2008年06月30日
奇岩博物館
《 モーターホームでアメリカを走る 番外編 4 》
岩ばかり撮ってきた。
「あなた岩にしか興味がないの?」
今回のアメリカ旅行で撮った画像を見たカミさんは、そういう。
このたびの旅行では、コンパクトフラッシュを5枚用意した。
1枚で、約150カットほど撮れるから、全部で750カットほどの画像を残したことになるのだが、確かにその4分の1ほどが、モニュメントバレーをはじめ、走行中にクルマを止めて撮った 「岩」 だった。

う~む…。
自分では意識していなかったのだが、撮った画像を調べてみると、確かに、岩山の画像が多い。
だって、面白いんだから仕方がない。
アリゾナ、ユタ州などの 「グランドサークル」 といわれる観光地を抱えたエリアは、とにかく “奇岩博物館” である。

別にモニュメントバレーやグランドキャニオンまで出向かなくても、ちょっと郊外を走ってみれば、不思議な形をした岩がごろごろ転がっている。
どれもみな、何万年に及ぶ風雨の侵食を受けて造り出された天然のオブジェなのだが、
「裏側に回り込むと、ひょっとして作者の名前が彫られているのではないか?」 …と思えるくらい、人工物の気配を漂わせている。
自然のくせに、妙に 「不自然な形」 なのだ。
この不思議な岩のアートに魅せられて、走行中もちょくちょくクルマを止めてはカメラに収めた。
肉眼で見たときは、「おおすげぇ!」 と思っても、実際にファインダーを覗いてみるとたいしたことはなかったりする。
やはり、世界を小さく切り取ってしまうカメラのファインダーは、人間が肉眼で捉えたときのスケール感には及ばない。
ただの岩が 「奇岩」 に思えるのは、それが、360度フラットなアメリカの荒野にぽつねんと立ち尽くしていたりするからだろう。

周りはまっ平らなのに、なぜ、この岩だけ天に向かって伸びているの?
その異和感、アンバランス感、理不尽さ…。
言葉にしようとも言葉にならない奇妙なもどかしさが、かえって想像力を刺激する。
「自然は芸術を模倣する」
という有名な言葉を残したのは、イギリスの小説家オスカー・ワイルドだ。
たとえば、湖面に揺れるスイレンの花。
あるいは、昼下がりの麦畑。
そのスイレンを見て、ある人はモネの描いた 「スイレン」 のように涼しげだと思うかもしれないし、麦畑を見た人は、「この麦畑は、ゴッホの描いた麦畑みたいに光っている」 なんて思うかもしれない。

▲ モネの睡蓮
我々は風景を見るとき、無意識のうちに、どこかの美術書やテレビのCMなどに使われた有名な風景画 (あるいは映画やドラマの風景) の印象を重ねている。

▲ ゴッホの麦畑
つまり、人間の意識に入ってくる 「風景」 というのは、実は、見た人の体験や美意識のフィルターを通じて変形されている。
「自然は芸術を模倣する」 というワイルドの言葉は、そういう意味だ。
アリゾナ、ユタ州あたりに散らばる奇岩は、みなマネッ子の名人だった。
ハリウッドのあるカリフォルニアに近いせいか、「芸術」 といってもどことなく映画的。
『キングコング』 や 『ジェラシックパーク』 を彷彿とさせるモンスターコングや恐竜に見えるものが目白押し。
見ていて飽きない。

▲ 丘の上から地上を見下ろすキングコング?
見る人間の気持ち一つの変化で、「何者かの作意」 を伝えてくる自然。
冷たい無機物が、突如メッセージを発するという神秘。
「人間の意識の問題」 といってしまえば、それまでだけど、どうもこういうところに自分の好奇心は働く傾向が強いようだ。
誰かが何かの意図によって造ったものではまったくないのに、何かの意図が隠されているようにも見える。
ああ、もう…このもどかしさがたまらない。

▲ 岩山の頂上から放射される雲が、虚空に向かって何かのメッセージを発信している…???
岩ばかり撮ってきた。
「あなた岩にしか興味がないの?」
今回のアメリカ旅行で撮った画像を見たカミさんは、そういう。
このたびの旅行では、コンパクトフラッシュを5枚用意した。
1枚で、約150カットほど撮れるから、全部で750カットほどの画像を残したことになるのだが、確かにその4分の1ほどが、モニュメントバレーをはじめ、走行中にクルマを止めて撮った 「岩」 だった。
う~む…。
自分では意識していなかったのだが、撮った画像を調べてみると、確かに、岩山の画像が多い。
だって、面白いんだから仕方がない。
アリゾナ、ユタ州などの 「グランドサークル」 といわれる観光地を抱えたエリアは、とにかく “奇岩博物館” である。
別にモニュメントバレーやグランドキャニオンまで出向かなくても、ちょっと郊外を走ってみれば、不思議な形をした岩がごろごろ転がっている。
どれもみな、何万年に及ぶ風雨の侵食を受けて造り出された天然のオブジェなのだが、
「裏側に回り込むと、ひょっとして作者の名前が彫られているのではないか?」 …と思えるくらい、人工物の気配を漂わせている。
自然のくせに、妙に 「不自然な形」 なのだ。
この不思議な岩のアートに魅せられて、走行中もちょくちょくクルマを止めてはカメラに収めた。
肉眼で見たときは、「おおすげぇ!」 と思っても、実際にファインダーを覗いてみるとたいしたことはなかったりする。
やはり、世界を小さく切り取ってしまうカメラのファインダーは、人間が肉眼で捉えたときのスケール感には及ばない。
ただの岩が 「奇岩」 に思えるのは、それが、360度フラットなアメリカの荒野にぽつねんと立ち尽くしていたりするからだろう。
周りはまっ平らなのに、なぜ、この岩だけ天に向かって伸びているの?
その異和感、アンバランス感、理不尽さ…。
言葉にしようとも言葉にならない奇妙なもどかしさが、かえって想像力を刺激する。
「自然は芸術を模倣する」
という有名な言葉を残したのは、イギリスの小説家オスカー・ワイルドだ。
たとえば、湖面に揺れるスイレンの花。
あるいは、昼下がりの麦畑。
そのスイレンを見て、ある人はモネの描いた 「スイレン」 のように涼しげだと思うかもしれないし、麦畑を見た人は、「この麦畑は、ゴッホの描いた麦畑みたいに光っている」 なんて思うかもしれない。
▲ モネの睡蓮
我々は風景を見るとき、無意識のうちに、どこかの美術書やテレビのCMなどに使われた有名な風景画 (あるいは映画やドラマの風景) の印象を重ねている。
▲ ゴッホの麦畑
つまり、人間の意識に入ってくる 「風景」 というのは、実は、見た人の体験や美意識のフィルターを通じて変形されている。
「自然は芸術を模倣する」 というワイルドの言葉は、そういう意味だ。
アリゾナ、ユタ州あたりに散らばる奇岩は、みなマネッ子の名人だった。
ハリウッドのあるカリフォルニアに近いせいか、「芸術」 といってもどことなく映画的。
『キングコング』 や 『ジェラシックパーク』 を彷彿とさせるモンスターコングや恐竜に見えるものが目白押し。
見ていて飽きない。
▲ 丘の上から地上を見下ろすキングコング?
見る人間の気持ち一つの変化で、「何者かの作意」 を伝えてくる自然。
冷たい無機物が、突如メッセージを発するという神秘。
「人間の意識の問題」 といってしまえば、それまでだけど、どうもこういうところに自分の好奇心は働く傾向が強いようだ。
誰かが何かの意図によって造ったものではまったくないのに、何かの意図が隠されているようにも見える。
ああ、もう…このもどかしさがたまらない。
▲ 岩山の頂上から放射される雲が、虚空に向かって何かのメッセージを発信している…???

と語られていたのが…
「自然は芸術を模倣する」
の名言を引用することで俗世から奇岩を捉え
「誰かが何かの意図によって造ったものではまったくないのに、何かの意図が隠されているようにも見える。」
と町田さんが自然に深く惹きつけられていかれていかれたのが…よくわかります。
町田さんのアメリカ素描!流石です!
コメントを拝読し、ブタイチさんが関心を持たれるものの方向性と、自分が興味を持つもののベクトルの角度が同じかな…という思いを強く持ちました。自分が表現したいものをよく捉えてくださるな…と感心する一方、ちょっぴり(いい意味での)緊張感もあります。
うん! 良い読者を得られて、このブログは幸せなブログです。
夏休みの時間潰しの中で、たまたま拝見しました。
先を越された、という感じです。
私もいつかはこのような旅をしたいと思っておりました。そして場所は正に同じラスベガスからグランドキャニオン・モニュメントバレーです。ラスベガス・グランドキャニオンは過去に二度ほど行っておりますが、ラスベガスとグランドキャニオンは世界一の造形美と自然美ですね。行く度に景色の変わるラスベガスと変化しないグランドキャニオンの景観。ほんとうに素晴らしいですね。そこをモーターホームで過ごしたなんて・・・。いつの日か息子とハーレー(紹介されていたレンタルも有かな)で行きたいです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
ラスベガス、グランドキャニオン、モニュメントバレーをそれぞれ2度も行ってらっしゃるとは素敵なことです。
私もまたもう一回モーターホームで回ってみたいと思っています。前回の旅はまだ不慣れだったため、「ああすれば…、こうすれば…」と多少悔やむ部分もなきにしもあらず。
ちょっと駆け足だったのが残念です。
次は時間配分なども、もっとうまくやれそうに思えるのですが….
ハーレーの旅もいいですね。でも大型バイクの経験が皆無なので、こっちは憧れだけで終わりそうです。