2006年11月20日
ランドナーを語る
《覆面 座談会 フレックス・ランドナーを語る》
【A】 ハイエース人気で、ハイエースを特集したムック本がみな売れているんだよね。キャンピングカー専門誌もハイエースを表紙に出すと評判がいいらしい。
今日はそのなかで、アルフレックスの開発した「フレックス・ランドナー」というバンコンを取り上げてみようと思うんだけど。
【B】 う~ん…メジャーなクルマじゃないよね。バンコンのメインストリームから外れていると思うけどな。
【A】 だから面白い。このクルマを見ていると、ハイエースのマーケットというものがよく見えるような気がする。
【C】 どういうこと?

【A】 確かに、今ハイエースのバンコンは売れているけれど、それでも全車種を総合しても、憶測としては、いいとこ年間1,000台とか1,200台といったところじゃないのかな。
しかし、ハイエース全体の販売数は年間6万台以上ある。しかも、その過半数はロングバンのナローが占め、さらにその大半がスーパーGLだ。
このSGLを購入するユーザーの大半は、パーソナルユースだよ。
何が言いたいかというと、ハイエースのキャンピングカーがいくらブームだからといって、スーパーGLを求める客層の10分の1ぐらいでしかないということ。
フレックス・ランドナーというクルマは、キャンピングカーの壁を越えて、その10倍ともいえる外の世界を狙ったクルマなんだよね。
【C】 しかし、それならランドナーに限ったことじゃないんじゃないか? この200系ハイエースが出た頃から、これをトランポ的に扱う若いユーザーを見越して、各社はそれに応じたシンプルなモデルを最初から準備している。
そういう取り組みなら、トップメーカーのリンエイが抜かりないし、トイファクトリーのトイズボックスなどもその腺狙いだ。
【A】 いや、トランポではないんだよ。若いユーザー向けのバンコンというと、みな「遊びのギアを積んで…」という発想が最初に浮かんでしまうから、すぐトランポに行ってしまうけれど、必ずしもそういう客層ばかりではない。
【B】 では、どういう層を狙っているというの?
【A】 ボディにエアロを巻いたり、ローダウンで車高を落としたりというカスタム系のクルマを好む人たちだね。
【B】 それならこれはむしろ大人し過ぎるよ。中途半端。
【A】 いや、そこがむしろこのクルマの狙いなのね。実際このクルマを買っている人たちの年齢層って、知ってる?
【C】 20代。
【A】 違うんだよ。30代後半から40代。家庭持ちの人がほどんど。逆に、20代はいないのね。
つまりね、若い頃コテコテに改造したシャコタンなんかに乗っていたけれど、一応卒業して、結婚して。
さすがにそういうクルマにはもう乗れない。
だけど、「ただのバンに乗っているんじゃないんだよ」 「スーパーGLだよ」 「しかもアルミを履いているよ」 「フロントスポイラーも付いているよ」
そこを主張したい人たちから絶大な支持を受けているのが、このクルマなのね。
【C】 「郷愁としてのカスタムカー」か。
【A】 そうなんだよ。若くはないが、絶対オヤジになりたくない。
フレックス・ランドナーに乗る人はみなそういう気持ちなのさ。

【B】 で、実際に売れているの?
【A】 キャンピングカーとしてのシェアはたいしたことないんじゃない? だけど逆に、オートサロンなんかのハイエースコーナーだとステータスになっていて、けっこう売れているらしい。
「やっぱりキャンピングカー屋が手がけるカスタムカーは格調がある」という評価なのね。
キンキラした内装で、ヒップホップがガンガンかかっているクルマとは一線を画しているからね。
【C】 確かに、一見「おとなしめ」だよね。ローダウンといっても2インチ落としているだけで、走行性能が損なわれるようなことはしていないし、扁平タイヤも扁平率は55止まり。
【A】 しかし、見る人が見れば個性がすぐ分かる。オプションでしっかりオリジナルのフロントスポイラーが用意されているし、ドアミラーは輸出用のものが採用されている。
グリルもボディ同色にして、いちおう流行りの「ワル顔」を装っている。
【C】 他のハイエースキャンパーでは手が回らなかった部分をしっかり造り込んでいるというわけか。
【A】 …というか、外装に関しては、やんちゃっぽい演出をはっきり打ち出しているわけだね。
【B】 だけど、ハイエースのキャンピングカーを探しに来た人が、フロントスポイラーを見ても輸出用ミラーを見ても、特に感激しないと思うよ。
正統的なキャンピングカーを求める人の視点はそこにはないから。
【A】 それはそれでいいんだけどね。ただ、キャンピングカーショーの会場に来ている人で、営業スタッフの説明を求めるわけでもなく、ただクルマの中を覗きこんで帰って行く人がいっぱいいるよね。
そういう人の中には、カスタムのアイデアだけを求めて来場する人が結構いるんだよ。
彼らはカスタム系のイベントに行ったときに、そっちに出展する業者さんたちに尋ねるわけ。
「キャンピングカーショーでこういう改造例を見たんですけど、カスタムできますか?」って。
【B】 だけど、内装はすごくシンプルじゃない? あまりこだわっているクルマには見えないんだけど。
【A】 しかし、よく見ると違う。たとえばキャビネット。みな扉がついていないんだよ。
普通のキャンピングカー屋さんの場合、とにかく扉がある方がステータスになると思うから、キャビネットはみな扉つきだよね。
しかし、こういうクルマに乗る人は扉があると不便なんだよ。開けるときに、いちいちシートをずらさないとならないから。
だから、このクルマの場合、キャビネットはみなポケット構造になっている。シートがどの位置にあっても、手を伸ばせばそのまま中の物が取り出せる。

【C】 なるほど。乗用車の感覚か。市販のワゴンはみなそうなっているからね。
【A】 そう。だから「土足厳禁」ではないんだよ。靴を履いたまま乗れるようになっている。
そのため家具類の下にカーペットが巻いてある。つまり靴が当たっても、キャビネットが傷つかないようになっているわけだね。
キャンピングカーというと、誰もがすぐにトイレとかギャレーという装備を思い浮かべるけれど、このシューズプロテクターのような装備は、逆に普通のキャンピングカーにはないわけ。
それに3列目のシートにこだわっていないというのも特徴だしね。
【C】 そうか。一般的なキャンピングカーとは発想が違うというわけか。
【B】 ただ何度もいうけど、ビークルとかレクビィのような老舗のバンコンメーカーはやらない手法だよな。
ニッチな部分を狙っているという面白さはあるけれど、キャンピングカーのメインストリームではない。
【A】 いや、何がメインで何がニッチかなんて、ユーザーにとってはあまり意味がないことだよ。
それよりも、ハイエースの新しいカテゴリーだと思った方が楽しい。乗用車でもなければキャンピングカーでもない。
寝るための設備を持ったワンボックスワゴン。
そういうカテゴリーはみんなが狙っていたけれど、マーケットリサーチをしっかり行った分、このフレックス・ランドナーにアドバンテージがある。
このクルマの開発者には、顧客の顔がしっかり見えていると思うよ。
【A】 ハイエース人気で、ハイエースを特集したムック本がみな売れているんだよね。キャンピングカー専門誌もハイエースを表紙に出すと評判がいいらしい。
今日はそのなかで、アルフレックスの開発した「フレックス・ランドナー」というバンコンを取り上げてみようと思うんだけど。
【B】 う~ん…メジャーなクルマじゃないよね。バンコンのメインストリームから外れていると思うけどな。
【A】 だから面白い。このクルマを見ていると、ハイエースのマーケットというものがよく見えるような気がする。
【C】 どういうこと?
【A】 確かに、今ハイエースのバンコンは売れているけれど、それでも全車種を総合しても、憶測としては、いいとこ年間1,000台とか1,200台といったところじゃないのかな。
しかし、ハイエース全体の販売数は年間6万台以上ある。しかも、その過半数はロングバンのナローが占め、さらにその大半がスーパーGLだ。
このSGLを購入するユーザーの大半は、パーソナルユースだよ。
何が言いたいかというと、ハイエースのキャンピングカーがいくらブームだからといって、スーパーGLを求める客層の10分の1ぐらいでしかないということ。
フレックス・ランドナーというクルマは、キャンピングカーの壁を越えて、その10倍ともいえる外の世界を狙ったクルマなんだよね。
【C】 しかし、それならランドナーに限ったことじゃないんじゃないか? この200系ハイエースが出た頃から、これをトランポ的に扱う若いユーザーを見越して、各社はそれに応じたシンプルなモデルを最初から準備している。
そういう取り組みなら、トップメーカーのリンエイが抜かりないし、トイファクトリーのトイズボックスなどもその腺狙いだ。
【A】 いや、トランポではないんだよ。若いユーザー向けのバンコンというと、みな「遊びのギアを積んで…」という発想が最初に浮かんでしまうから、すぐトランポに行ってしまうけれど、必ずしもそういう客層ばかりではない。
【B】 では、どういう層を狙っているというの?
【A】 ボディにエアロを巻いたり、ローダウンで車高を落としたりというカスタム系のクルマを好む人たちだね。
【B】 それならこれはむしろ大人し過ぎるよ。中途半端。
【A】 いや、そこがむしろこのクルマの狙いなのね。実際このクルマを買っている人たちの年齢層って、知ってる?
【C】 20代。
【A】 違うんだよ。30代後半から40代。家庭持ちの人がほどんど。逆に、20代はいないのね。
つまりね、若い頃コテコテに改造したシャコタンなんかに乗っていたけれど、一応卒業して、結婚して。
さすがにそういうクルマにはもう乗れない。
だけど、「ただのバンに乗っているんじゃないんだよ」 「スーパーGLだよ」 「しかもアルミを履いているよ」 「フロントスポイラーも付いているよ」
そこを主張したい人たちから絶大な支持を受けているのが、このクルマなのね。
【C】 「郷愁としてのカスタムカー」か。
【A】 そうなんだよ。若くはないが、絶対オヤジになりたくない。
フレックス・ランドナーに乗る人はみなそういう気持ちなのさ。
【B】 で、実際に売れているの?
【A】 キャンピングカーとしてのシェアはたいしたことないんじゃない? だけど逆に、オートサロンなんかのハイエースコーナーだとステータスになっていて、けっこう売れているらしい。
「やっぱりキャンピングカー屋が手がけるカスタムカーは格調がある」という評価なのね。
キンキラした内装で、ヒップホップがガンガンかかっているクルマとは一線を画しているからね。
【C】 確かに、一見「おとなしめ」だよね。ローダウンといっても2インチ落としているだけで、走行性能が損なわれるようなことはしていないし、扁平タイヤも扁平率は55止まり。
【A】 しかし、見る人が見れば個性がすぐ分かる。オプションでしっかりオリジナルのフロントスポイラーが用意されているし、ドアミラーは輸出用のものが採用されている。
グリルもボディ同色にして、いちおう流行りの「ワル顔」を装っている。
【C】 他のハイエースキャンパーでは手が回らなかった部分をしっかり造り込んでいるというわけか。
【A】 …というか、外装に関しては、やんちゃっぽい演出をはっきり打ち出しているわけだね。
【B】 だけど、ハイエースのキャンピングカーを探しに来た人が、フロントスポイラーを見ても輸出用ミラーを見ても、特に感激しないと思うよ。
正統的なキャンピングカーを求める人の視点はそこにはないから。
【A】 それはそれでいいんだけどね。ただ、キャンピングカーショーの会場に来ている人で、営業スタッフの説明を求めるわけでもなく、ただクルマの中を覗きこんで帰って行く人がいっぱいいるよね。
そういう人の中には、カスタムのアイデアだけを求めて来場する人が結構いるんだよ。
彼らはカスタム系のイベントに行ったときに、そっちに出展する業者さんたちに尋ねるわけ。
「キャンピングカーショーでこういう改造例を見たんですけど、カスタムできますか?」って。
【B】 だけど、内装はすごくシンプルじゃない? あまりこだわっているクルマには見えないんだけど。
【A】 しかし、よく見ると違う。たとえばキャビネット。みな扉がついていないんだよ。
普通のキャンピングカー屋さんの場合、とにかく扉がある方がステータスになると思うから、キャビネットはみな扉つきだよね。
しかし、こういうクルマに乗る人は扉があると不便なんだよ。開けるときに、いちいちシートをずらさないとならないから。
だから、このクルマの場合、キャビネットはみなポケット構造になっている。シートがどの位置にあっても、手を伸ばせばそのまま中の物が取り出せる。
【C】 なるほど。乗用車の感覚か。市販のワゴンはみなそうなっているからね。
【A】 そう。だから「土足厳禁」ではないんだよ。靴を履いたまま乗れるようになっている。
そのため家具類の下にカーペットが巻いてある。つまり靴が当たっても、キャビネットが傷つかないようになっているわけだね。
キャンピングカーというと、誰もがすぐにトイレとかギャレーという装備を思い浮かべるけれど、このシューズプロテクターのような装備は、逆に普通のキャンピングカーにはないわけ。
それに3列目のシートにこだわっていないというのも特徴だしね。
【C】 そうか。一般的なキャンピングカーとは発想が違うというわけか。
【B】 ただ何度もいうけど、ビークルとかレクビィのような老舗のバンコンメーカーはやらない手法だよな。
ニッチな部分を狙っているという面白さはあるけれど、キャンピングカーのメインストリームではない。
【A】 いや、何がメインで何がニッチかなんて、ユーザーにとってはあまり意味がないことだよ。
それよりも、ハイエースの新しいカテゴリーだと思った方が楽しい。乗用車でもなければキャンピングカーでもない。
寝るための設備を持ったワンボックスワゴン。
そういうカテゴリーはみんなが狙っていたけれど、マーケットリサーチをしっかり行った分、このフレックス・ランドナーにアドバンテージがある。
このクルマの開発者には、顧客の顔がしっかり見えていると思うよ。
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