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TOKIO

 こんばんは。
 町田のJポップ・クリティークの時間がやってまいりました。

 いよいよ、今年も終わりですねぇ。
 近づくクリスマス・正月を前に、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 わたくしめなどはですねぇ、
 「いつまでも “ディスクジョッキー遊び” なんかしていないで、早く本業に戻れよ!」
 …という自分の内なる声に、打ちのめされておりまして、もしかしたら、これが今年最後の放送になるかと思いますので、今日は思い切ってですねぇ、お祭りモードでいきたいと考えております。

 で、お祭り。
 
 そんな雰囲気の人、そんな雰囲気の歌…ということで、今日はですねぇ、沢田研二さんの 『TOKIO』 を採り上げてみようかと思っております。

 沢田研二さん。
 つい先週でしたか、「還暦記念コンサート」 をずっと続けてきて、東京ドームで6時間、80曲のヒット曲を披露されたそうですな。

還暦ジュリー
▲ 「還暦コンサート」 のジュリー

 なにしろ、このコンサートのために半年間 「禁酒」 されて体調管理に努められたとかで、最後まで息を切らすことなく、絶唱されたと伝えられております。

 すごいですね。60歳ですよぉ!

 海の向こうでもですねぇ、みな60歳を超えたローリング・ストーンズの最近の演奏シーンを集めたドキュメント映画 『ザ・ローリング・ストーンズ・シャイン・ア・ライト』 という映画が評判を集めておりますけれど、まぁ、今日びのシニアミュージシャンというのは、パワーがありますですね。  

 で、沢田研二さん。

 わたくしめなんかはですねぇ、この人がグループサウンズの代表選手である 「タイガース」 のヴォーカリストとして、初めてテレビに登場した時から、実はリアルタイムで見ております。

僕のマリージャケ
▲ 『僕のマリー』

 デビュー曲が 『僕のマリー』 。
 …なんですが、最初にテレビに出たときには、まだ彼らはこのオリジナル曲を持っていなくてですねぇ、なんとローリング・ストーンズの 『タイム・イズ・オン・マイ・サイド』 をカバーしておりました。

 まぁ、カッコよかったですねぇ!
 当時、ロックをコピーする日本人バンドが、テレビに出るなんてことは滅多にありませんでしたから、ぶっ飛んで見ていた記憶があります。

 で、沢田さんは、「タイガース」 の一員として次々とヒット曲を飛ばし、さらにソロ活動に移られてからも、日本の歌謡曲の最先端を歩き続けてきたわけなんですが、まぁ、自分的にはグループサウンズ路線に入ってからの沢田さんは、さほど興味のある人ではなかったんですな。

 なにせ、洋楽偏重派でありましたから、「日本の歌謡曲なんてなによ!」 ってな粋がりを持っていたわけなんですね。

 だけど、彼がパラシュートを背負って、テクノ調サウンドに乗って歌い上げた 『TOKIO』 という歌はですねぇ、今になって思うと、これは日本の歌謡曲史に残る傑作なんではないか? 
 …と思うようになったんです。

 この歌が登場したのは、1980年。
 しかもその1月。

 考えてみるとですねぇ、まさに 「80年代」 という時代の幕を切って落としたのはこの歌ではないか? 
 そう思えるくらいに、80年代っぽい歌でありまして、この歌が時代を先回りして、もうこれ1曲にすべてを凝縮させているのではないかと思えるほど、密度が濃い歌であることが分かってきたんです。

 では、どうすごい歌なのか。

 この曲が登場する前…つまり70年代の後半というのは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 などという言葉が生まれていた時代でありました。

 つまり、日本経済が上昇気流に乗ってですねぇ、グイグイと世界に羽ばたいていこうとしたときでありまして、まだ 「バブル」 なんていう言葉も生まれていませんでしたけれど、時代の空気がブファーッとバブリーな色合いに染め上げらていった時代だったんですね。

 「東京は、今やパリやニューヨークよりも刺激的な街である」

 なんていうことを言い出す人もおりまして、東京に住んでいた自分でさえ、「おいおい、いったいどこがそうなのよ?」 って戸惑うような状況だったんですね。

 だから沢田研二さんが 「TOKIOが空を飛ぶ~」 なんて歌うのを聴くと、何をイナカモンがぁ…なんて思ったくらいだったんです。

 ところが、1983年になって、リドリー・スコット監督の 『ブレードランナー』 という映画が公開されます。

 あっ! と思ったんですね。
 あの映画に描かれた未来都市。
 まさに、3年前に沢田研二が歌った 『TOKIO』 そのものではないかと。

 これは衝撃でした!

 『ブレードランナー』 に描かれた2019年のロサンゼルスというのはですねぇ、それまでのSF小説やSF映画に描かれた 「未来都市」 とはまったく異なるものだったんですね。

 それ以前のSF的な未来都市というのは、まぁ、スマートで、整然としていて、無機的で、ちょうどいま東京の品川あたりに広がっている 「インターシティ」 みたいな、冷たい秩序感を漂わせたものだったんです。

 ところが、『ブレードランナー』 の未来都市は、猥雑で、不衛生で、高度なテクノロジーと、アジア的な混沌がごっちゃまぜになった、実に摩訶不思議な大都会として描かれておりました。

 街の至るところにですねぇ、古代文明の神殿を思わせる奇怪な高層ビル群が建ち並んでおりまして、上層階級の人々はその最上階で、古代の帝王のような暮らしをしています。

ブレードランナー豪華な室内 
 ▲ 上層社会に住む人々の部屋

 なのに、ビルの下層に住む人々は、ホームレスすれすれの衣裳を身にまとって、酸性雨の降り注ぐ道を右往左往しているわけですね。

 ビルのイルミネーションは、どれもみな毒々しい色を撒き散らしておりまして、その電飾看板のひとつには、ゲーシャガールを装った日本人娘の映像が映し出されて、呪術的な声をふるわせながら 「WAKAMOTO」 の宣伝を行っているんであります。

ブレードランナーゲイシャガール
 ▲ 「ゲイシャガール」 が奇怪な電光掲示板で歌う

 ね!
 そのディスユートピア的な、倒錯した未来都市のデザイン。
 ホント、これにはぶっ飛びましたですね!

 で、この映像。
 どこかで見たことがある…。
 と思ったときに、思い出したのが、『TOKIO』 という歌だったんですね。

 もちろん、『TOKIO』 という歌が、直接的に、映画の 『ブレードランナー』 と結びつくというわけではありません。
 音楽的には、相当のへだたりがあります。
 『ブレードランナー』 のサントラを手掛けたのは、音楽界の 「前衛」 をまっしぐらに進んでいたヴァンゲリスなわけで、こちらの方は、荘重にして荘厳。
 デジタル機器を駆使して、退廃的な味わいと、ミステリアスな哀切感を伴った芸術的な音づくりがなされていました。

 それに比べると、『TOKIO』 のサウンドは軽い。
 テクノ調とはいえですねぇ、音のつくりは歌謡曲なわけで、ある意味、軽薄です。
 
 だけど、詞はすごいんですねぇ!
 糸井重里さんの本領発揮です。

 この歌では、東京がこのように歌われております。

 ……空を飛ぶ、街が飛ぶ、雲を突き抜け星になる。
 火を吹いて、闇を裂き、スーパーシティが舞い上がる……

 まさに、『ブレードランナー』 で、最初の2019年のロサンゼルスが紹介される情景と同じです。

 あそこで、鳥の目線となったカメラが、奇怪な高層ビル群をなめまわすシーン。
 街がゆっくりと、地を離れて浮遊していく感覚。
 その情景と、この歌詞はピタっと重なり合います。

ブレードランナー未来都市 
 ▲ 『ブレードランナー』 に描かれる未来都市

 80年にこの歌の歌詞をつくった糸井重里さんは、83年に公開されたこの映画を当然まだ見ていないわけですから、どうして、こんなに似たような街をイメージすることができたのか。

 『TOKIO』 には、こんな歌詞もあります。

 ……霧に煙った不思議の街に、あやしい胸さわぎ
 やすらぎ知らない遊園地が、スイッチひとつ真っ赤に燃え上がる……

 そうなんですね!
 『ブレードランナー』 に出てくる街というのも、まさに遊園地のように技巧的で、ギミックがさんざん盛り込まれていて、それでいて酸性雨の霧に閉ざされて、どんよりしているんですね。
 で、ときどき、ビルの最上階から伸びた煙突から、石油採掘場で見るような炎がブワァーっと燃え上がっているわけであります。

 こう考えると、この映画をつくったリドリー・スコットと、デザインを担当したシド・ミードの方が、沢田研二の 『TOKIO』 をパクッとしか思えなくるほどです。

 『TOKIO』 のこんな歌詞も暗示的です。

 ……TOKIO、やさしい女が眠る街
 TOKIO、哀しい男が吠える街……
 
 「女が眠る」 。
 これ、どういう状態をいうのでしょうか。

 ここには、ちょっと川端康成の 『眠れる美女』 を彷彿とさせるネクロフィリア的なニュアンスも読み込めますが、もっと意訳してしまうと、「人間としての女は眠ってしまい、起きているのはその抜け殻だけ」 という解釈も可能ですね。

 実は 『ブレードランナー』 という映画には、自分を人間と思い込んでいるレプリカント (人造人間) の美女が登場します。
 ハリソン・フォードが演じる主人公は、彼女が人間ではないことを知りつつも、恋に落ちてしまうわけですね。

ブレードランナーレイチェル 
 ▲ 人造美女のレイチェル

 だけど、レプリカントの寿命は4年間しかもたない。
 あとは、永久に眠った存在となるしかない。

 「哀しい男の吠える街」 。
 だから、この歌詞も、愛するレプリカントの運命を知ってしまったハリソン・フォードの哀しい姿と重なります。

ブレードランナーハリソン・フォード
 ▲ デカードを演じるハリソン・フォード

 絢爛豪華な輝きと、退廃と、混沌が交差した未来都市。
 そのはかなさは、まさにバブルの 「泡」 を感じさせます。

 その雰囲気は、『TOKIO』 ではこう表現されます。

 ……海に浮かんだ光りの泡だと、お前は言ってたね
 見つめていると死にそうだと、くわえ煙草で涙落とした……

 『ブレードランナー』 に登場する美女レプリカントのレイチェルも、キセルで煙草を吹かす女でした。

 いやぁ、この歌を聞いていると、まぁ、私なんかは 『ブレードランナー』 の映像しか浮かんでこないんですね。

 ここで歌われる 『TOKIO』 という街。
 すなわち、2019年のロサンゼルスと重なりあった街なんですが、そこには街の至るところに噴出するハイテクが、人間の役にはまったく立たないという皮肉が描かれております。

 徹底的に享楽的で、表層的で、刹那的で、どこか哀しい。
 それって、すごく80年代っぽくありませんか?

 糸井さんは、この歌の詞を手掛けたあと、1982年に 「不思議、大好き」 。1983年には 「おいしい生活」 など、一連のパルコのキャッチコピーをつくって、コピーライター界の寵児になっていくわけですが、考えてみるとですねぇ、すでにその萌芽はこの 『TOKIO』 の詞に表れておりますね。

 つまり、宣伝する商品からメッセージが消えて、空気のようなものだけが通り過ぎていくという感覚。
 このもろさ、はかなさ、薄っぺらさ。
 それこそ、80年代の商業文化の真髄だったわけですね。

 そこで表現されたものは、「哲学」 とか 「文化」 とか、そういったものが人間の精神生活を支える価値として尊重されていた時代が終わった…というようなメッセージだったんですね。

 人間というのは、「哲学」 とか 「文化」 に反応する生物ではなくて、光と音がシャワーのように交錯するデジタルな刺激に反応する生き物なんだ。

 そういった “割り切り” がですねぇ、80年代の音楽、映像、文学、もろもろのコマーシャル企画物の中に蔓延していったように思います。

 『TOKIO』 という歌は、まさにそのような80年代の時代精神を先取りした作品なんですね。

TOKIOジャケ
 ▲ 『TOKIO』 ジャケット

 だけど、この歌の 「80年代的な空虚さ」 の中に、実は 「新しい世界観」 が準備されていたようにも感じます。
 テクノロジーの進化による環境変化が、人間そのものを変えていくという 「世界観」 。

 超高度なテクノロジーを満載した都市は、都市の本質をですねぇ、「生活空間」 から 「遊戯空間」 に変えるという世界観がもたらされたは、80年代以降です。
 まぁ、都市が 「ディズニーランド」 に変貌していくというような感覚…とでもいえばいいんでしょうかね。

 東京や大阪に代表されるような日本の大都会というのは、世界で一番最初に 「ディズニーランド化」 を遂げた都市だったんですね。
 
 そういうことに気づいたのは、海外の小説家や映像制作者でした。
 たとえば、ウィリアム・ギブソンの 『ニューロマンサー』 といったような小説。

 あるいはですね、クエンティ・タランンティーノ監督の 『キル・ビル』 とか、リドリー・スコット監督の 『ブラックレイン』 といったような映画。

 こういう作品に登場する 「日本の都市」 というのは、エキゾチックで、呪術的で、猥雑で、セクシーで、それでいて洗練されていて、チャーミング…という、まぁ、あらゆる魅惑的な要素がごった煮になっている街なんですね。

 そいつをひと言でいうと、「ジャパン・クール」 !

 で、わたくしめは、思うんですが、ここで 『TOKIO』 を歌った沢田研二さんの姿にこそ、その後、日本のアニメや漫画を総称することになる 「ジャパン・クール」 の原点があるように感じています。

 華やかで、テクノっぽくて、嘘っぽくて、どこか無国籍的で。

 実は、わたくしめは、そういうのがけっこう好きなんですけれど、こういう雰囲気がいかに世界的な基準において、チャーミングなものであるのか。

 『TOKIO』 という歌は、それを教えてくれるように思います。

 それでは、沢田研二さんの 『TOKIO』 。
 今日はそれを聞きながら、お別れです。



 参考記事 『ブレードランナー』
音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 01:25 | コメント(4)| トラックバック(0)
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コメント
80年代の日本、ことに東京は誠に刺激的でしたね!右肩上がりの経済、イケイケの姉ちゃんたち、YMOが世界に出たのもこの時期のような気がします。
新しいビルがガンガン建ち始め、街の景観もめまぐるしく変わっていたような覚えがあります。
こんな東京で子供を育てていたなんて、いま考えると信じられないものを感じますひょっとして、あれは幻想だったんじゃないかと。
しかし後、東京を離れ、子供はいまおとなになり、私も客観的に東京をみるにつけ、よほど不思議な街だな、といまでもつくづく思います。
そこで今日も頑張っている町田さんは、ホントに偉い! 根っからのシティボーイですね!(皮肉ではありませんよ)
投稿者 磯部 2008/12/09 09:56
今回が今年最後の放送になるかもですって!
あ、新人DJ・ムーンライトです。
楽しいからって、町田さんとおしゃべりに興じていていいものかという内なる声に・・・今回は無断欠勤しようかと思っていたのですが。
もうすぐ年末。町田編集長もお忙しいのでしょう。
楽しかったですよ~。「ディスクジョッキー遊び」。

沢田研二さん。
秋頃、NHKの、二週連続のワンマンショーを見ました。
ご自身の作詞の歌も披露されていて、その歌詞に真面目な方なのだなぁと感じました。
それはそれで素敵だけど、思い切りぶっ飛んでいる方がイイ!と思いました。
それがカッコよく似合う人はあまりいないのですから。
私は、「勝手にしやがれ」が好きですね。

私。見た目は「良妻賢母」ですが、内面は男っぽいと言われます。
今回のディナーショーには黒のドレスでと思っていたのですが、「良妻賢母」にしては胸が深く開きすぎているかも。
白のパンツスーツにパナマハットにしようかしら。
沢田研二さんもパナマハットをかぶって歌っていたことがあったような。

町田さん。ボーカル・ムーンライトの衣装は決まりました。
練習しなきゃね。
お別れは、大木トオル・CD「Singin' the America」から
~So darling, Save the last dance for me~♪
投稿者 ムーンライト 2008/12/09 15:07
>ムーンライトさん、ようこそ。
やぁ、新人DJさんの参加により、この番組も、後半はほんとに盛り上がりました。ありがとうございました。

スタッフだけで打ち上げもいいですねぇ!
ムーンライトさん専用のバーボンも用意しましょう。
「ワイルドターキー」 「ジャックダニエル」 なんでもありですよ。

沢田研二さん。
思えば、キザもあそこまで徹底すればすごい 「芸」 ということを実践した人ですネェ!
私はそんなに良きファンではなかったですけど、ああいう歌手を持てた昭和の芸能界はやっぱり豊かだったと思わざるを得ません。

で、胸の深い黒のドレスですかぁ!
また、なんともミステリアス・ムーンライトですねぇ!

そういうムーンライトさんをスタジオにお迎えするには、私もまた 『サラリーマンNEO』 に出てくる沢村一樹さんの 「セクスィー部長」 の姿でお迎えすることにいたしましょう。
 
投稿者 町田 2008/12/10 02:00
>磯部さん、ようこそ。
80年代というのは、良い意味でも悪い意味でも、今の日本の原型ができあがった時代ですね。
ほんと、イケイケ姉ちゃんたちがワンレグ・ボディコンでお立ち台に上がってお尻を振った時代。YMOにディズニーランドにファミコン。

そういう文化がシャワーのように降り注いだ東京は、ホントに奇妙な都市でした。
そういう街が好きだったのか、嫌いだったのか。
実は、気持ちは半分半分というところです。

物事には何でも2面性があって、どちらかに片寄ってしまうと、「面白さ」 というものを見逃してしまうように感じます。

おっしゃるように、わたくしめは 「シティボーイ」 であります。
「シティボーイ」 の軽薄さとか、薄っぺらさ。そんなものにも限りない愛着があります。
磯部さんには、いつも見抜かれてしまいますね。さすがです!
『アメリカン・グラフティ』 に出てくる 「泡」 のようにもろくはかない青春というヤツがお気に入りです。
  
投稿者 町田 2008/12/10 02:20
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