくれば都会に戻ってしまうという、そういう日本の生活空間を正直に見つめ直すところから生まれてくるのではないだろうか…と考えることができたんですよ。
【町田】 イメージの中の 「日本」 とか、理念の中の 「日本」 ではなくて、現代社会で生きている日本人が、自分の足で歩いて感じる 「日本」 という意味ですね。
【田中】 そう。そういうライブ感覚を持った日本文化というものを考えないと、なんか新しい提案にはならないだろうと思ったんですよ。
【町田】 ネビュラのコンセプトは 「走るモダンリビング」 でしたものね。
【田中】 ええ。今の日本人の住宅構造を見ても、必ずしも畳みと障子を使わなくても、欧米とも違う日本独自の住宅様式というのが生まれているわけじゃないですか。
その感覚を大事にした方が、本当の意味での 「日本的なるもの」 に近づくとちゃうんかな? …って思ったわけですね。
《 リコルソに秘めた想い 》
【町田】 そのような 「生きている日本文化」 というものを、実際の車両開発では、どのように実現されたのでしょうか。
【田中】 たとえば、私たちの開発した新しいキャンピングカーで、 「リコルソ」 というバンコンがあるのですけれど、これ、見ていただくとお分かりになると思いますが、運転席とリビングを 「家具」 で仕切ってしまっているし、リヤドアを開けても、そこに壁が立ちふさがっている。
普通に考えたら、めちゃくちゃに使い勝手の悪いバンコンなんですわ。
でも、室内に入ってみると、もう無類に心地よいし、落ち着くんですよ。
つまり、運転席のような “自動車的な機能” を視線から隠すことによって、クルマであることを忘れてしまうように造ったつもりなんですね。
【田中】 で、そのことによってですね、たとえば都会の中でもちょっと景色のよいところに止めて、室内から外を眺めれば、もうそれだけで 「リゾート施設から眺めた景色」 に変わる。
つまりね、日本という国は、欧米のように圧倒的にワイルドな自然というものが少ない。
その代わり、ちょっと人工の手が入った 「リゾート的な景観」 なら、ものすごく豊富にある。
そういう日本の特殊事情を楽しめるキャンピングカー空間というものを造形することが、すなわち 「日本的なるもの」 の追求なのかな? …と思うんですよ。
【町田】 でも、それって、ユーザーの想像力が試されるようなところがありますよね。
たとえば、ちょっとヤシの木が植わったような海岸の駐車場に止めて、 「ここは素晴らしいリゾートだ!」 と思い込むためには、それなりの研ぎ澄まされた感性が要求されるわけでしょ?
ある意味で、バーチャルな仮想空間で遊ぶことにも似ているわけですから。
【田中】 ええ。だからクルマの方も、そういうユーザーさんのイマジネーションが活発に働くようなデザインというものが要求されるわけですね。
そこで、例えばリコルソでは、リゾート施設の一室から外を眺めているような 「部屋」 の感覚というものを大事にしましたし、リゾート感を出すために、家具の色合いとかソファーの材質感なども吟味しているわけです。
《 日常が旅になる 》
【町田】 確かに、日本中どこにでも 「ちょっと良い景色」 という場所はあるわけで、それが全部 「自分だけのリゾート」 になるとしたら、それはリッチな体験を得ることになりますね。
僕はよく、こう考えるですけれど、日本という国は、どこに行ってもコンビニはあるし、立ち寄り温泉を探すのも簡単だし、それだけどんどん便利な国になってきたわけですけれど、その反面、日本中どこへ行っても、同じ景色が展開されるようになってしまった。
そういう退屈感から逃れるためには、個性のあるキャンピングカーって必要だな…って。
キャンピングカーという “魔法の空間” が、人間の想像力を刺激することによって、周りの風景も違ったように見えてくるな…って。
▲ リバティLE
【田中】 そうなんです。もうひとつキャブコンで 「リバティLE」 というのがあるんですけれど、これは、その “リゾート地めぐり” を、さらに1ヶ月ぐらいの長期にわたって楽しめるように開発したクルマなんですが、やっぱり 「魔法の空間」 という狙いは大事であって、そのための意匠にもこだわりを持っているわけですね。
たとえば、このエントランスステップのクロームメッキの取っ手。
これなんか、けっこうコストが高くつくので、普通だったら絶対に使わないような部品なんですけれど、付けてみたら意外とぴったり合ってしまった。
▲ リバティのエントランスドア脇の取っ手
【町田】 もう外せないと (笑) 。
【田中】 ええ。やっぱりこの取っ手を握って中に入るときに、この銀色の輝きが、 「さぁ、これから夢空間に突入するぞ!」 というような興奮を呼び起こすような気がして… (笑) 。
▲ リバティLE室内
【町田】 人のイマジネーションを膨らませる力というのは、そういう細部のこだわりをいかに多く集積させたか…ということから生まれますものね。
旅というのは、人を非日常へ誘導させることから始まるけれど、その非日常というのは、日常的な 「物」 が、普段とは違った形で現れるときに感じられるといいます。
だから、本来ならステップの乗り降りを助けるためだけのアシストグリップが、クロームメッキの輝きを放つというだけで、それは、アシストグリップであっても、もうすでに普通のアシストグリップではない。
そこから先は、非日常の夢空間が広がるというわけですね。
【田中】 ある大手自動車メーカーさんのCMに出てきた言葉で 「いいなぁ」 と思ったキャッチのひとつに、 「日常が旅になる」 というものがあったんですよ。
例えば、通勤の途中で見ているような見慣れた風景も、ある日、ある陽射しの中で見ると、 「あ、こんなにきれいな場所だったんだ!」 とびっくりするようなことってあるじゃないですか。
「日常が旅になる」 というのは、そういうことを意味していると思うんですよ。
キャンピングカーというのは、そういう瞬間にバクっと食らい付いて、それを魅力的な 「旅」 にしてしまう力があると思うんですね。
【町田】 そういう楽しみ方を味わえるように、人間を育ててくれるクルマ…
【田中】 そのクルマがもたらすライフスタイルを、 「アネックススタイル」 。
…まぁ、そんな気持ちを込めて、むりやりひねり出したキャッチなんですけどね (笑) 。
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2009年02月24日
RVのJポップ化
覆面座談会
【 Jポップ化する国産キャンピングカー 】
【A】 この2月には、幕張の 「キャンピング&RVショー」 、名古屋の 「キャンピングカーフェア」 と、春のビッグイベントが続いたわけだけど、今までのシーズンと何か変わったことってあった?
【B】 …というか、オレたちここに登場するの久しぶりだよね。昔は、よくこのブログに登場させてもらったけれど。
【C】 だけど、あいからずの扱いだよね。氏素性を紹介することもなく、いきなり 「A」 「B」 「C」 だもんな。

▲ 幕張 「キャンピング&RVショー2009」
【A】 …ま、いいとして、今日は 「キャンピングカー業界の現在」 という座談会なんだけど。
【B】 業界というより、ユーザー層も含めた全体を語った方がいいよ。業界にも変化が訪れたけれど、客層も変ってきたから。
【C】 どう変わったっていうわけ?
【B】 名古屋のショーで、いろいろな業者さんに聞いたけれど、「キャンピングカーって知らないから見に来ました」 って人たちがものすごく増えているんだって。
【A】 新規の人たちが増えたということ? それは底辺が広がったということなんだから、業界としては歓迎すべきことなんじゃないの?
【B】 でも、いちいち説明するのが大変らしい。 「これって、普通免許で運転できるんですか?」 っていう人たちを相手にするわけだから。
【C】 「あ、トイレが付いているんだぁ!」 って驚いている見学者たちを相手にするんじゃ、営業マンも大変だろうな。
下手にインバーターの機能なんか説明すると、見学者の頭がこんがらかっちゃうんだって。だから、尋ねられるまでは言い出さない、っていう人もいた。
【C】 いろんなキャンピングカーを眺めても、どれが自分たちの使い方に合っているのか、すぐには判断できない人たちが多くなったってことなんだよ。10年前に戻ったという人もいる。
【B】 つまり、すぐ商談には結びつかないケースが増えているっていうことだよね。
《 不況の影響を受けない業種 》
【A】 でも、いいことだよ。この大不況の時代に、ショーの来場者だけは、幕張も名古屋もすごく多かった。これは潜在的な購買層が増えたと見ていいわけで、すぐには “売り” に結びつかなくても、将来的な見通しは明るいということじゃない?
【C】 まだ分からないよね。庶民の生活が本当に苦しくなるのは今年の9月以降だろうという見方もある。
【A】 でも、みんなお金そのものを持っていないわけじゃないからね。不況の時代だといっても、息抜きがないと人間まいってしまう。そういうときは、安い遊びに向かうという傾向が出てくる。
だから、オートキャンプって意外といいんだよ。
現に、ショーに来ていたキャンプ場の経営者たちに聞いてみたら、一応この2月頃から始めたゴールデンウィークの予約は満杯だと答えた人たちが多かった。中にはもうお盆の予約も埋まったというところもあった。
キャンピングカーだって初期投資は高いけれど、1台持てば安く旅行できる。そういう目で眺めれば、不況だって追い風だ。
【C】 いやぁ、買えないけれど見に来たって人も多いよ。特に若者たちは、「キャンピングカーっていいよなぁ。だけどみんな高いなぁ」 なんて話し合っているんだよね。結局、パンフレット集めて帰るだけ。
【А】 だけどね、休憩室で耳をダンボにして、立ち聞きしていたんだけどさ、明らかに愛知県のトヨタ関係者の夫婦なんだわ。
ほら、トヨタって赤字すら計上しそうで、“派遣切り” なんかでも問題を多く抱えていてさ、まさに、一時はマスコミから企業の存亡が問われる時なんて採り上げ方されていたじゃない?
でも、その夫婦は、いともことなげに、セカンドカーとして軽キャンピングカーを買うつもり話しているわけ。
「ベース車をスズキにするか、スバルか、ダイハツか…」 なんて迷っているんだけどさ、夫婦の関心事は、 「トヨタ系のダイハツじゃないと、会社の駐車場に置きづらいしなぁ…」 なんて、そんなことが最大の悩みなのよ。

▲ 名古屋 「キャンピングカーフェア2009」
【B】 マスコミで大げさに騒いでいるほど、不況は深刻でないということか…。
【C】 いや、消費者の志向が変わったのね。ちょっと高級で便利な台所用品とか、自炊用の家電とかは売れているというじゃない? 外で派手にお金を使うことを控える代わりに、家の中で、ちょっと安く “贅沢をする” ってのがトレンドになってきていると思う。
キャンピングカーってのも、そういう “内向き消費” の文脈で考えると分かりやすいよね。
《 市場に理解され始めたRVの意義 》
【B】 オレねぇ、思うんだけど、 「不況だから安い遊びをしよう」 ってんでキャンプやキャンピングカーに目をつけた人たちも、そりゃ多いと思うけれど、それだけじゃなくて、キャンピングカーが提案している何かに、みんなが反応してきたんじゃないかな。
【A】 「何か」 って何よ?
【B】 会場で配られたRV協会の広報誌にも書いてあったけれど、 「家族や自然と調和しながら生きる」 というキャンピングカーの “哲学” みたいなものが、じわじわっと浸透してきているんじゃないの?
【C】 同じ “乗り物” なんだけど、乗用車とは違う何かがある…ってことだろうね。
【B】 そう。…だって、自動車業界の販売不振というのは、なにもアメリカ経済の落ち込みを受ける数年前から、ずぅーっと続いていたわけじゃない? だけどキャンピングカー業界だけは、この4年間、ずっと右肩上がりの出荷台数を維持してきたんだものね。
それって、何かといったら、 「新しい旅の形」 ってのを提案できているからなんだよ。
【A】 ホテルに泊まらずに、道の駅で泊まりましょうとか?
【B】 いやいや、そういうことじゃなくて、…結局、日本の風景も “近代化” に伴って、どんどん画一化されてきてさ、高速道路走っても同じ景色。ホテルに泊まっても同じサービス。
そういう均一化された旅に飽きちゃった人にとってさ、キャンピングカーに備わっている個性が、実は 「旅の個性化」 につながってくるんだよ。
だから、気に入った内装の、気に入った装備に囲まれて旅していれば、気分も盛り上がって、それが均一化された旅行からの 「脱出」 につながるわけよ。
【C】 ああ、それは分かりやすい例だね。そこが今のニーズに合ったのかな。
【B】 そう。それと、資源を消費して発展を遂げてきた重工業社会的な産業モデルに対して、キャンピングカーって、脱・工業社会的なイメージがあるじゃない?
なにしろ、 「走るときより、止まっているときに本領を発揮する乗り物」 だっけ? RV協会さんのキャンペーン。
燃料をやたら消費するのではなく、キャンプ場のような自然の中に滞在して、スロートラベルを味わうクルマ。
そういうキャンペーンが少しずつ浸透してきた…という気がするんだ。
【C】 確かに、この不況の時代、キャンピングカー業界の人たちも 「さぁ、大変な時代が来た」 って青ざめていたわけだよね。
しかし、実際に春のショーが始まってみれば、すぐには “売り” に結びつかないにせよ、反応はすごくいいわけじゃない? そうなればみんな 「ここは頑張って乗り切ろう」 と思うよね。
【B】 うん。やっぱりキャンピングカーには、乗用車と違った訴求ポイントがあるってことを、業界の人もみんな気づき始めてきたことは確か。
【C】 だから、ブースの作りなんかにも変化が現れてきたね。
【A】 どういう風に?
《 展示会風景にも変化のきざし 》
【C】 今までだとさぁ、戦国時代のようなノボリをたくさん立ててさ、展示車にも 「お買い得セール。このショーだけの限定価格!」 みたいな張り紙をペタペタ貼って、展示即売会みたいな雰囲気のブースが多かったけれど、それが少しずつ洗練されてきた。
【A】 いやぁ、基本的には変っていないよ。
【C】 だけど、中にはモーターショー並みに、こぎれいにブースをまとめたデザインマインドを感じさせる展示を心掛ける業者さんも出てきたよね。
【B】 そう。クルマの機能を売るというより、そのメーカーなりの思想とか哲学を売ろうという姿勢が少しずつだけど出てきているよね。
そうなると、 「なんだ即売会か…」 と思って、あまり重視してくれなかった一般メディアの人たちも注目してくると思うよ。
【A】 オレは 「展示即売会」 的なにぎわいも必要だと思うけれどね。だって、夜店とかバザールの雰囲気って、庶民にとっては気楽でいいんだよ。
それに、このご時世なんだから、 「うちのクルマは安いよ」 って貼り紙貼ったって、それで購買者の意識をキャッチできればいいわけじゃない?
安く売るってのは企業努力なんだから、それを宣伝することはむしろ大事なことだよ。
【B】 そうだけど、それだけじゃ淋しい。やっぱこういう時代なんだから、「キャンピングカー業者も時代に対してこう考えていますよ」 ってアピールすることだって必要だと思うよ。
たとえば、キャンピングカーで進められる 「エコ活動」 って何か?
そういう着目点って、大手企業が進めている “商売的なエコ” よりも、キャンピングカーそのものが 「エコ的使い方」 を許容する部分を含んでいるから説得力がある。
【C】 それに関しては、しっかりテーマを設定したディスプレイを掲げているところも出てきたよね。
【B】 まず、キャンピングカーそのものが変ってきたものね。
【A】 どういうふうに変ったというわけ?
【B】 開発ポリシーというものを 「形」 として表現したクルマというものが出てきたもの。中には自動車の大手メーカーですら注目するようなアイデアを披露するものまで登場した。
【C】 うん。いいことだよ。キャンピングカーって、自動車メーカーが供給するベース車の機能まで変えるわけにはいかないというハンディがあって、その部分ではやることが限られていたけれど、その自動車メーカーも振り向いてくれるようなアイデアを提供するって大事なことだよね。
《 カッコいいRVが急増した背景 》
【A】 確かに、まぁカッコいいキャンピングカーが増えたよな。中には 「あのベース車からこんなデザインが生まれるの?」 ってびっくりするような作品がバンバン出てくるようになったものな。
【B】 オレさぁ、「国産車のJポップ化」 が進んできたと思うの。
【A】 また、訳の分からないこと言い出す。
【B】 Jポップってさぁ、最初は洋楽のマネっ子から始まったわけじゃない? 今までの演歌・歌謡曲路線とは違う洋楽風のリズムやメロディで曲作りをして、洋楽ファンの間にも浸透することを図ったわけだよね。
だけど、最初のうちは、やっぱり日本人の体質に沁み込んでいる 「和音階」 のメロディーラインから抜け出せなくてさ、サビの部分なんかになると、モロ歌謡曲になっちゃう曲もいっぱいあったよね。
【C】 歌詞だけ 「Hey Baby!」 でお茶をにごすとかね。
【A】 グループサウンズ的なノリでね。
【B】 それがどんどん洗練されてきちゃってさ、オレ、ミーシャの 「Everything」 なんか聞いたときは、 「あ、もう日本人には洋楽って必要ないのかもしれない」 …ぐらいに思っちゃったわけ。サビの部分も歌謡曲的な匂いがないんだもの。
だけど 「洋楽か?」 っていったら、やはり違うのよ。世界のどこにもない日本のポップスになっているわけ。
【A】 それがキャンピングカーとどう結びつくのよ。
【B】 だから、国産キャンピングカーも、そうなってきているということなの。
今までは、欧米の先進国のキャンピングカーが国産車の手本だったわけでしょ?
造る方も使う方も、そういう頭があったから、キャンピングカーメーカーも装備類から内装デザインに及ぶまで、みな欧米コンセプトで造ってきたわけ。
だけどさぁ、ベース車そのものも違えば、レギュレーションだって違うわけで、そっくり欧米のものを移植するなんて、どだい無理なわけでさ。
【C】 そこのところは、 「なんとなく気分で分ってよ」 という、作り手と買い手の暗黙の了承があったわけだよね。
《 国産RVのJポップ化が意味するもの 》
【B】 そうそう。だけど中には洋楽のように、向こうの基準がすべて正しいと思う人たちもいてさ。
そういう人たちは 「あれも足りない、これも足りない」 って、すべて輸入モデルを基準にして、国産車をクサしていたわけだけど、日本の技術ってすごくてさ。いつの間にか、この国の風土や使用環境に適したものをものすごく洗練された形で練り上げてきたんだよね。
今までは、それをあまり意識的に追求してはこなかったけれど、最近はそれを 「戦略」 として、むしろ商品価値を高める素材として使おうというメーカーもでてきたわけ。
その成果がぼちぼちと浮上してきたのが、ちょうど今年あたりからだろうと思っているんだけどね。
【A】 でも、なんかそういうのって、閉鎖的じゃない? マーケットを国内に限定しているから、そういう話になるんであってね。
やっぱ国際商品を目指さなければ 「普遍性」 って獲得できないでしょ。
海外にも通用するようなベース車なりを得て、向こうのレギュレーションに適合するようなものを実際に販売してから、初めて誇れるものになると思うがなぁ…。
オレはね、どんな文化でも、…それこそ商品だって、海外との緊張関係を失ったら衰退してしまうと思うの。
だって、日本の国力がわぁーっと上がっていた時代って、どんな時代だったと思う?
たとえば、天平の時代とかは、大陸や半島との緊張関係が日本人たちをピリピリさせたから、政治や文化が発展したでしょ。
鎌倉時代だって、大陸の元との緊張関係があって、はじめて運慶のようなリアリズム芸術が生まれるし、日蓮のような宗教家も登場する。
いちばん良い例は幕末だよね。
黒船に脅かされて、日本人は初めて海外に目を向けて、「こりゃ大変だわ」 となったわけじゃない?
それが日本人の向上心に火を付けたわけでさ。
キャンピングカーだって、 「日本のデザインすごいぞ!」 なんてふんぞり返っていたら、すぐ中国や韓国に足元をすくわれるって。
【B】 いや、それはまた別の話でね。日本人が日本国内で使うキャンピングカーに関しては、もう立派な 「日本デザイン」 が成立していると認めていいと思うよ。
それが、今度は中国や韓国のキャンピングカーづくりに影響を及ぼしていくかもしれないじゃない?
つまりね、欧米のマネッ子を脱出することに自覚的なメーカーも出てきたということなのよ。
音楽でいえば、サビの部分で 「和音階」 に流れて、どっちつかずの曲になるのではなく、音としての独立性を高めてきた今のJポップみたいに、デザインの独立性を高めたキャンピングカーが生まれているんだよ。
【A】 そうかなぁ…。でも、やっぱり今の国産ビルダーのカタログ見ても、やたら 「ヨーロッパ調のデザイン」 とかって言葉を使って、自分たちの基準を海外に置いている宣伝の仕方って多いよ。
でも、それが正しいんだよ。日本のキャンピングカーが欧米先進国から学ぶべきことは、逆にこれからもっと増えると思う。
【B】 でも音楽ではさぁ、最近の若いJポップのアーチストもさ、もう自分たちのお手本そのものが 「Jポップ」 なんだよ。
昔のミュージシャンは違うよね。サザンの桑田さんなんかは、ルーツとなっているものがモロにビートルズだったり、クラプトンだったり、モータウンサウンズだったりすることが分かるわけじゃない?
ミスチルなんかもビートルズの影を感じるよね。
竹内まりやなんて、基本的には60年代アメリカンポップスのオールディズの路線。
ブルーハーツなんかはパンクだったしさ。
だけど、今はそういう先輩たちがやってきた日本のポップスを手本にして、自分たちの音を作っちゃう若い層が出てきているのね。
だから、キャンピングカーも “日本風のカッコよさ” ってものをつくり出す若手のビルダーなんかが出てくるのは時間の問題だよ。
《 普遍的な文化はローカルな場所から生まれる 》
【A】 ただね、音楽だって、やっぱクラシックにせよ、ポップスにせよ、向こうの伝統と文化の背景を背負っているものは、やっぱり深みが違うよ。
キャンピングカーだって、向こうの連中に愛されているものともなれば、やっぱり考えていることのレベルが違うもの。
内装のデザイン性みたいなものだけならば、そりゃJポップ的な洗練度を国産車も持つようになったけれど、パッケージングを含めた機能的な総合力でいえば、まだ太刀打ちできないって。
【C】 ちょっと言っていい? 音楽でもさぁ、アートでもいいけれど、いま通用している普遍性ってさぁ。元はものすごくローカルなものじゃない? クラシック音楽なんていったって、ヨーロッパ地域の限定された世界における音楽理論が元になっているに過ぎないわけでさ。
Jポップだって、ひょっとしたら、新しい時代の 「ワールドスタンダード」 に育っていくかもしんないじゃない?
【A】 音楽とキャンピングカーは一緒にできないって。だって、音楽は法令なんかで拘束されるものは何もない。
だけど、キャンピング車となれば、各国の法令でさまざまな規定があって、それを乗り越えるのは簡単なことじゃない。
【B】 それはそうだけど、法令なんてものは、 「人間の暮らしを良くする」 ためのものに過ぎないんだから、日本のRVが、世界に発信できる技術なり、デザインを持つようになれば、世界の方が変っていくかもしれないじゃない?
現に、日本のアニメとかゲームが 「ジャパン・クール」 といわれるように、一つの文化として評価されるようになっていることを考えれば、まずは内装デザインだけでも、世界のトレンドとして通用するものが生まれていくかもしれない。
【A】 でもね、 「機能」 があってのキャンピングカーだよ。芸術作品じゃないんだから。
まず第一に、ベース車そのものの走りや安定性に関して不満を持っている人があまりにも多いよね。安全性だって、今のままでいいのか。
そういうところに目をつぶって、「デザインが進んだ」 なんて、まだ手放しで褒められないでしょ。
日本風のデザインコンセプトっていったって、例えば、キャブコンでいえば、トイレ・シャワーもない小型のキャブコンが主流というような話になっちゃうけれど、使う人の中には、キッチンの上に卓上コンロを置いただけで、ポリタンクの20リットルを積んでいるだけじゃ 「使えない」 っていう人だっていっぱいいるもの。
《 外食産業と似ているRV産業 》
【B】 いやいや、そういう人たちにはそれなりのクルマが用意されているところが日本のいいところでさ。
キャンピングカーでも、こんなに車種バリエーションが豊富な国って、海外を見てもちょっとないよ。
そこのところはさぁ、まさに日本の外食産業と似ているのよ。
日本にいれば、「和」 はもとより、 「フレンチ」 「イタリアン」 「中華」 から 「インド」 「東南アジア」 …すべての料理が食べられる。しかも “おいしく” 。
【A】 でも、本場の本当の超一級にはかなわないぜ。……結論は町田さんに聞いてみよう。
【B】 だめだよ、あの人は自分のキャンピングカーの中で、一人で酒飲んで 「70年代ソウルミュージック」 を聞いて涙を流しているような人だもの。洋楽派なんだよ。
【C】 団塊の世代の限界だな。
【 Jポップ化する国産キャンピングカー 】
【A】 この2月には、幕張の 「キャンピング&RVショー」 、名古屋の 「キャンピングカーフェア」 と、春のビッグイベントが続いたわけだけど、今までのシーズンと何か変わったことってあった?
【B】 …というか、オレたちここに登場するの久しぶりだよね。昔は、よくこのブログに登場させてもらったけれど。
【C】 だけど、あいからずの扱いだよね。氏素性を紹介することもなく、いきなり 「A」 「B」 「C」 だもんな。
▲ 幕張 「キャンピング&RVショー2009」
【A】 …ま、いいとして、今日は 「キャンピングカー業界の現在」 という座談会なんだけど。
【B】 業界というより、ユーザー層も含めた全体を語った方がいいよ。業界にも変化が訪れたけれど、客層も変ってきたから。
【C】 どう変わったっていうわけ?
【B】 名古屋のショーで、いろいろな業者さんに聞いたけれど、「キャンピングカーって知らないから見に来ました」 って人たちがものすごく増えているんだって。
【A】 新規の人たちが増えたということ? それは底辺が広がったということなんだから、業界としては歓迎すべきことなんじゃないの?
【B】 でも、いちいち説明するのが大変らしい。 「これって、普通免許で運転できるんですか?」 っていう人たちを相手にするわけだから。
【C】 「あ、トイレが付いているんだぁ!」 って驚いている見学者たちを相手にするんじゃ、営業マンも大変だろうな。
下手にインバーターの機能なんか説明すると、見学者の頭がこんがらかっちゃうんだって。だから、尋ねられるまでは言い出さない、っていう人もいた。
【C】 いろんなキャンピングカーを眺めても、どれが自分たちの使い方に合っているのか、すぐには判断できない人たちが多くなったってことなんだよ。10年前に戻ったという人もいる。
【B】 つまり、すぐ商談には結びつかないケースが増えているっていうことだよね。
《 不況の影響を受けない業種 》
【A】 でも、いいことだよ。この大不況の時代に、ショーの来場者だけは、幕張も名古屋もすごく多かった。これは潜在的な購買層が増えたと見ていいわけで、すぐには “売り” に結びつかなくても、将来的な見通しは明るいということじゃない?
【C】 まだ分からないよね。庶民の生活が本当に苦しくなるのは今年の9月以降だろうという見方もある。
【A】 でも、みんなお金そのものを持っていないわけじゃないからね。不況の時代だといっても、息抜きがないと人間まいってしまう。そういうときは、安い遊びに向かうという傾向が出てくる。
だから、オートキャンプって意外といいんだよ。
現に、ショーに来ていたキャンプ場の経営者たちに聞いてみたら、一応この2月頃から始めたゴールデンウィークの予約は満杯だと答えた人たちが多かった。中にはもうお盆の予約も埋まったというところもあった。
キャンピングカーだって初期投資は高いけれど、1台持てば安く旅行できる。そういう目で眺めれば、不況だって追い風だ。
【C】 いやぁ、買えないけれど見に来たって人も多いよ。特に若者たちは、「キャンピングカーっていいよなぁ。だけどみんな高いなぁ」 なんて話し合っているんだよね。結局、パンフレット集めて帰るだけ。
【А】 だけどね、休憩室で耳をダンボにして、立ち聞きしていたんだけどさ、明らかに愛知県のトヨタ関係者の夫婦なんだわ。
ほら、トヨタって赤字すら計上しそうで、“派遣切り” なんかでも問題を多く抱えていてさ、まさに、一時はマスコミから企業の存亡が問われる時なんて採り上げ方されていたじゃない?
でも、その夫婦は、いともことなげに、セカンドカーとして軽キャンピングカーを買うつもり話しているわけ。
「ベース車をスズキにするか、スバルか、ダイハツか…」 なんて迷っているんだけどさ、夫婦の関心事は、 「トヨタ系のダイハツじゃないと、会社の駐車場に置きづらいしなぁ…」 なんて、そんなことが最大の悩みなのよ。
▲ 名古屋 「キャンピングカーフェア2009」
【B】 マスコミで大げさに騒いでいるほど、不況は深刻でないということか…。
【C】 いや、消費者の志向が変わったのね。ちょっと高級で便利な台所用品とか、自炊用の家電とかは売れているというじゃない? 外で派手にお金を使うことを控える代わりに、家の中で、ちょっと安く “贅沢をする” ってのがトレンドになってきていると思う。
キャンピングカーってのも、そういう “内向き消費” の文脈で考えると分かりやすいよね。
《 市場に理解され始めたRVの意義 》
【B】 オレねぇ、思うんだけど、 「不況だから安い遊びをしよう」 ってんでキャンプやキャンピングカーに目をつけた人たちも、そりゃ多いと思うけれど、それだけじゃなくて、キャンピングカーが提案している何かに、みんなが反応してきたんじゃないかな。
【A】 「何か」 って何よ?
【B】 会場で配られたRV協会の広報誌にも書いてあったけれど、 「家族や自然と調和しながら生きる」 というキャンピングカーの “哲学” みたいなものが、じわじわっと浸透してきているんじゃないの?
【C】 同じ “乗り物” なんだけど、乗用車とは違う何かがある…ってことだろうね。
【B】 そう。…だって、自動車業界の販売不振というのは、なにもアメリカ経済の落ち込みを受ける数年前から、ずぅーっと続いていたわけじゃない? だけどキャンピングカー業界だけは、この4年間、ずっと右肩上がりの出荷台数を維持してきたんだものね。
それって、何かといったら、 「新しい旅の形」 ってのを提案できているからなんだよ。
【A】 ホテルに泊まらずに、道の駅で泊まりましょうとか?
【B】 いやいや、そういうことじゃなくて、…結局、日本の風景も “近代化” に伴って、どんどん画一化されてきてさ、高速道路走っても同じ景色。ホテルに泊まっても同じサービス。
そういう均一化された旅に飽きちゃった人にとってさ、キャンピングカーに備わっている個性が、実は 「旅の個性化」 につながってくるんだよ。
だから、気に入った内装の、気に入った装備に囲まれて旅していれば、気分も盛り上がって、それが均一化された旅行からの 「脱出」 につながるわけよ。
【C】 ああ、それは分かりやすい例だね。そこが今のニーズに合ったのかな。
【B】 そう。それと、資源を消費して発展を遂げてきた重工業社会的な産業モデルに対して、キャンピングカーって、脱・工業社会的なイメージがあるじゃない?
なにしろ、 「走るときより、止まっているときに本領を発揮する乗り物」 だっけ? RV協会さんのキャンペーン。
燃料をやたら消費するのではなく、キャンプ場のような自然の中に滞在して、スロートラベルを味わうクルマ。
そういうキャンペーンが少しずつ浸透してきた…という気がするんだ。
【C】 確かに、この不況の時代、キャンピングカー業界の人たちも 「さぁ、大変な時代が来た」 って青ざめていたわけだよね。
しかし、実際に春のショーが始まってみれば、すぐには “売り” に結びつかないにせよ、反応はすごくいいわけじゃない? そうなればみんな 「ここは頑張って乗り切ろう」 と思うよね。
【B】 うん。やっぱりキャンピングカーには、乗用車と違った訴求ポイントがあるってことを、業界の人もみんな気づき始めてきたことは確か。
【C】 だから、ブースの作りなんかにも変化が現れてきたね。
【A】 どういう風に?
《 展示会風景にも変化のきざし 》
【C】 今までだとさぁ、戦国時代のようなノボリをたくさん立ててさ、展示車にも 「お買い得セール。このショーだけの限定価格!」 みたいな張り紙をペタペタ貼って、展示即売会みたいな雰囲気のブースが多かったけれど、それが少しずつ洗練されてきた。
【A】 いやぁ、基本的には変っていないよ。
【C】 だけど、中にはモーターショー並みに、こぎれいにブースをまとめたデザインマインドを感じさせる展示を心掛ける業者さんも出てきたよね。
【B】 そう。クルマの機能を売るというより、そのメーカーなりの思想とか哲学を売ろうという姿勢が少しずつだけど出てきているよね。
そうなると、 「なんだ即売会か…」 と思って、あまり重視してくれなかった一般メディアの人たちも注目してくると思うよ。
【A】 オレは 「展示即売会」 的なにぎわいも必要だと思うけれどね。だって、夜店とかバザールの雰囲気って、庶民にとっては気楽でいいんだよ。
それに、このご時世なんだから、 「うちのクルマは安いよ」 って貼り紙貼ったって、それで購買者の意識をキャッチできればいいわけじゃない?
安く売るってのは企業努力なんだから、それを宣伝することはむしろ大事なことだよ。
【B】 そうだけど、それだけじゃ淋しい。やっぱこういう時代なんだから、「キャンピングカー業者も時代に対してこう考えていますよ」 ってアピールすることだって必要だと思うよ。
たとえば、キャンピングカーで進められる 「エコ活動」 って何か?
そういう着目点って、大手企業が進めている “商売的なエコ” よりも、キャンピングカーそのものが 「エコ的使い方」 を許容する部分を含んでいるから説得力がある。
【C】 それに関しては、しっかりテーマを設定したディスプレイを掲げているところも出てきたよね。
【B】 まず、キャンピングカーそのものが変ってきたものね。
【A】 どういうふうに変ったというわけ?
【B】 開発ポリシーというものを 「形」 として表現したクルマというものが出てきたもの。中には自動車の大手メーカーですら注目するようなアイデアを披露するものまで登場した。
【C】 うん。いいことだよ。キャンピングカーって、自動車メーカーが供給するベース車の機能まで変えるわけにはいかないというハンディがあって、その部分ではやることが限られていたけれど、その自動車メーカーも振り向いてくれるようなアイデアを提供するって大事なことだよね。
《 カッコいいRVが急増した背景 》
【A】 確かに、まぁカッコいいキャンピングカーが増えたよな。中には 「あのベース車からこんなデザインが生まれるの?」 ってびっくりするような作品がバンバン出てくるようになったものな。
【B】 オレさぁ、「国産車のJポップ化」 が進んできたと思うの。
【A】 また、訳の分からないこと言い出す。
【B】 Jポップってさぁ、最初は洋楽のマネっ子から始まったわけじゃない? 今までの演歌・歌謡曲路線とは違う洋楽風のリズムやメロディで曲作りをして、洋楽ファンの間にも浸透することを図ったわけだよね。
だけど、最初のうちは、やっぱり日本人の体質に沁み込んでいる 「和音階」 のメロディーラインから抜け出せなくてさ、サビの部分なんかになると、モロ歌謡曲になっちゃう曲もいっぱいあったよね。
【C】 歌詞だけ 「Hey Baby!」 でお茶をにごすとかね。
【A】 グループサウンズ的なノリでね。
【B】 それがどんどん洗練されてきちゃってさ、オレ、ミーシャの 「Everything」 なんか聞いたときは、 「あ、もう日本人には洋楽って必要ないのかもしれない」 …ぐらいに思っちゃったわけ。サビの部分も歌謡曲的な匂いがないんだもの。
だけど 「洋楽か?」 っていったら、やはり違うのよ。世界のどこにもない日本のポップスになっているわけ。
【A】 それがキャンピングカーとどう結びつくのよ。
【B】 だから、国産キャンピングカーも、そうなってきているということなの。
今までは、欧米の先進国のキャンピングカーが国産車の手本だったわけでしょ?
造る方も使う方も、そういう頭があったから、キャンピングカーメーカーも装備類から内装デザインに及ぶまで、みな欧米コンセプトで造ってきたわけ。
だけどさぁ、ベース車そのものも違えば、レギュレーションだって違うわけで、そっくり欧米のものを移植するなんて、どだい無理なわけでさ。
【C】 そこのところは、 「なんとなく気分で分ってよ」 という、作り手と買い手の暗黙の了承があったわけだよね。
《 国産RVのJポップ化が意味するもの 》
【B】 そうそう。だけど中には洋楽のように、向こうの基準がすべて正しいと思う人たちもいてさ。
そういう人たちは 「あれも足りない、これも足りない」 って、すべて輸入モデルを基準にして、国産車をクサしていたわけだけど、日本の技術ってすごくてさ。いつの間にか、この国の風土や使用環境に適したものをものすごく洗練された形で練り上げてきたんだよね。
今までは、それをあまり意識的に追求してはこなかったけれど、最近はそれを 「戦略」 として、むしろ商品価値を高める素材として使おうというメーカーもでてきたわけ。
その成果がぼちぼちと浮上してきたのが、ちょうど今年あたりからだろうと思っているんだけどね。
【A】 でも、なんかそういうのって、閉鎖的じゃない? マーケットを国内に限定しているから、そういう話になるんであってね。
やっぱ国際商品を目指さなければ 「普遍性」 って獲得できないでしょ。
海外にも通用するようなベース車なりを得て、向こうのレギュレーションに適合するようなものを実際に販売してから、初めて誇れるものになると思うがなぁ…。
オレはね、どんな文化でも、…それこそ商品だって、海外との緊張関係を失ったら衰退してしまうと思うの。
だって、日本の国力がわぁーっと上がっていた時代って、どんな時代だったと思う?
たとえば、天平の時代とかは、大陸や半島との緊張関係が日本人たちをピリピリさせたから、政治や文化が発展したでしょ。
鎌倉時代だって、大陸の元との緊張関係があって、はじめて運慶のようなリアリズム芸術が生まれるし、日蓮のような宗教家も登場する。
いちばん良い例は幕末だよね。
黒船に脅かされて、日本人は初めて海外に目を向けて、「こりゃ大変だわ」 となったわけじゃない?
それが日本人の向上心に火を付けたわけでさ。
キャンピングカーだって、 「日本のデザインすごいぞ!」 なんてふんぞり返っていたら、すぐ中国や韓国に足元をすくわれるって。
【B】 いや、それはまた別の話でね。日本人が日本国内で使うキャンピングカーに関しては、もう立派な 「日本デザイン」 が成立していると認めていいと思うよ。
それが、今度は中国や韓国のキャンピングカーづくりに影響を及ぼしていくかもしれないじゃない?
つまりね、欧米のマネッ子を脱出することに自覚的なメーカーも出てきたということなのよ。
音楽でいえば、サビの部分で 「和音階」 に流れて、どっちつかずの曲になるのではなく、音としての独立性を高めてきた今のJポップみたいに、デザインの独立性を高めたキャンピングカーが生まれているんだよ。
【A】 そうかなぁ…。でも、やっぱり今の国産ビルダーのカタログ見ても、やたら 「ヨーロッパ調のデザイン」 とかって言葉を使って、自分たちの基準を海外に置いている宣伝の仕方って多いよ。
でも、それが正しいんだよ。日本のキャンピングカーが欧米先進国から学ぶべきことは、逆にこれからもっと増えると思う。
【B】 でも音楽ではさぁ、最近の若いJポップのアーチストもさ、もう自分たちのお手本そのものが 「Jポップ」 なんだよ。
昔のミュージシャンは違うよね。サザンの桑田さんなんかは、ルーツとなっているものがモロにビートルズだったり、クラプトンだったり、モータウンサウンズだったりすることが分かるわけじゃない?
ミスチルなんかもビートルズの影を感じるよね。
竹内まりやなんて、基本的には60年代アメリカンポップスのオールディズの路線。
ブルーハーツなんかはパンクだったしさ。
だけど、今はそういう先輩たちがやってきた日本のポップスを手本にして、自分たちの音を作っちゃう若い層が出てきているのね。
だから、キャンピングカーも “日本風のカッコよさ” ってものをつくり出す若手のビルダーなんかが出てくるのは時間の問題だよ。
《 普遍的な文化はローカルな場所から生まれる 》
【A】 ただね、音楽だって、やっぱクラシックにせよ、ポップスにせよ、向こうの伝統と文化の背景を背負っているものは、やっぱり深みが違うよ。
キャンピングカーだって、向こうの連中に愛されているものともなれば、やっぱり考えていることのレベルが違うもの。
内装のデザイン性みたいなものだけならば、そりゃJポップ的な洗練度を国産車も持つようになったけれど、パッケージングを含めた機能的な総合力でいえば、まだ太刀打ちできないって。
【C】 ちょっと言っていい? 音楽でもさぁ、アートでもいいけれど、いま通用している普遍性ってさぁ。元はものすごくローカルなものじゃない? クラシック音楽なんていったって、ヨーロッパ地域の限定された世界における音楽理論が元になっているに過ぎないわけでさ。
Jポップだって、ひょっとしたら、新しい時代の 「ワールドスタンダード」 に育っていくかもしんないじゃない?
【A】 音楽とキャンピングカーは一緒にできないって。だって、音楽は法令なんかで拘束されるものは何もない。
だけど、キャンピング車となれば、各国の法令でさまざまな規定があって、それを乗り越えるのは簡単なことじゃない。
【B】 それはそうだけど、法令なんてものは、 「人間の暮らしを良くする」 ためのものに過ぎないんだから、日本のRVが、世界に発信できる技術なり、デザインを持つようになれば、世界の方が変っていくかもしれないじゃない?
現に、日本のアニメとかゲームが 「ジャパン・クール」 といわれるように、一つの文化として評価されるようになっていることを考えれば、まずは内装デザインだけでも、世界のトレンドとして通用するものが生まれていくかもしれない。
【A】 でもね、 「機能」 があってのキャンピングカーだよ。芸術作品じゃないんだから。
まず第一に、ベース車そのものの走りや安定性に関して不満を持っている人があまりにも多いよね。安全性だって、今のままでいいのか。
そういうところに目をつぶって、「デザインが進んだ」 なんて、まだ手放しで褒められないでしょ。
日本風のデザインコンセプトっていったって、例えば、キャブコンでいえば、トイレ・シャワーもない小型のキャブコンが主流というような話になっちゃうけれど、使う人の中には、キッチンの上に卓上コンロを置いただけで、ポリタンクの20リットルを積んでいるだけじゃ 「使えない」 っていう人だっていっぱいいるもの。
《 外食産業と似ているRV産業 》
【B】 いやいや、そういう人たちにはそれなりのクルマが用意されているところが日本のいいところでさ。
キャンピングカーでも、こんなに車種バリエーションが豊富な国って、海外を見てもちょっとないよ。
そこのところはさぁ、まさに日本の外食産業と似ているのよ。
日本にいれば、「和」 はもとより、 「フレンチ」 「イタリアン」 「中華」 から 「インド」 「東南アジア」 …すべての料理が食べられる。しかも “おいしく” 。
【A】 でも、本場の本当の超一級にはかなわないぜ。……結論は町田さんに聞いてみよう。
【B】 だめだよ、あの人は自分のキャンピングカーの中で、一人で酒飲んで 「70年代ソウルミュージック」 を聞いて涙を流しているような人だもの。洋楽派なんだよ。
【C】 団塊の世代の限界だな。
2009年02月23日
トイファクトリー
【 トイファクトリー 藤井社長インタビュー 】
未来社会に対する積極的な提言を、今キャンピングカー業界から一番強く発信しているメーカーとしてトイファクトリーさんの存在感は大きい。
「断熱」 「ソーラーパネル」 「床暖房」 。
それらの技術を駆使した同社の車両開発は、2009年のキャンピングカー産業の現在を語る上で欠かせないものだ。
同社の藤井昭文社長に、数々の新技術を開発した背景やその苦労話をうかがってみた。
《 キャンピングカーは環境に優しくなれるのか 》
【町田】 この春に幕張で行なわれた 「キャンピング&RVショー」 を皮切りに、トイファクトリーさんは、未来に対する積極的な提言を秘めた新製品を次々と投入されているわけですが、そのテーマはみな 「環境対策」 という視点で統一されています。
このような環境への “まなざし” をキャンピングカー開発に盛り込もうと考えられた動機は、どのようなところにあるのでしょうか。

▲ トイファクトリー 幕張ショー展示風景
【藤井】 地球の温暖化防止、エネルギー源の枯渇などが、人々の日常生活の中にも話題として採り上げられるような時代になると、僕たちのようなキャンピングカーメーカーといえども、21世紀を生きる企業としては、もう見逃すことのできない大問題だと感じていたんですね。
そこで、いろいろなユーザーさんたちを中心に、「環境に適したクルマだったら、少しぐらい高くても買いますか?」
という質問を投げかけてみたのですが、すると、大多数の皆さんが 「買うよ」 というんですよ。
「なぜ?」 と尋ねると、
「自然の中で遊ばせてもらっているのだから、それへの対策を施しているクルマに乗るのは、キャンピングカー乗りの責務だ」
というような答が、実に多く返ってきたんですね。
やはり、「自分だけが快適であればいい」 という時代は終わったと考えている人が増えてきたのではないでしょうか。
たとえば、トヨタさんが発売されているハイブリッドカーのプリウスなどが人気を集めているというのも、そういう気分を反映しているように思うんですね。
【町田】 なるほど。キャンピングカーに乗るユーザーさんたちの意識も、変ってきたというわけですか。
【藤井】 ええ。僕もちょっと意外に思えるほど、ユーザーさんたちの意識は進んでいたんですね。
それと、昨年デュッセルドルフで開かれた 「RV世界会議」 でも、各国のRVメーカーの首脳陣たちに、「一番大事なテーマは何か?」 ということをできるだけ聞いてみたんです。
すると、当社が輸入販売を行うフェント・キャラバン (FENDT CARAVAN) の社長も含め、みな口々に 「今が世界の転換期なんだよ」 というわけです。
どういうことかというと、やはりヨーロッパなどでは 「環境負荷を低減する」 ということがRV業界でも重要課題になっていると。
僕たちが今回の車両造りの参考にしている場所として、世界で最もエコロジー技術が進んでいるといわれる南ドイツのフライブルグという町があるのですが、そこの代表に話を聞いても、やはり燃料電池とか、エタノールなどという化石燃料に代わる代替燃料に関心を深めていることが分かったんです。
▲ 新しい提案を秘めたトイファクトリーの新型バンコン 「バーデン」
《 断熱対策のもたらす本当の意義 》
【町田】 それを知って、トイファクトリーさんも率先して環境問題にコミットしなければならないと思ったわけですね。
【藤井】 はい。このままでは日本のRV業界は、世界のRV社会から見捨てられるのではないかというほどの危機意識を抱きましたね。
【町田】 そこで、このたびその 「環境対策」 を全面的に打ち出したキャンピングカーを全面的にリリースされたということなのでしょうけれど、具体的には、どういうシステムを構築されたのでしょうか。
【藤井】 「環境対策」 というと大げさかもしれませんが、しっかり環境を意識した車両造りを行いたいと考えたわけです。
僕たちは、これまでも 「断熱対策」 というものに力を入れて、ずっとそれに取り組んできたつもりなんです。
ただ、「断熱対策」 が、具体的に地球環境の保全にどれだけつながるのかということを、僕たちも実証的なデータとして持ってはいなかったんですね。
そこで、それを主観性が混入する恐れのある自社取りデータではなく、しっかりした研究機関を通して研究を進め、それを発表するようにしたのです。
具体的にいうと、LCA (LIfe Cycle Аssessment = ライフ・サイクル・アセスメント) という仕組みなのですが、そこの研究に準じて専門家の指導のもとにデータ取りの成果を評価してもらい、それを公開するという手順を踏みました。
まぁ、僕たちの今までの断熱へのこだわりの本当の成果を見ていただくという意味もありました。皆さんに、断熱は本当に効果があることを理解していただくため……という気持ちが一番強かったのかもしれません(笑)。
【町田】 そのLCAというものを少し説明してください。
【藤井】 これは、各企業やサービス部門の環境対策を評価する産業環境管理協会という団体で、ある製品なりサービスなりの 「製造」 「輸送」 「使用」 「廃棄」 「再利用」 まで含め、そのインプット、アウトプットを拾い出し、それがどれくらいの環境負荷を及ぼすものなのかを審議してですね、さらに、それに対する対策を施した製品などが、具体的にどれくらいの環境負荷の低減を実現したか…ということを測定する機関なんですね。
日本では、1995年に産官学の協力によって、「LCA日本フォーラム」 というものが設立されまして、現在では、環境負荷削減に取り組む企業、組織などを表彰するようなシステムもできあがっています。

▲ 「エコ」 を訴求ポイントに挙げたトイファクトリーの幕張ショーブース
【町田】 なるほど。そうやって得られたデータをどのように活用されたわけですか。
【藤井】 はい。それを数十ページの報告書にまとめてですね、経済産業省の方に提出しています。
そこで、各企業のそれぞれの環境活動の実績をまとめた報告書のようなものとして、『製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業』 というものが編纂されるわけですが、その中に、トイファクトリーから 「断熱キャンピングカーのLCA効果」 というような形で発表されることが決まりました。
【町田】 その成果を、すこし具体的に説明していただけますか?
【藤井】 断熱ボディを造ることで達成されるものの一つとして、エンジンをアイドリングしてヒーター、クーラー効果を得るという方法から脱出することができます。
そこで、実際にそれがどのくらいの効果を得るのかということを、実際、断熱したバンコンと断熱加工をしていないバンコンの同時走行テストを行なって測定してみたんです。
すると、断熱加工したバンコンの計測燃費は、リッター当たり0.95kmに相当することがLCA評価基準に基づいて実証されたんですね。
【町田】 何か分かりやすい “例え” でいうと、どういうことなんでしょう。
【藤井】 このリッター当たり0.95kmという数値はですね、年間走行距離を10,000kmと仮定した場合、年間に280kgのCO2 の排出減に相当するんです。
一般的に、杉の木が1年間に吸収するCO2 は約14kgだといわれています。
すると、僕たちが開発する断熱バンコンというのは、1台で杉の木20本分のCO2 削減効果が達成できるんです。
【町田】 地球全体にもたらす効果は微々たるものかもしれませんけれど、台数が増えると大きな力になりますね。
【藤井】 はい。その力をさらに増大させるために、このほど開発したのが、「ソーラーバンコン」 です。
これは、もう最初からルーフにソーラーパネルを搭載することを前提として、ルーフと一体型となったパネルスペースを製作しました。
最初は 「カッコよくソラーパネルを載せたいなぁ」 と思ったのがきっかけでしたけれど (笑) 。

▲ TOYsBOXに搭載されたソーラーパネル
《 ソーラーパネルでCO2 削減に協力 》
【町田】 それは全車に装着可能なんですか?
【藤井】 ええ。今はまだオプションですが、全車に搭載できるようにしました。
ソーラーシステムの特徴は、ご存知のように 「化石燃料に依存しない」 というところにあるわけですね。
これも計算してみると、僕たちのソーラーバンコンに搭載されるパネルの発電量は年間約166キロワットなんです。
これを日本の全電力の平均CO2 の発生量と比較すると、年間約52kgの排出量低減に相当することが分かりました。
先ほどの杉の木の例でいいますと、杉の木が1年間に吸収するCO2 は、約14kgといわれていますから、トイファクトリーのソーラーバンコンは、1台で杉の木の3.7本分のCO2 の削減効果があるということなんですね。
【町田】 なるほど。説得力がある (笑) 。
【藤井】 はい (笑) 。2005年の 「京都議定書」 では、日本の温室効果ガス排出量を2012年までに、1990年を基準年として、そこから6パーセント削減することを謳いましたよね。
そこで 「チーム-6パーセント」 などの活動を通じて、いま国は、それを国民的なプロジェクトとして進めているところですけれど、僕たちの会社もそれに貢献するために、「ソーラーバンコン1000台」 を目指すという運動を展開しています。
もしそれが実現したら、その効果は3,700本の杉の木、つまり東京ドームの4分の1個分の森に相当するCO2 の削減に協力することができます。
【町田】 そのような研究は独自で行なわれたわけですか?
【藤井】 いや、自社だけでやる研究には限界がありますので、これは琉球大学の工学部と共同して研究しているところです。
幸い、私たちの工場が岐阜県のほかに沖縄にもあるものですから、とても連絡がいいんですね。
沖縄は太陽光が強いので、四六時中データが取れます。
で、そういう環境を利用して、バッテリーにチャージするのに一番効率のよいシステムというものを、琉球大学の力を借りて開発しているところです。
おそらく、突入する電力の一番高いところを維持できるような機械的なシステムを構築することができるはずです。
《 画期的な床暖房システム 》
【町田】 そのソーラーシステムの開発と同時に、床暖房に対しても、新しい提案をなさいましたね。
【藤井】 はい。たとえば、僕たちが新しく開発した 「エコロ」 という新型ライト/タウンベースのバンコンがありますが、これなどは、この限られた空間の中にもしっかりした床暖房を実現しています。

▲ ライト/タウンエースベースの 「エコロ」
【町田】 どういう構造の暖房なのでしょう。
【藤井】 新型ライト/タウンベースの場合、一番下に発泡断熱材を敷くんですね。その上にコンパネ材を敷きまして、それからセラミック塗装を施して、その上に0.4mmのPTCという発熱体を敷きます。
その上に、さらに4mmのベニヤ版が入り、全部で5層~6層になっています。
【町田】 PTCって何です? ごめんなさい、工学的な知識に暗くて…。
【藤井】 PTCというのは、「自己温度制御機能」 を持つ発熱体で、特殊インクをフィルムに塗布して、超薄型の……フレキシブルシートといいますけど、そういうシートで仕上げた発熱体なんですね。
このPTCという面状発熱体による遠赤外線効果を利用したのが、僕たちの暖房システムなんですけど、そのPTCを収めたフィルムが、わずか0.4mmという薄さを実現しているので、まず厚みを取らない。だから、室内のクリアランスを十分に確保できる。
それと、従来の熱線方式と違って、火災が生じたりする危険性を免れるという特徴があります。

▲ 「エコロ」 に搭載された床暖房の説明模型
【町田】 従来の床暖房というのは、床に熱線を通したり、お湯を配管で回したりするシステムが一般的でしたよね。
【藤井】 はい。それがもう全然違うんですね。
実は、僕たちもコースターをベースに床暖房を開発したことがあったんですけど、それは、単純にホースを通して、その中にラジエーターの水を回す方式だったり、後は、断熱材の周りにFFヒーターの熱を落とし込んだりするシステムだったのですが、それだと、どうしてもバンコンのようなクルマの場合は、室内高が取りづらくなってしまうんですね。
また、そういう方式では、エコロジーという観点からも問題が出てくる。
そこで、このシステムを採用することを決めたんです。
【町田】 いつ頃から、開発を進めていたのですか?
【藤井】 もう、去年の幕張のショーが終わった頃から、断熱を高めていくという方向で、床暖房の研究にも着手していましたね。
【町田】 その成果が実って、省エネと安全性の両方が確保できたと…。
【藤井】 はい、その通りですね。結局今までのものは電気が絶えず入れていないと熱源を確保できなかったんですが、これはON/OFFがフレキシブルにできるわけです。
ある一定温度までは温度が上がるんですけど、上がった瞬間に、その温度を保ったまま暖房機能が解除される。
そして、冷えてくるとまた熱を出す。最低温度は20度から最高は300度ぐらいまで設定できます。
【町田】 すごいですねぇ! そのような暖房システムを採り入れたキャンピングカーというのは、海外にはあるのでしょうか。
【藤井】 私が知っている限りないんですよ。ヨーロッパでも、まだ熱線を入れるような前のシステムのままなんですね。
日本では、すでに住宅などでは相当普及しているシステムなんですが、それをクルマに採り入れているところは、まだないと思います。
《 大手メーカーも注目 》
【町田】 藤井さんの話をうかがっていると、日本のキャンピングカーの技術水準が非常に高まってきたような印象を受けます。
なんか、キャンピングカー業界の将来は明るいぞ、という希望のようなものが湧いてきますね。
【藤井】 そういってくださると嬉しいですね。
おかげさまで、こういう僕たちの方向性を大手自動車メーカーさんも評価してくださいまして、全国のトヨペットディーラーに、僕たちのクルマが持っているソーラーパネルの意義とか面白さを採り上げてもらえるようになりました。
【町田】 それは、具体的にはどういうことなんですか?
【藤井】 大手自動車メーカーさんが、最近 「クルマをベースにした新しい楽しみ方」 について、全国のディーラーさんにアイデアを募集したんですね。
それで、全国のディーラーさんから様々なアイデアが寄せられたようなのですが、その中で選ばれたのが、ECO (エコ) を意識した私たちが提案したクルマだったんです。
断熱とかソーラーを提案した 「環境対策の時代を見据えたクルマ」 ということが評価されたというわけですね。
【町田】 ちなみに、ほかの乗用車ディーラーさんから出ていたアイデアというのは、どのようなものだったんですか?
【藤井】 詳しくは聞いていないのですが、「エアロの装着」 とか 「新しいスポーツタイプデザイン」 などといった外形的な処理を提案したものが多かったと聞いています。
【町田】 やはり、未来型の自動車を提案する場合、「社会性」 「公共性」 というものが必要になってきたということなんでしょうね。
【藤井】 ええ。そこから話が進みまして、今トヨタさんが公開している 「トヨペットスクエア」 というホームページには、ハイエースのコーナーがありまして、大げさかもしれませんが 「ハイエースキャンピングカーの代表」 という形で、うちのトイズ・ボックス (TOYsBOX) が紹介されたりしています。それに乗ったオーナー様がどのように楽しまれているかなどということも紹介されていて、本当にうれしいことです。
【町田】 なるほど。「トヨタ公認のRV車両」 というわけですね。
トイファクトリーさんの車両開発が、キャンピングカー業界全体の認知度を高めたことは確かなようですね。
未来社会に対する積極的な提言を、今キャンピングカー業界から一番強く発信しているメーカーとしてトイファクトリーさんの存在感は大きい。
「断熱」 「ソーラーパネル」 「床暖房」 。
それらの技術を駆使した同社の車両開発は、2009年のキャンピングカー産業の現在を語る上で欠かせないものだ。
同社の藤井昭文社長に、数々の新技術を開発した背景やその苦労話をうかがってみた。
《 キャンピングカーは環境に優しくなれるのか 》
【町田】 この春に幕張で行なわれた 「キャンピング&RVショー」 を皮切りに、トイファクトリーさんは、未来に対する積極的な提言を秘めた新製品を次々と投入されているわけですが、そのテーマはみな 「環境対策」 という視点で統一されています。
このような環境への “まなざし” をキャンピングカー開発に盛り込もうと考えられた動機は、どのようなところにあるのでしょうか。
▲ トイファクトリー 幕張ショー展示風景
【藤井】 地球の温暖化防止、エネルギー源の枯渇などが、人々の日常生活の中にも話題として採り上げられるような時代になると、僕たちのようなキャンピングカーメーカーといえども、21世紀を生きる企業としては、もう見逃すことのできない大問題だと感じていたんですね。
そこで、いろいろなユーザーさんたちを中心に、「環境に適したクルマだったら、少しぐらい高くても買いますか?」
という質問を投げかけてみたのですが、すると、大多数の皆さんが 「買うよ」 というんですよ。
「なぜ?」 と尋ねると、
「自然の中で遊ばせてもらっているのだから、それへの対策を施しているクルマに乗るのは、キャンピングカー乗りの責務だ」
というような答が、実に多く返ってきたんですね。
やはり、「自分だけが快適であればいい」 という時代は終わったと考えている人が増えてきたのではないでしょうか。
たとえば、トヨタさんが発売されているハイブリッドカーのプリウスなどが人気を集めているというのも、そういう気分を反映しているように思うんですね。
【町田】 なるほど。キャンピングカーに乗るユーザーさんたちの意識も、変ってきたというわけですか。
【藤井】 ええ。僕もちょっと意外に思えるほど、ユーザーさんたちの意識は進んでいたんですね。
それと、昨年デュッセルドルフで開かれた 「RV世界会議」 でも、各国のRVメーカーの首脳陣たちに、「一番大事なテーマは何か?」 ということをできるだけ聞いてみたんです。
すると、当社が輸入販売を行うフェント・キャラバン (FENDT CARAVAN) の社長も含め、みな口々に 「今が世界の転換期なんだよ」 というわけです。
どういうことかというと、やはりヨーロッパなどでは 「環境負荷を低減する」 ということがRV業界でも重要課題になっていると。
僕たちが今回の車両造りの参考にしている場所として、世界で最もエコロジー技術が進んでいるといわれる南ドイツのフライブルグという町があるのですが、そこの代表に話を聞いても、やはり燃料電池とか、エタノールなどという化石燃料に代わる代替燃料に関心を深めていることが分かったんです。
▲ 新しい提案を秘めたトイファクトリーの新型バンコン 「バーデン」
《 断熱対策のもたらす本当の意義 》
【町田】 それを知って、トイファクトリーさんも率先して環境問題にコミットしなければならないと思ったわけですね。
【藤井】 はい。このままでは日本のRV業界は、世界のRV社会から見捨てられるのではないかというほどの危機意識を抱きましたね。
【町田】 そこで、このたびその 「環境対策」 を全面的に打ち出したキャンピングカーを全面的にリリースされたということなのでしょうけれど、具体的には、どういうシステムを構築されたのでしょうか。
【藤井】 「環境対策」 というと大げさかもしれませんが、しっかり環境を意識した車両造りを行いたいと考えたわけです。
僕たちは、これまでも 「断熱対策」 というものに力を入れて、ずっとそれに取り組んできたつもりなんです。
ただ、「断熱対策」 が、具体的に地球環境の保全にどれだけつながるのかということを、僕たちも実証的なデータとして持ってはいなかったんですね。
そこで、それを主観性が混入する恐れのある自社取りデータではなく、しっかりした研究機関を通して研究を進め、それを発表するようにしたのです。
具体的にいうと、LCA (LIfe Cycle Аssessment = ライフ・サイクル・アセスメント) という仕組みなのですが、そこの研究に準じて専門家の指導のもとにデータ取りの成果を評価してもらい、それを公開するという手順を踏みました。
まぁ、僕たちの今までの断熱へのこだわりの本当の成果を見ていただくという意味もありました。皆さんに、断熱は本当に効果があることを理解していただくため……という気持ちが一番強かったのかもしれません(笑)。
【町田】 そのLCAというものを少し説明してください。
【藤井】 これは、各企業やサービス部門の環境対策を評価する産業環境管理協会という団体で、ある製品なりサービスなりの 「製造」 「輸送」 「使用」 「廃棄」 「再利用」 まで含め、そのインプット、アウトプットを拾い出し、それがどれくらいの環境負荷を及ぼすものなのかを審議してですね、さらに、それに対する対策を施した製品などが、具体的にどれくらいの環境負荷の低減を実現したか…ということを測定する機関なんですね。
日本では、1995年に産官学の協力によって、「LCA日本フォーラム」 というものが設立されまして、現在では、環境負荷削減に取り組む企業、組織などを表彰するようなシステムもできあがっています。
▲ 「エコ」 を訴求ポイントに挙げたトイファクトリーの幕張ショーブース
【町田】 なるほど。そうやって得られたデータをどのように活用されたわけですか。
【藤井】 はい。それを数十ページの報告書にまとめてですね、経済産業省の方に提出しています。
そこで、各企業のそれぞれの環境活動の実績をまとめた報告書のようなものとして、『製品グリーンパフォーマンス高度化推進事業』 というものが編纂されるわけですが、その中に、トイファクトリーから 「断熱キャンピングカーのLCA効果」 というような形で発表されることが決まりました。
【町田】 その成果を、すこし具体的に説明していただけますか?
【藤井】 断熱ボディを造ることで達成されるものの一つとして、エンジンをアイドリングしてヒーター、クーラー効果を得るという方法から脱出することができます。
そこで、実際にそれがどのくらいの効果を得るのかということを、実際、断熱したバンコンと断熱加工をしていないバンコンの同時走行テストを行なって測定してみたんです。
すると、断熱加工したバンコンの計測燃費は、リッター当たり0.95kmに相当することがLCA評価基準に基づいて実証されたんですね。
【町田】 何か分かりやすい “例え” でいうと、どういうことなんでしょう。
【藤井】 このリッター当たり0.95kmという数値はですね、年間走行距離を10,000kmと仮定した場合、年間に280kgのCO2 の排出減に相当するんです。
一般的に、杉の木が1年間に吸収するCO2 は約14kgだといわれています。
すると、僕たちが開発する断熱バンコンというのは、1台で杉の木20本分のCO2 削減効果が達成できるんです。
【町田】 地球全体にもたらす効果は微々たるものかもしれませんけれど、台数が増えると大きな力になりますね。
【藤井】 はい。その力をさらに増大させるために、このほど開発したのが、「ソーラーバンコン」 です。
これは、もう最初からルーフにソーラーパネルを搭載することを前提として、ルーフと一体型となったパネルスペースを製作しました。
最初は 「カッコよくソラーパネルを載せたいなぁ」 と思ったのがきっかけでしたけれど (笑) 。
▲ TOYsBOXに搭載されたソーラーパネル
《 ソーラーパネルでCO2 削減に協力 》
【町田】 それは全車に装着可能なんですか?
【藤井】 ええ。今はまだオプションですが、全車に搭載できるようにしました。
ソーラーシステムの特徴は、ご存知のように 「化石燃料に依存しない」 というところにあるわけですね。
これも計算してみると、僕たちのソーラーバンコンに搭載されるパネルの発電量は年間約166キロワットなんです。
これを日本の全電力の平均CO2 の発生量と比較すると、年間約52kgの排出量低減に相当することが分かりました。
先ほどの杉の木の例でいいますと、杉の木が1年間に吸収するCO2 は、約14kgといわれていますから、トイファクトリーのソーラーバンコンは、1台で杉の木の3.7本分のCO2 の削減効果があるということなんですね。
【町田】 なるほど。説得力がある (笑) 。
【藤井】 はい (笑) 。2005年の 「京都議定書」 では、日本の温室効果ガス排出量を2012年までに、1990年を基準年として、そこから6パーセント削減することを謳いましたよね。
そこで 「チーム-6パーセント」 などの活動を通じて、いま国は、それを国民的なプロジェクトとして進めているところですけれど、僕たちの会社もそれに貢献するために、「ソーラーバンコン1000台」 を目指すという運動を展開しています。
もしそれが実現したら、その効果は3,700本の杉の木、つまり東京ドームの4分の1個分の森に相当するCO2 の削減に協力することができます。
【町田】 そのような研究は独自で行なわれたわけですか?
【藤井】 いや、自社だけでやる研究には限界がありますので、これは琉球大学の工学部と共同して研究しているところです。
幸い、私たちの工場が岐阜県のほかに沖縄にもあるものですから、とても連絡がいいんですね。
沖縄は太陽光が強いので、四六時中データが取れます。
で、そういう環境を利用して、バッテリーにチャージするのに一番効率のよいシステムというものを、琉球大学の力を借りて開発しているところです。
おそらく、突入する電力の一番高いところを維持できるような機械的なシステムを構築することができるはずです。
《 画期的な床暖房システム 》
【町田】 そのソーラーシステムの開発と同時に、床暖房に対しても、新しい提案をなさいましたね。
【藤井】 はい。たとえば、僕たちが新しく開発した 「エコロ」 という新型ライト/タウンベースのバンコンがありますが、これなどは、この限られた空間の中にもしっかりした床暖房を実現しています。
▲ ライト/タウンエースベースの 「エコロ」
【町田】 どういう構造の暖房なのでしょう。
【藤井】 新型ライト/タウンベースの場合、一番下に発泡断熱材を敷くんですね。その上にコンパネ材を敷きまして、それからセラミック塗装を施して、その上に0.4mmのPTCという発熱体を敷きます。
その上に、さらに4mmのベニヤ版が入り、全部で5層~6層になっています。
【町田】 PTCって何です? ごめんなさい、工学的な知識に暗くて…。
【藤井】 PTCというのは、「自己温度制御機能」 を持つ発熱体で、特殊インクをフィルムに塗布して、超薄型の……フレキシブルシートといいますけど、そういうシートで仕上げた発熱体なんですね。
このPTCという面状発熱体による遠赤外線効果を利用したのが、僕たちの暖房システムなんですけど、そのPTCを収めたフィルムが、わずか0.4mmという薄さを実現しているので、まず厚みを取らない。だから、室内のクリアランスを十分に確保できる。
それと、従来の熱線方式と違って、火災が生じたりする危険性を免れるという特徴があります。
▲ 「エコロ」 に搭載された床暖房の説明模型
【町田】 従来の床暖房というのは、床に熱線を通したり、お湯を配管で回したりするシステムが一般的でしたよね。
【藤井】 はい。それがもう全然違うんですね。
実は、僕たちもコースターをベースに床暖房を開発したことがあったんですけど、それは、単純にホースを通して、その中にラジエーターの水を回す方式だったり、後は、断熱材の周りにFFヒーターの熱を落とし込んだりするシステムだったのですが、それだと、どうしてもバンコンのようなクルマの場合は、室内高が取りづらくなってしまうんですね。
また、そういう方式では、エコロジーという観点からも問題が出てくる。
そこで、このシステムを採用することを決めたんです。
【町田】 いつ頃から、開発を進めていたのですか?
【藤井】 もう、去年の幕張のショーが終わった頃から、断熱を高めていくという方向で、床暖房の研究にも着手していましたね。
【町田】 その成果が実って、省エネと安全性の両方が確保できたと…。
【藤井】 はい、その通りですね。結局今までのものは電気が絶えず入れていないと熱源を確保できなかったんですが、これはON/OFFがフレキシブルにできるわけです。
ある一定温度までは温度が上がるんですけど、上がった瞬間に、その温度を保ったまま暖房機能が解除される。
そして、冷えてくるとまた熱を出す。最低温度は20度から最高は300度ぐらいまで設定できます。
【町田】 すごいですねぇ! そのような暖房システムを採り入れたキャンピングカーというのは、海外にはあるのでしょうか。
【藤井】 私が知っている限りないんですよ。ヨーロッパでも、まだ熱線を入れるような前のシステムのままなんですね。
日本では、すでに住宅などでは相当普及しているシステムなんですが、それをクルマに採り入れているところは、まだないと思います。
《 大手メーカーも注目 》
【町田】 藤井さんの話をうかがっていると、日本のキャンピングカーの技術水準が非常に高まってきたような印象を受けます。
なんか、キャンピングカー業界の将来は明るいぞ、という希望のようなものが湧いてきますね。
【藤井】 そういってくださると嬉しいですね。
おかげさまで、こういう僕たちの方向性を大手自動車メーカーさんも評価してくださいまして、全国のトヨペットディーラーに、僕たちのクルマが持っているソーラーパネルの意義とか面白さを採り上げてもらえるようになりました。
【町田】 それは、具体的にはどういうことなんですか?
【藤井】 大手自動車メーカーさんが、最近 「クルマをベースにした新しい楽しみ方」 について、全国のディーラーさんにアイデアを募集したんですね。
それで、全国のディーラーさんから様々なアイデアが寄せられたようなのですが、その中で選ばれたのが、ECO (エコ) を意識した私たちが提案したクルマだったんです。
断熱とかソーラーを提案した 「環境対策の時代を見据えたクルマ」 ということが評価されたというわけですね。
【町田】 ちなみに、ほかの乗用車ディーラーさんから出ていたアイデアというのは、どのようなものだったんですか?
【藤井】 詳しくは聞いていないのですが、「エアロの装着」 とか 「新しいスポーツタイプデザイン」 などといった外形的な処理を提案したものが多かったと聞いています。
【町田】 やはり、未来型の自動車を提案する場合、「社会性」 「公共性」 というものが必要になってきたということなんでしょうね。
【藤井】 ええ。そこから話が進みまして、今トヨタさんが公開している 「トヨペットスクエア」 というホームページには、ハイエースのコーナーがありまして、大げさかもしれませんが 「ハイエースキャンピングカーの代表」 という形で、うちのトイズ・ボックス (TOYsBOX) が紹介されたりしています。それに乗ったオーナー様がどのように楽しまれているかなどということも紹介されていて、本当にうれしいことです。
【町田】 なるほど。「トヨタ公認のRV車両」 というわけですね。
トイファクトリーさんの車両開発が、キャンピングカー業界全体の認知度を高めたことは確かなようですね。
2009年02月16日
RV世界会議
千葉県の幕張で開かれた 「キャンピング&RVショー2009」 は盛況のうちに幕を閉じた。
3日間取材して、日本のRV業界の活力というものを、本当に実感することができた。
会場では、日本RV協会が発行する広報誌 『くるま旅』 第5号が配布されたが、この広報誌の編集をお手伝いさせてもらった関係上、取材ネタとして残した資料が手元にある。
今回は、日本RV協会さんの承諾を得て、その資料の中から日本RV協会・海外情報部の猪俣慶喜氏のインタビュー記事をここに公開する。
基本的な内容は、『くるま旅』 5号に掲載されたものと同じだが、広報誌においてはスペース的な関係もあって割愛せざるを得なかった部分があった。
ここに公開するのは、広報誌では割愛した部分を含めたインタビュー記事の全貌である。
《 RV世界会議について 》
2008年9月4日に、ドイツ・デュッセルドルフのキャンピングカーショー 「キャラバンサロン2008」 にて開催された会議。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、中国の各国代表がそれぞれ自国のキャンピングカー産業の現状とその使用環境を報告しあい、将来の展望を語り合った。
日本からは 「日本RV協会 (JRVA) 」 前会長・増田英樹氏ほか、事務局・矢久保達也氏、海外情報部・猪俣慶喜氏ら3名が出席。他に会議の傍聴者として、RV協会から5社6名が参加した。

▲ 議長のトレバー・ワトソン氏 (英国) と増田英樹前会長
《 世界のRV業者が集まった初の国際会議 》
【町田】 まず、この 「RV世界会議」 に参加した国々を教えてください。
【猪俣】 国単位という意味では、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、中国なんですが、ヨーロッパの場合はドイツのRV協会がヨーロッパ全域のRV事業者を代表する形でプレゼンテーションを行っていましたね。
司会は、国際自動車連盟 (FIA) の副代表で、英国キャラバンクラブの代表も務めるイギリス人が務めていました。
とにかく、今までキャンピングカー産業というのは、欧米中心のように思われていましたが、今やアジア、アフリカ、オセアニアにまで広がってきていることがこの度の会議で分かりました。
【町田】 これが第1回目の会議ということなんですが、このようなRV業界の国際会議が開かれた背景には、どのような事情があったのでしょう?

▲ 壇上で基調報告を行うプレゼンターの猪俣氏
【猪俣】 ひとつには、経済問題や環境問題が世界規模で深刻化し、文明的な行き詰まり感も広がってきた中で、RV産業は時代とどう関わるのか。そういう問題意識が生まれてきたということですね。
また、ビジネス的な側面から見ると、欧米ともに国内マーケットがピークを極める時期が読めてきて、さらなる市場を開拓するためには 「輸出」 が必要だという認識に達したからではないでしょうか。
だからこの会議では、それぞれの国が、お互いのマーケットや法規制を報告しあって、お互いの輸出の可能性を探るという目的があったと思います。
【町田】 会議のプレゼンテーションの雰囲気はどんなものだったのですか?
【猪俣】 国によって違うのですが、一番面白くて充実していたのは、やはりアメリカのRV協会であるRVIAのプレゼンでしたね。
とにかく喋りも慣れているし、笑いを取りつつ場を盛り上げるコツを心得ていました。彼らは、こういう場が一種の 「セレモニー」 であり 「フェスティバル」 だという認識を持っているんですね。
《 悩みもあれば希望もある各国代表 》
【町田】 アメリカ代表が発したメッセージそのものは、どんな内容でしたか?
【猪俣】 やはり自分たちの抱えている問題を正確に把握して、それを正直に発表していました。
たとえば、ここ10年ほどアメリカのRVは車体も大きくなって、豪華になってきたわけですね。その分、当然重量も重くなり、燃費も悪くなりました。
そういう流れが、原油資源の枯渇や地球の温暖化が問題視されている今の時代に合っているのかどうか。彼らにも心配はあるわけです。
そういった懸念も正直に告白しつつ、ベース車の問題としてディーゼルが見直される時代になるだろうという予測も交え、アメリカンRVの新しい方向を模索する姿勢には共感できました。
【町田】 ヨーロッパの代表の意見はどのようなものでしたか?
【猪俣】 ヨーロッパもアメリカと同じような問題を抱えています。世界的な景気後退や環境問題を意識して、軽量小型のベース車の開発やオーバースペック (過剰装備) の見直しを図らねばならないことを模索しているように感じられました。
ただ、ヨーロッパは、もともとベース車そのものに省資源やエコロジーを意識したものが多いですから、その方向にシフトしていくとなれば対応するのは早いかもしれません。
【町田】 それ以外のエリアの代表はどうだったのですか?
【猪俣】 まず、オーストラリアのRV業界が、産業規模からいってもマーケットからいっても、欧米に次ぐ地歩を築いてきていることが分かりました。
オーストラリアでは、RV産業を社会全体が発展する要 (かなめ) として捉えているようなところがあります。
この国は豊かな自然に恵まれているおかげもあって、RVだけでなく、アウトドアレジャーを広く振興させるための社会的合意を形成していこうという気運があるように感じられました。
【町田】 カナダはどうですか?
【猪俣】 この国もRV先進国であることは間違いありません。アメリカと地続きでもあるため、アメリカと同じRV文化を共有しています。
また、アメリカ以上に自然環境が豊かな国ですから、RV産業の育成にもそういう風土と調和するような方向を模索しているという雰囲気がありましたね。
【町田】 南アフリカにRV業界があったというのが、少し意外な感じもするのですが…。
【猪俣】 南アフリカ共和国というのは他のアフリカ新興国とは違い、昔から政府の主要機関や基幹産業はオランダ系の白人によって運営されています。文化的には 「ヨーロッパ」 なんですね。
南アフリカは、アフリカのサバンナなどを見学する観光にも力を入れています。だからこの国では、自然観光に適した特殊なRVが開発されています。そこがユニークなところですね。
【町田】 中国はどうでしょう?
【猪俣】 市場としても産業としても、まだ立ち上がったばかりの国なので、いずれも発展途上です。
RVが文化として浸透し、成熟していくにはまだ時間がかかりそうですが、情熱とか意欲に関しては、他のRV先進国に負けない気概というものを感じました。
【町田】 なるほど。キャンピングカー先進国の欧米では、ベース車の見直しを含め、エネルギー問題や地球温暖化対策をにらんだ真摯な取り組み姿勢を示しているというわけですね。
一方、キャンピングカーの発展途上国では、自然や環境との調和を意識したRV開発を目指していると。
まさに、世界のさまざまな産業が直面している課題を、この業界も率先して受けとめ、前向きに進んでいるということが伝わってきました。

《 日本文化に高い注目が集まる 》
【町田】 日本のプレゼンターとして、猪俣さんが報告されたのはどのような内容のものだったのでしょう?
【猪俣】 日本のRV業界の生産台数や売上金額も含め、産業規模やインフラ整備の状況は 「キャンピングカー白書2008」 のデータを元に正確に伝えました。
ただ、そういう数値的なデータよりも、彼らが関心を持ったのは日本型キャンピングカーの持つ珍しい文化だったんですね。
【町田】 どういうことでしょう?
【猪俣】 たとえば軽自動車のような超スモールキャンピングカー。こういうものは海外のカテゴリーにはないわけです。
それを、私は日本特有の 「茶室」 や 「盆栽」 などという文化の延長線上にあるものだという形で、日本文化を代表する文物の画像なども例に採りながら紹介したんですね。それはかなり海外の人たちの目を惹きました。
【町田】 確かに今日本のアニメ、ゲームなどを中心にした日本のエンターティメント文化が欧米やアジアの若者たちから評価され、「ジャパン・クール」 というブームが起こっています。
スシのような日本食も海外で定着しましたし、盆栽や墨絵といった伝統芸能を楽しむ外国人も増えています。
日本のキャンピングカーが海外の代表から興味を持たれたというのは、そういう文脈の中で解釈すればよろしいのでしょうか。
【猪俣】 そうですね。やはりキャンピングカーにもその国固有の文化が反映しているというアプローチが良かったのだろうと思います。
軽キャンパーのような日本独自の小型キャンピングカーが生まれてきた理由も、道路事情や税制上のメリットで説明するより、「宇宙の広大さを、極小の世界に閉じこめる日本文化が反映されたものだ」 と説明した方が反応がありましたね。
【町田】 面白いですねぇ! 聞いた話なんですが、フランスあたりでは、インテリの条件として、「日本文化に精通していること」 というのがあるそうなんですね。
フランスあたりから、日本にやってくる観光客というのは、『源氏物語』 なども読んでくる人がいるとか。
キャンピングカーにおいても、海外の人に日本のキャンピングカーを理解してもらうためには、今後そういうアプローチも必要になってくるかもしれませんね。
【猪俣】 それは必要でしょうね。だいたいハイエースなどをベースにした日本型クラスBというものが、海外にはありませんから。
そういう車両の中には 「畳」 や 「障子」 を使った 「茶室」 みたいなキャンピングカーもあるということを画像も交えて紹介すると、彼らは興味を感じるようなんですね。

【町田】 「障子」 という素材そのものが天然素材ですし、そのようなエコロジカルな素材を使って、建物の内側と外に広がる自然との調和を保つという発想は、石の建築文化を築いてきた西洋にはないですものね。
【猪俣】 そうなんですね。日本にはそのようなキャンピングカーも生まれているということは、欧米人の発想を大いに刺激したのではないでしょうか。
彼らは、アメ車やヨーロッパ車だけがスタンダードだと信じていたのに、まったく別のスタイルを持つRVがこの世に存在するということが面白くてしょうがない…という感じでした。
【町田】 彼らの目には、そういう日本型キャンピングカーが評価できるものとして映ったのでしょうか?
【猪俣】 そういうものが 「主流」 になるとは思わないでしょうけれど、少なくとも自分たちのRV文化を刺激する材料にはなったと思います。
私のプレゼンが終わった後、アメリカRVIAの代表や南アフリカの代表が声をかけてきて、「非常にいいプレゼンだった。勉強になった」 と誉めてくれたことからも、なんらかの手応えを感じてくれたという気配は伝わってきました。
《 道の駅って何だ? 》
【町田】 そのほかに、外国の代表が関心を持ったことがありましたか?
【猪俣】 「道の駅とは何だ?」 という質問を受けましたね。「私たち日本のユーザーはキャンプ場などで宿泊する以外にも道の駅 = ロードサイドステーションで休憩することもある」 と伝えたんです。
ところが、こういう正式な宿泊施設ではないのにキャンピングカーが休める “ファジー” な空間というのは、外国にはないわけですね。
これもオリエンタル・デザインを施したジャパニーズRVと同じように、彼らには 「エキゾチシズムに満ちたスペース」 に感じられたようです。
【町田】 将来、日本製のキャンピングカーが 「国際商品」 になっていく可能性はあるんでしょうか?
【猪俣】 可能性は多いにあります。日本のビルダーの力というのはメキメキ向上しているから、クオリティだけいえば遜色のないものになっています。ただ、解決しなければならない問題も多いですね。
まずレギュレーションの問題。
欧米のRVに対する法規制というのはものすごく細かくて、しかも膨大な量に及んでいます。
それに対して、日本のRV業界はそういう欧米のレギュレーションに対応する基準をまだ用意していません。
まずそこで、正規に輸出するときに立ちはだかる壁があります。
《 国産キャンピングカーが世界に飛翔する日 》
【町田】 なるほど。これは難しい問題ですね。
【猪俣】 しかし、こうも考えられるわけですね。
日本のキャンピングカーというのは、欧米のレギュレーションとは異なる構造要件に基づいて造られているにもかかわらず、この成熟した交通社会を実現している日本で、今日までたいした事故も起こさないまま安全に運行されてきたわけですね。
これはどういうことかというと、日本のスタッフには、レギュレーションを厳密に守りながら造るという職人的な勤勉さが備わっているだけでなく、デザイナー的な直観力にも恵まれていて、…メーカーによって違うかもしれませんけれど、「安全を満たすにはこれだけの基準が必要になるだろう」 という判断基準を自分たちの “体内” に持っているからだろうと思います。
だから、真剣になって輸出を考え始めたら、各国のレギュレーションに合わせた製造など、日本のRVメーカーは簡単にクリアしてしまうと思いますよ。
【町田】 実際、乗用車がそうでしたものね。輸出が伸びたのは、世界に散らばる細かなレギュレーションに適合するように、すべて仕様を変えて生産してきたからですものね。
【猪俣】 ただ、キャンピングカーともなると、そのコーチ (架装) 部分に関してはそう簡単に適合できない部分というものが残りますね。
まず電気。
現在、アメリカでは115V。ヨーロッパは220V。日本は100V。これに対応していくのが大変です。
このような違いは、各国の住宅事情と密接に絡んでいますから、RVだけ共通化を図るということが非常に難しいんですね。
また、LPガスの扱いも日本と諸外国では法律的にかなり違うところがあります。さらに排ガス規制の問題。これも国の認証がすべて異なるのでやっかいです。
【町田】 あとベース車の問題で、右ハンドルと左ハンドルの問題が出てきますね。
【猪俣】 そうですね。イギリス文化圏以外はみな左ハンドルですから、現状の国産車をベースに使うわけにはいかないでしょうね。
だけどフィアットのデュカトなどを日本に入れて、それに架装して出すなどということができれば、また違ってくるのではないですか。
【町田】 でもそれは輸出入のコストがバカ高いものになって現実的でないのでは?
【猪俣】 しかし、いま国連などを中心に、モータリゼーションをもっとグローバル化しようという動きが進んでいます。つまり各国のレギュレーションの違いを解消して、より 「ハーモナイズ (調和) 」 させようという流れができているんですね。
そのようにクルマのレギュレーションが統一されていけば、試験基準の違いなども解消されますから、相対的に輸出入にかかるコストが低減されます。
ベース車がそのような方向に傾けば、架装部分を担当するビルダーさんにもそういう流れが波及するでしょう。少し時間のかかる問題かもしれませんが…。
【町田】 会議の流れとして、RV業界が明日の希望を見出すような方向が見えたのでしょうか。
【猪俣】 やはりそれが目的ですから、今後ますます厳しさを増しそうな環境において、RVの価値をどう創出し、どう訴えていくかという意欲はどの国の代表にもみなぎっていましたね。
具体的な対策は、個々の国々でそれぞれ検討することになるでしょうけれど、おそらく今後のセールスプロモーションなどにおいては、それぞれの国で時代を見据えた建設的な提案がなされていくと思います。
3日間取材して、日本のRV業界の活力というものを、本当に実感することができた。
会場では、日本RV協会が発行する広報誌 『くるま旅』 第5号が配布されたが、この広報誌の編集をお手伝いさせてもらった関係上、取材ネタとして残した資料が手元にある。
今回は、日本RV協会さんの承諾を得て、その資料の中から日本RV協会・海外情報部の猪俣慶喜氏のインタビュー記事をここに公開する。
基本的な内容は、『くるま旅』 5号に掲載されたものと同じだが、広報誌においてはスペース的な関係もあって割愛せざるを得なかった部分があった。
ここに公開するのは、広報誌では割愛した部分を含めたインタビュー記事の全貌である。
《 RV世界会議について 》
2008年9月4日に、ドイツ・デュッセルドルフのキャンピングカーショー 「キャラバンサロン2008」 にて開催された会議。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、中国の各国代表がそれぞれ自国のキャンピングカー産業の現状とその使用環境を報告しあい、将来の展望を語り合った。
日本からは 「日本RV協会 (JRVA) 」 前会長・増田英樹氏ほか、事務局・矢久保達也氏、海外情報部・猪俣慶喜氏ら3名が出席。他に会議の傍聴者として、RV協会から5社6名が参加した。
▲ 議長のトレバー・ワトソン氏 (英国) と増田英樹前会長
《 世界のRV業者が集まった初の国際会議 》
【町田】 まず、この 「RV世界会議」 に参加した国々を教えてください。
【猪俣】 国単位という意味では、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、南アフリカ、中国なんですが、ヨーロッパの場合はドイツのRV協会がヨーロッパ全域のRV事業者を代表する形でプレゼンテーションを行っていましたね。
司会は、国際自動車連盟 (FIA) の副代表で、英国キャラバンクラブの代表も務めるイギリス人が務めていました。
とにかく、今までキャンピングカー産業というのは、欧米中心のように思われていましたが、今やアジア、アフリカ、オセアニアにまで広がってきていることがこの度の会議で分かりました。
【町田】 これが第1回目の会議ということなんですが、このようなRV業界の国際会議が開かれた背景には、どのような事情があったのでしょう?
▲ 壇上で基調報告を行うプレゼンターの猪俣氏
【猪俣】 ひとつには、経済問題や環境問題が世界規模で深刻化し、文明的な行き詰まり感も広がってきた中で、RV産業は時代とどう関わるのか。そういう問題意識が生まれてきたということですね。
また、ビジネス的な側面から見ると、欧米ともに国内マーケットがピークを極める時期が読めてきて、さらなる市場を開拓するためには 「輸出」 が必要だという認識に達したからではないでしょうか。
だからこの会議では、それぞれの国が、お互いのマーケットや法規制を報告しあって、お互いの輸出の可能性を探るという目的があったと思います。
【町田】 会議のプレゼンテーションの雰囲気はどんなものだったのですか?
【猪俣】 国によって違うのですが、一番面白くて充実していたのは、やはりアメリカのRV協会であるRVIAのプレゼンでしたね。
とにかく喋りも慣れているし、笑いを取りつつ場を盛り上げるコツを心得ていました。彼らは、こういう場が一種の 「セレモニー」 であり 「フェスティバル」 だという認識を持っているんですね。
《 悩みもあれば希望もある各国代表 》
【町田】 アメリカ代表が発したメッセージそのものは、どんな内容でしたか?
【猪俣】 やはり自分たちの抱えている問題を正確に把握して、それを正直に発表していました。
たとえば、ここ10年ほどアメリカのRVは車体も大きくなって、豪華になってきたわけですね。その分、当然重量も重くなり、燃費も悪くなりました。
そういう流れが、原油資源の枯渇や地球の温暖化が問題視されている今の時代に合っているのかどうか。彼らにも心配はあるわけです。
そういった懸念も正直に告白しつつ、ベース車の問題としてディーゼルが見直される時代になるだろうという予測も交え、アメリカンRVの新しい方向を模索する姿勢には共感できました。
【町田】 ヨーロッパの代表の意見はどのようなものでしたか?
【猪俣】 ヨーロッパもアメリカと同じような問題を抱えています。世界的な景気後退や環境問題を意識して、軽量小型のベース車の開発やオーバースペック (過剰装備) の見直しを図らねばならないことを模索しているように感じられました。
ただ、ヨーロッパは、もともとベース車そのものに省資源やエコロジーを意識したものが多いですから、その方向にシフトしていくとなれば対応するのは早いかもしれません。
【町田】 それ以外のエリアの代表はどうだったのですか?
【猪俣】 まず、オーストラリアのRV業界が、産業規模からいってもマーケットからいっても、欧米に次ぐ地歩を築いてきていることが分かりました。
オーストラリアでは、RV産業を社会全体が発展する要 (かなめ) として捉えているようなところがあります。
この国は豊かな自然に恵まれているおかげもあって、RVだけでなく、アウトドアレジャーを広く振興させるための社会的合意を形成していこうという気運があるように感じられました。
【町田】 カナダはどうですか?
【猪俣】 この国もRV先進国であることは間違いありません。アメリカと地続きでもあるため、アメリカと同じRV文化を共有しています。
また、アメリカ以上に自然環境が豊かな国ですから、RV産業の育成にもそういう風土と調和するような方向を模索しているという雰囲気がありましたね。
【町田】 南アフリカにRV業界があったというのが、少し意外な感じもするのですが…。
【猪俣】 南アフリカ共和国というのは他のアフリカ新興国とは違い、昔から政府の主要機関や基幹産業はオランダ系の白人によって運営されています。文化的には 「ヨーロッパ」 なんですね。
南アフリカは、アフリカのサバンナなどを見学する観光にも力を入れています。だからこの国では、自然観光に適した特殊なRVが開発されています。そこがユニークなところですね。
【町田】 中国はどうでしょう?
【猪俣】 市場としても産業としても、まだ立ち上がったばかりの国なので、いずれも発展途上です。
RVが文化として浸透し、成熟していくにはまだ時間がかかりそうですが、情熱とか意欲に関しては、他のRV先進国に負けない気概というものを感じました。
【町田】 なるほど。キャンピングカー先進国の欧米では、ベース車の見直しを含め、エネルギー問題や地球温暖化対策をにらんだ真摯な取り組み姿勢を示しているというわけですね。
一方、キャンピングカーの発展途上国では、自然や環境との調和を意識したRV開発を目指していると。
まさに、世界のさまざまな産業が直面している課題を、この業界も率先して受けとめ、前向きに進んでいるということが伝わってきました。
《 日本文化に高い注目が集まる 》
【町田】 日本のプレゼンターとして、猪俣さんが報告されたのはどのような内容のものだったのでしょう?
【猪俣】 日本のRV業界の生産台数や売上金額も含め、産業規模やインフラ整備の状況は 「キャンピングカー白書2008」 のデータを元に正確に伝えました。
ただ、そういう数値的なデータよりも、彼らが関心を持ったのは日本型キャンピングカーの持つ珍しい文化だったんですね。
【町田】 どういうことでしょう?
【猪俣】 たとえば軽自動車のような超スモールキャンピングカー。こういうものは海外のカテゴリーにはないわけです。
それを、私は日本特有の 「茶室」 や 「盆栽」 などという文化の延長線上にあるものだという形で、日本文化を代表する文物の画像なども例に採りながら紹介したんですね。それはかなり海外の人たちの目を惹きました。
【町田】 確かに今日本のアニメ、ゲームなどを中心にした日本のエンターティメント文化が欧米やアジアの若者たちから評価され、「ジャパン・クール」 というブームが起こっています。
スシのような日本食も海外で定着しましたし、盆栽や墨絵といった伝統芸能を楽しむ外国人も増えています。
日本のキャンピングカーが海外の代表から興味を持たれたというのは、そういう文脈の中で解釈すればよろしいのでしょうか。
【猪俣】 そうですね。やはりキャンピングカーにもその国固有の文化が反映しているというアプローチが良かったのだろうと思います。
軽キャンパーのような日本独自の小型キャンピングカーが生まれてきた理由も、道路事情や税制上のメリットで説明するより、「宇宙の広大さを、極小の世界に閉じこめる日本文化が反映されたものだ」 と説明した方が反応がありましたね。
【町田】 面白いですねぇ! 聞いた話なんですが、フランスあたりでは、インテリの条件として、「日本文化に精通していること」 というのがあるそうなんですね。
フランスあたりから、日本にやってくる観光客というのは、『源氏物語』 なども読んでくる人がいるとか。
キャンピングカーにおいても、海外の人に日本のキャンピングカーを理解してもらうためには、今後そういうアプローチも必要になってくるかもしれませんね。
【猪俣】 それは必要でしょうね。だいたいハイエースなどをベースにした日本型クラスBというものが、海外にはありませんから。
そういう車両の中には 「畳」 や 「障子」 を使った 「茶室」 みたいなキャンピングカーもあるということを画像も交えて紹介すると、彼らは興味を感じるようなんですね。
【町田】 「障子」 という素材そのものが天然素材ですし、そのようなエコロジカルな素材を使って、建物の内側と外に広がる自然との調和を保つという発想は、石の建築文化を築いてきた西洋にはないですものね。
【猪俣】 そうなんですね。日本にはそのようなキャンピングカーも生まれているということは、欧米人の発想を大いに刺激したのではないでしょうか。
彼らは、アメ車やヨーロッパ車だけがスタンダードだと信じていたのに、まったく別のスタイルを持つRVがこの世に存在するということが面白くてしょうがない…という感じでした。
【町田】 彼らの目には、そういう日本型キャンピングカーが評価できるものとして映ったのでしょうか?
【猪俣】 そういうものが 「主流」 になるとは思わないでしょうけれど、少なくとも自分たちのRV文化を刺激する材料にはなったと思います。
私のプレゼンが終わった後、アメリカRVIAの代表や南アフリカの代表が声をかけてきて、「非常にいいプレゼンだった。勉強になった」 と誉めてくれたことからも、なんらかの手応えを感じてくれたという気配は伝わってきました。
《 道の駅って何だ? 》
【町田】 そのほかに、外国の代表が関心を持ったことがありましたか?
【猪俣】 「道の駅とは何だ?」 という質問を受けましたね。「私たち日本のユーザーはキャンプ場などで宿泊する以外にも道の駅 = ロードサイドステーションで休憩することもある」 と伝えたんです。
ところが、こういう正式な宿泊施設ではないのにキャンピングカーが休める “ファジー” な空間というのは、外国にはないわけですね。
これもオリエンタル・デザインを施したジャパニーズRVと同じように、彼らには 「エキゾチシズムに満ちたスペース」 に感じられたようです。
【町田】 将来、日本製のキャンピングカーが 「国際商品」 になっていく可能性はあるんでしょうか?
【猪俣】 可能性は多いにあります。日本のビルダーの力というのはメキメキ向上しているから、クオリティだけいえば遜色のないものになっています。ただ、解決しなければならない問題も多いですね。
まずレギュレーションの問題。
欧米のRVに対する法規制というのはものすごく細かくて、しかも膨大な量に及んでいます。
それに対して、日本のRV業界はそういう欧米のレギュレーションに対応する基準をまだ用意していません。
まずそこで、正規に輸出するときに立ちはだかる壁があります。
《 国産キャンピングカーが世界に飛翔する日 》
【町田】 なるほど。これは難しい問題ですね。
【猪俣】 しかし、こうも考えられるわけですね。
日本のキャンピングカーというのは、欧米のレギュレーションとは異なる構造要件に基づいて造られているにもかかわらず、この成熟した交通社会を実現している日本で、今日までたいした事故も起こさないまま安全に運行されてきたわけですね。
これはどういうことかというと、日本のスタッフには、レギュレーションを厳密に守りながら造るという職人的な勤勉さが備わっているだけでなく、デザイナー的な直観力にも恵まれていて、…メーカーによって違うかもしれませんけれど、「安全を満たすにはこれだけの基準が必要になるだろう」 という判断基準を自分たちの “体内” に持っているからだろうと思います。
だから、真剣になって輸出を考え始めたら、各国のレギュレーションに合わせた製造など、日本のRVメーカーは簡単にクリアしてしまうと思いますよ。
【町田】 実際、乗用車がそうでしたものね。輸出が伸びたのは、世界に散らばる細かなレギュレーションに適合するように、すべて仕様を変えて生産してきたからですものね。
【猪俣】 ただ、キャンピングカーともなると、そのコーチ (架装) 部分に関してはそう簡単に適合できない部分というものが残りますね。
まず電気。
現在、アメリカでは115V。ヨーロッパは220V。日本は100V。これに対応していくのが大変です。
このような違いは、各国の住宅事情と密接に絡んでいますから、RVだけ共通化を図るということが非常に難しいんですね。
また、LPガスの扱いも日本と諸外国では法律的にかなり違うところがあります。さらに排ガス規制の問題。これも国の認証がすべて異なるのでやっかいです。
【町田】 あとベース車の問題で、右ハンドルと左ハンドルの問題が出てきますね。
【猪俣】 そうですね。イギリス文化圏以外はみな左ハンドルですから、現状の国産車をベースに使うわけにはいかないでしょうね。
だけどフィアットのデュカトなどを日本に入れて、それに架装して出すなどということができれば、また違ってくるのではないですか。
【町田】 でもそれは輸出入のコストがバカ高いものになって現実的でないのでは?
【猪俣】 しかし、いま国連などを中心に、モータリゼーションをもっとグローバル化しようという動きが進んでいます。つまり各国のレギュレーションの違いを解消して、より 「ハーモナイズ (調和) 」 させようという流れができているんですね。
そのようにクルマのレギュレーションが統一されていけば、試験基準の違いなども解消されますから、相対的に輸出入にかかるコストが低減されます。
ベース車がそのような方向に傾けば、架装部分を担当するビルダーさんにもそういう流れが波及するでしょう。少し時間のかかる問題かもしれませんが…。
【町田】 会議の流れとして、RV業界が明日の希望を見出すような方向が見えたのでしょうか。
【猪俣】 やはりそれが目的ですから、今後ますます厳しさを増しそうな環境において、RVの価値をどう創出し、どう訴えていくかという意欲はどの国の代表にもみなぎっていましたね。
具体的な対策は、個々の国々でそれぞれ検討することになるでしょうけれど、おそらく今後のセールスプロモーションなどにおいては、それぞれの国で時代を見据えた建設的な提案がなされていくと思います。
2009年02月15日
幕張ショー印象記
幕張メッセ (千葉県) で、開催されている 『CAMPING&RV SHOW 2009』 を2日間取材してきました。
今日は最終日。
これからちょっと寝て、朝6時半に起きて、最終日の会場入りを果たす予定です。
それにしても、びっくり。
有料入場だというのに、昨日の土曜日は大変な人出。
入場される人々の表情も、明るく、楽しそう。
世の中 「不況の大合唱」 だというのに、この会場にいる限り、マスコミの報道は本当なのかと疑ってしまうほど、ちょっと信じられないほどの活気がみなぎっています。
ビルダー、販社さんらの声を聞いても、みな口々に 「お客さんの反応は悪くない」 と元気な様子。
う~む…。
キャンピングカーって、こんなに不況に強い商品だったのかしら。
ちょっと意外でもあり、うれしくもあり。
今回のショーの特徴は、提案型の商品がぐっと増えたこと。
それぞれの業者さんが、次の時代をにらんだ商品開発を目指してきた感じがします。
特に、ハイエースなどのバンコンを中心に、今までになかったような新機軸を打ち出したクルマが目立ちます。
キャブコンでは、ボンゴベース、新型ライト/タウンエースをベースにした小型キャブコンが充実してきました。
また、カムロード勢に並んで、日産ピーズフィールドクラフトさん、エートゥゼットさん、マックレーさんなどからアトラスベースのキャブコンがリリースされて、ベースシャシーもにぎわいを見せるようになりました。
ニートRVさん、東和モータースさん、ボナンザさんを中心に、輸入車も健在。
もちろん、トレーラーも充実した商品がびっしり勢ぞろい。
日本のRV業界の底力がくっきりと浮かび上がったようなショーでした。
金曜日の晩には、RV協会さんが主催された業者さんとメディア関係者の懇親会に出席。
その後は、例によって、懇意にしている業者さんたちと2次会、3次会。
ええ、またしこたま飲みましたねぇ。
でも、もう駅の階段から転げ落ちるような失態は繰り返しませんでした。
夜が開けたら、またいつものネットカフェ。
「ここはどこ?」 状態で、目が醒めました。
2009年02月13日
幕張ショー始まる
今日から幕張メッセ (千葉県) において、国内最大のRVショーである 『CAMPING&RV SHOW 2009』 が開幕します。

昨日はその出展車両の搬入日。
朝から会場に待機して、会場入りする最新キャンピングカーをバシャバシャと写真に撮りました。
今年は、話題性のあるクルマが実に多く、充実したイベントになりそうな気配が濃厚です。
この業界、とても元気な感じです。
世の中は大不況。
「クルマが売れない時代」 だといわれているのに、このイベントにキャンピングカーを持ち込んでくる人たちというのは、何で、みんな生き生きとしていて、元気なんだろう。
写真を撮っていて、こちらもパワーをたくさんもらうことができました。
では、さっそく昨日撮った画像の中から、新車を中心にご紹介いたしましょう。
《 ネオ・ユーロ 》

かーいんてりあ高橋さんが開発したタウンエースベースの 「ネオ・ユーロ」 。
全幅1690mm。取り回しの良さが特徴です。
《 ピッコロ・クィーン 》

ピッコロ・キャンパーシリーズでおなじみのオートワンさんが、ついにキャブコン型の軽キャンパーに挑戦。
《 バーデン 》

トリファクトリーさんの新型バンコン 「バーデン」 。
ミラノスタイル張りのハイグレードなインテリアを実現しながら、「温泉めぐり」 を楽しめる使いやすいレイアウトを採用しています。

特徴的なのは、ソーラーパネルを組み込んだ一体型の新ルーフ。
トイファクトリーさんは、このルーフを自社の全車に採用して、エコロジカルな電源供給システムを実現しています。
《 エコロ 》

同じくトイさんの新型車 「エコロ」 。
その名のとおり、このクルマもソーラーパネル組み込み型の新ルーフを採用してエコロジーコンセプトを追求したものです。
今回のショーでは、かなりバンコンにもタウンエースが登場してきています。
《 アルファ 》

エートゥゼットさんの新型キャブコン 「アルファ」 です。
バンクの形状に新しい試みが施され、広々バンクの誕生です。
《 アンナ 》

同じくエートゥゼットさんの新型タウンエースをベースにしたニューバンコン 「アンナ」。
ハイルーフの機能を生かしきった、美しく造形されたオーバーヘッドコンソールが見事。
《 ウィズ 》

タコスさんからは、リヤに開口部の大きいトランクを設けた 「ウィズ」 がリリースされました。
得意の “タコス仕様” はこのクルマでも見事に開花。
《 トワイライト 》

ファーストカスタムさんは、今回バンコンにも力を注ぎ、魅力的な新型車を3台投入してきました。
そのうちの1台がこの 「トワイライト」 。
いずれ、他のクルマも含めて詳しく紹介します。
《 クエスト雅 》

畳と障子を採り入れて、モダンな “和風テイスト” を実現したバンテック新潟さんの 「クエスト」 。今回はその新型バージョンとして 「クエスト雅」 が登場しました。
《 シェル 》

アールブィビックフットさんからは新型バスコンが2台リリースされました。
その1台がこの 「シェル」 。
ブラインドパネルで、断熱・プライバシーの確保を実現しています。
《 シェリト 》

同じくビックフットさんの 「シェリト」 。
このバスコンもブラインドパネルが特徴です。
また、リヤ観音扉を設定して、後方部からのアクセスを可能にしています。
《 オルベット 》

バンコンでも、ビックフットさんらしい新車が登場。
リーズナブルな価格設定で、若い人の気持ちもゲット。
《 ヴォーノ 》

レクビィさんからは、新しい提案が生まれました。
ハイエースのロングバン標準ルーフを使ってL型ラウンジを採用した 「ヴィーノ」 。
意表を突いた設定です。
《 テントむし&コロ 》

スモールトレーラー 「コロ」 を引くバンショップミカミさんの 「テントむし」 。
まだまだ紹介したい新型車はたくさんありますが、実は、まだ写真が撮りきれていません。
残りは、少しずつ紹介していくことにいたしましょう。
『キャンピング&RVショー2009』
2009年2月13日(金)・14日(土)・15日(日)
幕張メッセ 国際展示場9・10ホール
(千葉県美浜区中瀬2-1)
13日(金) 10:00~18:00
14日(土) 10:00~18:00
15日(日) 10:00~17:00
一般 1,000円 (中学生以下無料)
60歳以上 500円
身体障害者 無料 (介添人1名まで無料)
詳しくは下記へ。
http://www.camp-rv.com/
昨日はその出展車両の搬入日。
朝から会場に待機して、会場入りする最新キャンピングカーをバシャバシャと写真に撮りました。
今年は、話題性のあるクルマが実に多く、充実したイベントになりそうな気配が濃厚です。
この業界、とても元気な感じです。
世の中は大不況。
「クルマが売れない時代」 だといわれているのに、このイベントにキャンピングカーを持ち込んでくる人たちというのは、何で、みんな生き生きとしていて、元気なんだろう。
写真を撮っていて、こちらもパワーをたくさんもらうことができました。
では、さっそく昨日撮った画像の中から、新車を中心にご紹介いたしましょう。
《 ネオ・ユーロ 》
かーいんてりあ高橋さんが開発したタウンエースベースの 「ネオ・ユーロ」 。
全幅1690mm。取り回しの良さが特徴です。
《 ピッコロ・クィーン 》
ピッコロ・キャンパーシリーズでおなじみのオートワンさんが、ついにキャブコン型の軽キャンパーに挑戦。
《 バーデン 》
トリファクトリーさんの新型バンコン 「バーデン」 。
ミラノスタイル張りのハイグレードなインテリアを実現しながら、「温泉めぐり」 を楽しめる使いやすいレイアウトを採用しています。
特徴的なのは、ソーラーパネルを組み込んだ一体型の新ルーフ。
トイファクトリーさんは、このルーフを自社の全車に採用して、エコロジカルな電源供給システムを実現しています。
《 エコロ 》
同じくトイさんの新型車 「エコロ」 。
その名のとおり、このクルマもソーラーパネル組み込み型の新ルーフを採用してエコロジーコンセプトを追求したものです。
今回のショーでは、かなりバンコンにもタウンエースが登場してきています。
《 アルファ 》
エートゥゼットさんの新型キャブコン 「アルファ」 です。
バンクの形状に新しい試みが施され、広々バンクの誕生です。
《 アンナ 》
同じくエートゥゼットさんの新型タウンエースをベースにしたニューバンコン 「アンナ」。
ハイルーフの機能を生かしきった、美しく造形されたオーバーヘッドコンソールが見事。
《 ウィズ 》
タコスさんからは、リヤに開口部の大きいトランクを設けた 「ウィズ」 がリリースされました。
得意の “タコス仕様” はこのクルマでも見事に開花。
《 トワイライト 》
ファーストカスタムさんは、今回バンコンにも力を注ぎ、魅力的な新型車を3台投入してきました。
そのうちの1台がこの 「トワイライト」 。
いずれ、他のクルマも含めて詳しく紹介します。
《 クエスト雅 》
畳と障子を採り入れて、モダンな “和風テイスト” を実現したバンテック新潟さんの 「クエスト」 。今回はその新型バージョンとして 「クエスト雅」 が登場しました。
《 シェル 》
アールブィビックフットさんからは新型バスコンが2台リリースされました。
その1台がこの 「シェル」 。
ブラインドパネルで、断熱・プライバシーの確保を実現しています。
《 シェリト 》
同じくビックフットさんの 「シェリト」 。
このバスコンもブラインドパネルが特徴です。
また、リヤ観音扉を設定して、後方部からのアクセスを可能にしています。
《 オルベット 》
バンコンでも、ビックフットさんらしい新車が登場。
リーズナブルな価格設定で、若い人の気持ちもゲット。
《 ヴォーノ 》
レクビィさんからは、新しい提案が生まれました。
ハイエースのロングバン標準ルーフを使ってL型ラウンジを採用した 「ヴィーノ」 。
意表を突いた設定です。
《 テントむし&コロ 》
スモールトレーラー 「コロ」 を引くバンショップミカミさんの 「テントむし」 。
まだまだ紹介したい新型車はたくさんありますが、実は、まだ写真が撮りきれていません。
残りは、少しずつ紹介していくことにいたしましょう。
『キャンピング&RVショー2009』
2009年2月13日(金)・14日(土)・15日(日)
幕張メッセ 国際展示場9・10ホール
(千葉県美浜区中瀬2-1)
13日(金) 10:00~18:00
14日(土) 10:00~18:00
15日(日) 10:00~17:00
一般 1,000円 (中学生以下無料)
60歳以上 500円
身体障害者 無料 (介添人1名まで無料)
詳しくは下記へ。
http://www.camp-rv.com/
2009年02月04日
ビルダーブログ
キャンピングカーを造ったり売ったりしている会社には、けっこう面白いブログを書くスタッフがいます。
もともとが “趣味のクルマ” ですから、やはり好きでこの世界に入ってきた人が多いわけですね。
そうなると、ちょっと力の入った新車などを開発したときは、やはり、ありきたりの宣伝ではなく、多少なりとも思い入れの部分を強調したくなるでしょうし、苦労話の一つも入れたくなるでしょう。
だから、キャンピングカービルダーのスタッフたちが作るブログを読むと、カタログや雑誌広告には載らない車両開発に対するホンネの部分、会社の空気、お客さんたちとの交流の雰囲気まで伝わってきます。
そのようなブログの中で、特に人気が高いのは、やはり書き手の個性が鮮烈に漂ってくるブログです。
個性的な記事を書ける人というのは、自分の日常生活の1コマを採り上げただけでも、どこか楽しい読み物になっているものです。
今回は、そういう “面白いブログ” をいくつか拾って、ご紹介しましょう。(一応アイウエオ順にいくつもりです)
【アネックス】

まずは、大阪を代表するキャンピングカービルダー 「アネックス」 の田中社長のブログです。
昨年の12月にスタートしたという若いブログですが、内容がなかなか多彩。
もちろん、ビルダーの社長さんが担当するブログですから、新車の開発過程や展示場レポートなどもしっかり折り込まれています。
しかし、それ以上に、趣味のハイキングやキャンプの体験記、読書感想文など、豊富な話題が繰り広げられているところに、このブログの特徴があります。
ハイキングで山に登り、大地の上に朽ち果てていく落ち葉を見ながら、自然の見事な循環システムに感動する一方、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』 というような本にもしっかり目を通し、「利権団体の絡んだエコ推進活動」 には疑問の目を向けるなど、ブログ担当者の関心領域の広さが伝わってきます。
文章がいいですねぇ。作者の温かさと優しさがストレートに伝わってきます。
それでいて、けっこうモノを見る目がシビアだな…とちょっぴり緊張させる部分も漂っていて、読みごたえがあります。
それぞれの記事には、内容に応じた美しい画像もしっかり張られ、全体的に華やかな感じの画面構成になっています。
記事に応じた写真を撮っていくというのは、実はなかなか大変なものですが、そのへんも手を抜かずに頑張っています。力の入ったブログです。
blog → http://annex-rv.blogspot.com/
【インディアナRV】
『Indiana Blog 最新ニュース』

2006年の11月にスタートし、今年で4年目を迎えるブログです。そのため、同社のユーザーさんたちへの連絡網としても、しっかり定着している感じが伝わってきます。
記事を担当するのは営業スタッフの方が中心になっているようですが、もちろんその中には社長の降旗さんも加わり、トレーラーに関する深い造詣を生かして健筆を振るわれています。
基本的には、新車情報、イベント情報を中心とした構成ですが、スタッフたちの立ち位置が “ユーザー目線” になっているのが特徴です。
たとえば、装備類を使いこなすための “秘技” が紹介されていたり、新商品をテストしたレポートが掲載されていたりと、使っている人たちの気持ちを大事にする方針に徹しているところが頼もしく感じられます。
blog → http://blog.indiana-rv.net/
【エートゥゼット】
『АtoZ Blog』

「AtoZ」 さんの新車紹介、イベント情報を主体としたブログなのですが、エントリー記事を担当される atozburi (常務) さんの文章タッチが絶妙です。
ほのかなユーモアを讃えた “脱力系” の文体なのですが、とても味があります。
記事内容は、けっこうしっかりした自社商品の売り込みなのですが、それを匂わせないところがミソ。
ちょっと 「引いた」 感じの文章のうまさにつられ、ついつい引きずり込まれるように読んでしまいます。
このブログを担当されている方は、ご自分のことやご自分が扱う商品のことを、覚めた冷静な目で観察する力を持っていらっしゃるんでしょうね。
それでいて、やはり自分たちのつくってきたものを愛し、誇りを持っている。
そのホット&クールの加減の良さが、「文章の味」 として昇華されているようなブログです。
blog → http://plaza.rakuten.co.jp/atozblog/
【MYSミスティック】
『勝手な独り言』

ピックアップキャビンを製作・輸入・販売すると同時に、ユニークなバンコンや軽キャンパーも開発している 「MYSミスティック」 。
この 『勝手な独り言』 というブログは、同社の佐藤社長が思いのままを綴る珠玉の作品集です。
なぜ 「作品集」 などと言ったかというと、この人ほど、自分のこだわりや思い入れを熱っぽく伝える力のある人は、そう滅多にいないからです。
たとえば、今の 「エコブーム」 に対する感想を述べた 「未来予想図」 というエントリーには、こんなことが書かれています。
「エコはとても大事なことだと思います! しかし、私はスーパーカーに憧れ、アメリカの大排気量のトラックに憧れ、そういうクルマに乗りたくて、いつか乗ってやると切に思って生きてきました。
しかし (エコブーム時代を意識したクルマが多くなってくると) 、クルマに対する憧れや納車が待ち遠してワクワクするあの感覚がどんどん薄れ、クルマが夢を失ってただの移動手段になっていく…」
この感じ、実によく分かります!
エコロジーが時代の要請として尊重されなければならないこと分かっているが、熱く胸をときめかせてくれる 「クルマの夢」 まで失ってしまっていいものか?
実に正直です。勇気もあります。
こういう人ですから、佐藤さんが書かれる新車開発のレポートも、単に機能的なハード面を綴るだけでなく、そのハードに託した 「夢」 の部分が上手に表現されています。
「GT-Rは良いクルマですね」
とポツリと一言書かれる凄み。
それは、この人ならではの世界から発せられる貴重なメッセージです。
blog → http://mystic.tea-nifty.com/hitorigoto/
【カスタムプロ ホワイト】
『答は風の中』

長崎でバンコンを中心としたキャンピングカーを製作する池田さんが手掛けるエッセイ集です。
音楽にも一家言を持たれている方で、エッセイ集のタイトルである 『答は風の中 (BLOWIN' IN THE WINND)』 という言葉も、ボブ・ディランの歌から採られています。
自作のキャンピングカーに対するインフォメーションは、すべてホームページの方から流されるので、このエッセイ集は、基本的にご自分の私生活をベースにした生活雑感が中心になっています。
しかし、単なる生活レポートではありません。
どのエッセイも視点がまずユニーク。そして、時に哲学性を帯び、文学の香りも十分。すべての作品に、文明批評的な色彩が色濃く盛り込まれているところに特徴があります。
池田さんのエッセイは、弊社HP 「CAMPINGCAR SUPER GUIDE ON LINE」 にて連載されていますので、すでにご存知の方も多いでしょうね。
blog → http://campingcar-guide.com/kaze/039/
【キャンピングカーステーション】

RV BIGFOOT社の直営展示場である 「キャンピングカーステーション」 さんのブログです。
基本的に新車情報、イベント情報などが、各スタッフの持ち回りでレポートされています。
しかし、テーマはそれだけに限らず、時にスタッフたちの体験した旅行情報、グルメ情報、生活雑感なども入って多種多彩。
apple氏が展開する 「車名の由来」 シリーズは、同社の車名がどのようにして生まれたかを説き起こす読み物で、時にアカデミック、時にジャーナリスティックな筆致が冴えわたっています。
注目したいのは、サワディー福島氏の 「きまぐれアジアンロード」 。
氏が入社前に放浪していた東南アジアの情報が多いのですが、特にタイとカンボジアの国境近くを放浪していた頃の “漂流記” は読んでいて、本当にスリリング。
山奥の貧しい村々を旅しながら、昆虫を食べ、泥水 (?) を飲んで生活していたという話は、読み終わった後も、思い出すたびにショッキングな気分になりますが、けっこう読後感は爽やか。力のある書き手です。
サワディー福島さんのことは、このブログでも一度紹介したことがあります。 → 「ウルルン紀行」
blog → http://rvccs.blog.shinobi.jp/
【キャンピングワークス】
『CAMPING WORKS BLOG スタッフみんなのんびりブログ』
発電機の搭載を前提としたユニークなコンセプトのキャブコンを開発する 「キャンピングワークス」 さんのブログです。
専門性を帯びた車両開発を行うビルダーさんだけに、他社の車両を紹介する記事も 「目の付け所が違うなぁ…」 と感心することが多々あります。
それでいて、イベントに参加するときの道中記なども軽妙な筆致が冴え、なかなか味のある記事になっています。
全体的に写真が多いところに特徴があり、イベントレポートなどは、写真を眺めるだけで行った気分になります。
主なエントリー記事を書かれるのはスーさん。そして、テキサス井下田さん。
営業的な視点と、サービス・メンテナンスの視点をほどよくバランスしたお二方の関わり方が、それぞれ中身の濃い記事を展開しています。
blog → http://camping-works.jugem.jp/?eid=390
「アイウエオ順」 にご紹介しようと思いましたが、まだ 「カ行」 なんですね。
ビルダーブログには、まだまだ面白いものがたくさんあります。
残りは、いずれまた日を改めてご紹介いたしましょう。
もともとが “趣味のクルマ” ですから、やはり好きでこの世界に入ってきた人が多いわけですね。
そうなると、ちょっと力の入った新車などを開発したときは、やはり、ありきたりの宣伝ではなく、多少なりとも思い入れの部分を強調したくなるでしょうし、苦労話の一つも入れたくなるでしょう。
だから、キャンピングカービルダーのスタッフたちが作るブログを読むと、カタログや雑誌広告には載らない車両開発に対するホンネの部分、会社の空気、お客さんたちとの交流の雰囲気まで伝わってきます。
そのようなブログの中で、特に人気が高いのは、やはり書き手の個性が鮮烈に漂ってくるブログです。
個性的な記事を書ける人というのは、自分の日常生活の1コマを採り上げただけでも、どこか楽しい読み物になっているものです。
今回は、そういう “面白いブログ” をいくつか拾って、ご紹介しましょう。(一応アイウエオ順にいくつもりです)
【アネックス】
まずは、大阪を代表するキャンピングカービルダー 「アネックス」 の田中社長のブログです。
昨年の12月にスタートしたという若いブログですが、内容がなかなか多彩。
もちろん、ビルダーの社長さんが担当するブログですから、新車の開発過程や展示場レポートなどもしっかり折り込まれています。
しかし、それ以上に、趣味のハイキングやキャンプの体験記、読書感想文など、豊富な話題が繰り広げられているところに、このブログの特徴があります。
ハイキングで山に登り、大地の上に朽ち果てていく落ち葉を見ながら、自然の見事な循環システムに感動する一方、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』 というような本にもしっかり目を通し、「利権団体の絡んだエコ推進活動」 には疑問の目を向けるなど、ブログ担当者の関心領域の広さが伝わってきます。
文章がいいですねぇ。作者の温かさと優しさがストレートに伝わってきます。
それでいて、けっこうモノを見る目がシビアだな…とちょっぴり緊張させる部分も漂っていて、読みごたえがあります。
それぞれの記事には、内容に応じた美しい画像もしっかり張られ、全体的に華やかな感じの画面構成になっています。
記事に応じた写真を撮っていくというのは、実はなかなか大変なものですが、そのへんも手を抜かずに頑張っています。力の入ったブログです。
blog → http://annex-rv.blogspot.com/
【インディアナRV】
『Indiana Blog 最新ニュース』
2006年の11月にスタートし、今年で4年目を迎えるブログです。そのため、同社のユーザーさんたちへの連絡網としても、しっかり定着している感じが伝わってきます。
記事を担当するのは営業スタッフの方が中心になっているようですが、もちろんその中には社長の降旗さんも加わり、トレーラーに関する深い造詣を生かして健筆を振るわれています。
基本的には、新車情報、イベント情報を中心とした構成ですが、スタッフたちの立ち位置が “ユーザー目線” になっているのが特徴です。
たとえば、装備類を使いこなすための “秘技” が紹介されていたり、新商品をテストしたレポートが掲載されていたりと、使っている人たちの気持ちを大事にする方針に徹しているところが頼もしく感じられます。
blog → http://blog.indiana-rv.net/
【エートゥゼット】
『АtoZ Blog』
「AtoZ」 さんの新車紹介、イベント情報を主体としたブログなのですが、エントリー記事を担当される atozburi (常務) さんの文章タッチが絶妙です。
ほのかなユーモアを讃えた “脱力系” の文体なのですが、とても味があります。
記事内容は、けっこうしっかりした自社商品の売り込みなのですが、それを匂わせないところがミソ。
ちょっと 「引いた」 感じの文章のうまさにつられ、ついつい引きずり込まれるように読んでしまいます。
このブログを担当されている方は、ご自分のことやご自分が扱う商品のことを、覚めた冷静な目で観察する力を持っていらっしゃるんでしょうね。
それでいて、やはり自分たちのつくってきたものを愛し、誇りを持っている。
そのホット&クールの加減の良さが、「文章の味」 として昇華されているようなブログです。
blog → http://plaza.rakuten.co.jp/atozblog/
【MYSミスティック】
『勝手な独り言』
ピックアップキャビンを製作・輸入・販売すると同時に、ユニークなバンコンや軽キャンパーも開発している 「MYSミスティック」 。
この 『勝手な独り言』 というブログは、同社の佐藤社長が思いのままを綴る珠玉の作品集です。
なぜ 「作品集」 などと言ったかというと、この人ほど、自分のこだわりや思い入れを熱っぽく伝える力のある人は、そう滅多にいないからです。
たとえば、今の 「エコブーム」 に対する感想を述べた 「未来予想図」 というエントリーには、こんなことが書かれています。
「エコはとても大事なことだと思います! しかし、私はスーパーカーに憧れ、アメリカの大排気量のトラックに憧れ、そういうクルマに乗りたくて、いつか乗ってやると切に思って生きてきました。
しかし (エコブーム時代を意識したクルマが多くなってくると) 、クルマに対する憧れや納車が待ち遠してワクワクするあの感覚がどんどん薄れ、クルマが夢を失ってただの移動手段になっていく…」
この感じ、実によく分かります!
エコロジーが時代の要請として尊重されなければならないこと分かっているが、熱く胸をときめかせてくれる 「クルマの夢」 まで失ってしまっていいものか?
実に正直です。勇気もあります。
こういう人ですから、佐藤さんが書かれる新車開発のレポートも、単に機能的なハード面を綴るだけでなく、そのハードに託した 「夢」 の部分が上手に表現されています。
「GT-Rは良いクルマですね」
とポツリと一言書かれる凄み。
それは、この人ならではの世界から発せられる貴重なメッセージです。
blog → http://mystic.tea-nifty.com/hitorigoto/
【カスタムプロ ホワイト】
『答は風の中』
長崎でバンコンを中心としたキャンピングカーを製作する池田さんが手掛けるエッセイ集です。
音楽にも一家言を持たれている方で、エッセイ集のタイトルである 『答は風の中 (BLOWIN' IN THE WINND)』 という言葉も、ボブ・ディランの歌から採られています。
自作のキャンピングカーに対するインフォメーションは、すべてホームページの方から流されるので、このエッセイ集は、基本的にご自分の私生活をベースにした生活雑感が中心になっています。
しかし、単なる生活レポートではありません。
どのエッセイも視点がまずユニーク。そして、時に哲学性を帯び、文学の香りも十分。すべての作品に、文明批評的な色彩が色濃く盛り込まれているところに特徴があります。
池田さんのエッセイは、弊社HP 「CAMPINGCAR SUPER GUIDE ON LINE」 にて連載されていますので、すでにご存知の方も多いでしょうね。
blog → http://campingcar-guide.com/kaze/039/
【キャンピングカーステーション】
RV BIGFOOT社の直営展示場である 「キャンピングカーステーション」 さんのブログです。
基本的に新車情報、イベント情報などが、各スタッフの持ち回りでレポートされています。
しかし、テーマはそれだけに限らず、時にスタッフたちの体験した旅行情報、グルメ情報、生活雑感なども入って多種多彩。
apple氏が展開する 「車名の由来」 シリーズは、同社の車名がどのようにして生まれたかを説き起こす読み物で、時にアカデミック、時にジャーナリスティックな筆致が冴えわたっています。
注目したいのは、サワディー福島氏の 「きまぐれアジアンロード」 。
氏が入社前に放浪していた東南アジアの情報が多いのですが、特にタイとカンボジアの国境近くを放浪していた頃の “漂流記” は読んでいて、本当にスリリング。
山奥の貧しい村々を旅しながら、昆虫を食べ、泥水 (?) を飲んで生活していたという話は、読み終わった後も、思い出すたびにショッキングな気分になりますが、けっこう読後感は爽やか。力のある書き手です。
サワディー福島さんのことは、このブログでも一度紹介したことがあります。 → 「ウルルン紀行」
blog → http://rvccs.blog.shinobi.jp/
【キャンピングワークス】
『CAMPING WORKS BLOG スタッフみんなのんびりブログ』
発電機の搭載を前提としたユニークなコンセプトのキャブコンを開発する 「キャンピングワークス」 さんのブログです。
専門性を帯びた車両開発を行うビルダーさんだけに、他社の車両を紹介する記事も 「目の付け所が違うなぁ…」 と感心することが多々あります。
それでいて、イベントに参加するときの道中記なども軽妙な筆致が冴え、なかなか味のある記事になっています。
全体的に写真が多いところに特徴があり、イベントレポートなどは、写真を眺めるだけで行った気分になります。
主なエントリー記事を書かれるのはスーさん。そして、テキサス井下田さん。
営業的な視点と、サービス・メンテナンスの視点をほどよくバランスしたお二方の関わり方が、それぞれ中身の濃い記事を展開しています。
blog → http://camping-works.jugem.jp/?eid=390
「アイウエオ順」 にご紹介しようと思いましたが、まだ 「カ行」 なんですね。
ビルダーブログには、まだまだ面白いものがたくさんあります。
残りは、いずれまた日を改めてご紹介いたしましょう。
2008年12月28日
バニングの歴史
このひとつ前のブログに 「とりあえず読み残しの本でも読むか」 ってなことを書いて、きっぱりと休日を決め込んだ私でありますが、結局腰が落ち着かず、午後は会社に出て原稿書きをしてしまいました。
実は、今いくつか平行して行っている作業のひとつに、『日本のキャンピングカーの歴史』 という資料の編纂がありまして、今日はいよいよ 「バニング」 について書く段となりました。

以下、さっきまで書いていた原稿を、ここにてチョコっとご紹介。
《 国産バニングの誕生 》
キャンピングカーの歴史の中で、一見低迷期に見えるような70年代。
しかし、その水面下では着々と、国産キャンピングカーを誕生させるための気運が芽生えていた。
そのような気運には、二つの流れがあった。
その一つが、キャンピングカー好きな人間が自分で乗るために作った手作りキャンピングカー、つまりハンドメイド・キャンピングカーであることは今見てきたとおりだが、それとはもうひとつ別の流れがあったのだ。
それが 「バニング = Vanning」 である。
もともとバニングは、アメリカの若者たちが、サーフィンなどのアウトドアスポーツを楽しむための前線基地として発達してきた。その普及状況をアメリカでつぶさに見学し、日本において、日本の車両を使ってそれを実現しようとした若者たちが登場する。
バニングが日本で普及してきたのは1970年代の中頃とされるが、その1号車がどのようなものであったかは、現在調査中としかいいようがない。
しかし、黎明期のバニングの状況を知らせる貴重な文献がある。トヨタ自動車のPR誌として、当時トヨタ車の販売店から配布されていた 『モーターエイジ』 誌には、かなり初期のバニングについて触れている記事がある。
1976年 (昭和51年) の9月に発行された同誌では、「バニングって知ってる?」 というタイトルのもとに、トヨタライトエースの改造例が紹介されている。
写真を見ると、ボディカラーは濃いめのグリーン。窓埋めされたボディ側面には、木目調パネルに木の枝のイラストをあしらったペイントが施され、菱形のカスタムウィンドウがはめ込まれている。

▲ バン&トラック社のバニングリヤビュー (motor age誌より)
リヤハッチの上側には、大きな目玉のように丸窓が二つ。ルーフには開閉式のサンルーフとトラベル・スコープが装着され、室内には木目の内装材が張られ、ベッド展開できるシートと食器ケースが装着されている。
その後のバニングの展開を見ると、実に “おとなしげ” な風情だが、外装写真の下には、「道行く人々の10人のうち8人は物珍しそうに振り返っていく」 というキャプションが添えられている。

▲ バン&トラック社のバニング (motor age 誌より)
これを製作したのは 「バン&トラック」 社を設立した小椋雅夫さん。
当時27歳。
同誌には、「小椋さんはデザイン・アートを勉強するためアメリカに渡ったが、そこで栄華を極める “バン文化” に目を見張る思いを持った」 という記事があり、「なにしろアメリカにはバンの内外装の指導書だけでも20冊以上あり、カスタマイズのアイデアを競うショーが全米で年間24回もあるんですからねぇ」 という本人の談話が紹介され、「帰国後、小椋さんはさっそくライトエースを使ったカスタム・バンの試作第1号に取りかかった」 と報告されている。
これが、もしかしたら日本のバニング第1号を証言する記事になるのかもしれない。
……ってな感じで、終電まぎわまで、調子こいてしこしことパソコンに打ち込んでいたわけであります。
記事中、「黎明期のバニングの状況を知らせる貴重な文献として、トヨタ自動車のPR誌 『モーターエイジ』 がある」 なんて、シレっと他人事のように書いておりますが、それを担当していたのが、この私めでありまして、取材して当の記事を書いた人間こそ、この私であります。

▲ 『MOTOR AGE』 誌
しかし、自分が30年ぐらい前に書いた記事が参考になるとは、今日の今日まで思わなんだ。
まぁ、現在そんな作業をしているのですが、どなたか 「日本のバニング第1号」 に関する貴重な情報をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
もし、ご存知の方がおられましたら、こちらにご連絡いただければ助かります。
関連記事 「バニングとは何か」
実は、今いくつか平行して行っている作業のひとつに、『日本のキャンピングカーの歴史』 という資料の編纂がありまして、今日はいよいよ 「バニング」 について書く段となりました。
以下、さっきまで書いていた原稿を、ここにてチョコっとご紹介。
《 国産バニングの誕生 》
キャンピングカーの歴史の中で、一見低迷期に見えるような70年代。
しかし、その水面下では着々と、国産キャンピングカーを誕生させるための気運が芽生えていた。
そのような気運には、二つの流れがあった。
その一つが、キャンピングカー好きな人間が自分で乗るために作った手作りキャンピングカー、つまりハンドメイド・キャンピングカーであることは今見てきたとおりだが、それとはもうひとつ別の流れがあったのだ。
それが 「バニング = Vanning」 である。
もともとバニングは、アメリカの若者たちが、サーフィンなどのアウトドアスポーツを楽しむための前線基地として発達してきた。その普及状況をアメリカでつぶさに見学し、日本において、日本の車両を使ってそれを実現しようとした若者たちが登場する。
バニングが日本で普及してきたのは1970年代の中頃とされるが、その1号車がどのようなものであったかは、現在調査中としかいいようがない。
しかし、黎明期のバニングの状況を知らせる貴重な文献がある。トヨタ自動車のPR誌として、当時トヨタ車の販売店から配布されていた 『モーターエイジ』 誌には、かなり初期のバニングについて触れている記事がある。
1976年 (昭和51年) の9月に発行された同誌では、「バニングって知ってる?」 というタイトルのもとに、トヨタライトエースの改造例が紹介されている。
写真を見ると、ボディカラーは濃いめのグリーン。窓埋めされたボディ側面には、木目調パネルに木の枝のイラストをあしらったペイントが施され、菱形のカスタムウィンドウがはめ込まれている。
▲ バン&トラック社のバニングリヤビュー (motor age誌より)
リヤハッチの上側には、大きな目玉のように丸窓が二つ。ルーフには開閉式のサンルーフとトラベル・スコープが装着され、室内には木目の内装材が張られ、ベッド展開できるシートと食器ケースが装着されている。
その後のバニングの展開を見ると、実に “おとなしげ” な風情だが、外装写真の下には、「道行く人々の10人のうち8人は物珍しそうに振り返っていく」 というキャプションが添えられている。
▲ バン&トラック社のバニング (motor age 誌より)
これを製作したのは 「バン&トラック」 社を設立した小椋雅夫さん。
当時27歳。
同誌には、「小椋さんはデザイン・アートを勉強するためアメリカに渡ったが、そこで栄華を極める “バン文化” に目を見張る思いを持った」 という記事があり、「なにしろアメリカにはバンの内外装の指導書だけでも20冊以上あり、カスタマイズのアイデアを競うショーが全米で年間24回もあるんですからねぇ」 という本人の談話が紹介され、「帰国後、小椋さんはさっそくライトエースを使ったカスタム・バンの試作第1号に取りかかった」 と報告されている。
これが、もしかしたら日本のバニング第1号を証言する記事になるのかもしれない。
……ってな感じで、終電まぎわまで、調子こいてしこしことパソコンに打ち込んでいたわけであります。
記事中、「黎明期のバニングの状況を知らせる貴重な文献として、トヨタ自動車のPR誌 『モーターエイジ』 がある」 なんて、シレっと他人事のように書いておりますが、それを担当していたのが、この私めでありまして、取材して当の記事を書いた人間こそ、この私であります。
▲ 『MOTOR AGE』 誌
しかし、自分が30年ぐらい前に書いた記事が参考になるとは、今日の今日まで思わなんだ。
まぁ、現在そんな作業をしているのですが、どなたか 「日本のバニング第1号」 に関する貴重な情報をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
もし、ご存知の方がおられましたら、こちらにご連絡いただければ助かります。
関連記事 「バニングとは何か」
2008年12月10日
リンエイの車造り
バンコンのトップメーカーとして揺るぎない地位を確保している 「リンエイプロダクト」 。
だけど、「バンコン」 という言葉が、この会社の造るクルマにふさわしいのかどうか、ちょっと戸惑うことがある。
漠然と 「キャンピングカー」 という言葉を使ったとしても、リンエイというビルダーの開発するクルマそのものを十分に表現しきれていない。

正直に書くけれど、私が年に1回発行している 『キャンピングカーsuperガイド』 という本で、いちばん記事を書くのに苦労しているのが、このリンエイさんのページなのだ。

普通だったら、「ベース車が何で、レイアウトはこうで、内装材がこうだから軽量化が図られて…」 ってな感じで、法則どおり書けば、いちおう1台紹介できてしまう。
しかし、リンエイさんのページ構成はそうならない。
「××シリーズのフロアプランの基本形はこうだが、○○というクルマは△△になっていて、□□の場合は◇◇で…」
ベース車、レイアウト、装備、内装材が複雑に交差する無限のバリエーションが用意されていて、ひとつの車種に絞り込んだ解説ができないのだ。
だから、このビルダーさんのページだけは、例外的にフロアプラン図が七つも八つも載ることになり、「全長・全幅・全高」 を明示する欄には 「車種によって異なる」 という言葉が入り、画像スペースには、すべて異なる車種が1コマずつ掲載されることになる。
いったいリンエイプロダクトとは、どういう開発思想を持ったビルダーさんなのだろう。
11月初旬に東京のお台場ショー会場で、
「ちょっと、ちょっと」
と、私を呼び止めた田辺二郎社長が見せてくれたのは、新型バカンチェスに取り付けられたリヤゲート用 「イージー・ドアクローザー」 (op.) だった。
リヤゲートのイージー・ドアクローザーというのは、ハイエースの場合GLやスーパーGLにも設定がない。
田辺社長が自慢したがるのも十分うなづける。
この機構を開発する前に、同社はすでに、本来なら標準設定のないハイエースDX用として、スライドドアのイージークローザーを開発している。このリヤゲート用のものは、その “進化系” モデルともいえるものだ。

で、田辺さんがリヤゲートに手を触れる。
すると、途中までバシャっと下りていたドアが、閉まる寸前にスローモーション画像のように速度を落とし、一呼吸おいて…カシャリ…と吸い込まれるようなタッチで閉じていく。
救急車やウェルキャブだけに採用されている機構なのだが、リンエイはその純正部品を使って、自社開発したのだという。
こういうことを、あっけらかんとやってしまうビルダーなのである。
この会社の造り出すバンコンを、単なる 「バンコン」 と言い切ることへの戸惑いを、少しは伝えることができただろうか。

▲ 田辺社長
田辺社長はいう。
「ビルダーなんだから、車内をよく作っていくというのは当たり前。
でも、うちは、ベース車そのものも豊かにしていくという発想を常に持っているんですよ。
お客様にとっては、クルマ全体がひとつの道具なのだから、乗り心地の追求や走行安定性の確保から始まり、室内の温度コントロール、乗降性の向上、収納機能の充実……もう、ありとあらゆるものに対して気を配っている」
そう言いながら、田辺さんが、次に見せてくれたのは、セカンドシート裏に設置されたヒーターコック。
お尻の下に熱が溜まるのを防ぐため、リヤヒーターの温水量を調節できるコックを設けて、室内温度をコントロールできるようにした装備だ。

▲ リヤヒーターコック。向こう側の赤いコック
このような手の込んだ機構も、リンエイでは、ルーフやサイドパネルと内張りの間に発泡ウレタンを貼り付けた断熱処理加工と同じく標準装備にしている。
そのほか、センターウォークスルーボード、アシストグリップ、つかまりん棒、ヘッドレストホルダー、リヤヒーターの移設などなど…。
リンエイのバンコンには、使い勝手を向上させるための緻密なアイデアがすべて具現化されて、そのほとんどが標準装備になっている。
この標準装備された機器類や装着可能なオプション類の組み合わせを、他社のバンコンの中に探し出すことは難しい。
リンエイのクルマは、単なるハイエースをベースにしたキャンピングカーという域にとどまってはいないからだ。
もちろん、メーカーの開発したワゴンともまったく異なっている。
そのような、あらかじめ設計図が描かれているような世界から、このクルマは生まれていない。
しいていえば、自分の意志をもって、自分で進化を遂げていく 「生物」 のようなクルマなのだ。
その進化は、時に、あるオーナーの気まぐれなレイアウト変更の相談から始まる。
あるいは、車中泊を楽しむ田辺社長の酒に酔ったひらめきから生まれる。
リンエイで開発される数々の便利グッズというのは、すべて誰かの実践過程の中から、現場の感覚に鍛えられて生まれてくる。
そのなかには、若いときからキャンピングカーを造り続けてきた田辺氏の年齢の変化を反映したアイデアも次々と加えられていく。
たとえば、車内への乗降性を向上させるアシストグリップのたぐい。

▲ アシストグリップ (左) とつかまりん棒。
これなど、車内と車外をジャンプしながら行き来していた若い頃の田辺さんだったら、着目していなかった装備類だろう。
以下、リンエイ便利グッズの数々を画像でご紹介。

▲ ヘッドレストホルダー。ベッドメイクのときに抜いたヘッドレストも、こうして収納する場所があるととても楽 (標準装備)。

▲ すでに、おなじみのスライドドア用 「電動ステップ」 (op.)。

▲ 旅行中に発生したゴミを取りまとめて収納する 「ゴミ楽(ごみらっく)」 (op.)。

▲ 「リンエイ」 のロゴ入りグラス・食器セット (限定op.) 。こういったアイテムを揃えているのが同社の凝ったところ。「リンエイ」というブランドが、単なるクルマのネーミングを離れて、ライフスタイルを意味するまでに広がっていることが伝わってくる。
このようなアイテム以外にも、走行性能を向上させるオプション類としては、ソフトライドサス、リヤスタビがあり、快適な車内環境を維持するための装備としては、リヤクォーターウィンドウ、電動サイドオーニング……等々。
いやぁ、もう書ききれない。
欲しいと思えるモノは、なんでも取り出せるドラエモン的なクルマ。
それを、同社の梶原朗達部長は、
「1台3役のクルマ」
という。

▲ 梶原朗達さん
「1台のクルマを買うと、使用目的に応じてワゴン、カーゴ、キャンピングカーに早変わりするのがうちのクルマなんです」
と梶原さんは言う。
機能的な分類法に従って言い直せば、「乗れる」 「積める」 「寝られる」 。
この機能は全車に共通して備わっているものだが、ユーザーの家族構成を軸に分類し直すと、鮮やかなキャラクター分けがなされていることも分かる。
ファミリーユースに適したキャラクターを持つものは、「ベーシックシリーズ」 。
子育てが終わったシニア夫婦に適したものは、「ふたりのくるま旅」 。
さらに、そのシニア夫婦が、お孫さんを伴った旅を楽しむ場合は「エクセレントシリーズ」 。
複雑多岐に渡るような商品構成も、このような用途別に分類してみると、分かりやすくセグメントされている様子が見えてくる。
とにかく使う人間が、使う立場に立ったときに初めて合点がいくのが、リンエイという会社のクルマなのだ。
リンエイ商品をレポートするときは、記者もまた自分が買うことを想定しながら細部を見ていかないと、見逃してしまうところがたくさんある。
しかし、そういうクルマだからこそ、同社のバンコンは、いろいろなバンコンを研究した顧客が最後にたどり着くクルマという評判を得ているのかもしれない。
だけど、「バンコン」 という言葉が、この会社の造るクルマにふさわしいのかどうか、ちょっと戸惑うことがある。
漠然と 「キャンピングカー」 という言葉を使ったとしても、リンエイというビルダーの開発するクルマそのものを十分に表現しきれていない。
正直に書くけれど、私が年に1回発行している 『キャンピングカーsuperガイド』 という本で、いちばん記事を書くのに苦労しているのが、このリンエイさんのページなのだ。
普通だったら、「ベース車が何で、レイアウトはこうで、内装材がこうだから軽量化が図られて…」 ってな感じで、法則どおり書けば、いちおう1台紹介できてしまう。
しかし、リンエイさんのページ構成はそうならない。
「××シリーズのフロアプランの基本形はこうだが、○○というクルマは△△になっていて、□□の場合は◇◇で…」
ベース車、レイアウト、装備、内装材が複雑に交差する無限のバリエーションが用意されていて、ひとつの車種に絞り込んだ解説ができないのだ。
だから、このビルダーさんのページだけは、例外的にフロアプラン図が七つも八つも載ることになり、「全長・全幅・全高」 を明示する欄には 「車種によって異なる」 という言葉が入り、画像スペースには、すべて異なる車種が1コマずつ掲載されることになる。
いったいリンエイプロダクトとは、どういう開発思想を持ったビルダーさんなのだろう。
11月初旬に東京のお台場ショー会場で、
「ちょっと、ちょっと」
と、私を呼び止めた田辺二郎社長が見せてくれたのは、新型バカンチェスに取り付けられたリヤゲート用 「イージー・ドアクローザー」 (op.) だった。
リヤゲートのイージー・ドアクローザーというのは、ハイエースの場合GLやスーパーGLにも設定がない。
田辺社長が自慢したがるのも十分うなづける。
この機構を開発する前に、同社はすでに、本来なら標準設定のないハイエースDX用として、スライドドアのイージークローザーを開発している。このリヤゲート用のものは、その “進化系” モデルともいえるものだ。
で、田辺さんがリヤゲートに手を触れる。
すると、途中までバシャっと下りていたドアが、閉まる寸前にスローモーション画像のように速度を落とし、一呼吸おいて…カシャリ…と吸い込まれるようなタッチで閉じていく。
救急車やウェルキャブだけに採用されている機構なのだが、リンエイはその純正部品を使って、自社開発したのだという。
こういうことを、あっけらかんとやってしまうビルダーなのである。
この会社の造り出すバンコンを、単なる 「バンコン」 と言い切ることへの戸惑いを、少しは伝えることができただろうか。
▲ 田辺社長
田辺社長はいう。
「ビルダーなんだから、車内をよく作っていくというのは当たり前。
でも、うちは、ベース車そのものも豊かにしていくという発想を常に持っているんですよ。
お客様にとっては、クルマ全体がひとつの道具なのだから、乗り心地の追求や走行安定性の確保から始まり、室内の温度コントロール、乗降性の向上、収納機能の充実……もう、ありとあらゆるものに対して気を配っている」
そう言いながら、田辺さんが、次に見せてくれたのは、セカンドシート裏に設置されたヒーターコック。
お尻の下に熱が溜まるのを防ぐため、リヤヒーターの温水量を調節できるコックを設けて、室内温度をコントロールできるようにした装備だ。
▲ リヤヒーターコック。向こう側の赤いコック
このような手の込んだ機構も、リンエイでは、ルーフやサイドパネルと内張りの間に発泡ウレタンを貼り付けた断熱処理加工と同じく標準装備にしている。
そのほか、センターウォークスルーボード、アシストグリップ、つかまりん棒、ヘッドレストホルダー、リヤヒーターの移設などなど…。
リンエイのバンコンには、使い勝手を向上させるための緻密なアイデアがすべて具現化されて、そのほとんどが標準装備になっている。
この標準装備された機器類や装着可能なオプション類の組み合わせを、他社のバンコンの中に探し出すことは難しい。
リンエイのクルマは、単なるハイエースをベースにしたキャンピングカーという域にとどまってはいないからだ。
もちろん、メーカーの開発したワゴンともまったく異なっている。
そのような、あらかじめ設計図が描かれているような世界から、このクルマは生まれていない。
しいていえば、自分の意志をもって、自分で進化を遂げていく 「生物」 のようなクルマなのだ。
その進化は、時に、あるオーナーの気まぐれなレイアウト変更の相談から始まる。
あるいは、車中泊を楽しむ田辺社長の酒に酔ったひらめきから生まれる。
リンエイで開発される数々の便利グッズというのは、すべて誰かの実践過程の中から、現場の感覚に鍛えられて生まれてくる。
そのなかには、若いときからキャンピングカーを造り続けてきた田辺氏の年齢の変化を反映したアイデアも次々と加えられていく。
たとえば、車内への乗降性を向上させるアシストグリップのたぐい。
▲ アシストグリップ (左) とつかまりん棒。
これなど、車内と車外をジャンプしながら行き来していた若い頃の田辺さんだったら、着目していなかった装備類だろう。
以下、リンエイ便利グッズの数々を画像でご紹介。
▲ ヘッドレストホルダー。ベッドメイクのときに抜いたヘッドレストも、こうして収納する場所があるととても楽 (標準装備)。
▲ すでに、おなじみのスライドドア用 「電動ステップ」 (op.)。
▲ 旅行中に発生したゴミを取りまとめて収納する 「ゴミ楽(ごみらっく)」 (op.)。
▲ 「リンエイ」 のロゴ入りグラス・食器セット (限定op.) 。こういったアイテムを揃えているのが同社の凝ったところ。「リンエイ」というブランドが、単なるクルマのネーミングを離れて、ライフスタイルを意味するまでに広がっていることが伝わってくる。
このようなアイテム以外にも、走行性能を向上させるオプション類としては、ソフトライドサス、リヤスタビがあり、快適な車内環境を維持するための装備としては、リヤクォーターウィンドウ、電動サイドオーニング……等々。
いやぁ、もう書ききれない。
欲しいと思えるモノは、なんでも取り出せるドラエモン的なクルマ。
それを、同社の梶原朗達部長は、
「1台3役のクルマ」
という。
▲ 梶原朗達さん
「1台のクルマを買うと、使用目的に応じてワゴン、カーゴ、キャンピングカーに早変わりするのがうちのクルマなんです」
と梶原さんは言う。
機能的な分類法に従って言い直せば、「乗れる」 「積める」 「寝られる」 。
この機能は全車に共通して備わっているものだが、ユーザーの家族構成を軸に分類し直すと、鮮やかなキャラクター分けがなされていることも分かる。
ファミリーユースに適したキャラクターを持つものは、「ベーシックシリーズ」 。
子育てが終わったシニア夫婦に適したものは、「ふたりのくるま旅」 。
さらに、そのシニア夫婦が、お孫さんを伴った旅を楽しむ場合は「エクセレントシリーズ」 。
複雑多岐に渡るような商品構成も、このような用途別に分類してみると、分かりやすくセグメントされている様子が見えてくる。
とにかく使う人間が、使う立場に立ったときに初めて合点がいくのが、リンエイという会社のクルマなのだ。
リンエイ商品をレポートするときは、記者もまた自分が買うことを想定しながら細部を見ていかないと、見逃してしまうところがたくさんある。
しかし、そういうクルマだからこそ、同社のバンコンは、いろいろなバンコンを研究した顧客が最後にたどり着くクルマという評判を得ているのかもしれない。
2008年11月29日
タコスのテント
キャンピングカーを使ったアウトドアライフを実践する男。
それがTACOS (タコス) の田代民雄さんのひとつのイメージとなっている。

▲ TACOS田代氏
いつも日焼けした肌を風にさらし、語る話題も、若い頃から野山を駆けめぐった武勇伝ばかり。
バイクで林道を走り、秘湯の温泉を探して、夜は草原にあぐらをかいて月見酒。
川原の向こうに消えゆく流れ星を見つめながら、時にブルースハープを吹く。
若い頃から、そんな人生を楽しんできた田代さん。
アメリカン・ロードムービーの主人公が務まりそうな人だ。
田代さんがかつて開発してきたオリジナルキャブコン 「タコス仕様」 は、そういう彼のライフスタイルを忠実に反映したアイデアがさんざん盛り込まれ、アウトドア派のユーザーから絶大な支持を受けた。
バイクやら遊びのギアをふんだんに積める広い開口部を持った大きなバゲッジルーム。
増設された水タンク。
リザーブ可能なスペースをいっぱい設けたLPガスボンベ収納庫。

▲ タコス仕様のキング5.7 リヤトランクを設けたところに注目
タコスのオリジナルキャブコンというのは、そういうアウトドアユースを想定においた仕様を突き詰めたものだった。
そのアウトドア文化のアイデアマンである田代さんが開発したオリジナルテントルームが、この 「MiMie ミミーテント」 。

▲ キャブコン用
既成の商品も出回っているが、それらの先行商品と比べると、軽い、設営が簡単、安いという特徴がある。
キャブコン用とバンコン用の2種類が開発されているが、どのような車種にも適合できるように、高さ調整機能がついている。
つまり、オーニング高に合わせて織りシロが設けられており、オーニングのアームにくるりと巻いて、マジックテープで止められるようになっている。

▲ テント内は広々
こうやって、オーニング下をテントで囲めば、キャンピングカーの外にまたひとつ “小部屋” が誕生。家族や親しい仲間が集うパーティルームとして最適だ。

▲ バンコン用
もちろんこのテント、フィアマにもオムニスターにも装着可能。
脚立さえあれば、一人でも設営ができるし、畳んだときの重さも6.2kgなので、持ち運びも楽。

▲ 窓が開いていて便利 ▲ 折りたたむとコンパクト
テント地にはUVカットが施されているために、日除け効果も抜群。
モスキートネットを張った小窓が設けられているために、夏は虫の進入をシャットアウトしながら、テント内を吹き抜ける涼しい風を堪能できる。
ボディとタイヤの隙間から進入する冷気も防風シートで遮断できるので、冬も威力を発揮。
テント地は防水加工されているため、雨が降ってきても大丈夫。
山奥のキャンプ場などでは、夜は野生動物がテーブルの上の食べ残しの食料を狙ってくるが、このようにテントでテーブルを囲んでしまえば、食器を外に残したままクルマの中で寝てしまっても安心。
お値段は、税込みで60,900円 (送料別) 。
ただし、テントを支える “つっぱり棒” は別売。
問い合わせは下記に。
TACOS展示場 東京都立川市武蔵村山三ツ木2-38-9
電話 042-560-2265
TACOSガレージ 東京都立川市西砂町3-29-6
電話 042-531-0108
http://www.tacos.co.jp
それがTACOS (タコス) の田代民雄さんのひとつのイメージとなっている。
▲ TACOS田代氏
いつも日焼けした肌を風にさらし、語る話題も、若い頃から野山を駆けめぐった武勇伝ばかり。
バイクで林道を走り、秘湯の温泉を探して、夜は草原にあぐらをかいて月見酒。
川原の向こうに消えゆく流れ星を見つめながら、時にブルースハープを吹く。
若い頃から、そんな人生を楽しんできた田代さん。
アメリカン・ロードムービーの主人公が務まりそうな人だ。
田代さんがかつて開発してきたオリジナルキャブコン 「タコス仕様」 は、そういう彼のライフスタイルを忠実に反映したアイデアがさんざん盛り込まれ、アウトドア派のユーザーから絶大な支持を受けた。
バイクやら遊びのギアをふんだんに積める広い開口部を持った大きなバゲッジルーム。
増設された水タンク。
リザーブ可能なスペースをいっぱい設けたLPガスボンベ収納庫。
▲ タコス仕様のキング5.7 リヤトランクを設けたところに注目
タコスのオリジナルキャブコンというのは、そういうアウトドアユースを想定においた仕様を突き詰めたものだった。
そのアウトドア文化のアイデアマンである田代さんが開発したオリジナルテントルームが、この 「MiMie ミミーテント」 。
▲ キャブコン用
既成の商品も出回っているが、それらの先行商品と比べると、軽い、設営が簡単、安いという特徴がある。
キャブコン用とバンコン用の2種類が開発されているが、どのような車種にも適合できるように、高さ調整機能がついている。
つまり、オーニング高に合わせて織りシロが設けられており、オーニングのアームにくるりと巻いて、マジックテープで止められるようになっている。
▲ テント内は広々
こうやって、オーニング下をテントで囲めば、キャンピングカーの外にまたひとつ “小部屋” が誕生。家族や親しい仲間が集うパーティルームとして最適だ。
▲ バンコン用
もちろんこのテント、フィアマにもオムニスターにも装着可能。
脚立さえあれば、一人でも設営ができるし、畳んだときの重さも6.2kgなので、持ち運びも楽。
▲ 窓が開いていて便利 ▲ 折りたたむとコンパクト
テント地にはUVカットが施されているために、日除け効果も抜群。
モスキートネットを張った小窓が設けられているために、夏は虫の進入をシャットアウトしながら、テント内を吹き抜ける涼しい風を堪能できる。
ボディとタイヤの隙間から進入する冷気も防風シートで遮断できるので、冬も威力を発揮。
テント地は防水加工されているため、雨が降ってきても大丈夫。
山奥のキャンプ場などでは、夜は野生動物がテーブルの上の食べ残しの食料を狙ってくるが、このようにテントでテーブルを囲んでしまえば、食器を外に残したままクルマの中で寝てしまっても安心。
お値段は、税込みで60,900円 (送料別) 。
ただし、テントを支える “つっぱり棒” は別売。
問い合わせは下記に。
TACOS展示場 東京都立川市武蔵村山三ツ木2-38-9
電話 042-560-2265
TACOSガレージ 東京都立川市西砂町3-29-6
電話 042-531-0108
http://www.tacos.co.jp
2008年11月24日
キャリオン
キャンピングカーショーに出展してくるビルダーさんで、いつも気になるバンコンをリリースしてくる会社がある。
京都の 「アルフレックス」 さんだ。

この会社の造るクルマは、純然たるキャンピングカーとはいえない部分がある。
写真でみるように、大胆なローダウン。
目立つアルミホイール。
凝った意匠のエアロパーツ。
どちらかというと、カスタムカーの流れを組んでいる。
しかし、まったくのカスタムカーなのか?
…というと、これまた微妙で、そこに収まりきらない造りになっている。
たとえば、ファミリーユースを意識した子ども用2段ベッド。
収納性を意識したリヤラゲージスペース。
アウトドアユースを意識した、清掃が楽なクッションフロア構造。
…等々。
キャンピングカーとしてのツボも外していないのだ。
この微妙なスタンスが、妙に心にひっかかる。
どういうユーザーを想定した、どういうコンセプトのクルマなのだろう。
11月初旬にデビューした 「CARRION キャリオン」 という新車を見ながら、開発にあたった同社の竹山嘉伸 (たけやま・よしのぶ) 社長に話を聞いてみた。

「うちの下取りのクルマを見てみると、アルファード、エスティマ、マツダのMPV、オデッセイ、ステップワゴン…そういうミニバン系のクルマが圧倒的に多いんですよ。
それも少し手の入ったクルマ。
たとえば、アルファードでも純正のエアロが付いているタイプとか、オデッセイやステップワゴンにしても、小さなエアロが付いているとか…」
ノーマルなミニバンよりも、ちょっとだけドレスアップしたクルマに乗る人たちが、アルフレックスの開発するバンコンのファンだという。
しかし、そのドレスアップが
「ちょっとだけ…」
というところがミソだ。
一般的にカスタムカーは、見た目の華麗さ、ゴージャスさを重視する傾向にあるが、そこを “抑える” ところに、同社のポリシーがあるらしい。
竹山社長はいう。
「僕らのつくるクルマはスニーカーなんですよ。お洒落な革靴でもなければ、実用本位のスパイクでもない。
スポーティーではあるけれど、ストリート系のファッションにも合うというところが狙いどころで、ラグジュアリーとは一線を画するものとして考えているんです」
つまり、見た目を重視するカスタムカーでもなければ、「道具」 として割り切れるキャンピングカーとも違うという。
その微妙なスタンスを保つことに、同社はもっとも神経を注いでるようなのだ。
「キャリオン」 が、まさにその代表的なクルマだそうだ。
「位置づけでいうと、好評をいただいたフレックスランドナーという機種のファミリー版であり、その普及版なんですよ。
ランドナーは2人用として割りきったクルマでしたけれど、これは小さなお子様が寝られるように、リヤに “チャイルドスリーパー” という折り畳み式の2段ベッドを設定しています」

…とはいっても、家族旅行で遠出をするようなクルマにはしていない。
普段の街乗りを優先して、ベース車はハイエースのロングバンナローボディを使って取り回しを重視。
これ1台で、通勤、買い物、ピクニック、子どもの幼稚園への送迎、1泊程度のキャンプなどをオールラウンドにこなすようにまとめられている。
だから、内装もシンプル。
普通のバンコンが装備するようなオーバーヘッドコンソールや、扉で仕切った収納庫などはあっさりと省かれている。
代わりに、このクルマでは 「バッグユーティリティ」 なるスペースが設けられた。
飛行機などには、足元にカバンを置けるスペースが確保されているが、それと同じ感覚で、セカンドシートに座ったときに足元の右側にバッグを放り込む場所が設定されているのだ。

「要は、ただの “空間” なんですけど、夜中でも荷物の中を調べられるように、フットライトを兼ねた照明を2灯埋め込んでみました」
そういう微細な部分の積み重ねが、このクルマの使い勝手を高める秘密となっているようだ。
メインベッドを展開するときも、独特の仕掛けがある。
「いちいちベッドの支えとなるポールを取り出して、それをシートの間に挟み込むというのは面倒ですから、支えはセカンドシート下に埋め込んだ台座をスライドさせればいいという構造を採り入れました。
その上にサブマットを載せてサードシートと繋げれば、それだけで、全長2mというマスターベッドができあがります」

話を聞いていると、普通のミニバンやワンボックスカーを使って車中泊を楽しむ人たちには、もってこいのクルマに思えてきた。
しかし、そういうニーズを持つ 「車中泊派」 は、このクルマでは少数派だという。
車中泊に欠かせないFFヒーターなどを欲しがる人たちは、全体の2割。
多くの人は、オプション設定されているサブバッテリーすら装着しない。
「結局キャンプよりはピクニックというお客様なんでしょうね。
メインはシティユース。
ただ “保険” の意味で、いざとなったら寝られるキャパシティも確保しておきたい…。そういう独特のファン層に支えられたクルマだと思います」

こういうクルマのライバルメーカーは、どこなのだろう。
意外なビルダーさんの名前が挙がった。
「よく当たるのはアム・クラフトさんなんですよ」
「えっ! あっちはしっかりしたキャンピングカーコンセプトのバンコンがメインじゃないか」
「そうなんですけど、クルマを開発するときの考え方が僕らとよく似ているんですね。
ひと言でいうと、自社ブランドに対する “こだわり” がすごい。
アムさんという会社は、オリジナリティを高める意欲をものすごく持っているビルダーさんなんですよ」
たとえば、シートひとつとっても、そこに自社ロゴをデザインしたタグを入れる。
フロアマットにしても、家具にしても、必ずオリジナル性を訴えるデザインを施す。
細かいことだが、シートバックの裏にネットを張って、小物を挟み込めるようにする。
日常的にはユーザーが目にすることのないテーブルの裏側にもクロスを施す。
「そのようなトータルコーディネートにこだわるアムさんの姿勢に、うちと共通したものがあるように思えるのです。
つまり同類の匂いを嗅ぐんです。
…そんなことを言ったら、アムさんには迷惑なのかもしれないですけれど (笑) 。
要は、同じ車種を継続しながらも、常に手を加えていって、絶えず進化させていく。
そういう形でブランドを育てていくというアムさんの姿勢に、僕はものすごく共感します」
他社のクルマへの言及でありながら、そこで語られる言葉は、まさに竹山さんのクルマ造りの哲学そのものである。
さらに面白い話も聞いた。
ユーザーは、自分の選んだクルマに自信を持ちたがっているというのだ。
そのためには、分かる人には “すぐピンと来る” 差別化ポイントを上手に盛り込むことが大事だという。
そのひとつの例が、アルミホイール。
さりげなく履いているホイールが、ベンツ、BMW、ベントレーなどのアフターパーツで人気を得ているWald (バルド) 製。
それをアルフレックス・オリジナルとして、わざわざハイエース用に開発したもらったものを装着している。

このホイールといい、ホワイトレザーで統一されたインテリアといい、ストリート系ファッションにも通じる同車のアーバンデザインは、何を参考にして生まれてくるのか。
「それは秘密…」 と笑いながら、竹山さんはこう語る。
「デザインするときの参考として見るのはアパレルなんですわ。服飾とか靴とか…。
結局、人の生活にいちばん密着したデザインが試されるのはアパレルの世界ですよね。
そのデザインがカッコいいかカッコ悪いかというのは、使う人間との関わりで生まれるものだから、キャンピングカーのインテリアだって、人が関与した状態で眺める視点がないとダメだと思うんです」
竹山さんは、普通のキャンピングカーデザイナーが勉強するために通う住宅展示場や家具屋には行かないという。
「それだったら、むしろホテル。それも室内ではなく、ロビーなどの雰囲気。
海外のリゾートホテルなどは、キャンピングカーのインテリアを勉強するときの宝庫ですね」

アルフレックスのバンコンは、そのような繊細な観察によって、周到に造られている…と、竹山氏は言いたいようなのだ。
だから、一見派手さを強調白いレザーシートも、実はイベント用。
「シート地も、このキャリオンに関しては、白、黒、ライトグレー、サンドベージュの4色を用意しています。
白は室内も広く見せますし、うちのイメージカラーのように思われているので、展示車としてはこれ一本で押していきますが、購入されるお客様はいろいろと自分の好みのシート柄を選ばれています」
ショーではインパクトの強いディスプレイに徹しながら、実際には、きめ細やかな選択肢を用意しているのが同社の特徴。
“やんちゃ” に見える思い切ったローダウン仕様も、これまたイベント用なのである。
お客さんに納車するクルマはそこまで下げない。
そのへんが、このビルダーさんの、ある意味でしたたかなところだ。
カスタムカーからキャンピングカーへという移行を遂げたビルダーさんが多い中で、この会社は、そのどちらでもない未知の航路に向かって、そぉっと漕ぎ出している感じがする。
京都の 「アルフレックス」 さんだ。
この会社の造るクルマは、純然たるキャンピングカーとはいえない部分がある。
写真でみるように、大胆なローダウン。
目立つアルミホイール。
凝った意匠のエアロパーツ。
どちらかというと、カスタムカーの流れを組んでいる。
しかし、まったくのカスタムカーなのか?
…というと、これまた微妙で、そこに収まりきらない造りになっている。
たとえば、ファミリーユースを意識した子ども用2段ベッド。
収納性を意識したリヤラゲージスペース。
アウトドアユースを意識した、清掃が楽なクッションフロア構造。
…等々。
キャンピングカーとしてのツボも外していないのだ。
この微妙なスタンスが、妙に心にひっかかる。
どういうユーザーを想定した、どういうコンセプトのクルマなのだろう。
11月初旬にデビューした 「CARRION キャリオン」 という新車を見ながら、開発にあたった同社の竹山嘉伸 (たけやま・よしのぶ) 社長に話を聞いてみた。
「うちの下取りのクルマを見てみると、アルファード、エスティマ、マツダのMPV、オデッセイ、ステップワゴン…そういうミニバン系のクルマが圧倒的に多いんですよ。
それも少し手の入ったクルマ。
たとえば、アルファードでも純正のエアロが付いているタイプとか、オデッセイやステップワゴンにしても、小さなエアロが付いているとか…」
ノーマルなミニバンよりも、ちょっとだけドレスアップしたクルマに乗る人たちが、アルフレックスの開発するバンコンのファンだという。
しかし、そのドレスアップが
「ちょっとだけ…」
というところがミソだ。
一般的にカスタムカーは、見た目の華麗さ、ゴージャスさを重視する傾向にあるが、そこを “抑える” ところに、同社のポリシーがあるらしい。
竹山社長はいう。
「僕らのつくるクルマはスニーカーなんですよ。お洒落な革靴でもなければ、実用本位のスパイクでもない。
スポーティーではあるけれど、ストリート系のファッションにも合うというところが狙いどころで、ラグジュアリーとは一線を画するものとして考えているんです」
つまり、見た目を重視するカスタムカーでもなければ、「道具」 として割り切れるキャンピングカーとも違うという。
その微妙なスタンスを保つことに、同社はもっとも神経を注いでるようなのだ。
「キャリオン」 が、まさにその代表的なクルマだそうだ。
「位置づけでいうと、好評をいただいたフレックスランドナーという機種のファミリー版であり、その普及版なんですよ。
ランドナーは2人用として割りきったクルマでしたけれど、これは小さなお子様が寝られるように、リヤに “チャイルドスリーパー” という折り畳み式の2段ベッドを設定しています」
…とはいっても、家族旅行で遠出をするようなクルマにはしていない。
普段の街乗りを優先して、ベース車はハイエースのロングバンナローボディを使って取り回しを重視。
これ1台で、通勤、買い物、ピクニック、子どもの幼稚園への送迎、1泊程度のキャンプなどをオールラウンドにこなすようにまとめられている。
だから、内装もシンプル。
普通のバンコンが装備するようなオーバーヘッドコンソールや、扉で仕切った収納庫などはあっさりと省かれている。
代わりに、このクルマでは 「バッグユーティリティ」 なるスペースが設けられた。
飛行機などには、足元にカバンを置けるスペースが確保されているが、それと同じ感覚で、セカンドシートに座ったときに足元の右側にバッグを放り込む場所が設定されているのだ。
「要は、ただの “空間” なんですけど、夜中でも荷物の中を調べられるように、フットライトを兼ねた照明を2灯埋め込んでみました」
そういう微細な部分の積み重ねが、このクルマの使い勝手を高める秘密となっているようだ。
メインベッドを展開するときも、独特の仕掛けがある。
「いちいちベッドの支えとなるポールを取り出して、それをシートの間に挟み込むというのは面倒ですから、支えはセカンドシート下に埋め込んだ台座をスライドさせればいいという構造を採り入れました。
その上にサブマットを載せてサードシートと繋げれば、それだけで、全長2mというマスターベッドができあがります」
話を聞いていると、普通のミニバンやワンボックスカーを使って車中泊を楽しむ人たちには、もってこいのクルマに思えてきた。
しかし、そういうニーズを持つ 「車中泊派」 は、このクルマでは少数派だという。
車中泊に欠かせないFFヒーターなどを欲しがる人たちは、全体の2割。
多くの人は、オプション設定されているサブバッテリーすら装着しない。
「結局キャンプよりはピクニックというお客様なんでしょうね。
メインはシティユース。
ただ “保険” の意味で、いざとなったら寝られるキャパシティも確保しておきたい…。そういう独特のファン層に支えられたクルマだと思います」
こういうクルマのライバルメーカーは、どこなのだろう。
意外なビルダーさんの名前が挙がった。
「よく当たるのはアム・クラフトさんなんですよ」
「えっ! あっちはしっかりしたキャンピングカーコンセプトのバンコンがメインじゃないか」
「そうなんですけど、クルマを開発するときの考え方が僕らとよく似ているんですね。
ひと言でいうと、自社ブランドに対する “こだわり” がすごい。
アムさんという会社は、オリジナリティを高める意欲をものすごく持っているビルダーさんなんですよ」
たとえば、シートひとつとっても、そこに自社ロゴをデザインしたタグを入れる。
フロアマットにしても、家具にしても、必ずオリジナル性を訴えるデザインを施す。
細かいことだが、シートバックの裏にネットを張って、小物を挟み込めるようにする。
日常的にはユーザーが目にすることのないテーブルの裏側にもクロスを施す。
「そのようなトータルコーディネートにこだわるアムさんの姿勢に、うちと共通したものがあるように思えるのです。
つまり同類の匂いを嗅ぐんです。
…そんなことを言ったら、アムさんには迷惑なのかもしれないですけれど (笑) 。
要は、同じ車種を継続しながらも、常に手を加えていって、絶えず進化させていく。
そういう形でブランドを育てていくというアムさんの姿勢に、僕はものすごく共感します」
他社のクルマへの言及でありながら、そこで語られる言葉は、まさに竹山さんのクルマ造りの哲学そのものである。
さらに面白い話も聞いた。
ユーザーは、自分の選んだクルマに自信を持ちたがっているというのだ。
そのためには、分かる人には “すぐピンと来る” 差別化ポイントを上手に盛り込むことが大事だという。
そのひとつの例が、アルミホイール。
さりげなく履いているホイールが、ベンツ、BMW、ベントレーなどのアフターパーツで人気を得ているWald (バルド) 製。
それをアルフレックス・オリジナルとして、わざわざハイエース用に開発したもらったものを装着している。
このホイールといい、ホワイトレザーで統一されたインテリアといい、ストリート系ファッションにも通じる同車のアーバンデザインは、何を参考にして生まれてくるのか。
「それは秘密…」 と笑いながら、竹山さんはこう語る。
「デザインするときの参考として見るのはアパレルなんですわ。服飾とか靴とか…。
結局、人の生活にいちばん密着したデザインが試されるのはアパレルの世界ですよね。
そのデザインがカッコいいかカッコ悪いかというのは、使う人間との関わりで生まれるものだから、キャンピングカーのインテリアだって、人が関与した状態で眺める視点がないとダメだと思うんです」
竹山さんは、普通のキャンピングカーデザイナーが勉強するために通う住宅展示場や家具屋には行かないという。
「それだったら、むしろホテル。それも室内ではなく、ロビーなどの雰囲気。
海外のリゾートホテルなどは、キャンピングカーのインテリアを勉強するときの宝庫ですね」
アルフレックスのバンコンは、そのような繊細な観察によって、周到に造られている…と、竹山氏は言いたいようなのだ。
だから、一見派手さを強調白いレザーシートも、実はイベント用。
「シート地も、このキャリオンに関しては、白、黒、ライトグレー、サンドベージュの4色を用意しています。
白は室内も広く見せますし、うちのイメージカラーのように思われているので、展示車としてはこれ一本で押していきますが、購入されるお客様はいろいろと自分の好みのシート柄を選ばれています」
ショーではインパクトの強いディスプレイに徹しながら、実際には、きめ細やかな選択肢を用意しているのが同社の特徴。
“やんちゃ” に見える思い切ったローダウン仕様も、これまたイベント用なのである。
お客さんに納車するクルマはそこまで下げない。
そのへんが、このビルダーさんの、ある意味でしたたかなところだ。
カスタムカーからキャンピングカーへという移行を遂げたビルダーさんが多い中で、この会社は、そのどちらでもない未知の航路に向かって、そぉっと漕ぎ出している感じがする。
2008年11月21日
ファースト横浜店
秋の気配が濃厚に立ちこめるようになった11月17日。
横浜市・都筑区にオープンした 「ファーストカスタム横浜ショールーム」 を訪れた。
田園都市線の江田駅からタクシーを拾うと、高級住宅街の連なる並木道を通り過ぎること7~8分。
「みずきが丘」 交差点に下りたって、そこから周囲を眺め回してみると、白地に青く 「FIRST CUSTOM」 を抜き出した看板が…。

「あ、輸入車ディーラーみたい!」
温かい午後の日差しを浴びて輝く白亜の建物は、およそ今までのキャンピングカー展示場とはかけ離れた高級感を漂わせていた。
ショールームのガラスの向こうには、同社の看板車種であるCGシリーズが並んでいるのだが、それがフェラーリやベントレーでも置かれているような雰囲気に見える。

こんな展示場も見たことがない。
グレード感が違う。
中に入って、またびっくり。
美しく磨き込まれたフローリングは、覗き込むと顔を映すぐらいにピカピカ。

見学客の心を潤す観葉植物が至るところに並べられ、壁には上品な筆致で描かれた絵画が飾られている。

その間に並べられたCG-550、CG-500、ディレット、リモギンガなどが、美術館に展示されたアートのように輝く。
ため息が出そうに美しい展示場である。
入口近くで接客に務めていた佐藤和秋社長が、私の顔を認めて、2Fの接客コーナーに案内してくれた。
エレベーターで2階に登ると、そこにはまた、今までのキャンピングカー展示場の雰囲気とは別種の、格調高い調度をあしらった接客スペースが広がる。

コンパートメントになった商談ルームが3部屋。
キャンピングカーのアクセサリーパーツなどを並べた用品コーナーが1ヵ所。
喫煙者のために設けられた喫煙コーナーが1ヵ所。
なによりも素敵なのは、白と黒のコントラストも美しいモダンデザインのソファが並んだオーナーズラウンジ。

このコーナーはファーストのクルマを買ったお客さんと、その友人たちだけのために設けられた “憩いの場” だ。
コーヒーが自由に飲めて、RV系の雑誌も読み放題。
大画面の薄型モニターには、同社の商品紹介やクラブキャンプの思い出などを綴ったDVDが心地よい音楽とともに流されている。
そのオーナーズラウンジの一隅に腰掛けて、さっそく佐藤社長に同ショールームオープンまでの経緯を、あれこれうかがうことにした。

▲ 佐藤和秋 社長
やはり、関東圏への進出は、同社の念願だったという。
「クルマそのものは気に入っていただいても、本社が遠い秋田ということで、購入を断念されるお客様が、今まではいっぱいいらっしゃたんです。
だから、サービス体制も含めて、関東以西のお客様にも安心してご購入いただける店を持つことは昔からの夢でした」
と佐藤さんは語る。
それにしても、思い切ったハイグレードの店を展開したものだ。
その理由は、どんなところにあるのだろう。

▲ 伝説の名車 グランドロイヤル
「キャンピングカーというのは、ある意味、高額商品なわけですよね。ベンツやBMW、レクサスよりも高い商品だって存在します。
しかし、そのような高級商品を売る店舗であるにもかかわらず、私たちが今まで展開してきたショップも含め、店の方が商品の “格” に追いついていなかったように思うのです」
そのため、ユーザーに充実した商品を買ったという意識を味わってもらう力が弱かったのではないかと、佐藤さんは考えていたという。
そういう話から、この横浜ショールームの開設にはキャンピングカーのステータス性を高める意図があったことが伝わってくる。

▲ 現在のファーストカスタムの看板車種のひとつ 「CG550シリーズ (EX) 」 。ベース車は贅沢なハイエースワゴンGL。専門誌 『AUTO CAMPER』 の 「ビルダー&ショップが選んだベストキャンピングカー07」 に輝いたクルマ
しかし、そこには、ファーストカスタムというビルダーならではの商品造りのポリシーも絡んでいそうだ。
佐藤社長いわく。
「うちのクルマというのは、目に見えないところにコストのかかったクルマなんです。
走行安定性や安全性、電気系統のトラブル防止策も含め、乗っていただいたオーナーさんでなければ分からないようなコストのかけ方をしているんです」
つまり、その目に見えない部分のクオリティを顧客に感じてもらうためにも、クオリティ感の高いショールームという、目に見える部分で商品への信頼度を感じてもらうという意図があったわけだ。

▲ 「CG550ボレロ」の室内
同社が開発するキャンピングカーに込められた 「目に見えない部分のクオリティ」 とは、果たしてどんなものなのだろう。
そのひとつが、キャブコンなどに導入されているスペースフレーム工法。
これは、モノコックボディをカットしたときに、その剛性や強度を確保するために張りめぐらされる鉄骨フレームのことだが、このフレームがボディ全体を支えるために、同社の開発したキャブコンには絶大な信頼性が保証される。

▲ スペースフレーム工法
「ところが、この鉄骨が溶接作業中に5mm狂っただけで、もう内外装の寸法が破綻して組み付けができなくなるんです。
だから、ただ単に普通のパネルを張ってボディを造るのに比べ、3倍から5倍の慎重さと工数が必要となってきます。
そういう “目に見えない部分のコスト” というものが、どうしてもうちのクルマには要求されてしまうんですね」
と佐藤氏。
しかし、その部分で手抜きをしないことによって、安全基準においては、ヨーロッパ車の基準値を超えるほどの安全性を確保しているという。
キャンピングカーは、所詮は 「改造車」 に過ぎない。
だが、たとえ改造車であっても、同社の造るキャンピングカーにはヨーロッパの高級車にも匹敵するようなクオリティが保証されている。
そう佐藤社長は言いたいようなのだ。
もちろんこのようなクオリティを維持するためのコストが、そのまま価格に跳ね返ってしまっては意味がない。
「だから、コストを下げるための企業努力にはなみなみならぬ神経を注いでいます。
部品も、ヨーロッパやアメリカのパーツメーカーに直接買い付けに行って資材コストを下げていますし、産業システムを整備して、分業体制を充実させるなど、あらゆる方法でトータルコストを下げています」
しかし、それでも、今の価格を維持するためには収益が圧迫されるという。
同社が代理店展開を広めるよりも、今回のような直営店運営に力を注いだのは、圧迫される収益を代理店に飲んでもらうのがしのびなかった、という事情も絡んでいたとか。
正直、これほどの展示場を維持するのは大変なことだろうと察する。
だが、この店舗こそ、同社にとっては自社製品のクオリティをアピールするためには必要不可欠なアイテムだったのだ。

ハイクオリティのクルマを売るには、それを展示するスペースにも 「クオリティ」 を与えてやらなければならない。
フォーストカスタム横浜ショールームからは、そういう同社の意気込みがそのまま伝わってくるように思えた。
ファーストカスタム横浜ショールーム
神奈川県横浜市都筑区荏田南4-10-14
電話 045-948-4211
東名自動車道 「横浜青葉インター」 より15分
東急田園都市線 「江田駅」 または
市営地下鉄ブルーライン 「センター南」 よりタクシー
「みずきが丘」 交差点が目印

▲ 17日のオープン記念日に、新横浜駅近くのホテルで開かれたパーティ
横浜市・都筑区にオープンした 「ファーストカスタム横浜ショールーム」 を訪れた。
田園都市線の江田駅からタクシーを拾うと、高級住宅街の連なる並木道を通り過ぎること7~8分。
「みずきが丘」 交差点に下りたって、そこから周囲を眺め回してみると、白地に青く 「FIRST CUSTOM」 を抜き出した看板が…。

「あ、輸入車ディーラーみたい!」
温かい午後の日差しを浴びて輝く白亜の建物は、およそ今までのキャンピングカー展示場とはかけ離れた高級感を漂わせていた。
ショールームのガラスの向こうには、同社の看板車種であるCGシリーズが並んでいるのだが、それがフェラーリやベントレーでも置かれているような雰囲気に見える。
こんな展示場も見たことがない。
グレード感が違う。
中に入って、またびっくり。
美しく磨き込まれたフローリングは、覗き込むと顔を映すぐらいにピカピカ。
見学客の心を潤す観葉植物が至るところに並べられ、壁には上品な筆致で描かれた絵画が飾られている。
その間に並べられたCG-550、CG-500、ディレット、リモギンガなどが、美術館に展示されたアートのように輝く。
ため息が出そうに美しい展示場である。
入口近くで接客に務めていた佐藤和秋社長が、私の顔を認めて、2Fの接客コーナーに案内してくれた。
エレベーターで2階に登ると、そこにはまた、今までのキャンピングカー展示場の雰囲気とは別種の、格調高い調度をあしらった接客スペースが広がる。
コンパートメントになった商談ルームが3部屋。
キャンピングカーのアクセサリーパーツなどを並べた用品コーナーが1ヵ所。
喫煙者のために設けられた喫煙コーナーが1ヵ所。
なによりも素敵なのは、白と黒のコントラストも美しいモダンデザインのソファが並んだオーナーズラウンジ。
このコーナーはファーストのクルマを買ったお客さんと、その友人たちだけのために設けられた “憩いの場” だ。
コーヒーが自由に飲めて、RV系の雑誌も読み放題。
大画面の薄型モニターには、同社の商品紹介やクラブキャンプの思い出などを綴ったDVDが心地よい音楽とともに流されている。
そのオーナーズラウンジの一隅に腰掛けて、さっそく佐藤社長に同ショールームオープンまでの経緯を、あれこれうかがうことにした。
▲ 佐藤和秋 社長
やはり、関東圏への進出は、同社の念願だったという。
「クルマそのものは気に入っていただいても、本社が遠い秋田ということで、購入を断念されるお客様が、今まではいっぱいいらっしゃたんです。
だから、サービス体制も含めて、関東以西のお客様にも安心してご購入いただける店を持つことは昔からの夢でした」
と佐藤さんは語る。
それにしても、思い切ったハイグレードの店を展開したものだ。
その理由は、どんなところにあるのだろう。
▲ 伝説の名車 グランドロイヤル
「キャンピングカーというのは、ある意味、高額商品なわけですよね。ベンツやBMW、レクサスよりも高い商品だって存在します。
しかし、そのような高級商品を売る店舗であるにもかかわらず、私たちが今まで展開してきたショップも含め、店の方が商品の “格” に追いついていなかったように思うのです」
そのため、ユーザーに充実した商品を買ったという意識を味わってもらう力が弱かったのではないかと、佐藤さんは考えていたという。
そういう話から、この横浜ショールームの開設にはキャンピングカーのステータス性を高める意図があったことが伝わってくる。
▲ 現在のファーストカスタムの看板車種のひとつ 「CG550シリーズ (EX) 」 。ベース車は贅沢なハイエースワゴンGL。専門誌 『AUTO CAMPER』 の 「ビルダー&ショップが選んだベストキャンピングカー07」 に輝いたクルマ
しかし、そこには、ファーストカスタムというビルダーならではの商品造りのポリシーも絡んでいそうだ。
佐藤社長いわく。
「うちのクルマというのは、目に見えないところにコストのかかったクルマなんです。
走行安定性や安全性、電気系統のトラブル防止策も含め、乗っていただいたオーナーさんでなければ分からないようなコストのかけ方をしているんです」
つまり、その目に見えない部分のクオリティを顧客に感じてもらうためにも、クオリティ感の高いショールームという、目に見える部分で商品への信頼度を感じてもらうという意図があったわけだ。
▲ 「CG550ボレロ」の室内
同社が開発するキャンピングカーに込められた 「目に見えない部分のクオリティ」 とは、果たしてどんなものなのだろう。
そのひとつが、キャブコンなどに導入されているスペースフレーム工法。
これは、モノコックボディをカットしたときに、その剛性や強度を確保するために張りめぐらされる鉄骨フレームのことだが、このフレームがボディ全体を支えるために、同社の開発したキャブコンには絶大な信頼性が保証される。
▲ スペースフレーム工法
「ところが、この鉄骨が溶接作業中に5mm狂っただけで、もう内外装の寸法が破綻して組み付けができなくなるんです。
だから、ただ単に普通のパネルを張ってボディを造るのに比べ、3倍から5倍の慎重さと工数が必要となってきます。
そういう “目に見えない部分のコスト” というものが、どうしてもうちのクルマには要求されてしまうんですね」
と佐藤氏。
しかし、その部分で手抜きをしないことによって、安全基準においては、ヨーロッパ車の基準値を超えるほどの安全性を確保しているという。
キャンピングカーは、所詮は 「改造車」 に過ぎない。
だが、たとえ改造車であっても、同社の造るキャンピングカーにはヨーロッパの高級車にも匹敵するようなクオリティが保証されている。
そう佐藤社長は言いたいようなのだ。
もちろんこのようなクオリティを維持するためのコストが、そのまま価格に跳ね返ってしまっては意味がない。
「だから、コストを下げるための企業努力にはなみなみならぬ神経を注いでいます。
部品も、ヨーロッパやアメリカのパーツメーカーに直接買い付けに行って資材コストを下げていますし、産業システムを整備して、分業体制を充実させるなど、あらゆる方法でトータルコストを下げています」
しかし、それでも、今の価格を維持するためには収益が圧迫されるという。
同社が代理店展開を広めるよりも、今回のような直営店運営に力を注いだのは、圧迫される収益を代理店に飲んでもらうのがしのびなかった、という事情も絡んでいたとか。
正直、これほどの展示場を維持するのは大変なことだろうと察する。
だが、この店舗こそ、同社にとっては自社製品のクオリティをアピールするためには必要不可欠なアイテムだったのだ。
ハイクオリティのクルマを売るには、それを展示するスペースにも 「クオリティ」 を与えてやらなければならない。
フォーストカスタム横浜ショールームからは、そういう同社の意気込みがそのまま伝わってくるように思えた。
ファーストカスタム横浜ショールーム
神奈川県横浜市都筑区荏田南4-10-14
電話 045-948-4211
東名自動車道 「横浜青葉インター」 より15分
東急田園都市線 「江田駅」 または
市営地下鉄ブルーライン 「センター南」 よりタクシー
「みずきが丘」 交差点が目印
▲ 17日のオープン記念日に、新横浜駅近くのホテルで開かれたパーティ
2008年11月19日
ドリーム千葉
ちょっとびっくりしたなぁ!
この 「ドリームアイランド千葉」 さんの新しい展示場には。
正面入口を入ったとたん、リゾート施設に紛れ込んだような気分になってしまった。

まず、いきなり迎えてくれたのはヤシの木やシュロの木といった、南国ムード満載の植物群。
緩やかなスロープを上がっていくと、浮かび上がってくるのは、レモンイエローに塗られたお洒落なオフィスと、広々としたウッドデッキ。

いかにもレゲェなどがかかっていると似合いそうなデッキのテーブルに腰掛けていると、今にも小麦色の肌を輝かせるウェイトレスが、小粋に掲げたお盆の上にコーラとホットドッグを載せて歩いてきそうに思える。

星条旗がひるがえるデッキの向こう側には、堂々たる体躯を輝かせたアメリカンクラスAとクラスCが並ぶ。
目を転じて、入口方向に顔を向ければ、ダッジやフォードのピックアップトラック群。

ここはどこだ?
思わず、そんなつぶやきが口をついて出る。
ここのマネージャーを務める澤山淳さんに、取材のお相手を務めてもらった。

「まず敷地はどのくらいなんですか?」
「約2,500坪ですね」
ふ~む。
ここより広い展示場を持つショップも日本には存在するが、2,500坪の敷地を誇る展示場というのは、そう滅多やたらにあるものではない。
日本 “最大級” の展示場であることは間違いない。
敷地の半分はユーザーのクルマを管理する 「モータープール」 になっていて、そのキャパシティは80台弱。
今はまだその3分の1の台数が埋まったに過ぎないというが、並んだクルマが20~30フィートクラスのアメリカン・モーターホームであるために、そのボリューム感に圧倒される。

ミラダ、シーブリーズ、アレグロ。
目立つのは、同社が昔から得意としてきたクラスA。
中古車コーナーにも、BCヴァーノン、ボナンザなどのクラスCの名機が並ぶ。そのほかクラスBやフォールディングトレーラーの姿も。
ピックアップトラックコーナーには、トレーラー用のヘッドを展示する場として設けられたものだが、もちろん単品でも販売する。
その展示規模は常時25~30台。
大型モーターホームが4台入る屋根付きのメンテスペースも完備。
エンジンの積み下ろしも含めた重整備も、完全に敷地内で行う。

展示車の種類といい、展示場のスケール感といい、まったくここは日本を離れた別天地だ。
驚いたことは、敷地内の電源付きのキャンプサイトが6サイト用意されていることだった。
もちろんそこはこのお店でクルマを購入したユーザーさんにだけ解放されたものだが、この展示場が気に入り、週末となるとここでキャンプを繰り広げる “常連客” も何組かいるとか。
「日が落ちると、オフィスやツリーがイルミネーションでライトアップされるので、本当にリゾート施設の雰囲気になるんですね。そのため、夜になると飲食か宿泊を求めて近づいてくるお客さんが結構いるんです」
と澤山さんは語る。
お客さんの中には、結婚式の披露宴をここで開きたいという人もいるという。
ドリームアイランドグループのカタログ撮影なども、今後はここで行なわれることになるのかもしれない。
現在、クラブキャンプの会場としても使えるように、芝生スペースの増設とシャワー室と歓談スペースも兼ねるログハウスの建設も企画されている。

デッキのテーブルに腰掛けて話を聞いていると、きれいなお姉さんが、トロピカルドリンクならぬ煎れ立てのエスプレッソコーヒーをカップになみなみと注いで運んできてくれた。
そのうまいこと!
エスプレッソ専用コーヒーメーカーで煎れたというコーヒーの味もちょっと日本離れ。
一瞬、海外旅行を楽しんだ気分になれた。

詳しい問い合わせは下記へ。
ドリームアイランド千葉 (サポートRV事業部)
http://www.support1997.com
千葉県四街道市大日町大作岡1101-3
電話 043-304-7752
定休日:毎週火曜日
営業時間 10:00~19:00
アクセス 東関東自動車道・千葉北インターを下りて国道16号を柏方面へ。四つの目の信号を右折。つきあたり右。ナビ検索では 「タイヤセンター千葉北」 を目標に
この 「ドリームアイランド千葉」 さんの新しい展示場には。
正面入口を入ったとたん、リゾート施設に紛れ込んだような気分になってしまった。

まず、いきなり迎えてくれたのはヤシの木やシュロの木といった、南国ムード満載の植物群。
緩やかなスロープを上がっていくと、浮かび上がってくるのは、レモンイエローに塗られたお洒落なオフィスと、広々としたウッドデッキ。
いかにもレゲェなどがかかっていると似合いそうなデッキのテーブルに腰掛けていると、今にも小麦色の肌を輝かせるウェイトレスが、小粋に掲げたお盆の上にコーラとホットドッグを載せて歩いてきそうに思える。
星条旗がひるがえるデッキの向こう側には、堂々たる体躯を輝かせたアメリカンクラスAとクラスCが並ぶ。
目を転じて、入口方向に顔を向ければ、ダッジやフォードのピックアップトラック群。
ここはどこだ?
思わず、そんなつぶやきが口をついて出る。
ここのマネージャーを務める澤山淳さんに、取材のお相手を務めてもらった。
「まず敷地はどのくらいなんですか?」
「約2,500坪ですね」
ふ~む。
ここより広い展示場を持つショップも日本には存在するが、2,500坪の敷地を誇る展示場というのは、そう滅多やたらにあるものではない。
日本 “最大級” の展示場であることは間違いない。
敷地の半分はユーザーのクルマを管理する 「モータープール」 になっていて、そのキャパシティは80台弱。
今はまだその3分の1の台数が埋まったに過ぎないというが、並んだクルマが20~30フィートクラスのアメリカン・モーターホームであるために、そのボリューム感に圧倒される。
ミラダ、シーブリーズ、アレグロ。
目立つのは、同社が昔から得意としてきたクラスA。
中古車コーナーにも、BCヴァーノン、ボナンザなどのクラスCの名機が並ぶ。そのほかクラスBやフォールディングトレーラーの姿も。
ピックアップトラックコーナーには、トレーラー用のヘッドを展示する場として設けられたものだが、もちろん単品でも販売する。
その展示規模は常時25~30台。
大型モーターホームが4台入る屋根付きのメンテスペースも完備。
エンジンの積み下ろしも含めた重整備も、完全に敷地内で行う。
展示車の種類といい、展示場のスケール感といい、まったくここは日本を離れた別天地だ。
驚いたことは、敷地内の電源付きのキャンプサイトが6サイト用意されていることだった。
もちろんそこはこのお店でクルマを購入したユーザーさんにだけ解放されたものだが、この展示場が気に入り、週末となるとここでキャンプを繰り広げる “常連客” も何組かいるとか。
「日が落ちると、オフィスやツリーがイルミネーションでライトアップされるので、本当にリゾート施設の雰囲気になるんですね。そのため、夜になると飲食か宿泊を求めて近づいてくるお客さんが結構いるんです」
と澤山さんは語る。
お客さんの中には、結婚式の披露宴をここで開きたいという人もいるという。
ドリームアイランドグループのカタログ撮影なども、今後はここで行なわれることになるのかもしれない。
現在、クラブキャンプの会場としても使えるように、芝生スペースの増設とシャワー室と歓談スペースも兼ねるログハウスの建設も企画されている。
デッキのテーブルに腰掛けて話を聞いていると、きれいなお姉さんが、トロピカルドリンクならぬ煎れ立てのエスプレッソコーヒーをカップになみなみと注いで運んできてくれた。
そのうまいこと!
エスプレッソ専用コーヒーメーカーで煎れたというコーヒーの味もちょっと日本離れ。
一瞬、海外旅行を楽しんだ気分になれた。
詳しい問い合わせは下記へ。
ドリームアイランド千葉 (サポートRV事業部)
http://www.support1997.com
千葉県四街道市大日町大作岡1101-3
電話 043-304-7752
定休日:毎週火曜日
営業時間 10:00~19:00
アクセス 東関東自動車道・千葉北インターを下りて国道16号を柏方面へ。四つの目の信号を右折。つきあたり右。ナビ検索では 「タイヤセンター千葉北」 を目標に
2008年11月13日
デルタリンク千葉
オープンして1ヶ月半という 「デルタリンク千葉ポイント」 を訪ねた。
まず、明るく清潔な感じのオフィスにびっくり。
キャンピングカー販売店というと、昔はトレーラーハウスを事務所代わりに使っていたり、工事現場のプレハブに毛の生えたようなオフィスを使ったりしていたものも多かったが、最近はずいぶんグレードが高くなった。
それでも、このデルタリンク千葉店のように、ソファの色からカーペットまで美しくコーディネートされた住宅展示場のようなオフィスというのは珍しい。
余分なものを置かず、シンプルで機能的なたたずまいを見せる事務スペース。
そして、訪問客の心をなごませる観葉植物などをあしらった応接スペース。
その配分の妙に、デルタリンクのオリジナル車が漂わせるデザインセンスと共通した心配りがあるように感じた。
取材の相手をしてくれた小玉義明さんに、この千葉店の特徴を教えてもらった。
「品揃えは、全デルタリンク営業所と変わらず、同社のオリジナル車はすべて取り揃えています。
キャブコンでいえばエレキング。バンコンでいえばスナフキン、ロシナンテ。 あとはアドリアのトレーラーですね。
他に、アネックスさんのバンコンを中心に展示しています」
それ以外に中古車として、輸入車、国産他社メーカーのキャブコン、バスコンなども展示され、車種、台数とも充実している。
オフィス脇には独立したピットが完備され、倉敷本社から派遣された専属メカニックが整備を担当する。
軽整備ならすべて敷地内で完了。駆動系を含む重整備も、近くの提携工場との連携が密接であるため何の心配もないという。
関東に拠点を持つことは、デルタリンクとしても昔からの夢だったというが、実際に接した関東という商圏はどんなふうに見えたのだろうか。
関東の出身ながら、岡山の「倉敷ベースキャンプ」で3年間の “修行” を続けたこられた小玉さんに尋ねてみた。
「まずここに来て感じたのは、トレーラーに関心を持たれるお客様が意外と多かったということですね。
首都圏はトレーラーが売りにくいという話は聞いていたのですが、ここに来て立て続けにお話しをいただいたのは、トレーラーのお客様でした」
確かに、ビルダーが集中している割には、トレーラー専門店というのが北関東には少ない。
同社の人気ブランドであるアドリアの現車を見ることを楽しみしていた関東の人々が多いことは推測できる。
そういう人々に対応する場合、同社の広い敷地は“強い味方”だ。
「なにしろ、オフィス前の敷地をたっぷりとっていますから、トレーラーの牽引体験が敷地内でできます。
バックするときの感触など、ここで思う存分体験していただきたく思いますね。パイロンなども自由に使ってくださって結構ですから、車庫入れの練習もできます。
大型キャブコンの縦列駐車などの練習もできますね」
と、小玉さん。
ウィンドサーフィンのメッカである幕張などにも近く、日本を代表するサーフィンポイントとしても名高い九十九里などにも、高速を使えば1時間圏内。
サーフィンの好きな山田社長の選んだ場所ということで、遊びの前線基地という風格も漂う展示場だ。
「私も海釣りやダイビングが好きなので、海に近いこの営業所に来るのが楽しみだったんですよ」と、小玉さんも喜んでいる様子だ。
東関東自動車道の千葉北インターから約5分。
インターを下りて、国道16号線を柏方面へ向かう。
左角に出光石油のある三つ目の信号を右折。
そして、その先を左折。
左折すると、もう白いルーフを輝かせるキャンピングカーが並んでいるのが見える。
京成線の勝田台駅からバスも出ており、「大日町」 というバス停から歩いて5分。
アクセスには恵まれた展示場だ。
ナビで検索する場合は千葉県の 「特別支援学校」 でOK。
展示場はその真ん前。
住所を打ち込んでも、ドンピシャ展示場を指示する。
詳しい問い合わせは下記まで。
千葉県千葉市花見川区大日町1414-1
電話 043-306-2047
定休日:毎週火曜日
営業時間:10:00~19:00
2008年11月12日
矢野顕子の新作
今、矢野顕子さんの新しいアルバム 『akiko』 を聴きながら、このブログを書いているところ。
久しぶりに、しっくりと来る音楽を聞いてるなぁ…と、ちょっと興奮。

実は、これまで私は矢野顕子のけっして良いリスナーではなかった。
あのあっけらかんとした、天真爛漫な歌声。
お茶目なのか本気なのか分からないような、捉えどころのないユーモア。
それでいて、「原始女性は太陽であった」 風の、地母神的な呪術性。
そいつが、ちょっと苦手でもあった。
でも、このアルバムはすごくいい!
好きだ。
何がいいのか。
サウンドが最高!
プロデューサーにTボーン・バーネット、ギターリストにマーク・リーボゥを迎え、全曲ロサンゼルスで録音されたというこのアルバムは、自分が聞くかぎり、実に良質な正統派アメリカンロックになっている。
土曜日、取材で千葉県を走り回っているとき、偶然カーラジオから、このアルバムの 「Evacuation Plan」 が流れてきて、一発でまいってしまった。
すぐにコンビニの駐車場にクルマを乗り入れ、ホットココアを買って、それを口に含みながら、しばらくクルマの中で聞きほれた。
で、そのラジオで 「The Wall」 が流れてきて、これにもノックダウン。すぐにアルバムを買うことに決めた。
全体的に、ゆったりしたミディアム・テンポの曲が多く、そのテイストはちょっとアーシーで、ブルージー。
ギターとピアノは、ほのかにレイドパックの香りをたたえた気持ちよいタルさを漂わせつつ、リズムはヘビーでタイト。
全体的にとても懐かしいサウンドなのだけど、それでいてまったく昔の音ではない。今の時代の風がたっぷり吹き渡っている。
こういうサウンドに乗ると、矢野顕子さんのあっけらかんとした天真爛漫な歌声が、とても高度にチューニングされた最高の楽器パーツのように聞こえてくる。
サウンドのアメリカ臭さに、矢野さんの東洋的なメロディが絡み、ちょっと無国籍的な、実に摩訶不思議なエキゾチシズムが横溢。
こういう音、ほんとにいいなぁ…。
特に、「The Wall」 のイントロのギターとピアノの絡みの美しさといったら。
酒が進みそう。
矢野さん自体も、今までの自分の持ち味とは違った部分で勝負してみようと思ったというから、きっと自分にとっても、新鮮な音楽体験だったのだろう。
そのフレッシュな感動がストレートに聞く者にも伝わってくる。
今、夜中の2時半。あと2~3回繰り返して聴いてから寝るつもり。
おっと、明け方になっちゃうかな。
久しぶりに、しっくりと来る音楽を聞いてるなぁ…と、ちょっと興奮。
実は、これまで私は矢野顕子のけっして良いリスナーではなかった。
あのあっけらかんとした、天真爛漫な歌声。
お茶目なのか本気なのか分からないような、捉えどころのないユーモア。
それでいて、「原始女性は太陽であった」 風の、地母神的な呪術性。
そいつが、ちょっと苦手でもあった。
でも、このアルバムはすごくいい!
好きだ。
何がいいのか。
サウンドが最高!
プロデューサーにTボーン・バーネット、ギターリストにマーク・リーボゥを迎え、全曲ロサンゼルスで録音されたというこのアルバムは、自分が聞くかぎり、実に良質な正統派アメリカンロックになっている。
土曜日、取材で千葉県を走り回っているとき、偶然カーラジオから、このアルバムの 「Evacuation Plan」 が流れてきて、一発でまいってしまった。
すぐにコンビニの駐車場にクルマを乗り入れ、ホットココアを買って、それを口に含みながら、しばらくクルマの中で聞きほれた。
で、そのラジオで 「The Wall」 が流れてきて、これにもノックダウン。すぐにアルバムを買うことに決めた。
全体的に、ゆったりしたミディアム・テンポの曲が多く、そのテイストはちょっとアーシーで、ブルージー。
ギターとピアノは、ほのかにレイドパックの香りをたたえた気持ちよいタルさを漂わせつつ、リズムはヘビーでタイト。
全体的にとても懐かしいサウンドなのだけど、それでいてまったく昔の音ではない。今の時代の風がたっぷり吹き渡っている。
こういうサウンドに乗ると、矢野顕子さんのあっけらかんとした天真爛漫な歌声が、とても高度にチューニングされた最高の楽器パーツのように聞こえてくる。
サウンドのアメリカ臭さに、矢野さんの東洋的なメロディが絡み、ちょっと無国籍的な、実に摩訶不思議なエキゾチシズムが横溢。
こういう音、ほんとにいいなぁ…。
特に、「The Wall」 のイントロのギターとピアノの絡みの美しさといったら。
酒が進みそう。
矢野さん自体も、今までの自分の持ち味とは違った部分で勝負してみようと思ったというから、きっと自分にとっても、新鮮な音楽体験だったのだろう。
そのフレッシュな感動がストレートに聞く者にも伝わってくる。
今、夜中の2時半。あと2~3回繰り返して聴いてから寝るつもり。
おっと、明け方になっちゃうかな。
2008年11月08日
便利グッズ紹介
カトーモーターさんというビルダーは、工芸品のような美しい木工家具をあしらった高級キャンピングカーを製作する会社として知られている。
しかし、このビルダーは、単に内装仕上げに個性を発揮するだけの会社ではない。
さまざまな便利グッズを開発するメーカーさんでもあるのだ。
現に、カセットガスを2連装したガス供給機 「CAMP CAR GAS」 などはキャンピングカー用のコンロに使ったり、また野外でバーナーを使うときに使われたりして、かなり普及している。

このたびカトーモーターさんが開発された新商品は、「マーブルコントローラー」 。
これは、キャンピングカー内のベンチレーターの回転数をコントロールしたり、LEDランプの消費電力などを総合的に制御する画期的なコントローラーだ。

ベンチレーターの場合は、回転数を落として、ゆっくり回すことによって、音も静か。消費電力も削減。
タイマー付きなので、任意の時間に自動的にON-OFFさせることが可能。
LEDランプとも連動していて、こちらの方は、白熱灯に比べ消費電力を10分の1ぐらいにまで落とすことが可能。
だから常夜灯として使っても、サブバッテリーへの負担もかけることなく、実に省エネ。
コントローラーのお値段は、税込み43,000円。
お次はマルチスクリーン。
キャンピングカーで車中泊する場合、あるいは炎天下に放置する場合など、車内の断熱・防寒を維持するための必需品。
運転席・助手席・フロントガラスを覆う3面セットから、リヤ窓までカバーする7面セットまで種類は豊富。

これもカトーモーターさんのオリジナルなのだが、窓が開いているところがミソ。
ちょっと外を見るときに、いちいち吸盤を外さなくても外が覗けるようになっている。
ハイエース用、キャラバン用など、すでに定番になっているものもあるが、カムロードでもボンゴでも、オーダーメイドが自由自在。
お値段は、3面セットで19,950円から。
お次は 「ハンドル付き防振パンタジャッキ」 。
パンタジャッキを操作するときに、いちいちハンドルをジョイントさせるのは面倒。さらにそのハンドルもかさばるので収納も億劫。

…というわけで、なんと最初からハンドルがセットになった便利ジャッキ。
簡単操作で、キャンプ中の車体の揺れが解消。
2台セット、ボックス付きで10,500円。
これらの便利グッズを開発したカトーモーターの加藤社長いわく。

「やっぱり、キャンピングカーって、夢のある “おもちゃ” なんですよね。
ある程度、男の人のおもちゃという部分を持っているんですよ。
だから、こういうものを開発して、お客様に見せると、みんな目を細めて喜んでくれるんですね。
自分も、こういうグッズ類をあれこれ考えるのが楽しいし、お客様にも楽しんでもらえる。
そう考えると、キャンピングカーって、究極のおもちゃかな…という気もして、奥行きが深いものだと感じますね」
これらのカトーモーターオリジナルグッズの問い合わせは下記に。
有限会社カトーモーター
新潟県燕市小高6425-1
tel:0256-62-6516
http://www.katomotor.co.jp
しかし、このビルダーは、単に内装仕上げに個性を発揮するだけの会社ではない。
さまざまな便利グッズを開発するメーカーさんでもあるのだ。
現に、カセットガスを2連装したガス供給機 「CAMP CAR GAS」 などはキャンピングカー用のコンロに使ったり、また野外でバーナーを使うときに使われたりして、かなり普及している。
このたびカトーモーターさんが開発された新商品は、「マーブルコントローラー」 。
これは、キャンピングカー内のベンチレーターの回転数をコントロールしたり、LEDランプの消費電力などを総合的に制御する画期的なコントローラーだ。
ベンチレーターの場合は、回転数を落として、ゆっくり回すことによって、音も静か。消費電力も削減。
タイマー付きなので、任意の時間に自動的にON-OFFさせることが可能。
LEDランプとも連動していて、こちらの方は、白熱灯に比べ消費電力を10分の1ぐらいにまで落とすことが可能。
だから常夜灯として使っても、サブバッテリーへの負担もかけることなく、実に省エネ。
コントローラーのお値段は、税込み43,000円。
お次はマルチスクリーン。
キャンピングカーで車中泊する場合、あるいは炎天下に放置する場合など、車内の断熱・防寒を維持するための必需品。
運転席・助手席・フロントガラスを覆う3面セットから、リヤ窓までカバーする7面セットまで種類は豊富。
これもカトーモーターさんのオリジナルなのだが、窓が開いているところがミソ。
ちょっと外を見るときに、いちいち吸盤を外さなくても外が覗けるようになっている。
ハイエース用、キャラバン用など、すでに定番になっているものもあるが、カムロードでもボンゴでも、オーダーメイドが自由自在。
お値段は、3面セットで19,950円から。
お次は 「ハンドル付き防振パンタジャッキ」 。
パンタジャッキを操作するときに、いちいちハンドルをジョイントさせるのは面倒。さらにそのハンドルもかさばるので収納も億劫。
…というわけで、なんと最初からハンドルがセットになった便利ジャッキ。
簡単操作で、キャンプ中の車体の揺れが解消。
2台セット、ボックス付きで10,500円。
これらの便利グッズを開発したカトーモーターの加藤社長いわく。
「やっぱり、キャンピングカーって、夢のある “おもちゃ” なんですよね。
ある程度、男の人のおもちゃという部分を持っているんですよ。
だから、こういうものを開発して、お客様に見せると、みんな目を細めて喜んでくれるんですね。
自分も、こういうグッズ類をあれこれ考えるのが楽しいし、お客様にも楽しんでもらえる。
そう考えると、キャンピングカーって、究極のおもちゃかな…という気もして、奥行きが深いものだと感じますね」
これらのカトーモーターオリジナルグッズの問い合わせは下記に。
有限会社カトーモーター
新潟県燕市小高6425-1
tel:0256-62-6516
http://www.katomotor.co.jp
2008年11月07日
アレン
う~む。カッコいい!
10月中旬の関西ショーでデビューした 「ALEN アレン」 のファースト・インプレッションは、まずそれだった。
遠くから一目見ただけで、外形デザインワークにも力を入れている AtoZ (エートゥゼット) さんの心意気が伝わってきた。

特にアトラス 「アーデン」 あたりから始まったスリムなバンク形状が、えもいわれぬ美しいラインをたたき出している。
引き締まった筋肉質の体躯に恵まれ、軽快にダッシュするスポーツマンの敏捷性を想像させるフォルムだ。

ただ、さすがに車内に入ったとき、一瞬言葉に詰まった。
(当然だが) 「アミティ」 より狭い!
キャブコンとしての使い勝手を考えれば、全長こそアミティと大差ないものの、車幅、車高はアミティよりも短く、なによりもバンクベッドのあるなしの差が大きい。
サイズ、レイアウト、価格。
アミティシリーズは、それらのバランスが絶妙だ。
ボディをコンパクトに絞りながらも、キャブコンとしての機能をぎりぎりのサイズの中で完璧に押さえている。

▲ アミティLX
小型キャブコンというジャンルにおいて、どこを取っても死角のないアミティ軍団に比べ、アレンはキャブコンとしての機能を全うできるのかどうか。
一瞬だが、そんな気持ちが頭をよぎった。
だが、すぐに考え直した。
「これはキャブコンとしても使える “ワゴン車” なのだ!」
そう思うと、このクルマの明快なコンセプトがすっきりと頭に入ってきた。
キャブコンという言葉から想像される “もったり感” は、このクルマには皆無。
カッコよくて、取り回しに優れ、日常の足として使える。
それでいて、キャブコンならではの断熱性、防音性、荷物の収納性を備え、単なるワゴン車にはない優位性を確保している。
「ああ、新しい時代のキャブコンというのは、こういうものか…」
と思った。

自動車の小型化というのは、時代の趨勢でもある。
必要最小限のエンジンパワーを、空力抵抗を抑えた軽量ボディで効率よく引き出す。
それは、今の時代、どんなクルマにも求められる特性だ。
ならば、新型ライトエースのコンパクトさを生かし、それをスタイリッシュな軽量シェルでまかなうニューアレンのようなキャブコンこそ、時代の寵児といえる。
そう思って、もう一度車内をしげしげと眺めてみると、アミティに比べても、このこぢんまりとしたアレンの室内が、なにげに落ち着く心地よい空間に思えてくるから不思議だ。
インテリアのカラーコーディネートも、実にこのクルマのサイズに合った小粋さを演出している。
家具のトーンはカジュアルなライト感覚。
公園脇にちょっとテーブルを並べたオープンカフェの気安さが漂う。

特に、グレー基調にタンがあしらわれたツートンのシート柄は、AtoZさんのアイデンティティカラー。
これが明るい木工家具と絶妙にバランスされて、カジュアルながらもハイセンスな雰囲気をかもし出している。

レイアウトは、対面ダイネットにリヤ2段ベッドというキャブコンの王道パターン。
もちろんセカンドシートは前向きになるので、走行中はワゴンライクな使い方ができる。
リヤベッドは、さすがに全幅が絞られたため、長さが1800mmに届かず、大人の就寝定員は取れない。
しかし、幅は逆にアミティより10㎝も広げられたため、小柄な女性や子どもたちには快適なベッドが確保されることになった。

下段ベッドを外せば大容量のラゲッジスペースが生まれ、リヤ側に設けられた外部扉を使って外側からもアクセスできる。
バンク部は、1600×1370mmという広さが確保されているので、子どもなら寝られないことはない。
しかし、さすがに奥がつまった感じで、多少の窮屈感が漂う。
もちろんそれも計算のうちで、バンク部を削ぎ落としても、フロント荷重の軽減と空力特性を確保しようという目的で設計されたバンクなのだから、このスタイルこそアレンの評価ポイントなのだ。ここは、「便利なフロント収納スペース」 と割りきった方がいいかもしれない。
全高は2. 5m。
アミティよりさらに20㎝低い。
これも、それまで車庫事情でキャブコンをあきらめていた人々の視線を集めることになった。
アミティよりさらに小型のサイズを追求したアレンは、逆に今までのキャブコン層とは違った客層を開拓することになったのかもしれない。

▲ 渡邉崇紀 常務
渡邉常務の話によると、このアレンを見て、
「これなら私でも運転できる」 と喜ぶ女性客がとても多いという。
何気なく聞き流してしまうような話だが、この常務の発言は重要だ。
ついに、女性が運転してみたくなるキャブコンが誕生したのだ。
過去においても、自動車が爆発的に普及した国というのは、みな女性が運転を始めるようになった国だ。
アレンがもたらせたものは、新しいキャブコンのスタイルであるばかりでなく、新しいモータリゼーションそのものかもしれない。
10月中旬の関西ショーでデビューした 「ALEN アレン」 のファースト・インプレッションは、まずそれだった。
遠くから一目見ただけで、外形デザインワークにも力を入れている AtoZ (エートゥゼット) さんの心意気が伝わってきた。
特にアトラス 「アーデン」 あたりから始まったスリムなバンク形状が、えもいわれぬ美しいラインをたたき出している。
引き締まった筋肉質の体躯に恵まれ、軽快にダッシュするスポーツマンの敏捷性を想像させるフォルムだ。
ただ、さすがに車内に入ったとき、一瞬言葉に詰まった。
(当然だが) 「アミティ」 より狭い!
キャブコンとしての使い勝手を考えれば、全長こそアミティと大差ないものの、車幅、車高はアミティよりも短く、なによりもバンクベッドのあるなしの差が大きい。
サイズ、レイアウト、価格。
アミティシリーズは、それらのバランスが絶妙だ。
ボディをコンパクトに絞りながらも、キャブコンとしての機能をぎりぎりのサイズの中で完璧に押さえている。
▲ アミティLX
小型キャブコンというジャンルにおいて、どこを取っても死角のないアミティ軍団に比べ、アレンはキャブコンとしての機能を全うできるのかどうか。
一瞬だが、そんな気持ちが頭をよぎった。
だが、すぐに考え直した。
「これはキャブコンとしても使える “ワゴン車” なのだ!」
そう思うと、このクルマの明快なコンセプトがすっきりと頭に入ってきた。
キャブコンという言葉から想像される “もったり感” は、このクルマには皆無。
カッコよくて、取り回しに優れ、日常の足として使える。
それでいて、キャブコンならではの断熱性、防音性、荷物の収納性を備え、単なるワゴン車にはない優位性を確保している。
「ああ、新しい時代のキャブコンというのは、こういうものか…」
と思った。
自動車の小型化というのは、時代の趨勢でもある。
必要最小限のエンジンパワーを、空力抵抗を抑えた軽量ボディで効率よく引き出す。
それは、今の時代、どんなクルマにも求められる特性だ。
ならば、新型ライトエースのコンパクトさを生かし、それをスタイリッシュな軽量シェルでまかなうニューアレンのようなキャブコンこそ、時代の寵児といえる。
そう思って、もう一度車内をしげしげと眺めてみると、アミティに比べても、このこぢんまりとしたアレンの室内が、なにげに落ち着く心地よい空間に思えてくるから不思議だ。
インテリアのカラーコーディネートも、実にこのクルマのサイズに合った小粋さを演出している。
家具のトーンはカジュアルなライト感覚。
公園脇にちょっとテーブルを並べたオープンカフェの気安さが漂う。
特に、グレー基調にタンがあしらわれたツートンのシート柄は、AtoZさんのアイデンティティカラー。
これが明るい木工家具と絶妙にバランスされて、カジュアルながらもハイセンスな雰囲気をかもし出している。
レイアウトは、対面ダイネットにリヤ2段ベッドというキャブコンの王道パターン。
もちろんセカンドシートは前向きになるので、走行中はワゴンライクな使い方ができる。
リヤベッドは、さすがに全幅が絞られたため、長さが1800mmに届かず、大人の就寝定員は取れない。
しかし、幅は逆にアミティより10㎝も広げられたため、小柄な女性や子どもたちには快適なベッドが確保されることになった。
下段ベッドを外せば大容量のラゲッジスペースが生まれ、リヤ側に設けられた外部扉を使って外側からもアクセスできる。
バンク部は、1600×1370mmという広さが確保されているので、子どもなら寝られないことはない。
しかし、さすがに奥がつまった感じで、多少の窮屈感が漂う。
もちろんそれも計算のうちで、バンク部を削ぎ落としても、フロント荷重の軽減と空力特性を確保しようという目的で設計されたバンクなのだから、このスタイルこそアレンの評価ポイントなのだ。ここは、「便利なフロント収納スペース」 と割りきった方がいいかもしれない。
全高は2. 5m。
アミティよりさらに20㎝低い。
これも、それまで車庫事情でキャブコンをあきらめていた人々の視線を集めることになった。
アミティよりさらに小型のサイズを追求したアレンは、逆に今までのキャブコン層とは違った客層を開拓することになったのかもしれない。
▲ 渡邉崇紀 常務
渡邉常務の話によると、このアレンを見て、
「これなら私でも運転できる」 と喜ぶ女性客がとても多いという。
何気なく聞き流してしまうような話だが、この常務の発言は重要だ。
ついに、女性が運転してみたくなるキャブコンが誕生したのだ。
過去においても、自動車が爆発的に普及した国というのは、みな女性が運転を始めるようになった国だ。
アレンがもたらせたものは、新しいキャブコンのスタイルであるばかりでなく、新しいモータリゼーションそのものかもしれない。
2008年11月06日
ポシェット
2008年も終盤になってきて、キャンピングカー造りにも新しい流れが見えきた。
その一つとして、バンコン開発が第2ラウンドを迎えたということが挙げられる。
4年ほど前に新型ハイエースが投入されたことにより、日本のバンコンシーンはこれまでにない活況を呈した。
ところが、今やレイアウト的にはほとんどのパターンが出尽くし、バンコンの発展は、一見、止まったかのように見えた。
しかし、どっこい!
水面下では、以前にも増して新機軸、新意匠のラッシュが続いている。
レイアウト的に新機軸を打ち出すことが難しくなってきた各メーカーが、今や細かい部分での使い勝手の工夫、デザイン的な掘り下げなど、目を凝らして見なければ見逃してしまうようなディテールにおいて、とんでもなく緻密な造り込みを行うようになってきたからだ。
西洋芸術の流れに例えると、ルネッサンスからマニエリスモの時代。あるいは、バロックからロココの時代になったといえるかもしれない。
ある意味ではギミックに走ったという印象も伴うが、傾向としては、繊細さ、優美さ、緻密さの追求が大きなテーマとなり、全体的には大きな成熟期を迎えたといえる。
しかし、そうなると、やはり老舗メーカーに1日の長があることは確か。
はっきりいうと、これからバンコン市場への参入を企てている後発メーカーさんにとっては、厳しい時代が来ているのかもしれない。
…というような話をマクラにして、今回はそんな 「緻密バンコン」 の代表例ともいえる レクビィ さんの 「ポシェット」 を紹介しようと思う。

まぁ、びっくりである。
現物を見た人ならば、「よくもまぁ、こんな細かい部分にまで凝ったようなぁ…」 とため息をついてしまうクルマだ。
一言でいうと、これは、ハイエースのロングバン・ナローボディを使った 「ファミリーユース」 のバンコンである。
しかし、「スーパーロングでは車庫に入らない」 という消去法の選択肢で選ぶには惜しい魅力がこのクルマにはいっぱい備わっている。

室内スペースは、当然、スーパーロングほどの余裕がない。
にもかかわらず、広さも感じられるし、使い勝手にも余裕があるし、何よりも、乗って、使って楽しい。
その秘密はどこにあるのだろう。
すべて小さな工夫の積み重ねなのだ。
まず、シート。
セカンドシート、サードシートとも通常のキャンパー用シートより座面が5㎝も低く設定されている。
これは、ワークヴォックスが扱う 「レボシート」 をレクビィ仕様として特注したもので、座面も低ければ、足元の台座が斜めにカットされるなど、少しでも奥行きが稼げるような設計になっている。

座面が低いために、座ったときの安定感も向上するし、ヘッドクリアランスに余裕が生まれて、ダイネットそのものに 「広がり」 が生まれる。
しかし、そうなれば、今まで座面下を収納スペースとして使っていたバンコンに比べると、荷物の収容能力が落ちる。
それを補うための工夫があちらこちらに試みられている。
まず、床下収納。
これは8ナンバーを取るための、キッチン前のクリアランス確保の意味もあるが、FRP底にフタ付きなので、ちょっとした濡れモノなどを収納するときに便利だ。

さらに、ユニークなのは、あらゆるところに設けられたポケット。
そもそも 「ポシェット」 という車名は、フランス語の “小さなポケット” に由来するのだが、このポケットの数、位置、形状が尋常ではない。
まず、オーバーヘッドコンソールの扉部分は、ポケットの “行列” になっている。

個々のポケットの収納力は小さいけれど、それが逆にいろいろな小物を仕分けして収めるにはすごく便利。
しかも、それがデザイン的にこのクルマのアイデンティティを形成する役目を担っており、カジュアルなライト感覚を演出している。
冷蔵庫の扉、その隣の収納部分にも、見事にポケットがあしらわれ、一目見たら忘れられない印象を残す。

凝った意匠はまだまだある。
電子レンジを格納するための収納スペース。ジャバラ型のシャッター扉が採用され、しかもその中央部分にアールが設けられて、軽く外側に湾曲している。
これが電子レンジのツマミなどの膨らんだ部分をうまく吸収し、スペース効率を高めている。
ポータブルトイレの収納スペースにも、同様の試みがなされている。

リヤゲートを開くと、左右に収納カウンターが見えるのだが、左側の外部シャワーに注目。
普通だったら、その上にあるシンクのフォーセットを伸ばせばいいように設計されるところだが、シャワー用フォーセットが低い位置に設けられているため、子供やペットの泥足を洗うときにすごく楽だ。

外部シャワーのフォーセットを独立させたのは、左右のカウンターにベッドマットを渡して子供用ベッドを作った状態でもシャワーが使えることを狙ったもの。
芸が細かい。
室内灯の位置と角度にも注目。
左右に分かれた室内灯が、首振り動作を可能にして、リビング側とキッチン側の両方を照らせるように設定されている。

それがまた、釣り鐘が首を振って涼しげな音を出すような印象をともない、なんともいえない風情をかもし出す。
ここまで凝ったバンコンは、ちょっと類例がない。
オプションとなるが、テレビは取り外して持ち出せるようになっている。
それを運転席・助手席のヘッドレストに掛けてもいいし、地デジ用のクリップアンテナを付ければ、屋外でも見られる。

「これほどこだわったバンコンは、レクビィの歴史の中でもかつてなかった」 と、開発を担った増田浩一社長は語る。

「フロアプランはすぐにできあがったんですわ。しかし、それからのやり直しにはめちゃめちゃ手間をかけたんです。
床のクッションフロアを決めるのに張り替えた数は3回。シートは4回。天井の作り直しは3回。
家具に関しては、もう何度作り直したことか…」
なぜ、それほどこだわったのか。
「奥さんに選んでもらうバンコンを造る要領なら、ある程度われわれも飲み込んでいるんです。
しかし、今回は奥さんだけでなく、お父さんにも、子どもにも、お爺ちゃんにも、お婆ちゃんにも気に入ってもらえる内装を創り出してみたかった」
…というわけで、社員全員の家族を巻き込んで、インテリアに関する感想、意見、要望、提案を集めた。
ポケットのデザインひとつ取っても、そのような家族全員の意見を吟味した上で、サイズ、形状、ボタンの位置を変えたさまざまな試作品を作った。

そういう一連の開発過程を経たのちに、ようやくこのポシェットのデザインができあがった。
バンコンのトップメーカーだからこそ、そこまでこだわったのか。
そこまでこだわるからこそ、トップメーカーでいられるのか。
いずれにせよ、こういうこだわりに、これからバンコン市場に参入しようとする後発メーカーはついて来れるのか。
日本のバンコン開発の第2ラウンドは、業者間のきびしい技術開発合戦で幕を開けた感じだ。
その一つとして、バンコン開発が第2ラウンドを迎えたということが挙げられる。
4年ほど前に新型ハイエースが投入されたことにより、日本のバンコンシーンはこれまでにない活況を呈した。
ところが、今やレイアウト的にはほとんどのパターンが出尽くし、バンコンの発展は、一見、止まったかのように見えた。
しかし、どっこい!
水面下では、以前にも増して新機軸、新意匠のラッシュが続いている。
レイアウト的に新機軸を打ち出すことが難しくなってきた各メーカーが、今や細かい部分での使い勝手の工夫、デザイン的な掘り下げなど、目を凝らして見なければ見逃してしまうようなディテールにおいて、とんでもなく緻密な造り込みを行うようになってきたからだ。
西洋芸術の流れに例えると、ルネッサンスからマニエリスモの時代。あるいは、バロックからロココの時代になったといえるかもしれない。
ある意味ではギミックに走ったという印象も伴うが、傾向としては、繊細さ、優美さ、緻密さの追求が大きなテーマとなり、全体的には大きな成熟期を迎えたといえる。
しかし、そうなると、やはり老舗メーカーに1日の長があることは確か。
はっきりいうと、これからバンコン市場への参入を企てている後発メーカーさんにとっては、厳しい時代が来ているのかもしれない。
…というような話をマクラにして、今回はそんな 「緻密バンコン」 の代表例ともいえる レクビィ さんの 「ポシェット」 を紹介しようと思う。
まぁ、びっくりである。
現物を見た人ならば、「よくもまぁ、こんな細かい部分にまで凝ったようなぁ…」 とため息をついてしまうクルマだ。
一言でいうと、これは、ハイエースのロングバン・ナローボディを使った 「ファミリーユース」 のバンコンである。
しかし、「スーパーロングでは車庫に入らない」 という消去法の選択肢で選ぶには惜しい魅力がこのクルマにはいっぱい備わっている。
室内スペースは、当然、スーパーロングほどの余裕がない。
にもかかわらず、広さも感じられるし、使い勝手にも余裕があるし、何よりも、乗って、使って楽しい。
その秘密はどこにあるのだろう。
すべて小さな工夫の積み重ねなのだ。
まず、シート。
セカンドシート、サードシートとも通常のキャンパー用シートより座面が5㎝も低く設定されている。
これは、ワークヴォックスが扱う 「レボシート」 をレクビィ仕様として特注したもので、座面も低ければ、足元の台座が斜めにカットされるなど、少しでも奥行きが稼げるような設計になっている。
座面が低いために、座ったときの安定感も向上するし、ヘッドクリアランスに余裕が生まれて、ダイネットそのものに 「広がり」 が生まれる。
しかし、そうなれば、今まで座面下を収納スペースとして使っていたバンコンに比べると、荷物の収容能力が落ちる。
それを補うための工夫があちらこちらに試みられている。
まず、床下収納。
これは8ナンバーを取るための、キッチン前のクリアランス確保の意味もあるが、FRP底にフタ付きなので、ちょっとした濡れモノなどを収納するときに便利だ。
さらに、ユニークなのは、あらゆるところに設けられたポケット。
そもそも 「ポシェット」 という車名は、フランス語の “小さなポケット” に由来するのだが、このポケットの数、位置、形状が尋常ではない。
まず、オーバーヘッドコンソールの扉部分は、ポケットの “行列” になっている。
個々のポケットの収納力は小さいけれど、それが逆にいろいろな小物を仕分けして収めるにはすごく便利。
しかも、それがデザイン的にこのクルマのアイデンティティを形成する役目を担っており、カジュアルなライト感覚を演出している。
冷蔵庫の扉、その隣の収納部分にも、見事にポケットがあしらわれ、一目見たら忘れられない印象を残す。
凝った意匠はまだまだある。
電子レンジを格納するための収納スペース。ジャバラ型のシャッター扉が採用され、しかもその中央部分にアールが設けられて、軽く外側に湾曲している。
これが電子レンジのツマミなどの膨らんだ部分をうまく吸収し、スペース効率を高めている。
ポータブルトイレの収納スペースにも、同様の試みがなされている。
リヤゲートを開くと、左右に収納カウンターが見えるのだが、左側の外部シャワーに注目。
普通だったら、その上にあるシンクのフォーセットを伸ばせばいいように設計されるところだが、シャワー用フォーセットが低い位置に設けられているため、子供やペットの泥足を洗うときにすごく楽だ。
外部シャワーのフォーセットを独立させたのは、左右のカウンターにベッドマットを渡して子供用ベッドを作った状態でもシャワーが使えることを狙ったもの。
芸が細かい。
室内灯の位置と角度にも注目。
左右に分かれた室内灯が、首振り動作を可能にして、リビング側とキッチン側の両方を照らせるように設定されている。
それがまた、釣り鐘が首を振って涼しげな音を出すような印象をともない、なんともいえない風情をかもし出す。
ここまで凝ったバンコンは、ちょっと類例がない。
オプションとなるが、テレビは取り外して持ち出せるようになっている。
それを運転席・助手席のヘッドレストに掛けてもいいし、地デジ用のクリップアンテナを付ければ、屋外でも見られる。
「これほどこだわったバンコンは、レクビィの歴史の中でもかつてなかった」 と、開発を担った増田浩一社長は語る。
「フロアプランはすぐにできあがったんですわ。しかし、それからのやり直しにはめちゃめちゃ手間をかけたんです。
床のクッションフロアを決めるのに張り替えた数は3回。シートは4回。天井の作り直しは3回。
家具に関しては、もう何度作り直したことか…」
なぜ、それほどこだわったのか。
「奥さんに選んでもらうバンコンを造る要領なら、ある程度われわれも飲み込んでいるんです。
しかし、今回は奥さんだけでなく、お父さんにも、子どもにも、お爺ちゃんにも、お婆ちゃんにも気に入ってもらえる内装を創り出してみたかった」
…というわけで、社員全員の家族を巻き込んで、インテリアに関する感想、意見、要望、提案を集めた。
ポケットのデザインひとつ取っても、そのような家族全員の意見を吟味した上で、サイズ、形状、ボタンの位置を変えたさまざまな試作品を作った。
そういう一連の開発過程を経たのちに、ようやくこのポシェットのデザインができあがった。
バンコンのトップメーカーだからこそ、そこまでこだわったのか。
そこまでこだわるからこそ、トップメーカーでいられるのか。
いずれにせよ、こういうこだわりに、これからバンコン市場に参入しようとする後発メーカーはついて来れるのか。
日本のバンコン開発の第2ラウンドは、業者間のきびしい技術開発合戦で幕を開けた感じだ。
2008年11月05日
防寒用蓄熱マット
この11月初旬に東京で開催されたキャンピングカーショー 「お台場くるま旅パラダイス」 では、ユニークな便利グッズがあちらこちらのブースで展示されました。
このブログでも、そのいくつかを、折をみてご紹介いたしましょう。
まずは、蓄熱式温熱マットの 「ひだまりくん」 です。
これは、一言でいえば “防寒グッズ” 。
これからの季節に車中泊を試みる方の必需品です。

どういうものかというと、長さ1,800mm×幅500mm (厚さ45mm) の難燃性チップウレタンを保温剤に使った 「蓄熱マット」 なのですが、シガーライターソケットを使って1時間半ほど蓄熱すれば、その後7~8時間にわたってポカポカ温かい状態が保たれるという魔法のマットです。

これを展示していたのは、エアサス (camsus) や軽キャンパー 「オフタイム」 の開発で知られる島根県のスマイルファクトリーさん。
その長藤社長さんが、お台場の展示ブースで置いたご自分の軽キャンパーの中で、実際に試してみたという保証済みの商品です。
ショー会場でずっと寝泊まりした長藤さんは、こう言います。
「シャツとパンツ1枚だけの状態で車中泊してみたのですが、この蓄熱マット、本当に温かいんですわ。
このマットの上にバスタオルを敷いて、お腹に毛布をかけただけで十分寝られました。
しかも、汗をかかない程度の温かさなので、タオルやシャツが濡れることなく、実に快適。これなら自信をもってお客様にお薦めできると感じました」
キャンピングカーの車内を温める暖房機として普及しているのはFFヒーターですが、FFヒーターは、時に車内の空気をカラカラに乾燥させてしまうこともあります。
人によっては、ヒーターを作動させながら加湿器を稼動させている人もいるようです。
「その点、この蓄熱マットは空気を過度に乾燥させることがないので、身体に優しい暖房機です」
と長藤さん。
「さらに燃焼式の道具ではないので環境にも優しい」
…というわけですね。
「使い方としては、走行中に蓄熱しておけばいいんですね。目的地に着く2時間ぐらい前からシガーライターソケット差し込んでおけば、サブバッテリーへの負担もゼロ。
蓄熱するとブザーが鳴るようになっていますので、そうしたら抜く。それで7~8時間は十分に温かい」
なるほど便利!
しかし、クルマを止めて同じところに連泊した場合はどうなのだろうか。
バッテリーが弱っていたりしたら、蓄熱による負担は生じないのでしょうか。
長藤さんいわく。
「状況によっては多少そういうこともあるかもしれません。
しかし、蓄熱に消費する電流はわずか5アンペアなんですよ。それも1時間半の通電で済んでしまう。
だから、一晩ぐらいはエンジンを止めた状態でもまったく大丈夫だと思いますよ」
…ということで、とても便利な暖房グッズに思えるのですが、蓄熱できるのは1回で1マット。
もし、夫婦2人旅で、2枚温めたい場合はどうすればいいのでしょう?
「シガーライターソケットは自動車には一個しか付いていませんけれど、よくホームセンターなどで売っている二つに分岐しているソケットを買ってもらえれば使えると思いますよ。
乗用車のシガーライターというのは10アンペアなんですよ。で、蓄熱に必要なのは5アンペアなので、二ついっぺんに通電してもヒューズが飛ぶことがないとメーカーの人は言っています」
実はこの蓄熱マット、トラックドライバーの間ではそうとう普及している商品だそうです。
トラック協会では、暖房を取るためにアドリングしたまま仮眠を取るドライバーに対して、CO2の削減のためにアイドリングをストップするよう呼びかけています。
そのためFFヒーターや、このような蓄熱マットを奨励しているとも。
ということで、この 「ひだまりくん」 が多く普及している世界は、トラック業界なのですが、そこで流通する商品は24V仕様。
乗用車用の12V仕様は、まだ十分な販売システムが整っていないようです。
製造元は (株) 金子製作所
標準小売価格は36,800円 + (消費税)
キャンピングカーで使う場合の問い合わせは、スマイルファクトリーさんへどうぞ。
このブログでも、そのいくつかを、折をみてご紹介いたしましょう。
まずは、蓄熱式温熱マットの 「ひだまりくん」 です。
これは、一言でいえば “防寒グッズ” 。
これからの季節に車中泊を試みる方の必需品です。
どういうものかというと、長さ1,800mm×幅500mm (厚さ45mm) の難燃性チップウレタンを保温剤に使った 「蓄熱マット」 なのですが、シガーライターソケットを使って1時間半ほど蓄熱すれば、その後7~8時間にわたってポカポカ温かい状態が保たれるという魔法のマットです。
これを展示していたのは、エアサス (camsus) や軽キャンパー 「オフタイム」 の開発で知られる島根県のスマイルファクトリーさん。
その長藤社長さんが、お台場の展示ブースで置いたご自分の軽キャンパーの中で、実際に試してみたという保証済みの商品です。
ショー会場でずっと寝泊まりした長藤さんは、こう言います。
「シャツとパンツ1枚だけの状態で車中泊してみたのですが、この蓄熱マット、本当に温かいんですわ。
このマットの上にバスタオルを敷いて、お腹に毛布をかけただけで十分寝られました。
しかも、汗をかかない程度の温かさなので、タオルやシャツが濡れることなく、実に快適。これなら自信をもってお客様にお薦めできると感じました」
キャンピングカーの車内を温める暖房機として普及しているのはFFヒーターですが、FFヒーターは、時に車内の空気をカラカラに乾燥させてしまうこともあります。
人によっては、ヒーターを作動させながら加湿器を稼動させている人もいるようです。
「その点、この蓄熱マットは空気を過度に乾燥させることがないので、身体に優しい暖房機です」
と長藤さん。
「さらに燃焼式の道具ではないので環境にも優しい」
…というわけですね。
「使い方としては、走行中に蓄熱しておけばいいんですね。目的地に着く2時間ぐらい前からシガーライターソケット差し込んでおけば、サブバッテリーへの負担もゼロ。
蓄熱するとブザーが鳴るようになっていますので、そうしたら抜く。それで7~8時間は十分に温かい」
なるほど便利!
しかし、クルマを止めて同じところに連泊した場合はどうなのだろうか。
バッテリーが弱っていたりしたら、蓄熱による負担は生じないのでしょうか。
長藤さんいわく。
「状況によっては多少そういうこともあるかもしれません。
しかし、蓄熱に消費する電流はわずか5アンペアなんですよ。それも1時間半の通電で済んでしまう。
だから、一晩ぐらいはエンジンを止めた状態でもまったく大丈夫だと思いますよ」
…ということで、とても便利な暖房グッズに思えるのですが、蓄熱できるのは1回で1マット。
もし、夫婦2人旅で、2枚温めたい場合はどうすればいいのでしょう?
「シガーライターソケットは自動車には一個しか付いていませんけれど、よくホームセンターなどで売っている二つに分岐しているソケットを買ってもらえれば使えると思いますよ。
乗用車のシガーライターというのは10アンペアなんですよ。で、蓄熱に必要なのは5アンペアなので、二ついっぺんに通電してもヒューズが飛ぶことがないとメーカーの人は言っています」
実はこの蓄熱マット、トラックドライバーの間ではそうとう普及している商品だそうです。
トラック協会では、暖房を取るためにアドリングしたまま仮眠を取るドライバーに対して、CO2の削減のためにアイドリングをストップするよう呼びかけています。
そのためFFヒーターや、このような蓄熱マットを奨励しているとも。
ということで、この 「ひだまりくん」 が多く普及している世界は、トラック業界なのですが、そこで流通する商品は24V仕様。
乗用車用の12V仕様は、まだ十分な販売システムが整っていないようです。
製造元は (株) 金子製作所
標準小売価格は36,800円 + (消費税)
キャンピングカーで使う場合の問い合わせは、スマイルファクトリーさんへどうぞ。
2008年10月25日
ザナドゥー
「バスコンバージョン」 という車種を展示会で見る機会がなくなった。
一時は、いろいろなメーカーがマイクロバスにチャレンジして、大きなショーともなると、必ず4~5台はバスコンの姿が見えていた時代があった。
特に、バンコンに自信を持っていたメーカーは、全ブランドの中のフラッグシップモデルという位置づけで、バスに手を染める傾向があった。
それが、ここ数年はどんどん減少し、この秋の関西と名古屋のキャンピングカーショーでは、RV BIGFOOT (アールブィビックフット) さんが持ち込まれた車種だけになってしまった。
バスはベース車そのものも高いので、不況の時代には売りにくいとか、あるいは、定番レイアウトのまま買う顧客が少なく、すべて個別オーダーとなるので展示する意味がない…などといった理由があるのかもしれない。
あるいは、バスボディを大胆にカットして、オリジナルシェルを架装する新しいタイプのキャンピングカーが登場するようになって、バスコンそのもののポジションが中途半端になってしまったということもありえるだろう。
そんな中で、RVビックフットさんは新型バスコンバージョン 「Xanadu ザナドゥー」 を関西、名古屋ショーと続けて登場させた。
そこにはバスコンプロショップとして、今日までの地歩を築いてきたビックフットさんの自信のほどが感じられるし、また意地も見えるように思う。

▲ Xanadu
先週開かれた名古屋ショーの会場で、ザナドゥーの特徴とその開発の狙いを、牧瀬芳一社長からうかがう機会を得た。
「元々うちのバックボーンはバスでしたので、原点に戻ろうと思いました」
と、牧瀬社長は開口一番そう答えた。

▲ 牧瀬芳一社長
RVビックフット社が、今日のようなビッグメーカー&ビッグディーラーとしての地歩を築いてこられたのも、もとは同社の開発したバスコン (エポックシリーズ) が世に認められたからだ。
なにしろ、同社はバスコンにおいては草分け的なショップ。
日本に、バスベースのキャンピングカーが普及することへの筋道を付けたパイオニアともいえる。
その経営トップの人が 「原点に戻る」 と言った背景には、どんな思惑があったのだろう。
「私がバスコンを始めた頃、お客様というのはバスそのものが好きな人たちだったんですね。
本来なら大型免許がないと運転できなかったものが、普通免許でも運転できる。乗り味も安定感も最高。
さらに庭に置けば、家がワンルーム増える計算になる。
そのうちターボやオートマが付いて、シャシーもどんどん充実していく。
だから、トヨタがいいのか日産がいいのか、昔はみんな無邪気に議論したものでした」
…という牧瀬さんの話を聞いて、ひとつ分かったことがある。
この人自身が、もう無類の “バス好き” なのだ。
好きな人が、原点に戻って好きなものを造る。
その心意気が伝わってくると、こっちも取材が面白い。

ただ、「時代は変わった」 と牧瀬さん。
「今のお客様というのは、昔のように、バスが好きだから…という人に限らなくなりました。輸入車やキャブコンから乗り換えられるお客様が増えてきたんです」
…ということは、
「バスだからしょうがないんだよ (笑) 」 と、今までのバスコンのデメリットに目をつぶってくれる人たちが、少なくなってきたことを意味する。
キャブコンや輸入モーターホームの使い勝手を経験してきた人たちというのは、ボディの断熱性や防音性、収納性、プライバシーの確保などに関して厳しい評価軸を確立している。
特に、こういう人たちは断熱性に対する関心度が高い。
だから、ガラスと鉄板の表面積ばかり目立つバスコンの構造に対し、断熱性が低いのではなかろうか? …と疑問の目を向ける。
ユーザーが望むバスコンの断熱性を確保するための有効な対策のひとつに、“窓埋め” がある。
熱伝導率の高いバスのガラス窓部分をFRPなどの素材を使ったパネルで防ぎ、窓から進入する太陽熱や冷気をシャットアウトしようというもの。
この窓埋め型バスコン開発においては、茨城県にショップを構えるRVランドさんが先鞭を付けたが、RVビックフットさんも、すかさず自社製品に対応を施した。
同社はエポック・レボリューションやタンゴなどの開発において、日産純正のブラインドパネルを採用して好評を博した。
ただ、日産純正品の場合は表面がフラット。
デザイン的にも単調なラインに終始してしまうので、クオリティ感が出ない。
しかし、今回のザナドゥーでは、微妙な3次曲面を採用したオリジナル開発の 「アイアン (鉄板) 窓埋めパネル」 が試みられた。
しかも、ボディ右サイドでは、それが運転席から後方の窓をすべて埋めるほどの徹底ぶりが貫かれている。

ザナドゥーは、RVビックフットさんが、バスコンプロショップとしての原点に戻るために投入された新世代バスコンだったのだ。
レイアウト的な特徴は何か。
牧瀬社長は、リヤベッドの設定位置が低いことを強調する。
もしベッド位置が高ければ、その下に収納庫を設けた場合、その容量が大きくなるというメリットが生まれるはずだ。
ところが、このザナドゥーのベッド高は、リヤトランクにジェネレーターを入れるぎりぎりの高さに調整されている。

▲ 窓埋め効果によって、プライバシー確保と断熱が行き届いたリヤベッド
それも牧瀬さんに言わせると、計算のうちなのだ。
「やはりキャブコンからバスに流れてきたお客様というのは、高齢者になって、バンクへの登り下りがきつくなったという人が多いのです。そういう方々は、固定ベッドにおいても、ハイマウントベッドを嫌われる傾向があります」
…だから、このベッドは登り下りがしやすい高さに設定されているという。
「しかも、女の人ならこのベッドの上に立つこともできます。そう考えると、低いベッドにすれば、部屋がひとつ増えたことにもなりますね」
一見、非合理的な設定に見えても、実は周到に計算されたベッド高なのだと、牧瀬さんは説明する。

▲ 優雅なL字ラウンジ。シートはレザー
キャンピングカーは、だんだん 「趣味のアイテム」 から 「生活必需品」 に変化している、と牧瀬さんは見ている。
「キャンピングカーであちらこちらを旅しても、朝はキャンプ場や道の駅の周辺を普段と変わりなく散歩したり、車内でくつろぐときも、家庭と同じようにプライバシーを確保しようとする人たちが増えました。
日頃の生活と同じようにキャンピングカーを使う人たちの時代になったんですね」
だから、安眠できるベッドがあり、快適なリビングが用意され、荷物入れもしっかり確保されている。そして走るときは、快適な乗り心地が実現されている。
…というのは当たり前!
「生活必需品」 であるならば、そういう条件はとうぜん満たされていて、ユーザーがことさら 「便利だ!」 だと感じることもないほど洗練されていなければならない。
「そういう空間を実現するには、やはりバスが一番なのです」
と、牧瀬さん。
バスコンのプロショップの原点回帰には、骨太の “バス哲学” が貫かれているようだ。
一時は、いろいろなメーカーがマイクロバスにチャレンジして、大きなショーともなると、必ず4~5台はバスコンの姿が見えていた時代があった。
特に、バンコンに自信を持っていたメーカーは、全ブランドの中のフラッグシップモデルという位置づけで、バスに手を染める傾向があった。
それが、ここ数年はどんどん減少し、この秋の関西と名古屋のキャンピングカーショーでは、RV BIGFOOT (アールブィビックフット) さんが持ち込まれた車種だけになってしまった。
バスはベース車そのものも高いので、不況の時代には売りにくいとか、あるいは、定番レイアウトのまま買う顧客が少なく、すべて個別オーダーとなるので展示する意味がない…などといった理由があるのかもしれない。
あるいは、バスボディを大胆にカットして、オリジナルシェルを架装する新しいタイプのキャンピングカーが登場するようになって、バスコンそのもののポジションが中途半端になってしまったということもありえるだろう。
そんな中で、RVビックフットさんは新型バスコンバージョン 「Xanadu ザナドゥー」 を関西、名古屋ショーと続けて登場させた。
そこにはバスコンプロショップとして、今日までの地歩を築いてきたビックフットさんの自信のほどが感じられるし、また意地も見えるように思う。
▲ Xanadu
先週開かれた名古屋ショーの会場で、ザナドゥーの特徴とその開発の狙いを、牧瀬芳一社長からうかがう機会を得た。
「元々うちのバックボーンはバスでしたので、原点に戻ろうと思いました」
と、牧瀬社長は開口一番そう答えた。
▲ 牧瀬芳一社長
RVビックフット社が、今日のようなビッグメーカー&ビッグディーラーとしての地歩を築いてこられたのも、もとは同社の開発したバスコン (エポックシリーズ) が世に認められたからだ。
なにしろ、同社はバスコンにおいては草分け的なショップ。
日本に、バスベースのキャンピングカーが普及することへの筋道を付けたパイオニアともいえる。
その経営トップの人が 「原点に戻る」 と言った背景には、どんな思惑があったのだろう。
「私がバスコンを始めた頃、お客様というのはバスそのものが好きな人たちだったんですね。
本来なら大型免許がないと運転できなかったものが、普通免許でも運転できる。乗り味も安定感も最高。
さらに庭に置けば、家がワンルーム増える計算になる。
そのうちターボやオートマが付いて、シャシーもどんどん充実していく。
だから、トヨタがいいのか日産がいいのか、昔はみんな無邪気に議論したものでした」
…という牧瀬さんの話を聞いて、ひとつ分かったことがある。
この人自身が、もう無類の “バス好き” なのだ。
好きな人が、原点に戻って好きなものを造る。
その心意気が伝わってくると、こっちも取材が面白い。
ただ、「時代は変わった」 と牧瀬さん。
「今のお客様というのは、昔のように、バスが好きだから…という人に限らなくなりました。輸入車やキャブコンから乗り換えられるお客様が増えてきたんです」
…ということは、
「バスだからしょうがないんだよ (笑) 」 と、今までのバスコンのデメリットに目をつぶってくれる人たちが、少なくなってきたことを意味する。
キャブコンや輸入モーターホームの使い勝手を経験してきた人たちというのは、ボディの断熱性や防音性、収納性、プライバシーの確保などに関して厳しい評価軸を確立している。
特に、こういう人たちは断熱性に対する関心度が高い。
だから、ガラスと鉄板の表面積ばかり目立つバスコンの構造に対し、断熱性が低いのではなかろうか? …と疑問の目を向ける。
ユーザーが望むバスコンの断熱性を確保するための有効な対策のひとつに、“窓埋め” がある。
熱伝導率の高いバスのガラス窓部分をFRPなどの素材を使ったパネルで防ぎ、窓から進入する太陽熱や冷気をシャットアウトしようというもの。
この窓埋め型バスコン開発においては、茨城県にショップを構えるRVランドさんが先鞭を付けたが、RVビックフットさんも、すかさず自社製品に対応を施した。
同社はエポック・レボリューションやタンゴなどの開発において、日産純正のブラインドパネルを採用して好評を博した。
ただ、日産純正品の場合は表面がフラット。
デザイン的にも単調なラインに終始してしまうので、クオリティ感が出ない。
しかし、今回のザナドゥーでは、微妙な3次曲面を採用したオリジナル開発の 「アイアン (鉄板) 窓埋めパネル」 が試みられた。
しかも、ボディ右サイドでは、それが運転席から後方の窓をすべて埋めるほどの徹底ぶりが貫かれている。
ザナドゥーは、RVビックフットさんが、バスコンプロショップとしての原点に戻るために投入された新世代バスコンだったのだ。
レイアウト的な特徴は何か。
牧瀬社長は、リヤベッドの設定位置が低いことを強調する。
もしベッド位置が高ければ、その下に収納庫を設けた場合、その容量が大きくなるというメリットが生まれるはずだ。
ところが、このザナドゥーのベッド高は、リヤトランクにジェネレーターを入れるぎりぎりの高さに調整されている。
▲ 窓埋め効果によって、プライバシー確保と断熱が行き届いたリヤベッド
それも牧瀬さんに言わせると、計算のうちなのだ。
「やはりキャブコンからバスに流れてきたお客様というのは、高齢者になって、バンクへの登り下りがきつくなったという人が多いのです。そういう方々は、固定ベッドにおいても、ハイマウントベッドを嫌われる傾向があります」
…だから、このベッドは登り下りがしやすい高さに設定されているという。
「しかも、女の人ならこのベッドの上に立つこともできます。そう考えると、低いベッドにすれば、部屋がひとつ増えたことにもなりますね」
一見、非合理的な設定に見えても、実は周到に計算されたベッド高なのだと、牧瀬さんは説明する。
▲ 優雅なL字ラウンジ。シートはレザー
キャンピングカーは、だんだん 「趣味のアイテム」 から 「生活必需品」 に変化している、と牧瀬さんは見ている。
「キャンピングカーであちらこちらを旅しても、朝はキャンプ場や道の駅の周辺を普段と変わりなく散歩したり、車内でくつろぐときも、家庭と同じようにプライバシーを確保しようとする人たちが増えました。
日頃の生活と同じようにキャンピングカーを使う人たちの時代になったんですね」
だから、安眠できるベッドがあり、快適なリビングが用意され、荷物入れもしっかり確保されている。そして走るときは、快適な乗り心地が実現されている。
…というのは当たり前!
「生活必需品」 であるならば、そういう条件はとうぜん満たされていて、ユーザーがことさら 「便利だ!」 だと感じることもないほど洗練されていなければならない。
「そういう空間を実現するには、やはりバスが一番なのです」
と、牧瀬さん。
バスコンのプロショップの原点回帰には、骨太の “バス哲学” が貫かれているようだ。
2008年10月23日
Jキャビン・ミニ
軽トラック専用の小型ピックアップキャビンの開発。
おそらく、こういうことを考えるのは、欧米にはない軽トラというビークルが普及している日本の中で、さらに、ピックアップキャビンを自社内で生産できるMYSミスティックさんぐらいのものだろう。

ここ数年、すさまじい勢いで伸びてきた軽自動車。
その販売台数は、今年の上半期には一時の勢いを失ったとはいえ、基本的にそのランニングコストの安さが大きな魅力となり、様々な経済不安を抱える今の社会状況においては、庶民の生活感覚にしっかり根を下ろしている。
そんな状況を反映して、
「軽トラックの荷台にキャビンが載るようなトラキャンはありませんか?」
「軽トラ専用ピックアップキャビンを開発してくれませんか?」
というような要望は、ミスティックの佐藤社長のところにもさんざん舞い込んでいたという。
しかし、いくら軽トラベースだからといっても、それに積載するキャビンまで軽自動車の価格に見合ったコストにまで落とすことはできない。
開発費用も製作する手間も、普通のピックアップトラックに積載するキャビンにかかるコストと大きく変わるところはないからだ。
それに、軽トラックのエンジン出力、足回り、積載重量、許容荷重などを考えると、「ワタビー」 のような簡単な架装で楽しめる軽ベースのバンコンとは違い、キャビンを積載することへの懸念材料がたくさん残る。
佐藤社長は、軽トラ用シェルを欲しがるお客さんに対しても、しばらくは 「やる気がないので…」 と断り続けていたという。

しかし、ある日ふとひらめいた。
「軽トラ用に開発したキャビンを、軽登録のカーゴトレーラーに積んでみたらどうだろうか?」
もちろん、普段はそのキャビンをトラックの荷台に積む。
しかし、用途や使用人数に応じて、トレーラーにも載せられるようにすれば、トラックの荷台の方はバイクやキャンプ用具の積載に使える。
さらに、そのキャビンを積載したトレーラーを普通乗用車などで引っ張れば、トレーラーそのもののけん引も安定する。
折しもトヨタ自動車から、新しいライト/タウンエースが出たばかり。軽トラ用の小型シェルを開発すれば、それを少し加工するだけで、そちらに積載できるかもしれない。
こうしてMYSミスティックの 「J-cabin Mini (Jキャビン・ミニ) 」 計画がスタートすることになった。
まず、ベース車。
軽トラには、スズキキャリィ、三菱ミニキャブ、ホンダアクティ、スバルサンバーなど、様々なベース車が考えられる。
佐藤社長は、できるかぎり様々な軽トラに乗る機会をつくって、研究を開始した。
驚いた!
どれに乗っても、昔の軽の規格によってつくられていたものとは雲泥の差がある。
剛性感も高いし、走りも軽快。
佐藤さんは、「足回りをしっかり組めば、キャビンを載せてもまったく問題ない」 という感触を得た。
さて、シェル。
軽の横幅に合わせるわけだから、車室の幅が狭くなるのは致し方ない。
でも、これも 「2人仕様」 と割りきれば、対面ニの字シートを向かい合わせればサマにはなる。逆に長さは稼げそう。

問題は重量。
エンジン出力や積載重量との関係を考えれば、目標値は300kg。
ただ、エアコン、インバーター、キッチン、冷蔵庫、ポータブルトイレなどの快適装備を付加することも考えなければならないから、それを装着したことを想定すれば350kgというところか…。

こうして完成したキャビンを積載し、佐藤さんは、まずスズキキャリィとホンダアクティの2車を試走してみた。
ともに乗り心地は最高だ!
軽く100kmまで加速していき、その速度域でのクルージングはまったく問題がない。

キャビンの開発と同時に、ベース車の足回りにも手を入れていたので、その効果が生きている感じだ。
スズキキャリィへの荷重受けはエアサス。アクティにはリーフ増しで対応。ダンパーは4本ともカヤバ。フロントにはスタビライザーを追加したので、
「ひょっとして、これ軽?」
というくらいのしなやかで、しっかりした走りが実現している。

燃費も良好。アクティで 「名古屋キャンピングカーフェア」 の会場まで300kmの道のりを走った値は、10km/リットルだったという。
ショー会場で、車両撮影を行いながら、佐藤さんに今後のテーマを聞いてみた。
やはり、さらなる 「軽量化」 にチャレンジするという。
「できれば、標準装備の状態における目標値を240~250kgぐらいに収めたい。ジャッキを付けたり、エアコンを搭載するなど、オプション類を加えても300kg。そうすれば走りもさらに軽快になり、バランスももっと良くなるはず」
と佐藤さんは語る。
その目途はあるのだろうか。
「今の作りは、Jキャビンとほとんど変わらないんです。フレームの上にコンパネを張って、ルーフの上もしっかり歩けるような構造になっていますけど、別にコンパネがなくてもルーフの上には乗れるわけで、そういう見直しを少しずつ重ねていけば、今よりさらに軽くなる見通しは立ちます」
このあたり、Jキャビンをオリジナル生産する中で培ってきたMYSの軽量化技術が生きてきそうだ。

「私の夢は、このシェルをトレーラーに積んで、トラックの荷台にはバイクを載せ、北海道を思う存分走ること」
そう語る佐藤さんの表情には、北海道の広大な原野を見つめるバイクライダーの意気込みが浮かんでいた。
トラキャンの世界のみならず、バンコンにおいても新しい試みにチャレンジし続ける佐藤社長の情熱は、結局、この 「自分が楽しみたい」 というあくことなき夢の追求から生まれてくるようだ。
おそらく、こういうことを考えるのは、欧米にはない軽トラというビークルが普及している日本の中で、さらに、ピックアップキャビンを自社内で生産できるMYSミスティックさんぐらいのものだろう。
ここ数年、すさまじい勢いで伸びてきた軽自動車。
その販売台数は、今年の上半期には一時の勢いを失ったとはいえ、基本的にそのランニングコストの安さが大きな魅力となり、様々な経済不安を抱える今の社会状況においては、庶民の生活感覚にしっかり根を下ろしている。
そんな状況を反映して、
「軽トラックの荷台にキャビンが載るようなトラキャンはありませんか?」
「軽トラ専用ピックアップキャビンを開発してくれませんか?」
というような要望は、ミスティックの佐藤社長のところにもさんざん舞い込んでいたという。
しかし、いくら軽トラベースだからといっても、それに積載するキャビンまで軽自動車の価格に見合ったコストにまで落とすことはできない。
開発費用も製作する手間も、普通のピックアップトラックに積載するキャビンにかかるコストと大きく変わるところはないからだ。
それに、軽トラックのエンジン出力、足回り、積載重量、許容荷重などを考えると、「ワタビー」 のような簡単な架装で楽しめる軽ベースのバンコンとは違い、キャビンを積載することへの懸念材料がたくさん残る。
佐藤社長は、軽トラ用シェルを欲しがるお客さんに対しても、しばらくは 「やる気がないので…」 と断り続けていたという。
しかし、ある日ふとひらめいた。
「軽トラ用に開発したキャビンを、軽登録のカーゴトレーラーに積んでみたらどうだろうか?」
もちろん、普段はそのキャビンをトラックの荷台に積む。
しかし、用途や使用人数に応じて、トレーラーにも載せられるようにすれば、トラックの荷台の方はバイクやキャンプ用具の積載に使える。
さらに、そのキャビンを積載したトレーラーを普通乗用車などで引っ張れば、トレーラーそのもののけん引も安定する。
折しもトヨタ自動車から、新しいライト/タウンエースが出たばかり。軽トラ用の小型シェルを開発すれば、それを少し加工するだけで、そちらに積載できるかもしれない。
こうしてMYSミスティックの 「J-cabin Mini (Jキャビン・ミニ) 」 計画がスタートすることになった。
まず、ベース車。
軽トラには、スズキキャリィ、三菱ミニキャブ、ホンダアクティ、スバルサンバーなど、様々なベース車が考えられる。
佐藤社長は、できるかぎり様々な軽トラに乗る機会をつくって、研究を開始した。
驚いた!
どれに乗っても、昔の軽の規格によってつくられていたものとは雲泥の差がある。
剛性感も高いし、走りも軽快。
佐藤さんは、「足回りをしっかり組めば、キャビンを載せてもまったく問題ない」 という感触を得た。
さて、シェル。
軽の横幅に合わせるわけだから、車室の幅が狭くなるのは致し方ない。
でも、これも 「2人仕様」 と割りきれば、対面ニの字シートを向かい合わせればサマにはなる。逆に長さは稼げそう。
問題は重量。
エンジン出力や積載重量との関係を考えれば、目標値は300kg。
ただ、エアコン、インバーター、キッチン、冷蔵庫、ポータブルトイレなどの快適装備を付加することも考えなければならないから、それを装着したことを想定すれば350kgというところか…。
こうして完成したキャビンを積載し、佐藤さんは、まずスズキキャリィとホンダアクティの2車を試走してみた。
ともに乗り心地は最高だ!
軽く100kmまで加速していき、その速度域でのクルージングはまったく問題がない。
キャビンの開発と同時に、ベース車の足回りにも手を入れていたので、その効果が生きている感じだ。
スズキキャリィへの荷重受けはエアサス。アクティにはリーフ増しで対応。ダンパーは4本ともカヤバ。フロントにはスタビライザーを追加したので、
「ひょっとして、これ軽?」
というくらいのしなやかで、しっかりした走りが実現している。
燃費も良好。アクティで 「名古屋キャンピングカーフェア」 の会場まで300kmの道のりを走った値は、10km/リットルだったという。
ショー会場で、車両撮影を行いながら、佐藤さんに今後のテーマを聞いてみた。
やはり、さらなる 「軽量化」 にチャレンジするという。
「できれば、標準装備の状態における目標値を240~250kgぐらいに収めたい。ジャッキを付けたり、エアコンを搭載するなど、オプション類を加えても300kg。そうすれば走りもさらに軽快になり、バランスももっと良くなるはず」
と佐藤さんは語る。
その目途はあるのだろうか。
「今の作りは、Jキャビンとほとんど変わらないんです。フレームの上にコンパネを張って、ルーフの上もしっかり歩けるような構造になっていますけど、別にコンパネがなくてもルーフの上には乗れるわけで、そういう見直しを少しずつ重ねていけば、今よりさらに軽くなる見通しは立ちます」
このあたり、Jキャビンをオリジナル生産する中で培ってきたMYSの軽量化技術が生きてきそうだ。
「私の夢は、このシェルをトレーラーに積んで、トラックの荷台にはバイクを載せ、北海道を思う存分走ること」
そう語る佐藤さんの表情には、北海道の広大な原野を見つめるバイクライダーの意気込みが浮かんでいた。
トラキャンの世界のみならず、バンコンにおいても新しい試みにチャレンジし続ける佐藤社長の情熱は、結局、この 「自分が楽しみたい」 というあくことなき夢の追求から生まれてくるようだ。
2008年10月16日
ニューバレンシア
最近、考えていることは、日本のキャンピングカーが国際商品になれるのかどうかということ。
もちろんベース車の問題、各国のレギュレーションの問題、サイズ的な問題、為替の問題などいろいろ複雑な要素が加わるので、現状の国産車がそのまま輸出できるような環境は何一つ整っていない。
しかし、コンセプトメイクあるいはデザインセンスなどで、日本製キャンピングカーは世界にも類例のない緻密さと独自性を獲得しつつあるように思う。
その最たる例が、マックレーさんが開発しているデイブレイクシリーズ。
限られた車両サイズのなかで、ひとつの家具を様々に使い分けることによって、スペース効率を限りなく追求していこうというその執念と完成度。
こういうコンセプトに、「日本文化」 のスタイルが反映されていると、いつも思っていた。
もちろん、それは狭い土地空間に住まざるを得ない我々の風土的な制約から生まれてきたものに過ぎない。
広大な土地空間が約束されているアメリカなどでキャンピングカー開発を行う場合、マックレーさんが追求する巧緻な空間造形を行う苦労など、車体を大きくするだけで、あっけなくパスできる。
「車内の広さは、すべての難問をいっぺんに解決する」
キャンピングカー開発では、それが動かざるテーゼとして確立されている。
しかし、原油の高騰、金融不安による生活設計の見直し、自然に負荷をかけないライフスタイルへの転換など、いま世界は、クルマにおいても 「小さな空間」 を効率よく使うという方向に傾きつつある。
そうなると、マックレーさん型の 「可変的な家具を採用することによって限られた車内空間の使い勝手を広げる」 という手法は、世界的に見ても 「クール (カッコいい) 」 に見えてくるのではなかろうか。
……という話をマクラに据えて、このアトラスベースのバレンシアの紹介に移る。

バレンシアというキャブコンは、フレキシブルスペース家具に代表されるように、エントランス右側に添えられた家具が、収納棚にも、シートにも、フリースペースにも変わるという、マックレーらしい可変的な家具を採用した巧緻なキャンピングカーである。

その機構だけでもユニークだが、今回のアトラス・バレンシアでは、いかにも日本人のきめ細やかな神経を象徴するような照明システムが採り入れられた。
調理したり、資料を調べたり、着替えをしたりするときに必要な明るい照明と、ダイネットでお酒などを飲みながらくつろぐ時の照明。
それがスイッチひとつで切り替えられるようになっているのだ。
生活空間として、車内全体をしっかり使うときは全照明が点灯する。
そして、落ち着いたムードを楽しむときは、LEDのダウンライトを中心にした目に優しい照明だけが浮かび上がる。
それがワンタッチ操作で実現するので、各照明のスイッチをひとつずつ付けたり消したりする必要がない。

こういう細かな気配りが浸透しているところにマックレーブランドの真骨頂がある。
今回の新型バレンシアは、また、そのような照明システムが生きるような見事な内装デザインを手に入れた。

基本的な家具色はホワイト。
キャブコンにおいては、長らく色目の濃い木目家具が主流だったが、そこからの思い切った転換が試みられている。
しかし、白一辺倒にすると、あざとい贅沢感も滲み出てしまう。
白は、基本的にゴージャスな色だからだ。
そこでこのバレンシアにおいては、微妙な配色のアレンジが行われている。
まずシート地がツートン。
座面は濃いめのパープル。背もたれは爽やかなマスタード (からし色) 。

そして、ダイネットテーブルの天板は寄せ木を使って軽快に仕上げ、ホワイト家具との調和を図っている。
カーテンもタペストリー感覚で、ざっくりした素材感を追求。
色と素材の組み合わせが絶妙にバランスされた、新しいインテリアがここに誕生している。
もちろん同車には、従来どおりのクラシカルな木目家具バージョンも用意されており、
「そっちはシニア向き」
と渡辺社長は語る。
ホワイト家具は、明らかに一世代ほど下の若いファミリー層を意識したものだとか。
しかし私は、この斬新な新色インテリアは、意外と審美的なセンスを重んじる中高年にも受けると読んだ。

とにかく、マックレーさんはまたひとつ新しい感覚を手に入れた。
イベント会場に持ち込まれた展示車両をショーアップするためのディスプレイも、洗練された雰囲気が横溢していた。
何気なく置かれたコーヒーカップ。
リヤダイネットを飾る森伊蔵などの焼酎瓶。
それらが和風のライトスタンドの光りを浴びて、なんともいえぬ爽やかな贅沢感を醸し出す。

「こんな感覚でくつろげるのか…」
車内を見た人は、一瞬のうちにこのクルマがもたらす “ゆとり感” をかぎ取ったことだろう。
いいインテリアが実現している。
日本のキャンピングカーは、日増しにそのブランド力を上げている。
もちろんベース車の問題、各国のレギュレーションの問題、サイズ的な問題、為替の問題などいろいろ複雑な要素が加わるので、現状の国産車がそのまま輸出できるような環境は何一つ整っていない。
しかし、コンセプトメイクあるいはデザインセンスなどで、日本製キャンピングカーは世界にも類例のない緻密さと独自性を獲得しつつあるように思う。
その最たる例が、マックレーさんが開発しているデイブレイクシリーズ。
限られた車両サイズのなかで、ひとつの家具を様々に使い分けることによって、スペース効率を限りなく追求していこうというその執念と完成度。
こういうコンセプトに、「日本文化」 のスタイルが反映されていると、いつも思っていた。
もちろん、それは狭い土地空間に住まざるを得ない我々の風土的な制約から生まれてきたものに過ぎない。
広大な土地空間が約束されているアメリカなどでキャンピングカー開発を行う場合、マックレーさんが追求する巧緻な空間造形を行う苦労など、車体を大きくするだけで、あっけなくパスできる。
「車内の広さは、すべての難問をいっぺんに解決する」
キャンピングカー開発では、それが動かざるテーゼとして確立されている。
しかし、原油の高騰、金融不安による生活設計の見直し、自然に負荷をかけないライフスタイルへの転換など、いま世界は、クルマにおいても 「小さな空間」 を効率よく使うという方向に傾きつつある。
そうなると、マックレーさん型の 「可変的な家具を採用することによって限られた車内空間の使い勝手を広げる」 という手法は、世界的に見ても 「クール (カッコいい) 」 に見えてくるのではなかろうか。
……という話をマクラに据えて、このアトラスベースのバレンシアの紹介に移る。
バレンシアというキャブコンは、フレキシブルスペース家具に代表されるように、エントランス右側に添えられた家具が、収納棚にも、シートにも、フリースペースにも変わるという、マックレーらしい可変的な家具を採用した巧緻なキャンピングカーである。
その機構だけでもユニークだが、今回のアトラス・バレンシアでは、いかにも日本人のきめ細やかな神経を象徴するような照明システムが採り入れられた。
調理したり、資料を調べたり、着替えをしたりするときに必要な明るい照明と、ダイネットでお酒などを飲みながらくつろぐ時の照明。
それがスイッチひとつで切り替えられるようになっているのだ。
生活空間として、車内全体をしっかり使うときは全照明が点灯する。
そして、落ち着いたムードを楽しむときは、LEDのダウンライトを中心にした目に優しい照明だけが浮かび上がる。
それがワンタッチ操作で実現するので、各照明のスイッチをひとつずつ付けたり消したりする必要がない。
こういう細かな気配りが浸透しているところにマックレーブランドの真骨頂がある。
今回の新型バレンシアは、また、そのような照明システムが生きるような見事な内装デザインを手に入れた。
基本的な家具色はホワイト。
キャブコンにおいては、長らく色目の濃い木目家具が主流だったが、そこからの思い切った転換が試みられている。
しかし、白一辺倒にすると、あざとい贅沢感も滲み出てしまう。
白は、基本的にゴージャスな色だからだ。
そこでこのバレンシアにおいては、微妙な配色のアレンジが行われている。
まずシート地がツートン。
座面は濃いめのパープル。背もたれは爽やかなマスタード (からし色) 。
そして、ダイネットテーブルの天板は寄せ木を使って軽快に仕上げ、ホワイト家具との調和を図っている。
カーテンもタペストリー感覚で、ざっくりした素材感を追求。
色と素材の組み合わせが絶妙にバランスされた、新しいインテリアがここに誕生している。
もちろん同車には、従来どおりのクラシカルな木目家具バージョンも用意されており、
「そっちはシニア向き」
と渡辺社長は語る。
ホワイト家具は、明らかに一世代ほど下の若いファミリー層を意識したものだとか。
しかし私は、この斬新な新色インテリアは、意外と審美的なセンスを重んじる中高年にも受けると読んだ。
とにかく、マックレーさんはまたひとつ新しい感覚を手に入れた。
イベント会場に持ち込まれた展示車両をショーアップするためのディスプレイも、洗練された雰囲気が横溢していた。
何気なく置かれたコーヒーカップ。
リヤダイネットを飾る森伊蔵などの焼酎瓶。
それらが和風のライトスタンドの光りを浴びて、なんともいえぬ爽やかな贅沢感を醸し出す。
「こんな感覚でくつろげるのか…」
車内を見た人は、一瞬のうちにこのクルマがもたらす “ゆとり感” をかぎ取ったことだろう。
いいインテリアが実現している。
日本のキャンピングカーは、日増しにそのブランド力を上げている。
2008年10月16日
リコルソ
先週開かれた 「関西キャンピングカーショー2008」 のアネックスさんのブースで、多くの人から注目されていたのが、この新型バンコン 「リコルソ」 です。

リコルソ。
イタリア語で 「リゾート」 を意味する言葉だとか。
英米風のネーミングに慣れてしまった私たちには、このラテンの風に吹かれているような言葉の響きが、まず新鮮です。
新鮮なのは、ブランド名だけではありません。
コンセプトの練り込み自体がなかなか新鮮です。
ベース車は、ちょっと贅沢なハイエースワゴンGL。
想定した客層は、ほのかにゆとりのある 「50代くらいのご夫婦」 …ということで、2人仕様に特化したアイデアがたくさん散りばめられています。
…というより、従来のバンコンの形式をあっさり “裏切る” 摩訶不思議なレイアウトが展開しています。

まず、フロント席とキャビンとの間を、L字型のギャレーカウンターが塞いでいます。
「ウォークスルーできないじゃない?」
とご心配の方。
これにはちゃんと狙いがあるのです。
同じように、後部にもしっかりしたカウンターが設置されています。
「これじゃリヤゲートを開けても、荷物が積めないじゃん?」
とご心配の方。
これにも、しっかりとした狙いがあるのです。

さぁ、その状態でキャビン内に入ってみましょう。
「あれ、こりゃ “部屋” だな!」
誰もがそう感じることでしょう。
つまり前と後ろがしっかりしたカウンターで囲まれたために、見事な 「ワンルーム」 が完成しています。
この “落ち着き感” は、従来のバンコンにはなかったもの。
今までのバンコンが、いかにくつろぎ感を追求しても、しょせんは 「車内」 にいる気分を払拭しきれなかったことに対し、このリコルソは、それとは異なるくつろぎ感を実現しています。
つまり、「車内」 にいるのではなく、自宅の 「リビング」 にでもいるような感覚ですね。
もちろん、前後のカウンターはオーダーによってレスすることもできますが、そうなると、このリコルソの個性は半減されます。
カウンターレスをお望みの方は、同社のファミリーワゴンのような、それこそ大人数で使えるクルマを選択された方がいいのかもしれません。
さて、まだまだ、リコルソ独特のアイデアは続きます。
ニの字シートをベッドメイクしても、単一平面が連なるクィーンベッドにならない!
つまり、テーブルポールの間分だけ隙間ができます。
広々した 「ツインベッド」 が二つ並ぶという感覚なんですね。
これも、ちょっと従来の常識を逸脱しています。

でも、この隙間が大事。
ご夫婦で寝ているときに、片方が起きても、この隙間に足を差し込んで立ち上がれば相手方を起こすことがありません。
真ん中のテーブルを生かしたままベッドメイクしているので、テーブルの上に食器などを残した状態でも寝ることができます。

もちろん、ソファからベッドに展開するときの操作は簡単。ソファの座面をスライドさせて、背もたれマットを窓側の隙間に収めるだけ。
ショー会場で、アネックスの田中社長に取材しているときに、たまたま車内で見学されていたお客さんが、ベッドメイクに関する質問をされました。
その雰囲気をちょっとここでリプレイ。
【お客さん】 …で、ベッドを作るときは、こっちの空いた透き間はどないなるの?
【田中社長】 ここのクッション (背もたれ) をポコっとはめ込むだけなんですわ。
【お客さん】 (クッションを手に持って…) これかいな? 現物これかいな? 現物これ? これ? これかいな? ……ははぁ。
【田中社長】 ハメ込まなくても、スライドさせるだけでも十分寝られます。
【お客さん】 はぁ、そやな。この部分出てくるわけやからな。はいはいはいはい。
お客さんの会話の中に 「これ」 が5回も出てきます。
「はい」 は4回。
この見事にリズムに乗った関西弁。
まるでラップを聴いているような雰囲気でした。

▲ 田中社長
このリコルソのもうひとつの特徴は、新しいレイアウトに似合った斬新な色使いと質感に恵まれた家具類が採用されているところにあります。
シート地は、明るいベージュ系のざっくりした平織り。
家具類は、ダークな木目調。
天然素材の優しさを感じさせるシート地と、人工美を追求したモダン家具のコントラスト。
そこがなんとも見事です。
シートは光りを吸収して 「なごみ感」 を表現し、家具は光りを反射して、シャープな輝きを追求する。
うまいデザインです。

キャブコン 「ネビュラ」 を開発して以来、アネックスさんは、プロのデザイナーとの共同作業を進めることによって、意識的に 「デザインマインド」 を追求していくメーカーになりました。
だから、最近のアネックス商品には、キャブコンからバンコンに至るまで、統一された 「アネックスブランド」 というものが浮かび上がってきているように思います。
それは見ようによって、洗練された都会の匂いに満たされたものに思えますが、ある意味、機能的な狂いを微塵も感じさせない工業製品のクールさを追求しているようにも感じられます。
日本のアニメ文化が 「ジャパンクール」 (日本的カッコよさ) と形容されて世界中に広まったように、国産キャンピングカーシーンにおいては 「アネックスクール」 という言葉が広まりそうな予感がします。
リコルソのお値段は、2WD・ATで、3,475,500円から。
※ ちなみに、アネックスさんのトータルデザインの成果を示すものとして、下記のようなデザイン・ロゴがあります。
カッコいいですよね。

関西ショーで、私もこのロゴの入ったTシャツを1枚買いました。
リコルソ。
イタリア語で 「リゾート」 を意味する言葉だとか。
英米風のネーミングに慣れてしまった私たちには、このラテンの風に吹かれているような言葉の響きが、まず新鮮です。
新鮮なのは、ブランド名だけではありません。
コンセプトの練り込み自体がなかなか新鮮です。
ベース車は、ちょっと贅沢なハイエースワゴンGL。
想定した客層は、ほのかにゆとりのある 「50代くらいのご夫婦」 …ということで、2人仕様に特化したアイデアがたくさん散りばめられています。
…というより、従来のバンコンの形式をあっさり “裏切る” 摩訶不思議なレイアウトが展開しています。
まず、フロント席とキャビンとの間を、L字型のギャレーカウンターが塞いでいます。
「ウォークスルーできないじゃない?」
とご心配の方。
これにはちゃんと狙いがあるのです。
同じように、後部にもしっかりしたカウンターが設置されています。
「これじゃリヤゲートを開けても、荷物が積めないじゃん?」
とご心配の方。
これにも、しっかりとした狙いがあるのです。
さぁ、その状態でキャビン内に入ってみましょう。
「あれ、こりゃ “部屋” だな!」
誰もがそう感じることでしょう。
つまり前と後ろがしっかりしたカウンターで囲まれたために、見事な 「ワンルーム」 が完成しています。
この “落ち着き感” は、従来のバンコンにはなかったもの。
今までのバンコンが、いかにくつろぎ感を追求しても、しょせんは 「車内」 にいる気分を払拭しきれなかったことに対し、このリコルソは、それとは異なるくつろぎ感を実現しています。
つまり、「車内」 にいるのではなく、自宅の 「リビング」 にでもいるような感覚ですね。
もちろん、前後のカウンターはオーダーによってレスすることもできますが、そうなると、このリコルソの個性は半減されます。
カウンターレスをお望みの方は、同社のファミリーワゴンのような、それこそ大人数で使えるクルマを選択された方がいいのかもしれません。
さて、まだまだ、リコルソ独特のアイデアは続きます。
ニの字シートをベッドメイクしても、単一平面が連なるクィーンベッドにならない!
つまり、テーブルポールの間分だけ隙間ができます。
広々した 「ツインベッド」 が二つ並ぶという感覚なんですね。
これも、ちょっと従来の常識を逸脱しています。
でも、この隙間が大事。
ご夫婦で寝ているときに、片方が起きても、この隙間に足を差し込んで立ち上がれば相手方を起こすことがありません。
真ん中のテーブルを生かしたままベッドメイクしているので、テーブルの上に食器などを残した状態でも寝ることができます。
もちろん、ソファからベッドに展開するときの操作は簡単。ソファの座面をスライドさせて、背もたれマットを窓側の隙間に収めるだけ。
ショー会場で、アネックスの田中社長に取材しているときに、たまたま車内で見学されていたお客さんが、ベッドメイクに関する質問をされました。
その雰囲気をちょっとここでリプレイ。
【お客さん】 …で、ベッドを作るときは、こっちの空いた透き間はどないなるの?
【田中社長】 ここのクッション (背もたれ) をポコっとはめ込むだけなんですわ。
【お客さん】 (クッションを手に持って…) これかいな? 現物これかいな? 現物これ? これ? これかいな? ……ははぁ。
【田中社長】 ハメ込まなくても、スライドさせるだけでも十分寝られます。
【お客さん】 はぁ、そやな。この部分出てくるわけやからな。はいはいはいはい。
お客さんの会話の中に 「これ」 が5回も出てきます。
「はい」 は4回。
この見事にリズムに乗った関西弁。
まるでラップを聴いているような雰囲気でした。
▲ 田中社長
このリコルソのもうひとつの特徴は、新しいレイアウトに似合った斬新な色使いと質感に恵まれた家具類が採用されているところにあります。
シート地は、明るいベージュ系のざっくりした平織り。
家具類は、ダークな木目調。
天然素材の優しさを感じさせるシート地と、人工美を追求したモダン家具のコントラスト。
そこがなんとも見事です。
シートは光りを吸収して 「なごみ感」 を表現し、家具は光りを反射して、シャープな輝きを追求する。
うまいデザインです。
キャブコン 「ネビュラ」 を開発して以来、アネックスさんは、プロのデザイナーとの共同作業を進めることによって、意識的に 「デザインマインド」 を追求していくメーカーになりました。
だから、最近のアネックス商品には、キャブコンからバンコンに至るまで、統一された 「アネックスブランド」 というものが浮かび上がってきているように思います。
それは見ようによって、洗練された都会の匂いに満たされたものに思えますが、ある意味、機能的な狂いを微塵も感じさせない工業製品のクールさを追求しているようにも感じられます。
日本のアニメ文化が 「ジャパンクール」 (日本的カッコよさ) と形容されて世界中に広まったように、国産キャンピングカーシーンにおいては 「アネックスクール」 という言葉が広まりそうな予感がします。
リコルソのお値段は、2WD・ATで、3,475,500円から。
※ ちなみに、アネックスさんのトータルデザインの成果を示すものとして、下記のようなデザイン・ロゴがあります。
カッコいいですよね。
関西ショーで、私もこのロゴの入ったTシャツを1枚買いました。
2008年10月15日
トニィ B
先週開かれた 「関西キャンピングカーショー2008」 に登場した新型車のなかで、ちょっと話題になったクルマを、折を見てご紹介していくことにいたしましょう。
まず、地元関西の有力ビルダーの商品から。
関西を代表するキャンピングカー販売店 「大森自動車」 さんは、総合展示場 (CCFオオモリ) として全国でもトップクラスの地位を築いていますが、最近は、ビルダーとしての実力もどんどん発揮するようになりました。
▼CCFオオモリ

大森さんのオリジナル車の特徴は、デザインコンセプトにひとつの筋道をつけたこと。
それは、「美しいデザインを追求する」 というもの。
このような同社の基本方針に沿って、実質的に具体的なデザインを練っているのが、開発担当の宮永京介さんです。
宮永さんは、常日頃からクルーザーのインテリアを研究したり、住宅展示場を見学したりして、内装のトレンドウォッチングを欠かしたことはありません。
▼ 宮永京介さん

しかし、そのようなインテリア全般の勉強を重ねても、キャンピングカーにはキャンピングカー独自の内装的制約があって、住宅や家庭用家具などをそのまま踏襲するわけにはいかない…とか。
確かに住宅とクルマでは、家具や壁材などのボリュームもまったく違うわけで、同じ素材や色目を借用しても、出来上がったものがまったく違ったイメージになる可能性は大いにあるわけです。
だから、キャンピングカーの内装デザインは、ある意味、独自の海域に漕ぎ出て行かざるを得ない 「孤独な作業」 となります。
「大森デザイン」 は、そこのところで頑張っているのですが、最近のモデルとしてその成果が最大限に発揮されたのが 「バルミィ2007」 ではなかったでしょうか。
▼ バルミィ2007

今回新しくリリースされた 「トニィB」 (ハイエース・スーパーロング) も、この路線の精神を忘れてはいません。
ただ、レイアウト的には、バルミィのような前衛性を追求したものではなく、ファミリー向けに開発されているトニィシリーズの新バージョンという位置づけになりますので、構造的にはオーソドックスな造りでまとまっています。
▼TonyB

しかし、シート素材の選定や色彩配合などが洗練されていて、しっかりした 「大森デザイン」 を感じさせるところはさすがです。
従来のトニィとの違いは、多機能性を秘めた3列目シートをFАSPに替えたところ。シンプルな構造を採用することによって、汎用性の高さを狙っています。
セカンドシートの足元が広く取られているので、フロント席からのウォークスルーも可能。
何よりも便利なのは、ベッドメイクするときにもセカンドシートのヘッドレストを抜かずにフラットベッドができあがること。
FАSPシートでベッドメイクする場合、いちいちヘッドレストを抜くことを面倒に感じていた人には、ちょっとうれしい設計です。

冷蔵庫スペースはありますが、冷蔵庫はオプションです。
冷蔵庫を選択しない場合は、収納庫として使えます。

先ほどもいいましたが、レイアウトそのものは、他のバンコンとそれほど変わったところはありません。
しかし、細かい部分を見ると、緻密な仕上がりぶりを発揮していることが分かります。
車体後部のタイヤハウスの出っ張りなど、周囲の壁材とは違ったトリムを張って、お洒落なアクセントを設けるなど、細かいところにまで神経が行き届いた設計であることをしのばせます。
これからのバンコンは、細部の造り込みとデザインセンス。
そこの勝負になってくるでしょうし、またそこで大きく差が開いてくることも十分考えられるでしょう。
なお、このトニィ typeB。
お値段は、2WD・DX 3,643,500円から。
まず、地元関西の有力ビルダーの商品から。
関西を代表するキャンピングカー販売店 「大森自動車」 さんは、総合展示場 (CCFオオモリ) として全国でもトップクラスの地位を築いていますが、最近は、ビルダーとしての実力もどんどん発揮するようになりました。
▼CCFオオモリ
大森さんのオリジナル車の特徴は、デザインコンセプトにひとつの筋道をつけたこと。
それは、「美しいデザインを追求する」 というもの。
このような同社の基本方針に沿って、実質的に具体的なデザインを練っているのが、開発担当の宮永京介さんです。
宮永さんは、常日頃からクルーザーのインテリアを研究したり、住宅展示場を見学したりして、内装のトレンドウォッチングを欠かしたことはありません。
▼ 宮永京介さん
しかし、そのようなインテリア全般の勉強を重ねても、キャンピングカーにはキャンピングカー独自の内装的制約があって、住宅や家庭用家具などをそのまま踏襲するわけにはいかない…とか。
確かに住宅とクルマでは、家具や壁材などのボリュームもまったく違うわけで、同じ素材や色目を借用しても、出来上がったものがまったく違ったイメージになる可能性は大いにあるわけです。
だから、キャンピングカーの内装デザインは、ある意味、独自の海域に漕ぎ出て行かざるを得ない 「孤独な作業」 となります。
「大森デザイン」 は、そこのところで頑張っているのですが、最近のモデルとしてその成果が最大限に発揮されたのが 「バルミィ2007」 ではなかったでしょうか。
▼ バルミィ2007
今回新しくリリースされた 「トニィB」 (ハイエース・スーパーロング) も、この路線の精神を忘れてはいません。
ただ、レイアウト的には、バルミィのような前衛性を追求したものではなく、ファミリー向けに開発されているトニィシリーズの新バージョンという位置づけになりますので、構造的にはオーソドックスな造りでまとまっています。
▼TonyB
しかし、シート素材の選定や色彩配合などが洗練されていて、しっかりした 「大森デザイン」 を感じさせるところはさすがです。
従来のトニィとの違いは、多機能性を秘めた3列目シートをFАSPに替えたところ。シンプルな構造を採用することによって、汎用性の高さを狙っています。
セカンドシートの足元が広く取られているので、フロント席からのウォークスルーも可能。
何よりも便利なのは、ベッドメイクするときにもセカンドシートのヘッドレストを抜かずにフラットベッドができあがること。
FАSPシートでベッドメイクする場合、いちいちヘッドレストを抜くことを面倒に感じていた人には、ちょっとうれしい設計です。
冷蔵庫スペースはありますが、冷蔵庫はオプションです。
冷蔵庫を選択しない場合は、収納庫として使えます。
先ほどもいいましたが、レイアウトそのものは、他のバンコンとそれほど変わったところはありません。
しかし、細かい部分を見ると、緻密な仕上がりぶりを発揮していることが分かります。
車体後部のタイヤハウスの出っ張りなど、周囲の壁材とは違ったトリムを張って、お洒落なアクセントを設けるなど、細かいところにまで神経が行き届いた設計であることをしのばせます。
これからのバンコンは、細部の造り込みとデザインセンス。
そこの勝負になってくるでしょうし、またそこで大きく差が開いてくることも十分考えられるでしょう。
なお、このトニィ typeB。
お値段は、2WD・DX 3,643,500円から。
2008年10月12日
関西ショー速報
「関西キャンピングカーショー2008」 のイベントを見学し、その最新レポートをお届けします。
出展車両の傾向を一言でいうと、「小型キャブコンの多様化とバンコンの進化」 。
これです!
「小型キャブコンの多様化」 というのは、いうまでなく新型ライト/タウンエースに架装を施したキャブコンの登場によってもたらされました。
これにより、従来のカムロードベース、そしてボンゴベースという大きな二つの流れの中にライト/タウンベースが加わり、3極構造が成立したようです。

このショーでも、新型ライト/タウンエースをベースにしたキャブコンをリリースしたメーカーさんをみると、オートショップアズマさん、AtoZさん、セキソーさんと、いずれも時代のムーブメントを作り上げたビルダーさんばかり。
それぞれ特徴を備えたユニークなコンパクトキャブコンを仕上げての参上でした。

共通していえることは、いずれも1500cc (97ps) というベース車のエンジン出力を考慮して、架装重量を軽くし、空気抵抗も軽減して走りを維持するという方向性で統一されていました。
で、このことによって何が実現されたか。
それらのクルマは、実にみなスタイリッシュで、カッコいい外形フォルムを獲得していました。
会場を眺めていると、新型ライト/タウンベース車のコーナーには、新しい風が吹いているような雰囲気が漂っていました。
一方、「バンコンの進化」 とは何を意味するのか。
すでに、ハイエースをベースとしたバンコンは、あらゆるレイアウトが試されて飽和状態になったかのような感がありましたが、つぶさにみると、それぞれのバンコンにもしっかりした熟成の跡が見られました。

その主な部分はデザインコンセプトの進化。
レイアウト的には一見従来のパターンを踏襲しているようでいて、そのフィニッシュの緻密さや色使いの洗練度がめきめき上がっているものが目立ちました。
特に、家具やシート地の色使いと材質感の配合に一工夫施したものがたくさん登場し、リビング空間の洗練度がひときわアップした感じです。

このほか、軽トラック用のピックアップキャビンが開発されたり、新しいコンセプトのバスコンが登場したり、なかなか見ていて飽きないショーでした。
具体的な車種に関しては、このブログでも少しずつご紹介するようにいたします。
一方、ガソリンの高騰や金融不安などと、キャンピングカーをめぐる社会環境も激動期を迎えています。
それらがキャンピングカーの販売に影を投げかけているのかどうか。
各ブースのスタッフに尋ねてみると、「正直、クルマが売れない」 と嘆いていられる方もいらっしゃれば、「お客様が何を求めているかを練り直す好機」 と捉える方もおり、その反応はさまざま。
中には 「うちはかえって好調」 と答えられた方も。
それぞれ扱う車種や売り方によって、社会環境の変化の受けとめ方も変わるようです。
来週は名古屋のキャンピングカーショー、来月は東京・お台場。
キャンピングカーイベントは、実りの秋を迎えました。
出展車両の傾向を一言でいうと、「小型キャブコンの多様化とバンコンの進化」 。
これです!
「小型キャブコンの多様化」 というのは、いうまでなく新型ライト/タウンエースに架装を施したキャブコンの登場によってもたらされました。
これにより、従来のカムロードベース、そしてボンゴベースという大きな二つの流れの中にライト/タウンベースが加わり、3極構造が成立したようです。
このショーでも、新型ライト/タウンエースをベースにしたキャブコンをリリースしたメーカーさんをみると、オートショップアズマさん、AtoZさん、セキソーさんと、いずれも時代のムーブメントを作り上げたビルダーさんばかり。
それぞれ特徴を備えたユニークなコンパクトキャブコンを仕上げての参上でした。
共通していえることは、いずれも1500cc (97ps) というベース車のエンジン出力を考慮して、架装重量を軽くし、空気抵抗も軽減して走りを維持するという方向性で統一されていました。
で、このことによって何が実現されたか。
それらのクルマは、実にみなスタイリッシュで、カッコいい外形フォルムを獲得していました。
会場を眺めていると、新型ライト/タウンベース車のコーナーには、新しい風が吹いているような雰囲気が漂っていました。
一方、「バンコンの進化」 とは何を意味するのか。
すでに、ハイエースをベースとしたバンコンは、あらゆるレイアウトが試されて飽和状態になったかのような感がありましたが、つぶさにみると、それぞれのバンコンにもしっかりした熟成の跡が見られました。
その主な部分はデザインコンセプトの進化。
レイアウト的には一見従来のパターンを踏襲しているようでいて、そのフィニッシュの緻密さや色使いの洗練度がめきめき上がっているものが目立ちました。
特に、家具やシート地の色使いと材質感の配合に一工夫施したものがたくさん登場し、リビング空間の洗練度がひときわアップした感じです。
このほか、軽トラック用のピックアップキャビンが開発されたり、新しいコンセプトのバスコンが登場したり、なかなか見ていて飽きないショーでした。
具体的な車種に関しては、このブログでも少しずつご紹介するようにいたします。
一方、ガソリンの高騰や金融不安などと、キャンピングカーをめぐる社会環境も激動期を迎えています。
それらがキャンピングカーの販売に影を投げかけているのかどうか。
各ブースのスタッフに尋ねてみると、「正直、クルマが売れない」 と嘆いていられる方もいらっしゃれば、「お客様が何を求めているかを練り直す好機」 と捉える方もおり、その反応はさまざま。
中には 「うちはかえって好調」 と答えられた方も。
それぞれ扱う車種や売り方によって、社会環境の変化の受けとめ方も変わるようです。
来週は名古屋のキャンピングカーショー、来月は東京・お台場。
キャンピングカーイベントは、実りの秋を迎えました。
2008年09月16日
i camp
けん引免許対応型の大型トレーラーに対するニーズが高まる一方で、小型トレーラーを望む声も多くなってきた。
小型トレーラーに対する要望の多くは車庫事情と関連しており、大型車両では駐車スペースに収まりきらないというケースが大半だ。
インディアナRVがこの9月に導入した 「i camp japan」 は、全長4300mm、全幅2000mm、全高2360mm。
普通の月極駐車場にも入ってしまうサイズなので、駐車スペース探しで苦労していた人には朗報かもしれない。

とにかく、外観が可愛い。
ちょっとスモールエッグ風でもあり、欧州トレンドの粋さも漂ってくる。
ところが、ヨーロッパ製ではなく、北米市場向けに開発された商品であり、製造元は中国であるというから、さらにビックリ。
中国で、既にこのような本格的トラベルトレーラーが製造され、それが北米市場にしっかり出荷されるような時代になったのだ。
ただ、車両重量よりも強度を重んじる米国市場向けに開発されたものだけに、オリジナル仕様では防水加工された鉄板が床下に張られるなど、1トンを優に超える重さがあったという。
インディアナRVではその鉄板をアルミに変え、さらにパネル内断熱材もヨーロッパ型の軽量素材に変えるなどして、さらなるダイエットを進めた。
その結果、達成しえた車両重量は740kg!
北米のマーケットだけを考えて開発された商品をここまで減量した日中双方のスタッフには脱帽。

ちなみに、製作会社の名前は 「センティック・スペシャリティ・ビークル」 社、略してCSB社。中国では、警察や軍の特殊車両を開発・製作している大手会社だという。
いわば国家のお墨付きをもらっているようなメーカーなので、商品的クオリティに関しては保証済み。
北米市場に投入しているトレーラーの評判も良いと聞く。

内装は、なかなかモダンテイスト。
ホワイトと薄いブルーで統一されたインテリアカラーは、かなりヨーロッパ志向である。
中に入ってみると、その “広さ” に驚く。
外側から見ると、フロント側が絞られているために、室内が窮屈に感じられるように思えたが車内に入ると違った。
ダイネットに座ると、絞られたフロント側を背負うことになるので、圧迫感はまったくない。
むしろ、そこからエントランス側を見通したときの開放感が心地よい。
就寝定員は 「2名~3名」 。
基本は夫婦2人で使うトレーラーだが、子供が小さいファミリーなら3人就寝も可能。

トイレ・シャワー、温水ボイラー、FFヒーターなどかなりの充実装備。
それでいて、発売記念の限定30台だけに限って、1,980,000円。
小型トレーラーに対する要望の多くは車庫事情と関連しており、大型車両では駐車スペースに収まりきらないというケースが大半だ。
インディアナRVがこの9月に導入した 「i camp japan」 は、全長4300mm、全幅2000mm、全高2360mm。
普通の月極駐車場にも入ってしまうサイズなので、駐車スペース探しで苦労していた人には朗報かもしれない。
とにかく、外観が可愛い。
ちょっとスモールエッグ風でもあり、欧州トレンドの粋さも漂ってくる。
ところが、ヨーロッパ製ではなく、北米市場向けに開発された商品であり、製造元は中国であるというから、さらにビックリ。
中国で、既にこのような本格的トラベルトレーラーが製造され、それが北米市場にしっかり出荷されるような時代になったのだ。
ただ、車両重量よりも強度を重んじる米国市場向けに開発されたものだけに、オリジナル仕様では防水加工された鉄板が床下に張られるなど、1トンを優に超える重さがあったという。
インディアナRVではその鉄板をアルミに変え、さらにパネル内断熱材もヨーロッパ型の軽量素材に変えるなどして、さらなるダイエットを進めた。
その結果、達成しえた車両重量は740kg!
北米のマーケットだけを考えて開発された商品をここまで減量した日中双方のスタッフには脱帽。
ちなみに、製作会社の名前は 「センティック・スペシャリティ・ビークル」 社、略してCSB社。中国では、警察や軍の特殊車両を開発・製作している大手会社だという。
いわば国家のお墨付きをもらっているようなメーカーなので、商品的クオリティに関しては保証済み。
北米市場に投入しているトレーラーの評判も良いと聞く。
内装は、なかなかモダンテイスト。
ホワイトと薄いブルーで統一されたインテリアカラーは、かなりヨーロッパ志向である。
中に入ってみると、その “広さ” に驚く。
外側から見ると、フロント側が絞られているために、室内が窮屈に感じられるように思えたが車内に入ると違った。
ダイネットに座ると、絞られたフロント側を背負うことになるので、圧迫感はまったくない。
むしろ、そこからエントランス側を見通したときの開放感が心地よい。
就寝定員は 「2名~3名」 。
基本は夫婦2人で使うトレーラーだが、子供が小さいファミリーなら3人就寝も可能。
トイレ・シャワー、温水ボイラー、FFヒーターなどかなりの充実装備。
それでいて、発売記念の限定30台だけに限って、1,980,000円。
2008年08月05日
カノン
ぐいぐい押してくる、という感じだ。
「アトランティス」 をリリースしてからの日産ピーズフィールドクラフトのキャンピングカー開発は、ストライクゾーンをめがけて、直球でぐいぐい押してくるような迫力を感じる。
この 「カノン」 も、ストライクゾーンのど真ん中に構えられたキャッチャーミットに、ズバッと小気味よく吸い込まれたような新型車だ。

つまり、新しいマーケットの求める一番 “美味しいところ” をずばり突いた企画である。

中高年のキャンピングカー需要が数値として増えていることがはっきりしてきた現在、トイレはもう必需品なのだ。
定年退職を迎えたシニア夫婦の長旅ともなれば、いつもトイレが近くにある場所に泊まれるとは限らない。
一般道を時間をかけてのんびり走るような旅になると、そう簡単に道の駅や観光地のトイレが使えない場合だって出てくる。
ましてや高齢期を迎えると、寝ていてもトイレの回数が増える。
そうなると、本格的なトイレが車内に欲しくなる。
しかも、プライバシーを確保できるしっかりした個室トイレが欲しい。
…となれば、バンコンでは、もうこのカノンのようなスタイルを採るしかなくなる。

トイレを欲しがるのは、何も中高年とは限らない。
小さな子どものいる家族も同様だ。
夜間、クルマから遠く離れたトイレまで子どもを一人で行かせるのは、たとえ管理の行き届いたキャンプ場であっても、時には心配なもの。
車内にトイレがあれば、そんな不安も解消される。
酔っぱらったお父さんだって、もうトイレの前のぬかるみで転ぶのは嫌だろう。

みんなが欲しがるキャンピングカーのトイレ。
なのに、そういうユーザーニーズに応えたバンコンというのは、今までほとんどなかった。
バンコンは、キャブコンに比べるとスペース的に制限がある。
トイレルームに限定してしまうようなスペースはもったいない。
だから、フリールームのような何でも置ける場所にしておいて、トイレの欲しい人はポータブルを置けばいい。
今まで、多くのバンコンは、そういう発想で造られてきたのだ。
だけど、カーテンを引いたぐらいで、いい年をした女性がポータブルトイレを使えるか?
そう。使えない。
で、使えないポータブルトイレは、やがてクルマから外され、家の片隅で粗大ゴミ化していく。

カノンは、そこから一歩先を行ったバンコンだ。
なにしろ、リビングと完全に独立したリヤスペースが設けられ、プライバシーが完璧に守られるようになっているのだ。
そこに設定されたのは、キャブコン並みの本格的なカセットトイレ。便座が首振り式なので、使用中に足元を収める場所も自由自在。
こうなってこそ、はじめて車内のトイレは 「使える状態」 になったといえる。
このリヤコンパートメントの右サイドは、10リットルの給・排水タンクを備えたキッチンとなる。
シンク下には40リットル冷蔵庫 (op.) 。
リビングをベッドメイクするときに不要となるテーブルも、このギャレー横に収納できるようになっている。
もちろん、通路の真ん中には、キャンプ道具ぐらい積むのには十分なスペースが残されている。
リヤコンパートメントも決して、無駄な空間になってはいないのだ。
間仕切りを付けて、2ルーム形式にしたお陰で、フロントスペースには実にすっきりしたリビング空間が生まれた。
生活臭が付いてまわるギャレー周りをリヤに移したために、フロントスペースにはサロン的なリッチ感すら漂う。
内装のセンスもなかなか。
イエロー基調のシート地が、ブルーに彩られたテーブルとの対比で美しく浮かび上がる。

美しいだけでなく、セカンドシートとサードシートには、それぞれ2点式シートベルトが付いて、安全性も確保されるようになった。
お洒落度も実用性も高い、新感覚バンコンの 「カノン」 。
鮮やかな豪速球で、ユーザーニーズのストライクゾーンをずばり射抜いた投球術には早くもエースピッチャーの風格がみなぎる。
果たして、バンコンリーグの覇者となれるか。

「アトランティス」 をリリースしてからの日産ピーズフィールドクラフトのキャンピングカー開発は、ストライクゾーンをめがけて、直球でぐいぐい押してくるような迫力を感じる。
この 「カノン」 も、ストライクゾーンのど真ん中に構えられたキャッチャーミットに、ズバッと小気味よく吸い込まれたような新型車だ。
つまり、新しいマーケットの求める一番 “美味しいところ” をずばり突いた企画である。
中高年のキャンピングカー需要が数値として増えていることがはっきりしてきた現在、トイレはもう必需品なのだ。
定年退職を迎えたシニア夫婦の長旅ともなれば、いつもトイレが近くにある場所に泊まれるとは限らない。
一般道を時間をかけてのんびり走るような旅になると、そう簡単に道の駅や観光地のトイレが使えない場合だって出てくる。
ましてや高齢期を迎えると、寝ていてもトイレの回数が増える。
そうなると、本格的なトイレが車内に欲しくなる。
しかも、プライバシーを確保できるしっかりした個室トイレが欲しい。
…となれば、バンコンでは、もうこのカノンのようなスタイルを採るしかなくなる。
トイレを欲しがるのは、何も中高年とは限らない。
小さな子どものいる家族も同様だ。
夜間、クルマから遠く離れたトイレまで子どもを一人で行かせるのは、たとえ管理の行き届いたキャンプ場であっても、時には心配なもの。
車内にトイレがあれば、そんな不安も解消される。
酔っぱらったお父さんだって、もうトイレの前のぬかるみで転ぶのは嫌だろう。
みんなが欲しがるキャンピングカーのトイレ。
なのに、そういうユーザーニーズに応えたバンコンというのは、今までほとんどなかった。
バンコンは、キャブコンに比べるとスペース的に制限がある。
トイレルームに限定してしまうようなスペースはもったいない。
だから、フリールームのような何でも置ける場所にしておいて、トイレの欲しい人はポータブルを置けばいい。
今まで、多くのバンコンは、そういう発想で造られてきたのだ。
だけど、カーテンを引いたぐらいで、いい年をした女性がポータブルトイレを使えるか?
そう。使えない。
で、使えないポータブルトイレは、やがてクルマから外され、家の片隅で粗大ゴミ化していく。
カノンは、そこから一歩先を行ったバンコンだ。
なにしろ、リビングと完全に独立したリヤスペースが設けられ、プライバシーが完璧に守られるようになっているのだ。
そこに設定されたのは、キャブコン並みの本格的なカセットトイレ。便座が首振り式なので、使用中に足元を収める場所も自由自在。
こうなってこそ、はじめて車内のトイレは 「使える状態」 になったといえる。
このリヤコンパートメントの右サイドは、10リットルの給・排水タンクを備えたキッチンとなる。
シンク下には40リットル冷蔵庫 (op.) 。
リビングをベッドメイクするときに不要となるテーブルも、このギャレー横に収納できるようになっている。
もちろん、通路の真ん中には、キャンプ道具ぐらい積むのには十分なスペースが残されている。
リヤコンパートメントも決して、無駄な空間になってはいないのだ。
間仕切りを付けて、2ルーム形式にしたお陰で、フロントスペースには実にすっきりしたリビング空間が生まれた。
生活臭が付いてまわるギャレー周りをリヤに移したために、フロントスペースにはサロン的なリッチ感すら漂う。
内装のセンスもなかなか。
イエロー基調のシート地が、ブルーに彩られたテーブルとの対比で美しく浮かび上がる。
美しいだけでなく、セカンドシートとサードシートには、それぞれ2点式シートベルトが付いて、安全性も確保されるようになった。
お洒落度も実用性も高い、新感覚バンコンの 「カノン」 。
鮮やかな豪速球で、ユーザーニーズのストライクゾーンをずばり射抜いた投球術には早くもエースピッチャーの風格がみなぎる。
果たして、バンコンリーグの覇者となれるか。
2008年08月01日
アーデンショート
現在のキャブコンシーンにおいて、最も元気のいいメーカーとしてAtoZ (エートゥゼット) の名前を挙げることに異論のある人はほとんどいないだろう。
なにしろ 「アミティ」 の快進撃は、誰の目から見ても、はっきりくっきり!
近年、これほど高い認知度を獲得したキャブコンというのは、他にないのではあるまいか。
そのアミティのコンセプトを日産アトラスで再現したのが、この 「アーデンショート」 。
AtoZとしては記念すべき新型アトラス1号車であったアーデンを、ずばりアミティサイズでやったのけたのが、このクルマだ。

全長4.64m。
ボンゴベースのアミティより、わずか4㎝長いだけ。
逆に、幅はアミティより5㎝絞り込まれて、1.9mジャスト。
これは、アミティで 「キャブ段差が気になる」 という声が上がっていたことに対する対応だ。
アミティも極力幅を抑えたクルマではあるが、なにしろキャブ部自体がコンパクト。そのため、シェルのキャブ段差が多少目立ってしまう。
それに対し、キャブ自体がボンゴより大きいアトラスで、さらにシェルをタイトに絞ったことは、このクルマに何をもたらせたか。
何よりも、運転席からの見切りがよくなった。
サイドミラーから後方を覗いたときの印象は、サイドパネルがほぼツライチになったため、ミニバン感覚に近づいた。
最小回転半径4.2mという取り回しの良さと相まって、無類に扱いやすいキャブコンが誕生したわけだ。
もちろん外形フォルムもすっきり。
ここに来て、バンク部を美しくシェイプアップしたルーフ形状が生きてくる。
カッコいいのだ。
ノーズの出っ張りがないアトラスで、こういうカッコ良さを演出するというのはなかなかの手際。
AtoZは、キャブオーバー型トラックをベースにした日本のキャブコンで、ついに新しいスタイルというものを完成させたのかもしれない。

アミティシリーズに比べると、アーデンショートのお値段はやはり多少高い。
その代わり、アトラスならではの動力性能が手に入る。
ガソリン車、ディーゼル車ともに130馬力。
95馬力のボンゴとは、そこが違う。
レイアウトは、リヤエントランスの利点を生かして、対面ダイネットにサイドソファを組み合わせた “広々感追求型” 。
ただ、エントランスから入った左側にキッチンカウンターがあるので、サイドソファは一人掛け。
代わりに、下駄箱を兼ねるリヤキャビネットが設けられているので、収納力は高くなっている。
これにマルチルーム、クローゼットなどが加わり、ショートボディとはいえ、荷物を積む余裕は贅沢なほど用意されている。

現行レイアウトのほかに、2段ベッドモデルも登場する予定。
アミティシリーズの快進撃に続くかのように、このアーデンショート、華麗なるスパートの気配を漂わせつつ、小気味よい助走を開始した。
お値段は、2WDガソリン・5ATで 4,798,500円。
なにしろ 「アミティ」 の快進撃は、誰の目から見ても、はっきりくっきり!
近年、これほど高い認知度を獲得したキャブコンというのは、他にないのではあるまいか。
そのアミティのコンセプトを日産アトラスで再現したのが、この 「アーデンショート」 。
AtoZとしては記念すべき新型アトラス1号車であったアーデンを、ずばりアミティサイズでやったのけたのが、このクルマだ。
全長4.64m。
ボンゴベースのアミティより、わずか4㎝長いだけ。
逆に、幅はアミティより5㎝絞り込まれて、1.9mジャスト。
これは、アミティで 「キャブ段差が気になる」 という声が上がっていたことに対する対応だ。
アミティも極力幅を抑えたクルマではあるが、なにしろキャブ部自体がコンパクト。そのため、シェルのキャブ段差が多少目立ってしまう。
それに対し、キャブ自体がボンゴより大きいアトラスで、さらにシェルをタイトに絞ったことは、このクルマに何をもたらせたか。
何よりも、運転席からの見切りがよくなった。
サイドミラーから後方を覗いたときの印象は、サイドパネルがほぼツライチになったため、ミニバン感覚に近づいた。
最小回転半径4.2mという取り回しの良さと相まって、無類に扱いやすいキャブコンが誕生したわけだ。
もちろん外形フォルムもすっきり。
ここに来て、バンク部を美しくシェイプアップしたルーフ形状が生きてくる。
カッコいいのだ。
ノーズの出っ張りがないアトラスで、こういうカッコ良さを演出するというのはなかなかの手際。
AtoZは、キャブオーバー型トラックをベースにした日本のキャブコンで、ついに新しいスタイルというものを完成させたのかもしれない。
アミティシリーズに比べると、アーデンショートのお値段はやはり多少高い。
その代わり、アトラスならではの動力性能が手に入る。
ガソリン車、ディーゼル車ともに130馬力。
95馬力のボンゴとは、そこが違う。
レイアウトは、リヤエントランスの利点を生かして、対面ダイネットにサイドソファを組み合わせた “広々感追求型” 。
ただ、エントランスから入った左側にキッチンカウンターがあるので、サイドソファは一人掛け。
代わりに、下駄箱を兼ねるリヤキャビネットが設けられているので、収納力は高くなっている。
これにマルチルーム、クローゼットなどが加わり、ショートボディとはいえ、荷物を積む余裕は贅沢なほど用意されている。
現行レイアウトのほかに、2段ベッドモデルも登場する予定。
アミティシリーズの快進撃に続くかのように、このアーデンショート、華麗なるスパートの気配を漂わせつつ、小気味よい助走を開始した。
お値段は、2WDガソリン・5ATで 4,798,500円。
2008年07月31日
tom23
味の素スタジアムで開かれた 「第4回 東京キャンピングカーショー」 の会場でひときわ注目を集めた新型車のひとつに、セキソーボディが開発した 「tom23」 がある。
注目を集めた理由は、まず新型タウン・ライトエースをベースにしたキャンピングカーの1号車であったからだ。

すでに、専門誌 『オートキャンパー』 8月号、『キャンプカーマガジン』 vol.9号でも紹介されているが、多くの人が実車を見たのはこのショーがはじめてとなるはず。
さて、その出来映えであるが、キャブコン開発において常に時代を一歩先んじていたセキソーボディらしい、安定感に満ちた仕上がりを見せたクルマであった。
新しいベース車にチャレンジしながらも、この自信たっぷりの造り込みには 「まいりました」 と言わざるを得ない。

まず、ベース車の素性から見てみよう。
最大の懸念材料であったのは、1495cc (97馬力) というエンジンスペック。
1781ccであった先代のエンジンよりも、さらに小排気量である。
ただし、馬力においては15馬力アップ。トルクは先代に劣るとはいえ、その差は0.8kg-mでしかない。
ライバルと目されるボンゴ (1789cc) との比較においても、排気量では差をつけられながら、馬力では2馬力勝り、トルクでは0.1kg-m負けているに過ぎない。
ということは、「軽量化」 さえ達成できれば、極めて十分な走りを確保できるライトキャブコンが誕生することになる。
もちろんセキソーボディとしてもそのへんはよく心得ていて、軽量化を最優先課題として開発を進めた。
なにしろ、同社にはプログレスで成功させたアルミシェルの技術がある。
さらに、ボディ構造もバンクベッドを廃したロープロファイルスタイルでまとめ、空気抵抗を軽減させるとともに、その分だけ軽量化がさらに進められている。
こうして達成された車両重量は約1700kg。
これだけでも十分に 「ライトウェイト」 といえるが、今後は家具の中抜きなどを徹底させることによって、さらなる軽量化を実現していくという。
リヤエントランスを採用しただけに、リヤオーバーハングが心持ち目立った。
リヤ部には水回りが集中し、マルチルームに重量物を積載した場合のことを考えると、若干心配なのは “尻下がり” 。
しかし、それに対してもリヤのリーフ増しで対応。
安定感の確保には万全の対策が施されていると見た。
感心したのは、その室内の開放感だった。
全長4850mm、全幅1920mmというミニバンサイズの車両枠に収めながら、カムロードクラスのキャブコンに劣らない “広々感” が備わっている。

その秘密は、対面ダイネットとサイドソファで構成されたレイアウトにある。
縦長の構造物が、リヤサイドに設定されたマルチルームだけなので、エントランスから覗いたとき、そこから運転席に至るまで視界を遮るものがない。
実際の居住スペースとしては、小型キャブコンの宿命から免れない以上、5mオーバーのキャブコンとは比べるべくもない。
しかし、「広さ感」 は出ている。
このクルマを使うユーザーが、主に夫婦2人であることを考えると、たとえ感覚的なものであっても、この開放感は実に得がたい価値を生み出している。

インテリアのカラーコーディネートも秀逸。
濃いめの木目家具部分と、浅めのシート地とのバランスが美しい。
色目をシンプルに抑えるモダンテイストを採り入れて成功した部類だ。
軽量化は燃費に好影響をもたらす。
開発者の中山氏の話によると、100km巡航程度の高速走行では、リッター11kmを記録したという。
このトム23。
これに続いて企画されているライト・タウンエースの新型キャンピングカーにとっては、大きく立ちはだかるライバル車として君臨することになるだろう。
お値段は、379万円 (DX 5MT) から。
注目を集めた理由は、まず新型タウン・ライトエースをベースにしたキャンピングカーの1号車であったからだ。
すでに、専門誌 『オートキャンパー』 8月号、『キャンプカーマガジン』 vol.9号でも紹介されているが、多くの人が実車を見たのはこのショーがはじめてとなるはず。
さて、その出来映えであるが、キャブコン開発において常に時代を一歩先んじていたセキソーボディらしい、安定感に満ちた仕上がりを見せたクルマであった。
新しいベース車にチャレンジしながらも、この自信たっぷりの造り込みには 「まいりました」 と言わざるを得ない。
まず、ベース車の素性から見てみよう。
最大の懸念材料であったのは、1495cc (97馬力) というエンジンスペック。
1781ccであった先代のエンジンよりも、さらに小排気量である。
ただし、馬力においては15馬力アップ。トルクは先代に劣るとはいえ、その差は0.8kg-mでしかない。
ライバルと目されるボンゴ (1789cc) との比較においても、排気量では差をつけられながら、馬力では2馬力勝り、トルクでは0.1kg-m負けているに過ぎない。
ということは、「軽量化」 さえ達成できれば、極めて十分な走りを確保できるライトキャブコンが誕生することになる。
もちろんセキソーボディとしてもそのへんはよく心得ていて、軽量化を最優先課題として開発を進めた。
なにしろ、同社にはプログレスで成功させたアルミシェルの技術がある。
さらに、ボディ構造もバンクベッドを廃したロープロファイルスタイルでまとめ、空気抵抗を軽減させるとともに、その分だけ軽量化がさらに進められている。
こうして達成された車両重量は約1700kg。
これだけでも十分に 「ライトウェイト」 といえるが、今後は家具の中抜きなどを徹底させることによって、さらなる軽量化を実現していくという。
リヤエントランスを採用しただけに、リヤオーバーハングが心持ち目立った。
リヤ部には水回りが集中し、マルチルームに重量物を積載した場合のことを考えると、若干心配なのは “尻下がり” 。
しかし、それに対してもリヤのリーフ増しで対応。
安定感の確保には万全の対策が施されていると見た。
感心したのは、その室内の開放感だった。
全長4850mm、全幅1920mmというミニバンサイズの車両枠に収めながら、カムロードクラスのキャブコンに劣らない “広々感” が備わっている。
その秘密は、対面ダイネットとサイドソファで構成されたレイアウトにある。
縦長の構造物が、リヤサイドに設定されたマルチルームだけなので、エントランスから覗いたとき、そこから運転席に至るまで視界を遮るものがない。
実際の居住スペースとしては、小型キャブコンの宿命から免れない以上、5mオーバーのキャブコンとは比べるべくもない。
しかし、「広さ感」 は出ている。
このクルマを使うユーザーが、主に夫婦2人であることを考えると、たとえ感覚的なものであっても、この開放感は実に得がたい価値を生み出している。
インテリアのカラーコーディネートも秀逸。
濃いめの木目家具部分と、浅めのシート地とのバランスが美しい。
色目をシンプルに抑えるモダンテイストを採り入れて成功した部類だ。
軽量化は燃費に好影響をもたらす。
開発者の中山氏の話によると、100km巡航程度の高速走行では、リッター11kmを記録したという。
このトム23。
これに続いて企画されているライト・タウンエースの新型キャンピングカーにとっては、大きく立ちはだかるライバル車として君臨することになるだろう。
お値段は、379万円 (DX 5MT) から。
2008年07月28日
軽で2段ベッド付
日曜日、東京・調布市の味の素スタジアムで開かれた 「第4回 東京キャンピングカーショー」 の取材に出かけた。
例年2日開催だったのだが、今回はサッカー試合との日程調整が難しかったらしく、日曜日のみの開催。
それでも、開場前にそうとう長い行列ができるなど、けっこう盛り上がったショーになった。
このショーもすっかりイベントとして認知されたようだ。

ガソリン代の高騰など、車両販売には逆風が吹いているご時世ながら、このショーの来場者はけっこう熱心。
燃料費節約時代を迎えて、観光地を走り回るようなドライブを自粛しようという動きが出てきている中、一ヵ所に長逗留できるキャンピングカーという存在がかえって注目を集めるようになったのかもしれない。
今回出展された新型車を見ると、時代の流れを反映してか、軽量・コンパクトで燃費も良く、取り回しも楽…という車両が多いことに気づく。
何回かに分けて紹介するつもりだが、今日はまずオーエムシーさんの 「BK」 から。

ハイエースをベースに、オリジナリティに富んだバンコンをリリースし続けてきたオーエムシー。
このBKは、そんな同社の心意気を反映して、軽自動車ベースのバンコンとして、なかなかユニークな仕上がりぶりを見せる。

ベースはスズキエブリイJOIN (JOINターボの設定もあり) 。
あっと驚いたのは、常設2段ベッド付きなのだ。

その雰囲気は、同社の人気車 「北斗」 や 「銀河」 のちょっとした小型版。
居住スペースが限定されてしまう軽自動車としては、大胆な試みだ。

しかし、軽という限られたスペースだからこそ、優先順位を付けて、大事にしたいものだけを思い切って強調。後はいさぎよく切り捨てることにしたという。
「大事にしたいもの」 とは、ゆったり寝られるベッド。
上段ベッドは、最前部を前側にスライドさせた状態で、長さ1950mm×幅600mm。
身長1.8mぐらいの男性が寝ても、まだアタマに余裕が残る。
下段は1800mm×幅600mm。
これもなかなかの広さが取れている。
これ以外に “畳敷きスペース” がある。
この畳スペースにはミニシンク付きのちゃぶ台なども用意され、小さいながらもお茶の間が出現する。
畳の長さも1650mmあるので、身長の低い人なら寝ることが可能。さらに助手席を倒して枕を置いたり、足を載せたりすれば2m近くのスペースが生まれる。

4ナンバー登録なので、「就寝定員」 としての決まりはないけれど、サイズとしては3名分の就寝が取れている計算となる。
ポップアップ構造やハイルーフ構造を採り入れれば、もう少し居住性が良くなるという考えも開発者の脳裏をかすめた。
しかし、収容能力が限定された軽自動車の場合、ルーフも 「荷物置き場」 として残しておく必要があると判断。
ノーマルルーフを維持したのは、そこにトップボックスを載せる余地を残すという意味もある。
さらに、リヤスペースにも工夫が。
しっかり隔離された収納スペースが用意されている。
ディスプレイとして、そこには冷蔵庫が搭載されていたが、開発者の大間社長の念頭にあったものは汚れものやゴミの収納スペース。

マナー問題がクローズアップされてきた現在、道の駅などのゴミ箱に不用意に生活ゴミを投棄するのは避けようという流れが生まれてきた。
しかし、放置すると匂いが発生するようなゴミを、他の荷物と一緒に混ぜて移動するのはしんどい。
そこで、「ゴミなどを隔離するスペースがあれば…」 という配慮が、この収納スペースを設計したモチーフのひとつになっているという。
このようなくっきりとした構造物に囲まれた軽自動車キャンピングカーを、ある人は敬遠するかもしれない。
軽ならば、何よりも 「空間の広がり」 を優先したい…と思う人もいるだろう。
事実、軽キャンカーはそういうコンセプトのものが主流である。
しかし、「しっかり寝られる」 軽キャンカーも大いにありだ。
ベッドスペースを持った軽キャンカーは多いが、ベッドを持った軽キャンカーは少ない。
BKは、その貴重な試みのひとつといえる。
話は変わるけれど、この味の素スタジアムのキャンピングカーショーを紹介するのはこれで3度目。
思えば、2年前にこのブログを始めたときの最初の記事も、このイベントのレポートだった。
気になって、昔の記事を読んでみると、ショーのレポートというよりも、団塊マーケットについてひとくさり説いた内容だった。
肩ひじの張った文章で、まぁ、ブログを書き始めた当初の緊張感みたいなものが感じられなくもない。
あの頃、何を書いたらよいのか、自分でもよく分かっていなかった。
今でも、あんまりよく分かっていない。
しかし、そのことで悩まないようになった。
昨日か一昨日か、この2年間の総アクセスが100万件を突破した。
それだけ読んで下さった方々がいるかと思うと、ちょいと感無量でもある。
例年2日開催だったのだが、今回はサッカー試合との日程調整が難しかったらしく、日曜日のみの開催。
それでも、開場前にそうとう長い行列ができるなど、けっこう盛り上がったショーになった。
このショーもすっかりイベントとして認知されたようだ。
ガソリン代の高騰など、車両販売には逆風が吹いているご時世ながら、このショーの来場者はけっこう熱心。
燃料費節約時代を迎えて、観光地を走り回るようなドライブを自粛しようという動きが出てきている中、一ヵ所に長逗留できるキャンピングカーという存在がかえって注目を集めるようになったのかもしれない。
今回出展された新型車を見ると、時代の流れを反映してか、軽量・コンパクトで燃費も良く、取り回しも楽…という車両が多いことに気づく。
何回かに分けて紹介するつもりだが、今日はまずオーエムシーさんの 「BK」 から。
ハイエースをベースに、オリジナリティに富んだバンコンをリリースし続けてきたオーエムシー。
このBKは、そんな同社の心意気を反映して、軽自動車ベースのバンコンとして、なかなかユニークな仕上がりぶりを見せる。
ベースはスズキエブリイJOIN (JOINターボの設定もあり) 。
あっと驚いたのは、常設2段ベッド付きなのだ。
その雰囲気は、同社の人気車 「北斗」 や 「銀河」 のちょっとした小型版。
居住スペースが限定されてしまう軽自動車としては、大胆な試みだ。
しかし、軽という限られたスペースだからこそ、優先順位を付けて、大事にしたいものだけを思い切って強調。後はいさぎよく切り捨てることにしたという。
「大事にしたいもの」 とは、ゆったり寝られるベッド。
上段ベッドは、最前部を前側にスライドさせた状態で、長さ1950mm×幅600mm。
身長1.8mぐらいの男性が寝ても、まだアタマに余裕が残る。
下段は1800mm×幅600mm。
これもなかなかの広さが取れている。
これ以外に “畳敷きスペース” がある。
この畳スペースにはミニシンク付きのちゃぶ台なども用意され、小さいながらもお茶の間が出現する。
畳の長さも1650mmあるので、身長の低い人なら寝ることが可能。さらに助手席を倒して枕を置いたり、足を載せたりすれば2m近くのスペースが生まれる。
4ナンバー登録なので、「就寝定員」 としての決まりはないけれど、サイズとしては3名分の就寝が取れている計算となる。
ポップアップ構造やハイルーフ構造を採り入れれば、もう少し居住性が良くなるという考えも開発者の脳裏をかすめた。
しかし、収容能力が限定された軽自動車の場合、ルーフも 「荷物置き場」 として残しておく必要があると判断。
ノーマルルーフを維持したのは、そこにトップボックスを載せる余地を残すという意味もある。
さらに、リヤスペースにも工夫が。
しっかり隔離された収納スペースが用意されている。
ディスプレイとして、そこには冷蔵庫が搭載されていたが、開発者の大間社長の念頭にあったものは汚れものやゴミの収納スペース。
マナー問題がクローズアップされてきた現在、道の駅などのゴミ箱に不用意に生活ゴミを投棄するのは避けようという流れが生まれてきた。
しかし、放置すると匂いが発生するようなゴミを、他の荷物と一緒に混ぜて移動するのはしんどい。
そこで、「ゴミなどを隔離するスペースがあれば…」 という配慮が、この収納スペースを設計したモチーフのひとつになっているという。
このようなくっきりとした構造物に囲まれた軽自動車キャンピングカーを、ある人は敬遠するかもしれない。
軽ならば、何よりも 「空間の広がり」 を優先したい…と思う人もいるだろう。
事実、軽キャンカーはそういうコンセプトのものが主流である。
しかし、「しっかり寝られる」 軽キャンカーも大いにありだ。
ベッドスペースを持った軽キャンカーは多いが、ベッドを持った軽キャンカーは少ない。
BKは、その貴重な試みのひとつといえる。
話は変わるけれど、この味の素スタジアムのキャンピングカーショーを紹介するのはこれで3度目。
思えば、2年前にこのブログを始めたときの最初の記事も、このイベントのレポートだった。
気になって、昔の記事を読んでみると、ショーのレポートというよりも、団塊マーケットについてひとくさり説いた内容だった。
肩ひじの張った文章で、まぁ、ブログを書き始めた当初の緊張感みたいなものが感じられなくもない。
あの頃、何を書いたらよいのか、自分でもよく分かっていなかった。
今でも、あんまりよく分かっていない。
しかし、そのことで悩まないようになった。
昨日か一昨日か、この2年間の総アクセスが100万件を突破した。
それだけ読んで下さった方々がいるかと思うと、ちょいと感無量でもある。
2008年05月01日
Gバッハ・タコス
『 キャンピングカー super ガイド2008 』 の事前情報、どんどん公開しちゃいます。
今日はグランドバッハのタコス仕様 。
タコスの田代さんとは、もう15年ほどの付き合いになります。
東京・国立のカントリー&ウエスタンバーで飲んだり、クラブキャンプで一緒にブルースを歌ったりという感じで、主に音楽友達です。
その田代さんが気合を込めて開発した 「グランドバッハ・タコスオリジナル」 。
グローバルさんのグランドバッハをベースにしたクルマですが、タコスならではのアイデアが満載されたユニークな仕上がりを見せています。
それでは、以下、本書より全文紹介。
【 GRAND BACH TACOS グランドバッハ・タコスオリジナル 】
《 家族が使えるグランドバッハ 》

▲ 右エントランスドアに注目!
価格: 12,600,000円
全長: 5990mm
全幅: 2200mm
全高: 2830mm
ベース車: トヨタ・コースター
ビルダー: グローバル/タコス
ジャンル: 国産フルコンバージョン
乗車定員: 10名
就寝定員: 6名
問合せ先:タコス
東京都立川区西砂町3-29-6
電話:042-531-0108
HPアドレス: http://www.tacos.co.jp
【本文】
タコスは、グローバルの関東地区代理店という位置付けになるが、ただの代理店ではない。量産型メーカーのグローバルが製品化しづらい領域で、タコス独自のアイデアによるグローバル車のコンバージョンモデルを開発するショップだからだ。
そのタコスオリジナルといわるモデルの特徴は、ユーザーサイドに立った実用性の追求にある。そこには、オーナーの田代代表が長年キャンピングカーで遊び尽くしてきた経験が投入されている。
今回のタコス仕様の目標は、ずばり「ファミリーで使えるグランドバッハ」。グローバルのグランドバッハが、欧州モーターホームの常道に則って、夫婦ふたりで使うスタイルを目指したのに対し、タコス仕様は、日本のマーケットを見据えながら、家族や親しい友人たちが集まって旅行できるようなグランドバッハを実現している。
そのために採られたレイアウトが、対面ダイネットを前後に二つ持つというダブルダイネット。同じグランドバッハという名でも、その中味はかなり異なっている。

【レポーターのチェック】
《タコスオリジナルだけが持つ数々の特徴》
グランドバッハT5.9(タコス仕様)は、元のグランドバッハにはない特徴をたくさん持っている。その一つが運転席側のドア。ドライバーが乗り降りするために、いちいち靴を脱いだり履いたりしていたことの面倒さがこれで解消された。
リヤに大型バイクキャリアが付いていることもこの仕様の特徴。遊びのギアを載せるための工夫は、昔からタコス仕様の決まり事のひとつだった。
さらに、いかにもタコスらしい装備が、サイドオーニングとそれに連結するオーニングルーム。ジェネレーターとルーフエアコンも装備装備となる。

【担当者のひとこと】
(有)タコス 田代民雄 代表
フルコンにかけては日本一の技術を持つグローバルのグランドバッハがベースですから、製品の信頼性は折り紙付きです。そのグランドバッハですら持ち得なかった様々な仕様を実現したのが、このタコス企画によるオリジナル仕様です。
【レイアウトの特徴】
グローバルのグランドバッハは、横座りラウンジでリビングを構成し、リヤにハイマウントベッドを持ってくるというヨーロッパスタイルを踏襲している。
それに対して、このタコス仕様は、前後にダイネットを二つ設けるというダブルダイネットスタイル。バスコンでよく見るレイアウトの一つだが、これは実に優れたレイアウトなのだ。
なぜなら、リヤダイネットというのは、実は「ダイネットとしても使えるリヤベッド」のことにほかならないからだ。どちらでも使えるというのが、このレイアウトの妙味であり、奧の深いところだ。ヨーロッパ車が、リヤにハイマウント固定ベッドを持ってくるのは、その下に大型ガレージを設けるためのものであって、それは、夫婦ふたりの長旅を想定したヨーロッパ特有のもの。日本ではまだ2泊3日ぐらいの家族旅行が中心であり、そういう使い方には、固定ベッドよりは2ダイネットの方が断然使いやすい。
グローバルのグランドバッハは、6人乗車の4人就寝。それに対し、タコス仕様は10人乗車の6人就寝。ファミリーユースなら、絶対タコス仕様の方がお勧めだ。

▲ダイネットにもベッドにもなるリヤルーム
【キャラクター評価】
《 安定感のある走りと快適な乗り心地を確保 》
グランドバッハT5.9(タコスオリジナル)は、もともとが人間の乗用を前提に造られているマイクロバスがベースなので、乗り心地や走行安定性がトラックベースのキャンピングカーとはひと味違った走行性を獲得している。また有害物質の出にくいクルマ造りを目指しているグローバルが組み上げているだけあって使っていて安心。
【主要諸元】
ベース車両 :トヨタ・コースターLX
エンジン種類: 直4 OHCディーゼルターボ
排 気 量 : 4009cc
最高出力 : 110kW(150ps)/3000rpm
最大トルク : 392N・m(40.0kg-m)/1600rpm
ミッション : 6速AT
駆動方式 : 2WD(FR)
【主要装備】
■ 標準装備
運転席ドア/ジェネレーター&ルーフエアコン/折りたたみ式ヘビーデューティーバイクキャリア/サイドオーニング&サイドオーニングルーム/LPG5kgボンベ/23㍑貯湯式温水ボイラー/温水シャワールーム/カセットトイレ/70㍑1ウェイ冷蔵庫(3ウェイオプション)/2口ガスコンロ/シンク&1レバー混合水栓/レンジフードファン/シャワールーム換気扇&照明/100Vパワーインレット&AC-DCコンバーター/走行充電システム&DC-DCコンバーター/サブバッテリー・EB-100/電圧&水量モニターパネル/カラーバックアイカメラ/対面対座FАSPシート&ベッド/リヤ横対面式ダイネット&ベッド/キッチンキャビネット/クローゼット/吊り戸棚/電子レンジ/ステンレス製100㍑清水タンク&排水タンク/シティーウォーター連結設備/アクリル2重ウィンドウ/カーテン&ブラインド/外部収納庫他
今日はグランドバッハのタコス仕様 。
タコスの田代さんとは、もう15年ほどの付き合いになります。
東京・国立のカントリー&ウエスタンバーで飲んだり、クラブキャンプで一緒にブルースを歌ったりという感じで、主に音楽友達です。
その田代さんが気合を込めて開発した 「グランドバッハ・タコスオリジナル」 。
グローバルさんのグランドバッハをベースにしたクルマですが、タコスならではのアイデアが満載されたユニークな仕上がりを見せています。
それでは、以下、本書より全文紹介。
【 GRAND BACH TACOS グランドバッハ・タコスオリジナル 】
《 家族が使えるグランドバッハ 》
▲ 右エントランスドアに注目!
価格: 12,600,000円
全長: 5990mm
全幅: 2200mm
全高: 2830mm
ベース車: トヨタ・コースター
ビルダー: グローバル/タコス
ジャンル: 国産フルコンバージョン
乗車定員: 10名
就寝定員: 6名
問合せ先:タコス
東京都立川区西砂町3-29-6
電話:042-531-0108
HPアドレス: http://www.tacos.co.jp
【本文】
タコスは、グローバルの関東地区代理店という位置付けになるが、ただの代理店ではない。量産型メーカーのグローバルが製品化しづらい領域で、タコス独自のアイデアによるグローバル車のコンバージョンモデルを開発するショップだからだ。
そのタコスオリジナルといわるモデルの特徴は、ユーザーサイドに立った実用性の追求にある。そこには、オーナーの田代代表が長年キャンピングカーで遊び尽くしてきた経験が投入されている。
今回のタコス仕様の目標は、ずばり「ファミリーで使えるグランドバッハ」。グローバルのグランドバッハが、欧州モーターホームの常道に則って、夫婦ふたりで使うスタイルを目指したのに対し、タコス仕様は、日本のマーケットを見据えながら、家族や親しい友人たちが集まって旅行できるようなグランドバッハを実現している。
そのために採られたレイアウトが、対面ダイネットを前後に二つ持つというダブルダイネット。同じグランドバッハという名でも、その中味はかなり異なっている。
【レポーターのチェック】
《タコスオリジナルだけが持つ数々の特徴》
グランドバッハT5.9(タコス仕様)は、元のグランドバッハにはない特徴をたくさん持っている。その一つが運転席側のドア。ドライバーが乗り降りするために、いちいち靴を脱いだり履いたりしていたことの面倒さがこれで解消された。
リヤに大型バイクキャリアが付いていることもこの仕様の特徴。遊びのギアを載せるための工夫は、昔からタコス仕様の決まり事のひとつだった。
さらに、いかにもタコスらしい装備が、サイドオーニングとそれに連結するオーニングルーム。ジェネレーターとルーフエアコンも装備装備となる。
【担当者のひとこと】
(有)タコス 田代民雄 代表
フルコンにかけては日本一の技術を持つグローバルのグランドバッハがベースですから、製品の信頼性は折り紙付きです。そのグランドバッハですら持ち得なかった様々な仕様を実現したのが、このタコス企画によるオリジナル仕様です。
【レイアウトの特徴】
グローバルのグランドバッハは、横座りラウンジでリビングを構成し、リヤにハイマウントベッドを持ってくるというヨーロッパスタイルを踏襲している。
それに対して、このタコス仕様は、前後にダイネットを二つ設けるというダブルダイネットスタイル。バスコンでよく見るレイアウトの一つだが、これは実に優れたレイアウトなのだ。
なぜなら、リヤダイネットというのは、実は「ダイネットとしても使えるリヤベッド」のことにほかならないからだ。どちらでも使えるというのが、このレイアウトの妙味であり、奧の深いところだ。ヨーロッパ車が、リヤにハイマウント固定ベッドを持ってくるのは、その下に大型ガレージを設けるためのものであって、それは、夫婦ふたりの長旅を想定したヨーロッパ特有のもの。日本ではまだ2泊3日ぐらいの家族旅行が中心であり、そういう使い方には、固定ベッドよりは2ダイネットの方が断然使いやすい。
グローバルのグランドバッハは、6人乗車の4人就寝。それに対し、タコス仕様は10人乗車の6人就寝。ファミリーユースなら、絶対タコス仕様の方がお勧めだ。
▲ダイネットにもベッドにもなるリヤルーム
【キャラクター評価】
《 安定感のある走りと快適な乗り心地を確保 》
グランドバッハT5.9(タコスオリジナル)は、もともとが人間の乗用を前提に造られているマイクロバスがベースなので、乗り心地や走行安定性がトラックベースのキャンピングカーとはひと味違った走行性を獲得している。また有害物質の出にくいクルマ造りを目指しているグローバルが組み上げているだけあって使っていて安心。
【主要諸元】
ベース車両 :トヨタ・コースターLX
エンジン種類: 直4 OHCディーゼルターボ
排 気 量 : 4009cc
最高出力 : 110kW(150ps)/3000rpm
最大トルク : 392N・m(40.0kg-m)/1600rpm
ミッション : 6速AT
駆動方式 : 2WD(FR)
【主要装備】
■ 標準装備
運転席ドア/ジェネレーター&ルーフエアコン/折りたたみ式ヘビーデューティーバイクキャリア/サイドオーニング&サイドオーニングルーム/LPG5kgボンベ/23㍑貯湯式温水ボイラー/温水シャワールーム/カセットトイレ/70㍑1ウェイ冷蔵庫(3ウェイオプション)/2口ガスコンロ/シンク&1レバー混合水栓/レンジフードファン/シャワールーム換気扇&照明/100Vパワーインレット&AC-DCコンバーター/走行充電システム&DC-DCコンバーター/サブバッテリー・EB-100/電圧&水量モニターパネル/カラーバックアイカメラ/対面対座FАSPシート&ベッド/リヤ横対面式ダイネット&ベッド/キッチンキャビネット/クローゼット/吊り戸棚/電子レンジ/ステンレス製100㍑清水タンク&排水タンク/シティーウォーター連結設備/アクリル2重ウィンドウ/カーテン&ブラインド/外部収納庫他
2008年04月26日
ZiL520&520e
前回に続き、『 キャンピングカー super ガイド 2008 』 より、蔵出し情報の第2弾をお届けいたしましょう。
今回は、バンテックさんのジル520と、ジル520e 。
同じシャシーとシェルを共有しながら、想定ユーザー層とレイアウトががらりと異なるという二つのクルマを、今回は同じページで紹介しています。
ジル520は、リヤ2段ベッドを備えたファミリー対応型。
それに対する520eは、L型ラウンジと、固定ベッドとしても使えるリヤダイネットを持つシニアカップル仕様。
ユーザー層が多様化してきた国産キャンピングカーシーンを象徴するような設定です。
それでは、2008ガイドから、その部分を事前公表いたします。
【 ZiL 520 & 520e 】
《 国産キャブコンシーンをリードする高性能車 》

価格: 6,657,000円より
全長: 5160㎜
全幅: 2110㎜
全高: 2940㎜
ベース車: トヨタ・カムロード
ビルダー: バンテック
ジャンル: 国産キャブコンバージョン
乗車定員: 7名
就寝定員: 4~5名
問合せ先: 048-479-6236
埼玉県新座市あたご2-3-45
HPアドレス: http://www.vantech.co.jp/
【 本文 】
ジル520は、現在のところバンテックのフラッグシップ的なモデルであると同時に、日本のキャブコンの先端を行く思想を盛り込んだクルマだ。
このクルマには家庭用セパレートエアコンが標準装備されているのだが、発電機を使わずにそれを駆動させようというシステムが開発されている。カムロードのディーゼル車に装備されている130Аのオルタネーターを利用し、インバーターを介して直接エアコンを回そうというもの。そのためにサイン波インバーターとトリプルサブバッテリーが標準装備されている。地球環境の保護を意識して、発電機の使用量を控えようという思想をそこから汲み取ることができる。
レイアウト的にも前モデルからさらに進化し、サイドソファーを前方に移動させて、サロンの有効スペースをさらに拡大した。それによって得られる開放感は格別。夜ともなればLEDダウンライトがライトショーを演じ、洋上を漂う豪華クルーザーのようなゴージャス感を堪能できる。エコ思想と贅沢感。それを矛盾なく融合させた新しいキャブコンだ。

▲ ジル520ダイネット
【 キャラクター評価 】
《 「ファミリーの520」、「カップルの520e」 》
ジル520は、520eが設定されたために、「ファミリーの520」 「カップルの520e」 という明確なセグメントができるようになった。ただそれを選ぶのはユーザー。どちらも家族構成や使用目的にかかわりなく、快適に過ごすため諸設備は完備していて、そのキャパシティは相当大きい。最終的には選ぶ人の好みの問題となりそうだ。
【 レポーターのチェック 】
《 ジル520をカップルで楽しむ究極のレイアウト 「520e」 》

▲ 520eのLラウンジ
520eは、ジル520の豪華さと快適性を、カップルだけで享受しようという贅沢なコンセプトでまとめられたクルマである。
エントランスから入ると、まず目に飛び込むのはゆったりと広がる優雅なL型メインダイネット。そしてダークブラウン、アイボリー、クロームで仕上げられた大人の高級感を漂わせるインテリア。陶器製の洗面台とウォールキャビネットを備え、鏡で囲まれた豪華なトイレシャワールーム。リヤダイネットは簡単なベッドメイクで、ハイマウント固定ベッドのように使うことが可能。インテリアライトも付いて、寝る前の優雅な読書を楽しむこともできる。

▲輸入車のような仕上がりのトイレ・シャワー室
【 担当者のひとこと 】
(株)バンテック 増田紘宇一 代表
ジル520は、ジルの進化モデルです。大人数でもゆったりとくつろげる広いメインダイネット。快適な就寝スペースを確保したリヤ常設2段ベッド。装備類も、普通ならオプション設定となるようなものを、ほとんど標準装備しています。

【 レイアウトの特徴 】
新しいジル520では、前モデルよりエントランスの位置が後方に下がり、サイドソファーが前側に移動した。その結果メインダイネットがより広々と使えるようになった。
サードシートには3点式シートベルトが標準装備され、肘掛けパイプも設定されてロングドライブもさらに快適になった。
リヤ常設ベッドは、上段1860×840mm。下段は1910×820mm。前モデルより広がって就寝機能も向上した。
一方の520eは、フロントにL型ダイネット。リヤに対面ダイネットを設けた2ルームスタイル。しかし夫婦ふたりで使う場合は、リヤダイネットを固定ベッドとして使うことができる。リヤダイネットは、お孫さんが旅行に参加したり、不意のゲストが訪れたときの緊急用と割りきることもできる。リヤベッドは1910×1200mmというサイズなので、大人ふたりが寝るのには申し分ない広さが確保されている。

▲ 520eのリヤダイネット
【 主要諸元 】
ベース車両 : トヨタ・カムロード
エンジン種類: 直4 DOHCディーゼル
排 気 量 : 2982cc
最高出力 : 100kW(136ps)/3400rpm
最大トルク : 300N・m(30.6kg-m)/1200~2400rpm
ミッション : 4速AT
駆動方式 : 2WD(FR)
【 主要装備 】
■ 標準装備(ジル520一例)
アクリル断熱2重窓/バックアイカメラ/サイドオーニング/網戸付き大型エントランスドア/エントランスステップ/ルーフレール/リヤスポイラー/サイドレインドリップモール/LPG2kgボンベ/ガス温水ボイラー24㍑/スライド式外部ダストボックス/リヤベッド下大型収納/清水タンク20㍑/生活用水73㍑/排水タンク70㍑/ガラスカバー付ステンレス製シンク&2口コンロ/DC冷蔵庫90㍑/水量計/リヤ常設2段ベッド/LEDダウンライト/エントランスドア連動アシストランプ/屋外ポーチライト/シートベルト(3rd・3点式)/ベバストFFヒーター/セパレートエアコン/スライド式バンクベッド/大型ファン付ルーフベント/カップホルダー付サイドカウンター/対座シート4人用/ダイネットテーブル/テレビ用ウォールマウント/各種収納庫/バッテリープロテクター/100Аディープサイクルバッテリー×3/すぐれもの充電器/走行充電システム/外部コンセント/サブバッテリー残量計/サイン波インバーター1500w/電動カセットトイレ/シャワー設備(温水)他
【 ジル520&520e 価格表(一例) 】
520e ガソリン 2WD АT 6,657,000円
520e ディーゼル 4WD АT 7,434,000円
520 ディーゼル 2WD АT 7,455,000円
520 ディーゼル 4WD АT 7,770,000円他
今回は、バンテックさんのジル520と、ジル520e 。
同じシャシーとシェルを共有しながら、想定ユーザー層とレイアウトががらりと異なるという二つのクルマを、今回は同じページで紹介しています。
ジル520は、リヤ2段ベッドを備えたファミリー対応型。
それに対する520eは、L型ラウンジと、固定ベッドとしても使えるリヤダイネットを持つシニアカップル仕様。
ユーザー層が多様化してきた国産キャンピングカーシーンを象徴するような設定です。
それでは、2008ガイドから、その部分を事前公表いたします。
【 ZiL 520 & 520e 】
《 国産キャブコンシーンをリードする高性能車 》
価格: 6,657,000円より
全長: 5160㎜
全幅: 2110㎜
全高: 2940㎜
ベース車: トヨタ・カムロード
ビルダー: バンテック
ジャンル: 国産キャブコンバージョン
乗車定員: 7名
就寝定員: 4~5名
問合せ先: 048-479-6236
埼玉県新座市あたご2-3-45
HPアドレス: http://www.vantech.co.jp/
【 本文 】
ジル520は、現在のところバンテックのフラッグシップ的なモデルであると同時に、日本のキャブコンの先端を行く思想を盛り込んだクルマだ。
このクルマには家庭用セパレートエアコンが標準装備されているのだが、発電機を使わずにそれを駆動させようというシステムが開発されている。カムロードのディーゼル車に装備されている130Аのオルタネーターを利用し、インバーターを介して直接エアコンを回そうというもの。そのためにサイン波インバーターとトリプルサブバッテリーが標準装備されている。地球環境の保護を意識して、発電機の使用量を控えようという思想をそこから汲み取ることができる。
レイアウト的にも前モデルからさらに進化し、サイドソファーを前方に移動させて、サロンの有効スペースをさらに拡大した。それによって得られる開放感は格別。夜ともなればLEDダウンライトがライトショーを演じ、洋上を漂う豪華クルーザーのようなゴージャス感を堪能できる。エコ思想と贅沢感。それを矛盾なく融合させた新しいキャブコンだ。
▲ ジル520ダイネット
【 キャラクター評価 】
《 「ファミリーの520」、「カップルの520e」 》
ジル520は、520eが設定されたために、「ファミリーの520」 「カップルの520e」 という明確なセグメントができるようになった。ただそれを選ぶのはユーザー。どちらも家族構成や使用目的にかかわりなく、快適に過ごすため諸設備は完備していて、そのキャパシティは相当大きい。最終的には選ぶ人の好みの問題となりそうだ。
【 レポーターのチェック 】
《 ジル520をカップルで楽しむ究極のレイアウト 「520e」 》
▲ 520eのLラウンジ
520eは、ジル520の豪華さと快適性を、カップルだけで享受しようという贅沢なコンセプトでまとめられたクルマである。
エントランスから入ると、まず目に飛び込むのはゆったりと広がる優雅なL型メインダイネット。そしてダークブラウン、アイボリー、クロームで仕上げられた大人の高級感を漂わせるインテリア。陶器製の洗面台とウォールキャビネットを備え、鏡で囲まれた豪華なトイレシャワールーム。リヤダイネットは簡単なベッドメイクで、ハイマウント固定ベッドのように使うことが可能。インテリアライトも付いて、寝る前の優雅な読書を楽しむこともできる。
▲輸入車のような仕上がりのトイレ・シャワー室
【 担当者のひとこと 】
(株)バンテック 増田紘宇一 代表
ジル520は、ジルの進化モデルです。大人数でもゆったりとくつろげる広いメインダイネット。快適な就寝スペースを確保したリヤ常設2段ベッド。装備類も、普通ならオプション設定となるようなものを、ほとんど標準装備しています。
【 レイアウトの特徴 】
新しいジル520では、前モデルよりエントランスの位置が後方に下がり、サイドソファーが前側に移動した。その結果メインダイネットがより広々と使えるようになった。
サードシートには3点式シートベルトが標準装備され、肘掛けパイプも設定されてロングドライブもさらに快適になった。
リヤ常設ベッドは、上段1860×840mm。下段は1910×820mm。前モデルより広がって就寝機能も向上した。
一方の520eは、フロントにL型ダイネット。リヤに対面ダイネットを設けた2ルームスタイル。しかし夫婦ふたりで使う場合は、リヤダイネットを固定ベッドとして使うことができる。リヤダイネットは、お孫さんが旅行に参加したり、不意のゲストが訪れたときの緊急用と割りきることもできる。リヤベッドは1910×1200mmというサイズなので、大人ふたりが寝るのには申し分ない広さが確保されている。
▲ 520eのリヤダイネット
【 主要諸元 】
ベース車両 : トヨタ・カムロード
エンジン種類: 直4 DOHCディーゼル
排 気 量 : 2982cc
最高出力 : 100kW(136ps)/3400rpm
最大トルク : 300N・m(30.6kg-m)/1200~2400rpm
ミッション : 4速AT
駆動方式 : 2WD(FR)
【 主要装備 】
■ 標準装備(ジル520一例)
アクリル断熱2重窓/バックアイカメラ/サイドオーニング/網戸付き大型エントランスドア/エントランスステップ/ルーフレール/リヤスポイラー/サイドレインドリップモール/LPG2kgボンベ/ガス温水ボイラー24㍑/スライド式外部ダストボックス/リヤベッド下大型収納/清水タンク20㍑/生活用水73㍑/排水タンク70㍑/ガラスカバー付ステンレス製シンク&2口コンロ/DC冷蔵庫90㍑/水量計/リヤ常設2段ベッド/LEDダウンライト/エントランスドア連動アシストランプ/屋外ポーチライト/シートベルト(3rd・3点式)/ベバストFFヒーター/セパレートエアコン/スライド式バンクベッド/大型ファン付ルーフベント/カップホルダー付サイドカウンター/対座シート4人用/ダイネットテーブル/テレビ用ウォールマウント/各種収納庫/バッテリープロテクター/100Аディープサイクルバッテリー×3/すぐれもの充電器/走行充電システム/外部コンセント/サブバッテリー残量計/サイン波インバーター1500w/電動カセットトイレ/シャワー設備(温水)他
【 ジル520&520e 価格表(一例) 】
520e ガソリン 2WD АT 6,657,000円
520e ディーゼル 4WD АT 7,434,000円
520 ディーゼル 2WD АT 7,455,000円
520 ディーゼル 4WD АT 7,770,000円他
2008年04月24日
ハイマーS830
『 キャンピングカー super ガイド 2008 』 の発売を間近に控えて、
「どんな内容なんだ?」
という読者からの問い合わせなども、最近は頻繁にいただくようになった。
「○○は掲載されていますかねぇ?」
などと、具体的な車種を問われる方もいる。
さらには、「前向き乗車で5名以上が座れるシートを確保したバンコンは何台出ていますか?」
などと、こちらがとっさには応えられないような質問が入ってくることもある。
昔に比べると、読者がより緻密な情報を求めてきていることが分かる。
書店に並ぶのは5月2日 (金曜日)。
当初、このブログでは5月1日と広報したが、発売元のブッキングさんによれば、「早い書店では5月1日に店頭に並ぶが、多くの書店は2日以降」 とのこと。
それまで待ちきれないという読者の方に、少しだけ “蔵出し情報” をご提供したい。
今日は、この本の車種紹介ページの巻頭を飾るハイマーの記事をそのままここに転載する。


【Hymer(ハイマー)S830 】
《 世界のデザイントレンドに影響を与える内装 》
価格: 25,877,880円より
全長: 8630 mm
全幅: 2350 mm
全高: 2900 mm
ベース車: メルセデス・ベンツ518CDI
ジャンル: 輸入フルコンバージョン
乗車定員: 7名
就寝定員: 4名
問合せ先: 03-5691-2391
ハイマージャパン株式会社
東京都足立区鹿浜3-25-12
HPアドレス: http://www.hymerjp.com/

【キャラクター評価】
《 長期滞在も快適な カップル向けの旅行車 》
カップルで長期旅行するための快適装備はすべて満載したクルマ。人間工学に基づいて設計された設備類は実に合理的で使いやすい。
しかし、装備類が秘めている機能については 「当たり前のこと」 としてカタログで自慢することもない。それよりも、デザインを見せたがるメーカーだ。そこにハイマー社の自信のほどがうかがえる。

【本文】
ハイマーのインテリアは、一般家庭向けのインテリア雑誌からも注目されている。世界のモーターホームのトップブランドとして認知されるハイマーの内装ともなると、その年次モデルが、広い意味でのその年のデザイントレンドやファッションの流行を左右することもあるからだ。2008年のSは、高級クルーザーやヨットの流れを汲んだハイセンスなインテリアに磨きをかけて、ひときわ洗練度を高めている。ノーチェ・ベルガモの美しい家具。レザー・キーゼルクッションの都会的エレガンス。ヨーロッパの最高級素材と職人のワザを結集した内装仕上げが施されている。
こういうクルマになると、普通のキャンピングカーが謳うような機能部分の先進性を誇らない。しかし、ハイマーは紛れもなく自動車としての機能もトップレベルにある。ドイツ本国でハイマーといえば 「ビルダー」 ではなく、ベンツ、BMWなどと並ぶ立派な自動車メーカー。このエレガンスな架装を施した状態で、厳しい制動力テストやクラッシュテストをくぐり抜けている。

【レポーターのチェック】
《 内に秘められた高機能の数々 》
「機能をむき出しにしない」 というのが、高機能を誇るハイマー車に共通したコンセプト。特にこのSクラスになると、エアコンのダクトですら目に見えるところから巧妙に隠されている。各家具の隙間を少しだけ空け、そこから快適な涼風が全体的に行き渡るような空調システムが組まれている。
目に見えない壁面内処理にも、ハイマーがパテントを取った技術が生かされている。アルミ外壁と内壁の間の断熱材 (発泡ウレタン) が、接着剤を使わずにそのまま圧着されている。それによって、経年変化にも強い耐久性が確保され、剛性も高まっている。

【担当者のひとこと】
ハイマージャパン(株) 林 正倫
ハイマーSクラスは、欧州のみならず世界のトップブランドとして認められているクルマです。外国では 「クルマの方がお客を選ぶ」 などといわれることもあります。そのような名車を扱えることの喜びを私たちは日に日に強めています。

【レイアウトの特徴】
ハイマージャパンが2008年モデルのSクラスとして、お勧めしているのはS830。右のフロア図 (ブログでは省略) を見ていただくと分かると思うが、リヤの固定ベッドの中側に大きく切れ込みが入っている。これはベッドに上がるための階段。これだけで、このクルマのデザイン的な斬新さがお分かりいただけると思う。
ダイネットは、運転席と助手席を回転させ、L字ソファーと単座横向きソファーで丸テーブルを囲むというもの。運転席上にはプルダウンベッドが展開して、リヤベッドと合わせ、計4名分の就寝が取れるようになっている。このプルダウンベッドが相当低い位置まで降りるように設計されていて、乗り降りが楽になっていることも特長のひとつだ。
家具類には、ハイマーならではの工法が採用されており、棚の扉などには、ダンパーモールという可変的な蝶番を持つL型金具が使われている。この金具が採用された家具は、振動を受けても家具が振動から加わる応力を受け流してしまうので、軋みがない。キッチンの引き出しを含め、室内の扉がエンジンをかけると自動的にロックされてしまうというのも、このクルマならでは。
【主要諸元】
ベース車両 :メルセデス・ベンツスプリンター
エンジン種類 :V6 ディーゼルターボ
排 気 量 :2987cc
最高出力 :135kw(184ps)/3800rpm
最大トルク :400N・m(40.0kg-m)/2600rpm
ミッション :5速AT
駆動方式 :2WD(FR)
【主要装備】
■ 標準装備(一例)
ABS/ASR/5.3t強化シャシー/運転席・助手席エアバッグ/オートクルーズ/100㍑燃料タンク/オートマティック/フォグランプ/カーブライト/強化オルタネーター(180А)/シャンパンゴールドボディカラー/電動サイドミラー/サイドカウンターラウンジ(コーチソファーラウンジと選択可)/プルダウンベッド/ファンタスティックファン/ルーフラック&ラダー/凍結防止フロントサイド2重窓ガラス/安定ジャッキ/サイドオーニング/ナビゲーションシステム/バックアイカメラ/ETC/セーフティキー/エントランスドア網戸/液晶モニター/2.6kW発電機/ソーラーパネル(50w×2)/凍結防止排水タンク/温水ヒーターシステム/150㍑3ウェイ大型ダブルドア冷蔵庫(オーブン付)/床暖房システム/マリン式トイレ&排水システム/ワイングラスキャビネット他
■ オプション(一例)
レザーシート/ヒッチメンバー/インバーターシステム/5.1chDVDサラウンドシステム
「どんな内容なんだ?」
という読者からの問い合わせなども、最近は頻繁にいただくようになった。
「○○は掲載されていますかねぇ?」
などと、具体的な車種を問われる方もいる。
さらには、「前向き乗車で5名以上が座れるシートを確保したバンコンは何台出ていますか?」
などと、こちらがとっさには応えられないような質問が入ってくることもある。
昔に比べると、読者がより緻密な情報を求めてきていることが分かる。
書店に並ぶのは5月2日 (金曜日)。
当初、このブログでは5月1日と広報したが、発売元のブッキングさんによれば、「早い書店では5月1日に店頭に並ぶが、多くの書店は2日以降」 とのこと。
それまで待ちきれないという読者の方に、少しだけ “蔵出し情報” をご提供したい。
今日は、この本の車種紹介ページの巻頭を飾るハイマーの記事をそのままここに転載する。
【Hymer(ハイマー)S830 】
《 世界のデザイントレンドに影響を与える内装 》
価格: 25,877,880円より
全長: 8630 mm
全幅: 2350 mm
全高: 2900 mm
ベース車: メルセデス・ベンツ518CDI
ジャンル: 輸入フルコンバージョン
乗車定員: 7名
就寝定員: 4名
問合せ先: 03-5691-2391
ハイマージャパン株式会社
東京都足立区鹿浜3-25-12
HPアドレス: http://www.hymerjp.com/
【キャラクター評価】
《 長期滞在も快適な カップル向けの旅行車 》
カップルで長期旅行するための快適装備はすべて満載したクルマ。人間工学に基づいて設計された設備類は実に合理的で使いやすい。
しかし、装備類が秘めている機能については 「当たり前のこと」 としてカタログで自慢することもない。それよりも、デザインを見せたがるメーカーだ。そこにハイマー社の自信のほどがうかがえる。
【本文】
ハイマーのインテリアは、一般家庭向けのインテリア雑誌からも注目されている。世界のモーターホームのトップブランドとして認知されるハイマーの内装ともなると、その年次モデルが、広い意味でのその年のデザイントレンドやファッションの流行を左右することもあるからだ。2008年のSは、高級クルーザーやヨットの流れを汲んだハイセンスなインテリアに磨きをかけて、ひときわ洗練度を高めている。ノーチェ・ベルガモの美しい家具。レザー・キーゼルクッションの都会的エレガンス。ヨーロッパの最高級素材と職人のワザを結集した内装仕上げが施されている。
こういうクルマになると、普通のキャンピングカーが謳うような機能部分の先進性を誇らない。しかし、ハイマーは紛れもなく自動車としての機能もトップレベルにある。ドイツ本国でハイマーといえば 「ビルダー」 ではなく、ベンツ、BMWなどと並ぶ立派な自動車メーカー。このエレガンスな架装を施した状態で、厳しい制動力テストやクラッシュテストをくぐり抜けている。
【レポーターのチェック】
《 内に秘められた高機能の数々 》
「機能をむき出しにしない」 というのが、高機能を誇るハイマー車に共通したコンセプト。特にこのSクラスになると、エアコンのダクトですら目に見えるところから巧妙に隠されている。各家具の隙間を少しだけ空け、そこから快適な涼風が全体的に行き渡るような空調システムが組まれている。
目に見えない壁面内処理にも、ハイマーがパテントを取った技術が生かされている。アルミ外壁と内壁の間の断熱材 (発泡ウレタン) が、接着剤を使わずにそのまま圧着されている。それによって、経年変化にも強い耐久性が確保され、剛性も高まっている。
【担当者のひとこと】
ハイマージャパン(株) 林 正倫
ハイマーSクラスは、欧州のみならず世界のトップブランドとして認められているクルマです。外国では 「クルマの方がお客を選ぶ」 などといわれることもあります。そのような名車を扱えることの喜びを私たちは日に日に強めています。
【レイアウトの特徴】
ハイマージャパンが2008年モデルのSクラスとして、お勧めしているのはS830。右のフロア図 (ブログでは省略) を見ていただくと分かると思うが、リヤの固定ベッドの中側に大きく切れ込みが入っている。これはベッドに上がるための階段。これだけで、このクルマのデザイン的な斬新さがお分かりいただけると思う。
ダイネットは、運転席と助手席を回転させ、L字ソファーと単座横向きソファーで丸テーブルを囲むというもの。運転席上にはプルダウンベッドが展開して、リヤベッドと合わせ、計4名分の就寝が取れるようになっている。このプルダウンベッドが相当低い位置まで降りるように設計されていて、乗り降りが楽になっていることも特長のひとつだ。
家具類には、ハイマーならではの工法が採用されており、棚の扉などには、ダンパーモールという可変的な蝶番を持つL型金具が使われている。この金具が採用された家具は、振動を受けても家具が振動から加わる応力を受け流してしまうので、軋みがない。キッチンの引き出しを含め、室内の扉がエンジンをかけると自動的にロックされてしまうというのも、このクルマならでは。
【主要諸元】
ベース車両 :メルセデス・ベンツスプリンター
エンジン種類 :V6 ディーゼルターボ
排 気 量 :2987cc
最高出力 :135kw(184ps)/3800rpm
最大トルク :400N・m(40.0kg-m)/2600rpm
ミッション :5速AT
駆動方式 :2WD(FR)
【主要装備】
■ 標準装備(一例)
ABS/ASR/5.3t強化シャシー/運転席・助手席エアバッグ/オートクルーズ/100㍑燃料タンク/オートマティック/フォグランプ/カーブライト/強化オルタネーター(180А)/シャンパンゴールドボディカラー/電動サイドミラー/サイドカウンターラウンジ(コーチソファーラウンジと選択可)/プルダウンベッド/ファンタスティックファン/ルーフラック&ラダー/凍結防止フロントサイド2重窓ガラス/安定ジャッキ/サイドオーニング/ナビゲーションシステム/バックアイカメラ/ETC/セーフティキー/エントランスドア網戸/液晶モニター/2.6kW発電機/ソーラーパネル(50w×2)/凍結防止排水タンク/温水ヒーターシステム/150㍑3ウェイ大型ダブルドア冷蔵庫(オーブン付)/床暖房システム/マリン式トイレ&排水システム/ワイングラスキャビネット他
■ オプション(一例)
レザーシート/ヒッチメンバー/インバーターシステム/5.1chDVDサラウンドシステム
2008年04月14日
LHグランデ
『 キャンピングカー super ガイド 2008 』 の最後の入稿が先ほど終わりました。
他のページでは、もう校正の初稿が出てきて、その赤字訂正も印刷所にどんどん入っているというタイミングなのに、ようやく1ページだけ残った分の入稿です。
最後の入稿となったのは、RVランドさんの新車ランドホームグランデ。
既に、原稿は先に書いておいて、画像が届くのを待っていたというわけです。
その画像が朝送られてきて、これでめでたしめでたし。
昨日デカールが張られたばかりのピカピカのニューカーの映像を皆様にお届けしましょう。
5月1日に発売される 『キャンピングカー super ガイド 』 のランドホームグランデに関する本文記事も、今日はサービスとして公開しちゃいます!
●2008年版 ランドホームグランデのページ公開 (本文のレイアウトはこれとは違います)
Land Home Grande ランドホームグランデ

価格 12,600,000円
全長 6300mm /全幅 2200mm /全高 2830mm
ベース車: トヨタ・コースター
ビルダー: RVランド/グローバル
ジャンル: 国産フルコンバージョン
乗車定員: 10名
就寝定員: 6名
問合せ先: 株式会社 RVランド
〃 電話: 0297-27-6767
住所: 茨城県常総市大塚戸町篠山1600-1
HPアドレス: http://www.rvland.co.jp
MAILアドレス: E-mail:mail@rvland.co.jp

▲ 画像をクリックすると拡大
【本文】
《 日本のフルコンを代表する完成度の高さ 》
ランドホームグランデは、マイクロバスのボディをカットするという、まさに日本独自の方法で編み出されたフルコン (クラスA) である。しかもグリルまわりからフロントガラスまでオリジナル製作されるという本格派だ。グランドバッハの兄弟車でありながら、欧州車のコンセプトを踏襲したグランドバッハとは異なり、輸入車の模倣から脱した独自の高級感を打ち出したところが独創的だ。

レイアウト的に目を見張るのは、優雅な弧を描く異形対面ダイネット。3人掛けセカンドシートと単座のサードシートで構成されるダイネットは、人の動線を確保する意味においても、デザイン的な洗練度においても全く斬新なもの。運転席・助手席のキャプテンシートともども高級フルコンらしい機能と美観を獲得している。

リヤは全面ベッドにもなるコの字ラウンジ。ダイネットソファーとプルダウンベッドを含めると、6人の就寝を可能にするキャパシティがある。家族で使える高級車が少ない日本車のなかで、実に貴重なフルコンである。

【レポーターのチェック】
《 バスコンで開発されたオリジナル技術をすべて投入》
ランドホームグランデは、バスコンやバンコンの分野で常にオリジナリティの高い商品を作り続けているRVランドらしさが全面的に打ち出されたフルコンだ。まずこのクルマには、重くて充填も面倒なLPGのガスラインがない。

コンロはカセットガス5本組方式。シャワー設備はAC100Vとエンジン冷却水を循環させて温水を得る方式を組み合わせた2ウェイ温水システム。RVランドが既にバスコンで開発したものがみな投入されている。形は欧米のクラスАスタイルを取りながら、世界のどこにもないRVランドだけのクラスAが誕生している。
【担当者のひとこと】
(株) RVランド 阿部和麿 代表

ランドホームグランデでは、バスコンの2ルーム方式を生かして欧米のクラスAとは全く異なる日本独自のクラスAを試みました。10人乗車に6人就寝。欧米クラスAとは異なって、家族や親しい仲間が集まって楽しめるフルコンバージョンです。
【主要諸元】
ベース車両 トヨタ・コースター
エンジン種類 直4 ディーゼルターボ
排 気 量 4009cc
最高出力 110kW(150ps)/3000rpm
最大トルク 392N・m(40.0kg-m)/1600rpm
ミッション 6速AT
駆動方式 2WD(FR)
【主要装備】
■標準装備(一例)
アクリル2重ウィンドウ/リヤラダー/ルーフキャリア/運転席・助手席キャプテンシート(肘掛け付・ドイツ製)/エンジンカバーカーペット/プルダウンベッド/ダイネットシート&テーブル/リヤ・コの字ソファー/ベッド/キッチンキャビネット/クローゼットキャビネット/アッパーボックス(吊り棚)/カーテン&ブラインド/エントランスドア(網戸付)/2段式エントランスステップ/外部収納庫/温水シャワールーム/電動カセットトイレ/WAECO冷蔵庫90㍑DC式/蓋付3バーナーコンロ(カセットガス5本組付)/ステンレスシンク&1レバー混合水栓/ステンレス製給水タンク(80㍑)&高圧ウォーターポンプ/シティウォーター接続/排水セワホース/キッチンレンジフードファン/ハロゲン照明/シャワールーム換気扇&防水型照明/給排気ファン付ルーフベンチレーター(MAXファン)/室内照明/水量計モニターパネル/ヘルツフリー電子レンジ・キャビネット/フロント&リヤ純正エアコン/燃焼式FFヒーター(ベバスト)/走行充電サブバッテリー電圧メーター プロテクター(保護回路)/DC-AC正弦波インバーター1.5kW/外部100Vインレット&AC-DCコンバーター(25А)/サブバッテリー・EB-100
【ランドホームグランデ オプション価格表】
ソーラーパネル(70w)=105,000円/ジェネレーター(トラベラー2500H)+コールマンルーフエアコン=(バリューセット価格)504、000円/運転席ドア=180,000円/サイドオーニング4m=160,000円他
他のページでは、もう校正の初稿が出てきて、その赤字訂正も印刷所にどんどん入っているというタイミングなのに、ようやく1ページだけ残った分の入稿です。
最後の入稿となったのは、RVランドさんの新車ランドホームグランデ。
既に、原稿は先に書いておいて、画像が届くのを待っていたというわけです。
その画像が朝送られてきて、これでめでたしめでたし。
昨日デカールが張られたばかりのピカピカのニューカーの映像を皆様にお届けしましょう。
5月1日に発売される 『キャンピングカー super ガイド 』 のランドホームグランデに関する本文記事も、今日はサービスとして公開しちゃいます!
●2008年版 ランドホームグランデのページ公開 (本文のレイアウトはこれとは違います)
Land Home Grande ランドホームグランデ
価格 12,600,000円
全長 6300mm /全幅 2200mm /全高 2830mm
ベース車: トヨタ・コースター
ビルダー: RVランド/グローバル
ジャンル: 国産フルコンバージョン
乗車定員: 10名
就寝定員: 6名
問合せ先: 株式会社 RVランド
〃 電話: 0297-27-6767
住所: 茨城県常総市大塚戸町篠山1600-1
HPアドレス: http://www.rvland.co.jp
MAILアドレス: E-mail:mail@rvland.co.jp
▲ 画像をクリックすると拡大
【本文】
《 日本のフルコンを代表する完成度の高さ 》
ランドホームグランデは、マイクロバスのボディをカットするという、まさに日本独自の方法で編み出されたフルコン (クラスA) である。しかもグリルまわりからフロントガラスまでオリジナル製作されるという本格派だ。グランドバッハの兄弟車でありながら、欧州車のコンセプトを踏襲したグランドバッハとは異なり、輸入車の模倣から脱した独自の高級感を打ち出したところが独創的だ。
レイアウト的に目を見張るのは、優雅な弧を描く異形対面ダイネット。3人掛けセカンドシートと単座のサードシートで構成されるダイネットは、人の動線を確保する意味においても、デザイン的な洗練度においても全く斬新なもの。運転席・助手席のキャプテンシートともども高級フルコンらしい機能と美観を獲得している。
リヤは全面ベッドにもなるコの字ラウンジ。ダイネットソファーとプルダウンベッドを含めると、6人の就寝を可能にするキャパシティがある。家族で使える高級車が少ない日本車のなかで、実に貴重なフルコンである。
【レポーターのチェック】
《 バスコンで開発されたオリジナル技術をすべて投入》
ランドホームグランデは、バスコンやバンコンの分野で常にオリジナリティの高い商品を作り続けているRVランドらしさが全面的に打ち出されたフルコンだ。まずこのクルマには、重くて充填も面倒なLPGのガスラインがない。
コンロはカセットガス5本組方式。シャワー設備はAC100Vとエンジン冷却水を循環させて温水を得る方式を組み合わせた2ウェイ温水システム。RVランドが既にバスコンで開発したものがみな投入されている。形は欧米のクラスАスタイルを取りながら、世界のどこにもないRVランドだけのクラスAが誕生している。
【担当者のひとこと】
(株) RVランド 阿部和麿 代表
ランドホームグランデでは、バスコンの2ルーム方式を生かして欧米のクラスAとは全く異なる日本独自のクラスAを試みました。10人乗車に6人就寝。欧米クラスAとは異なって、家族や親しい仲間が集まって楽しめるフルコンバージョンです。
【主要諸元】
ベース車両 トヨタ・コースター
エンジン種類 直4 ディーゼルターボ
排 気 量 4009cc
最高出力 110kW(150ps)/3000rpm
最大トルク 392N・m(40.0kg-m)/1600rpm
ミッション 6速AT
駆動方式 2WD(FR)
【主要装備】
■標準装備(一例)
アクリル2重ウィンドウ/リヤラダー/ルーフキャリア/運転席・助手席キャプテンシート(肘掛け付・ドイツ製)/エンジンカバーカーペット/プルダウンベッド/ダイネットシート&テーブル/リヤ・コの字ソファー/ベッド/キッチンキャビネット/クローゼットキャビネット/アッパーボックス(吊り棚)/カーテン&ブラインド/エントランスドア(網戸付)/2段式エントランスステップ/外部収納庫/温水シャワールーム/電動カセットトイレ/WAECO冷蔵庫90㍑DC式/蓋付3バーナーコンロ(カセットガス5本組付)/ステンレスシンク&1レバー混合水栓/ステンレス製給水タンク(80㍑)&高圧ウォーターポンプ/シティウォーター接続/排水セワホース/キッチンレンジフードファン/ハロゲン照明/シャワールーム換気扇&防水型照明/給排気ファン付ルーフベンチレーター(MAXファン)/室内照明/水量計モニターパネル/ヘルツフリー電子レンジ・キャビネット/フロント&リヤ純正エアコン/燃焼式FFヒーター(ベバスト)/走行充電サブバッテリー電圧メーター プロテクター(保護回路)/DC-AC正弦波インバーター1.5kW/外部100Vインレット&AC-DCコンバーター(25А)/サブバッテリー・EB-100
【ランドホームグランデ オプション価格表】
ソーラーパネル(70w)=105,000円/ジェネレーター(トラベラー2500H)+コールマンルーフエアコン=(バリューセット価格)504、000円/運転席ドア=180,000円/サイドオーニング4m=160,000円他
2008年03月04日
フィールドキッズ
長崎のビルダー 「カスタムプロ ホワイト」 さんから、2008年版 『キャンピングカー super ガイド』 用に、たった今送られてきたホットな映像をご紹介。

ホワイト初の軽キャンカー 「フィールドキッズ」 です。
シンクもコンロも置かない軽4登録の車両ですが、う~ん。
見てください。
見事な木工家具!
木工家具の隙間はフルトリム。
軽の “貨物車” にここまでやるか?
という感じですね。

凝っているのは、両サイドのリヤ側の窓枠。
木工のブライドパネルになっています。窓面のサイズにぴったり合わせながら、内側の木の棒で支えているところがミソ。
棒がそのまま、ハンガーのフックとして機能しています。
天井も、純ムク仕上げ。
ルーフと天井の間は収納になっていて、シュラフとキャンプテーブルが入るそうです。
ベースが軽なのに、純ムクを多用しているので、重量が心配…と思ったのですが、カスタムプロホワイトの池田さんは、
「キャンパーの装備を積んどらんから、心配なか」
と笑い飛ばして、おしまい。
標準装備のなかには、走行充電システムさえなし。
代わりに、簡易ソーラーシステムで対応。
1時間に2Wという微弱電流ながら、昼間充電しておけば、夜間に使う照明の電気ぐらいはまかなえるとか。
軽キャンカーの需要で多い、「道の駅」 などで夜更かし…という使用状況はあまり考えていないとのこと。
「朝早く行動して、日が暮れたら寝るというクルマ。それが健康にもよか。アウトドアのクルマはそれでよか」
…だそうです。
もともと、カスタムプロホワイトというビルダーさんは、
「キャンピングカーはハイテクの実験場ではない」
という思想で、クルマ造りを進めてきた会社。
キーワードは 「ナチュラル」。
キャンピングカーは、「自然と人間をつなぐための道具」 。
その思想が、この 「フィールドキッズ」 の小さいボディの中にも、しっかり息づいています。
架装費は、74~90万円ぐらいとか。
今年のガイドに、また面白いクルマがひとつ増えました。
ホワイト初の軽キャンカー 「フィールドキッズ」 です。
シンクもコンロも置かない軽4登録の車両ですが、う~ん。
見てください。
見事な木工家具!
木工家具の隙間はフルトリム。
軽の “貨物車” にここまでやるか?
という感じですね。
凝っているのは、両サイドのリヤ側の窓枠。
木工のブライドパネルになっています。窓面のサイズにぴったり合わせながら、内側の木の棒で支えているところがミソ。
棒がそのまま、ハンガーのフックとして機能しています。
天井も、純ムク仕上げ。
ルーフと天井の間は収納になっていて、シュラフとキャンプテーブルが入るそうです。
ベースが軽なのに、純ムクを多用しているので、重量が心配…と思ったのですが、カスタムプロホワイトの池田さんは、
「キャンパーの装備を積んどらんから、心配なか」
と笑い飛ばして、おしまい。
標準装備のなかには、走行充電システムさえなし。
代わりに、簡易ソーラーシステムで対応。
1時間に2Wという微弱電流ながら、昼間充電しておけば、夜間に使う照明の電気ぐらいはまかなえるとか。
軽キャンカーの需要で多い、「道の駅」 などで夜更かし…という使用状況はあまり考えていないとのこと。
「朝早く行動して、日が暮れたら寝るというクルマ。それが健康にもよか。アウトドアのクルマはそれでよか」
…だそうです。
もともと、カスタムプロホワイトというビルダーさんは、
「キャンピングカーはハイテクの実験場ではない」
という思想で、クルマ造りを進めてきた会社。
キーワードは 「ナチュラル」。
キャンピングカーは、「自然と人間をつなぐための道具」 。
その思想が、この 「フィールドキッズ」 の小さいボディの中にも、しっかり息づいています。
架装費は、74~90万円ぐらいとか。
今年のガイドに、また面白いクルマがひとつ増えました。
2008年03月01日
Tグローブの世界
ユニークなエッグ型のトレーラー 「Tグローブ」 を開発した、トランキルグローブの松原豪さん。

各地のキャンピングカーショーを取材しているとき、いつもこの松原さんのブースを見ると不思議な気分になる。
「いったい、いつ商売をしているのだろう?」
松原氏が、お客様をトレーラーの中に案内し、その構造的特徴や装備類の使い勝手を説明している姿を見たことがない。

それよりも不思議なことは、Tグローブを展示しているブースでは、肝心の商品であるTグローブというトレーラーが、よく見えないことだ。

たいてい、その前には、コールマンのヴィンテージランタン、年代もののコーヒーメーカー、骨董クラスの釣り道具…ありとあらゆる遊びのギアが、所狭しと並べられており、展示の主役を務めるはずのTグローブは、それらの小物の引き立て役といった感じで、遠慮がちに後ろの方でかしこまっているに過ぎない。

で、当の松原さんは、楽しい遊びのギヤを並べたテーブルの前に立ち、例の見るからにアウトドアマンといった風情をたたえたおヒゲを目立たせながら、ていねいにコーヒーを入れ、にこやかに客人に勧めている。

この客人たちが、みな仲間。
Tグローブというトレーラーを介して集まってきたユーザーたちで、その雰囲気は、まるでクラブキャンプだ。
とにかく、「まずは商談が大事」 という他のブースの張りつめた雰囲気をよそに、トランキルグローブのブースだけは、パーティ会場のようななごやかな空気に包まれている。

普通、こういう身内だけで固まった集団というものには、なかなか初めての人間は近づきにくいものだ。
しかし、このブースの雰囲気は違うのだ。
Tグローブに興味を持って、遠くから覗き込もうした人がいれば、松原さんは、きっとこう言うだろう。
「トレーラーの方は後でゆっくり見ることにして、まず煎れ立てのコーヒーが冷めないうちに、一杯どうですか?」
声をかけられた人は、もうその一言で、Tグローブ集団の仲間入り。
その場のアットホームな雰囲気に包まれて、ついつい自分もオーナーにでもなったかのような錯覚に陥ってしまう。

それも一つの売り方だと思う。
「商品」を展示するのではなく、その商品がもたらす 「文化」 を展示する。
松原さんのブースには、「Tグローブ文化」 ともいうべきものが育っているように思う。
実用性を持ちつつも、夢の部分を忘れないグッズ類。
時間を掛けて、ていねいに煎れられるコーヒー。
楽しい仲間と、カヌーやスキーに興じた思い出話。
そういうものを共有し合うことで、仕事や世間のしがらみから解放される時間帯。
松原さんは、
「それがTグローブというトレーラーがもたらすライフスタイルなんだよ」
ということを、空気として、見学者に教えているような気がする。
「名古屋キャンピングカーフェア」 の会場で、松原さんに呼び止められた。
「これ、ちょっと手に取ってみてくださいよ」
そういって手渡されたのが、オービスのカーボンロッド。
2008年の限定モデルだという。
アメリカで、海釣り用のフライとして開発されたものだとか。
握ってみると、びっくりするほど軽い。
手を離すと、宙を泳いで舞い上がっていきそうなほど軽い。
「昔は、フライの疑似エサもけっこう凝って、自分で作ったんですけど、もう老眼で無理。今は毛針も買っちゃいますね」
そういって松原さんは、うれしそうに、ロッドにリールを取り付けたりしている。

またしても、トレーラーの話はなし。
でも、釣りとTグローブに関心を持つ見学者だったら、もうこれだけで、自分もオーナーになって、松原さんと肩を並べて、釣り糸を垂れる姿を想像してしまうかもしれない。
トレーラーよりも、釣り道具の話をする松原さんから、逆に、Tグローブを手に入れたときの楽しみ方がビンビンと伝わってくる。
彼は、無敵の 「セールストーク」 を会得しているように思えた。
各地のキャンピングカーショーを取材しているとき、いつもこの松原さんのブースを見ると不思議な気分になる。
「いったい、いつ商売をしているのだろう?」
松原氏が、お客様をトレーラーの中に案内し、その構造的特徴や装備類の使い勝手を説明している姿を見たことがない。
それよりも不思議なことは、Tグローブを展示しているブースでは、肝心の商品であるTグローブというトレーラーが、よく見えないことだ。
たいてい、その前には、コールマンのヴィンテージランタン、年代もののコーヒーメーカー、骨董クラスの釣り道具…ありとあらゆる遊びのギアが、所狭しと並べられており、展示の主役を務めるはずのTグローブは、それらの小物の引き立て役といった感じで、遠慮がちに後ろの方でかしこまっているに過ぎない。
で、当の松原さんは、楽しい遊びのギヤを並べたテーブルの前に立ち、例の見るからにアウトドアマンといった風情をたたえたおヒゲを目立たせながら、ていねいにコーヒーを入れ、にこやかに客人に勧めている。
この客人たちが、みな仲間。
Tグローブというトレーラーを介して集まってきたユーザーたちで、その雰囲気は、まるでクラブキャンプだ。
とにかく、「まずは商談が大事」 という他のブースの張りつめた雰囲気をよそに、トランキルグローブのブースだけは、パーティ会場のようななごやかな空気に包まれている。
普通、こういう身内だけで固まった集団というものには、なかなか初めての人間は近づきにくいものだ。
しかし、このブースの雰囲気は違うのだ。
Tグローブに興味を持って、遠くから覗き込もうした人がいれば、松原さんは、きっとこう言うだろう。
「トレーラーの方は後でゆっくり見ることにして、まず煎れ立てのコーヒーが冷めないうちに、一杯どうですか?」
声をかけられた人は、もうその一言で、Tグローブ集団の仲間入り。
その場のアットホームな雰囲気に包まれて、ついつい自分もオーナーにでもなったかのような錯覚に陥ってしまう。
それも一つの売り方だと思う。
「商品」を展示するのではなく、その商品がもたらす 「文化」 を展示する。
松原さんのブースには、「Tグローブ文化」 ともいうべきものが育っているように思う。
実用性を持ちつつも、夢の部分を忘れないグッズ類。
時間を掛けて、ていねいに煎れられるコーヒー。
楽しい仲間と、カヌーやスキーに興じた思い出話。
そういうものを共有し合うことで、仕事や世間のしがらみから解放される時間帯。
松原さんは、
「それがTグローブというトレーラーがもたらすライフスタイルなんだよ」
ということを、空気として、見学者に教えているような気がする。
「名古屋キャンピングカーフェア」 の会場で、松原さんに呼び止められた。
「これ、ちょっと手に取ってみてくださいよ」
そういって手渡されたのが、オービスのカーボンロッド。
2008年の限定モデルだという。
アメリカで、海釣り用のフライとして開発されたものだとか。
握ってみると、びっくりするほど軽い。
手を離すと、宙を泳いで舞い上がっていきそうなほど軽い。
「昔は、フライの疑似エサもけっこう凝って、自分で作ったんですけど、もう老眼で無理。今は毛針も買っちゃいますね」
そういって松原さんは、うれしそうに、ロッドにリールを取り付けたりしている。
またしても、トレーラーの話はなし。
でも、釣りとTグローブに関心を持つ見学者だったら、もうこれだけで、自分もオーナーになって、松原さんと肩を並べて、釣り糸を垂れる姿を想像してしまうかもしれない。
トレーラーよりも、釣り道具の話をする松原さんから、逆に、Tグローブを手に入れたときの楽しみ方がビンビンと伝わってくる。
彼は、無敵の 「セールストーク」 を会得しているように思えた。
2008年02月28日
サフラン新モデル
【お勧めキャンカー25 「サフラン470 」 】
マックレーのコンパクトキャブコンとして人気の高い 「サフラン470」 シリーズに、このたびニュータイプのレイアウトが加わった。
デュエットⅡのL型ラウンジタイプ。

しかし、いったい、どう説明したらいいのやら。
国産キャブコンとして類例のない新しいコンセプトなので、それを表現する言葉がなかなか見つからない。
一言でいえば 「スペースマジック」 。
「魔法」 という言葉を使わざるを得ないほど、このコンパクトなボディからは、帽子を飛び立つハトのように、次々といろいろな装備や機能が飛び出してくる。
L型ラウンジ
2名就寝リヤダブルベッド
最大3名就寝バンクベッド
キッチン&電子レンジ
65リットル冷蔵庫
トイレ機能付きフリールーム
リヤ大型収納
ヤマハ2.8kW発電機
コールマンルーフエアコン……

▲ ヤマハ2.8kW発電機も標準装備
「サフラン470・デュエットⅡ・L型ラウンジ」 のわずか4.66mのボディには、上記のような、輸入モーターホームにも匹敵する装備類が整然と詰まっているのだ。
いったいどういう構造になっているのだろうか?
誰でも、不思議に思うだろう。
もちろん、上記の装備類を平面上に配置するだけでは、とても4.66mのボディに収まらない。
時には、トイレルームが半分のサイズに縮まる。
ある時は、キッチンテーブルの広さが倍になる。
寝る人数によって、バンクベッドの形状も変わる。
このように、各パーツを “可変的” に組み合わせることによって、サフラン・デュエットⅡというキャブコンは成り立っているのである。
まさにスペースマジック!
開発者の渡辺社長に、ベッド展開をはじめ、このクルマが秘めている様々な機能を見せてもらった。
簡単な操作で、あっという間に、装備類の形が変わり、新しい内装風景が立ち現れてくるのを眺めていると、奇術師が仕切るマジックショーの客席にいるような気分になる。

▲ マックレー渡辺社長
このショーのひとつの主役を演じているのは、フリールームだ。
高さが、2段階調整式になる。
つまりこのフリールームの高さを、天井まで届く 「フルサイズ」 にセットすれば、トイレルームとして使っても、収納庫として使っても余裕たっぷりの、大型フリールームとして使うことができる。

ただしこの状態では、バンクベッドの広さが若干削られているので、バンクベッドの就寝人数は2人となる。
では、バンクベッドスペースを広げたいときは、どうすればいいのか。

そのときはフリールームの上側を折りたたんで、「ハーフサイズ」 に縮小してしまえばいい。
たちどころにバンクベッドが延長され、縦寝3人就寝を実現する広々ベッドが誕生する。
このハーフサイズ状態でも、ポータブルトイレが使えるというのがミソ。
計算された寸法取りには、舌を巻く思いがする。

リヤは、固定ダブルベッドとなる。
ラウンジでくつろいでいるうちに、眠くなったら、そのまま横になれるという構造になっている。

だが、ここにも仕掛けがある。
ベッドの足元側にはクローゼットと、パソコンなどが置けるカウンターが用意されているのだが、クローゼットが中空に浮いているので、その下側に足を伸ばすことができる。

さらに憎いのは、キッチン。
普段は、幅30センチ程度のコンパクトサイズに収まっているが、補助テーブルをベッド側に突き出すように延長できるために、キッチン使用時にはキッチンカウンターを広く使うことができる。

シンクの上には電子レンジ。
キッチン下には65リッターの容量を誇るDC12V冷蔵庫。
冷蔵庫の本体をベッド下にもぐり込ませるという発想が、リヤ側の 「マジックショー」 を実現させることにつながった。
外部収納庫の大きさも構造も特筆もの。
リヤ右側のハッチを開ければ、縦にも、横にも長物が積めるようになっている。
この収納庫には、ベッド下の小さな戸口からもアクセス可能だが、リヤのベッドマットを取り外せば、室内からも簡単にアクセスできる。

カラシ色のレザーシートでまとめられた3人掛けのL型ラウンジが、すごくお洒落れ。
ビニールレザーシートは、拭き取りも簡単なので、ペットの毛を気にするようなオーナーに向いているかもしれない。

さて、こういうキャブコンを、皆さまは、どう思われるだろうか。
絶対、日本人以外には思いつかないコンセプトだと思う。
…というより、マックレーの渡辺社長以外に、ここまで空間のマジックにこだわるデザイナーはいないだろう。
このコンパクトなスペース内に、これだけ多機能な装備を組み込んだキャンピングカーというのは諸外国はおろか、日本でもあまりない。

このクルマには、伝統的な日本工芸品の中に脈打つ 「匠の精神」 があるように思う。
たとえば、寄せ木細工や、からくり人形の精緻さ。
あるいは、浮世絵を制作するときの版画技法の緻密さ。
サフランには、そういう日本人が伝統的に培ってきた、日本的な機能性を象徴する細やかさがある。
欧米で生まれたキャンピングカーという文化が、日本の土壌の中で見事に花開いた例を、このサフランに見ることができる。
マックレーのコンパクトキャブコンとして人気の高い 「サフラン470」 シリーズに、このたびニュータイプのレイアウトが加わった。
デュエットⅡのL型ラウンジタイプ。
しかし、いったい、どう説明したらいいのやら。
国産キャブコンとして類例のない新しいコンセプトなので、それを表現する言葉がなかなか見つからない。
一言でいえば 「スペースマジック」 。
「魔法」 という言葉を使わざるを得ないほど、このコンパクトなボディからは、帽子を飛び立つハトのように、次々といろいろな装備や機能が飛び出してくる。
L型ラウンジ
2名就寝リヤダブルベッド
最大3名就寝バンクベッド
キッチン&電子レンジ
65リットル冷蔵庫
トイレ機能付きフリールーム
リヤ大型収納
ヤマハ2.8kW発電機
コールマンルーフエアコン……
▲ ヤマハ2.8kW発電機も標準装備
「サフラン470・デュエットⅡ・L型ラウンジ」 のわずか4.66mのボディには、上記のような、輸入モーターホームにも匹敵する装備類が整然と詰まっているのだ。
いったいどういう構造になっているのだろうか?
誰でも、不思議に思うだろう。
もちろん、上記の装備類を平面上に配置するだけでは、とても4.66mのボディに収まらない。
時には、トイレルームが半分のサイズに縮まる。
ある時は、キッチンテーブルの広さが倍になる。
寝る人数によって、バンクベッドの形状も変わる。
このように、各パーツを “可変的” に組み合わせることによって、サフラン・デュエットⅡというキャブコンは成り立っているのである。
まさにスペースマジック!
開発者の渡辺社長に、ベッド展開をはじめ、このクルマが秘めている様々な機能を見せてもらった。
簡単な操作で、あっという間に、装備類の形が変わり、新しい内装風景が立ち現れてくるのを眺めていると、奇術師が仕切るマジックショーの客席にいるような気分になる。
▲ マックレー渡辺社長
このショーのひとつの主役を演じているのは、フリールームだ。
高さが、2段階調整式になる。
つまりこのフリールームの高さを、天井まで届く 「フルサイズ」 にセットすれば、トイレルームとして使っても、収納庫として使っても余裕たっぷりの、大型フリールームとして使うことができる。
ただしこの状態では、バンクベッドの広さが若干削られているので、バンクベッドの就寝人数は2人となる。
では、バンクベッドスペースを広げたいときは、どうすればいいのか。
そのときはフリールームの上側を折りたたんで、「ハーフサイズ」 に縮小してしまえばいい。
たちどころにバンクベッドが延長され、縦寝3人就寝を実現する広々ベッドが誕生する。
このハーフサイズ状態でも、ポータブルトイレが使えるというのがミソ。
計算された寸法取りには、舌を巻く思いがする。
リヤは、固定ダブルベッドとなる。
ラウンジでくつろいでいるうちに、眠くなったら、そのまま横になれるという構造になっている。
だが、ここにも仕掛けがある。
ベッドの足元側にはクローゼットと、パソコンなどが置けるカウンターが用意されているのだが、クローゼットが中空に浮いているので、その下側に足を伸ばすことができる。
さらに憎いのは、キッチン。
普段は、幅30センチ程度のコンパクトサイズに収まっているが、補助テーブルをベッド側に突き出すように延長できるために、キッチン使用時にはキッチンカウンターを広く使うことができる。
シンクの上には電子レンジ。
キッチン下には65リッターの容量を誇るDC12V冷蔵庫。
冷蔵庫の本体をベッド下にもぐり込ませるという発想が、リヤ側の 「マジックショー」 を実現させることにつながった。
外部収納庫の大きさも構造も特筆もの。
リヤ右側のハッチを開ければ、縦にも、横にも長物が積めるようになっている。
この収納庫には、ベッド下の小さな戸口からもアクセス可能だが、リヤのベッドマットを取り外せば、室内からも簡単にアクセスできる。
カラシ色のレザーシートでまとめられた3人掛けのL型ラウンジが、すごくお洒落れ。
ビニールレザーシートは、拭き取りも簡単なので、ペットの毛を気にするようなオーナーに向いているかもしれない。
さて、こういうキャブコンを、皆さまは、どう思われるだろうか。
絶対、日本人以外には思いつかないコンセプトだと思う。
…というより、マックレーの渡辺社長以外に、ここまで空間のマジックにこだわるデザイナーはいないだろう。
このコンパクトなスペース内に、これだけ多機能な装備を組み込んだキャンピングカーというのは諸外国はおろか、日本でもあまりない。
このクルマには、伝統的な日本工芸品の中に脈打つ 「匠の精神」 があるように思う。
たとえば、寄せ木細工や、からくり人形の精緻さ。
あるいは、浮世絵を制作するときの版画技法の緻密さ。
サフランには、そういう日本人が伝統的に培ってきた、日本的な機能性を象徴する細やかさがある。
欧米で生まれたキャンピングカーという文化が、日本の土壌の中で見事に花開いた例を、このサフランに見ることができる。
2008年02月26日
ミラノスタイル
【お勧めキャンカー24 「ミラノスタイル」】
幕張のキャンピングカーショーでデビューして脚光を浴び、続く名古屋のショーでも、来場者の注目を一身に浴びたハイエースのキャンピングカーがあった。
ミラノスタイル
ハイエース・スーパーロングをベースに、トイファクトリーがリリースしたバンコンだ。

このクルマが多くの人たちの視線を集めたのは、ふたつの理由による。
まず、従来の内装デザインを刷新してしまうような、完璧なヨーロッパスタイルの内装。
そして、同社がこだわり続けていた 「断熱」 に対する革新的な新意匠。
国産バンコンの歴史が変わるかしれない。
誰もが、うすうすそう感じるような衝撃を、このクルマは秘めていた。

外形的な特徴から入ると、驚くのはその窓部分。
キャブコンでも、こう見事には決まらないだろうと思えるようなアクリル2重ウィンドウが、サイド、そしてリヤの7面を埋めている。

アクリル窓をはめ込むアタッチメントの形状が見事だ。
コーナー部分には微妙なアールが施されているが、風切り音を極小に抑えるための工夫がコンピューター上の計算によって導き出されているという。
そこには、ボーイング787で試みられた型づくりの手法が生かされているとも聞く。
バンコンの場合、ボディ部分にいくら断熱材を封入しても、熱伝導率が高いガラス窓がある限り、断熱効果は完璧ではないと言われ続けていた。
それを見事にくつがえしたのが、このアクリル断熱ウィンドウだった。
トイファクトリーの藤井社長はこう語る。
「この断熱ウィンドウを開発した背景には、本当の意味での、環境に優しいクルマを造りたかったからです。 “環境に優しいクルマ” と口で言うのは簡単ですが、私たちが造ってきたクルマも含め、まだ技術的に、そのテーマに答え切るキャンピングカーは生まれてこなかった。
しかし、このように、バンコンの窓を断熱化することによって、クーラーやヒーター機能を生かすためのアイドリングが減ります。その分、ガソリンの消費量も減ります。
だから、断熱効果を高めることは、少しでも環境破壊を防ぐ意味があるということを知ってもらいたかったのです」
実際このような試みは、ヨーロッパのバンコンメーカーにおいてもまだ実用化されていないという。
ヨーロッパでは、バンコンの窓を断熱化するときには、パネルをカットしてアクリル窓を取り付けるという手法が一般的だ。
作業効率が落ちるため、手間もかかり、コストも上がる。
だから、そこまで至らないヨーロッパのバンコンでは、いきおい、大型のFFヒーターなどを取り付けて暖を採る方向で解決せざるを得ない。
トイファクトリーが開発したバンコン用アクリル2重窓システムは、キャンピングカーの本場ヨーロッパをもしのぐ画期的な新意匠を提示することになった。

軽量化を図るということも、燃費を向上させるための王道だ。
ミラノスタイルの家具では、徹底的にフラッシュ (中抜き) 構造を採用することによって、軽量化が追求された。
それはどこのビルダーでも採り入れている手法だが、トイファクトリーでは、ヨーロッパの一流ビルダーのやり方を手本に、パーツひとつひとつにかかる重量を徹底的に計算したという。
それによって、フラッシュ構造を採り入れた方が、強度や剛性を確保できる部位をきちんと割り出した。
もちろん、質感を大事にする場所には、効果的にムク材を使った。

ミラノスタイルの内装を見ると、単なるデザイン上の整合感とは別の、構造上の整合感というものが感じられる。
おそらく、強度計算などを徹底させることによって生まれる合理性と安定感が、内装デザイン全体に、機能美のようなものを付与しているのだろう。
それにしても、このクルマの内装デザインは見事だ。
「ヨーロッパ調インテリア」
をキャッチとして謳う国産車は、今までも数多くあったが、色合いや形はヨーロッパ的ではあっても、日本人が考えるヨーロッパデザインは、どこか演歌のテイストが滲んでいた。
それがミラノスタイルには感じられない。
入れ物はハイエースであっても、中味は、国産車であることを微塵も感じさせないヨーロッパ風インテリアが完璧に実現されている。
その秘密がよく分からなかった。
藤井社長に聞くと、
「色合わせを考えた」
という、いたってシンプルな、狐につままれたような気分にさせる答が返ってきただけだった。

彼はいう。
「衣服などにおいても、アメリカやヨーロッパ物の中には、素材が粗末なものであっても、日本では真似できないようなカッコよさを秘めたものがたくさんあります。
その秘密は、単純に “色合わせ” だけなんです。
いかに高価な素材を使おうとも、色合わせで失敗した商品は、見る影もなくなります。
逆に、色合わせが決まれば、仮に素材がチープであっても、カッコよさというものは生まれてくるものです」
口でそう言うのはやさしいが、感覚だけが頼りの色合わせの世界というのは、いざ実行するとなると、成功させるための道のりは限りなくけわしい。
ミラノスタイルでは、床の色だけで7通りぐらいの床合わせが行われた。
キッチンの天板なども、黒、コゲ茶、白…。それぞれ光沢のあるもの、ないもの。
あらゆる色と質感を持った天板が試された。
家具のフォルムの割り出しにも、通常の倍以上におよぶ図面が制作されることになった。
形が決まっても、色を付けると狙った効果が現れず、見送られたものも数限りなくあった。
それでも、「まだまだ課題は残っている」 と、藤井氏は語る。
「たとえば、テーブルポール。あれは間に合わせで使ったもの。あそこにもオリジナルのパーツを入れる予定ですが、あのテーブルポールだけが、全体の雰囲気を損なっている」
そのこだわりが、実によく分かるのである。同感だった。
トイファクトリーでは、このクルマのデザインを実現させるために、自社スタッフをイタリアのミラノまで派遣している。
本場のモノを見て、本場の空気に触れると、人間の感性も変わるという。

デザインはヨーロッパと同等。
そして、機能は、ヨーロッパのバンコンをもしのぐ新技術が投入されたミラノスタイル。
日本のキャンピングカーが、いよいよ世界水準に到達する日が近づいてきたのかもしれない。
幕張のキャンピングカーショーでデビューして脚光を浴び、続く名古屋のショーでも、来場者の注目を一身に浴びたハイエースのキャンピングカーがあった。
ミラノスタイル
ハイエース・スーパーロングをベースに、トイファクトリーがリリースしたバンコンだ。
このクルマが多くの人たちの視線を集めたのは、ふたつの理由による。
まず、従来の内装デザインを刷新してしまうような、完璧なヨーロッパスタイルの内装。
そして、同社がこだわり続けていた 「断熱」 に対する革新的な新意匠。
国産バンコンの歴史が変わるかしれない。
誰もが、うすうすそう感じるような衝撃を、このクルマは秘めていた。
外形的な特徴から入ると、驚くのはその窓部分。
キャブコンでも、こう見事には決まらないだろうと思えるようなアクリル2重ウィンドウが、サイド、そしてリヤの7面を埋めている。
アクリル窓をはめ込むアタッチメントの形状が見事だ。
コーナー部分には微妙なアールが施されているが、風切り音を極小に抑えるための工夫がコンピューター上の計算によって導き出されているという。
そこには、ボーイング787で試みられた型づくりの手法が生かされているとも聞く。
バンコンの場合、ボディ部分にいくら断熱材を封入しても、熱伝導率が高いガラス窓がある限り、断熱効果は完璧ではないと言われ続けていた。
それを見事にくつがえしたのが、このアクリル断熱ウィンドウだった。
トイファクトリーの藤井社長はこう語る。
「この断熱ウィンドウを開発した背景には、本当の意味での、環境に優しいクルマを造りたかったからです。 “環境に優しいクルマ” と口で言うのは簡単ですが、私たちが造ってきたクルマも含め、まだ技術的に、そのテーマに答え切るキャンピングカーは生まれてこなかった。
しかし、このように、バンコンの窓を断熱化することによって、クーラーやヒーター機能を生かすためのアイドリングが減ります。その分、ガソリンの消費量も減ります。
だから、断熱効果を高めることは、少しでも環境破壊を防ぐ意味があるということを知ってもらいたかったのです」
実際このような試みは、ヨーロッパのバンコンメーカーにおいてもまだ実用化されていないという。
ヨーロッパでは、バンコンの窓を断熱化するときには、パネルをカットしてアクリル窓を取り付けるという手法が一般的だ。
作業効率が落ちるため、手間もかかり、コストも上がる。
だから、そこまで至らないヨーロッパのバンコンでは、いきおい、大型のFFヒーターなどを取り付けて暖を採る方向で解決せざるを得ない。
トイファクトリーが開発したバンコン用アクリル2重窓システムは、キャンピングカーの本場ヨーロッパをもしのぐ画期的な新意匠を提示することになった。
軽量化を図るということも、燃費を向上させるための王道だ。
ミラノスタイルの家具では、徹底的にフラッシュ (中抜き) 構造を採用することによって、軽量化が追求された。
それはどこのビルダーでも採り入れている手法だが、トイファクトリーでは、ヨーロッパの一流ビルダーのやり方を手本に、パーツひとつひとつにかかる重量を徹底的に計算したという。
それによって、フラッシュ構造を採り入れた方が、強度や剛性を確保できる部位をきちんと割り出した。
もちろん、質感を大事にする場所には、効果的にムク材を使った。
ミラノスタイルの内装を見ると、単なるデザイン上の整合感とは別の、構造上の整合感というものが感じられる。
おそらく、強度計算などを徹底させることによって生まれる合理性と安定感が、内装デザイン全体に、機能美のようなものを付与しているのだろう。
それにしても、このクルマの内装デザインは見事だ。
「ヨーロッパ調インテリア」
をキャッチとして謳う国産車は、今までも数多くあったが、色合いや形はヨーロッパ的ではあっても、日本人が考えるヨーロッパデザインは、どこか演歌のテイストが滲んでいた。
それがミラノスタイルには感じられない。
入れ物はハイエースであっても、中味は、国産車であることを微塵も感じさせないヨーロッパ風インテリアが完璧に実現されている。
その秘密がよく分からなかった。
藤井社長に聞くと、
「色合わせを考えた」
という、いたってシンプルな、狐につままれたような気分にさせる答が返ってきただけだった。
彼はいう。
「衣服などにおいても、アメリカやヨーロッパ物の中には、素材が粗末なものであっても、日本では真似できないようなカッコよさを秘めたものがたくさんあります。
その秘密は、単純に “色合わせ” だけなんです。
いかに高価な素材を使おうとも、色合わせで失敗した商品は、見る影もなくなります。
逆に、色合わせが決まれば、仮に素材がチープであっても、カッコよさというものは生まれてくるものです」
口でそう言うのはやさしいが、感覚だけが頼りの色合わせの世界というのは、いざ実行するとなると、成功させるための道のりは限りなくけわしい。
ミラノスタイルでは、床の色だけで7通りぐらいの床合わせが行われた。
キッチンの天板なども、黒、コゲ茶、白…。それぞれ光沢のあるもの、ないもの。
あらゆる色と質感を持った天板が試された。
家具のフォルムの割り出しにも、通常の倍以上におよぶ図面が制作されることになった。
形が決まっても、色を付けると狙った効果が現れず、見送られたものも数限りなくあった。
それでも、「まだまだ課題は残っている」 と、藤井氏は語る。
「たとえば、テーブルポール。あれは間に合わせで使ったもの。あそこにもオリジナルのパーツを入れる予定ですが、あのテーブルポールだけが、全体の雰囲気を損なっている」
そのこだわりが、実によく分かるのである。同感だった。
トイファクトリーでは、このクルマのデザインを実現させるために、自社スタッフをイタリアのミラノまで派遣している。
本場のモノを見て、本場の空気に触れると、人間の感性も変わるという。
デザインはヨーロッパと同等。
そして、機能は、ヨーロッパのバンコンをもしのぐ新技術が投入されたミラノスタイル。
日本のキャンピングカーが、いよいよ世界水準に到達する日が近づいてきたのかもしれない。
2008年02月20日
ウィネベーゴF17
日本で第1回 「キャンピングカー展示会」 が開かれた1970年 (昭和45年) 。そこに出展されたキャンピングカーのほとんどは、ヨーロッパのワーゲンキャンパーなどを参考にして、素人が見よう見まねで作り上げたハンドメイドキャンピングカーだった。
この時代、まだ日本に本格的なキャンピングカーメーカーというのは登場していなかった。
しかし、キャンピングカー先進国であるアメリカでは、もうこのような立派なモーターホームが北米中を走り回っていた。

ウィネベーゴF17
幕張で開かれた 「キャンピング&RVショー」 会場にて、ニートRVが展示したこのクラシックモーターホームは、そこに満を持して持ち込まれたどの新型キャンピングカーよりも異彩を放っていた。
「あ、こんなレトロな新車が造られたんだ」
「お父さん、変わったクルマ。でも値段がついていない」
「これ、どこかで見たぞ。なんかの映画で使われたクルマだよ」
通りすがりの見学客が足を止めて、眩しいものを見上げるように、語り合う。
「ウィネベーゴのアスペクトを目立たせるために、隣りに置いたのに、みんなこっちの方に注目してしまう」
ニートRVの猪俣常務は、通りがかった私を呼び止めて、そう苦笑いした。
このF17が日本にやってきた1970年という年は、大阪万国博覧会 (エクスポ70) が開かれ、よど号ハイジャック事件があり、三島由紀夫が割腹自殺した年だった。
名古屋ではケンタッキーフライドチキン1号店が開店し、東京の銀座には歩行者天国が登場した。
「走れコータロー」 や 「戦争を知らない子供たち」 などというヒット曲が生まれた。
だが、今となっては、そういう出来事を知らない人々の方が増えている。
それから38年経っているからだ。
しかし、その38年という年月の経過をものともしない、このウィネベーゴF17の堂々たる風格には恐れ入るばかり!
スタイルなどは、スティルバーグの描くSF映画に出てくる乗り物のように斬新だ。

このモーターホームが、どういう経緯で日本に入ってきたかは、これを所有するニートRVさんでも把握できないという。
しかし、このクルマは、まぎれもなくモーターホームの歴史を語るときには無視することのできない貴重な財産である。
なにしろ、アメリカンモーターホームのリーディングカンパニーである「ウィネベーゴ社」 が開発した、最初のクラスAシリーズのうちの1台だからだ。
F17の 「F」 はフォードシャシー。「17」 は17フィートを意味する。
当時のクラスAシリーズの中では、フォードシャシーはこの1台限りで、他はみなダッジシャシーだったという。
最長モデルは27フィート。これはその中の一番小さいモデルだ。
初代オーナーは、道の狭い日本でも支障なく使えるように、この最小モデルが選んだのかもしれない。
ニートRVがこの貴重な 「宝物」 を手に入れたのは、1年ほど前。
トレーラーで運ばれて工場にたどりついたときは、ボロボロの状態だったという。
エンジン、ミッションは使いものにならず、内装もところどころ腐っていた。
ニートRVでは、これを再び動かせるような状態にするために、パーツ作りから始めなければならなかった。
この機種のオルタネーターなどは既にないから、他のものを流用して加工する。
内装の部材なども、調達できないものは、当時のカタログなどと照らし合わせて、なるべくオリジナルに近いものを作り出した。
営利には直接結びつかない作業だ。
しかし、ニートRVは、ウィネベーゴの日本総代理店として、伝統ある 「ウィネベーゴ文化」 を東洋において継承するという使命感に燃えて、この作業に心血を注いだ。
「おそらく本国においても、もうこのような完璧な状態で保存されているものは1台もないでしょう」
と、猪俣氏は推測する。

それにしても、40年近い歳月をくぐり抜けたクルマを、よくここまで復活させたものだと思う。
室内に入ると、最近のキャンピングカーには見られない独特のぬくもりが感じられる。
もちろん、既に量産システムを整備しつつあったウィネベーゴ社が造りだしたものであるから、工業製品には変わりないのだが、手作りの雰囲気をたっぷりたたえた温かさがある。

レイアウト的な特徴は、サイドパネルを背にして向かい合うリヤダイネット。トレーラーの雰囲気だ。
三方の窓から陽射しが降り注ぐから、そこに座る家族は、さぞや明るいダイネットを享受したことだろう。

不思議なことに、エントランスドアが、右と左に二つ設定されている。
猪俣常務は、左側のエントランスドアは、おそらく日本で付けられたものだろうという。
左側にドアがないと、日本の車検は通らない。
そのため、左側のパネルをくり抜いて、新たにドアが追加されることになった。
便利といえば便利だが、そこだけオリジナル仕様でないため、どことなく不自然な感じがしないでもない。

「今から思えば、日本で最初にこれを買った人には、頭が下がります。当時、円はそうとう安かった。
しかも、その時代はまだ贅沢税として、こういう商品には物品税がかけられていた。とても高い買い物だったでしょう。
まだ、キャンピングカーなどが日本で十分な認知を受けていない時代。こういうクルマを使うためのキャンプ場なども整備されていなかったはず」
このクルマを買った初代オーナーが、何を思いながら、どう使ったか。
想像するだけで感慨深いものがあると、猪俣氏は語る。
もちろん、米国ウィネベーゴ本社の人たちも、自分たちの造った初期のクラスAがこのように保存されていることを知れば、日本人以上に感慨深いものを感じるに違いない。
この時代、まだ日本に本格的なキャンピングカーメーカーというのは登場していなかった。
しかし、キャンピングカー先進国であるアメリカでは、もうこのような立派なモーターホームが北米中を走り回っていた。
ウィネベーゴF17
幕張で開かれた 「キャンピング&RVショー」 会場にて、ニートRVが展示したこのクラシックモーターホームは、そこに満を持して持ち込まれたどの新型キャンピングカーよりも異彩を放っていた。
「あ、こんなレトロな新車が造られたんだ」
「お父さん、変わったクルマ。でも値段がついていない」
「これ、どこかで見たぞ。なんかの映画で使われたクルマだよ」
通りすがりの見学客が足を止めて、眩しいものを見上げるように、語り合う。
「ウィネベーゴのアスペクトを目立たせるために、隣りに置いたのに、みんなこっちの方に注目してしまう」
ニートRVの猪俣常務は、通りがかった私を呼び止めて、そう苦笑いした。
このF17が日本にやってきた1970年という年は、大阪万国博覧会 (エクスポ70) が開かれ、よど号ハイジャック事件があり、三島由紀夫が割腹自殺した年だった。
名古屋ではケンタッキーフライドチキン1号店が開店し、東京の銀座には歩行者天国が登場した。
「走れコータロー」 や 「戦争を知らない子供たち」 などというヒット曲が生まれた。
だが、今となっては、そういう出来事を知らない人々の方が増えている。
それから38年経っているからだ。
しかし、その38年という年月の経過をものともしない、このウィネベーゴF17の堂々たる風格には恐れ入るばかり!
スタイルなどは、スティルバーグの描くSF映画に出てくる乗り物のように斬新だ。
このモーターホームが、どういう経緯で日本に入ってきたかは、これを所有するニートRVさんでも把握できないという。
しかし、このクルマは、まぎれもなくモーターホームの歴史を語るときには無視することのできない貴重な財産である。
なにしろ、アメリカンモーターホームのリーディングカンパニーである「ウィネベーゴ社」 が開発した、最初のクラスAシリーズのうちの1台だからだ。
F17の 「F」 はフォードシャシー。「17」 は17フィートを意味する。
当時のクラスAシリーズの中では、フォードシャシーはこの1台限りで、他はみなダッジシャシーだったという。
最長モデルは27フィート。これはその中の一番小さいモデルだ。
初代オーナーは、道の狭い日本でも支障なく使えるように、この最小モデルが選んだのかもしれない。
ニートRVがこの貴重な 「宝物」 を手に入れたのは、1年ほど前。
トレーラーで運ばれて工場にたどりついたときは、ボロボロの状態だったという。
エンジン、ミッションは使いものにならず、内装もところどころ腐っていた。
ニートRVでは、これを再び動かせるような状態にするために、パーツ作りから始めなければならなかった。
この機種のオルタネーターなどは既にないから、他のものを流用して加工する。
内装の部材なども、調達できないものは、当時のカタログなどと照らし合わせて、なるべくオリジナルに近いものを作り出した。
営利には直接結びつかない作業だ。
しかし、ニートRVは、ウィネベーゴの日本総代理店として、伝統ある 「ウィネベーゴ文化」 を東洋において継承するという使命感に燃えて、この作業に心血を注いだ。
「おそらく本国においても、もうこのような完璧な状態で保存されているものは1台もないでしょう」
と、猪俣氏は推測する。
それにしても、40年近い歳月をくぐり抜けたクルマを、よくここまで復活させたものだと思う。
室内に入ると、最近のキャンピングカーには見られない独特のぬくもりが感じられる。
もちろん、既に量産システムを整備しつつあったウィネベーゴ社が造りだしたものであるから、工業製品には変わりないのだが、手作りの雰囲気をたっぷりたたえた温かさがある。
レイアウト的な特徴は、サイドパネルを背にして向かい合うリヤダイネット。トレーラーの雰囲気だ。
三方の窓から陽射しが降り注ぐから、そこに座る家族は、さぞや明るいダイネットを享受したことだろう。
不思議なことに、エントランスドアが、右と左に二つ設定されている。
猪俣常務は、左側のエントランスドアは、おそらく日本で付けられたものだろうという。
左側にドアがないと、日本の車検は通らない。
そのため、左側のパネルをくり抜いて、新たにドアが追加されることになった。
便利といえば便利だが、そこだけオリジナル仕様でないため、どことなく不自然な感じがしないでもない。
「今から思えば、日本で最初にこれを買った人には、頭が下がります。当時、円はそうとう安かった。
しかも、その時代はまだ贅沢税として、こういう商品には物品税がかけられていた。とても高い買い物だったでしょう。
まだ、キャンピングカーなどが日本で十分な認知を受けていない時代。こういうクルマを使うためのキャンプ場なども整備されていなかったはず」
このクルマを買った初代オーナーが、何を思いながら、どう使ったか。
想像するだけで感慨深いものがあると、猪俣氏は語る。
もちろん、米国ウィネベーゴ本社の人たちも、自分たちの造った初期のクラスAがこのように保存されていることを知れば、日本人以上に感慨深いものを感じるに違いない。
2008年02月19日
サクシードのパル
【お勧めキャンカー23 「PaL」 】

キャンピングカー広島さんという会社は、妙に、私が個人的に気になるクルマを造るビルダーさんなのである。
かつては、ハイラックスにFRPシェルを架装した 「マイスタア」 というキャブコンを造っていた。
けっこう興味を抱いたクルマだった。
コンパクトにまとまっていて、なかなか使い勝手が良さそう。
軽そうなので、運転も軽快な感じ。
4WDなので、山奥のキャンプ場などに取材に行くにも頼りがいがありそう。
スタイル的にも遊び心が横溢していて、“おもちゃ” としても楽しそう。
一時、「次のキャンピングカーはこれでいくか…」 と決めかけていたときもある。

▲ マイスタア
そのマイスタアではなく、結局いまのクルマになったのは、「個室トイレが欲しい」 というカミさんの要望に従ったからだ。
で、そのキャンピングカー広島さんが、またまた気になるクルマを出してきた。
「PaL (パル) 」 という。
トヨタ・サクシードにポップアップを架装したキャンピングカーだ。
キャンピングカー
つまり、8ナンバー登録車である。
8ナンバー登録というのは、
「洗面台等を利用するための床面から上方には、有効高さ1.6mの空間を有すること」
「10リットル以上の水を貯蔵できるタンク及び洗面台等を有しタンクから洗面台等に水を供給(排水)できる構造であること」
「大人用就寝部位は、1人につき長さ1.8m以上、幅0.5m以上の連続した平面を有すること」
…などといった、面倒で小難しい規定をたくさん満たさないと取得できない。
早い話、こんな薄っぺたな乗用車で、その要件を満たす改造を行うことは、やたら神経をつかうだけで、作る方としても割りが合わないし、それを取得したからといって、8ナンバーに対する税制上のメリットが薄れた今日、ユーザーが、かつてほどありがたがる状況でもない。
でも、このビルダーはやってしまった。
キャンピングカー屋としての意地、執念、チャレンジ精神がそうさせたのだろう。
キャンピングカー広島は、ポップアップルーフの開発に独自の境地を切り開いてきたビルダーだ。
ミニキャンパープチ、プレシャス、ピクニック。
どちらかというと、取り回しのよいコンパクトカーをベースに選び、その居住性を、ポップアップルーフによって獲得していくというコンセプトを得意とするメーカーである。
しかも、そのルーフの厚みをミリ単位で削ぎ落とし、格納時にはノーマル車の車高とほとんど変わらぬ高さまで縮める努力を続けてきた。
その技術蓄積を、ついにワンボックスカーでもなく軽自動車でもなく、車高1.5mの乗用車で生かしてみようという気になったのかもしれない。

実は、この話は、昨年の夏に行われた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 の会場で、こそっと聞かされていた。
ショー会場で、展示車の写真を撮っていた私に、キャンピングカー広島の桑原社長が影のように忍び寄り、
「来年の2月の幕張では、新しいポップアップを出しますよ」
とささやいたのだ。
「まだ秘密ですけど、ちょっと意表を突いたものになると思います」

▲ 桑原信幸社長
そういわれて、
「あ、そうですか」
で引き下がるわけにはいかない。
「え、ベースは何?」
という話になる。
既にバネット、ハイエース、エブリィでポップアップを試みているわけだから、“新しいもの” というのはそれ以外…つまり、ワンボックス以外のベース車ということになる。
桑原さんは、本当はすべて明かしたかったのだろう。
私を、わざわざ駐車場にまで連れ出して、
「こういうところには、必ず1台ぐらいいるクルマなんですが…」 とキョロキョロあたりを見回し、
「あった。アレ」
と指さしたのが、トヨタの商用バンであるサクシードだった。
私は、このクルマの姉妹車であるプロボックスをレンタカーで借りて、荷物を運ぶために、さんざん乗り回したことがある。
安定感のある軽快な走りに、かなり好感を持った。
商業用のバンながら、「仕事車だって楽しいぞ」 という主張を持っているクルマのように思えた。
だから、
「いいじゃないですかぁ! 面白そう」
と、桑原さんと大いに盛り上がった。
幕張の 『キャンピング&RVショー』 の搬入日。
展示車が待機する駐車場でカメラを構えていた私のところに、ついに、くだんのサクシードキャンパーがやってきた。

「ほぉ、やるじゃん」
実はもっとぺっちゃんこで、シンプルなルーフ形状を想像していたのである。
ところが、「パル」 のルーフにはなかなかの自己主張があった。
ルーフのフロント側が左右とも、微妙に盛り上がっている。
風の抵抗を計算し、整流効果を導き出すために採られた形状だと聞く。
空力的なことはよく分からないのだが、霊験あらたかな感じがする。
…というより、これが斜め後方から見たときのパルのフォルムを、やたらセクシーな感じに見せている。
コカコーラの瓶のくびれもそうだが、流れるような微妙なラインを持つ造形というのは、人間の潜在意識に、ある種の好ましい胸騒ぎを起こすものらしい。

このルーフのおかげで、パルは、商業用バンから一気に脱皮して、カジュアルな 「遊び車」 に変身した。
このクルマのキャラクターを、ルーフ設計を担当した桑原健一氏はこう語る。
「ONの日はビジネスキャンパー、OFFの日はカジュアルキャンパー」
つまり、仕事モードがスイッチオン状態のときはビジネスユースに最適で、そのスイッチがオフとなる休日は、遊び車になるという意味。
製作の現場にいる人は、さすがにうまいキャッチを思いつくものだ。
乗用車ベースのライトキャンパーを、桑原社長はなぜ開発する気になったのか。
「一番の狙いは若い人。それともうひとつ。団塊の世代ぐらいの人のなかには、キャブオーバートラックやワンボックスをかたくなに嫌う人がいる。
ローレルとかマークⅡしか乗らんとかね。そういう人たちは、ドライビングポジションが乗用車でないと、それだけで落ち着かない」
そのような徹底したアンチワンボックス派にも、車格は違うけれど、これなら抵抗はないだろう。
…と、桑原氏は踏んだ。
動力性能、ドライビングポジション、ランニングコスト。
それらを総合的に考えると、サクシード/プロボックスはなかなか魅力あるクルマだ。
まず、走りが機敏である。
それも、ドライバーにストレスをかけないように…という、仕事車に徹する思想から生まれた 「機敏さ」 なので、その素気なさが、逆に信頼感につながる。
「なによりも燃費がいいので助かる」
と桑原氏は、広島から幕張まで走ったときの燃費の良さに驚く。
荷物を大量に積んだ2人乗車。
それで制限速度を……ほど上回るクルージングを続けても、実測燃費は16.7リットル/km。
ガソリン代が高騰している折り、燃料代に負担がかからないことは車選びの大事なポイントのひとつになるだろう。
努力して8ナンバーを取得した成果はどのように上がったのか。
まず、車検対策上のメリットとして、(バン車両で考えると) 毎年ごとの車検から2年ごとの車検に移行することができた。
(※ サクシード・ワゴンと比較するならば、最初の車検までに3年の猶予があるワゴンが有利)
また、車体が軽いので、重量税も25,200円と普通のキャンピングカーよりも低め。
もちろん、同じ重量の乗用ワゴンよりもはるかに安い。
排気量も1,500cc未満なので、自動車税も27,600円と安い。
構造的には、当然、シンク、コンロが標準装備となる。
そのため、給・排水タンクも、魔法のようなワザを駆使して設定されている。
「お飾りのようなシンクは要らない」
という人は多いが、私のような清潔好き (?) の人間には、寝る前に顔を洗ったり、手を洗ったりする空間がないと、妙に落ち着かない。

シンクでスペースを取るよりも、ベッド面積を少しでも広げたい…という声が多いことも分かるが、どうせ私などは、独り旅がメインで、せいぜいときどきクマ (別名カミさん) が乱入するくらいだから、小振りなシンクならば気にならない。
パルでは、このほかにサブバッテリー、走行充電システム、メイン・サブの電圧を確認できるボルトメーター、AC100V外部入力コンセント、マット格納タイプの2段ベッド、折り畳み式ちゃぶ台なども標準装備となる。

ポップアップルーフのテント部分は2重構造になっていて、インナーには、メッシュタイプのスクリーンテントが付く。
夏などは、風通しのよい場所にクルマを止め、車内に風を入れながら、ちゃぶ台の前にあぐらをかいて、冷たい飲み物などを飲んだら快適だろう。
お値段は、
2WD・5MT 2,709,000円
2WD・4AT 2,787,750円
4WD・5MT 2,919,000円
4WD・4AT 2,997,750円
キャンピングカー広島さんという会社は、妙に、私が個人的に気になるクルマを造るビルダーさんなのである。
かつては、ハイラックスにFRPシェルを架装した 「マイスタア」 というキャブコンを造っていた。
けっこう興味を抱いたクルマだった。
コンパクトにまとまっていて、なかなか使い勝手が良さそう。
軽そうなので、運転も軽快な感じ。
4WDなので、山奥のキャンプ場などに取材に行くにも頼りがいがありそう。
スタイル的にも遊び心が横溢していて、“おもちゃ” としても楽しそう。
一時、「次のキャンピングカーはこれでいくか…」 と決めかけていたときもある。
▲ マイスタア
そのマイスタアではなく、結局いまのクルマになったのは、「個室トイレが欲しい」 というカミさんの要望に従ったからだ。
で、そのキャンピングカー広島さんが、またまた気になるクルマを出してきた。
「PaL (パル) 」 という。
トヨタ・サクシードにポップアップを架装したキャンピングカーだ。
キャンピングカー
つまり、8ナンバー登録車である。
8ナンバー登録というのは、
「洗面台等を利用するための床面から上方には、有効高さ1.6mの空間を有すること」
「10リットル以上の水を貯蔵できるタンク及び洗面台等を有しタンクから洗面台等に水を供給(排水)できる構造であること」
「大人用就寝部位は、1人につき長さ1.8m以上、幅0.5m以上の連続した平面を有すること」
…などといった、面倒で小難しい規定をたくさん満たさないと取得できない。
早い話、こんな薄っぺたな乗用車で、その要件を満たす改造を行うことは、やたら神経をつかうだけで、作る方としても割りが合わないし、それを取得したからといって、8ナンバーに対する税制上のメリットが薄れた今日、ユーザーが、かつてほどありがたがる状況でもない。
でも、このビルダーはやってしまった。
キャンピングカー屋としての意地、執念、チャレンジ精神がそうさせたのだろう。
キャンピングカー広島は、ポップアップルーフの開発に独自の境地を切り開いてきたビルダーだ。
ミニキャンパープチ、プレシャス、ピクニック。
どちらかというと、取り回しのよいコンパクトカーをベースに選び、その居住性を、ポップアップルーフによって獲得していくというコンセプトを得意とするメーカーである。
しかも、そのルーフの厚みをミリ単位で削ぎ落とし、格納時にはノーマル車の車高とほとんど変わらぬ高さまで縮める努力を続けてきた。
その技術蓄積を、ついにワンボックスカーでもなく軽自動車でもなく、車高1.5mの乗用車で生かしてみようという気になったのかもしれない。
実は、この話は、昨年の夏に行われた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 の会場で、こそっと聞かされていた。
ショー会場で、展示車の写真を撮っていた私に、キャンピングカー広島の桑原社長が影のように忍び寄り、
「来年の2月の幕張では、新しいポップアップを出しますよ」
とささやいたのだ。
「まだ秘密ですけど、ちょっと意表を突いたものになると思います」
▲ 桑原信幸社長
そういわれて、
「あ、そうですか」
で引き下がるわけにはいかない。
「え、ベースは何?」
という話になる。
既にバネット、ハイエース、エブリィでポップアップを試みているわけだから、“新しいもの” というのはそれ以外…つまり、ワンボックス以外のベース車ということになる。
桑原さんは、本当はすべて明かしたかったのだろう。
私を、わざわざ駐車場にまで連れ出して、
「こういうところには、必ず1台ぐらいいるクルマなんですが…」 とキョロキョロあたりを見回し、
「あった。アレ」
と指さしたのが、トヨタの商用バンであるサクシードだった。
私は、このクルマの姉妹車であるプロボックスをレンタカーで借りて、荷物を運ぶために、さんざん乗り回したことがある。
安定感のある軽快な走りに、かなり好感を持った。
商業用のバンながら、「仕事車だって楽しいぞ」 という主張を持っているクルマのように思えた。
だから、
「いいじゃないですかぁ! 面白そう」
と、桑原さんと大いに盛り上がった。
幕張の 『キャンピング&RVショー』 の搬入日。
展示車が待機する駐車場でカメラを構えていた私のところに、ついに、くだんのサクシードキャンパーがやってきた。
「ほぉ、やるじゃん」
実はもっとぺっちゃんこで、シンプルなルーフ形状を想像していたのである。
ところが、「パル」 のルーフにはなかなかの自己主張があった。
ルーフのフロント側が左右とも、微妙に盛り上がっている。
風の抵抗を計算し、整流効果を導き出すために採られた形状だと聞く。
空力的なことはよく分からないのだが、霊験あらたかな感じがする。
…というより、これが斜め後方から見たときのパルのフォルムを、やたらセクシーな感じに見せている。
コカコーラの瓶のくびれもそうだが、流れるような微妙なラインを持つ造形というのは、人間の潜在意識に、ある種の好ましい胸騒ぎを起こすものらしい。
このルーフのおかげで、パルは、商業用バンから一気に脱皮して、カジュアルな 「遊び車」 に変身した。
このクルマのキャラクターを、ルーフ設計を担当した桑原健一氏はこう語る。
「ONの日はビジネスキャンパー、OFFの日はカジュアルキャンパー」
つまり、仕事モードがスイッチオン状態のときはビジネスユースに最適で、そのスイッチがオフとなる休日は、遊び車になるという意味。
製作の現場にいる人は、さすがにうまいキャッチを思いつくものだ。
乗用車ベースのライトキャンパーを、桑原社長はなぜ開発する気になったのか。
「一番の狙いは若い人。それともうひとつ。団塊の世代ぐらいの人のなかには、キャブオーバートラックやワンボックスをかたくなに嫌う人がいる。
ローレルとかマークⅡしか乗らんとかね。そういう人たちは、ドライビングポジションが乗用車でないと、それだけで落ち着かない」
そのような徹底したアンチワンボックス派にも、車格は違うけれど、これなら抵抗はないだろう。
…と、桑原氏は踏んだ。
動力性能、ドライビングポジション、ランニングコスト。
それらを総合的に考えると、サクシード/プロボックスはなかなか魅力あるクルマだ。
まず、走りが機敏である。
それも、ドライバーにストレスをかけないように…という、仕事車に徹する思想から生まれた 「機敏さ」 なので、その素気なさが、逆に信頼感につながる。
「なによりも燃費がいいので助かる」
と桑原氏は、広島から幕張まで走ったときの燃費の良さに驚く。
荷物を大量に積んだ2人乗車。
それで制限速度を……ほど上回るクルージングを続けても、実測燃費は16.7リットル/km。
ガソリン代が高騰している折り、燃料代に負担がかからないことは車選びの大事なポイントのひとつになるだろう。
努力して8ナンバーを取得した成果はどのように上がったのか。
まず、車検対策上のメリットとして、(バン車両で考えると) 毎年ごとの車検から2年ごとの車検に移行することができた。
(※ サクシード・ワゴンと比較するならば、最初の車検までに3年の猶予があるワゴンが有利)
また、車体が軽いので、重量税も25,200円と普通のキャンピングカーよりも低め。
もちろん、同じ重量の乗用ワゴンよりもはるかに安い。
排気量も1,500cc未満なので、自動車税も27,600円と安い。
構造的には、当然、シンク、コンロが標準装備となる。
そのため、給・排水タンクも、魔法のようなワザを駆使して設定されている。
「お飾りのようなシンクは要らない」
という人は多いが、私のような清潔好き (?) の人間には、寝る前に顔を洗ったり、手を洗ったりする空間がないと、妙に落ち着かない。
シンクでスペースを取るよりも、ベッド面積を少しでも広げたい…という声が多いことも分かるが、どうせ私などは、独り旅がメインで、せいぜいときどきクマ (別名カミさん) が乱入するくらいだから、小振りなシンクならば気にならない。
パルでは、このほかにサブバッテリー、走行充電システム、メイン・サブの電圧を確認できるボルトメーター、AC100V外部入力コンセント、マット格納タイプの2段ベッド、折り畳み式ちゃぶ台なども標準装備となる。
ポップアップルーフのテント部分は2重構造になっていて、インナーには、メッシュタイプのスクリーンテントが付く。
夏などは、風通しのよい場所にクルマを止め、車内に風を入れながら、ちゃぶ台の前にあぐらをかいて、冷たい飲み物などを飲んだら快適だろう。
お値段は、
2WD・5MT 2,709,000円
2WD・4AT 2,787,750円
4WD・5MT 2,919,000円
4WD・4AT 2,997,750円
2008年02月17日
ルーツ6.6
【お勧めキャンカー22 「ROOTS6.6」 】
フィールドライフの 「ルーツ」 は、ある意味、日本のキャンピングカーシーンを変えたクルマだ。
新ジャンルなのである。
世界にも例がない日本だけのジャンルといっていい。

▲ ルーツ6.6
ベースシャシーは、マイクロバスの日産シビリアンである。
そして、フロントグリルとフロントガラスは、シビリアンのものがそのまま流用されている。
では、バスコン?
…とはまったく違う。
シビリアンをボディカットして造られたオリジナルシャシーには、フィールドライフが設計したルーフ、サイドパネル、リヤパネルによる専用設計ボディが組み込まれているからだ。
そういった意味で、構造的にはキャブコンだが、バンクレスのフォルムに、広々としたリビング、大型ギャレー、ベッド下大型収納などを実現しているところなどは、レイアウト的にフルコン (クラスA) と表現してもおかしくない。
『キャンピングカー super ガイド』 で、このクルマを最初に紹介したとき、その工法には同社のプラッツのノウハウが数多く生かされていたため、私はこれを 「フルコン」 のジャンルに入れた。
ところが、名古屋のショーで 『オートキャンパー』 の山口さんと食事をしながら話しているとき、彼が 「うちではあれをバスコンに入れた」 というのである。
「構造的にはどう見てもキャブコンですけどね、確認するために、フィールドライフの福島社長に尋ねてみたんですよ」
【山口氏】 これはどういうジャンルのクルマなのでしょうかね?
【福島氏】 …そうねぇ、シャシーはバスだからねぇ…
【山口氏】 じゃバスコンともいえるわけですか?
【福島氏】 バスコンよりはるかに機能は上だけど、バスコンでも間違いはないかな…
要するに、このクルマを最初に造ったとき、開発者の福島社長でさえもジャンル分けをどうするか、あまり気にしていなかったようなのだ。
彼は、ただただバスのような走行安定性を確保し、しかもバスコン以上の断熱性や優れた空調性能を持ち、欧米クラスAのようなレイアウトを持った “夢のクルマ” を造りたかっただけだった。
だから、「バスコン」 でもいいのですか?
という質問に対し、深く考えないうちに、「そう」 と答えてしまった。
で、「バスコン」 になってしまったわけだが、山口さんは、私を前にしてこう語った。
「福島社長は、絶対後悔していると思う。だってバスコンじゃないもの。まったくの新ジャンル。だけど、福島さんがそう言ってしまったからしょうがない」
山口さんと示し合わせて、私もその年の 『キャンピングカーガイド』 では、これを一応バスコンのジャンルに入れた。
しかし、入れながら、「バスをボディカットしたクラスAレイアウトを持つキャブコン的な…」 という意味の分からない説明文を加えた。
このクルマが登場したとき、そのジャンル分けに関しては、造ったビルダー側も、メディア側も悩んでいたわけだ。
しかし、今は、もうそのようなジャンル分けで悩む必要はないと考えている。
その後、バスボディをカットしたこのスタイルのキャンピングカーは、ナッツRVの 「ボーダー」 、グローバルの 「グランドバッハ」 、RVビックフットの 「オアシス」 と、数多くの仲間を持つことになった。
そういった意味で、これらのクルマは、日本独自の工法で造られた 「日本型モーターホーム」 と言い切ってかまわないように思う。
そのルーツに、このたび6.6モデルが生まれた。
それまでは、顧客のオーダーによる個別対応として、5.4mから7mまでのモデルが造られたことはあったが、定番としては、5.6と5.9の2車種がメインだった。

フィールドライフが、6m未満のボディにこだわっていたのは理由がある。
「日本における道路事情、車庫事情を考慮すると、やはり6mボディというのが限度だと思う。
6mを超えると、居住性は格段に向上するのだが、日本の使用環境では、そういうサイズのクルマを持てる人は限られてしまう」
開発者の福島氏はそう答えていた。

▲ フィールドライフ 福島氏
そのルーツに、この幕張ショーから6.6ボディが加わった。
「わずか60㎝の差ですけど、60㎝伸ばされたことで、どんなことが可能になるのか。それをお客様に見てほしかった」
実際、すごいことが可能になっている。
まず、エントランスから入ったときの空間の広がりがまったく違う。
5.9でも相当広いと感じられたが、6.6では、それに 「奥行き」 が加わった。
リビングはL型ラウンジを持つ 「トリップ」 のレイアウトが組まれていたが、L字ソファの後ろには、大型ワードローブが設定され、さらに、その後方のトイレ・シャワールームが300mmも広がっている。

優雅なラウンドフォルムを持つトイレ・シャワー室の扉を開けると、
「おお! ヨーロッパ・モーターホーム」
ゆったりと広がる本格的なシャワー室のなかには、ボール型の洗面台とウォッシュレット付きのマリントイレ。
国産キャブコンは、サニタリー系が貧弱なことが難点だったが、このルーツ6.6では、欧米モーターホームとほぼ同等の広さと機能を持ったサニタリーが実現されている。

清水タンクは160リットル。グレイタンクは130リットル。
本格的なシャワー室に見合ったタンク容量といえるだろう。
そしてブラックタンク…
そう! ブラックタンクだ。
これが100リットル。トイレシステムはアメリカンだ。
ベッドルームも凄い。
「ベッド」 か?
「ルーム」 か?
といえば、「ルーム」 としての機能が目立つ空間となっている。
間仕切りによって、プライバシーが完全に守られる構造になっているが、エレベーティングルーフ (OP.) を上げれば、ハイマウントベッドだというのに、1450mmという高さが確保され、もうそこが立派な 「部屋」 になる。

すでに、誕生したときから、ルーツのインテリアはヨーロッパ車のコンセプトを志向していたが、家具の作り込みなどがどんどん緻密になり、今は本家本元の欧州車と比べても引けを取らない。

排ガス規制やユーロ高などの影響によって、欧州車がほとんど姿を消してしまった今日、その代わりを務めるのが、このルーツ6.6あたりかもしれない。
今から思えば、「バスコン」 というジャンルに押し込まれてルーツが登場した年というのは、「日本型モーターホーム」 の元年だったのだ。
フィールドライフの 「ルーツ」 は、ある意味、日本のキャンピングカーシーンを変えたクルマだ。
新ジャンルなのである。
世界にも例がない日本だけのジャンルといっていい。
▲ ルーツ6.6
ベースシャシーは、マイクロバスの日産シビリアンである。
そして、フロントグリルとフロントガラスは、シビリアンのものがそのまま流用されている。
では、バスコン?
…とはまったく違う。
シビリアンをボディカットして造られたオリジナルシャシーには、フィールドライフが設計したルーフ、サイドパネル、リヤパネルによる専用設計ボディが組み込まれているからだ。
そういった意味で、構造的にはキャブコンだが、バンクレスのフォルムに、広々としたリビング、大型ギャレー、ベッド下大型収納などを実現しているところなどは、レイアウト的にフルコン (クラスA) と表現してもおかしくない。
『キャンピングカー super ガイド』 で、このクルマを最初に紹介したとき、その工法には同社のプラッツのノウハウが数多く生かされていたため、私はこれを 「フルコン」 のジャンルに入れた。
ところが、名古屋のショーで 『オートキャンパー』 の山口さんと食事をしながら話しているとき、彼が 「うちではあれをバスコンに入れた」 というのである。
「構造的にはどう見てもキャブコンですけどね、確認するために、フィールドライフの福島社長に尋ねてみたんですよ」
【山口氏】 これはどういうジャンルのクルマなのでしょうかね?
【福島氏】 …そうねぇ、シャシーはバスだからねぇ…
【山口氏】 じゃバスコンともいえるわけですか?
【福島氏】 バスコンよりはるかに機能は上だけど、バスコンでも間違いはないかな…
要するに、このクルマを最初に造ったとき、開発者の福島社長でさえもジャンル分けをどうするか、あまり気にしていなかったようなのだ。
彼は、ただただバスのような走行安定性を確保し、しかもバスコン以上の断熱性や優れた空調性能を持ち、欧米クラスAのようなレイアウトを持った “夢のクルマ” を造りたかっただけだった。
だから、「バスコン」 でもいいのですか?
という質問に対し、深く考えないうちに、「そう」 と答えてしまった。
で、「バスコン」 になってしまったわけだが、山口さんは、私を前にしてこう語った。
「福島社長は、絶対後悔していると思う。だってバスコンじゃないもの。まったくの新ジャンル。だけど、福島さんがそう言ってしまったからしょうがない」
山口さんと示し合わせて、私もその年の 『キャンピングカーガイド』 では、これを一応バスコンのジャンルに入れた。
しかし、入れながら、「バスをボディカットしたクラスAレイアウトを持つキャブコン的な…」 という意味の分からない説明文を加えた。
このクルマが登場したとき、そのジャンル分けに関しては、造ったビルダー側も、メディア側も悩んでいたわけだ。
しかし、今は、もうそのようなジャンル分けで悩む必要はないと考えている。
その後、バスボディをカットしたこのスタイルのキャンピングカーは、ナッツRVの 「ボーダー」 、グローバルの 「グランドバッハ」 、RVビックフットの 「オアシス」 と、数多くの仲間を持つことになった。
そういった意味で、これらのクルマは、日本独自の工法で造られた 「日本型モーターホーム」 と言い切ってかまわないように思う。
そのルーツに、このたび6.6モデルが生まれた。
それまでは、顧客のオーダーによる個別対応として、5.4mから7mまでのモデルが造られたことはあったが、定番としては、5.6と5.9の2車種がメインだった。
フィールドライフが、6m未満のボディにこだわっていたのは理由がある。
「日本における道路事情、車庫事情を考慮すると、やはり6mボディというのが限度だと思う。
6mを超えると、居住性は格段に向上するのだが、日本の使用環境では、そういうサイズのクルマを持てる人は限られてしまう」
開発者の福島氏はそう答えていた。
▲ フィールドライフ 福島氏
そのルーツに、この幕張ショーから6.6ボディが加わった。
「わずか60㎝の差ですけど、60㎝伸ばされたことで、どんなことが可能になるのか。それをお客様に見てほしかった」
実際、すごいことが可能になっている。
まず、エントランスから入ったときの空間の広がりがまったく違う。
5.9でも相当広いと感じられたが、6.6では、それに 「奥行き」 が加わった。
リビングはL型ラウンジを持つ 「トリップ」 のレイアウトが組まれていたが、L字ソファの後ろには、大型ワードローブが設定され、さらに、その後方のトイレ・シャワールームが300mmも広がっている。
優雅なラウンドフォルムを持つトイレ・シャワー室の扉を開けると、
「おお! ヨーロッパ・モーターホーム」
ゆったりと広がる本格的なシャワー室のなかには、ボール型の洗面台とウォッシュレット付きのマリントイレ。
国産キャブコンは、サニタリー系が貧弱なことが難点だったが、このルーツ6.6では、欧米モーターホームとほぼ同等の広さと機能を持ったサニタリーが実現されている。
清水タンクは160リットル。グレイタンクは130リットル。
本格的なシャワー室に見合ったタンク容量といえるだろう。
そしてブラックタンク…
そう! ブラックタンクだ。
これが100リットル。トイレシステムはアメリカンだ。
ベッドルームも凄い。
「ベッド」 か?
「ルーム」 か?
といえば、「ルーム」 としての機能が目立つ空間となっている。
間仕切りによって、プライバシーが完全に守られる構造になっているが、エレベーティングルーフ (OP.) を上げれば、ハイマウントベッドだというのに、1450mmという高さが確保され、もうそこが立派な 「部屋」 になる。
すでに、誕生したときから、ルーツのインテリアはヨーロッパ車のコンセプトを志向していたが、家具の作り込みなどがどんどん緻密になり、今は本家本元の欧州車と比べても引けを取らない。
排ガス規制やユーロ高などの影響によって、欧州車がほとんど姿を消してしまった今日、その代わりを務めるのが、このルーツ6.6あたりかもしれない。
今から思えば、「バスコン」 というジャンルに押し込まれてルーツが登場した年というのは、「日本型モーターホーム」 の元年だったのだ。
2008年02月13日
REN開発秘話
【 お勧めキャンカー21 「REN」 】
幕張のキャンピングカーショーで、見学者や業者の話題を独り占めしたようなトレーラーがある。
インディアナRVが発表した 「REN」 だ。

立方体の積み木を思わせるようなスクエアなフォルム。
特徴のある鮮やかなデカール。
そして、日本人の趣味にも合った、緻密な仕上げの家具類。
「異彩を放つ」
という表現がぴったりの、このトレーラー。
実は純国産品なのだ。
クナウス、トリガノなどのヨーロッパの名品をラインナップに揃えていたインディアナRVが、なぜ国産トレーラーの開発に踏み切ったのか。

▲ インディアナRV 降旗氏
同社の降旗貴史社長は、こう語る。
「トレーラーは、日本のキャンピングカー需要の一角を担うとても重要なジャンルなのに、国産品がほとんどありません。
その理由は、高い開発費をかけて国産品を造るより、ヨーロッパ製の方がコストも安くてクオリティも保証されていたからです。
しかし、時代は変わりました。
まずユーロがどんどん高くなり、原油の高騰で輸送費も上がってきている状況では、輸入品に頼っていても “良いものを安く” という原則が貫けなくなってきました。
それに、日本人のキャンピングカー開発力と技術力がめきめき向上してきました。
そろそろ、本格的な国産トレーラーが登場してもいい時期かな…と判断したのです」
国内で開発するならば、自国の法規制や使用条件に合った製品を、なんの制約を受けることなく実現することができる。
インディアナRVは、かつて左エントランスをはじめとする数々の日本仕様を採り入れたスポーツ400Jスペシャルを、ドイツのクナウス社に造らせていた。
しかし、それとて相当数の発注を入れることによって初めて達成できたものだった。
国産品なら、そのようなロットの制約を受けることなく、部材の選定範囲やレイアウトの自由度を限りなく広げることができる。
だが、問題がひとつ。
国産トレーラーを “量産” する力を、現在の日本のビルダーはまだどこも持ち得ていない。
降旗氏は悩んだ。
一ヵ所だけ、それをこなせそうな会社があった。
降旗社長が白羽の矢を立てたのは、秋田のビルダー 「ファーストカスタム」 だった。
「やっぱり、初めての分野にチャレンジするとき、自動車工学的な知識の深さからいっても、技術開発力からいっても、ファーストの佐藤社長にしか任せられないと思った」
と降旗氏はいう。
▲ ファーストカスタム 佐藤和秋氏
かつて 「グランドロイヤル」 というキャブコンをファーストカスタムが開発したとき、そのクオリティのあまりもの高さに、キャンピングカー先進国であるはずのヨーロッパのビルダーがこぞって驚嘆したという逸話が残っている。

グランドロイヤルで完成したスペースフレーム工法は、安全性と高性能を両立させたキャンピングカーの代名詞ともなり、ファーストカスタムの名前を飛躍的に高めた。
ファーストの技術力の向上は止まるところを知らず、ボディカットしたハイエースで実現した同社のCGシリーズは、キャンピングカー専門誌 『オートキャンパー』 の 「ベストキャンピングカー」 で堂々たる1位を獲得している。

そのファーストの佐藤社長が、国産トレーラーの製作を 「引き受けましょう」 と約束してくれたことが、どれほど降旗氏を喜ばせたことか。
「これはファースト製だぞ! と公表することで、どれだけブランドイメージが高まるか分からないと思った」
という氏の発言からも、それをうかがうことができる。
しかし、その製品が誕生するまでには、1年の歳月が必要だった。
なにしろ、降旗氏にすれば、生まれて初めて完全なるオリジナルトレーラーを創造することになる。
レイアウト、外装・内装デザイン、装備類。
どれひとつとっても、妥協はしたくない。
ファースト佐藤社長との協議には長い時間が費やされた。
まず、外形デザインには、インディアナRVが一昨年導入したデセオのようなスクエアフォルムが採用された。
「トレーラーは高速で移動する乗り物ではないのだから、エアロフォルムのような流線型ボディは必要ではない」
というのが、降旗氏の持論だ。
「それよりも、居住性の方が大事」
RENでは、スクエアなボディを実現することで四隅を無駄なく使うことに主眼が置かれた。

レイアウトは、ポルト6からスポーツJ400に連なる2段ベッド・2ダイネット方式が採り入れられた。
これは、自らがトレーラーのヘビーユーザーである降旗氏自身の経験を基にしたもので、ファミリーユースにも2人旅にも適した、理想的なレイアウトだという。
湿気の多いに日本で使用するには、床下の湿気対策も欠かせない。
それにも、新しい試みがなされた。
シャシーは、亜鉛メッキ加工を施されたアルコ製だから問題はないが、乾燥した風土のヨーロッパとは異なり、高温多湿の日本では、床下から進入する湿気が床そのものを腐らせる率が高くなる。
そこでRENでは、ヨーロッパ製高級トレーラーでもなかなか試みられない床下全面FRP加工が施された。
軽量化に徹することも、条件の一つだった。
RENのボディに使われているFRP部材には、ヨーロッパのアルミパネルトレーラーよりもさらに軽い部材が採用された。
一見、けん引免許対応の大型車のように感じられるRENだが、見た目がスクエアなために引き起こされる錯覚で、ファーストの佐藤社長の弁によると、計算上では、750kgの範囲にしっかりと収まっているとのこと。
このFRPパネルの中に、普通のヨーロッパトレーラーよりも1.5倍ほど断熱効果が高いといわれる発泡スチロールが封入され、断熱効果も、格段に優れたものとなった。

完成したのは、幕張ショーの搬入日として定められた2月8日の午前2時だった。
秋田の工場を出たRENは、いきなり吹雪にさらされた。
降旗氏は、まだ一度も走行テストをしていないRENを伴って、雪の夜道を、幕張へと走り始めた。
豪雪の秋田道。
みぞれの東北道。
展示会への道が、そのままテストコースとなった。
「正直、不安はありました。空力にこだわらないスクエアフォルムが理想だなどと口では言ってみたものの、実際に、どれほどの高速走行に耐えられるか。自分自身の信念を試すような気持ちでした」
そういう降旗氏の思いに、RENはしっかりと応えた。
「なんていう安定感なのだろう!」
びっくりしたという。
「実は、トレーラーの法定速度にとらわれない運転も試みました。実際にはいけないことですが、お客様のために、僕にはこのトレーラーの走行性能を試す義務があると思ったからです。
すると、ヘッドのどんな速度にも無理なく応じ、RENは頼もしく追従してくる。
トレーラーを初めて造った会社の製品が、技術蓄積を背景に持つヨーロッパトレーラー以上の安定性を保証している。
あらためて、ファーストカスタムという会社の技術力に舌を巻く思いでした」
…こんなにうれしそうに取材に応えてくれる降旗氏を、初めて見た気がする。
RENとは、「レクリエーション&エディケーション with ネイチャー」 の意味。
自然を相手にくつろぎ、学ぶ。
アウトドアの原点に返るという思想が、このトレーラーには託されている。
インディアナRVが、今の会社の体制を整えてから、今年でちょうど10年。
RENは、その同社の10周年を飾る記念モデルとなった。
幕張のキャンピングカーショーで、見学者や業者の話題を独り占めしたようなトレーラーがある。
インディアナRVが発表した 「REN」 だ。
立方体の積み木を思わせるようなスクエアなフォルム。
特徴のある鮮やかなデカール。
そして、日本人の趣味にも合った、緻密な仕上げの家具類。
「異彩を放つ」
という表現がぴったりの、このトレーラー。
実は純国産品なのだ。
クナウス、トリガノなどのヨーロッパの名品をラインナップに揃えていたインディアナRVが、なぜ国産トレーラーの開発に踏み切ったのか。
▲ インディアナRV 降旗氏
同社の降旗貴史社長は、こう語る。
「トレーラーは、日本のキャンピングカー需要の一角を担うとても重要なジャンルなのに、国産品がほとんどありません。
その理由は、高い開発費をかけて国産品を造るより、ヨーロッパ製の方がコストも安くてクオリティも保証されていたからです。
しかし、時代は変わりました。
まずユーロがどんどん高くなり、原油の高騰で輸送費も上がってきている状況では、輸入品に頼っていても “良いものを安く” という原則が貫けなくなってきました。
それに、日本人のキャンピングカー開発力と技術力がめきめき向上してきました。
そろそろ、本格的な国産トレーラーが登場してもいい時期かな…と判断したのです」
国内で開発するならば、自国の法規制や使用条件に合った製品を、なんの制約を受けることなく実現することができる。
インディアナRVは、かつて左エントランスをはじめとする数々の日本仕様を採り入れたスポーツ400Jスペシャルを、ドイツのクナウス社に造らせていた。
しかし、それとて相当数の発注を入れることによって初めて達成できたものだった。
国産品なら、そのようなロットの制約を受けることなく、部材の選定範囲やレイアウトの自由度を限りなく広げることができる。
だが、問題がひとつ。
国産トレーラーを “量産” する力を、現在の日本のビルダーはまだどこも持ち得ていない。
降旗氏は悩んだ。
一ヵ所だけ、それをこなせそうな会社があった。
降旗社長が白羽の矢を立てたのは、秋田のビルダー 「ファーストカスタム」 だった。
「やっぱり、初めての分野にチャレンジするとき、自動車工学的な知識の深さからいっても、技術開発力からいっても、ファーストの佐藤社長にしか任せられないと思った」
と降旗氏はいう。
▲ ファーストカスタム 佐藤和秋氏
かつて 「グランドロイヤル」 というキャブコンをファーストカスタムが開発したとき、そのクオリティのあまりもの高さに、キャンピングカー先進国であるはずのヨーロッパのビルダーがこぞって驚嘆したという逸話が残っている。
グランドロイヤルで完成したスペースフレーム工法は、安全性と高性能を両立させたキャンピングカーの代名詞ともなり、ファーストカスタムの名前を飛躍的に高めた。
ファーストの技術力の向上は止まるところを知らず、ボディカットしたハイエースで実現した同社のCGシリーズは、キャンピングカー専門誌 『オートキャンパー』 の 「ベストキャンピングカー」 で堂々たる1位を獲得している。
そのファーストの佐藤社長が、国産トレーラーの製作を 「引き受けましょう」 と約束してくれたことが、どれほど降旗氏を喜ばせたことか。
「これはファースト製だぞ! と公表することで、どれだけブランドイメージが高まるか分からないと思った」
という氏の発言からも、それをうかがうことができる。
しかし、その製品が誕生するまでには、1年の歳月が必要だった。
なにしろ、降旗氏にすれば、生まれて初めて完全なるオリジナルトレーラーを創造することになる。
レイアウト、外装・内装デザイン、装備類。
どれひとつとっても、妥協はしたくない。
ファースト佐藤社長との協議には長い時間が費やされた。
まず、外形デザインには、インディアナRVが一昨年導入したデセオのようなスクエアフォルムが採用された。
「トレーラーは高速で移動する乗り物ではないのだから、エアロフォルムのような流線型ボディは必要ではない」
というのが、降旗氏の持論だ。
「それよりも、居住性の方が大事」
RENでは、スクエアなボディを実現することで四隅を無駄なく使うことに主眼が置かれた。
レイアウトは、ポルト6からスポーツJ400に連なる2段ベッド・2ダイネット方式が採り入れられた。
これは、自らがトレーラーのヘビーユーザーである降旗氏自身の経験を基にしたもので、ファミリーユースにも2人旅にも適した、理想的なレイアウトだという。
湿気の多いに日本で使用するには、床下の湿気対策も欠かせない。
それにも、新しい試みがなされた。
シャシーは、亜鉛メッキ加工を施されたアルコ製だから問題はないが、乾燥した風土のヨーロッパとは異なり、高温多湿の日本では、床下から進入する湿気が床そのものを腐らせる率が高くなる。
そこでRENでは、ヨーロッパ製高級トレーラーでもなかなか試みられない床下全面FRP加工が施された。
軽量化に徹することも、条件の一つだった。
RENのボディに使われているFRP部材には、ヨーロッパのアルミパネルトレーラーよりもさらに軽い部材が採用された。
一見、けん引免許対応の大型車のように感じられるRENだが、見た目がスクエアなために引き起こされる錯覚で、ファーストの佐藤社長の弁によると、計算上では、750kgの範囲にしっかりと収まっているとのこと。
このFRPパネルの中に、普通のヨーロッパトレーラーよりも1.5倍ほど断熱効果が高いといわれる発泡スチロールが封入され、断熱効果も、格段に優れたものとなった。
完成したのは、幕張ショーの搬入日として定められた2月8日の午前2時だった。
秋田の工場を出たRENは、いきなり吹雪にさらされた。
降旗氏は、まだ一度も走行テストをしていないRENを伴って、雪の夜道を、幕張へと走り始めた。
豪雪の秋田道。
みぞれの東北道。
展示会への道が、そのままテストコースとなった。
「正直、不安はありました。空力にこだわらないスクエアフォルムが理想だなどと口では言ってみたものの、実際に、どれほどの高速走行に耐えられるか。自分自身の信念を試すような気持ちでした」
そういう降旗氏の思いに、RENはしっかりと応えた。
「なんていう安定感なのだろう!」
びっくりしたという。
「実は、トレーラーの法定速度にとらわれない運転も試みました。実際にはいけないことですが、お客様のために、僕にはこのトレーラーの走行性能を試す義務があると思ったからです。
すると、ヘッドのどんな速度にも無理なく応じ、RENは頼もしく追従してくる。
トレーラーを初めて造った会社の製品が、技術蓄積を背景に持つヨーロッパトレーラー以上の安定性を保証している。
あらためて、ファーストカスタムという会社の技術力に舌を巻く思いでした」
…こんなにうれしそうに取材に応えてくれる降旗氏を、初めて見た気がする。
RENとは、「レクリエーション&エディケーション with ネイチャー」 の意味。
自然を相手にくつろぎ、学ぶ。
アウトドアの原点に返るという思想が、このトレーラーには託されている。
インディアナRVが、今の会社の体制を整えてから、今年でちょうど10年。
RENは、その同社の10周年を飾る記念モデルとなった。
2008年02月09日
幕張ショー速報
今日から、幕張メッセで 『キャンピング&RVショー』 が開かれます。
昨日は、朝の10:00から、搬入されるクルマが続々と集結してくる駐車場で待機。
午前中に集まってきた新型車の中から、今手元にある画像をご紹介。

▲バンテックのアトム307

▲デルタリンクのアドリア・アディバ462PD

▲アネックスのリバティLE

▲デルタリンクのロシナンテ

▲東和モータース販売のドリーバーデン

▲東和モータース販売のフェニックス・クルーザー

▲東和モータース販売のグローブバス

▲MYSミスティックのノーブルT

▲AtoZのアーデン

▲インディアナRVのREN
…まだまだ撮ったんだけれど…
今日は6:00起きの予定。
これから3時間寝ます。
昨日は、朝の10:00から、搬入されるクルマが続々と集結してくる駐車場で待機。
午前中に集まってきた新型車の中から、今手元にある画像をご紹介。
▲バンテックのアトム307
▲デルタリンクのアドリア・アディバ462PD
▲アネックスのリバティLE
▲デルタリンクのロシナンテ
▲東和モータース販売のドリーバーデン
▲東和モータース販売のフェニックス・クルーザー
▲東和モータース販売のグローブバス
▲MYSミスティックのノーブルT
▲AtoZのアーデン
▲インディアナRVのREN
…まだまだ撮ったんだけれど…
今日は6:00起きの予定。
これから3時間寝ます。
2008年01月29日
極寒キャンプTV
氷点下の北海道で、真冬のキャンプ!
とびきりの寒さが襲っている今年の日本列島ですが、その極寒の北の大地で、キャンピングカーを使ったキャンプの映像が楽しめそうです。
番組名は、
『キャンピングカーで激走! 極寒!! 北海道の感動ツァー 涙も凍る400キロ旅』
放映日は、2月2日 (土) の午後2:55~3:55。
放送局は、STV (札幌テレビ放送 = 日本テレビ系列 全国22局ネット)
詳細は番組ホームページ (http://www.stv.ne.jp/tv/index.html) でご覧いただけます。

極寒キャンプに挑むのは、おぎやはぎ (小木博明・矢作兼) 、北陽 (伊藤さおり・虻川美穂子) 、杉浦太郎、森中慎也 (STVアナウンサー) の6人。
おぎやはぎと森中チームは、サロマ湖、網走を回る 「海の幸」 を求める旅へ。
北陽と杉浦太陽チームは、愛山渓、層雲峡を回る 「山の幸」 を求める旅へ。

2グループは、この時期の北海道で最も寒いといわれる屈斜路湖で合流。
そこから、釧路湿原へ向かいます。
絶景の釧路湿原では、野生動物に遭遇してビックリ!
厳寒の太平洋では、氷点下の潜水漁にもチャレンジ。
いやまぁ、難行苦行のキャンプ旅行のようですが、局側からは次のようなアピールポイントが寄せられています。
「冬だからこそキレイな絶景、寒いからこそ美味しい絶品料理!」
「極寒の北海道でしか出会えない感動!」
「究極の秘湯情報もばっちり!」
「道産子さえも知らなかった北海道の冬の魅力をたっぷり伝える60分」
…だそうです。
楽しみですねぇ!
この極寒キャンプの取材には、北海道のキャンピングカー販売店 「キャンピングレンタサービス工業」 が2台のキャンピングカーを提供しています。
冬のキャンプのノウハウを知り尽くした同社の橋爪社長も同行されたとか。
「どの程度キャンピングカーの映像が出てくる編集なのかわかりませんが、ご覧になった方々が、“キャンピングカーは、氷点下の真冬でも使えるんだね” とご理解いただけるとうれしいですね」
と、同社のスタッフも期待しています。

▲キャンピングレンタサービス工業
冬の北海道の旅といえば、移動しやすい都市型観光が主体になりがちですが、本当の北海道の素晴らしさを知るには、やはりキャンピングカーで自然の中に分け入っていくのが一番。
定番の冬観光ではもの足りない人は必見です!
とびきりの寒さが襲っている今年の日本列島ですが、その極寒の北の大地で、キャンピングカーを使ったキャンプの映像が楽しめそうです。
番組名は、
『キャンピングカーで激走! 極寒!! 北海道の感動ツァー 涙も凍る400キロ旅』
放映日は、2月2日 (土) の午後2:55~3:55。
放送局は、STV (札幌テレビ放送 = 日本テレビ系列 全国22局ネット)
詳細は番組ホームページ (http://www.stv.ne.jp/tv/index.html) でご覧いただけます。
極寒キャンプに挑むのは、おぎやはぎ (小木博明・矢作兼) 、北陽 (伊藤さおり・虻川美穂子) 、杉浦太郎、森中慎也 (STVアナウンサー) の6人。
おぎやはぎと森中チームは、サロマ湖、網走を回る 「海の幸」 を求める旅へ。
北陽と杉浦太陽チームは、愛山渓、層雲峡を回る 「山の幸」 を求める旅へ。
2グループは、この時期の北海道で最も寒いといわれる屈斜路湖で合流。
そこから、釧路湿原へ向かいます。
絶景の釧路湿原では、野生動物に遭遇してビックリ!
厳寒の太平洋では、氷点下の潜水漁にもチャレンジ。
いやまぁ、難行苦行のキャンプ旅行のようですが、局側からは次のようなアピールポイントが寄せられています。
「冬だからこそキレイな絶景、寒いからこそ美味しい絶品料理!」
「極寒の北海道でしか出会えない感動!」
「究極の秘湯情報もばっちり!」
「道産子さえも知らなかった北海道の冬の魅力をたっぷり伝える60分」
…だそうです。
楽しみですねぇ!
この極寒キャンプの取材には、北海道のキャンピングカー販売店 「キャンピングレンタサービス工業」 が2台のキャンピングカーを提供しています。
冬のキャンプのノウハウを知り尽くした同社の橋爪社長も同行されたとか。
「どの程度キャンピングカーの映像が出てくる編集なのかわかりませんが、ご覧になった方々が、“キャンピングカーは、氷点下の真冬でも使えるんだね” とご理解いただけるとうれしいですね」
と、同社のスタッフも期待しています。
▲キャンピングレンタサービス工業
冬の北海道の旅といえば、移動しやすい都市型観光が主体になりがちですが、本当の北海道の素晴らしさを知るには、やはりキャンピングカーで自然の中に分け入っていくのが一番。
定番の冬観光ではもの足りない人は必見です!
2007年12月11日
野鳥撮影の達人
【達人たちの肖像3】
《ユーザーレポート 東京都 松村さん》
キャンピングカーを 「趣味を実現するための基地」 として使うという話はよく聞く。
しかし、趣味の 「基地」 として使うだけでなく、夫婦の憩いの場としても、さらに日常生活空間としてもキャンピングカーを使っている人となると、日本広しといえども、そう多くはないだろう。
ホビー540UFEをけん引して、トレーラーライフを満喫している松村さんは、そういうパワーユーザーの一人だ。
稼働日は、ほぼ365日。
家にいるより、キャンピングカーで暮らす方が圧倒的に多い。

なにしろ、松村さんのご自宅は東京にあるのだが、仕事場が千葉県。
その仕事場の敷地内にトレーラーを置き、普段はそこで寝泊りをしている。
そして休日になると、奥さんを伴って、同時に自分の趣味も追及する。
松村さんの場合、この 「趣味」 がすごいのだ!
野鳥の撮影。

▲ 松村さんの撮ったミソサザイ(左)とライチョウ
プロですらも撮れないような、決定的瞬間を数々モノにして、コンテストでも上位に名を連ねる常連なのである。
フジフィルム主催の46回フォトコンテストの 「ネイチャーフォト部門」 では、日本全国でも5人しか選ばれない金賞を受賞。

▲ 金賞を受賞した「警笛」
財団法人 「日本野鳥の会」 が出している 「ワイルドバードカレンダー2008」 では、全国の野鳥写真家の中から選ばれた12人の一人として、7月のページに、松村さんの写真が掲載されることになっている。
「自然を相手に写真を撮る場合は、決め手となるのは “待つこと” 。じっと我慢強く待機して、息をひそめながら、これぞと思える瞬間が来るまで待つわけです。
それでも、一週間同じところに滞在しても、満足のいく写真は数カットしか撮れません」
と、松村さんはいう。
ところが、その数カットですら撮れない旅行もある。
「こればかりは運…。だから、この趣味には終わりはない」
プロとはまた違った、アマチュアとしての厳しさを見せる松村さん。
それを支えているのが、奥さんだ。
「彼が撮影に没頭している間も、退屈しないですむ空間として、このトレーラーは最適なんです。
これなら、お茶を飲んで、本を読んで、自分の部屋と同じように暮らしながら、撮影が終わるのを待っていられます」
けん引免許対応の大型トレーラーだが、それだけに、ライトトレーラーにはない豊かな居住性があるという。
「以前使っていた750kgクラスのトレーラーは、しょせん “テント代わり” という感じでしたが、これなら “生活” できます。毎日シャワーを浴びて、トイレも使って、食事をして、テレビを楽しんでいます」
ご主人も、奥さんも大満足のようだ。
ただ、いつも置いてある仕事場の駐車場では、電源が取れない。
電力の確保だけは、快適なトレーラーライフを維持する生命線。
松村さんは、現在、ジェネレーター、ソーラーパネル、急速充電器、そしてキャンプ場などに出かけたときのAC電源接続を組み合わせながら、かなり計画的に電力確保を心がけているようだ。
清水の確保も大事なテーマなので、オリジナルの50リッタータンクのほかに、さらにボディ反対側にも50リッタータンクを増設。合わせて100リッターの清水を確保するようにしているとか。
それよりも、問題はLPGの充填だという。
以前は、8kgボンベ2本を充填するときは、それをトレーラーから脱着して、ヘッドに載せて充填所へ通っていた。
しかし、最近はキャンピングカーの充填に関して、少し慎重な対応をする充填所も出てきたという。
乗用車でボンベを移動させるときは、縦に置き、倒れないようにロープで固定するように指導されたとも。
「そこで、安全管理に注意していることも分かってもらうため、ヘッドでトレーラーを引いて行くことにしました。そして、ガスを扱う資格を持っている人に、その取り付け状況を確認してもらいました。それなら問題ないようです」
と松村さんはいう。
とにかく、販売店のスタッフが、とても松村さんのことを頼りにしているのだ。
「松村さんのように、ほぼ毎日キャンピングカーを使っていらっしゃるユーザーさんのレポートは貴重なんです。毎日使う方は、やはり週末だけ使っていらっしゃる方とは違う経験をされることになる。
それが、メンテナンスを考える意味においても、とても重要な参考意見となる」
というのは、松村さんと仲の良いRVランドの佐々木さんの話。
キャンピングカーを使いこなしている達人の存在は、ディーラー側にも貴重なデータを与えているようだ。
定年まで仕事を勤めあげたら、このトレーラーで日本一周の旅に出るという。
そのときに、どんな傑作写真が誕生するのか。今から楽しみだ。
※(画像は、撮影者松村さんのご承諾をいただいて掲載しました)
《ユーザーレポート 東京都 松村さん》
キャンピングカーを 「趣味を実現するための基地」 として使うという話はよく聞く。
しかし、趣味の 「基地」 として使うだけでなく、夫婦の憩いの場としても、さらに日常生活空間としてもキャンピングカーを使っている人となると、日本広しといえども、そう多くはないだろう。
ホビー540UFEをけん引して、トレーラーライフを満喫している松村さんは、そういうパワーユーザーの一人だ。
稼働日は、ほぼ365日。
家にいるより、キャンピングカーで暮らす方が圧倒的に多い。
なにしろ、松村さんのご自宅は東京にあるのだが、仕事場が千葉県。
その仕事場の敷地内にトレーラーを置き、普段はそこで寝泊りをしている。
そして休日になると、奥さんを伴って、同時に自分の趣味も追及する。
松村さんの場合、この 「趣味」 がすごいのだ!
野鳥の撮影。
▲ 松村さんの撮ったミソサザイ(左)とライチョウ
プロですらも撮れないような、決定的瞬間を数々モノにして、コンテストでも上位に名を連ねる常連なのである。
フジフィルム主催の46回フォトコンテストの 「ネイチャーフォト部門」 では、日本全国でも5人しか選ばれない金賞を受賞。
▲ 金賞を受賞した「警笛」
財団法人 「日本野鳥の会」 が出している 「ワイルドバードカレンダー2008」 では、全国の野鳥写真家の中から選ばれた12人の一人として、7月のページに、松村さんの写真が掲載されることになっている。
「自然を相手に写真を撮る場合は、決め手となるのは “待つこと” 。じっと我慢強く待機して、息をひそめながら、これぞと思える瞬間が来るまで待つわけです。
それでも、一週間同じところに滞在しても、満足のいく写真は数カットしか撮れません」
と、松村さんはいう。
ところが、その数カットですら撮れない旅行もある。
「こればかりは運…。だから、この趣味には終わりはない」
プロとはまた違った、アマチュアとしての厳しさを見せる松村さん。
それを支えているのが、奥さんだ。
「彼が撮影に没頭している間も、退屈しないですむ空間として、このトレーラーは最適なんです。
これなら、お茶を飲んで、本を読んで、自分の部屋と同じように暮らしながら、撮影が終わるのを待っていられます」
けん引免許対応の大型トレーラーだが、それだけに、ライトトレーラーにはない豊かな居住性があるという。
「以前使っていた750kgクラスのトレーラーは、しょせん “テント代わり” という感じでしたが、これなら “生活” できます。毎日シャワーを浴びて、トイレも使って、食事をして、テレビを楽しんでいます」
ご主人も、奥さんも大満足のようだ。
ただ、いつも置いてある仕事場の駐車場では、電源が取れない。
電力の確保だけは、快適なトレーラーライフを維持する生命線。
松村さんは、現在、ジェネレーター、ソーラーパネル、急速充電器、そしてキャンプ場などに出かけたときのAC電源接続を組み合わせながら、かなり計画的に電力確保を心がけているようだ。
清水の確保も大事なテーマなので、オリジナルの50リッタータンクのほかに、さらにボディ反対側にも50リッタータンクを増設。合わせて100リッターの清水を確保するようにしているとか。
それよりも、問題はLPGの充填だという。
以前は、8kgボンベ2本を充填するときは、それをトレーラーから脱着して、ヘッドに載せて充填所へ通っていた。
しかし、最近はキャンピングカーの充填に関して、少し慎重な対応をする充填所も出てきたという。
乗用車でボンベを移動させるときは、縦に置き、倒れないようにロープで固定するように指導されたとも。
「そこで、安全管理に注意していることも分かってもらうため、ヘッドでトレーラーを引いて行くことにしました。そして、ガスを扱う資格を持っている人に、その取り付け状況を確認してもらいました。それなら問題ないようです」
と松村さんはいう。
とにかく、販売店のスタッフが、とても松村さんのことを頼りにしているのだ。
「松村さんのように、ほぼ毎日キャンピングカーを使っていらっしゃるユーザーさんのレポートは貴重なんです。毎日使う方は、やはり週末だけ使っていらっしゃる方とは違う経験をされることになる。
それが、メンテナンスを考える意味においても、とても重要な参考意見となる」
というのは、松村さんと仲の良いRVランドの佐々木さんの話。
キャンピングカーを使いこなしている達人の存在は、ディーラー側にも貴重なデータを与えているようだ。
定年まで仕事を勤めあげたら、このトレーラーで日本一周の旅に出るという。
そのときに、どんな傑作写真が誕生するのか。今から楽しみだ。
※(画像は、撮影者松村さんのご承諾をいただいて掲載しました)
2007年12月07日
トーイング体験場
インディアナRVさんのトーイング体験スペース 「キャンピングパーク27」 が完成したというので、さっそく見学に行った。
神奈川県・平塚市にあるインディアナRV本社 「RVプラザ27」 から歩いて5分 (400m) 。
同社の降旗社長に案内されて行った先には、敷地600坪の広大なスペースが広がっていた。

ここは 「トレーラー試乗コース」 であると同時に、商品の 「ストックヤード」 であり、かつ 「キャンプ大会の会場」 であり、「トレーラーの宿泊体験場」 でもある。
要するに、 “多目的スペース” 。
こういう場所を確保した意図を、降旗さんにうかがってみた。
「トレーラーの購入を検討されている方々に、けん引した状態がどんなものか、それを体験していただくために確保した場所です」
と、降旗社長は語る。
トレーラーのけん引は、思ったほど難しいものではないことを、すでに経験者は知っている。
しかし、トーイング未経験者は、連結状態でのバック、車庫入れに不安を感じている人が多い。
キャンピングカーというのは、概して試乗のチャンスが少ないクルマだが、トレーラーの場合は、特にクローズドの状態で、安心してトーイングを練習する場所を探すことが難しい。
「トーイングを体験してみたい方々に、この場所でさんざんチャレンジしていただき、トレーラーという車両を肌でつかんでもらいたい」
と降旗さん。

さらに、ここには、宿泊専用のトレーラーも数台用意されているので、宿泊体験もできるようになっている。
また、インディアナRV商品を購入したユーザーさんには、キャンプスペースとして解放することも検討中とか。
料金設定は未定だが、金額は500円程度。
場内には電気 (50A) 、水道、水洗トイレも完備しているので安心。
▼ 管理棟。中にはトイレ、水道、電源も完備

入り口近くには、清涼飲料水の自動販売機もあるし、ヘッドで走って5~6分のところには、ファミレス、コンビニ、ガソリンスタンドもたくさん揃っている。
晴れた日には、西の方角にでっかい富士山。
場内から見ると、富士山の正面にちょうど鉄塔が一本立ちはだかって邪魔しているのだが、その一点を除けば、ロケーションも悪くない。
降旗さんが期待しているのは、ここがユーザー同士の交流の場になってくれることだ。
今後は、ここでキャンプ大会を年に3~4回開きたいという。
「うちのお客さんの9割は、トレーラーがはじめてというお客さんなんですよ。当然、すぐには仲間ができない。
そこで、キャンプ大会を開くことによって、情報交換の輪をつくりたいわけです。
仲間ができればトーイングに対する不安などもなくなるし、新たな楽しさや面白さも発見できる。
ベテランの人たちの使い方を見れば参考になることもあるでしょうし、旅の情報も得られるでしょう」
降旗さんは、そういう大会を開くことによって、今までトレーラーユーザーの底辺を広げてきた。
しかし、会場が定まっていない場合は、候補地を選ぶだけでも一苦労。
大会に使うキャンプ道具などを運んで、会場まで往復したりすることが大きな負担になったことも。
「しかし、ここなら本社から400mなので、準備が楽。お客様のドタキャン、ドタ参加にも柔軟に対応できます。
会場に車両が入りきらなかった場合は、ヘッドだけ本社に置いて、歩いてパーティに参加してもらってもいいのです」
今週の土日 (15~16日) 、まず最初のユーザー大会が行われるという。
約40家族、120~130人ほどの参加者が見込まれるそうだ。
「アトラクションとして、トレーラーの車庫入れコンテストなんかも面白いかな…」
と、降旗氏はにんまり。

場所は、本社からクルマで1~2分 (歩いて5分) 。
東名・厚木インターで降りた場合は、今まで右折していた 「田村十字路」 をそのまま直進して、「コジマ電気」 の角を右折。
カーナビに打ち込む場合の目印は 「神田高校」 。
「キャンピングパーク27」 は、その神田高校の斜め前だ。
神奈川県・平塚市にあるインディアナRV本社 「RVプラザ27」 から歩いて5分 (400m) 。
同社の降旗社長に案内されて行った先には、敷地600坪の広大なスペースが広がっていた。
ここは 「トレーラー試乗コース」 であると同時に、商品の 「ストックヤード」 であり、かつ 「キャンプ大会の会場」 であり、「トレーラーの宿泊体験場」 でもある。
要するに、 “多目的スペース” 。
こういう場所を確保した意図を、降旗さんにうかがってみた。
「トレーラーの購入を検討されている方々に、けん引した状態がどんなものか、それを体験していただくために確保した場所です」
と、降旗社長は語る。
トレーラーのけん引は、思ったほど難しいものではないことを、すでに経験者は知っている。
しかし、トーイング未経験者は、連結状態でのバック、車庫入れに不安を感じている人が多い。
キャンピングカーというのは、概して試乗のチャンスが少ないクルマだが、トレーラーの場合は、特にクローズドの状態で、安心してトーイングを練習する場所を探すことが難しい。
「トーイングを体験してみたい方々に、この場所でさんざんチャレンジしていただき、トレーラーという車両を肌でつかんでもらいたい」
と降旗さん。
さらに、ここには、宿泊専用のトレーラーも数台用意されているので、宿泊体験もできるようになっている。
また、インディアナRV商品を購入したユーザーさんには、キャンプスペースとして解放することも検討中とか。
料金設定は未定だが、金額は500円程度。
場内には電気 (50A) 、水道、水洗トイレも完備しているので安心。
▼ 管理棟。中にはトイレ、水道、電源も完備
入り口近くには、清涼飲料水の自動販売機もあるし、ヘッドで走って5~6分のところには、ファミレス、コンビニ、ガソリンスタンドもたくさん揃っている。
晴れた日には、西の方角にでっかい富士山。
場内から見ると、富士山の正面にちょうど鉄塔が一本立ちはだかって邪魔しているのだが、その一点を除けば、ロケーションも悪くない。
降旗さんが期待しているのは、ここがユーザー同士の交流の場になってくれることだ。
今後は、ここでキャンプ大会を年に3~4回開きたいという。
「うちのお客さんの9割は、トレーラーがはじめてというお客さんなんですよ。当然、すぐには仲間ができない。
そこで、キャンプ大会を開くことによって、情報交換の輪をつくりたいわけです。
仲間ができればトーイングに対する不安などもなくなるし、新たな楽しさや面白さも発見できる。
ベテランの人たちの使い方を見れば参考になることもあるでしょうし、旅の情報も得られるでしょう」
降旗さんは、そういう大会を開くことによって、今までトレーラーユーザーの底辺を広げてきた。
しかし、会場が定まっていない場合は、候補地を選ぶだけでも一苦労。
大会に使うキャンプ道具などを運んで、会場まで往復したりすることが大きな負担になったことも。
「しかし、ここなら本社から400mなので、準備が楽。お客様のドタキャン、ドタ参加にも柔軟に対応できます。
会場に車両が入りきらなかった場合は、ヘッドだけ本社に置いて、歩いてパーティに参加してもらってもいいのです」
今週の土日 (15~16日) 、まず最初のユーザー大会が行われるという。
約40家族、120~130人ほどの参加者が見込まれるそうだ。
「アトラクションとして、トレーラーの車庫入れコンテストなんかも面白いかな…」
と、降旗氏はにんまり。
場所は、本社からクルマで1~2分 (歩いて5分) 。
東名・厚木インターで降りた場合は、今まで右折していた 「田村十字路」 をそのまま直進して、「コジマ電気」 の角を右折。
カーナビに打ち込む場合の目印は 「神田高校」 。
「キャンピングパーク27」 は、その神田高校の斜め前だ。
2007年11月29日
ワンタイR-5
【お勧めキャンカー20 「WANTAI R-5」 】
今年11月に開かれた 「お台場くるま旅パラダイス」 で、ボディショップ アジロさんが開発した新型 「ワンタイR-5」 がデビューした。

ベースは、トヨタ・ランドクルーザー80.
そのボディがカットされ、一見FRP製に見える白いシェルが架装されていた。
実は、このシェルがクセモノ!
アルミニュームなのだ。
しかし、またなんとも優美な造形ではないか。
普通、アルミパネルを使えば、ボディサイドのつなぎ目が直角になってしまうことは避けられず、見た目にはペキペキしたスクエアなクルマになってしまう。
なのに、このモデルでは、コーナーに丸みを持たせるために、コーナー部はFRPでアールが取られている。

このFRPとアルミの接合部分が、外から見ただけではまったく分からないというのが、このクルマのマジック。
そこにボディショップ アジロが長年蓄積してきた特許申請済みの “秘伝” が生かされている。
アルミをシェルの素材に使った理由は、まずはボディの軽量化。
もともとランクル80の車両重量は、2,200kgぐらいだという。
それをボディカットして、シェルを架装した状態で2トン半の状態に持ってきているらしい。
「もっと軽くなる」
と網代社長はいう。

「家具をフラッシュ (中抜き) にして、フロントバンパーをファイバーにする。そうなると、2,280㎏ぐらいまで重量を落とすことができる。実際にやってみないと分からないけれど、確実に2トン半は切れる」
そうなれば、さらにクルマの走りも軽快になるし、燃費もよくなる。
網代さんは自信たっぷりだ。
もともと、ハイラックスベースの時代から、ワンタイR-5シリーズは、その軽量ボディによる運動性能の高さでは定評があった。
ワンタイR-5の前モデルは、トイレルームなどをあっさり取り払ったレイアウトによって、コンパクトボディを実現。それがまた、俊敏な走りを可能にしていた。
今回のインテリア造形も、雰囲気はハイラックス時代のスタイルを踏襲している。しかし、家具の精度や質感はものすごく向上した。
ユニークなのは、セカンドシートの設定。

ダイネット前の補助シートを低く設定することもできるため、運転席・助手席と同じ高さを保ったまま、前向き乗車が可能になっている。その部分をマットで埋めれば、対面ダイネットも完成。

また、ランクル80シャシーはハイラックスより大きいので、トイレルームが設けられたことも特徴として加わった。
そういった意味で、ハイラックス時代のR-5よりも、より長期滞在に適したクルマになっている。

トイレルームの上方には、電子レンジ収納スペースもしっかり設定されているというのも便利だ。
この新ワンタイR-5のもうひとつのセールスポイントは、 「雨音を消すルーフ」 。
これも、長年の研究成果が実って実現したボディショップ アジロならではの先進技術。
なんとこの11月末に、申請していた特許をついに取得することができたそうだ。
特許を取ったときの “発明品” としての名称は、
「車のルーフ雨音の減少方法および車のルーフ構造」
というもの。
2ヶ月ほどで特許番号が下りるという。
この新構造のルーフによって、夏はエアコンの効きも抜群。
冬は暖房効果も向上。
「1年中快適な室内を実現することができた」
と、これまた、網代社長はご満悦。

実際に、この新型ワンタイR-5をオーダーするとなると、ベース車のランクル80を探さなければならない。
すでに生産が終わっているシャシーだからだ。
その場合は、中古車を探して、アジロさんのショップに持ち込んでもよいし、網代さんに、80の中古車を探してもらうことも可。
ただし、ディーゼル車は排ガス規制を受けるので、規制の対象から外れるガソリン車に限られる。
「本当は、ランクル100ぐらいでデモ車を造りたかったのだけれど、なにぶん車両価格が高すぎるんでね」
と、網代さんはちょっぴり残念そうだ。
ただ、ランクル100になってしまうと、ベース車自体が重くなってしまうので、アルミシェルを架装しても、あまり軽量化のうまみが出ないとも。
でも、100のオーダーがあれば造りたいらしい。
本当は、そういう顧客が現れることを待ち望んでいるようだ。
今年11月に開かれた 「お台場くるま旅パラダイス」 で、ボディショップ アジロさんが開発した新型 「ワンタイR-5」 がデビューした。
ベースは、トヨタ・ランドクルーザー80.
そのボディがカットされ、一見FRP製に見える白いシェルが架装されていた。
実は、このシェルがクセモノ!
アルミニュームなのだ。
しかし、またなんとも優美な造形ではないか。
普通、アルミパネルを使えば、ボディサイドのつなぎ目が直角になってしまうことは避けられず、見た目にはペキペキしたスクエアなクルマになってしまう。
なのに、このモデルでは、コーナーに丸みを持たせるために、コーナー部はFRPでアールが取られている。
このFRPとアルミの接合部分が、外から見ただけではまったく分からないというのが、このクルマのマジック。
そこにボディショップ アジロが長年蓄積してきた特許申請済みの “秘伝” が生かされている。
アルミをシェルの素材に使った理由は、まずはボディの軽量化。
もともとランクル80の車両重量は、2,200kgぐらいだという。
それをボディカットして、シェルを架装した状態で2トン半の状態に持ってきているらしい。
「もっと軽くなる」
と網代社長はいう。
「家具をフラッシュ (中抜き) にして、フロントバンパーをファイバーにする。そうなると、2,280㎏ぐらいまで重量を落とすことができる。実際にやってみないと分からないけれど、確実に2トン半は切れる」
そうなれば、さらにクルマの走りも軽快になるし、燃費もよくなる。
網代さんは自信たっぷりだ。
もともと、ハイラックスベースの時代から、ワンタイR-5シリーズは、その軽量ボディによる運動性能の高さでは定評があった。
ワンタイR-5の前モデルは、トイレルームなどをあっさり取り払ったレイアウトによって、コンパクトボディを実現。それがまた、俊敏な走りを可能にしていた。
今回のインテリア造形も、雰囲気はハイラックス時代のスタイルを踏襲している。しかし、家具の精度や質感はものすごく向上した。
ユニークなのは、セカンドシートの設定。
ダイネット前の補助シートを低く設定することもできるため、運転席・助手席と同じ高さを保ったまま、前向き乗車が可能になっている。その部分をマットで埋めれば、対面ダイネットも完成。
また、ランクル80シャシーはハイラックスより大きいので、トイレルームが設けられたことも特徴として加わった。
そういった意味で、ハイラックス時代のR-5よりも、より長期滞在に適したクルマになっている。
トイレルームの上方には、電子レンジ収納スペースもしっかり設定されているというのも便利だ。
この新ワンタイR-5のもうひとつのセールスポイントは、 「雨音を消すルーフ」 。
これも、長年の研究成果が実って実現したボディショップ アジロならではの先進技術。
なんとこの11月末に、申請していた特許をついに取得することができたそうだ。
特許を取ったときの “発明品” としての名称は、
「車のルーフ雨音の減少方法および車のルーフ構造」
というもの。
2ヶ月ほどで特許番号が下りるという。
この新構造のルーフによって、夏はエアコンの効きも抜群。
冬は暖房効果も向上。
「1年中快適な室内を実現することができた」
と、これまた、網代社長はご満悦。
実際に、この新型ワンタイR-5をオーダーするとなると、ベース車のランクル80を探さなければならない。
すでに生産が終わっているシャシーだからだ。
その場合は、中古車を探して、アジロさんのショップに持ち込んでもよいし、網代さんに、80の中古車を探してもらうことも可。
ただし、ディーゼル車は排ガス規制を受けるので、規制の対象から外れるガソリン車に限られる。
「本当は、ランクル100ぐらいでデモ車を造りたかったのだけれど、なにぶん車両価格が高すぎるんでね」
と、網代さんはちょっぴり残念そうだ。
ただ、ランクル100になってしまうと、ベース車自体が重くなってしまうので、アルミシェルを架装しても、あまり軽量化のうまみが出ないとも。
でも、100のオーダーがあれば造りたいらしい。
本当は、そういう顧客が現れることを待ち望んでいるようだ。
2007年11月27日
ピッコロキャンパー
【お勧めキャンカー19 「Piccolo Camper」 】
軽キャンカーブームは依然として続いている。
いや、もしかしたら、これは 「ブーム」 ではないのかもしれない。
ブームであるかぎりは、いつか人々は飽きて、去っていく。
しかし、軽自動車キャンピングカーは、一向に衰える気配を見せないどころか、ますます隆盛を極めている。
「ブーム」 というよりも、もう完全に軽キャンカーは、日本のキャンピングカーの1ジャンルとして定着したといえそうだ。
軽キャンカーの魅力のひとつは 「手軽さ」 。
取り回しの手軽さもあるし、税金などの維持費を含めた経済性の良さも、購入するときの気分を軽いものにする。
しかし、そのような手軽さを売りにする軽キャンカーのなかには、造りの質感も “手軽” に感じられるものがないわけではない。
ところが、このオートワン (株式会社クルーズカンパニー) さんが手がける 「ピッコロキャンパー」 と 「ピッコロキャンパープラス」 は、軽キャンカーには珍しい高級感が漂っている。
「軽の高級車」 というのは、案外ありそうでなかった。
高級感の秘密は、無垢材を使った木工家具の造り込みにある。
たとえば、スバルサンバーをベースにした 「ピッコロキャンパー」 のギャレーまわりやオーバーヘッドキャビネットまわりなどを見ると…

いやぁ、もう一瞬ハイエースあたりの上級バンコンを見るかのように思えてしまう。
このような無垢材をふんだんに使ったピッコロキャンパーの木工家具の出来栄えは、一般の人がイメージする 「軽自動車」 の領域を軽々と超えている。
ギャレーカウンターの支えの木工も、手が込んでいてお洒落だ。
もちろん、この波打ったデザインは、ロッドホルダーのような 「物掛け」 として機能していることはいうまでもない。
頭上の圧迫感を取り除くために、オーバーヘッドキャビネットの扉などには傾斜が設けられているのだが、そのアールの採り方も絶妙。
▼ こちらはピッコロキャンパープラスのオーバーヘッドキャビネット。

ピッコロキャンパーと、ピッコロキャンパープラスの違いは、ベース車の違い。
キャンパーはスバル・サンバー。
プラスはスズキ・エブリィ

▲ ピッコロキャンパー ▲ ピッコロキャンパ-プラス
ベース車の違いによって、レイアウトが若干異なる。

▲ ピッコロキャンパー内装 ▲ プラスの室内
ピッコロキャンパーには、小さいながらも本格的なギャレーがボディ左サイドに設けられている。
これは、サンバーがもたらすこのクラス最大級の室内容積を生かしたからこそ生まれた企画。このギャレーを設定した状態で、夫婦2人が寝られるスペースが確保されている。
一方、プラスの方は、さらに居住スペースを広く取っているのが特徴。
▼ ピッコロキャンパーの独立型シンクとは異なり、こちらにはボディサイド埋め込み型の 「収納式シンク」 が採用されている。

▼ どちらのタイプにも、脱着式のセンターテーブルが、リヤ側にも、エントランスドア側にも付けられるようになっていて、野外テーブルとしても機能している。

軽自動車キャンピングカーの世界は、ビルダーにとっては激戦区。
しかし、ユーザーにとっては、ますます刺激的な、面白いジャンルになってきた。
ピッコロキャンパー兄弟には、大いに期待したい。
ちなみに、お値段は、
ピッコロキャンパー (サンバーバンVB) 2WD MT 1,585,000円~
ピッコロキャンパープラス (エブリィGA) 2WD MT 1,649,000円~
軽キャンカーブームは依然として続いている。
いや、もしかしたら、これは 「ブーム」 ではないのかもしれない。
ブームであるかぎりは、いつか人々は飽きて、去っていく。
しかし、軽自動車キャンピングカーは、一向に衰える気配を見せないどころか、ますます隆盛を極めている。
「ブーム」 というよりも、もう完全に軽キャンカーは、日本のキャンピングカーの1ジャンルとして定着したといえそうだ。
軽キャンカーの魅力のひとつは 「手軽さ」 。
取り回しの手軽さもあるし、税金などの維持費を含めた経済性の良さも、購入するときの気分を軽いものにする。
しかし、そのような手軽さを売りにする軽キャンカーのなかには、造りの質感も “手軽” に感じられるものがないわけではない。
ところが、このオートワン (株式会社クルーズカンパニー) さんが手がける 「ピッコロキャンパー」 と 「ピッコロキャンパープラス」 は、軽キャンカーには珍しい高級感が漂っている。
「軽の高級車」 というのは、案外ありそうでなかった。
高級感の秘密は、無垢材を使った木工家具の造り込みにある。
たとえば、スバルサンバーをベースにした 「ピッコロキャンパー」 のギャレーまわりやオーバーヘッドキャビネットまわりなどを見ると…
いやぁ、もう一瞬ハイエースあたりの上級バンコンを見るかのように思えてしまう。
このような無垢材をふんだんに使ったピッコロキャンパーの木工家具の出来栄えは、一般の人がイメージする 「軽自動車」 の領域を軽々と超えている。
ギャレーカウンターの支えの木工も、手が込んでいてお洒落だ。
もちろん、この波打ったデザインは、ロッドホルダーのような 「物掛け」 として機能していることはいうまでもない。
頭上の圧迫感を取り除くために、オーバーヘッドキャビネットの扉などには傾斜が設けられているのだが、そのアールの採り方も絶妙。
▼ こちらはピッコロキャンパープラスのオーバーヘッドキャビネット。
ピッコロキャンパーと、ピッコロキャンパープラスの違いは、ベース車の違い。
キャンパーはスバル・サンバー。
プラスはスズキ・エブリィ
▲ ピッコロキャンパー ▲ ピッコロキャンパ-プラス
ベース車の違いによって、レイアウトが若干異なる。
▲ ピッコロキャンパー内装 ▲ プラスの室内
ピッコロキャンパーには、小さいながらも本格的なギャレーがボディ左サイドに設けられている。
これは、サンバーがもたらすこのクラス最大級の室内容積を生かしたからこそ生まれた企画。このギャレーを設定した状態で、夫婦2人が寝られるスペースが確保されている。
一方、プラスの方は、さらに居住スペースを広く取っているのが特徴。
▼ ピッコロキャンパーの独立型シンクとは異なり、こちらにはボディサイド埋め込み型の 「収納式シンク」 が採用されている。
▼ どちらのタイプにも、脱着式のセンターテーブルが、リヤ側にも、エントランスドア側にも付けられるようになっていて、野外テーブルとしても機能している。
軽自動車キャンピングカーの世界は、ビルダーにとっては激戦区。
しかし、ユーザーにとっては、ますます刺激的な、面白いジャンルになってきた。
ピッコロキャンパー兄弟には、大いに期待したい。
ちなみに、お値段は、
ピッコロキャンパー (サンバーバンVB) 2WD MT 1,585,000円~
ピッコロキャンパープラス (エブリィGA) 2WD MT 1,649,000円~
2007年11月21日
ドルフィン
【お勧めキャンカー18 「 Dolfin 」 】
1990年代末、「カリフォルニア・ドルフィン」 という画期的なキャブコンが登場したことがあった。
『キャンピングカー super ガイド』 が、まだ 『RV & キャンピングカーガイド』 と名乗っていて、写真はモノクロだった時代だ。

カリフォルニア・ドルフィンは、当時の人気車だったオックス、ジル、リバティ、トランクサルーン、チャンプなどと並んで、ショーの会場でも注目を集めた。
驚異のコストパフォーマンスを発揮したクルマだったからだ。
当時、トラックシャシーをベースとするキャンピングカーにはカムロードの供給が始まっていたが、「キャブコン」 という言葉は生まれていなかった。それらは一括して 「Tボディ」 と呼ばれた。
そのTボディの人気車たちは、みな400万円台から500万円台の価格で売り出されていたが、カリフォルニア・ドルフィンが提示したプライスは、なんと398万円。
しかも、3ウェイ冷蔵庫、温水ボイラー、FFヒーターなど、当時のキャブコンの人気装備類をほとんど標準にした状態だった。
ただ、このクルマは、インテリアのテイストが進み過ぎていた。
当時は、合板を使っても 「高級天然木」 っぽいデザインが好まれていた時代で、家具色も濃い目が主流。家具扉などには、アメ車ゆずりの金モールが施されたクルマも多かった。
そんな流れに立ち向かうように、カリフォルニア・ドルフィンの1号車は、浅めの家具色にブルー地のシートを組み合わせ、カジュアル路線を打ち出していたのだ。
キッチンカウンターは、目にも鮮やかなホワイト。
外板色も、うちの本で紹介したバージョンは、純白のシェルにブルーのスカートを巻いたマリンカラーだった。
今、スポーツ志向のユーザーが見たら、とても新鮮に映るはずのこのカジュアル路線は、当時として早すぎたのかもしれない。
どのクルマも、掲げたプライスにかかわらず 「高級感」 にこだわる傾向が強いなかで、カリフォルニア・ドルフィンのスポーティ感覚は、若い人以外には理解されにくかったと思う。
せっかくのコストパフォーマンスの魅力を発揮しながら、カリフォルニア・ドルフィンは、いつの間にか姿を消していった。
ところが、11月初旬の東京・お台場のショーで、なつかしい 「ドルフィン」 という名を掲げたキャブコンを見ることができた。
出展者は、やはり、あのカリフォルニア・ドルフィンを開発したカスタムモーターサービスさん。
今回は、ボディパネルが、なんとオレンジ色のエンボス。
こんなキャブコン見たことがなかった。

開発したカスタムモーターサービスの鷹森社長に、FRPパネルをエンボス加工した理由を聞いてみた。
「FRPパネルは、どんなに平滑性を追求しても、波打ったり、凹んだりすることが避けられません。ならば、いっそのことエンボスにすれば傷つきにくくもなるし…」
とのこと。
ヨーロッパモーターホームや輸入トレーラーなどには、ときどきアルミ板をエンボス加工したパネルが採用されている。
エンボスは、確かに板そのものの強度を増すし、腰が強くなるというメリットをもたらせ、傷がついても目立たないという利点を生む。
しかし、掃除の手間がかかるとも言われる。
「掃除のことは皆さんよくおっしゃるけれど、ワックス効果のあるシャンプーなどで外板を洗ってもらえれば皮膜ができるので、掃除はそんなに大変じゃないんです」
と、鷹森さんはいう。
「いちばん理想的な掃除方法は、生ダイコンで擦ること。これでスリおろしたダイコンおろしはおいしいんです (笑)」
「???」
…危うく信じるところだった。
中を見せてもらったが、今回もスポーティ路線にこだわっている。
最大のポイントは、ガバッと大きな開口部を持つリヤラゲッジルーム。

床にはシャワーパンが設けられ、天井、側面もFRPで覆われている。
釣り、ダイビング、サーフィンなどを趣味とするユーザーを想定した造りだ。
あいかわらず、マリン志向。
カリフォルニア・ドルフィンの精神は、10年近く経っても健在だった。

このラゲッジルームとキャビンの間は、扉で仕切ることも可能だが、基本的には貫通。
カヌーなどの積み込みも想定しているからだ。
リビングはL字ソファ。
その上にはFRP製のオーバーヘッドキャビネットが付く。このプロトタイプでは扉が付いていなかったが、扉を付けず、ゴムのネットを張ることも想定されている。
ただ、FRPのむき出しは素っ気ないので、革を巻いたとか。

「むき出しのままでも、昔のデヘラーみたいな雰囲気でいいんじゃないですか?」
と聞いてみたが、
「いやぁ、あの雰囲気はどう頑張ったって出ないですよ。あれはFRPではなく、樹脂ですから。デヘラーみたいなクルマは、よほどお金をかけないと無理でしょうね」
鷹森さんのさりげない一言に、ヨットメーカーの 「デヘラー」 が造ったキャンパーに対する彼の畏敬の念が伝わってきた。
私もあのクルマに憧れたクチだから、あまり木工が全面に出てくるクルマでなくても構わないという気持ちが、どこかにある。
ヨットメーカーがお金をふんだんに投入して、マリンのイメージと機能をキャンピングカーに盛り込んだデヘラー。
形としては対極にありながら、その精神は、どこかドルフィンにもつながっているような気がする。
このドルフィンでユニークなのは、リヤサスに標準装備されたエアサスペンション。
エアバッグで車高を調整しようというもの。
ラゲッジルームに重量物を積載したときの尻下がりを防ぐためである。
売りは、このクルマにおいてもコストパフォーマンス。
2WDの5速ミッションで、2,980,000円。
4WDでも3,290,000円。
かつてカムロードをベースとしたカリフォルニア・ドルフィンでは、驚異のコストパフォーマンスが話題になった。
このクルマも、台風の目になるかもしれない。
お台場ショーのデビューでは、まだ8分ほどの仕上がりだった。
来年2月の幕張ショーでは完成形が出るという。
そのときに、「ドルフィン」 を名乗っているかどうかは分からないというが、でも、きっと大海を泳ぎ回るイルカのように、颯爽とした小型キャブコンが誕生していることは間違いない。
1990年代末、「カリフォルニア・ドルフィン」 という画期的なキャブコンが登場したことがあった。
『キャンピングカー super ガイド』 が、まだ 『RV & キャンピングカーガイド』 と名乗っていて、写真はモノクロだった時代だ。
カリフォルニア・ドルフィンは、当時の人気車だったオックス、ジル、リバティ、トランクサルーン、チャンプなどと並んで、ショーの会場でも注目を集めた。
驚異のコストパフォーマンスを発揮したクルマだったからだ。
当時、トラックシャシーをベースとするキャンピングカーにはカムロードの供給が始まっていたが、「キャブコン」 という言葉は生まれていなかった。それらは一括して 「Tボディ」 と呼ばれた。
そのTボディの人気車たちは、みな400万円台から500万円台の価格で売り出されていたが、カリフォルニア・ドルフィンが提示したプライスは、なんと398万円。
しかも、3ウェイ冷蔵庫、温水ボイラー、FFヒーターなど、当時のキャブコンの人気装備類をほとんど標準にした状態だった。
ただ、このクルマは、インテリアのテイストが進み過ぎていた。
当時は、合板を使っても 「高級天然木」 っぽいデザインが好まれていた時代で、家具色も濃い目が主流。家具扉などには、アメ車ゆずりの金モールが施されたクルマも多かった。
そんな流れに立ち向かうように、カリフォルニア・ドルフィンの1号車は、浅めの家具色にブルー地のシートを組み合わせ、カジュアル路線を打ち出していたのだ。
キッチンカウンターは、目にも鮮やかなホワイト。
外板色も、うちの本で紹介したバージョンは、純白のシェルにブルーのスカートを巻いたマリンカラーだった。
今、スポーツ志向のユーザーが見たら、とても新鮮に映るはずのこのカジュアル路線は、当時として早すぎたのかもしれない。
どのクルマも、掲げたプライスにかかわらず 「高級感」 にこだわる傾向が強いなかで、カリフォルニア・ドルフィンのスポーティ感覚は、若い人以外には理解されにくかったと思う。
せっかくのコストパフォーマンスの魅力を発揮しながら、カリフォルニア・ドルフィンは、いつの間にか姿を消していった。
ところが、11月初旬の東京・お台場のショーで、なつかしい 「ドルフィン」 という名を掲げたキャブコンを見ることができた。
出展者は、やはり、あのカリフォルニア・ドルフィンを開発したカスタムモーターサービスさん。
今回は、ボディパネルが、なんとオレンジ色のエンボス。
こんなキャブコン見たことがなかった。
開発したカスタムモーターサービスの鷹森社長に、FRPパネルをエンボス加工した理由を聞いてみた。
「FRPパネルは、どんなに平滑性を追求しても、波打ったり、凹んだりすることが避けられません。ならば、いっそのことエンボスにすれば傷つきにくくもなるし…」
とのこと。
ヨーロッパモーターホームや輸入トレーラーなどには、ときどきアルミ板をエンボス加工したパネルが採用されている。
エンボスは、確かに板そのものの強度を増すし、腰が強くなるというメリットをもたらせ、傷がついても目立たないという利点を生む。
しかし、掃除の手間がかかるとも言われる。
「掃除のことは皆さんよくおっしゃるけれど、ワックス効果のあるシャンプーなどで外板を洗ってもらえれば皮膜ができるので、掃除はそんなに大変じゃないんです」
と、鷹森さんはいう。
「いちばん理想的な掃除方法は、生ダイコンで擦ること。これでスリおろしたダイコンおろしはおいしいんです (笑)」
「???」
…危うく信じるところだった。
中を見せてもらったが、今回もスポーティ路線にこだわっている。
最大のポイントは、ガバッと大きな開口部を持つリヤラゲッジルーム。
床にはシャワーパンが設けられ、天井、側面もFRPで覆われている。
釣り、ダイビング、サーフィンなどを趣味とするユーザーを想定した造りだ。
あいかわらず、マリン志向。
カリフォルニア・ドルフィンの精神は、10年近く経っても健在だった。
このラゲッジルームとキャビンの間は、扉で仕切ることも可能だが、基本的には貫通。
カヌーなどの積み込みも想定しているからだ。
リビングはL字ソファ。
その上にはFRP製のオーバーヘッドキャビネットが付く。このプロトタイプでは扉が付いていなかったが、扉を付けず、ゴムのネットを張ることも想定されている。
ただ、FRPのむき出しは素っ気ないので、革を巻いたとか。
「むき出しのままでも、昔のデヘラーみたいな雰囲気でいいんじゃないですか?」
と聞いてみたが、
「いやぁ、あの雰囲気はどう頑張ったって出ないですよ。あれはFRPではなく、樹脂ですから。デヘラーみたいなクルマは、よほどお金をかけないと無理でしょうね」
鷹森さんのさりげない一言に、ヨットメーカーの 「デヘラー」 が造ったキャンパーに対する彼の畏敬の念が伝わってきた。
私もあのクルマに憧れたクチだから、あまり木工が全面に出てくるクルマでなくても構わないという気持ちが、どこかにある。
ヨットメーカーがお金をふんだんに投入して、マリンのイメージと機能をキャンピングカーに盛り込んだデヘラー。
形としては対極にありながら、その精神は、どこかドルフィンにもつながっているような気がする。
このドルフィンでユニークなのは、リヤサスに標準装備されたエアサスペンション。
エアバッグで車高を調整しようというもの。
ラゲッジルームに重量物を積載したときの尻下がりを防ぐためである。
売りは、このクルマにおいてもコストパフォーマンス。
2WDの5速ミッションで、2,980,000円。
4WDでも3,290,000円。
かつてカムロードをベースとしたカリフォルニア・ドルフィンでは、驚異のコストパフォーマンスが話題になった。
このクルマも、台風の目になるかもしれない。
お台場ショーのデビューでは、まだ8分ほどの仕上がりだった。
来年2月の幕張ショーでは完成形が出るという。
そのときに、「ドルフィン」 を名乗っているかどうかは分からないというが、でも、きっと大海を泳ぎ回るイルカのように、颯爽とした小型キャブコンが誕生していることは間違いない。
2007年11月20日
デュエットT-2
【お勧めキャンカー17 「Duetto T-2」 】
「魔法の小箱」
そんな言葉がすんなり浮かんでくるトレーラーだ。
何が “魔法” なのか?
外と中が大違い。
広さのことである。
この 「デュエット T-2」 というトレーラーは、外から見ると実に小さい。ドローバー部分を入れても全長4.8mだから、かなりコンパクトにまとまっているといえよう。
第一印象では、
「まぁ、可愛い!」
という言葉がすぐ浮かんできそうだ。

▲ 洗練されたモダンテイストを持ちながら、愛くるしい愛嬌もあり、「カッコいい!」 と 「可愛い!」 が両立した稀有なデザイン
ところが、中に入るととてつもなく広い!
視覚のマジックなのだが、キャンピングカーの場合、実測値の広さよりも、視覚的な広さの方がはるかに 「心のゆとり」 が得られる場合が多い。
デュエットT-2ならば、夫婦2人で使う限り、どんなに室内に長くこもっていても、「室内が狭い」 などという不満が出ることは、まずないだろう。
「広さ」 を感じさせる最大の秘密は、迫力あるパノラマ感を演出しているフロントウィンドウ。
横幅ぎりぎりまでに広げられたグラスエリアが、車内をサンルームのような明るさで満たしてくれる。
左右のウィンドウや、リヤウィンドウも、キャブコンナ並みの大きさが与えられており、採光効果は抜群。これだけの窓面積の比率の高いトレーラーも、ちょっと見当たらない。
晴れた日のキャンプ場の芝生サイトなどに止めておけば、フロントウィンドウには青空が広がり、サイドウィンドウには芝生のグリーンが映えて、さぞや気持ちいいだろう。

このトレーラー
果たしてどういう経緯で開発されたのだろうか?
製作しているのはグローバルさんだ。
エクステリアの特徴から、すぐそれを見抜かれた方も多かろう。
ボディ側面には、断熱材を封入しやすいパネル工法が生かされ、それをアールを持たせたコーナーを使ってデザイン的に処理している。キングやユーロスターなどのキャブコンを思わせるスタイルだ。
そのグローバル社の技術を生かし、「あかひら」 の赤平好美社長が、ご自分の構想を導入してまとめあげたのが、このデュエットT-2.
狙いは、ずばりトレーラー版 「ふたりのくるま旅」 。

トレーラー利用者は、ファミリーの比率が多い。
それも、子供が大きくなるにつれ、牽引免許対応型の大型トレーラーに移行するケースが目立ってくる。
しかし、子供が成人してキャンプに着いてこなくなると、トレーラーから卒業してしまうユーザーも多い。高齢になると、重量級トレーラーを大型ヘッドで振り回すことを面倒だと感じる人も出てくるからだ。
それよりも、取り回しがよく、維持費も安い小型の自走式を買って、「気楽に旅したい」 と思うのは人情。
軽キャンカーに注目が集まっているのも、そういうシニアの志向を反映している部分がある。
「しかし、それではつまらなかろう」
と、赤平さんは言う。
定年退職をするぐらいの年齢になれば、あり余るくらいの時間を持てるようになる。
土日しか利用できない現役時代から解放され、気に入った場所にじっくり腰を落ち着ける旅ができるようになるのだ。
ましてや、旅行者の旅先における滞在時間を、国を挙げて増やそうとしているようなご時世。
連泊サービスやシニアサービスのある安いキャンプ場などに腰を落ち着けるような旅では、ヘッドを自由に使って観光地めぐりができるトレーラーが絶対に有利……なのだが、肝心のシニアがなかなかそれに気づかない。
彼らを振り向かせるには、体力・気力の減退を自覚したシニアでも気楽に取り回せる小型トレーラーを開発するしかない。
赤平さんがこのデュエットT-2でやりたかったことは、それだ。
デュエットのような軽量コンパクトなライトトレーラーなら、大げさなヘッドも要らないし、連結状態での取り回しも楽。
プロトタイプの重量は約700kgだが、装備や家具の見直しによって、量産タイプでは650~680kgぐらいまでのスリム化が図れるという。

シニアユースを意識して、レイアウトも “お座敷風” 。
二の字のソファで構成される洋風対面ダイネットが通常の使い方だが、赤平さんのご推奨は、フラットなフルベッド状態であぐらをかき、テーブルを “ちゃぶ台” として使う和風スタイル。
これだと、疲れたときはそのままゴロンと横になれる。
キャンピングカーの中に靴を脱いで入る日本人にとって、この 「やぁ食ったぁ…ゴロン」 感覚は、一番のくつろぎになる。

「今後は、そのものズバリの畳仕様も検討中」
とか。
どのような仕様も思いのままであることが、国産トレーラーのメリット。
トレーラーの世界に、新しいムーブメントが生まれるかもしれない。
「魔法の小箱」
そんな言葉がすんなり浮かんでくるトレーラーだ。
何が “魔法” なのか?
外と中が大違い。
広さのことである。
この 「デュエット T-2」 というトレーラーは、外から見ると実に小さい。ドローバー部分を入れても全長4.8mだから、かなりコンパクトにまとまっているといえよう。
第一印象では、
「まぁ、可愛い!」
という言葉がすぐ浮かんできそうだ。
▲ 洗練されたモダンテイストを持ちながら、愛くるしい愛嬌もあり、「カッコいい!」 と 「可愛い!」 が両立した稀有なデザイン
ところが、中に入るととてつもなく広い!
視覚のマジックなのだが、キャンピングカーの場合、実測値の広さよりも、視覚的な広さの方がはるかに 「心のゆとり」 が得られる場合が多い。
デュエットT-2ならば、夫婦2人で使う限り、どんなに室内に長くこもっていても、「室内が狭い」 などという不満が出ることは、まずないだろう。
「広さ」 を感じさせる最大の秘密は、迫力あるパノラマ感を演出しているフロントウィンドウ。
横幅ぎりぎりまでに広げられたグラスエリアが、車内をサンルームのような明るさで満たしてくれる。
左右のウィンドウや、リヤウィンドウも、キャブコンナ並みの大きさが与えられており、採光効果は抜群。これだけの窓面積の比率の高いトレーラーも、ちょっと見当たらない。
晴れた日のキャンプ場の芝生サイトなどに止めておけば、フロントウィンドウには青空が広がり、サイドウィンドウには芝生のグリーンが映えて、さぞや気持ちいいだろう。
このトレーラー
果たしてどういう経緯で開発されたのだろうか?
製作しているのはグローバルさんだ。
エクステリアの特徴から、すぐそれを見抜かれた方も多かろう。
ボディ側面には、断熱材を封入しやすいパネル工法が生かされ、それをアールを持たせたコーナーを使ってデザイン的に処理している。キングやユーロスターなどのキャブコンを思わせるスタイルだ。
そのグローバル社の技術を生かし、「あかひら」 の赤平好美社長が、ご自分の構想を導入してまとめあげたのが、このデュエットT-2.
狙いは、ずばりトレーラー版 「ふたりのくるま旅」 。
トレーラー利用者は、ファミリーの比率が多い。
それも、子供が大きくなるにつれ、牽引免許対応型の大型トレーラーに移行するケースが目立ってくる。
しかし、子供が成人してキャンプに着いてこなくなると、トレーラーから卒業してしまうユーザーも多い。高齢になると、重量級トレーラーを大型ヘッドで振り回すことを面倒だと感じる人も出てくるからだ。
それよりも、取り回しがよく、維持費も安い小型の自走式を買って、「気楽に旅したい」 と思うのは人情。
軽キャンカーに注目が集まっているのも、そういうシニアの志向を反映している部分がある。
「しかし、それではつまらなかろう」
と、赤平さんは言う。
定年退職をするぐらいの年齢になれば、あり余るくらいの時間を持てるようになる。
土日しか利用できない現役時代から解放され、気に入った場所にじっくり腰を落ち着ける旅ができるようになるのだ。
ましてや、旅行者の旅先における滞在時間を、国を挙げて増やそうとしているようなご時世。
連泊サービスやシニアサービスのある安いキャンプ場などに腰を落ち着けるような旅では、ヘッドを自由に使って観光地めぐりができるトレーラーが絶対に有利……なのだが、肝心のシニアがなかなかそれに気づかない。
彼らを振り向かせるには、体力・気力の減退を自覚したシニアでも気楽に取り回せる小型トレーラーを開発するしかない。
赤平さんがこのデュエットT-2でやりたかったことは、それだ。
デュエットのような軽量コンパクトなライトトレーラーなら、大げさなヘッドも要らないし、連結状態での取り回しも楽。
プロトタイプの重量は約700kgだが、装備や家具の見直しによって、量産タイプでは650~680kgぐらいまでのスリム化が図れるという。
シニアユースを意識して、レイアウトも “お座敷風” 。
二の字のソファで構成される洋風対面ダイネットが通常の使い方だが、赤平さんのご推奨は、フラットなフルベッド状態であぐらをかき、テーブルを “ちゃぶ台” として使う和風スタイル。
これだと、疲れたときはそのままゴロンと横になれる。
キャンピングカーの中に靴を脱いで入る日本人にとって、この 「やぁ食ったぁ…ゴロン」 感覚は、一番のくつろぎになる。
「今後は、そのものズバリの畳仕様も検討中」
とか。
どのような仕様も思いのままであることが、国産トレーラーのメリット。
トレーラーの世界に、新しいムーブメントが生まれるかもしれない。
2007年11月17日
アトランティス
【お勧めキャンカー16 「 ATLANTIS 」 】
日産ピーズフィールドクラフトの野望。
新型アトラスをベースにした 「アトランティス」 というクルマを見ていたら、ふとそんな言葉が浮かんだ。
「野望」 などという言葉を使うと、何やら下品でワルっぽいイメージを抱く人がいるかもしれない。
しかし、「野望」 は 「希望」 のスケールがでっかくなった時の言葉である。
「希望」 が口を開けて待つものだとしたら、「野望」 は自ら進んで取りに行くものだ。
カッコいい言葉なんである。
KOEIの戦国時代ゲーム 『信長の野望』 が変らぬ人気を集めているのは、それが 「野望」 だからだ。 『信長の希望』 だったら、きっと誰も遊ばないだろう。
で、ピーズさんの野望。
アトランティスを引っさげて、お台場のショーに乗り込んできた日産ピーズさんには、
「やがて、国産キャブコンのアタマを取ってやる!」
ぐらいの気迫が感じられた。

なにしろ、ベース車のニューアトラスは、この7月にリリースされたばかり。
それが10月末の 「東京トラックショー」 では、もうシェルを積んだキャブコンの形でデビューしている。
開発期間は、正味2ヶ月ほど。
この異例の開発スピードは、このクルマが、実はそうとう前から密かに企画されていたことを物語っている。
そうでなければ、あれほどの完成度の高さは生まれない。
「これがキャブコンの初挑戦? ウソでしょ?」
と言いたくなるほどだ。
開発担当者の畑中一夫取締役に、そこのところを聞いてみた。
「すでに3年ほど前からの構想だった」
という。

今までのピーズクラフトさんの開発するクルマは、キャラバンやセレナをベースに、簡易的な装備を組み込んだライトキャンパー的なものが多かった。
「しかし、いつかはキャブコンからバンコンまでを揃える総合メーカーとして名乗りを挙げたい。それも、カムロードやハイエースが主流の国産キャンピングカーシーンにおいて、日産ベース車の凄さをキャンピングカーの分野で訴えたい」
そういう畑中さんの気持ちは、すでに3年ぐらい前に固まっていた。
あの世評の高いキャラバンベースのバンコン 「グルーヴィー」 も、ある意味で、このアトランティスを開発するための準備だったという。
グルーヴィーのような本格的な家具を搭載するキャンピングカーを、どこまで緻密に仕上げることができるか。その正否が、次のジャンプの距離を決める。
畑中さんは、それに賭けた。
幸いなことに、グルーヴィーの成功は、このアトランティスの開発を自信をもって進めることにつながった。

実際、このアトランティスを眺めていると新鮮だ。
あきらかに、カムロードとは違うたたずまいのキャブコンが生まれている。
ベース車自体にエッジが立っている。
それに合わせて、シェルも、スクエアなフォルムに凛々しさを湛えたバランスの良いデザインにまとまっている。
全長は4.96m。全幅1.96m。
5m×2mの規格をわずかに縮め、取り回しの良さを追求している。
ターニングサークルは4.4m。
これは、日産車でいえばキューブの回転半径だ。
小回りの利くキャブコンであることが、それからも分かる。
エンジンは2リッターのガソリンと、3リッターのディーゼルターボ。新長期排ガス規制をクリアしたものだ。
特にディーゼル車は、時速100~120㎞ぐらいの巡航速度で走っていても、そこからスロットルを踏み込めば、さらに力強く加速していくというから頼もしい。
カムロードのように、キャンパーシャシーが開発されているわけではないので、ワイドトレッドのような設定はない。
しかし、リヤサスペンションには、耐過重性を強化した重荷重サスペンションの設定がある。
「ちょっと、今の国産車の主流シャシーでは太刀打ちできないほどの素晴らしいコーナリングですよ」
と、暗にカムロードを指しているのか、畑中さんは胸を張る。
このあたりは、まだ試していないので、まぁ、言葉を信じよう。
室内レイアウトは、オーソドックス路線。
対面ダイネットにリヤ2段ベッド。
それによって、7人乗車の7人就寝が実現されている。

最初のキャブコンなので、奇をてらうより、いちばん需要の多いところを狙ったとのこと。
「どこにでもある定番レイアウトのなかで、いかにピーズクラフトらしさを出すか」
それが最大の課題だったとも。
勝負ポイントのひとつは質感。
樺 (かば) の天然木を使った木工家具は、造りの精度の高さ、仕上げの緻密さで上級キャブコンとしての貫禄は十分だ。
シート地は、大胆なチェーン柄で、オレンジの縁取りが回っている。
派手だ。
しかし、楽しい。
エントランスドアを開けて、中を覗き込んだだけで、このクルマの放つ強烈な個性が目を捉えて離さない。
イベントで展示されたとき、きっとこの柄を記憶にとどめる見学者は多いことだろう。

勝負ポイントの二つ目は、きめ細やかな 「便利装備」 。
たとえば、エントランス脇に設定されている傘立て。
単座シートの上に展開できるフライングテーブル。
電子レンジの専用スペースも、あらかじめ寸法取りをされた上でギャレー上に設定されている。
プロトタイプに近いモデルなので、シンクなどはさらに使い勝手をよくしたツインバーナー一体型のものに変更されるという。

エクステリアの話に戻るが、スカート部ももう少し短く切られて、段差のある路面をまたいでも擦らない形状のものに変更される予定。
いくつかの改良点は出るようだが、基本形は完成の域に達している。
これなら、熟成するのも早いはずだ。
今後パリエーションが追加されるようになってくれば、カムロード系キャブコン勢もうかうかしてはいられない。
アトランティスの完成度を見て、すでに、新型アトラスに注目しているビルダーは多い。
おりしも、ベース車としてはライバルに当たるカムロードもモデルチェンジを遂げたばかり。
日産アトラス VS トヨタカムロード。
この対決が、国産キャブコンシーンに新しい刺激を与えてくれることは間違いないだろう。
ちなみに、アトランティスのお値段は、
2WD 2000cc ガソリン 5AT 5,480,000円。
2WD 3000cc ディーゼルターボ 6AMT 5,860,000円。
関連記事 「グルーヴィー」
日産ピーズフィールドクラフトの野望。
新型アトラスをベースにした 「アトランティス」 というクルマを見ていたら、ふとそんな言葉が浮かんだ。
「野望」 などという言葉を使うと、何やら下品でワルっぽいイメージを抱く人がいるかもしれない。
しかし、「野望」 は 「希望」 のスケールがでっかくなった時の言葉である。
「希望」 が口を開けて待つものだとしたら、「野望」 は自ら進んで取りに行くものだ。
カッコいい言葉なんである。
KOEIの戦国時代ゲーム 『信長の野望』 が変らぬ人気を集めているのは、それが 「野望」 だからだ。 『信長の希望』 だったら、きっと誰も遊ばないだろう。
で、ピーズさんの野望。
アトランティスを引っさげて、お台場のショーに乗り込んできた日産ピーズさんには、
「やがて、国産キャブコンのアタマを取ってやる!」
ぐらいの気迫が感じられた。
なにしろ、ベース車のニューアトラスは、この7月にリリースされたばかり。
それが10月末の 「東京トラックショー」 では、もうシェルを積んだキャブコンの形でデビューしている。
開発期間は、正味2ヶ月ほど。
この異例の開発スピードは、このクルマが、実はそうとう前から密かに企画されていたことを物語っている。
そうでなければ、あれほどの完成度の高さは生まれない。
「これがキャブコンの初挑戦? ウソでしょ?」
と言いたくなるほどだ。
開発担当者の畑中一夫取締役に、そこのところを聞いてみた。
「すでに3年ほど前からの構想だった」
という。
今までのピーズクラフトさんの開発するクルマは、キャラバンやセレナをベースに、簡易的な装備を組み込んだライトキャンパー的なものが多かった。
「しかし、いつかはキャブコンからバンコンまでを揃える総合メーカーとして名乗りを挙げたい。それも、カムロードやハイエースが主流の国産キャンピングカーシーンにおいて、日産ベース車の凄さをキャンピングカーの分野で訴えたい」
そういう畑中さんの気持ちは、すでに3年ぐらい前に固まっていた。
あの世評の高いキャラバンベースのバンコン 「グルーヴィー」 も、ある意味で、このアトランティスを開発するための準備だったという。
グルーヴィーのような本格的な家具を搭載するキャンピングカーを、どこまで緻密に仕上げることができるか。その正否が、次のジャンプの距離を決める。
畑中さんは、それに賭けた。
幸いなことに、グルーヴィーの成功は、このアトランティスの開発を自信をもって進めることにつながった。
実際、このアトランティスを眺めていると新鮮だ。
あきらかに、カムロードとは違うたたずまいのキャブコンが生まれている。
ベース車自体にエッジが立っている。
それに合わせて、シェルも、スクエアなフォルムに凛々しさを湛えたバランスの良いデザインにまとまっている。
全長は4.96m。全幅1.96m。
5m×2mの規格をわずかに縮め、取り回しの良さを追求している。
ターニングサークルは4.4m。
これは、日産車でいえばキューブの回転半径だ。
小回りの利くキャブコンであることが、それからも分かる。
エンジンは2リッターのガソリンと、3リッターのディーゼルターボ。新長期排ガス規制をクリアしたものだ。
特にディーゼル車は、時速100~120㎞ぐらいの巡航速度で走っていても、そこからスロットルを踏み込めば、さらに力強く加速していくというから頼もしい。
カムロードのように、キャンパーシャシーが開発されているわけではないので、ワイドトレッドのような設定はない。
しかし、リヤサスペンションには、耐過重性を強化した重荷重サスペンションの設定がある。
「ちょっと、今の国産車の主流シャシーでは太刀打ちできないほどの素晴らしいコーナリングですよ」
と、暗にカムロードを指しているのか、畑中さんは胸を張る。
このあたりは、まだ試していないので、まぁ、言葉を信じよう。
室内レイアウトは、オーソドックス路線。
対面ダイネットにリヤ2段ベッド。
それによって、7人乗車の7人就寝が実現されている。
最初のキャブコンなので、奇をてらうより、いちばん需要の多いところを狙ったとのこと。
「どこにでもある定番レイアウトのなかで、いかにピーズクラフトらしさを出すか」
それが最大の課題だったとも。
勝負ポイントのひとつは質感。
樺 (かば) の天然木を使った木工家具は、造りの精度の高さ、仕上げの緻密さで上級キャブコンとしての貫禄は十分だ。
シート地は、大胆なチェーン柄で、オレンジの縁取りが回っている。
派手だ。
しかし、楽しい。
エントランスドアを開けて、中を覗き込んだだけで、このクルマの放つ強烈な個性が目を捉えて離さない。
イベントで展示されたとき、きっとこの柄を記憶にとどめる見学者は多いことだろう。
勝負ポイントの二つ目は、きめ細やかな 「便利装備」 。
たとえば、エントランス脇に設定されている傘立て。
単座シートの上に展開できるフライングテーブル。
電子レンジの専用スペースも、あらかじめ寸法取りをされた上でギャレー上に設定されている。
プロトタイプに近いモデルなので、シンクなどはさらに使い勝手をよくしたツインバーナー一体型のものに変更されるという。
エクステリアの話に戻るが、スカート部ももう少し短く切られて、段差のある路面をまたいでも擦らない形状のものに変更される予定。
いくつかの改良点は出るようだが、基本形は完成の域に達している。
これなら、熟成するのも早いはずだ。
今後パリエーションが追加されるようになってくれば、カムロード系キャブコン勢もうかうかしてはいられない。
アトランティスの完成度を見て、すでに、新型アトラスに注目しているビルダーは多い。
おりしも、ベース車としてはライバルに当たるカムロードもモデルチェンジを遂げたばかり。
日産アトラス VS トヨタカムロード。
この対決が、国産キャブコンシーンに新しい刺激を与えてくれることは間違いないだろう。
ちなみに、アトランティスのお値段は、
2WD 2000cc ガソリン 5AT 5,480,000円。
2WD 3000cc ディーゼルターボ 6AMT 5,860,000円。
関連記事 「グルーヴィー」
2007年11月16日
ファー
【お勧めキャンカー15 「 F a r 」 】
Far
はるかに。
遠くに。
キャロル・キングが、「Sor Far Way」 …なんて歌うのを聞くと、涙が出てきちゃう。

26歳のとき、女にフラれてクルマを買った。
当時トヨタで売っていたスターレットSTという一番小さいクーペ。
気を紛らわす “おもちゃ” が欲しかったのだ。
それに乗って、毎日よく走った。
平日の夜は、ネオンまたたく六本木、原宿へ。
休日は、峠を越え、林道を走り、海岸に降りて、ひなびた漁村へ。
東京から18号線を一晩走って新潟へ抜け、日本海を眺めてトンボ帰りなんてこともあった。
So Far Way
とにかく、「こんな遠いところまで来た」 という実感が欲しかったのだ。
あの時、もし女にフラれていなかったら、私はもっと自動車と別の出会い方をしていたように思う。
仕事のために、必要に迫られて買ったか。
家庭を持って、家族を楽しませるために買ったか。
いずれにせよ、自動車は 「生活のツール」 に過ぎなかったかもしれない。
しかし、私は自動車と幸せな出会い方をした。
それは最初から、So Far Way を教えてくれるロマンそのものとしてあったからだ。
で、何の話だっけ?
そうそう。
お台場くるま旅パラダイスで見た 「Far」 というクルマの話。

ピックアップキャビンの専門店であるミスティックさんは、いつもとてつもない発想の商品開発を試みる会社である。
アルミサイディングで軽量化を図った唯一の国産ピックアップキャビンであるJキャビン。
タンドラを逆輸入してシェルを載せたTキャンパーやJキャビンFT。
同社が開発したウィンピュアJ'sなどは、バンコンへの初挑戦ながら、そのユニークな開発コンセプトがまずマニアに認められ、今ではいちばん合理的なレイアウトを持つ人気商品として認知されるにいたった。
で、この 「ファー」 。
今回、お台場でいろいろな新型キャンピングカーを見たけれど、いちばん衝撃を受けたのが、実は、この搭載装備がほとんどない 「ファー」 だった。
キャンピングカーではない。
「寝られる乗用車」 にすぎない。
でもそれは、ひたすら遠くに行くことだけを願って走り続けた、20代の自分が求めていた自動車だった。
「ファー」 のベースはトヨタのサクシード。
展示車は5ナンバーワゴンだが、もともとメインユースを商用車に置いたクルマだ。
だから、造りは素っ気ない。
しかし、そこがまたいい。 「男の仕事場」 の匂いがする。ファミリーユースを考慮したセダンやワンボックスにない 「色気」 がある。
もし、これが乗用ユースのカローラ・フィルダーあたりだったら、逆にこの 「男の色気」 はなかったろう。
若い人はそんなところに敏感だから、このクルマはけっこうローダウン仕様にされて、ビレットグリルを付けたカスタムカーのベースになったりもしている。
それに、こいつはよく走る。
今年の春、まとまった荷物を運ぶ必要があったので、姉妹車のプロボックスのレンタカーを借りた。
ひぇ、韋駄天!
仕事で走る人たちのストレスを軽減するために企画されたクルマは、乗用車の 「ファン・トゥ・ドライブ」 などとは違った快適性がある。
次の配達先に、何時までにたどり着けるか。
どの道を選べば、渋滞を避けられるか。
そんなことばかり気にしているドライバーを尻目に、このクルマは、黙々と正確なリズムを刻むデジタル時計のような律儀さで疾走する。 「頼りになる相棒」 が寄り添ってくれる感じだ。
乗りなれてくると、アクセサリーだけがゴージャスな乗用セダンが、なんとものんきな乗り物に思えてくる。
ファーは、基本的にベッドスペースとして使える荷室があるだけのクルマだ。
ただ、顧客の希望によって、ベッドマット、FFヒーター、サブバッテリー、冷蔵庫、テレビ、ルーフオンテントなどが付けられる。
ユニークなのは、それぞれの装備がみなパーツ売りになっているところ。
ベッドマットだけ欲しい人は、それを単体で買うことができる。

簡素といえば簡素な架装だが、パーツ一つひとつは凝っている。
ベッドマットひとつとっても、沈み込むことなく、固すぎることもなく、ほどよ寝心地を確保したものがしっかり選ばれているし、ベバストヒーターやバッテリー収納スペースもコンパクトに収まるよう工夫が施されている。
ヒーターと簡易テーブル、それに5.5リッターの冷蔵庫とテレビがあれば、このクルマで 「あと何がいる?」 って感じ。

ベッド長はいちばん長いところで1800㎜。ラウンドした左右の端っこでも、1730取れている。
姉妹車のプロボックスの設定もあるが、プロボックスはサクシードよりも荷室長が20㎜ほど短い。
だから、ベッド長を確保するとなると、サクシードの方がベター。このクラスでは最大級の荷室長が確保されている。

キャブコンで独り旅を楽しむこともあるけれど、そこには何かが欠如している。
「家族」 が欠如しているのだ。
たとえ5m未満のキャブコンであっても、独り旅のときにふと後ろを振り返ると、あのダイネットやキッチンを持つ空間が、よけい家族の不在を物語ってしまう。
しかし、このファーのようなクルマは、振り返っても素っ気ない空間があるだけだから、逆に家族が不在であるという淋しさとも無縁。
むしろ、独り旅の解放感を与えてくれる。
お台場くるま旅パラダイスの会場で、夜、ファーを企画したミスティックの佐藤社長のパーティに顔を出した。
「なんで、Farという名前にしたんですか?」
と聞いた。
「小さいときから、Far …遠くへ、という語感が好きだったんですよ。いつも遠くへ行きたいという思いがあったから」
ふ~ん。
乗り物が好きな人には、こういう人が多い。
「ここに同士がいた!」 という思いを強くした。
参考記事 「ウィンピュアJ's」
参考記事 「これぞトラキャン」
Far
はるかに。
遠くに。
キャロル・キングが、「Sor Far Way」 …なんて歌うのを聞くと、涙が出てきちゃう。
26歳のとき、女にフラれてクルマを買った。
当時トヨタで売っていたスターレットSTという一番小さいクーペ。
気を紛らわす “おもちゃ” が欲しかったのだ。
それに乗って、毎日よく走った。
平日の夜は、ネオンまたたく六本木、原宿へ。
休日は、峠を越え、林道を走り、海岸に降りて、ひなびた漁村へ。
東京から18号線を一晩走って新潟へ抜け、日本海を眺めてトンボ帰りなんてこともあった。
So Far Way
とにかく、「こんな遠いところまで来た」 という実感が欲しかったのだ。
あの時、もし女にフラれていなかったら、私はもっと自動車と別の出会い方をしていたように思う。
仕事のために、必要に迫られて買ったか。
家庭を持って、家族を楽しませるために買ったか。
いずれにせよ、自動車は 「生活のツール」 に過ぎなかったかもしれない。
しかし、私は自動車と幸せな出会い方をした。
それは最初から、So Far Way を教えてくれるロマンそのものとしてあったからだ。
で、何の話だっけ?
そうそう。
お台場くるま旅パラダイスで見た 「Far」 というクルマの話。
ピックアップキャビンの専門店であるミスティックさんは、いつもとてつもない発想の商品開発を試みる会社である。
アルミサイディングで軽量化を図った唯一の国産ピックアップキャビンであるJキャビン。
タンドラを逆輸入してシェルを載せたTキャンパーやJキャビンFT。
同社が開発したウィンピュアJ'sなどは、バンコンへの初挑戦ながら、そのユニークな開発コンセプトがまずマニアに認められ、今ではいちばん合理的なレイアウトを持つ人気商品として認知されるにいたった。
で、この 「ファー」 。
今回、お台場でいろいろな新型キャンピングカーを見たけれど、いちばん衝撃を受けたのが、実は、この搭載装備がほとんどない 「ファー」 だった。
キャンピングカーではない。
「寝られる乗用車」 にすぎない。
でもそれは、ひたすら遠くに行くことだけを願って走り続けた、20代の自分が求めていた自動車だった。
「ファー」 のベースはトヨタのサクシード。
展示車は5ナンバーワゴンだが、もともとメインユースを商用車に置いたクルマだ。
だから、造りは素っ気ない。
しかし、そこがまたいい。 「男の仕事場」 の匂いがする。ファミリーユースを考慮したセダンやワンボックスにない 「色気」 がある。
もし、これが乗用ユースのカローラ・フィルダーあたりだったら、逆にこの 「男の色気」 はなかったろう。
若い人はそんなところに敏感だから、このクルマはけっこうローダウン仕様にされて、ビレットグリルを付けたカスタムカーのベースになったりもしている。
それに、こいつはよく走る。
今年の春、まとまった荷物を運ぶ必要があったので、姉妹車のプロボックスのレンタカーを借りた。
ひぇ、韋駄天!
仕事で走る人たちのストレスを軽減するために企画されたクルマは、乗用車の 「ファン・トゥ・ドライブ」 などとは違った快適性がある。
次の配達先に、何時までにたどり着けるか。
どの道を選べば、渋滞を避けられるか。
そんなことばかり気にしているドライバーを尻目に、このクルマは、黙々と正確なリズムを刻むデジタル時計のような律儀さで疾走する。 「頼りになる相棒」 が寄り添ってくれる感じだ。
乗りなれてくると、アクセサリーだけがゴージャスな乗用セダンが、なんとものんきな乗り物に思えてくる。
ファーは、基本的にベッドスペースとして使える荷室があるだけのクルマだ。
ただ、顧客の希望によって、ベッドマット、FFヒーター、サブバッテリー、冷蔵庫、テレビ、ルーフオンテントなどが付けられる。
ユニークなのは、それぞれの装備がみなパーツ売りになっているところ。
ベッドマットだけ欲しい人は、それを単体で買うことができる。
簡素といえば簡素な架装だが、パーツ一つひとつは凝っている。
ベッドマットひとつとっても、沈み込むことなく、固すぎることもなく、ほどよ寝心地を確保したものがしっかり選ばれているし、ベバストヒーターやバッテリー収納スペースもコンパクトに収まるよう工夫が施されている。
ヒーターと簡易テーブル、それに5.5リッターの冷蔵庫とテレビがあれば、このクルマで 「あと何がいる?」 って感じ。
ベッド長はいちばん長いところで1800㎜。ラウンドした左右の端っこでも、1730取れている。
姉妹車のプロボックスの設定もあるが、プロボックスはサクシードよりも荷室長が20㎜ほど短い。
だから、ベッド長を確保するとなると、サクシードの方がベター。このクラスでは最大級の荷室長が確保されている。
キャブコンで独り旅を楽しむこともあるけれど、そこには何かが欠如している。
「家族」 が欠如しているのだ。
たとえ5m未満のキャブコンであっても、独り旅のときにふと後ろを振り返ると、あのダイネットやキッチンを持つ空間が、よけい家族の不在を物語ってしまう。
しかし、このファーのようなクルマは、振り返っても素っ気ない空間があるだけだから、逆に家族が不在であるという淋しさとも無縁。
むしろ、独り旅の解放感を与えてくれる。
お台場くるま旅パラダイスの会場で、夜、ファーを企画したミスティックの佐藤社長のパーティに顔を出した。
「なんで、Farという名前にしたんですか?」
と聞いた。
「小さいときから、Far …遠くへ、という語感が好きだったんですよ。いつも遠くへ行きたいという思いがあったから」
ふ~ん。
乗り物が好きな人には、こういう人が多い。
「ここに同士がいた!」 という思いを強くした。
参考記事 「ウィンピュアJ's」
参考記事 「これぞトラキャン」
2007年11月14日
新型ジル
【お勧めキャンカー14 「ジル」 】
ジルの開発陣って、大変な苦労を背負っているだろうな…と思う。
このクルマには、追いかける目標がないからだ。
…というか、常に追いかけられる宿命を背負ったクルマなので、ジルが追いかけるのは、強いていえば、ジル自身でしかない。
もともとバンテック車は、「ヨーロッパ志向」 といわれるが、内装デザインや装備類は外国のものを真似できても、どだいベース車が違う。
つまり、コンセプトメイクのお手本が外国にもない。
そういった中で、国産キャブコンのトップランナーとして走り続けるのは並大抵のことではなかったろう。
なにしろ、人気に甘えて変化を嫌ってはファンに飽きられる。かといって進み過ぎては、今までの支持層を失ってしまう。
高級志向を目指すにしても、価格は抑えなければならない。
いっそ、新しいコンセプトのクルマを最初から造りあげた方が、ナンボ楽か…。
開発陣はいつもそんな気持ちでいるのではなかろうか。

で、「お台場くるま旅パラダイス」 で登場したニュージル。
いやぁ、うまいチェンジだなぁ…と唸らざるを得ない。
ある意味で 「キープコンセプト」 。
基本レイアウトは変わらない。
ジル520や、ジル480があったればこそ追求できたスタイルだ。
しかし、細部はガラッと大胆に変っていて、機能は 「新型車」 。
まぁ、お見事ですね。
▼ ベース車は、新長期排気ガス規制をクリアしたニューカムロード。
前モデルと比べて一目で分かる外観上の変更点は、まずボディ左サイドの大型外部収納庫。スライド式に引き出せるようになっただけでなく、その容量がビッグ! 5mクラスのキャブコンでは、もう 「大胆!」 といえるほどの容量を確保している。
プロトタイプのこの現車の場合は、いちおう耐荷重は100㎏とのこと。レールの補強が行われるらしいので、耐荷重はさらにUPすることだろう。
水抜き穴もあるので、濡れ物の収納も安心。

▲ リヤにもスライドレールが装着されて、こちらはゴミ箱専用ボックス (ゴミトン) が付く予定。
キャンピングカーの 「ゴミ持ち帰り」 キャンペーンが浸透していくにしたがって、こういうハード側の対応を進めるビルダーが増えた。
▼ 室内のグレード感が上がった。
前モデルより、テーブルが若干小ぶりになった分、通路が広く取られるようになった。
オーバーヘッドコンソールボックスのラウンドした扉の形状など、その完成度は、もうジルならでは。
家具色は濃い目になっている。
これは最近のヨーロッパ上級モデルの傾向を反映したもの。ジル520Eで初めて採用されたLEDダウンライトが標準になっている。
シート地もシック。
全体的に成熟してきたという感じで、「大人の落ち着き」 が漂う。

▼ 見違えるように進化したのはトイレ・シャワールーム。
扉上方にあるロックを解除すれば、開口部が広がるようになっている。身体の弱ったお年寄りなども、これで楽にトイレ・シャワールームを使うことができる。

トイレ・シャワールームは清潔感に溢れていて、かつ機能的。
そしてハイセンス。
かつてのベガや、ジル520Eで採用された陶器製シンクが、ハイネックの蛇口とマッチングしてヨーロッパ車のムードだ。
カセットトイレは、電動水洗式の首振りタイプ。いちいちポンプを押さなくてすむので楽。

▲ ジルの伝統となったリヤギャレー。
キッチンカウンターのエレガントなラウンドシェイプが高級感を演出するとともに、エントランスから入る人の動線を確保する。
▼ ギャレー下のエントランスステップ。
ステップボードを埋め込むことで、床面積を広げることができる。

ジルが、国産キャブコンのひとつの 「目標」 になっているという現実は、この新型車においても揺るぎないものと見た。
このクルマがあったればこそ、多くの国産キャブコンは、ジルと違った方向でそれぞれの個性を磨いていくことができる。
お台場デビューでは、まだ資料の用意がなった。
おそらくバンテックさんのこと、近々充実したパンフレットができることと思う。
参考記事 「ZILのデザイン」
参考記事 「ジル520E」
参考記事 「車のつぶやき」
ジルの開発陣って、大変な苦労を背負っているだろうな…と思う。
このクルマには、追いかける目標がないからだ。
…というか、常に追いかけられる宿命を背負ったクルマなので、ジルが追いかけるのは、強いていえば、ジル自身でしかない。
もともとバンテック車は、「ヨーロッパ志向」 といわれるが、内装デザインや装備類は外国のものを真似できても、どだいベース車が違う。
つまり、コンセプトメイクのお手本が外国にもない。
そういった中で、国産キャブコンのトップランナーとして走り続けるのは並大抵のことではなかったろう。
なにしろ、人気に甘えて変化を嫌ってはファンに飽きられる。かといって進み過ぎては、今までの支持層を失ってしまう。
高級志向を目指すにしても、価格は抑えなければならない。
いっそ、新しいコンセプトのクルマを最初から造りあげた方が、ナンボ楽か…。
開発陣はいつもそんな気持ちでいるのではなかろうか。
で、「お台場くるま旅パラダイス」 で登場したニュージル。
いやぁ、うまいチェンジだなぁ…と唸らざるを得ない。
ある意味で 「キープコンセプト」 。
基本レイアウトは変わらない。
ジル520や、ジル480があったればこそ追求できたスタイルだ。
しかし、細部はガラッと大胆に変っていて、機能は 「新型車」 。
まぁ、お見事ですね。
▼ ベース車は、新長期排気ガス規制をクリアしたニューカムロード。
前モデルと比べて一目で分かる外観上の変更点は、まずボディ左サイドの大型外部収納庫。スライド式に引き出せるようになっただけでなく、その容量がビッグ! 5mクラスのキャブコンでは、もう 「大胆!」 といえるほどの容量を確保している。
プロトタイプのこの現車の場合は、いちおう耐荷重は100㎏とのこと。レールの補強が行われるらしいので、耐荷重はさらにUPすることだろう。
水抜き穴もあるので、濡れ物の収納も安心。
▲ リヤにもスライドレールが装着されて、こちらはゴミ箱専用ボックス (ゴミトン) が付く予定。
キャンピングカーの 「ゴミ持ち帰り」 キャンペーンが浸透していくにしたがって、こういうハード側の対応を進めるビルダーが増えた。
▼ 室内のグレード感が上がった。
前モデルより、テーブルが若干小ぶりになった分、通路が広く取られるようになった。
オーバーヘッドコンソールボックスのラウンドした扉の形状など、その完成度は、もうジルならでは。
家具色は濃い目になっている。
これは最近のヨーロッパ上級モデルの傾向を反映したもの。ジル520Eで初めて採用されたLEDダウンライトが標準になっている。
シート地もシック。
全体的に成熟してきたという感じで、「大人の落ち着き」 が漂う。
▼ 見違えるように進化したのはトイレ・シャワールーム。
扉上方にあるロックを解除すれば、開口部が広がるようになっている。身体の弱ったお年寄りなども、これで楽にトイレ・シャワールームを使うことができる。
トイレ・シャワールームは清潔感に溢れていて、かつ機能的。
そしてハイセンス。
かつてのベガや、ジル520Eで採用された陶器製シンクが、ハイネックの蛇口とマッチングしてヨーロッパ車のムードだ。
カセットトイレは、電動水洗式の首振りタイプ。いちいちポンプを押さなくてすむので楽。
▲ ジルの伝統となったリヤギャレー。
キッチンカウンターのエレガントなラウンドシェイプが高級感を演出するとともに、エントランスから入る人の動線を確保する。
▼ ギャレー下のエントランスステップ。
ステップボードを埋め込むことで、床面積を広げることができる。
ジルが、国産キャブコンのひとつの 「目標」 になっているという現実は、この新型車においても揺るぎないものと見た。
このクルマがあったればこそ、多くの国産キャブコンは、ジルと違った方向でそれぞれの個性を磨いていくことができる。
お台場デビューでは、まだ資料の用意がなった。
おそらくバンテックさんのこと、近々充実したパンフレットができることと思う。
参考記事 「ZILのデザイン」
参考記事 「ジル520E」
参考記事 「車のつぶやき」
2007年11月13日
人気車ベスト10?
このサイトを管理されているホビダスさんが、アクセス解析の負荷低減を行ってくれたおかげで、解析がかなり楽になった。
今まで5分以上も待機させられていたところを、2分ぐらいで開けるようになったので、だいぶ助かる。
そこで、久しぶりに 「検索ワード」 を覗いてみると、う~ん! なかなか面白い。
このブログにお越しいただく方が、どんな情報を求めてここにたどりつかれたか。
多い用語順に並べてみると、
1位は 「軽キャン」 という言葉。
今年の5月からこの11月13日までの統計を取ってみると、この 「軽キャン」 という言葉でここに来られた方が933人いらっしゃる。
次が 「軽キャンカー」 (826人)
要は、軽自動車のキャンピングカー情報を求めてこのブログを開かれた方がそれだけ多いことになるが、
ちなみに、
「軽自動車キャンパー」
「キャンピングカー軽」
「軽キャンカー車中泊」
「軽キャンピングカー登録」
などという、軽自動車キャンピングカーに関わる言葉をすべてあわせてみると、その総数は2,591件。
さらに、具体的な車種名を加えると、ざっと3,500を超えそうである。
その他の用語で多いのは、
「エアサス」 (320)
「小型キャンピングカー」 (296)
「ピックアップキャビン」 (184)
といったキャンピングカー系の用語。
キャンピングカーとは異なるジャンルの言葉では、
「混浴温泉撮影」 (169)
「炎の門」 (小説 121)
「塔の岩オートキャンプ場」 (192)
「午後の最後の芝生」 (小説 82)
といった用語が目立つ。
そこで、ちょっといたずら心を起こして、キャンピングカーの人気車 (?) を調べてみることにした。
もちろん、単なる 「検索ワード」 で引っかかった車名に過ぎないので、一般的な人気投票とは異なる。さらに、あくまでもこのブログに登場した車名なので、ここで触れていない車種名は、当然入らない。
しかし、現在多くの人が 「情報」 として求めている車種の傾向ぐらいは分かるかもしれない。
で、その順位というと、

① アミティ (560件) LX、RR等すべて含む
② グルーヴィ (272件) 日産キャンピングカー グルービー
③ トライキャンパー (215件)
④ テントむし (189件)
⑤ マンボウジュニア (159件)
⑥ エルア・ルミ (101件)
⑦ コング (78件)
⑧ コルド・ディナモ (63件)
⑨ ハイマーモービル (57件)
⑩ エアストリーム (51件)
小型キャブコンブームを反映して、アミティのダントツぶりがよく分かる。
それ以外は、やはり軽キャンカーが強い。
そんななかで健闘しているのが、日産ピーズフィールドクラフトさんのグルーヴィ。ハイエースのエルア・ルミを引き離して、2位を獲得。
キャブコン勢では、コルド・ディナモの関心が高いのも面白い。
ちなみに、20位までを発表すると下記のとおり。
⑪ ラクーン
⑫ コング
⑬ グランドバッハ
⑭ プレタポルテ
⑮ クライムジャンパー
⑯ セレンゲティ
⑰ フレックスランドナー
⑱ ジャストK3
⑲ ネオカプリス
⑳ K-ai
この集計は、今年の5月からのものなので、それ以前に結構アクセス件数を誇っていた車種もあったが、ここでは含まない。
昨年だったら、「デイブレイク」 とか、「ジル」 などという常連があったが、ホビダスさんのアクセス解析が 「半年まで」 と限定されてしまったために、それ以前のデータはアップできなかった。
また、面倒くさいので、アクセス件数1ケタ台のものは省いてしまった。
「グローバルの新型クラスA」
「千葉のショップ スライドアウトクラスC」
「鹿児島の軽キャンカー」
「レクビィのシャワー室バンコン」
…などという用語もたくさんあって、それを丹念に拾っていくと、また別の結果になりそうな気もするのだが、そのような1ケタ用語を300語も400語も拾っていく気力と体力はなかった。
名前の浸透度の高いクルマは、ズバっと車名だけでアクセスされてくるけれど、そうでないクルマの場合は、語尾に 「?」 が付いていたり、車名の前に 「キャンピングカー」 という言葉が付いていたり、さらにビルダー名が付いていたりする。
そうなると、それは検索ワードとしては1ケタ台に下がってしまう。
それらをていねいに集めると、ベスト10に上がりそうなクルマもあるのだが、今回はちょっとご勘弁を。
この “人気投票” 、もちろんブログに登場したキャンピングカーだけを対象としたもので、けっして普遍性のある 「人気ランキング」 ではありません。
念のため。
今まで5分以上も待機させられていたところを、2分ぐらいで開けるようになったので、だいぶ助かる。
そこで、久しぶりに 「検索ワード」 を覗いてみると、う~ん! なかなか面白い。
このブログにお越しいただく方が、どんな情報を求めてここにたどりつかれたか。
多い用語順に並べてみると、
1位は 「軽キャン」 という言葉。
今年の5月からこの11月13日までの統計を取ってみると、この 「軽キャン」 という言葉でここに来られた方が933人いらっしゃる。
次が 「軽キャンカー」 (826人)
要は、軽自動車のキャンピングカー情報を求めてこのブログを開かれた方がそれだけ多いことになるが、
ちなみに、
「軽自動車キャンパー」
「キャンピングカー軽」
「軽キャンカー車中泊」
「軽キャンピングカー登録」
などという、軽自動車キャンピングカーに関わる言葉をすべてあわせてみると、その総数は2,591件。
さらに、具体的な車種名を加えると、ざっと3,500を超えそうである。
その他の用語で多いのは、
「エアサス」 (320)
「小型キャンピングカー」 (296)
「ピックアップキャビン」 (184)
といったキャンピングカー系の用語。
キャンピングカーとは異なるジャンルの言葉では、
「混浴温泉撮影」 (169)
「炎の門」 (小説 121)
「塔の岩オートキャンプ場」 (192)
「午後の最後の芝生」 (小説 82)
といった用語が目立つ。
そこで、ちょっといたずら心を起こして、キャンピングカーの人気車 (?) を調べてみることにした。
もちろん、単なる 「検索ワード」 で引っかかった車名に過ぎないので、一般的な人気投票とは異なる。さらに、あくまでもこのブログに登場した車名なので、ここで触れていない車種名は、当然入らない。
しかし、現在多くの人が 「情報」 として求めている車種の傾向ぐらいは分かるかもしれない。
で、その順位というと、
① アミティ (560件) LX、RR等すべて含む
② グルーヴィ (272件) 日産キャンピングカー グルービー
③ トライキャンパー (215件)
④ テントむし (189件)
⑤ マンボウジュニア (159件)
⑥ エルア・ルミ (101件)
⑦ コング (78件)
⑧ コルド・ディナモ (63件)
⑨ ハイマーモービル (57件)
⑩ エアストリーム (51件)
小型キャブコンブームを反映して、アミティのダントツぶりがよく分かる。
それ以外は、やはり軽キャンカーが強い。
そんななかで健闘しているのが、日産ピーズフィールドクラフトさんのグルーヴィ。ハイエースのエルア・ルミを引き離して、2位を獲得。
キャブコン勢では、コルド・ディナモの関心が高いのも面白い。
ちなみに、20位までを発表すると下記のとおり。
⑪ ラクーン
⑫ コング
⑬ グランドバッハ
⑭ プレタポルテ
⑮ クライムジャンパー
⑯ セレンゲティ
⑰ フレックスランドナー
⑱ ジャストK3
⑲ ネオカプリス
⑳ K-ai
この集計は、今年の5月からのものなので、それ以前に結構アクセス件数を誇っていた車種もあったが、ここでは含まない。
昨年だったら、「デイブレイク」 とか、「ジル」 などという常連があったが、ホビダスさんのアクセス解析が 「半年まで」 と限定されてしまったために、それ以前のデータはアップできなかった。
また、面倒くさいので、アクセス件数1ケタ台のものは省いてしまった。
「グローバルの新型クラスA」
「千葉のショップ スライドアウトクラスC」
「鹿児島の軽キャンカー」
「レクビィのシャワー室バンコン」
…などという用語もたくさんあって、それを丹念に拾っていくと、また別の結果になりそうな気もするのだが、そのような1ケタ用語を300語も400語も拾っていく気力と体力はなかった。
名前の浸透度の高いクルマは、ズバっと車名だけでアクセスされてくるけれど、そうでないクルマの場合は、語尾に 「?」 が付いていたり、車名の前に 「キャンピングカー」 という言葉が付いていたり、さらにビルダー名が付いていたりする。
そうなると、それは検索ワードとしては1ケタ台に下がってしまう。
それらをていねいに集めると、ベスト10に上がりそうなクルマもあるのだが、今回はちょっとご勘弁を。
この “人気投票” 、もちろんブログに登場したキャンピングカーだけを対象としたもので、けっして普遍性のある 「人気ランキング」 ではありません。
念のため。
2007年11月11日
お台場ショー報告
2007年11月09日
お台場RVショー
今年最後のキャンピングカーのビッグイベント 「東京お台場くるま旅パラダイス2007」 が11月10日 (土)~11日 (日) にわたって開かれます。
ここに展示されるホットな新車をレポートします。
▼ まずは、日産ピーズフィールドクラフトさんの初のオリジナルキャブコン 「アトランティス」 から。

新型日産アトラスをベースにした凛々しいデザインのキャブコン。
全長4.96m。全幅1.96m。
取り回しの良さが自慢です。

レイアウトはオーソドックスな対面ダイネットとリヤ2段ベッドという構成ですが、デザインが凝っています。
チェーン柄を使った大胆なシート地。それが天然木工家具のシックな色調と絶妙のバランスを保っています。
▼ アールブィビックフットさんがリリースした新型フルコンの 「オアシス5.9」 。
グローバルさんの 「グランドバッハ」 の兄弟車ですが、レイアウトや家具のつくりにビックフットさんらしい華麗さが漂います。ベースは日産シビリアン。

▼ ボディショップ アジロさんの 新型 「ワンタイR-5」 がついに完成しました。
軽量化を狙ったアルミボディが特徴です。これはプロトタイプ。量産モデルは家具も中抜き構造にして、バンパーをファイバーに交換するなど、さらに軽量化を図るとか。

▼ スタイリッシュな路線を追求するアルフレックスさんの新型バンコン 「クライマックス」 。車高をグンと落としたローダウン仕様がサマになっています。
ベースはGLパッケージ。電動格納ミラーにメッキグリル。
お洒落です!
セカンドシートのレカロがまぶしい!

▼ MYSミスティックさんからの新しい提案 「ファー」 に注目。
サクシードをベースに、キャンピングカーにこだわらず、「乗用車の気楽さ」 を狙ったコンセプトです。
それでも大人2人がゆったり寝られるベッドマットに、ベバストヒーター、サブバッテリー、冷蔵庫を搭載しています。
…といっても、これらの装備はパーツ売り。だから、ベッドマットだけ欲しいという人にもOK。

▼ 今回はじめてオートワンさんが出品された新しい軽キャンカーの 「ピッコロキャンパー プラス」 。
軽ベースながら、なかなか木工の質感が高いことが特徴です。オーバーヘッドキャビネットも、小ぶりながら本格的なものが付いています。
登録は4ナンバー。しかし、2m長のベッドマットを敷けば、大人2人が楽々就寝。

▼ 会場のドギモを抜いたのが、このトレーラー。
プレイモア社製 「MPT」 (マルチパーパストレーラー)をベースに、エアストリームジャパンさんが数々の改良点を加えたワンオフモデル。
田中社長が、会場でキャンプするために持ち込まれたプライベートトレーラーなのですが、やぁ凄いのなんの。
全長10m。リビング部はスライドアウト機構付き。

リヤはガレージになっていて、サイドカー付きのオートバイが格納されていました。軽自動車も楽に入るとか。
このガレージの上がベッドルームになっていて、フロントベッド、ダイネットベッドなどを合わせると、この状態で7人寝られるそうです。
まさにガレージ付きの 「動く家」 ですね。

まだまだ新車も人気車も目白押し。11日の日曜日まで開催です。
ここに展示されるホットな新車をレポートします。
▼ まずは、日産ピーズフィールドクラフトさんの初のオリジナルキャブコン 「アトランティス」 から。
新型日産アトラスをベースにした凛々しいデザインのキャブコン。
全長4.96m。全幅1.96m。
取り回しの良さが自慢です。
レイアウトはオーソドックスな対面ダイネットとリヤ2段ベッドという構成ですが、デザインが凝っています。
チェーン柄を使った大胆なシート地。それが天然木工家具のシックな色調と絶妙のバランスを保っています。
▼ アールブィビックフットさんがリリースした新型フルコンの 「オアシス5.9」 。
グローバルさんの 「グランドバッハ」 の兄弟車ですが、レイアウトや家具のつくりにビックフットさんらしい華麗さが漂います。ベースは日産シビリアン。
▼ ボディショップ アジロさんの 新型 「ワンタイR-5」 がついに完成しました。
軽量化を狙ったアルミボディが特徴です。これはプロトタイプ。量産モデルは家具も中抜き構造にして、バンパーをファイバーに交換するなど、さらに軽量化を図るとか。
▼ スタイリッシュな路線を追求するアルフレックスさんの新型バンコン 「クライマックス」 。車高をグンと落としたローダウン仕様がサマになっています。
ベースはGLパッケージ。電動格納ミラーにメッキグリル。
お洒落です!
セカンドシートのレカロがまぶしい!
▼ MYSミスティックさんからの新しい提案 「ファー」 に注目。
サクシードをベースに、キャンピングカーにこだわらず、「乗用車の気楽さ」 を狙ったコンセプトです。
それでも大人2人がゆったり寝られるベッドマットに、ベバストヒーター、サブバッテリー、冷蔵庫を搭載しています。
…といっても、これらの装備はパーツ売り。だから、ベッドマットだけ欲しいという人にもOK。
▼ 今回はじめてオートワンさんが出品された新しい軽キャンカーの 「ピッコロキャンパー プラス」 。
軽ベースながら、なかなか木工の質感が高いことが特徴です。オーバーヘッドキャビネットも、小ぶりながら本格的なものが付いています。
登録は4ナンバー。しかし、2m長のベッドマットを敷けば、大人2人が楽々就寝。
▼ 会場のドギモを抜いたのが、このトレーラー。
プレイモア社製 「MPT」 (マルチパーパストレーラー)をベースに、エアストリームジャパンさんが数々の改良点を加えたワンオフモデル。
田中社長が、会場でキャンプするために持ち込まれたプライベートトレーラーなのですが、やぁ凄いのなんの。
全長10m。リビング部はスライドアウト機構付き。
リヤはガレージになっていて、サイドカー付きのオートバイが格納されていました。軽自動車も楽に入るとか。
このガレージの上がベッドルームになっていて、フロントベッド、ダイネットベッドなどを合わせると、この状態で7人寝られるそうです。
まさにガレージ付きの 「動く家」 ですね。
まだまだ新車も人気車も目白押し。11日の日曜日まで開催です。
2007年10月28日
名古屋ショー速報
ポートメッセ名古屋で開かれている 「名古屋キャンピングカーフェア」 のホット情報をお届けします。

なにしろ、ドでかい1号館。
初日の昨日は、パッと見たところ、「人が少ないぞ!」 という印象だったのですが、それは会場が広いからだったんですね。
個別のブースを覗くと、どこも大入り満員。
しかも商談用のテーブルは、ほとんどお客さんで埋まり、キャンピングカーブームはやっぱり本当に来ているな…という手応えが感じられました。
▼テレビ東京からは取材も

▲インタビューに答えるJRVA田中広報部長
テレビ = 「日本のキャンピングカーは、世界のレベルではどのへんに位置するんですか?」
広報部長 = 「欧米に比べるとマーケットの規模はとても小さいのですが、種類はものすごく豊富で、どんどん新しいものが開発されています。
そういった意味で、日本は世界のキャンピングカーの “実験室” といった感じがしますね」
…ほぉ、そうなんだ!
勉強になりました。
キャンピングカーの展示ばかりでなく、楽しいイベントも目白押し。
▼フリークライミング体験

▼Tom兼松さんによるJazz Live

このほかに、スポーツサイクル試乗コースが設けられていたり、クラフト教室が開かれていたりと、会場は遊びのメニューが盛りだくさん。
屋外ではウェイクボードのデモ、ダッチオーブンCOOK OFF会、スモーク料理試食会も開かれていました。
キャンピングカー展示も、新車ラッシュです。
▼まずは、ロータスRV販売さんの 「e-GEAR (イーギア) 」 。
ルーフにボートを背負っています!

後ろに回ると、船外機が!
このディスプレイからも分かるように、「マリン仕様」 なんですね。
「軽キャンカーのデパート」 といった品揃えを誇るロータスさんならではの新意匠です。
ディスプレイに使われている小型ボートは、外洋に漕ぎ出るのは無理ですが、波の静かな港の中などでは十分に使えます。
ボートのオプションにはセールも用意されているそうで、帆を張れば、ちょっとした “ミニディンギー” 。
室内がまた凝ってます。

丸窓ですよぉ!
まさに 「マリン仕様」 。
家具の質感の高さがこのクルマの売りです。軽キャンカーとしては一歩先を行ったクオリティと、収納能力の高さがこのクルマを特徴づけています。
▼お次は、アム・クラフトさんの 「コンパス・レガロ」 。

コンパスシリーズの中でも、特に 「2人旅」 に特化した仕様です。

エントランス付近に広い空間を取り、「ゆったり感」 を演出。大きめのギャレーを設定して、その中に、ツインサブバッテリー、大型冷蔵庫、電子レンジなどをシステマティックに格納しています。
リヤ側は二の字シート。
背もたれをシートの間に埋めるだけで、あっという間のベッドメイク。
リヤコンパートメントはクローゼットなのですが、トイレを置けばトイレルームとしても使えます。
白木調の家具で明るさを演出。女性好みの柔らかな色合いのシート地もお洒落感を高めています。
▼バンテック新潟さんも、思い切った意匠の新バンコンを投入しました。
ブランド名は 「VR」 。
Van Revolution (バンレボリューション) という意味です。

基本は1ナンバーもしくは5ナンバーのトランポ。
しかし、この展示車のようにポップアップルーフを架装して、ギャレーを設ければ、8ナンバー登録もOK。

標準シートはサプリオが装着されるのですが、スーパーGLのオリジナルシートのままでいいという人には、レスオプションで対応してくれます。
もちろんお値段は、その分安くなってお買い得。
それにしても、ブラック&ホワイトの色使いはなかなか大胆。トランポ系バンコンのトレンドを意識した造りに徹しています。
▼ミスティックさんは、「トネリコ」 のニュータイプをデビューさせました。
「トネリコ・ブリティッシュバージョン」

同社の人気バンコン 「ウィンピュアJ’s」 においても、英国風の内装デザインが追加されて好評を博しましたが、トネリコにおいても、その流れが踏襲されました。
基本はトランポなのですが、ちょっと見てください、この家具の質感の高さ。
モダンデザインが主流になりつつある日本のキャンピングカーシーンで、頑固 (!) に伝統の味にこだわっています。
濃い目の家具と、落ち着いた色合いのシート地が絶妙にマッチング。
これ、トランポ?
…てな感じのインテリアです。
そこに、ミスティックさんらしいこだわりが発揮されて、粋です!

▼リンエイさんは、大阪ショーで登場させた 「ゴミ楽 (ゴミラック)」の進化系をリリースしています。
前回が試作モデルだとしたら、これは市販モデル。
レールもさらに太く補強され、荷台も5㎝広げられました。

いま問題になっている 道の駅などにおける 「不当なゴミ投棄」 もこれで解決。
ゴミ楽の上に設定されているBOXの容量は115リットル。1週間分ぐらいのゴミを収納できるそうです。
ゴミ用BOXを載せないときは、自転車などを積むキャリアにもなります。
▼下は、リンエイさんならではのフィアマのキットを使った 「電動オーニング」 。
雨の降った日など、車内にいたままオーニングを広げることができます。
しかも、オーニングとボディの隙間から漏れる雨を防ぐための隙間ゴム付き。 「くるま旅」 の達人を自負するリンエイ田辺社長の真骨頂が発揮されています。

まだまだお伝えしたいネタはたくさんあるのですが、今日のところはこれで失礼。
なにしろ、ドでかい1号館。
初日の昨日は、パッと見たところ、「人が少ないぞ!」 という印象だったのですが、それは会場が広いからだったんですね。
個別のブースを覗くと、どこも大入り満員。
しかも商談用のテーブルは、ほとんどお客さんで埋まり、キャンピングカーブームはやっぱり本当に来ているな…という手応えが感じられました。
▼テレビ東京からは取材も
▲インタビューに答えるJRVA田中広報部長
テレビ = 「日本のキャンピングカーは、世界のレベルではどのへんに位置するんですか?」
広報部長 = 「欧米に比べるとマーケットの規模はとても小さいのですが、種類はものすごく豊富で、どんどん新しいものが開発されています。
そういった意味で、日本は世界のキャンピングカーの “実験室” といった感じがしますね」
…ほぉ、そうなんだ!
勉強になりました。
キャンピングカーの展示ばかりでなく、楽しいイベントも目白押し。
▼フリークライミング体験
▼Tom兼松さんによるJazz Live
このほかに、スポーツサイクル試乗コースが設けられていたり、クラフト教室が開かれていたりと、会場は遊びのメニューが盛りだくさん。
屋外ではウェイクボードのデモ、ダッチオーブンCOOK OFF会、スモーク料理試食会も開かれていました。
キャンピングカー展示も、新車ラッシュです。
▼まずは、ロータスRV販売さんの 「e-GEAR (イーギア) 」 。
ルーフにボートを背負っています!
後ろに回ると、船外機が!
このディスプレイからも分かるように、「マリン仕様」 なんですね。
「軽キャンカーのデパート」 といった品揃えを誇るロータスさんならではの新意匠です。
ディスプレイに使われている小型ボートは、外洋に漕ぎ出るのは無理ですが、波の静かな港の中などでは十分に使えます。
ボートのオプションにはセールも用意されているそうで、帆を張れば、ちょっとした “ミニディンギー” 。
室内がまた凝ってます。
丸窓ですよぉ!
まさに 「マリン仕様」 。
家具の質感の高さがこのクルマの売りです。軽キャンカーとしては一歩先を行ったクオリティと、収納能力の高さがこのクルマを特徴づけています。
▼お次は、アム・クラフトさんの 「コンパス・レガロ」 。
コンパスシリーズの中でも、特に 「2人旅」 に特化した仕様です。
エントランス付近に広い空間を取り、「ゆったり感」 を演出。大きめのギャレーを設定して、その中に、ツインサブバッテリー、大型冷蔵庫、電子レンジなどをシステマティックに格納しています。
リヤ側は二の字シート。
背もたれをシートの間に埋めるだけで、あっという間のベッドメイク。
リヤコンパートメントはクローゼットなのですが、トイレを置けばトイレルームとしても使えます。
白木調の家具で明るさを演出。女性好みの柔らかな色合いのシート地もお洒落感を高めています。
▼バンテック新潟さんも、思い切った意匠の新バンコンを投入しました。
ブランド名は 「VR」 。
Van Revolution (バンレボリューション) という意味です。
基本は1ナンバーもしくは5ナンバーのトランポ。
しかし、この展示車のようにポップアップルーフを架装して、ギャレーを設ければ、8ナンバー登録もOK。
標準シートはサプリオが装着されるのですが、スーパーGLのオリジナルシートのままでいいという人には、レスオプションで対応してくれます。
もちろんお値段は、その分安くなってお買い得。
それにしても、ブラック&ホワイトの色使いはなかなか大胆。トランポ系バンコンのトレンドを意識した造りに徹しています。
▼ミスティックさんは、「トネリコ」 のニュータイプをデビューさせました。
「トネリコ・ブリティッシュバージョン」
同社の人気バンコン 「ウィンピュアJ’s」 においても、英国風の内装デザインが追加されて好評を博しましたが、トネリコにおいても、その流れが踏襲されました。
基本はトランポなのですが、ちょっと見てください、この家具の質感の高さ。
モダンデザインが主流になりつつある日本のキャンピングカーシーンで、頑固 (!) に伝統の味にこだわっています。
濃い目の家具と、落ち着いた色合いのシート地が絶妙にマッチング。
これ、トランポ?
…てな感じのインテリアです。
そこに、ミスティックさんらしいこだわりが発揮されて、粋です!
▼リンエイさんは、大阪ショーで登場させた 「ゴミ楽 (ゴミラック)」の進化系をリリースしています。
前回が試作モデルだとしたら、これは市販モデル。
レールもさらに太く補強され、荷台も5㎝広げられました。
いま問題になっている 道の駅などにおける 「不当なゴミ投棄」 もこれで解決。
ゴミ楽の上に設定されているBOXの容量は115リットル。1週間分ぐらいのゴミを収納できるそうです。
ゴミ用BOXを載せないときは、自転車などを積むキャリアにもなります。
▼下は、リンエイさんならではのフィアマのキットを使った 「電動オーニング」 。
雨の降った日など、車内にいたままオーニングを広げることができます。
しかも、オーニングとボディの隙間から漏れる雨を防ぐための隙間ゴム付き。 「くるま旅」 の達人を自負するリンエイ田辺社長の真骨頂が発揮されています。
まだまだお伝えしたいネタはたくさんあるのですが、今日のところはこれで失礼。
2007年10月05日
スナフキンHS
【お勧めキャンカー13 「スナフキンHS」 】
デルタリンクのオリジナルバンコン 「スナフキン」 に、新しいレイアウトが誕生した。
L型ラウンジとシークレットキッチンが好評のHKに対し、新型モデルは、対面ダイネットとリヤ常設ベッドを備えたレイアウト。
その名は、「スナフキンHS-W」 。

HSの 「S」 は、企画・製作を担当したデルタリンク新潟の佐久間社長の 「S」 。
「W」 はダブルベッドの意味。
「H」 がなんなのか、聞き漏らしてしまった。
たぶん 「ハイエース」 という意味なのだろう。間違っていたらゴメンナサイだ。
シークレットキッチンという、キッチンスペースを隠した斬新なコンセプトのHKに比べ、HSの方は実に分かりやすい。
エントランスドアを開けて、室内を覗き込んだだけで、即座にどういう使い方をすればいいのかが分かる。
対面ダイネットとリヤ常設ベッドで構成されたレイアウトは、まさにファミリー仕様。
レイアウト的には見慣れた構造のため、HKを最初に見たときのような強烈なインパクトは受けなかったが、それでも他のバンコンと比べると、内装デザインの見事さ、クオリティ感の高さでは、やはり群を抜いている。デルタリンクが、いかにこの 「スナフキン」 というブランドを大事にしているかが分かる。

この対面ダイネットは、ベッドメイクも実に簡単。
テーブルを、ワンタッチでそのまま下げ、その上に背もたれを置くだけ。
テーブルの上に乗せるマットの形が、シートのアールにぴったり合うように切られているので、ジグソーパズルをはめ込むように、マットとシートが気持ちよくはまり合う。
買ってしばらくは、このマットがぴたりとハマるときの快感に酔いしれることになるかもしれない。
テーブルをマットで埋めた後は、収納庫に収めていた別のマットを通路側にはめ込むだけ。
これで、1200㎜×1900㎜ほどのフロントベッドが完成。

リヤベッドは、横幅で、1m70はゲットされているので、アダルトのスリーピング定員の数値はカウントできなくても、身長170㎝未満の人なら、2パーソンが横に寝られる。チャイルドなら、オフコース ノープロブラム!
…俺はルー大柴か?
リヤベッドの下は、大型収納。
このあたりも、キャンプ道具などを満載してキャンプ場などに出向くファミリーに喜ばれそうだ。

スナフキンの断熱処理は、ぜひ広報してほしい、とデルタのスタッフは言う。
アメリカのNASAで開発されたものと同じ断熱効果が得られる断熱材が、壁材として使用されている。空気の層を細かく分けて閉じ込めたエアキャップを真ん中に挟み、その両面をシルバーコーティング。
そういう断熱素材を使うことによって、断熱効果がものすごく上がったという。
天井は、建築用断熱材のサニーライト30㎜厚。
床も、建材用遮音シートと断熱材のサンドイッチによる2重構造。遮音も断熱効果もそれで完璧。
この写真で紹介したものは、プロトタイプ。
量産モデルからは、ギャレーカウンターをよりラウンドさせて、人が車内で移動するときの余裕をさらに確保する処置が講じられる。
また、シューズボックスももう少し絞られ、アシストグリップも設けられて、乗降性の向上も図られるとのこと。
HKとHSが揃い踏みすることによって、スナフキンの鉄壁の布陣が完成した感じ。
HSの量産タイプが市場に出回る頃には、バンコン界の押しも押されもしないメジャーブランドになっていることだろう。
関連記事 「スナフキンHK」
デルタリンクのオリジナルバンコン 「スナフキン」 に、新しいレイアウトが誕生した。
L型ラウンジとシークレットキッチンが好評のHKに対し、新型モデルは、対面ダイネットとリヤ常設ベッドを備えたレイアウト。
その名は、「スナフキンHS-W」 。
HSの 「S」 は、企画・製作を担当したデルタリンク新潟の佐久間社長の 「S」 。
「W」 はダブルベッドの意味。
「H」 がなんなのか、聞き漏らしてしまった。
たぶん 「ハイエース」 という意味なのだろう。間違っていたらゴメンナサイだ。
シークレットキッチンという、キッチンスペースを隠した斬新なコンセプトのHKに比べ、HSの方は実に分かりやすい。
エントランスドアを開けて、室内を覗き込んだだけで、即座にどういう使い方をすればいいのかが分かる。
対面ダイネットとリヤ常設ベッドで構成されたレイアウトは、まさにファミリー仕様。
レイアウト的には見慣れた構造のため、HKを最初に見たときのような強烈なインパクトは受けなかったが、それでも他のバンコンと比べると、内装デザインの見事さ、クオリティ感の高さでは、やはり群を抜いている。デルタリンクが、いかにこの 「スナフキン」 というブランドを大事にしているかが分かる。
この対面ダイネットは、ベッドメイクも実に簡単。
テーブルを、ワンタッチでそのまま下げ、その上に背もたれを置くだけ。
テーブルの上に乗せるマットの形が、シートのアールにぴったり合うように切られているので、ジグソーパズルをはめ込むように、マットとシートが気持ちよくはまり合う。
買ってしばらくは、このマットがぴたりとハマるときの快感に酔いしれることになるかもしれない。
テーブルをマットで埋めた後は、収納庫に収めていた別のマットを通路側にはめ込むだけ。
これで、1200㎜×1900㎜ほどのフロントベッドが完成。
リヤベッドは、横幅で、1m70はゲットされているので、アダルトのスリーピング定員の数値はカウントできなくても、身長170㎝未満の人なら、2パーソンが横に寝られる。チャイルドなら、オフコース ノープロブラム!
…俺はルー大柴か?
リヤベッドの下は、大型収納。
このあたりも、キャンプ道具などを満載してキャンプ場などに出向くファミリーに喜ばれそうだ。
スナフキンの断熱処理は、ぜひ広報してほしい、とデルタのスタッフは言う。
アメリカのNASAで開発されたものと同じ断熱効果が得られる断熱材が、壁材として使用されている。空気の層を細かく分けて閉じ込めたエアキャップを真ん中に挟み、その両面をシルバーコーティング。
そういう断熱素材を使うことによって、断熱効果がものすごく上がったという。
天井は、建築用断熱材のサニーライト30㎜厚。
床も、建材用遮音シートと断熱材のサンドイッチによる2重構造。遮音も断熱効果もそれで完璧。
この写真で紹介したものは、プロトタイプ。
量産モデルからは、ギャレーカウンターをよりラウンドさせて、人が車内で移動するときの余裕をさらに確保する処置が講じられる。
また、シューズボックスももう少し絞られ、アシストグリップも設けられて、乗降性の向上も図られるとのこと。
HKとHSが揃い踏みすることによって、スナフキンの鉄壁の布陣が完成した感じ。
HSの量産タイプが市場に出回る頃には、バンコン界の押しも押されもしないメジャーブランドになっていることだろう。
関連記事 「スナフキンHK」
2007年10月04日
トラベルバン
【お勧めキャンカー12 「トラベルバン」 】
マリナ'RVは、名門ビルダーである。
特に、バスコンの開発にかけては、東のRVランドやRVビックフットと並ぶ、西のバスコンプロショップとして、長い歴史を誇っている。
同社のLキャビンが、バスコンブランドとしての存在感を示しているのは、その伝統の力に負うところが大きい。
近年、マリナ'RVは、そのバスコン開発で蓄積してきたノウハウをバンコンに投入するようになってきた。
「キャビンⅡ」 シリーズなどがそれに当たる。
そこで使われている 「CALA」 、 「リバー」 などというシリーズ名が、バスコンのLキャビンシリーズを踏襲していることからも、それがうかがえる。
そのマリナ'RVが、このたび 「関西キャンピングカーショー」 でデビューさせた 「トラベルバン」 は、今までのバンコン路線とは、ちょった違った商品設定となっている。

キャビンⅡ的なバンコンが、しっかりした車中泊を保証する 「キャンピングカー」 だとすれば、このトラベルバンは、ツーリングを主眼に置いたワゴン感覚の 「トラベルカー」 。
そこにトランポ的な要素が加わっているのだが、レイアウトの平面図を見る限り、どこのバンコンメーカーも1台はラインナップに加えている代表的なパターンの域を出ていない。
しかし、パーツごとに細かく観察していけば、そこにはマリナ'RVならではのこだわりが、しっかり貫かれている。
注目すべきは、セカンドシート。
見事な本革で縫製されたキャプテンシートが採用されている。
ホールド感も確保され、ひじ掛けも付いて、ドライバーズシートよりもクオリティ感が高い。
このキャプテンシートを回転させることによって、サードシートと対面ダイネットを作ることができる。
このキャプテンシートは、希望によって 「レカロ」 に変更することも可能。
そうなると、 「Huu」 に近くなる。

サードシートは、背もたれ部分のマットを埋め込めば、そのままフルフラットベッドに早変わり。

さらに、ベッドマットの中央部分を全部取り除けば、その空間がガーゴスペースになる。

このあたりのシートアレンジは、マリナ'RVのホームページに動画で紹介されているので、興味のある方は必見。
ベッドマットにも、マリナ'RVならではのこだわりが見られる。
同社が、キャビンⅡシリーズなどで、セールスポイントとして強調してきた 「西川ローズ」 の繊維マットが採用されている。
シート類はブラック。
フロアはグレー。
モノトーンを強調するインテリアも、今までのマリナ'RVのテイストとは大いに異なる。
ビター感を強調した男の味。
さりげなく、モトクロッサーなどを後ろに積んでいると、似合いそうだ。
世間に対して、ちょっと牙をむくような、孤独を楽しむ余裕を持ったオヤジたちをターゲットにしたクルマと見た。
マリナ'RVは、名門ビルダーである。
特に、バスコンの開発にかけては、東のRVランドやRVビックフットと並ぶ、西のバスコンプロショップとして、長い歴史を誇っている。
同社のLキャビンが、バスコンブランドとしての存在感を示しているのは、その伝統の力に負うところが大きい。
近年、マリナ'RVは、そのバスコン開発で蓄積してきたノウハウをバンコンに投入するようになってきた。
「キャビンⅡ」 シリーズなどがそれに当たる。
そこで使われている 「CALA」 、 「リバー」 などというシリーズ名が、バスコンのLキャビンシリーズを踏襲していることからも、それがうかがえる。
そのマリナ'RVが、このたび 「関西キャンピングカーショー」 でデビューさせた 「トラベルバン」 は、今までのバンコン路線とは、ちょった違った商品設定となっている。
キャビンⅡ的なバンコンが、しっかりした車中泊を保証する 「キャンピングカー」 だとすれば、このトラベルバンは、ツーリングを主眼に置いたワゴン感覚の 「トラベルカー」 。
そこにトランポ的な要素が加わっているのだが、レイアウトの平面図を見る限り、どこのバンコンメーカーも1台はラインナップに加えている代表的なパターンの域を出ていない。
しかし、パーツごとに細かく観察していけば、そこにはマリナ'RVならではのこだわりが、しっかり貫かれている。
注目すべきは、セカンドシート。
見事な本革で縫製されたキャプテンシートが採用されている。
ホールド感も確保され、ひじ掛けも付いて、ドライバーズシートよりもクオリティ感が高い。
このキャプテンシートを回転させることによって、サードシートと対面ダイネットを作ることができる。
このキャプテンシートは、希望によって 「レカロ」 に変更することも可能。
そうなると、 「Huu」 に近くなる。
サードシートは、背もたれ部分のマットを埋め込めば、そのままフルフラットベッドに早変わり。
さらに、ベッドマットの中央部分を全部取り除けば、その空間がガーゴスペースになる。
このあたりのシートアレンジは、マリナ'RVのホームページに動画で紹介されているので、興味のある方は必見。
ベッドマットにも、マリナ'RVならではのこだわりが見られる。
同社が、キャビンⅡシリーズなどで、セールスポイントとして強調してきた 「西川ローズ」 の繊維マットが採用されている。
シート類はブラック。
フロアはグレー。
モノトーンを強調するインテリアも、今までのマリナ'RVのテイストとは大いに異なる。
ビター感を強調した男の味。
さりげなく、モトクロッサーなどを後ろに積んでいると、似合いそうだ。
世間に対して、ちょっと牙をむくような、孤独を楽しむ余裕を持ったオヤジたちをターゲットにしたクルマと見た。
2007年10月03日
オフタイム
【お勧めキャンカー11 「オフタイム」 】
「オフタイム」 は、話題のエアサス 「Cam Sus キャンサス」 ですっかりおなじみとなった、スマイルファクトリーさんが開発した軽キャンカー 。
先月開かれた 「関西キャンピングカーショー」 で、初お目見えを果たしました。
▲ベースはスズキエブリイ
とはいっても、このクルマが開発されたのは、今年の6月。
スマイルファクトリーさんの地元島根県を中心とした、ローカルマーケットを意識した商品というわけで、ビッグイベントに出たことはなかったのですが、ネットで評判となり、いわば 「幻の軽キャンカー」 として話題になっていたクルマです。
何が、評判となったのか。
ひとつは、充実した標準装備の数々。
カタログから、ちょっと引用してみましょう。
◆サブバッテリー ◆走行充電システム ◆バッテリーセパレーター ◆500Wインバーター ◆AC100V4連コンセント ◆大人2名就寝用ベッドマット ◆DC12Vシガーライターコンセント ◆清水・排水タンク (各10リットル) ◆シャワーヘッド ◆ギャレー (シンク)+テーブル ◆集中スイッチ ◆助手席背面テーブル ◆マルチシェード ◆ギャレー上ラック ◆ギャレー延長アウターテーブル ◆室内灯
ちょっとしたバンコンレベルの装備品が付いています。
10リットルの清・排水タンクにギャレーまで付いて、設備はまさにキャンピングカーなのですが、8ナンバー登録ではありません。
バンベースとワゴンベースがあり、バンは4ナンバー、ワゴンは5ナンバー登録。
軽自動車税の適用が受けられるため、維持費が安いことが魅力です。
シンク周りがなかなか充実しています。

シンク下の水タンクを収めた収納庫の扉を、そのまま持ち上げると、ほら、扉がテーブルに早変り。
リヤゲートを上げると、シャワーヘッド側に折りたたまれたフライングテーブルも使えるようになります。
シャワーフォーセットが1.5mほど伸びるので、外部シャワーとしても利用可能です。
オプションとなりますが、ヒートエクスチェンジャー式の温水設備も用意されています。
助手席シートを前側に倒すと、その背面にもテーブルが出現。

窓を閉じるための工夫も凝らされています。
カーテン方式ではありません。
全窓が、マルチシェードの対応になっています。

このシェードは、スマイルファクトリーさんのオリジナルで、断熱対策もばっちり。内側の生地は、シートと共生地になっていて、なんともお洒落。
取りつけは、外れやすい吸盤式を避けてフック式 (フロントウィンドウのみ吸盤式) が採用されました。。
車中泊するときに、全窓にこれを取り付ければ、プライバシーの確保と断熱・防寒効果が得られます。
エアサスの専門店であるスマイルファクトリーさんだけあって、このオフタイムにもエアサスが用意されています。
ただし、設定はリヤのみ。
カムロードに装着したときのような、「劇的!」 というほどの体感的効果はないとのことですが、それでも、装着すると確実に乗り心地が向上するそうです。
リヤにたくさんの荷物を積載したときや、4名乗車したときなどには、尻下がりも防止します。
エアサス (Can Sus) 仕様は工賃込みで、プラス72,500円。
かっ飛び車のJOINターボなどをベース車に選んだときは、お試しあれ。
装備充実が “売り” のこのオフタイムの価格は、146万円 (バンベース 2WD 5MT) から。
京都のマックレーさんのお店にも展示車があります。
「オフタイム」 は、話題のエアサス 「Cam Sus キャンサス」 ですっかりおなじみとなった、スマイルファクトリーさんが開発した軽キャンカー 。
先月開かれた 「関西キャンピングカーショー」 で、初お目見えを果たしました。
▲ベースはスズキエブリイ
とはいっても、このクルマが開発されたのは、今年の6月。
スマイルファクトリーさんの地元島根県を中心とした、ローカルマーケットを意識した商品というわけで、ビッグイベントに出たことはなかったのですが、ネットで評判となり、いわば 「幻の軽キャンカー」 として話題になっていたクルマです。
何が、評判となったのか。
ひとつは、充実した標準装備の数々。
カタログから、ちょっと引用してみましょう。
◆サブバッテリー ◆走行充電システム ◆バッテリーセパレーター ◆500Wインバーター ◆AC100V4連コンセント ◆大人2名就寝用ベッドマット ◆DC12Vシガーライターコンセント ◆清水・排水タンク (各10リットル) ◆シャワーヘッド ◆ギャレー (シンク)+テーブル ◆集中スイッチ ◆助手席背面テーブル ◆マルチシェード ◆ギャレー上ラック ◆ギャレー延長アウターテーブル ◆室内灯
ちょっとしたバンコンレベルの装備品が付いています。
10リットルの清・排水タンクにギャレーまで付いて、設備はまさにキャンピングカーなのですが、8ナンバー登録ではありません。
バンベースとワゴンベースがあり、バンは4ナンバー、ワゴンは5ナンバー登録。
軽自動車税の適用が受けられるため、維持費が安いことが魅力です。
シンク周りがなかなか充実しています。
シンク下の水タンクを収めた収納庫の扉を、そのまま持ち上げると、ほら、扉がテーブルに早変り。
リヤゲートを上げると、シャワーヘッド側に折りたたまれたフライングテーブルも使えるようになります。
シャワーフォーセットが1.5mほど伸びるので、外部シャワーとしても利用可能です。
オプションとなりますが、ヒートエクスチェンジャー式の温水設備も用意されています。
助手席シートを前側に倒すと、その背面にもテーブルが出現。
窓を閉じるための工夫も凝らされています。
カーテン方式ではありません。
全窓が、マルチシェードの対応になっています。
このシェードは、スマイルファクトリーさんのオリジナルで、断熱対策もばっちり。内側の生地は、シートと共生地になっていて、なんともお洒落。
取りつけは、外れやすい吸盤式を避けてフック式 (フロントウィンドウのみ吸盤式) が採用されました。。
車中泊するときに、全窓にこれを取り付ければ、プライバシーの確保と断熱・防寒効果が得られます。
エアサスの専門店であるスマイルファクトリーさんだけあって、このオフタイムにもエアサスが用意されています。
ただし、設定はリヤのみ。
カムロードに装着したときのような、「劇的!」 というほどの体感的効果はないとのことですが、それでも、装着すると確実に乗り心地が向上するそうです。
リヤにたくさんの荷物を積載したときや、4名乗車したときなどには、尻下がりも防止します。
エアサス (Can Sus) 仕様は工賃込みで、プラス72,500円。
かっ飛び車のJOINターボなどをベース車に選んだときは、お試しあれ。
装備充実が “売り” のこのオフタイムの価格は、146万円 (バンベース 2WD 5MT) から。
京都のマックレーさんのお店にも展示車があります。
2007年09月25日
マーモット
【お勧めキャンカー10 「マーモット」 】
先週行われた 「関西キャンピングカーショー」 の会場で、ひときわ注目を集めた新型車のひとつに、キャンピングカーフジワラさんが開発した 「マーモット」 がある。
マツダボンゴのキャンパー特装車をベースにしたキャブコンだ。

キャンピングカーフジワラといえば、ヨーロッパ車の名品を手がけるディーラーというイメージが強い。
それが、またなんで国産キャブコンを?
…と気になるところではあるが、ひとつには、輸入車の排ガス検査における国内基準が厳しくなったということが挙げられる。
しかし、それ以上に、
「ヨーロッパ車の魅力を知り尽くした自分たちが、いつかはそのエッセンスを、日本の使用環境に適した国産車ベースで実現してみたかった」
という思いが強かったからだという。
そういう気持ちで開発された 「マーモット」 。
確かに、普通の国産キャブコンとは一線を画する “ヨーロッパ車の香り” が漂っている。
まず、室内を優雅に見せるL型ラウンジが印象的。
夫婦2人仕様に特化した商品が多いヨーロッパ車のムードだ。

シート生地の柄や質感、さらに家具形状などに、なんともいえない欧州車の匂いが感じられる。
さらに、キッチンレイアウトやトイレコンパートメントなどの処理にも、欧州トレンドが意識されている。
見た目のデザインだけでなく、細かい部分の設計にも、さすがヨーロッパ車を長く扱っていたディーラーならではのこだわりが発揮されている。
たとえば、トイレルームの広さとその内容。
アールで処理された扉を持つために、車内で見るかぎりはコンパクトにまとめられているトイレなのだが、扉を開けて中を覗いてみると、その広さにびっくり。
鏡付きの洗面台も備わって、こぢんまりとはしているものの、機能はヨーロッパ車のトイレルームが再現されている。

キッチンも、小さくまとめられているが、調味料ラックや、食器を収納するための機能をしっかり備えた引き出しなども完備され、ちょっとしたシステムキッチンの作り。
シンクも、洗い物の水が跳ねない深型シンク。
そのフォーセットは、キッチン横の窓から外に出して、外部シャワーとして使える構造になっている。
なんと、外板パネルには、外部シャワーとしてノズルを固定するときのシャワーフックまで備わるというこだわりぶりだ。

こだわりは、給排水タンクの構造にも表れている。
普通、このボンゴクラスのキャブコンの場合、20リットルぐらいのポリタンクが採用されることが多い。
ところが、マーモットでは、しっかりした固定タンクが設置されている。
理由は、このクルマの主な購買層として想定されるシニアカップルの場合、水場からクルマまでポリタンクに満たした水を運ぶには、10リットルでさえ億劫になるだろうと予想されるからだ。
このあたりの発想には、開発に心血を注いだ藤原喬社長の、自分の年齢から来る体験を生かした気配りが感じられる。
FFヒーター、バックアイカメラ、40リットルDC冷蔵庫などもすべて標準装備となって、車両本体価格は500万円を切るという設定。
しかし、今後はリヤクーラー、リヤスピーカーなどの装備をオプションに回し、さらに価格を下げることも考慮中とか。
商品力の高い小型キャブコンが、またひとつこの秋にデビューした。

先週行われた 「関西キャンピングカーショー」 の会場で、ひときわ注目を集めた新型車のひとつに、キャンピングカーフジワラさんが開発した 「マーモット」 がある。
マツダボンゴのキャンパー特装車をベースにしたキャブコンだ。
キャンピングカーフジワラといえば、ヨーロッパ車の名品を手がけるディーラーというイメージが強い。
それが、またなんで国産キャブコンを?
…と気になるところではあるが、ひとつには、輸入車の排ガス検査における国内基準が厳しくなったということが挙げられる。
しかし、それ以上に、
「ヨーロッパ車の魅力を知り尽くした自分たちが、いつかはそのエッセンスを、日本の使用環境に適した国産車ベースで実現してみたかった」
という思いが強かったからだという。
そういう気持ちで開発された 「マーモット」 。
確かに、普通の国産キャブコンとは一線を画する “ヨーロッパ車の香り” が漂っている。
まず、室内を優雅に見せるL型ラウンジが印象的。
夫婦2人仕様に特化した商品が多いヨーロッパ車のムードだ。
シート生地の柄や質感、さらに家具形状などに、なんともいえない欧州車の匂いが感じられる。
さらに、キッチンレイアウトやトイレコンパートメントなどの処理にも、欧州トレンドが意識されている。
見た目のデザインだけでなく、細かい部分の設計にも、さすがヨーロッパ車を長く扱っていたディーラーならではのこだわりが発揮されている。
たとえば、トイレルームの広さとその内容。
アールで処理された扉を持つために、車内で見るかぎりはコンパクトにまとめられているトイレなのだが、扉を開けて中を覗いてみると、その広さにびっくり。
鏡付きの洗面台も備わって、こぢんまりとはしているものの、機能はヨーロッパ車のトイレルームが再現されている。
キッチンも、小さくまとめられているが、調味料ラックや、食器を収納するための機能をしっかり備えた引き出しなども完備され、ちょっとしたシステムキッチンの作り。
シンクも、洗い物の水が跳ねない深型シンク。
そのフォーセットは、キッチン横の窓から外に出して、外部シャワーとして使える構造になっている。
なんと、外板パネルには、外部シャワーとしてノズルを固定するときのシャワーフックまで備わるというこだわりぶりだ。
こだわりは、給排水タンクの構造にも表れている。
普通、このボンゴクラスのキャブコンの場合、20リットルぐらいのポリタンクが採用されることが多い。
ところが、マーモットでは、しっかりした固定タンクが設置されている。
理由は、このクルマの主な購買層として想定されるシニアカップルの場合、水場からクルマまでポリタンクに満たした水を運ぶには、10リットルでさえ億劫になるだろうと予想されるからだ。
このあたりの発想には、開発に心血を注いだ藤原喬社長の、自分の年齢から来る体験を生かした気配りが感じられる。
FFヒーター、バックアイカメラ、40リットルDC冷蔵庫などもすべて標準装備となって、車両本体価格は500万円を切るという設定。
しかし、今後はリヤクーラー、リヤスピーカーなどの装備をオプションに回し、さらに価格を下げることも考慮中とか。
商品力の高い小型キャブコンが、またひとつこの秋にデビューした。
2007年09月24日
バルミィ2007
【お勧めキャンカー9 「バルミィ2007」 】
関西を代表するキャンピングカー販売店の大森自動車は、ここ数年、オリジナル車の開発に力を注いできたが、どうやらこの 「バルミィ2007」 で、新境地を切り開いたかのように見える。

それほどお洒落。
かつアイデアが斬新。
しかも、実用的。
まず、この運転席・助手席のシートバックを利用したリクライニング・ソファを見ていただきたい。
引き出し式のテーブルに、自分の好きなドリンクなどを置いて寝そべれば、それだけで、心は南国リゾートのプールサイド気分。
もちろん、こういうレイアウトは、ハナッから、ファミリーではなく夫婦2人仕様に特化しているからこそできる芸当。
その割り切りの良さが、新型バルミィに、独特の 「贅沢感」 を盛り込むことに成功している。
で、このリラックスした状態で、何を楽しむのか。
もちろん、寝そべったまま、目をつぶってまどろんでいればいいのだけれど、キッチン上のラックに収納された薄型テレビを引き出せば、バラエティでもクイズ番組でも、世俗の快楽をいやというほど満喫できるようになっている。

ま、私は、こういうクルマの場合は、あまりクイズ番組などに入れ込むのではなく、気に入りの音楽DVDでも流していたいと思うけれど。
冷蔵庫も、むき出し状態を避けて、扉一つで仕切られているところが、なんともお洒落。
扉の裏側はボトルラックになっていて、気に入った酒瓶などをストックしておくのに、実に便利。

トイレルームが、またいい。
洗面台に、鏡付き。
この鏡が、ちょっと傾斜をつけて取り付けられているのがミソ。
つまり、洗面台の前に立つと、全身が写る 「姿見」 として機能するようになっている。

実に女性の立場に立った設計で、こういうドレッシングルームで化粧を施して出てきた奥さんは、別人のように若返って、思わず旦那さんから、 「マドモワゼル!」 なんて呼ばれるかもしれない……なんてことはないか。
床はシャワーパンが敷かれ、オーダーによっては、シャワー機能を盛り込むことも可能。
しかし、温泉施設が発達した日本を旅する限り、あまりシャワーの恩恵に浴するチャンスもないだろう。
だから、これは化粧室兼トイレルームで正解。
キッチンが美しい。
こういう車内では、あまり煮炊きする人はいないだろうということで、コンロはカセットガス式で対応。
かえってカウンターが広く使えるというのが、なかなか便利だ。

リヤは常設2段ベッド。
下段のベッドマットを抜けば、リヤゲートからもアクセスできるラゲージスペースが生まれる。

開発担当者の宮永さんの弁によれば、クルーザーやデザイナーズ旅館などのインテリアも研究しながら、アメ車でもなければヨーロッパ車でもない、日本独自のデザインテイストを追求したかったという。
それは成功していると思う。
濃いストライプが横に流れる木目調の家具と、白の天板・白のベッドマットとの対比が美しい調和を奏でている。
一代前のバルミィは、面白いデザインだったが、トリッキーな印象も伴った。
この新型は、抑制が効いているのに、斬新。
日本のバンコンが、またひとつ成熟度を深めた。
関西を代表するキャンピングカー販売店の大森自動車は、ここ数年、オリジナル車の開発に力を注いできたが、どうやらこの 「バルミィ2007」 で、新境地を切り開いたかのように見える。
それほどお洒落。
かつアイデアが斬新。
しかも、実用的。
まず、この運転席・助手席のシートバックを利用したリクライニング・ソファを見ていただきたい。
引き出し式のテーブルに、自分の好きなドリンクなどを置いて寝そべれば、それだけで、心は南国リゾートのプールサイド気分。
もちろん、こういうレイアウトは、ハナッから、ファミリーではなく夫婦2人仕様に特化しているからこそできる芸当。
その割り切りの良さが、新型バルミィに、独特の 「贅沢感」 を盛り込むことに成功している。
で、このリラックスした状態で、何を楽しむのか。
もちろん、寝そべったまま、目をつぶってまどろんでいればいいのだけれど、キッチン上のラックに収納された薄型テレビを引き出せば、バラエティでもクイズ番組でも、世俗の快楽をいやというほど満喫できるようになっている。
ま、私は、こういうクルマの場合は、あまりクイズ番組などに入れ込むのではなく、気に入りの音楽DVDでも流していたいと思うけれど。
冷蔵庫も、むき出し状態を避けて、扉一つで仕切られているところが、なんともお洒落。
扉の裏側はボトルラックになっていて、気に入った酒瓶などをストックしておくのに、実に便利。
トイレルームが、またいい。
洗面台に、鏡付き。
この鏡が、ちょっと傾斜をつけて取り付けられているのがミソ。
つまり、洗面台の前に立つと、全身が写る 「姿見」 として機能するようになっている。
実に女性の立場に立った設計で、こういうドレッシングルームで化粧を施して出てきた奥さんは、別人のように若返って、思わず旦那さんから、 「マドモワゼル!」 なんて呼ばれるかもしれない……なんてことはないか。
床はシャワーパンが敷かれ、オーダーによっては、シャワー機能を盛り込むことも可能。
しかし、温泉施設が発達した日本を旅する限り、あまりシャワーの恩恵に浴するチャンスもないだろう。
だから、これは化粧室兼トイレルームで正解。
キッチンが美しい。
こういう車内では、あまり煮炊きする人はいないだろうということで、コンロはカセットガス式で対応。
かえってカウンターが広く使えるというのが、なかなか便利だ。
リヤは常設2段ベッド。
下段のベッドマットを抜けば、リヤゲートからもアクセスできるラゲージスペースが生まれる。
開発担当者の宮永さんの弁によれば、クルーザーやデザイナーズ旅館などのインテリアも研究しながら、アメ車でもなければヨーロッパ車でもない、日本独自のデザインテイストを追求したかったという。
それは成功していると思う。
濃いストライプが横に流れる木目調の家具と、白の天板・白のベッドマットとの対比が美しい調和を奏でている。
一代前のバルミィは、面白いデザインだったが、トリッキーな印象も伴った。
この新型は、抑制が効いているのに、斬新。
日本のバンコンが、またひとつ成熟度を深めた。
2007年09月21日
東北ショー新車3
「東北キャンピングカーショー」 に登場した新車シリーズの第3弾。
今回は、少し前に開発を終えていながら、ビックイベントに登場するのは初めてというクルマを集めてみました。
《コング KONG》
最初のクルマはフィールドライフさんの 「コング」 です。
とても問い合わせの多いクルマで、3月にこのブログで一度紹介して以来、毎日1人か2人は、必ずこの 「コング」 という検索ワードでお越しいただく方がいらっしゃいます。フィールドライフさんのHPには、まだ掲載されていないという事情もあったからなんでしょうね。
で、この 「コング」 。
すでにフィールドライフ本社では展示されていたようですが、多くの方が実物を見られたのは、このショーからということになります。
精悍なブラックパールのボディ。フロントには、金色でコングのロゴ入り。
カッコいい軽キャンカーの登場です。

2月に造られたプロトタイプでは、マツダ・スクラムがベース車として使われていましたが、今回はそのOEM元であるスズキ・エブリイに変わっていました。
バンとワゴンのチョイスも可能。ワゴンベースでは、ターボチャージャー付きのJOINターボを選ぶこともできます。
同社の 「トライキャンパー」 が、どちらかというとファミリー路線の柔らかさを訴えるクルマであるのに比べ、こちらは、ちょっと “キャラが立った” 若い人向けのクルマです。
ホイールベースも、トライより長いので、乗り心地も多少こちらの方がいいかも。
助手席のシートを前に倒すと、その背が簡易テーブルとして使えます。
フルフラットベッド状態にすれば、移動テーブルを “ちゃぶ台” に見立てて、ちょっとお座敷気分。

トライキャンパー同様、軽自動車の8ナンバー登録となるため、自動車税や重量税なども安く、維持費を抑えられるのも特徴の一つです。
乗車定員は4名。就寝定員は2名ですが、ポップアップルーフを採用しているので、お子さんが小さいファミリーならば4人就寝も可能です。

《デルタワゴンCL》
デルタリンクさんのオリジナルバンコンとしては、「スナフキン」 が有名ですが、レイアウトがちょっと異色。とても素敵なバンコンですが、好き嫌いが分かれるかもしれません。
その点、このデルタリンク宮城さんが開発した 「デルタワゴン」 の方は、どんな目的を持った人でも、どんな家族構成のファミリーでも、全方位的に受け入れてくれるキャパシティの広さが魅力となっています。

ハイエースのロングワゴンと、スーパーロングの2車種の設定があり、ロングワゴン (CN) はカップル。そしてスーパーロング (CL) は、ファミリーに対応しています。(写真で紹介しているのは、そのスーパーロングバージョンです) 。
どちらも基本は、「もっと広く」 、「もっと明るく」 、「もっと便利に」 。
下の写真をご覧いただくと分かるとおり、とにかくベッドメイクしたときのベッドスペースの広さは特筆もの!
ベッドマットを折りたためば、リヤスペースは広大なカーゴルーム。

リヤ2段ベッドは、横方向に寝る場合は、一応 「子供用ベッド」 という形になりますが、サードシートと後部マットを使って、縦方向で寝るならば、大人3名の就寝定員がカウントできます。

セカンドシートの右サイドには、冷蔵庫とシンクを埋め込んだキッチンが設定されています。蓋を閉めれば、物置スペースとなるロングカウンターに早変り。
セカンドシートは固定。
セカンド、サードシートともにFASPを使う手もあったと思いますが、ベッド展開などの手間を考えて、FASPは1脚のみ。夫婦2人なら、サードシート以降を “万年ベッド” にするという気楽な使い方も 「あり!」 ですね。
価格設定をなるべくリーズナブルなレベルに抑えながらも、GLパッケージをベースに使い、装備を充実させて、ちょっと豪華な仕様にしているところがミソ。
展示車は、今のところデルタリンク宮城にあるだけのようですが、全国のデルタリンク販売ネットワークを通じて買うことができます。
《リ・ラックス》
北海道・旭川で活躍されるアルペジオさんからは、人気車 「キャンディ」 に続く、 「リ・ラックス」 がリリースされました。
これも、ハイエースのスーパーロングをベースにしたバンコンバージョン。
アカ抜けた、お洒落なインテリアが魅力の1台です。

シンプル装備で広々使うという 「キャンディ」 に対し、こちらは充実装備が売り。
正弦派インバーター (1500W) 、電子レンジ、ベンチレーターなど、オプション設定されることが多い装備類が、みな標準。
「バンコンとは思えない大型キッチン!」 とカタログで謳っているとおり、耐熱ガラスカバー付き2バーナーコンロ、ホーローシンクなど、キッチン周りは実に充実しています。
給排水タンクもそれぞれ20リットル。
キッチンを重視した関係上、サードシートは単座となりました。
これは、調理するスペースを確保し、リヤベッドまでのウォークスルーも確保するという意図のようです。
もちろん、オーダーによって、サードシートを2人掛けにすることもできます。

エントランス右横には、傘立てと、乗降を助けるためのアシストグリップ。
シニアの使用も射程においた設計です。
アシストグリップは、左サイドのシューズボックスの上にも設置されています。
アルペジオさんとしては、初のリヤ2段ベッドが採用されました。
上段は1600×830㎜。果断は1720×830㎜。
規定上、チャイルドベッドのサイズとなりますが、大人でも小柄な方ならもちろん就寝可能です
「キャンディ」 同様、フロント席尾の頭上にはテレビラックが…。
テレビは、今のところオプション設定ですが、標準装備となる可能性もなきにしもあらず、という話でした。

今週土曜日からは、インテックス大阪にて、「関西キャンピングカーショー」 が始まります。
日本のキャンピングカーシーンも、秋の深まりとともに、ますます充実してきました。
大阪の夜は、梅田の串揚げ屋で、「タコハイを一杯!」 が楽しみです。
今回は、少し前に開発を終えていながら、ビックイベントに登場するのは初めてというクルマを集めてみました。
《コング KONG》
最初のクルマはフィールドライフさんの 「コング」 です。
とても問い合わせの多いクルマで、3月にこのブログで一度紹介して以来、毎日1人か2人は、必ずこの 「コング」 という検索ワードでお越しいただく方がいらっしゃいます。フィールドライフさんのHPには、まだ掲載されていないという事情もあったからなんでしょうね。
で、この 「コング」 。
すでにフィールドライフ本社では展示されていたようですが、多くの方が実物を見られたのは、このショーからということになります。
精悍なブラックパールのボディ。フロントには、金色でコングのロゴ入り。
カッコいい軽キャンカーの登場です。
2月に造られたプロトタイプでは、マツダ・スクラムがベース車として使われていましたが、今回はそのOEM元であるスズキ・エブリイに変わっていました。
バンとワゴンのチョイスも可能。ワゴンベースでは、ターボチャージャー付きのJOINターボを選ぶこともできます。
同社の 「トライキャンパー」 が、どちらかというとファミリー路線の柔らかさを訴えるクルマであるのに比べ、こちらは、ちょっと “キャラが立った” 若い人向けのクルマです。
ホイールベースも、トライより長いので、乗り心地も多少こちらの方がいいかも。
助手席のシートを前に倒すと、その背が簡易テーブルとして使えます。
フルフラットベッド状態にすれば、移動テーブルを “ちゃぶ台” に見立てて、ちょっとお座敷気分。
トライキャンパー同様、軽自動車の8ナンバー登録となるため、自動車税や重量税なども安く、維持費を抑えられるのも特徴の一つです。
乗車定員は4名。就寝定員は2名ですが、ポップアップルーフを採用しているので、お子さんが小さいファミリーならば4人就寝も可能です。
《デルタワゴンCL》
デルタリンクさんのオリジナルバンコンとしては、「スナフキン」 が有名ですが、レイアウトがちょっと異色。とても素敵なバンコンですが、好き嫌いが分かれるかもしれません。
その点、このデルタリンク宮城さんが開発した 「デルタワゴン」 の方は、どんな目的を持った人でも、どんな家族構成のファミリーでも、全方位的に受け入れてくれるキャパシティの広さが魅力となっています。
ハイエースのロングワゴンと、スーパーロングの2車種の設定があり、ロングワゴン (CN) はカップル。そしてスーパーロング (CL) は、ファミリーに対応しています。(写真で紹介しているのは、そのスーパーロングバージョンです) 。
どちらも基本は、「もっと広く」 、「もっと明るく」 、「もっと便利に」 。
下の写真をご覧いただくと分かるとおり、とにかくベッドメイクしたときのベッドスペースの広さは特筆もの!
ベッドマットを折りたためば、リヤスペースは広大なカーゴルーム。
リヤ2段ベッドは、横方向に寝る場合は、一応 「子供用ベッド」 という形になりますが、サードシートと後部マットを使って、縦方向で寝るならば、大人3名の就寝定員がカウントできます。
セカンドシートの右サイドには、冷蔵庫とシンクを埋め込んだキッチンが設定されています。蓋を閉めれば、物置スペースとなるロングカウンターに早変り。
セカンドシートは固定。
セカンド、サードシートともにFASPを使う手もあったと思いますが、ベッド展開などの手間を考えて、FASPは1脚のみ。夫婦2人なら、サードシート以降を “万年ベッド” にするという気楽な使い方も 「あり!」 ですね。
価格設定をなるべくリーズナブルなレベルに抑えながらも、GLパッケージをベースに使い、装備を充実させて、ちょっと豪華な仕様にしているところがミソ。
展示車は、今のところデルタリンク宮城にあるだけのようですが、全国のデルタリンク販売ネットワークを通じて買うことができます。
《リ・ラックス》
北海道・旭川で活躍されるアルペジオさんからは、人気車 「キャンディ」 に続く、 「リ・ラックス」 がリリースされました。
これも、ハイエースのスーパーロングをベースにしたバンコンバージョン。
アカ抜けた、お洒落なインテリアが魅力の1台です。
シンプル装備で広々使うという 「キャンディ」 に対し、こちらは充実装備が売り。
正弦派インバーター (1500W) 、電子レンジ、ベンチレーターなど、オプション設定されることが多い装備類が、みな標準。
「バンコンとは思えない大型キッチン!」 とカタログで謳っているとおり、耐熱ガラスカバー付き2バーナーコンロ、ホーローシンクなど、キッチン周りは実に充実しています。
給排水タンクもそれぞれ20リットル。
キッチンを重視した関係上、サードシートは単座となりました。
これは、調理するスペースを確保し、リヤベッドまでのウォークスルーも確保するという意図のようです。
もちろん、オーダーによって、サードシートを2人掛けにすることもできます。
エントランス右横には、傘立てと、乗降を助けるためのアシストグリップ。
シニアの使用も射程においた設計です。
アシストグリップは、左サイドのシューズボックスの上にも設置されています。
アルペジオさんとしては、初のリヤ2段ベッドが採用されました。
上段は1600×830㎜。果断は1720×830㎜。
規定上、チャイルドベッドのサイズとなりますが、大人でも小柄な方ならもちろん就寝可能です
「キャンディ」 同様、フロント席尾の頭上にはテレビラックが…。
テレビは、今のところオプション設定ですが、標準装備となる可能性もなきにしもあらず、という話でした。
今週土曜日からは、インテックス大阪にて、「関西キャンピングカーショー」 が始まります。
日本のキャンピングカーシーンも、秋の深まりとともに、ますます充実してきました。
大阪の夜は、梅田の串揚げ屋で、「タコハイを一杯!」 が楽しみです。
2007年09月20日
東北ショー新車2
先週行われた 「東北キャンピングカーショー」 は、この時期としては珍しいほど新しいクルマが登場したショーでした。
昨日に続き、今日は、その東北ショーでデビューした新型車シリーズ第2弾。
まず国産トレーラーの 「デュエット T-2」 からご紹介しましょう。
《デュエット T-2》
このトレーラーは、青森のキャンピングカーディーラー 「あかひら」 さんの赤平好美社長が、足掛け5年を費やして構想を練ったものです。
なんともスタイリッシュなフォルム!

サイドパネルとコーナーのつなぎめの雰囲気が、どことなく 「ユーロスター」 や 「キング」 に似ているような…
そうです。実際に製作されているのは、グローバルさんです。
しかし、コンセプトメイクは 「あかひら」 さんが行ったもので、「デュエット」 というネーミングから想像できるように、夫婦2人が使うトレーラーを目指して開発されました。
車内に入ると、ドドーンと広いベッド!

もちろん、このベッドスペースは、テーブルを挟んで二の字のベンチシートを展開できるわけですが、赤平社長が狙ったのは、このベッド状態をそのまま保って、“お座敷” として使うこと。
ベッドマットの中央にセンターポールを立てて、テーブルを設置すれば、それがそのまま “畳にちゃぶ台” という雰囲気に…。

買いやすい価格帯 (車両本体価格 1,680,000円) を実現するために、装備類は思いっきりシンプルにまとめられています。FFヒーターも冷蔵庫もなし。
しかし、それらの装備を載せようと思えば、すぐに対応できるように、配線は完璧に張り巡らされています。
外から見ると、とてもプリティ!
しかし、中に入ると、意外な広さにびっくりするトレーラーです。
《新型アトム》
バンテックさんからは、新型アトムが登場しました。
シャシーが変りました。

ベース車のタウンエースがオーダーストップとなったため、日産バネットが採用されました。
それに伴い、シェルも新規に起こされて、窓位置やスカート部のデザインなども変更されています。
足回りも、リヤは増しリーフで強化。
もちろん、室内も新しくなりました。
写真で紹介するモデルはタイプAですが、リヤ2段ベッドには転落防止用のネットが新設されています。

小型キャブコンながら、さすがにバンテックさんならではの、洗練されたインテリアが魅力的です。

《ホビオ マイボックス POP UP》
ホワイトハウスさんの人気車 「ホビオ マイボックス」 には、ポップアップルーフを装備した新型バージョンが追加となりました。
これも、この東北ショーでデビュー。

もともとこの 「マイボックス」 は、キャンピング仕様の軽キャンカーながら、乗用ベースの5ナンバー登録車。乗り心地に優れたスマートな走りが魅力。
これまでも、コンパクトボディであることを感じさせないような、豊富な収納スペースと使い勝手のよい装備類を持つハイクオリティ軽キャンカーとして、根強い人気を誇っていました。

しかしながら、今までは車内で寝られる人数は、2人まで。
ところが、このポップアップルーフの採用により、4人就寝が可能になりました。
普通、ポップアップルーフを採用すると、ルーフ部にキャビネットを作ることが難しくなるのですが、この 「マイボックス」 ではルーフのインナーにもしっかり収納庫が…。

こういう軽自動車ベースのキャンピングカーの場合、収納スペースの確保がどこのビルダーさんにおいても腕の見せ所となるわけですが、このクルマは、それを難なくクリア。
さすが、軽キャンパーの先駆者であるホワイトハウスさんですね。
昨日に続き、今日は、その東北ショーでデビューした新型車シリーズ第2弾。
まず国産トレーラーの 「デュエット T-2」 からご紹介しましょう。
《デュエット T-2》
このトレーラーは、青森のキャンピングカーディーラー 「あかひら」 さんの赤平好美社長が、足掛け5年を費やして構想を練ったものです。
なんともスタイリッシュなフォルム!
サイドパネルとコーナーのつなぎめの雰囲気が、どことなく 「ユーロスター」 や 「キング」 に似ているような…
そうです。実際に製作されているのは、グローバルさんです。
しかし、コンセプトメイクは 「あかひら」 さんが行ったもので、「デュエット」 というネーミングから想像できるように、夫婦2人が使うトレーラーを目指して開発されました。
車内に入ると、ドドーンと広いベッド!
もちろん、このベッドスペースは、テーブルを挟んで二の字のベンチシートを展開できるわけですが、赤平社長が狙ったのは、このベッド状態をそのまま保って、“お座敷” として使うこと。
ベッドマットの中央にセンターポールを立てて、テーブルを設置すれば、それがそのまま “畳にちゃぶ台” という雰囲気に…。
買いやすい価格帯 (車両本体価格 1,680,000円) を実現するために、装備類は思いっきりシンプルにまとめられています。FFヒーターも冷蔵庫もなし。
しかし、それらの装備を載せようと思えば、すぐに対応できるように、配線は完璧に張り巡らされています。
外から見ると、とてもプリティ!
しかし、中に入ると、意外な広さにびっくりするトレーラーです。
《新型アトム》
バンテックさんからは、新型アトムが登場しました。
シャシーが変りました。
ベース車のタウンエースがオーダーストップとなったため、日産バネットが採用されました。
それに伴い、シェルも新規に起こされて、窓位置やスカート部のデザインなども変更されています。
足回りも、リヤは増しリーフで強化。
もちろん、室内も新しくなりました。
写真で紹介するモデルはタイプAですが、リヤ2段ベッドには転落防止用のネットが新設されています。
小型キャブコンながら、さすがにバンテックさんならではの、洗練されたインテリアが魅力的です。
《ホビオ マイボックス POP UP》
ホワイトハウスさんの人気車 「ホビオ マイボックス」 には、ポップアップルーフを装備した新型バージョンが追加となりました。
これも、この東北ショーでデビュー。
もともとこの 「マイボックス」 は、キャンピング仕様の軽キャンカーながら、乗用ベースの5ナンバー登録車。乗り心地に優れたスマートな走りが魅力。
これまでも、コンパクトボディであることを感じさせないような、豊富な収納スペースと使い勝手のよい装備類を持つハイクオリティ軽キャンカーとして、根強い人気を誇っていました。
しかしながら、今までは車内で寝られる人数は、2人まで。
ところが、このポップアップルーフの採用により、4人就寝が可能になりました。
普通、ポップアップルーフを採用すると、ルーフ部にキャビネットを作ることが難しくなるのですが、この 「マイボックス」 ではルーフのインナーにもしっかり収納庫が…。
こういう軽自動車ベースのキャンピングカーの場合、収納スペースの確保がどこのビルダーさんにおいても腕の見せ所となるわけですが、このクルマは、それを難なくクリア。
さすが、軽キャンパーの先駆者であるホワイトハウスさんですね。
2007年09月19日
東北ショー新車1
先週の15日~16日に開かれた 「東北キャンピングカーショー」 でデビューしたニューカーをご紹介しましょう。
まずは、ショーの前日に出来上がったというホットなクルマから、とりあえず3台ほど。
《パラドール》
RVビックフットさんは、新型バスコンを2台エントリーしました。
最初のクルマは、シビリアンベースの 「パラドール」 。

エポック・レボリューションの装備をそのままに、セカンドシートがL字に変更されています。
特徴的なのは、トイレルームとベッドルームの間に設定された鏡付きの洗面スペース。バスコンとしては、女性が使うのに適した、画期的な企画が実現したといえましょう。

リヤ固定ベッドのサイズは1870×1300㎜。その下は、室内からもアクセスできる、広々としたトランクルームになっています。

《トリニティ》
同じくRVビックフットさんからリリースされた 「トリニティ」 。
リヤ常設2段ベッドを設定した 「グランディーネ」 の進化系ともいうべきクルマです。

2段ベッド前の横座りサードシートが、くつろぎのスペースとして機能。
調理台からテーブルへの、料理の持ち運びは “振り返る” だけ。

走行中でも、簡単な食事ができるように、前方にカウンターテーブルを供えたセカンドシートも完備。

《キング・レジェンド》
グローバルさんからは、キングの新バージョン 「キング・レジェンド」 のプロトタイプが出品されました。
「ユーロスター」 と同じように、床を下げた低重心設計で、装甲安定性の確保を図っています。
バンク部を絞り込んだシャープなシルエットが、実にきれい。
スカート部のメタリックペイントも、高級感を演出しています。

レイアウトは、オーソドックスな対面ダイネットとサイドソファーを組み合わせた王道パターン。
しかし、女性にも使いやすいように、キッチンスペースが広く取られていることが特徴です。
冷蔵庫は、長期旅行・長期滞在にも対応できるように、ガスも使える3ウェイ方式。オーダーによっては、1ウェイのチョイスも可能です。

明日は、ホワイトハウスさんの 「ホビオマイボックス POPUP仕様」 、あかひらさんの国産トレーラー 「デュエットT-2 (グローバル製) 、バンテックさんの 「ニューアトム」 などの情報をお届けしましょう。
機を見て、フィールドライフさんの 「コング」 、デルタリンク宮城さんの 「新デルタワゴンCL」 、アルペジオさんの 「リ・ラックス」 などの紹介も試みる予定です。
まずは、ショーの前日に出来上がったというホットなクルマから、とりあえず3台ほど。
《パラドール》
RVビックフットさんは、新型バスコンを2台エントリーしました。
最初のクルマは、シビリアンベースの 「パラドール」 。
エポック・レボリューションの装備をそのままに、セカンドシートがL字に変更されています。
特徴的なのは、トイレルームとベッドルームの間に設定された鏡付きの洗面スペース。バスコンとしては、女性が使うのに適した、画期的な企画が実現したといえましょう。
リヤ固定ベッドのサイズは1870×1300㎜。その下は、室内からもアクセスできる、広々としたトランクルームになっています。
《トリニティ》
同じくRVビックフットさんからリリースされた 「トリニティ」 。
リヤ常設2段ベッドを設定した 「グランディーネ」 の進化系ともいうべきクルマです。
2段ベッド前の横座りサードシートが、くつろぎのスペースとして機能。
調理台からテーブルへの、料理の持ち運びは “振り返る” だけ。
走行中でも、簡単な食事ができるように、前方にカウンターテーブルを供えたセカンドシートも完備。
《キング・レジェンド》
グローバルさんからは、キングの新バージョン 「キング・レジェンド」 のプロトタイプが出品されました。
「ユーロスター」 と同じように、床を下げた低重心設計で、装甲安定性の確保を図っています。
バンク部を絞り込んだシャープなシルエットが、実にきれい。
スカート部のメタリックペイントも、高級感を演出しています。
レイアウトは、オーソドックスな対面ダイネットとサイドソファーを組み合わせた王道パターン。
しかし、女性にも使いやすいように、キッチンスペースが広く取られていることが特徴です。
冷蔵庫は、長期旅行・長期滞在にも対応できるように、ガスも使える3ウェイ方式。オーダーによっては、1ウェイのチョイスも可能です。
明日は、ホワイトハウスさんの 「ホビオマイボックス POPUP仕様」 、あかひらさんの国産トレーラー 「デュエットT-2 (グローバル製) 、バンテックさんの 「ニューアトム」 などの情報をお届けしましょう。
機を見て、フィールドライフさんの 「コング」 、デルタリンク宮城さんの 「新デルタワゴンCL」 、アルペジオさんの 「リ・ラックス」 などの紹介も試みる予定です。
2007年08月15日
次期ワンタイR5
7月末、東京・調布の味の素スタジオで行われた 「東京キャンピングカーショー」 の会場で、展示車の華やかなブースに混じることなく出展者駐車場にひっそりとたたずんでいた、1台のキャンピングカーがあった。
厳密にいうと、“半キャンピングカー”。
シェルだけ架装してあるものの、中味はガラガラの空洞で、ただのパネルバン状態。ショーのディスプレイに使う小物類を搬送してきたクルマらしい。
しかし、キャンピングカーに興味を持っている人がそれを見たら、ちょっと興味をそそられたことだろう。
ベース車は、トヨタ・ランドクルーザー80。
そのボディがカットされ、一見FRP製に見える真っ白なキャブコン型シェルが架装されていたからだ。
それも、鋭角的に絞り込まれたバンク部のデザインを見るかぎり、ボディショップアジロさんが開発している 「ワンタイR-5」 の系列に属するクルマであることは間違いない。
窓こそ、まだ切り込まれていないものの、すでにエントランスドアは付けられている。
そのドア位置は、まさにハイラックス時代から変らぬワンタイR-5のドア位置だ。

「網代 (あじろ) さん、あれはR-5の新型ですね?」
ブースでハイエースを展示していた網代さんのところに戻って、さっそく尋ねてみた。
「そのとおりだ」 と言う。
ランクルにアルミ製のシェルを架装したキャブコンを開発しているという話は、網代さんから、もう1年ぐらい前に聞いたことがある。
それが、このクルマだったのだ。
だから、FRP製ボディに見えたとしても、実はアルミニューム。
もちろん、ボディに丸みを持たせるために、コーナー部はFRPでアールが取られているが、サイドパネルとリヤパネル、そしてルーフには、ドーンと目一杯、アルミ板が使われている。

このFRPとアルミの接合部分が、外から見ただけではまったく分からないというのが、このクルマのマジックであり、そこにはボディショップアジロの“秘伝”が生かされている。
アルミをシェルの素材に使った理由は、まずはボディの軽量化。
もともとランクル80の車両重量は、2,200㎏ぐらいだという。
それをボディカットして、シェルを架装した状態で、2,280㎏。そこに椅子・テーブル・流しなどの家具を組み込んで、プラス20㎏ぐらい。
アジロさんの計算では、車両重量で2t半を切るキャンピングカーになるらしい。
もともと、ハイラックスベースの時代から、ワンタイR-5シリーズは、その軽量ボディによる運動性能の高さでは定評があった。
ワンタイR-5の前モデルは、トイレルームなどをあっさり取り払ったレイアウトによって、コンパクトボディを実現。それがまた、俊敏な走りを可能にしていた。
ランクル80シャシーは、ハイラックスより大きいので、今回はトイレルームを設けるという。
それでも、シェルをアルミにしたために、重量的なハンディにはならないとか。また、アルミはリサイクルが容易なので、エコロジーにも貢献する。
そういった意味では、未来志向のキャンピングカーなのだが、いかんせん、ベース車のランクル80は、すでに生産が終わっている。
「本当は、ランクル100でデモカーを造りたかったのだけれど、なにぶん車両価格が高すぎるんでね」
と、網代さんは苦笑い。
それに、ランクル100になってしまうと、ベース車自体が重くなってしまうので、アルミシェルを架装しても、あまり軽量化のうまみが出てこないとも。
「100の場合は、軽くするために、家具は全部中抜き構造にしなければならないんですよ。そうなると手間がかかるから、バカ高いキャンピングカーになっちゃうんですね」
でも、100のオーダーがあれば造りたいらしい。
本当は、そういう顧客が出るのを待ち望んでいるようだ。
ランクル80で造る場合は、中古車を探して、網代さんのショップに持ち込んでもよいし、網代さんに、80の中古車を探してもらうことも可。
ただし、ディーゼル車は排ガス規制を受けるので、規制の対象から外れるガソリン車に限られる。
ランクル80をベースにした 「新型ワンタイ」 の完成は、今年の秋頃。
11月に開かれる 「東京・お台場くるま旅フェスティバル」 には、なんとか間に合わせたい、と網代さんは張り切っている。
ボディショップアジロ tel. 03-3607-4354
厳密にいうと、“半キャンピングカー”。
シェルだけ架装してあるものの、中味はガラガラの空洞で、ただのパネルバン状態。ショーのディスプレイに使う小物類を搬送してきたクルマらしい。
しかし、キャンピングカーに興味を持っている人がそれを見たら、ちょっと興味をそそられたことだろう。
ベース車は、トヨタ・ランドクルーザー80。
そのボディがカットされ、一見FRP製に見える真っ白なキャブコン型シェルが架装されていたからだ。
それも、鋭角的に絞り込まれたバンク部のデザインを見るかぎり、ボディショップアジロさんが開発している 「ワンタイR-5」 の系列に属するクルマであることは間違いない。
窓こそ、まだ切り込まれていないものの、すでにエントランスドアは付けられている。
そのドア位置は、まさにハイラックス時代から変らぬワンタイR-5のドア位置だ。
「網代 (あじろ) さん、あれはR-5の新型ですね?」
ブースでハイエースを展示していた網代さんのところに戻って、さっそく尋ねてみた。
「そのとおりだ」 と言う。
ランクルにアルミ製のシェルを架装したキャブコンを開発しているという話は、網代さんから、もう1年ぐらい前に聞いたことがある。
それが、このクルマだったのだ。
だから、FRP製ボディに見えたとしても、実はアルミニューム。
もちろん、ボディに丸みを持たせるために、コーナー部はFRPでアールが取られているが、サイドパネルとリヤパネル、そしてルーフには、ドーンと目一杯、アルミ板が使われている。
このFRPとアルミの接合部分が、外から見ただけではまったく分からないというのが、このクルマのマジックであり、そこにはボディショップアジロの“秘伝”が生かされている。
アルミをシェルの素材に使った理由は、まずはボディの軽量化。
もともとランクル80の車両重量は、2,200㎏ぐらいだという。
それをボディカットして、シェルを架装した状態で、2,280㎏。そこに椅子・テーブル・流しなどの家具を組み込んで、プラス20㎏ぐらい。
アジロさんの計算では、車両重量で2t半を切るキャンピングカーになるらしい。
もともと、ハイラックスベースの時代から、ワンタイR-5シリーズは、その軽量ボディによる運動性能の高さでは定評があった。
ワンタイR-5の前モデルは、トイレルームなどをあっさり取り払ったレイアウトによって、コンパクトボディを実現。それがまた、俊敏な走りを可能にしていた。
ランクル80シャシーは、ハイラックスより大きいので、今回はトイレルームを設けるという。
それでも、シェルをアルミにしたために、重量的なハンディにはならないとか。また、アルミはリサイクルが容易なので、エコロジーにも貢献する。
そういった意味では、未来志向のキャンピングカーなのだが、いかんせん、ベース車のランクル80は、すでに生産が終わっている。
「本当は、ランクル100でデモカーを造りたかったのだけれど、なにぶん車両価格が高すぎるんでね」
と、網代さんは苦笑い。
それに、ランクル100になってしまうと、ベース車自体が重くなってしまうので、アルミシェルを架装しても、あまり軽量化のうまみが出てこないとも。
「100の場合は、軽くするために、家具は全部中抜き構造にしなければならないんですよ。そうなると手間がかかるから、バカ高いキャンピングカーになっちゃうんですね」
でも、100のオーダーがあれば造りたいらしい。
本当は、そういう顧客が出るのを待ち望んでいるようだ。
ランクル80で造る場合は、中古車を探して、網代さんのショップに持ち込んでもよいし、網代さんに、80の中古車を探してもらうことも可。
ただし、ディーゼル車は排ガス規制を受けるので、規制の対象から外れるガソリン車に限られる。
ランクル80をベースにした 「新型ワンタイ」 の完成は、今年の秋頃。
11月に開かれる 「東京・お台場くるま旅フェスティバル」 には、なんとか間に合わせたい、と網代さんは張り切っている。
ボディショップアジロ tel. 03-3607-4354
2007年08月13日
クライムジャンパー
【お勧めキャンカー8 「クライム ジャンパー」 】
白って色は、華やかな色だ。
白いスーツ、白いドレス、白い靴。
そういう 「白いお洒落」 が、とびっきり贅沢に見えるのは、気をつけないとすぐに汚れるという危うさと、常に表裏一体になっているからである。
つまり、白には、「刹那 (せつな) の輝き」 という意味があるのだ。
で、この 「クライム ジャンパー」。
実に、贅沢なバンコンである。
どこもかしこも、真っ白!

ドライバーズシートも白。
セカンド、サードシートも白。
リヤベッドのマットも白。
それを支えるキャビネットも白。
フロアも白。
真夏の陽射しの中で、その白が、太陽よりもまぶしく照り輝く。
ただ、クライム ジャンパーの白いシートは、すべてビニールレザー。汚れた場合は、すぐに拭き取れるようになっているのがミソ。
もちろん外板色も、インテリアカラーも各種用意されているので、白だけが 「売り」 というクルマではない。
ただ、白が似合うお洒落なクルマであることだけは確かだ。
アルフレックスの開発するバンコンは、フレックスランドナーにおいても、このクライム ジャンパーにおいても、カスタム系の意匠を身にまとっていることを特徴とする。
ベースは、ハイエース・ワゴンDXなのだが、パッと見、そうは思えないラグジュアリー感が漂っているところが、このクルマの個性といえよう。
フロントには、オリジナルのアンダースポイラーが装着され、グリルもボディ同色のカラードグリル。
さらに、クローム製のドアミラーとドアヒンジ。
しかも、キャンピングカーではあまりお目にかかれないローダウン仕様。
通常は、2インチほど落としているところを、ディスプレイ用の展示車では3.5インチ!
そのせいで、まさに地を這うようなシルエットが実現されている。

シートアレンジは実に豊富なクルマだ。
ドライバーズシートを展開した状態でも、リヤに広大なラゲージスペースが生まれるが、ハイマウントベッドを設定しても、その下側がトランクルームとなる。

さらに、ベッドボードをすべて取り払ってしまえば、立派なトランポ。
自転車なども楽々と積み込むことができる。
様々なライフスタイルに応じて、いかようにも使えるクルマだが、どんな人でもカッコよく使いこなせるかどうかは、また別問題。
実際の年齢には関係ないが、気持ちの上で、常に 「若さ」 と 「遊び心」 を保っていないと、このお洒落なクルマの迫力には負けてしまう。
ベース車のハイエースのモデルチェンジをひかえ、新車の価格は未定。
ただ、7月末に開かれた 「東京キャンピングカーショー」 に登場したときの車両本体価格は、300万円をぎりぎり切るぐらいの200万円台に抑えられていた。
値上がりがあったとしても、ベース車の価格UPぐらいではなかろうか。
関連記事 「ランドナーを語る」
白って色は、華やかな色だ。
白いスーツ、白いドレス、白い靴。
そういう 「白いお洒落」 が、とびっきり贅沢に見えるのは、気をつけないとすぐに汚れるという危うさと、常に表裏一体になっているからである。
つまり、白には、「刹那 (せつな) の輝き」 という意味があるのだ。
で、この 「クライム ジャンパー」。
実に、贅沢なバンコンである。
どこもかしこも、真っ白!
ドライバーズシートも白。
セカンド、サードシートも白。
リヤベッドのマットも白。
それを支えるキャビネットも白。
フロアも白。
真夏の陽射しの中で、その白が、太陽よりもまぶしく照り輝く。
ただ、クライム ジャンパーの白いシートは、すべてビニールレザー。汚れた場合は、すぐに拭き取れるようになっているのがミソ。
もちろん外板色も、インテリアカラーも各種用意されているので、白だけが 「売り」 というクルマではない。
ただ、白が似合うお洒落なクルマであることだけは確かだ。
アルフレックスの開発するバンコンは、フレックスランドナーにおいても、このクライム ジャンパーにおいても、カスタム系の意匠を身にまとっていることを特徴とする。
ベースは、ハイエース・ワゴンDXなのだが、パッと見、そうは思えないラグジュアリー感が漂っているところが、このクルマの個性といえよう。
フロントには、オリジナルのアンダースポイラーが装着され、グリルもボディ同色のカラードグリル。
さらに、クローム製のドアミラーとドアヒンジ。
しかも、キャンピングカーではあまりお目にかかれないローダウン仕様。
通常は、2インチほど落としているところを、ディスプレイ用の展示車では3.5インチ!
そのせいで、まさに地を這うようなシルエットが実現されている。
シートアレンジは実に豊富なクルマだ。
ドライバーズシートを展開した状態でも、リヤに広大なラゲージスペースが生まれるが、ハイマウントベッドを設定しても、その下側がトランクルームとなる。
さらに、ベッドボードをすべて取り払ってしまえば、立派なトランポ。
自転車なども楽々と積み込むことができる。
様々なライフスタイルに応じて、いかようにも使えるクルマだが、どんな人でもカッコよく使いこなせるかどうかは、また別問題。
実際の年齢には関係ないが、気持ちの上で、常に 「若さ」 と 「遊び心」 を保っていないと、このお洒落なクルマの迫力には負けてしまう。
ベース車のハイエースのモデルチェンジをひかえ、新車の価格は未定。
ただ、7月末に開かれた 「東京キャンピングカーショー」 に登場したときの車両本体価格は、300万円をぎりぎり切るぐらいの200万円台に抑えられていた。
値上がりがあったとしても、ベース車の価格UPぐらいではなかろうか。
関連記事 「ランドナーを語る」
2007年08月08日
CC
【お勧めキャンカー7 「CC」 】

軽自動車キャンピングカーのすさまじいブームが吹き荒れるなか、バンコンの老舗を自負するレクビィは、最初、このブームを静観する構えを示した。
ハイエースの充実したラインナップを誇る同社は、あえて 「軽キャンカー」 の部門に進出しなくても、バンコンユーザーのあらかたのニーズを満たす品揃えに自信を持っていたように思う。
しかし、さすがのレクビィといえども、市場の一大トレンドとして脚光を浴びている軽ブームを無視するわけにはいかなくなったらしい。
「CC」 は、日本を代表するバンコンメーカーレクビィが初めて世に問うた、渾身の軽キャンカーである。
さすがに、バンコンのプロショップ!
先行する様々な軽キャンカーを研究し、その偉大な先輩たちの“ホンの少し足りない”ところを見事にカバーして、憎いほどの商品価値の高い軽キャンカーを造ってしまった。
まさに、後出しジャンケンの強さ!

まず、商品設定。
軽自動車をキャンピングカーベースに使うメリットとして、顧客が何にプライオリティを置いているかを、しっかりリサーチしているところが憎い。
軽キャンカーは、大別すると、軽自動車でありながら普通車登録になるものと、軽の8ナンバー登録になるもの。さらに、軽自動車のままの4ナンバーないしは5ナンバー登録になるものに分かれる。
CCは、4ナンバー登録。
貨物車登録にして、維持費の安さを狙うという戦略だ。
自動車税は年間4,000円。重量税は2年で8,800円。
同じ軽自動車をベースにしたキャンピングカーでも、シェルを架装したキャブコン型キャンピングカーの場合は普通車登録になり、自動車税で23,600円取られてしまうことを考えれば、税金面での安さで、CCには大きなアドバンテージが生まれる。
軽キャンカーに注目している人には、その経済性に魅力を感じている人が多い。そのへんをレクビィは外していない。
キャンピングカーとしての機能を求める人には、充実したハイエースの品揃えで対応できるという自信があるからだろう。
軽キャンカーとして後発のCCは、その出遅れをカバーするかのごとく、画期的なアイデアを次々と実現している。
まず、フロント席の背面を利用したフライングテーブル。
このアイデア自体は、すでに他の軽キャンカーでも試みられている。
しかしCCのテーブルは、使い勝手を広げるために、いろいろなアクションを用意している。

ひとつは、セカンドシートに着座した状態で、普通のダイネットテーブルとして使うというもの。
フロントのシートバックを後ろに倒しても、前に倒しても、常に水平を保つように工夫が凝らされているので、実に便利。
カップホルダーも付いているので、簡単な食事を取ったりする時にも、まったく問題がない。

さらに、このテーブルはリヤベッドを展開した時にも使えるし、使用しないときは、シート背面に折りたたんで格納できるようになっている。
FASPシートを、マルチアクション・シートなどと呼ぶことがあるが、さしずめこのテーブルは、「マルチアクション・テーブル」 といったところか。
軽キャンカーの場合は、ベッドスペースをいかに広く取るかが、大きな問題となる。
CCでは、セカンドシートを前側にたたみ込んで、ベッドマットを展開すれば、フロント席からリヤゲートまで、1,800×1,250㎜という全面ベッドができあがる。
1.5mのシャワーホース付きシンクが、立派に装備されているにもかかわらずである。

よく見ると、シンクが途中からすとんと断ち落とされて、その下に空間が生まれている。
通常、シンクを付ければ、その下に水タンクを置きたくなるし、そうなると、シンク全体をキャビネット化しなければならない。
ところが、CCでは、ベッドスペースを広げるために、フロアに載せるキャビネットが全部廃止された。

では、水タンクはどこに?
配管を回して、セカンドシート下に置かれているのだ。
CCでは、リヤ部の荷台フロアを一段上げて、ベッド展開できる構造が採られた。そのために、フロアとベッドマットの間に空洞が生まれた。
この空洞が 「ワザあり!」 なのだ。
水タンクは、サブバッテリーと並んで、シート下に装備されているのである。
水とバッテリーという重量物が、車体の中央に集まることによって、ミッドシップエンジンのクルマと同じような重量バランスが実現。それがまた、このクルマの運動性能を向上させる一因となった。

▲バッテリーと水タンクがミッドシップ
フロアを一段高くしたために、ベッド下にも収納ボックスが誕生した。
この収納ボックスは、ベッドマットを持ち上げれば大きく開口し、マットを伏せた状態でも、リヤゲート側から、フタを開けてアクセスできるようになっている。
軽キャンカーの泣き所は、収納スペースなのだが、このCCは、まずその収納機能で、他車を一歩リードしている。

▲ベッドマット下はしっかりした収納スペース
収納スペースは、ベッド下だけではない。
セカンドシート下の、バッテリーと水タンクの両側にも収納が…。
両サイドの天井には、吊り棚。
各クォーター部には、布製ウォールポケットが3ヵ所。

▲セカンドシートの両脇にも収納 ▲コーナーにはウォールポケット
まだ、ある。
リヤゲート近くには、天井に沿ってネットが張られ、フロント席の頭上にはオーバーヘッドキャビネット。
このフロント収納は、薄い作りながらも、衣装や地図などを入れておくことができるし、そのキャビネットの縁を利用して、カーテンレールを回すこともできるようになった。
そのため、この軽キャンカーは欧米製クラスAのように、プリーツ加工した遮光カーテンによって、運転席周りを、外光から遮断することができるのである。

▲天井キャビネットとフロントカーテン
「痒いところに手が届く」 という言葉は、このCCに与えたい。
さすが、バンコンのプロショップ 「レクビィ様」
まいりました。
ちなみに 「CC」 とは、「クリッパーキャンポー」 の略。
日産クリッパーは三菱ミニキャブのOEMだから、駆動系のトラブルに不意に襲われたときも、全国の日産・三菱のサービス網が利用できる。
そんなところにも、レクビィの深謀遠慮がうかがえる。
お値段は、2WD・5MTで税込み 1,573,950円から。
関連記事 「覆面 座談会 カントリークラブ」
関連記事 「新車レポート14 パタゴニア」
軽自動車キャンピングカーのすさまじいブームが吹き荒れるなか、バンコンの老舗を自負するレクビィは、最初、このブームを静観する構えを示した。
ハイエースの充実したラインナップを誇る同社は、あえて 「軽キャンカー」 の部門に進出しなくても、バンコンユーザーのあらかたのニーズを満たす品揃えに自信を持っていたように思う。
しかし、さすがのレクビィといえども、市場の一大トレンドとして脚光を浴びている軽ブームを無視するわけにはいかなくなったらしい。
「CC」 は、日本を代表するバンコンメーカーレクビィが初めて世に問うた、渾身の軽キャンカーである。
さすがに、バンコンのプロショップ!
先行する様々な軽キャンカーを研究し、その偉大な先輩たちの“ホンの少し足りない”ところを見事にカバーして、憎いほどの商品価値の高い軽キャンカーを造ってしまった。
まさに、後出しジャンケンの強さ!
まず、商品設定。
軽自動車をキャンピングカーベースに使うメリットとして、顧客が何にプライオリティを置いているかを、しっかりリサーチしているところが憎い。
軽キャンカーは、大別すると、軽自動車でありながら普通車登録になるものと、軽の8ナンバー登録になるもの。さらに、軽自動車のままの4ナンバーないしは5ナンバー登録になるものに分かれる。
CCは、4ナンバー登録。
貨物車登録にして、維持費の安さを狙うという戦略だ。
自動車税は年間4,000円。重量税は2年で8,800円。
同じ軽自動車をベースにしたキャンピングカーでも、シェルを架装したキャブコン型キャンピングカーの場合は普通車登録になり、自動車税で23,600円取られてしまうことを考えれば、税金面での安さで、CCには大きなアドバンテージが生まれる。
軽キャンカーに注目している人には、その経済性に魅力を感じている人が多い。そのへんをレクビィは外していない。
キャンピングカーとしての機能を求める人には、充実したハイエースの品揃えで対応できるという自信があるからだろう。
軽キャンカーとして後発のCCは、その出遅れをカバーするかのごとく、画期的なアイデアを次々と実現している。
まず、フロント席の背面を利用したフライングテーブル。
このアイデア自体は、すでに他の軽キャンカーでも試みられている。
しかしCCのテーブルは、使い勝手を広げるために、いろいろなアクションを用意している。
ひとつは、セカンドシートに着座した状態で、普通のダイネットテーブルとして使うというもの。
フロントのシートバックを後ろに倒しても、前に倒しても、常に水平を保つように工夫が凝らされているので、実に便利。
カップホルダーも付いているので、簡単な食事を取ったりする時にも、まったく問題がない。
さらに、このテーブルはリヤベッドを展開した時にも使えるし、使用しないときは、シート背面に折りたたんで格納できるようになっている。
FASPシートを、マルチアクション・シートなどと呼ぶことがあるが、さしずめこのテーブルは、「マルチアクション・テーブル」 といったところか。
軽キャンカーの場合は、ベッドスペースをいかに広く取るかが、大きな問題となる。
CCでは、セカンドシートを前側にたたみ込んで、ベッドマットを展開すれば、フロント席からリヤゲートまで、1,800×1,250㎜という全面ベッドができあがる。
1.5mのシャワーホース付きシンクが、立派に装備されているにもかかわらずである。
よく見ると、シンクが途中からすとんと断ち落とされて、その下に空間が生まれている。
通常、シンクを付ければ、その下に水タンクを置きたくなるし、そうなると、シンク全体をキャビネット化しなければならない。
ところが、CCでは、ベッドスペースを広げるために、フロアに載せるキャビネットが全部廃止された。
では、水タンクはどこに?
配管を回して、セカンドシート下に置かれているのだ。
CCでは、リヤ部の荷台フロアを一段上げて、ベッド展開できる構造が採られた。そのために、フロアとベッドマットの間に空洞が生まれた。
この空洞が 「ワザあり!」 なのだ。
水タンクは、サブバッテリーと並んで、シート下に装備されているのである。
水とバッテリーという重量物が、車体の中央に集まることによって、ミッドシップエンジンのクルマと同じような重量バランスが実現。それがまた、このクルマの運動性能を向上させる一因となった。
▲バッテリーと水タンクがミッドシップ
フロアを一段高くしたために、ベッド下にも収納ボックスが誕生した。
この収納ボックスは、ベッドマットを持ち上げれば大きく開口し、マットを伏せた状態でも、リヤゲート側から、フタを開けてアクセスできるようになっている。
軽キャンカーの泣き所は、収納スペースなのだが、このCCは、まずその収納機能で、他車を一歩リードしている。
▲ベッドマット下はしっかりした収納スペース
収納スペースは、ベッド下だけではない。
セカンドシート下の、バッテリーと水タンクの両側にも収納が…。
両サイドの天井には、吊り棚。
各クォーター部には、布製ウォールポケットが3ヵ所。
▲セカンドシートの両脇にも収納 ▲コーナーにはウォールポケット
まだ、ある。
リヤゲート近くには、天井に沿ってネットが張られ、フロント席の頭上にはオーバーヘッドキャビネット。
このフロント収納は、薄い作りながらも、衣装や地図などを入れておくことができるし、そのキャビネットの縁を利用して、カーテンレールを回すこともできるようになった。
そのため、この軽キャンカーは欧米製クラスAのように、プリーツ加工した遮光カーテンによって、運転席周りを、外光から遮断することができるのである。
▲天井キャビネットとフロントカーテン
「痒いところに手が届く」 という言葉は、このCCに与えたい。
さすが、バンコンのプロショップ 「レクビィ様」
まいりました。
ちなみに 「CC」 とは、「クリッパーキャンポー」 の略。
日産クリッパーは三菱ミニキャブのOEMだから、駆動系のトラブルに不意に襲われたときも、全国の日産・三菱のサービス網が利用できる。
そんなところにも、レクビィの深謀遠慮がうかがえる。
お値段は、2WD・5MTで税込み 1,573,950円から。
関連記事 「覆面 座談会 カントリークラブ」
関連記事 「新車レポート14 パタゴニア」
2007年08月07日
ラディ ウィズ
【お勧めキャンカー6 「ラディ ウィズ」 】

アネックスより、「ウィズ」 というクルマが誕生したのは、1998年である。

▲初代 「ウィズ」 カタログ
この時代、まだ 「キャブコン」 なる呼称は生まれておらず、トラックシャシーにシェルを架装したキャンピングカーは、「Tボディ」 などと呼ばれていた。
その“Tボディ”のレイアウトの大半は、中央に対面ダイネットを設定し、リヤはギャレーかトイレルーム。さもなくば収納。
あとは常設リヤ2段ベッドスタイルが、ようやくチラホラと登場してきたという時代だった。
そのなかで、アネックスの開発した 「ウィズ」 は異彩を放っていた。
当時、どのビルダーもチャレンジしたことのないレイアウトを、このクルマは実現していた。
ダイネットが、意表をついて、最後部に設定されていたのである。
しかも、壁を背にして向かい合うという、二の字の横座りシート。
バスコンやトレーラーではオーソドックスなパターンであったが、これがキャブコンで実現されたところに、ウィズの独創性があったといえよう。

▲初代 「ウィズ」 室内
当時のアネックスのカタログを見ると、
「少人数でのオートキャンプやきままな旅行などを楽しむ方のための、キャンピングカー」
と説明されている。
「ウィズ」 というネーミングには、当然 「仲の良いカップル」 という含みはあったろうが、カタログを見る限り、いま声高に叫ばれている 「シニア夫婦の2人旅」 という言葉は、まだ見当たらない。

このウィズは、グランドハイエースベースの 「エディ ウィズ」 に継承され、アネックスのキャブコンを代表するレイアウトのひとつとなっていくが、エディシリーズが終了するとともに、ウィズもいったん姿を消した。
それが、画期的なRTM工法によって開発された 「ラディ」 のボディで復活したのが、今年の5月。
「シニアカップルの旅行車」 という、今もっとも注目されるキャンピングカーのジャンルとして、新しくスポットライトを浴びることになる。

▲ラディのボディで甦った 「新ウィズ」
車両サイズの制限もあり、ここに実現したリヤダイネットは、確かにこぢんまりとした印象を伴う。
しかし、それが逆に、「夫婦水入らず」 というアットホームな雰囲気を上手に演出している。
すでに、類似したレイアウトの他社製キャブコンもいくつか出回っているが、さすが、本家本元の開発したレイアウトだけに、まとまりがいい。

「夫婦2人仕様」 というジャンルが、キャブコンでもバンコンでも脚光を浴びる時代となり、どのビルダーも、必ず1台は、そのコンセプトを実現したラインナップを持つようになった。
そういうクルマの場合は、コンパクト路線が人気を呼んでいる。
極端な例としては、軽キャンカーに注目が集まっている。
しかし、長距離旅行を計画しているカップルの場合、高速域での走行性能や荷物の収納性などを考えると、軽では負担がかかり過ぎるのでは…と懸念する人もいる。
ラディ ウィズは、そういう人々のニーズにもぴったり合う。
全長4,830㎜。全幅は1,920㎜。
乗用車サイズに近いコンパクトさが、このクルマの身上だ。
内装も、最近のアネックスデザインを反映して、色目を抑える代わりに、素材感の深みを追求するというモダンテイスト。
ちょっと洒落た2人用キャブコンを探している人には、とても良い選択となる。

お値段は、3,717,000円 (2WD・AT) から。
関連記事 「新車レポート4 ネビュラ」
アネックスより、「ウィズ」 というクルマが誕生したのは、1998年である。
▲初代 「ウィズ」 カタログ
この時代、まだ 「キャブコン」 なる呼称は生まれておらず、トラックシャシーにシェルを架装したキャンピングカーは、「Tボディ」 などと呼ばれていた。
その“Tボディ”のレイアウトの大半は、中央に対面ダイネットを設定し、リヤはギャレーかトイレルーム。さもなくば収納。
あとは常設リヤ2段ベッドスタイルが、ようやくチラホラと登場してきたという時代だった。
そのなかで、アネックスの開発した 「ウィズ」 は異彩を放っていた。
当時、どのビルダーもチャレンジしたことのないレイアウトを、このクルマは実現していた。
ダイネットが、意表をついて、最後部に設定されていたのである。
しかも、壁を背にして向かい合うという、二の字の横座りシート。
バスコンやトレーラーではオーソドックスなパターンであったが、これがキャブコンで実現されたところに、ウィズの独創性があったといえよう。
▲初代 「ウィズ」 室内
当時のアネックスのカタログを見ると、
「少人数でのオートキャンプやきままな旅行などを楽しむ方のための、キャンピングカー」
と説明されている。
「ウィズ」 というネーミングには、当然 「仲の良いカップル」 という含みはあったろうが、カタログを見る限り、いま声高に叫ばれている 「シニア夫婦の2人旅」 という言葉は、まだ見当たらない。
このウィズは、グランドハイエースベースの 「エディ ウィズ」 に継承され、アネックスのキャブコンを代表するレイアウトのひとつとなっていくが、エディシリーズが終了するとともに、ウィズもいったん姿を消した。
それが、画期的なRTM工法によって開発された 「ラディ」 のボディで復活したのが、今年の5月。
「シニアカップルの旅行車」 という、今もっとも注目されるキャンピングカーのジャンルとして、新しくスポットライトを浴びることになる。
▲ラディのボディで甦った 「新ウィズ」
車両サイズの制限もあり、ここに実現したリヤダイネットは、確かにこぢんまりとした印象を伴う。
しかし、それが逆に、「夫婦水入らず」 というアットホームな雰囲気を上手に演出している。
すでに、類似したレイアウトの他社製キャブコンもいくつか出回っているが、さすが、本家本元の開発したレイアウトだけに、まとまりがいい。
「夫婦2人仕様」 というジャンルが、キャブコンでもバンコンでも脚光を浴びる時代となり、どのビルダーも、必ず1台は、そのコンセプトを実現したラインナップを持つようになった。
そういうクルマの場合は、コンパクト路線が人気を呼んでいる。
極端な例としては、軽キャンカーに注目が集まっている。
しかし、長距離旅行を計画しているカップルの場合、高速域での走行性能や荷物の収納性などを考えると、軽では負担がかかり過ぎるのでは…と懸念する人もいる。
ラディ ウィズは、そういう人々のニーズにもぴったり合う。
全長4,830㎜。全幅は1,920㎜。
乗用車サイズに近いコンパクトさが、このクルマの身上だ。
内装も、最近のアネックスデザインを反映して、色目を抑える代わりに、素材感の深みを追求するというモダンテイスト。
ちょっと洒落た2人用キャブコンを探している人には、とても良い選択となる。
お値段は、3,717,000円 (2WD・AT) から。
関連記事 「新車レポート4 ネビュラ」
2007年08月05日
アスペクト26A
【お勧めキャンカー5 「アスペクト26A」 】
今年から、輸入キャンピングカーにも排出ガス基準の適用が開始されたことで、欧米製RVの導入が危ぶまれているという情報は、すでにキャンピングカーに関心ある多くの方々はご存知でしょうが、ニートRVさんの扱っているアスペクト26Aの2008年モデルは、見事にこの日本の規制値をクリア。7月末に行われた 「東京キャンピングカーショー」 でデビューを果たしました。

基本的なコンセプトは、07年モデルとそう大きく変ったところありません。
しかし、外装デザインは見事!
ウィネベーゴ社の塗装技術は年々進化を遂げて、年次モデルを追うごとに、そのクオリティは上がっています。
08年の新色として登場したのは、ワイン (赤) とシーミスト (青)。
どちらも、平滑性の高いファイバー面に、見事な外板色を展開しています。
特筆したいのは、スライドルームがエクステンドした箇所まで塗装がなされているところ。
今までは、スライドルームの出っ張ったところは、グラスファイバーの平面がそのまま残されていたのですが、08年モデルでは、外装の塗装がそこまで及ぶようになりました。
キャンプ場などに停めて、スライドアウトしたときは、今まで以上に、その存在感が強まることでしょう。
で、スライドアウトした状態の室内。

すごいですねぇ! この広々としたリビング。
やはり、スライドルームの威力は絶大です。
それにしても、家具と家具の距離が離れていること。
まさに、大陸的なおおらかさ。
この開放感あふれる空間は、ちょっと国産車には実現できない世界です。
そうそう、このモデルからは、ブラウン管のテレビに替わって、27インチの液晶テレビが標準装備となりました。
このスライドアウト機構には、さらに工夫が凝らされています。
マスタースイッチがひとつ追加になり、たとえばお子様などが間違って押しても、誤作動しないようになりました。
安全面に対する配慮も、より万全に。
インパネ周りは、機能的にまとまったデザインで統一。

ベッドもアメリカンな広さ。快適です。

使いやすい深型2槽シンクと3バーナーコンロ。本格的な調理のできるキッチン。

細かいことですが、サイドオーニングにはダンパーが付くようになりました。
ニートRVの猪俣常務が、そのダンパー部分が見えるように、支えてくれていますが、見えますか?

雨の降った日など、オーニングを少し傾けておくだけで、ダンパーの減衰力によって、自動的に溜まった雨水が排出されるそうです。
痒いところに手が届く機構です。
ちょっと目を引く装備が、エントランスドアの脇に登場しています。
「エクステリア・エンターティメント・センター」 (Op.)
スピーカーとチューナーがセットになって、車外でも、音楽やラジオ放送が楽しめるようになりました。

ここには、小さなテーブルをセットすることもできます。
電源の接続口も出ているので、iPod やカセットデッキをつないで、オーニングの下で、ささやかな音楽鑑賞など、いかがでしょう。
やはりオプションとなりますが、HWH社のフロントレベリングジャッキには、ちょっと注目!
ワンタッチ操作で、車両の水平を取り、車体の揺れを完全に押さえます。
その動画を見たい人は、下にアクセス!
http://hwhcorp.com/telesucoping.wmv
なお、2008年モデルから、23フィートモデルは、ウィネベーゴのラインからなくなったそうです。
もともと国内でも、圧倒的に売れていたのは26フィートモデルの方。大勢に影響はないようです。
さらに居住空間にゆとりを求めたい人には、29フィートモデルも用意されています。
お値段は、税込み車両本体価格で、26Aが10,815,000円。
29Hは、12,180,000円です。
関連記事 「アスペクトを語る」
関連記事 「アメリカRV事情」
今年から、輸入キャンピングカーにも排出ガス基準の適用が開始されたことで、欧米製RVの導入が危ぶまれているという情報は、すでにキャンピングカーに関心ある多くの方々はご存知でしょうが、ニートRVさんの扱っているアスペクト26Aの2008年モデルは、見事にこの日本の規制値をクリア。7月末に行われた 「東京キャンピングカーショー」 でデビューを果たしました。
基本的なコンセプトは、07年モデルとそう大きく変ったところありません。
しかし、外装デザインは見事!
ウィネベーゴ社の塗装技術は年々進化を遂げて、年次モデルを追うごとに、そのクオリティは上がっています。
08年の新色として登場したのは、ワイン (赤) とシーミスト (青)。
どちらも、平滑性の高いファイバー面に、見事な外板色を展開しています。
特筆したいのは、スライドルームがエクステンドした箇所まで塗装がなされているところ。
今までは、スライドルームの出っ張ったところは、グラスファイバーの平面がそのまま残されていたのですが、08年モデルでは、外装の塗装がそこまで及ぶようになりました。
キャンプ場などに停めて、スライドアウトしたときは、今まで以上に、その存在感が強まることでしょう。
で、スライドアウトした状態の室内。
すごいですねぇ! この広々としたリビング。
やはり、スライドルームの威力は絶大です。
それにしても、家具と家具の距離が離れていること。
まさに、大陸的なおおらかさ。
この開放感あふれる空間は、ちょっと国産車には実現できない世界です。
そうそう、このモデルからは、ブラウン管のテレビに替わって、27インチの液晶テレビが標準装備となりました。
このスライドアウト機構には、さらに工夫が凝らされています。
マスタースイッチがひとつ追加になり、たとえばお子様などが間違って押しても、誤作動しないようになりました。
安全面に対する配慮も、より万全に。
インパネ周りは、機能的にまとまったデザインで統一。
ベッドもアメリカンな広さ。快適です。
使いやすい深型2槽シンクと3バーナーコンロ。本格的な調理のできるキッチン。
細かいことですが、サイドオーニングにはダンパーが付くようになりました。
ニートRVの猪俣常務が、そのダンパー部分が見えるように、支えてくれていますが、見えますか?
雨の降った日など、オーニングを少し傾けておくだけで、ダンパーの減衰力によって、自動的に溜まった雨水が排出されるそうです。
痒いところに手が届く機構です。
ちょっと目を引く装備が、エントランスドアの脇に登場しています。
「エクステリア・エンターティメント・センター」 (Op.)
スピーカーとチューナーがセットになって、車外でも、音楽やラジオ放送が楽しめるようになりました。
ここには、小さなテーブルをセットすることもできます。
電源の接続口も出ているので、iPod やカセットデッキをつないで、オーニングの下で、ささやかな音楽鑑賞など、いかがでしょう。
やはりオプションとなりますが、HWH社のフロントレベリングジャッキには、ちょっと注目!
ワンタッチ操作で、車両の水平を取り、車体の揺れを完全に押さえます。
その動画を見たい人は、下にアクセス!
http://hwhcorp.com/telesucoping.wmv
なお、2008年モデルから、23フィートモデルは、ウィネベーゴのラインからなくなったそうです。
もともと国内でも、圧倒的に売れていたのは26フィートモデルの方。大勢に影響はないようです。
さらに居住空間にゆとりを求めたい人には、29フィートモデルも用意されています。
お値段は、税込み車両本体価格で、26Aが10,815,000円。
29Hは、12,180,000円です。
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2007年08月04日
コルド ディナモ
【お勧めキャンカー4 「コルド ディナモ」 】
キャンピングカーとは、ベース車にキャンピング装備を組み込んで、宿泊できるように“カスタマイズ”したクルマのことをいう。
ところが、キャンピングカーそのもののカスタマイズ車というものが出てきた。
どういうクルマのことをいうのか?
Aというビルダーの 「B」 という人気キャンピングカーがあったとしよう。
この 「B」 を、たとえば、発電機の開発に自信を持つ別の会社が、自社製の発電機を標準装備した 「スペシャルB」 として売り出す。
こういうような設定を、キャンピングカーにおけるカスタマイズといっていいだろう。
「スペシャルB」 が、元のクルマである 「B」 の基本スペックをそのまま維持したものに過ぎなくても、そこに搭載された発電機システムが、他のビルダーには真似できない独自性を秘めたものであるならば、それは新しいブランドとして、独立した存在感を得ることになる。
そのようなクルマとして話題になっているのが、キャンピングワークスが手がけた 「コルド ディナモ」 だ。

▲ シェルは 「コルド」 のまんまだが、ストライプは 「ユーロ」 のものがアレンジされている。
「コルド」 といえば、まさにバンテック社の中軸商品。 「ジル」 と並んで、バンテックのキャブコン路線を支える重要なクルマだ。
ただ、コルドの場合、車載用として専用設計された発電機を標準装備して、家庭用の室内エアコンを回すというようなオール電化モデルの設定がない。
オール電化モデルといえば、キャンピングワークス。
同社は、自社ブランドの 「オルビスユーロ」 シリーズにおいて、発電機によって家庭用エアコン、電子レンジ、電磁プレートなどを駆動させるフルエレクトリック・システムを完成させており、この領域において、一歩先んじている。
緻密なキャビン設計を誇るバンテックと、先進的な電化システムを構築したキャンピングワークス。
その二つのメーカーが、それぞれの最も強い部分を結合させたコラボレーションモデルが誕生するとなれば、それは、「史上最強のキャブコン」 が生まれたことになるのではないか?
「コルド ディナモ」 は、こうした両社の前向きな意欲が結合することによって、完成したクルマだ。

▲ ダイネットは、オリジナルのコルドとはがらりと変り、テーブルは窓際に固定されてコの字ラウンジを構成。運転席・助手席の背もたれを利用したフロント側シートのゆったり感が素敵。このスーパーリラックスシートから、ギャレー方向に足を伸ばすと、4.3mの贅沢な空間が誕生する。▲リヤはコルドのままのL型キッチン。
基本的には、バンテックからキャンピングワークスに、「コルド」 の完成車が出荷され、それにキャンピングワークスが、自慢のエレクトリック・システムを追加。後はレイアウトを多少変更し、内装もモデファイする。

▲エントランスドアの上側にコンパクトな家庭用エアコンが設置されている。▲ナンバープレート裏にはキャンピングワークスが自社開発した発電機 「Gストリーム」 が固定されている。
こうして生まれた 「コルド ディナモ」 は、コルドの外装と基本レイアウトを持ち、オルビスユーロの内装と電気システムを実現した夢のクルマに仕上がっている。

▲ 夜などはとてもいい雰囲気。
お値段は、2WDのガソリン車で、5,985,000円 (税込み) から。
キャンピングカーとは、ベース車にキャンピング装備を組み込んで、宿泊できるように“カスタマイズ”したクルマのことをいう。
ところが、キャンピングカーそのもののカスタマイズ車というものが出てきた。
どういうクルマのことをいうのか?
Aというビルダーの 「B」 という人気キャンピングカーがあったとしよう。
この 「B」 を、たとえば、発電機の開発に自信を持つ別の会社が、自社製の発電機を標準装備した 「スペシャルB」 として売り出す。
こういうような設定を、キャンピングカーにおけるカスタマイズといっていいだろう。
「スペシャルB」 が、元のクルマである 「B」 の基本スペックをそのまま維持したものに過ぎなくても、そこに搭載された発電機システムが、他のビルダーには真似できない独自性を秘めたものであるならば、それは新しいブランドとして、独立した存在感を得ることになる。
そのようなクルマとして話題になっているのが、キャンピングワークスが手がけた 「コルド ディナモ」 だ。
▲ シェルは 「コルド」 のまんまだが、ストライプは 「ユーロ」 のものがアレンジされている。
「コルド」 といえば、まさにバンテック社の中軸商品。 「ジル」 と並んで、バンテックのキャブコン路線を支える重要なクルマだ。
ただ、コルドの場合、車載用として専用設計された発電機を標準装備して、家庭用の室内エアコンを回すというようなオール電化モデルの設定がない。
オール電化モデルといえば、キャンピングワークス。
同社は、自社ブランドの 「オルビスユーロ」 シリーズにおいて、発電機によって家庭用エアコン、電子レンジ、電磁プレートなどを駆動させるフルエレクトリック・システムを完成させており、この領域において、一歩先んじている。
緻密なキャビン設計を誇るバンテックと、先進的な電化システムを構築したキャンピングワークス。
その二つのメーカーが、それぞれの最も強い部分を結合させたコラボレーションモデルが誕生するとなれば、それは、「史上最強のキャブコン」 が生まれたことになるのではないか?
「コルド ディナモ」 は、こうした両社の前向きな意欲が結合することによって、完成したクルマだ。
▲ ダイネットは、オリジナルのコルドとはがらりと変り、テーブルは窓際に固定されてコの字ラウンジを構成。運転席・助手席の背もたれを利用したフロント側シートのゆったり感が素敵。このスーパーリラックスシートから、ギャレー方向に足を伸ばすと、4.3mの贅沢な空間が誕生する。▲リヤはコルドのままのL型キッチン。
基本的には、バンテックからキャンピングワークスに、「コルド」 の完成車が出荷され、それにキャンピングワークスが、自慢のエレクトリック・システムを追加。後はレイアウトを多少変更し、内装もモデファイする。
▲エントランスドアの上側にコンパクトな家庭用エアコンが設置されている。▲ナンバープレート裏にはキャンピングワークスが自社開発した発電機 「Gストリーム」 が固定されている。
こうして生まれた 「コルド ディナモ」 は、コルドの外装と基本レイアウトを持ち、オルビスユーロの内装と電気システムを実現した夢のクルマに仕上がっている。
▲ 夜などはとてもいい雰囲気。
お値段は、2WDのガソリン車で、5,985,000円 (税込み) から。
2007年08月02日
キャンサス新仕様
スマイルファクトリーさんが開発されているキャンピングカー用エアサス 「Cam sus (キャンサス) 」 に、ハイスペックバージョンが誕生した。
「これがキャンピングカーか?」
と、その試乗車を運転した体験者は、その驚異的な走りに、みな驚愕するという。

このブログにおいても、昨年の11月に、キャンサスの商品的特徴を紹介したことがある。
そのときに開発されたスタンダード仕様もかなりの反響を呼んだが、このハイスペックバージョンは、それをも軽々と超える、とてつもない性能を確保したらしい。
「Cam sus Hi-specバージョン」 とは何なのか?
開発者の長藤隆司社長に、その新製品の特徴を聞いてみた。
《キャンピングカーでコーナーを“攻める”!?》
【町田】 以前開発されたキャンサスと、今回新しく登場した 「ハイスペック・バージョン」 とでは、何が違うんでしょう?
【長藤】 従来型のエアサスが、「安全性を確保する」 、「後席に乗られたご家族の酔いを軽減する」 という、防衛型の 「乗り心地の向上」 を目指したものであったとすれば、このハイスペック・バージョンは、、ずばり 「ドライビング・プレジャー」 を目指したものなんです。
キャンピングカーに 「ドライビング・プレジャー」 というのは、ちょっと想像できない方が多いでしょうけれど、この試乗車に乗られたお客様が、「コーナーを攻めたとき…」 という言葉を使われたんですね。
キャンピングカーのコーナリングで、「攻める」 という表現が登場したということに、私も驚きました。
【町田】 それはまたすごい感覚ですね。スポーツカーのように…という意味なんでしょうかね。
【長藤】 キャンピングカーは重心高の高いクルマですから、スポーツカーのように…とはいかないでしょうけれど、確実にコーナリングスピードは上がっています。
たとえば、ノーマルのカムロードで、今までは安全マージンも考えて、40㎞ぐらいの速度で進入していたコーナーなら、このハイスペック・バージョンを組み込んでいれば、たぶん65㎞ぐらいで回れてしまうと思います。
【町田】 逆にいうと、その速度感覚を信じてしまうと、横転の危険性が出てきたりしないですか?
【長藤】 それは言えますね。やはりキャンピングカーの重心は高いですからね。だから、ドライバーの方には、そのへんを注意してもらわねばならないのですが、安全マージンも高まっているわけですから、挙動変化が安定している状態での安全性は、確実に高まっています。
【町田】 なんか、ワクワクするような話ですね。
【長藤】 コーナリングにおける挙動変化よりも、むしろ注意しなければならないのは、急ハンドルですね。
たとえば走行中に、前を犬やネコが横切ったような場合、従来のキャンピングカーですと、急ハンドルなど切れないことが分かっているから、減速しながら、ゆっくりとそれを避ける。
しかし、今度は急ハンドルが切れてしまうので、思い切ってクルマの挙動を変えたいという誘惑に駆られてしまう。そこのところは、気をつけた方がいいかもしれませんね。
【町田】 なるほど。そういう点に注意さえしておけば、キャンピングカーとしては異次元の走りが体感できると…。
【長藤】 そうなんです。もうこれだけは、言葉で説明するよりも、実際に乗っていただくしかないと思っています。
特に、キャブコンの走りに、不安や不満を感じていらっしゃる方には、ぜひ一度試乗をしていただきたい。
《フロントショックを国産化》
【町田】 機構的には、どのような特徴が加わったのですか。
【長藤】 以前のスタンダード仕様の場合、モンローのマックスエアがベースだったのですが、今回のフロントショックはすべて国内生産です。
だから、エアバッグやショックのオーバーホールなども、すべて簡単に対応できるようになりました。
ショックは15段階に減衰力が調整できるようになっていて、どんな車種にも対応できます。
エアバッグが破損したときも交換できるし、中のショックも、お客様のクルマの仕様に応じて、自由に変更できます。
だから1台限りの使いきりで終わることなく、今後はクルマが替わっても、一生モノとして使ってもらえるように、展開していきたいと思っています。
【町田】 同じ車種でも、たとえば発電機やルーフエアコンを搭載している車両とそうでないものは、重量が違ってきますよね。その両方をクリアできるわけですね。
【長藤】 ええ。すべてこれ一本で対応できますね。エア容量が3倍になって、このバッグ自体も20㎏のエア圧に耐えられるようになっていますから、5㎏台のエア圧のカムロードなどに使えば、耐久性においても、抜群の性能を発揮すると思いますよ。
《増しリーフももう要らない?》
【町田】 基本的に、ハイスペック・バージョンというのは、主にフロントが 「ハイスペック」 になったと理解していいんですね?
【長藤】 そうですね。リヤは従来型の 「キャンサス」 で十分に対応できます。
今回の仕様を開発するに当たって、面白いことに気がついたんです。
今までだったら、たとえばリヤに発電機が付いていて、ルーフエアコンが付いていて…といったように、リヤ荷重がかかり過ぎた場合、走行中にお尻下がりになる部分に補正をかけるのに、増しリーフで対応して、リヤ荷重をフロントに逃がしていましたよね。
【町田】 ええ。私なども前のキャブコンでは、リーフスプリングを1枚増していました。
【長藤】 ところが、このハイスペックをやって気づいたのですが、フロントのスペックを上げていけば、フロントのトーションバーを弛めることができるようになるんです。
リヤに増しリーフを入れてしまうと、ただでさえ重心が高いキャンピングカーの場合は、さらに重心が上がってしまいますよね。
しかし、フロントの運動性をよくしてあげれば、リヤのリーフはノーマルを保った状態で、ただエアサスを組んでもらうだけで、十分なんです。
フロントのトーションバーを弛めることができるようになったおかげで、通常よりも、フロントを若干下げることができますので、重心全体も下がるし、乗り心地もエアサスでクリアできる。
【町田】 増しリーフのままの状態で、エアサスを組むとどうなるんでしょう?
【長藤】 エアバッグで、リーフにかかる荷重を30%ぐらい抜くことができるので、増しリーフの状態でも、乗り心地は悪くならないですね。
増しリーフだけですと、確かにロールは少なくなるんですが、乗り心地がゴツゴツしてきますよね。エアサスと組み合わせれば、それは解消できます。
しかし、リヤに増しリーフを持っていくよりも、フロントのサスを重視していくだけで、運動性の良いクルマができるな…と。
そういう感じはしていますけどね。
【町田】 ただ、フロントはそうクリアランスがあるわけでもないので、なかなかいじれないところですね。
【長藤】 確かに苦労しました (笑) 。組んでいるところを見ていただければ分かるのですが、ここにあるパーツ類が、ダブルウィッシュボーンのトーションバーの、足のショックの部分にボルトオンで入っちゃうんですね。自分でもよくやったと思いますよ (笑) 。

【町田】 以前の仕様と同様に、これも、車検は問題なくクリアできるんですよね。
【長藤】 もちろん車検も通ります。ショックの部分をボルトオンで交換してやるタイプのエアバッグ式のエアサスに関しては、なんら問題ないですね。
新規で持っていく場合もOKだし、継続車検も当然OKです。
《カムロード以外にも対応》
【町田】 現在対応できる車種は、カムロードのほかに何があるんですか?
【長藤】 200系ハイエースの場合は、今のところ4WDだけなんですね。2WDの場合は、エアバッグが入るほどのクリアランスがないんですよ。
ハイエースのバンコンに乗られている方で、家族や荷物を多く載せられる場合は、どうしてもクルマが尻下がりになってしまうし、逆に、荷重が少ないときはハネてしまう。
そこで、エアサスを検討される方が多いのですが、残念ながら、ハイエースはまだ研究中です。
【町田】 コースターなどのバスの場合は?
【長藤】 コースターで純正エアサスを選ばれなかった方々には、キャンサスを後付けされる方が多いですね。
純正エアサスを後から組むとなると、部品だけでもかなりの金額になるし、ステイを作り直して、フレームの補強をしなければならないんです。
また、標準のエアサスは、オートレベラーで4輪が常に一定になるんですが、逆にいうと、フロントとリヤの荷重移動をさせたくても、それができない。
キャンサスはそれができるので、荷重移動の機能を求められる方には喜ばれていますね。
【町田】 ただ純正のエアサスと比べると、保証を心配される方もいらっしゃるでしょうね。
【長藤】 そうですね。ただ、初期不良というのは1年以内に出ると思いますので、1年以内の初期不良に関しては、うちは全部保証を付けています。
その期間を過ぎてからの不具合に関しても、すべて誠実に対応させてもらうつもりです。
うちの商品を、もう6年近く使ってくださるユーザーさんがいらっしゃるのですが、まだノントラブル。
今のところ、それ以上のデータはないのですが、6年は大丈夫とお考えください (笑) 。
【町田】 僕はヒュンダイSRXに乗っているんですが、それとキャンサスの相性はどうですか?
【長藤】 あ、これは抜群の相性です! すでにSRXにスタンダードのキャンサスを取り付けた方がいっぱいいらっしゃいますが、大好評です。
このハイスペック・バージョンの取り付け例は、まだないのですが、きっと想像を絶するクルマになると思いますよ。
《アルピナのような存在を目指す》
【町田】 今後の展開として、何かご計画はありますか?
【長藤】 今やろうとしているのは、「チューンド・バンテック」 と 「チューンド・マックレー」 。
その両社のクルマで、うちでトータルチューニングしたクルマには、そういう位置付けの完成車を出していきたいんですよ。BMWの 「アルピナ」 みたいに…。
マックレーの渡辺さんも 「スマイルさんに出すクルマなら、特別の専用カラーを用意してもいいよ」 と言ってくださるんですね。渡辺さんには感謝しています。
【町田】 その場合は、ちょっとカッコいいエンブレムなども作ったら面白いですねぇ。
【長藤】 やりたいですね! 今度、マックレーさんのクルマで、もう最高のキャンサスを組んだ 「これでもかぁ! バージョン」 というのをやるつもりなんです。
それを成功させて、「キャンサス」 のブランド化を図っていきたいですね。
関連記事 「エアサスの現在」 (2006 11/15)
「これがキャンピングカーか?」
と、その試乗車を運転した体験者は、その驚異的な走りに、みな驚愕するという。
このブログにおいても、昨年の11月に、キャンサスの商品的特徴を紹介したことがある。
そのときに開発されたスタンダード仕様もかなりの反響を呼んだが、このハイスペックバージョンは、それをも軽々と超える、とてつもない性能を確保したらしい。
「Cam sus Hi-specバージョン」 とは何なのか?
開発者の長藤隆司社長に、その新製品の特徴を聞いてみた。
《キャンピングカーでコーナーを“攻める”!?》
【町田】 以前開発されたキャンサスと、今回新しく登場した 「ハイスペック・バージョン」 とでは、何が違うんでしょう?
【長藤】 従来型のエアサスが、「安全性を確保する」 、「後席に乗られたご家族の酔いを軽減する」 という、防衛型の 「乗り心地の向上」 を目指したものであったとすれば、このハイスペック・バージョンは、、ずばり 「ドライビング・プレジャー」 を目指したものなんです。
キャンピングカーに 「ドライビング・プレジャー」 というのは、ちょっと想像できない方が多いでしょうけれど、この試乗車に乗られたお客様が、「コーナーを攻めたとき…」 という言葉を使われたんですね。
キャンピングカーのコーナリングで、「攻める」 という表現が登場したということに、私も驚きました。
【町田】 それはまたすごい感覚ですね。スポーツカーのように…という意味なんでしょうかね。
【長藤】 キャンピングカーは重心高の高いクルマですから、スポーツカーのように…とはいかないでしょうけれど、確実にコーナリングスピードは上がっています。
たとえば、ノーマルのカムロードで、今までは安全マージンも考えて、40㎞ぐらいの速度で進入していたコーナーなら、このハイスペック・バージョンを組み込んでいれば、たぶん65㎞ぐらいで回れてしまうと思います。
【町田】 逆にいうと、その速度感覚を信じてしまうと、横転の危険性が出てきたりしないですか?
【長藤】 それは言えますね。やはりキャンピングカーの重心は高いですからね。だから、ドライバーの方には、そのへんを注意してもらわねばならないのですが、安全マージンも高まっているわけですから、挙動変化が安定している状態での安全性は、確実に高まっています。
【町田】 なんか、ワクワクするような話ですね。
【長藤】 コーナリングにおける挙動変化よりも、むしろ注意しなければならないのは、急ハンドルですね。
たとえば走行中に、前を犬やネコが横切ったような場合、従来のキャンピングカーですと、急ハンドルなど切れないことが分かっているから、減速しながら、ゆっくりとそれを避ける。
しかし、今度は急ハンドルが切れてしまうので、思い切ってクルマの挙動を変えたいという誘惑に駆られてしまう。そこのところは、気をつけた方がいいかもしれませんね。
【町田】 なるほど。そういう点に注意さえしておけば、キャンピングカーとしては異次元の走りが体感できると…。
【長藤】 そうなんです。もうこれだけは、言葉で説明するよりも、実際に乗っていただくしかないと思っています。
特に、キャブコンの走りに、不安や不満を感じていらっしゃる方には、ぜひ一度試乗をしていただきたい。
《フロントショックを国産化》
【町田】 機構的には、どのような特徴が加わったのですか。
【長藤】 以前のスタンダード仕様の場合、モンローのマックスエアがベースだったのですが、今回のフロントショックはすべて国内生産です。
だから、エアバッグやショックのオーバーホールなども、すべて簡単に対応できるようになりました。
ショックは15段階に減衰力が調整できるようになっていて、どんな車種にも対応できます。
エアバッグが破損したときも交換できるし、中のショックも、お客様のクルマの仕様に応じて、自由に変更できます。
だから1台限りの使いきりで終わることなく、今後はクルマが替わっても、一生モノとして使ってもらえるように、展開していきたいと思っています。
【町田】 同じ車種でも、たとえば発電機やルーフエアコンを搭載している車両とそうでないものは、重量が違ってきますよね。その両方をクリアできるわけですね。
【長藤】 ええ。すべてこれ一本で対応できますね。エア容量が3倍になって、このバッグ自体も20㎏のエア圧に耐えられるようになっていますから、5㎏台のエア圧のカムロードなどに使えば、耐久性においても、抜群の性能を発揮すると思いますよ。
《増しリーフももう要らない?》
【町田】 基本的に、ハイスペック・バージョンというのは、主にフロントが 「ハイスペック」 になったと理解していいんですね?
【長藤】 そうですね。リヤは従来型の 「キャンサス」 で十分に対応できます。
今回の仕様を開発するに当たって、面白いことに気がついたんです。
今までだったら、たとえばリヤに発電機が付いていて、ルーフエアコンが付いていて…といったように、リヤ荷重がかかり過ぎた場合、走行中にお尻下がりになる部分に補正をかけるのに、増しリーフで対応して、リヤ荷重をフロントに逃がしていましたよね。
【町田】 ええ。私なども前のキャブコンでは、リーフスプリングを1枚増していました。
【長藤】 ところが、このハイスペックをやって気づいたのですが、フロントのスペックを上げていけば、フロントのトーションバーを弛めることができるようになるんです。
リヤに増しリーフを入れてしまうと、ただでさえ重心が高いキャンピングカーの場合は、さらに重心が上がってしまいますよね。
しかし、フロントの運動性をよくしてあげれば、リヤのリーフはノーマルを保った状態で、ただエアサスを組んでもらうだけで、十分なんです。
フロントのトーションバーを弛めることができるようになったおかげで、通常よりも、フロントを若干下げることができますので、重心全体も下がるし、乗り心地もエアサスでクリアできる。
【町田】 増しリーフのままの状態で、エアサスを組むとどうなるんでしょう?
【長藤】 エアバッグで、リーフにかかる荷重を30%ぐらい抜くことができるので、増しリーフの状態でも、乗り心地は悪くならないですね。
増しリーフだけですと、確かにロールは少なくなるんですが、乗り心地がゴツゴツしてきますよね。エアサスと組み合わせれば、それは解消できます。
しかし、リヤに増しリーフを持っていくよりも、フロントのサスを重視していくだけで、運動性の良いクルマができるな…と。
そういう感じはしていますけどね。
【町田】 ただ、フロントはそうクリアランスがあるわけでもないので、なかなかいじれないところですね。
【長藤】 確かに苦労しました (笑) 。組んでいるところを見ていただければ分かるのですが、ここにあるパーツ類が、ダブルウィッシュボーンのトーションバーの、足のショックの部分にボルトオンで入っちゃうんですね。自分でもよくやったと思いますよ (笑) 。
【町田】 以前の仕様と同様に、これも、車検は問題なくクリアできるんですよね。
【長藤】 もちろん車検も通ります。ショックの部分をボルトオンで交換してやるタイプのエアバッグ式のエアサスに関しては、なんら問題ないですね。
新規で持っていく場合もOKだし、継続車検も当然OKです。
《カムロード以外にも対応》
【町田】 現在対応できる車種は、カムロードのほかに何があるんですか?
【長藤】 200系ハイエースの場合は、今のところ4WDだけなんですね。2WDの場合は、エアバッグが入るほどのクリアランスがないんですよ。
ハイエースのバンコンに乗られている方で、家族や荷物を多く載せられる場合は、どうしてもクルマが尻下がりになってしまうし、逆に、荷重が少ないときはハネてしまう。
そこで、エアサスを検討される方が多いのですが、残念ながら、ハイエースはまだ研究中です。
【町田】 コースターなどのバスの場合は?
【長藤】 コースターで純正エアサスを選ばれなかった方々には、キャンサスを後付けされる方が多いですね。
純正エアサスを後から組むとなると、部品だけでもかなりの金額になるし、ステイを作り直して、フレームの補強をしなければならないんです。
また、標準のエアサスは、オートレベラーで4輪が常に一定になるんですが、逆にいうと、フロントとリヤの荷重移動をさせたくても、それができない。
キャンサスはそれができるので、荷重移動の機能を求められる方には喜ばれていますね。
【町田】 ただ純正のエアサスと比べると、保証を心配される方もいらっしゃるでしょうね。
【長藤】 そうですね。ただ、初期不良というのは1年以内に出ると思いますので、1年以内の初期不良に関しては、うちは全部保証を付けています。
その期間を過ぎてからの不具合に関しても、すべて誠実に対応させてもらうつもりです。
うちの商品を、もう6年近く使ってくださるユーザーさんがいらっしゃるのですが、まだノントラブル。
今のところ、それ以上のデータはないのですが、6年は大丈夫とお考えください (笑) 。
【町田】 僕はヒュンダイSRXに乗っているんですが、それとキャンサスの相性はどうですか?
【長藤】 あ、これは抜群の相性です! すでにSRXにスタンダードのキャンサスを取り付けた方がいっぱいいらっしゃいますが、大好評です。
このハイスペック・バージョンの取り付け例は、まだないのですが、きっと想像を絶するクルマになると思いますよ。
《アルピナのような存在を目指す》
【町田】 今後の展開として、何かご計画はありますか?
【長藤】 今やろうとしているのは、「チューンド・バンテック」 と 「チューンド・マックレー」 。
その両社のクルマで、うちでトータルチューニングしたクルマには、そういう位置付けの完成車を出していきたいんですよ。BMWの 「アルピナ」 みたいに…。
マックレーの渡辺さんも 「スマイルさんに出すクルマなら、特別の専用カラーを用意してもいいよ」 と言ってくださるんですね。渡辺さんには感謝しています。
【町田】 その場合は、ちょっとカッコいいエンブレムなども作ったら面白いですねぇ。
【長藤】 やりたいですね! 今度、マックレーさんのクルマで、もう最高のキャンサスを組んだ 「これでもかぁ! バージョン」 というのをやるつもりなんです。
それを成功させて、「キャンサス」 のブランド化を図っていきたいですね。
関連記事 「エアサスの現在」 (2006 11/15)
2007年08月01日
ジル520E
【お勧めキャンカー3 「ジル520E」 】
日本のキャブコンメーカーを代表するような存在であるバンテックは、どちらかというと、ファミリー路線を中心にした商品ラインナップを展開してきた。
「シニアの2人旅」 を明確に謳った車両といえば、わずかにジル480がある程度である。
しかし、7月末に開かれた 「東京キャンピングカーショー」 でお目見えしたジル520Eは、バンテックが満を持して世に問うた、本格的なシニア2人用のキャブコン。

対面ダイネットに、リヤ2段ベッドというオーソドックスなレイアウトを特徴とするジル520のボディをそのまま使いながら、メインサロンは、ベガの流れをくむL型ラウンジ。リヤは横座りの4人用ダイネット。

もちろん、ファミリーでも使えるというキャパシティを守っているものの、このリヤダイネットが、常設ベッドとして使うときに快適性を発揮するという設定になっているところがミソだ。
ベッドへの乗り降りをサポートするアシストグリップも備わり、読書灯として使えるお洒落なリヤサロン用ライトも2灯付いて、リヤサロンが、ベッドとして使えることをさりげなくアピールしている。
リヤを常設ベッドとして考えた場合、バンクは、物置かゲスト用のベッドスペース。
リヤサロン下にも広大なラゲッジスペースが収まっているので、収納力も高いクルマだ。
シニアの乗降性をサポートするために、エントランスドアの左サイドには大きめのアシストグリップが付き、ドアそのものもワイドタイプが採用され、乗り降りの負担は軽くなっている。

ベースシャシーにGパッケージが採用されているため、運転席・助手席は集中ドアロックになっているのだが、その機能がエントランスドアにも及んでいるのも特徴。
遠隔リモコン操作で、運転席・助手席ドアとともに、エントランスドアの開閉が自在にできる。
ランプ類にも新しい特徴が見られる。
バンテック車のランプ類には、柔らかな明るさを追求するために、今まではハロゲンが採用されるケースが多かった。
しかし、この520Eでは、メインサロン上部の飾り棚に、LEDダウンライトが連なるように配置されている。
撮影したのは昼だったが、きっと夜になれば、このダウンライトはそれなりにいい雰囲気をかもし出すはずだ。
洗練度の高い内装の仕上げは、もうバンテックの世界。
高級キャブコンの真髄を把握している、同社ならではのインテリアが実現されている。
私自身は、最近のアネックス流モダンデザインがけっこう好きなのだけれど、バンテック流のオーソドキシーなヨーロッパスタイルには、やはり一目置かざるを得ない。
ジル520Eのお値段は、ガソリン車で税込み6,142,500円から。
関連記事 「車のつぶやき (ジル480) 」
関連記事 「ZILのデザイン」
日本のキャブコンメーカーを代表するような存在であるバンテックは、どちらかというと、ファミリー路線を中心にした商品ラインナップを展開してきた。
「シニアの2人旅」 を明確に謳った車両といえば、わずかにジル480がある程度である。
しかし、7月末に開かれた 「東京キャンピングカーショー」 でお目見えしたジル520Eは、バンテックが満を持して世に問うた、本格的なシニア2人用のキャブコン。
対面ダイネットに、リヤ2段ベッドというオーソドックスなレイアウトを特徴とするジル520のボディをそのまま使いながら、メインサロンは、ベガの流れをくむL型ラウンジ。リヤは横座りの4人用ダイネット。
もちろん、ファミリーでも使えるというキャパシティを守っているものの、このリヤダイネットが、常設ベッドとして使うときに快適性を発揮するという設定になっているところがミソだ。
ベッドへの乗り降りをサポートするアシストグリップも備わり、読書灯として使えるお洒落なリヤサロン用ライトも2灯付いて、リヤサロンが、ベッドとして使えることをさりげなくアピールしている。
リヤを常設ベッドとして考えた場合、バンクは、物置かゲスト用のベッドスペース。
リヤサロン下にも広大なラゲッジスペースが収まっているので、収納力も高いクルマだ。
シニアの乗降性をサポートするために、エントランスドアの左サイドには大きめのアシストグリップが付き、ドアそのものもワイドタイプが採用され、乗り降りの負担は軽くなっている。
ベースシャシーにGパッケージが採用されているため、運転席・助手席は集中ドアロックになっているのだが、その機能がエントランスドアにも及んでいるのも特徴。
遠隔リモコン操作で、運転席・助手席ドアとともに、エントランスドアの開閉が自在にできる。
ランプ類にも新しい特徴が見られる。
バンテック車のランプ類には、柔らかな明るさを追求するために、今まではハロゲンが採用されるケースが多かった。
しかし、この520Eでは、メインサロン上部の飾り棚に、LEDダウンライトが連なるように配置されている。
撮影したのは昼だったが、きっと夜になれば、このダウンライトはそれなりにいい雰囲気をかもし出すはずだ。
洗練度の高い内装の仕上げは、もうバンテックの世界。
高級キャブコンの真髄を把握している、同社ならではのインテリアが実現されている。
私自身は、最近のアネックス流モダンデザインがけっこう好きなのだけれど、バンテック流のオーソドキシーなヨーロッパスタイルには、やはり一目置かざるを得ない。
ジル520Eのお値段は、ガソリン車で税込み6,142,500円から。
関連記事 「車のつぶやき (ジル480) 」
関連記事 「ZILのデザイン」
2007年07月30日
グランドバッハ
【お勧めキャンカー2 「グランドバッハ」 】
国産フルコンバージョン (クラスA) といえば、グローバル。
「アドバンス」 でその極意をつかみ、カムロードベースの 「エクステージ」 で量産型フルコンの先鞭をつけた同社の開発力は、フルコンというジャンルにおいて、他社を一歩リードしている感じだ。
そんなグローバルの、新型フルコン 「グランドバッハ」 が、東京キャンピングカーショーで初お目見えした。

▲スタイリッシュなフォルムが印象的
「グランドバッハ」
先々週開かれた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 の会場で、開発中の新型フルコンの名前を尋ねた私に、菅原部長はなぜか、なかなか答えてくれない。
ようやく、その名前を口に出した菅原さん。
「おかしくないですか?」
と、恥ずかしげに聞き返してくる。
バッハという、ドイツの聖楽の名を関したネーミングを、なんだか壮大すぎるぞ…と苦笑いを浮かべた関係者がいたとも。
それが、ちょっとトラウマになっていたらしい。
私は、即座に 「良い!」 と思った。
菅原さんは、ネーミングの天才である。
「チャンプ」
「アスリート」
「ユーロスター」
彼の名づけたクルマは、みなグローバルの人気商品として、多くのファンに親しまれた。
グランドバッハも、「優雅な旅の協奏曲が聞こえる」 という同社のキャッチにふさわしい典雅な響きを持っている。
フロントマスクも、妙に力が抜けているようで (つまり、さりげないけど) 、実は力が入っていて、なかなかイケメン (上品) である。
フルコンは、フロント部分からすべてデザインしていくので、マスクの表情というのもけっこう大切だ。

▲運転席側にドアが欲しいところだ
で、内装。
見事までのヨーロッパ車!
ゆったりしたソファに、変形楕円テーブル。エントランス左には、お洒落なカクテルチェア。

▲ハイセンスなラウンジ
キッチンと冷蔵庫の間の通路を通って、奥に入ると、クィーンサイズの固定ベッド。その横にトイレ・シャワールーム。

▲リヤはクィーンベッド ▲コンロ・シンク一体型キッチン
基本的に夫婦の2人旅に特化している、ヨーロッパ製フルコンの王道レイアウトが実現されている。
もちろん、プルダウンベッドの設定もあるので、就寝定員は4名。「2人旅仕様」 とはいえ、家族で使えるキャパシティも備えている。

▲運転席 ▲エントランスにはアシストグリップも
当日は、TACOS (タコス) のブースで披露されたこのグランドバッハ。
秋には、レイアウトの一部を変更した 「TACOS仕様」 も登場する。
こちらは、リヤにダイネットを持つ2ダイネット仕様で、バスコンレイアウトに近い。グランドバッハをカップル仕様とするならば、TACOS仕様はファミリー対応型ともいえる。

現在は、6.3mボディ1車種だが、近いうちに6mボディも登場する予定。
シャシーはコースターだが、シビリアンも選べる。
展示車両のお値段は、12,600,000円でした。
国産フルコンバージョン (クラスA) といえば、グローバル。
「アドバンス」 でその極意をつかみ、カムロードベースの 「エクステージ」 で量産型フルコンの先鞭をつけた同社の開発力は、フルコンというジャンルにおいて、他社を一歩リードしている感じだ。
そんなグローバルの、新型フルコン 「グランドバッハ」 が、東京キャンピングカーショーで初お目見えした。
▲スタイリッシュなフォルムが印象的
「グランドバッハ」
先々週開かれた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 の会場で、開発中の新型フルコンの名前を尋ねた私に、菅原部長はなぜか、なかなか答えてくれない。
ようやく、その名前を口に出した菅原さん。
「おかしくないですか?」
と、恥ずかしげに聞き返してくる。
バッハという、ドイツの聖楽の名を関したネーミングを、なんだか壮大すぎるぞ…と苦笑いを浮かべた関係者がいたとも。
それが、ちょっとトラウマになっていたらしい。
私は、即座に 「良い!」 と思った。
菅原さんは、ネーミングの天才である。
「チャンプ」
「アスリート」
「ユーロスター」
彼の名づけたクルマは、みなグローバルの人気商品として、多くのファンに親しまれた。
グランドバッハも、「優雅な旅の協奏曲が聞こえる」 という同社のキャッチにふさわしい典雅な響きを持っている。
フロントマスクも、妙に力が抜けているようで (つまり、さりげないけど) 、実は力が入っていて、なかなかイケメン (上品) である。
フルコンは、フロント部分からすべてデザインしていくので、マスクの表情というのもけっこう大切だ。
▲運転席側にドアが欲しいところだ
で、内装。
見事までのヨーロッパ車!
ゆったりしたソファに、変形楕円テーブル。エントランス左には、お洒落なカクテルチェア。
▲ハイセンスなラウンジ
キッチンと冷蔵庫の間の通路を通って、奥に入ると、クィーンサイズの固定ベッド。その横にトイレ・シャワールーム。
▲リヤはクィーンベッド ▲コンロ・シンク一体型キッチン
基本的に夫婦の2人旅に特化している、ヨーロッパ製フルコンの王道レイアウトが実現されている。
もちろん、プルダウンベッドの設定もあるので、就寝定員は4名。「2人旅仕様」 とはいえ、家族で使えるキャパシティも備えている。
▲運転席 ▲エントランスにはアシストグリップも
当日は、TACOS (タコス) のブースで披露されたこのグランドバッハ。
秋には、レイアウトの一部を変更した 「TACOS仕様」 も登場する。
こちらは、リヤにダイネットを持つ2ダイネット仕様で、バスコンレイアウトに近い。グランドバッハをカップル仕様とするならば、TACOS仕様はファミリー対応型ともいえる。
現在は、6.3mボディ1車種だが、近いうちに6mボディも登場する予定。
シャシーはコースターだが、シビリアンも選べる。
展示車両のお値段は、12,600,000円でした。
2007年07月29日
東京ショー
東京・調布市の味の素スタジアムで開かれた 「第3回東京キャンピングカーショー」 に連日行ってきました。
展示車は101台。
このショートしては、過去最大の出展数だとか。
昨日は晴天。今日は午前中は晴れ間も見えたのですが、午後には一時雷雨。
それでも、多くの来場者がつめかけて、各ブースはそれぞれ盛り上っていました。
ようやくこのショーも、関東地方の夏のビッグイベントとして定着してきた感じです。
この時期はあまり新車が出ないものなのですが、かなり新しいクルマが登場しました。
●グローバルさんの、コースターをベースにしたフルコンの 「グランドバッハ」。
●バンテックさんの、ジル520の2人旅仕様の 「ジル520E」。
●キャンピングワークスさんの、バンテック製コルドに発電機を標準装備して内装もモデファイした 「コルド ディナモ」。
●アルフレックスさんの、ちょっとお洒落な新型バンコン 「クライム ジャンパー」。
●ニートRVさんの、ウィネベーゴ製クラスC「アスペクト26A」 の2008年型モデル。
キャンピグカー以外にも、注目の新製品が登場していました。
●スマイルファクトリーさんの開発したエアサス 「キャンサス」 のハイスペックバージョン。
取材しているとき、たまたま、これをカムロードに装着した車両に試乗したというユーザーさんが来られ、
「いやぁ、もう異次元の走行感」 と激賞していたのが印象的でした。
ほかにも、ボディショップアジロさんが開発中のアルミボディを架装した 「新ワンタイR-5」 のドンガラボディが、出展者用駐車場にひっそりと置かれていたのを発見! しっかりと写真に収めました。
以降、以上の新車を含めた新商品を、少しずつここでも紹介していきたいと思います。
それにしても、土曜日は暑かった!
ペットボトルのお茶を10本以上。かき氷を2杯食べましたが、ほとんどトイレに行かず。
それだけ汗として出てしまったのですね。
夜は、仲のいい業者さんと、中央線の駅まで遠征し、生ビールをきゅっと一杯。
うめぇ!
その後、なじみのスナックに繰り出し、その店に置いてあるギターをおもちゃに、その業者さんの奏でる生演奏を聞きながら、焼酎のロック。
夏ですねぇ。
展示車は101台。
このショートしては、過去最大の出展数だとか。
昨日は晴天。今日は午前中は晴れ間も見えたのですが、午後には一時雷雨。
それでも、多くの来場者がつめかけて、各ブースはそれぞれ盛り上っていました。
ようやくこのショーも、関東地方の夏のビッグイベントとして定着してきた感じです。
この時期はあまり新車が出ないものなのですが、かなり新しいクルマが登場しました。
●グローバルさんの、コースターをベースにしたフルコンの 「グランドバッハ」。
●バンテックさんの、ジル520の2人旅仕様の 「ジル520E」。
●キャンピングワークスさんの、バンテック製コルドに発電機を標準装備して内装もモデファイした 「コルド ディナモ」。
●アルフレックスさんの、ちょっとお洒落な新型バンコン 「クライム ジャンパー」。
●ニートRVさんの、ウィネベーゴ製クラスC「アスペクト26A」 の2008年型モデル。
キャンピグカー以外にも、注目の新製品が登場していました。
●スマイルファクトリーさんの開発したエアサス 「キャンサス」 のハイスペックバージョン。
取材しているとき、たまたま、これをカムロードに装着した車両に試乗したというユーザーさんが来られ、
「いやぁ、もう異次元の走行感」 と激賞していたのが印象的でした。
ほかにも、ボディショップアジロさんが開発中のアルミボディを架装した 「新ワンタイR-5」 のドンガラボディが、出展者用駐車場にひっそりと置かれていたのを発見! しっかりと写真に収めました。
以降、以上の新車を含めた新商品を、少しずつここでも紹介していきたいと思います。
それにしても、土曜日は暑かった!
ペットボトルのお茶を10本以上。かき氷を2杯食べましたが、ほとんどトイレに行かず。
それだけ汗として出てしまったのですね。
夜は、仲のいい業者さんと、中央線の駅まで遠征し、生ビールをきゅっと一杯。
うめぇ!
その後、なじみのスナックに繰り出し、その店に置いてあるギターをおもちゃに、その業者さんの奏でる生演奏を聞きながら、焼酎のロック。
夏ですねぇ。
2007年07月23日
トネリコ
【お勧めキャンカー1 「トネリコ」 】
今日の 「お勧めキャンカー」 は 「トネリコ (Toneryco) 」 です。
7月21日~22日に開かれた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 でデビューしたばかりの、ホットな新車です。

外形は、ハイエース標準ボディ (ハイルーフ) を使った一見何の変哲もないバンコンのように見えますが、ウィンピュアJ'sで独自のバンコンスタイルを創造したMYSミスティックさんの開発だけあって、なかなか考え抜かれたコンセプトになっています。
狙いは 「マルチパーパス」。
多目的用途車。
キャンピングカーにも使え、バイクや自転車などを積載するトランポ的要素も兼ね備えるクルマ。
…といっても、それ自体は珍しくはないのですが、ディテール (細部) に、実に凝った発想がふんだんに盛り込まれています。
▼まず、セカンドシート。
備え付けのマットをセカンドシートの背もたれと座面の間に埋め込むことによって、ゆったりと足を伸ばせる 「くつろぎ」 の空間を作り出しています。

▼運転席・助手席の背面を利用して、座面用マットを敷けば、ホラ! 対面ダイネットのできあがり。

▼フロアベッドを展開するときにも、仕掛けがあります。
サイドの収納ボックスの中に、折りたたみ式のベッドボードが格納されていて、それをスルスルと引き出すだけ。

▼セカンドシートをフラットにすれば、ご覧のようなベッドスペースが誕生。
。
オプションの 「リヤ上段ベッド」 用のボードを用意すれば、2段ベッドの設定も可能。
さらに、フロアにはコールマンのエアマットを2枚敷くスペースが確保されているので、それを敷きつめれば、なんと “3段ベッド” が誕生!
▼トランポとしての機能も十分です。

自転車はもちろん、バイクもOK。自転車ならうまく積めば2台分積み込むこともできます。
そのための、タイダウンフックも標準装備。
▼両サイドに設置された収納ボックスのリヤ側が、少しえぐられているのが見えますか?

そうです! そこにフックが隠されています。
そのほか、3点式シートベルトを標準装備したセカンドシート。
防寒・遮光効果を上げるための、長めカーテンの採用。
外部シャワーとして使える1.5mのホース付きのシャワーヘッドなど、実用的なアイデアが満載。
この多機能な装備類を、全長4695㎜、全幅1695㎜というナローボディで実現したところが、このクルマの “売り” ですね。
しかも、キャンピングカー登録も、バン登録も可能になっています。
ロールーフのスーパーGLなどを使っても、ばっちり!
お値段は、車両本体価格で税込み3,360,000円 (07年7月現在)です。
関連記事 「新車レポート9 ウィンピュアJ's」
関連記事 「これぞトラキャン」
今日の 「お勧めキャンカー」 は 「トネリコ (Toneryco) 」 です。
7月21日~22日に開かれた 「アウトドアフェスティバル IN 信州」 でデビューしたばかりの、ホットな新車です。
外形は、ハイエース標準ボディ (ハイルーフ) を使った一見何の変哲もないバンコンのように見えますが、ウィンピュアJ'sで独自のバンコンスタイルを創造したMYSミスティックさんの開発だけあって、なかなか考え抜かれたコンセプトになっています。
狙いは 「マルチパーパス」。
多目的用途車。
キャンピングカーにも使え、バイクや自転車などを積載するトランポ的要素も兼ね備えるクルマ。
…といっても、それ自体は珍しくはないのですが、ディテール (細部) に、実に凝った発想がふんだんに盛り込まれています。
▼まず、セカンドシート。
備え付けのマットをセカンドシートの背もたれと座面の間に埋め込むことによって、ゆったりと足を伸ばせる 「くつろぎ」 の空間を作り出しています。
▼運転席・助手席の背面を利用して、座面用マットを敷けば、ホラ! 対面ダイネットのできあがり。
▼フロアベッドを展開するときにも、仕掛けがあります。
サイドの収納ボックスの中に、折りたたみ式のベッドボードが格納されていて、それをスルスルと引き出すだけ。
▼セカンドシートをフラットにすれば、ご覧のようなベッドスペースが誕生。
オプションの 「リヤ上段ベッド」 用のボードを用意すれば、2段ベッドの設定も可能。
さらに、フロアにはコールマンのエアマットを2枚敷くスペースが確保されているので、それを敷きつめれば、なんと “3段ベッド” が誕生!
▼トランポとしての機能も十分です。
自転車はもちろん、バイクもOK。自転車ならうまく積めば2台分積み込むこともできます。
そのための、タイダウンフックも標準装備。
▼両サイドに設置された収納ボックスのリヤ側が、少しえぐられているのが見えますか?
そうです! そこにフックが隠されています。
そのほか、3点式シートベルトを標準装備したセカンドシート。
防寒・遮光効果を上げるための、長めカーテンの採用。
外部シャワーとして使える1.5mのホース付きのシャワーヘッドなど、実用的なアイデアが満載。
この多機能な装備類を、全長4695㎜、全幅1695㎜というナローボディで実現したところが、このクルマの “売り” ですね。
しかも、キャンピングカー登録も、バン登録も可能になっています。
ロールーフのスーパーGLなどを使っても、ばっちり!
お値段は、車両本体価格で税込み3,360,000円 (07年7月現在)です。
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2007年07月06日
愛車自慢その3
私が今乗ってる 「コマンダー」 というキャンピングカーは、鼻付きです。ボンネットがバン! っと前に突き出ています。

ええ、けっこうボンネット付きが好きなんですよ。
ハハハ…カッコいいじゃないですか!
「機能」 より 「見てくれ」 派です。
5mクラスのキャブコンといっても、コマンダーはこのボンネット部分にスペースを取られてしまう分、居住空間が狭められています。
長さの割りに、室内が狭い。
これを 「損」 と取るか、「贅沢」 と取るか。
私は、「贅沢」 と取ります。
ただ、正直にいうと、家族の多い方には向かないクルマです。
カタログで謳われている乗車定員は9名。就寝定員は6名ですが、実質的には夫婦2名+小さなお子さん2名というのが許容限度。
理想をいえば、夫婦2人のクルマです。
息子は、いま身長が180㎝ぐらいですが、こいつが一人乗り込んでくるだけで、室内があっという間に半分に縮小されちゃったのか? と思えるほど窮屈になります。
でも、今はほとんど夫婦2人で使っているので、まったく問題がありません。
ボンネットなどという“無駄メシ喰らい”のスペースがあるため、室内空間は狭いのですが、それを感じさせないところが、このクルマの妙です。
理由は、バックエントランス。

エントランスドアが、ボディの真後ろにあります。
最近は、アミティRRがこれを採用し、評判を取りました。
その昔は、日本人が企画したクルマではアストロスター、イーグルなどというキャブコンがあり、輸入車ではシヌークがありますが、いずれにせよ、少数派です。
ピックアップキャビンでは、構造上このスタイルしか取れないわけですから、それはやむを得ないとして、キャブコンでこれを採用するクルマが少なかったのは、出入口がオーニング下からずれる。リヤにキャリア類が付けられない。などというデメリットがあったためでしょう。
でも、そういう不便さを気にしなければ、これは無類にスペース効率の良いアイデアです。
フロントエントランスにせよ、リヤエントランスにせよ、ボディの横に入口があるクルマは、その入口まわりに家具を置くことができません。エントランスステップが“デッドスペース”になってしまうわけです。
コマンダーは、バックエントランスを採用したため、運転席からリヤエンドまで、純粋なキャビンスペースを実現することができました。
アミティRRもそうですが、このクルマも“生意気に”シャワー・トイレルームを実現しています。
ボディサイドにエントランスドアがない分、室内には、ドーン! と優雅なサイドソファ。

身長で威張ることのない、奥ゆかしい私なんぞは、このサイドソファがあるだけで、そのまま寝っ転がることができます。
こういうクルマが、また復活してほしいものです。
ええ、けっこうボンネット付きが好きなんですよ。
ハハハ…カッコいいじゃないですか!
「機能」 より 「見てくれ」 派です。
5mクラスのキャブコンといっても、コマンダーはこのボンネット部分にスペースを取られてしまう分、居住空間が狭められています。
長さの割りに、室内が狭い。
これを 「損」 と取るか、「贅沢」 と取るか。
私は、「贅沢」 と取ります。
ただ、正直にいうと、家族の多い方には向かないクルマです。
カタログで謳われている乗車定員は9名。就寝定員は6名ですが、実質的には夫婦2名+小さなお子さん2名というのが許容限度。
理想をいえば、夫婦2人のクルマです。
息子は、いま身長が180㎝ぐらいですが、こいつが一人乗り込んでくるだけで、室内があっという間に半分に縮小されちゃったのか? と思えるほど窮屈になります。
でも、今はほとんど夫婦2人で使っているので、まったく問題がありません。
ボンネットなどという“無駄メシ喰らい”のスペースがあるため、室内空間は狭いのですが、それを感じさせないところが、このクルマの妙です。
理由は、バックエントランス。
エントランスドアが、ボディの真後ろにあります。
最近は、アミティRRがこれを採用し、評判を取りました。
その昔は、日本人が企画したクルマではアストロスター、イーグルなどというキャブコンがあり、輸入車ではシヌークがありますが、いずれにせよ、少数派です。
ピックアップキャビンでは、構造上このスタイルしか取れないわけですから、それはやむを得ないとして、キャブコンでこれを採用するクルマが少なかったのは、出入口がオーニング下からずれる。リヤにキャリア類が付けられない。などというデメリットがあったためでしょう。
でも、そういう不便さを気にしなければ、これは無類にスペース効率の良いアイデアです。
フロントエントランスにせよ、リヤエントランスにせよ、ボディの横に入口があるクルマは、その入口まわりに家具を置くことができません。エントランスステップが“デッドスペース”になってしまうわけです。
コマンダーは、バックエントランスを採用したため、運転席からリヤエンドまで、純粋なキャビンスペースを実現することができました。
アミティRRもそうですが、このクルマも“生意気に”シャワー・トイレルームを実現しています。
ボディサイドにエントランスドアがない分、室内には、ドーン! と優雅なサイドソファ。
身長で威張ることのない、奥ゆかしい私なんぞは、このサイドソファがあるだけで、そのまま寝っ転がることができます。
こういうクルマが、また復活してほしいものです。
2007年07月03日
愛車自慢その2
「愛車自慢」なんてタイトルを付けると、やはり、ハハハと笑ってしまいますね。
結構、恥かしいタイトルですね、これは。
でも、前回この名でスタートしてしまったんだし、まぁ、気に入った点を少しずつ。
で、この「コマンダー」。
初度登録は2002年10月。デビューした年の購入です。

このとき、ヒュンダイSRXベースの国産車は全部で3台ありました。
1台は、輸入元のバンテックさんが開発された 「アトムSRX」。
もう1台は、フィールドライフさんの 「フランク」。
翌年には、マックレーさんの 「エンブレム」 が誕生するわけですが、このときはまだありませんでした。
その中で、このコマンダーを選んだのは、ずばりサイズです。
5m未満。
アトムSRXは、全長5585㎜。
フランクは、全長5670㎜。
それに対して、コマンダーは4980㎜。
悲しいかな、わが駐車場…といっても月極ですが、そこに収まるのはこのサイズまで。
実は、ベース車のヒュンダイSRXトラックの全長は5415㎜なのです。
それをわざわざ後部フレームをカットしてまで、ショートボディにこだわったのが、コマンダーでした。
もう、それだけで、ほぼ自動的に決まり!
スタイルというところにこだわれば、プロポーションが美しいのはフランクでしたが、わが駐車場の場合、立て込んだ民家の塀をかすめる感じで、斜めにバックしながら入れるとき、リヤオーバーハングが長いのは致命的。
コマンダーなら、1回の切り返しで入ります。
走りは、正直にいって 「拾い物!」 という感じでした。
実は、「カムロード」より、よく走るという評判は聞いていたのですが、それほどのことはあるまいと、タカをくくっていたのです。
当時のカムロードは91馬力。
それに対して、SRXのスペックデータは、103馬力。実際に走らせるまで、大きな期待はなかったのです。
しかし、ターボの力あなどりがたし。
キックダウンして回転数が上がるまでは、ディーゼルトラック特有のもたつきがありますが、ターボが効きだしてトルクバンドに乗ってくると、かなり胸のすく走行フィールが味わえます。
ある販売店のスタッフが 「乗用車フィール」 と言っていたのも、よく分かりました。
高速道路では、軽々と120㎞巡航ができるので、最初のうちは得意になって飛ばしていましたが、燃費はガタっと落ちます。
ちなみに、市街地では5.8~6.8㎞/リットル。
高速道路では、平均8.6㎞/リットルぐらい。
しかし、100㎞を超える巡航を継続していると、高速道路でも市街地並みの燃費に落ちます。
今は、特別に急ぎの用がないときは、80~90㎞走行です。80㎞をキープしていればリッター10㎞走りますから。
左ハンドル車を持つのは、実は初めてでした。
だけど、幅2.20mぐらいのクルマになってくると、やはり左ハンドルは悪くありません。
左いっぱいに寄せられるので、狭い道のすれ違いなどは、かえって右ハンドル車より有利なくらいです。
ただ、最初のうちは、右席に乗った同乗者は、対向車線のクルマが飛び込んで来るように見えて、かなり困惑していたようですけれど。
難点があるとしたら、右側から迫ってきたクルマに追い抜かれるとき、一瞬の死角が生じることです。
それを解消するのには、天吊りミラーが効果があるようです。
この“一瞬の死角”は、このクルマの納車が始まった頃から、すでに問題になっていたもので、何台かは補助ミラーをつけて納めたという話は聞きました。
私は、「事前の注意と慣れ」 でなんとかしのいでいますが。
次回は、室内の様子をちょっとご紹介。
結構、恥かしいタイトルですね、これは。
でも、前回この名でスタートしてしまったんだし、まぁ、気に入った点を少しずつ。
で、この「コマンダー」。
初度登録は2002年10月。デビューした年の購入です。
このとき、ヒュンダイSRXベースの国産車は全部で3台ありました。
1台は、輸入元のバンテックさんが開発された 「アトムSRX」。
もう1台は、フィールドライフさんの 「フランク」。
翌年には、マックレーさんの 「エンブレム」 が誕生するわけですが、このときはまだありませんでした。
その中で、このコマンダーを選んだのは、ずばりサイズです。
5m未満。
アトムSRXは、全長5585㎜。
フランクは、全長5670㎜。
それに対して、コマンダーは4980㎜。
悲しいかな、わが駐車場…といっても月極ですが、そこに収まるのはこのサイズまで。
実は、ベース車のヒュンダイSRXトラックの全長は5415㎜なのです。
それをわざわざ後部フレームをカットしてまで、ショートボディにこだわったのが、コマンダーでした。
もう、それだけで、ほぼ自動的に決まり!
スタイルというところにこだわれば、プロポーションが美しいのはフランクでしたが、わが駐車場の場合、立て込んだ民家の塀をかすめる感じで、斜めにバックしながら入れるとき、リヤオーバーハングが長いのは致命的。
コマンダーなら、1回の切り返しで入ります。
走りは、正直にいって 「拾い物!」 という感じでした。
実は、「カムロード」より、よく走るという評判は聞いていたのですが、それほどのことはあるまいと、タカをくくっていたのです。
当時のカムロードは91馬力。
それに対して、SRXのスペックデータは、103馬力。実際に走らせるまで、大きな期待はなかったのです。
しかし、ターボの力あなどりがたし。
キックダウンして回転数が上がるまでは、ディーゼルトラック特有のもたつきがありますが、ターボが効きだしてトルクバンドに乗ってくると、かなり胸のすく走行フィールが味わえます。
ある販売店のスタッフが 「乗用車フィール」 と言っていたのも、よく分かりました。
高速道路では、軽々と120㎞巡航ができるので、最初のうちは得意になって飛ばしていましたが、燃費はガタっと落ちます。
ちなみに、市街地では5.8~6.8㎞/リットル。
高速道路では、平均8.6㎞/リットルぐらい。
しかし、100㎞を超える巡航を継続していると、高速道路でも市街地並みの燃費に落ちます。
今は、特別に急ぎの用がないときは、80~90㎞走行です。80㎞をキープしていればリッター10㎞走りますから。
左ハンドル車を持つのは、実は初めてでした。
だけど、幅2.20mぐらいのクルマになってくると、やはり左ハンドルは悪くありません。
左いっぱいに寄せられるので、狭い道のすれ違いなどは、かえって右ハンドル車より有利なくらいです。
ただ、最初のうちは、右席に乗った同乗者は、対向車線のクルマが飛び込んで来るように見えて、かなり困惑していたようですけれど。
難点があるとしたら、右側から迫ってきたクルマに追い抜かれるとき、一瞬の死角が生じることです。
それを解消するのには、天吊りミラーが効果があるようです。
この“一瞬の死角”は、このクルマの納車が始まった頃から、すでに問題になっていたもので、何台かは補助ミラーをつけて納めたという話は聞きました。
私は、「事前の注意と慣れ」 でなんとかしのいでいますが。
次回は、室内の様子をちょっとご紹介。
2007年07月01日
愛車自慢その1
キャンピングカーに関わるブログを書いていて、今まで自分の愛車を語ることはほとんどありませんでした。
その理由のひとつは、ある特定メーカーのクルマに乗っていることを明かすと、取材がしにくい…ということは、実際にはないんですけれど、…しにくいような気分に (勝手に) なってしまっていたからなんですね。
実際に、自分のキャンピングカーを使って、販売店さんなどに取材に行くと、
「テスト車両ですか?」
と、昔はよく尋ねられました。
それが、個人で買ったクルマだと分かると、
「下取り高く取るから、ウチの○○に乗り換えてくださいよ」
なんて、かなり本気っぽい感じの冗談を、よく言われることがありました。
「ええ、この次には…」
とかお茶を濁すと、「この次」 を約束しなければならないショップさんが次々と増えることになります。
それが、ちょっと大変。
ビルダーの社長さんなどと雑談しているときも、私の乗っているベース車の話題になることがあります。
なかには、
「あれは問題あるベース車だから、ウチでは絶対扱わないよ」
なんて、自信たっぷりに話される方もいらっしゃったりして。
そうなると、
「実は、私、今それに乗っているんですけど…」
とは、なかなか切り出せないもんですね。相手の方も間が悪いだろうな、という予想がつくし。
でも、そろそろいいかな…と思うようになりました。
今乗っているキャンピングカーのベース車の供給が途絶え、一応 「過去のクルマ」 になったからなんですね。
というか、なんだか、「伝説の名車」 になりそうな雰囲気も出てきたので、ならば、もったいぶっていないで、明かしてしまおうかと。
で、初公開。

これは、「コマンダー」 というクルマです。
横浜にあるキャンピングカーショップの 「ロッキー」 さんで開発された車両です。
シャシーが韓国ヒュンダイ製。バンテックさんが輸入されて、ロッキーの仲さんが企画を練り、バンテックのタイ工場で造られたキャブコンです。
そういった意味で、東アジアを股にかけて製作された国際的なクルマだったんですね。
これを購入するときの、選択肢としての基準は、5m未満のキャブコンで、車両本体価格が500万円未満 (当時)。かつリヤ2段ベッドでなく、サイドソファを持つクルマ。
…というわけですが、実は、けっこうベースのSRXにすごく興味があったわけです。
このベース車を日本に導入するとき、バンテックさんがあちらこちらの国産ビルダーさんに、売込みをかけました。
それを受けたビルダーさんの反応が様々。
某メーカーさんA氏。
「いいシャシーですよ。ただ韓国製ということで、うちの営業は全員反対でしたね。構造が三菱系とはいっても、不具合が出たらどうするか。未知の部分が多すぎて…」
某メーカーさんB氏。
「シャシーはいいけれど、日本では売れないと思うよ。売れない理由が3拍子揃っている。ひとつは左ハンドル。次はディーゼル。そして、やっぱり韓国車はまだ日本では市民権を得ていない」
某メーカーさんC氏。
「これはいいシャシーだよ。ディーゼルだけど、やかましくないんだよ。それに、運転席が乗用車の雰囲気じゃない? しかも、ドアを閉めると、バタッと重厚感があって、トラックじゃないよ、あれは…」
某メーカーさんD氏。
「韓国製っていうから期待していなかったけれど、実際走らせたらびっくり! カムロードなんかよりパワーがあるし(当時)、 直進安定性もいい。ワイドトレッドなどをわざわざ設定しなくても、ベース車自体が広いから安定感がある。キャンピングカーにしたら良いクルマができると思うよ」
某メーカーさんE氏。
「バンテックさんが入れるというので、ヒュンダイの工場まで試乗に行ったんですよ。そうしたら、思ったより完成度が高かった。まぁ、トヨタほどの完成度ではないけれどね。ターボの回り方はいいので、走りは軽快。ホイールベースも長くて安定しているし、トレッドも広いので、コーナリングの不安がない」
…というように、かなりの情報を得ることができました。
賛否両論だったのですが、それだけに、ものすごく興味をそそられました。
このシャシーを使ったアトムSRXのプロトタイプが出たとき、当時バンテックにいた (現キャンピングワークス) の鈴木さんが、面白い話をしてくれました。
「ショーに出したら、みんな珍しがって寄ってくるんですよ。コレかっこいいねぇ。どこのクルマ? って。
だけど、韓国製って言ったら、みんなサァーって引いていく。日本人はまだ、大昔の、ドアのバリが取れていないような韓国車しか知らないんだね」
それを聞いて、逆に、
「お、面白いじゃん!」
と思いました。
誰でも誉めるシャシーなんて、あんまり魅力がないじゃないですか。
「よし、次のキャンピングカーを買うなら、このベース車のやつを…」
そう密かに心に決めたわけですね。
次は、実際に自分で走らせたときのインプレッションなどを語りたいと思います。
ただ、いつのことになるかな…
その理由のひとつは、ある特定メーカーのクルマに乗っていることを明かすと、取材がしにくい…ということは、実際にはないんですけれど、…しにくいような気分に (勝手に) なってしまっていたからなんですね。
実際に、自分のキャンピングカーを使って、販売店さんなどに取材に行くと、
「テスト車両ですか?」
と、昔はよく尋ねられました。
それが、個人で買ったクルマだと分かると、
「下取り高く取るから、ウチの○○に乗り換えてくださいよ」
なんて、かなり本気っぽい感じの冗談を、よく言われることがありました。
「ええ、この次には…」
とかお茶を濁すと、「この次」 を約束しなければならないショップさんが次々と増えることになります。
それが、ちょっと大変。
ビルダーの社長さんなどと雑談しているときも、私の乗っているベース車の話題になることがあります。
なかには、
「あれは問題あるベース車だから、ウチでは絶対扱わないよ」
なんて、自信たっぷりに話される方もいらっしゃったりして。
そうなると、
「実は、私、今それに乗っているんですけど…」
とは、なかなか切り出せないもんですね。相手の方も間が悪いだろうな、という予想がつくし。
でも、そろそろいいかな…と思うようになりました。
今乗っているキャンピングカーのベース車の供給が途絶え、一応 「過去のクルマ」 になったからなんですね。
というか、なんだか、「伝説の名車」 になりそうな雰囲気も出てきたので、ならば、もったいぶっていないで、明かしてしまおうかと。
で、初公開。
これは、「コマンダー」 というクルマです。
横浜にあるキャンピングカーショップの 「ロッキー」 さんで開発された車両です。
シャシーが韓国ヒュンダイ製。バンテックさんが輸入されて、ロッキーの仲さんが企画を練り、バンテックのタイ工場で造られたキャブコンです。
そういった意味で、東アジアを股にかけて製作された国際的なクルマだったんですね。
これを購入するときの、選択肢としての基準は、5m未満のキャブコンで、車両本体価格が500万円未満 (当時)。かつリヤ2段ベッドでなく、サイドソファを持つクルマ。
…というわけですが、実は、けっこうベースのSRXにすごく興味があったわけです。
このベース車を日本に導入するとき、バンテックさんがあちらこちらの国産ビルダーさんに、売込みをかけました。
それを受けたビルダーさんの反応が様々。
某メーカーさんA氏。
「いいシャシーですよ。ただ韓国製ということで、うちの営業は全員反対でしたね。構造が三菱系とはいっても、不具合が出たらどうするか。未知の部分が多すぎて…」
某メーカーさんB氏。
「シャシーはいいけれど、日本では売れないと思うよ。売れない理由が3拍子揃っている。ひとつは左ハンドル。次はディーゼル。そして、やっぱり韓国車はまだ日本では市民権を得ていない」
某メーカーさんC氏。
「これはいいシャシーだよ。ディーゼルだけど、やかましくないんだよ。それに、運転席が乗用車の雰囲気じゃない? しかも、ドアを閉めると、バタッと重厚感があって、トラックじゃないよ、あれは…」
某メーカーさんD氏。
「韓国製っていうから期待していなかったけれど、実際走らせたらびっくり! カムロードなんかよりパワーがあるし(当時)、 直進安定性もいい。ワイドトレッドなどをわざわざ設定しなくても、ベース車自体が広いから安定感がある。キャンピングカーにしたら良いクルマができると思うよ」
某メーカーさんE氏。
「バンテックさんが入れるというので、ヒュンダイの工場まで試乗に行ったんですよ。そうしたら、思ったより完成度が高かった。まぁ、トヨタほどの完成度ではないけれどね。ターボの回り方はいいので、走りは軽快。ホイールベースも長くて安定しているし、トレッドも広いので、コーナリングの不安がない」
…というように、かなりの情報を得ることができました。
賛否両論だったのですが、それだけに、ものすごく興味をそそられました。
このシャシーを使ったアトムSRXのプロトタイプが出たとき、当時バンテックにいた (現キャンピングワークス) の鈴木さんが、面白い話をしてくれました。
「ショーに出したら、みんな珍しがって寄ってくるんですよ。コレかっこいいねぇ。どこのクルマ? って。
だけど、韓国製って言ったら、みんなサァーって引いていく。日本人はまだ、大昔の、ドアのバリが取れていないような韓国車しか知らないんだね」
それを聞いて、逆に、
「お、面白いじゃん!」
と思いました。
誰でも誉めるシャシーなんて、あんまり魅力がないじゃないですか。
「よし、次のキャンピングカーを買うなら、このベース車のやつを…」
そう密かに心に決めたわけですね。
次は、実際に自分で走らせたときのインプレッションなどを語りたいと思います。
ただ、いつのことになるかな…
2007年06月25日
ロッキー2
「ロッキー2」 といっても、シルベスター・スタローンが演じる映画 「ロッキー」 ではありません。

横浜にあるキャンピングカー販売店の 「ロッキー」 さんのことです。
それが 「ロッキー2」 となったのは、以前営業の中心となって活躍していた村山周太郎さんが、ショップの責任者となったからなんですね。

「ロッキー」 といえば、アメ車中心の品揃えというイメージがありましたが、「ロッキー2」 を主宰する村山さんは、これからは国産車を中心とした品揃えを充実させていきたいと語ります。
すでに、展示場にはAtoZさんの 「アミティ」 の新車が展示され、アズマさんの 「ラ・クーン」 なども置かれる予定です。
AtoZさんの商品も、アズマさんの商品も、静岡方面から来られたお客さんは、今までは東京都心部を抜けて埼玉の展示場に行かねばなりませんでしたが、これで、神奈川でも見られるようになりそうです。
「今いちばんやりたいことは?」
と、村山さんに尋ねたところ、
「バーベキュー場をつくりたい」 とのこと。
クルマを買うか、その修理という目的がなければ、来られないような展示場ではなく、
「ちょっと遊びに…」
という軽い気持ちで、お客さんが集まってくれるような店にしたい、と村山さんは張り切っています。
そのためには、気の合ったお客さん同士で、パーティが開けるようなバーベキュースペースは、ぜひ必要。
「今は、まだ計画中なんですけど…」
と、村山さんは、それ以外にも面白そうな企画をたくさん話してくれました。
楽しい、夢のある展示場になりそうです。
横浜にあるキャンピングカー販売店の 「ロッキー」 さんのことです。
それが 「ロッキー2」 となったのは、以前営業の中心となって活躍していた村山周太郎さんが、ショップの責任者となったからなんですね。
「ロッキー」 といえば、アメ車中心の品揃えというイメージがありましたが、「ロッキー2」 を主宰する村山さんは、これからは国産車を中心とした品揃えを充実させていきたいと語ります。
すでに、展示場にはAtoZさんの 「アミティ」 の新車が展示され、アズマさんの 「ラ・クーン」 なども置かれる予定です。
AtoZさんの商品も、アズマさんの商品も、静岡方面から来られたお客さんは、今までは東京都心部を抜けて埼玉の展示場に行かねばなりませんでしたが、これで、神奈川でも見られるようになりそうです。
「今いちばんやりたいことは?」
と、村山さんに尋ねたところ、
「バーベキュー場をつくりたい」 とのこと。
クルマを買うか、その修理という目的がなければ、来られないような展示場ではなく、
「ちょっと遊びに…」
という軽い気持ちで、お客さんが集まってくれるような店にしたい、と村山さんは張り切っています。
そのためには、気の合ったお客さん同士で、パーティが開けるようなバーベキュースペースは、ぜひ必要。
「今は、まだ計画中なんですけど…」
と、村山さんは、それ以外にも面白そうな企画をたくさん話してくれました。
楽しい、夢のある展示場になりそうです。
2007年06月23日
クラフト新展示場
モーターホームのメンテナンス工場として知られる 「クラフト」 さんから、この6月2日に新展示場をオープンするという連絡をいただいたのは、5月の末。
オープニングイベントを欠席して、礼を欠いてしまったが、ようやくご挨拶に上がることができた。
第三京浜の港北IC(神奈川県)からそれほど遠くない場所なのだが、あわて者の私は、展示場ではなく、お邪魔したのは工場。
社長の木村さんの奥様にクルマで誘導してもらい、そこから走って7分ほどの展示場に、やっとたどり着くことができた。

出迎えてくださったのは、元アイシィー・トレックスを主宰されていた戸川聰さんと、クラフトの社長の木村さん。

▲戸川さん ▲木村社長
このクラフト展示場は、モーターホーム文化の育成を目標に、木村さんが、長年の盟友である戸川さんにその大役を任せた、いわばRV情報の発信基地。
オフィス内には、最新液晶モニターが設置され、貴重な米国RVIAの活動を知らせるDVD、カナダーのビルダーの広報ビデオ、B.C.ヴァーノンを例に採ったモーターホームのプロモーションDVDなどが、常時映し出されている。
さらに、カナダを代表するトリプルE社が製作した初期クラスAモデルの絵ハガキなど、日本のモーターホーム文化を根づかせた戸川さんならではの貴重なコレクションも展示されている。
なんといっても、このショップの売りは、目利きの戸川さんによって選び抜かれた貴重なモーターホームパーツの数々。
展示スペースは小さいながら、高品質のセワホース、オーニングを支えるためのタイダウンフックキット、特別に製造されたFRP用ポリッシュ (非売品) など、モーターホームライフを豊かにするための厳選された小道具が美しくディスプレイされている。
最新型のLEDマーカーランプ。お洒落な蛍光灯。美しい光沢を放つクローム製の混合栓。
機能UPが図られると同時に、お洒落度もUPするという品路添えが、なんとも個性的だ。

それほど広い敷地でもないのに、入口前には、大型モーターホームが楽に入れるようなスペースがしっかり確保されている。
「お客様が、ダンプや給水を目的に立ち寄られても、いつでも停めていただけるように」 するための配慮だという。
ダンプ用のホールが3箇所。給水用の水道が2箇所。
こういう設定は、いかにも北米系モーターホームを長年手がけてきたショップらしい配慮だ。
なにしろ、工場が近いので、メンテナンス作業も容易。
不具合が出た車両を持ち込む場合は、まずこの展示場で相談をし、しかるのちに、工場で対応することになる。
展示場と工場の距離は、普通に走って6~7分。
アイシィー・トレックスの創業期から、そのメンテナンスを専門的に手掛けてきた 「クラフト」 だけに、モーターホームのことなら、まず任せておいて安心。
アクセスとして近いのは、第三京浜の港北IC。
そこから10分。
東名自動車道の場合は、横浜・青葉IC。15分。
定休日は金曜日。
オフィスの裏には、閑雅な庭園風の空き地が広がり、目の覚める様な青をたたえた紫陽花が真っ盛りだった。
関連記事 「Mr.モーターホーム」
オープニングイベントを欠席して、礼を欠いてしまったが、ようやくご挨拶に上がることができた。
第三京浜の港北IC(神奈川県)からそれほど遠くない場所なのだが、あわて者の私は、展示場ではなく、お邪魔したのは工場。
社長の木村さんの奥様にクルマで誘導してもらい、そこから走って7分ほどの展示場に、やっとたどり着くことができた。
出迎えてくださったのは、元アイシィー・トレックスを主宰されていた戸川聰さんと、クラフトの社長の木村さん。
▲戸川さん ▲木村社長
このクラフト展示場は、モーターホーム文化の育成を目標に、木村さんが、長年の盟友である戸川さんにその大役を任せた、いわばRV情報の発信基地。
オフィス内には、最新液晶モニターが設置され、貴重な米国RVIAの活動を知らせるDVD、カナダーのビルダーの広報ビデオ、B.C.ヴァーノンを例に採ったモーターホームのプロモーションDVDなどが、常時映し出されている。
さらに、カナダを代表するトリプルE社が製作した初期クラスAモデルの絵ハガキなど、日本のモーターホーム文化を根づかせた戸川さんならではの貴重なコレクションも展示されている。
なんといっても、このショップの売りは、目利きの戸川さんによって選び抜かれた貴重なモーターホームパーツの数々。
展示スペースは小さいながら、高品質のセワホース、オーニングを支えるためのタイダウンフックキット、特別に製造されたFRP用ポリッシュ (非売品) など、モーターホームライフを豊かにするための厳選された小道具が美しくディスプレイされている。
最新型のLEDマーカーランプ。お洒落な蛍光灯。美しい光沢を放つクローム製の混合栓。
機能UPが図られると同時に、お洒落度もUPするという品路添えが、なんとも個性的だ。
それほど広い敷地でもないのに、入口前には、大型モーターホームが楽に入れるようなスペースがしっかり確保されている。
「お客様が、ダンプや給水を目的に立ち寄られても、いつでも停めていただけるように」 するための配慮だという。
ダンプ用のホールが3箇所。給水用の水道が2箇所。
こういう設定は、いかにも北米系モーターホームを長年手がけてきたショップらしい配慮だ。
なにしろ、工場が近いので、メンテナンス作業も容易。
不具合が出た車両を持ち込む場合は、まずこの展示場で相談をし、しかるのちに、工場で対応することになる。
展示場と工場の距離は、普通に走って6~7分。
アイシィー・トレックスの創業期から、そのメンテナンスを専門的に手掛けてきた 「クラフト」 だけに、モーターホームのことなら、まず任せておいて安心。
アクセスとして近いのは、第三京浜の港北IC。
そこから10分。
東名自動車道の場合は、横浜・青葉IC。15分。
定休日は金曜日。
オフィスの裏には、閑雅な庭園風の空き地が広がり、目の覚める様な青をたたえた紫陽花が真っ盛りだった。
関連記事 「Mr.モーターホーム」
2007年06月15日
リンエイという店
バンコンのトップビルダーとして揺るぎない地位を確立しているリンエイ・プロダクト。

しかし、不思議なビルダーだ。
ショップの看板ともなるような、代表的車種というものが見当たらない。
「ふたりのくるま旅」 という大ヒット商品があるじゃないか、という人もいるだろう。
では、「ふたりのくるま旅」 とはどんなクルマなのか?
このブランドには、誰もがすぐにイメージできる“形”というものがない。
あったとしても、人によって、様々な 「ふたりのくるま旅」 のイメージが浮かんでいるはずだ。
現在、「ふたりのくるま旅」 は、ハイエースのスーパーロングにも、ワイドにも、ナローにも存在する。
キャラバンもOK。ボンゴも可。
かつてはグランドハイエースや、ベンツ313CDIの 「ふたりのくるま旅」 があった。
構造の異なるどんなベース車でも問題にしない不思議な商品構成は、いったいどういう狙いに基づくものなのだろうか。
営業の第一線に立っている営業部長の梶原朗達さんに、リンエイの意図するものをうかがってみた。

梶原さんによると、
「リンエイというビルダーは、ひとつの車名がワンブランドを代表するようなクルマ造りをしていない」
という。
その理由は、
「お客様の望むものは、どんなものでも造れてしまうから」
なのだそうだ。
現在、リンエイの車種構成は、シリーズとして大きく2種類。レイアウトとしては18種類。
それぞれ具体的なレイアウト図を掲載する形で、カタログやホームページでも紹介されている。
だから、実は、緻密なセグメントによる体系的な車種構成は完成している。
「しかし、それもあまり意味がない」
と梶原氏。
「カタログに掲げた中の一つのモデルをご注文いただいたとしても、そのお客様とゆっくり話していると、その人の使用目的、趣味嗜好なども分かってきて、希望される仕様の深いところまでイメージできるようになります。
すると、必ずしも、最初に選んだモデルがベストとも限らない場合も出てくるんですね。
だから、18番までしかなかったレイアウトパターンに、19番目がつけ加えられることもあります」
このショップでは、まず相談ありきなのだ。
ここを訪れたときは、積極的に自分の希望を表明した人が勝ちだ。

釣りをしたい
サーフィンをしたい
冬場はスキーが中心
普段は仕事、休日はキャンプ
移動ホットドッグ屋をやりたい
母親の介護用クルマが欲しい
顧客の様々な希望を忠実に聞き入れるとなると、100の注文が入れば、100通りの仕様が生まれることになる。
リンエイは、それをやり切るビルダーだ。
…と梶原部長は胸を張る。
現在リンエイは、ハイエースに乗っている、あるいは乗ろうとしている多くの人たちに、
《ハイエースのクオリティアップを目指す店》
という看板を掲げようとしている。
「お客様をキャンピングカーユーザーだけに限定していない」
というのだ。
ハイエースにもっと荷物を積みたいと考えている人
それを使って商売を始めようと思っている人
乗り心地の向上を求めている人
快適なベッドを必要としている人
ハイエースに関しては、どんな相談も受けられるように、スタッフも常日頃からデータを集め、勉強していると梶原氏はいう。
そして、そういう相談のなかから出てきたリクエストをもとに、200系ハイエース専用のオリジナルパーツなども、すでに数多く開発されている。
たとえば、乗り心地の向上を実現するソフトライドサスペンション。
バネ下重量を軽減するオリジナルアルミホイール。
荷物の積載容量を増やすルーフラック。
リヤのはめ殺しの窓を開閉を実現した左右のクォーターウィンドウ。
シニアユーザーの乗降をサポートする数々のアシストグリップ。

そして電動ステップ。

「うちが考えているキャンピングカーというのは、キャンプだけを目的としたクルマではないのです。
キャンプにも、それ以外の遊びにも、仕事にも、買い物にも使えるジョウヨウシャを目指しています」
と語る梶原氏だが、ジョウヨウシャという言葉には、「乗用車」 ではなく、「常用車」 という字を当てたい、というユーモアも忘れない。
だから、リンエイの改造車には、8ナンバー登録にならない 「キャンピング車」 というものも数多く存在する。
4ナンバー、3ナンバー登録の状態で、ノーマル車にはない快適なベッド機構だけを整えたものを製作するなどというのは、同社のもっとも得意とするところだという。
あるいは逆に、貨物車登録となるバンを8ナンバー登録にすることによって、現在は市場に存在しない小型ワンボックス“ワゴン”を実現することもある。
リンエイの製品を愛する顧客層は、実に広い。
サーフィン、モトクロスを愛するスポーツ愛好家。
建築現場を生活の拠点とする建設業系ユーザー。
2人のクルマ旅を求めるシニアカップル。
移動販売車で仕事する自営業者。
そういう人たちが、遊びにも、仕事にもオールラウンドに使えるクルマ。
その質を、限りなく向上させていくことが、リンエイという店の使命だという。
となると、ユーザーの望みが果てしなく続く限りは、クルマとしての完成形も、先へ先へと伸ばされていくことになる。
こういうビルダーの製品を紹介しなければならないキャンピングカーメディアとしては、頭が痛い。
普通のキャンピングカーなら、まず車名を挙げ、そのレイアウトを紹介し、装備類とオプション類を列記すれば、ひとまず紹介記事が完成する。
しかし、リンエイのクルマだけは、そのパターンが通用しない。
何をどのように書けば、読者に分かってもらえるのやら。
毎年、『キャンピングカー super ガイド』 の編集時期が迫る頃、リンエイさんの記事を書かねばならない時間が近づいてくるたびに、憂鬱になる。

しかし、不思議なビルダーだ。
ショップの看板ともなるような、代表的車種というものが見当たらない。
「ふたりのくるま旅」 という大ヒット商品があるじゃないか、という人もいるだろう。
では、「ふたりのくるま旅」 とはどんなクルマなのか?
このブランドには、誰もがすぐにイメージできる“形”というものがない。
あったとしても、人によって、様々な 「ふたりのくるま旅」 のイメージが浮かんでいるはずだ。
現在、「ふたりのくるま旅」 は、ハイエースのスーパーロングにも、ワイドにも、ナローにも存在する。
キャラバンもOK。ボンゴも可。
かつてはグランドハイエースや、ベンツ313CDIの 「ふたりのくるま旅」 があった。
構造の異なるどんなベース車でも問題にしない不思議な商品構成は、いったいどういう狙いに基づくものなのだろうか。
営業の第一線に立っている営業部長の梶原朗達さんに、リンエイの意図するものをうかがってみた。
梶原さんによると、
「リンエイというビルダーは、ひとつの車名がワンブランドを代表するようなクルマ造りをしていない」
という。
その理由は、
「お客様の望むものは、どんなものでも造れてしまうから」
なのだそうだ。
現在、リンエイの車種構成は、シリーズとして大きく2種類。レイアウトとしては18種類。
それぞれ具体的なレイアウト図を掲載する形で、カタログやホームページでも紹介されている。
だから、実は、緻密なセグメントによる体系的な車種構成は完成している。
「しかし、それもあまり意味がない」
と梶原氏。
「カタログに掲げた中の一つのモデルをご注文いただいたとしても、そのお客様とゆっくり話していると、その人の使用目的、趣味嗜好なども分かってきて、希望される仕様の深いところまでイメージできるようになります。
すると、必ずしも、最初に選んだモデルがベストとも限らない場合も出てくるんですね。
だから、18番までしかなかったレイアウトパターンに、19番目がつけ加えられることもあります」
このショップでは、まず相談ありきなのだ。
ここを訪れたときは、積極的に自分の希望を表明した人が勝ちだ。
釣りをしたい
サーフィンをしたい
冬場はスキーが中心
普段は仕事、休日はキャンプ
移動ホットドッグ屋をやりたい
母親の介護用クルマが欲しい
顧客の様々な希望を忠実に聞き入れるとなると、100の注文が入れば、100通りの仕様が生まれることになる。
リンエイは、それをやり切るビルダーだ。
…と梶原部長は胸を張る。
現在リンエイは、ハイエースに乗っている、あるいは乗ろうとしている多くの人たちに、
《ハイエースのクオリティアップを目指す店》
という看板を掲げようとしている。
「お客様をキャンピングカーユーザーだけに限定していない」
というのだ。
ハイエースにもっと荷物を積みたいと考えている人
それを使って商売を始めようと思っている人
乗り心地の向上を求めている人
快適なベッドを必要としている人
ハイエースに関しては、どんな相談も受けられるように、スタッフも常日頃からデータを集め、勉強していると梶原氏はいう。
そして、そういう相談のなかから出てきたリクエストをもとに、200系ハイエース専用のオリジナルパーツなども、すでに数多く開発されている。
たとえば、乗り心地の向上を実現するソフトライドサスペンション。
バネ下重量を軽減するオリジナルアルミホイール。
荷物の積載容量を増やすルーフラック。
リヤのはめ殺しの窓を開閉を実現した左右のクォーターウィンドウ。
シニアユーザーの乗降をサポートする数々のアシストグリップ。
そして電動ステップ。
「うちが考えているキャンピングカーというのは、キャンプだけを目的としたクルマではないのです。
キャンプにも、それ以外の遊びにも、仕事にも、買い物にも使えるジョウヨウシャを目指しています」
と語る梶原氏だが、ジョウヨウシャという言葉には、「乗用車」 ではなく、「常用車」 という字を当てたい、というユーモアも忘れない。
だから、リンエイの改造車には、8ナンバー登録にならない 「キャンピング車」 というものも数多く存在する。
4ナンバー、3ナンバー登録の状態で、ノーマル車にはない快適なベッド機構だけを整えたものを製作するなどというのは、同社のもっとも得意とするところだという。
あるいは逆に、貨物車登録となるバンを8ナンバー登録にすることによって、現在は市場に存在しない小型ワンボックス“ワゴン”を実現することもある。
リンエイの製品を愛する顧客層は、実に広い。
サーフィン、モトクロスを愛するスポーツ愛好家。
建築現場を生活の拠点とする建設業系ユーザー。
2人のクルマ旅を求めるシニアカップル。
移動販売車で仕事する自営業者。
そういう人たちが、遊びにも、仕事にもオールラウンドに使えるクルマ。
その質を、限りなく向上させていくことが、リンエイという店の使命だという。
となると、ユーザーの望みが果てしなく続く限りは、クルマとしての完成形も、先へ先へと伸ばされていくことになる。
こういうビルダーの製品を紹介しなければならないキャンピングカーメディアとしては、頭が痛い。
普通のキャンピングカーなら、まず車名を挙げ、そのレイアウトを紹介し、装備類とオプション類を列記すれば、ひとまず紹介記事が完成する。
しかし、リンエイのクルマだけは、そのパターンが通用しない。
何をどのように書けば、読者に分かってもらえるのやら。
毎年、『キャンピングカー super ガイド』 の編集時期が迫る頃、リンエイさんの記事を書かねばならない時間が近づいてくるたびに、憂鬱になる。
2007年06月12日
新車レポート26
《アミティLX》
今日はこの6月にデビューしたAtoZさんの 「アミティLX」 をご紹介します。

アミティシリーズ。
ものすごい人気です。
このブログでも、「アミティ」というワード検索は、1日1件は必ず入ります。
さっき調べてみたら、6月に入って、この10日間ですでに41件。
以前「アミティRR」の記事を書いたときは、その直後、1週間で100件近くの検索があったように思います。
先日行われた 「さいたまキャンピングカー商談会」 会場でも、AtoZさんのアミティコーナーには、かなりの人だかり。
ヤングファミリーからシニア層まで、広い範囲の見学者を集めているところが印象的でした。
この人気の秘密は、ひとつはコストパフォーマンスの良さにあるようです。
このアミティのように、FRPシェルを架装したキャブコンは、断熱性、居住性などにおいて、一般的にバンコンより有利といわれていますが、アミティはそのバンコンよりも価格が安い!
ハイエースのスーパーロングあたりをベースにしたバンコンの平均的な価格を400万円とすれば、アミティは、全グレードの平均価格が約380万円。ロープライスモデルは349万円に抑えられています。
バンコンでも、充実した装備のものは500万円近くなりますから、アミティにはずっとお買い得感が出てきます。
動力性能では、ハイエース主体のバンコン勢より多少落ちますが、その代わり、断熱ボディ、ガラス2重窓、ゆったりダイネット、広いバンクベッドなどキャブコンならではの魅力は十分。
バンクベッドやリヤベッドがあれば、家族の人数によっては、寝るときにいちいちベッドメイクする必要がないというのも、普通のバンコンではなかなか得られないメリットのひとつですね。
アミティ人気のもうひとつの秘密は、取り回しの良さ。
「キャブコンはデカい!」という先入観を、このクルマは払拭しています。
全長4600㎜。
「ホンダのステップワゴン (4630㎜) より短い」 というのが売りなんですが、ターニングサークルも4.3mと軽自動車に近く、1950㎜という幅も、ランクル100 (1940㎜) とほとんど変りありません。
また、AtoZさんがアレン、アンソニーなどで、ボンゴを扱い慣れているということも、商品のクオリティ維持に貢献しているかもしれません。
特に、アレンにおいて、マツダのサポートを受けて、キャンパー専用の足回りを開発したことが、このアミティにも生きています。
アレンなどで、すでにボンゴの架装に関する重量配分などのデータも取ったことでしょうから、走りと重量のバランスについても、メーカーがよく分かっている部分があります。
そんなところも、商品の安定性の維持につながっているかもしれません。
また、商品構成そのものも、いいところを突いています。
ヤングファミリーのニーズを的確につかんだリヤ2段ベッド仕様で、まず最大公約数的な市場にがっちり食い込み、次に、シニアの 「2人旅」に特化したRRで、マーケットの幅を広げました。
そのRRも、真後ろにドアを設けるバックエントランスドアを採用することで話題性を獲得。アミティというクルマの存在感を強くアピールすることになりました。
では、今回登場した 「アミティLX」 とはどんなクルマなのか。
勘のいい人は、アラモLXをすぐ思い出したのでは?
そう! 対面ダイネットとサイドシート。リヤにL型キッチンとトイレ・シャワールームがあるというレイアウトですね。
それをアミティのボディサイズで実現したのが、この 「アミティLX」。
…と言いたいところですが、なにせ4.6mボディですから、L型キッチンまで組み込むわけにはいきません。

というわけで、キッチンはストレートなカウンターキッチン。
ただ、シンクそのもののサイズはむしろ大きくなって、実用度は増しています。
配膳スペースも広いので、買い物から帰ってきたときに、ちょっとした荷物を置いたり、食材などを整理するときに実に便利。

リヤにはトイレ室、ワードローブ、収納庫と、多様な使い方を発揮するマルチルーム。
バンクベッドは1800×1420㎜。
フロアベッドは1830×1230㎜。
リヤ2段ベッドの設定はなくても、バンクベッドとフロアベッドで、計大人4名の就寝定員が取れています。
これでアミティシリーズは、合計3車。
ファミリー向けのアミティ。
シニアカップル向けのアミティRR。
そして、このアミティLX。
うまいセグメントになりました。
LXは、アミティとRRの中間的存在として、シニアカップルにもよし。ファミリーでもOK。
要は、リヤ2段ベッドが欲しい人はアミティ。
2段ベッドの代わりに、トイレルーム・マルチルームが欲しい人はRRか、このLX。
鉄壁の布陣です。
お値段は、2WD・CAT(DX) 税込み3,706,500円から。
なお、エートゥさんのHPでは、渡邉常務がブログを連載中。
同社の日々の活動状況がよく伝わってきます。
関連記事 「新車レポート6 アミティRR」
今日はこの6月にデビューしたAtoZさんの 「アミティLX」 をご紹介します。
アミティシリーズ。
ものすごい人気です。
このブログでも、「アミティ」というワード検索は、1日1件は必ず入ります。
さっき調べてみたら、6月に入って、この10日間ですでに41件。
以前「アミティRR」の記事を書いたときは、その直後、1週間で100件近くの検索があったように思います。
先日行われた 「さいたまキャンピングカー商談会」 会場でも、AtoZさんのアミティコーナーには、かなりの人だかり。
ヤングファミリーからシニア層まで、広い範囲の見学者を集めているところが印象的でした。
この人気の秘密は、ひとつはコストパフォーマンスの良さにあるようです。
このアミティのように、FRPシェルを架装したキャブコンは、断熱性、居住性などにおいて、一般的にバンコンより有利といわれていますが、アミティはそのバンコンよりも価格が安い!
ハイエースのスーパーロングあたりをベースにしたバンコンの平均的な価格を400万円とすれば、アミティは、全グレードの平均価格が約380万円。ロープライスモデルは349万円に抑えられています。
バンコンでも、充実した装備のものは500万円近くなりますから、アミティにはずっとお買い得感が出てきます。
動力性能では、ハイエース主体のバンコン勢より多少落ちますが、その代わり、断熱ボディ、ガラス2重窓、ゆったりダイネット、広いバンクベッドなどキャブコンならではの魅力は十分。
バンクベッドやリヤベッドがあれば、家族の人数によっては、寝るときにいちいちベッドメイクする必要がないというのも、普通のバンコンではなかなか得られないメリットのひとつですね。
アミティ人気のもうひとつの秘密は、取り回しの良さ。
「キャブコンはデカい!」という先入観を、このクルマは払拭しています。
全長4600㎜。
「ホンダのステップワゴン (4630㎜) より短い」 というのが売りなんですが、ターニングサークルも4.3mと軽自動車に近く、1950㎜という幅も、ランクル100 (1940㎜) とほとんど変りありません。
また、AtoZさんがアレン、アンソニーなどで、ボンゴを扱い慣れているということも、商品のクオリティ維持に貢献しているかもしれません。
特に、アレンにおいて、マツダのサポートを受けて、キャンパー専用の足回りを開発したことが、このアミティにも生きています。
アレンなどで、すでにボンゴの架装に関する重量配分などのデータも取ったことでしょうから、走りと重量のバランスについても、メーカーがよく分かっている部分があります。
そんなところも、商品の安定性の維持につながっているかもしれません。
また、商品構成そのものも、いいところを突いています。
ヤングファミリーのニーズを的確につかんだリヤ2段ベッド仕様で、まず最大公約数的な市場にがっちり食い込み、次に、シニアの 「2人旅」に特化したRRで、マーケットの幅を広げました。
そのRRも、真後ろにドアを設けるバックエントランスドアを採用することで話題性を獲得。アミティというクルマの存在感を強くアピールすることになりました。
では、今回登場した 「アミティLX」 とはどんなクルマなのか。
勘のいい人は、アラモLXをすぐ思い出したのでは?
そう! 対面ダイネットとサイドシート。リヤにL型キッチンとトイレ・シャワールームがあるというレイアウトですね。
それをアミティのボディサイズで実現したのが、この 「アミティLX」。
…と言いたいところですが、なにせ4.6mボディですから、L型キッチンまで組み込むわけにはいきません。
というわけで、キッチンはストレートなカウンターキッチン。
ただ、シンクそのもののサイズはむしろ大きくなって、実用度は増しています。
配膳スペースも広いので、買い物から帰ってきたときに、ちょっとした荷物を置いたり、食材などを整理するときに実に便利。
リヤにはトイレ室、ワードローブ、収納庫と、多様な使い方を発揮するマルチルーム。
バンクベッドは1800×1420㎜。
フロアベッドは1830×1230㎜。
リヤ2段ベッドの設定はなくても、バンクベッドとフロアベッドで、計大人4名の就寝定員が取れています。
これでアミティシリーズは、合計3車。
ファミリー向けのアミティ。
シニアカップル向けのアミティRR。
そして、このアミティLX。
うまいセグメントになりました。
LXは、アミティとRRの中間的存在として、シニアカップルにもよし。ファミリーでもOK。
要は、リヤ2段ベッドが欲しい人はアミティ。
2段ベッドの代わりに、トイレルーム・マルチルームが欲しい人はRRか、このLX。
鉄壁の布陣です。
お値段は、2WD・CAT(DX) 税込み3,706,500円から。
なお、エートゥさんのHPでは、渡邉常務がブログを連載中。
同社の日々の活動状況がよく伝わってきます。
関連記事 「新車レポート6 アミティRR」
2007年06月11日
新車レポート25
《TANDEM タンデム》
あいかわらず、バンコンのベース車として、ハイエースはすごい人気です。
しかし、スーパーロングは少し大きすぎるのではないか?
最近はそんな声もチラホラ聞こえてきます。
全長5380㎜。
全幅1880㎜。
確かに、このサイズだと、駐車スペースが狭い場合は、入れるのに多少神経をつかうでしょうし、運転に慣れない奥さんが、旦那さんと運転を交代したときには、ちょっと持て余し気味。
このサイズのキャンピングカーを買うなら、いっそのこと居住性と断熱性に優れるキャブコンでも。
…と思うけれど、「走り」 を求めるなら、やっぱりノーマルハイエースの動力性能と走行安定性が欲しい。
そう考える人も多いでしょうねぇ。
迷うところです。
セキソーボディさんがこのたび開発した 「タンデム」。
にくい企画です!
ハイエースのスーパーロングと同じ長さ。
幅もノーマルのスーパーロングより、10㎝広いだけの1980㎜。
それでいて、これがキャブコンなんですね。

数々のボディカットキャブコンを世に送り出してきたセキソーさんならではの好企画です。
このクルマの狙いは何か?
ずばり、開発者の中山社長に聞いてみました。
「これはバンコンなんですよ。サイズはほぼノーマルのスーパーロング。ただ、機能はキャブコン。キャブコンならではの断熱性、居住性、そして大容量の収納庫を備えた“バンコン”と考えていただければ…」
中山社長は、ハイエースベースのバンコンも手がけているうちに、スーパーロングを買ってしまった人の多くは、日常の足として使うセカンドカーを必要としていることに気づいたとか。
「どうせセカンドカーが必要になるなら、最初から本格的なキャブコンを買えばよかった」
そう語るお客さんをずいぶん見てきたそうです。
「だったら、スーパーロングと同じサイズで、キャブコンを造ってしまおう」
それが、タンデムのモチーフなんですね。
バンクはありません。
中山さんは、その理由を次のように語ります。
「スーパーロングのバンコンを求める人は、やはりノーマルハイエースの走りに期待しているのだろう。
バンクが付いてしまえば、空気抵抗も受けることになる。重心が高くなるので、安定性も悪くなる。だったら、ひたすらノーマルの状態に近く…」
そんなわけで、キャブ段差の幅もぎりぎりまで削られています。
プログレスと同じ原理ですね。
レイアウトは、ずばり 「2人のクルマ旅」。
壁を背にして対面するというダイネットスタイルです。

走行中は前向きに座れるシートを好む人も多いのですが、そこはホラ、夫婦2人で使うなら、運転中は助手席、運転席に座って移動するわけで、それなら、止まったときの快適性を優先する横座りシートの方が理想的なわけですね。
バンクベッドのないタンデムの大きな武器は、リヤの固定ダブルベッド。
バンクに登るよりずっと楽。
こういうところに、設計の自由度の高いキャブコンのメリットが生かされています。

もちろん、ベッド下は大型収納。収納庫というより、「部屋」 ですね、これは。
電子レンジスペースも効率よくまとめられ、キッチンまわりも、シンプルながら使いやすい設計になっています。
デザイン的に見ても、けっこうカッコいいクルマです。
全体のフォルムもまとまっていますが、細部を見ても破綻がありません。
ちょっとした秘密があるようです。
スカート部分などは、わざわざノーマルのプレスラインから型をとって、オリジナルの形を生かしたのだとか。
「このハイエースを開発したトヨタさんは、グリルまわりやスカートのプレスラインだけでも、巨額の開発費を投入してデザインしているわけでしょ? それがトータルに見たときに、すっきりした形を保つ秘訣になっているわけです。
いくらボディカットしたキャブコンだとはいえ、専門的にデザインを勉強してきたわけではない私らが、そのへんを安直に変えたところで、きれいな形が出せるわけがない」
と、中山社長は、謙虚に語ります。
自分勝手に形をつくるよりも、オリジナルの形を保つ方が、数倍面倒なのだとか。
ボディカットモデルに自信を持っているビルダーだからこそ、いえる言葉かもしれません。
お値段は、2WDで、5,700,00円。
4WDで、5,980,000円となっています。
あいかわらず、バンコンのベース車として、ハイエースはすごい人気です。
しかし、スーパーロングは少し大きすぎるのではないか?
最近はそんな声もチラホラ聞こえてきます。
全長5380㎜。
全幅1880㎜。
確かに、このサイズだと、駐車スペースが狭い場合は、入れるのに多少神経をつかうでしょうし、運転に慣れない奥さんが、旦那さんと運転を交代したときには、ちょっと持て余し気味。
このサイズのキャンピングカーを買うなら、いっそのこと居住性と断熱性に優れるキャブコンでも。
…と思うけれど、「走り」 を求めるなら、やっぱりノーマルハイエースの動力性能と走行安定性が欲しい。
そう考える人も多いでしょうねぇ。
迷うところです。
セキソーボディさんがこのたび開発した 「タンデム」。
にくい企画です!
ハイエースのスーパーロングと同じ長さ。
幅もノーマルのスーパーロングより、10㎝広いだけの1980㎜。
それでいて、これがキャブコンなんですね。
数々のボディカットキャブコンを世に送り出してきたセキソーさんならではの好企画です。
このクルマの狙いは何か?
ずばり、開発者の中山社長に聞いてみました。
「これはバンコンなんですよ。サイズはほぼノーマルのスーパーロング。ただ、機能はキャブコン。キャブコンならではの断熱性、居住性、そして大容量の収納庫を備えた“バンコン”と考えていただければ…」
中山社長は、ハイエースベースのバンコンも手がけているうちに、スーパーロングを買ってしまった人の多くは、日常の足として使うセカンドカーを必要としていることに気づいたとか。
「どうせセカンドカーが必要になるなら、最初から本格的なキャブコンを買えばよかった」
そう語るお客さんをずいぶん見てきたそうです。
「だったら、スーパーロングと同じサイズで、キャブコンを造ってしまおう」
それが、タンデムのモチーフなんですね。
バンクはありません。
中山さんは、その理由を次のように語ります。
「スーパーロングのバンコンを求める人は、やはりノーマルハイエースの走りに期待しているのだろう。
バンクが付いてしまえば、空気抵抗も受けることになる。重心が高くなるので、安定性も悪くなる。だったら、ひたすらノーマルの状態に近く…」
そんなわけで、キャブ段差の幅もぎりぎりまで削られています。
プログレスと同じ原理ですね。
レイアウトは、ずばり 「2人のクルマ旅」。
壁を背にして対面するというダイネットスタイルです。
走行中は前向きに座れるシートを好む人も多いのですが、そこはホラ、夫婦2人で使うなら、運転中は助手席、運転席に座って移動するわけで、それなら、止まったときの快適性を優先する横座りシートの方が理想的なわけですね。
バンクベッドのないタンデムの大きな武器は、リヤの固定ダブルベッド。
バンクに登るよりずっと楽。
こういうところに、設計の自由度の高いキャブコンのメリットが生かされています。
もちろん、ベッド下は大型収納。収納庫というより、「部屋」 ですね、これは。
電子レンジスペースも効率よくまとめられ、キッチンまわりも、シンプルながら使いやすい設計になっています。
デザイン的に見ても、けっこうカッコいいクルマです。
全体のフォルムもまとまっていますが、細部を見ても破綻がありません。
ちょっとした秘密があるようです。
スカート部分などは、わざわざノーマルのプレスラインから型をとって、オリジナルの形を生かしたのだとか。
「このハイエースを開発したトヨタさんは、グリルまわりやスカートのプレスラインだけでも、巨額の開発費を投入してデザインしているわけでしょ? それがトータルに見たときに、すっきりした形を保つ秘訣になっているわけです。
いくらボディカットしたキャブコンだとはいえ、専門的にデザインを勉強してきたわけではない私らが、そのへんを安直に変えたところで、きれいな形が出せるわけがない」
と、中山社長は、謙虚に語ります。
自分勝手に形をつくるよりも、オリジナルの形を保つ方が、数倍面倒なのだとか。
ボディカットモデルに自信を持っているビルダーだからこそ、いえる言葉かもしれません。
お値段は、2WDで、5,700,00円。
4WDで、5,980,000円となっています。
2007年06月10日
新車レポート24
《K-ai(ケーアイ)》
「町田の独り言」 特別取材班が、埼玉県の戸田ボート場で開かれている 「さいたまキャンピングカー商談会」 へ突撃取材を試みました。
私が総指揮を採り、カメラ班、インタビュー班を編成 (…まぁ、全部1人なんですけどね)。
できたてで、湯気の立っている新車をレポートいたします。
この 「さいたまキャンピングカー商談会」。
埼玉県のローカルショーと侮るなかれ。
なにしろ、国内でも有数な国産ビルダーが集中する埼玉県における人気ショー。
来場者も多く、展示内容も充実していることで有名なビッグイベントです。
今回も、セキソーボディさんの 「タンデム」
AtoZさんの 「アミティLX」、「あずさ」
AZ-MAXさんの 「Kーai」 など、話題性あふれる新車が目白押し。
実に内容の濃いショーとなりました。
今日は、まず、AZ-MAX (オートショップアズマ) さんの 「K-ai (ケーアイ)」をご紹介いたしましょう。
軽キャンカーのファンには待望のクルマです。
なにしろ、今や「軽の名車」という称号すら授けられそうなラ・クーンに続く、キャブコン型の軽キャンカーです。
しかも、エレベーティングルーフ。
フィールドライフさんの「トライキャンパーⅡ」に続くエレベーティングルーフの第2弾ということになりますね。
もっとも、ケーアイは「エレベータールーフ」と名乗っています。
同じなんですけどね。
このルーフを採用したため、ケーアイは軽自動車の規格内に収まり、税制上も、軽自動車税の適用を受けられることになりました。
もちろん、買い物、通勤などの日常的な使い勝手もUP。特に、立体駐車場などへの出入りがグッと楽に。
ところで、なんでポップアップルーフではなく、わざわざ手間のかかるエレベーティングルーフを採用することになったのでしょう。
開発スタッフの説明によると、やはり、このサイズになると、ポップアップルーフよりも、スペース効率がよくなるのだそうです。前後とも均等に天井高が稼げますから、室内における居住性もバランスよく保たれます。

その代わり、開発には相当神経をつかったようです。
なにしろ、機構的には複雑になりますから、強度の確保やダンパーの調整などにもいろいろ試行錯誤があったとか。
当初の予定より開発日数がかかってしまったのも、そんなところに理由があるようです。
資料によると、エレベーティングルーフ部のベッド面積は1900×1000.
一応、大人2人が寝られるスペースが確保されています。
室内高は、1700。なかなかのものです。

レイアウトは、4名でテーブルが囲める対面ダイネットが採用されました。
さすが、ラ・クーンの姉妹車! 「軽キャンカー」という軽いノリの言葉からは想像できないリッチ感が漂っています。
運転席・助手席シートも、共生地です。
キッチンカウンターもいい雰囲気。
カウンター下には、各10リッターの給排水タンク。
もちろん、サブバッテリー、走行充電システムもばっちり完備。

フロアベッドの大きさは、1850×1050.
ルーフベッドと合わせて、とりあえず大人4名が寝られるスペースは確保されていますが、就寝定員のカウントは2+2。
実際に、このサイズでは大人4名が車内で寝るのは少しきついでしょうね。
基本は、「夫婦の2人旅」ないしはプラス小さな子供2人というクルマです。
そうそう。オプションですが、電動ステップ付きでした。
やったね!
窓はペアガラス。シェルおよび床には20㎜の断熱材が。
やはり、キャブコン型の強みが、そんなところにも発揮されています。
お値段は、2WDの5速ミッション車で、2,320,500円(税込み)
4WD・AT車で、2,646,000円(税込み)とのことでした。
近日中にカーゴモデルも出るそうです。
「町田の独り言」 特別取材班が、埼玉県の戸田ボート場で開かれている 「さいたまキャンピングカー商談会」 へ突撃取材を試みました。
私が総指揮を採り、カメラ班、インタビュー班を編成 (…まぁ、全部1人なんですけどね)。
できたてで、湯気の立っている新車をレポートいたします。
この 「さいたまキャンピングカー商談会」。
埼玉県のローカルショーと侮るなかれ。
なにしろ、国内でも有数な国産ビルダーが集中する埼玉県における人気ショー。
来場者も多く、展示内容も充実していることで有名なビッグイベントです。
今回も、セキソーボディさんの 「タンデム」
AtoZさんの 「アミティLX」、「あずさ」
AZ-MAXさんの 「Kーai」 など、話題性あふれる新車が目白押し。
実に内容の濃いショーとなりました。
今日は、まず、AZ-MAX (オートショップアズマ) さんの 「K-ai (ケーアイ)」をご紹介いたしましょう。
軽キャンカーのファンには待望のクルマです。
なにしろ、今や「軽の名車」という称号すら授けられそうなラ・クーンに続く、キャブコン型の軽キャンカーです。
しかも、エレベーティングルーフ。
フィールドライフさんの「トライキャンパーⅡ」に続くエレベーティングルーフの第2弾ということになりますね。
もっとも、ケーアイは「エレベータールーフ」と名乗っています。
同じなんですけどね。
このルーフを採用したため、ケーアイは軽自動車の規格内に収まり、税制上も、軽自動車税の適用を受けられることになりました。
もちろん、買い物、通勤などの日常的な使い勝手もUP。特に、立体駐車場などへの出入りがグッと楽に。
ところで、なんでポップアップルーフではなく、わざわざ手間のかかるエレベーティングルーフを採用することになったのでしょう。
開発スタッフの説明によると、やはり、このサイズになると、ポップアップルーフよりも、スペース効率がよくなるのだそうです。前後とも均等に天井高が稼げますから、室内における居住性もバランスよく保たれます。
その代わり、開発には相当神経をつかったようです。
なにしろ、機構的には複雑になりますから、強度の確保やダンパーの調整などにもいろいろ試行錯誤があったとか。
当初の予定より開発日数がかかってしまったのも、そんなところに理由があるようです。
資料によると、エレベーティングルーフ部のベッド面積は1900×1000.
一応、大人2人が寝られるスペースが確保されています。
室内高は、1700。なかなかのものです。
レイアウトは、4名でテーブルが囲める対面ダイネットが採用されました。
さすが、ラ・クーンの姉妹車! 「軽キャンカー」という軽いノリの言葉からは想像できないリッチ感が漂っています。
運転席・助手席シートも、共生地です。
キッチンカウンターもいい雰囲気。
カウンター下には、各10リッターの給排水タンク。
もちろん、サブバッテリー、走行充電システムもばっちり完備。
フロアベッドの大きさは、1850×1050.
ルーフベッドと合わせて、とりあえず大人4名が寝られるスペースは確保されていますが、就寝定員のカウントは2+2。
実際に、このサイズでは大人4名が車内で寝るのは少しきついでしょうね。
基本は、「夫婦の2人旅」ないしはプラス小さな子供2人というクルマです。
そうそう。オプションですが、電動ステップ付きでした。
やったね!
窓はペアガラス。シェルおよび床には20㎜の断熱材が。
やはり、キャブコン型の強みが、そんなところにも発揮されています。
お値段は、2WDの5速ミッション車で、2,320,500円(税込み)
4WD・AT車で、2,646,000円(税込み)とのことでした。
近日中にカーゴモデルも出るそうです。
2007年05月26日
最初のキャンカー
今、日本のキャンピングカーの歴史を調べるため、資料集めをしている。
いろいろ協力してくださる人が出てきて、古い雑誌や新聞の切り抜きなどをコピーして送ってくれる。
昨日届いた資料で、国産キャンピングカーの1号車というクルマを知ることができた。
それは、なんとオート3輪であった。
造られた時代は、1958年(昭和33年)。
洋画家の桐野江節雄(きりのえ・さだお)さんという方が、広い世界に絵の題材を求めるため、オート3輪をキャンピングカーに改造し、そのクルマでアメリカ、メキシコ、ヨーロッパを回ったという。
昭和33年という年がどんな年であったか。
東京タワーが完成した年で、月光仮面が登場し、ジャイアンツの長嶋選手が新人王を獲得した年。
それこそ映画「ALWAYS 3丁目の夕日」の年である。
国産車はまだ黎明期。
スバル360がこの年に登場し、大いに話題になったが、町を走る国産車といえば、みなオート3輪。
そのオート3輪をベース車として、国産キャンピングカーは産声をあげた。
資料には、「マツダのオート3輪」としか書かれていない。
しかし、この時代のマツダの3輪車ということからして、多分、ベースとなったのは、T2000というクルマだろうと思われる。

中がどのように改造されていたか分からない。
当然、ベッドや、着替えや画材を入れる収納庫などは完備していたのだろうが、水周りなどはどうしていたのだろうか。
それにしても、安定性の悪いオート3輪で、よくアメリカ、メキシコ、ヨーロッパを回りきったと思う。
走行距離は97,290㎞。4年4ヶ月を費やした旅だったという。
当時、桐野江氏は33歳だったというから、若さが支えた旅だったのだろう。
「チャーリーとの旅」を著したジョン・スタインベックのキャンピングカー旅行も印象深いが、あちらはアメリカ国内。スケールの雄大さからいうと、桐野江氏の方が上かもしれない。
このオート3輪キャンピングカーの名前は「エスカルゴ号」。
キャンピングカーのことを、よくカタツムリにたとえることが多いが、まさに「住居」を背負った旅という思いが強かったのだろう。
このときの旅行記をまとめた「世界は俺の庭だ」という著作もあるようだ。
これをどこかで手に入れたいと思っている。
メンテはどうしていたのか。故障などしたときパーツ補給はどうしたのか。
気になるところである。
日本のキャンピングカーの黎明期の話は、意外と知られていない。
一説によると、1955年(昭和30年)には、歌手の田端義夫氏が、地方巡業のために、大型バスを改造して、キッチン、トイレ、寝室、応接間まで造り込んだクルマを使っていたという話もある。
ただし、こちらは未確認情報。
国産キャンピングカーの歴史がどこから始まるのか。
どなたか、ご存知の方は教えていただけると助かる。
いろいろ協力してくださる人が出てきて、古い雑誌や新聞の切り抜きなどをコピーして送ってくれる。
昨日届いた資料で、国産キャンピングカーの1号車というクルマを知ることができた。
それは、なんとオート3輪であった。
造られた時代は、1958年(昭和33年)。
洋画家の桐野江節雄(きりのえ・さだお)さんという方が、広い世界に絵の題材を求めるため、オート3輪をキャンピングカーに改造し、そのクルマでアメリカ、メキシコ、ヨーロッパを回ったという。
昭和33年という年がどんな年であったか。
東京タワーが完成した年で、月光仮面が登場し、ジャイアンツの長嶋選手が新人王を獲得した年。
それこそ映画「ALWAYS 3丁目の夕日」の年である。
国産車はまだ黎明期。
スバル360がこの年に登場し、大いに話題になったが、町を走る国産車といえば、みなオート3輪。
そのオート3輪をベース車として、国産キャンピングカーは産声をあげた。
資料には、「マツダのオート3輪」としか書かれていない。
しかし、この時代のマツダの3輪車ということからして、多分、ベースとなったのは、T2000というクルマだろうと思われる。
中がどのように改造されていたか分からない。
当然、ベッドや、着替えや画材を入れる収納庫などは完備していたのだろうが、水周りなどはどうしていたのだろうか。
それにしても、安定性の悪いオート3輪で、よくアメリカ、メキシコ、ヨーロッパを回りきったと思う。
走行距離は97,290㎞。4年4ヶ月を費やした旅だったという。
当時、桐野江氏は33歳だったというから、若さが支えた旅だったのだろう。
「チャーリーとの旅」を著したジョン・スタインベックのキャンピングカー旅行も印象深いが、あちらはアメリカ国内。スケールの雄大さからいうと、桐野江氏の方が上かもしれない。
このオート3輪キャンピングカーの名前は「エスカルゴ号」。
キャンピングカーのことを、よくカタツムリにたとえることが多いが、まさに「住居」を背負った旅という思いが強かったのだろう。
このときの旅行記をまとめた「世界は俺の庭だ」という著作もあるようだ。
これをどこかで手に入れたいと思っている。
メンテはどうしていたのか。故障などしたときパーツ補給はどうしたのか。
気になるところである。
日本のキャンピングカーの黎明期の話は、意外と知られていない。
一説によると、1955年(昭和30年)には、歌手の田端義夫氏が、地方巡業のために、大型バスを改造して、キッチン、トイレ、寝室、応接間まで造り込んだクルマを使っていたという話もある。
ただし、こちらは未確認情報。
国産キャンピングカーの歴史がどこから始まるのか。
どなたか、ご存知の方は教えていただけると助かる。
2007年05月23日
最古キャンカー誌
「キャンピングカーに焦点を当てた古い専門誌を持っている」
という連絡をさる方からもらって、それを拝見に行った。
昭和47年(1972年)頃に創刊された雑誌で、誌名が『オートキャンプ』(交文社)。
話は聞いたことがあったが、実物を見るのは初めてだった。
文字は横組み。本文はすべてモノクロだが、巻頭グラビアには、「アメリカのキャンピングカー事情」などというレポート記事のカラーグラビアもあり、立派なキャンピングカー専門誌の体裁をとっていた。
日本のキャンピングカーはトレーラーから普及したらしく、トレーラーの掲載記事がたくさん載っている。
フランスベッド製作によるキャラベルエアD410のロードテストなどという特集も組まれていた。
キャラベルエアは、キャンピングカーガイドを最初に手がけた頃には、まだ現役で製作されていたトレーラーだったので、懐かしい思いでページをめくった。
ほぉ、と感心するのは、この時代、試験場のテストコースにトレーラーを持ち込んで、制動テスト、旋回テスト、スロラームテストなどを行い、緻密なデータアップをしていること。
創業期のキャンピングカーメーカーの自信と、メディアのやる気が伝わってくるような誌面づくりだ。
「慣性ブレーキの作動原理」を詳述した、マニアックなページもある。
ブレーキ機構の詳細な断面図などを11点も掲載し、技術解説書の趣きがある。
最大傾斜角のことを取りあげた記事では、誌面全体が計算式で埋まり、物理学の教科書を眺めている気分になった。
読者対象が、今のような既製品を買う人々ではなく、ハンドメイドで作ろうとしていた人たちだったせいか、概して技術書的なニュアンスが強い。
逆に、それだからこそか、「良いキャンピングカーとは何か」というテーマを強く意識した、熱気のようなものが伝わってくる。
この雑誌が登場した1972年は、連合赤軍の浅間山荘事件などがあった年。
グアム島で、横井さんが救出され、田中角栄の「日本列島改造論」構想が持ち上がって、地価が暴騰し始めるなど、激動の年であった。
20世紀最大の音楽世界のヒーローであったビートルズの正式解散が発表になり、日本の音楽シーンでは、吉田拓郎の「結婚しようよ」が大ヒット。
時代が大きく変わろうとしていた気配が、至るところに蔓延していた。
そんな時代に、日本のオートキャンプが大きな潮流となる予兆を示し、キャンピングカーという存在が、人々の注目を集めようとしていたわけだ。
その動向をいち早く見抜き、キャンピングカーの最新情報を読者に提供しようとしていた交文社の「オートキャンプ」の編集スタッフには頭が下がる思い。
いい雑誌を見せてもらった。
という連絡をさる方からもらって、それを拝見に行った。
昭和47年(1972年)頃に創刊された雑誌で、誌名が『オートキャンプ』(交文社)。
話は聞いたことがあったが、実物を見るのは初めてだった。
文字は横組み。本文はすべてモノクロだが、巻頭グラビアには、「アメリカのキャンピングカー事情」などというレポート記事のカラーグラビアもあり、立派なキャンピングカー専門誌の体裁をとっていた。
日本のキャンピングカーはトレーラーから普及したらしく、トレーラーの掲載記事がたくさん載っている。
フランスベッド製作によるキャラベルエアD410のロードテストなどという特集も組まれていた。
キャラベルエアは、キャンピングカーガイドを最初に手がけた頃には、まだ現役で製作されていたトレーラーだったので、懐かしい思いでページをめくった。
ほぉ、と感心するのは、この時代、試験場のテストコースにトレーラーを持ち込んで、制動テスト、旋回テスト、スロラームテストなどを行い、緻密なデータアップをしていること。
創業期のキャンピングカーメーカーの自信と、メディアのやる気が伝わってくるような誌面づくりだ。
「慣性ブレーキの作動原理」を詳述した、マニアックなページもある。
ブレーキ機構の詳細な断面図などを11点も掲載し、技術解説書の趣きがある。
最大傾斜角のことを取りあげた記事では、誌面全体が計算式で埋まり、物理学の教科書を眺めている気分になった。
読者対象が、今のような既製品を買う人々ではなく、ハンドメイドで作ろうとしていた人たちだったせいか、概して技術書的なニュアンスが強い。
逆に、それだからこそか、「良いキャンピングカーとは何か」というテーマを強く意識した、熱気のようなものが伝わってくる。
この雑誌が登場した1972年は、連合赤軍の浅間山荘事件などがあった年。
グアム島で、横井さんが救出され、田中角栄の「日本列島改造論」構想が持ち上がって、地価が暴騰し始めるなど、激動の年であった。
20世紀最大の音楽世界のヒーローであったビートルズの正式解散が発表になり、日本の音楽シーンでは、吉田拓郎の「結婚しようよ」が大ヒット。
時代が大きく変わろうとしていた気配が、至るところに蔓延していた。
そんな時代に、日本のオートキャンプが大きな潮流となる予兆を示し、キャンピングカーという存在が、人々の注目を集めようとしていたわけだ。
その動向をいち早く見抜き、キャンピングカーの最新情報を読者に提供しようとしていた交文社の「オートキャンプ」の編集スタッフには頭が下がる思い。
いい雑誌を見せてもらった。
2007年05月22日
キャンカーで北米
アメリカ人の旅行スタイルの中に、しっかり定着しているモーターホーム。
しかし、それがどのような面白さを実現しているのか。
日本にいる限り、なかなかその実態が伝わらない。
レンタルモーターホームを使った北米旅行をコーディネートする「トラベルデポ・インコーポレーテッド」という会社が昨年発足した。
アメリカでモーターホームを運転するのは、どんな気分なのか。
どのような場所に泊まるのか。
費用はいくらぐらいかかるのか。
トラベルデポを主宰する小林康之代表にインタビューしてみた。

▲小林康之さん
《モーターホーム初心者でも安心》
【町田】 レンタカーを借りて、アメリカを回る日本人観光客は増えてきましたが、まだモーターホームまで借りて旅をする人は少ないように思います。
手続きが面倒なのでしょうか?
【小林】 借りるシステムは、普通のレンタカーと変わらないのですが、モーターホームの使い方に対する知識や、泊まる場所の情報がないと、最初は戸惑うことが多いかもしれませんね。
【町田】 北米モーターホームというと、日本では大型車というイメージがありますね。
しかも、慣れない左ハンドルで、知らない道を走るのが怖いというイメージを持つ人もいるでしょうね。
【小林】 そうですね。ただアメリカは土地が広いので、日本では大型車に見えても、向こうに行けばそれが普通サイズ。
すぐに抵抗なく運転できるようになります。
左ハンドル、右側通行が初めての人でも、皆さん1日走ればすぐ慣れるとおっしゃいますね。

▲レンタルモーターホーム ▲左ハンドル
【町田】 モーターホームの知識のない人が、初めて挑戦しても、うまく旅を続けられますか?
【小林】 ええ。装備類の使い方などに関しては、ご出発前にお渡しする「モーターホームの使い方マニュアル」や、「モーターホームの旅」を紹介したDVDなどで、詳細にご説明しております。
お客様は、それでだいたいモーターホームというものの概念をつかんでくださいますね。
また、現地では日本語でサポートするスタッフを手配し、滞在中にトラブルなどが発生したときには、24時間迅速に対応できるシステムを組んでいますので、どんな事態が発生しても、まず問題ないかと思います。

▲使い方マニュアル ▲レンタルモーターホーム貸し出し場
【町田】 借りるクルマの大きさは、どのくらいですか?
【小林】 25フィート、30フィート、32フィートぐらいのサイズが用意されています。
32フィートだと12mぐらいの長さになりますが、不思議なことに、アメリカにいると、日本で見るような“大きいなぁ!”という印象はないですね。
25フィートと30フィートはクラスC、32フィートはクラスAになります。
【町田】 小林さんは、クラスAとクラスCでは、どちらがお好みですか?
【小林】 まぁ、ボンネットが前に出ているクラスCの方が、日本人には最初から違和感なく運転できるような気もしますけれど…

▲クラスC(左)とクラスA ▲モーターホーム室内
《1日200ドルで楽しめる旅》
【町田】 レンタルモーターホームを借りて観光するのは、どのくらいの費用で収まるのか。そのへんを少し…
【小林】 借りる場所や季節によって多少違いますが、昼は観光して、夜はRVパークなどに泊まって…という一般的な旅行スタイルの場合、1日平均200ドル。120円換算で、2万4,000円というところでしょうか。
この料金には、モーターホームの旅に必要なナイフ、フォーク、お皿、鍋、毛布、布団といった生活用具。さらに、対人・対物・車両を含んだ任意保険も含まれています。
それに関しては、日本から来られたお客さんが、現地で追加料金を払う必要がないようになっています。

▲生活用具キット
【小林】 レンタルモーターホームの旅というのは、トップシーズンの一番高いときでも、1日300ドルぐらいあれば十分楽しめますから、他の旅行形態に比べると、コスト的にもすごく有利なんですね。
ガイド付きの観光バスを手配すると、1日15~20万円もかかります。
それに比べると、レンタルモーターホームは、自分で運転しなければならないという面倒さはありますが、相当リーズナブルな料金の旅が可能です。
【町田】 観光のモデルコースとなっているのは、どんなコースですか?
【小林】 日本から行きやすい西海岸を起点として考えると、たとえばロサンゼルスからサンディエゴ。そしてアリゾナ。
あるいはグランドキャニオンを見て、ラスベガスに入って、そこからヨセミテ。
カナダまで行って、釣りを楽しみたいという人もいらっしゃいましたし、1ヶ月半ぐらいかけて、東海岸まで行きたいという方もいらっしゃいますね。

▲モニュメントバレーでのキャンプ(左右とも)
【町田】 なつかしの「ルート66」をたどる旅をしたい人とか?
【小林】 いらっしゃいますね。古き良き時代のアメリカを偲ばれる中高年の方とか。
映画「イージーライダー」が忘れられなくて、グループでハーレーで旅行するのだけれど、その伴走車として、走るのに疲れたときに寝泊りできるモーターホームを借りたいという方々もいらっしゃいました。
後ろにバイクを積めるようなクルマもありますから。
【町田】 泊まる場所はどんなところなんですか?
【小林】 アメリカでは、モーターホームユーザーの宿泊地として、RVパークというものが普及しているんですね。
日本でいうキャンプ場のようなものなんですが、都市近郊の幹線道路沿いにあったり、国立公園のような観光地にあったりと、キャンピングカーの旅に非常にかなった場所に設置されています。

▲RVパークフロント ▲RVパーク場内
《個性豊かな顔を持つRVパーク》
【町田】 RVパークというのは、すぐに見つけられますか?
【小林】 ホームページ上では、全米で3,000ヵ所あるといわれていますが、ネットに上がらないものを含めると、1万ヵ所以上あるでしょうね。
少し道路脇を注意して走っていれば、案外すぐに見つかります。
そういうところに泊まれば、そこでAC電源をモーターホームに接続したり、上下水道を接続したりして、クルマを家と同じように使うことができるようになります。

▲電気と水道の接続 ▲下水の接続
【小林】 日本のキャンプ場と違うのは、利用者の滞在時間が長いということですね。
1ヵ月以上泊まっている人などはざらで、みな自分のサイトの周りに、花などを植えたりして、“My Home”のように使っています。
だから、利用者同士の交流も盛んで、RVパーク自体がユーザーたちのコミュニティ空間になっているんですね。
【町田】 なるほど。『アバウト・シュミット』 や 『RV』 などの映画に出てくる雰囲気なんですね。
【小林】 そうですね。場所によっては、専用のプールやジャグジーがあって、リゾート地のような景観を整えているところもありますし、殺風景な砂漠のど真ん中にあるものもあります。
それぞれ個性があって、そこがモーターホームの旅の面白さになってますね。
【町田】 でも、慣れないと、そういうRVパークにたどり着くだけでも、大変そうですね。
【小林】 ええ。だから、私たちの業務では、お客様が空港から降りられたら、まず現地の日本人スタッフがレンタルモーターホームのオフィスまでご案内し、第一日目だけは、近くのRVパークに、こちらから予約を入れるようにしています。
最初の1日だけ完璧なセッティングをしておけば、たいていの方は、2日目から落ち着いた気分で、自分なりの旅行プランを練られるようになりますね。
【町田】 ところで、モーターホームの旅をしているとき、犯罪などに巻き込まれたりすることはありませんか?
【小林】 今のところ、そのような情報はまったく聞いていませんね。
だいたい、犯罪者にとっても、わざわざ郊外まで繰り出して、エモノを探すというのは非効率的だし、移動コストもかかるんです(笑)。
治安が悪いのは、どこでもダウンタウンの周辺で、町のそばにクルマを止めて寝ていることは、やはりお勧めできません。
町の近郊に泊まるときは、24時間開いているスーパーの駐車場の入り口近くなどに止めるようにご案内しています。
基本的にはRVパークに泊まり、ときにはモーテルを利用することが安全と安心の確保につながります。
《冒険旅行の気分を満喫》
【町田】 慣れない土地で、慣れない旅行形態を経験するというのは、ある意味でシンドイことかもしれませんが、逆にいえば、それこそ旅の醍醐味なんでしょうね。
「自然の中を旅する」といっても、日本の自然とは比べものにならないくらいスケールが大きいわけで…。

【小林】 そうですね。旅というのは、ある種の冒険の要素があってこそ、後になってから思い出深いものになるんでしょうね。
北米レンタルモーターホームの旅というのは、目的地の設定から、そこへ移動するまで、すべて自分の責任のもとに行われるわけですね。
時にはシビアな場面に直面することもあるかもしれませんが、しかし、お膳立ての整ったパックツァーで旅行するのとは比べものにならないくらい、豊かな思い出をもたらせてくれます。
【町田】 確かに、キャンピングカーによる国内旅行でも、難題にみまわれながら、それをクリアしたときの達成感がすがすがしい思い出として残りますよね。
言葉も、交通事情も異なる国で、モーターホームの旅を見事に達成したならば、それはきっと将来の大きな自信につながるでしょうね。
【小林】 若い人にも、シニアの人にも、そういう経験を持ってほしいですね。
北米モーターホームの旅というのは、いわば真っ白なキャンバスに、自分の好きな色を使って絵を描いていくような旅なんですね。
絵を描き終えた瞬間に、いままで見たこともない新しい自分に出会うかもしれない。
そういう意味で、第2の人生をを模索しているようなシニアの方にも、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
小林さんは、現在、個人のブログでもご活躍。
アドレスは下記のとおり。
http://motor-home.blog.hobidas.com/
しかし、それがどのような面白さを実現しているのか。
日本にいる限り、なかなかその実態が伝わらない。
レンタルモーターホームを使った北米旅行をコーディネートする「トラベルデポ・インコーポレーテッド」という会社が昨年発足した。
アメリカでモーターホームを運転するのは、どんな気分なのか。
どのような場所に泊まるのか。
費用はいくらぐらいかかるのか。
トラベルデポを主宰する小林康之代表にインタビューしてみた。
▲小林康之さん
《モーターホーム初心者でも安心》
【町田】 レンタカーを借りて、アメリカを回る日本人観光客は増えてきましたが、まだモーターホームまで借りて旅をする人は少ないように思います。
手続きが面倒なのでしょうか?
【小林】 借りるシステムは、普通のレンタカーと変わらないのですが、モーターホームの使い方に対する知識や、泊まる場所の情報がないと、最初は戸惑うことが多いかもしれませんね。
【町田】 北米モーターホームというと、日本では大型車というイメージがありますね。
しかも、慣れない左ハンドルで、知らない道を走るのが怖いというイメージを持つ人もいるでしょうね。
【小林】 そうですね。ただアメリカは土地が広いので、日本では大型車に見えても、向こうに行けばそれが普通サイズ。
すぐに抵抗なく運転できるようになります。
左ハンドル、右側通行が初めての人でも、皆さん1日走ればすぐ慣れるとおっしゃいますね。
▲レンタルモーターホーム ▲左ハンドル
【町田】 モーターホームの知識のない人が、初めて挑戦しても、うまく旅を続けられますか?
【小林】 ええ。装備類の使い方などに関しては、ご出発前にお渡しする「モーターホームの使い方マニュアル」や、「モーターホームの旅」を紹介したDVDなどで、詳細にご説明しております。
お客様は、それでだいたいモーターホームというものの概念をつかんでくださいますね。
また、現地では日本語でサポートするスタッフを手配し、滞在中にトラブルなどが発生したときには、24時間迅速に対応できるシステムを組んでいますので、どんな事態が発生しても、まず問題ないかと思います。
▲使い方マニュアル ▲レンタルモーターホーム貸し出し場
【町田】 借りるクルマの大きさは、どのくらいですか?
【小林】 25フィート、30フィート、32フィートぐらいのサイズが用意されています。
32フィートだと12mぐらいの長さになりますが、不思議なことに、アメリカにいると、日本で見るような“大きいなぁ!”という印象はないですね。
25フィートと30フィートはクラスC、32フィートはクラスAになります。
【町田】 小林さんは、クラスAとクラスCでは、どちらがお好みですか?
【小林】 まぁ、ボンネットが前に出ているクラスCの方が、日本人には最初から違和感なく運転できるような気もしますけれど…
▲クラスC(左)とクラスA ▲モーターホーム室内
《1日200ドルで楽しめる旅》
【町田】 レンタルモーターホームを借りて観光するのは、どのくらいの費用で収まるのか。そのへんを少し…
【小林】 借りる場所や季節によって多少違いますが、昼は観光して、夜はRVパークなどに泊まって…という一般的な旅行スタイルの場合、1日平均200ドル。120円換算で、2万4,000円というところでしょうか。
この料金には、モーターホームの旅に必要なナイフ、フォーク、お皿、鍋、毛布、布団といった生活用具。さらに、対人・対物・車両を含んだ任意保険も含まれています。
それに関しては、日本から来られたお客さんが、現地で追加料金を払う必要がないようになっています。
▲生活用具キット
【小林】 レンタルモーターホームの旅というのは、トップシーズンの一番高いときでも、1日300ドルぐらいあれば十分楽しめますから、他の旅行形態に比べると、コスト的にもすごく有利なんですね。
ガイド付きの観光バスを手配すると、1日15~20万円もかかります。
それに比べると、レンタルモーターホームは、自分で運転しなければならないという面倒さはありますが、相当リーズナブルな料金の旅が可能です。
【町田】 観光のモデルコースとなっているのは、どんなコースですか?
【小林】 日本から行きやすい西海岸を起点として考えると、たとえばロサンゼルスからサンディエゴ。そしてアリゾナ。
あるいはグランドキャニオンを見て、ラスベガスに入って、そこからヨセミテ。
カナダまで行って、釣りを楽しみたいという人もいらっしゃいましたし、1ヶ月半ぐらいかけて、東海岸まで行きたいという方もいらっしゃいますね。
▲モニュメントバレーでのキャンプ(左右とも)
【町田】 なつかしの「ルート66」をたどる旅をしたい人とか?
【小林】 いらっしゃいますね。古き良き時代のアメリカを偲ばれる中高年の方とか。
映画「イージーライダー」が忘れられなくて、グループでハーレーで旅行するのだけれど、その伴走車として、走るのに疲れたときに寝泊りできるモーターホームを借りたいという方々もいらっしゃいました。
後ろにバイクを積めるようなクルマもありますから。
【町田】 泊まる場所はどんなところなんですか?
【小林】 アメリカでは、モーターホームユーザーの宿泊地として、RVパークというものが普及しているんですね。
日本でいうキャンプ場のようなものなんですが、都市近郊の幹線道路沿いにあったり、国立公園のような観光地にあったりと、キャンピングカーの旅に非常にかなった場所に設置されています。
▲RVパークフロント ▲RVパーク場内
《個性豊かな顔を持つRVパーク》
【町田】 RVパークというのは、すぐに見つけられますか?
【小林】 ホームページ上では、全米で3,000ヵ所あるといわれていますが、ネットに上がらないものを含めると、1万ヵ所以上あるでしょうね。
少し道路脇を注意して走っていれば、案外すぐに見つかります。
そういうところに泊まれば、そこでAC電源をモーターホームに接続したり、上下水道を接続したりして、クルマを家と同じように使うことができるようになります。
▲電気と水道の接続 ▲下水の接続
【小林】 日本のキャンプ場と違うのは、利用者の滞在時間が長いということですね。
1ヵ月以上泊まっている人などはざらで、みな自分のサイトの周りに、花などを植えたりして、“My Home”のように使っています。
だから、利用者同士の交流も盛んで、RVパーク自体がユーザーたちのコミュニティ空間になっているんですね。
【町田】 なるほど。『アバウト・シュミット』 や 『RV』 などの映画に出てくる雰囲気なんですね。
【小林】 そうですね。場所によっては、専用のプールやジャグジーがあって、リゾート地のような景観を整えているところもありますし、殺風景な砂漠のど真ん中にあるものもあります。
それぞれ個性があって、そこがモーターホームの旅の面白さになってますね。
【町田】 でも、慣れないと、そういうRVパークにたどり着くだけでも、大変そうですね。
【小林】 ええ。だから、私たちの業務では、お客様が空港から降りられたら、まず現地の日本人スタッフがレンタルモーターホームのオフィスまでご案内し、第一日目だけは、近くのRVパークに、こちらから予約を入れるようにしています。
最初の1日だけ完璧なセッティングをしておけば、たいていの方は、2日目から落ち着いた気分で、自分なりの旅行プランを練られるようになりますね。
【町田】 ところで、モーターホームの旅をしているとき、犯罪などに巻き込まれたりすることはありませんか?
【小林】 今のところ、そのような情報はまったく聞いていませんね。
だいたい、犯罪者にとっても、わざわざ郊外まで繰り出して、エモノを探すというのは非効率的だし、移動コストもかかるんです(笑)。
治安が悪いのは、どこでもダウンタウンの周辺で、町のそばにクルマを止めて寝ていることは、やはりお勧めできません。
町の近郊に泊まるときは、24時間開いているスーパーの駐車場の入り口近くなどに止めるようにご案内しています。
基本的にはRVパークに泊まり、ときにはモーテルを利用することが安全と安心の確保につながります。
《冒険旅行の気分を満喫》
【町田】 慣れない土地で、慣れない旅行形態を経験するというのは、ある意味でシンドイことかもしれませんが、逆にいえば、それこそ旅の醍醐味なんでしょうね。
「自然の中を旅する」といっても、日本の自然とは比べものにならないくらいスケールが大きいわけで…。
【小林】 そうですね。旅というのは、ある種の冒険の要素があってこそ、後になってから思い出深いものになるんでしょうね。
北米レンタルモーターホームの旅というのは、目的地の設定から、そこへ移動するまで、すべて自分の責任のもとに行われるわけですね。
時にはシビアな場面に直面することもあるかもしれませんが、しかし、お膳立ての整ったパックツァーで旅行するのとは比べものにならないくらい、豊かな思い出をもたらせてくれます。
【町田】 確かに、キャンピングカーによる国内旅行でも、難題にみまわれながら、それをクリアしたときの達成感がすがすがしい思い出として残りますよね。
言葉も、交通事情も異なる国で、モーターホームの旅を見事に達成したならば、それはきっと将来の大きな自信につながるでしょうね。
【小林】 若い人にも、シニアの人にも、そういう経験を持ってほしいですね。
北米モーターホームの旅というのは、いわば真っ白なキャンバスに、自分の好きな色を使って絵を描いていくような旅なんですね。
絵を描き終えた瞬間に、いままで見たこともない新しい自分に出会うかもしれない。
そういう意味で、第2の人生をを模索しているようなシニアの方にも、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
小林さんは、現在、個人のブログでもご活躍。
アドレスは下記のとおり。
http://motor-home.blog.hobidas.com/
2007年05月16日
CSガイドの直売
『キャンピングカー superガイド』は、書店売りのほかに、毎年編集部からの直売用として500部ほど確保しています。

この直売用は、主にキャンピングカー販売店さんにご活用いただくようになっています。
活用の仕方は各販売店さんによって異なるようで、他の用品といっしょに商品として販売されているところもあれば、成約されたお客様に、カタログ代わりの説明書として贈呈されているところもあるようです。
今日は、大森自動車さん、バンテックさん、フィールドライフさん、タコスさんから、計50冊のお買い上げがありました。
残りはいよいよ120冊。
このうち毎年、次年度の営業用として40冊(4束)ほど確保しますから、残部は80冊。
定価は1冊2,100円(税込み)ですが、販売店さんには10冊単位でお買い上げいただいた場合は、相当お買い求めやすいサービス価格で仕切らせて頂いています。(送料弊社負担)
もし、このブログをご覧いただいたキャンピングカー販売店さんで、ご入用の方は早めにお申し込みくださると助かります。
電話 03-3474-7605
ファックス03-3472-1836
自動車週報社 町田までご連絡ください。
この直売用は、主にキャンピングカー販売店さんにご活用いただくようになっています。
活用の仕方は各販売店さんによって異なるようで、他の用品といっしょに商品として販売されているところもあれば、成約されたお客様に、カタログ代わりの説明書として贈呈されているところもあるようです。
今日は、大森自動車さん、バンテックさん、フィールドライフさん、タコスさんから、計50冊のお買い上げがありました。
残りはいよいよ120冊。
このうち毎年、次年度の営業用として40冊(4束)ほど確保しますから、残部は80冊。
定価は1冊2,100円(税込み)ですが、販売店さんには10冊単位でお買い上げいただいた場合は、相当お買い求めやすいサービス価格で仕切らせて頂いています。(送料弊社負担)
もし、このブログをご覧いただいたキャンピングカー販売店さんで、ご入用の方は早めにお申し込みくださると助かります。
電話 03-3474-7605
ファックス03-3472-1836
自動車週報社 町田までご連絡ください。
2007年05月13日
達人たちの肖像2
《ユーザーレポート 福岡県 佐野洋子さん》
シルバーのチェッカー模様に、大きく「TRD」のロゴ。
モータースポーツ愛好家のキャブコンか?
そんな雰囲気を漂わせるアネックスのMAXを運転するのは、チャーミングなシニア女性。
福岡県にお住まいの佐野洋子さんだ。
佐野さんが運転免許を取ったのは二十歳のとき。
今から40年ぐらい前の話だ。
自動車免許を持っている女性そのものが“珍しい”といわれた時代である。
以来、佐野さんはセダンからスポーツカーまで、ありとあらゆるタイプのクルマを経験してきた。
今でも普段の足は、真っ赤なスポーツタイプのアルテッツァ。
ボディにはシルバーとピンクの鮮やかなラインが走っているという。
どこに止めても、20代くらいの若者のクルマだと思われるらしい。
その真っ赤なアルテッツァを、高速道路では、床が踏み抜けるほどアクセルを踏み込んで飛ばす。
並みの乗用車では、彼女のクルマの速さに追いつけない。
だから、キャンピングカーの運転など、
「あっけないくらい簡単」
と、言い切る。
そして、
「今はキャンピングカーで旅行することが生きがい」
とも。
彼女がアネックスのMAXを手に入れたのは10年ほど前。
男性でも、最初に走らせるときは緊張するキャブコンを、佐野さんは最初から「乗用車より運転しやすい」と見抜いていた。
「だって、着座位置が高いから視界がいいじゃないですか。女性は男性より背か低いから、スポーツカーなどに座ると、なおのこと沈み込んでしまう。
でも、このクルマは周りが見下ろせるから安全だし、気持ちいい!」
とご満悦。
ステアリングを握ったときの彼女を、人は「女傑」とも「ゴッドマザー」とも呼ぶ。
しかし、いったんクルマから降りたときの佐野さんは、愛犬を胸に抱く姿に優しさがにじみ出る、笑顔のチャーミングな素敵なオバサンだ。

愛車のMAXには、旦那さんとの思い出がいっぱい詰まっている。
思い出…。
佐野さんの最愛のご主人は、彼女を残してガンで亡くなられた。
ガンが発見されたとき、担当医からは、
「あと3ヶ月」
と明かされた。
ご主人が入院している間、彼女は病院の駐車場にMAXを停めて、そこから病室に通った。
できるかぎりの笑顔を浮かべ、華やかな衣装で身を包み、
「お父さん来たよぉ! 一緒にキャンピングカーの旅を始められるように、早く元気になってくれなくちゃ」
ご主人をそう叱咤しながら、クルマに戻ると、独りで慟哭する日々が続いた。
「今から思うと、キャンピングカーがあったのだから、主人を連れ出して、最後の旅を思いっきり楽しめばよかった」
そう考えて、眠れなくなる夜があるという。
ご主人の夢は、「日本一周旅行」だった。
それを果たせずに亡くなったのだから、
「私が代わりに日本全国を回って、主人に報告しなければ…」
と、佐野さんは気持ちを切り替え、愛犬のソラちゃんをお供に、時間が許す限り、どこにでも旅発つことにした。
KOLCという九州のキャンピングクラブ(RVウエスタン)に所属していた関係上、九州の全域はほぼ知り尽くした。
さらに遠くへ。
去年はTASのメンバーとフェリーで韓国に渡った。
そして、9月には40日間かけて北海道全域を回った。
それでも北海道は回りきれなかったという。北海道を心ゆくまで楽しむには、最低3ヶ月は必要とも。
そこで、一緒に旅行する仲間を募集した。
ところが、周りには3ヶ月の長期休暇を取れる仲間がいない。
「あと数年待ってくれればリタイヤできる。そうしたら一緒に行こう」
佐野さんの仲間はみな口々にそういうらしい。
彼女を中心に、定年後にキャンピングカーによる北海道旅行を楽しもうという集団が形成されている模様だ。

佐野さんから、キャンピングカーオーナーへのメッセージがある。
「まず、キャンピングカーの運転をしたことがない奥様たちへ。ぜひ、運転に励んでください。そうしたら、仮に旦那様に先立たれたとしても、私のように楽しむことができます。
次に旦那様たちへ
ぜひ、奥様にキャンピングカーの運転を覚えさせてください。奥様が独りっきりになっても、キャンピングカーで旅していれば淋しくないのですから」
佐野さんは、キャンピンクカーで旅することによって、大切なたくさんの仲間を得ることができた。
彼女が参加するクラブのイベントでは、誰もが今まで以上に彼女を大切にしてくれる。
それが、何よりも生きていく上での励ましになるという。
「天国にいるお父さんに、いい報告ができるように」
彼女の旅が、また始まる。
シルバーのチェッカー模様に、大きく「TRD」のロゴ。
モータースポーツ愛好家のキャブコンか?
そんな雰囲気を漂わせるアネックスのMAXを運転するのは、チャーミングなシニア女性。
福岡県にお住まいの佐野洋子さんだ。
佐野さんが運転免許を取ったのは二十歳のとき。
今から40年ぐらい前の話だ。
自動車免許を持っている女性そのものが“珍しい”といわれた時代である。
以来、佐野さんはセダンからスポーツカーまで、ありとあらゆるタイプのクルマを経験してきた。
今でも普段の足は、真っ赤なスポーツタイプのアルテッツァ。
ボディにはシルバーとピンクの鮮やかなラインが走っているという。
どこに止めても、20代くらいの若者のクルマだと思われるらしい。
その真っ赤なアルテッツァを、高速道路では、床が踏み抜けるほどアクセルを踏み込んで飛ばす。
並みの乗用車では、彼女のクルマの速さに追いつけない。
だから、キャンピングカーの運転など、
「あっけないくらい簡単」
と、言い切る。
そして、
「今はキャンピングカーで旅行することが生きがい」
とも。
彼女がアネックスのMAXを手に入れたのは10年ほど前。
男性でも、最初に走らせるときは緊張するキャブコンを、佐野さんは最初から「乗用車より運転しやすい」と見抜いていた。
「だって、着座位置が高いから視界がいいじゃないですか。女性は男性より背か低いから、スポーツカーなどに座ると、なおのこと沈み込んでしまう。
でも、このクルマは周りが見下ろせるから安全だし、気持ちいい!」
とご満悦。
ステアリングを握ったときの彼女を、人は「女傑」とも「ゴッドマザー」とも呼ぶ。
しかし、いったんクルマから降りたときの佐野さんは、愛犬を胸に抱く姿に優しさがにじみ出る、笑顔のチャーミングな素敵なオバサンだ。
愛車のMAXには、旦那さんとの思い出がいっぱい詰まっている。
思い出…。
佐野さんの最愛のご主人は、彼女を残してガンで亡くなられた。
ガンが発見されたとき、担当医からは、
「あと3ヶ月」
と明かされた。
ご主人が入院している間、彼女は病院の駐車場にMAXを停めて、そこから病室に通った。
できるかぎりの笑顔を浮かべ、華やかな衣装で身を包み、
「お父さん来たよぉ! 一緒にキャンピングカーの旅を始められるように、早く元気になってくれなくちゃ」
ご主人をそう叱咤しながら、クルマに戻ると、独りで慟哭する日々が続いた。
「今から思うと、キャンピングカーがあったのだから、主人を連れ出して、最後の旅を思いっきり楽しめばよかった」
そう考えて、眠れなくなる夜があるという。
ご主人の夢は、「日本一周旅行」だった。
それを果たせずに亡くなったのだから、
「私が代わりに日本全国を回って、主人に報告しなければ…」
と、佐野さんは気持ちを切り替え、愛犬のソラちゃんをお供に、時間が許す限り、どこにでも旅発つことにした。
KOLCという九州のキャンピングクラブ(RVウエスタン)に所属していた関係上、九州の全域はほぼ知り尽くした。
さらに遠くへ。
去年はTASのメンバーとフェリーで韓国に渡った。
そして、9月には40日間かけて北海道全域を回った。
それでも北海道は回りきれなかったという。北海道を心ゆくまで楽しむには、最低3ヶ月は必要とも。
そこで、一緒に旅行する仲間を募集した。
ところが、周りには3ヶ月の長期休暇を取れる仲間がいない。
「あと数年待ってくれればリタイヤできる。そうしたら一緒に行こう」
佐野さんの仲間はみな口々にそういうらしい。
彼女を中心に、定年後にキャンピングカーによる北海道旅行を楽しもうという集団が形成されている模様だ。
佐野さんから、キャンピングカーオーナーへのメッセージがある。
「まず、キャンピングカーの運転をしたことがない奥様たちへ。ぜひ、運転に励んでください。そうしたら、仮に旦那様に先立たれたとしても、私のように楽しむことができます。
次に旦那様たちへ
ぜひ、奥様にキャンピングカーの運転を覚えさせてください。奥様が独りっきりになっても、キャンピングカーで旅していれば淋しくないのですから」
佐野さんは、キャンピンクカーで旅することによって、大切なたくさんの仲間を得ることができた。
彼女が参加するクラブのイベントでは、誰もが今まで以上に彼女を大切にしてくれる。
それが、何よりも生きていく上での励ましになるという。
「天国にいるお父さんに、いい報告ができるように」
彼女の旅が、また始まる。
2007年05月09日
達人たちの肖像1
《ユーザーレポート 兵庫県 HORI-Bonさん》
キャンピングカーライフって、どんなものなんだろう?
実際に使ったことがない人には、そこが知りたいところですね。
駐車場はどうしているのだろう?
トイレの処理などどうするのだろう?
遊びに行くとき以外には、どんな役に立つのだろう?
あれこれ想像してみても、ピンと来ないときがあります。
そんなときは、実際に使っているユーザーさんに聞くのが一番!
今回は、TASのラリーに参加した兵庫県のHORI-Bonさん(38歳)のキャンピングカーライフをご紹介しましょう。

HORI-Bonさんの愛車は、B.C.ヴァーノンの19フィート。
全長約6m。全幅2.36mという本格的な北米モーターホームです。
普通、最初に買うキャンピングカーは、サイズ的にも手頃な国産車を選ぶ人が多いのですが、HORI-Bonさんにとっては、これが最初のキャンピングカー。
なぜ、いきなり輸入モーターホームからキャンピングカーライフを始めたのでしょう。
答がなかなか素敵です。
「こういうクルマは休日に使うわけですから、日常性を引きずったクルマではなく、思いっきり非日常性を意識させてくれるクルマがいいと思ったわけです。
そうなると、国産車より輸入車。左ハンドルであることも、かえって非日常的な気分を盛り上げてくれます。
内装の雰囲気も、他のクルマとは違うし、これなら“今日は休みだぞぉ!”という気分にじっくりと浸れます」
もちろんHORI-Bonさんは、機能面のチェックも怠りなく、このクルマならではの清水・汚水タンクの容量の多さ、収納スペースの広さ。さらに他のクルマの価格を比較した上でのコストパフォーマンスの良さなどにも、しっかり着目しています。
「総合的に見て、今のところ、これがベストの選択」
とのことでした。
こうして、3人のお子さんと奥様を連れて、休日はモーターホームライフを楽しんでいらっしゃるわけですが、実は、このB.C.ヴァーノンにはもうひとつの役割があります。
それは、アトピーなどの皮膚疾患を患っているお子さんたちを、兵庫から1200㎞離れた青森のお医者さんまで連れて行くという役目です。
皮膚疾患が特に重症だったのは、2番目のお子さんと3番目のお子さん。
症状がひどく、近所のお医者さんの薬では間に合いません。
そんな悩みを抱えているときに、「青森に、どんな皮膚病でも必ず直す名医がいる」という情報が。
しかし、評判のお医者さんだけあって、予約も半年から1年越し。
指定された日に通院するとしても、いつも宿が取れるとは限りません。
「なら、いっそのことモーターホームで行くか」
HORI-Bonさんは、迷わず家族全員を連れて、B.C.ヴァーノンで皮膚病の名医のいる青森を目指すことにしました。
実際に青森まで通院するのは、年に1回~2回なのですが、そんな生活が2~3年続き、今ではお子さんの皮膚疾患も見事に解消方向へ。
せっかく1200㎞の距離を走ってきたわけですから、帰りはいつも東北観光。
これがまた、家族の楽しみの一つになっています。
3人のお子さんも、すっかりモーターホームのファン。
家が手狭になりそうなので、モーターホームを手放して、家を広くしようと子供たちに提案したところ、全員が、
「家など広くしなくていいから、このクルマだけは手元に残してほしい」
と涙ながら訴えたそうです。
そういう子供たちの様子を見て、HORI-Bonお父さんは考えます。

「このクルマを通じて、行く先々にいろいろな人が住み、いろいろな出会いがあり、豊かな自然があることを子供たちに知ってもらいたい。
幸いなことに、こういうクルマで旅をしていると、遠くへ行けば行くほど、その土地に住む人々が歓迎してくれる。
モーターホームの旅には、乗用車にない“人との出会い”がある。そういう出会いを通じて、人を理解することの大切さを学んでほしい」
それがHORI-Bonさんが子供たちへ託したメッセージです。
「だから、自分が旅した土地が地震や津波に襲われたら、わが事のように心配する感受性を持ってほしいし、行ったことのある土地のうれしいニュースには感激してほしい」
HORI-Bonさんは、キャンピングカーの旅が子供たちの感受性を磨き、視野を広げることに大いに貢献していることを認めています。
「そういうことが分かったのは、実際に自分がキャンピングカーを使うようになってからです。キャンピングカーを知らないときには、そういう発想そのものがありませんでした」
とHORI-Bonさん。
一部の人のなかには、いまだ「贅沢品」という見方を持っている人がいるのは残念…とも。
実は、このHORI-Bonさん、ギターの名手でもありました。
TASのラリーでは、自然発生的なささやかなミニ・コンサートが開かれたのですが、その主役が彼。
時には、ブルースハープを吹き鳴らしながら、長渕剛。
ちょっとダミ声で、桑田圭祐。
巧みなスリーフィンガーで、山崎まさよし。

ご本人が、演奏する歌の作り手たちに相当ほれ込んでいるのでしょう。
長渕剛の歌になると、声が長渕に。
桑田の歌では、顔つきが桑田に。
そして山崎の曲では、ギターの音色が山崎に。
モノマネでもないのに、まるでオリジナル曲の本人たちがいきなり登場したかのよう。
こういう繊細な芸の持ち主であったればこそ、またモーターホームの旅に豊かな詩情を感じることができるのかもしれません。
ご本人のHPには、旅の記録が満載されています。
http://homepege2.nifty.com/horibon/index.htm
キャンピングカーライフって、どんなものなんだろう?
実際に使ったことがない人には、そこが知りたいところですね。
駐車場はどうしているのだろう?
トイレの処理などどうするのだろう?
遊びに行くとき以外には、どんな役に立つのだろう?
あれこれ想像してみても、ピンと来ないときがあります。
そんなときは、実際に使っているユーザーさんに聞くのが一番!
今回は、TASのラリーに参加した兵庫県のHORI-Bonさん(38歳)のキャンピングカーライフをご紹介しましょう。
HORI-Bonさんの愛車は、B.C.ヴァーノンの19フィート。
全長約6m。全幅2.36mという本格的な北米モーターホームです。
普通、最初に買うキャンピングカーは、サイズ的にも手頃な国産車を選ぶ人が多いのですが、HORI-Bonさんにとっては、これが最初のキャンピングカー。
なぜ、いきなり輸入モーターホームからキャンピングカーライフを始めたのでしょう。
答がなかなか素敵です。
「こういうクルマは休日に使うわけですから、日常性を引きずったクルマではなく、思いっきり非日常性を意識させてくれるクルマがいいと思ったわけです。
そうなると、国産車より輸入車。左ハンドルであることも、かえって非日常的な気分を盛り上げてくれます。
内装の雰囲気も、他のクルマとは違うし、これなら“今日は休みだぞぉ!”という気分にじっくりと浸れます」
もちろんHORI-Bonさんは、機能面のチェックも怠りなく、このクルマならではの清水・汚水タンクの容量の多さ、収納スペースの広さ。さらに他のクルマの価格を比較した上でのコストパフォーマンスの良さなどにも、しっかり着目しています。
「総合的に見て、今のところ、これがベストの選択」
とのことでした。
こうして、3人のお子さんと奥様を連れて、休日はモーターホームライフを楽しんでいらっしゃるわけですが、実は、このB.C.ヴァーノンにはもうひとつの役割があります。
それは、アトピーなどの皮膚疾患を患っているお子さんたちを、兵庫から1200㎞離れた青森のお医者さんまで連れて行くという役目です。
皮膚疾患が特に重症だったのは、2番目のお子さんと3番目のお子さん。
症状がひどく、近所のお医者さんの薬では間に合いません。
そんな悩みを抱えているときに、「青森に、どんな皮膚病でも必ず直す名医がいる」という情報が。
しかし、評判のお医者さんだけあって、予約も半年から1年越し。
指定された日に通院するとしても、いつも宿が取れるとは限りません。
「なら、いっそのことモーターホームで行くか」
HORI-Bonさんは、迷わず家族全員を連れて、B.C.ヴァーノンで皮膚病の名医のいる青森を目指すことにしました。
実際に青森まで通院するのは、年に1回~2回なのですが、そんな生活が2~3年続き、今ではお子さんの皮膚疾患も見事に解消方向へ。
せっかく1200㎞の距離を走ってきたわけですから、帰りはいつも東北観光。
これがまた、家族の楽しみの一つになっています。
3人のお子さんも、すっかりモーターホームのファン。
家が手狭になりそうなので、モーターホームを手放して、家を広くしようと子供たちに提案したところ、全員が、
「家など広くしなくていいから、このクルマだけは手元に残してほしい」
と涙ながら訴えたそうです。
そういう子供たちの様子を見て、HORI-Bonお父さんは考えます。
「このクルマを通じて、行く先々にいろいろな人が住み、いろいろな出会いがあり、豊かな自然があることを子供たちに知ってもらいたい。
幸いなことに、こういうクルマで旅をしていると、遠くへ行けば行くほど、その土地に住む人々が歓迎してくれる。
モーターホームの旅には、乗用車にない“人との出会い”がある。そういう出会いを通じて、人を理解することの大切さを学んでほしい」
それがHORI-Bonさんが子供たちへ託したメッセージです。
「だから、自分が旅した土地が地震や津波に襲われたら、わが事のように心配する感受性を持ってほしいし、行ったことのある土地のうれしいニュースには感激してほしい」
HORI-Bonさんは、キャンピングカーの旅が子供たちの感受性を磨き、視野を広げることに大いに貢献していることを認めています。
「そういうことが分かったのは、実際に自分がキャンピングカーを使うようになってからです。キャンピングカーを知らないときには、そういう発想そのものがありませんでした」
とHORI-Bonさん。
一部の人のなかには、いまだ「贅沢品」という見方を持っている人がいるのは残念…とも。
実は、このHORI-Bonさん、ギターの名手でもありました。
TASのラリーでは、自然発生的なささやかなミニ・コンサートが開かれたのですが、その主役が彼。
時には、ブルースハープを吹き鳴らしながら、長渕剛。
ちょっとダミ声で、桑田圭祐。
巧みなスリーフィンガーで、山崎まさよし。
ご本人が、演奏する歌の作り手たちに相当ほれ込んでいるのでしょう。
長渕剛の歌になると、声が長渕に。
桑田の歌では、顔つきが桑田に。
そして山崎の曲では、ギターの音色が山崎に。
モノマネでもないのに、まるでオリジナル曲の本人たちがいきなり登場したかのよう。
こういう繊細な芸の持ち主であったればこそ、またモーターホームの旅に豊かな詩情を感じることができるのかもしれません。
ご本人のHPには、旅の記録が満載されています。
http://homepege2.nifty.com/horibon/index.htm
2007年04月29日
軽キャンカー特集
一昨日、営業と取材を兼ねてお邪魔したディーラーのオーナーさんが、「うちも軽自動車をキャンピングカーを展示場に置いてみるか」と、半分本気で話されていました。
そのショップは、キャブコン、バンコン、バスコン、トレーラーをバランスよく揃えているお店なのですが、今まで軽キャンカーにはあまり関心を示さなかったところです。
しかし、「軽のキャンピングカーはないのですか?」と尋ねる来場者が目立って多くなってきているとか。
ひとつの広告塔として、軽を置いてみるのも集客効果を高める方法かもしれないと考えられたようです。
実際、軽キャンカーは、登録台数からいえば、まだまだハイエースクラスのバンコンやカムロードベースのキャブコンにはとてもとても及びません。
しかし、人々の関心はとても高いジャンルです。
現に、このブログでも相変わらず「軽キャンカー」という検索ワードでお越しいただく方のアクセスが他の言葉を引き離して、ダントツです。

そんなブームを反映して、『キャンピングカー superガイド2007』では、私なりの軽キャンカー論を書いてみました。
「論」などというと大げさですが、軽キャンカーが脚光を浴びる時代背景とか消費社会の動向を簡単に分析してみたつもりです。
軽キャンカーがブームが注目されるきっかけは、いくつかのテレビ局から集中的に紹介されたことが発端でした。
それまで「価格が高い、車体が大きい」というイメージで見られがちなキャンピングカーが、それにより、一気に身近な存在としてクローズアップされたことが大きいと思います。
しかし、その背景には、普通の乗用車の世界で、もう時代をリードするような新ジャンルというものが、ここ数年生まれていなかったということがあるかもしれません。
SUVもミニバンも、もう過去のもの。
当初気持ちをワクワクさせてくれたそれらのカテゴリーも、今や市場に浸透しきって、生活必需品のような存在になっています。
それに比べると、軽キャンカーというのは、久しぶりに登場した「遊びグルマ」の国民的な新カテゴリーなんですね。
なんといっても、「軽自動車」という言葉の響きに付きまとっていた“貧乏くささ”が、楽しい遊びのアイデアを満載した軽キャンカーの登場によって、一気に払拭されたことが大きいように思います。
軽自動車というジャンルを、ファッショナブルな遊びのアイテムとして確立したのが、軽キャンカーだという気がしてなりません。
一口に「軽キャンカー」といっても、実は非常に複雑な車種構成になっているのが、このカテゴリーの特徴です。
大きく分けると、キャブコン型とバンコン型があり、そのなかでも、普通自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の5ナンバー登録になるもの、さらに4ナンバー登録になるものに分かれます。
それによって、自動車税や重量税もみな変わってきます。

今回の『キャンピングカー superガイド』では、そのあたりも分かりやすいチャートとしてまとめてみました。
興味をお持ちの方は、手にとってみてください。
そのショップは、キャブコン、バンコン、バスコン、トレーラーをバランスよく揃えているお店なのですが、今まで軽キャンカーにはあまり関心を示さなかったところです。
しかし、「軽のキャンピングカーはないのですか?」と尋ねる来場者が目立って多くなってきているとか。
ひとつの広告塔として、軽を置いてみるのも集客効果を高める方法かもしれないと考えられたようです。
実際、軽キャンカーは、登録台数からいえば、まだまだハイエースクラスのバンコンやカムロードベースのキャブコンにはとてもとても及びません。
しかし、人々の関心はとても高いジャンルです。
現に、このブログでも相変わらず「軽キャンカー」という検索ワードでお越しいただく方のアクセスが他の言葉を引き離して、ダントツです。
そんなブームを反映して、『キャンピングカー superガイド2007』では、私なりの軽キャンカー論を書いてみました。
「論」などというと大げさですが、軽キャンカーが脚光を浴びる時代背景とか消費社会の動向を簡単に分析してみたつもりです。
軽キャンカーがブームが注目されるきっかけは、いくつかのテレビ局から集中的に紹介されたことが発端でした。
それまで「価格が高い、車体が大きい」というイメージで見られがちなキャンピングカーが、それにより、一気に身近な存在としてクローズアップされたことが大きいと思います。
しかし、その背景には、普通の乗用車の世界で、もう時代をリードするような新ジャンルというものが、ここ数年生まれていなかったということがあるかもしれません。
SUVもミニバンも、もう過去のもの。
当初気持ちをワクワクさせてくれたそれらのカテゴリーも、今や市場に浸透しきって、生活必需品のような存在になっています。
それに比べると、軽キャンカーというのは、久しぶりに登場した「遊びグルマ」の国民的な新カテゴリーなんですね。
なんといっても、「軽自動車」という言葉の響きに付きまとっていた“貧乏くささ”が、楽しい遊びのアイデアを満載した軽キャンカーの登場によって、一気に払拭されたことが大きいように思います。
軽自動車というジャンルを、ファッショナブルな遊びのアイテムとして確立したのが、軽キャンカーだという気がしてなりません。
一口に「軽キャンカー」といっても、実は非常に複雑な車種構成になっているのが、このカテゴリーの特徴です。
大きく分けると、キャブコン型とバンコン型があり、そのなかでも、普通自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の8ナンバー登録になるもの、軽自動車の5ナンバー登録になるもの、さらに4ナンバー登録になるものに分かれます。
それによって、自動車税や重量税もみな変わってきます。
今回の『キャンピングカー superガイド』では、そのあたりも分かりやすいチャートとしてまとめてみました。
興味をお持ちの方は、手にとってみてください。
2007年04月24日
昨日の続き
《マイク真木さんの対談企画》
【A】 さて、揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出した町田編集長をまた呼び出して、昨日の続きをやりますが…
【町田】 何やるの?
【B】 『キャンピングsuperガイド2007』の内容紹介ですよ。
【町】 もうだいたい話したよ。
【C】 今回後半部分に、マイク真木さんと日本RV協会会長の対談が載ってますよね。これはRV協会の広報誌『くるま旅』3号と内容が重複してますが、この本にも載せちゃっていいんですか?
【町】 だって、あの対談まとめたのはボクだもの。

【A】 マイクさんって、どんな人なのか、そこを知りたい。
【町】 すっごくいい人! いいことしゃべるよ。
【B】 おいくつぐらいの人なんですか?
【町】 1944年生まれというから、もう63歳だよね。だけど、いまだにアウトドアの現役。キャンプもやればサーフィンも楽しむ。船にも乗っている。
千葉の九十九里に家を持っていて、ゲストハウスなんか手作りで作ってしまうし、お米も作ったりしている。時間があれば絵なんかも描いているしね。
【C】 枯れてないんですね。
【町】 とんでもない! 60代になってもジーンズが似合う最初の世代だよね。
【A】 町田さんなんかは親しみを感じる世代なんでしょうけれど、若い人は、知らない人もいるんじゃないですか?
【B】 いや、10年くらい前かな、「ビーチボーイズ」って、テレビドラマで民宿を経営しているサーフィン好きのオヤジの役をやっていたじゃない。
【C】 反町隆史、竹之内豊、広末涼子なんかが出ていたやつね。
【B】 だから、けっこう知っている若い人も多いんじゃない?
【町】 ドラマまんまのような生活を楽しんでいる人だよね。まぁ、僕らの世代になると、「バラが咲いた」のヒット曲をとばした日本最初の国民的フォーク歌手として有名な人なんだけどさ。
【A】 キャンピングカーなんかもお好きな方ですよね。
【町】 そうそう。確か最初の奥さんとの新婚旅行はモーターホームを使って長期旅行を楽しんでいるよね。
【B】 RV協会の会長さんとの対談って、どんなふうに進行したんですか?
【町】 要は、これから定年退職を迎える団塊の世代へ向けたひとつのライフスタイルの提言なんだよね。
「スローライフ」とか「ロハス」などという言葉が生まれる前から、マイクさんはそういうスタイルの生活を楽しんでいたわけじゃない。どうしたら、そういうライフスタイルを取り込むことができるか。言葉でいうと、簡単だけど、なかなかむずかしいのよ。
【B】 極意があるんですかね。
【町】 そこなんだよね。そもそも「極意」なんてしゃっちこばっていたら、スローライフなんていう概念の正反対の方向に向かってしまう。
対談のなかで繰り返しマイクさんが言っていたのは「成り行きまかせの人生」という言葉なんだよね。
そもそも「バラが咲いた」というヒット曲も、マイクさんが必死になって売り込んだ曲じゃないんだよね。
彼は、たまたまある歌手の代役としてデモテープを作っただけだったんだって。
そうしたら、プロデューサーの人が「こっちの歌の方がいいよ」ってんで、自分の知らないうちに歌手にされてしまったらしい。
スキー場のバイトから帰ってきたときに、クルマの中でラジオを聞いたら、自分の歌が流れているのでビックリしたと話していたよ。
【A】 才能のある人はいいな。
【町】 でも、その才能に頓着せずに、淡々と生きてきたというのが、あの人の持ち味だよね。
覚えているかな…、1970年代のテレビコマーシャルでさ、「気楽に行こうよ、俺たちは…」っていう歌があってさ。ガス欠したクルマを鈴木ヒロミツさんが押しながら、「のんびり行こうよ、俺たちは」って歌っているの。
【B】 「気楽にいこう」という曲ですね。
【町】 そう。あれもマイクさんの作った歌なんだけどさ。彼はその歌のとおりに生きてきたような人だよね。
【C】 だからこそ、このせちがらい世の中では輝いているんだ。
【町】 いいこというね。そう、ボクたちがスピードをあげて追い求めてきた文明の進歩が裏目に出そうな時代になってくると、「のんびり行こうよ」というメッセージは、案外鋭い切れ味を秘めてくるような気がするよね。
対談で収録されていない話で、けっこう面白いものがあるんだけど、それを話すとなると、また長くなるから…
【A】 あ、また揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出す気ですね。
【町】 いや、ちょっとオシッコ。
【B】 また、逃げちゃった。
【A】 さて、揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出した町田編集長をまた呼び出して、昨日の続きをやりますが…
【町田】 何やるの?
【B】 『キャンピングsuperガイド2007』の内容紹介ですよ。
【町】 もうだいたい話したよ。
【C】 今回後半部分に、マイク真木さんと日本RV協会会長の対談が載ってますよね。これはRV協会の広報誌『くるま旅』3号と内容が重複してますが、この本にも載せちゃっていいんですか?
【町】 だって、あの対談まとめたのはボクだもの。
【A】 マイクさんって、どんな人なのか、そこを知りたい。
【町】 すっごくいい人! いいことしゃべるよ。
【B】 おいくつぐらいの人なんですか?
【町】 1944年生まれというから、もう63歳だよね。だけど、いまだにアウトドアの現役。キャンプもやればサーフィンも楽しむ。船にも乗っている。
千葉の九十九里に家を持っていて、ゲストハウスなんか手作りで作ってしまうし、お米も作ったりしている。時間があれば絵なんかも描いているしね。
【C】 枯れてないんですね。
【町】 とんでもない! 60代になってもジーンズが似合う最初の世代だよね。
【A】 町田さんなんかは親しみを感じる世代なんでしょうけれど、若い人は、知らない人もいるんじゃないですか?
【B】 いや、10年くらい前かな、「ビーチボーイズ」って、テレビドラマで民宿を経営しているサーフィン好きのオヤジの役をやっていたじゃない。
【C】 反町隆史、竹之内豊、広末涼子なんかが出ていたやつね。
【B】 だから、けっこう知っている若い人も多いんじゃない?
【町】 ドラマまんまのような生活を楽しんでいる人だよね。まぁ、僕らの世代になると、「バラが咲いた」のヒット曲をとばした日本最初の国民的フォーク歌手として有名な人なんだけどさ。
【A】 キャンピングカーなんかもお好きな方ですよね。
【町】 そうそう。確か最初の奥さんとの新婚旅行はモーターホームを使って長期旅行を楽しんでいるよね。
【B】 RV協会の会長さんとの対談って、どんなふうに進行したんですか?
【町】 要は、これから定年退職を迎える団塊の世代へ向けたひとつのライフスタイルの提言なんだよね。
「スローライフ」とか「ロハス」などという言葉が生まれる前から、マイクさんはそういうスタイルの生活を楽しんでいたわけじゃない。どうしたら、そういうライフスタイルを取り込むことができるか。言葉でいうと、簡単だけど、なかなかむずかしいのよ。
【B】 極意があるんですかね。
【町】 そこなんだよね。そもそも「極意」なんてしゃっちこばっていたら、スローライフなんていう概念の正反対の方向に向かってしまう。
対談のなかで繰り返しマイクさんが言っていたのは「成り行きまかせの人生」という言葉なんだよね。
そもそも「バラが咲いた」というヒット曲も、マイクさんが必死になって売り込んだ曲じゃないんだよね。
彼は、たまたまある歌手の代役としてデモテープを作っただけだったんだって。
そうしたら、プロデューサーの人が「こっちの歌の方がいいよ」ってんで、自分の知らないうちに歌手にされてしまったらしい。
スキー場のバイトから帰ってきたときに、クルマの中でラジオを聞いたら、自分の歌が流れているのでビックリしたと話していたよ。
【A】 才能のある人はいいな。
【町】 でも、その才能に頓着せずに、淡々と生きてきたというのが、あの人の持ち味だよね。
覚えているかな…、1970年代のテレビコマーシャルでさ、「気楽に行こうよ、俺たちは…」っていう歌があってさ。ガス欠したクルマを鈴木ヒロミツさんが押しながら、「のんびり行こうよ、俺たちは」って歌っているの。
【B】 「気楽にいこう」という曲ですね。
【町】 そう。あれもマイクさんの作った歌なんだけどさ。彼はその歌のとおりに生きてきたような人だよね。
【C】 だからこそ、このせちがらい世の中では輝いているんだ。
【町】 いいこというね。そう、ボクたちがスピードをあげて追い求めてきた文明の進歩が裏目に出そうな時代になってくると、「のんびり行こうよ」というメッセージは、案外鋭い切れ味を秘めてくるような気がするよね。
対談で収録されていない話で、けっこう面白いものがあるんだけど、それを話すとなると、また長くなるから…
【A】 あ、また揚げ煎餅を取りに行くといって逃げ出す気ですね。
【町】 いや、ちょっとオシッコ。
【B】 また、逃げちゃった。
2007年04月23日
2007年版の紹介
《キャンピングカーsuperガイド2007年版》

【A】 『キャンピングカーsuperガイド2007』が、今週の28日の土曜日に発売されることになりましたが、編集長の町田さんにご登場いただき、今回のガイドの特徴などを話してもらいたいと思います。
【町田】 あらたまってそう言われると、何をどう話せばよいのやら。
【B】 苦労話をひとつ。
【町】 揚げ煎餅を食いすぎて胃をやられた。
【C】 いや、そういうことじゃなくて、どういうクルマの取材が大変だったとか。
【町】 みんな大変よ。今年はバンコンが多かったから、個々のクルマの特徴などをどう表現するか。そこが苦労したところやね。
【A】 けっこうレイアウトなど、同じ感じのものが増えましたものね。
【町】 使いやすいレイアウトって、ある程度決まっちゃっているのね。後は微妙な造り込みのところ。それと装備類と価格のバランス。
【B】 各社とも技術力が向上してきているから、微妙な差異というものが分かりづらくなってきてますね。
【町】 いやぁ、それでもそれぞれ個性があるよ。どのメーカーも、こだわりの部分をしっかり主張するようになったしね。断熱に対する工夫とか、シートの抗菌処理とか、目に見えない部分でものすごく進化しているよね。記事にするとき、そこをどう描くか。
【C】 町田さんの記事って、基本的にどのクルマも一様に誉めてますよね。メーカーサイドは喜ぶけれど、購買者の立場に立っていないという批判もある。
【町】 痛いところを突くね。…だけど、今回180車に絞ったけれど、すべて厳選された車種構成になっていると思うよ。
キャンピングカーの評価って、ホントにユーザーが何を求めるかによって違ってくる。
自分の好みで言ってしまえば、「オレだったら、これは買わない」というクルマだってある。
だけど、視点を変えれば、そういうクルマにも絶対的な存在意義ってのがあるわけ。
自分と違う使い方を求めていたり、自分と違う価値観を持っている読者の気持ちにいかにシフトしていけるか。
そこは想像力の勝負になってくる。
【A】 そういう好みを強く打ち出していく編集方針だってあるんじゃないですか?
【町】 でも、個々のクルマを見ていると、面白いんだよね。なぜ、そういうコンセプトが生まれてきたのか。一見トンチンカンに見えても、考えていくと腑に落ちることがある。
なかには、開発者の思惑通りには売れないだろうな…というものがあるけれど、その可能性の部分に惚れ込むと、開発者になりかわってその部分を主張したくなってしまうのよ。
そういうクルマって、100人のうちの80人は買わないかもしれないけれど、残った20人は絶対ハマるっていう魅力があるわけ。
それはキャンピングカーならではの世界なんだよね。そういう世界を描くことが面白いと思っている。
【B】 けっこう趣味的に仕事をしていますね?
【町】 いえいえ、ちゃんとバイヤーズガイドになるように、客観的に書いてますよ。
【C】 昔、あるメーカーの社長さんが、「これ読み物として面白いよな」と感心していたとか。
【町】 そうそう。バイヤーズガイドではあっても、読み物として面白くないと駄目だと思っているところはある。
キャンピングカーって、乗用車にない夢の部分をたくさん盛り込んだクルマじゃない? だからまず夢として、「このクルマを買ったら、どんな世界が広がるんだろう」って、読者がワクワクするような記事になっていないと駄目だと思うんだよね。
だから1台書き終わると、頭を切り替えて、次のクルマの記事を書くときは、それを本当に買う気持ちになって内容を考えるもの。
今の自分のキャンピングカーライフは、ペットとカミさんの“2人旅”なんだけど、もし自分が小さい子供のいるお父さんになったら、このクルマはどんなふうに見えるのかな? …なんてね。
【A】 今回、ホントに買いたいなと思ったクルマは何なんですか?
【町】 いいこと聞くねぇ。だけど公平さを欠くので、ここでは言えない。読んでくれた人には分かるかもしれない。
【B】 またはぐらかす!
【町】 ブログで書くよ。
【C】 これ、ブログですよ。
【A】 町田さんって、自分のクルマのことはホントに触れないですね。あまり気に入っていないんですか? 名前すら出したことないですよね。
【町】 いやぁ、好きなのよ、自分のクルマ。それはそのうち写真入で公開するよ。
【B】 一部では有名ですよ。ヘソ曲がりの好きなクルマだって。
【町】 却下! 今日のテーマからズレました。
【C】 あ、どこへ行くんですか?
【町】 揚げ煎餅を取りに…
【A】 すぐ逃げる。
【B】 では、続きは次回ということで。
【A】 『キャンピングカーsuperガイド2007』が、今週の28日の土曜日に発売されることになりましたが、編集長の町田さんにご登場いただき、今回のガイドの特徴などを話してもらいたいと思います。
【町田】 あらたまってそう言われると、何をどう話せばよいのやら。
【B】 苦労話をひとつ。
【町】 揚げ煎餅を食いすぎて胃をやられた。
【C】 いや、そういうことじゃなくて、どういうクルマの取材が大変だったとか。
【町】 みんな大変よ。今年はバンコンが多かったから、個々のクルマの特徴などをどう表現するか。そこが苦労したところやね。
【A】 けっこうレイアウトなど、同じ感じのものが増えましたものね。
【町】 使いやすいレイアウトって、ある程度決まっちゃっているのね。後は微妙な造り込みのところ。それと装備類と価格のバランス。
【B】 各社とも技術力が向上してきているから、微妙な差異というものが分かりづらくなってきてますね。
【町】 いやぁ、それでもそれぞれ個性があるよ。どのメーカーも、こだわりの部分をしっかり主張するようになったしね。断熱に対する工夫とか、シートの抗菌処理とか、目に見えない部分でものすごく進化しているよね。記事にするとき、そこをどう描くか。
【C】 町田さんの記事って、基本的にどのクルマも一様に誉めてますよね。メーカーサイドは喜ぶけれど、購買者の立場に立っていないという批判もある。
【町】 痛いところを突くね。…だけど、今回180車に絞ったけれど、すべて厳選された車種構成になっていると思うよ。
キャンピングカーの評価って、ホントにユーザーが何を求めるかによって違ってくる。
自分の好みで言ってしまえば、「オレだったら、これは買わない」というクルマだってある。
だけど、視点を変えれば、そういうクルマにも絶対的な存在意義ってのがあるわけ。
自分と違う使い方を求めていたり、自分と違う価値観を持っている読者の気持ちにいかにシフトしていけるか。
そこは想像力の勝負になってくる。
【A】 そういう好みを強く打ち出していく編集方針だってあるんじゃないですか?
【町】 でも、個々のクルマを見ていると、面白いんだよね。なぜ、そういうコンセプトが生まれてきたのか。一見トンチンカンに見えても、考えていくと腑に落ちることがある。
なかには、開発者の思惑通りには売れないだろうな…というものがあるけれど、その可能性の部分に惚れ込むと、開発者になりかわってその部分を主張したくなってしまうのよ。
そういうクルマって、100人のうちの80人は買わないかもしれないけれど、残った20人は絶対ハマるっていう魅力があるわけ。
それはキャンピングカーならではの世界なんだよね。そういう世界を描くことが面白いと思っている。
【B】 けっこう趣味的に仕事をしていますね?
【町】 いえいえ、ちゃんとバイヤーズガイドになるように、客観的に書いてますよ。
【C】 昔、あるメーカーの社長さんが、「これ読み物として面白いよな」と感心していたとか。
【町】 そうそう。バイヤーズガイドではあっても、読み物として面白くないと駄目だと思っているところはある。
キャンピングカーって、乗用車にない夢の部分をたくさん盛り込んだクルマじゃない? だからまず夢として、「このクルマを買ったら、どんな世界が広がるんだろう」って、読者がワクワクするような記事になっていないと駄目だと思うんだよね。
だから1台書き終わると、頭を切り替えて、次のクルマの記事を書くときは、それを本当に買う気持ちになって内容を考えるもの。
今の自分のキャンピングカーライフは、ペットとカミさんの“2人旅”なんだけど、もし自分が小さい子供のいるお父さんになったら、このクルマはどんなふうに見えるのかな? …なんてね。
【A】 今回、ホントに買いたいなと思ったクルマは何なんですか?
【町】 いいこと聞くねぇ。だけど公平さを欠くので、ここでは言えない。読んでくれた人には分かるかもしれない。
【B】 またはぐらかす!
【町】 ブログで書くよ。
【C】 これ、ブログですよ。
【A】 町田さんって、自分のクルマのことはホントに触れないですね。あまり気に入っていないんですか? 名前すら出したことないですよね。
【町】 いやぁ、好きなのよ、自分のクルマ。それはそのうち写真入で公開するよ。
【B】 一部では有名ですよ。ヘソ曲がりの好きなクルマだって。
【町】 却下! 今日のテーマからズレました。
【C】 あ、どこへ行くんですか?
【町】 揚げ煎餅を取りに…
【A】 すぐ逃げる。
【B】 では、続きは次回ということで。
2007年04月18日
セミナーに参加
キャンピングカーの普及をテーマにしたセミナーに呼ばれ、パネラーの1人として、今年発行された「キャンピングカー白書」を分析するフリートークに参加することになりました。
急なことだったので、頭の中は白紙状態。
今、あわてて資料作りを終えたところです。
日本RV協会さんが発行された「キャンピングカー白書」というのは、業界にとっても初の試みなわけですが、考えてみれば、これは画期的なことです。
キャンプやアウトドアをテーマにした白書というのは、今まで日本オート・キャンプ協会さんが出されていた「オートキャンプ白書」が唯一のものでした。
しかし、肝心なキャンピングカー事業者の調査が進んでいなかったため、国内でキャンピングカーが年間どのくらい生産されているのか、あるいは市場に出回っているキャンピングカーの累計が何台ぐらいなのか、その実態が明らかになることはありませんでした。
キャンピングカーメーカーの集合体である日本RV協会さんでも正確な数が把握できていなかったわけですから、これは無理からぬことですね。
その正確な数字をまとめたのが、この2月に出された「キャンピングカー白書」です。
白書では、そのほかに現在のキャンピグカーユーザーの使用実態なども浮き彫りにしています。
とても面白い内容です。
セミナーが開かれるのは、明日の午前中。
これから新幹線に乗って出発です。
おっと、急がないと乗り遅れるぞ!
急なことだったので、頭の中は白紙状態。
今、あわてて資料作りを終えたところです。
日本RV協会さんが発行された「キャンピングカー白書」というのは、業界にとっても初の試みなわけですが、考えてみれば、これは画期的なことです。
キャンプやアウトドアをテーマにした白書というのは、今まで日本オート・キャンプ協会さんが出されていた「オートキャンプ白書」が唯一のものでした。
しかし、肝心なキャンピングカー事業者の調査が進んでいなかったため、国内でキャンピングカーが年間どのくらい生産されているのか、あるいは市場に出回っているキャンピングカーの累計が何台ぐらいなのか、その実態が明らかになることはありませんでした。
キャンピングカーメーカーの集合体である日本RV協会さんでも正確な数が把握できていなかったわけですから、これは無理からぬことですね。
その正確な数字をまとめたのが、この2月に出された「キャンピングカー白書」です。
白書では、そのほかに現在のキャンピグカーユーザーの使用実態なども浮き彫りにしています。
とても面白い内容です。
セミナーが開かれるのは、明日の午前中。
これから新幹線に乗って出発です。
おっと、急がないと乗り遅れるぞ!
2007年04月13日
新展示場 花盛り
春たけなわ。
キャンピングカー販売店も、新しいショールームや展示場がのきなみオープンしています。
先月の31日には、ロータスRV販売さんの奈良営業所がオープンしました。三重営業所に続き、西日本に確実に営業展開を進めているロータスさん。軽キャンカーの品揃えもあっという間に増え、扱い車種も充実。2007年はロータスさんの年になりそうな勢いです。

新しい展示場は、第2阪奈道(学園中町IC)より3km。西名阪(郡山IC)より25号で6km。アクセスは抜群です。
400坪の敷地には同社の人気モデル、ニューモデルのほか、他社取り扱い車種や中古車も多数展示され、なかなかの充実ぶり。
オープン日にはなかなかの賑わいを見せたようです。
エアストリーム・ジャパンさんも新ショールームをオープンしました。
埼玉県のJR新座駅前に今日オープンした「CKスクエア」。新ショールームはその1階。さらに8階には「エアストリームカフェ」もオープンとか。
こちらは、私の家からも近いので、カメラを下げて見学に行こうかと思っています。
とりあえず、送られてきたショールームの最新画像をご紹介。

キャンピングカー販売店も、新しいショールームや展示場がのきなみオープンしています。
先月の31日には、ロータスRV販売さんの奈良営業所がオープンしました。三重営業所に続き、西日本に確実に営業展開を進めているロータスさん。軽キャンカーの品揃えもあっという間に増え、扱い車種も充実。2007年はロータスさんの年になりそうな勢いです。
新しい展示場は、第2阪奈道(学園中町IC)より3km。西名阪(郡山IC)より25号で6km。アクセスは抜群です。
400坪の敷地には同社の人気モデル、ニューモデルのほか、他社取り扱い車種や中古車も多数展示され、なかなかの充実ぶり。
オープン日にはなかなかの賑わいを見せたようです。
エアストリーム・ジャパンさんも新ショールームをオープンしました。
埼玉県のJR新座駅前に今日オープンした「CKスクエア」。新ショールームはその1階。さらに8階には「エアストリームカフェ」もオープンとか。
こちらは、私の家からも近いので、カメラを下げて見学に行こうかと思っています。
とりあえず、送られてきたショールームの最新画像をご紹介。
2007年04月12日
ステージアップ
北米モーターホームを中心に、幅広くキャンピグカーの修理を専門に行っている会社「ステージアップ」の札幌店がオープンするという案内が今日届きました。
北国では、北米系モーターホームを手がける専門店が少ないだけに、これは貴重なメンテナンススポットになりそうです。
この「ステージアップ」というショップは、軽自動車のワンボックスカーを利用した出張サービスを得意とする会社です。

今までも、北は北海道から、南は中国・四国まで、モーターホームの緊急トラブルに現地まで出向いて修理を行っています。
費用は、修理代+出張費+交通費だそうですが、ほとんどその場で直してしまうというのが売り。
電話やメールのやりとりだけで、直ってしまう故障もありますから、緊急トラブルが発生した場合は、ここに連絡を取って、相談してみるのも手かもしれません。
ステージアップの代表者は宮嶋正英氏。
北海道の運営を行うのは、鳥山宙氏。
2人とも、日本でも有数な北米系モーターホームのプロですね。
なんたって、あの戸川氏が経営していたアイシィー・トレックスの創業期の頃からのメンバーなんですから。
だから、宮嶋氏とは、もう私も10年以上のつきあいになります。
新しくオープンする札幌店は、モーターホームでの宿泊も可能だとか。
本州から北海道へ旅行に出かけた人たちへの「メンテナンス・情報スポット」としても機能したいと張り切っているようです
私も、北海道に旅するときは、顔を出してみようと思っています。
北国では、北米系モーターホームを手がける専門店が少ないだけに、これは貴重なメンテナンススポットになりそうです。
この「ステージアップ」というショップは、軽自動車のワンボックスカーを利用した出張サービスを得意とする会社です。
今までも、北は北海道から、南は中国・四国まで、モーターホームの緊急トラブルに現地まで出向いて修理を行っています。
費用は、修理代+出張費+交通費だそうですが、ほとんどその場で直してしまうというのが売り。
電話やメールのやりとりだけで、直ってしまう故障もありますから、緊急トラブルが発生した場合は、ここに連絡を取って、相談してみるのも手かもしれません。
ステージアップの代表者は宮嶋正英氏。
北海道の運営を行うのは、鳥山宙氏。
2人とも、日本でも有数な北米系モーターホームのプロですね。
なんたって、あの戸川氏が経営していたアイシィー・トレックスの創業期の頃からのメンバーなんですから。
だから、宮嶋氏とは、もう私も10年以上のつきあいになります。
新しくオープンする札幌店は、モーターホームでの宿泊も可能だとか。
本州から北海道へ旅行に出かけた人たちへの「メンテナンス・情報スポット」としても機能したいと張り切っているようです
私も、北海道に旅するときは、顔を出してみようと思っています。
2007年04月06日
新車レポート23
《タバート・オフロード》
「スモールエッグ」の愛称で親しまれているタバートですが、このほど「オフロード」という仕様が登場しました。
『キャンピングカー スーパーガイド 2007』の締め切り直前に入ってきた画像をお見せしましょう。

独特のエッグフォルムと同時に、オレンジ、イエロー、レモンなどといったキャンピングカーとしては珍しい配色で「可愛い!」という声を独り占めしてきたトレーラーですが、この「オフロード」という仕様は、ひと味違います。
色はメタリカルな輝きを放つシルバー。
パンチングメタル調のモダンデザインを身にまとい、足元には純正ヘビーデューティーアルミホイール。
まさに、SF映画にでも出てきそうな、惑星探索車という感じです。
正面から眺めると、ますますその思いを強くします。

火星の荒れ地でも走っていると似合いそうです。
もともと、このタバートというトレーラーは、近未来的な雰囲気もあり、かつレトロな味わいもあり…というユニークなデザインを特徴としているトレーラーです。
全長4.7m。全幅1.98m。
重量590kg。
小型車のヘッドでも十分けん引可能で、それでいて、中は意外と広々。

コの字型のダイネットを囲んで、大人5人が顔を合わせて座ることができます。
就寝定員は3名。
しっかりしたステンレスシンクと2バーナーコンロが付き、40リットルの3ウェイ冷蔵庫に、FFヒーターが標準装備。
コンパクトながら、キャンピングカーとしての骨格は十分。
最近は、けん引免許を取得しても、豊かな居住性を持つ大型トレーラーを引きたいというユーザーが増えてきて、トレーラーの世界は重厚長大になりつつありますが、しかし前回紹介した「シャレー・アルペン」といい、この「タバート・オフロード」といい、コンパクトトレーラーもけっこう元気です。
発売は、タバートジャパンから。
お値段は、1,880,000円。
「スモールエッグ」の愛称で親しまれているタバートですが、このほど「オフロード」という仕様が登場しました。
『キャンピングカー スーパーガイド 2007』の締め切り直前に入ってきた画像をお見せしましょう。
独特のエッグフォルムと同時に、オレンジ、イエロー、レモンなどといったキャンピングカーとしては珍しい配色で「可愛い!」という声を独り占めしてきたトレーラーですが、この「オフロード」という仕様は、ひと味違います。
色はメタリカルな輝きを放つシルバー。
パンチングメタル調のモダンデザインを身にまとい、足元には純正ヘビーデューティーアルミホイール。
まさに、SF映画にでも出てきそうな、惑星探索車という感じです。
正面から眺めると、ますますその思いを強くします。
火星の荒れ地でも走っていると似合いそうです。
もともと、このタバートというトレーラーは、近未来的な雰囲気もあり、かつレトロな味わいもあり…というユニークなデザインを特徴としているトレーラーです。
全長4.7m。全幅1.98m。
重量590kg。
小型車のヘッドでも十分けん引可能で、それでいて、中は意外と広々。
コの字型のダイネットを囲んで、大人5人が顔を合わせて座ることができます。
就寝定員は3名。
しっかりしたステンレスシンクと2バーナーコンロが付き、40リットルの3ウェイ冷蔵庫に、FFヒーターが標準装備。
コンパクトながら、キャンピングカーとしての骨格は十分。
最近は、けん引免許を取得しても、豊かな居住性を持つ大型トレーラーを引きたいというユーザーが増えてきて、トレーラーの世界は重厚長大になりつつありますが、しかし前回紹介した「シャレー・アルペン」といい、この「タバート・オフロード」といい、コンパクトトレーラーもけっこう元気です。
発売は、タバートジャパンから。
お値段は、1,880,000円。
2007年04月04日
新車レポート22
《シャレー・アルペン》
『キャンピングカーsuperガイド 2007』に収録している車種は、とてもバラエティに富むものになりました。
トレーラーだけでも、ずいぶん新しいタイプのものが登場しています。
たとえば、リトルハウスさんがこのほど導入した「シャレー・アルペン」。
三角屋根なんですね。
可愛いでしょ?

だけど、これがなかなかの実力派です。
室内を見ると、
ほら。
こんなに広々。

最近、このようなタイプのトレーラーには、なかなかお目にかかれませんが、実は、昔導入されていたことがあったんですね。
しかし、その会社が業務をやめてしまったため、とんとご無沙汰。
ほぼ10年ぶりぐらいの復活です。
このトレーラーの特徴は、けん引するときはたたんでしまえるところにあります。
そうなんです。
フォールディング・トレーラーなんですね。
なのに、一般的なフォールディング・トレーラーとは違って、居住部分を立ち上げたとき、周囲がテント地ではなくて、ハードパネルタイプ。断熱性・防寒性に優れているところが特徴です。

で、この周囲のパネルをたたんでしまえば、ヘッドより低くなりますから、けん引時の後方視界が得られます。
幅も2m以下なので、日本の道路事情にもぴったり。
木立の生い茂った林道などにも、これなら分け入っていくことができますので、渓流釣りや登山のベース基地に使うにはもってこい。
重さも590kgと、実にライトです。
とても、可愛い外観なのに、いっちょう前にFFヒーター、大容量ボイラー、3ウェイ冷蔵庫などがしっかり付いています。
兄弟分がいます。
弟のLTW。
4mにも満たないサイズ。それでも、兄貴に負けずにしっかり「トレーラー」をやってます。

お値段は、兄貴のシャレー・アルペンが1,680,000円。
弟のLTWは、1,380,000円。
『キャンピングカーsuperガイド 2007』に収録している車種は、とてもバラエティに富むものになりました。
トレーラーだけでも、ずいぶん新しいタイプのものが登場しています。
たとえば、リトルハウスさんがこのほど導入した「シャレー・アルペン」。
三角屋根なんですね。
可愛いでしょ?
だけど、これがなかなかの実力派です。
室内を見ると、
ほら。
こんなに広々。
最近、このようなタイプのトレーラーには、なかなかお目にかかれませんが、実は、昔導入されていたことがあったんですね。
しかし、その会社が業務をやめてしまったため、とんとご無沙汰。
ほぼ10年ぶりぐらいの復活です。
このトレーラーの特徴は、けん引するときはたたんでしまえるところにあります。
そうなんです。
フォールディング・トレーラーなんですね。
なのに、一般的なフォールディング・トレーラーとは違って、居住部分を立ち上げたとき、周囲がテント地ではなくて、ハードパネルタイプ。断熱性・防寒性に優れているところが特徴です。
で、この周囲のパネルをたたんでしまえば、ヘッドより低くなりますから、けん引時の後方視界が得られます。
幅も2m以下なので、日本の道路事情にもぴったり。
木立の生い茂った林道などにも、これなら分け入っていくことができますので、渓流釣りや登山のベース基地に使うにはもってこい。
重さも590kgと、実にライトです。
とても、可愛い外観なのに、いっちょう前にFFヒーター、大容量ボイラー、3ウェイ冷蔵庫などがしっかり付いています。
兄弟分がいます。
弟のLTW。
4mにも満たないサイズ。それでも、兄貴に負けずにしっかり「トレーラー」をやってます。
お値段は、兄貴のシャレー・アルペンが1,680,000円。
弟のLTWは、1,380,000円。
2007年04月02日
クラスB的生き方
いやぁ、久しぶりに自分のキャンピングカーに乗りました。
『キャンピングカーsuperガイド』の最後の取材で、ボナンザさんの展示場まで出かけてきました。
2ヶ月ぶりぐらいの出動で、バッテリーがヘタっていないかと心配でしたが、ブルルンと調子よく一発で始動。
やっぱクルマっていいですねぇ!
この2ヶ月間、会社の椅子しか座ったことがなかった自分のお尻が、突然違うシートに座ったために、「なんだこれ?」とビックリしている感じです。
タイヤが路面をグリップしている状況が、シートを通じて伝わってくるだけで、もう感激。
スロットルペダルの踏力に応じて反応してくれるエンジン。
ステアリングの切り角に応じて、様々な変化を見せて流れていく風景。
久しぶりに会社を脱出して、クルマを運転してみたけれど、クルマって…いいなぁ!
自分のキャンピングカーに惚れ直しました。その「自動車」の部分に。
で、取材したクルマは、スープリーム2・クラシック。

4キャプテンスタイルの、典型的なアメリカン・クラスBです。

粋ですねぇ。
この感覚。
ヨーロッパ車とはひと味違う、アメリカン・ゴージャスって感じ。
このタイプからリヤエアコンが実現し、リヤルームにいるときの快適性も増しました。

キッチンもなかなか合理的です。
冷蔵庫は88リットルの3ウェイ方式。ツーバーナーコンロに深底シンク。
こちらは、今ではアメリカでも1台だけとなったバンクベッドを持ったクラスBのスープリーム2です。

室内からバンクを見ると、こんな感じ。

正直いって、さすがにクラスCのバンクほど広くありません。大人が上に昇って寝るのは、少しきついものがあります。
しかし、荷物置き場として考えるならば、こんなに容量のある収納スペースを持ったクラスBはほかにないわけですから、やっぱり貴重な1台です。
運転席です。

アメ車ですねぇ!
アメリカでも、クラスBはかつてほど多くは走っていないと聞きます。
やはりダッジラムの生産中止が響いているのかもしれません。ベース車として、なかなかリーズナブルな価格でビルダーにシャシー供給していたクルマでしたからね。
フォードシャシーは堅牢ですけど、ダッジラムより多少高いのが玉にキズ。
それなら「広さ」を取って、やはりクラスCの方が…と考える人々が最近はアメリカでも増えてきたのかもしれませんね。
でも、クラスBには、クラスCにない「粋」ってものがあります。
居住性を比べれば、そりゃ断然クラスCの方が上。
キャンピングカーとしての使い勝手を求めるなら、みなクラスCの方に目が向くのが当たり前でしょう。
しかし、クラスBには「遊び心」があるんですね。
乗用車だって、居住性のいいクルマの方がいいに決まっているけれど、それでもフェラーリを買うお客さんは後を絶たないわけで、クラスBにも同じことがいえそうです。
こういうクルマ、どんな人が乗っていたら似合うでしょうか?
私なんかは、昔『マイアミ・バイス』に出ていたドン・ジョンソンを思い浮かべてしまいます。

Tシャツの上に無造作に白いスーツを羽織り、足元は裸足でスニーカー。
それで、こんなシートに座っていたら、サマになると思いません?

真面目なお父さんは、クラスCで家族サービス。
クラスBというのは、その枠からはみ出してしまうお父さんの乗り物のように思います。
最近「アレキサンダー」を演じたコリン・ファレルで復活した『マイアミ・バイス』ですが、やっぱドン・ジョンソンでしょう!
そんなことを感じながら、ボナンザさんの展示場を後にして会社へ。
とにかく、『キャンピングカーsuperガイド2007』の編集は、このスープリーム2・クラシックが最後の取材となりました。
『キャンピングカーsuperガイド』の最後の取材で、ボナンザさんの展示場まで出かけてきました。
2ヶ月ぶりぐらいの出動で、バッテリーがヘタっていないかと心配でしたが、ブルルンと調子よく一発で始動。
やっぱクルマっていいですねぇ!
この2ヶ月間、会社の椅子しか座ったことがなかった自分のお尻が、突然違うシートに座ったために、「なんだこれ?」とビックリしている感じです。
タイヤが路面をグリップしている状況が、シートを通じて伝わってくるだけで、もう感激。
スロットルペダルの踏力に応じて反応してくれるエンジン。
ステアリングの切り角に応じて、様々な変化を見せて流れていく風景。
久しぶりに会社を脱出して、クルマを運転してみたけれど、クルマって…いいなぁ!
自分のキャンピングカーに惚れ直しました。その「自動車」の部分に。
で、取材したクルマは、スープリーム2・クラシック。
4キャプテンスタイルの、典型的なアメリカン・クラスBです。
粋ですねぇ。
この感覚。
ヨーロッパ車とはひと味違う、アメリカン・ゴージャスって感じ。
このタイプからリヤエアコンが実現し、リヤルームにいるときの快適性も増しました。
キッチンもなかなか合理的です。
冷蔵庫は88リットルの3ウェイ方式。ツーバーナーコンロに深底シンク。
こちらは、今ではアメリカでも1台だけとなったバンクベッドを持ったクラスBのスープリーム2です。
室内からバンクを見ると、こんな感じ。
正直いって、さすがにクラスCのバンクほど広くありません。大人が上に昇って寝るのは、少しきついものがあります。
しかし、荷物置き場として考えるならば、こんなに容量のある収納スペースを持ったクラスBはほかにないわけですから、やっぱり貴重な1台です。
運転席です。
アメ車ですねぇ!
アメリカでも、クラスBはかつてほど多くは走っていないと聞きます。
やはりダッジラムの生産中止が響いているのかもしれません。ベース車として、なかなかリーズナブルな価格でビルダーにシャシー供給していたクルマでしたからね。
フォードシャシーは堅牢ですけど、ダッジラムより多少高いのが玉にキズ。
それなら「広さ」を取って、やはりクラスCの方が…と考える人々が最近はアメリカでも増えてきたのかもしれませんね。
でも、クラスBには、クラスCにない「粋」ってものがあります。
居住性を比べれば、そりゃ断然クラスCの方が上。
キャンピングカーとしての使い勝手を求めるなら、みなクラスCの方に目が向くのが当たり前でしょう。
しかし、クラスBには「遊び心」があるんですね。
乗用車だって、居住性のいいクルマの方がいいに決まっているけれど、それでもフェラーリを買うお客さんは後を絶たないわけで、クラスBにも同じことがいえそうです。
こういうクルマ、どんな人が乗っていたら似合うでしょうか?
私なんかは、昔『マイアミ・バイス』に出ていたドン・ジョンソンを思い浮かべてしまいます。
Tシャツの上に無造作に白いスーツを羽織り、足元は裸足でスニーカー。
それで、こんなシートに座っていたら、サマになると思いません?
真面目なお父さんは、クラスCで家族サービス。
クラスBというのは、その枠からはみ出してしまうお父さんの乗り物のように思います。
最近「アレキサンダー」を演じたコリン・ファレルで復活した『マイアミ・バイス』ですが、やっぱドン・ジョンソンでしょう!
そんなことを感じながら、ボナンザさんの展示場を後にして会社へ。
とにかく、『キャンピングカーsuperガイド2007』の編集は、このスープリーム2・クラシックが最後の取材となりました。
2007年03月16日
新車レポート21
《プレタポルテ》
バンコンで普及しているハイエースのスーパーロングの全長は5.38m。
それを長いと感じる人たちもいます。
そこで脚光を浴びてきたのが、5mを切る小型キャブコン。
AtoZさんのアミティやアミティRRのように、“バンコンより小回りの利くキャブコン”ということで、近年このサイズのキャブコンに人気が集まっています。
アールブィビックフットさんがラインナップに加えたプレタポルテも、そんな1台です。

全長4.6mという小回りの利くサイズを実現しながら、プレタポルテは対面ダイネットとリヤ常設2段ベッドというファミリー向けのキャブコンの基本骨格をしっかりと備えています。
さらに、広い配膳スペースを持つキッチン。40リットル冷蔵庫。TV台も兼ねるシューズボックスなど、実用的な装備がすべて標準になっているところがさすがです。

小さいけれど、いっぱい寝られるよ。
というのが、このクルマの特徴で、バンクベッドの広さは1800×1420㎜。リヤ2段ベッドの広さは、上段1840×700㎜。下段は1840×620㎜。
そしてフロアベッドは1830×1230㎜。
6名家族が安心して寝られるスペースが確保されています。
このクルマ、実は、顧客がある程度好きなレイアウトを望めるようになっているんですね。
この写真のモデルは、「対面ダイネット+リヤ2段ベッド」スタイルですが、このほかにリヤベッドを廃して、トイレルームに変更することもできますし、対面ダイネットを横座りのL字ソファに変えることもできます。

近年小型キャブコンは、ファミリーとシニアカップルの両方から注目されてきています。だからビルダーさんも、その両方のニーズに応える必要性を感じてきているのかもしれませんね。
それにしても、アールブィビックフットさんといえば、バスコンが得意のビルダーさんというイメージがありましたが、ソフィアといい、このプレタポルテといい、キャブコンの品揃えが急に増えました。
あんなにバスが好きな牧瀬社長だったのに…。
面白い時代になりました。
バンコンで普及しているハイエースのスーパーロングの全長は5.38m。
それを長いと感じる人たちもいます。
そこで脚光を浴びてきたのが、5mを切る小型キャブコン。
AtoZさんのアミティやアミティRRのように、“バンコンより小回りの利くキャブコン”ということで、近年このサイズのキャブコンに人気が集まっています。
アールブィビックフットさんがラインナップに加えたプレタポルテも、そんな1台です。
全長4.6mという小回りの利くサイズを実現しながら、プレタポルテは対面ダイネットとリヤ常設2段ベッドというファミリー向けのキャブコンの基本骨格をしっかりと備えています。
さらに、広い配膳スペースを持つキッチン。40リットル冷蔵庫。TV台も兼ねるシューズボックスなど、実用的な装備がすべて標準になっているところがさすがです。
小さいけれど、いっぱい寝られるよ。
というのが、このクルマの特徴で、バンクベッドの広さは1800×1420㎜。リヤ2段ベッドの広さは、上段1840×700㎜。下段は1840×620㎜。
そしてフロアベッドは1830×1230㎜。
6名家族が安心して寝られるスペースが確保されています。
このクルマ、実は、顧客がある程度好きなレイアウトを望めるようになっているんですね。
この写真のモデルは、「対面ダイネット+リヤ2段ベッド」スタイルですが、このほかにリヤベッドを廃して、トイレルームに変更することもできますし、対面ダイネットを横座りのL字ソファに変えることもできます。
近年小型キャブコンは、ファミリーとシニアカップルの両方から注目されてきています。だからビルダーさんも、その両方のニーズに応える必要性を感じてきているのかもしれませんね。
それにしても、アールブィビックフットさんといえば、バスコンが得意のビルダーさんというイメージがありましたが、ソフィアといい、このプレタポルテといい、キャブコンの品揃えが急に増えました。
あんなにバスが好きな牧瀬社長だったのに…。
面白い時代になりました。
2007年03月12日
2007年03月11日
新車レポート19
《キャンバス》
キャンピングカーメーカーだけではなく、最近はディーラーがオリジナルのキャンピングカー製作に励むようになってきました。
もちろん工場があるわけでもなく、技術者がいるわけでもないので、ディーラーが開発するキャンピングカーのほとんどは、実作はメーカーに委託することになります。
しかし、最近はこのディーラー系キャンピングカーが、ビシビシ良いところを突いてくるようになりました。
もともとディーラーは、メーカーよりお客さんに接する度合いが高く、しかも、様々なメーカーの商品を扱っているわけですから、現在どんなクルマが顧客に求められているのか、時代の流れを読むのも巧み。
アンテナ感度の高いディーラーが企画したキャンピングカーは、極めて商品的価値の高いものとなる傾向があります。
前置きが長くなりました。
で、今日は九州のプラムフィールドさんが開発した「キャンバス」をご紹介いたしましょう。

最近の傾向を反映して、これもカップルの2人旅を意識したキャンピングカーです。
しかし、発想がなかなかユニークです。
セカンドシートなどは不要とばかりに、人が座る部分は横座りの二の字シートだけ。これが功を奏して、実に広々とした明るいフロアが実現されています。
さらに二の字シートを配したサロン部分は完全密閉できる間仕切り付き。プライバシーを確保しながら開放感も獲得するという絶妙なレイアウトです。

この間仕切りの奥は、完全な個室となっており、さらに個室の扉がそのままトイレルームのドアを兼ねるという無類に効率のよいレイアウトが実現されています。

天井までフルトリムされた室内は、ホワイトオークを使った明るい家具の効果も加わって、実に温かくて優しい雰囲気をたたえています。
シートの背もたれを兼用するベッドマットを白にして、シート地とのコントラストを強調した配色もお洒落。
実際の製作に当たったのは、バンコンのトップメーカーであるビークルさん。
プラムフィールドの企画力とビークルの技術力が融合した、大人のバンコンができあがっています。
お値段は、3,848,250円から。
キャンピングカーメーカーだけではなく、最近はディーラーがオリジナルのキャンピングカー製作に励むようになってきました。
もちろん工場があるわけでもなく、技術者がいるわけでもないので、ディーラーが開発するキャンピングカーのほとんどは、実作はメーカーに委託することになります。
しかし、最近はこのディーラー系キャンピングカーが、ビシビシ良いところを突いてくるようになりました。
もともとディーラーは、メーカーよりお客さんに接する度合いが高く、しかも、様々なメーカーの商品を扱っているわけですから、現在どんなクルマが顧客に求められているのか、時代の流れを読むのも巧み。
アンテナ感度の高いディーラーが企画したキャンピングカーは、極めて商品的価値の高いものとなる傾向があります。
前置きが長くなりました。
で、今日は九州のプラムフィールドさんが開発した「キャンバス」をご紹介いたしましょう。
最近の傾向を反映して、これもカップルの2人旅を意識したキャンピングカーです。
しかし、発想がなかなかユニークです。
セカンドシートなどは不要とばかりに、人が座る部分は横座りの二の字シートだけ。これが功を奏して、実に広々とした明るいフロアが実現されています。
さらに二の字シートを配したサロン部分は完全密閉できる間仕切り付き。プライバシーを確保しながら開放感も獲得するという絶妙なレイアウトです。
この間仕切りの奥は、完全な個室となっており、さらに個室の扉がそのままトイレルームのドアを兼ねるという無類に効率のよいレイアウトが実現されています。
天井までフルトリムされた室内は、ホワイトオークを使った明るい家具の効果も加わって、実に温かくて優しい雰囲気をたたえています。
シートの背もたれを兼用するベッドマットを白にして、シート地とのコントラストを強調した配色もお洒落。
実際の製作に当たったのは、バンコンのトップメーカーであるビークルさん。
プラムフィールドの企画力とビークルの技術力が融合した、大人のバンコンができあがっています。
お値段は、3,848,250円から。
2007年03月08日
新車レポート18
《スナフキン》
「新車レポート」というには少し前のクルマとなりますが、2007年版の「キャンピングカーsuperガイド」に掲載するクルマとしては新車となります。
実は、さっきガイド用の原稿を書いたばかり。
詳しいレポートはそちらをお読みいただくとして、ここではざっくりとした印象批評をお届けしましょう。

とにかくお洒落なバンコンです。
これはデルタリンクさんのエレキングSKのレイアウトを、そのままハイエース・スーパーロングのボディに移植したモデルですが、ある意味、エレキングSKより衝撃度が高いです。
だって、エントランスから中を覗くと、L型ラウンジとベッドしかないんですから。
キャンピングカーとしてあるべきキッチンはどこに?

しかし、リヤの固定ベッドのマットをめくると、出てくるんですね。
ほら。

まるで、かくれんぼの子供を「みっけ!」の気分です。
「シークレットキッチン」というスタイルなんですね。
…秘密の台所。
なんだか、ワクワクしますね。
何の料理作ってんだろ?
デルタリンクの山田社長から、こういうキャンピングカーを造った理由を聞いてみると、
「キッチンというのは、それがあると料理を作らなければならないという強迫観念が生まれる。だから、それがキャンピングカーを使う人に、深層心理として圧迫感を与えることになる」
という話でした。
キャンピングカー開発には心理学も必要な時代になってきました。
確かに、キッチンが見えないと、「生活臭」というものが消えます。
なるほど。
そういわれてみれば、キッチンが見えないスナフキンは、高級感をたたえたサロンカーのように感じられます。
実際に、このインテリアづくりは上手です。
シート素材の選び方から木工部分の作り方まで一貫したイメージがあって、開発者が何を目指していたのか一目瞭然。
従来のサロンカーというイメージから脱却した、本当の意味での高級で上品なくつろぎの空間が創造されています。
でも、隠れた実力派なんですよ、こいつは。
ベッド下のシークレットキッチンには、冷蔵庫、シンク、電子レンジが隠されており、さらに探っていくと、バンコンではありえないような固定式の40リッター給排水タンクまで隠されているんですね。
サブバッテリーはダブルで、1500wの正弦波インバーター付き。
そのような実力を秘めながら、表面的にはいとも涼しげな顔をさらしているサロンカーって、憎いと思いませんか?
なんだか、不良のふるまいをしている優等生みたいで。
でも、面白いクルマです。
お値段は、4,050,000円から。
「新車レポート」というには少し前のクルマとなりますが、2007年版の「キャンピングカーsuperガイド」に掲載するクルマとしては新車となります。
実は、さっきガイド用の原稿を書いたばかり。
詳しいレポートはそちらをお読みいただくとして、ここではざっくりとした印象批評をお届けしましょう。
とにかくお洒落なバンコンです。
これはデルタリンクさんのエレキングSKのレイアウトを、そのままハイエース・スーパーロングのボディに移植したモデルですが、ある意味、エレキングSKより衝撃度が高いです。
だって、エントランスから中を覗くと、L型ラウンジとベッドしかないんですから。
キャンピングカーとしてあるべきキッチンはどこに?
しかし、リヤの固定ベッドのマットをめくると、出てくるんですね。
ほら。
まるで、かくれんぼの子供を「みっけ!」の気分です。
「シークレットキッチン」というスタイルなんですね。
…秘密の台所。
なんだか、ワクワクしますね。
何の料理作ってんだろ?
デルタリンクの山田社長から、こういうキャンピングカーを造った理由を聞いてみると、
「キッチンというのは、それがあると料理を作らなければならないという強迫観念が生まれる。だから、それがキャンピングカーを使う人に、深層心理として圧迫感を与えることになる」
という話でした。
キャンピングカー開発には心理学も必要な時代になってきました。
確かに、キッチンが見えないと、「生活臭」というものが消えます。
なるほど。
そういわれてみれば、キッチンが見えないスナフキンは、高級感をたたえたサロンカーのように感じられます。
実際に、このインテリアづくりは上手です。
シート素材の選び方から木工部分の作り方まで一貫したイメージがあって、開発者が何を目指していたのか一目瞭然。
従来のサロンカーというイメージから脱却した、本当の意味での高級で上品なくつろぎの空間が創造されています。
でも、隠れた実力派なんですよ、こいつは。
ベッド下のシークレットキッチンには、冷蔵庫、シンク、電子レンジが隠されており、さらに探っていくと、バンコンではありえないような固定式の40リッター給排水タンクまで隠されているんですね。
サブバッテリーはダブルで、1500wの正弦波インバーター付き。
そのような実力を秘めながら、表面的にはいとも涼しげな顔をさらしているサロンカーって、憎いと思いませんか?
なんだか、不良のふるまいをしている優等生みたいで。
でも、面白いクルマです。
お値段は、4,050,000円から。
2007年03月05日
新車レポート17
《KONG コング》
昨日入った最新情報!
またまたニュー軽キャンカーの誕生です。
フィールドライフの「コング」の画像をお送りいたしましょう。

ベース車はマツダのスクラムで、バンベースとワゴンベースの両方が用意されています。
特徴はポップアップルーフ。
軽自動車キャンピングカーとしては、もっとも歴史の古い「トライキャンパー」ゆずりの操作性の良いポップアップルーフが装着されることによって、軽でありながら充分な室内高を確保。豊かな居住性を実現しています。
このポップアップルーフの他に、「トライキャンパーⅡ」に標準となっているエレベーティングルーフを選ぶこともできます。

▲コングポップアップルーフ ▲エレベーティングルーフ
片ヒンジで斜めにルーフが持ち上がっていくポップアップルーフ。
天井が、上下左右とも水平に持ち上がるエレベーティングルーフ。
天井高を確保するなら、ポップアップルーフが有利かもしれません。
ルーフテント感覚で、子供なら2人、大人なら1人がルーフベッドで寝ることができます。
しかし、車内を生活空間と考えると、フロント側もリヤ側も均等にヘッドクリアランスが取れるエレベーティングルーフの方が、気分的に落ち着くかもしれません。
でも、基本的には、ルーフベッドは荷物置き場として割り切ってしまう方が、気楽に使えるクルマです。
コングには、フロアベッドだけでも、ホラ、こんなに広々したベッドスペースが確保されていますから、大人2人が気楽に寝るなら、フロアだけでも充分です。

▲フロアベッド ▲ルーフベッド
シンクも搭載されて、8ナンバー登録。
立派なキャンピングカーです。

▲シンク ▲助手席を倒すとテーブルに
ベッドメイクした状態で、簡易テーブルとキッチンの天板を利用すれば、見事に「お座敷」と「ちゃぶ台」が誕生。
また、助手席の背もたれを前に倒すと、そこにも簡易テーブルが。
さすがに軽キャンカーの老舗らしい、堂にいった工夫が見られます。
バンコンタイプの軽キャンカーなら、さすがにフィールドライフさんの本領発揮というところ。
軽自動車のキャンピングカーは、一見シンプルに見えますが、小さいだけに、ミリ単位の細かい調整が要求されます。
造り慣れているところの軽キャンカーは、その使い勝手の微妙な部分への熟慮がゆき届き、大きなアドバンテージを発揮します。
サブバッテリー(85A)、走行充電システム、DCコンセントなど電装関係もしっかり標準装備されて、お値段は税込み2,435,600円(予価)から。
昨日入った最新情報!
またまたニュー軽キャンカーの誕生です。
フィールドライフの「コング」の画像をお送りいたしましょう。
ベース車はマツダのスクラムで、バンベースとワゴンベースの両方が用意されています。
特徴はポップアップルーフ。
軽自動車キャンピングカーとしては、もっとも歴史の古い「トライキャンパー」ゆずりの操作性の良いポップアップルーフが装着されることによって、軽でありながら充分な室内高を確保。豊かな居住性を実現しています。
このポップアップルーフの他に、「トライキャンパーⅡ」に標準となっているエレベーティングルーフを選ぶこともできます。
▲コングポップアップルーフ ▲エレベーティングルーフ
片ヒンジで斜めにルーフが持ち上がっていくポップアップルーフ。
天井が、上下左右とも水平に持ち上がるエレベーティングルーフ。
天井高を確保するなら、ポップアップルーフが有利かもしれません。
ルーフテント感覚で、子供なら2人、大人なら1人がルーフベッドで寝ることができます。
しかし、車内を生活空間と考えると、フロント側もリヤ側も均等にヘッドクリアランスが取れるエレベーティングルーフの方が、気分的に落ち着くかもしれません。
でも、基本的には、ルーフベッドは荷物置き場として割り切ってしまう方が、気楽に使えるクルマです。
コングには、フロアベッドだけでも、ホラ、こんなに広々したベッドスペースが確保されていますから、大人2人が気楽に寝るなら、フロアだけでも充分です。
▲フロアベッド ▲ルーフベッド
シンクも搭載されて、8ナンバー登録。
立派なキャンピングカーです。
▲シンク ▲助手席を倒すとテーブルに
ベッドメイクした状態で、簡易テーブルとキッチンの天板を利用すれば、見事に「お座敷」と「ちゃぶ台」が誕生。
また、助手席の背もたれを前に倒すと、そこにも簡易テーブルが。
さすがに軽キャンカーの老舗らしい、堂にいった工夫が見られます。
バンコンタイプの軽キャンカーなら、さすがにフィールドライフさんの本領発揮というところ。
軽自動車のキャンピングカーは、一見シンプルに見えますが、小さいだけに、ミリ単位の細かい調整が要求されます。
造り慣れているところの軽キャンカーは、その使い勝手の微妙な部分への熟慮がゆき届き、大きなアドバンテージを発揮します。
サブバッテリー(85A)、走行充電システム、DCコンセントなど電装関係もしっかり標準装備されて、お値段は税込み2,435,600円(予価)から。
2007年03月04日
今年の傾向を語る
《覆面 座談会 今年のキャンピングカーの傾向を語る》
【A】 幕張ショーと名古屋のショーという二つの大きなイベントが終わって、まだ大阪のショーがあるけれど、今年のキャンピングカーの傾向がおよそはっきりしてきたと思うんだ。
みんなどういう印象を持った?
【B】 なんか変わってきたね。クルマも変わったし、お客さんも変わってきた。新しい時代に入ったという感じがするな。
【C】 どういうこと?

【B】 「キャンピングカー元年」という感じがするんだ。今年は、ホラ、日本RV協会さんが「キャンピングカー白書」というのを出したでしょ。それで初めてキャンピングカー産業の規模だとか、ユーザーの動向というのが、はっきりと表に出てきたよね。
つまり、業界もユーザーも、キャンピングカーという存在を社会に認知してもらおうという意欲みたいなものがフツフツとたぎっている感じがする。
だって、ショー自体に熱気がこもっているもの。
【C】 それは、ビルダーさんや販社さんたちもみな感じとっているみたいだね。なんかいつもよりお客さんの手応えが違うって。
【A】 やっぱり団塊の世代を中心に、キャンピングカーを軸に据えたライフスタイルというものを考え始めた人たちが出てきたのかしら。
【C】 あ、それはある。
【B】 日経新聞なども、中高年のキャンピングカーライフをテーマにした記事をどんどん掲げるようになったしね。
【A】 幕張ショーの会場でさ、「オートキャンパー」誌で連載を持っている塩澤さんがトークをやっていたわけ。「初心者のためのキャンピングカーライフ」というテーマで。
それを聞いていた人たちが、見事にみんな中高年なわけよ。で、びっくりするくらい、真剣に聞いているの。
塩澤さんが語っていることは、ある意味では、ベテランユーザーなら知っているようなことなんだけど、聞いている人たちは、すごく新鮮な面持ちでうなづいているわけ。
はっきりと、これから買おうとしている人たちなんだな、ってすぐ分かるんだよ。

【A】 そういう流れをつくってきたきっかけの一つに「軽キャンカーブーム」というのがあるよね。
今までキャンピングカーショップに来たこともないような感じの人たちが、「軽自動車のキャンピングカーありますか?」と訪ねてくるそうじゃない? マスコミの力もあるんだろうけれど。
【B】 なかには、軽キャンカーを見るために訪れて、軽以外のキャンピングカーの存在を知って、びっくりする人もいるとか。
商談中に、軽キャンカーはやはり室内が狭いことを知って、それよりは一回り大きい普通車の小型キャンピングカーを求める人も出てきているらしいね。

【C】 軽キャンカーというのは、また若者の心も捉えたよね。今の軽キャンカーの購買層は、そのスペース的な限界もあって、子育ての終わったシニア夫婦が中心になっているけれど、若い人もけっこう注目しているよね。
【A】 彼らにとっては、ファッショナブルな遊びのアイテムなんだろうな。いわば大きなオモチャ。
乗車定員だって、4名から5名取っているものあるし、仲間とドライブするにも十分。
単なる軽自動車では“貧乏くさい”と思われるのではないかと気にしていた若者も、これなら逆に話題づくりになるし、女性から「可愛い!」と認められる率も高くなる。
【C】 軽キャンカーってさ、キャンピングカーのヘビーユーザーからは、収納スペースの少なさが致命的と言われてきたじゃない?
だけど、軽キャンカーの存在を認めた新しい顧客層からすれば、キャンプを楽しむためのクルマではないのだから、荷物をそんなに多く積むスペースがなくてもいいわけ。
逆に、「キャンプに使わなくてもいい」という気軽さが、キャンピングカーという言葉に重々しさを感じていた人々の心を軽くしたようなところがあるよね。
【B】 そういう意味で、軽キャンカーは、今までのキャンピングカーというジャンルを超えた新しい「遊びグルマ」のカテゴリーをつくった感じもするな。
【A】 しかし、軽キャンカー以外のクルマも充実してきたよね。ルーツとか、ボーダーといった、バスシャシーを使ってキャブコンのコンセプトを打ち出したクルマもどんどん登場するようになった。
一方では、アミティやマンボウのような小型キャブコンも元気がいい。
みんなやる気満々だよ。
【B】 ハンドメイドで自作キャンピングカーをつくる風潮も復活してきているんだってね。パーツ屋さんを訪れる人も増えているらしいよ。
【A】 それに負けないように、プロも頑張っているよね。
【C】 そう。プロでしか実現できない「ブランド」というものを意識的に追求してきたメーカーが増えてきた感じがする。
アネックスのネビュラのように、専門のデザイナーに、広告まで含めたトータルコンセプトを依頼するようなメーカーも出てくるなんて、昔では考えられなかったもの。
技術開発力が伯仲してくると、次は価格競争の時代に入るんだけど、そこからまた一歩抜け出して、今は「ブランド」として勝負するという時代に入りつつある感じがするね。
【B】 そうね。みんな、他のメーカーには出せない独自の「味」を追求するようになってきたよな。
【A】 この業界も成熟してきたんだよ。
【C】 中国のような製作コストの安い国でキャンピングカーを造っているメーカーが、その押えたコストをクオリティアップの方に向けてきたってことは、ちょっと注目していいかもしれないね。
【A】 そう。価格競争の時代には、低コストで仕上げたものを安く売るということが意味を持っていたけれど、今はただ安いだけじゃ売れなくなってきているものね。
だから、押えたコストで何を実現するかということに主眼が移ってきている。あるメーカーは、それを家具等の質感向上に振り向けているし、別のメーカーは安全性の追求に充てている。装備内容の充実を図っているところもあるしね。
【町田】 いよいよ、この産業も成熟期を迎えてきたということなんだよな。
【A】 あれ、目を覚ましちゃったんですか? 徹夜明けなんだから、寝ててもいいのに。
【町田】 オマエらがうるさくて寝てられねぇよ。勝手にナニ喋ってんだか、不安だし。
【B】 各メーカーがブランドというものを意識してきたっていう話をしていたんですよ。
【町田】 それを成熟っていうんだよな。
【B】 成熟の話はさっき出たんですけど。
【町田】 そうなの? でも、それには軽キャンカーブームの力もあるよ。
【C】 その話も、出たんですけど。
【町田】 ションベンしたら、また寝ろってか?
【A】 そうしてください。まだ冬眠から覚める季節じゃないですから。
【町田】 俺はクマかよ。
【A】 幕張ショーと名古屋のショーという二つの大きなイベントが終わって、まだ大阪のショーがあるけれど、今年のキャンピングカーの傾向がおよそはっきりしてきたと思うんだ。
みんなどういう印象を持った?
【B】 なんか変わってきたね。クルマも変わったし、お客さんも変わってきた。新しい時代に入ったという感じがするな。
【C】 どういうこと?
【B】 「キャンピングカー元年」という感じがするんだ。今年は、ホラ、日本RV協会さんが「キャンピングカー白書」というのを出したでしょ。それで初めてキャンピングカー産業の規模だとか、ユーザーの動向というのが、はっきりと表に出てきたよね。
つまり、業界もユーザーも、キャンピングカーという存在を社会に認知してもらおうという意欲みたいなものがフツフツとたぎっている感じがする。
だって、ショー自体に熱気がこもっているもの。
【C】 それは、ビルダーさんや販社さんたちもみな感じとっているみたいだね。なんかいつもよりお客さんの手応えが違うって。
【A】 やっぱり団塊の世代を中心に、キャンピングカーを軸に据えたライフスタイルというものを考え始めた人たちが出てきたのかしら。
【C】 あ、それはある。
【B】 日経新聞なども、中高年のキャンピングカーライフをテーマにした記事をどんどん掲げるようになったしね。
【A】 幕張ショーの会場でさ、「オートキャンパー」誌で連載を持っている塩澤さんがトークをやっていたわけ。「初心者のためのキャンピングカーライフ」というテーマで。
それを聞いていた人たちが、見事にみんな中高年なわけよ。で、びっくりするくらい、真剣に聞いているの。
塩澤さんが語っていることは、ある意味では、ベテランユーザーなら知っているようなことなんだけど、聞いている人たちは、すごく新鮮な面持ちでうなづいているわけ。
はっきりと、これから買おうとしている人たちなんだな、ってすぐ分かるんだよ。
【A】 そういう流れをつくってきたきっかけの一つに「軽キャンカーブーム」というのがあるよね。
今までキャンピングカーショップに来たこともないような感じの人たちが、「軽自動車のキャンピングカーありますか?」と訪ねてくるそうじゃない? マスコミの力もあるんだろうけれど。
【B】 なかには、軽キャンカーを見るために訪れて、軽以外のキャンピングカーの存在を知って、びっくりする人もいるとか。
商談中に、軽キャンカーはやはり室内が狭いことを知って、それよりは一回り大きい普通車の小型キャンピングカーを求める人も出てきているらしいね。
【C】 軽キャンカーというのは、また若者の心も捉えたよね。今の軽キャンカーの購買層は、そのスペース的な限界もあって、子育ての終わったシニア夫婦が中心になっているけれど、若い人もけっこう注目しているよね。
【A】 彼らにとっては、ファッショナブルな遊びのアイテムなんだろうな。いわば大きなオモチャ。
乗車定員だって、4名から5名取っているものあるし、仲間とドライブするにも十分。
単なる軽自動車では“貧乏くさい”と思われるのではないかと気にしていた若者も、これなら逆に話題づくりになるし、女性から「可愛い!」と認められる率も高くなる。
【C】 軽キャンカーってさ、キャンピングカーのヘビーユーザーからは、収納スペースの少なさが致命的と言われてきたじゃない?
だけど、軽キャンカーの存在を認めた新しい顧客層からすれば、キャンプを楽しむためのクルマではないのだから、荷物をそんなに多く積むスペースがなくてもいいわけ。
逆に、「キャンプに使わなくてもいい」という気軽さが、キャンピングカーという言葉に重々しさを感じていた人々の心を軽くしたようなところがあるよね。
【B】 そういう意味で、軽キャンカーは、今までのキャンピングカーというジャンルを超えた新しい「遊びグルマ」のカテゴリーをつくった感じもするな。
【A】 しかし、軽キャンカー以外のクルマも充実してきたよね。ルーツとか、ボーダーといった、バスシャシーを使ってキャブコンのコンセプトを打ち出したクルマもどんどん登場するようになった。
一方では、アミティやマンボウのような小型キャブコンも元気がいい。
みんなやる気満々だよ。
【B】 ハンドメイドで自作キャンピングカーをつくる風潮も復活してきているんだってね。パーツ屋さんを訪れる人も増えているらしいよ。
【A】 それに負けないように、プロも頑張っているよね。
【C】 そう。プロでしか実現できない「ブランド」というものを意識的に追求してきたメーカーが増えてきた感じがする。
アネックスのネビュラのように、専門のデザイナーに、広告まで含めたトータルコンセプトを依頼するようなメーカーも出てくるなんて、昔では考えられなかったもの。
技術開発力が伯仲してくると、次は価格競争の時代に入るんだけど、そこからまた一歩抜け出して、今は「ブランド」として勝負するという時代に入りつつある感じがするね。
【B】 そうね。みんな、他のメーカーには出せない独自の「味」を追求するようになってきたよな。
【A】 この業界も成熟してきたんだよ。
【C】 中国のような製作コストの安い国でキャンピングカーを造っているメーカーが、その押えたコストをクオリティアップの方に向けてきたってことは、ちょっと注目していいかもしれないね。
【A】 そう。価格競争の時代には、低コストで仕上げたものを安く売るということが意味を持っていたけれど、今はただ安いだけじゃ売れなくなってきているものね。
だから、押えたコストで何を実現するかということに主眼が移ってきている。あるメーカーは、それを家具等の質感向上に振り向けているし、別のメーカーは安全性の追求に充てている。装備内容の充実を図っているところもあるしね。
【町田】 いよいよ、この産業も成熟期を迎えてきたということなんだよな。
【A】 あれ、目を覚ましちゃったんですか? 徹夜明けなんだから、寝ててもいいのに。
【町田】 オマエらがうるさくて寝てられねぇよ。勝手にナニ喋ってんだか、不安だし。
【B】 各メーカーがブランドというものを意識してきたっていう話をしていたんですよ。
【町田】 それを成熟っていうんだよな。
【B】 成熟の話はさっき出たんですけど。
【町田】 そうなの? でも、それには軽キャンカーブームの力もあるよ。
【C】 その話も、出たんですけど。
【町田】 ションベンしたら、また寝ろってか?
【A】 そうしてください。まだ冬眠から覚める季節じゃないですから。
【町田】 俺はクマかよ。
2007年03月03日
新車レポート16
《コーチメン・ミラダ300QB》
アメ車です! ドーンと後ろまで伸びていく長さと、室内の圧倒的な広さで、アメリカンモーターホームにかなうキャンピングカーはありません。

▲ミラダ外装 ▲運転席
コーチメン・ミラダ300QB。
全長9.65m。
全幅2.46m。
実に小さなクルマです。
え? っと思った方。
「日本の常識は、アメリカの非常識」です。
このような小柄なクラスAだからこそ、やっと日本に導入することができたんですね。
ご存知の方は多いと思いますが、日本の道路では、全幅2.5mを超えるクルマは、許可なく公道を走ることができません。
ところが、大型化の進んだアメリカのモーターホームは、いま2.6m幅が主流。
日本に導入しても、走れないものがほとんどになってしまいました。
だからこそ、横幅が2.5m内に収まっているこのミラダは、日本にとってはとても貴重な1台です。

▲リビング ▲キッチン
アメリカのコーチメン社では、このミラダ300QBを、モーターホームの入門者用車両と位置付けています。
ナローボディだから取りまわしは楽だし、価格も安い。
「モーターホームって、すぐには慣れそうもないな」
という初心者はアメリカ人でもいるらしく、そうなると、このくらいが手頃な大きさなんですね。
そういうクルマであったればこそ、日本人にも本場モノのクラスAが手に入るわけで、これはラッキー!
しかし、やっぱり全長9.6mって、大きいですか?
その長さだけでも、軽キャンカーが3台くらい並びますものね。
でも、その大きさがあるからこそ、「家と同じ機能と快適さ」が、そのまま目的地までついて来ます。

▲ダイネット ▲シャワー室
海辺の駐車場などに止めれば、そこからどんな夕陽が眺められるか。
その場所に家を新築して、テラスの窓を開けたような気分になるかもしれません。
4kW発電機、ルーフエアコン、電子レンジ、ガスオーブン、FFヒーター、温水ボイラーなどすべて標準。
冷蔵庫は、178リットル。清水タンクは283リットル。
これだけの装備が付いていれば、車内で本格的な料理を作って味わい、シャワーをゆっくりと浴び、後はテレビや音楽やDVDを楽しむなんてことも、たとえ夕飯を食べた後でも「朝飯前」。
アメ車は、快適装備がな~んでもありなんです!

レイアウトも実に贅沢です。
エントランスから入ると、まずゆったりしたロングソファーとラウンジチェアが迎え入れてくれます。
ここはいわば応接間。
ダイネットは家族4人がくつろげる憩いの場。
シャワー室とトイレがそれぞれ独立したコンパートメントを形成しています。
その後ろがクイーンベッドを備えた寝室。左右のどちらかもベッドに上がれる贅沢なアイランドベッドです。
いやぁ、家を買うか、ミラダを買うか。
価格は、12,230,000円。
真剣に考えてしまう人もいるかもしれません。
アメリカのリタイヤ夫婦は、自分の家を売った替わりに、豪華モーターホームを買い込み、後は、旅して余生を送るのだそうです。
問い合わせは、ドリームアイランド千葉(サポート)さんへ。
アメ車です! ドーンと後ろまで伸びていく長さと、室内の圧倒的な広さで、アメリカンモーターホームにかなうキャンピングカーはありません。
▲ミラダ外装 ▲運転席
コーチメン・ミラダ300QB。
全長9.65m。
全幅2.46m。
実に小さなクルマです。
え? っと思った方。
「日本の常識は、アメリカの非常識」です。
このような小柄なクラスAだからこそ、やっと日本に導入することができたんですね。
ご存知の方は多いと思いますが、日本の道路では、全幅2.5mを超えるクルマは、許可なく公道を走ることができません。
ところが、大型化の進んだアメリカのモーターホームは、いま2.6m幅が主流。
日本に導入しても、走れないものがほとんどになってしまいました。
だからこそ、横幅が2.5m内に収まっているこのミラダは、日本にとってはとても貴重な1台です。
▲リビング ▲キッチン
アメリカのコーチメン社では、このミラダ300QBを、モーターホームの入門者用車両と位置付けています。
ナローボディだから取りまわしは楽だし、価格も安い。
「モーターホームって、すぐには慣れそうもないな」
という初心者はアメリカ人でもいるらしく、そうなると、このくらいが手頃な大きさなんですね。
そういうクルマであったればこそ、日本人にも本場モノのクラスAが手に入るわけで、これはラッキー!
しかし、やっぱり全長9.6mって、大きいですか?
その長さだけでも、軽キャンカーが3台くらい並びますものね。
でも、その大きさがあるからこそ、「家と同じ機能と快適さ」が、そのまま目的地までついて来ます。
▲ダイネット ▲シャワー室
海辺の駐車場などに止めれば、そこからどんな夕陽が眺められるか。
その場所に家を新築して、テラスの窓を開けたような気分になるかもしれません。
4kW発電機、ルーフエアコン、電子レンジ、ガスオーブン、FFヒーター、温水ボイラーなどすべて標準。
冷蔵庫は、178リットル。清水タンクは283リットル。
これだけの装備が付いていれば、車内で本格的な料理を作って味わい、シャワーをゆっくりと浴び、後はテレビや音楽やDVDを楽しむなんてことも、たとえ夕飯を食べた後でも「朝飯前」。
アメ車は、快適装備がな~んでもありなんです!
レイアウトも実に贅沢です。
エントランスから入ると、まずゆったりしたロングソファーとラウンジチェアが迎え入れてくれます。
ここはいわば応接間。
ダイネットは家族4人がくつろげる憩いの場。
シャワー室とトイレがそれぞれ独立したコンパートメントを形成しています。
その後ろがクイーンベッドを備えた寝室。左右のどちらかもベッドに上がれる贅沢なアイランドベッドです。
いやぁ、家を買うか、ミラダを買うか。
価格は、12,230,000円。
真剣に考えてしまう人もいるかもしれません。
アメリカのリタイヤ夫婦は、自分の家を売った替わりに、豪華モーターホームを買い込み、後は、旅して余生を送るのだそうです。
問い合わせは、ドリームアイランド千葉(サポート)さんへ。
2007年03月02日
新車レポート15
《MANBOW Jr. マンボウジュニア》
軽キャンカーの勢いはとどまるところを知らず。
この春、ロータスRV販売さんより、また新しい軽自動車キャンピングカーがデビューしました。
その名は「マンボウJr.」。
FRPボディで身を包んだ、本格的なキャブコン型の軽キャンカーです。

しかし、どこかで見たようなシルエット…
と思う方も、いらっしゃるかもしれませんね。
そうです。これは、このブログでも紹介したことのあるゼックさんの「ジャストK3」のOEMとなります。

ただし、搭載装備などには多少の変更があります。
ジャストK3ではオプション設定となっていた脱着式シート、サブバッテリー走行充電システム、運転席・助手席ワゴンシート(張り替え)などが、マンボウJr.では標準に。
そのため、若干価格が変わって、
ジャストK3 2,299,150円(2WD・5MT)
マンボウJr. 2,692,350円(2WD・5MT)
となります。
それにしても、OEMとはいえ、マンボウJr.が参入することによって、ラ・クーンの独壇場だった軽自動車のバンク付きキャブコン分野にも、一気に3台がひしめくようになりました。
ラ・クーンと、マンボウJr.の違いは、バンク部の形状にあります。
ラ・クーンは、見た目もまさにキャブコンの王道を行く「クラスC」スタイル。バンクが前方に張り出している分、車内の荷室空間に余裕が生まれます。

▲ラ・クーン ▲マンボウJr.のバンク内
一方、マンボウJr.は、同じキャブコンながら、このバンク部を低く設定した“ロープロファイル”スタイルです。その分、バンク部の室内容量は、若干ラ・クーンに劣るかもしれません。
しかし、走行中の空気抵抗が少ないため、走りの安定感では、逆にマンボウの方が有利といえるでしょう。
ま、このへんの評価は、お客さんの好みによって分かれますね。
マンボウJr.の維持費などはどうなっているのでしょうか。
このクルマの場合は、ベース車は軽なのですが、サイズが軽自動車の枠には収まらないため、普通車の8ナンバー登録となります。
したがって、「軽キャンカー」とはいえ、税金などは、軽の規格内に納まっているキャンピングカーほどは安くありません。
ロータスRV販売さんには、「ekキャンプ」という軽自動車の規格を満たしたキャンピングカーもありますので、自動車税や重量税などを比べてみるとよく分かります。
自動車税(1年) 重量税(2年)
ekキャンプ 4,000円 8,800円
マンボウJr. 23,600円 25,200円
このように、バンク付きの軽自動車キャブコンは、税金面では軽枠内に収まったキャンカーより高くつきます。
しかし、それを補って余りあるメリットもあります。
たとえば、いつでも車内で立って歩ける室内高が確保されていますし、ハードシェルに被われているため、断熱性においては、やはり有利。
それに、普通車枠になったとはいえ、トータル的なランニングコストとなれば、2リッタークラスの乗用車などに比べると相当リーズナブルです。
ところで、ラ・クーンを開発したAZ-MAXさんも、この春には、軽自動車の規格内に納まる新しい軽キャンカーも開発中とか。
軽キャンカーは、どうやら「ブーム」から「ニーズ」へ。
キャンピングカーの重要なジャンルとして、しっかりと市民権を確立してきた感じがいたします。
軽キャンカーの勢いはとどまるところを知らず。
この春、ロータスRV販売さんより、また新しい軽自動車キャンピングカーがデビューしました。
その名は「マンボウJr.」。
FRPボディで身を包んだ、本格的なキャブコン型の軽キャンカーです。
しかし、どこかで見たようなシルエット…
と思う方も、いらっしゃるかもしれませんね。
そうです。これは、このブログでも紹介したことのあるゼックさんの「ジャストK3」のOEMとなります。
ただし、搭載装備などには多少の変更があります。
ジャストK3ではオプション設定となっていた脱着式シート、サブバッテリー走行充電システム、運転席・助手席ワゴンシート(張り替え)などが、マンボウJr.では標準に。
そのため、若干価格が変わって、
ジャストK3 2,299,150円(2WD・5MT)
マンボウJr. 2,692,350円(2WD・5MT)
となります。
それにしても、OEMとはいえ、マンボウJr.が参入することによって、ラ・クーンの独壇場だった軽自動車のバンク付きキャブコン分野にも、一気に3台がひしめくようになりました。
ラ・クーンと、マンボウJr.の違いは、バンク部の形状にあります。
ラ・クーンは、見た目もまさにキャブコンの王道を行く「クラスC」スタイル。バンクが前方に張り出している分、車内の荷室空間に余裕が生まれます。
▲ラ・クーン ▲マンボウJr.のバンク内
一方、マンボウJr.は、同じキャブコンながら、このバンク部を低く設定した“ロープロファイル”スタイルです。その分、バンク部の室内容量は、若干ラ・クーンに劣るかもしれません。
しかし、走行中の空気抵抗が少ないため、走りの安定感では、逆にマンボウの方が有利といえるでしょう。
ま、このへんの評価は、お客さんの好みによって分かれますね。
マンボウJr.の維持費などはどうなっているのでしょうか。
このクルマの場合は、ベース車は軽なのですが、サイズが軽自動車の枠には収まらないため、普通車の8ナンバー登録となります。
したがって、「軽キャンカー」とはいえ、税金などは、軽の規格内に納まっているキャンピングカーほどは安くありません。
ロータスRV販売さんには、「ekキャンプ」という軽自動車の規格を満たしたキャンピングカーもありますので、自動車税や重量税などを比べてみるとよく分かります。
自動車税(1年) 重量税(2年)
ekキャンプ 4,000円 8,800円
マンボウJr. 23,600円 25,200円
このように、バンク付きの軽自動車キャブコンは、税金面では軽枠内に収まったキャンカーより高くつきます。
しかし、それを補って余りあるメリットもあります。
たとえば、いつでも車内で立って歩ける室内高が確保されていますし、ハードシェルに被われているため、断熱性においては、やはり有利。
それに、普通車枠になったとはいえ、トータル的なランニングコストとなれば、2リッタークラスの乗用車などに比べると相当リーズナブルです。
ところで、ラ・クーンを開発したAZ-MAXさんも、この春には、軽自動車の規格内に納まる新しい軽キャンカーも開発中とか。
軽キャンカーは、どうやら「ブーム」から「ニーズ」へ。
キャンピングカーの重要なジャンルとして、しっかりと市民権を確立してきた感じがいたします。
2007年02月28日
新車レポート14
《パタゴニア》
ここに紹介する「パタゴニア」は、国産キャブコンでも超ホットな最新作。キャンピングカーランドさんの中国・大連工場から出てきたばかりの、湯気が立っているような新車です。
ベースは、ハイエース・ロングワゴン。
それをボディカットしてキャブコンに仕立てたもので、「セレンゲティ」の兄弟車にあたります。

▲パタゴニア外装 ▲ゆったりしたラウンジ
セレンゲティとは、どう違うのか。
まず、ボディ長が延長されて5.25mとなりました。4.99mに収まったセレンゲティに比べると、室内空間に余裕が生まれたことが分かります。
エントランスドアも、リヤに設けられました。
それによって、ゆとりのあるサイドソファが設定されています。
このサイドソファと、セカンドシート&サードシートを組み合わせることによって、コの字型サロンを実現しているところが、このキャブコンの特徴です。
このレイアウトなら、大勢のゲストを招いてパーティをやることもできますし、2人旅の場合なら、家庭にいるときと同じようなくつろぎが得られます。
サイドソファというのが、実は“魔法の家具”なんですね。
これがあれば、仕分けする前のちょっとした荷物を置いたり、着替えを置いたりすることができるので、とても便利です。(私が乗っているのも、サイドソファ付きのクルマなので、これは保証できます!)
セレンゲティにも、横向き単座シートがあるのですが、パタゴニアのシートの方がシート長があるだけ、使い勝手は広がっています。
もうひとつ見落とせない特徴に、シートの座り心地の良さがあります。
素材に、低反発ウレタンが使われているんですね。
座ったときのお尻のホールド感が絶妙。
さらに、ベッドメイクしたときの寝心地も、実にいい感じです。
▲バンクベッド ▲フリールーム
乗り味は、ワゴンベースだけあって、しなやかです。
ボディカットした上で、構造力学に裏づけされたスペースフレームで補強されていますので、安全性も保証済み。
ファーストカスタムのCGシリーズと同様の工法ですから、剛性もしっかり確保されています。
凝っているのは家具です。
少しでも軽くするために、家具板などは中抜き構造になっています。
つまり、外板と外板の間に、建築資材の発泡スチレンをサンドイッチして、強度を出しながら軽量化が追求されました。
ルーフには、内側にもFRPの型を起こしたインナーが張られ、アウターとインナーの2重構造になっています。それによって、断熱性が確保されるとともに、天井の成形も美しくまとまって、質感の高いインテリアが実現されました。
2重になったFRPルーフの間には、実に贅沢な遮熱・防寒対策が施されています。なんでも、極寒の海を潜るダイバー用スーツ生地と同等の素材が使われているとか。
そういう目に見えない部分に対する開発者のこだわりも、やはり見逃すことはできません。
セレンゲティ同様、サードシートには本格的な3点式シートベルトが設定されています。チャイルドシートの装着を考えている人には朗報ですね。
もちろん、3点式シートベルトを設定するとなると、シートベルトの取り付け強度も計算しなければならないでしょうし、当然、取り付けのためのフレームの補強が前提となります。
このへん、もう自動車メーカーの仕事に域に達していますね。かなり細かいところまで気配りの行き届いたクルマです。

▲3点式シートベルトも ▲シューズボックス
パタゴニアとは、南アメリカ大陸の南端にある土地の名前です。
強い風と、荒涼とした氷河が有名で、「地図にも載っていない遠隔地」として、各国の冒険家の憧れの地となっています。
キャンピングカーの旅を豊かなイメージでくるんでくれる、とても良いネーミングです。
お値段は、税込み5,775,000円(2WD・AT)から。
ここに紹介する「パタゴニア」は、国産キャブコンでも超ホットな最新作。キャンピングカーランドさんの中国・大連工場から出てきたばかりの、湯気が立っているような新車です。
ベースは、ハイエース・ロングワゴン。
それをボディカットしてキャブコンに仕立てたもので、「セレンゲティ」の兄弟車にあたります。
▲パタゴニア外装 ▲ゆったりしたラウンジ
セレンゲティとは、どう違うのか。
まず、ボディ長が延長されて5.25mとなりました。4.99mに収まったセレンゲティに比べると、室内空間に余裕が生まれたことが分かります。
エントランスドアも、リヤに設けられました。
それによって、ゆとりのあるサイドソファが設定されています。
このサイドソファと、セカンドシート&サードシートを組み合わせることによって、コの字型サロンを実現しているところが、このキャブコンの特徴です。
このレイアウトなら、大勢のゲストを招いてパーティをやることもできますし、2人旅の場合なら、家庭にいるときと同じようなくつろぎが得られます。
サイドソファというのが、実は“魔法の家具”なんですね。
これがあれば、仕分けする前のちょっとした荷物を置いたり、着替えを置いたりすることができるので、とても便利です。(私が乗っているのも、サイドソファ付きのクルマなので、これは保証できます!)
セレンゲティにも、横向き単座シートがあるのですが、パタゴニアのシートの方がシート長があるだけ、使い勝手は広がっています。
もうひとつ見落とせない特徴に、シートの座り心地の良さがあります。
素材に、低反発ウレタンが使われているんですね。
座ったときのお尻のホールド感が絶妙。
さらに、ベッドメイクしたときの寝心地も、実にいい感じです。
▲バンクベッド ▲フリールーム
乗り味は、ワゴンベースだけあって、しなやかです。
ボディカットした上で、構造力学に裏づけされたスペースフレームで補強されていますので、安全性も保証済み。
ファーストカスタムのCGシリーズと同様の工法ですから、剛性もしっかり確保されています。
凝っているのは家具です。
少しでも軽くするために、家具板などは中抜き構造になっています。
つまり、外板と外板の間に、建築資材の発泡スチレンをサンドイッチして、強度を出しながら軽量化が追求されました。
ルーフには、内側にもFRPの型を起こしたインナーが張られ、アウターとインナーの2重構造になっています。それによって、断熱性が確保されるとともに、天井の成形も美しくまとまって、質感の高いインテリアが実現されました。
2重になったFRPルーフの間には、実に贅沢な遮熱・防寒対策が施されています。なんでも、極寒の海を潜るダイバー用スーツ生地と同等の素材が使われているとか。
そういう目に見えない部分に対する開発者のこだわりも、やはり見逃すことはできません。
セレンゲティ同様、サードシートには本格的な3点式シートベルトが設定されています。チャイルドシートの装着を考えている人には朗報ですね。
もちろん、3点式シートベルトを設定するとなると、シートベルトの取り付け強度も計算しなければならないでしょうし、当然、取り付けのためのフレームの補強が前提となります。
このへん、もう自動車メーカーの仕事に域に達していますね。かなり細かいところまで気配りの行き届いたクルマです。
▲3点式シートベルトも ▲シューズボックス
パタゴニアとは、南アメリカ大陸の南端にある土地の名前です。
強い風と、荒涼とした氷河が有名で、「地図にも載っていない遠隔地」として、各国の冒険家の憧れの地となっています。
キャンピングカーの旅を豊かなイメージでくるんでくれる、とても良いネーミングです。
お値段は、税込み5,775,000円(2WD・AT)から。
2007年02月28日
新車レポート13
《エルア・ルミ》
ハイエースのスーパーロングブームは、少し安定期に入った感じです。
確かに、ボディが大きいので、架装したときの居住性は抜群ですが、ナローボディのクルマに比べると、多少取り回しが面倒になる…と思う人がいないわけではありません。
そういうわけで、「何が何でもスーパーロング!」という一時の勢いは、多少沈静化してきたように思います。
しかし、逆にスーパーロングだからこそ、可能になったレイアウトというものを、極めて意識的に追求するビルダーも現れるようになりました。
たとえば、今までバスコンに求めるしかなかったようなコンセプトを、スーパーロングの広さを生かして実現する、というような動きですね。
アールブイビックフットさんが開発した「エルア・ルミ」は、まさにそんな1台です。

▲エルア・ルミ外装 ▲エルア・ルミ内装
このクルマ。
バスコンの2ルームのエッセンスが採り入れられています。
広々としたL字ソファのすぐ後ろに、横座りの対面ダイネット。
そして、その後ろは、どーんと大きなリヤ固定ベッド。
▲二の字ダイネット ▲リヤ固定ベッド
写真の撮り方によっては、同社の人気バスコンシリーズであるエポックμ2ルームに見えないこともありません。
このレイアウトが実現できた秘密などこにあるのでしょう?
スライドドアの中央近くまで張り出したギャレーボックスに注目!
これが秘密ですね。

▲手前のギャレーに注目 ▲ベッド下のトランク
実際に、スーパーロングのエントランス開口部は、贅沢なほど取られています。キャンピングカーとして使う場合は、これほど大きな出入り口を必要とするケースはまれでしょう。
なら、いっそのことギャレーを、もうちょい前方に移動させ…。
というわけで、2ダイネットを持つ2ルーム仕様が誕生したわけですね。
Lラウンジを採用したがゆえに可能になったレイアウトです。
シニアの2人旅に向いた仕様なのですが、お孫さんのような、可愛いゲストが不意に飛び込んできたときも、これなら充分に対応できます。
セカンド二の字対面ダイネットは、ベッドメイクすると、1590㎜×780㎜。
子供2人が寝られます。
ところで「エルア・ルミ」。
いったい何語なんでしょう。
ハワイ語で「エルア」は2、「ルミ」は部屋。
ずばり「2ルーム」という意味でした。
お値段は、4,190、000円から。
ハイエースのスーパーロングブームは、少し安定期に入った感じです。
確かに、ボディが大きいので、架装したときの居住性は抜群ですが、ナローボディのクルマに比べると、多少取り回しが面倒になる…と思う人がいないわけではありません。
そういうわけで、「何が何でもスーパーロング!」という一時の勢いは、多少沈静化してきたように思います。
しかし、逆にスーパーロングだからこそ、可能になったレイアウトというものを、極めて意識的に追求するビルダーも現れるようになりました。
たとえば、今までバスコンに求めるしかなかったようなコンセプトを、スーパーロングの広さを生かして実現する、というような動きですね。
アールブイビックフットさんが開発した「エルア・ルミ」は、まさにそんな1台です。
▲エルア・ルミ外装 ▲エルア・ルミ内装
このクルマ。
バスコンの2ルームのエッセンスが採り入れられています。
広々としたL字ソファのすぐ後ろに、横座りの対面ダイネット。
そして、その後ろは、どーんと大きなリヤ固定ベッド。
▲二の字ダイネット ▲リヤ固定ベッド
写真の撮り方によっては、同社の人気バスコンシリーズであるエポックμ2ルームに見えないこともありません。
このレイアウトが実現できた秘密などこにあるのでしょう?
スライドドアの中央近くまで張り出したギャレーボックスに注目!
これが秘密ですね。
▲手前のギャレーに注目 ▲ベッド下のトランク
実際に、スーパーロングのエントランス開口部は、贅沢なほど取られています。キャンピングカーとして使う場合は、これほど大きな出入り口を必要とするケースはまれでしょう。
なら、いっそのことギャレーを、もうちょい前方に移動させ…。
というわけで、2ダイネットを持つ2ルーム仕様が誕生したわけですね。
Lラウンジを採用したがゆえに可能になったレイアウトです。
シニアの2人旅に向いた仕様なのですが、お孫さんのような、可愛いゲストが不意に飛び込んできたときも、これなら充分に対応できます。
セカンド二の字対面ダイネットは、ベッドメイクすると、1590㎜×780㎜。
子供2人が寝られます。
ところで「エルア・ルミ」。
いったい何語なんでしょう。
ハワイ語で「エルア」は2、「ルミ」は部屋。
ずばり「2ルーム」という意味でした。
お値段は、4,190、000円から。
2007年02月26日
新車レポート12
《バレンシア》
発電機を搭載して、一般家庭と変わらない電化環境を整えたキャンピングカー。
マックレーの開発した「デイブレイク」シリーズは、それをコンセプトの中核に据え、キャブコンの1ジャンルを形成してきました。
こういうコンセプトを何というか。
「完全自立型」
マックレーの渡辺社長が思いついた、うまいキャッチです。
電源の取れない山奥や荒野にいても、まるでわが家にいるような快適な生活を享受できるキャンピングカーという意味ですね。
この2月24日にデビューした「バレンシア」は、完全自立型キャンピングカーを代表するようなニューキャブコンです。

ベース車両はトヨタ・カムロード。基本的な仕様は、同社の人気キャブコン「ハーモニー」がベースとなっています。
しかし、新しい機能がたくさん盛り込まれました。
まず、温水&シャワー設備。
車両のエンジン熱を利用したヒートエクスチェンジャー方式が採用されました。
温水ボイラーを搭載したクルマでも、その利用率がとても低いことを考えると、これは過剰設備といえないこともありません。
ヒートエクスチェンジャー方式ならば、エンジン熱を利用するだけですから、高価な装備は不要というわけですね。
で、そこで浮いたコストを、どう利用者に還元するか。
渡辺社長が採った方策は、エアサスを標準装備にして走行安定性の向上に努めるというものでした。
そして、収納庫のバゲッジドアを標準にする。
さらに、今まで40リットルの冷蔵庫を、90リットルまで容量アップする。
そういう実用的な装備の標準化の方に、力点がシフトしています。
ハーモニー譲りのユニークな機構も継承されています。
たとえば、フレキシブルスペース家具。
エントランスドアの右側に設定された家具なのですが、これが1人掛けのシートにも、さらに収納棚にも、そして壁板と棚板を外せば、完全なフリースペースにも早代わり。
そのときの気分や荷物の量などに合わせ、好きなように空間をアレンジできる魔法の家具です。
今回搭載された家具は、サイズが10cmも拡大され、椅子にして座ったときの余裕もグンと広がりました。
デイブレイクシリーズは、「装飾よりも機能」という渡辺社長の強い姿勢が貫かれた“実力派”のキャブコンです。
しかし、その「装飾」の部分が、このバレンシアでは、とても洗練されて美しくなりました。

木工の丸みを出す部分など、ルーターで削り出すわけですが、思うようなアールを出すために、ルーターの歯まで特別オーダーして、流麗なラインを実現したとか。
家具のデザイン、色目などのセンスが磨き込まれ、相当グレード感の高いインテリアに仕上がっています。

いろいろなビルダーから、さまざまなキャブコンがリリースされていますが、やはりデイブレイクシリーズは、ちょっと異色。
それは、開発者がいつまで経っても「ユーザーの立場」に立った視点で車両開発にいそしんでいるからでしょう。
「メーカーとしてならば、売れるか、売れないかという判断基準で車両開発をしなければならないのでしょうけれど、僕はいつまで経っても、使いやすいか、使いやすくないかという判断で、クルマを造ってしまう」
渡辺さんは、いつもそう言って苦笑い。
しかし、そういうユーザーサイドに徹した思想が、マックレーのキャンピングカーをひときわ輝かせている理由のひとつになっているのでしょう。
バレンシアのカタログモデルの価格は、税込み6,856,500円(ガソリン2WD・AT)からです。
発電機を搭載して、一般家庭と変わらない電化環境を整えたキャンピングカー。
マックレーの開発した「デイブレイク」シリーズは、それをコンセプトの中核に据え、キャブコンの1ジャンルを形成してきました。
こういうコンセプトを何というか。
「完全自立型」
マックレーの渡辺社長が思いついた、うまいキャッチです。
電源の取れない山奥や荒野にいても、まるでわが家にいるような快適な生活を享受できるキャンピングカーという意味ですね。
この2月24日にデビューした「バレンシア」は、完全自立型キャンピングカーを代表するようなニューキャブコンです。
ベース車両はトヨタ・カムロード。基本的な仕様は、同社の人気キャブコン「ハーモニー」がベースとなっています。
しかし、新しい機能がたくさん盛り込まれました。
まず、温水&シャワー設備。
車両のエンジン熱を利用したヒートエクスチェンジャー方式が採用されました。
温水ボイラーを搭載したクルマでも、その利用率がとても低いことを考えると、これは過剰設備といえないこともありません。
ヒートエクスチェンジャー方式ならば、エンジン熱を利用するだけですから、高価な装備は不要というわけですね。
で、そこで浮いたコストを、どう利用者に還元するか。
渡辺社長が採った方策は、エアサスを標準装備にして走行安定性の向上に努めるというものでした。
そして、収納庫のバゲッジドアを標準にする。
さらに、今まで40リットルの冷蔵庫を、90リットルまで容量アップする。
そういう実用的な装備の標準化の方に、力点がシフトしています。
ハーモニー譲りのユニークな機構も継承されています。
たとえば、フレキシブルスペース家具。
エントランスドアの右側に設定された家具なのですが、これが1人掛けのシートにも、さらに収納棚にも、そして壁板と棚板を外せば、完全なフリースペースにも早代わり。
そのときの気分や荷物の量などに合わせ、好きなように空間をアレンジできる魔法の家具です。
今回搭載された家具は、サイズが10cmも拡大され、椅子にして座ったときの余裕もグンと広がりました。
デイブレイクシリーズは、「装飾よりも機能」という渡辺社長の強い姿勢が貫かれた“実力派”のキャブコンです。
しかし、その「装飾」の部分が、このバレンシアでは、とても洗練されて美しくなりました。
木工の丸みを出す部分など、ルーターで削り出すわけですが、思うようなアールを出すために、ルーターの歯まで特別オーダーして、流麗なラインを実現したとか。
家具のデザイン、色目などのセンスが磨き込まれ、相当グレード感の高いインテリアに仕上がっています。
いろいろなビルダーから、さまざまなキャブコンがリリースされていますが、やはりデイブレイクシリーズは、ちょっと異色。
それは、開発者がいつまで経っても「ユーザーの立場」に立った視点で車両開発にいそしんでいるからでしょう。
「メーカーとしてならば、売れるか、売れないかという判断基準で車両開発をしなければならないのでしょうけれど、僕はいつまで経っても、使いやすいか、使いやすくないかという判断で、クルマを造ってしまう」
渡辺さんは、いつもそう言って苦笑い。
しかし、そういうユーザーサイドに徹した思想が、マックレーのキャンピングカーをひときわ輝かせている理由のひとつになっているのでしょう。
バレンシアのカタログモデルの価格は、税込み6,856,500円(ガソリン2WD・AT)からです。
2007年02月25日
新車レポート11
《SS540》
「名古屋キャンピングカーフェア2007」で取材した新車情報をお届けしましょう。
まずは、トイファクトリーさんから、アクティブ・シニアに愛を込めて、「大人のトランポ」がリリースされました。
SS540。
ベース車は、ハイエース・スーパーロングです。
SSとは、「スーぺリアル・スポーツ」の意味。「スーパースライド」と解釈しても可とのこと。
スーパースライドとは何のことでしょう。
この大容量のカーゴを見てください。
セカンドシートとサードシートを前方へスライドさせれば、奥行き2,200㎜のカーゴスペースが誕生します。

▲カーゴ状態
ま、ここまではよくあるパターンですが、シートの操作性がひと味違います。
サプリオのバタフライシートが使われているわけですが、フロアに鉄板を敷いて、スライドレールを溶接するという念入りな加工が施されています。
そのためガタツキが解消。
スムースで、安定感のあるシートアレンジが楽しめるようになりました。
さて、ベッドを見てください。
全面ベッドにすると、とにかく広い!
カタログによると、2,800㎜×1,500㎜だそうです。
テーブルの位置を調整すると、ベッド状態でもお座敷のちゃぶ台のように使えます。

▲ベッド状態
トイファクトリーには、100系ハイエースの時代に、ベッドの広さを意地になって追求したティピーというモデルがありましたが、これはその再現版かもしれませんね。
横幅1,880㎜のスーパーロングでこのベッドが実現されると、まぁ「ベッドカー」という表現がぴったり。
さらに、「人がたくさん乗れる」というのも、このクルマの特徴です。
特装車ベースの場合は8名。運転席が3人掛けとなるDXベースの場合は9名が、全員前を向いて移動できるようになっています。
トイの藤井社長が自慢するのは、ギャレーの実用性。
普通、このようなトランポ系バンコンの場合、シンクなどは8ナンバーを取るための“ちょい乗せシンク”になってしまうのが一般的ですが、このクルマではしっかりした深底ステンシンクが採用され、冷蔵庫(op.)の容量も40リットル。
見せかけではない、キャンピングカーとしての機能を追及しているところがミソです。
トランポといえば、「男の世界」というイメージがありますが、藤井社長にいわせると、「これは奥様にも喜んでもらえるトランポ」。
なるほど、目のつけ所がGoodです!
▲実用的なギャレー ▲フラットなカウンターにも
シンプルに、そしてクールに。
カタログのキャッチは「Cool Wagon」。
冷蔵庫がよく冷えるのかな…とも一瞬思いましたが、カッコいいという意味の“クール”ね。
年輪を重ねても遊び心を失わない、大人のためのトランポです。
お値段は、3,380,000円(2WD・DX)から。
「名古屋キャンピングカーフェア2007」で取材した新車情報をお届けしましょう。
まずは、トイファクトリーさんから、アクティブ・シニアに愛を込めて、「大人のトランポ」がリリースされました。
SS540。
ベース車は、ハイエース・スーパーロングです。
SSとは、「スーぺリアル・スポーツ」の意味。「スーパースライド」と解釈しても可とのこと。
スーパースライドとは何のことでしょう。
この大容量のカーゴを見てください。
セカンドシートとサードシートを前方へスライドさせれば、奥行き2,200㎜のカーゴスペースが誕生します。
▲カーゴ状態
ま、ここまではよくあるパターンですが、シートの操作性がひと味違います。
サプリオのバタフライシートが使われているわけですが、フロアに鉄板を敷いて、スライドレールを溶接するという念入りな加工が施されています。
そのためガタツキが解消。
スムースで、安定感のあるシートアレンジが楽しめるようになりました。
さて、ベッドを見てください。
全面ベッドにすると、とにかく広い!
カタログによると、2,800㎜×1,500㎜だそうです。
テーブルの位置を調整すると、ベッド状態でもお座敷のちゃぶ台のように使えます。
▲ベッド状態
トイファクトリーには、100系ハイエースの時代に、ベッドの広さを意地になって追求したティピーというモデルがありましたが、これはその再現版かもしれませんね。
横幅1,880㎜のスーパーロングでこのベッドが実現されると、まぁ「ベッドカー」という表現がぴったり。
さらに、「人がたくさん乗れる」というのも、このクルマの特徴です。
特装車ベースの場合は8名。運転席が3人掛けとなるDXベースの場合は9名が、全員前を向いて移動できるようになっています。
トイの藤井社長が自慢するのは、ギャレーの実用性。
普通、このようなトランポ系バンコンの場合、シンクなどは8ナンバーを取るための“ちょい乗せシンク”になってしまうのが一般的ですが、このクルマではしっかりした深底ステンシンクが採用され、冷蔵庫(op.)の容量も40リットル。
見せかけではない、キャンピングカーとしての機能を追及しているところがミソです。
トランポといえば、「男の世界」というイメージがありますが、藤井社長にいわせると、「これは奥様にも喜んでもらえるトランポ」。
なるほど、目のつけ所がGoodです!
▲実用的なギャレー ▲フラットなカウンターにも
シンプルに、そしてクールに。
カタログのキャッチは「Cool Wagon」。
冷蔵庫がよく冷えるのかな…とも一瞬思いましたが、カッコいいという意味の“クール”ね。
年輪を重ねても遊び心を失わない、大人のためのトランポです。
お値段は、3,380,000円(2WD・DX)から。
2007年02月23日
デルタさんで紹介
この「町田の独り言」のブログが、キャンピングカーの総合ディーラーであるデルタリンクさんのホームページでも、継続的に紹介していただけることになりました。

デルタリンクといえば、西日本を中心に多くの営業拠点を展開し、エレキングやスナフキンといった魅力的なオリジナル・キャンピングカーも開発している大手ディーラー。
そこのHPに登場させていただくなんて、光栄の至りです。
「このブログ(町田の独り言)は面白いので、ウチの目玉に!」
などと、デルタの山田社長にお褒めいただいたわけですが、
「キャンピングカー以外のくだけた話も、ぜひ」
と期待されてしまいました。
くだけた話となると、夜の遊びの話しか思い浮かばず、
俺のいちばん苦手とするところじゃねぇかよ。
…とは思いましたが、“乏しい経験”をもとに、今後そっちの方でもヨタ話を書こうかと思います。
デルタの山田さんの人柄を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
http://www.campingcar-guide.com/samurai/009/
顔写真はだいぶ若い頃のものですが、最近の山田さんのご様子を知りたい方は、少し古い記事になりますが、このブログでもイラストでご紹介しております。
http://campingcar.blog.hobidas.com/archives/day/20061005.html
そうそう、山田さんご自身も、自社HPのなかで「HikiyのきまぐれBlog」を連載中。いまスノボーに凝っているそうです。
話は変わりますが、2月24日(土)から25日にかけて、愛知県のポートメッセ名古屋にて「名古屋キャンピングカーフェア」が開かれます。

時間:10:00~17:00
場所:ポートメッセなごや2号館(名古屋市港区金城ふ頭)
料金:大人(当日)1,000円、小学生500円
ダッチオーブン教室、BBQ試食会、ジャズライブなどのイベントも盛りだくさん。
今年は、キャンピングカーの新車が多い年ですが、各社自慢の定番モデルも充実しています。
中部地方の方は、ぜひこのショーをお見逃しなく。
デルタリンクといえば、西日本を中心に多くの営業拠点を展開し、エレキングやスナフキンといった魅力的なオリジナル・キャンピングカーも開発している大手ディーラー。
そこのHPに登場させていただくなんて、光栄の至りです。
「このブログ(町田の独り言)は面白いので、ウチの目玉に!」
などと、デルタの山田社長にお褒めいただいたわけですが、
「キャンピングカー以外のくだけた話も、ぜひ」
と期待されてしまいました。
くだけた話となると、夜の遊びの話しか思い浮かばず、
俺のいちばん苦手とするところじゃねぇかよ。
…とは思いましたが、“乏しい経験”をもとに、今後そっちの方でもヨタ話を書こうかと思います。
デルタの山田さんの人柄を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
http://www.campingcar-guide.com/samurai/009/
顔写真はだいぶ若い頃のものですが、最近の山田さんのご様子を知りたい方は、少し古い記事になりますが、このブログでもイラストでご紹介しております。
http://campingcar.blog.hobidas.com/archives/day/20061005.html
そうそう、山田さんご自身も、自社HPのなかで「HikiyのきまぐれBlog」を連載中。いまスノボーに凝っているそうです。
話は変わりますが、2月24日(土)から25日にかけて、愛知県のポートメッセ名古屋にて「名古屋キャンピングカーフェア」が開かれます。
時間:10:00~17:00
場所:ポートメッセなごや2号館(名古屋市港区金城ふ頭)
料金:大人(当日)1,000円、小学生500円
ダッチオーブン教室、BBQ試食会、ジャズライブなどのイベントも盛りだくさん。
今年は、キャンピングカーの新車が多い年ですが、各社自慢の定番モデルも充実しています。
中部地方の方は、ぜひこのショーをお見逃しなく。
2007年02月22日
新車レポート10
《エメロードⅢ》
わが国におけるトラベル・トレーラーの普及に、インディアナRVさんの果たした役割は決して小さくないでしょう。
ポルト6。そしてクナウス・スポーツ400Jスペシャル。
日本の道路事情を考慮して、初心者でもけん引しやすいサイズにこだわり、そして、装備を充実させながら、価格をリーズナブルなものに押えていくという、あのインディアナRV商法が、どれだけ日本のトレーラーファンを増やしていったか。
それは、今さら言うまでもないことのように思えます。
最近は、けん引免許を取得しても、豊かな居住性を持つトレーラーが欲しいというニーズが高まってきましたが、日本でけん引しやすい入門編としてのライトトレーラーの需要がなくなったわけではありません。
エメロードⅢは、そんなインディアナRVの路線を強力に支援する日本サイズの新型トレーラーです。
全長5770㎜、全幅2060㎜、全高2700㎜。
スペック的には、スポーツ400Jスペシャルとそれほど大きくは変わりません。
ただ、レイアウトには画期的な新機軸が打ち出されています。
フロントには、ドーンと大きな固定ダブルベッド。
ポルト6から400Jスペシャルまで継承されてきたダブルダイネットから、鮮やかな方向転換です。

▲エメロードⅢ ▲フロント常設ベッド
降旗社長はこう言います。
「今までの2ダイネットを購入された方でも、実際に使っているうちに、片側のダイネットはベッド状態にしたままの人が増えてきたのです。それなら、いっそのこと、片方は常設ダブルベッドにしてしまおうと…」
ファミリー路線を追求し続けてきたインディアナRVですが、最近のシニアカップル急増の流れが、ここにも押し寄せてきたのかもしれません。
もっとも、リヤダイネットも当然ベッドに変換できますし、広いテーブルを生かした状態で、大人4人が食事できるスペースは確保されています。
このスタイルなら、ファミリーにもシニアにもぴったりというわけですね。

▲リヤダイネット ▲キッチン上にはテレビが…
日本の使用環境に合わせて装備を充実させるという路線は、このエメロードⅢにおいても変わらないようです。
日本仕様として、スカイライトルーフ、収納式洗面台なども標準装備。
LPG耐圧ホース、LPGレギュレーター、LPG緊急遮断バルブなど、ガス関係も、以前と同じくすべて日本製に変えられています。
テレビの取り付け位置には新機軸が!
今までの7インチのテレビが、吊り下げ式の13インチ液晶型(op.)に替わり、スライドさせて、ダイネットからも、ベッドからも見られるようになりました。(ちなみに液晶テレビの価格は、取り付け工賃を入れて117,600円です)。
ビルダーは、ヨーロッパでも最大手のキャラバンメーカー「トリガノ」。
税込み価格は2,499,000円。
もちろん、普通免許でけん引可能です。
わが国におけるトラベル・トレーラーの普及に、インディアナRVさんの果たした役割は決して小さくないでしょう。
ポルト6。そしてクナウス・スポーツ400Jスペシャル。
日本の道路事情を考慮して、初心者でもけん引しやすいサイズにこだわり、そして、装備を充実させながら、価格をリーズナブルなものに押えていくという、あのインディアナRV商法が、どれだけ日本のトレーラーファンを増やしていったか。
それは、今さら言うまでもないことのように思えます。
最近は、けん引免許を取得しても、豊かな居住性を持つトレーラーが欲しいというニーズが高まってきましたが、日本でけん引しやすい入門編としてのライトトレーラーの需要がなくなったわけではありません。
エメロードⅢは、そんなインディアナRVの路線を強力に支援する日本サイズの新型トレーラーです。
全長5770㎜、全幅2060㎜、全高2700㎜。
スペック的には、スポーツ400Jスペシャルとそれほど大きくは変わりません。
ただ、レイアウトには画期的な新機軸が打ち出されています。
フロントには、ドーンと大きな固定ダブルベッド。
ポルト6から400Jスペシャルまで継承されてきたダブルダイネットから、鮮やかな方向転換です。
▲エメロードⅢ ▲フロント常設ベッド
降旗社長はこう言います。
「今までの2ダイネットを購入された方でも、実際に使っているうちに、片側のダイネットはベッド状態にしたままの人が増えてきたのです。それなら、いっそのこと、片方は常設ダブルベッドにしてしまおうと…」
ファミリー路線を追求し続けてきたインディアナRVですが、最近のシニアカップル急増の流れが、ここにも押し寄せてきたのかもしれません。
もっとも、リヤダイネットも当然ベッドに変換できますし、広いテーブルを生かした状態で、大人4人が食事できるスペースは確保されています。
このスタイルなら、ファミリーにもシニアにもぴったりというわけですね。
▲リヤダイネット ▲キッチン上にはテレビが…
日本の使用環境に合わせて装備を充実させるという路線は、このエメロードⅢにおいても変わらないようです。
日本仕様として、スカイライトルーフ、収納式洗面台なども標準装備。
LPG耐圧ホース、LPGレギュレーター、LPG緊急遮断バルブなど、ガス関係も、以前と同じくすべて日本製に変えられています。
テレビの取り付け位置には新機軸が!
今までの7インチのテレビが、吊り下げ式の13インチ液晶型(op.)に替わり、スライドさせて、ダイネットからも、ベッドからも見られるようになりました。(ちなみに液晶テレビの価格は、取り付け工賃を入れて117,600円です)。
ビルダーは、ヨーロッパでも最大手のキャラバンメーカー「トリガノ」。
税込み価格は2,499,000円。
もちろん、普通免許でけん引可能です。
2007年02月21日
新車レポート9
《Win-Pure J’s》
ウィンピュア・ジェイズ(J’s)は、ピックアップキャビンのプロショップである「M.Y.Sミスティック」が開発した、ハイエース・スーパー・ロングを使ったバンコンです。
この2月にデビューしたモデルは、3世代目。
いわゆる「熟成」という言葉がぴったりとくる、いい仕上がりになりました。

▲ウィンピュアJ’s外装 ▲インテリア
ピックアップキャビンの専門ショップが、なぜバンコンを開発するようになったのか。
いろいろな理由が考えられるでしょうが、おそらく、国産ピックアップキャビンを開発・製造していくなかで培われた、軽量化と防振対策の技術を、よりマーケットの広いバンコンの分野で試してみたくなったのでしょう。
なにしろ、トラックの荷台に積載するピップアップキャビンの場合は、軽さの追及と振動対策が設計上の必須条件となります。構造上では“荷物”なわけですからね。
そのような、シビアな作業の蓄積によって培われてきた「鬼のテクニック」をバンコンに投入!
…というわけで、ウィンピュアJ’sは、従来のバンコンメーカーが開発するものとはひと味違ったバンコンとなりました。
このJ’sにおいては、家具コーナーにラバーモールを取り付ける方法などに、ピックアップキャビンからフィードバックされた振動吸収対策がしっかりと施されています。
もちろん軽量化の追及にも、ピックアップキャビンのノウハウが生かされており、装備類の重量は「他社キャンパーの架装重量のおよそ半分」(同社HPより)とか。
とにかく、平均的なハイエースキャンパーより、400kgぐらい軽く造られているそうです。

▲走行中は前向きにも ▲ダイネットベッド
しかし、このJ’sの良さは、やはりレイアウトの妙に尽きるような気もします。
現行ハイエースのスーパーロングを使ったバンコンで、横寝のリヤ2段ベッドを早い段階で企画したのは、このJ’sです。

▲リヤ2段ベッド ▲奥はフリールーム
今でこそ、この横寝リヤ2段ベッドは大流行。
どこのバンコンメーカーでもこれに取り組み始めましたが、実は、ここで横方向にベッドを作るとなると、大人の就寝定員の規定(1800㎜)を満たすには、わずかに足りません。
そこで多くの業者さんは、FRP製の拡張ボックスを付けるなどして、ボディサイドを膨らませ、就寝定員を確保する方向に進みました。
J’sは、それをしていません。
拡張ボックスを張り出させるのは、運転席からの後方視認性を悪くするのではないかという懸念があったようです。
「形式的な数値を整えるよりも、自然体で使えばいいじゃない」
…と、そこはあっさりしたもので、
「身長180cm以上ある人は、ちょっと身体を斜めにして寝てください。対角線のところでは、しっかり180cm取れていますから」
ミスティックの佐藤社長は、お客さんにそう説明しています。
したがって、カタログ上の就寝定員は「大人2名+子供2名」。
身長170cmぐらいの大人なら、身体をまっすぐ伸ばしたままリヤベッドで横寝できますので、実質的には大人4名の就寝も可能です。

▲リビング ▲キッチン
この3世代目のウィンピュアJ’sのもう一つの特徴は、「クラシカルな内装」。
最近の国産キャンピングカーは、みなドイツ・テイストになってきました。
ドイツ味とは、モダンデザインを意味します。
しかし、J’sの目指すものはイギリス味。
イギリスのインテリアは、伝統的にクラシカルな味わいを大切にする志向が強く、色目は重厚ながら、自然素材の味わいを大事にするという傾向があります。
ファッションではいえば、昔の「ポール・スチュワート」などがそうですね。
ポール・スチュワートは、アメリカ東海岸のブランドですが、オーソドキシーな英国テイストをコンテンポラリーに翻訳した、洒落たセンスを大切にしていました。
J’sの目指したものも、それに似ています。
2007年は、モダンリビングを極限までに追求しようとするメーカーが出てくる一方、逆にこのJ’sのように、クラシカルな味わいを復活させようとする動きも出てくるなど、国産キャンピングカーの世界もなかなか目が離せなくなってきました。
ベース車:トヨタ・ハイエース・スーパーロング
全長5380㎜、全幅1880㎜、全高2390㎜。
車両本体価格:税込み4.290.000円(2WDガソリンAT)~
ウィンピュア・ジェイズ(J’s)は、ピックアップキャビンのプロショップである「M.Y.Sミスティック」が開発した、ハイエース・スーパー・ロングを使ったバンコンです。
この2月にデビューしたモデルは、3世代目。
いわゆる「熟成」という言葉がぴったりとくる、いい仕上がりになりました。
▲ウィンピュアJ’s外装 ▲インテリア
ピックアップキャビンの専門ショップが、なぜバンコンを開発するようになったのか。
いろいろな理由が考えられるでしょうが、おそらく、国産ピックアップキャビンを開発・製造していくなかで培われた、軽量化と防振対策の技術を、よりマーケットの広いバンコンの分野で試してみたくなったのでしょう。
なにしろ、トラックの荷台に積載するピップアップキャビンの場合は、軽さの追及と振動対策が設計上の必須条件となります。構造上では“荷物”なわけですからね。
そのような、シビアな作業の蓄積によって培われてきた「鬼のテクニック」をバンコンに投入!
…というわけで、ウィンピュアJ’sは、従来のバンコンメーカーが開発するものとはひと味違ったバンコンとなりました。
このJ’sにおいては、家具コーナーにラバーモールを取り付ける方法などに、ピックアップキャビンからフィードバックされた振動吸収対策がしっかりと施されています。
もちろん軽量化の追及にも、ピックアップキャビンのノウハウが生かされており、装備類の重量は「他社キャンパーの架装重量のおよそ半分」(同社HPより)とか。
とにかく、平均的なハイエースキャンパーより、400kgぐらい軽く造られているそうです。
▲走行中は前向きにも ▲ダイネットベッド
しかし、このJ’sの良さは、やはりレイアウトの妙に尽きるような気もします。
現行ハイエースのスーパーロングを使ったバンコンで、横寝のリヤ2段ベッドを早い段階で企画したのは、このJ’sです。
▲リヤ2段ベッド ▲奥はフリールーム
今でこそ、この横寝リヤ2段ベッドは大流行。
どこのバンコンメーカーでもこれに取り組み始めましたが、実は、ここで横方向にベッドを作るとなると、大人の就寝定員の規定(1800㎜)を満たすには、わずかに足りません。
そこで多くの業者さんは、FRP製の拡張ボックスを付けるなどして、ボディサイドを膨らませ、就寝定員を確保する方向に進みました。
J’sは、それをしていません。
拡張ボックスを張り出させるのは、運転席からの後方視認性を悪くするのではないかという懸念があったようです。
「形式的な数値を整えるよりも、自然体で使えばいいじゃない」
…と、そこはあっさりしたもので、
「身長180cm以上ある人は、ちょっと身体を斜めにして寝てください。対角線のところでは、しっかり180cm取れていますから」
ミスティックの佐藤社長は、お客さんにそう説明しています。
したがって、カタログ上の就寝定員は「大人2名+子供2名」。
身長170cmぐらいの大人なら、身体をまっすぐ伸ばしたままリヤベッドで横寝できますので、実質的には大人4名の就寝も可能です。
▲リビング ▲キッチン
この3世代目のウィンピュアJ’sのもう一つの特徴は、「クラシカルな内装」。
最近の国産キャンピングカーは、みなドイツ・テイストになってきました。
ドイツ味とは、モダンデザインを意味します。
しかし、J’sの目指すものはイギリス味。
イギリスのインテリアは、伝統的にクラシカルな味わいを大切にする志向が強く、色目は重厚ながら、自然素材の味わいを大事にするという傾向があります。
ファッションではいえば、昔の「ポール・スチュワート」などがそうですね。
ポール・スチュワートは、アメリカ東海岸のブランドですが、オーソドキシーな英国テイストをコンテンポラリーに翻訳した、洒落たセンスを大切にしていました。
J’sの目指したものも、それに似ています。
2007年は、モダンリビングを極限までに追求しようとするメーカーが出てくる一方、逆にこのJ’sのように、クラシカルな味わいを復活させようとする動きも出てくるなど、国産キャンピングカーの世界もなかなか目が離せなくなってきました。
ベース車:トヨタ・ハイエース・スーパーロング
全長5380㎜、全幅1880㎜、全高2390㎜。
車両本体価格:税込み4.290.000円(2WDガソリンAT)~
2007年02月20日
新車レポート8
《HYMER B660SL》
2007年モデルの輸入車で、いま大いに注目を集めているモデルを1台ご紹介いたしましょう。
ヨーロッパを代表するビルダーのハイマー社がリリースした「ハイマーモービルB660SL」です。
ドイツのハイマー社は、世界でもトップクラスと認められるキャンピングカービルダーで、その製造規模から品質管理能力をつぶさに見ると、ビルダーというよりも、もう自動車メーカーに近い存在といえましょう。
キャンピングカーのブランドとしては、乗用車の「メルセデス」や「BMW」と肩を並べるブランドです。
それだけに、ハイマーの最高級車Sクラスともなれば、2,200万円以上という価格になります。
このSクラスの室内を覗くと、もう本当に別世界が広がっています。
そこで実現されているインテリアと快適装備は、「ホテルのスイートルーム」とか、「豪華マンション」などという陳腐な比喩を吹き飛ばしてくれるほど。
そのうち日本にも、ハイマーのようなキャンピングカーがさらに浸透してくると、やがてテレビのキャスターたちが、
「その部屋の豪華さは、まさにハイマーのSクラスを思わせるものです」
などと、言い始めるような気がします。
話が逸れました。
で、そのSクラスのテイストをある程度残しつつ、装備内容やサイズを絞ってリーズナブルな価格にしたものが、Bクラスです。
このBは、フィアットシャシーならば1,200万円ぐらいから。メルセデスシャシーなら1,500万円ぐらいから購入することができます。

▲ハイマーB660SL ▲インテリア
Bクラスでは、Sと違って、床暖房がオプション設定にもないなど、若干の差別化は図られていますが、オプションを積み上げていくことによって、Sの仕様に近づけることができるそうです。
B660SLのレイアウトは、L型ラウンジとリヤダブルベッドを特徴としたヨーロッパ車のスタンダードともいえるようなフロアプランになっています。
リヤ固定ベッドの下は、大型ガレージ。
そういう構造も、もうヨーロッパ車ではお馴染みですね。

▲大型ガレージ ▲トイレ・シャワー室
シニアカップルを想定したモデルなので、くつろぐのはL型ラウンジのところだけですが、不意のゲストを迎えたときは、運転席・助手席を回転させて、4人でテーブルを囲むスペースを作ることができます。
▲リビング ▲キッチン
就寝は、リヤベッドが中心となりますが、フロントのプルダウンベッドを使うことによって、4名就寝が実現します。

▲プルダウンベッド ▲オーバーヘッドコンソール
全長7,300㎜、全幅2,350㎜。
全長が8mを超えるSクラスより長さが短いことも、日本で扱うには適しているかもしれません。
そうそう、このB-SL。
ヨーロッパの自動車雑誌『promobil』誌において、キャンピングカー部門で連続19回1位に輝いているクルマだそうです(ハイマージャパンのカタログより)。
2007年モデルの輸入車で、いま大いに注目を集めているモデルを1台ご紹介いたしましょう。
ヨーロッパを代表するビルダーのハイマー社がリリースした「ハイマーモービルB660SL」です。
ドイツのハイマー社は、世界でもトップクラスと認められるキャンピングカービルダーで、その製造規模から品質管理能力をつぶさに見ると、ビルダーというよりも、もう自動車メーカーに近い存在といえましょう。
キャンピングカーのブランドとしては、乗用車の「メルセデス」や「BMW」と肩を並べるブランドです。
それだけに、ハイマーの最高級車Sクラスともなれば、2,200万円以上という価格になります。
このSクラスの室内を覗くと、もう本当に別世界が広がっています。
そこで実現されているインテリアと快適装備は、「ホテルのスイートルーム」とか、「豪華マンション」などという陳腐な比喩を吹き飛ばしてくれるほど。
そのうち日本にも、ハイマーのようなキャンピングカーがさらに浸透してくると、やがてテレビのキャスターたちが、
「その部屋の豪華さは、まさにハイマーのSクラスを思わせるものです」
などと、言い始めるような気がします。
話が逸れました。
で、そのSクラスのテイストをある程度残しつつ、装備内容やサイズを絞ってリーズナブルな価格にしたものが、Bクラスです。
このBは、フィアットシャシーならば1,200万円ぐらいから。メルセデスシャシーなら1,500万円ぐらいから購入することができます。
▲ハイマーB660SL ▲インテリア
Bクラスでは、Sと違って、床暖房がオプション設定にもないなど、若干の差別化は図られていますが、オプションを積み上げていくことによって、Sの仕様に近づけることができるそうです。
B660SLのレイアウトは、L型ラウンジとリヤダブルベッドを特徴としたヨーロッパ車のスタンダードともいえるようなフロアプランになっています。
リヤ固定ベッドの下は、大型ガレージ。
そういう構造も、もうヨーロッパ車ではお馴染みですね。
▲大型ガレージ ▲トイレ・シャワー室
シニアカップルを想定したモデルなので、くつろぐのはL型ラウンジのところだけですが、不意のゲストを迎えたときは、運転席・助手席を回転させて、4人でテーブルを囲むスペースを作ることができます。
▲リビング ▲キッチン
就寝は、リヤベッドが中心となりますが、フロントのプルダウンベッドを使うことによって、4名就寝が実現します。
▲プルダウンベッド ▲オーバーヘッドコンソール
全長7,300㎜、全幅2,350㎜。
全長が8mを超えるSクラスより長さが短いことも、日本で扱うには適しているかもしれません。
そうそう、このB-SL。
ヨーロッパの自動車雑誌『promobil』誌において、キャンピングカー部門で連続19回1位に輝いているクルマだそうです(ハイマージャパンのカタログより)。
2007年02月19日
新車レポート7
《FENDT トパーズ510TG》
日本RV協会がまとめた「キャンピングカー白書2007」によると、現在日本で購入されているキャンピングカーの約1割がトレーラーだそうです。
少ないな…と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、輸入キャンピングカーに限っていえば、トレーラーの比率はダントツです。
過去10年に輸入されたキャンピングカーのなかでは、自走式のクラスCやクラスAなどを押え、トレーラーの占める構成比は約6割。
特に、日本に導入できる北米モーターホームが激減してしまった05年には、トレーラーの占める率は輸入車の7割に迫りました。
輸入トレーラーのなかでは、新しいブランドとして「フェント」がちょっとした旋風を巻き起こしています。
昨年は、小型モデルのサファイアを中心とした展開でしたが、今年はワングレード上のトパーズがメインとなりました。
全長7,030㎜、全幅2,300㎜、全高2,570㎜。
堂々たる体躯です。
車両重量は、1,320kg。
もちろん、けん引免許の対応です。

▲トパーズ510TG ▲フロントダイネット
しかし、どうですか? この室内!
トレーラーとは思えない豪華さですね。
ちなみに車両本体価格は、税込み3,600,000円です。
当然、装備も充実。
112リットルの3ウェイ冷蔵庫、電子レンジ、FFヒーター、温水ボイラー、電動クッカーフードなどもみな標準。
雰囲気といい、装備といい、「ホテルの一室」ともいえるほどの充実ぶりですね。さすが、けん引免許が必要なだけあって、大型トレーラーの余裕を示してくれます。

▲キッチン ▲リヤベッド
最近のトレーラー購買者は、初心者でもいきなりけん引免許を取ってから来店する人が増えているとか。
時代が変わってきましたね。
確かに、多少のお金と時間はかかりますが、その分、トレーラーに対する感覚を養うことができるし、知識も増えます。普通免許でけん引できるライトトレーラーを引く場合でも、安心かもしれません。
このクラスのトレーラーとなると、どういう人たちが買うのでしょうか。
フェントジャパンの小松さんが見るところによると、
「50代から60代前半ぐらいのシニア夫婦が多い」とか。
トレーラーというと、ファミリーユーザーが多いような印象があるのですが、昨今は、団塊の世代をターゲットにした雑誌などでも、トレーラーライフを紹介するケースが増え、トレーラーに関心を持つ中高年が多くなっているということでした。
フェントジャパンでは、フェントユーザーの拡大に対応し、別荘感覚でトレーラーライフを楽しめる新しいプランニングを展開中です。
西冨士の「朝霧高原オートキャンプ場」の一角を「フェントパーク」と命名。そこにフェントユーザーのための、トレーラー保管場所を確保しました。
月々の支払いは、8,400円。
ヘッドだけで遊びに来て、ここで自由にキャンプを楽しむのもよし。さらに、けん引して表に出て、周辺のキャンプ場や観光地をめぐるのもよし。
3月17日(土)~18日(日)の2日間。フェントパークのお披露目のユーザーイベントを行うそうです。
詳しくは、フェントジャパンさんへ。
日本RV協会がまとめた「キャンピングカー白書2007」によると、現在日本で購入されているキャンピングカーの約1割がトレーラーだそうです。
少ないな…と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、輸入キャンピングカーに限っていえば、トレーラーの比率はダントツです。
過去10年に輸入されたキャンピングカーのなかでは、自走式のクラスCやクラスAなどを押え、トレーラーの占める構成比は約6割。
特に、日本に導入できる北米モーターホームが激減してしまった05年には、トレーラーの占める率は輸入車の7割に迫りました。
輸入トレーラーのなかでは、新しいブランドとして「フェント」がちょっとした旋風を巻き起こしています。
昨年は、小型モデルのサファイアを中心とした展開でしたが、今年はワングレード上のトパーズがメインとなりました。
全長7,030㎜、全幅2,300㎜、全高2,570㎜。
堂々たる体躯です。
車両重量は、1,320kg。
もちろん、けん引免許の対応です。
▲トパーズ510TG ▲フロントダイネット
しかし、どうですか? この室内!
トレーラーとは思えない豪華さですね。
ちなみに車両本体価格は、税込み3,600,000円です。
当然、装備も充実。
112リットルの3ウェイ冷蔵庫、電子レンジ、FFヒーター、温水ボイラー、電動クッカーフードなどもみな標準。
雰囲気といい、装備といい、「ホテルの一室」ともいえるほどの充実ぶりですね。さすが、けん引免許が必要なだけあって、大型トレーラーの余裕を示してくれます。
▲キッチン ▲リヤベッド
最近のトレーラー購買者は、初心者でもいきなりけん引免許を取ってから来店する人が増えているとか。
時代が変わってきましたね。
確かに、多少のお金と時間はかかりますが、その分、トレーラーに対する感覚を養うことができるし、知識も増えます。普通免許でけん引できるライトトレーラーを引く場合でも、安心かもしれません。
このクラスのトレーラーとなると、どういう人たちが買うのでしょうか。
フェントジャパンの小松さんが見るところによると、
「50代から60代前半ぐらいのシニア夫婦が多い」とか。
トレーラーというと、ファミリーユーザーが多いような印象があるのですが、昨今は、団塊の世代をターゲットにした雑誌などでも、トレーラーライフを紹介するケースが増え、トレーラーに関心を持つ中高年が多くなっているということでした。
フェントジャパンでは、フェントユーザーの拡大に対応し、別荘感覚でトレーラーライフを楽しめる新しいプランニングを展開中です。
西冨士の「朝霧高原オートキャンプ場」の一角を「フェントパーク」と命名。そこにフェントユーザーのための、トレーラー保管場所を確保しました。
月々の支払いは、8,400円。
ヘッドだけで遊びに来て、ここで自由にキャンプを楽しむのもよし。さらに、けん引して表に出て、周辺のキャンプ場や観光地をめぐるのもよし。
3月17日(土)~18日(日)の2日間。フェントパークのお披露目のユーザーイベントを行うそうです。
詳しくは、フェントジャパンさんへ。
2007年02月18日
新車レポート6
《アミティRR》
一時期バンコンに押されていたキャブコンに、復活ムードが押し寄せてきました。
その流れを牽引しているのが、AtoZのアミティやロータスRV販売のマンボウといった小型キャブコンです。
特にアミティ人気はすさまじいばかり。
価格的な魅力もさることながら、やっぱり取り回しの良いコンパクトサイズというのが、人々の注目を集めているようです。
そのアミティの第2弾として登場したのがアミティRR。
アミティの「ロールスロイス仕様」です…という冗談はさておいて、これは「リヤエンジン・リヤ駆動モデル」…でもなくて、「リヤのリヤ」という意味。
つまり、リヤエントランスよりも、さらにリヤ側にドアがあるという、バックエントランスを実現したキャブコンなんですね。

▲アミティRR ▲アミティRRバックドア
真後ろにエントランスドアがあると、どういうメリットが生まれるのか。
まず、室内が広く取れますので、その分、搭載する家具を増やすことができるようになります。
ボディ横にドアがある限り、そのドアスペースを家具でふさいでしまうわけにはいきませんし、エントランスステップも設けなければならないので、どうしても、室内に使えない空間ができてしまうわけですね。
それをずばり解消したのが、バックエントランス。
これは無類に効率のよいレイアウトで、アメリカンモーターホームではシヌーク、国産車ではコマンダーなどに採用されています。ピックアップキャビンもこのスタイルですね。
しかし、キャブコンであまり普及していないのは、出入り口がオーニングの下から外れてしまう。
また、後ろに自転車キャリアなどが付けられない。
当然、リヤ2段ベッドも無理。
…などの理由があるわけですが、それを気にしなければ、同じサイズのキャブコンなら絶対こっちがスペース効率では上。
現に、このアミティRRでは、全長4.6mというコンパクトサイズながら、シャワーやカセットトイレも装着可能なトイレルームと、大型クローゼットが設定されています。
ダイネットは、壁を背にした対面式が採用されました。ヨーロッパ車のトレンドです。
走行中の前向きシートなど要らん! という思い切りの良さが、感じられますね。

▲お座敷風に使えるテーブル ▲右側にトイレルーム
シートとシートの間には、ちょっとヨーロッパ風の楕円テーブルが置かれ、なかなかの雰囲気を出しています。
なんとこのテーブル。ベッドメイクした状態でも生かすことが可能で、そのときは、ちゃぶ台を置いたお座敷気分が満喫できます。

▲お洒落な楕円テーブル ▲バンクベッドは引き出し式
先に出たアミティがファミリー向けの小型キャブコンだとしたら、このRRはシニアカップル向け。
シニアの長距離旅行では、室内のトイレを使いたいこともあるでしょう。
また、湯YOUパークを利用したときなど、ホテルのレストランで食事をするときもあるでしょうから、そうなると、ジャケットの1枚も必要になります…ということで、クローゼットも重宝します。
そういうところに、バックエントランスならではのメリットが発揮されています。
お値段は、アミティよりちょっと上がって、2WDのDXベースで税込み3,780,000円から。
全長4600㎜、全幅1950㎜、全高2700㎜。
カタログには、ステップワゴン(4630㎜)よりも短いよ! ということがしっかり謳われています。
一時期バンコンに押されていたキャブコンに、復活ムードが押し寄せてきました。
その流れを牽引しているのが、AtoZのアミティやロータスRV販売のマンボウといった小型キャブコンです。
特にアミティ人気はすさまじいばかり。
価格的な魅力もさることながら、やっぱり取り回しの良いコンパクトサイズというのが、人々の注目を集めているようです。
そのアミティの第2弾として登場したのがアミティRR。
アミティの「ロールスロイス仕様」です…という冗談はさておいて、これは「リヤエンジン・リヤ駆動モデル」…でもなくて、「リヤのリヤ」という意味。
つまり、リヤエントランスよりも、さらにリヤ側にドアがあるという、バックエントランスを実現したキャブコンなんですね。
▲アミティRR ▲アミティRRバックドア
真後ろにエントランスドアがあると、どういうメリットが生まれるのか。
まず、室内が広く取れますので、その分、搭載する家具を増やすことができるようになります。
ボディ横にドアがある限り、そのドアスペースを家具でふさいでしまうわけにはいきませんし、エントランスステップも設けなければならないので、どうしても、室内に使えない空間ができてしまうわけですね。
それをずばり解消したのが、バックエントランス。
これは無類に効率のよいレイアウトで、アメリカンモーターホームではシヌーク、国産車ではコマンダーなどに採用されています。ピックアップキャビンもこのスタイルですね。
しかし、キャブコンであまり普及していないのは、出入り口がオーニングの下から外れてしまう。
また、後ろに自転車キャリアなどが付けられない。
当然、リヤ2段ベッドも無理。
…などの理由があるわけですが、それを気にしなければ、同じサイズのキャブコンなら絶対こっちがスペース効率では上。
現に、このアミティRRでは、全長4.6mというコンパクトサイズながら、シャワーやカセットトイレも装着可能なトイレルームと、大型クローゼットが設定されています。
ダイネットは、壁を背にした対面式が採用されました。ヨーロッパ車のトレンドです。
走行中の前向きシートなど要らん! という思い切りの良さが、感じられますね。
▲お座敷風に使えるテーブル ▲右側にトイレルーム
シートとシートの間には、ちょっとヨーロッパ風の楕円テーブルが置かれ、なかなかの雰囲気を出しています。
なんとこのテーブル。ベッドメイクした状態でも生かすことが可能で、そのときは、ちゃぶ台を置いたお座敷気分が満喫できます。
▲お洒落な楕円テーブル ▲バンクベッドは引き出し式
先に出たアミティがファミリー向けの小型キャブコンだとしたら、このRRはシニアカップル向け。
シニアの長距離旅行では、室内のトイレを使いたいこともあるでしょう。
また、湯YOUパークを利用したときなど、ホテルのレストランで食事をするときもあるでしょうから、そうなると、ジャケットの1枚も必要になります…ということで、クローゼットも重宝します。
そういうところに、バックエントランスならではのメリットが発揮されています。
お値段は、アミティよりちょっと上がって、2WDのDXベースで税込み3,780,000円から。
全長4600㎜、全幅1950㎜、全高2700㎜。
カタログには、ステップワゴン(4630㎜)よりも短いよ! ということがしっかり謳われています。
2007年02月17日
新車レポート5
《groovy グルーヴィー》
バンコンはハイエースの全盛時代。しかし、だからこそ逆に日産キャラバンの存在が、なんだか眩しいくらいに目立ちます。
キャラバンの良さは、やっぱり取り回しの良いサイズ。
ハイエースのスーパーロングでは大きすぎる。しかし、ナローボディのバンでは短すぎる。
その間を微妙に埋めているのが、日産キャラバン・スーパーロングなんですね。
日産ピーズフィールドクラフトが開発した「グルーヴィー」は、キャラバンベースのバンコンの白眉です。

▲グルーヴィー
この「グルーヴィー」という名前、どこから採られたか、お分かりですか?
サイモン&ガーファンクルの名曲「59番街橋の歌(フィーリング・グルーヴィー)」が由来となっています。
1964年に結成されて、70年代に大活躍した伝説のデュオですね。
なつかしい?
そう思った貴方!
「サウンド・オブ・サイレンス」などのメロディが、すぐに頭に浮かんでしまう方ですね。
このクルマが、貴方を待っています!
団塊の世代に焦点を合わせた“2人旅”向けのキャンピングカーが花盛りですが、このグルーヴィーは純度100%の2人旅仕様。ピュアモルトです。
まず、夫婦以外の乗車を考えていないので、運転席・助手席以降には、前向きシートがありません。
代わりに、シートは横座りのゆったりした二の字で構成され、お洒落な小型テーブルを挟んで、カップルがのんびりとくつろげる空間が創造されています。
さらに、フロント側には、使い勝手の良い大型カウンターが設定されていて、これがなんとも、惚れ惚れするくらいお洒落で、かつ憎いほど実用的。40リットル冷蔵庫、深型シンクがここに内蔵されているんですね。シンクの下には、各10リッターの給・排水ポリタンク。
で、シンクの蓋を閉めれば、ここがキッチンカウンターに早変わり。
うまい設定です。

▲便利なカウンター ▲二の字のリビング
もう一つの特徴は、ベッドメイクした状態でも使えるトイレルーム。
このサイズのバンコンで、よくもまぁ、コンパートメントを作り出したものだと、びっくりしてしまいますね。“2人旅”に特化したからこそ実現できた仕様で、これは快挙です。

▲ベッド状態 ▲トイレルーム
ベッドメイクも、あっけないくらい簡単。
ソファマットを二つだけ、ポンポンとはめ込むだけで、できあがり。
テイク・イット・イージー!
中高年向けのバンコンは、こうじゃなきゃ。
インテリアデザインは実に優美です。
美しいロシア松の木工家具と、光の加減でパープルにも見えるグレーのシート。色目は主にその二つだけなのですが、そのシンプルな配色の妙に、逆に「大人のバンコン」の色気を感じます。
お値段は、2WDのガソリンATで、税込み3,967,950円。
仕様も、価格も「フィーリング・グルーヴィー!」
そうそう、これに乗ったら、「サイモン&ガーファンクル」を聞きましょう。
奥さんと一緒に、出会った頃のあの時代にプレーバック!

バンコンはハイエースの全盛時代。しかし、だからこそ逆に日産キャラバンの存在が、なんだか眩しいくらいに目立ちます。
キャラバンの良さは、やっぱり取り回しの良いサイズ。
ハイエースのスーパーロングでは大きすぎる。しかし、ナローボディのバンでは短すぎる。
その間を微妙に埋めているのが、日産キャラバン・スーパーロングなんですね。
日産ピーズフィールドクラフトが開発した「グルーヴィー」は、キャラバンベースのバンコンの白眉です。
▲グルーヴィー
この「グルーヴィー」という名前、どこから採られたか、お分かりですか?
サイモン&ガーファンクルの名曲「59番街橋の歌(フィーリング・グルーヴィー)」が由来となっています。
1964年に結成されて、70年代に大活躍した伝説のデュオですね。
なつかしい?
そう思った貴方!
「サウンド・オブ・サイレンス」などのメロディが、すぐに頭に浮かんでしまう方ですね。
このクルマが、貴方を待っています!
団塊の世代に焦点を合わせた“2人旅”向けのキャンピングカーが花盛りですが、このグルーヴィーは純度100%の2人旅仕様。ピュアモルトです。
まず、夫婦以外の乗車を考えていないので、運転席・助手席以降には、前向きシートがありません。
代わりに、シートは横座りのゆったりした二の字で構成され、お洒落な小型テーブルを挟んで、カップルがのんびりとくつろげる空間が創造されています。
さらに、フロント側には、使い勝手の良い大型カウンターが設定されていて、これがなんとも、惚れ惚れするくらいお洒落で、かつ憎いほど実用的。40リットル冷蔵庫、深型シンクがここに内蔵されているんですね。シンクの下には、各10リッターの給・排水ポリタンク。
で、シンクの蓋を閉めれば、ここがキッチンカウンターに早変わり。
うまい設定です。
▲便利なカウンター ▲二の字のリビング
もう一つの特徴は、ベッドメイクした状態でも使えるトイレルーム。
このサイズのバンコンで、よくもまぁ、コンパートメントを作り出したものだと、びっくりしてしまいますね。“2人旅”に特化したからこそ実現できた仕様で、これは快挙です。
▲ベッド状態 ▲トイレルーム
ベッドメイクも、あっけないくらい簡単。
ソファマットを二つだけ、ポンポンとはめ込むだけで、できあがり。
テイク・イット・イージー!
中高年向けのバンコンは、こうじゃなきゃ。
インテリアデザインは実に優美です。
美しいロシア松の木工家具と、光の加減でパープルにも見えるグレーのシート。色目は主にその二つだけなのですが、そのシンプルな配色の妙に、逆に「大人のバンコン」の色気を感じます。
お値段は、2WDのガソリンATで、税込み3,967,950円。
仕様も、価格も「フィーリング・グルーヴィー!」
そうそう、これに乗ったら、「サイモン&ガーファンクル」を聞きましょう。
奥さんと一緒に、出会った頃のあの時代にプレーバック!
2007年02月16日
新車レポート4
《NEBURA ネビュラ》
2007年に入ってから登場した新車を見ると、今まで造られてきたキャンピングカーとは、ひと味違ったものを追求しているクルマが目立つようになってきました。
「ひと味」とは、むずかしい言葉でいうと「ブランド力」。
便利な装備、買いやすい価格帯…、単にそれだけを追求しているかぎり、結局は他社製品と同じような競争に明け暮れるだけ。
そうではなく、「唯一、このクルマにしかないもの!」
そういうものを追求するビルダーさんが、増えてきたように思います。
ヴィトンがヴィトンでしかないように。
シャネルがシャネルでしかないように。
他の商品に置き換えることのできないもの。
キャンピングカーにも、そういうものを盛り込んだ商品が登場してきたことが、今年の大きな特徴かもしれません。
その代表的な例として、アネックスさんが開発した「ネビュラ」をご紹介いたします。
まず、スタイルがきれいです。そして、その流麗なフォルムをより一層際立たせている塗装が見事。
平滑性の良い塗装面が完成されてこそ、このシルバーメタがひときわ輝くわけですね。
外装だけでも、「ここまでやるか?」という凝り方です。

次に、インテリアが実に決まっています。
グレーを基調とするベースカラーに、格調高いローズウッド家具。そして、なんとも小粋なブラックレザーシート。
この内装って、はっきりいってキャンピングカーの域を超えていますね。

「走るモダンリビング」
パンフレットのキャッチには、そう謳われていますが、さらに付け加えると、高層ビルのラウンジから、グラス片手に、港の夜景などを眺めるとピッタリ! というインテリアが実現されています。

このクルマ。実は建築デザインの専門家チームが、商品コンセプトから、パンフレットやイベント会場におけるディスプレイまで、すべてトータルコーディネートしてできあがったキャンピングカーなんですね。
デザインを担当したのは「アートアンドクラフト」という会社です。
どうりで違うわけですね。
ロゴデザイン一つとっても、今までのキャンピングカーのボディに張られたロゴステッカーとはまったく違います。
アネックスの田中社長から、面白い話を聞きました。
このクルマのコンセプトメイクをするにあたり、実際に海岸まで走っていって、車内でお酒を飲みながら討論したというのです。
窓から見えるハーバーの明かりを眺めながら、このネビュラに乗る人が、何を求め、どんな気分に浸り、何を得られるか。
良い音楽、うまい酒、素敵な会話。
それを自分たちで味わいながらストーリーをつくり、そして細部を決めていく。
キャンピングカー開発もそういう時代になったんですね。
お客が楽しむ前に、制作者たちが、まず楽しんでみる。
「ブランド」というものも、そういうところから積み上げられていくように思えます。
※ なお、「ネビュラ」専用のホームページもできたようです。

▲車内でこんなの聞くと似合いそうだ SADE Diamond Life
2007年に入ってから登場した新車を見ると、今まで造られてきたキャンピングカーとは、ひと味違ったものを追求しているクルマが目立つようになってきました。
「ひと味」とは、むずかしい言葉でいうと「ブランド力」。
便利な装備、買いやすい価格帯…、単にそれだけを追求しているかぎり、結局は他社製品と同じような競争に明け暮れるだけ。
そうではなく、「唯一、このクルマにしかないもの!」
そういうものを追求するビルダーさんが、増えてきたように思います。
ヴィトンがヴィトンでしかないように。
シャネルがシャネルでしかないように。
他の商品に置き換えることのできないもの。
キャンピングカーにも、そういうものを盛り込んだ商品が登場してきたことが、今年の大きな特徴かもしれません。
その代表的な例として、アネックスさんが開発した「ネビュラ」をご紹介いたします。
まず、スタイルがきれいです。そして、その流麗なフォルムをより一層際立たせている塗装が見事。
平滑性の良い塗装面が完成されてこそ、このシルバーメタがひときわ輝くわけですね。
外装だけでも、「ここまでやるか?」という凝り方です。
次に、インテリアが実に決まっています。
グレーを基調とするベースカラーに、格調高いローズウッド家具。そして、なんとも小粋なブラックレザーシート。
この内装って、はっきりいってキャンピングカーの域を超えていますね。
「走るモダンリビング」
パンフレットのキャッチには、そう謳われていますが、さらに付け加えると、高層ビルのラウンジから、グラス片手に、港の夜景などを眺めるとピッタリ! というインテリアが実現されています。
このクルマ。実は建築デザインの専門家チームが、商品コンセプトから、パンフレットやイベント会場におけるディスプレイまで、すべてトータルコーディネートしてできあがったキャンピングカーなんですね。
デザインを担当したのは「アートアンドクラフト」という会社です。
どうりで違うわけですね。
ロゴデザイン一つとっても、今までのキャンピングカーのボディに張られたロゴステッカーとはまったく違います。
アネックスの田中社長から、面白い話を聞きました。
このクルマのコンセプトメイクをするにあたり、実際に海岸まで走っていって、車内でお酒を飲みながら討論したというのです。
窓から見えるハーバーの明かりを眺めながら、このネビュラに乗る人が、何を求め、どんな気分に浸り、何を得られるか。
良い音楽、うまい酒、素敵な会話。
それを自分たちで味わいながらストーリーをつくり、そして細部を決めていく。
キャンピングカー開発もそういう時代になったんですね。
お客が楽しむ前に、制作者たちが、まず楽しんでみる。
「ブランド」というものも、そういうところから積み上げられていくように思えます。
※ なお、「ネビュラ」専用のホームページもできたようです。
▲車内でこんなの聞くと似合いそうだ SADE Diamond Life
2007年02月15日
新車レポート3
《just-k3》
今回は、幕張ショーでデビューした軽キャンカーの「ジャストK3」をご紹介します。
開発したのは、石川県で20年近くキャンピングカーや移動販売車を手がけてきたゼック(ZECC)さん。

▲ベースはスズキ・キヤリィ
バンクを持ったFRP成形ボディの軽キャンカーとしては、ラ・クーンに続いて2台目となります。
全長3705mm、全幅1740mm、全高2430mm。
サイズが「軽」の規定に収まらないため、普通車登録となりますが、やっぱりコンパクトであることにはかわりありません。
この手のキャブコン軽キャンカーは、なんといってもスタイルが絶妙ですね。
やっぱり可愛い! 幕張の会場でも大変な人気でした。
室内はシンプルながら、要領よくまとまっていて、なかなか使い勝手は良好です。
セカンドシートとサードシートでしっかりしたダイネットも作れますし、ベッドメイクすれば、長さ1820mm×1280mmのフロアベッドのできあがり。
セカンドシートとサードシートを折りたためば、今度は1600mm×1300mmのフラットフロアが誕生し、荷物置き場としても、しっかり機能します。

▲対面シート状態 ▲セカンドシートは折りたたみ
特徴的なのは、車内の電源がみな100Vで統一されているところなんですね。
それを実現したのが、1.5kWの正弦波インバーター。もちろんそれが標準装備され、さらに電子レンジ、冷蔵庫(40リットル)も付いてきます。
スタッフの方は、それで「ドライヤーも掃除機も大丈夫!」と胸を張るのですが、心配な方には、オプションで150Aのサブバッテリーも用意されているようです。

▲冷蔵庫の上は電子レンジ ▲バンク部は収納庫
旅行に行かないときは、家の脇の駐車スペースに止めておけば、部屋替わりに使えます。家から電源を引き込めば、照明も冷蔵庫も使いたい放題。
書斎を持ちたくても、持てないお父さん! おひとついかがでしょう。
※ なお、ゼックさんが東京・幕張のイベント会場で配られたパンフレットの電話番号の表記が間違っていたそうです。
パンフレットには、「072-294-2000」とありましたが、
正しくは、076-294-2000です。
今回は、幕張ショーでデビューした軽キャンカーの「ジャストK3」をご紹介します。
開発したのは、石川県で20年近くキャンピングカーや移動販売車を手がけてきたゼック(ZECC)さん。
▲ベースはスズキ・キヤリィ
バンクを持ったFRP成形ボディの軽キャンカーとしては、ラ・クーンに続いて2台目となります。
全長3705mm、全幅1740mm、全高2430mm。
サイズが「軽」の規定に収まらないため、普通車登録となりますが、やっぱりコンパクトであることにはかわりありません。
この手のキャブコン軽キャンカーは、なんといってもスタイルが絶妙ですね。
やっぱり可愛い! 幕張の会場でも大変な人気でした。
室内はシンプルながら、要領よくまとまっていて、なかなか使い勝手は良好です。
セカンドシートとサードシートでしっかりしたダイネットも作れますし、ベッドメイクすれば、長さ1820mm×1280mmのフロアベッドのできあがり。
セカンドシートとサードシートを折りたためば、今度は1600mm×1300mmのフラットフロアが誕生し、荷物置き場としても、しっかり機能します。
▲対面シート状態 ▲セカンドシートは折りたたみ
特徴的なのは、車内の電源がみな100Vで統一されているところなんですね。
それを実現したのが、1.5kWの正弦波インバーター。もちろんそれが標準装備され、さらに電子レンジ、冷蔵庫(40リットル)も付いてきます。
スタッフの方は、それで「ドライヤーも掃除機も大丈夫!」と胸を張るのですが、心配な方には、オプションで150Aのサブバッテリーも用意されているようです。
▲冷蔵庫の上は電子レンジ ▲バンク部は収納庫
旅行に行かないときは、家の脇の駐車スペースに止めておけば、部屋替わりに使えます。家から電源を引き込めば、照明も冷蔵庫も使いたい放題。
書斎を持ちたくても、持てないお父さん! おひとついかがでしょう。
※ なお、ゼックさんが東京・幕張のイベント会場で配られたパンフレットの電話番号の表記が間違っていたそうです。
パンフレットには、「072-294-2000」とありましたが、
正しくは、076-294-2000です。
2007年02月14日
新車レポート2
《ボーダー6.0》
ナッツRVがこのたび開発した「ボーダー6.0」は、幕張キャンピングカーショーの会場で、最も注目を集めたクルマのひとつとなりました。
なにしろ重厚感が違うのです。外装も内装も「本物!」という迫力が見る者に伝わってきます。同社がグランツ以来、クレソン、ミラージュと追い求めてきた「日本車におけるヨーロッパ的な高級感」というものを、ついに開花させたという感じです。
▲ボーダー6.0外形 ▲ドレスアップパーツを施したFマスク
工法的にも、画期的な構造が採り入れられたクルマです。
シャシーにはマイクロバスのリエッセⅡを使っているのですが、そのボディの運転席以降を大胆にカット。アルミコーナーフレームと組み合わせた高断熱パネルで、まったく個性的なオリジナルボディを実現しています。
バスシャシーを使っているという意味では「バスコン」。しかし、新設計のシェルを架装しているという意味では「キャブコン」。両者の“良いとこどり”というわけですが、しかし、厳密に構造を検討していくと、そのどちらにも属さないニュージャンルです。
そういった意味で、このボーダーは、フィールドライフのルーツと原理を共有しています。現在この手のカテゴリーを表現する名称はありませんが、やがてそれを特定する新呼称が提案されてくるかもしれません。
ボーダーの内装は2タイプ用意されています。
対面ダイネットでリビングを構成するタイプD(乗車6名・就寝4名)。
ラウンジスタイルのダイネットでサロンを実現したタイプL(乗車8名・就寝5名)です。
ともに、リヤには2段ベッドが設定されていますが、タイプDは、大型ダブルベッドで下部大型収納。タイプLは、段違いの2段ベッドとなります。

▲タイプDダイネット ▲タイプDキッチン
家庭用の円形シンクや耐熱ガラスカバーのついたコンロが並んだキッチン周りは、もう高級ヨーロッパ車の雰囲気です。優美なアールを施した木工家具も上品な輝きを放っています。
冷蔵庫は、WAECOの90リットル1ウェイ冷蔵庫。電子レンジも標準装備。給排水タンクは、ともにステンレス製の90リットルタンク。堂々たるモーターホームの設備が満載されています。
▲タイプLダイネット
走行性能の向上は、リヤの4本のショックアブソーバーによって実現されています。
純正リヤアブソーバーの他に、専用ブラケットが用意され、アディショナルアブソーバーが追加されました。きっとこれは、相当の走行安定性を確保することになっているはずです。
運転席にも、元のバスシャシーにはなかった助手席ドアが設定され、助手席に座った人の乗り降りが楽になっていることも、特筆モノかもしれません。
お値段は、税込み価格で、8,778,000円と、価格表に記載されています。
ナッツRVがこのたび開発した「ボーダー6.0」は、幕張キャンピングカーショーの会場で、最も注目を集めたクルマのひとつとなりました。
なにしろ重厚感が違うのです。外装も内装も「本物!」という迫力が見る者に伝わってきます。同社がグランツ以来、クレソン、ミラージュと追い求めてきた「日本車におけるヨーロッパ的な高級感」というものを、ついに開花させたという感じです。
▲ボーダー6.0外形 ▲ドレスアップパーツを施したFマスク
工法的にも、画期的な構造が採り入れられたクルマです。
シャシーにはマイクロバスのリエッセⅡを使っているのですが、そのボディの運転席以降を大胆にカット。アルミコーナーフレームと組み合わせた高断熱パネルで、まったく個性的なオリジナルボディを実現しています。
バスシャシーを使っているという意味では「バスコン」。しかし、新設計のシェルを架装しているという意味では「キャブコン」。両者の“良いとこどり”というわけですが、しかし、厳密に構造を検討していくと、そのどちらにも属さないニュージャンルです。
そういった意味で、このボーダーは、フィールドライフのルーツと原理を共有しています。現在この手のカテゴリーを表現する名称はありませんが、やがてそれを特定する新呼称が提案されてくるかもしれません。
ボーダーの内装は2タイプ用意されています。
対面ダイネットでリビングを構成するタイプD(乗車6名・就寝4名)。
ラウンジスタイルのダイネットでサロンを実現したタイプL(乗車8名・就寝5名)です。
ともに、リヤには2段ベッドが設定されていますが、タイプDは、大型ダブルベッドで下部大型収納。タイプLは、段違いの2段ベッドとなります。
▲タイプDダイネット ▲タイプDキッチン
家庭用の円形シンクや耐熱ガラスカバーのついたコンロが並んだキッチン周りは、もう高級ヨーロッパ車の雰囲気です。優美なアールを施した木工家具も上品な輝きを放っています。
冷蔵庫は、WAECOの90リットル1ウェイ冷蔵庫。電子レンジも標準装備。給排水タンクは、ともにステンレス製の90リットルタンク。堂々たるモーターホームの設備が満載されています。
▲タイプLダイネット
走行性能の向上は、リヤの4本のショックアブソーバーによって実現されています。
純正リヤアブソーバーの他に、専用ブラケットが用意され、アディショナルアブソーバーが追加されました。きっとこれは、相当の走行安定性を確保することになっているはずです。
運転席にも、元のバスシャシーにはなかった助手席ドアが設定され、助手席に座った人の乗り降りが楽になっていることも、特筆モノかもしれません。
お値段は、税込み価格で、8,778,000円と、価格表に記載されています。
2007年02月13日
新車レポート1
《ピクニック》
幕張キャンピングカーショーに登場した新車のなかから、話題性に富んだものをピックアップしてご紹介しましょう。
まずは、キャンピングカー広島さんが開発された「ピクニック」から。

ベース車はお馴染みのスズキエブリィですが、コテコテのキャンピングカーではなく、あくまでも気楽に旅行ができて、簡単に寝られるというシンプルなコンセプトを追求したクルマです。
したがって、あくまでも「貨物車」として軽の4ナンバー登録となります。
しかし、ベッドマットの収容スペースや可愛い小物入れなどがふんだんに盛り込まれ、室内の使い勝手は上々。ベッドの支えとなる木工部分などは、さすがキャンピングカー広島らしい、丁寧な造りになっていて、格調の高さが漂ってきます。
オプションとなりますが、走行充電とFFヒーターを搭載するスペースも確保され、それらの装備を載せた状態で、車検もパスできるというのがミソ。シンプルながら、実用性の高いクルマとなりました。
目玉は、ポップアップルーフ。車内で立ったまま着替えもできるというのが、このクルマの強み。
スペース的に4人寝られる空間がないわけではないのですが、この限られた空間で4人寝るのはちょっと欲張りすぎでしょう。
フロアベッドで2名が寝て、ポップアップした内側は、荷物置き場と割り切った方が、無理のない使い方となります。

全高は、1910mm。ノーマルが1875mmですから、わずか35mm上がっただけ。駐車場選びはノープロブラムです。
軽キャンカー人気にまたひとつ拍車がかかりそうなニューカーの登場です。
幕張キャンピングカーショーに登場した新車のなかから、話題性に富んだものをピックアップしてご紹介しましょう。
まずは、キャンピングカー広島さんが開発された「ピクニック」から。
ベース車はお馴染みのスズキエブリィですが、コテコテのキャンピングカーではなく、あくまでも気楽に旅行ができて、簡単に寝られるというシンプルなコンセプトを追求したクルマです。
したがって、あくまでも「貨物車」として軽の4ナンバー登録となります。
しかし、ベッドマットの収容スペースや可愛い小物入れなどがふんだんに盛り込まれ、室内の使い勝手は上々。ベッドの支えとなる木工部分などは、さすがキャンピングカー広島らしい、丁寧な造りになっていて、格調の高さが漂ってきます。
オプションとなりますが、走行充電とFFヒーターを搭載するスペースも確保され、それらの装備を載せた状態で、車検もパスできるというのがミソ。シンプルながら、実用性の高いクルマとなりました。
目玉は、ポップアップルーフ。車内で立ったまま着替えもできるというのが、このクルマの強み。
スペース的に4人寝られる空間がないわけではないのですが、この限られた空間で4人寝るのはちょっと欲張りすぎでしょう。
フロアベッドで2名が寝て、ポップアップした内側は、荷物置き場と割り切った方が、無理のない使い方となります。
全高は、1910mm。ノーマルが1875mmですから、わずか35mm上がっただけ。駐車場選びはノープロブラムです。
軽キャンカー人気にまたひとつ拍車がかかりそうなニューカーの登場です。
2007年02月12日
幕張ショー閉幕
国内最大のアウトドアイベント「DREAM OUTDOORキャンピング&RVショー」が閉幕しました。
3日間に渡る長いショーでしたが、連日大盛況。子供を連れたファミリー、ペットを連れたシニアカップルなどが多数来場し、アウトドアを楽しむ層の広がりを感じさせてくれるイベントとなりました。
今年のショーの特徴は、まずキャンピングカーのグレード感がひときわアップしたことです。
特に国産キャンピングカーの内外装の質感の向上には目を見張るものがありました。
ハイエースのバンコンにも新しい提案を盛り込んだ新車が多数登場しましたが、それ以上にキャブコンの健闘が光ったショーでした。
来場者にも変化が見られました。
とにかくビギナーの参入が目立ちましたが、今までのビギナーと違うところは、キャンピングカーに対する予備知識を持った人たちが多かったということです。専門誌やネットなどで知識を仕入れてから、イベント会場で現物を確認する。
そういう流れが出てきたという印象を強く持ちました。
キャンピングカーが「ブーム」から「ニーズ」へ。
時代が変わっていく気配がひしひしと伝わってきます。
…土曜日の夜は飲んじゃって、幕張駅のホームに上がったところまでは覚えているのですが、どうやら電車には乗らなかったらしく、気がついたら、メッセの近くのインターネットカフェで朝を迎え、「ここはどこ?」状態。
ちょっと反省。
3日間に渡る長いショーでしたが、連日大盛況。子供を連れたファミリー、ペットを連れたシニアカップルなどが多数来場し、アウトドアを楽しむ層の広がりを感じさせてくれるイベントとなりました。
今年のショーの特徴は、まずキャンピングカーのグレード感がひときわアップしたことです。
特に国産キャンピングカーの内外装の質感の向上には目を見張るものがありました。
ハイエースのバンコンにも新しい提案を盛り込んだ新車が多数登場しましたが、それ以上にキャブコンの健闘が光ったショーでした。
来場者にも変化が見られました。
とにかくビギナーの参入が目立ちましたが、今までのビギナーと違うところは、キャンピングカーに対する予備知識を持った人たちが多かったということです。専門誌やネットなどで知識を仕入れてから、イベント会場で現物を確認する。
そういう流れが出てきたという印象を強く持ちました。
キャンピングカーが「ブーム」から「ニーズ」へ。
時代が変わっていく気配がひしひしと伝わってきます。
…土曜日の夜は飲んじゃって、幕張駅のホームに上がったところまでは覚えているのですが、どうやら電車には乗らなかったらしく、気がついたら、メッセの近くのインターネットカフェで朝を迎え、「ここはどこ?」状態。
ちょっと反省。
2007年02月11日
シニアの時代到来
本日売りの日経新聞の朝刊に、「車は動く家=旅と暮らし楽しむ」というタイトルで、キャンピングカーライフを楽しむ熟年層の話題が掲載されました。
なんと、そこに登場しているのが、このブログでも著書をご紹介したことのある山本馬骨(本名・拓弘)さん。
記事には、その山本さんとお友だちが栃木県の喜連川温泉で落ち合い、入浴を満喫した後、クルマのなかで仲良く「おでんで一杯」を楽しんだというレポートも盛り込まれていました。
定年退職を迎える団塊の世代を中心に、今キャンピングカーブームが巻き起こりつつあると、日経新聞も伝えているわけですが、私も幕張ショーの会場で、それを実感しました。
会場では、『オートキャンパー』の連載でおなじみの塩澤さんも来られ、キャンピングカー初心者に向けて、トークを披露されていましたが、そこに集まった“初心者”というのが、みなオジサン、オバサン。しかも、実に熱心に話を聞いていました。
…ああ、そういう時代が来たんだ、と少し感無量。
販売店の方々も、「最近シニアの来店がことのほか目立つ」とみな一応に話していました。
これから、キャンピングカーライフを始めようとされる方に、参考になるブログをひとつご紹介しましょう。
山本馬骨さんがお書きになっている「山本馬骨のくるま旅くらしノオト」です。
定年退職されてから、奥様とずっと日本全国を旅されている山本さんの旅の記録と、旅を楽しむノウハウなどが満載されています。
幕張ショーは明日も開催されています。
ご興味のある方は、ぜひ一度。
なんと、そこに登場しているのが、このブログでも著書をご紹介したことのある山本馬骨(本名・拓弘)さん。
記事には、その山本さんとお友だちが栃木県の喜連川温泉で落ち合い、入浴を満喫した後、クルマのなかで仲良く「おでんで一杯」を楽しんだというレポートも盛り込まれていました。
定年退職を迎える団塊の世代を中心に、今キャンピングカーブームが巻き起こりつつあると、日経新聞も伝えているわけですが、私も幕張ショーの会場で、それを実感しました。
会場では、『オートキャンパー』の連載でおなじみの塩澤さんも来られ、キャンピングカー初心者に向けて、トークを披露されていましたが、そこに集まった“初心者”というのが、みなオジサン、オバサン。しかも、実に熱心に話を聞いていました。
…ああ、そういう時代が来たんだ、と少し感無量。
販売店の方々も、「最近シニアの来店がことのほか目立つ」とみな一応に話していました。
これから、キャンピングカーライフを始めようとされる方に、参考になるブログをひとつご紹介しましょう。
山本馬骨さんがお書きになっている「山本馬骨のくるま旅くらしノオト」です。
定年退職されてから、奥様とずっと日本全国を旅されている山本さんの旅の記録と、旅を楽しむノウハウなどが満載されています。
幕張ショーは明日も開催されています。
ご興味のある方は、ぜひ一度。
2007年02月10日
幕張ショー速報
千葉県の幕張メッセで、DREAM OUTDOORキャンピング&RVショーが開かれました。
どんなキャンピングカーが出展されているのか。
速報です!
今回はホントに意欲的な新車が目白押し! 実に充実したショーになりました。
まず北海道のノースライフからは、初のオリジナルキャブコン「DAICHI」がデビュー。床下暖房の完全寒冷地仕様です。
RVビックフットからはカムロードの本格派キャブコン「ソフィア」もリリースされました。

▲DAICHI ▲ソフィア
ショーの目玉のひとつとなりそうな、ナッツRVの「ボーダー6.0」。リエッセⅡのシャシーを利用し、断熱に優れたキャブコン構造を採用した画期的な新型キャンピングカーです。
このニュータイプキャンピングカーの元祖となったのが、フィールドライフの大ヒット商品「ルーツ」。このショーでは、ルーツの派生バージョンとして、Lラウンジを採用した「トリップ」もデビューしました。

▲ボーダー6.0 ▲ルーツ・トリップ
アネックスも意欲作を発表しました。カムロードベースの新型キャブコン「ネビュラ」。スタイルもグッド! ボディの美しい塗装には脱帽。平滑性が素晴らしく、見ていると自分の顔が映ります。
プロのデザイナーが外装・内装をトータルコーディネートしただけあって、デザインセンスは抜群です。

▲ネビュラ ▲ネビュラ室内
東和モータース販売からも、カムロードの新型キャブコン「ヴォーン」が誕生しています。
人気のデスレフ・グローブバスも2007年モデルが投入されています。フィアットがカッコいいですねぇ!

▲ヴォーン ▲デスレフ・グローブバス
トレーラーもニューモデルが続々登場しています。左下はインディアナRVの今期の戦略車種「エメロードⅢ」。ジャスト日本サイズです。
ピックアップキャビンも元気。MYSミスティックの「J-キャビンF」。ベースが三菱のトライトンだぁ!

▲エメロードⅢ ▲J-キャビンF
AtoZからは、大好評のアミティの新バージョンが登場しました。真後ろから出入りするバックエントランスを設けたアミティRRです。
バンコンも意欲作が並びましたが、かーいんてりあ高橋が満を持して持ち込んだ「ハイファールーフ」は、とても美しいルーフを実現。車高がそんなに高くは見えませんが、中に入ると余裕ある室内高でびっくり。

▲アミティRR ▲ハイファールーフ
軽キャンカーもたくさん登場しています。
人気の「テントむし」。見てください! なんとそっくり同じような形をしたトレーラーを引いています。見上さん、バックオーダーを抱えて超多忙なはずなのに、いつこんなものを開発していたのでしょう。
キャンピングカー広島からは「ピクニック」がデビュー。キャンピング仕様ではないのですが、ポップアップルーフを備え、4人就寝が可能です。中も実にお洒落。可愛いクルマです。

▲テントむし ▲ピクニック
会場に行く途中で会ったエアストリーム。田中会長すごいですね! 自走式モーターホームで、エアストリームを牽引しています。
右は、おなじみのゲンさん。アウトドアイベントでは欠かせないキャンプ料理の達人です。

▲エアストリーム ▲ゲンさん
ここに紹介したのは、今回登場した新車でも、そのほんの一部です。そのほかにも魅力的な新車、人気車が目白押し。
皆様も、ぜひお越しください。
どんなキャンピングカーが出展されているのか。
速報です!
今回はホントに意欲的な新車が目白押し! 実に充実したショーになりました。
まず北海道のノースライフからは、初のオリジナルキャブコン「DAICHI」がデビュー。床下暖房の完全寒冷地仕様です。
RVビックフットからはカムロードの本格派キャブコン「ソフィア」もリリースされました。
▲DAICHI ▲ソフィア
ショーの目玉のひとつとなりそうな、ナッツRVの「ボーダー6.0」。リエッセⅡのシャシーを利用し、断熱に優れたキャブコン構造を採用した画期的な新型キャンピングカーです。
このニュータイプキャンピングカーの元祖となったのが、フィールドライフの大ヒット商品「ルーツ」。このショーでは、ルーツの派生バージョンとして、Lラウンジを採用した「トリップ」もデビューしました。
▲ボーダー6.0 ▲ルーツ・トリップ
アネックスも意欲作を発表しました。カムロードベースの新型キャブコン「ネビュラ」。スタイルもグッド! ボディの美しい塗装には脱帽。平滑性が素晴らしく、見ていると自分の顔が映ります。
プロのデザイナーが外装・内装をトータルコーディネートしただけあって、デザインセンスは抜群です。
▲ネビュラ ▲ネビュラ室内
東和モータース販売からも、カムロードの新型キャブコン「ヴォーン」が誕生しています。
人気のデスレフ・グローブバスも2007年モデルが投入されています。フィアットがカッコいいですねぇ!
▲ヴォーン ▲デスレフ・グローブバス
トレーラーもニューモデルが続々登場しています。左下はインディアナRVの今期の戦略車種「エメロードⅢ」。ジャスト日本サイズです。
ピックアップキャビンも元気。MYSミスティックの「J-キャビンF」。ベースが三菱のトライトンだぁ!
▲エメロードⅢ ▲J-キャビンF
AtoZからは、大好評のアミティの新バージョンが登場しました。真後ろから出入りするバックエントランスを設けたアミティRRです。
バンコンも意欲作が並びましたが、かーいんてりあ高橋が満を持して持ち込んだ「ハイファールーフ」は、とても美しいルーフを実現。車高がそんなに高くは見えませんが、中に入ると余裕ある室内高でびっくり。
▲アミティRR ▲ハイファールーフ
軽キャンカーもたくさん登場しています。
人気の「テントむし」。見てください! なんとそっくり同じような形をしたトレーラーを引いています。見上さん、バックオーダーを抱えて超多忙なはずなのに、いつこんなものを開発していたのでしょう。
キャンピングカー広島からは「ピクニック」がデビュー。キャンピング仕様ではないのですが、ポップアップルーフを備え、4人就寝が可能です。中も実にお洒落。可愛いクルマです。
▲テントむし ▲ピクニック
会場に行く途中で会ったエアストリーム。田中会長すごいですね! 自走式モーターホームで、エアストリームを牽引しています。
右は、おなじみのゲンさん。アウトドアイベントでは欠かせないキャンプ料理の達人です。
▲エアストリーム ▲ゲンさん
ここに紹介したのは、今回登場した新車でも、そのほんの一部です。そのほかにも魅力的な新車、人気車が目白押し。
皆様も、ぜひお越しください。
2007年02月08日
家族の触れ合い
キャンピングカーユーザーたちは、何を求めてキャンピングカーを購入し、そして購入したことで、何を実現できたのでしょうか。
日本RV協会(JRVA)が発行した「キャンピングカー白書2007」によると、ユーザーの購入動機でいちばん多かったのは、「夫婦2人で旅行を楽しむため」というものでした(25.3%)。
次に多かったのは、「子供たちと楽しむためのツールとして」という答でした(24.1%)。
以下、
「ペット連れの旅行に最適と判断」(17.4%)
「釣り、バイクなどの趣味を生かすため」(10.6%)
「テントキャンプでは不便と感じた」(6.4%)
と続きます。

これでお分かりのように、夫婦や子供たちといった「家族同士の触れ合い」を深めるためにキャンピングカーを購入した人たちが、全体のほぼ半数を占めています。
では、その目的は果たせたのでしょうか?
白書では、「キャンピングカーを購入してから、家族関係がどう変化したか」という調査も行っています。
それによると、
「家族との会話で、キャンプ場、旅行、温泉などの共通の話題が持てるようになった」と答えた人が40.7%にのぼりました。
その次に、「夫婦・子供たちとの団らんの時間が増えた」という回答を寄せた人も33.6%おりました。
以下、
「釣りやスキーなど、夫婦・家族で共有できる趣味が増えた」(13.2%)
「両親や障害者と旅行に行けるようになった」(5.7%)
という順になっています。
「共通の話題が持てるようになった」、「団らんの時間が増えた」という二つの回答を合わせると74.3%。
なんと7割以上の人が、期待どおり、キャンピングカーによって家族の絆が深まったことを実感している様子が浮かび上がってきます。

また、キャンピングカーは釣り、スキー、自転車、モトクロス、温泉めぐりなど、親子や夫婦で趣味を共有し合うための仲立ちの役目も果たしています。
ともすれば、心がバラバラになりそうな現代の家族を、キャンピングカーが上手にまとめあげているという姿も、この白書から見えてきそうです。
日本RV協会(JRVA)が発行した「キャンピングカー白書2007」によると、ユーザーの購入動機でいちばん多かったのは、「夫婦2人で旅行を楽しむため」というものでした(25.3%)。
次に多かったのは、「子供たちと楽しむためのツールとして」という答でした(24.1%)。
以下、
「ペット連れの旅行に最適と判断」(17.4%)
「釣り、バイクなどの趣味を生かすため」(10.6%)
「テントキャンプでは不便と感じた」(6.4%)
と続きます。
これでお分かりのように、夫婦や子供たちといった「家族同士の触れ合い」を深めるためにキャンピングカーを購入した人たちが、全体のほぼ半数を占めています。
では、その目的は果たせたのでしょうか?
白書では、「キャンピングカーを購入してから、家族関係がどう変化したか」という調査も行っています。
それによると、
「家族との会話で、キャンプ場、旅行、温泉などの共通の話題が持てるようになった」と答えた人が40.7%にのぼりました。
その次に、「夫婦・子供たちとの団らんの時間が増えた」という回答を寄せた人も33.6%おりました。
以下、
「釣りやスキーなど、夫婦・家族で共有できる趣味が増えた」(13.2%)
「両親や障害者と旅行に行けるようになった」(5.7%)
という順になっています。
「共通の話題が持てるようになった」、「団らんの時間が増えた」という二つの回答を合わせると74.3%。
なんと7割以上の人が、期待どおり、キャンピングカーによって家族の絆が深まったことを実感している様子が浮かび上がってきます。
また、キャンピングカーは釣り、スキー、自転車、モトクロス、温泉めぐりなど、親子や夫婦で趣味を共有し合うための仲立ちの役目も果たしています。
ともすれば、心がバラバラになりそうな現代の家族を、キャンピングカーが上手にまとめあげているという姿も、この白書から見えてきそうです。
2007年02月07日
売れている価格帯
キャンピングカーを買う人はお金持ち?
そう思う人は、けっこう多いかもしれません。
しかし、日本RV協会(JRVA)が発行した「キャンピングカー白書2007」を読んでみると、必ずしも、キャンピングカーが富裕層だけの持ち物でないことが分かってきます。
同書が明らかにしたユーザーの平均的な世帯収入は、600万円台の後半。正確にいうと約690万円だそうです。
これは05年度の「国民生活基礎調査」で明らかになった、日本の1世帯あたりの平均所得金額より、約100万円ほど高い数値です。
「なんだぁ、やっぱりお金持ちのアイテムか」
と、思う人がいるかもしれませんが、平均値が高いのは、1,000万円以上の世帯収入を持つ人が22.3%いるからなんですね。
この2割の層が、全体の平均値を高めた格好になりました。
しかし、それ以外は、世帯収入400万円以下から900万円台の人まで、ほぼ均等に10%強という数字が並んでいます。
これは、キャンピングカーの価格帯自体も、相当幅広く設定されているということを物語っていることにもなります。
ちなみに、どのくらいの価格帯のキャンピングカーが一番売れているのでしょうか。
それを調査したところ、オプションや登録諸経費を入れて、400万円台と答えた人(18.9%)が最も多く、次が、500万円台(18.3%)でした。
3番目が600万円台(13.8%)、4番目が300万円台(12.4%)でした。
以上のことから、ユーザーの63.4%は、300万円台から600万円台の車両を購入し、なかでも400万円台から500万円台という価格帯が、大きなボリュームゾーンを形成していることが分かります。
キャンピングカーというと、高額商品というイメージがありますが、1,000万円以上の車両を購入している人は、わずか4.2%。
それよりも、100万円台から200万円台というロープライスの車両を購入している人(12.1%)の方が、高額車両を買う人より多いということを、この白書は伝えています。
ユーザーたちは、それをローンで買ったのか、それともキャッシュで支払ったのか。
現金払いが約67%。ローンは約33%。
「高い商品はローンで…」というイメージがあるのですが、キャンピングカーの場合はキャッシュが多いようです。
ただ、販売店から現金購入している購入者も、来店する前に安めの金利が保証される金融機関から融資を受けている可能性がありますから、調査データがそのまま購入者の実状を反映しているかどうかは、判断が難しいところです。
ちなみに、どういうタイプのクルマが好まれているかという調査では、国産キャブコンがトップで39.0%。次が国産バンコンの26.3%。バスコンが5.8%。国産フルコンが2.3%と、国産車が約73.4%を占めました。
一方輸入車は、トレーラーが9.8%。輸入キャブコン(クラスC)6.9%。輸入バンコン(クラスB)5.1%。輸入フルコン(クラスA)1.6%となりました。

▲国産キャブコン ▲国産バンコン
※キャブコン、バンコンなどの説明はこちらをどうぞ
http://www.jrva.com/kiso/data_room.html
この調査では、キャブコンの方がバンコンより多いという結果が出ましたが、06年度以降は、キャブコンよりバンコンの出荷台数が多くなりましたので、今後はキャブコンより、バンコンユーザーの比率が高まることが予想されます。
また、白書では、ユーザーが自分の車両をどのような場所に保管しているかということも調べています。
キャンピングカーはサイズが大きいものもありますので、なかなか自宅内に車庫を保有することが難しいように思えますが、これも意外。
67.1%の人が、「自宅の敷地内」に保管しています。
それに対して、「賃貸駐車場」を借りている人たちは27.8%。
確かに、バンコンなら、普通車の車庫サイズに収まるものがほとんどですし、キャブコンでも、2m×5mサイズが主流であることを考えれば、都心部でも、自宅の敷地内に置ける人がいるということも納得できます。
そう思う人は、けっこう多いかもしれません。
しかし、日本RV協会(JRVA)が発行した「キャンピングカー白書2007」を読んでみると、必ずしも、キャンピングカーが富裕層だけの持ち物でないことが分かってきます。
同書が明らかにしたユーザーの平均的な世帯収入は、600万円台の後半。正確にいうと約690万円だそうです。
これは05年度の「国民生活基礎調査」で明らかになった、日本の1世帯あたりの平均所得金額より、約100万円ほど高い数値です。
「なんだぁ、やっぱりお金持ちのアイテムか」
と、思う人がいるかもしれませんが、平均値が高いのは、1,000万円以上の世帯収入を持つ人が22.3%いるからなんですね。
この2割の層が、全体の平均値を高めた格好になりました。
しかし、それ以外は、世帯収入400万円以下から900万円台の人まで、ほぼ均等に10%強という数字が並んでいます。
これは、キャンピングカーの価格帯自体も、相当幅広く設定されているということを物語っていることにもなります。
ちなみに、どのくらいの価格帯のキャンピングカーが一番売れているのでしょうか。
それを調査したところ、オプションや登録諸経費を入れて、400万円台と答えた人(18.9%)が最も多く、次が、500万円台(18.3%)でした。
3番目が600万円台(13.8%)、4番目が300万円台(12.4%)でした。
以上のことから、ユーザーの63.4%は、300万円台から600万円台の車両を購入し、なかでも400万円台から500万円台という価格帯が、大きなボリュームゾーンを形成していることが分かります。
キャンピングカーというと、高額商品というイメージがありますが、1,000万円以上の車両を購入している人は、わずか4.2%。
それよりも、100万円台から200万円台というロープライスの車両を購入している人(12.1%)の方が、高額車両を買う人より多いということを、この白書は伝えています。
ユーザーたちは、それをローンで買ったのか、それともキャッシュで支払ったのか。
現金払いが約67%。ローンは約33%。
「高い商品はローンで…」というイメージがあるのですが、キャンピングカーの場合はキャッシュが多いようです。
ただ、販売店から現金購入している購入者も、来店する前に安めの金利が保証される金融機関から融資を受けている可能性がありますから、調査データがそのまま購入者の実状を反映しているかどうかは、判断が難しいところです。
ちなみに、どういうタイプのクルマが好まれているかという調査では、国産キャブコンがトップで39.0%。次が国産バンコンの26.3%。バスコンが5.8%。国産フルコンが2.3%と、国産車が約73.4%を占めました。
一方輸入車は、トレーラーが9.8%。輸入キャブコン(クラスC)6.9%。輸入バンコン(クラスB)5.1%。輸入フルコン(クラスA)1.6%となりました。
▲国産キャブコン ▲国産バンコン
※キャブコン、バンコンなどの説明はこちらをどうぞ
http://www.jrva.com/kiso/data_room.html
この調査では、キャブコンの方がバンコンより多いという結果が出ましたが、06年度以降は、キャブコンよりバンコンの出荷台数が多くなりましたので、今後はキャブコンより、バンコンユーザーの比率が高まることが予想されます。
また、白書では、ユーザーが自分の車両をどのような場所に保管しているかということも調べています。
キャンピングカーはサイズが大きいものもありますので、なかなか自宅内に車庫を保有することが難しいように思えますが、これも意外。
67.1%の人が、「自宅の敷地内」に保管しています。
それに対して、「賃貸駐車場」を借りている人たちは27.8%。
確かに、バンコンなら、普通車の車庫サイズに収まるものがほとんどですし、キャブコンでも、2m×5mサイズが主流であることを考えれば、都心部でも、自宅の敷地内に置ける人がいるということも納得できます。
2007年02月06日
ユーザーは約50歳
キャンピングカーユーザーの平均年齢は、いったいいくつぐらいなのでしょうか。
日本RV協会が発行する『キャンピングカー白書2007』によると、その年齢は49.88歳。
ただし、ボリュームゾーンは二つあります。
ひとつは、30歳代半ばから40歳代半ばまで。こちらは子供を連れたファミリー層。
もう一つが50歳代の後半。こちらは、シニアの2人旅が中心になっています。
それを平均すると、約50歳となるわけですが、面白いことに、これはテントキャンプを中心に楽しんでいるキャンパーたちの平均年齢と比べると、ちょうど10歳ぐらい高齢なんですね。
このことから、若い頃はファミリーでテントキャンプを楽しみ、子育てが終わる頃から、キャンピングカーで夫婦の旅を楽しむ。そんな流れがあることが分かってきます。
ファミリーとシニアカップルの比率はどうなっているのでしょうか。
白書によると、ファミリーでキャンピングカーを利用している人たちの比率は44.9%。
それに対し、夫婦2人で活用している人たちの比率は48.8%。
キャンピングカーユーザーは、子供を連れた家族よりも夫婦だけの「2人旅」を楽しんでいる人の方が、わずかですが、多いようです。
ちなみに、テントキャンプを主に楽しんでいる人たちの場合は、ファミリーが72.1%、夫婦が13.6%だということですから、キャンピングカーユーザーの場合は、夫婦の比率がいかに高いかということが分かります。

また、ペットを連れてキャンピングカー旅行を楽しんでいる人たちが約4割いることも判明しました。
国内旅行をするときに、まだまだペットと同宿できるホテルや旅館の整備は進んでいません。
だから、ペットと一緒に旅を楽しむために、キャンピングカーを購入したという人も結構いるようです。
成長して親離れしていった子供のかわりに、ペット。
そんなシニアユーザーの姿がはっきり見えてきた感じです。
日本RV協会が発行する『キャンピングカー白書2007』によると、その年齢は49.88歳。
ただし、ボリュームゾーンは二つあります。
ひとつは、30歳代半ばから40歳代半ばまで。こちらは子供を連れたファミリー層。
もう一つが50歳代の後半。こちらは、シニアの2人旅が中心になっています。
それを平均すると、約50歳となるわけですが、面白いことに、これはテントキャンプを中心に楽しんでいるキャンパーたちの平均年齢と比べると、ちょうど10歳ぐらい高齢なんですね。
このことから、若い頃はファミリーでテントキャンプを楽しみ、子育てが終わる頃から、キャンピングカーで夫婦の旅を楽しむ。そんな流れがあることが分かってきます。
ファミリーとシニアカップルの比率はどうなっているのでしょうか。
白書によると、ファミリーでキャンピングカーを利用している人たちの比率は44.9%。
それに対し、夫婦2人で活用している人たちの比率は48.8%。
キャンピングカーユーザーは、子供を連れた家族よりも夫婦だけの「2人旅」を楽しんでいる人の方が、わずかですが、多いようです。
ちなみに、テントキャンプを主に楽しんでいる人たちの場合は、ファミリーが72.1%、夫婦が13.6%だということですから、キャンピングカーユーザーの場合は、夫婦の比率がいかに高いかということが分かります。
また、ペットを連れてキャンピングカー旅行を楽しんでいる人たちが約4割いることも判明しました。
国内旅行をするときに、まだまだペットと同宿できるホテルや旅館の整備は進んでいません。
だから、ペットと一緒に旅を楽しむために、キャンピングカーを購入したという人も結構いるようです。
成長して親離れしていった子供のかわりに、ペット。
そんなシニアユーザーの姿がはっきり見えてきた感じです。
2007年02月05日
キャンカーの台数
日本でいま走っているキャンピングカーの台数は、いったい何台くらいなのでしょうか。
そのような興味深い情報を満載した『キャンピングカー白書2007』(日本RV協会編)が、このほど発表されました。
それによると、昨年日本RV協会(JRVA)がアンケートを採って調査した05年度のキャンピングカー総出荷台数は、国産車・輸入車ふくめて約3,500台。
過去にさかのぼって累計すると、現在日本で現役として活躍しているキャンピングカーの総台数は、およそ50,000台ということだそうです。
どうですか?
少ないと思いますか、それとも多いと思いますか?
「たったそれだけ?」と思う方も、結構いらっしゃるかもしれませんね。
今までのキャンピングカーの総保有台数を公表する記録では、「総保有台数30万台」などといわれてきました。
だから、その数値を頭に入れていた人は、
「えっ! たった5万台?」とびっくりされたのではないでしょうか。
少し説明が必要かもしれませんね。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、今までは普通の乗用車でも、「キャンピング車登録」(8ナンバー登録)をすると、税金や保険面でかなり優遇されるようになっていました。
そのため、簡単に脱着できるシンクやコンロを装着し、車検を通してからそれを取り外すような車両でキャンピング車登録するユーザーも、非常に多かったわけです。
その数が、従来公表されていた「30万台」などという数値だったわけですね。
しかし、2000年の10月より、国土交通省が「キャンピング車」の構造用件を変更し、規定をより厳密にして、そのような簡易装備を組み込んだ車両を、キャンピング車の規定から除外しました。
今後は、脱着を前提とした簡易的な装備を組み込んだ「キャンピング車」は車検を通すことが難しくなるため、徐々に減少していくことになります。
今回、日本RV協会が公表した「5万台」という数値は、車検をしっかりクリアできる純粋なキャンピングカーの数となります。
「30万台」から一気に5万台となったキャンピングカーですが、白書によると、国産車も輸入車も、04年度と05年度を比較すると、ともに出荷台数では前年比を上回っています。国産車では14.22%増。輸入車では5.47%増でした。
そのタイプ別構成比の内訳は、国産車ではバンコンが53.95%。キャブコンが35.98%。バスコンが3.69%となります。
輸入車では、トラベルトレーラーが69.53%。クラスCが18.74%。クラスAが4.51%。クラスBが1.81%でした。
輸入車では、トレーラーが圧倒的な人気を誇っていることが分かります。
なお、日本RV協会さんの読みでは、キャンピングカーの総保有台数は、今年末あたりには、6万台弱を達成するとか。
キャンピングカー産業が、確実に前進していることが、この白書から伝わってきます。
次回は、白書が伝えるユーザーさんたちのキャンピングカーライフをレポートする予定です。

▲年々来場者が増えているキャンピングカーショー
そのような興味深い情報を満載した『キャンピングカー白書2007』(日本RV協会編)が、このほど発表されました。
それによると、昨年日本RV協会(JRVA)がアンケートを採って調査した05年度のキャンピングカー総出荷台数は、国産車・輸入車ふくめて約3,500台。
過去にさかのぼって累計すると、現在日本で現役として活躍しているキャンピングカーの総台数は、およそ50,000台ということだそうです。
どうですか?
少ないと思いますか、それとも多いと思いますか?
「たったそれだけ?」と思う方も、結構いらっしゃるかもしれませんね。
今までのキャンピングカーの総保有台数を公表する記録では、「総保有台数30万台」などといわれてきました。
だから、その数値を頭に入れていた人は、
「えっ! たった5万台?」とびっくりされたのではないでしょうか。
少し説明が必要かもしれませんね。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、今までは普通の乗用車でも、「キャンピング車登録」(8ナンバー登録)をすると、税金や保険面でかなり優遇されるようになっていました。
そのため、簡単に脱着できるシンクやコンロを装着し、車検を通してからそれを取り外すような車両でキャンピング車登録するユーザーも、非常に多かったわけです。
その数が、従来公表されていた「30万台」などという数値だったわけですね。
しかし、2000年の10月より、国土交通省が「キャンピング車」の構造用件を変更し、規定をより厳密にして、そのような簡易装備を組み込んだ車両を、キャンピング車の規定から除外しました。
今後は、脱着を前提とした簡易的な装備を組み込んだ「キャンピング車」は車検を通すことが難しくなるため、徐々に減少していくことになります。
今回、日本RV協会が公表した「5万台」という数値は、車検をしっかりクリアできる純粋なキャンピングカーの数となります。
「30万台」から一気に5万台となったキャンピングカーですが、白書によると、国産車も輸入車も、04年度と05年度を比較すると、ともに出荷台数では前年比を上回っています。国産車では14.22%増。輸入車では5.47%増でした。
そのタイプ別構成比の内訳は、国産車ではバンコンが53.95%。キャブコンが35.98%。バスコンが3.69%となります。
輸入車では、トラベルトレーラーが69.53%。クラスCが18.74%。クラスAが4.51%。クラスBが1.81%でした。
輸入車では、トレーラーが圧倒的な人気を誇っていることが分かります。
なお、日本RV協会さんの読みでは、キャンピングカーの総保有台数は、今年末あたりには、6万台弱を達成するとか。
キャンピングカー産業が、確実に前進していることが、この白書から伝わってきます。
次回は、白書が伝えるユーザーさんたちのキャンピングカーライフをレポートする予定です。
▲年々来場者が増えているキャンピングカーショー
2006年12月29日
06年を振り返る
《覆面 座談会 2006年を振り返る》
【A】 いよいよ、今年も残すところあと2日だね。
【B】 今日は何の集まりよ? まだ大掃除も終わってないんだけど。
【A】 今年1年のキャンピングカー業界を振り返るということをやりたいんだけど。ゲストとして、ブログ管理者の町田さんをお呼びして。
【町】 どうもです。
【A】 けっこう毛がふさふさしてますね。
【町】 どういう意味よ。
【C】 後頭部がピッカリ君だっていうウワサだったんですけど。
【町】 誰の間で?
【C】 ご自分でブログに書いていたじゃないですか。
【町】 書いてネェよ。
【A】 …で、今年の1年を振り返るとですね、皆さんどんな印象でしたか?
【C】 軽キャンカーの年! なんかそんな気がしない?
【町】 確かに、軽自動車キャンピングカーの話題は本当に盛り上がったね。ブログの検索ワードも「軽キャンピングカー」「小型キャンピングカー」などというキーワードがダントツだったものね。それがいまだに続いている。
【B】 「軽キャンカー」の検索だけで、全体の3分の1を超えているとか?
【町】 そうなんだけど、ただ検索ワードの言葉が微妙に変わってきていたの知ってた?
最初のうちは、漠然と「軽キャンピングカー」という単純な入力だけだったけど、そのうち「テントむし」、「ラクーン」など、固有名詞で検索するケースが増えてきて、今はもう「軽キャンカー 税金」、「軽キャンカー 重量 操作性」、「軽キャンカー 登録諸費用」だもんね。
ブログの検索ワードの推移を見ていると、読者の求めている情報がどんどん具体的で現実的なものに変わって来ていることが分かる。
【B】 単なる好奇心から、購入を前提とした情報探しに移っているという感じなんですね。
【A】 そのほか印象に残ったものは?
【B】 バンコンの充実。秋の大きなイベントは、ほとんど「バンコンショー」という感じだったよね。
だから、会場に足を踏み入れたときの印象は、見るクルマ見るクルマみな同じに見えてしまう。
しかし、中を覗くと、ものすごく色々な試みがなされているし、斬新なアイデアが次々と生まれている。
【町】 やっぱりトヨタのハイエースの存在が大きかったね。名前は同じでも、サイズに分けると3種類。だから、異なるシャシーが三つも生まれてしまったというわけよ。
それで、ビルダーもいろいろなレイアウトに挑戦できるようになった。スーパーロングの場合は、ボディのリヤ側にFRPの出窓などを付けて、横寝の2段ベッドを設けるものが増えたよね。
【C】 実際スーパーロングの出現で、キャブコンとバスコンのお客が若干バンコンに流れたね。
全幅1.88m、全長5.38m。スーパーロングにこれだけの余裕が出てくれば、キャブコンやバスコンの老舗メーカーのようなところも、みんなバンコンに力を入れてきている。
【A】 一方、ナローボディのクルマでは、キャンピングカーのお客さんだけでなく、ちょっとお洒落れに振って、カスタムカー系の客層に食い込み始めたものもある。そういう多方面にむかったチャレンジは、さらに来年になっても続くよ。
【B】 キャブコンはどうだろう?
【町】 バンコンに押されているという意識が働いたのか、相当コンセプトが練り込まれてきている。2m×5mにとらわれず、5mを超えてもゆとりを追求しようというものと、逆にコンパクトに絞り込んで、取り回しのよさを優先しようというものとかね。
価格設定を高めにしても、フル装備で、豪華で快適な居住性を追及しようとするもの。逆に、装備をシンプルにまとめてもお買い得感を出そうとするもの…。本当に様々。あとエアサスとか、足回りの改善などにも進歩があったね。
【B】 来年はどういう動きになりそうかね。
【A】 まず業界全体の話でいうと、来年の2月ぐらいまでに日本RV協会が「キャンピングカー白書」をまとめるらしいよ。
おそらく現役ユーザーの平均年齢とか、購入しているクルマの種類とか。そういうものが、はっきり形になるんじゃないの。
他にキャンピングカー全体の正確な登録台数なども出るんじゃないかな。どんなタイプのクルマが一番売れているとか。
【C】 へぇ、今まで見たことがないよ。
【A】 だって、業界初の試みらしいよ。
【B】 ちょっと楽しみだね。
【C】 熱燗がいい?
【A】 だめだよ、いま酒盛りしている最中だなんて公表したら。
【町】 いいよ、クルマ運転して帰るわけでもないんだし。
【B】 また会社に泊まり込みなんですね?
【A】 いよいよ、今年も残すところあと2日だね。
【B】 今日は何の集まりよ? まだ大掃除も終わってないんだけど。
【A】 今年1年のキャンピングカー業界を振り返るということをやりたいんだけど。ゲストとして、ブログ管理者の町田さんをお呼びして。
【町】 どうもです。
【A】 けっこう毛がふさふさしてますね。
【町】 どういう意味よ。
【C】 後頭部がピッカリ君だっていうウワサだったんですけど。
【町】 誰の間で?
【C】 ご自分でブログに書いていたじゃないですか。
【町】 書いてネェよ。
【A】 …で、今年の1年を振り返るとですね、皆さんどんな印象でしたか?
【C】 軽キャンカーの年! なんかそんな気がしない?
【町】 確かに、軽自動車キャンピングカーの話題は本当に盛り上がったね。ブログの検索ワードも「軽キャンピングカー」「小型キャンピングカー」などというキーワードがダントツだったものね。それがいまだに続いている。
【B】 「軽キャンカー」の検索だけで、全体の3分の1を超えているとか?
【町】 そうなんだけど、ただ検索ワードの言葉が微妙に変わってきていたの知ってた?
最初のうちは、漠然と「軽キャンピングカー」という単純な入力だけだったけど、そのうち「テントむし」、「ラクーン」など、固有名詞で検索するケースが増えてきて、今はもう「軽キャンカー 税金」、「軽キャンカー 重量 操作性」、「軽キャンカー 登録諸費用」だもんね。
ブログの検索ワードの推移を見ていると、読者の求めている情報がどんどん具体的で現実的なものに変わって来ていることが分かる。
【B】 単なる好奇心から、購入を前提とした情報探しに移っているという感じなんですね。
【A】 そのほか印象に残ったものは?
【B】 バンコンの充実。秋の大きなイベントは、ほとんど「バンコンショー」という感じだったよね。
だから、会場に足を踏み入れたときの印象は、見るクルマ見るクルマみな同じに見えてしまう。
しかし、中を覗くと、ものすごく色々な試みがなされているし、斬新なアイデアが次々と生まれている。
【町】 やっぱりトヨタのハイエースの存在が大きかったね。名前は同じでも、サイズに分けると3種類。だから、異なるシャシーが三つも生まれてしまったというわけよ。
それで、ビルダーもいろいろなレイアウトに挑戦できるようになった。スーパーロングの場合は、ボディのリヤ側にFRPの出窓などを付けて、横寝の2段ベッドを設けるものが増えたよね。
【C】 実際スーパーロングの出現で、キャブコンとバスコンのお客が若干バンコンに流れたね。
全幅1.88m、全長5.38m。スーパーロングにこれだけの余裕が出てくれば、キャブコンやバスコンの老舗メーカーのようなところも、みんなバンコンに力を入れてきている。
【A】 一方、ナローボディのクルマでは、キャンピングカーのお客さんだけでなく、ちょっとお洒落れに振って、カスタムカー系の客層に食い込み始めたものもある。そういう多方面にむかったチャレンジは、さらに来年になっても続くよ。
【B】 キャブコンはどうだろう?
【町】 バンコンに押されているという意識が働いたのか、相当コンセプトが練り込まれてきている。2m×5mにとらわれず、5mを超えてもゆとりを追求しようというものと、逆にコンパクトに絞り込んで、取り回しのよさを優先しようというものとかね。
価格設定を高めにしても、フル装備で、豪華で快適な居住性を追及しようとするもの。逆に、装備をシンプルにまとめてもお買い得感を出そうとするもの…。本当に様々。あとエアサスとか、足回りの改善などにも進歩があったね。
【B】 来年はどういう動きになりそうかね。
【A】 まず業界全体の話でいうと、来年の2月ぐらいまでに日本RV協会が「キャンピングカー白書」をまとめるらしいよ。
おそらく現役ユーザーの平均年齢とか、購入しているクルマの種類とか。そういうものが、はっきり形になるんじゃないの。
他にキャンピングカー全体の正確な登録台数なども出るんじゃないかな。どんなタイプのクルマが一番売れているとか。
【C】 へぇ、今まで見たことがないよ。
【A】 だって、業界初の試みらしいよ。
【B】 ちょっと楽しみだね。
【C】 熱燗がいい?
【A】 だめだよ、いま酒盛りしている最中だなんて公表したら。
【町】 いいよ、クルマ運転して帰るわけでもないんだし。
【B】 また会社に泊まり込みなんですね?
2006年12月20日
ZILのデザイン
《覆面 座談会 ZILデザインの秘密を探る》
【A】 今日はバンテックの「ジル」というキャブコンを取り上げます。
【C】 おお、メジャー中のメジャーやね。
【B】 すでにいろいろな論評が出ているから、いまさら語るほどのこともないように思うけどね。

【A】 いやいや、このクルマがなぜ売れ続けているのか。その秘密に迫ったものはないと思うよ。
ジルといえば、「造りが良くて、装備類が充実しているわりには、価格がリーズナブル」。
このクルマが売れている理由は、一言でそう片づけられてしまうことが多いんだけど、たとえば「造りが良くて…」という場合の「造り」とは何なのか。
そこまで踏み込んだ議論は、あまりなされていないと思うね。
【B】 造りというのは、デザインの良さ、家具類の精度の高さ、装備類の使いやすさ…みたいなことだろ?
【A】 じゃ「デザインの良さ」って何?
【B】 色、形、機能のアレンジの妙。
【A】 でも、それじゃますます分からなくなっちゃうよね。
今日は、その誰もがうまく説明できない「デザイン」を取りあげてみようと思うんだ。
ジルのデザインには、どのような仕掛けが施されているのか。いわば数値として計れない部分だよね。それを探ろうというわけ。
【C】 昔、このクルマを開発した増田紘宇一さんから面白い話を聞いたことがある。
つまり、初代ジルを開発したときに、何を目標に置いたかというと、「機能的な部分を抑える」ということだったんだそうだ。
機能的な部分というのは、たとえばトイレ、シャワー、キッチン、冷蔵庫といった、一般的なキャブコンに搭載する装備類のことを指すんだけど、それを「抑える」ということは、キャンピングカーには、装備類よりももっと大切なものがあって、そっちを優先させるということだと思うんだよね。

【A】 そうそう。そこがヒント。初代ジルが誕生した頃の日本のキャブコンシーンというのは、2m×5mの空間に、どれだけ充実した装備を組み込むのか。その競い合いが最も激化していた時なのね。
だからお客さんは、「こっちは冷蔵庫が標準装備でついてくるにもかかわらず5万円安いから、こっちを買おう」
という選び方になっていたわけ。
ところが、いざ使ってみると、ごちゃごちゃ家具が詰め込まれているから、狭いわ、使いづらいわ、かなわんわ…という悲しきキャブコンのオンパレードになっちゃったんだよね。

【C】 そこにジルが登場して、「わぁ、このクルマ広いわぁ!」とみんな驚いた。
【A】 そう。実際には他のキャブコンが持っている装備はほとんど搭載しているから、家具類が少ないというわけではない。
その装備類だって、他車のものと比べて、機能が劣っているわけではない。むしろ進んでいるようなものも多数あった。
なのに「広いわぁ!」という感覚はどこから生まれてきたのか。
【B】 まぁ、視覚的なマジックだろうね。
このクルマの場合、キッチンユニットとトイレコンパートメントのような、縦に長くてボリュームのある家具を全部リヤ側に集中させた。それも、少し小ぶりにしてね。
そして、なおかつリヤエントランスにした。
だから、エントランスステップに乗って中を覗きこんだ人は、背の高い家具類をすべて自分の背中に背負うから、圧迫感を感じないですむ。
視覚に入ってくるのは、あくまでも、サイドソファーがゆったり広がるリビングスペース。それは、誰だって広く感じて当たりまえだろう。

【A】 でも、それって大事なことだろ?
【C】 そう。そういう工夫の積み重ねで、いくらでも開放感というものは演出できるからね。
このクルマは、対面ダイネットの位置も従来のパターンとは異なっているよね。
テーブルが車両の左側に寄せられている。つまり、それによってエントランスに立った人の視線は、背の高いテーブルよりも、対角線上の低いソファーの方に注がれるようになる。
それが、開放感をより際立たせることにつながっているよね。
【B】 まぁ、しかしこのレイアウトは、もうジルの専売特許ではない。他車でもやり始めているから、今となっては、ジルの優位性を語る例にはならない。
【A】 しかし、たとえばギャレーのアールの描き方。オーバーヘッドコンソールの曲面扉の曲率の出し方。
そういう微妙なデザインセンスでは、はっきり言って群を抜いているよ。確実に「デザイナー」がやっている仕事だということが分かる。
まぁ、その場合のデザイナーというのは、社長の増田さんだけどね。
【C】 もともと東京の原宿とか青山で、数々の店舗設計やショッピングモールのデザインを手がけた人だよね。
【A】 趣味はヨットね。
【C】 そうそう。だからどんなクルマにも、必ずヨットの世界のアイデアが流用されている。そこがお洒落だよね。

【A】 で、やっぱりジルの世界には、ジルだけいしかないデザインの厚みが感じられるんだ。ヨーロッパ文化の厚みがね。
【B】 バンテックは、初期からライモのようなヨーロッパ家具を愛好していたからなぁ。
【A】 いや、そういうことじゃなくて、もっとデザイン思想のようなものさ。
【C】 昔、増田さんに「バンテックデザインが表現しようとしているものは何ですか?」と尋ねたことがあるんだよ。
どんなこと言い出したと思う?
【B】 「上品で格調高く…」
【C】 いや、そうじゃなくて、最初の一声は、
「ヨーロッパのデザイン史には、2千年の歴史があって、近代デザインというものが意識されるようになってからも、2百年経っている」
というものだったの。
で、ギリシャ・ローマの古典から始まり、ルネッサンス、バロック、ロココにつながる脈々たる系譜があるという話になったのさ。
で、近代になって、アールヌーボー、アールデコ、バウハウスという新しいデザインが次々と生まれ…。まぁ、デザイン学の講義だよね。
【A】 「日本人にはバウハウス系のものより、アールデコが合っている」とか言っていなかった?
【C】 言ってた言ってた。
【B】 バウハウスとか、アールデコって何なのさ?
【A】 デザインの流派みたいなものだよ。バウハウスというのは、近代ドイツで始まった機能優先主義的なデザインで、クルマでいえばポルシェ流。
キャンピングカーなら昔のデヘラーとかね。ウエストファリアもその流れだね。機能の追及に特化していった果てに現れる「機能美」のようなものを尊重する考え方。
アールデコってのは、1920年代のヨーロッパで一声を風靡したデザイントレンドで、高度な様式美と洗練された遊戯性を発揮したスタイル。
昔『タイタニック』という映画があったけれど、あの船内デザインなんかがまさにアールデコ。日本では、横浜の氷川丸の船内がそうなっている。
▼アールデコ風ライト

▲アールデコ風ステンドグラス
【C】 で、増田さんは、そのアールデコをベースに、それを現代的にアレンジしたのがジルの世界だといっているわけ。
だからギャレーカウンターのアールなんかも思いつきで曲率を出しているわけではないのね。ヨーロッパ2千年のデザインの厚みが集約されている。
【B】 少しおおげさなんじゃない?
【A】 まぁ、実際にアールデコの作品などにたくさん接してきた蓄積が活かされているということなんだろうね。
アールデコは、日本の浮世絵などからも空間把握のエッセンスを学んでいるから、日本人にも感覚的に合う部分がある。
逆にバウハウス系の機能的なデザインというのは、日本の住環境にはもともとなかったものだから、アールデコをめざしたバンテックデザインというのは正解かもしれない。

▲バウハウスデザインの椅子
【B】 キャンピングカーのデザインって、奥行きがあるわけだね。
【C】 ジルが売れているというのは、無意識にせよ、そのへんを理解している人たちが多いというわけで、日本人ってのはデザインセンスのレベルが高い民族だということだよ。

【A】 今日はバンテックの「ジル」というキャブコンを取り上げます。
【C】 おお、メジャー中のメジャーやね。
【B】 すでにいろいろな論評が出ているから、いまさら語るほどのこともないように思うけどね。
【A】 いやいや、このクルマがなぜ売れ続けているのか。その秘密に迫ったものはないと思うよ。
ジルといえば、「造りが良くて、装備類が充実しているわりには、価格がリーズナブル」。
このクルマが売れている理由は、一言でそう片づけられてしまうことが多いんだけど、たとえば「造りが良くて…」という場合の「造り」とは何なのか。
そこまで踏み込んだ議論は、あまりなされていないと思うね。
【B】 造りというのは、デザインの良さ、家具類の精度の高さ、装備類の使いやすさ…みたいなことだろ?
【A】 じゃ「デザインの良さ」って何?
【B】 色、形、機能のアレンジの妙。
【A】 でも、それじゃますます分からなくなっちゃうよね。
今日は、その誰もがうまく説明できない「デザイン」を取りあげてみようと思うんだ。
ジルのデザインには、どのような仕掛けが施されているのか。いわば数値として計れない部分だよね。それを探ろうというわけ。
【C】 昔、このクルマを開発した増田紘宇一さんから面白い話を聞いたことがある。
つまり、初代ジルを開発したときに、何を目標に置いたかというと、「機能的な部分を抑える」ということだったんだそうだ。
機能的な部分というのは、たとえばトイレ、シャワー、キッチン、冷蔵庫といった、一般的なキャブコンに搭載する装備類のことを指すんだけど、それを「抑える」ということは、キャンピングカーには、装備類よりももっと大切なものがあって、そっちを優先させるということだと思うんだよね。
【A】 そうそう。そこがヒント。初代ジルが誕生した頃の日本のキャブコンシーンというのは、2m×5mの空間に、どれだけ充実した装備を組み込むのか。その競い合いが最も激化していた時なのね。
だからお客さんは、「こっちは冷蔵庫が標準装備でついてくるにもかかわらず5万円安いから、こっちを買おう」
という選び方になっていたわけ。
ところが、いざ使ってみると、ごちゃごちゃ家具が詰め込まれているから、狭いわ、使いづらいわ、かなわんわ…という悲しきキャブコンのオンパレードになっちゃったんだよね。
【C】 そこにジルが登場して、「わぁ、このクルマ広いわぁ!」とみんな驚いた。
【A】 そう。実際には他のキャブコンが持っている装備はほとんど搭載しているから、家具類が少ないというわけではない。
その装備類だって、他車のものと比べて、機能が劣っているわけではない。むしろ進んでいるようなものも多数あった。
なのに「広いわぁ!」という感覚はどこから生まれてきたのか。
【B】 まぁ、視覚的なマジックだろうね。
このクルマの場合、キッチンユニットとトイレコンパートメントのような、縦に長くてボリュームのある家具を全部リヤ側に集中させた。それも、少し小ぶりにしてね。
そして、なおかつリヤエントランスにした。
だから、エントランスステップに乗って中を覗きこんだ人は、背の高い家具類をすべて自分の背中に背負うから、圧迫感を感じないですむ。
視覚に入ってくるのは、あくまでも、サイドソファーがゆったり広がるリビングスペース。それは、誰だって広く感じて当たりまえだろう。
【A】 でも、それって大事なことだろ?
【C】 そう。そういう工夫の積み重ねで、いくらでも開放感というものは演出できるからね。
このクルマは、対面ダイネットの位置も従来のパターンとは異なっているよね。
テーブルが車両の左側に寄せられている。つまり、それによってエントランスに立った人の視線は、背の高いテーブルよりも、対角線上の低いソファーの方に注がれるようになる。
それが、開放感をより際立たせることにつながっているよね。
【B】 まぁ、しかしこのレイアウトは、もうジルの専売特許ではない。他車でもやり始めているから、今となっては、ジルの優位性を語る例にはならない。
【A】 しかし、たとえばギャレーのアールの描き方。オーバーヘッドコンソールの曲面扉の曲率の出し方。
そういう微妙なデザインセンスでは、はっきり言って群を抜いているよ。確実に「デザイナー」がやっている仕事だということが分かる。
まぁ、その場合のデザイナーというのは、社長の増田さんだけどね。
【C】 もともと東京の原宿とか青山で、数々の店舗設計やショッピングモールのデザインを手がけた人だよね。
【A】 趣味はヨットね。
【C】 そうそう。だからどんなクルマにも、必ずヨットの世界のアイデアが流用されている。そこがお洒落だよね。
【A】 で、やっぱりジルの世界には、ジルだけいしかないデザインの厚みが感じられるんだ。ヨーロッパ文化の厚みがね。
【B】 バンテックは、初期からライモのようなヨーロッパ家具を愛好していたからなぁ。
【A】 いや、そういうことじゃなくて、もっとデザイン思想のようなものさ。
【C】 昔、増田さんに「バンテックデザインが表現しようとしているものは何ですか?」と尋ねたことがあるんだよ。
どんなこと言い出したと思う?
【B】 「上品で格調高く…」
【C】 いや、そうじゃなくて、最初の一声は、
「ヨーロッパのデザイン史には、2千年の歴史があって、近代デザインというものが意識されるようになってからも、2百年経っている」
というものだったの。
で、ギリシャ・ローマの古典から始まり、ルネッサンス、バロック、ロココにつながる脈々たる系譜があるという話になったのさ。
で、近代になって、アールヌーボー、アールデコ、バウハウスという新しいデザインが次々と生まれ…。まぁ、デザイン学の講義だよね。
【A】 「日本人にはバウハウス系のものより、アールデコが合っている」とか言っていなかった?
【C】 言ってた言ってた。
【B】 バウハウスとか、アールデコって何なのさ?
【A】 デザインの流派みたいなものだよ。バウハウスというのは、近代ドイツで始まった機能優先主義的なデザインで、クルマでいえばポルシェ流。
キャンピングカーなら昔のデヘラーとかね。ウエストファリアもその流れだね。機能の追及に特化していった果てに現れる「機能美」のようなものを尊重する考え方。
アールデコってのは、1920年代のヨーロッパで一声を風靡したデザイントレンドで、高度な様式美と洗練された遊戯性を発揮したスタイル。
昔『タイタニック』という映画があったけれど、あの船内デザインなんかがまさにアールデコ。日本では、横浜の氷川丸の船内がそうなっている。
▼アールデコ風ライト
▲アールデコ風ステンドグラス
【C】 で、増田さんは、そのアールデコをベースに、それを現代的にアレンジしたのがジルの世界だといっているわけ。
だからギャレーカウンターのアールなんかも思いつきで曲率を出しているわけではないのね。ヨーロッパ2千年のデザインの厚みが集約されている。
【B】 少しおおげさなんじゃない?
【A】 まぁ、実際にアールデコの作品などにたくさん接してきた蓄積が活かされているということなんだろうね。
アールデコは、日本の浮世絵などからも空間把握のエッセンスを学んでいるから、日本人にも感覚的に合う部分がある。
逆にバウハウス系の機能的なデザインというのは、日本の住環境にはもともとなかったものだから、アールデコをめざしたバンテックデザインというのは正解かもしれない。
▲バウハウスデザインの椅子
【B】 キャンピングカーのデザインって、奥行きがあるわけだね。
【C】 ジルが売れているというのは、無意識にせよ、そのへんを理解している人たちが多いというわけで、日本人ってのはデザインセンスのレベルが高い民族だということだよ。
2006年12月19日
Mrモーターホーム
出したい本がある。
元アイシィー・トレックスを主宰し、名機「B.C.ヴァーノン」を開発した戸川總(とがわ・さとし)さんの半生記だ。

その原稿は、すでに半分以上できあがっている。
しかし、今のところ出版する目途が立っていない。資金的な余力がないのだ。
そのため、原稿はもう5年以上も私のデスクの引き出しに眠ったままになっている。
でも、このストーリーは(編集している自分が言うのはなんだが)、実に面白い。
それは、戸川總という人間の面白さに他ならない。

彼がB.C.ヴァーノンというモーターホームを完成させる前に、どのようなものを研究し、どのようなアイデアを積み上げていったか。
もちろん、そのような車両開発の秘話がふんだんに明かされるわけだが、もっと面白いのは、モーターホーム開発者になる前の、「流転の人生」を味わっていた時代の話だ。
《七転び八起き》
「七転び八起き」という言葉があるが、戸川さんの前半生は、起伏の激しい山を毎日縦走するような生活だった。
声楽家をめざして音楽学校に入るも、仕送りが途絶えて挫折。
クラブやキャバレーで、カンツォーネを歌って日銭を稼ぐ生活を始める。
酔客を喜ばせるためには、歌の合間にトークを披露しなければならない。
当時は、歌手というのは歌を唄うだけ。
おしゃべりは司会者の領分。
そういう“住み分け”が常識だった。
その常識を破り、戸川さんは「流し」のスタイルを採り入れて、自分でカンツォーネを唄い、かつおしゃべりで場を盛り上げた。
トークのワザを練り上げるため、毎晩ラジオの深夜番組から流れてくるDJたちの話術に耳を傾ける日々が続いた。
やがて、戸川さんのトークの軽妙さと、歌のうまさを認めてくれる人が現れた。
シャンソン歌手の石井好子さんである。
戸川さんは、この日本でも有数なシャンソン歌手の一人である石井好子さんの事務所に入り、そこで徹底的にプロとして鍛えられることになる。
そういう暮らしを続けるなかで、楽屋で、シャンソンやカンツォーネの日本語訳を担当している若者と出会う。
日本にはまだ紹介されてもいない外国語の歌詞なども、その若者の手にかかると、ものの5分で美しい日本語の歌に変わってしまう。
戸川さんはその若者の才能に惚れ込むと同時に、相手も戸川さんの能力を認め、やがて2人は意気投合。
たまに、どちらかの懐が温かくなると、楽屋で餃子の大盛りパーティ。
「お互いにしっかり稼ぐようになろうね」
と励ましあったその相手が、今は高名な作詞家・小説家として知られる、なかにし・礼氏だった。
《都落ち》
そのまま進めば、「芸能人・戸川總」が誕生していたかもしれない。
しかし、好事魔が多し。
芸能生活を続けている間に、戸川さんは一人の女性に夢中になり、その女性と一緒にいる時間をつくるために、大事なステージまでサボるようになってしまう。
「歌をとるか。女性をとるか」
石井好子社長は、戸川さんに決断を迫った。
「女性をとります」
その一言で、彼は石井事務所から解雇された。
戸川さんの才能に期待していた石井好子さんの目には、涙が浮かんでいたという。
都落ちを決意。
しかし、どこへ行くか…。
それが決まらない。
こういうとき、演歌ではみな「北国」へ向かうことになっている。
かつて地方巡業で訪れたときに好きになった、北陸の古都「金沢」を行き先に定めた。
夜汽車は金沢へ。
泊まる場所のあてもないまま、くだんの女性と連れ立って駅のホームに降りた戸川さんの肩に、雪が舞った。
金沢では、市内の高級バーの仕事を紹介してくれる人と知り合うことができた。
もちろんバー勤めの経験などない。
しかし、心機一転をめざしていた戸川さんは、そのバーでグラス磨きやトイレ掃除専門のスタッフとして、再スタートを切ることになる。
《モーターホームとの出会い》
その後は有線放送の営業マン、英語百科事典のセールスマン、製氷器を使った氷売りなどをこなしながら、彼は戸川流のセールス哲学を身につけていく。
昼間はそれらの仕事をこなし、夜はホテルのレストランシアターで司会業を勤めた。
ステージの合間には、楽団を引き連れ、お座敷まわり。
「お得意な歌がございましたら、私たちが伴奏をおつとめしま~す!」
と、もちかけると、カラオケのない時代の酔客たちはみな大喜びだったという。
やがて、モーターホームと出会う。
英語百科事典の営業成績が外資系の会社から注目され、その会社からヘッドハンティングされたことがきっかけだった。
彼は、新しい会社でトップセールスの表彰を受け、やがてアメリカ旅行に招待されることになる。
戸川さんはその機会を利用して、ワイオミング州を訪れた。
少年時代からの憧れの映画だった『シェーン』のロケ地を見るためだった。

映画でシェーンが旅立っていくシーンの山々が見えるグランドティトンの風景に接したとき、彼が注目したのは、その優美な景色のなかに点在していた数々のモーターホームの姿だった。
そのときに見た光景が、どのくらい戸川さんの心にインパクトを与えのかは分からない。
ただ、後にアイシィー・トレックスを創業したとき、会社のシンボルマークがグランドティトンの山々と、その手前に描かれたモーターホームであることからも、それが一大転機をもたらす「事件」であったことは推測できる。
やがて、戸川さんは、モーターホームを日本に根づかせるというテーマを追って、具体的な準備を開始する。
この時代、つまり1970年代の中頃というのは、まだ国内には北米製モーターホームというものがほとんど普及していなかった。
それを普及させるためには、パーツの供給体制も同時に整備していかなければならない。
戸川さんは、まずアウトドア用品店に勤務することを決めた。
1976年当時、ファミリー向けのキャンプ用品やRV向け改良部品などを販売するショップは、日本に2軒しかなかった。
そのうちの1軒に腰を落ち着けた彼は、まだ日本人がほとんど知らないような本格的な用品・部品の仕入れ方などを勉強し始める。
さらには、モーターホームを用意して、宿泊地の手配から、観光地ガイド、料理、運転までをトータルコーディネートする「パッケージキャンプツァー」なども企画するようになる。
《異文化の翻訳者》
このように、モーターホームという存在を広報するための絶え間ない努力の果てに、あのヴァーノンという名車が誕生するわけだが、その過程には、まだまだ魅力的なエピソードがたくさん秘められている。
しかし、それはお楽しみ。
肝心なことは、戸川さんが「流転の人生」を送っていた時代に、すでにモーターホームを日本に浸透させるための訓練を終えていたということだ。
北米で生まれたモーターホームは、当時の日本人にとっては、いわば「異文化」だった。
多くの日本人にとって、それはまだ馴染みのないものであり、得体の知れない未知の文物であったように思う。
しかし、消費者が初めて接する新商品というものは、すべてみな「異文化」である。その異文化が在来種の文化と混血することによって、初めて新しい文化が創造される。
それには、「異文化の翻訳者」が必要なのだ。
異文化の魅力をいかに人に伝えるか。
それこそ、戸川さんが英語百科を売ったり、有線放送の契約を取ったりしながら人生の前半戦で会得してきたものといってよい。
《トレール・アドベンチャー・スピリット》
その戸川さんは、今どうしているのか。
アイシィー・トレックスという会社はなくなった。
しかし、彼の開発したモーターホームは残った。
戸川さんの手がけたモーターホームを愛するたくさんのファンたちによって結成されたTAS(トレール・アドベンチャー・スピリット)のメンバーが、もろ手を上げて、戸川さんを迎え入れた。
TASの結成は1993年。もう14年ちかく、戸川さんを助けて、北米のモーターホーム文化を日本に根づかせるための活動を行ってきたクラブである。

このクラブが不思議なのは、アイシィー・トレックスという会社がなくなってからもメンバーが増え続け、その活動がますます活発になっていくことだ。
ヴァーノンの魅力を知って、中古を購入した人。
新車から購入していたが、それまでTASには入会していなかった人。
さらには、ヨーロッパ製のモーターキャラバンに乗っている人たちもどんどん参加するようになった。
もちろん、例会のオープニングでは、歓迎の拍手を受けながら戸川さんが挨拶に立つ。
若い頃から舞台などで鍛えたその語りは、相変わらずチャーミングだ。
「そのトークを聞くためなら、どんな遠くからでも駆けつけてみたい!」
TASのメンバーのなかには、そう思っている人も多いのではなかろうか。
この本では、戸川さんが、そのように多くのファンに囲まれて楽しんでいる現在までを描くつもりだ。
タイトルも決まっている。
『Mr.モーターホーム』
本にならないまでも、いつの日にか、ブログなどを使って連載を始められればいいなぁ、と思っている。
元アイシィー・トレックスを主宰し、名機「B.C.ヴァーノン」を開発した戸川總(とがわ・さとし)さんの半生記だ。
その原稿は、すでに半分以上できあがっている。
しかし、今のところ出版する目途が立っていない。資金的な余力がないのだ。
そのため、原稿はもう5年以上も私のデスクの引き出しに眠ったままになっている。
でも、このストーリーは(編集している自分が言うのはなんだが)、実に面白い。
それは、戸川總という人間の面白さに他ならない。
彼がB.C.ヴァーノンというモーターホームを完成させる前に、どのようなものを研究し、どのようなアイデアを積み上げていったか。
もちろん、そのような車両開発の秘話がふんだんに明かされるわけだが、もっと面白いのは、モーターホーム開発者になる前の、「流転の人生」を味わっていた時代の話だ。
《七転び八起き》
「七転び八起き」という言葉があるが、戸川さんの前半生は、起伏の激しい山を毎日縦走するような生活だった。
声楽家をめざして音楽学校に入るも、仕送りが途絶えて挫折。
クラブやキャバレーで、カンツォーネを歌って日銭を稼ぐ生活を始める。
酔客を喜ばせるためには、歌の合間にトークを披露しなければならない。
当時は、歌手というのは歌を唄うだけ。
おしゃべりは司会者の領分。
そういう“住み分け”が常識だった。
その常識を破り、戸川さんは「流し」のスタイルを採り入れて、自分でカンツォーネを唄い、かつおしゃべりで場を盛り上げた。
トークのワザを練り上げるため、毎晩ラジオの深夜番組から流れてくるDJたちの話術に耳を傾ける日々が続いた。
やがて、戸川さんのトークの軽妙さと、歌のうまさを認めてくれる人が現れた。
シャンソン歌手の石井好子さんである。
戸川さんは、この日本でも有数なシャンソン歌手の一人である石井好子さんの事務所に入り、そこで徹底的にプロとして鍛えられることになる。
そういう暮らしを続けるなかで、楽屋で、シャンソンやカンツォーネの日本語訳を担当している若者と出会う。
日本にはまだ紹介されてもいない外国語の歌詞なども、その若者の手にかかると、ものの5分で美しい日本語の歌に変わってしまう。
戸川さんはその若者の才能に惚れ込むと同時に、相手も戸川さんの能力を認め、やがて2人は意気投合。
たまに、どちらかの懐が温かくなると、楽屋で餃子の大盛りパーティ。
「お互いにしっかり稼ぐようになろうね」
と励ましあったその相手が、今は高名な作詞家・小説家として知られる、なかにし・礼氏だった。
《都落ち》
そのまま進めば、「芸能人・戸川總」が誕生していたかもしれない。
しかし、好事魔が多し。
芸能生活を続けている間に、戸川さんは一人の女性に夢中になり、その女性と一緒にいる時間をつくるために、大事なステージまでサボるようになってしまう。
「歌をとるか。女性をとるか」
石井好子社長は、戸川さんに決断を迫った。
「女性をとります」
その一言で、彼は石井事務所から解雇された。
戸川さんの才能に期待していた石井好子さんの目には、涙が浮かんでいたという。
都落ちを決意。
しかし、どこへ行くか…。
それが決まらない。
こういうとき、演歌ではみな「北国」へ向かうことになっている。
かつて地方巡業で訪れたときに好きになった、北陸の古都「金沢」を行き先に定めた。
夜汽車は金沢へ。
泊まる場所のあてもないまま、くだんの女性と連れ立って駅のホームに降りた戸川さんの肩に、雪が舞った。
金沢では、市内の高級バーの仕事を紹介してくれる人と知り合うことができた。
もちろんバー勤めの経験などない。
しかし、心機一転をめざしていた戸川さんは、そのバーでグラス磨きやトイレ掃除専門のスタッフとして、再スタートを切ることになる。
《モーターホームとの出会い》
その後は有線放送の営業マン、英語百科事典のセールスマン、製氷器を使った氷売りなどをこなしながら、彼は戸川流のセールス哲学を身につけていく。
昼間はそれらの仕事をこなし、夜はホテルのレストランシアターで司会業を勤めた。
ステージの合間には、楽団を引き連れ、お座敷まわり。
「お得意な歌がございましたら、私たちが伴奏をおつとめしま~す!」
と、もちかけると、カラオケのない時代の酔客たちはみな大喜びだったという。
やがて、モーターホームと出会う。
英語百科事典の営業成績が外資系の会社から注目され、その会社からヘッドハンティングされたことがきっかけだった。
彼は、新しい会社でトップセールスの表彰を受け、やがてアメリカ旅行に招待されることになる。
戸川さんはその機会を利用して、ワイオミング州を訪れた。
少年時代からの憧れの映画だった『シェーン』のロケ地を見るためだった。

映画でシェーンが旅立っていくシーンの山々が見えるグランドティトンの風景に接したとき、彼が注目したのは、その優美な景色のなかに点在していた数々のモーターホームの姿だった。
そのときに見た光景が、どのくらい戸川さんの心にインパクトを与えのかは分からない。
ただ、後にアイシィー・トレックスを創業したとき、会社のシンボルマークがグランドティトンの山々と、その手前に描かれたモーターホームであることからも、それが一大転機をもたらす「事件」であったことは推測できる。
やがて、戸川さんは、モーターホームを日本に根づかせるというテーマを追って、具体的な準備を開始する。
この時代、つまり1970年代の中頃というのは、まだ国内には北米製モーターホームというものがほとんど普及していなかった。
それを普及させるためには、パーツの供給体制も同時に整備していかなければならない。
戸川さんは、まずアウトドア用品店に勤務することを決めた。
1976年当時、ファミリー向けのキャンプ用品やRV向け改良部品などを販売するショップは、日本に2軒しかなかった。
そのうちの1軒に腰を落ち着けた彼は、まだ日本人がほとんど知らないような本格的な用品・部品の仕入れ方などを勉強し始める。
さらには、モーターホームを用意して、宿泊地の手配から、観光地ガイド、料理、運転までをトータルコーディネートする「パッケージキャンプツァー」なども企画するようになる。
《異文化の翻訳者》
このように、モーターホームという存在を広報するための絶え間ない努力の果てに、あのヴァーノンという名車が誕生するわけだが、その過程には、まだまだ魅力的なエピソードがたくさん秘められている。
しかし、それはお楽しみ。
肝心なことは、戸川さんが「流転の人生」を送っていた時代に、すでにモーターホームを日本に浸透させるための訓練を終えていたということだ。
北米で生まれたモーターホームは、当時の日本人にとっては、いわば「異文化」だった。
多くの日本人にとって、それはまだ馴染みのないものであり、得体の知れない未知の文物であったように思う。
しかし、消費者が初めて接する新商品というものは、すべてみな「異文化」である。その異文化が在来種の文化と混血することによって、初めて新しい文化が創造される。
それには、「異文化の翻訳者」が必要なのだ。
異文化の魅力をいかに人に伝えるか。
それこそ、戸川さんが英語百科を売ったり、有線放送の契約を取ったりしながら人生の前半戦で会得してきたものといってよい。
《トレール・アドベンチャー・スピリット》
その戸川さんは、今どうしているのか。
アイシィー・トレックスという会社はなくなった。
しかし、彼の開発したモーターホームは残った。
戸川さんの手がけたモーターホームを愛するたくさんのファンたちによって結成されたTAS(トレール・アドベンチャー・スピリット)のメンバーが、もろ手を上げて、戸川さんを迎え入れた。
TASの結成は1993年。もう14年ちかく、戸川さんを助けて、北米のモーターホーム文化を日本に根づかせるための活動を行ってきたクラブである。
このクラブが不思議なのは、アイシィー・トレックスという会社がなくなってからもメンバーが増え続け、その活動がますます活発になっていくことだ。
ヴァーノンの魅力を知って、中古を購入した人。
新車から購入していたが、それまでTASには入会していなかった人。
さらには、ヨーロッパ製のモーターキャラバンに乗っている人たちもどんどん参加するようになった。
もちろん、例会のオープニングでは、歓迎の拍手を受けながら戸川さんが挨拶に立つ。
若い頃から舞台などで鍛えたその語りは、相変わらずチャーミングだ。
「そのトークを聞くためなら、どんな遠くからでも駆けつけてみたい!」
TASのメンバーのなかには、そう思っている人も多いのではなかろうか。
この本では、戸川さんが、そのように多くのファンに囲まれて楽しんでいる現在までを描くつもりだ。
タイトルも決まっている。
『Mr.モーターホーム』
本にならないまでも、いつの日にか、ブログなどを使って連載を始められればいいなぁ、と思っている。
2006年12月17日
守護神は「坂道」
14~15年もキャンピングカーに乗っていると、何度か走行トラブルに巻き込まれることがある。
ところが、意外なほど悪運が強い。
それもみな、坂道に助けられている。

▲14~15年前に乗っていたクルマ
一度目は、ドライバーとして恥ずかしいガス欠。
静岡県のキャンプ場に向かう途中の、東名高速での話だ。
燃料計ははっきり「アウト!」を宣言していたが、私は経験的にかつかつでたどり着くと計算し、エアコンを切って、スピードを抑えながらトロトロと走っていた。
しかし、その計算が甘かった。
目的地のインター手前で減速が始まったのである。
不意に額から汗が噴き出した。
「神様たどり着きますよ~に!」
現金なもので、こういう時だけ、日ごろ口に出したこともない「神様」を連呼している。
祈る気持ちが通じたのか、料金所までは青息吐息でたどり着けた。
しかし、そこからなかなか進まない。
必死にセルモーターを回し続け、匍匐前進のように少しずつ前に進むと、その先から下り坂が開けた。
しかも、坂道の終わるところにガソリンスタンドがある。
「俺って悪運が強いなぁ!」
と思ったのは、まずそれが最初だった。
次に襲ってきた事故は、プロペラシャフトにビニールを巻き込んでしまうというものだった。
首都高を走っていたとき、前を走行していた軽トラックの荷台から、荷物を覆っていたビニールシートが舞い上がったのだ。
それがクラゲのお化けのような足取りで、フワフワと迫ってくる。
「こっちに来るなよ、来るなよ!」
と念じたのだが、そういう時はたいてい来るようになっている。
トラックが併走しているので、避けようがない。
ビニールシートは狙いすましたかのように、私のクルマのボンネット下にもぐり込み、10秒も経たないうちに、わが愛車はブルブルと痙攣を起こし始めた。
緊急避難用の路側帯にクルマを入れ、下を覗いてみると、プロペラシャフトがビニールにくるまれてミイラ状態になっている。
飛ばしていくクルマたちの無慈悲な風に煽られながら、ビニールをカッターナイフで切り取るという作業を、延々と続けることになった。
ようやくビニールを除き、運転を再開したのだが、クルマの痙攣はまだ収まらない。コクン、コクンと不規則な突き上げが出ている。
ビニールを巻き込んで走ったときに、ベアリングまでいかれてしまったようだ。
「こりゃ、走りつづけるのはまずいぞ!」
と思い、最寄のインターを降りて、坂道をそろそろと下っていくと、
信号の向こうに修理工場!
またまたツイている。
3度目の事故は、北海道旅行の帰りに、突然クラッチが滑り出すというトラブル。
エアコンからの風が急に温風になり、
「なんだこりゃ?」
と思ったとたん、アクセルの踏力とスピードの出方が不協和音を奏で始めた。
エンジンの回転音は、耳をつんざくばかりに上がっているというのに、スピードはどんどん落ちていく。
最寄のインターで降りて、料金所脇の広場にクルマを止めた。
なにしろ、キャンピングカーは車体が重いので、クラッチへの負担も大きい。
特に、そのときの旅行は急な上り坂を登る機会が多かったので、普段より余計に負担をかけしまったかもしれない。
反省していても何も解決しないので、キャンピングカーを買った販売店に電話を入れて、近くの修理工場を探してもらうことにした。
「インターより700mほどのところに工場がある」
という。
一瞬「ラッキー!」と思ってはみたものの、ところが、その700mの距離がなかなか縮まらない。
クラッチをつなぐと、とりあえず10mぐらいは進むのだが、そこでまた空回りが始まる。
一息ついてギヤを入れ直し、ローギヤのまま、またそろそろと滑り出す。
だんだん走れる距離が短くなっていく。
「もうダメ。レッカーでも呼ぶか」
と諦めたとき、
その先が下り坂だった!
ありがたいことに、下りきったところに工場が見える。
そのとき私は、坂道が自分の「守護神」であることを悟った。
以降、私は坂道に足を向けて寝たことがない。
ところが、意外なほど悪運が強い。
それもみな、坂道に助けられている。

▲14~15年前に乗っていたクルマ
一度目は、ドライバーとして恥ずかしいガス欠。
静岡県のキャンプ場に向かう途中の、東名高速での話だ。
燃料計ははっきり「アウト!」を宣言していたが、私は経験的にかつかつでたどり着くと計算し、エアコンを切って、スピードを抑えながらトロトロと走っていた。
しかし、その計算が甘かった。
目的地のインター手前で減速が始まったのである。
不意に額から汗が噴き出した。
「神様たどり着きますよ~に!」
現金なもので、こういう時だけ、日ごろ口に出したこともない「神様」を連呼している。
祈る気持ちが通じたのか、料金所までは青息吐息でたどり着けた。
しかし、そこからなかなか進まない。
必死にセルモーターを回し続け、匍匐前進のように少しずつ前に進むと、その先から下り坂が開けた。
しかも、坂道の終わるところにガソリンスタンドがある。
「俺って悪運が強いなぁ!」
と思ったのは、まずそれが最初だった。
次に襲ってきた事故は、プロペラシャフトにビニールを巻き込んでしまうというものだった。
首都高を走っていたとき、前を走行していた軽トラックの荷台から、荷物を覆っていたビニールシートが舞い上がったのだ。
それがクラゲのお化けのような足取りで、フワフワと迫ってくる。
「こっちに来るなよ、来るなよ!」
と念じたのだが、そういう時はたいてい来るようになっている。
トラックが併走しているので、避けようがない。
ビニールシートは狙いすましたかのように、私のクルマのボンネット下にもぐり込み、10秒も経たないうちに、わが愛車はブルブルと痙攣を起こし始めた。
緊急避難用の路側帯にクルマを入れ、下を覗いてみると、プロペラシャフトがビニールにくるまれてミイラ状態になっている。
飛ばしていくクルマたちの無慈悲な風に煽られながら、ビニールをカッターナイフで切り取るという作業を、延々と続けることになった。
ようやくビニールを除き、運転を再開したのだが、クルマの痙攣はまだ収まらない。コクン、コクンと不規則な突き上げが出ている。
ビニールを巻き込んで走ったときに、ベアリングまでいかれてしまったようだ。
「こりゃ、走りつづけるのはまずいぞ!」
と思い、最寄のインターを降りて、坂道をそろそろと下っていくと、
信号の向こうに修理工場!
またまたツイている。
3度目の事故は、北海道旅行の帰りに、突然クラッチが滑り出すというトラブル。
エアコンからの風が急に温風になり、
「なんだこりゃ?」
と思ったとたん、アクセルの踏力とスピードの出方が不協和音を奏で始めた。
エンジンの回転音は、耳をつんざくばかりに上がっているというのに、スピードはどんどん落ちていく。
最寄のインターで降りて、料金所脇の広場にクルマを止めた。
なにしろ、キャンピングカーは車体が重いので、クラッチへの負担も大きい。
特に、そのときの旅行は急な上り坂を登る機会が多かったので、普段より余計に負担をかけしまったかもしれない。
反省していても何も解決しないので、キャンピングカーを買った販売店に電話を入れて、近くの修理工場を探してもらうことにした。
「インターより700mほどのところに工場がある」
という。
一瞬「ラッキー!」と思ってはみたものの、ところが、その700mの距離がなかなか縮まらない。
クラッチをつなぐと、とりあえず10mぐらいは進むのだが、そこでまた空回りが始まる。
一息ついてギヤを入れ直し、ローギヤのまま、またそろそろと滑り出す。
だんだん走れる距離が短くなっていく。
「もうダメ。レッカーでも呼ぶか」
と諦めたとき、
その先が下り坂だった!
ありがたいことに、下りきったところに工場が見える。
そのとき私は、坂道が自分の「守護神」であることを悟った。
以降、私は坂道に足を向けて寝たことがない。
2006年12月09日
アメリカRV事情
《ブログインタビュー アメリカのRV事情》
【ゲスト 猪俣慶喜さん】(ニートRV常務取締役)

北米モーターホームの新型車が勢ぞろいするルイヴィルのトレードショーが11月末に開かれた。
アメリカンRVの2007年モデルには、どのような傾向が生まれているのか。
ショーを見終わって、6日に帰国したニートRVの猪俣常務に、詳しい話を聞いてみた。

【町田】 まず、ルイヴィルのショーというのは、どういうものなんですか?
【猪俣】 ケンタッキー州のルイヴィル市で開かれるRVショーで、今年で44回目になります。
一言でいうと、来年アメリカで販売されるモーターホーム、トラベルトレーラー、パークトレーラーなどが一堂に会する北米でも最も大きなショーなんですね。
ただ、一般客を対象としたものではなく、あくまでも北米のディーラーを相手にしたショーであることが特徴です。
それらの販売店の人たちに、各メーカーが、新しいコンセプトモデルやニューモデルをお披露目するというものです。
会場の規模は、東京ドームの2倍。そこに、北米の約90社のメーカーが、1,000台以上のRVを持ち寄ってくるわけです。
【町田】 今回のショーでは、どのような傾向がうかがえましたか?
【猪俣】 まず、クラスAにおいて、ディーゼルエンジンが普及してきたことが特徴でしたね。
フレートライナー社のシャシーに、カミンズやキャタピラーのディーゼルエンジンが搭載されたプッシャーが主流になっています。
ディーゼルプッシャーになったのは、もちろん、燃費などの向上も目的のひとつでしょうが、クラスAの場合、レイアウト的にもリヤエンジンは有利なんですね。
というのは、フロントエンジンですと、どうしても運転席と助手席の間に、エンジン部分がこんもりと盛り上がってしまいますよね。
リヤエンジンはこれを解消しますから、運転席のフロアがフラットになり、前から後ろまでツラ一の平面になります。
また、エンジンがリヤにあるため、走行中も静か。
さらに、ダブルフロアを実現できるため、断熱性も高くなる。リヤエンジンならではの様々なメリットが生まれます。

《スライドアウトモデルが主流》
【町田】 ちなみに、そのカミンズのエンジンというのは、どのくらいの出力を持っているのですか?
【猪俣】 ウィネベーゴのベクトラなどに搭載されているものでは400馬力です。排気量は8.9リットル。6速ATでターボチャージャー付きです。
【町田】 ほかに、このショーで目立った傾向としては?
【猪俣】 ほとんどのモーターホームが、スライドアウトモデルになったということですね。
全長が2.6mぐらいある上に、さらにスライドアウトするわけですから、そうとう広い居住空間を持つ車両が主流になってきたといえます。
【町田】 …ということは、車幅の問題で、ますます日本に導入できるモーターホームが少なくなってきたということですね。
【猪俣】 そうですね。私たちはウィネベーゴ社のモーターホームを扱っているわけですが、同社の製品でも、日本で走れるナローボディとなると、理想的なものはアスペクトぐらいしかないんです。これはミニモーターホームになりますから。

【町田】 全長9m以上あるアスペクト29Hでも「ミニ」なんですか!
【猪俣】 アメリカで「モーターホーム」といった場合、普通クラスAを指すんですね。クラスCは、基本的にミニモーターホームという位置付けになります。
29フィートのアスペクトですらも、37~38フィートが主流であるクラスAと比べると、やっぱり「ミニ」なんですね。
【町田】 スライドアウトモデルが主流という話でしたが、スライドアウトというと、昔は“雨漏り”のトラブルが絶えないとよく言われましたけれど、それが普及してきたということは、かなり品質改善されてきたわけですね。
【猪俣】 ウェザーストリップなどの形状がかなり改善されてきて、昔と比べると、飛躍的に品質が向上してきましたね。
とにかく、すべてにおいて、北米モーターホームの技術的な進歩がはっきりと認められるショーでした。
塗装技術の向上などにも、それがはっきりと表れていました。どこもオールペイントが主流になってきているんですね。
それも乗用車レベルのクリア塗装になっていて、ファイバー部分とグラフィック部分を同時に保護するようになっています。
ボディの耐久性も上がったし、メンテナンスも簡単になったわけです。
▼スライドアウトルームを持つクラスA

《家具の精度が飛躍的に向上》
【町田】 内装の造りでは、どのような変化が見られましたか?
【猪俣】 家具の精度が一様にあがりましたね。
たとえば、室内のキャビネットの引き出しなどは、住宅用と同じくらいのレベルを確保するようになりました。
キャビネットの引き出しなどは、昔はガタガタと音がするようなものが多かったのですが、最近はレールのつくりが良くなってきて、引き出しなども、すごくスムースな動きになってきているんですね。

【町田】 個々のパーツ類の完成度が上がってきたというわけですね。
【猪俣】 そうです。これはビルダーだけの努力ではなくて、ビルダーにパーツを供給する部品メーカーの努力も実ってきたからですね。
モーターホームの部品点数というのは、乗用車の3倍くらいありますから、ビルダーだけが企業努力を行っても、パーツの精度が上がらないかぎりどうにもならないんです。
ところが、最近は部品メーカーが実に頑張っているんですね。ビルダーとパーツ供給者の連携が強化されてきたことが、実感として感じられましたね。
《日本車の躍進による刺激をバネに》
【町田】 そのような、目覚しい技術進歩が実現した背景として、どのようなことが考えられますか?
【猪俣】 やっぱり、北米市場における日本車の躍進が刺激になっているのではないでしょうか。
アメリカの国民が、なぜ熱狂的にトヨタ車、ホンダ車を買うのか。
それは単純に「壊れないから」なんですね。
アメリカには、昔から「ドゥ・イット・ユアセルフ」の精神がありまして、商品の故障は消費者が修理するものだという伝統があったんですね。
特に、モーターホームは「クレーム産業」といわれたくらい故障が多かったんですが、それでも、ここまで米国で普及してきたのは、アメリカ人のDIY精神に支えられてきたからなんですね。
しかし、トヨタ車、ホンダ車はいくら使っても、ほとんど故障がない。
そうなると、さすがのアメリカ人でも、やっぱり壊れないクルマがいいと思い始めたわけです。自分で修理するにはお金もかかるわけですから。

【町田】 アメリカ人ユーザーにも意識変化が起きたというわけですね。
【猪俣】 そうなんですね。そこで、まずアメリカの乗用車メーカーが一斉に品質改善に取り組み始めたわけです。
モーターホームもその流れに乗ったわけですね。
だからパワートレインのフォード、シボレーの精度が上がってくると同時に、モーターホームメーカーも、内装の品質改善に必死に取り組み始めたわけです。
先ほどの塗装技術の向上ひとつとっても、モーターホームの塗装というのは、その難しさが乗用車の比ではないわけですよ。なにしろボディが巨大ですから。
それを、ムラをなくして均一に塗装するには、塗装ブースなどの設備投資にも費用がかかったでしょうし、腕のいい熟練工の育成も必要だったでしょう。
しかし、そういう企業努力が実ったことで、アメリカのモーターホームは、いま飛躍的な進歩を遂げたわけですね。
北米モーターホームの技術進化は、商品価値の高いものを求めるようになったユーザー意識を反映したことによって、もたらされたものだと思います。
【町田】 なるほど。いろいろと面白い情報を聞かせていただいて、ありがとうございました。
【ゲスト 猪俣慶喜さん】(ニートRV常務取締役)
北米モーターホームの新型車が勢ぞろいするルイヴィルのトレードショーが11月末に開かれた。
アメリカンRVの2007年モデルには、どのような傾向が生まれているのか。
ショーを見終わって、6日に帰国したニートRVの猪俣常務に、詳しい話を聞いてみた。
【町田】 まず、ルイヴィルのショーというのは、どういうものなんですか?
【猪俣】 ケンタッキー州のルイヴィル市で開かれるRVショーで、今年で44回目になります。
一言でいうと、来年アメリカで販売されるモーターホーム、トラベルトレーラー、パークトレーラーなどが一堂に会する北米でも最も大きなショーなんですね。
ただ、一般客を対象としたものではなく、あくまでも北米のディーラーを相手にしたショーであることが特徴です。
それらの販売店の人たちに、各メーカーが、新しいコンセプトモデルやニューモデルをお披露目するというものです。
会場の規模は、東京ドームの2倍。そこに、北米の約90社のメーカーが、1,000台以上のRVを持ち寄ってくるわけです。
【町田】 今回のショーでは、どのような傾向がうかがえましたか?
【猪俣】 まず、クラスAにおいて、ディーゼルエンジンが普及してきたことが特徴でしたね。
フレートライナー社のシャシーに、カミンズやキャタピラーのディーゼルエンジンが搭載されたプッシャーが主流になっています。
ディーゼルプッシャーになったのは、もちろん、燃費などの向上も目的のひとつでしょうが、クラスAの場合、レイアウト的にもリヤエンジンは有利なんですね。
というのは、フロントエンジンですと、どうしても運転席と助手席の間に、エンジン部分がこんもりと盛り上がってしまいますよね。
リヤエンジンはこれを解消しますから、運転席のフロアがフラットになり、前から後ろまでツラ一の平面になります。
また、エンジンがリヤにあるため、走行中も静か。
さらに、ダブルフロアを実現できるため、断熱性も高くなる。リヤエンジンならではの様々なメリットが生まれます。
《スライドアウトモデルが主流》
【町田】 ちなみに、そのカミンズのエンジンというのは、どのくらいの出力を持っているのですか?
【猪俣】 ウィネベーゴのベクトラなどに搭載されているものでは400馬力です。排気量は8.9リットル。6速ATでターボチャージャー付きです。
【町田】 ほかに、このショーで目立った傾向としては?
【猪俣】 ほとんどのモーターホームが、スライドアウトモデルになったということですね。
全長が2.6mぐらいある上に、さらにスライドアウトするわけですから、そうとう広い居住空間を持つ車両が主流になってきたといえます。
【町田】 …ということは、車幅の問題で、ますます日本に導入できるモーターホームが少なくなってきたということですね。
【猪俣】 そうですね。私たちはウィネベーゴ社のモーターホームを扱っているわけですが、同社の製品でも、日本で走れるナローボディとなると、理想的なものはアスペクトぐらいしかないんです。これはミニモーターホームになりますから。
【町田】 全長9m以上あるアスペクト29Hでも「ミニ」なんですか!
【猪俣】 アメリカで「モーターホーム」といった場合、普通クラスAを指すんですね。クラスCは、基本的にミニモーターホームという位置付けになります。
29フィートのアスペクトですらも、37~38フィートが主流であるクラスAと比べると、やっぱり「ミニ」なんですね。
【町田】 スライドアウトモデルが主流という話でしたが、スライドアウトというと、昔は“雨漏り”のトラブルが絶えないとよく言われましたけれど、それが普及してきたということは、かなり品質改善されてきたわけですね。
【猪俣】 ウェザーストリップなどの形状がかなり改善されてきて、昔と比べると、飛躍的に品質が向上してきましたね。
とにかく、すべてにおいて、北米モーターホームの技術的な進歩がはっきりと認められるショーでした。
塗装技術の向上などにも、それがはっきりと表れていました。どこもオールペイントが主流になってきているんですね。
それも乗用車レベルのクリア塗装になっていて、ファイバー部分とグラフィック部分を同時に保護するようになっています。
ボディの耐久性も上がったし、メンテナンスも簡単になったわけです。
▼スライドアウトルームを持つクラスA
《家具の精度が飛躍的に向上》
【町田】 内装の造りでは、どのような変化が見られましたか?
【猪俣】 家具の精度が一様にあがりましたね。
たとえば、室内のキャビネットの引き出しなどは、住宅用と同じくらいのレベルを確保するようになりました。
キャビネットの引き出しなどは、昔はガタガタと音がするようなものが多かったのですが、最近はレールのつくりが良くなってきて、引き出しなども、すごくスムースな動きになってきているんですね。
【町田】 個々のパーツ類の完成度が上がってきたというわけですね。
【猪俣】 そうです。これはビルダーだけの努力ではなくて、ビルダーにパーツを供給する部品メーカーの努力も実ってきたからですね。
モーターホームの部品点数というのは、乗用車の3倍くらいありますから、ビルダーだけが企業努力を行っても、パーツの精度が上がらないかぎりどうにもならないんです。
ところが、最近は部品メーカーが実に頑張っているんですね。ビルダーとパーツ供給者の連携が強化されてきたことが、実感として感じられましたね。
《日本車の躍進による刺激をバネに》
【町田】 そのような、目覚しい技術進歩が実現した背景として、どのようなことが考えられますか?
【猪俣】 やっぱり、北米市場における日本車の躍進が刺激になっているのではないでしょうか。
アメリカの国民が、なぜ熱狂的にトヨタ車、ホンダ車を買うのか。
それは単純に「壊れないから」なんですね。
アメリカには、昔から「ドゥ・イット・ユアセルフ」の精神がありまして、商品の故障は消費者が修理するものだという伝統があったんですね。
特に、モーターホームは「クレーム産業」といわれたくらい故障が多かったんですが、それでも、ここまで米国で普及してきたのは、アメリカ人のDIY精神に支えられてきたからなんですね。
しかし、トヨタ車、ホンダ車はいくら使っても、ほとんど故障がない。
そうなると、さすがのアメリカ人でも、やっぱり壊れないクルマがいいと思い始めたわけです。自分で修理するにはお金もかかるわけですから。
【町田】 アメリカ人ユーザーにも意識変化が起きたというわけですね。
【猪俣】 そうなんですね。そこで、まずアメリカの乗用車メーカーが一斉に品質改善に取り組み始めたわけです。
モーターホームもその流れに乗ったわけですね。
だからパワートレインのフォード、シボレーの精度が上がってくると同時に、モーターホームメーカーも、内装の品質改善に必死に取り組み始めたわけです。
先ほどの塗装技術の向上ひとつとっても、モーターホームの塗装というのは、その難しさが乗用車の比ではないわけですよ。なにしろボディが巨大ですから。
それを、ムラをなくして均一に塗装するには、塗装ブースなどの設備投資にも費用がかかったでしょうし、腕のいい熟練工の育成も必要だったでしょう。
しかし、そういう企業努力が実ったことで、アメリカのモーターホームは、いま飛躍的な進歩を遂げたわけですね。
北米モーターホームの技術進化は、商品価値の高いものを求めるようになったユーザー意識を反映したことによって、もたらされたものだと思います。
【町田】 なるほど。いろいろと面白い情報を聞かせていただいて、ありがとうございました。
2006年11月25日
背面エントランス
キャブコンには、フロントエントランス・ドアのものと、リヤエントランス・ドアのものがある。
入口が前側にあるか、後ろ側に寄っているかの違いなのだが、まれにピックアップキャビンのように、ボディの真後ろにドアが付いているものがある。
一般的には、それも「リヤエントランス・ドア」などと呼ばれるが、厳密な意味でボディの横側に付けられたリヤエントランス・ドアと区別するためには、「背面エントランス」などという呼称を考えた方がいいのかもしれない。
現在、このような背面エントランスのクルマは、輸入車では大森自動車が扱う米国製モーターホームのシヌーク(CHINOOK)と、国産車ではロッキーのコマンダー(COMMANDER)が挙げられる。
▼シヌーク
1990年代には、実はこのような背面エントランスの国産キャブコンというものが結構存在した。
ケーアイエム(KIM)の扱ったアストロスター、カリフォルニアドリームのイーグル、マリナ’RVのバンビー。
AtoZがデリカベースで造った時のアルファも、ボディ左側に設けられたドアとは別に背面エントランス・ドアを持っていた。
現在、この背面ドアを採用したキャブコンが少ないのは、やはりオーニングの下に出入口がこないというのが最大の理由だろう。
ボディ横に入口があれば、たとえフロントエントランスだろうが、リヤエントランスだろうが、入口をオーニング下に確保できる。
雨の日は、そこで傘をたたんでから車内に入れるだろうし、オーニング下に椅子・テーブルをセッティングしたときには、車内と車外の一体感も強まる。
背面エントランスのように、オーニングと出入口の位置が異なる場合は、大雨の日は、出入口から出てオーニングの下に駆け込むわずかな間でも、多少濡れることを覚悟しなければならない。
また、このレイアウトの場合は、ファミリー向けキャブコンで人気の高いリヤ2段ベッドを採用することができない。
そのような事情もあって、背面エントランスのクルマは少ないのだが、このレイアウトならではのメリットというものもある。
それは効率よくスペースを稼げるという利点だ。
ボディ横に出入口がないわけだから、何よりもリビング空間を広く取ることができる。
同じリヤエントランススタイルでも、ボディ横にドアがあるクルマに比べ、背面エントランスの場合は、運転席から最後部まで通路を一直線に確保できるので、車内における人の動きがスムースになり、かつ視覚的な開放感を得られやすい。
長尺物の荷物を車内に収納するときも、背面ドアからそのままストレートに入れられるので、すごく楽だ。
車種によっては、運転中の後方視界を得ることも可能だ。
このレイアウトを採ったクルマは、ダイネット脇に長いベンチシート(サイドソファ)を置くことが多い。
これも室内の開放感を得るためにはきわめて有効な処方で、実際に使い勝手がよい。
▼シヌーク室内

サイドソファがあれば、ゲストを招いたときにダイネットを囲める人数が増えるし、買い物から帰ってきたときなど、とりあえず買ったモノを冷蔵庫や収納庫に収めるまでの荷物スペースとして使うことができる。
基本的には、背面エントランスのキャブコンというのは、夫婦2人で旅をするときの快適性を優先した車両という性格が強い。
もちろんファミリーでも十分に使えるが、もし就寝定員を数多く確保したいということになれば、リヤ2段ベッドのクルマを選びたくなるのが人情だろう。
しかし、夫婦の2人旅が多いということになれば、このレイアウトもなかなか魅力的であるように思う。
入口が前側にあるか、後ろ側に寄っているかの違いなのだが、まれにピックアップキャビンのように、ボディの真後ろにドアが付いているものがある。
一般的には、それも「リヤエントランス・ドア」などと呼ばれるが、厳密な意味でボディの横側に付けられたリヤエントランス・ドアと区別するためには、「背面エントランス」などという呼称を考えた方がいいのかもしれない。
現在、このような背面エントランスのクルマは、輸入車では大森自動車が扱う米国製モーターホームのシヌーク(CHINOOK)と、国産車ではロッキーのコマンダー(COMMANDER)が挙げられる。
▼シヌーク
1990年代には、実はこのような背面エントランスの国産キャブコンというものが結構存在した。
ケーアイエム(KIM)の扱ったアストロスター、カリフォルニアドリームのイーグル、マリナ’RVのバンビー。
AtoZがデリカベースで造った時のアルファも、ボディ左側に設けられたドアとは別に背面エントランス・ドアを持っていた。
現在、この背面ドアを採用したキャブコンが少ないのは、やはりオーニングの下に出入口がこないというのが最大の理由だろう。
ボディ横に入口があれば、たとえフロントエントランスだろうが、リヤエントランスだろうが、入口をオーニング下に確保できる。
雨の日は、そこで傘をたたんでから車内に入れるだろうし、オーニング下に椅子・テーブルをセッティングしたときには、車内と車外の一体感も強まる。
背面エントランスのように、オーニングと出入口の位置が異なる場合は、大雨の日は、出入口から出てオーニングの下に駆け込むわずかな間でも、多少濡れることを覚悟しなければならない。
また、このレイアウトの場合は、ファミリー向けキャブコンで人気の高いリヤ2段ベッドを採用することができない。
そのような事情もあって、背面エントランスのクルマは少ないのだが、このレイアウトならではのメリットというものもある。
それは効率よくスペースを稼げるという利点だ。
ボディ横に出入口がないわけだから、何よりもリビング空間を広く取ることができる。
同じリヤエントランススタイルでも、ボディ横にドアがあるクルマに比べ、背面エントランスの場合は、運転席から最後部まで通路を一直線に確保できるので、車内における人の動きがスムースになり、かつ視覚的な開放感を得られやすい。
長尺物の荷物を車内に収納するときも、背面ドアからそのままストレートに入れられるので、すごく楽だ。
車種によっては、運転中の後方視界を得ることも可能だ。
このレイアウトを採ったクルマは、ダイネット脇に長いベンチシート(サイドソファ)を置くことが多い。
これも室内の開放感を得るためにはきわめて有効な処方で、実際に使い勝手がよい。
▼シヌーク室内
サイドソファがあれば、ゲストを招いたときにダイネットを囲める人数が増えるし、買い物から帰ってきたときなど、とりあえず買ったモノを冷蔵庫や収納庫に収めるまでの荷物スペースとして使うことができる。
基本的には、背面エントランスのキャブコンというのは、夫婦2人で旅をするときの快適性を優先した車両という性格が強い。
もちろんファミリーでも十分に使えるが、もし就寝定員を数多く確保したいということになれば、リヤ2段ベッドのクルマを選びたくなるのが人情だろう。
しかし、夫婦の2人旅が多いということになれば、このレイアウトもなかなか魅力的であるように思う。
2006年11月23日
これぞトラキャン
ピックアップキャビンの本来の名は「トラックキャンパー」という。
日本では、現在キャブコンといわれる車種のことを、かつて習慣的にトラックキャンパーと呼んだため、その混同を避けるために、JRVA(日本RV協会)が1999年にキャンピングカーの呼称を整理し、その時に現在のピックアップキャビンという名称が定められた。
しかし、今でも通は“トラキャン”と呼ぶ。
実際、トラキャンという響きの方が、このRVの雰囲気をよく伝えている。
トラックに載せるキャンパー。
つまりピックアップキャビンは、まずそのベース車たるトラックありきなのだ。
悪路走破性の高い4WDピックアップトラックに、軽量コンパクトなシェルを積み、過酷な大自然の奥深く分け入っていくというところに、このRVの真骨頂がある。

アメリカでは、ピックアップキャビンは、普通のモーターホームやトレーラーとは一線を画すキャンパーと見なされている。
モーターホームやトレーラーは、基本的に整地された人工的キャンプ場で使うことを前提としている。それらのキャンプ場では、フルフックアップ設備が行き届いているため、モーターホームなどは、フックアップした状態ではじめて完璧な機能をまっとうするような構造になっている。アメリカン・トレーラーもしかりだ。
しかし、ピックアップキャビンは、基本的にフックアップに頼らないスタイルで発展を遂げた。
あくまでも脱着を前提に、水タンクやガス関係をシェル内に収め、シェル自体の容量もコンパクトに絞る。
そのかわり軽量化を押し進め、機動性の良さを追及する。そうやってピックアップキャビンは、ひとつのスタイルを確立してきた。
だから、アメリカではピックアップキャビンは、キャンピングカーというよりサバイバルツールと見なされる。
自然の中が仕事場であるような狩猟家、森林保護官、釣り師、カメラマン、さらに鳥や虫の自然観測を行う研究家の乗り物なのである。
ベース車がボンネットトラックであるというのも、そのメンテナンス性を考慮したうえでのことだ。
近年アメリカでは、モーターホーム的に使えるように、装備類を増やした大型のものが普及している。最近は、スライドアウトモデルも相当出回るようになった。
北米ではピックアップトラックの普及率が高いから、シェルだけ積載してモーターホーム気分を味わおうという人には、ちょうど都合のいいキャンピングカーということになる。
しかし、本来は軽量、コンパクトで機動性に富むことが、ピックアップキャビンの持ち味だといっていい。
MYSミスティックが扱っているイーグルは、まさにそのピックアップキャビンの精神を最も純化させたモデルである。
ベース車として、どんなサイズのものもチョイスできるというのが、このイーグルの強みで、輸入車ならフルサイズのタンドラから、ミッドサイズのタコマ、フロンティアにまで積載可能だ。
もちろん国産ミニピックアップのハイラックスなどもOK。
特に、写真のタコマが、スタイル的にはばっちり決まっている。
それらのベース車の走りを損なわないように、アルミを骨格に使用して設計されたシェル重量は、わずか300㎏。もちろんポップアップルーフによる低重心設計で走行安定性も確保。
全長3100mm。全幅1760mm。ポップアップをたたんだ時の全高は、約1360mm。ベース車のサイズとほとんど変わらない。
だから走っているときは、山奥に分け入っても、飛び出した岩や、木の枝をまったく気にすることがない。渓流釣りや野鳥観察にはもってこいのビークルである。
室内はあっけないほどシンプルだ。
目立つ家具といえば、2バーナーコンロとステンレスシンク、ダイネットテーブルと冷蔵庫。あとはシート、バンクベッドがあるのみ。
色目も、キッチン類の白の天板とブルーのシート、そして薄い茶系の家具の3色だけ。お茶漬けのようなあっさり感だ。
そのかわり、ベッドは広い。
バンクベッドは1950×1670mm。フロアベッドも1830×860mmを確保している。
食べて、寝る。
男の仕事場だ。
ヘミングウェイが生きていたら、きっとこのイーグルのようなピックアップキャビンを好んだだろう。
文明から遠く離れた環境にいるときに、はじめて自分のくつろぎを見出したあの男は、釣りや狩猟を楽しんだ午後は、ダイキリでも飲みながら、この簡素なテーブルに向かって執筆をしたかもしれない。
ピックアップキャビンにはそういう知的な匂いがある。
シンプルがゆえに、ユーザーがアウトドアを生き抜くためには、智恵をしぼって、さまざまな工夫を凝らさねばならない。
ピックアップキャビンは、それをユーザーに求めている。
人間の精神活動を活発にさせるという意味で、この手の乗り物は知的なのである。
日本では、現在キャブコンといわれる車種のことを、かつて習慣的にトラックキャンパーと呼んだため、その混同を避けるために、JRVA(日本RV協会)が1999年にキャンピングカーの呼称を整理し、その時に現在のピックアップキャビンという名称が定められた。
しかし、今でも通は“トラキャン”と呼ぶ。
実際、トラキャンという響きの方が、このRVの雰囲気をよく伝えている。
トラックに載せるキャンパー。
つまりピックアップキャビンは、まずそのベース車たるトラックありきなのだ。
悪路走破性の高い4WDピックアップトラックに、軽量コンパクトなシェルを積み、過酷な大自然の奥深く分け入っていくというところに、このRVの真骨頂がある。
アメリカでは、ピックアップキャビンは、普通のモーターホームやトレーラーとは一線を画すキャンパーと見なされている。
モーターホームやトレーラーは、基本的に整地された人工的キャンプ場で使うことを前提としている。それらのキャンプ場では、フルフックアップ設備が行き届いているため、モーターホームなどは、フックアップした状態ではじめて完璧な機能をまっとうするような構造になっている。アメリカン・トレーラーもしかりだ。
しかし、ピックアップキャビンは、基本的にフックアップに頼らないスタイルで発展を遂げた。
あくまでも脱着を前提に、水タンクやガス関係をシェル内に収め、シェル自体の容量もコンパクトに絞る。
そのかわり軽量化を押し進め、機動性の良さを追及する。そうやってピックアップキャビンは、ひとつのスタイルを確立してきた。
だから、アメリカではピックアップキャビンは、キャンピングカーというよりサバイバルツールと見なされる。
自然の中が仕事場であるような狩猟家、森林保護官、釣り師、カメラマン、さらに鳥や虫の自然観測を行う研究家の乗り物なのである。
ベース車がボンネットトラックであるというのも、そのメンテナンス性を考慮したうえでのことだ。
近年アメリカでは、モーターホーム的に使えるように、装備類を増やした大型のものが普及している。最近は、スライドアウトモデルも相当出回るようになった。
北米ではピックアップトラックの普及率が高いから、シェルだけ積載してモーターホーム気分を味わおうという人には、ちょうど都合のいいキャンピングカーということになる。
しかし、本来は軽量、コンパクトで機動性に富むことが、ピックアップキャビンの持ち味だといっていい。
MYSミスティックが扱っているイーグルは、まさにそのピックアップキャビンの精神を最も純化させたモデルである。
ベース車として、どんなサイズのものもチョイスできるというのが、このイーグルの強みで、輸入車ならフルサイズのタンドラから、ミッドサイズのタコマ、フロンティアにまで積載可能だ。
もちろん国産ミニピックアップのハイラックスなどもOK。
特に、写真のタコマが、スタイル的にはばっちり決まっている。
それらのベース車の走りを損なわないように、アルミを骨格に使用して設計されたシェル重量は、わずか300㎏。もちろんポップアップルーフによる低重心設計で走行安定性も確保。
全長3100mm。全幅1760mm。ポップアップをたたんだ時の全高は、約1360mm。ベース車のサイズとほとんど変わらない。
だから走っているときは、山奥に分け入っても、飛び出した岩や、木の枝をまったく気にすることがない。渓流釣りや野鳥観察にはもってこいのビークルである。
室内はあっけないほどシンプルだ。
目立つ家具といえば、2バーナーコンロとステンレスシンク、ダイネットテーブルと冷蔵庫。あとはシート、バンクベッドがあるのみ。
色目も、キッチン類の白の天板とブルーのシート、そして薄い茶系の家具の3色だけ。お茶漬けのようなあっさり感だ。
そのかわり、ベッドは広い。
バンクベッドは1950×1670mm。フロアベッドも1830×860mmを確保している。
食べて、寝る。
男の仕事場だ。
ヘミングウェイが生きていたら、きっとこのイーグルのようなピックアップキャビンを好んだだろう。
文明から遠く離れた環境にいるときに、はじめて自分のくつろぎを見出したあの男は、釣りや狩猟を楽しんだ午後は、ダイキリでも飲みながら、この簡素なテーブルに向かって執筆をしたかもしれない。
ピックアップキャビンにはそういう知的な匂いがある。
シンプルがゆえに、ユーザーがアウトドアを生き抜くためには、智恵をしぼって、さまざまな工夫を凝らさねばならない。
ピックアップキャビンは、それをユーザーに求めている。
人間の精神活動を活発にさせるという意味で、この手の乗り物は知的なのである。
2006年11月21日
エアストリーム話
「キャンピングカーはスタイリングよりも機能が大事。格好にこだわるキャンピングカーは価値が低い」
ユーザーのなかには、そのように信じている人がいる。
しかし、スタイリングそのものが機能と一体となり、両者を切り離すことなどできないという幸せなキャンピングカーがある。
エアストリームというトレーラーだ。
ボディの素材にアルミを使って耐久性を高めながら、軽量化を実現し、ラウンドフォルムを採用して空力性能を向上させるなど、エアストリームのボディ設計は、キャンピングカーとしての機能を合理的に追及したことによって生まれた。
しかし、そのために実現されたボディフォルムは、工業製品というよりはアートに近い造形美を持つことになった。

エアストリームがハイウェイを疾走していくのを見ると、おそらく誰もがそのボディからオーラのようなものが発信されてくるのを感じるはずだ。
エアストリームの故郷アメリカでも、このボディフォルムに特別な感情を抱く人は多い。
ユニークなスタイルを持つキャンピングカーは他にもいろいろありながら、アメリカのメディアに採りあげられた頻度は、エアストリームがいちばん高いといわれている。
エアストリームの銀色のラウンドフォルムはキャンピングカーでは珍しいものだが、それが何に由来するのか知らない人も多い。
エアストリームデザインの原点は、大空を飛翔する航空機である。
同車の創始者であるワーリー・バイアムが、1930年に広告業界から身を転じてトレーラーの製作を始めたとき、新しいトレーラーのスタイルを模索して、試行錯誤を繰り返すなかでひらめいたのが、アルミ素材を使った航空機だった。
当時、風洞実験の結果もっとも空気抵抗が少ないといわれていたのが、航空機に代表される流線型スタイルだったのである。
もちろんワーリー・バイアムが参考にした航空機は、1930年代のもので、現在の最先端旅客機などとはおよそ形態が異なる。
しかし、リベット打ちされたアルミニュームで被われた同車のクラシカルなフォルムは、現代ではむしろ神々しくさえ映る。
エアストリームはまず工法からして、他のトレーラーとは根本的に異なっている。
一般的なトレーラーの工法では、まず床の上に家具を載せ、内装を仕上げてからパネルで周囲を囲み、天井にルーフを被せていく。
製作する側からすれば、この方が作業が楽でコストも安い。
しかし、その場合は、家具類の取り替えや大々的な補修が必要になったときに、その持ち出しができない。
家具がボディを支える補強材として使われ、壁に貼り付けられているからだ。
そのように造られているトレーラーは、家具の寿命が尽きたときにボディの寿命も尽きてしまうことになる。
エアストリームでは、家具の取り外しが自由にできるように、調度品や電化製品は、すべてボディが完成してから組み込まれる。簡単にビス止めされているだけだから、補修や交換を行うときに車外に持ち出すのも楽だ。
同車の場合は、ボディが堅牢なので、家具だけ新品のものに替えれば、さらに40年、50年と使い続けることができる。

エアストリームのボディは、また内壁、外壁とも木材が使われていないので、結露や室内にこもった湿気による木の腐食からくる経年変化にも強い。
同車にはエンジン付きのモーターホームもあるが、概してトレーラーの方に人気が傾くのは、やはり耐久性が異なるからである。
エンジン付きのモーターホームは、ボディよりも先にエンジンが持たなくなってしまうからだ。
普通の乗用車とは逆であるところが面白い。
近未来的な流線型ボディに比べ、エアストリームのインテリアはずっと変わらないオーソドックスなアーリーアメリカンスタイルを取りつづけてきた。それがオーナーの大多数を形成する60代~70代の老夫婦に好まれていたからだ。
彼らは、芝生に水を撒きながら、ホワイトペイントの柵越しに、隣りの夫婦とトウモロコシの収穫高を語り合い、夜は夫婦で野球を見ながら、イチローやマツイのことではなく、ジョー・ディマジオの思い出話を語る。
そんなアメリカのシニア夫婦の生活感覚に合ったインテリアでよかった時代が長かった。
しかし、2002年にインターナショナル(特にCCD)という新しい機種が登場してから、その内装はガラっと変わった。
アルミで被われた外装と同じく、内装にもアルミパネルが使われ、コーナー部にアールを付けたラウンド家具が用いられるようになった。
ナチュラルな温かみを持った大草原のコテージが、一気に宇宙ステーションに変わったようなものだ。
でも、それも現代的で実にいい。

エアストリームがもっと増えれば、日本の風景も変わっていくだろう。
せせこましい電信柱と混みあったビルに埋もれた日本の景色に、大陸的なおおらかさが付加されるような気がする。
風景を変えるキャンピングカー。
そういう力を持つクルマは、現在このエアストリームしかないようにも思う。
ユーザーのなかには、そのように信じている人がいる。
しかし、スタイリングそのものが機能と一体となり、両者を切り離すことなどできないという幸せなキャンピングカーがある。
エアストリームというトレーラーだ。
ボディの素材にアルミを使って耐久性を高めながら、軽量化を実現し、ラウンドフォルムを採用して空力性能を向上させるなど、エアストリームのボディ設計は、キャンピングカーとしての機能を合理的に追及したことによって生まれた。
しかし、そのために実現されたボディフォルムは、工業製品というよりはアートに近い造形美を持つことになった。
エアストリームがハイウェイを疾走していくのを見ると、おそらく誰もがそのボディからオーラのようなものが発信されてくるのを感じるはずだ。
エアストリームの故郷アメリカでも、このボディフォルムに特別な感情を抱く人は多い。
ユニークなスタイルを持つキャンピングカーは他にもいろいろありながら、アメリカのメディアに採りあげられた頻度は、エアストリームがいちばん高いといわれている。
エアストリームの銀色のラウンドフォルムはキャンピングカーでは珍しいものだが、それが何に由来するのか知らない人も多い。
エアストリームデザインの原点は、大空を飛翔する航空機である。
同車の創始者であるワーリー・バイアムが、1930年に広告業界から身を転じてトレーラーの製作を始めたとき、新しいトレーラーのスタイルを模索して、試行錯誤を繰り返すなかでひらめいたのが、アルミ素材を使った航空機だった。
当時、風洞実験の結果もっとも空気抵抗が少ないといわれていたのが、航空機に代表される流線型スタイルだったのである。
もちろんワーリー・バイアムが参考にした航空機は、1930年代のもので、現在の最先端旅客機などとはおよそ形態が異なる。
しかし、リベット打ちされたアルミニュームで被われた同車のクラシカルなフォルムは、現代ではむしろ神々しくさえ映る。
エアストリームはまず工法からして、他のトレーラーとは根本的に異なっている。
一般的なトレーラーの工法では、まず床の上に家具を載せ、内装を仕上げてからパネルで周囲を囲み、天井にルーフを被せていく。
製作する側からすれば、この方が作業が楽でコストも安い。
しかし、その場合は、家具類の取り替えや大々的な補修が必要になったときに、その持ち出しができない。
家具がボディを支える補強材として使われ、壁に貼り付けられているからだ。
そのように造られているトレーラーは、家具の寿命が尽きたときにボディの寿命も尽きてしまうことになる。
エアストリームでは、家具の取り外しが自由にできるように、調度品や電化製品は、すべてボディが完成してから組み込まれる。簡単にビス止めされているだけだから、補修や交換を行うときに車外に持ち出すのも楽だ。
同車の場合は、ボディが堅牢なので、家具だけ新品のものに替えれば、さらに40年、50年と使い続けることができる。
エアストリームのボディは、また内壁、外壁とも木材が使われていないので、結露や室内にこもった湿気による木の腐食からくる経年変化にも強い。
同車にはエンジン付きのモーターホームもあるが、概してトレーラーの方に人気が傾くのは、やはり耐久性が異なるからである。
エンジン付きのモーターホームは、ボディよりも先にエンジンが持たなくなってしまうからだ。
普通の乗用車とは逆であるところが面白い。
近未来的な流線型ボディに比べ、エアストリームのインテリアはずっと変わらないオーソドックスなアーリーアメリカンスタイルを取りつづけてきた。それがオーナーの大多数を形成する60代~70代の老夫婦に好まれていたからだ。
彼らは、芝生に水を撒きながら、ホワイトペイントの柵越しに、隣りの夫婦とトウモロコシの収穫高を語り合い、夜は夫婦で野球を見ながら、イチローやマツイのことではなく、ジョー・ディマジオの思い出話を語る。
そんなアメリカのシニア夫婦の生活感覚に合ったインテリアでよかった時代が長かった。
しかし、2002年にインターナショナル(特にCCD)という新しい機種が登場してから、その内装はガラっと変わった。
アルミで被われた外装と同じく、内装にもアルミパネルが使われ、コーナー部にアールを付けたラウンド家具が用いられるようになった。
ナチュラルな温かみを持った大草原のコテージが、一気に宇宙ステーションに変わったようなものだ。
でも、それも現代的で実にいい。
エアストリームがもっと増えれば、日本の風景も変わっていくだろう。
せせこましい電信柱と混みあったビルに埋もれた日本の景色に、大陸的なおおらかさが付加されるような気がする。
風景を変えるキャンピングカー。
そういう力を持つクルマは、現在このエアストリームしかないようにも思う。
2006年11月20日
ランドナーを語る
《覆面 座談会 フレックス・ランドナーを語る》
【A】 ハイエース人気で、ハイエースを特集したムック本がみな売れているんだよね。キャンピングカー専門誌もハイエースを表紙に出すと評判がいいらしい。
今日はそのなかで、アルフレックスの開発した「フレックス・ランドナー」というバンコンを取り上げてみようと思うんだけど。
【B】 う~ん…メジャーなクルマじゃないよね。バンコンのメインストリームから外れていると思うけどな。
【A】 だから面白い。このクルマを見ていると、ハイエースのマーケットというものがよく見えるような気がする。
【C】 どういうこと?

【A】 確かに、今ハイエースのバンコンは売れているけれど、それでも全車種を総合しても、憶測としては、いいとこ年間1,000台とか1,200台といったところじゃないのかな。
しかし、ハイエース全体の販売数は年間6万台以上ある。しかも、その過半数はロングバンのナローが占め、さらにその大半がスーパーGLだ。
このSGLを購入するユーザーの大半は、パーソナルユースだよ。
何が言いたいかというと、ハイエースのキャンピングカーがいくらブームだからといって、スーパーGLを求める客層の10分の1ぐらいでしかないということ。
フレックス・ランドナーというクルマは、キャンピングカーの壁を越えて、その10倍ともいえる外の世界を狙ったクルマなんだよね。
【C】 しかし、それならランドナーに限ったことじゃないんじゃないか? この200系ハイエースが出た頃から、これをトランポ的に扱う若いユーザーを見越して、各社はそれに応じたシンプルなモデルを最初から準備している。
そういう取り組みなら、トップメーカーのリンエイが抜かりないし、トイファクトリーのトイズボックスなどもその腺狙いだ。
【A】 いや、トランポではないんだよ。若いユーザー向けのバンコンというと、みな「遊びのギアを積んで…」という発想が最初に浮かんでしまうから、すぐトランポに行ってしまうけれど、必ずしもそういう客層ばかりではない。
【B】 では、どういう層を狙っているというの?
【A】 ボディにエアロを巻いたり、ローダウンで車高を落としたりというカスタム系のクルマを好む人たちだね。
【B】 それならこれはむしろ大人し過ぎるよ。中途半端。
【A】 いや、そこがむしろこのクルマの狙いなのね。実際このクルマを買っている人たちの年齢層って、知ってる?
【C】 20代。
【A】 違うんだよ。30代後半から40代。家庭持ちの人がほどんど。逆に、20代はいないのね。
つまりね、若い頃コテコテに改造したシャコタンなんかに乗っていたけれど、一応卒業して、結婚して。
さすがにそういうクルマにはもう乗れない。
だけど、「ただのバンに乗っているんじゃないんだよ」 「スーパーGLだよ」 「しかもアルミを履いているよ」 「フロントスポイラーも付いているよ」
そこを主張したい人たちから絶大な支持を受けているのが、このクルマなのね。
【C】 「郷愁としてのカスタムカー」か。
【A】 そうなんだよ。若くはないが、絶対オヤジになりたくない。
フレックス・ランドナーに乗る人はみなそういう気持ちなのさ。

【B】 で、実際に売れているの?
【A】 キャンピングカーとしてのシェアはたいしたことないんじゃない? だけど逆に、オートサロンなんかのハイエースコーナーだとステータスになっていて、けっこう売れているらしい。
「やっぱりキャンピングカー屋が手がけるカスタムカーは格調がある」という評価なのね。
キンキラした内装で、ヒップホップがガンガンかかっているクルマとは一線を画しているからね。
【C】 確かに、一見「おとなしめ」だよね。ローダウンといっても2インチ落としているだけで、走行性能が損なわれるようなことはしていないし、扁平タイヤも扁平率は55止まり。
【A】 しかし、見る人が見れば個性がすぐ分かる。オプションでしっかりオリジナルのフロントスポイラーが用意されているし、ドアミラーは輸出用のものが採用されている。
グリルもボディ同色にして、いちおう流行りの「ワル顔」を装っている。
【C】 他のハイエースキャンパーでは手が回らなかった部分をしっかり造り込んでいるというわけか。
【A】 …というか、外装に関しては、やんちゃっぽい演出をはっきり打ち出しているわけだね。
【B】 だけど、ハイエースのキャンピングカーを探しに来た人が、フロントスポイラーを見ても輸出用ミラーを見ても、特に感激しないと思うよ。
正統的なキャンピングカーを求める人の視点はそこにはないから。
【A】 それはそれでいいんだけどね。ただ、キャンピングカーショーの会場に来ている人で、営業スタッフの説明を求めるわけでもなく、ただクルマの中を覗きこんで帰って行く人がいっぱいいるよね。
そういう人の中には、カスタムのアイデアだけを求めて来場する人が結構いるんだよ。
彼らはカスタム系のイベントに行ったときに、そっちに出展する業者さんたちに尋ねるわけ。
「キャンピングカーショーでこういう改造例を見たんですけど、カスタムできますか?」って。
【B】 だけど、内装はすごくシンプルじゃない? あまりこだわっているクルマには見えないんだけど。
【A】 しかし、よく見ると違う。たとえばキャビネット。みな扉がついていないんだよ。
普通のキャンピングカー屋さんの場合、とにかく扉がある方がステータスになると思うから、キャビネットはみな扉つきだよね。
しかし、こういうクルマに乗る人は扉があると不便なんだよ。開けるときに、いちいちシートをずらさないとならないから。
だから、このクルマの場合、キャビネットはみなポケット構造になっている。シートがどの位置にあっても、手を伸ばせばそのまま中の物が取り出せる。

【C】 なるほど。乗用車の感覚か。市販のワゴンはみなそうなっているからね。
【A】 そう。だから「土足厳禁」ではないんだよ。靴を履いたまま乗れるようになっている。
そのため家具類の下にカーペットが巻いてある。つまり靴が当たっても、キャビネットが傷つかないようになっているわけだね。
キャンピングカーというと、誰もがすぐにトイレとかギャレーという装備を思い浮かべるけれど、このシューズプロテクターのような装備は、逆に普通のキャンピングカーにはないわけ。
それに3列目のシートにこだわっていないというのも特徴だしね。
【C】 そうか。一般的なキャンピングカーとは発想が違うというわけか。
【B】 ただ何度もいうけど、ビークルとかレクビィのような老舗のバンコンメーカーはやらない手法だよな。
ニッチな部分を狙っているという面白さはあるけれど、キャンピングカーのメインストリームではない。
【A】 いや、何がメインで何がニッチかなんて、ユーザーにとってはあまり意味がないことだよ。
それよりも、ハイエースの新しいカテゴリーだと思った方が楽しい。乗用車でもなければキャンピングカーでもない。
寝るための設備を持ったワンボックスワゴン。
そういうカテゴリーはみんなが狙っていたけれど、マーケットリサーチをしっかり行った分、このフレックス・ランドナーにアドバンテージがある。
このクルマの開発者には、顧客の顔がしっかり見えていると思うよ。
【A】 ハイエース人気で、ハイエースを特集したムック本がみな売れているんだよね。キャンピングカー専門誌もハイエースを表紙に出すと評判がいいらしい。
今日はそのなかで、アルフレックスの開発した「フレックス・ランドナー」というバンコンを取り上げてみようと思うんだけど。
【B】 う~ん…メジャーなクルマじゃないよね。バンコンのメインストリームから外れていると思うけどな。
【A】 だから面白い。このクルマを見ていると、ハイエースのマーケットというものがよく見えるような気がする。
【C】 どういうこと?
【A】 確かに、今ハイエースのバンコンは売れているけれど、それでも全車種を総合しても、憶測としては、いいとこ年間1,000台とか1,200台といったところじゃないのかな。
しかし、ハイエース全体の販売数は年間6万台以上ある。しかも、その過半数はロングバンのナローが占め、さらにその大半がスーパーGLだ。
このSGLを購入するユーザーの大半は、パーソナルユースだよ。
何が言いたいかというと、ハイエースのキャンピングカーがいくらブームだからといって、スーパーGLを求める客層の10分の1ぐらいでしかないということ。
フレックス・ランドナーというクルマは、キャンピングカーの壁を越えて、その10倍ともいえる外の世界を狙ったクルマなんだよね。
【C】 しかし、それならランドナーに限ったことじゃないんじゃないか? この200系ハイエースが出た頃から、これをトランポ的に扱う若いユーザーを見越して、各社はそれに応じたシンプルなモデルを最初から準備している。
そういう取り組みなら、トップメーカーのリンエイが抜かりないし、トイファクトリーのトイズボックスなどもその腺狙いだ。
【A】 いや、トランポではないんだよ。若いユーザー向けのバンコンというと、みな「遊びのギアを積んで…」という発想が最初に浮かんでしまうから、すぐトランポに行ってしまうけれど、必ずしもそういう客層ばかりではない。
【B】 では、どういう層を狙っているというの?
【A】 ボディにエアロを巻いたり、ローダウンで車高を落としたりというカスタム系のクルマを好む人たちだね。
【B】 それならこれはむしろ大人し過ぎるよ。中途半端。
【A】 いや、そこがむしろこのクルマの狙いなのね。実際このクルマを買っている人たちの年齢層って、知ってる?
【C】 20代。
【A】 違うんだよ。30代後半から40代。家庭持ちの人がほどんど。逆に、20代はいないのね。
つまりね、若い頃コテコテに改造したシャコタンなんかに乗っていたけれど、一応卒業して、結婚して。
さすがにそういうクルマにはもう乗れない。
だけど、「ただのバンに乗っているんじゃないんだよ」 「スーパーGLだよ」 「しかもアルミを履いているよ」 「フロントスポイラーも付いているよ」
そこを主張したい人たちから絶大な支持を受けているのが、このクルマなのね。
【C】 「郷愁としてのカスタムカー」か。
【A】 そうなんだよ。若くはないが、絶対オヤジになりたくない。
フレックス・ランドナーに乗る人はみなそういう気持ちなのさ。
【B】 で、実際に売れているの?
【A】 キャンピングカーとしてのシェアはたいしたことないんじゃない? だけど逆に、オートサロンなんかのハイエースコーナーだとステータスになっていて、けっこう売れているらしい。
「やっぱりキャンピングカー屋が手がけるカスタムカーは格調がある」という評価なのね。
キンキラした内装で、ヒップホップがガンガンかかっているクルマとは一線を画しているからね。
【C】 確かに、一見「おとなしめ」だよね。ローダウンといっても2インチ落としているだけで、走行性能が損なわれるようなことはしていないし、扁平タイヤも扁平率は55止まり。
【A】 しかし、見る人が見れば個性がすぐ分かる。オプションでしっかりオリジナルのフロントスポイラーが用意されているし、ドアミラーは輸出用のものが採用されている。
グリルもボディ同色にして、いちおう流行りの「ワル顔」を装っている。
【C】 他のハイエースキャンパーでは手が回らなかった部分をしっかり造り込んでいるというわけか。
【A】 …というか、外装に関しては、やんちゃっぽい演出をはっきり打ち出しているわけだね。
【B】 だけど、ハイエースのキャンピングカーを探しに来た人が、フロントスポイラーを見ても輸出用ミラーを見ても、特に感激しないと思うよ。
正統的なキャンピングカーを求める人の視点はそこにはないから。
【A】 それはそれでいいんだけどね。ただ、キャンピングカーショーの会場に来ている人で、営業スタッフの説明を求めるわけでもなく、ただクルマの中を覗きこんで帰って行く人がいっぱいいるよね。
そういう人の中には、カスタムのアイデアだけを求めて来場する人が結構いるんだよ。
彼らはカスタム系のイベントに行ったときに、そっちに出展する業者さんたちに尋ねるわけ。
「キャンピングカーショーでこういう改造例を見たんですけど、カスタムできますか?」って。
【B】 だけど、内装はすごくシンプルじゃない? あまりこだわっているクルマには見えないんだけど。
【A】 しかし、よく見ると違う。たとえばキャビネット。みな扉がついていないんだよ。
普通のキャンピングカー屋さんの場合、とにかく扉がある方がステータスになると思うから、キャビネットはみな扉つきだよね。
しかし、こういうクルマに乗る人は扉があると不便なんだよ。開けるときに、いちいちシートをずらさないとならないから。
だから、このクルマの場合、キャビネットはみなポケット構造になっている。シートがどの位置にあっても、手を伸ばせばそのまま中の物が取り出せる。
【C】 なるほど。乗用車の感覚か。市販のワゴンはみなそうなっているからね。
【A】 そう。だから「土足厳禁」ではないんだよ。靴を履いたまま乗れるようになっている。
そのため家具類の下にカーペットが巻いてある。つまり靴が当たっても、キャビネットが傷つかないようになっているわけだね。
キャンピングカーというと、誰もがすぐにトイレとかギャレーという装備を思い浮かべるけれど、このシューズプロテクターのような装備は、逆に普通のキャンピングカーにはないわけ。
それに3列目のシートにこだわっていないというのも特徴だしね。
【C】 そうか。一般的なキャンピングカーとは発想が違うというわけか。
【B】 ただ何度もいうけど、ビークルとかレクビィのような老舗のバンコンメーカーはやらない手法だよな。
ニッチな部分を狙っているという面白さはあるけれど、キャンピングカーのメインストリームではない。
【A】 いや、何がメインで何がニッチかなんて、ユーザーにとってはあまり意味がないことだよ。
それよりも、ハイエースの新しいカテゴリーだと思った方が楽しい。乗用車でもなければキャンピングカーでもない。
寝るための設備を持ったワンボックスワゴン。
そういうカテゴリーはみんなが狙っていたけれど、マーケットリサーチをしっかり行った分、このフレックス・ランドナーにアドバンテージがある。
このクルマの開発者には、顧客の顔がしっかり見えていると思うよ。
2006年11月15日
エアサスの現在
《覆面 座談会 エアサスの現在を語る》
【A】 キャンピングカーのエアサスが最近ずいぶん話題になってきたけど、エアサスの世界って、いま何が起こっているんだろう?
【B】 ここ最近だけど、ものすごく精度の高いエアサスが開発されてきて、それを使い出したユーザーたちがネットで情報交換を始めたわけ。
もともと昔から興味を持っている人たちもいたから、そういう人たちも、そのネットにアクセスするようになって、「本当に性能がいいの?」というやり取りが始まった。
その反響が出ているわけだね。
【C】 精度の高いエアサスって?
【B】 いろいろあるけれど、特にスマイルファクトリーという会社が開発した「キャンサス(キャンピングカーサスペンション)」が評判がいいみたいだ。
これはモンローのマックスエア(MAX-AIR)をベースとしているんだけどね。

【A】 初歩的な質問なんだけどさ、エアサスって空気だろ?
金属ばねのスプリングなどとどう違うの?
【B】 一言でいうと、復元力として金属ばねの代わりに、空気の弾性を利用しているわけ。
ボイルの法則ってのがあるんだけど、「一定温度下では、気体の圧力と体積は反比例の関係にある」というやつね。
要するに、気体を2分の1の体積まで圧縮すると、圧力は2倍になる。つまり反発力も2倍になる。
そういう空気の性質を利用したのがエアサスなんだよ。
【C】 どういう効果があるわけ?
【B】 まず乗り心地がしなやかになる。トラックなども乗用車なみの走行感覚になる。
逆に、サスの設定を硬くすることによってロールを抑え、コーナリング性能を向上させることもできる。
それが調整次第で自由自在になるわけ。
【A】 調整って?
【B】 一般的な金属ばねと違うところは、エアサスの場合、コントローラーを使ってエア圧を自在に調整できるわけよ。だから市街地では圧を下げて柔らかな乗り心地を実現し、高速道路では圧を高めて、びしっとタイトに走るとかね。
【C】 最近は、観光バスや高速バスでは当たり前にエアサスが使われているよね。
大型トラックでも走行中の荷物の損傷を抑えられるので、エアサス装着がほとんどだね。
【B】 そうなんだ。だけど、キャンピングカーにはほとんど普及していなかったのね。
一部の高級バスコンなんかは別だけど、一番必要なキャブコンには、まだ関心を持っているユーザーが少ないから、普及率は低いよね。
【A】 なぜだろうね。
【B】 普通のユーザーはキャブコンを買うだけで精一杯なんだよ。
キャビン側に座った家族が、走行中に飛び跳ねようが、酔ってしまおうが、「キャンピングカーだからしょうがないよ」という意識の方が強い。
エアサスを後付けして乗り心地を向上させようというほどの意識も資金的な余裕もない人が一般的じゃない?
【C】 しかし、乗用車に乗り慣れた人がキャブコンのキャビンに座ったら、けっこうシンドイと感じると思うんだけどね。
【A】 車種にもよるよ。それに人の感覚は千差万別。
【B】 でも、4輪とも「キャンサス」のマックスエアを装着したSRXに乗ったけれど、これは確実に良さが体感できた。
エア圧を5ぐらいに落として走ると、もう乗用車底抜けのしなやかさだし、圧を7ぐらいまで高めると、スパルタンとは言わないまでも、どしっと4輪が踏ん張る感じが確実に伝わってくる。
乗ると良さが分かる。
【A】 ほんと?
【B】 うん、ほんと。この「キャンサス」を開発したスマイルファクトリーは、ものすごい開発スピードで、相当レベルの高いものを実現してしまったわけ。
そもそもこのサスは、アメリカのモンロー・マックスエアをベースにしたものなんだけど、モンロー製のものにはフロント用がないわけよ。
もともとトレーラーヘッドの尻下がりを解消するために開発されたサスだから。
スマイルファクトリーは、すでにカムロードとヒュンダイSRX向けの4輪エアサスを開発し終えているけど、両方ともフロントがダブルウィッシュボーンじゃない?
モンローのオリジナルは、それに対応するようにはなっていなかったわけ。
それを全部自社開発したところが、この製品の特徴だよね。
【C】 どういう構造になっているんだろう?
【B】 まずエア容量を確保するためのエアタンク。それを送り込むコンプレッサー、エアが通っていく配管。エア圧を調整するためのコントローラー。そんなところかな。
今まではコンプレッサー部分が室内にあったけれど、最新型ではそれを防水型にして外に移している。
だからコンプレッサーの音が室内に入ってこなくなった。
コントローラー、コンプレッサーともに信頼性の高い国産品に替えられたから初期型のものより精度は上がったね。
【A】 キャンピングカーのエアサスが最近ずいぶん話題になってきたけど、エアサスの世界って、いま何が起こっているんだろう?
【B】 ここ最近だけど、ものすごく精度の高いエアサスが開発されてきて、それを使い出したユーザーたちがネットで情報交換を始めたわけ。
もともと昔から興味を持っている人たちもいたから、そういう人たちも、そのネットにアクセスするようになって、「本当に性能がいいの?」というやり取りが始まった。
その反響が出ているわけだね。
【C】 精度の高いエアサスって?
【B】 いろいろあるけれど、特にスマイルファクトリーという会社が開発した「キャンサス(キャンピングカーサスペンション)」が評判がいいみたいだ。
これはモンローのマックスエア(MAX-AIR)をベースとしているんだけどね。
【A】 初歩的な質問なんだけどさ、エアサスって空気だろ?
金属ばねのスプリングなどとどう違うの?
【B】 一言でいうと、復元力として金属ばねの代わりに、空気の弾性を利用しているわけ。
ボイルの法則ってのがあるんだけど、「一定温度下では、気体の圧力と体積は反比例の関係にある」というやつね。
要するに、気体を2分の1の体積まで圧縮すると、圧力は2倍になる。つまり反発力も2倍になる。
そういう空気の性質を利用したのがエアサスなんだよ。
【C】 どういう効果があるわけ?
【B】 まず乗り心地がしなやかになる。トラックなども乗用車なみの走行感覚になる。
逆に、サスの設定を硬くすることによってロールを抑え、コーナリング性能を向上させることもできる。
それが調整次第で自由自在になるわけ。
【A】 調整って?
【B】 一般的な金属ばねと違うところは、エアサスの場合、コントローラーを使ってエア圧を自在に調整できるわけよ。だから市街地では圧を下げて柔らかな乗り心地を実現し、高速道路では圧を高めて、びしっとタイトに走るとかね。
【C】 最近は、観光バスや高速バスでは当たり前にエアサスが使われているよね。
大型トラックでも走行中の荷物の損傷を抑えられるので、エアサス装着がほとんどだね。
【B】 そうなんだ。だけど、キャンピングカーにはほとんど普及していなかったのね。
一部の高級バスコンなんかは別だけど、一番必要なキャブコンには、まだ関心を持っているユーザーが少ないから、普及率は低いよね。
【A】 なぜだろうね。
【B】 普通のユーザーはキャブコンを買うだけで精一杯なんだよ。
キャビン側に座った家族が、走行中に飛び跳ねようが、酔ってしまおうが、「キャンピングカーだからしょうがないよ」という意識の方が強い。
エアサスを後付けして乗り心地を向上させようというほどの意識も資金的な余裕もない人が一般的じゃない?
【C】 しかし、乗用車に乗り慣れた人がキャブコンのキャビンに座ったら、けっこうシンドイと感じると思うんだけどね。
【A】 車種にもよるよ。それに人の感覚は千差万別。
【B】 でも、4輪とも「キャンサス」のマックスエアを装着したSRXに乗ったけれど、これは確実に良さが体感できた。
エア圧を5ぐらいに落として走ると、もう乗用車底抜けのしなやかさだし、圧を7ぐらいまで高めると、スパルタンとは言わないまでも、どしっと4輪が踏ん張る感じが確実に伝わってくる。
乗ると良さが分かる。
【A】 ほんと?
【B】 うん、ほんと。この「キャンサス」を開発したスマイルファクトリーは、ものすごい開発スピードで、相当レベルの高いものを実現してしまったわけ。
そもそもこのサスは、アメリカのモンロー・マックスエアをベースにしたものなんだけど、モンロー製のものにはフロント用がないわけよ。
もともとトレーラーヘッドの尻下がりを解消するために開発されたサスだから。
スマイルファクトリーは、すでにカムロードとヒュンダイSRX向けの4輪エアサスを開発し終えているけど、両方ともフロントがダブルウィッシュボーンじゃない?
モンローのオリジナルは、それに対応するようにはなっていなかったわけ。
それを全部自社開発したところが、この製品の特徴だよね。
【C】 どういう構造になっているんだろう?
【B】 まずエア容量を確保するためのエアタンク。それを送り込むコンプレッサー、エアが通っていく配管。エア圧を調整するためのコントローラー。そんなところかな。
今まではコンプレッサー部分が室内にあったけれど、最新型ではそれを防水型にして外に移している。
だからコンプレッサーの音が室内に入ってこなくなった。
コントローラー、コンプレッサーともに信頼性の高い国産品に替えられたから初期型のものより精度は上がったね。
2006年11月13日
RVショーの総括
《覆面 座談会 RVショーの総括》
【A=クマ】 今日は今年1年のキャンピングカーイベントを総括してみようと思うんだ。「お台場くるま旅パラダイス2006」も終わって国内の大きなキャンピングカーイベントは一段落したわけだけれど、この1年を振り返って、どう思う?
【B=サル】 その前にさぁ、俺たちまた変な紹介のされ方していない? サルとかクマとか。
【C=イノシシ】 いいじゃない。幼稚園のクラス名みたいで。ほのぼのとする。
【B】 しかし、サルとかイノシシって、最近みな人里に出てきて悪さする動物たちばかりだぜ。
【C】 そうか。このブログ制作者の悪意を感じるな。

【A】 ところで今年のショーはどうだった?
大阪、名古屋、東京で大きなイベントが開かれたけれど、どこも盛り上がっていたよね。明らかに大きなブームが来そうな感触がある。
【B】 ただ、全般的にいえることだけど、出展車両にバラエティが欠けてきた感じがする。
ハイエースが5割を占め、あとはカムロードが3割、それ以外はトレーラーと軽キャンカーといった感じで、輸入車が少なくなってきたね。頑張っているのはボナンザとニートRV、東和モータースぐらいだ。4~5年ぐらい前とはそこが大きく変わってきたね。
【C】 お台場のショーはユーザーが愛車を持ち込んでキャンプを楽しめるわけだけど、そっちには大型輸入車もいっぱいあって、5年ぐらい前のショーが場外で再現されている。

【A】 輸入車が少ないのは仕方がないよね。アメ車は大型化が進んできて、日本に導入できない車種ばかり増えているし、ヨーロッパ車はユーロが高すぎて、為替レートの問題で業者がみな悩んでいる。
【C】 もう一つは排ガス規制の問題が大きく立ちはだかってきそうだね。
日本の排ガス規制が強化されて、今年の10月1日以降に製作される自動車に関しては、型式認証を受けていない重量車に対しても排ガス基準が適用されるようになった。
キャンピングカーも来年の4月1日からこの基準が適用されるようになるため、型式認証を受けていない重量車はもろにこれに引っかかる。
そうなると、1台ずつガス検を受けなければならず、場合によっては基準値をクリアできないものが出てくる可能性もないことはないだけに、それに二の足を踏んでいる業者さんもいる。
輸入車にとっては逆風だね。
【B】 寂しいよね。キャンピングカーブームは盛り上がっているというのに、選べるベース車が国産のハイエースかカムロードだけでは…
【A】 しかし、逆に内装のつくりに関しては、国産車は恐ろしいほどの進化が見られた年だったと思うよ。
新しいアイデアがどんどん出てきたし、家具などのクオリティ向上もめざましい。
ようやく日本独自の「キャンピングカー文化」が生まれてきそうな気配はあるよね。
【B】 買い替えのユーザーが増えてきて、商品力を見抜く力を持ってきたからだよ。
単に見栄えの良さに引っ張られるだけでなく、断熱性とか空調の配管類の取り回しとか、目に見えない部分に着目するユーザーが増えてきたのね。
【C】 ビルダーがうかうかしていられない時代が来たわけだね。
【A】 ただ、面白い現象も起こっている。
普通キャンピングカー初心者というのは若い世代に限られるという印象があったけれど、それが変わりそうな気配がある。
団塊の世代がこの世界に注目するようになって、逆に中高年の初心者が増えてきたというのが、大きな変化だね。
【B】 そうそう。テントキャンプを経験していないシニアユーザーが増えるというわけだよね。そうなるとどうなると思う?
【C】 キャンピングカーに対するイメージが変わるんじゃない?
キャンプに使うクルマから、キャンプも含めて、広い意味での「旅行」に使うクルマになっていくと思う。
JRVAさんの言っている「くるま旅」の時代がついにやってくるというわけだ。
【B】 ただ、そこで問題も出てくるよね。キャンプ場なら、場内で生活するときのルールというものがはっきりしているけれど、旅となるとルールの規定もあいまいになってしまう。
だから、マナーの問題などもクローズアップされるようになったと思うんだ。
【A】 そうだよ。これからたくさんのキャンピングカーが日本全国を走り回るようになるわけだから、ビルダーさんたちも、単に良いクルマを仕上げるだけではなくて、マナーを守れるユーザーを育てることも大事な仕事になっていくんだろうな。
【B】 もうそろそろ終わりだってよ。
【C】 ええ? 話はこれからだというのに。
【A】 そろそり切り上げないと、今日のUPに間に合わないんだってよ。
【B】 ブログ制作者の都合で時間制限があるなんて、腑に落ちないよね。
【A】 いいじゃない。どうせ俺たちはクマ、サル、イノシシなんだから。
【A=クマ】 今日は今年1年のキャンピングカーイベントを総括してみようと思うんだ。「お台場くるま旅パラダイス2006」も終わって国内の大きなキャンピングカーイベントは一段落したわけだけれど、この1年を振り返って、どう思う?
【B=サル】 その前にさぁ、俺たちまた変な紹介のされ方していない? サルとかクマとか。
【C=イノシシ】 いいじゃない。幼稚園のクラス名みたいで。ほのぼのとする。
【B】 しかし、サルとかイノシシって、最近みな人里に出てきて悪さする動物たちばかりだぜ。
【C】 そうか。このブログ制作者の悪意を感じるな。
【A】 ところで今年のショーはどうだった?
大阪、名古屋、東京で大きなイベントが開かれたけれど、どこも盛り上がっていたよね。明らかに大きなブームが来そうな感触がある。
【B】 ただ、全般的にいえることだけど、出展車両にバラエティが欠けてきた感じがする。
ハイエースが5割を占め、あとはカムロードが3割、それ以外はトレーラーと軽キャンカーといった感じで、輸入車が少なくなってきたね。頑張っているのはボナンザとニートRV、東和モータースぐらいだ。4~5年ぐらい前とはそこが大きく変わってきたね。
【C】 お台場のショーはユーザーが愛車を持ち込んでキャンプを楽しめるわけだけど、そっちには大型輸入車もいっぱいあって、5年ぐらい前のショーが場外で再現されている。
【A】 輸入車が少ないのは仕方がないよね。アメ車は大型化が進んできて、日本に導入できない車種ばかり増えているし、ヨーロッパ車はユーロが高すぎて、為替レートの問題で業者がみな悩んでいる。
【C】 もう一つは排ガス規制の問題が大きく立ちはだかってきそうだね。
日本の排ガス規制が強化されて、今年の10月1日以降に製作される自動車に関しては、型式認証を受けていない重量車に対しても排ガス基準が適用されるようになった。
キャンピングカーも来年の4月1日からこの基準が適用されるようになるため、型式認証を受けていない重量車はもろにこれに引っかかる。
そうなると、1台ずつガス検を受けなければならず、場合によっては基準値をクリアできないものが出てくる可能性もないことはないだけに、それに二の足を踏んでいる業者さんもいる。
輸入車にとっては逆風だね。
【B】 寂しいよね。キャンピングカーブームは盛り上がっているというのに、選べるベース車が国産のハイエースかカムロードだけでは…
【A】 しかし、逆に内装のつくりに関しては、国産車は恐ろしいほどの進化が見られた年だったと思うよ。
新しいアイデアがどんどん出てきたし、家具などのクオリティ向上もめざましい。
ようやく日本独自の「キャンピングカー文化」が生まれてきそうな気配はあるよね。
【B】 買い替えのユーザーが増えてきて、商品力を見抜く力を持ってきたからだよ。
単に見栄えの良さに引っ張られるだけでなく、断熱性とか空調の配管類の取り回しとか、目に見えない部分に着目するユーザーが増えてきたのね。
【C】 ビルダーがうかうかしていられない時代が来たわけだね。
【A】 ただ、面白い現象も起こっている。
普通キャンピングカー初心者というのは若い世代に限られるという印象があったけれど、それが変わりそうな気配がある。
団塊の世代がこの世界に注目するようになって、逆に中高年の初心者が増えてきたというのが、大きな変化だね。
【B】 そうそう。テントキャンプを経験していないシニアユーザーが増えるというわけだよね。そうなるとどうなると思う?
【C】 キャンピングカーに対するイメージが変わるんじゃない?
キャンプに使うクルマから、キャンプも含めて、広い意味での「旅行」に使うクルマになっていくと思う。
JRVAさんの言っている「くるま旅」の時代がついにやってくるというわけだ。
【B】 ただ、そこで問題も出てくるよね。キャンプ場なら、場内で生活するときのルールというものがはっきりしているけれど、旅となるとルールの規定もあいまいになってしまう。
だから、マナーの問題などもクローズアップされるようになったと思うんだ。
【A】 そうだよ。これからたくさんのキャンピングカーが日本全国を走り回るようになるわけだから、ビルダーさんたちも、単に良いクルマを仕上げるだけではなくて、マナーを守れるユーザーを育てることも大事な仕事になっていくんだろうな。
【B】 もうそろそろ終わりだってよ。
【C】 ええ? 話はこれからだというのに。
【A】 そろそり切り上げないと、今日のUPに間に合わないんだってよ。
【B】 ブログ制作者の都合で時間制限があるなんて、腑に落ちないよね。
【A】 いいじゃない。どうせ俺たちはクマ、サル、イノシシなんだから。
2006年11月12日
お台場ショー速報
11日から12日にかけて、東京・お台場で「くるま旅パラダイス2006」が開かれました。
今年の大型キャンピングカーショーの最後を飾るにふさわしい盛況ぶりでした。出展車両も過去最高。撮影したカットは450カットに及びました。
その一部をご紹介。

▼このブログでも紹介した『くるま旅くらし心得帖』を書かれた山本馬骨さんもステージに登場して挨拶。キャンピングカーの達人ならではのアドバイスを聴衆に披露。 ▼左は奥様。素敵なカップルです。

▼バンコントップビルダーのリンエイは、「フロンティア」をデビューさせました。「寝る」と「積む」を徹底させた鮮やかなコンセプトが光ります。

▼先日も紹介したMYSミスティックの「アドベンチャー」。久しぶりのハードシェル型ピックアップキャビンです。

▼AtoZの「アクシス」。エントランスドアにバスの扉を採用するなど、新機構・新機軸を満載した新型キャブコンです。

▼OMCの「北斗」。ハイエースワゴンロングを使った新バンコン。全高2.1mで、気楽に立体駐車場に入れるのが魅力。

▼カトーモーターの「DD」もロングソファを採用したニューバージョンが追加されました。

それにしても土曜日の夜は飲みました。
明け方近い4:00まで。
○○ピー○○○○トの畑○さん、お疲れ様でした。
今年の大型キャンピングカーショーの最後を飾るにふさわしい盛況ぶりでした。出展車両も過去最高。撮影したカットは450カットに及びました。
その一部をご紹介。
▼このブログでも紹介した『くるま旅くらし心得帖』を書かれた山本馬骨さんもステージに登場して挨拶。キャンピングカーの達人ならではのアドバイスを聴衆に披露。 ▼左は奥様。素敵なカップルです。
▼バンコントップビルダーのリンエイは、「フロンティア」をデビューさせました。「寝る」と「積む」を徹底させた鮮やかなコンセプトが光ります。
▼先日も紹介したMYSミスティックの「アドベンチャー」。久しぶりのハードシェル型ピックアップキャビンです。
▼AtoZの「アクシス」。エントランスドアにバスの扉を採用するなど、新機構・新機軸を満載した新型キャブコンです。
▼OMCの「北斗」。ハイエースワゴンロングを使った新バンコン。全高2.1mで、気楽に立体駐車場に入れるのが魅力。
▼カトーモーターの「DD」もロングソファを採用したニューバージョンが追加されました。
それにしても土曜日の夜は飲みました。
明け方近い4:00まで。
○○ピー○○○○トの畑○さん、お疲れ様でした。
2006年11月10日
お台場RVショー
いよいよ11日(土)から「東京お台場くるま旅パラダイス2006」が開かれます。
今日は搬入日。
昼から展示車両が続々と運び込まれてきました。
片っ端からカメラに撮りました。
このショーでデビューする魅力的な新型車も多数。
その一部をご紹介。
▼MYSミスティックの新型ピックアップキャビン「アドベンチャー」

▼AtoZの新型キャブコン「アクシス」

▼レクビィの新型バンコン「トートバック」

▼マックレーの「デイブレイク・エリートSRXには、ついにスマイルファクトリーが開発したエアサス「MAX-AIR」の最終形が登場。会場内で組み込み作業が行われていました。

1日中突っ立って撮影。昼飯抜き。ちょっと今日は疲れ気味です。
なお、「くるま旅パラダイス」の詳細は次のとおり。
場所:東京都江東区青海1丁目。青海Q区
入場料:800円(中学生以下無料)
アクセス:りんかい線「東京テレポート駅」より徒歩3分
ゆりかもめ「台場駅」より徒歩3分
自動車の場合は、首都高11号線「台場ランプ」より4分
なお、コメントを頂いた方の一部のコメントがどういうわけか消えてしまいました。ブログ管理者に問い合わせていますが、返事がまだ届きません。
ジャバママ様、ヨッシーパパ様、ごめんなさい。
今日は搬入日。
昼から展示車両が続々と運び込まれてきました。
片っ端からカメラに撮りました。
このショーでデビューする魅力的な新型車も多数。
その一部をご紹介。
▼MYSミスティックの新型ピックアップキャビン「アドベンチャー」
▼AtoZの新型キャブコン「アクシス」
▼レクビィの新型バンコン「トートバック」
▼マックレーの「デイブレイク・エリートSRXには、ついにスマイルファクトリーが開発したエアサス「MAX-AIR」の最終形が登場。会場内で組み込み作業が行われていました。
1日中突っ立って撮影。昼飯抜き。ちょっと今日は疲れ気味です。
なお、「くるま旅パラダイス」の詳細は次のとおり。
場所:東京都江東区青海1丁目。青海Q区
入場料:800円(中学生以下無料)
アクセス:りんかい線「東京テレポート駅」より徒歩3分
ゆりかもめ「台場駅」より徒歩3分
自動車の場合は、首都高11号線「台場ランプ」より4分
なお、コメントを頂いた方の一部のコメントがどういうわけか消えてしまいました。ブログ管理者に問い合わせていますが、返事がまだ届きません。
ジャバママ様、ヨッシーパパ様、ごめんなさい。
2006年11月05日
覆面 座談会5
《デイブレイク・エリートSRXを語る》
【A】 今日のテーマは、マックレーの 「デイブレイク・エリートシリーズ・デュエットタイプSRX」 です。
【B】 なんか長い名前だね。
【C】 「デイブレイク」というキャブコンも、ユーザーニーズの多様化に応じて色々なバリエーションを持つようになったからね。
【B】 一言でいうと、どういうキャラクターのクルマなんだろう?
【A】 マックレーのフラッグシップといっていい。のみならず、国産キャブコンの最高級ブランドともいえるかな。
バンテックのベガとか、昔のグランドロイヤルに相当するクルマだね。
【B】 それにしては、名前を聞いただけでウワァっと盛り上がってくるものがないね。
やっぱり正式名称が長すぎると思う。「デイブレイクSRX」だけでいいんじゃない?
【A】 いや、それではグレードや装備の違いが分からない。
それに同じレイアウトでカムロードも選ぶことができるから、そう簡単に簡略化はできないよ。

【C】 まず他車にはない特徴から入ると?
【A】 装備的にもデザイン的にも、いろいろな特徴を備えたクルマなんだけど、最大のものといえば、ヒュンダイSRXというベース車を採用したことだろうね。
展示車としてはカムロードも使えるというのに、あえてマックレーはSRXにこだわった。
そこに、同社がこのシャシーにかけた並々ならぬ思い入れが伝わってくる。
【B】 しかし、このシャシーが導入されてから5年近く経つけれど、思ったほどは普及しなかったじゃない?
導入元のバンテックもアトムから外してしまったし、フィールドライフのフランクも今や展示車はカムロードがメイン。
ロッキーのコマンダーはそこそこ健闘しているけれど、爆発的というほどではない。
なのに、なぜマックレーはこのSRXにこだわるのだろう?
【A】 はっきりいうと、今まではこのシャシーの良さを広報する力が各ビルダーになかったということだよ。
マックレーがこのベース車にこだわるのは実績があるからで、それは最初から「高級車」という位置付けで取り組んできたからなのね。
なにしろSRXは、動力性能からいっても、走行安定性からいってもキャンピングカーベースとしては国産随一だよ。パワーとトルクではカムロードの上を行く。
グランドハイエースなき後、これに勝るシャシーは今のところ見つからない。

【B】 でも人気が今ひとつのなのは、やっぱり理由があると思うんだ。
まず左ハンドル。次にディーゼル。
韓国製ということもメンテ面などで、日本人には不安材料のひとつになっていると思う。
【A】 メンテはほとんど問題ない。特に、輸入車の場合いちばん問題が起こりやすいミッションはアイシン精機製だ。町の修理工場で充分に対応できる。
左ハンドルというのは、もう慣れの問題。
乗用車と違って、このくらいの幅を持った自動車になると、右ハンドルより左の方が楽なんだよ。左いっぱいに寄せられるから。
これは大きい。左側をすり抜けていくバイクや自転車もすぐチェックできる。
狭い道で大型車とすれ違うときも、左にどれだけ寄せていいかがすぐ確認できるからとても楽。
ところが、右ハンドルしか知らないドライバーはそこのところが理解できない。
【A】 今日のテーマは、マックレーの 「デイブレイク・エリートシリーズ・デュエットタイプSRX」 です。
【B】 なんか長い名前だね。
【C】 「デイブレイク」というキャブコンも、ユーザーニーズの多様化に応じて色々なバリエーションを持つようになったからね。
【B】 一言でいうと、どういうキャラクターのクルマなんだろう?
【A】 マックレーのフラッグシップといっていい。のみならず、国産キャブコンの最高級ブランドともいえるかな。
バンテックのベガとか、昔のグランドロイヤルに相当するクルマだね。
【B】 それにしては、名前を聞いただけでウワァっと盛り上がってくるものがないね。
やっぱり正式名称が長すぎると思う。「デイブレイクSRX」だけでいいんじゃない?
【A】 いや、それではグレードや装備の違いが分からない。
それに同じレイアウトでカムロードも選ぶことができるから、そう簡単に簡略化はできないよ。
【C】 まず他車にはない特徴から入ると?
【A】 装備的にもデザイン的にも、いろいろな特徴を備えたクルマなんだけど、最大のものといえば、ヒュンダイSRXというベース車を採用したことだろうね。
展示車としてはカムロードも使えるというのに、あえてマックレーはSRXにこだわった。
そこに、同社がこのシャシーにかけた並々ならぬ思い入れが伝わってくる。
【B】 しかし、このシャシーが導入されてから5年近く経つけれど、思ったほどは普及しなかったじゃない?
導入元のバンテックもアトムから外してしまったし、フィールドライフのフランクも今や展示車はカムロードがメイン。
ロッキーのコマンダーはそこそこ健闘しているけれど、爆発的というほどではない。
なのに、なぜマックレーはこのSRXにこだわるのだろう?
【A】 はっきりいうと、今まではこのシャシーの良さを広報する力が各ビルダーになかったということだよ。
マックレーがこのベース車にこだわるのは実績があるからで、それは最初から「高級車」という位置付けで取り組んできたからなのね。
なにしろSRXは、動力性能からいっても、走行安定性からいってもキャンピングカーベースとしては国産随一だよ。パワーとトルクではカムロードの上を行く。
グランドハイエースなき後、これに勝るシャシーは今のところ見つからない。
【B】 でも人気が今ひとつのなのは、やっぱり理由があると思うんだ。
まず左ハンドル。次にディーゼル。
韓国製ということもメンテ面などで、日本人には不安材料のひとつになっていると思う。
【A】 メンテはほとんど問題ない。特に、輸入車の場合いちばん問題が起こりやすいミッションはアイシン精機製だ。町の修理工場で充分に対応できる。
左ハンドルというのは、もう慣れの問題。
乗用車と違って、このくらいの幅を持った自動車になると、右ハンドルより左の方が楽なんだよ。左いっぱいに寄せられるから。
これは大きい。左側をすり抜けていくバイクや自転車もすぐチェックできる。
狭い道で大型車とすれ違うときも、左にどれだけ寄せていいかがすぐ確認できるからとても楽。
ところが、右ハンドルしか知らないドライバーはそこのところが理解できない。
2006年11月02日
張り出し箱ブーム
200系ハイエースになって、今ひそやかなブームになっているのが「張り出し箱」です。
なんだそりゃ?
そう聞き返されても、正式な名前が決まっていないようなので、なんと答えたらいいのか分からないのですが、
とりあえず、下の写真では、ボディ右側後方に付けられた出っ張り。

これはアム・クラフトさんのコンパスDOLQですが、
右後方リヤウィンドウをつぶし、FRP製ボックスを付けて、
外側に張り出させているのが見えると思います。
何のために、このようなスタイルが生まれてきたかというと、
横方向に寝られるベッドを確保するためなんですね。
200系ハイエースになって、ワゴンロングとスーパーロングは1880mmという横幅を確保しました。室内幅にすると1730mm。
しかし、その幅ぎりぎりで横方向に寝られるベッドを作ったとしても、
車検上で就寝定員とみなされる1800mmという数値を満たすことができません。
仮に横寝ベッドを作ったとしても、せいぜい1700mmぐらいしか取れませんから、女性か、まぁ子供用。
これを解決するのが「張り出し箱」なんですね。
これを付けたハイエースが、いま静かなブームを呼んでいます。
こうして横寝2段ベッドを実現することによって、ダイネットスペースが広く取れるようになり、
下段ベッドのマットを抜けば、そこに広いラゲージスペースを確保できるクルマも出てくるようになりました。
この「張り出し箱」の元祖は、やはりアム・クラフトさんのコンパスだといえるでしょう。
さすがに、元祖だけあって、このメーカーはこの「張り出し箱」に、しっかりと名称を付けています。
「エクステンションBOX」です。
しかし、この名称に落ち着くまでに、
「RFP拡張BOX」
「ウィンドウ拡張ボックス」
など、さまざまな呼び方にトライしたようです。
(▼コンパス)

トイファクトリーさんも、GTでこの「張り出し箱」を試みました。
こちらも、しっかりした名前を付けました。
「エアロウィンドウ」
名前だけ聞くと、イメージがうまく湧きませんが、現物と照らし合わせると、説得力のある名称だと分かります。
(▼GT)

オートショップアズマさんも、カーメルⅢでこれを試みました。
丸窓などを付けて、デザインはなかなかお洒落です。
でも、これを何と呼ぶのか?
「さぁ、造ったばかりのクルマなので、まだそこまで考えていなかったです」
という答えでした。
(▼カーメルⅢ)

AtoZさんも、アメリアⅡで「張り出し箱」を採用しています。
やはり名称を尋ねてみたのですが、
「3日前にできたばかりのクルマなので、まだ名前まで考える余裕がなかった」
という返事。
(▼アメリアⅡ)

何かいい一般名詞はないものですかね。
今後200系ハイエースのバンコンでは、このような試みが増えていくと思うのですが、「張り出し箱」じゃ情けないですしね。
ちなみに、『オートキャンパー』さんも、今のところは、
「FRP成形にて張り出させ…」という表現でとどまっているようです。
なんだそりゃ?
そう聞き返されても、正式な名前が決まっていないようなので、なんと答えたらいいのか分からないのですが、
とりあえず、下の写真では、ボディ右側後方に付けられた出っ張り。
これはアム・クラフトさんのコンパスDOLQですが、
右後方リヤウィンドウをつぶし、FRP製ボックスを付けて、
外側に張り出させているのが見えると思います。
何のために、このようなスタイルが生まれてきたかというと、
横方向に寝られるベッドを確保するためなんですね。
200系ハイエースになって、ワゴンロングとスーパーロングは1880mmという横幅を確保しました。室内幅にすると1730mm。
しかし、その幅ぎりぎりで横方向に寝られるベッドを作ったとしても、
車検上で就寝定員とみなされる1800mmという数値を満たすことができません。
仮に横寝ベッドを作ったとしても、せいぜい1700mmぐらいしか取れませんから、女性か、まぁ子供用。
これを解決するのが「張り出し箱」なんですね。
これを付けたハイエースが、いま静かなブームを呼んでいます。
こうして横寝2段ベッドを実現することによって、ダイネットスペースが広く取れるようになり、
下段ベッドのマットを抜けば、そこに広いラゲージスペースを確保できるクルマも出てくるようになりました。
この「張り出し箱」の元祖は、やはりアム・クラフトさんのコンパスだといえるでしょう。
さすがに、元祖だけあって、このメーカーはこの「張り出し箱」に、しっかりと名称を付けています。
「エクステンションBOX」です。
しかし、この名称に落ち着くまでに、
「RFP拡張BOX」
「ウィンドウ拡張ボックス」
など、さまざまな呼び方にトライしたようです。
(▼コンパス)
トイファクトリーさんも、GTでこの「張り出し箱」を試みました。
こちらも、しっかりした名前を付けました。
「エアロウィンドウ」
名前だけ聞くと、イメージがうまく湧きませんが、現物と照らし合わせると、説得力のある名称だと分かります。
(▼GT)
オートショップアズマさんも、カーメルⅢでこれを試みました。
丸窓などを付けて、デザインはなかなかお洒落です。
でも、これを何と呼ぶのか?
「さぁ、造ったばかりのクルマなので、まだそこまで考えていなかったです」
という答えでした。
(▼カーメルⅢ)
AtoZさんも、アメリアⅡで「張り出し箱」を採用しています。
やはり名称を尋ねてみたのですが、
「3日前にできたばかりのクルマなので、まだ名前まで考える余裕がなかった」
という返事。
(▼アメリアⅡ)
何かいい一般名詞はないものですかね。
今後200系ハイエースのバンコンでは、このような試みが増えていくと思うのですが、「張り出し箱」じゃ情けないですしね。
ちなみに、『オートキャンパー』さんも、今のところは、
「FRP成形にて張り出させ…」という表現でとどまっているようです。
2006年10月31日
軽ブームのゆくえ
軽キャンカーブームについて、すでにこのブログにおいても何度かテーマとして取り上げましたが、
どうやらキャンピングカー業界全体も、このブームをどう捉えるか、
いろいろな意見が交わされて、盛り上がっているようです。

10月28日~29日に開かれた「名古屋キャンピングカーフェア」の会場で、キャンピングカービルダーや販社さんたちに、「軽キャンカーブーム」に対する感想をいろいろ尋ねてみました。
この軽ブームがキャンピングカー業界にどのような作用をもたらすのか、観測は大きく二つに分かれました。
ひとつは、ブームには注目を払いながらも、それがキャンピングカー全体の販促を牽引する力にはならないだろうという見方です。
要約すると、次のような意見になります。
軽キャンカーを求めて直接ショールームを訪ねて来られたお客さんのほとんどは、ひたすら軽キャンカーの情報を求めるだけで、それ以外のキャンピングカーを見ようとしない。
おそらく軽自動車を日常の足として使われている中高年の方が、
どこかで軽キャンカーのブームを耳にして、「軽なら安いし運転も楽」と判断して来店されたのだろうが、
しかし、そういうお客さんは軽キャンカーの価格を知ると、たいてい尻込みして帰ってしまう。
軽キャンカーは、作業効率や部材の使用量も、普通のキャンピングカーとそんなに変わらないにもかかわらず、売価を上げられない。
しかし、そこのところをなかなか理解してもらえない。
だから、軽ブームがキャンピングカー全体の発展に寄与するかどうかは微妙なところだ。
このように、多少懐疑的な見方をする人もいました。
ところが別の見方をする人たちもいました。
それは次のようなコメントに代表されます。
軽キャンカーという存在を知って、あきらかに今までショールームに来なかったような人たちが店を訪れるようになった。
そういう方々が、たとえその時は軽キャンカーにしか関心を払わなくても、キャンピングカーという存在に気づいてくれたことは大きなことなのだ。
それに、いま軽に注目している人は、必ずしも経済性だけを求めているわけではない。
軽の小回りの利く機動性に注目し、そこに従来のキャンピングカーとは違った可能性を発見した人も大勢いる。
また、軽キャンカーを購入してくれた人が、
使っているうちにもう少し居住空間に余裕のあるクルマが欲しいと思うようになり、大き目のキャンピングカーに買い換えたいという話がすでに出てきている。
だから、軽キャンカーブームは、明らかにキャンピングカーの裾野を広げることに貢献している。

対照的な意見が並びましたが、
この軽ブーム。
はたして、どのような展開を見せてくれるのか。
業界を多少ウォッチしている人間にとっては、興味津々です。
どうやらキャンピングカー業界全体も、このブームをどう捉えるか、
いろいろな意見が交わされて、盛り上がっているようです。
10月28日~29日に開かれた「名古屋キャンピングカーフェア」の会場で、キャンピングカービルダーや販社さんたちに、「軽キャンカーブーム」に対する感想をいろいろ尋ねてみました。
この軽ブームがキャンピングカー業界にどのような作用をもたらすのか、観測は大きく二つに分かれました。
ひとつは、ブームには注目を払いながらも、それがキャンピングカー全体の販促を牽引する力にはならないだろうという見方です。
要約すると、次のような意見になります。
軽キャンカーを求めて直接ショールームを訪ねて来られたお客さんのほとんどは、ひたすら軽キャンカーの情報を求めるだけで、それ以外のキャンピングカーを見ようとしない。
おそらく軽自動車を日常の足として使われている中高年の方が、
どこかで軽キャンカーのブームを耳にして、「軽なら安いし運転も楽」と判断して来店されたのだろうが、
しかし、そういうお客さんは軽キャンカーの価格を知ると、たいてい尻込みして帰ってしまう。
軽キャンカーは、作業効率や部材の使用量も、普通のキャンピングカーとそんなに変わらないにもかかわらず、売価を上げられない。
しかし、そこのところをなかなか理解してもらえない。
だから、軽ブームがキャンピングカー全体の発展に寄与するかどうかは微妙なところだ。
このように、多少懐疑的な見方をする人もいました。
ところが別の見方をする人たちもいました。
それは次のようなコメントに代表されます。
軽キャンカーという存在を知って、あきらかに今までショールームに来なかったような人たちが店を訪れるようになった。
そういう方々が、たとえその時は軽キャンカーにしか関心を払わなくても、キャンピングカーという存在に気づいてくれたことは大きなことなのだ。
それに、いま軽に注目している人は、必ずしも経済性だけを求めているわけではない。
軽の小回りの利く機動性に注目し、そこに従来のキャンピングカーとは違った可能性を発見した人も大勢いる。
また、軽キャンカーを購入してくれた人が、
使っているうちにもう少し居住空間に余裕のあるクルマが欲しいと思うようになり、大き目のキャンピングカーに買い換えたいという話がすでに出てきている。
だから、軽キャンカーブームは、明らかにキャンピングカーの裾野を広げることに貢献している。
対照的な意見が並びましたが、
この軽ブーム。
はたして、どのような展開を見せてくれるのか。
業界を多少ウォッチしている人間にとっては、興味津々です。
2006年10月29日
名古屋RVショー
10月28日から29日まで「名古屋キャンピングカーフェア」が開かれました。
関係者の話によると、土曜日の朝からこれほど活気に溢れたイベントになったのは久しぶりのことだそうです。
軽キャンカーのブームといい、キャンピングカー業界はなんだか熱気が渦巻いてきた感じです。

今回のショーではハイエース系の新型キャンピングカーの充実ぶりが目立ちました。
▼デルタリンク「スナフキン」。優雅なラウンジが特徴です。

▼AtoZ「アメリアⅡ」。間接照明が実にお洒落!

▼キャンピングカー広島「プライム」。スーパーGLのハイルーフ仕様です。

もちろん話題の軽キャンカーもそろい踏み。
▼MYSミスティック「ワタビー」。ワゴンベースです。ターボ付きでパワーアップ。
▼ロータスRV販売の「ekキャンプ」も、女性客から「可愛い!」の声。

▼オートショップアズマの「ラ・クーン」と、フィールドライフの「トライキャンパー」も人気を集めています。

詳しい紹介は、いずれウェブマガジンなどでも逐次行う予定です。
関係者の話によると、土曜日の朝からこれほど活気に溢れたイベントになったのは久しぶりのことだそうです。
軽キャンカーのブームといい、キャンピングカー業界はなんだか熱気が渦巻いてきた感じです。
今回のショーではハイエース系の新型キャンピングカーの充実ぶりが目立ちました。
▼デルタリンク「スナフキン」。優雅なラウンジが特徴です。
▼AtoZ「アメリアⅡ」。間接照明が実にお洒落!
▼キャンピングカー広島「プライム」。スーパーGLのハイルーフ仕様です。
もちろん話題の軽キャンカーもそろい踏み。
▼MYSミスティック「ワタビー」。ワゴンベースです。ターボ付きでパワーアップ。
▼ロータスRV販売の「ekキャンプ」も、女性客から「可愛い!」の声。
▼オートショップアズマの「ラ・クーン」と、フィールドライフの「トライキャンパー」も人気を集めています。
詳しい紹介は、いずれウェブマガジンなどでも逐次行う予定です。
2006年10月24日
キャッチ募集!
「あなたにとってキャンピングカーとは何ですか?」
キャンピングカーに関心をお持ちの方にお聞きしたいのですが、
そう問われたら、何と答えますか?
よくありますよね。
ドキュメンタリー系のTVなどで、何かの世界を極めた「達人」などが紹介されたとき、
番組の最後に、キャスターがおもむろに出演者に聞くやつですね。
「30年ラーメン一筋に生きてきた○○さんにとって、ラーメンとは何ですか?」
「麺が縮れていて、具にはチャーシュー、メンマ、ネギ、ナルト…」
「いや、そうじゃなくて、こう…人生を語るような答えで」
「そうか。じゃ“命がけの真剣勝負”。たとえ一杯でも命をかけて作っています」
パチパチパチパチ!
という感じのやつですね。
実はテレビに出ることになりました。
テーマは「団塊の世代のキャンピングカー旅行」。
夫婦でキャンピングカー旅行をすると、何が楽しいのか?
その時に、どんなことを心がければいいのか?
実際にキャンピングカーで旅をしているシニア夫婦の映像を流しながら、それを見たキャスターがひらめいた質問に、その場で答えていくという番組らしいのです。
今日番組のディレクターの方が来られて、録画撮りの打ち合わせが行われたのですが、
録画撮りの最後に
「キャンピングカーとは何ですか?」
と、決めの言葉を問われるらしいのです。
わぁ、困った。
そういう質問は自分から他人に尋ねたことはあっても、尋ねられるのは初めて。
「録画撮りの時までに考えておいてください」
といわれたのですが、気の利いたことを言おうとすると、かえってこねくり回しちゃって、まったく良いものが浮かびません。
そこでお願い。
どなたか、「いいねぇ!」と思えるような決め言葉のヒントを授けてください。
キャンピングカーを愛している心が伝わる
素直な言葉でいいと思います。
ただし謝礼は出ません。
しかも、あたかも自分で考え出したかのように、しゃーしゃーと言ってのけちゃいます。
それでもよいと思われた方は、どうぞお助けください。
キャンピングカーに関心をお持ちの方にお聞きしたいのですが、
そう問われたら、何と答えますか?
よくありますよね。
ドキュメンタリー系のTVなどで、何かの世界を極めた「達人」などが紹介されたとき、
番組の最後に、キャスターがおもむろに出演者に聞くやつですね。
「30年ラーメン一筋に生きてきた○○さんにとって、ラーメンとは何ですか?」
「麺が縮れていて、具にはチャーシュー、メンマ、ネギ、ナルト…」
「いや、そうじゃなくて、こう…人生を語るような答えで」
「そうか。じゃ“命がけの真剣勝負”。たとえ一杯でも命をかけて作っています」
パチパチパチパチ!
という感じのやつですね。
実はテレビに出ることになりました。
テーマは「団塊の世代のキャンピングカー旅行」。
夫婦でキャンピングカー旅行をすると、何が楽しいのか?
その時に、どんなことを心がければいいのか?
実際にキャンピングカーで旅をしているシニア夫婦の映像を流しながら、それを見たキャスターがひらめいた質問に、その場で答えていくという番組らしいのです。
今日番組のディレクターの方が来られて、録画撮りの打ち合わせが行われたのですが、
録画撮りの最後に
「キャンピングカーとは何ですか?」
と、決めの言葉を問われるらしいのです。
わぁ、困った。
そういう質問は自分から他人に尋ねたことはあっても、尋ねられるのは初めて。
「録画撮りの時までに考えておいてください」
といわれたのですが、気の利いたことを言おうとすると、かえってこねくり回しちゃって、まったく良いものが浮かびません。
そこでお願い。
どなたか、「いいねぇ!」と思えるような決め言葉のヒントを授けてください。
キャンピングカーを愛している心が伝わる
素直な言葉でいいと思います。
ただし謝礼は出ません。
しかも、あたかも自分で考え出したかのように、しゃーしゃーと言ってのけちゃいます。
それでもよいと思われた方は、どうぞお助けください。
2006年10月23日
覆面 座談会4
《覆面座談会/ウィネベーゴ・アスペクトを語る》
【A】 今日は、ニートRVが導入しているウィネベーゴ・アスペクトを論じます。
皆さん準備はいいですか?
【B】 準備って?
【C】 軽キャンカーがブームになる時代に、それと逆行するようなクルマということで…心の準備。
【B】 確かに、語り甲斐はあるな。
【A】 こういうクルマは、まず欠点から言った方がいい。欠点はなに?
【C】 高い。大きい。
【B】 だけど、「大きい」というのは利点でもあるわけ。
それは「室内が広い」ということなんだから。
市街地などでの取り回しで多少苦労することはあっても、泊まったときの快適さを考えると、補って余りあるよね。
そうなると、このクルマの価格は本当に高いのかどうか。
確かにアスペクトの29Hなどは、1,155万円。軽キャンカーなら4~5台が買える。
しかし、この装備とこの機能を考えると、決して高いクルマではないよね。
豪華モーターホームとして考えれば、むしろこれはすごく良心的なプライス設定だよ。
今まで日本に導入されてきたクラスCモーターホームなどと単純に室内容積を比べてみるとよく分かる。
全長、全幅、全高を乱暴にかけて、大雑把な容積を算出すれば、アスペクトの29Hなどは約70立方m。
さらにスライドアウトする部分が2箇所。
それによって居住空間が約1.2割ぐらい増えるから、スライドアウト状態だと84立方m。
今まで導入されてきたクラスCは、平均するとだいたい62から65立方mだから、広さでいうと、このクルマが断然有利なわけ。
【C】 ちょっと説得力のない比較! 車両の信頼性とか、造り込みなどといった部分がまったく無視されている。
だいたい、なぜ日本にスライドアウトモデルが定着しなかったのか。
それはけっきょく雨漏りなどの問題が解決されなかったからだよ。
【B】 それって何年前ぐらいの話をしているの?
今そんなこと言い出したら笑われちゃうだけだよ。
北米のクラスCは、今はほとんどスライドアウトモデルが主流になっている。
量産されている分だけ、機構そのものの精度も格段に向上している。
それに、やっぱりウィネベーゴというブランドの信頼性を無視することはできないよ。
【C】 では、そのスライドアウトによって拡大された室内空間を、果たしてどこで享受できるのか。
道の駅やサービスエリアでそれを広げたら、ひんしゅくモノだぜ。
【A】 基本的にはキャンプ場だね。
これだけ室内が広ければ、テントやタープを張って生活スペースを確保する必要がない。
だから、フルフックアップのサイトなどに行けば、もうヘタな別荘よりよほど快適。

【B】 そう。マジに別荘代わりに使える。
このくらいのクルマを買えるような人ならば、郊外に土地を持っている人だっているだろうから、
まだウワモノを建てていない人は、これで乗り付ければいいわけよ。
そうすれば別荘より手軽だし、それに維持費がかからない。
別荘って、使わないときのメンテナンスが大変なんだけれど、
これはいつでも手元に置いておけるからメンテですごく有利。
【A】 今日は、ニートRVが導入しているウィネベーゴ・アスペクトを論じます。
皆さん準備はいいですか?
【B】 準備って?
【C】 軽キャンカーがブームになる時代に、それと逆行するようなクルマということで…心の準備。
【B】 確かに、語り甲斐はあるな。
【A】 こういうクルマは、まず欠点から言った方がいい。欠点はなに?
【C】 高い。大きい。
【B】 だけど、「大きい」というのは利点でもあるわけ。
それは「室内が広い」ということなんだから。
市街地などでの取り回しで多少苦労することはあっても、泊まったときの快適さを考えると、補って余りあるよね。
そうなると、このクルマの価格は本当に高いのかどうか。
確かにアスペクトの29Hなどは、1,155万円。軽キャンカーなら4~5台が買える。
しかし、この装備とこの機能を考えると、決して高いクルマではないよね。
豪華モーターホームとして考えれば、むしろこれはすごく良心的なプライス設定だよ。
今まで日本に導入されてきたクラスCモーターホームなどと単純に室内容積を比べてみるとよく分かる。
全長、全幅、全高を乱暴にかけて、大雑把な容積を算出すれば、アスペクトの29Hなどは約70立方m。
さらにスライドアウトする部分が2箇所。
それによって居住空間が約1.2割ぐらい増えるから、スライドアウト状態だと84立方m。
今まで導入されてきたクラスCは、平均するとだいたい62から65立方mだから、広さでいうと、このクルマが断然有利なわけ。
【C】 ちょっと説得力のない比較! 車両の信頼性とか、造り込みなどといった部分がまったく無視されている。
だいたい、なぜ日本にスライドアウトモデルが定着しなかったのか。
それはけっきょく雨漏りなどの問題が解決されなかったからだよ。
【B】 それって何年前ぐらいの話をしているの?
今そんなこと言い出したら笑われちゃうだけだよ。
北米のクラスCは、今はほとんどスライドアウトモデルが主流になっている。
量産されている分だけ、機構そのものの精度も格段に向上している。
それに、やっぱりウィネベーゴというブランドの信頼性を無視することはできないよ。
【C】 では、そのスライドアウトによって拡大された室内空間を、果たしてどこで享受できるのか。
道の駅やサービスエリアでそれを広げたら、ひんしゅくモノだぜ。
【A】 基本的にはキャンプ場だね。
これだけ室内が広ければ、テントやタープを張って生活スペースを確保する必要がない。
だから、フルフックアップのサイトなどに行けば、もうヘタな別荘よりよほど快適。
【B】 そう。マジに別荘代わりに使える。
このくらいのクルマを買えるような人ならば、郊外に土地を持っている人だっているだろうから、
まだウワモノを建てていない人は、これで乗り付ければいいわけよ。
そうすれば別荘より手軽だし、それに維持費がかからない。
別荘って、使わないときのメンテナンスが大変なんだけれど、
これはいつでも手元に置いておけるからメンテですごく有利。
2006年10月17日
軽キャンカー流行
昨日バンショップミカミの「テントむし」が、NHK全国ネットで紹介されたこともあって、この一両日「軽自動車キャンピングカー」という検索ワードでこのブログに訪ねられた方が激増しました。
ちょっとびっくりです。
やはりテレビの力は大きいですね。

ちなみに、バンショップミカミの見上さんに連絡を入れてみたところ、
「今日も朝から電話が鳴りっぱなし」だとか。
問い合わせをされる方は、キャンピングカーに初めて関心を抱いた中高年の方が多いようだ、というお話でした。
この軽自動車ブームは、キャンピングカーの世界だけに限らないようです。
日本自動車販売協会連合会が、10月2日に発表した2006年度上半期の新車販売台数(軽を除く)は、174万804台で、前年同期比7.5%減。
一方、全国軽自動車協会連合会のまとめた、軽自動車の販売台数は96万1721台で、前年同期比4.9%増。
しかも軽自動車は、9ヶ月連続で前年を上回り、9月の単月では過去最高を記録したそうです。
この軽ブームの要因となっているのは、ひとつはガソリン価格の高騰。
燃料代に対する負担を軽くするという意味も含め、税金などにおいても軽自動車のランニングコストが安いという意識が広まってきたからだと言われています。
また、駐車違反の取締りが民間の手にも委ねられるようになり、違法駐車のチェックが一段と強化され、小回りの利く軽自動車ならば駐車場探しも楽だ、という認識が定着してきたからだと述べる人もいます。
さらに、地方都市の公共交通機関が衰退し、バスの本数が減るなどの現象に呼応して、クルマを維持しなければならないと思うシニア層が増えたと分析する向きもあるようです。
事実、日本自動車工業会の平成17年度の調べでは、60歳以上の軽自動車保有台数が初めて2割を超えたとか。
軽自動車ベースのキャンピングカーが脚光を浴びてきたというのも、このような社会状況の推移と無縁ではないのかもしれません。
しかし、軽キャンカーに注目が集まってきたというのは、それプラスやはりキャンピングカーそのものに対する関心度が高まってきたことを反映しているように思えます。
バンショップミカミの見上さんがいうように、「テントむし」に対して、初心者の方の問い合わせが目立つということから推測しても、
「キャンピングカーは車体が大きくて高価なもの」
という先入観が払拭されてきたという見方もできるでしょう。
軽キャンカーに興味を抱いて近づいてきた人は、次にその他のキャンピングカーにも関心を払うはず。
軽キャンカーブームというのは、大きな意味でのキャンピングカーブームが始まる予兆のようにも感じられるのですが。
ちょっとびっくりです。
やはりテレビの力は大きいですね。
ちなみに、バンショップミカミの見上さんに連絡を入れてみたところ、
「今日も朝から電話が鳴りっぱなし」だとか。
問い合わせをされる方は、キャンピングカーに初めて関心を抱いた中高年の方が多いようだ、というお話でした。
この軽自動車ブームは、キャンピングカーの世界だけに限らないようです。
日本自動車販売協会連合会が、10月2日に発表した2006年度上半期の新車販売台数(軽を除く)は、174万804台で、前年同期比7.5%減。
一方、全国軽自動車協会連合会のまとめた、軽自動車の販売台数は96万1721台で、前年同期比4.9%増。
しかも軽自動車は、9ヶ月連続で前年を上回り、9月の単月では過去最高を記録したそうです。
この軽ブームの要因となっているのは、ひとつはガソリン価格の高騰。
燃料代に対する負担を軽くするという意味も含め、税金などにおいても軽自動車のランニングコストが安いという意識が広まってきたからだと言われています。
また、駐車違反の取締りが民間の手にも委ねられるようになり、違法駐車のチェックが一段と強化され、小回りの利く軽自動車ならば駐車場探しも楽だ、という認識が定着してきたからだと述べる人もいます。
さらに、地方都市の公共交通機関が衰退し、バスの本数が減るなどの現象に呼応して、クルマを維持しなければならないと思うシニア層が増えたと分析する向きもあるようです。
事実、日本自動車工業会の平成17年度の調べでは、60歳以上の軽自動車保有台数が初めて2割を超えたとか。
軽自動車ベースのキャンピングカーが脚光を浴びてきたというのも、このような社会状況の推移と無縁ではないのかもしれません。
しかし、軽キャンカーに注目が集まってきたというのは、それプラスやはりキャンピングカーそのものに対する関心度が高まってきたことを反映しているように思えます。
バンショップミカミの見上さんがいうように、「テントむし」に対して、初心者の方の問い合わせが目立つということから推測しても、
「キャンピングカーは車体が大きくて高価なもの」
という先入観が払拭されてきたという見方もできるでしょう。
軽キャンカーに興味を抱いて近づいてきた人は、次にその他のキャンピングカーにも関心を払うはず。
軽キャンカーブームというのは、大きな意味でのキャンピングカーブームが始まる予兆のようにも感じられるのですが。
2006年10月09日
覆面 座談会3
【A=研究者】 今日はカトーモーターがリリースした「ウィンディ」の新バージョンを取り上げます。このクルマの目玉は何でしょう?
【B=独身者】 やはりセカンドシートの造り込みじゃないですか。
【C=喫煙者】 パッと目を引くところはそこなんだけど、ある意味でこのクルマは現在の日本のバンコンのひとつの極を示していると思う。
バンコンってさぁ、一般的な傾向として、今どんどんお手軽になっているじゃない。
お手軽っていうと、言葉は悪いけれど、要するに装備類を簡素化して、やたら荷室スペースを広げる方向に進んでいるよね。それって手抜きじゃない?
【B】 違うよ。それが今のユーザーニーズなんだよ。
見た目はシンプルでも、ベッドシステムなどはものすごく高度になってきたバンコンもあるし、手抜きという表現は当たらないと思う。
要するにバンコンユーザーも成熟してきてさぁ、みんな自分が必要な装備と要らない装備を見極めるようになってきたわけ。
そうなると、構造用件だけを満たすためだけのシンクなんかは、はっきり言って無駄なスペースなのよ。
だからシンクもどんどん簡素化されているし、さらに、それすら要らないと。
つまり8ナンバーのメリットがなくなってきた現状では、ことさら8ナンバーにこだわらず、1、4ナンバーあるいは3ナンバー登録でいいやっていう割り切りが、ユーザーにもビルダー側にも共有されてきたわけね。
【C】 だからさぁ、そこがカトーモーターのバンコンがひとつの極になっていると言いたいわけよ。
そういうシンプル化がひとつの方向として出てきた時に、その逆の「造り込みの極致」というのが、このウィンディなんだよ。
だって、エントランスを開けた時にさぁ、このキャプテンシートが目に入って来た時の衝撃ってすごいじゃない?
こんな凝ったセカンドシート、今まで見たことがなかったよね。
それだけで「わぁ、快適そう!」っていうワクワク感がこみ上げてくるじゃない。
【A】 そうね。キャンピングカーも夢を売るクルマなんだからさぁ、「このクルマに乗ったら気持ちよいだろうな」って思わせるデザインって、けっこう大切だよね。
ニーズは多様化しているわけだから、こういう造り込み重視のクルマを支持する人たちだってちゃんといるわけよ。

【B】 では、このデザインって、若者にとってはどうだろう。
確かにこのインテリアには豪華さもあり、上品だし、格調は高いよね。
だけど、このデザインの延長線上にあるのはベルサイユ宮殿だよね。美しいけれど古典的。教養のあるオジさんの趣味って感じかな。
料理でいえばグランドキュイジーヌ。凝りに凝ったソースの味付けをご賞味あれ、っていう料理だよね。
だけど、今の若い人たちはもっとシンプルだけど素材の鮮度で食べさせるヌーベルキュイジーヌの方向に親しんでいるのじゃないかな。
ニューヨークあたりで、若いビジネスエリートが食べているフレンチなんかはそうだよね。
俺から言わせると、ファーストカスタムの「リモギンガ」あたりがニューヨークフレンチってわけ。
【C】 お前、食べたことあるの?
【B】 これからだけど。
【B=独身者】 やはりセカンドシートの造り込みじゃないですか。
【C=喫煙者】 パッと目を引くところはそこなんだけど、ある意味でこのクルマは現在の日本のバンコンのひとつの極を示していると思う。
バンコンってさぁ、一般的な傾向として、今どんどんお手軽になっているじゃない。
お手軽っていうと、言葉は悪いけれど、要するに装備類を簡素化して、やたら荷室スペースを広げる方向に進んでいるよね。それって手抜きじゃない?
【B】 違うよ。それが今のユーザーニーズなんだよ。
見た目はシンプルでも、ベッドシステムなどはものすごく高度になってきたバンコンもあるし、手抜きという表現は当たらないと思う。
要するにバンコンユーザーも成熟してきてさぁ、みんな自分が必要な装備と要らない装備を見極めるようになってきたわけ。
そうなると、構造用件だけを満たすためだけのシンクなんかは、はっきり言って無駄なスペースなのよ。
だからシンクもどんどん簡素化されているし、さらに、それすら要らないと。
つまり8ナンバーのメリットがなくなってきた現状では、ことさら8ナンバーにこだわらず、1、4ナンバーあるいは3ナンバー登録でいいやっていう割り切りが、ユーザーにもビルダー側にも共有されてきたわけね。
【C】 だからさぁ、そこがカトーモーターのバンコンがひとつの極になっていると言いたいわけよ。
そういうシンプル化がひとつの方向として出てきた時に、その逆の「造り込みの極致」というのが、このウィンディなんだよ。
だって、エントランスを開けた時にさぁ、このキャプテンシートが目に入って来た時の衝撃ってすごいじゃない?
こんな凝ったセカンドシート、今まで見たことがなかったよね。
それだけで「わぁ、快適そう!」っていうワクワク感がこみ上げてくるじゃない。
【A】 そうね。キャンピングカーも夢を売るクルマなんだからさぁ、「このクルマに乗ったら気持ちよいだろうな」って思わせるデザインって、けっこう大切だよね。
ニーズは多様化しているわけだから、こういう造り込み重視のクルマを支持する人たちだってちゃんといるわけよ。
【B】 では、このデザインって、若者にとってはどうだろう。
確かにこのインテリアには豪華さもあり、上品だし、格調は高いよね。
だけど、このデザインの延長線上にあるのはベルサイユ宮殿だよね。美しいけれど古典的。教養のあるオジさんの趣味って感じかな。
料理でいえばグランドキュイジーヌ。凝りに凝ったソースの味付けをご賞味あれ、っていう料理だよね。
だけど、今の若い人たちはもっとシンプルだけど素材の鮮度で食べさせるヌーベルキュイジーヌの方向に親しんでいるのじゃないかな。
ニューヨークあたりで、若いビジネスエリートが食べているフレンチなんかはそうだよね。
俺から言わせると、ファーストカスタムの「リモギンガ」あたりがニューヨークフレンチってわけ。
【C】 お前、食べたことあるの?
【B】 これからだけど。
2006年10月05日
デルタリンク
デルタリンクとアルクが統合されて、新事業体が発足した。すでにキャンピングカー専門誌の「オートキャンパー」10月号に発表されているので、ご存知の方は多いと思うが、ご挨拶を載せた郵便物が今日届いたので、皆さまにもご連絡したい。
アルクといえば「アドリア」という大人気トレーラーシリーズを擁する西日本有数の輸入元。
一方デルタリンクといえば、販売ネットワークを精力的に拡大しながら、キャンピングカーの販売台数を増やしつづけている実力派ディーラー。
産業規模のまだ小さいキャンピングカー業界にとっては、富士銀行と第一勧業銀行が合併して、みずほ銀行になったようなものかもしれない。

この両社の統合によって、今までアルク山口店として機能していたショップは「デルタリンク山口ポイント」となり、アルク広島店は、デルタリンクの「広島サービスファクトリー」として、それぞれ名称を改めながらも、運営が継続されることになる。
なお、それに伴ない、今まで土日営業だった「デルタリンク広島ポイント」も、火曜の定休以外は、連日フル稼働で営業される。

それにしても、12年ほど前、倉敷市にできたデルタリンクを最初に訪れたときは、貸しビルの一角で小さなオフィスを構えたこのショップがここまで成長するとは思わなかった(失礼…)。
しかし、その後は、寄るたびに事業規模が拡大していった。
貸しビル全体が自社ビルになり、さらに中古車展示場ができ、店舗の移転によって敷地が広くなり、サービスピットが増設され…
やがて、あっという間に、デルタ宮城、デルタ新潟が誕生。
そして今、デルタ山口、広島サービスファクトリーが加わった。
やはり山田社長の才覚だろう。
彼がまだ独身貴族だった頃、一度マンションをお訪ねしたことがある。
本棚には、経営戦略の専門書に始まって、数々の最新ベストセラー小説まで含んだ数々の蔵書。
DVD棚からは、内外の名画やスポーツドキュメントなどがこぼれんばかり。
さらに、ジャズやロックの名盤CDもほとんど網羅。
その関心領域の広さに、ただただ圧倒されるばかりだった。
その頃話題になりかけていたNHKの「プロジェクトX」なども、いち早く放映内容に関心を抱いてチェックしていた人間の一人だと思う。
山田さんは、プロジェクトリーダーとしては抜群の判断力と行動力を発揮する稀代の経営者だが、なかでもその営業戦略には、彼しか持ち得ないような独特のセンスが感じられる。
そのセンスはどこから来たのか。
私は、山田さんの並外れた関心領域の広さが、彼のアンテナ感度をピカピカに磨き上げたからだろうと思っている。
この業界で、彼のように社長自らがブログを書いて情報発信している人はまだ少ない。
時代の流れをいとも簡単に取り込み、絶えず前進していく人だ。

(▲ 同社のホームページに掲載されている堀川画伯の手による山田社長のイラスト。ヒゲを生やしたり、長髪にしたり、いろいろ忙しい人でしたが、最近はこの状況でしばらく安定しているようです)
アルクといえば「アドリア」という大人気トレーラーシリーズを擁する西日本有数の輸入元。
一方デルタリンクといえば、販売ネットワークを精力的に拡大しながら、キャンピングカーの販売台数を増やしつづけている実力派ディーラー。
産業規模のまだ小さいキャンピングカー業界にとっては、富士銀行と第一勧業銀行が合併して、みずほ銀行になったようなものかもしれない。
この両社の統合によって、今までアルク山口店として機能していたショップは「デルタリンク山口ポイント」となり、アルク広島店は、デルタリンクの「広島サービスファクトリー」として、それぞれ名称を改めながらも、運営が継続されることになる。
なお、それに伴ない、今まで土日営業だった「デルタリンク広島ポイント」も、火曜の定休以外は、連日フル稼働で営業される。
それにしても、12年ほど前、倉敷市にできたデルタリンクを最初に訪れたときは、貸しビルの一角で小さなオフィスを構えたこのショップがここまで成長するとは思わなかった(失礼…)。
しかし、その後は、寄るたびに事業規模が拡大していった。
貸しビル全体が自社ビルになり、さらに中古車展示場ができ、店舗の移転によって敷地が広くなり、サービスピットが増設され…
やがて、あっという間に、デルタ宮城、デルタ新潟が誕生。
そして今、デルタ山口、広島サービスファクトリーが加わった。
やはり山田社長の才覚だろう。
彼がまだ独身貴族だった頃、一度マンションをお訪ねしたことがある。
本棚には、経営戦略の専門書に始まって、数々の最新ベストセラー小説まで含んだ数々の蔵書。
DVD棚からは、内外の名画やスポーツドキュメントなどがこぼれんばかり。
さらに、ジャズやロックの名盤CDもほとんど網羅。
その関心領域の広さに、ただただ圧倒されるばかりだった。
その頃話題になりかけていたNHKの「プロジェクトX」なども、いち早く放映内容に関心を抱いてチェックしていた人間の一人だと思う。
山田さんは、プロジェクトリーダーとしては抜群の判断力と行動力を発揮する稀代の経営者だが、なかでもその営業戦略には、彼しか持ち得ないような独特のセンスが感じられる。
そのセンスはどこから来たのか。
私は、山田さんの並外れた関心領域の広さが、彼のアンテナ感度をピカピカに磨き上げたからだろうと思っている。
この業界で、彼のように社長自らがブログを書いて情報発信している人はまだ少ない。
時代の流れをいとも簡単に取り込み、絶えず前進していく人だ。
(▲ 同社のホームページに掲載されている堀川画伯の手による山田社長のイラスト。ヒゲを生やしたり、長髪にしたり、いろいろ忙しい人でしたが、最近はこの状況でしばらく安定しているようです)
2006年10月03日
テントむしTVに
昨日の「小型キャンピングカー」に関する記事を読んでくださったバンショップミカミの見上さんから、さっそく、テレビで軽自動車ベースの「テントむし」が再び紹介されるという報告が寄せられた。

放映は10月5日(木曜日)。NHKの「お元気ですか日本列島」という番組だ。時間は午後2時から2時55分まで。
残念ながら、ウィークディの放映となると、サラリーマンである私は自分の家で見られない。
家のビデオをセットするか。
それとも、昼食時間をずらして、テレビのある食堂にでも見に行くか。
この日放映される映像は、見上さんの地元である鹿児島で先月撮影されたもので、NHK鹿児島のローカル局では9月21日に放映されたものだという。
実は、見上さんは、今日も関西系のテレビ局のスタジオに車両を持ち込んで、生放送に出演されたらしい。
「突然の出演ラッシュで、自分でもわけが分からなくなりそう。いったいどういうことになるのやら…」
と嬉しさを噛みしめながらも、一方では突然降ってわいた忙しさに身を引き締めておられるご様子だった。
小型キャンピングカー人気の急激な盛り上がりぶりに、実は一番戸惑われているのは、コツコツと製作に励んでこられた見上さんご自身なのかもしれない。
追記 ここでご紹介した5日(木曜日)の「テントむし」の放映の件ですが、当日、国会中継が入ったため、1週間ぐらい先に延期になったそうです。
2006 10月5日
放映は10月5日(木曜日)。NHKの「お元気ですか日本列島」という番組だ。時間は午後2時から2時55分まで。
残念ながら、ウィークディの放映となると、サラリーマンである私は自分の家で見られない。
家のビデオをセットするか。
それとも、昼食時間をずらして、テレビのある食堂にでも見に行くか。
この日放映される映像は、見上さんの地元である鹿児島で先月撮影されたもので、NHK鹿児島のローカル局では9月21日に放映されたものだという。
実は、見上さんは、今日も関西系のテレビ局のスタジオに車両を持ち込んで、生放送に出演されたらしい。
「突然の出演ラッシュで、自分でもわけが分からなくなりそう。いったいどういうことになるのやら…」
と嬉しさを噛みしめながらも、一方では突然降ってわいた忙しさに身を引き締めておられるご様子だった。
小型キャンピングカー人気の急激な盛り上がりぶりに、実は一番戸惑われているのは、コツコツと製作に励んでこられた見上さんご自身なのかもしれない。
追記 ここでご紹介した5日(木曜日)の「テントむし」の放映の件ですが、当日、国会中継が入ったため、1週間ぐらい先に延期になったそうです。
2006 10月5日
2006年10月02日
覆面 座談会2
【A=研究者】 小型キャンピングカーに対する巷の関心度がいやに高いんだけど、どう思う?
【B=独身者】 先週「小型キャンピングカー」という検索ワードでこのブログにたどり着いた人が170人を記録した日があったね。
【C=喫煙者】 この傾向は、キャンピングカー関係のホームページやブログに共通しているようだね。
【A】 しかし、どこまでを「小型キャンピングカー」っていうんだろう?
5m未満のボンゴクラスのキャブコンや、日産バネットあたりをベースにしたバンコンも入れてしまうのか。
【B】 ひとまず軽自動車をベースにしたキャンピングカーって考えればいいんじゃない?
【C】 「小型キャンピングカー」って言葉に反応した多くの人が持っているイメージは、やっぱり軽なんだろうな。
【A】 それにしても、このブームのきっかけは何なんだろう。
【B】 NHKがこの夏放映したニュース「おはよう日本まちかど情報室」で、軽ベースのキャンピングカーを特集したことが引き金だろうね。
【C】 テレビ恐るべし!
【B】 しかし、ここ数年軽のキャンピングカーに対する注目度は徐々に高まっていたわけで、バンショップミカミの「やどかり」などは、デビューした5年ぐらい前からショーに出るたびに「可愛い!」という声を集中的に浴びていたもんな。
(▼バンショップミカミ「やどかり」)

【C】 軽に流れてきた人は、二つの層があるよね。
ひとつは「キャンピングカーは高嶺の花」と思っていた人たち。軽なら「安いし、運転も楽」と感じて振り向いたというやつね。
もうひとつは、シニアになって、大家族で乗るキャンピングカーはもう必要ないと判断した人だろうね。
数からいえば、キャンピングカーは初めてという人の方が圧倒的に多いだろうけれど。
【A】 でも軽ブームにはかなり誤解もあるようだよ。
掲示板なんかには、
「いま評判の軽自動車キャンピングカーというのを見に行ったけれど、トイレルームがないのでがっかり」
なんていう書き込みがあったりしてね。
【B】 逆にいうと、それだけキャンピングカーに関心を持った人が増えたということなんだよ。
【C】 ただ、買う気になってショップに行ったけれど、いざとなったら高いのでびっくりという人も多いだろうな。
軽自動車なら安いというイメージがあるけれど、キャンピングカーともなると、200万円から250万円ぐらいするものもあるからね。
さらにオプション品を加えたりすれば、登録諸費用を入れて350万円ぐらいになるものもある。
【A】 それに、車種によっては軽登録ではなく、普通車登録になるものもあるしね。
そうなれば、軽登録によるランニングコストのうま味もない。
【B】 しかし、それを補ってあまりあるメリットもある。
軽ベースのクルマは、やっぱり普通のキャンピングカーでは行けないところに行けるよ。古い温泉街の曲がりくねった細い道や、渓流釣りに行くときの山奥の道だってまったく苦にしない。
【C】 街中のコインパーキングなどに入れるのも楽だしね。ポップアップ構造のものなら、地下駐車場にも入れる。
【A】 走りはどうだろう。なにしろ排気量は660ccだ。
【B】 各社とも軽量化に心血を注いでいるから、ほとんど問題はないみたい。「テントむし」などはシェルの構造にアルミを取り入れて軽くしているしね。
【C】 「トライキャンパー」のスーパーチャージャー付きなんてけっこう軽快だよ。
まぁ、山道の登りなんかはみんな苦労しているみたいだけどね。
【A】 さて、どんな車種に人気が集まっているんだろう。
【B】 スタイルでいえば、オートショップアズマの「ラ・クーン」だろうな。
なにしろ、オートショップアズマはカスタムカーで鍛えた腕があるから、スタイリングの美しさを際立たせる手法は抜群だよね。
そのせいもあって、注目度はピカイチかもしれないね。
それにこのクルマは純然たるキャブコンだから、断熱性なども万全だね。
(▼オートショップアズマ「ラ・クーン」)

【C】 新しいデザインコンセプトを打ち出しているのは、バンショップミカミの「テントむし」だね。エントランスドアに、船を思わせる丸窓を使ったりして新味を出している。ロースRV販売の「ekキャンプ」もこれのOEMだけどね。
「テントむし」の前に開発された「やどかり」は、構造的にはピックアップキャビンだったけど、キャブコンのコンセプトを志向していただけあって、「テントむし」はその完成形。
それに、このクルマは、キャブコンながら軽自動車の8ナンバー登録。車検、税金、高速料金などの維持費で軽のメリットを追求できる。この内容を維持したまま軽の規格内に収めたなんて、奇蹟に近いよね。画期的だよね。
(▼バンショップミカミ「テントむし」)

【A】 実用度でいえば、フィールドライフの「トライキャンパー」に止めを刺すね。
なにしろ、このブランドには、15年という歴史の蓄積がある。軽キャンカーの草分けだよね。だから、代を重ねたことによる造りの安定感では一番じゃないのかな。
ポップアップルーフとエレベーティングルーフの2種類のルーフを持っていて、チョイスの幅も広い。もちろん軽の規格内だから維持費も安い。
それにグレードや価格帯の幅が広いから、どんなニーズの客層にも応えられる。
(▼フィールドライフ「トライキャンパー」)
【B】 そのほかホワイトハウスの「マイボックス」、ミスティックの「ワタビー」など、あなどれない軽キャンカーはいっぱいあるね。
今まで手を染めなかったビルダーも、今急いで開発を進めているらしい。
【A】 ただ、この軽ブーム。ビルダーにとっては一概に喜べないところもあると思うな。
コストは普通のキャンピングカー並みなのに、売価を高くできない。収益率の悪いジャンルだよね。
【B】 分からないよ。これが引き金になって、市場が一気に広がることだってあるかも。
それに、軽に注目して近寄ってきた人が、軽だけを買うわけじゃない。軽には気軽に使えるメリットはあるけれど、やはり軽の限界というものがある。広さや装備で満足のいかない人は、それより一回りぐらい大きいキャンピングカーに目を向けることになるんじゃない?
【C】 なるほど。軽にみんなの視線が集まったため、キャンピングカー全体が注目されてきたということか。
【A】 業者さんたちが喜びそうな結論だね。
【B=独身者】 先週「小型キャンピングカー」という検索ワードでこのブログにたどり着いた人が170人を記録した日があったね。
【C=喫煙者】 この傾向は、キャンピングカー関係のホームページやブログに共通しているようだね。
【A】 しかし、どこまでを「小型キャンピングカー」っていうんだろう?
5m未満のボンゴクラスのキャブコンや、日産バネットあたりをベースにしたバンコンも入れてしまうのか。
【B】 ひとまず軽自動車をベースにしたキャンピングカーって考えればいいんじゃない?
【C】 「小型キャンピングカー」って言葉に反応した多くの人が持っているイメージは、やっぱり軽なんだろうな。
【A】 それにしても、このブームのきっかけは何なんだろう。
【B】 NHKがこの夏放映したニュース「おはよう日本まちかど情報室」で、軽ベースのキャンピングカーを特集したことが引き金だろうね。
【C】 テレビ恐るべし!
【B】 しかし、ここ数年軽のキャンピングカーに対する注目度は徐々に高まっていたわけで、バンショップミカミの「やどかり」などは、デビューした5年ぐらい前からショーに出るたびに「可愛い!」という声を集中的に浴びていたもんな。
(▼バンショップミカミ「やどかり」)
【C】 軽に流れてきた人は、二つの層があるよね。
ひとつは「キャンピングカーは高嶺の花」と思っていた人たち。軽なら「安いし、運転も楽」と感じて振り向いたというやつね。
もうひとつは、シニアになって、大家族で乗るキャンピングカーはもう必要ないと判断した人だろうね。
数からいえば、キャンピングカーは初めてという人の方が圧倒的に多いだろうけれど。
【A】 でも軽ブームにはかなり誤解もあるようだよ。
掲示板なんかには、
「いま評判の軽自動車キャンピングカーというのを見に行ったけれど、トイレルームがないのでがっかり」
なんていう書き込みがあったりしてね。
【B】 逆にいうと、それだけキャンピングカーに関心を持った人が増えたということなんだよ。
【C】 ただ、買う気になってショップに行ったけれど、いざとなったら高いのでびっくりという人も多いだろうな。
軽自動車なら安いというイメージがあるけれど、キャンピングカーともなると、200万円から250万円ぐらいするものもあるからね。
さらにオプション品を加えたりすれば、登録諸費用を入れて350万円ぐらいになるものもある。
【A】 それに、車種によっては軽登録ではなく、普通車登録になるものもあるしね。
そうなれば、軽登録によるランニングコストのうま味もない。
【B】 しかし、それを補ってあまりあるメリットもある。
軽ベースのクルマは、やっぱり普通のキャンピングカーでは行けないところに行けるよ。古い温泉街の曲がりくねった細い道や、渓流釣りに行くときの山奥の道だってまったく苦にしない。
【C】 街中のコインパーキングなどに入れるのも楽だしね。ポップアップ構造のものなら、地下駐車場にも入れる。
【A】 走りはどうだろう。なにしろ排気量は660ccだ。
【B】 各社とも軽量化に心血を注いでいるから、ほとんど問題はないみたい。「テントむし」などはシェルの構造にアルミを取り入れて軽くしているしね。
【C】 「トライキャンパー」のスーパーチャージャー付きなんてけっこう軽快だよ。
まぁ、山道の登りなんかはみんな苦労しているみたいだけどね。
【A】 さて、どんな車種に人気が集まっているんだろう。
【B】 スタイルでいえば、オートショップアズマの「ラ・クーン」だろうな。
なにしろ、オートショップアズマはカスタムカーで鍛えた腕があるから、スタイリングの美しさを際立たせる手法は抜群だよね。
そのせいもあって、注目度はピカイチかもしれないね。
それにこのクルマは純然たるキャブコンだから、断熱性なども万全だね。
(▼オートショップアズマ「ラ・クーン」)
【C】 新しいデザインコンセプトを打ち出しているのは、バンショップミカミの「テントむし」だね。エントランスドアに、船を思わせる丸窓を使ったりして新味を出している。ロースRV販売の「ekキャンプ」もこれのOEMだけどね。
「テントむし」の前に開発された「やどかり」は、構造的にはピックアップキャビンだったけど、キャブコンのコンセプトを志向していただけあって、「テントむし」はその完成形。
それに、このクルマは、キャブコンながら軽自動車の8ナンバー登録。車検、税金、高速料金などの維持費で軽のメリットを追求できる。この内容を維持したまま軽の規格内に収めたなんて、奇蹟に近いよね。画期的だよね。
(▼バンショップミカミ「テントむし」)
【A】 実用度でいえば、フィールドライフの「トライキャンパー」に止めを刺すね。
なにしろ、このブランドには、15年という歴史の蓄積がある。軽キャンカーの草分けだよね。だから、代を重ねたことによる造りの安定感では一番じゃないのかな。
ポップアップルーフとエレベーティングルーフの2種類のルーフを持っていて、チョイスの幅も広い。もちろん軽の規格内だから維持費も安い。
それにグレードや価格帯の幅が広いから、どんなニーズの客層にも応えられる。
(▼フィールドライフ「トライキャンパー」)
【B】 そのほかホワイトハウスの「マイボックス」、ミスティックの「ワタビー」など、あなどれない軽キャンカーはいっぱいあるね。
今まで手を染めなかったビルダーも、今急いで開発を進めているらしい。
【A】 ただ、この軽ブーム。ビルダーにとっては一概に喜べないところもあると思うな。
コストは普通のキャンピングカー並みなのに、売価を高くできない。収益率の悪いジャンルだよね。
【B】 分からないよ。これが引き金になって、市場が一気に広がることだってあるかも。
それに、軽に注目して近寄ってきた人が、軽だけを買うわけじゃない。軽には気軽に使えるメリットはあるけれど、やはり軽の限界というものがある。広さや装備で満足のいかない人は、それより一回りぐらい大きいキャンピングカーに目を向けることになるんじゃない?
【C】 なるほど。軽にみんなの視線が集まったため、キャンピングカー全体が注目されてきたということか。
【A】 業者さんたちが喜びそうな結論だね。
2006年09月29日
覆面 座談会1
【A=研究者】 さて、今回はレクビィの「カントリークラブ」を取り上げるんだけど。正直このキャンピングカーどう?
【B=独身者】 このブランドは5~6年前に登場したものだけど、当時のものとは全く違うよね。
【C=喫煙者】 ただ、一応シャワールームと2段ベッドを持つというコンセプトは前モデルのイメージを踏襲しているね。

【A】 FRP製のシャワールームがこのクルマの「売り」なんだけど、温水シャワーを利用するにはボイラーが別売だし、それに標準装備の20リットル水タンクじゃシャワーとして使えないんじゃない?
【B】 いやいや、そういう使い方をするもんじゃないって。
温水シャワーを使いたいならキャブコンの方が有利だってことは誰でも分かっている。
このクルマのシャワーは、海水浴キャンプや釣りに行ったときに、車内に入る前に体に付いた塩水を流したり、ペットの足を洗ったりするためのシャワーなんだよ。
【C】 FRP製のユニットを使ったというのも、そこにダイバーがフィンやシュノーケルを置いたり、釣り人が長靴を置いたりするためのものでさ。
そこにこのクルマの狙いがあるわけ。
【A】 でも、このFRPユニットは、アネックスのゼファーだっていう話がある。
【B】 おいおい、バラしちゃっていいの?
【A】 平気だよ。レクビィの社長さんが自らそう言っているんだから。
【A】 購買層はどんな人だろう。
【B】 釣りをする人、サーファー、ダイバー。あとはワンパク小僧のいるファミリー。
【A】 しかし、釣りやサーフィンなら、もっと軽快なトランポ的なクルマがいいんじゃない? レクビィならサライってブランドもあることだし。
【C】 いや、カントリークラブには「旅行」っていう要素が強く出ているよ。前にも後ろにも向く一人掛けのオリジナルシートも開発されて、小さいながらも、しっかりと対面ダイネットが実現されている。
だから基本はキャンピングカー。単なるスポーツギアを載せるためのバンコンとは、そこで一線を画している。

【B】 ただスーパーロングというベースが、少しおおげさかも分からないね。
スーパーロングブームもだいぶ落ち着いてきて、いま市場の流れは、標準ボディやナローボディの方に傾いてきているからね。
【C】 しかし、スーパーロングじゃなければ、このクルマのシャワールームなんて実現できないよ。
確かに、市場にはハイエースの標準ボディやナローがずいぶん出回ってきたけれど、スーパーロングは、逆に今までキャブコンやバスコンに流れていたお客を取り込んでいるよね。
【B】 ところで、俺たち「独身者」とか「喫煙者」とかって紹介されているけれど、それって肩書き?
【C】 話を逸らすなよ。
【A】 で、結論としてこのモデルは「買い」かどうか。俺は「買い」だけど。
【B】 俺も。
【C】 俺も。
【D】 俺も。
【A、B、C】……Dって誰よ。
【B=独身者】 このブランドは5~6年前に登場したものだけど、当時のものとは全く違うよね。
【C=喫煙者】 ただ、一応シャワールームと2段ベッドを持つというコンセプトは前モデルのイメージを踏襲しているね。
【A】 FRP製のシャワールームがこのクルマの「売り」なんだけど、温水シャワーを利用するにはボイラーが別売だし、それに標準装備の20リットル水タンクじゃシャワーとして使えないんじゃない?
【B】 いやいや、そういう使い方をするもんじゃないって。
温水シャワーを使いたいならキャブコンの方が有利だってことは誰でも分かっている。
このクルマのシャワーは、海水浴キャンプや釣りに行ったときに、車内に入る前に体に付いた塩水を流したり、ペットの足を洗ったりするためのシャワーなんだよ。
【C】 FRP製のユニットを使ったというのも、そこにダイバーがフィンやシュノーケルを置いたり、釣り人が長靴を置いたりするためのものでさ。
そこにこのクルマの狙いがあるわけ。
【A】 でも、このFRPユニットは、アネックスのゼファーだっていう話がある。
【B】 おいおい、バラしちゃっていいの?
【A】 平気だよ。レクビィの社長さんが自らそう言っているんだから。
【A】 購買層はどんな人だろう。
【B】 釣りをする人、サーファー、ダイバー。あとはワンパク小僧のいるファミリー。
【A】 しかし、釣りやサーフィンなら、もっと軽快なトランポ的なクルマがいいんじゃない? レクビィならサライってブランドもあることだし。
【C】 いや、カントリークラブには「旅行」っていう要素が強く出ているよ。前にも後ろにも向く一人掛けのオリジナルシートも開発されて、小さいながらも、しっかりと対面ダイネットが実現されている。
だから基本はキャンピングカー。単なるスポーツギアを載せるためのバンコンとは、そこで一線を画している。
【B】 ただスーパーロングというベースが、少しおおげさかも分からないね。
スーパーロングブームもだいぶ落ち着いてきて、いま市場の流れは、標準ボディやナローボディの方に傾いてきているからね。
【C】 しかし、スーパーロングじゃなければ、このクルマのシャワールームなんて実現できないよ。
確かに、市場にはハイエースの標準ボディやナローがずいぶん出回ってきたけれど、スーパーロングは、逆に今までキャブコンやバスコンに流れていたお客を取り込んでいるよね。
【B】 ところで、俺たち「独身者」とか「喫煙者」とかって紹介されているけれど、それって肩書き?
【C】 話を逸らすなよ。
【A】 で、結論としてこのモデルは「買い」かどうか。俺は「買い」だけど。
【B】 俺も。
【C】 俺も。
【D】 俺も。
【A、B、C】……Dって誰よ。
2006年09月27日
車のつぶやき
いつ頃からか、私にはキャンピングカーのつぶやきが聞えるようになってきた。私が気にしているクルマは、相手にもテレパシーが伝わるのか、ふと耳をすませると、しきりに何かを語りかけてくるようになったのである。
閉館まぢかの「関西キャンピングカーショー」の会場で、見学者の数が少なくなったのを見はからって、ジル480が語りかけてきた。

【480】やっと来たな。遅かったじゃないか。
【オレ】 見学者が多かったから近寄れなかったんだよ。
【480】そうかい。興味がないのかと思っていたよ。
【オレ】 そうじゃないんだ。悪かったな。それにしても、ずいぶん不思議なレイアウトだな。狙いは何なんだよ。
【480】あんたプレスの人だろ? 見りゃ分かるだろうに。
【オレ】夫婦の2人旅用というところか。
【480】まぁ、そうだが、ただのカップル仕様とは違うんだ。よ~く練られた設計になっているはずだぜ。
【オレ】入り口から入ると、いきなりベッドだぜ。大胆すぎないか?
【480】おいおい、ヨーロッパ系モーターホームを見たことがないのかい? 壁際を背にして対面ダイネットと、リヤのハイマウントベッド。こいつはハイマーやラピードでさんざん見慣れたスタイルだろうに。
【オレ】大きさが違うよ。
【480】だからいいんだ。日本にぴったりのサイズで、ヨーロッパホームのエッセンスを取り込んだところを誉めてもらいたいもんだね。

【オレ】それはそうだが、入り口の前にポールが立っていて、なんだか車内に入るのを拒んでいるような感じだぜ。
【480】これか。ポールの端に液晶テレビがあるだろ? こいつをクルクルと回すことで、ダイネットでもテレビが見られるし、ベッドに寝そべってもテレビが見られるというわけよ。そういう便利さを追求すると、テレビを支えるポールはこの位置がベストなのさ。
【オレ】なるほど。だんだん分かってきた。「寝ても座っても楽チン」というクルマということか。
【480】そうよ。シニアになってくると、だんだん体を動かすのが面倒になってくるだろ。バンクに登って寝るなんて真っ平という人も出てくるわな。
あんたも若づくりしているようだが、結構な年なんだろ。だったら分かるだろ。
【オレ】オレはまだバンクに登るのは平気だぜ。
【480】そのうち分かるさ。バンクベッドに登るより、寝たいときはリヤのベッドに移ってゴロン、という方がどれだけ楽かってことがね。
【オレ】バンクベッドはあるじゃないか。
【480】オプションなんだよ。そいつはお孫さんのような可愛いゲストが来たときのエマージェンシー用なんだ。

【オレ】それにしても、シェルとキャブの間にパイプがあったりして、ウォークスルーを邪魔しているなぁ。
【480】あんたも案外知らないんだねぇ。このパイプはシェルとキャブの間を行き来するときの手すりだよ。手でこれを掴まえた方が、体が安定するんだよ。
【オレ】なるほど。言われてみりゃそのとおりだな。
【480】いいクルマだろ。買いなよ。
【オレ】そのうちね。
【480】そんなこと言ってると、クルマさえ運転できない年になっちゃうぜ。
【オレ】ご忠告は聞いておくよ。いろいろありがとな。
【480】また来なよ。
閉館まぢかの「関西キャンピングカーショー」の会場で、見学者の数が少なくなったのを見はからって、ジル480が語りかけてきた。
【480】やっと来たな。遅かったじゃないか。
【オレ】 見学者が多かったから近寄れなかったんだよ。
【480】そうかい。興味がないのかと思っていたよ。
【オレ】 そうじゃないんだ。悪かったな。それにしても、ずいぶん不思議なレイアウトだな。狙いは何なんだよ。
【480】あんたプレスの人だろ? 見りゃ分かるだろうに。
【オレ】夫婦の2人旅用というところか。
【480】まぁ、そうだが、ただのカップル仕様とは違うんだ。よ~く練られた設計になっているはずだぜ。
【オレ】入り口から入ると、いきなりベッドだぜ。大胆すぎないか?
【480】おいおい、ヨーロッパ系モーターホームを見たことがないのかい? 壁際を背にして対面ダイネットと、リヤのハイマウントベッド。こいつはハイマーやラピードでさんざん見慣れたスタイルだろうに。
【オレ】大きさが違うよ。
【480】だからいいんだ。日本にぴったりのサイズで、ヨーロッパホームのエッセンスを取り込んだところを誉めてもらいたいもんだね。
【オレ】それはそうだが、入り口の前にポールが立っていて、なんだか車内に入るのを拒んでいるような感じだぜ。
【480】これか。ポールの端に液晶テレビがあるだろ? こいつをクルクルと回すことで、ダイネットでもテレビが見られるし、ベッドに寝そべってもテレビが見られるというわけよ。そういう便利さを追求すると、テレビを支えるポールはこの位置がベストなのさ。
【オレ】なるほど。だんだん分かってきた。「寝ても座っても楽チン」というクルマということか。
【480】そうよ。シニアになってくると、だんだん体を動かすのが面倒になってくるだろ。バンクに登って寝るなんて真っ平という人も出てくるわな。
あんたも若づくりしているようだが、結構な年なんだろ。だったら分かるだろ。
【オレ】オレはまだバンクに登るのは平気だぜ。
【480】そのうち分かるさ。バンクベッドに登るより、寝たいときはリヤのベッドに移ってゴロン、という方がどれだけ楽かってことがね。
【オレ】バンクベッドはあるじゃないか。
【480】オプションなんだよ。そいつはお孫さんのような可愛いゲストが来たときのエマージェンシー用なんだ。
【オレ】それにしても、シェルとキャブの間にパイプがあったりして、ウォークスルーを邪魔しているなぁ。
【480】あんたも案外知らないんだねぇ。このパイプはシェルとキャブの間を行き来するときの手すりだよ。手でこれを掴まえた方が、体が安定するんだよ。
【オレ】なるほど。言われてみりゃそのとおりだな。
【480】いいクルマだろ。買いなよ。
【オレ】そのうちね。
【480】そんなこと言ってると、クルマさえ運転できない年になっちゃうぜ。
【オレ】ご忠告は聞いておくよ。いろいろありがとな。
【480】また来なよ。
2006年09月26日
HP更新
久々のホームページの更新です。今回新車情報として、インディアナRVが導入したオートスリーパーズの「ポレンサ」、リトルハウスの「トレールジョイ・J220」を掲載します。ポレンサは、英国製モーターホーム。内装デザインが粋ですよ。
トレールジョイは、米国製のトレールライトをベースに、日本人の手によって国内生産された初のけん引式トレーラーです。ドラマチックな開発秘話が本邦初公開!
その他キャンプ場情報として、「大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ」をご紹介します。泊まってみて驚きました。実にキャンピングカー向けに設計されたキャンプ場です。
辛口コメントで人気上昇中(?)の「ひとくちジャーナル」では、キャンピングカーオーナーのマナーに関して特集します。
このマナーの問題は、明日少し詳しくこのブログでも取り上げます。
これらの記事に興味をお持ちの方は、アクセスください。
http://www.campingcar-guide.com/
今晩中にUPできる予定です。
お読みいただいて、関心を持たれた記事がありましたら、コメントでもくださるとうれしいです。
トレールジョイは、米国製のトレールライトをベースに、日本人の手によって国内生産された初のけん引式トレーラーです。ドラマチックな開発秘話が本邦初公開!
その他キャンプ場情報として、「大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ」をご紹介します。泊まってみて驚きました。実にキャンピングカー向けに設計されたキャンプ場です。
辛口コメントで人気上昇中(?)の「ひとくちジャーナル」では、キャンピングカーオーナーのマナーに関して特集します。
このマナーの問題は、明日少し詳しくこのブログでも取り上げます。
これらの記事に興味をお持ちの方は、アクセスください。
http://www.campingcar-guide.com/
今晩中にUPできる予定です。
お読みいただいて、関心を持たれた記事がありましたら、コメントでもくださるとうれしいです。
2006年09月24日
関西RVショー速報
インテックス大阪で開かれた「関西キャンピングカーショー」に行ってきました。2007年をにらんだ新型車が続々登場しています。特に、地元関西のビルダーさんたちが、熱のこもった新車を投入してきたのが印象的でした。
●キャビンⅡ リバーZ
バスコンの老舗であるマリナ’RVさんは、バンコンにバスのエッセンスを投入するという意気込みで、ハイエースをベースにしたキャビンⅡシリーズを展開中ですが、今回そのシリーズのニューモデルとして、「キャビンⅡリバーZ」をデビューさせました。
特徴は、バスコン並みのゆとりを持った対面ダイネット。そして、これまたバスで採用されるような大型2段ベッド。スーパーロングベースとはいえ、これはちょっとした奇跡です。
マジックがありました。
リヤベッドのマットを収納するスペースが、実は車内にないのです。
では、マットはどこに?
開発者の寺島さんいわく。
「ベッドマットを使わないときは、もう家の中に置いてきてください」
すごい割り切り方です。
でも、そのマット収納スペースを欲張ると、もうこのクルマではバスコンのエッセンスが活かせないとか。
別にマットがなくても、ダイネット展開でフロントベッドは作れるわけで、普通のバンコンとしての機能は保持されています。そして、マットを置けば、1800mmの長さを確保した2名と3名就寝スペースが前と後ろに出現。このすがすがしい企画に脱帽です。
(▼キャビンⅡ リバーZ)

●トラベルメイトⅢ
関西一の規模を誇るキャンピングカーディーラーの大森自動車さんは、近年ビルダーとしての力をめきめきとつけてきていますが、これまた充実した力作を発表しました。
同社のバンコンを代表するトラベルメイトの新バージョン「トラベルメイトⅢ」(ハイエース標準ボディ)です。
リヤ固定ベッドとその下の大型収納という基本コンセプトを踏襲しながらも、ギャレー部分とリヤベッド部分に新たな意匠が施されています。
まず、ギャレー横に鏡付きのボードが立っています。このデザインがすごくお洒落です。
このボードを倒すと、その裏面がキッチンスペースを広げる役目を果たします。便利ですねぇ。
リヤ固定ベッドにも一工夫ありです。その背面を少し持ち上げると、背もたれになります。
企画を担当した宮永さんの談。
「団塊世代のシニアカップルを想定したクルマですが、団塊世代は本を読む習慣が定着しているように思えたため、背もたれに寄りかかって足などを伸ばし、リラックスした気分で読書を楽しめるようにしました」
いい狙いです。
オーバーヘッドコンソールの間には時計がありました。今後大森自動車のバンコンは、この時計をつけることで自社ブランドとしてのアイデンティティ確立していくとのことでした。
(▼トラベルメイトⅢ)

●ウロボロス
関西ビルダーの雄であるアネックスさんも、ハイエースベースのニューバンコンをリリースしました。
その名はウロボロス。ギリシャ神話に出てくる言葉で、「無限大マーク」の元となった一匹の龍が自分の尻尾を食べながらグルグル回っている状態を表した言葉だとか。要は、無限大の可能性を秘めたクルマ…という意味です。
何が無限大かというと、実はこのクルマ、お客様のどんな要望にもこたえられるように、レイアウトパターンで8種類、シート色52色、カーテン色37色、家具4パターン、フロア色10色を用意して、それこそお客様の好みの仕様を“無限大”に近いまでに実現してもらうというクルマなのです。
展示車は「12MG」と呼ばれるタイプで、1列目シートには前向き・後ろ向きが自在になる1200mmのファスプシートを使い、2列目は前向きシート。リヤが大型収納スペースになるというもの。このリヤスペースの中段にベッドマットを置けば、1720mm×1400mmのベッドが誕生します。もちろんその下は下部収納。
この展示車の横には、リヤスペースにシャワー室としても使えるFRP製のフリールームを備えたカットモデルも展示されていました。
(▼ウロボロス)

このほか、今回のショーでは、ハイマーさんの新しいトレーラー「フィーリング」、レクビィさんの「ニューカントリーロード」、カトーモーターさんの「新ウィンディ」、ナッツさんの「ペア標準ボディ」と「ミラージュ5.0 2人旅」など意欲的な新車が目白押しでした。バンテックさんの「ジル480」などもしっかり紹介しておきたいのですが、今日はこのへんまで。
残りの新車は、また日を改めて、ウェブマガジンなどの方でもご紹介いたします
●キャビンⅡ リバーZ
バスコンの老舗であるマリナ’RVさんは、バンコンにバスのエッセンスを投入するという意気込みで、ハイエースをベースにしたキャビンⅡシリーズを展開中ですが、今回そのシリーズのニューモデルとして、「キャビンⅡリバーZ」をデビューさせました。
特徴は、バスコン並みのゆとりを持った対面ダイネット。そして、これまたバスで採用されるような大型2段ベッド。スーパーロングベースとはいえ、これはちょっとした奇跡です。
マジックがありました。
リヤベッドのマットを収納するスペースが、実は車内にないのです。
では、マットはどこに?
開発者の寺島さんいわく。
「ベッドマットを使わないときは、もう家の中に置いてきてください」
すごい割り切り方です。
でも、そのマット収納スペースを欲張ると、もうこのクルマではバスコンのエッセンスが活かせないとか。
別にマットがなくても、ダイネット展開でフロントベッドは作れるわけで、普通のバンコンとしての機能は保持されています。そして、マットを置けば、1800mmの長さを確保した2名と3名就寝スペースが前と後ろに出現。このすがすがしい企画に脱帽です。
(▼キャビンⅡ リバーZ)
●トラベルメイトⅢ
関西一の規模を誇るキャンピングカーディーラーの大森自動車さんは、近年ビルダーとしての力をめきめきとつけてきていますが、これまた充実した力作を発表しました。
同社のバンコンを代表するトラベルメイトの新バージョン「トラベルメイトⅢ」(ハイエース標準ボディ)です。
リヤ固定ベッドとその下の大型収納という基本コンセプトを踏襲しながらも、ギャレー部分とリヤベッド部分に新たな意匠が施されています。
まず、ギャレー横に鏡付きのボードが立っています。このデザインがすごくお洒落です。
このボードを倒すと、その裏面がキッチンスペースを広げる役目を果たします。便利ですねぇ。
リヤ固定ベッドにも一工夫ありです。その背面を少し持ち上げると、背もたれになります。
企画を担当した宮永さんの談。
「団塊世代のシニアカップルを想定したクルマですが、団塊世代は本を読む習慣が定着しているように思えたため、背もたれに寄りかかって足などを伸ばし、リラックスした気分で読書を楽しめるようにしました」
いい狙いです。
オーバーヘッドコンソールの間には時計がありました。今後大森自動車のバンコンは、この時計をつけることで自社ブランドとしてのアイデンティティ確立していくとのことでした。
(▼トラベルメイトⅢ)
●ウロボロス
関西ビルダーの雄であるアネックスさんも、ハイエースベースのニューバンコンをリリースしました。
その名はウロボロス。ギリシャ神話に出てくる言葉で、「無限大マーク」の元となった一匹の龍が自分の尻尾を食べながらグルグル回っている状態を表した言葉だとか。要は、無限大の可能性を秘めたクルマ…という意味です。
何が無限大かというと、実はこのクルマ、お客様のどんな要望にもこたえられるように、レイアウトパターンで8種類、シート色52色、カーテン色37色、家具4パターン、フロア色10色を用意して、それこそお客様の好みの仕様を“無限大”に近いまでに実現してもらうというクルマなのです。
展示車は「12MG」と呼ばれるタイプで、1列目シートには前向き・後ろ向きが自在になる1200mmのファスプシートを使い、2列目は前向きシート。リヤが大型収納スペースになるというもの。このリヤスペースの中段にベッドマットを置けば、1720mm×1400mmのベッドが誕生します。もちろんその下は下部収納。
この展示車の横には、リヤスペースにシャワー室としても使えるFRP製のフリールームを備えたカットモデルも展示されていました。
(▼ウロボロス)
このほか、今回のショーでは、ハイマーさんの新しいトレーラー「フィーリング」、レクビィさんの「ニューカントリーロード」、カトーモーターさんの「新ウィンディ」、ナッツさんの「ペア標準ボディ」と「ミラージュ5.0 2人旅」など意欲的な新車が目白押しでした。バンテックさんの「ジル480」などもしっかり紹介しておきたいのですが、今日はこのへんまで。
残りの新車は、また日を改めて、ウェブマガジンなどの方でもご紹介いたします
2006年09月19日
軽ブームの分析
この夏以降、軽自動車を中心とした小型キャンピングカーに話題が集中している。各キャンピングカー販売店にも、最近は軽自動車ベースのクルマに問い合わせが増えているという。NHKの報道や「オートキャンパー」誌の特集でコンパクトキャンピングカーに焦点を合わせたものが重なったことも、きっかけとなったようだ。
しかし、関係者の話によると、この傾向は今年の春ぐらいから見られるようになったらしい。
東北RVショーの会場にある休憩コーナーで、キャンピングカー広島の桑原社長と雑談したときもこの話題となった。
キャンピングカー広島は、展示場にフィールドライフのトライキャンパー(写真左)、オートショップアズマのラ・クーン(写真右)などの軽キャンパーを置いている。かつ自社オリジナルブランドとして、日産バネットをベースにした全長4.3mのミニキャンパープチ(写真下)を展示している。
これらの小型キャンピングカーへの問い合わせが、この夏からは必ず週に2度ぐらい入るようになったとか。その多くは、キャピングカーに興味を抱き始めた初心者らしい。

この話は、確実にキャンピングカーの底辺が広がる兆候を示している。小型キャンピングカーを見学するために来店する人たちは、必ず次のような感想を述べるそうだ。
「キャンピングカーって、1千万円以上するものだと思っていたら、そうじゃなかったんですね」
これまでは、多くの人にとって、キャンピングカーは図体の大きな高額商品だと思われていた。
そんなイメージをくつがえしたのが、TVや雑誌の一連の「軽自動車キャンピングカー特集」だったのだ。つまり「軽自動車がベースなら、決して高い商品ではないはずだ」と多くの人が認識する土台が形成されたわけだ。
だからといって、軽自動車のキャンピングカーに注目する人たちは、必ずしも軽登録によるランニングコストの安さに魅力を感じているだけではない。
それよりも「軽自動車という言葉がもたらす気楽さに注目している人が多い」というのが、キャンピングカー広島の桑原社長の観察。
彼は、「軽自動車」の軽という漢字が、そのまま「気軽さ」の軽につながったと分析する。
私は意地悪く、ちょっとこんな見方もしている。
確かに2007年を間近にひかえ、定年退職後の楽しみを「キャンピングカーによる日本一周旅行」と定めた団塊世代の夫婦は増えているだろう。
しかし、すべてのシニア夫婦が仲良いわけではない。キャンピングカーによる長期旅行を提案しても、奥さんに軽くあしらわれてしまう旦那さんだって多いはずだ。
そんな孤独なお父さんにとって、小型キャンピングカーは格好のオモチャだ。少年時代に独りで山にこもり、木々を集めて秘密の基地づくりに励んだお父さんたちって結構いるのではなかろうか。
そこには、親に見つかると取り上げられそうな大型ナイフとか、鉄管銃とかが隠されたりするわけでね。
多くの小型キャンピングカーは、少年が熱中するような「山奥の秘密基地」の匂いを濃厚に放っている。そうなると、親の役目をするような女房なんか、かえっていない方が気楽…てなことにもなりかねない。小型キャンピングカーブームの背景には、案外、お父さんたちの「少年のロマン」が反映されているような気がしてならない。
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しかし、関係者の話によると、この傾向は今年の春ぐらいから見られるようになったらしい。
東北RVショーの会場にある休憩コーナーで、キャンピングカー広島の桑原社長と雑談したときもこの話題となった。
キャンピングカー広島は、展示場にフィールドライフのトライキャンパー(写真左)、オートショップアズマのラ・クーン(写真右)などの軽キャンパーを置いている。かつ自社オリジナルブランドとして、日産バネットをベースにした全長4.3mのミニキャンパープチ(写真下)を展示している。
これらの小型キャンピングカーへの問い合わせが、この夏からは必ず週に2度ぐらい入るようになったとか。その多くは、キャピングカーに興味を抱き始めた初心者らしい。
この話は、確実にキャンピングカーの底辺が広がる兆候を示している。小型キャンピングカーを見学するために来店する人たちは、必ず次のような感想を述べるそうだ。
「キャンピングカーって、1千万円以上するものだと思っていたら、そうじゃなかったんですね」
これまでは、多くの人にとって、キャンピングカーは図体の大きな高額商品だと思われていた。
そんなイメージをくつがえしたのが、TVや雑誌の一連の「軽自動車キャンピングカー特集」だったのだ。つまり「軽自動車がベースなら、決して高い商品ではないはずだ」と多くの人が認識する土台が形成されたわけだ。
だからといって、軽自動車のキャンピングカーに注目する人たちは、必ずしも軽登録によるランニングコストの安さに魅力を感じているだけではない。
それよりも「軽自動車という言葉がもたらす気楽さに注目している人が多い」というのが、キャンピングカー広島の桑原社長の観察。
彼は、「軽自動車」の軽という漢字が、そのまま「気軽さ」の軽につながったと分析する。
私は意地悪く、ちょっとこんな見方もしている。
確かに2007年を間近にひかえ、定年退職後の楽しみを「キャンピングカーによる日本一周旅行」と定めた団塊世代の夫婦は増えているだろう。
しかし、すべてのシニア夫婦が仲良いわけではない。キャンピングカーによる長期旅行を提案しても、奥さんに軽くあしらわれてしまう旦那さんだって多いはずだ。
そんな孤独なお父さんにとって、小型キャンピングカーは格好のオモチャだ。少年時代に独りで山にこもり、木々を集めて秘密の基地づくりに励んだお父さんたちって結構いるのではなかろうか。
そこには、親に見つかると取り上げられそうな大型ナイフとか、鉄管銃とかが隠されたりするわけでね。
多くの小型キャンピングカーは、少年が熱中するような「山奥の秘密基地」の匂いを濃厚に放っている。そうなると、親の役目をするような女房なんか、かえっていない方が気楽…てなことにもなりかねない。小型キャンピングカーブームの背景には、案外、お父さんたちの「少年のロマン」が反映されているような気がしてならない。
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2006年09月17日
東北RVショー速報
秋の訪れとともに、各地でキャンピングカーイベントが行われるようになりました。
第一弾は、宮城県・仙台市の夢メッセみやぎで開催された「東北キャンピングカー&RVショー」。早くも2007年に向けたニューカーが登場しています。
特に注目を集めたのは、インディアナRVが導入したポレンサ。英国の名門オートスリーパーズがリリースしたコンパクトモーターホームです。
全長6.12m。全幅2.18m。国産上級キャブコンとほぼ同じサイズで、しかも右ハンドル、オートマチック、ターボ付きディーゼルという日本にベストマッチの仕様です。対面ダイネットにサイドソファというファミリーにもカップルにも使いやすいレイアウトで、国産キャブコン勢の牙城を脅かしそうな雰囲気です。なにしろデザインセンスが抜群。今年下半期の話題を独り占めしそうです。
(▼ポレンサ)

広告展開中から評判の高かったトイファクトリーのGT(グランド・トラベラー)も、このショーで全貌を現しました。
ハイエース・スーパーロングをベースに、リヤ右サイドにエアロ・ウィンドウを設定し、横寝で1850mmの上段ベッドを持つリヤ2段ベッドが特徴です。「ゆとり」と「くつろぎ」をテーマに、ダイネットスペースが特大級の広さを獲得しています。天井と壁面にはセラミック塗装が施され、窓には断熱フィルムが張られて、断熱・防寒対策は完璧。内装デザインもヨーロッパテイストで統一され、小粋なインテリアが実現されています。
(▼GT)

マックレーのデイブレイク・エリートシリーズでは、ヒュンダイSRXをベースにしたデュエットタイプがこのショーでデビューしました。
全長5.9mというゆとりのボディを持ちながら、少人数仕様のリヤ固定ベッドを持つという贅沢なレイアウトです。この固定ベッドは台座の先端が可変的に伸縮し、縮めればトイレルームへのウォークスルーが容易となり、伸ばせばベッドスペースが広がるという芸の細かさを見せてくれます。
床下にリモコン操作の発電機を搭載し、電子レンジ、ルーフエアコン、電磁調理器などを標準装備しているのはマックレーならでは。さらに外部AC電源をつなげば自動的に発電機が停止するという新機構まで組み込まれています。
4輪ともエアサスを装備して、走りの機能を追及しているところも大きな特徴でしょう。
(▼デイブレイク・エリートシリーズ・デュエットタイプSRX)

これらの新型車は、ウェブマガジン(http://www.campingcar-guide.com)でも詳しく紹介する予定です。
第一弾は、宮城県・仙台市の夢メッセみやぎで開催された「東北キャンピングカー&RVショー」。早くも2007年に向けたニューカーが登場しています。
特に注目を集めたのは、インディアナRVが導入したポレンサ。英国の名門オートスリーパーズがリリースしたコンパクトモーターホームです。
全長6.12m。全幅2.18m。国産上級キャブコンとほぼ同じサイズで、しかも右ハンドル、オートマチック、ターボ付きディーゼルという日本にベストマッチの仕様です。対面ダイネットにサイドソファというファミリーにもカップルにも使いやすいレイアウトで、国産キャブコン勢の牙城を脅かしそうな雰囲気です。なにしろデザインセンスが抜群。今年下半期の話題を独り占めしそうです。
(▼ポレンサ)
広告展開中から評判の高かったトイファクトリーのGT(グランド・トラベラー)も、このショーで全貌を現しました。
ハイエース・スーパーロングをベースに、リヤ右サイドにエアロ・ウィンドウを設定し、横寝で1850mmの上段ベッドを持つリヤ2段ベッドが特徴です。「ゆとり」と「くつろぎ」をテーマに、ダイネットスペースが特大級の広さを獲得しています。天井と壁面にはセラミック塗装が施され、窓には断熱フィルムが張られて、断熱・防寒対策は完璧。内装デザインもヨーロッパテイストで統一され、小粋なインテリアが実現されています。
(▼GT)
マックレーのデイブレイク・エリートシリーズでは、ヒュンダイSRXをベースにしたデュエットタイプがこのショーでデビューしました。
全長5.9mというゆとりのボディを持ちながら、少人数仕様のリヤ固定ベッドを持つという贅沢なレイアウトです。この固定ベッドは台座の先端が可変的に伸縮し、縮めればトイレルームへのウォークスルーが容易となり、伸ばせばベッドスペースが広がるという芸の細かさを見せてくれます。
床下にリモコン操作の発電機を搭載し、電子レンジ、ルーフエアコン、電磁調理器などを標準装備しているのはマックレーならでは。さらに外部AC電源をつなげば自動的に発電機が停止するという新機構まで組み込まれています。
4輪ともエアサスを装備して、走りの機能を追及しているところも大きな特徴でしょう。
(▼デイブレイク・エリートシリーズ・デュエットタイプSRX)
これらの新型車は、ウェブマガジン(http://www.campingcar-guide.com)でも詳しく紹介する予定です。
2006年08月22日
夫婦旅にはトレーラー
キャンピングカーを使ったシニア夫婦の旅行が話題になっているが、それにはトレーラーを使うというのもなかなか良いかな…と最近思い始めている。
トレーラーというのは、ヘッド部分とトレーラー本体が連結した状態で移動するため、町中のコンビニなどにチョイと寄りたいという時には不便だ。
その代わり、キャンプ場などで宿泊する時には無類の強さを発揮する。トレーラー本体をサイトに置いたまま、ヘッドだけで温泉探しや買い物ができるため、自走式のキャンピングカーよりはるかに機動力を発揮しやすい。自走式の場合は、オーニングをペグなどで固定すると身動きが取れなくなるが、トレーラーの場合はそれがない。

そんなわけで、一ヵ所滞在型の旅行ならトレーラー。せわしなく移動するなら自走式という区分けが自然に形成され、キャンプ場を中心に利用するファミリーにはトレーラー。「定年後の日本一周」を夢見る夫婦には自走式が使いやすいというイメージが生まれるようになった。
しかし、熟年夫婦だって日本一周を果たした後は、今度は気に入ったキャンプ場を見つけてのんびり滞在したいと思うようになるはずだ。そうなるとトレーラーは有利だ。
いくら仲の良い夫婦であっても、キャンピングカーの旅が10日以上続くとやはり息苦しくなることがある。室内空間の広い米国製モーターホームなどではその限りではないかもしれないが、5×2mキャブコンクラスでは、朝晩同じ空間で寝起きすることが2週間以上続くと、さすがにその状況に飽きてくる。
そんなとき、昼間移動するときの空間と、夜くつろぐときの空間が異なっているトレーラーというのは、気分転換を図るにはもってこいだ。
キャンピングカーを使ったシニアカップルの旅行が当たり前のように定着してくると、トレーラーの効力がさらに見直されてくるように思える。
トレーラーというのは、ヘッド部分とトレーラー本体が連結した状態で移動するため、町中のコンビニなどにチョイと寄りたいという時には不便だ。
その代わり、キャンプ場などで宿泊する時には無類の強さを発揮する。トレーラー本体をサイトに置いたまま、ヘッドだけで温泉探しや買い物ができるため、自走式のキャンピングカーよりはるかに機動力を発揮しやすい。自走式の場合は、オーニングをペグなどで固定すると身動きが取れなくなるが、トレーラーの場合はそれがない。
そんなわけで、一ヵ所滞在型の旅行ならトレーラー。せわしなく移動するなら自走式という区分けが自然に形成され、キャンプ場を中心に利用するファミリーにはトレーラー。「定年後の日本一周」を夢見る夫婦には自走式が使いやすいというイメージが生まれるようになった。
しかし、熟年夫婦だって日本一周を果たした後は、今度は気に入ったキャンプ場を見つけてのんびり滞在したいと思うようになるはずだ。そうなるとトレーラーは有利だ。
いくら仲の良い夫婦であっても、キャンピングカーの旅が10日以上続くとやはり息苦しくなることがある。室内空間の広い米国製モーターホームなどではその限りではないかもしれないが、5×2mキャブコンクラスでは、朝晩同じ空間で寝起きすることが2週間以上続くと、さすがにその状況に飽きてくる。
そんなとき、昼間移動するときの空間と、夜くつろぐときの空間が異なっているトレーラーというのは、気分転換を図るにはもってこいだ。
キャンピングカーを使ったシニアカップルの旅行が当たり前のように定着してくると、トレーラーの効力がさらに見直されてくるように思える。
2006年08月21日
トレーラーフェア速報
静岡県の大野路キャンプ場で開かれた「トラベルトレーラーフェアin大野路」(日本RV協会主催)を取材してきた。その情景の一部をご紹介。
(▼)まずはエアストリーム。ヘッドがPTクルーザーのカブリオレというのが憎い。相変わらず絵になるトレーラーだ。

(▼)こちらはアドリア・モービル社のアクション。今年の2月にデビューして話題になったトレーラー新世代の代表選手。なにしろこのデザインだ! これよりも存在感を発揮するヘッドを探すのが大変。

(▼)オーソドックスなスタイルながら、質感の高さで人気のあるフェント。ヨーロッパ市場ではホビーに続くシェアを獲得しているブランドだ。家具類のクオリティの高さが日本でも評判。

(▼)典型的なアメリカン・トレーラー…と思いきや、これがなんとリトルハウスが国内で生産しているオリジナルモデル。その名はトレール・ジョイ。アメリカントレーラーの居住性の良さに日本人の緻密なフィニッシュワークが加わって、完成度はいたって高い。
トレール・ジョイの詳細に関しては、ウェブマガジン(http://www.campingcar-guide.com)の「新車情報」でご紹介する予定です)
(▼)まずはエアストリーム。ヘッドがPTクルーザーのカブリオレというのが憎い。相変わらず絵になるトレーラーだ。
(▼)こちらはアドリア・モービル社のアクション。今年の2月にデビューして話題になったトレーラー新世代の代表選手。なにしろこのデザインだ! これよりも存在感を発揮するヘッドを探すのが大変。
(▼)オーソドックスなスタイルながら、質感の高さで人気のあるフェント。ヨーロッパ市場ではホビーに続くシェアを獲得しているブランドだ。家具類のクオリティの高さが日本でも評判。
(▼)典型的なアメリカン・トレーラー…と思いきや、これがなんとリトルハウスが国内で生産しているオリジナルモデル。その名はトレール・ジョイ。アメリカントレーラーの居住性の良さに日本人の緻密なフィニッシュワークが加わって、完成度はいたって高い。
トレール・ジョイの詳細に関しては、ウェブマガジン(http://www.campingcar-guide.com)の「新車情報」でご紹介する予定です)
2006年08月04日
ボンネット型キャンピングカー
6日に、ヨコハマモーターセールスの永野社長に取材するアポがとれた。永野社長といえば、国産初の量産型キャンピングカーであるロデオを開発した人。この業界に多大な功績を残しながら、あまりマスコミに出たがらない伝説の経営者だ。
今回ラブレターのような取材依頼書をファックスで送り、ようやく時間をとってもらうことができた。ロデオが開発された80年代初期のキャンピングカーシーンについてじっくり聞かせてもらうつもり。今から楽しみだ。
とにかく私はボンネット型キャンピングカーが好きなのである。国産初のマイクロミニコンセプトを実現したロデオに憧れた世代なのだ。ロデオがいいなぁ…と思いつつ、トヨタ・ハイラックスが好きだったため、ギャラクシーを買ってしまったというくらい、このタイプのキャンピングカーに弱い。あのぶっきらぼうに四角く断ち切られているグリル周りのシルエットを見るだけで、もうゾクゾクしてしまうのだ。
今回ラブレターのような取材依頼書をファックスで送り、ようやく時間をとってもらうことができた。ロデオが開発された80年代初期のキャンピングカーシーンについてじっくり聞かせてもらうつもり。今から楽しみだ。
とにかく私はボンネット型キャンピングカーが好きなのである。国産初のマイクロミニコンセプトを実現したロデオに憧れた世代なのだ。ロデオがいいなぁ…と思いつつ、トヨタ・ハイラックスが好きだったため、ギャラクシーを買ってしまったというくらい、このタイプのキャンピングカーに弱い。あのぶっきらぼうに四角く断ち切られているグリル周りのシルエットを見るだけで、もうゾクゾクしてしまうのだ。
