2008年07月25日
カレセンの真意
最近、日本の 「恋愛文化」 というものは、ものすごく洗練されてきたように思う。
特に、女性たちの。
「カレセン」 ブームというものがある。
若い女性たちの間に起こってきた 「枯れたオヤジ好き」 を指すらしい。
どんなオヤジのことか。
社会経験も豊富。教養もある。
その気になれば、女性の気を引く話術も心得ている。
でも、そんな部分を自ら封印し、路地裏の酒場で、ひっそりと瓶ビールなど飲んでいるオヤジ。
そういう世捨て人のようなオヤジが 「カッコいい!」 という風潮があるのだとか。
で、そのカレセン志向の女性たちが集まった対談などを読むと、すっごく面白い。
彼女たちは、“枯れたオヤジ” のどんなところを評価するのか。
ギラギラ感がない。
女に対してガツガツしない。
きわどい関係に進展しそうになると、さっと身を引く。
セックスを超越したようなさっぱり感がある。

▲ 概してカレセンがサマになるのは、若い頃フェロモンむんむんのギラギラ男たちだったりして…
まぁ、そんなような論調で娘たちの話が進んでいくわけだが、それって、男たちにはどう聞こえるのだろうか。
いくら年こいたといっても、魅力的な女性を前に、そう簡単にギラギラ感を抑えられる男はいない。
性欲なんて枯れていようがいまいが、結局男は女の前ではエエカッコしいにならざるを得ない。
ましてや、カレセンなどを意識したら、それにぎこちなさが加わるだけ。
結局、男はカレセンを装うのは無理なのだ。
…ということは、早い話、
「オヤジなんて恋愛の対象外」
ってことを、彼女たちはものすごく優雅な表現に置き換えているだけなのだ。
「ちょいワルオヤジ」 のブームがあったけれど、あれなんかマスコミが熟年男性マーケットを活性化させるために意図的につくったムーブメント。
そこには、男性用衣料メーカー、化粧品メーカー、スポーツカー販売店などのギラギラした思惑がすべて透けて見えていた。
女性たちからすれば、
「何がちょいワルよ、キモ」
…って感じだったろうな。
だけど、
ちょいワルを 「無様だ」 と言い切ってしまえば、そこには何の芸も感じられない。
そこで、並みの男にはとうてい不可能な、
「カレセン」
を持ち出して、やんわりとオヤジの口説きから身を守る。
やっぱ洗練されているでしょ、この感覚。
嫌いなものを 「嫌い」 と言い切って、その理由を挙げていくのは、モノを考えるときのベースにはなるけれど、それをそのままストレートに 「嫌い」 と表現しただけでは、「文化」 は育たない。
文化というのは、評価も好みも正反対の人が聞いても、「なるほど」 と思わせる説得力から生まれてくる。
別名 「話芸」。
カレセンをテーマに掲げた娘たちは、その 「話芸」 を身につけていた。
で、カレセンを謳って、無粋なオヤジをさりげなく拒否しておきながら、彼女たちは、たまに、何十人の候補者のうちから難関を突破して、本当にカレセンと思えるオヤジが登場したら、そのときは口説きに応じてもかまわない、という。
ここに巧妙な詐術がある。
だって、「カレセン」 というのは、モテようという自意識 (ギラギラ感) から脱却したオヤジのことをいうのだから、モテようと思って女に近づけば、そこでもう男は自己矛盾に陥る。
オヤジたちよ、悩め!
結局、若い娘たちはそう言っているのだ。
悩みのないところには、魅力も生まれない。
年こいて、ある程度のお金が操作できるようになったオヤジたちは、若い頃の悩みを忘れてしまっている。
功なり名を遂げた自分をカッコいいと思っている。
そりゃ女から見れば無神経で傲慢だよ。
で、「カレセン」 という表現を使って、若い娘たちはオヤジ教育のテーマを掲げているわけだけど、オバサン型からもメッセージは発せられている。
相変わらずの 「韓流ブーム」 のことだ。
いい年こいたオバサンが、韓国のイケメン俳優たちのおっかけをやる。
それをバカバカしく思ったり、苦々しく思ったりするオヤジたちは多いけれど、それだって 「カレセン」 と同じように、悩みを忘れたオヤジたちに向けた、オバサマ方の優雅な抗議のスタイルなのだ。
「まだヨン様かよ、え? イ・ビョンホンだって。ドラマの中の浮いたセリフにポォーッとしている場合かよ」
なんて、ご主人が韓流にハマった奥様を刺激してみな。
「あなた、このドラマのようなセリフ。私に対して一度でも使ったことがある?」
って、冷たい視線で言い返されるのがオチ。
これも、「お前なんてサイテーの旦那だ!」 っていったところで芸がないと思うオバサマ方の、とても優雅で洗練された抗議の一形態ともとれる。
こういう機微を理解しないと、現代文化の先端を颯爽と走り抜けていく女性たちに、男は置いてきぼりをくうだけだ。
時代を 「理解する」 ってことは、時代の 「悩み」 を皮膚呼吸することだ。
オヤジたちよ、みんなもうちょっと悩めよ。
腹が出てきた、
老眼になった、
部下たちが陰でおちょくっている…
悩みってのは、それだけじゃないだろ?
特に、女性たちの。
「カレセン」 ブームというものがある。
若い女性たちの間に起こってきた 「枯れたオヤジ好き」 を指すらしい。
どんなオヤジのことか。
社会経験も豊富。教養もある。
その気になれば、女性の気を引く話術も心得ている。
でも、そんな部分を自ら封印し、路地裏の酒場で、ひっそりと瓶ビールなど飲んでいるオヤジ。
そういう世捨て人のようなオヤジが 「カッコいい!」 という風潮があるのだとか。
で、そのカレセン志向の女性たちが集まった対談などを読むと、すっごく面白い。
彼女たちは、“枯れたオヤジ” のどんなところを評価するのか。
ギラギラ感がない。
女に対してガツガツしない。
きわどい関係に進展しそうになると、さっと身を引く。
セックスを超越したようなさっぱり感がある。
▲ 概してカレセンがサマになるのは、若い頃フェロモンむんむんのギラギラ男たちだったりして…
まぁ、そんなような論調で娘たちの話が進んでいくわけだが、それって、男たちにはどう聞こえるのだろうか。
いくら年こいたといっても、魅力的な女性を前に、そう簡単にギラギラ感を抑えられる男はいない。
性欲なんて枯れていようがいまいが、結局男は女の前ではエエカッコしいにならざるを得ない。
ましてや、カレセンなどを意識したら、それにぎこちなさが加わるだけ。
結局、男はカレセンを装うのは無理なのだ。
…ということは、早い話、
「オヤジなんて恋愛の対象外」
ってことを、彼女たちはものすごく優雅な表現に置き換えているだけなのだ。
「ちょいワルオヤジ」 のブームがあったけれど、あれなんかマスコミが熟年男性マーケットを活性化させるために意図的につくったムーブメント。
そこには、男性用衣料メーカー、化粧品メーカー、スポーツカー販売店などのギラギラした思惑がすべて透けて見えていた。
女性たちからすれば、
「何がちょいワルよ、キモ」
…って感じだったろうな。
だけど、
ちょいワルを 「無様だ」 と言い切ってしまえば、そこには何の芸も感じられない。
そこで、並みの男にはとうてい不可能な、
「カレセン」
を持ち出して、やんわりとオヤジの口説きから身を守る。
やっぱ洗練されているでしょ、この感覚。
嫌いなものを 「嫌い」 と言い切って、その理由を挙げていくのは、モノを考えるときのベースにはなるけれど、それをそのままストレートに 「嫌い」 と表現しただけでは、「文化」 は育たない。
文化というのは、評価も好みも正反対の人が聞いても、「なるほど」 と思わせる説得力から生まれてくる。
別名 「話芸」。
カレセンをテーマに掲げた娘たちは、その 「話芸」 を身につけていた。
で、カレセンを謳って、無粋なオヤジをさりげなく拒否しておきながら、彼女たちは、たまに、何十人の候補者のうちから難関を突破して、本当にカレセンと思えるオヤジが登場したら、そのときは口説きに応じてもかまわない、という。
ここに巧妙な詐術がある。
だって、「カレセン」 というのは、モテようという自意識 (ギラギラ感) から脱却したオヤジのことをいうのだから、モテようと思って女に近づけば、そこでもう男は自己矛盾に陥る。
オヤジたちよ、悩め!
結局、若い娘たちはそう言っているのだ。
悩みのないところには、魅力も生まれない。
年こいて、ある程度のお金が操作できるようになったオヤジたちは、若い頃の悩みを忘れてしまっている。
功なり名を遂げた自分をカッコいいと思っている。
そりゃ女から見れば無神経で傲慢だよ。
で、「カレセン」 という表現を使って、若い娘たちはオヤジ教育のテーマを掲げているわけだけど、オバサン型からもメッセージは発せられている。
相変わらずの 「韓流ブーム」 のことだ。
いい年こいたオバサンが、韓国のイケメン俳優たちのおっかけをやる。
それをバカバカしく思ったり、苦々しく思ったりするオヤジたちは多いけれど、それだって 「カレセン」 と同じように、悩みを忘れたオヤジたちに向けた、オバサマ方の優雅な抗議のスタイルなのだ。
「まだヨン様かよ、え? イ・ビョンホンだって。ドラマの中の浮いたセリフにポォーッとしている場合かよ」
なんて、ご主人が韓流にハマった奥様を刺激してみな。
「あなた、このドラマのようなセリフ。私に対して一度でも使ったことがある?」
って、冷たい視線で言い返されるのがオチ。
これも、「お前なんてサイテーの旦那だ!」 っていったところで芸がないと思うオバサマ方の、とても優雅で洗練された抗議の一形態ともとれる。
こういう機微を理解しないと、現代文化の先端を颯爽と走り抜けていく女性たちに、男は置いてきぼりをくうだけだ。
時代を 「理解する」 ってことは、時代の 「悩み」 を皮膚呼吸することだ。
オヤジたちよ、みんなもうちょっと悩めよ。
腹が出てきた、
老眼になった、
部下たちが陰でおちょくっている…
悩みってのは、それだけじゃないだろ?
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