2010年01月27日
リコルソSS
2月の幕張ショーに出展予定の新車、アネックスさんの 「リコルソSS」 をご紹介。

「リコルソSS」 は、今注目の日産NV200をベースにしたライトキャンパー。
本格的なキャンピング装備を組み込んだものというよりも、日帰りドライブだけでも十分に楽しめる “手軽な旅行車” という位置づけの車両である。
だから、 「キャンピングカー」 という仰々しい呼び方をせずに、アネックスでは 「ミニマムRV」 と呼ぶ。
今回、送っていただいた資料は、なんと社内で討議された 「コンセプトメイク」 のメモ。
本来なら、それを翻訳する形でこちらが記事化するのだけれど、今回は、ビルダー内部でどのように新車開発の議論が進められるのか、その様子が伝わってくるものなので、原案に近い状態のものを掲載させてもらうことにした。

《 トレンド分析 》
【現状】
・ 大型車から小型車への流れが世界的に見られる。
・ ハイブリット車の販売が好調。
・ PLAZA 大阪において、小型車の引き合いが多くなっている。
・ 二酸化炭素削減のニュースが頻繁に流れる。
【今後の読み】
小型のキャンピングカー。しかも低燃費。
《 キーワード設定 》
【スマート】
大きなエンジン、大きな車体、いかにも燃費の悪そうな車は賢い選択といえないのではないかと疑問を感じ、低燃費車がこれからのスマートな車だとお考えの方にアピール。
【スモール】
バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい。
【ちゃんと】
チープな作りは好まない。
センス良く、しっかりした品質のもの。

【エコ】
地球に対してローインパクトな車。
《 コンセプトのABC 》
【A、顧客】
・ 50代以上のご夫婦。
・ 旅行は好きだけれど、キャンピングカーを買うほど入れ込んではいない。
・ 自宅の駐車スペースはごく普通の乗用車でちょうどの大きさ。
・ ミニバンと同程度の予算。
・ 軽四では満足しきれない。
【B、提供する便益】
お二人で使うにはちょうど良い大きさ。普段の足にも十分抵抗感なく使える。
【C、確たる理由】
・ 全長4400mm×全高1800mm程度。
・ 車両本体価格 270万円未満 (税込み)
・ エンジンは1600cc、コンパクトカーと同じレベル。
・ 乗車姿勢も自然。 (ハイエースは座席位置が高すぎる)

《 ストーリー 》
【起】 異常気象などが頻発し、二酸化炭素による地球温暖化の影響が心配されています。
【承】 そして、二酸化炭素の排出量の中でも大きな比率を占めるのが自動車です。
【転】 私たちキャンピングカーに関わるものとして、何かできることはあるのでしょうか?
【結】 ANNEXが、21世紀の地球を考えて提案するミニマムRV……RICORSO-SS。

……なるほど。スタッフ会議などでは、新車のイメージをこういうふうに練り上げていくのだな…と分かる。
基本的には、雑誌などを制作する編集会議と変わらない。
まず、時代の流れを分析。
次に近未来社会 (のマーケット) を予想。
そして、キーワードを固め、ターゲットユーザー (雑誌なら読者層) を定める。
商品開発というのは、みなそのように進んでいくのだけど、この 「リコルソSS」 の場合は、比較的、開発陣の “思想的練り上げ” の部分に比重がかけられていると感じた。
つまり、商品にまつわる “物語” をつくろうとしていることが伝わってくる。
それが、たとえば、 「キーワード設定」 に表れた次のようなフレーズ。
「バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい」
ここで行われようとしているのは、ハイグレードなライフスタイルを盲目的に極めようとする上昇志向からの 《決別》 である。
高度成長からバブルの時代にかけて、 「豊かな生活」 とは、常に 「まだ実現されていないもの」 だった。
だからこそ、それが人々の勤労意欲をドライブするエネルギーとなり、日本の経済発展の駆動力となった。
しかし、 「今はそのような時代なのか?」 という問いかけが、この 「キーワード設定」 には含まれている。
すでに、先進国では、モノがあり余っていたのではないか?
にもかかわらず、先進国の大企業は、消費者に一種の “精神的飢餓” のようなものを与え、 「足りていても満たされない」 という擬似的な欲望のループに消費者をハマらせていたのではないか?
そして、そのような近代社会の資本主義的な前進運動が、逆に人と自然を疲弊させ、「本当の豊かさ」 を見失わせていたのではないか?
そういう眼差しが、このアネックスさんの新車開発メモからは感じられる。

「身の丈にあった暮らしを楽しみたい」 というこのキャンピングカーの思想は、ことなかれ主義とか、縮み志向などといった発想とはまったく無縁である。
逆に、 「今の生活の中から、新しい豊かさを探そうよ」 という、発想の転換を示唆するインパクトが秘められている。
キャンピングカーが新しいライフスタイルを創るという信念がなければ、こういう発想は生まれない。
幕張ショーでは、まずアネックスさんに座布団一枚!

「リコルソSS」 は、今注目の日産NV200をベースにしたライトキャンパー。
本格的なキャンピング装備を組み込んだものというよりも、日帰りドライブだけでも十分に楽しめる “手軽な旅行車” という位置づけの車両である。
だから、 「キャンピングカー」 という仰々しい呼び方をせずに、アネックスでは 「ミニマムRV」 と呼ぶ。
今回、送っていただいた資料は、なんと社内で討議された 「コンセプトメイク」 のメモ。
本来なら、それを翻訳する形でこちらが記事化するのだけれど、今回は、ビルダー内部でどのように新車開発の議論が進められるのか、その様子が伝わってくるものなので、原案に近い状態のものを掲載させてもらうことにした。

《 トレンド分析 》
【現状】
・ 大型車から小型車への流れが世界的に見られる。
・ ハイブリット車の販売が好調。
・ PLAZA 大阪において、小型車の引き合いが多くなっている。
・ 二酸化炭素削減のニュースが頻繁に流れる。
【今後の読み】
小型のキャンピングカー。しかも低燃費。
《 キーワード設定 》
【スマート】
大きなエンジン、大きな車体、いかにも燃費の悪そうな車は賢い選択といえないのではないかと疑問を感じ、低燃費車がこれからのスマートな車だとお考えの方にアピール。
【スモール】
バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい。
【ちゃんと】
チープな作りは好まない。
センス良く、しっかりした品質のもの。
【エコ】
地球に対してローインパクトな車。
《 コンセプトのABC 》
【A、顧客】
・ 50代以上のご夫婦。
・ 旅行は好きだけれど、キャンピングカーを買うほど入れ込んではいない。
・ 自宅の駐車スペースはごく普通の乗用車でちょうどの大きさ。
・ ミニバンと同程度の予算。
・ 軽四では満足しきれない。
【B、提供する便益】
お二人で使うにはちょうど良い大きさ。普段の足にも十分抵抗感なく使える。
【C、確たる理由】
・ 全長4400mm×全高1800mm程度。
・ 車両本体価格 270万円未満 (税込み)
・ エンジンは1600cc、コンパクトカーと同じレベル。
・ 乗車姿勢も自然。 (ハイエースは座席位置が高すぎる)
《 ストーリー 》
【起】 異常気象などが頻発し、二酸化炭素による地球温暖化の影響が心配されています。
【承】 そして、二酸化炭素の排出量の中でも大きな比率を占めるのが自動車です。
【転】 私たちキャンピングカーに関わるものとして、何かできることはあるのでしょうか?
【結】 ANNEXが、21世紀の地球を考えて提案するミニマムRV……RICORSO-SS。
……なるほど。スタッフ会議などでは、新車のイメージをこういうふうに練り上げていくのだな…と分かる。
基本的には、雑誌などを制作する編集会議と変わらない。
まず、時代の流れを分析。
次に近未来社会 (のマーケット) を予想。
そして、キーワードを固め、ターゲットユーザー (雑誌なら読者層) を定める。
商品開発というのは、みなそのように進んでいくのだけど、この 「リコルソSS」 の場合は、比較的、開発陣の “思想的練り上げ” の部分に比重がかけられていると感じた。
つまり、商品にまつわる “物語” をつくろうとしていることが伝わってくる。
それが、たとえば、 「キーワード設定」 に表れた次のようなフレーズ。
「バブルなんてとっくの昔に過去のもの。 “いつかは○ラ○ン” というフレーズも過去のもの。背伸びするのではなく身の丈 (たけ) にあった暮らしを楽しみたい」
ここで行われようとしているのは、ハイグレードなライフスタイルを盲目的に極めようとする上昇志向からの 《決別》 である。
高度成長からバブルの時代にかけて、 「豊かな生活」 とは、常に 「まだ実現されていないもの」 だった。
だからこそ、それが人々の勤労意欲をドライブするエネルギーとなり、日本の経済発展の駆動力となった。
しかし、 「今はそのような時代なのか?」 という問いかけが、この 「キーワード設定」 には含まれている。
すでに、先進国では、モノがあり余っていたのではないか?
にもかかわらず、先進国の大企業は、消費者に一種の “精神的飢餓” のようなものを与え、 「足りていても満たされない」 という擬似的な欲望のループに消費者をハマらせていたのではないか?
そして、そのような近代社会の資本主義的な前進運動が、逆に人と自然を疲弊させ、「本当の豊かさ」 を見失わせていたのではないか?
そういう眼差しが、このアネックスさんの新車開発メモからは感じられる。
「身の丈にあった暮らしを楽しみたい」 というこのキャンピングカーの思想は、ことなかれ主義とか、縮み志向などといった発想とはまったく無縁である。
逆に、 「今の生活の中から、新しい豊かさを探そうよ」 という、発想の転換を示唆するインパクトが秘められている。
キャンピングカーが新しいライフスタイルを創るという信念がなければ、こういう発想は生まれない。
幕張ショーでは、まずアネックスさんに座布団一枚!
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