町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

最近の記事
新ブログのご案内
04/28 17:06
久々の更新です
04/27 19:06
3・11以降
04/12 09:56
人類に残された資源
04/05 10:18
ザ・ウォーカー
04/03 00:53
島尾敏雄・贋学生
04/02 03:45
日本人は変わるか
03/31 01:36
渚にて
03/26 02:03
テレビは終わった
03/23 00:23
明かりの果ての闇
03/21 08:05
東電を怒る父さん
03/18 17:00
深い言葉
03/16 09:53
何かが変わった
03/15 00:06
災害時のキャンカー
03/13 16:18
大地震
03/12 13:16
ジュリアンオピー
03/11 02:35
親孝行ビジネス
03/08 20:02
OMCの北斗
03/07 00:18
アレクサンドリア
03/05 15:49
AtoZのバンビ
03/03 20:36
かるキャン
03/02 18:39
ハーレーの魔力
02/28 21:59
パークウェイ
02/23 18:59
CG880
02/20 13:11
忙しいぞぉ!
02/18 22:01
都市型キャンプ場
02/09 23:55
ファビュラス日本
02/07 19:32
老人の孤独
02/06 20:36
「都会」 の匂い
02/05 01:53
エジプトでは何が?
02/04 15:44
同人雑誌仲間
02/03 00:20
自己啓発ビジネス
02/01 02:10
ノスタルジー
01/30 05:23
夫婦の会話の危機
01/28 23:58
その一服は必要か
01/24 23:40
荒野の炎
01/23 19:43
山口冨士夫の精神
01/22 03:11
焚き火で育つ感性
01/20 19:55
キャンカー1人旅
01/19 01:37
車中泊の社会実験
01/17 15:40
個人の時代
01/16 11:50
細くなるネクタイ
01/13 20:32
映画アバター
01/12 20:07
若者の考える商売
01/11 14:36
パリッシュの絵画
01/09 04:00
300万アクセス
01/08 12:15
不思議な青空
01/07 21:04
TV・新聞の凋落
01/06 19:44
中国ルネッサンス
01/05 20:19
ベルイマン・沈黙
01/04 21:33
出来事いろいろ
01/03 02:43
謹賀新年
01/01 00:48
オールドマン
12/30 18:53
好奇心の力
12/29 14:28
「孤独死」の原因
12/27 20:17
廃墟のある島
12/26 02:48
遠いクリスマス
12/25 01:06
ロビン・フッド
12/24 03:48
地獄の電車
12/23 11:35
バッグス・バニー
12/22 02:59
正義の話をしよう
12/19 23:46
空気人形
12/18 13:10
ジジイ同士の酒
12/17 04:32
世界ゲーム革命
12/14 02:47
ハイマー懇親会
12/13 16:11
ガールズキャンプ
12/12 23:48
イタリアをめざせ
12/10 15:15
外来種の驚異 Ⅱ
12/09 00:41
外来種の脅威とは
12/08 20:46
Kポップの台頭
12/07 01:19
うつろひ
12/06 01:21
海老蔵さんの悲劇
12/05 01:07
追悼ジョンレノン
12/03 04:52
「個性化」のワナ
11/30 04:13
戦うブログ
11/29 04:09
子供の自然体験
11/28 04:50
RV好きの芸能人
11/26 01:01
胃の中にヘビ
11/25 16:12
消えた秋
11/22 14:14
歌謡ブルースの謎
11/20 04:29
おひとりさま時代
11/19 00:33
3行で総てを語る
11/18 00:15
塔の形而上学
11/17 02:04
裕次郎スナック
11/15 23:10
自然は子供を養う
11/12 20:28
おれ、ねこ
11/10 01:19
NHK車中泊報道
11/09 17:17
お台場パラダイス
11/08 20:34
伝える力
11/05 00:12
お台場ショー迫る
11/04 02:02
昔は戻らない
11/03 02:11
電子タバコ
11/02 00:04
一般国道の不思議
10/29 18:25
酒場放浪記
10/26 22:25
名古屋RVショー
10/25 19:25
ハイマーカー322
10/21 12:31
猫会議
10/21 00:05
飽きるという知恵
10/20 01:28
ロボット兵器
10/19 02:52
最近のコメント
突然の書き込み失礼…
最近の流行 05/12 00:01
はじめまして~文…
すまそ 05/08 16:44
>TJさん、ようこそ…
町田 04/28 13:47
>TJさん、ようこそ…
町田 04/28 12:06
便利+楽=快適、これ…
TJ 04/28 10:05
町田さん久しぶり…
motor-home 04/28 06:07
やはり、時代の変化・…
TJ 04/21 02:27
私はこのところ「自然…
磯部 04/12 14:52
>aki さん、よう…
町田 04/12 10:18
何度も投稿ボタンを押…
aki 04/08 10:57
>aki さん、よう…
町田 04/08 09:13
今のVWに乗り換える…
aki 04/07 15:19
>雷さん、ようこそ。…
町田 04/06 15:20
>ミペット@倉庫の肥…
町田 04/06 13:46
>JoeCoolさん…
町田 04/06 11:06
キャンピングカーは、…
雷 04/05 21:37
率直に言うと、研究所…
ミペット@倉庫の肥やし保存中 04/05 20:10
町田さま度々失礼…
JoeCool (in Peanuts) 04/05 12:56
>aki さん、よう…
町田 04/05 11:14
今のこの国の空気、ど…
aki 04/04 10:32
>solocarav…
町田 04/01 11:08
>JoeCool さ…
町田 04/01 10:32
>ムーンライトさん、…
町田 04/01 09:56
>赤い屋根さん、よう…
町田 04/01 08:53
「心に届く言葉」・・…
solocaravan 03/31 23:23
今回のように社会全体…
雷 03/31 23:05
米国では9.11の前…
Jo 03/31 11:21
米国では9.11の前…
JoeCool 03/31 11:19
米国では9.11の前…
JoeCool 03/31 11:05
そうだ、普遍性だ。…
ムーンライト 03/31 09:31
町田さんおはようござ…
赤い屋根 03/31 07:50
>おおきに! さん、…
町田 03/30 15:47
>雷さん、ようこそ。…
町田 03/30 14:57
>雷さん、ようこそ。…
町田 03/30 14:33
町田編集長さん こん…
おおきに! 03/29 08:29
今回の震災では、各局…
雷 03/28 21:22
本作品のリメイクであ…
雷 03/28 21:09
>おおきに! さん、…
町田 03/23 19:54
町田編集長さん こん…
おおきに! 03/23 07:48
>s-_-s さん…
町田 03/23 01:19
>ムーンライトさん、…
町田 03/23 00:46
人間は電気によって闇…
s-_-s 03/22 22:55
追記です。先ほど…
ムーンライト 03/22 14:24
数日前、市内の大型ス…
ムーンライト 03/22 12:24
>ブタイチさん、よう…
町田 03/22 03:09
お久しぶりです。町田…
ブタイチ 03/21 22:54
>鈴木様、ようこそ。…
町田 03/19 23:12
>ムーンライトさん、…
町田 03/19 22:35
今日、店からはじめて…
デルタリンク宮城 03/19 19:40
この「東電を怒る父さ…
ムーンライト 03/19 11:45
>ゆんたさん、ようこ…
町田 03/19 09:11
言葉に出して誰かに代…
ゆんた 03/19 07:50
>鈴木 様本当に…
町田 03/18 00:00
町田さん、ご心配あり…
デルタリンク宮城 03/17 20:52
>鈴木様コメント…
町田 03/17 16:04
>TOMYさん、よう…
町田 03/17 14:39
町田さんこんにちは。…
デルタリンク宮城 鈴木 03/17 11:32
こんばんは、町田さん…
TOMY 03/16 20:23
世界中に5億人を超え…
フェイスブック 03/15 11:30
>s-_-s さん、…
町田 03/14 00:28
町田さんご無事で何よ…
s-_-s 03/13 22:55
>ムーンライトさん、…
町田 03/12 17:43
町田さん。ご無事でし…
ムーンライト 03/12 16:25
>YAMAさん、よう…
町田 03/12 13:33
シンプルな風景画、い…
Yama 03/11 12:14
>渡部竜生さん、よう…
町田 03/10 02:33
>キャンピングカーと…
渡部竜生 03/09 14:02
>スパンキーさん、よ…
町田 03/08 19:22
いいですね、北斗。久…
スパンキー 03/07 13:52
>マッキー旅人さん、…
町田 03/03 22:45
町田さん、今日は。…
マッキー旅人 03/03 16:23
>ムーンライトさん、…
町田 02/28 22:42
町田さん。アマゾ…
ムーンライト 02/24 10:29
>渡部竜生さん、よう…
町田 02/19 05:42
>小平の福ちゃん様、…
町田 02/19 05:31
>matsumoto…
町田 02/19 05:18
>solocarav…
町田 02/19 05:03
>el さん、ようこ…
町田 02/19 04:50
>旭川の自称美女さん…
町田 02/19 04:14
幕張ではお世話になり…
渡部竜生 02/19 00:58
ご無沙汰しております…
小平の福ちゃん 02/19 00:03
お久しぶりです。ma…
matsumoto 02/14 07:35
ぜひ実現させたいアイ…
solocaravan 02/11 20:59
だいぶ経ってからのコ…
旭川の自称美女 02/11 11:51
町田さん、こんにちは…
el (エル) 02/11 11:11
>TOMY さん、よ…
町田 02/10 00:21
こんばんは、町田さん…
TOMY 02/09 21:45
>ムーンライトさん、…
町田 02/09 15:38
>ゆんた さん、よう…
町田 02/09 14:48
>Joe Cool …
町田 02/09 13:46
>磯部さん、ようこそ…
町田 02/09 11:54
「ゆんたさん」の文章…
ムーンライト 02/09 11:46
>TJさん、ようこそ…
町田 02/09 11:22
色々なことを考えまし…
ゆんた 02/09 06:36
同居していて5年前に…
JoeCool 02/08 16:01
最初に、このブログを…
磯部 02/08 05:14
写真で見る限り「FA…
TJ 02/07 21:20
>aki さん、よう…
町田 02/03 00:58
人生にドーピングはな…
aki 02/01 10:07
最近のトラックバック
ザ・バンド
12/11 09:46
鉄道の魅力、立体的に
09/10 07:38
関越高速道・・・寄居…
07/24 09:18
女性目線で見たキャン…
03/05 10:18
かるキャン 画期的な…
02/26 06:14
「くるま旅くらし読本…
02/06 10:22
言葉にならない
01/13 20:10
電動ポルシェ!?その…
10/31 09:50
路地裏
08/18 09:49
「すべての男は消耗品…
08/17 20:24
ガマの油
06/15 21:53
「ガマの油 」ちょっ…
06/15 07:58
52nd
04/25 21:52
007 カジノ・ロワ…
02/02 01:18
関西(大阪・京都・神…
01/30 05:21
【ネットができる宿|…
01/05 19:52
4輪&2輪
09/22 16:41
『秘伝 大学受験の国…
09/19 03:09
LPガスボンベ
07/26 11:37
ロス
05/28 22:39
テスト
05/28 22:36
大阪キャバクラnig…
04/26 20:37
キャバクラ/ニューク…
04/09 17:32
キャバクラ嬢ご用達し…
03/14 14:32
気になるキャンピング…
03/08 07:08
キャバクラ求人-Ag…
02/23 14:41
キャバクラ情報誌クラ…
02/22 19:14
No6 LPガスの充…
02/14 14:47
大阪キャバクラブログ
01/20 21:35
御当地!プルバック・…
12/20 00:53
カップヌードル
08/09 01:54
【キャンピングカー】…
08/05 16:23
【キャンピングカー】…
08/05 16:20
村松友視の「淳之介流…
08/04 11:11
荒井千暁著『職場はな…
06/29 22:35
元ちとせ/千の夜と千…
04/15 01:55
軽自動車エッセのうる…
03/26 08:21
カーナビの渋滞回避?…
03/10 20:07
車中泊なら虫の心配い…
03/07 18:35
こんなキャンピングカ…
03/07 03:56
キャンピング&RVシ…
03/02 01:17
キャンピング&RVシ…
02/23 18:45
キャンピング&RVシ…
02/18 06:43
キャンピング&RVシ…
02/17 00:23
ZECC(ゼック) …
02/15 23:27
トイレどうする?
02/15 10:25
キャンピング&RVシ…
02/10 21:46
新古車
02/04 17:19
軽自動車キャンピング…
01/25 13:10
ブレードランナー
01/14 12:03

ロックって何よ?

 「ロック (ROCK) 」 という音楽ジャンルが、どういうものを指すのか。
 それをはじめての人に説明するのは、案外むずかしい。

 てっとり早いのは、
 「ほらクィーンとかさ、ヴァン・ヘイレンとかさ、ツェッペリンとかいるじゃない?」
 っていうふうに、固有名を語ることかもしれないけれど、そのへんの固有名が通じない場合…たとえば世代の違いがある場合など、そこでまず理解してもらえない。
 じゃ、B’zや、サザンや、矢沢永吉はロックか?
 というと、わたくし的には、そうともいえるし、そうでもないような気もする。

 だったら、
 「基本的にバンド編成で、エイトビート主体で、リズムが激しくて…」
 みたいな説明で通じるかというと、それじゃ漠然としすぎてしまう。

 世代や趣味嗜好が異なれば、各人各様の 「ROCK」 が存在するわけで、まぁ、それでいいような気もするし、それを定義することの空しさ…意味のなさも十分承知している。

 しかし、この前バンドを始めたばかり…という若い人を交えて、音楽好きの友達たちと酒飲んだとき、 「ROCKって何?」 というテーマになって、いろいろ盛り上がって、否応なしに考えさせられたことがあった。

 で、 「町田さんが考えているロックって何?」 と尋ねられたとき、そのとき、何にも考えていなかったクセして、とっさに答えたことは、 「スタート地点だけは分っているけれど、やっている人ですら、着地点が分っていない音楽」 と答えたのだ。
 
 とっさにひらめいたのは、60年代後半に登場したギターのインプロビゼーションを中心としたバンドの音楽だった。
 具体的にいうと、ジミ・ヘンドリックス、クリームといったインストゥルメンタルを楽曲の中心に置くようなバンドの音だ。

 60年代の後半、ラジオから突然こういう音が流れたきたとき、私ははっきりと、それまでの音楽と今流れている音楽との 「切断」 を感じた。

 それらの音を、当時 「ロック」 という言葉で表現していたかどうか、今はあまりはっきりと記憶していない。
 ただ、ノリのいい音楽の呼称として通用していた 「ロックンロール」 とは違った音楽で、ロックンロールっぽいけれど、ポップスではないという印象から、何気なく 「ロック」 という呼び方が定着していったような気がする。

 以下は、もう 「ロック」 対するまったく私的な感想で、一般音楽史とは別物であり、しかも、妥当性も正当性もないものだけれど、自分なりの 「ロック観」 を書く。

 60年代の後半、ポピュラーミュージックの分野で、まったく新しい 「音」 が台頭していた。
 ギター奏法にエフェクターの一種であるファズやワウワウなどを取り入れることによって、アンプから出る音に 「ひずみ」 や 「ゆがみ」 を導入し、聞き手に、あたかもドラッグによる錯乱状態を体験させるような音が生まれてきたのだ。

 このような音を出す音楽として、最初に聞いたのは、ヴァニラ・ファッジ、アイアン・バタフライ、ジェファーソン・エアプレインといったグループだった。

 特に、アイアン・バタフライの 「インナ・ガダ・ダ・ビダ」 という曲は、その奇妙なタイトルもさることながら、なんとも玄妙なサウンドで、はじめて聞いたときは、ちょっとしたカルチャー・ショックを受けた。
 どっしりとした重量感のある音が、まるでヒラヒラと宙を飛ぶように、変幻自在の変化を見せていたのだ。

アイアン・バタフライジャケ01

 それは、まさに 「アイアン・バタフライ」 = 「鉄の蝶」 というグループ名そのものの音だった。
 こいつは、とんでもない音楽が出てきたぞと、ぶっ飛んだ記憶がある。

 音楽史というのは、クラシックでもそうだろうけれど、時代のテクノロジーが新しいムーブメントをつくると相場が決まっている。
 チェンバロからピアノへの移行はクラシック音楽を変えたし、アコギからエレキへの移行はポピュラーミュージックを変えた。

 それが、60年代後半のロックの世界でも起こった。
 今から思えば、ずいぶん稚拙なテクノロジーではあったが、ギター奏法におけるエフェクター類の発展や大音量を流せるアンプの進化は、たぶん当時のミュージシャンたちに、まったく新しい 「音」 が生まれたという新鮮な感覚を与えたことだろう。

 そのことと、60年代後半の若者たちの、世界的な政治闘争の敗北は無縁ではなかったはずだ。

 あの時代、世界的に若者の政治闘争が沈静化に向かう過程の中で、政治体制の変革など 「単なる夢想でしかなかった」 ということを自覚させられた若者たちは、 「政治」 を 「文学」 のように処理することによって、ごく私的な、きわめて個人的な 「変革」 の中に逃げていった。

 70年代から80年代にかけて一世を風靡したフランス哲学が、 「パリ5月革命」 の敗北から生まれたように、日本では吉本隆明のただの 「文学」 が、あたかも 「政治思想」 と同一視されたように、政治の世界におけるおのれの無力さを意識した若者たちは、その補填を 「文学」 に求めたというのが、あの60年代後半という時代だったように思う。
 
 そのとき、実は 「政治」 が 「文学」 になっただけでなく、 「政治」 は 「音楽」 にもなっていたのだ。
 1度沸騰した、 「世界をおのれの手で変革する」 という若者たちの欲望は、政治活動などにはまったく無縁の若者たちをも巻き込んで、 「音楽」 を変革することで 「世界を変える」 欲望へと変化した。

 そのとき、エフェクター類による新しいギターサウンドが、その欲望を増進する推進力になったように思う。
 だから、あの当時、ギターがバンド編成の要になるような時代が、一気に訪れたと思っている。
 そして、そういう 「音楽」 を、いつのまにかリスナーは 「ロック」 と呼ぶようになった。

 だから、ロックは、それを奉ずる者たちにとっては 「新しいスタート」 であり、当然その 「ゴール」 は、政治闘争のような敗北が予想されるものではいけなかったのだ。
 むしろ、自分たちの音楽が、何を達成するのか、どういうユートピアを生み出すのか、そんなことを考えてもいけないし、また考えないがゆえに、 “輝かしい未来” が永遠に担保されるという、言ってしまえば無責任な夢想が、この時代のロックを支える基本理念だったように思う。

 それは、ある意味でアナーキーな混乱であったが、ある意味では、豊穣な成果を生み出す冒険だった。

 私は 「ロック」 という言葉から、以上のようなイメージを受けるのだけれど、その言葉がぴったりとハマるミュージシャンとなると、はなはだ心もとない。
 少なくても、 (大好きな) ビートルズは、私にとってはロックではない。
 彼らのサウンドはものすごく刺激的であり、斬新であり、また歌詞においても、後期になれば 「革命」 「変革」 などを標榜することもあったけれど、でも、私がイメージするロックではない。

 「ロック」 という言葉から 「反体制」 とか 「抵抗」 とか 「不良性」 みたいなものを感じる人は、じゃザ・ローリング・ストーンズなんかはロックだろう? と思うかもしれないけれど、あれも、わたくし的には、ロックじゃないんだな。

 ビートルズもストーンズも、 「新しいスタート台」 に一度は立った人たちだけれど、しかし彼らは 「ゴール = 着地点」 のイメージもしっかり把握できる人たちだったから、ちょっと自分の感じているロックとは違う。まぁ、だから彼らは、商業的にもあれほどの成功を収めることができたといえるかもしれない。

 じゃ、 「着地点」 が見えない音楽って何さ?
 …ってことになるけれど、結局、着地点のない音楽というのは、音楽としては永遠に未完成なわけで、そういった意味で、私の感じるロックというのは、未完成さを保留にした音楽ということになる。

 そのような音楽をやっていたのが、私の知る限り、クリームであったり、ジミ・ヘンドリックスであったり、あるいはドアーズであったりする。

ジミヘン01
▲ ジミヘン

 たとえば、クリームの 『素晴らしき世界』 (2枚組み) の2枚目に収められた 「クロスロード」 などは、もうそのレコードのA面を使い果たすかのように、延々とギターとベースのインプロビゼーションが続く。
 それを、当時のリスナーはみな 「実験的だ」 「前衛的だ」 と評価して、演奏そのものをフルコピーするアマチュアバンドも後を絶たなかったけれど、正直にいうと、その “果てしなさ” は、退屈でもあった。

クリームジャケ01

 今思うに、彼らの “果てしなさ” は、彼らが 「終わり方」 を思いつかなかったからだという気がするのだ。
 「着地点」 を拒否するような “冒険の旅” に出てしまったがゆえに、 「着地点」 そのものが分らなくなってしまったのだ。
 それは (わたくし的には) 無残に思えたが、ロックの精神としては、きわめて当然の帰結でもあったろう。
 そこではその無残さが、同時に、高貴さをも体現していたからだ。

 ジム・モリソン率いるドアーズは、サウンドそのものとしては、それほど冒険的ではなかったと思うけれど、彼は訳の分らぬ…というか、それだけ超越性を秘めた詩を書くことによって、自分たちの到達地点を無限に延ばそうとしたし、事実、ジム・モリソンは自らの死によって、その音楽を永遠に未完成のうちにとどめた。

 ジミ・ヘンドリックスは、サウンドとしても、人生としても、輝かしい可能性だけを開示して、未完のうちに果てた。

 クリームは、無限に引き伸ばしていった着地点に向かう途中で力が尽きて、空中分解を起こし、疲れたクラプトンはブルースに回帰した。

 一般的には、ロックは、彼らの力の果てたところから、大成功への道をひた走るようになる。
 しかし、そのとき、実は 「ロック」 は終わっていたと、私は思う。
 着地点の見えない音楽は、リスナーにとってはやっぱり消化不良を引き起こすし、商業的には成功しない。

 そこで、はじめてロックに 「着地点」 が求められるようになる。
 つまり、商業的な音楽として成功させるには、1曲ごとの 「完成度」 とか、アルバム単位の 「整合性」 が必要になるということが分ってきたのだ。

 こうして、ロックはリスナーのそれぞれの嗜好にフィットする形で、
 「フォークロック」
 「ラテンロック」
 「カントリーロック」
 「グラムロック」
 「プログレッシプ・ロック」
 「サザンロック」
 などと、様々な方向に枝分かれしていった。
 そのことによって、産業としてのロックは、それ以降一大マーケットを確立し、ポピュラーミュージックの王座に登りつめていく。

 このような細分化は、ロックの多様性と豊饒性を約束するものであったけれど、しかし、それらはみな基本的には着地点が見えている予定調和の音楽だったというべきだろう。 
 すなわち本当の 「ロック」 というのは、 「○○ロック」 という呼ばれ方が誕生するまでの、ごく短い期間だけ存在していたに過ぎない。

 レッド・ツェッペリンの1枚目は、ブルース基調ではあったが、あれはまぎれもないロックの名盤であり、同時にツェッペリンのロックの最期のアルバムだった。
 「ハードロック」 という呼称が生まれ、そのジャンルに位置づけられるようになったツェッペリンの2枚目、3枚目からは、ツェッペリンのロックも終わっていたというべきかもしれない。

ツェッペリン

 ビートルズやツェッペリンの商業的成功に反旗を翻したパンクロックは、70年代に 「ロックの死」 を高らかに宣言したが、その前にロックはすでに終わっていた…というのが、ごくごく私的な自分のロック観である。


音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 08:12 | コメント(6)| トラックバック(0)
トラックバック
こちらの記事へのトラックバックは下のURLをコピーして行ってください。
コメント
町田さん、こんにちは。金曜日は、とても楽しい時間をありがとうございました。「ROCKとは何か」。熟読しました(熟聴はこれからです、とっても楽しみです)。『力果てたところから、大成功への道をひた走るようになる。そのときにロックは終わっていた』。だから終わりがないのですね。完全を意識した時にすでに終わっているのですね。すごく奥深い。本当に恥ずかしながらですが、ロックという言葉の意味、世界の空気を初めて吸ったような気がします。なんだろう、この雰囲気。すっと、気持ちのいい風が通り抜けるカンジ。知らないことを知りかけているのが、すごくうれしいです。
昨日、凪子さんと「夏なんです」を練習しました。私のベースはとんちんかんですが、凪子さんの歌とギターはvery niceでした。
暑さはまだまだ続きますが、お体にお気をつけてがんばってください。また、ぜひ町田さんにお会いしたいです!
追伸 これからマルちゃんの焼きそばをつくってみようかと思います。
投稿者 凪子友だちK 2009/08/24 14:26
町田さん、こんばんわ。先日のお話のつづき、ありがとうございました。 
古き良き時代のロック、音楽をリアルタイムで経験なさっている町田さんの音楽論は私たちにとってとても貴重なものであります。 
ロックって何?、言われてみると今まで真面目に考えたことなかったテーマでありますね。能天気な私は特にです。 
何度か酒の席などで周りの若いミュージシャンなどにロックとは~?などと訊かれたときはギュィ~ンてやるんだよ、立って弾くんだよとか答えていたぐらいですから。アドバイス、説明にはなっていませんね。情けない。
町田さんのロックに対する思い、ロック論、あのS谷Y一氏らの言葉以上に鋭く伝わってきます。
しばらく町田さんは良きリスナーでとのことなので、私がドラムとギターの掛け持ちをしたりすることになり昨日、ベースのKちゃんと練習をしてきました。ギター、ドラムとも専門外の楽器なもので苦労しています。 
今後もいろいろご指導お願いいたします。
もう少しまとまったらスタジオで演奏、聴いてみてくださいね。 

本日のお話、ロックを創ったといわれるミュージシャンたちは自分たちがロックをやっているということは考えていなかったのでしょうね。自分たちの出せるサウンドでしかないと。
音楽そのものがやりたっかたのでしょう。
私たちもそういう意識で音楽に取り組んでいきたいと思っています。
投稿者 凪子 2009/08/24 21:13
ボクのロック論は、ロックは一つのライフスタイルだ と。
曲だの乗り物だの色んな物に反映するんじゃないかなぁと思っています。
投稿者 ボールチェアー 2009/08/25 01:32
>凪子友だちKさん、ようこそ。
いやぁ、とても楽しいひと時を過ごさせていただき、こちらこそ感謝しております。またカラオケ行きましょうね。

>「そのときロックは終わっていた。だから終わりがないのだ。そして “完全” を意識したとき、終わっていた」 というご指摘は、おっとその通りだ! と、うかつにも言われて気づきました。
そうそう。そういうことを書きたかったんですね。自分としては。

「ROCKって何?」 というテーマなんて、Kさんに尋ねられるまで、実は考えたこともなかったんです。あまりにも自明すぎて。
しかし、自明すぎると思っているところに落とし穴があるんでしょうね。
今回は面白いテーマをいただき、ありがとうございます。
たぶん、こういう自問は、また形を変えて繰り返していくように思います。そして(たぶん)次の機会には別のことを考えているような気もします。

 スタジオでKさんの出す音、聞いてみたくなりました。
 
投稿者 町田 2009/08/25 02:22
>凪子さん、ようこそ。
「ROCKって何?」 という問いに対して、「立ってギュイ~ンと弾くんだよ」 という答は、案外それが正しいのだという気もします。
昔、「ベックのギターは、ジャーンと1回ダウンストロークさせるだけで、普通の人の音とはもう違っている」 と凪子さんに教えてもらい、その単純な 「ジャーン」 という言葉の響きにすべてがこもっていたことを思い出しました。

>「ロックを創ったといわれるミュージシャンたちは、自分たちがロックをやっているとは考えていなかった」 というご指摘は、まさにその通りだと思います。

たぶん、その人たちは、自分たちが (歌詞も含めてなのかもしれないけれど) どれだけの音が創造できるのか、それだけに夢中になっていたのでしょうね。
結局 「ロック」 って、その 「我を忘れる」 くらいのひたむきな夢中さが、おのれの 「我」 を超えて、他者の 「我」 に伝わっていく音楽ということになるのでしょうか。
また、いろいろ教えてください。
 
投稿者 町田 2009/08/25 02:31
>ボールチェアさん、ようこそ。
>「ロックはライフスタイル」という視点には、ホント共感いたします。
そして、「乗り物だとか、色んなものに反映していく」 という意見は、まさにボールチェアさんらしい感じ方だと納得しました。

ボールチェアさんの愛していらっしゃるいろいろなアイテムすべてに、ボールチェアさんの 「ロック」 が生きていることがよく分りますもの。
 
投稿者 町田 2009/08/25 02:38
名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:
<<  2009年 8月  >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
ホビダス[趣味の総合サイト]