町田の独り言 キャンピングカーのガイド本を編集する町田が語るよもやま話

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現代経済学の限界

 朝のテレビで、あるニュースキャスターが 「経済の立て直し」 を今の政府に要求していた。
 「なんとかしろ! 自殺者が年間3万人もいる。キレイゴトはもういい! 国民がちゃんと生きていけるような生活を保証しろ」
 そう叫んでいた。

 そして、
 「人々が安心と安定を手に入れられる政策を、今からドーンと打ち出してもらいたい」
 と締めくくった。

 それを見て、こう思った。
 「お前が打ち出してみろよ」

 「今の政治に意見しているだけで、問題は解決するのかい?」
 「マスコミってのは、ただ政府に文句を言っているだけでいいのかい?」
 「今そうしゃべっているお前は、この先どう生きていくつもりなのよ?」
 「テレビを見ている視聴者に対し、マスコミから訴える提案というのはないのかよ?」

 結局、政権は交代したけれど、マスコミは何も刷新されていないことが分かった。
 ワイドショーで繰り広げられるキャスターやコメンテーターたちの政界レポートは、 「民主党」 という言葉を 「自民党」 に置き換えれば、しゃべっている内容は4~5年前とほとんど変わらない。

 はっきりいうと、今の経済問題を、政治家たちに解決させるなんて、もう不可能な時代に入ってきている。
 マスコミは、そこのところを見極めていない。

 結局、個人が 「どう生きていくのか?」 という問題を、個々人で考えていかなければならない時代になってきているのだ。

 この世界的な大不況を克服するために、どこの国の政府もあらゆる方法を使って、経済システムの再構築を試みている。
 日本だけでなく、アメリカでも、ヨーロッパ諸国においてもしかり。
 しかし、そのどこが、それに成功したというのか?

 株価が多少浮き沈みすることはあっても、結局、もう1960年代のような華々しい経済成長を謳える国なんて、どこにもありはしない。

 それは、今までの経済理論がすべて立ち行かなくなってきたような状況を迎えているからである。

世界の紙幣

 もともと、欧米人の経済観は、 「放っておけばうまくいく」 という根強い楽観主義に支えられてきた。

 19世紀のイギリスに生まれた古典経済学などという考え方がそのひとつである。
 これは、
 「市場というものは、国家や政府が介入しなくても自己調整能力があり、放っておいても “神の見えざる手” によって、うまい案配に調和していくものである」
 という考え方に基づいた主張だった。

 しかし、実際には、どこの国でも、富の分配に片寄りが生まれ、人々の間に 「階級対立」 ともいえる経済格差が生まれることになった。

 このような傾向に異を唱えて、共産主義革命を目指したのがマルクス主義だったが、資本主義システムの中でこれを是正しようとしたのが、いわゆるケインズ理論。

 ケインズは、古典派経済学と、その理論をより精緻に練りあげた新古典派経済学を批判し、
 「現代社会においては、放っておいても均衡のとれた市場などが生まれるわけはない。
 政府はしっかりと市場をコントロールし、不況が訪れたときには積極的に財政出動などをして景気を刺激し、さらに公共事業を活発に行って、雇用を生み出す努力をすべきだ」
 と主張した。

 戦後のほとんどの資本主義国家では、このケインズの主張を採り上げ、それによって経済の安定と技術の進歩を獲得し、人類は空前の繁栄を謳歌するまでに至った。

 ところが、強欲に走ったイギリスとアメリカの資本主義は、このケインズ型の経済政策によって生じた財政赤字を一挙に取り戻すことを試みた。
 イギリスのサッチャー首相が手を染め、アメリカのレーガン大統領によって完成された 「新自由主義」 的な経済政策がそれである。

 これは、ケインズ以前の古典主義・新古典主義経済の理屈を蒸し返すもので、要は、政府による市場へのコントロール操作をやめ、再び古典主義経済のようにあらゆる規制を取り払って、企業家たちのやりたいように任せようという政策であった。

 以降、アメリカの経済政策は野放しになった。
 つぅーか、儲かるものなら何でもアリという風潮が台頭することになった。
 いわゆる現在の金融資本主義が、ここから生まれてくる。

 しかし、その結果、世界はどうなったか?
 「リーマンショック」 に代表されるように、高度に発達した金融社会は、それが破綻したときの恐ろしさを世界中に見せることになった。

 そもそも、金融資本主義が、合理的で科学的だと信じ込んでしまう感覚が間違っていたのかもしれない。

 たとえば、金融工学が発達することによって注目されるようになった 「デリバティブ」 (金融派生商品) という商品がある。

 このデリバティブは、投資先を一つに絞ったときに生じるリスクを回避させるため、短期金融商品や債権や株式を組み合わせて、リスクを分散化させるために商品化されたものだが、一方では、少ない資金でも多額な資金運用を可能にするという側面を持ち、またたく間に巨額の利益を得ることを可能にした。

 これが、実はクセモノだった。

 デリバティブは、金融工学の専門家たちが、複雑な統計的なデータをもとに、高度な数学的な技法を用いて解析を行っているように見えるため、素人にはものすごく信用度の高い商品に思えてしまう。
 しかし、いったん金融危機に見舞われてしまうと、もう専門家でも資産の喪失を止められなくなってしまう。

 この4~5年猛威を振るった 「市場原理主義」 は、昨年のリーマンショック以降、このような金融危機を生む元凶と目されるようになり、さすがに声高に主張する声はどこからも聞かれなくなった。

 だが、金融崩壊が世界にもたらした傷の爪痕は、なかなか癒えない。

 この大不況が脱出できる経済政策はあるのだろうか?

 多くの国民は、政府にそれを期待しているだろう。

 しかし、はっきりいうと、特効薬は一つもない。

 昔だったら、ここでケインズ政策の出番だった。
 景気を刺激するための 「減税」 および 「財政出動」 と、雇用を促進するための 「公共事業の振興」 である。

 だが、そのための財源がない。
 日本ばかりでなく、先進国のどこも似たり寄ったりだ。

 かつては、不況が訪れたときには、財政出動によって景気を刺激するだけでよかった。
 そうすれば、経済が活況を取り戻し、税収も増え、財政出動で減った分だけの財源を賄うことができた。

 だが、それは、経済が右肩上がりで成長を続け、それにともなって人口が拡大していく時代の話である。
 それとまったく反対の方に向かっているのが、今の日本だ。

 こうなると、社会を 「閉塞感」 が覆う。
 あらゆる面で 「先が読めない」 という状態が続き、その不安感が、人々の消費を鈍らせる。

 その結果、モノが売れず、企業の体力が弱くなり、企業は社員のリストラや給料カットでしのがなくてはならなくなる。
 そうなると人々の生活はさらに圧迫され、ますますモノを買わなくなる。
 これが世にいう 「デフレスパイラル」 の構造だ。

 では、そこから脱出する方法はあるのか?

 ひとつは、時代の先を見ようとして不安になるのだから、もう先など読まないことだ。

 そもそも、こういう状況では、もう人間が 「先を予測する」 のは無理。

 アメリカとソ連が東西に分かれてにらみ合っていた冷戦時代までは、まだ地球上の民族は 「国民国家」 単位で経済活動を行っていたから、先が読めた。

 ところが、冷戦が終結し、ソ連や東欧の社会主義陣営までが市場経済を取り入れるようになると、市場が一気に地球規模にまで拡大することになり、その “先読み” を不可能にした。

 このようなグローバル経済の世の中では、ひとつの国の経済危機が、思いもかけないような早さで世界に飛び火し、どこで、どのような影響が出てくるのか、そう簡単に読めないようになってしまう。

 もともと経済というのは、人間の欲望によって駆動されるものである。
 「カネが欲しい」 「うまいものを食いたい」 といった人々の欲望の総和が、その民族や国家単位の経済活動となって世の中を動かしてきた。

 そのような国家単位で 「経済」 を見るだけなら、国家を構成する民族のキャラクターが経済活動にも反映されるから、多少は 「先が読めた」 。

 しかし、グローバル経済は、文化、宗教、言語、教育レベル、経済格差などすべてが異なる人々のおびただしい欲望によって駆動されていく。

 そこに、各国の企業の複雑な思惑が絡む。
 今や世界最先端のテクノロジーを一夜にしてくつがえすようなイノベーションは、どんな国から起こるか分からない。

 グローバル経済の世界では、 「敵」 も 「味方」 も存在せず、ただ 「競争相手」 だけがめまぐるしく変わるカオス (混乱) が渦巻いている。

 そのカオスを、今の経済学で解き明かそうというのは、ちょっと無理なのだ。
 グローバル経済の行く末を 「見る」 ということは、どんな優秀な経済学者でも不可能に近い。

 そのようなカオスの中においても、人間の 「欲望」 というものが一定程度の形を整えているのなら、まだ分かりやすい。

 ところが、一人の人間がいつも同じ欲望を抱くということなどありえない。
 人の行動は、必ずしも合理的ではない。
 人の欲望も、定形性がない。

 要するに、それらは数値には還元できないものだったのだ。

 それなのに、数学や統計学の手法を用いた数理経済学や金融工学は、そのような人間の欲望をベースにした経済行動を、あたかも可視的で計測可能のようなものとして扱った。

 データ化して数値化されたものは、確かに一見、実証性の高い科学のように見える。
 しかし、それが “見せかけ” だったことは、今度の米国サブプライムローンの破綻から生まれたリーマンブラザースの崩壊、それによる世界危機へ至る流れの中で実証されてしまった。

 そう考えると、 「経済学」 などという学問が成立する方が不思議に思えてくる。
 「占い」 とどこが違うのだろう?
 テレビに出てくる経済学者たちは、みな筮竹 (ぜいちく) などを持ってグニャグニャかき回していた方がサマになりそうだ。

 しかし、絶望するのはまだ早い。

 どうすればいいのかというと、結局は無駄なものにお金をつかうしかない。

 テレビなどで、家計やりくり番組を見ていると、 「経済に明るい」 とかいうオバさまが出てきて、賢い消費とか、倹約の方法とか教えてくれるけれど、逆なのだ。

 今の世の中では “無駄” と思われるようなところに、ドーンとお金を放出するのがいいのだ。 

 「無駄なもの」 につかうというのは、浪費という意味じゃない。
 もちろん、それも時には大切なことかもしれない。

 しかし、そういう意味ではなく、 「心が豊かになるもの」 にお金を投資するということなのだ。

 本を買って読む。
 好きな映画をさんざん観る。
 キャンピングカーを買って旅行に出る。

本を読む

 要するに、 「すぐに成果の出ないもの」 に投資する。
 今日や明日に投資額を回収しようという発想はだめ。

 そのことを、今の経済社会は忘れている。

 今の経済学は、数理経済学や金融工学が中心となっている。
 これは、人間の心に生じる 「解明できないもの」 を無視することによって発展してきた学問体系である。

 すなわち、 「儲け」 にならないもの、数値化できないものを排除して成立する思考様式だ。
 具体的にいうと、 「哲学」 と 「倫理」 を置き去りにした学問である。

 だから、金融経済が主流になる世の中になると、道徳とか倫理とか、文化とかいうものへの関心がどんどん薄らぐような環境が生み出されてくる。
 そうなれば、世の中が殺伐としたものに感じられてくるのは、当たり前である。

 今の時代に、人々が感じる 「不安感」 というのは、経済現象の先行きが見えないところから来るというよりも、むしろ、人々がお互いの “人間味” が読めなくなってしまったことに由来するといった方が正しい。

 もともと、経済学というのは、お金を中心に考える学問なのだから、本来ならば人間の欲望の解明などと密接に関わり合う、広い意味での 「人間学」 であったはずだ。

 そういう人間学のようなものは、すぐには答が出ない。
 代わりに、それに打ち込むことによって、 「今」 が充実する。

 「先」 を読んで、少しでも人より有利に立とうなどと考えるよりも、 「今」 を生きた方がいい。
 「今の自分」 を豊かにするものに、積極的に投資する。

 そうして金を環流させていくしかない。

 「今」 を充実させることに力を入れた方が、結果的に、より良い将来を招き寄せることになるはずだ。

 関連記事 「デフレの脱却法」
 

コラム&エッセイ | 投稿者 町田編集長 02:48 | コメント(6)| トラックバック(0)
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コメント
経済の流れ、仕組みとその事象がコンパクトかつ的確に書かれていて、さすが町田さん! 筆が冴えていますね。下手なコラムニストや専門家より説得力があると思いました。

私も同感ですが、この殺伐とした世の中の正体は、一部のエリートが考え出した数字のマジック、机上の経済学なのかも知れませんね?

本来、人は効率ばかりで動く訳ではないので、無駄な行為が逆に人間らしかったりして面白いのですが、その無駄に支えられる人間性の追求の消費なんていうのは、いまの時代にマッチしていると思います。

即金性のない寄り道の経済学が、これからの指針になるかも知れませんね?

「いまを生きる」ということは、如何に人生を充実させるかという人間学でもある訳ですから、町田さんの主張は、ある意味とてもホットな新経済学とも考えられます。

私にとっては、今年の良い気づきになりました。
投稿者 磯部 2010/01/08 05:00
私が思うに、「経済」はハード、「経営」はソフトだと思うわけで。

 しかし、ハードが良くても、何者かが悪魔的な発想で作ったソフトを組み込み、ユーザーでもある経営者が、良からぬ企みのためにつかったなら、していた場合は最悪の結果が待ってることは分かり切ったことで。

 様々な経営学から導き出された、市場経済の崩壊まで、どれぐらいの時間で終了するか。

 と、言う計算は簡単に出来る。逆の言い方をすれば、破綻するまでの計算が出来ると言うことは、どのような形で破綻させれば、経営者は贅沢できるか。

 その計算方法を最近世に広めた有名人が、例の堀江さんだと思うわけで。マスコミもこぞって、一夜限りの悪魔の方程式に群がってたわけだから。

 なんか、大型の貨客船に保険をかけて、事故を装って沈めて大金を得る・・みたいな。

 経済の怖さは、それ自体では爆発もしなければ、鋭利な刃物みたいに、人を殺す凶器にもならない。しかし、それを使う人によこしまな考えがあるなら、狡猾に他人の財産を搾取する手段にもなりうるわけで。もっと怖いのが、末代の破滅は、自分にとっては怖くもなんともないところじゃないだろうか。

 一番いいと思うのが、経営者になる人には、適性検査を受ることの義務化を、世界レベルで行い、高いモラルを持った人だけがなれるようにすることだと思うわけです。

 結局は、兵器か、経済学か、見た目に血が流れるか、流れないか。手に握る凶器の違いだけで、卑劣な戦争をしていることに変わりはないわけで。

 でも、いつかそういう本質を見極めたカリスマも、きっと出てくるんじゃないでしょうか。
投稿者 ミペット1号試作品 2010/01/08 17:14
モラルの適性検査をするなんてナンセンスだし、現実問題としてできるわけがない。
だいいちそんなことをしても、適性検査をパスしたのだからもう何をしてもよい、ということになって、かえって逆効果かもしれない。
経営者のモラルなんて、時代がつくるものであって、いまやモラルを持った経営者がいないということは、そういう時代だ、というだけのことでしょう。
時代が変わらなければ何も解決されないし、時代は変わるのかもしれない。 byボブ・ディラン
投稿者 タイゾー 2010/01/08 20:23
>磯部さん、ようこそ。
磯部さんのおっしゃるとおり、今の金融工学というのは、>「一部のエリートが考え出した数字のマジック、机上の経済学」 の最たるものらしいですね。

なにしろ、NASAで宇宙開発に臨んでいた自然科学者たちが、仕事がなくなってきたので、金融に流れたという話があるくらいですから。

そういう普通の人間の能力を超えたような連中が、机上の計算だけで、一夜にして、「兆」 「京」 とかいう単位のお金をサイバー空間に流しちゃうわけだから、もう想像を超えた世界です。

だから、いったん破綻すると、もう誰に取り返しがつかないわけで、そういう怖さをみんな抱えているんですけれど、なにしろ扱う金額が人間の想像枠を超えているので、その 「怖さ」 すら麻痺してしまうらしい。

そういう世界らしいです。

だから、私なんかは、せいぜい目に見える範囲のところで、それこそ1,000円とか、2,000円で楽しめる “無駄” をしっかり味わう。
私などにできるのは、せめてそれくらいです。
 
投稿者 町田 2010/01/09 03:34
>ミペット1号試作品さん、ようこそ。
おっしゃるとおり、消費者や社員を犠牲にしてまでも、ひたすら自己の利益だけを求めて、経営に臨むという経営者がいることは確かですね。

ただ、どうなんでしょう。こと日本の場合は歴史的にみても、そういう露見するくらい大掛かりな背徳的経営を行った人間が社会的制裁を受けなかった例はないように思うのですが。(闇組織は別ですけど…)

今は内部告発のような慣習も定着してきたようですし、時代劇に出てくる悪徳商人のような生き方を貫くことは難しい時代になっているような気もします。

ただ 「経済は怖いものだ」 というのは確かですね。今の経済現象は、人間の制御能力を超えてしまっているので、“悪徳経営者” などという個人レベルの悪行を超える甚大な被害を、簡単に人に与えてしまうことがあります。

これだけは、台風みたいなものです。
無力な我々のような人間は、ただ天気図を見守りながら、「早く海の方にでも逸れてくれ」 と祈るしかないように思います。
 
投稿者 町田 2010/01/09 03:45

>タイゾーさん、ようこそ。
ボブ・ディランの 『時代は変わる』 は名曲ですね。
こんな歌詞があるようですよ。

 いいか、国中のお父さんお母さんたちよ
 じぶんが理解できないことを批判するな
 あんたらの息子や娘たちはもう
 あんたらの言うとおりには、ならないんだ
 あんたらの来た道はどんどん古びている
 もし、若い奴らに手を貸せないのなら
 せめて奴らのジャマはするな
 時代はいま変わっているから

 スタートの合図が鳴って
 誰かさんにとっての災いが飛び出した
 いま遅れている奴が
 いずれリードすることになる
 いまの順序は意味がなくなってきている
 いま一番の奴が
 いずれビリになるだろう
 時代は変わっているから
 
投稿者 町田 2010/01/09 03:54
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