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木更津の暑い夏

 千葉県の木更津市に親戚の家があった。
 蕎麦屋をやっていた。

 千葉市内で一仕事終えた後、ぽっかり空いた午後の時間を使って、久しぶりに木更津の町を見に行った。

 親戚の家が、市内で蕎麦屋を開いていたのは、もう40年以上も前のことだ。
 記憶をたどって、その周辺をクルマでぐるぐる回ったが、記憶そのものがあいまいであり、かつ街の様子も変わっていたので、なかなかその場所が特定できない。

 なんとなく見覚えのある街角を通ったが、ついぞその蕎麦屋があった場所を特定することはできなかった。

 仕方なく漁港までクルマを走らせ、釣り糸を垂れている人たちの姿を眺めながら、クルマのダイネットテーブルを挟んでカミさんと向かい合い、おにぎりといなり寿司の遅い昼食を取った。

 四方の網戸を全開にして、風を入れたが、湿気を含んだ海風が流れ込んできて、身体全体がかえってベタついた。
 ギャレー上の換気扇と、ルーフの換気扇を回すと、少しだけ車内に空気の対流が生まれ、ようやく一息つくことができた。

 木更津というのは、「しょじょじのタヌキ囃子」 で有名な証城寺のある町で、街のいたるところにタヌキのモニュメントがある。
 窓から見える海鮮料理屋の2階のベランダには、ずらりとタヌキの置物が並んでいた。
 しかし、どこからともなく流れてくる音楽はタヌキ囃子ではなく、リオの海岸あたりで流れてきそうなボサノバだった。
 ボサノバに合わせ、緑や黄色に塗られたタヌキたちが踊っているように見えた。


 小学生の頃、夏休みになると必ず父親に連れられて、木更津の蕎麦屋に遊びに来た。
 大人たちの会話はつまらないので、店を出ては、一人で近所をほっつき回る。
 当時の木更津はけっこうにぎやかで、夜ともなれば、商店街は艶 (なまめ) かしい雰囲気に包まれることもあった。

 その艶かしい空気というのが何によってもたらされるのかは、小学生の自分にはまだよく分からなかったが、どことなく頬が火照るような、大人の享楽に身体が浸されていく感覚は嫌いではなかった。


 蕎麦屋の隣りに、小さな写真屋があった。
 いつのまにか、退屈になると、その店に出入りするようになった。

 経営者は、まだ若い青年だった。
 どんなカメラを売っていたのか、ほとんど覚えていないのだが、ライカのような外国製のカメラに混じって、日本製の2眼レフカメラも置いてあったように思う。 
 そういうカメラが、粗末なガラスケースの中にぽつりぽつりと置かれているだけで、およそ “カメラ” という高額商品を扱う体裁の店ではなかった。
 そのせいか、いつ訪れても、お客の姿を見ることはなく、経営者の青年は、店の奥にある3畳ほどのタタミにあぐらをかいて、1日中レコードを聞いていた。

ヘレン・シャピロジャケ

 ステレオなどというものがまだない時代。
 「蓄音機」 という言葉の方が適切な、シンプルなモノラルプレイヤーだった。
 レコードも30㎝LPではなく、ドーナツ盤だった。
 かかる音楽は、コニー・フランシスとかヘレン・シャピロ、ポール・アンカ、ニール・セダカといった、見たことも聞いたこともない外国の歌手の曲がほとんどで、そんな音楽ばかり聞いているその青年のことを、最初はずいぶん変わった趣味の男だなぁ…と思った。

 しかし、一緒になって聞いていると、不思議な気分になった。
 夜の木更津という街を甘く包む享楽的な空気に、外国の歌手たちの歌はぴったりとハマった。
 どの曲も、とろけるように甘く、泣きたくなるほど切なく、身体全体がうずくような官能的な匂いを発散していた。
 「恋」 というものを知らないうちから、「恋」 の切なさというものを知った瞬間だった。
 それがアメリカン・ポップスとの最初の出会いだった。

 3畳間にあぐらをかいた青年は、1曲終わると、ものうい手つきでレコードを替えながら、
 「今のは 『悲しき街角』 、次は 『悲しき片思い』 …。あっちのレコードは 『悲しきインディアン』 。アメリカの歌はみんな “悲しき” っていうタイトルなんだよ」
 と教えてくれた。
 こんなに、心がドキドキするような官能的な気分に満たされるのに、なぜ 「悲しき」 なのだろうと…と、不思議な気分で彼の言葉を聞いた。

 店の外には、街の喧騒が渦巻いていた。
 その喧騒とともに、夏の暑く湿った空気が、どんよりと3畳間を満たした。

 2人とも額に汗を浮かべながら、切ない音楽を聞いていると、なんだか自分たちが、街の楽しさから置き去りにされているような気になった。
 そして、この青年には恋人がいないのだろうな…と、子供ながら頭の中で生意気な憶測をめぐらした。

 親戚の蕎麦屋が店をただんだのは、それから間もなくのことだった。
 隣りのカメラ店は、その1年前ぐらいに、町から姿を消した。

 今は、もうそのカメラ店の青年の顔を思い出すことができない。
 ただなんとなく、当時の人気歌手だった小坂一也に似た顔立ちだったような印象がある。

小坂一也ジャケ

ヨタ話 | 投稿者 町田編集長 03:25 | コメント(4)| トラックバック(0)
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コメント
なにか不思議な話ですね。
「アメリカの歌はみんな“悲しき” っていうタイトルなんだよ」
『銀河鉄道の夜』に出てきてもいいような台詞・・・

木更津というと、私は「木更津キャッツアイ」という言葉が頭に浮かぶのです。
それが何かは知らないのに。
妙に忘れられなくなる言葉ってありますよね。

栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』
大反対を押し切って栗原さんがこの書名を付けたと何かで読んだことがあります。
とっても魅力的なタイトルだと思います。
これが、『今日の晩御飯』なんてタイトルだったら、今日の栗原さんの人気は無かったのではと思うくらいです。

キャンピングカー。欲しい!ミニでも。
というわけで、私も町田さんの本のタイトルを考えてみますね。

そうそう、私が最近読んだ本は『松下幸之助は生きている』です。
投稿者 ムーンライト 2009/08/03 06:40
>ムーンライトさん、ようこそ。
故人の業績を評価する場合、『……は生きている』 というのは、最も優れた評価表現であるように思います。『織田信長は生きている』 とか 『夏目漱石は生きている』 などという題をつければ、その故人を歴史の中の過去の人として位置づけるのではなく、現在の人々の抱える様々な問題を解決する糸口を示す人…というような期待感が生まれますものね。
『松下幸之助は生きている』 というタイトルは、おっしゃるように、そういった意味で秀逸ですね。

『ごちそうさまが、ききたくて。』 というのも、うまいところを突いた書名であるように思います。

さすが、ムーンライトさんは、目の付け所が違う。
ものすごくジャーナリスティックな感性をお持ちの方であると推測いたします。

木更津という町は、半分自分の故郷のような町です。
昔は江戸情緒も残る洒落た町でした。その中で触れた異質のアメリカン・カルチャー。
その異なるもののぶつかり合いが、小さい頃の自分には忘れられない記憶として残っているのかもしれません。
 
投稿者 町田 2009/08/04 10:43
タイトルには二通りあるように思います。
内容そのものをズバリ指すものと、感情に訴えるものと。
「松下幸之助は・・・」というタイトルは前者と解釈していたのですが、確かに評価表現でもありますね。

感情に訴えるタイプの書名で、いいなぁと思うのは久世光彦さんの『触れもせで』。
向田邦子さんの思い出を綴った本ですが、向田さんを賛美してはいません。
それどころか、「ケチだった」とか「嘘つきだった」とか書いている。
けれども、『触れもせで』という書名と相まって
「どうして死んじゃったんだよ」という思いが切々と伝わってくるのです。

『松下幸之助は・・・』という本は書名の通りの本です。
しかし、この本を手にする人で私のような感慨を覚える人間は稀でしょう。
この著者と大木さんは同じ時代をアメリカで暮らしています。
このお二人は、近くて遠い、遠くて近い。

このお二人がお住いと思われる場所を地図で見てみました。
「ハドソン川を挟んでいるのか・・・」。
「そうか、川を挟んでいるんだ・・・」と深い息をつきました。
投稿者 ムーンライト 2009/08/05 06:25
>ムーンライトさん、ようこそ。
今回のコメントからも、ムーンライトさんのセンスの良さと読書体験の豊かさが伝わってきますね。

久世さんの本は、『怖い絵』 という美術評論集を読んだだけなのですが、美術分野に関しても専門家に劣らず造詣が深く、博覧強記の人とお見受けしました。テレビで軽妙なコメディを担当していた演出家とは思えない、精神性の高さを感じさせる文を書かれる方でした。
その両方の世界を持っていたからこそ、『触れもせで』 という奥行きのあるタイトルも考えられたのでしょうね。

『松下幸之助…』 の著作を書かれた方は岩谷英昭さんですね。大木さんと岩谷さんが、「ハドソン川を挟んで住んでいる」という事実に「深い息」をついたというムーンライトさんの感性を面白いと感じました。
 
投稿者 町田 2009/08/05 12:02
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