2008年02月26日
ミラノスタイル
【お勧めキャンカー24 「ミラノスタイル」】
幕張のキャンピングカーショーでデビューして脚光を浴び、続く名古屋のショーでも、来場者の注目を一身に浴びたハイエースのキャンピングカーがあった。
ミラノスタイル
ハイエース・スーパーロングをベースに、トイファクトリーがリリースしたバンコンだ。

このクルマが多くの人たちの視線を集めたのは、ふたつの理由による。
まず、従来の内装デザインを刷新してしまうような、完璧なヨーロッパスタイルの内装。
そして、同社がこだわり続けていた 「断熱」 に対する革新的な新意匠。
国産バンコンの歴史が変わるかしれない。
誰もが、うすうすそう感じるような衝撃を、このクルマは秘めていた。

外形的な特徴から入ると、驚くのはその窓部分。
キャブコンでも、こう見事には決まらないだろうと思えるようなアクリル2重ウィンドウが、サイド、そしてリヤの7面を埋めている。

アクリル窓をはめ込むアタッチメントの形状が見事だ。
コーナー部分には微妙なアールが施されているが、風切り音を極小に抑えるための工夫がコンピューター上の計算によって導き出されているという。
そこには、ボーイング787で試みられた型づくりの手法が生かされているとも聞く。
バンコンの場合、ボディ部分にいくら断熱材を封入しても、熱伝導率が高いガラス窓がある限り、断熱効果は完璧ではないと言われ続けていた。
それを見事にくつがえしたのが、このアクリル断熱ウィンドウだった。
トイファクトリーの藤井社長はこう語る。
「この断熱ウィンドウを開発した背景には、本当の意味での、環境に優しいクルマを造りたかったからです。 “環境に優しいクルマ” と口で言うのは簡単ですが、私たちが造ってきたクルマも含め、まだ技術的に、そのテーマに答え切るキャンピングカーは生まれてこなかった。
しかし、このように、バンコンの窓を断熱化することによって、クーラーやヒーター機能を生かすためのアイドリングが減ります。その分、ガソリンの消費量も減ります。
だから、断熱効果を高めることは、少しでも環境破壊を防ぐ意味があるということを知ってもらいたかったのです」
実際このような試みは、ヨーロッパのバンコンメーカーにおいてもまだ実用化されていないという。
ヨーロッパでは、バンコンの窓を断熱化するときには、パネルをカットしてアクリル窓を取り付けるという手法が一般的だ。
作業効率が落ちるため、手間もかかり、コストも上がる。
だから、そこまで至らないヨーロッパのバンコンでは、いきおい、大型のFFヒーターなどを取り付けて暖を採る方向で解決せざるを得ない。
トイファクトリーが開発したバンコン用アクリル2重窓システムは、キャンピングカーの本場ヨーロッパをもしのぐ画期的な新意匠を提示することになった。

軽量化を図るということも、燃費を向上させるための王道だ。
ミラノスタイルの家具では、徹底的にフラッシュ (中抜き) 構造を採用することによって、軽量化が追求された。
それはどこのビルダーでも採り入れている手法だが、トイファクトリーでは、ヨーロッパの一流ビルダーのやり方を手本に、パーツひとつひとつにかかる重量を徹底的に計算したという。
それによって、フラッシュ構造を採り入れた方が、強度や剛性を確保できる部位をきちんと割り出した。
もちろん、質感を大事にする場所には、効果的にムク材を使った。

ミラノスタイルの内装を見ると、単なるデザイン上の整合感とは別の、構造上の整合感というものが感じられる。
おそらく、強度計算などを徹底させることによって生まれる合理性と安定感が、内装デザイン全体に、機能美のようなものを付与しているのだろう。
それにしても、このクルマの内装デザインは見事だ。
「ヨーロッパ調インテリア」
をキャッチとして謳う国産車は、今までも数多くあったが、色合いや形はヨーロッパ的ではあっても、日本人が考えるヨーロッパデザインは、どこか演歌のテイストが滲んでいた。
それがミラノスタイルには感じられない。
入れ物はハイエースであっても、中味は、国産車であることを微塵も感じさせないヨーロッパ風インテリアが完璧に実現されている。
その秘密がよく分からなかった。
藤井社長に聞くと、
「色合わせを考えた」
という、いたってシンプルな、狐につままれたような気分にさせる答が返ってきただけだった。

彼はいう。
「衣服などにおいても、アメリカやヨーロッパ物の中には、素材が粗末なものであっても、日本では真似できないようなカッコよさを秘めたものがたくさんあります。
その秘密は、単純に “色合わせ” だけなんです。
いかに高価な素材を使おうとも、色合わせで失敗した商品は、見る影もなくなります。
逆に、色合わせが決まれば、仮に素材がチープであっても、カッコよさというものは生まれてくるものです」
口でそう言うのはやさしいが、感覚だけが頼りの色合わせの世界というのは、いざ実行するとなると、成功させるための道のりは限りなくけわしい。
ミラノスタイルでは、床の色だけで7通りぐらいの床合わせが行われた。
キッチンの天板なども、黒、コゲ茶、白…。それぞれ光沢のあるもの、ないもの。
あらゆる色と質感を持った天板が試された。
家具のフォルムの割り出しにも、通常の倍以上におよぶ図面が制作されることになった。
形が決まっても、色を付けると狙った効果が現れず、見送られたものも数限りなくあった。
それでも、「まだまだ課題は残っている」 と、藤井氏は語る。
「たとえば、テーブルポール。あれは間に合わせで使ったもの。あそこにもオリジナルのパーツを入れる予定ですが、あのテーブルポールだけが、全体の雰囲気を損なっている」
そのこだわりが、実によく分かるのである。同感だった。
トイファクトリーでは、このクルマのデザインを実現させるために、自社スタッフをイタリアのミラノまで派遣している。
本場のモノを見て、本場の空気に触れると、人間の感性も変わるという。

デザインはヨーロッパと同等。
そして、機能は、ヨーロッパのバンコンをもしのぐ新技術が投入されたミラノスタイル。
日本のキャンピングカーが、いよいよ世界水準に到達する日が近づいてきたのかもしれない。
幕張のキャンピングカーショーでデビューして脚光を浴び、続く名古屋のショーでも、来場者の注目を一身に浴びたハイエースのキャンピングカーがあった。
ミラノスタイル
ハイエース・スーパーロングをベースに、トイファクトリーがリリースしたバンコンだ。
このクルマが多くの人たちの視線を集めたのは、ふたつの理由による。
まず、従来の内装デザインを刷新してしまうような、完璧なヨーロッパスタイルの内装。
そして、同社がこだわり続けていた 「断熱」 に対する革新的な新意匠。
国産バンコンの歴史が変わるかしれない。
誰もが、うすうすそう感じるような衝撃を、このクルマは秘めていた。
外形的な特徴から入ると、驚くのはその窓部分。
キャブコンでも、こう見事には決まらないだろうと思えるようなアクリル2重ウィンドウが、サイド、そしてリヤの7面を埋めている。
アクリル窓をはめ込むアタッチメントの形状が見事だ。
コーナー部分には微妙なアールが施されているが、風切り音を極小に抑えるための工夫がコンピューター上の計算によって導き出されているという。
そこには、ボーイング787で試みられた型づくりの手法が生かされているとも聞く。
バンコンの場合、ボディ部分にいくら断熱材を封入しても、熱伝導率が高いガラス窓がある限り、断熱効果は完璧ではないと言われ続けていた。
それを見事にくつがえしたのが、このアクリル断熱ウィンドウだった。
トイファクトリーの藤井社長はこう語る。
「この断熱ウィンドウを開発した背景には、本当の意味での、環境に優しいクルマを造りたかったからです。 “環境に優しいクルマ” と口で言うのは簡単ですが、私たちが造ってきたクルマも含め、まだ技術的に、そのテーマに答え切るキャンピングカーは生まれてこなかった。
しかし、このように、バンコンの窓を断熱化することによって、クーラーやヒーター機能を生かすためのアイドリングが減ります。その分、ガソリンの消費量も減ります。
だから、断熱効果を高めることは、少しでも環境破壊を防ぐ意味があるということを知ってもらいたかったのです」
実際このような試みは、ヨーロッパのバンコンメーカーにおいてもまだ実用化されていないという。
ヨーロッパでは、バンコンの窓を断熱化するときには、パネルをカットしてアクリル窓を取り付けるという手法が一般的だ。
作業効率が落ちるため、手間もかかり、コストも上がる。
だから、そこまで至らないヨーロッパのバンコンでは、いきおい、大型のFFヒーターなどを取り付けて暖を採る方向で解決せざるを得ない。
トイファクトリーが開発したバンコン用アクリル2重窓システムは、キャンピングカーの本場ヨーロッパをもしのぐ画期的な新意匠を提示することになった。
軽量化を図るということも、燃費を向上させるための王道だ。
ミラノスタイルの家具では、徹底的にフラッシュ (中抜き) 構造を採用することによって、軽量化が追求された。
それはどこのビルダーでも採り入れている手法だが、トイファクトリーでは、ヨーロッパの一流ビルダーのやり方を手本に、パーツひとつひとつにかかる重量を徹底的に計算したという。
それによって、フラッシュ構造を採り入れた方が、強度や剛性を確保できる部位をきちんと割り出した。
もちろん、質感を大事にする場所には、効果的にムク材を使った。
ミラノスタイルの内装を見ると、単なるデザイン上の整合感とは別の、構造上の整合感というものが感じられる。
おそらく、強度計算などを徹底させることによって生まれる合理性と安定感が、内装デザイン全体に、機能美のようなものを付与しているのだろう。
それにしても、このクルマの内装デザインは見事だ。
「ヨーロッパ調インテリア」
をキャッチとして謳う国産車は、今までも数多くあったが、色合いや形はヨーロッパ的ではあっても、日本人が考えるヨーロッパデザインは、どこか演歌のテイストが滲んでいた。
それがミラノスタイルには感じられない。
入れ物はハイエースであっても、中味は、国産車であることを微塵も感じさせないヨーロッパ風インテリアが完璧に実現されている。
その秘密がよく分からなかった。
藤井社長に聞くと、
「色合わせを考えた」
という、いたってシンプルな、狐につままれたような気分にさせる答が返ってきただけだった。
彼はいう。
「衣服などにおいても、アメリカやヨーロッパ物の中には、素材が粗末なものであっても、日本では真似できないようなカッコよさを秘めたものがたくさんあります。
その秘密は、単純に “色合わせ” だけなんです。
いかに高価な素材を使おうとも、色合わせで失敗した商品は、見る影もなくなります。
逆に、色合わせが決まれば、仮に素材がチープであっても、カッコよさというものは生まれてくるものです」
口でそう言うのはやさしいが、感覚だけが頼りの色合わせの世界というのは、いざ実行するとなると、成功させるための道のりは限りなくけわしい。
ミラノスタイルでは、床の色だけで7通りぐらいの床合わせが行われた。
キッチンの天板なども、黒、コゲ茶、白…。それぞれ光沢のあるもの、ないもの。
あらゆる色と質感を持った天板が試された。
家具のフォルムの割り出しにも、通常の倍以上におよぶ図面が制作されることになった。
形が決まっても、色を付けると狙った効果が現れず、見送られたものも数限りなくあった。
それでも、「まだまだ課題は残っている」 と、藤井氏は語る。
「たとえば、テーブルポール。あれは間に合わせで使ったもの。あそこにもオリジナルのパーツを入れる予定ですが、あのテーブルポールだけが、全体の雰囲気を損なっている」
そのこだわりが、実によく分かるのである。同感だった。
トイファクトリーでは、このクルマのデザインを実現させるために、自社スタッフをイタリアのミラノまで派遣している。
本場のモノを見て、本場の空気に触れると、人間の感性も変わるという。
デザインはヨーロッパと同等。
そして、機能は、ヨーロッパのバンコンをもしのぐ新技術が投入されたミラノスタイル。
日本のキャンピングカーが、いよいよ世界水準に到達する日が近づいてきたのかもしれない。

防音に関しては都内のある会社が特許を取り、他のキャンピングビルダーに制約を加える動きが有るのが残念です。この車をロングワイドベースで作成してくれていたら大都市圏のユーザーがもっと購入しやすくなるものと思います。
ミラノスタイルは、やっぱり、見た感じからも開発者の熱意が伝わってきました。まぁ、それで、紹介記事も少し力みすぎたところもあるかもしれません。
でも、二木さんがおっしゃるように、断熱・防音にひとつの回答を与えたモデルだと思います。
そのうち、大都市圏のユーザーに適したサイズのものも出るでしょう。
キャンピングカーと旅車というセグメントも、これからはもっとはっきりしてくるかもしれませんね。
トイさんが、今後どのようなクルマをつくっていくのか、楽しみです。
ここへ辿り着きました
「防音に関しては都内のある会社が特許を」
とありますがその防音性能を持つのは
どのビルダーなんでしょうか
充分購入動機になりますので
教えて頂けると幸いです