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聖マタイの招命

 土曜日の夜、家にいるときは、テレビ東京の 『美の巨人たち』 をよく観る。

 毎回、内外の絵画、彫刻、建築などからひとつの作品を採りあげ、そこに秘められた “ドラマ” を描き出すという番組なのだけれど、ミステリ仕立てに作られたシナリオが面白いし、それを語る俳優・小林薫さんのナレーションが素敵。

 抑揚を抑えて、淡々と語るナレーションなんだけれど、小林薫さんがドラマで演じる役柄のように、どこか人を食ったような、とぼけた味わいもあり、それでいて、語る対象に対する敬意と愛情に貫かれていて、秀逸な語り口であるように思う。

 「芸術」 というジャンルを扱う番組は、やたら教養主義的な権威主義が表に出てしまうものだが、この番組だけは、しっかりエンターティメントやっていると思う。

 1月16日に放映された番組では、カラヴァッジオの 『聖マタイの招命』 という絵が採りあげられていた。

 ナレーションで 「しょうめい」 と何度も連呼されたのに、最初その意味が分からなかった。
 証明?
 照明?
 正銘?
 …と、いろいろ漢字を思い浮かべてみたが、テロップが出て 「招命」 だと分かる。
 ところが、私のワープロの変換ではこの漢字が出てこない。

 ネットで調べてみたら、 「教会で、主に牧師になることを指す言葉」 だとか。どうやら宗教用語のようだ。

 で、この 『聖マタイの招命』 という絵は、マタイという男が、キリストの要請 (招命) に応じて宗教者としての道を歩む、そのきっかけとなるシーンを描いた絵らしい。

カラヴァッジオ「聖マタイの招命」全体

 特徴的なのは、登場人物たちを、キリストが生きた古代の風俗で描くのではなく、カラヴァッジオが生きた時代の人々の風俗で描いたこと。
 それも、みなカラヴァッジオの友人たちや、街でスカウトされた人たちがモデルとして使われたという。

 そのことによって実現された徹底したリアリズムと、光と影のコントラストを強調した技法は、後のベラスケス、レンブラント、ルーベンスに多大な影響を与えたと伝えられている。

 『聖マタイの招命』 は、そのような光と影を立体的に描くヨーロッパ絵画の技法を、最も初期の段階で完成させた作品のひとつだということだった。

 小林薫さんが、その絵を視聴者に見せながら、語る。
 「さて、この絵の中で、はたしてマタイはどこにいるのでしょう」

 この番組は、常にそのような “謎解き” の面白さで、視聴者を引っ張っていく。
 シナリオは、まずキリストの指差す方向 (↓) に視聴者を注目させる。

聖マタイの招命キリストの指

 すると、絵の中央に描かれたヒゲのオヤジ (↓) が、
 「え、私?」
 と自分で、自分のことを指差す。

聖マタイの招命ヒゲオヤジ

 で、長いこと、この絵の解釈では、そのヒゲオヤジがマタイだとされてきた。
 しかし、近年の研究では、そのオヤジのさらに左側で、キリストの招命などには無関心に、うつむいたまま、一心不乱にカネを勘定している若者 (↓) だといわれるようになったのだとか。

聖マタイの招命マタイ

 この絵は、キリストが収税所に立ち寄って、マタイに声をかけるところを描いた作品で、座っているのはみな収税所の役人たちである。
 貧乏人からも厳しく税を徴収する彼らは、当時は 「罪人」 と同じように、人々から忌み嫌われ、さげすまれていた。

 そのため、キリスト以外の宗派の宗教指導者たちは、彼らを 「救われない者」 と見定め、信仰者として教育することをハナっから嫌っていたらしいが、キリストは、 「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である」 として、収税者たちの間にも、積極的に分け入っていったという。

 で、マタイは、その “ありがたい” キリストの招命にもかかわらず、キリストには目もくれず、テーブルの上に散らばったカネを一心不乱に勘定しているというわけだ。

 カラヴァッジオは、なぜそのようなマタイを描いたのか。

 「カラヴァッジオ自身が、まさにマタイのような男だったからだ」 と番組は、小林薫さんに、そう語らせる。

 カラヴァッジオは、その鋭い写実主義的な技法で、 「天才」 の名をほしいままにした画家だが、 「神の恩寵」 を無視することの多い罪深い男だったという。

カラヴァッジオ肖像

 激情型の彼は、日常生活では、問題を起こしっぱなしだった。
 酒場では、しょっちゅう他のお客に議論をふっかけ、喧嘩を起こし、暴力沙汰で逮捕されることなど日常茶飯事だったという。

 1606年には、ついに賭博の掛け金をめぐって殺人事件を起こし、ローマから逃亡。
 マルタ島に移ってからも、やはり暴力沙汰で投獄され、脱獄してシチリア、ナポリを転々としていたと伝えられている。

 日常生活では、地獄の劫火に焼かれながら過ごすカラヴァッジオだが、ひとたび絵筆を取ると、同時代のどんな画家よりも 「人間の真実」 に迫る、恐ろしいほどリアルな世界を描き続けた。

 だから、 「キリストの招命を受けて改心する男のドラマは、自分以外の画家には描けない」 という強い思いが、カラヴァッジオにはあっただろう、と番組は説明する。

 絵の中に描かれた、カネ勘定に励むマタイの横顔は、よく見ると、動揺しているようにも、泣いているようにも見える。

聖マタイの招命マタイ

 そこには、酒に酔えば必ず暴力沙汰を引き起こす自分の弱さと、絵筆を取ったときの自分の強さの両極の中で生きた画家自身の表情が、悲しみを込めながらも、冷徹に描かれているように感じられる。

 マタイは、結局キリストの信頼に応えられる弟子となり、その言行を 「マタイ伝」 として記し、後世にキリストの教えを忠実に残すことになる。
 そして、後にエチオピアで、キリストの教えを広めている最中に、当時の王の怒りを買い、刺客に殺されて殉教したと伝えられている。

 カラヴァッジオも、その絵画技法が円熟味を増した30代後半に、マラリアに侵され、短い生涯を閉じる。

 「マタイ伝」 (マタイによる福音書) は、新約聖書におさめられた四つの福音書のひとつだが、イエス・キリストという人物の容赦ない激しさ、理論の曖昧さを許さない厳しさを余すところなく伝える書であるともいわれている。
 
 たとえば、
 「私が来たのは、地上に平和をもたらすためだと思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ。
 私は、人をその父に、娘を母に、嫁を姑に、敵対させるために来たのだ」
 というような、一見、家族共同体を否定するようなイエスの教えは、当時の弟子たちを驚かせ、彼らにも容易には理解されなかっただろうと言われている。

 しかし、そのような激しさは、ある意味、弟子たちに 「自分を突き放すような」 絶対的なものに触れる契機を与えた。

 「人間を超える」 という概念が西洋で生まれのは、そのことと無縁ではないはずだ。

 マタイは、そのことに敏感に気づいた弟子の一人であり、そのマタイを描いたカラヴァッジオも、それに気づいた画家の一人かもしれない。

 カラヴァッジオは、酔って人に暴力をふるうという、自分の 「人間としての弱さ」 を、絵画を絶対的な世界に高めることによって超えようとした画家であるように思う。

 参考記事 「荒野のディラン」

音楽&映画&本 | 投稿者 町田編集長 10:56 | コメント(4)| トラックバック(0)
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コメント
聖書に出てくる聖人たちは、みな欠け・負い目を持っている人ばかりです。
12弟子のリーダーで最後まで一緒に突き進むと公言していたペテロは、最後の最後でイエスを裏切ります。しかし、そんなペテロが初代ローマ教皇の訳で、キリスト教は聖人君子ではない間違ったり、悔やんだり、憤ったり、嘆いたり、落ち込んだりする人たちの上に神の憐れみがあることを伝える宗教なんでしょう。
招命はある時突然来るものなのでしょう。それまでは、誰もがみな神ではなく目先の利益や快楽の方を向いているのでしょうね。
それを神はよしとしてくれています。それに応えるためにもいい人生を楽しく送りたいものです
投稿者 Take 2010/01/18 00:30
>Take さん、ようこそ。
ペテロの裏切りの話は、どこかで読んだことがあります。…遠藤周作さんの本だったか…忘れましたが、確かイエスが 「鶏が二度鳴くまでに、お前は私を三度否認するだろう」 とペテロに予言したという話ですよね。

ペテロは 「とんでもない」 とそれを否定するわけですが、実際には窮地に陥りそうなイエスと関わるのを恐れて、村人たちの問いかけに対し、 「私はあの男とは関係ない」 と三度も否認したとか……間違っていたらごめんなさい。
そして、その後でイエスの言葉を思い出し、さめざめと泣くという話だったと思います。

実はそのことに、なんとも言えない感動を覚えたことがあるのです。
「そこからスタートしてもいいのだ!」
という気持ちが湧いたんですね。
ペテロはそこからイエスの誠の弟子としてスタートするわけですよね。
遠藤さん (…だったと思う) は、確か 「弱さが絶対的な強さに変わる契機」 というような表現をされていたと思いますが、なんとも奥深いものだな…と感じ入ったことがあります。

こんなことをいうと、敬虔な信仰を持つ方からは本当に怒られそうに思うのですが、私は 「文学」 としての聖書に、すごく魅力を感じています。聖書には、英雄叙事詩などという 「物語」 の構造に収まりきらない独特の深みがあるように思います。
Takeさんを前に、信仰もなく、何も知らないクセして、生意気な感想を述べて申し訳ありません。お許し下さい。
 
投稿者 町田 2010/01/19 00:06
いやいや、牧師の説教のような(笑)
それが「信仰」でなく、ただの文学としてでも、そこで何かが得れれば、それが「招命」なのかもしれませんね。
こちらこそ、知ったかぶりのコメントで失礼しました。
投稿者 Take 2010/01/19 22:09
Take さん、ようこそ。
Takeさんに、>「そこで何かが得られれば、それが 『招命』 なのかもしれない」 と言われて、なんか救われたような気持ちになりました。

私は、聖書や信仰に対して無縁な人間です。でも敬虔でありたいと思っています。

>「知ったかぶりのコメント」 …なんてとんでもない。
いろいろ教えていただくことが、こちらにとっては 「快楽」 なんです。
 
投稿者 町田 2010/01/20 00:55
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